牧場経営者のCO2排出量削減を支援、家畜用の新しい環境アセスメントサービス

持続可能な畜産 / 農業において、測定作業は、食糧システムを炭素排出源から炭素吸収源へと転換するプロセスの、最初のそして時には最も困難なステップだ。

そこで、農業を中心とした食糧システムに科学的に注力するDSMと、持続可能性のためのデータ分析を行うコンサルティング会社Blonk(ブロンク)が共同開発したのがSustell(サステル)だ。これは、牧場主が自らの農場経営の持続可能性を理解し、改善するための、ソフトウェアと実践的なサービスを組み合わせたものだ。

持続可能で再生可能な農業の定義は統一されていいないが、通常、土壌中の炭素をより多く回収するための土地管理方法の工夫、より環境に優しい家畜飼料の使用、トラクターなどの農機具による化石燃料使用量の削減など、さまざまな変更が行われる。目標は、温室効果ガスの約14.5%にあたる、畜産業から排出される7.1ギガトンのCO2を削減することだ。

DSMのサステナビリティ&ビジネスソリューション担当副社長のDavid Nickell(デビッド・ニッケル)氏は「動物生産の状況を個々の農場レベルまで正確に把握することが強く求められています」という。「もちろん個々の農場の状況は極めて異なっています。そして、実際の農場のデータを使用して、その農場の正確な姿を把握できるシステムが必要なのです」。

このシステムは気候変動、資源利用、水不足、流出、オゾン層破壊など、19種類のカテゴリーについて、対象の農場の活動が環境に与える影響を分析する。農家は飼料の成分や使用量、糞尿の管理方法、動物の死亡率、電力システムなどのインフラ、輸送ロジスティックス、ガス浄化装置や余熱循環システムなどの緩和技術などの、日々のオペレーションに関するデータを提供するが、場合によってはそれらはソフトウェアにパッケージングされる。

そして、Blonkの環境フットプリント技術は農場のライフサイクルアセスメントを作成する。これは、家畜の飼育開始から農場のゲートを出るまでの環境影響を分析するものである。DSMとBlonkは、鶏、豚、乳製品や卵の生産など、ほとんどの陸上の農場家畜用にSustellモジュールを作成しており、今後は牛や水産養殖にも拡大していく予定だ。

Blonk Consultants(ブロンク・コンサルタンツ)ならびにBlonk Sustainability Tools(ブロンク・サステナビリティ・ツールス)のCEOであるHans Blonk(ハンス・ブロンク)氏は「本当に重要なのは、これまで開発されてきた方法論や基準の流れの上に乗せることができたことです」と語る。

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Blonkは、国連食糧農業機関や欧州委員会などの農業環境基準を1つにまとめ、そのソフトウェアが有用で実用的な洞察を得るために必要な、基礎データの膨大なライブラリを作成した。

「現在のお客さまは、ご自身が何をしているのかを理解したいと思っていらっしゃいます」とニッケル氏はいう。「ご自身のベースライン(フットプリント)を理解し、それをランク付けしたいと考えていらっしゃるのです。何が良くて、何が良くないのかを理解なさりたいということです。お客さまは、国や業界のベンチマークなど、他のベンチマークと比較して自分たちがどのような評価を受けているのかを知りたがっていらっしゃいます」。

Sustellソフトウェアによって農場の排出量が明らかになると、農家は改善すべき点を特定し、DSMは排出量を削減する方法の実施を支援します。これにより、顧客にエンド・ツー・エンドのサービスを提供し、地球に良い影響を与えることができるのだ。

「実践的な介入によって、変化を起こすことができます」とニッケル氏はいう。「私たちは、家畜製品生産のフットプリントを削減する技術に投資してきました。サービスの内容は測定であり、それを変化を生み出すソリューションと結びつけることです。これこそが、この切実な変化を実現するための完全なソリューションなのです」。

しかし、Sustellがその変化を生み出すためには、広く採用され、競合他社との間で学びを共有する必要がある。現在のDSMや、ある意味では資本主義のシステムは、それに対応できるようには作られていない。

ニッケル氏によれば、DSMはまず、Sustellを大手総合畜産会社に持ち込むことに焦点を当てている。これは、革新的な新しい環境技術が、資金や資源のある大手農業コングロマリットや協同組合に採用されて、小規模な家族経営の農場は取り残されてしまうという普遍的な課題となる。しかし、ニッケル氏は、Sustellを小規模な農場にも対応できるようにしたいと考えている。

2つ目の問題は、データの共有だ。ニッケル氏は、Sustellがデータのプライバシーや所有権に関する規則を遵守することを明確に述べているが(これは通常良いことだ)、実際、本当に意味のある環境変化を起こすためには、透明性が重要だ。競合他社同士は、その排出量削減のための最良の方法を、皆が採用して地球を救うために共有する必要があるが、多くの企業はデータを強く囲い込んでいる。

「データ共有は、時間の経過とともに進んでいくと思います」とニッケル氏はいう。「まだその段階には達していないのです。おそらく、より多くのお客様がフットプリントとその報告についての透明性を高められることで、そうしたレベルになるのかもしれません」。

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カテゴリー:EnviroTech
タグ:農業畜産二酸化炭素持続可能性カーボンフットプリント

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(文:Jesse Klein、翻訳:sako)

サステナビリティに配慮しながら赤ちゃんにも優しいKudosのコットン製使い捨ておむつ

子育て経験のある人なら、使い捨ておむつの驚くほど狭い世界をよくご存知だろう。救いの手がやってくるかもしれない。

Kudos(クドース)は、使い捨ておむつをサステナビリティに配慮して再発明しようとするスタートアップだ。米国時間6月1日、240万ドル(約2億6000万円)のシードラウンドを完了した。出資者はFoundation Capital、XFund、PJC,Precursor Ventures、Liquid 2 Ventures、SV Angel、Underscore VC、Alpha Bridge Ventures、April Underwoodなどとなる。

共同ファウンダーでCEOのAmrita Saigal(アムリタ・サイガル)氏はKudosについて、Cotton Inc.の Cotton Naturalマークを取得した最初で唯一の赤ちゃん用使い捨ておむつだと説明した。赤ん坊の肌に触れるのがプラスチックではなく綿100%だからだ。また、現状の大手ブランド使い捨ておむつと比べて、植物由来材料を4倍多く使っている。

使い捨ておむつは多くの層で構成されている。Huggies(ハギーズ)、Pampers(パンパース)などの標準的紙おむつには、石油化学製品、ポリエステルなどの繊維をはじめ多くのプラスチックが使われている。事実、ある柔らかく感じている使い捨ておむつのトップシート(赤ちゃんの肌にふれる部分)も、ほとんどがプラスチックで作られている。

Kudosはその代わりにオーガニックコットンを使う。グリーンな材料を使うことに注力して、おむつの吸収部分には森林協議協会を通じて収穫された完全脱塩素の綿毛パルプを使っている。

それだけではない。性能はおむつの材料と同じく重要だとセイガル氏は説明し、多くの親たちは環境に優しい製品を使うことは性能を犠牲にすることだと思っている、と語った。親たちは自分の赤ん坊のための製品に関して、自分自身のためよりもずっと高い基準を持っている、と彼女は説明した。

「女性用ケア商品のことを考える時、私は環境に優しい製品を選ぶことがありますが、少々性能が落ちるのが苦痛であっても自分のことなので我慢できます」とセイガル氏はいう。「しかし親として、もし子どもに発疹ができれば自分の生活と睡眠に影響します。紙おむつに関して、親はサステナブルな製品に対して(自分のものと)同じ余裕を持てません」。

読者は気になっているかもしれない、私と同じく、この種の製品の防御力について。大手企業がもっとサステナブルなコットン製おむつを開発するのをどうやって止められるのか。

セイガル氏によると、大手ブランドはプラスチックからコットンに切り替えるために生産プロセス全体を見直す必要がある。実はセイガル氏はP&G(ピーアンドジー)で働いていたことがあり、KudosのおむつエンジニアリングアドバイザーであるJim Keighley(ジム・キーリー)氏(P&G時代の上司)ともそこで出会った。

キーリー氏は声明文で次のように語った。

大手ブランドは接着機械を完全に作り直す必要があります。どの会社でも使っている圧着技術はプラスチック由来の材料にしか使えないからです。それには多大な時間と予算の投資が必要で、市場のリーダーとして現行製品を製造している柔軟性を損なうことにもなります。

KudosはD2C(消費者に直接販売)サブスクリプションモデルを採用しており、赤ちゃんの身長、体重の変化に応じたサイズのボックスが月額78ドル(約8550円)で送られてくる。好みのボックス(3~5日分)を14ドル(約1530円)で単体購入することもできる。

カテゴリー:その他
タグ:Kudos育児子どもサステナビリティコットンサブスクリプション資金調達

画像クレジット:Kudos

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(文:Jordan Crook、翻訳:Nob Takahashi / facebook

気候問題専門の投資会社Congruent Venturesが約188億円調達、バイデン政権下で勢い

現在直面している気候の緊急事態を回避するためのテクノロジーとサービスを専門とするアーリーステージ投資会社のCongruent Ventures(コングルーエント・ベンチャーズ)が最新のラウンドで1億7500万ドル(約188億円)を調達した。

資産3億ドル(約323億円)を管理する同社はプレシード、シード、シリーズAラウンドの投資にフォーカスしており、Abe Yokell(アベ・ヨーケル)氏とJoshua Posamentier(ジョシュア・ポサメンティエ)氏によって創業された。2人は20年以上にわたって気候分野に投資してきた。

「インフラと気候に熱心な新政権の始動、そして緊急の気候変動をめぐるグローバルの問題への大幅に遅延していた資金の流入で、輸送やエネルギートランジッション、持続可能な生産と消費のための食料・農業などに取り組む36社超にわたるポートフォリオを当社はカバーしています」とヨーケル氏は声明で述べた。

ポートフォリオの企業には、菌糸体を使った肉のメーカーMeati、産直食料マーケットプレイスのMilk Run、効率的な製造のためのソフトウェアを開発しているPicoMES、電動自動走行トロッコのデベロッパーParallel Systems、アルミニウム添加剤メーカーAlloy Enterprises、自動の温室栽培システムを提供するHippo Harvest、ハードプレスされた廃棄物のリサイクルを行う組織の効率を改善するためのリサイクルロボットを展開しているAmp Roboticsなどが含まれる。

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Congruent VenturesはMicrosoftのClimate Innovation Fund(気候イノベーション基金)、Prelude Venturesの系列会社、Jeremy and Hannelore Grantham Environmental Turst、Surdna Foundation、UC Investmentsのような著名なリミテッド・パートナーを抱える。

「つい最近まで、気候と持続可能性にフォーカスしているアーリーステージ資金は完全に不足していました」と共同創業者でマネージングパートナーのポサメンティエ氏は述べた。「当社は起業家が無数の落とし穴を回避するのをサポートできる最も初期の段階で投資し、起業家がたくましい企業に育て、追加の資金を調達するのを手伝います。その結果、世界最大の部門のいくつかにおける最も差し迫っている環境の問題に取り組んでいます」。

Congruentの企業の3分の1はエネルギーや公共インフラに直接取り組んでおり、米政府が提案するインフラ支出法案で莫大な利益を得るかもしれない。その上、Congruentのリミテッドパートナーには管理する資産が7000億ドル(約75兆5156億円)のインフラ投資家が含まれ、そうした投資家はCongruentのポートフォリオ企業によって開発されたテクノロジーの潜在顧客だ、とCongruentは声明で述べた。

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カテゴリー:VC / エンジェル
タグ:Congruent Ventures気候変動持続可能性投資資金調達

画像クレジット:Teerawut Bunsom / EyeEm / Getty Images

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(文:Jonathan Shieber、翻訳:Nariko Mizoguchi

「バドワイザーは卵を作る」食料大手が代替タンパク質産業に相次いで参入、投資額も急増

企業は代替タンパク質市場の潜在性に急速に目覚めつつある。米国最大の消費者ブランドが引き続き投資し、消費者がより健康的で環境的にも持続可能な食品へ移行するのをサポートしているスタートアップと提携している。

アースウィーク(地球保護週間)が近づく中、先に発表された新たな提携は、古い事業を一変させる新しいテクノロジーのポテンシャルを示している。

米国時間4月21日にAB InBevの投資・イノベーション部門であるニューヨーク拠点のZX Venturesは、卵の代用品の「醸造」などを含むタンパク質生産テクノロジーのデベロッパーClara Foodsと提携すると明らかにした。バドワイザーのメーカーであるAB InBevは飲用するというよりお湯で茹でるタイプの液体を作るための体制を整えている。

その場合、卵が孵化するかどうかは未来の消費者であるあなた次第だ。

「当初からClaraは世界の非動物性タンパク質へのトランジッションを加速させることをミッションとしてきました。まずは卵から始めています。毎年1兆個超の卵が世界で消費されていて、企業の放し飼いの約束は十分ではありません」とClara Foodsの創業者でCEOのArturo Elizondo(アルトゥーロ・エリゾンド)氏は話した。「地球に優しく、よりおいしい未来の実現に向けて協業するために、世界最大の発酵の会社と提携することに興奮しています。この提携は当社のビジョンの実現に向け大きなステップです」。

2020年の代替タンパク質への投資規模の拡大を示すグラフ。2019年から2020年にかけて代替タンパク質への投資は10億ドル(約1080億円)から30億ドル(約3240億円)に急増し、中でも植物性タンパク質の製品への投資が大半を占めた(画像クレジット:Good Food Institute)

提携はマーケット主導という理由がある。両社が引用した研究によると、高品質タンパク質への需要は2050年までに98%増えると予想されている。

「増大する食料需要に応えるには、新旧のいくつかの産業にまたがるコラボレーションとイノベーションの上に構築された画期的なソリューションを必要とします。昔ながらの自然な発酵プロセスは、グローバルの食料システムにおける未来の需要に応えるのをサポートするために、さらに利用することができます」とBioBrewの創業者でCEOのPatrick O’Riordan(パトリック・オリオーダン)氏は述べた。BioBrewはビール以外のものに大規模の発酵と下流処理の専門性を応用しようとしているZX Venturesの新規事業だ。「スケーラブルで持続可能、そして採算の合う方法でClara Foodsとともに高機能な非動物性タンパク質開発を開拓するのを楽しみにしています」。

一方、似たようなことがセントルイスでも起こっている。そこではシリアル大企業のPostもさまざまな代替肉を作っているスタートアップHungry Planetに投資している。

Kellogg(ケロッグ)のシリアル帝国を立ち上げたのと同じ植物ベースの食料と精神的核となるものとしての健康にフォーカスしているセブンスデー・アドベンチスト(安息日再臨派)によって組織されたPostは長らく、グレープナッツシリアルや他の穀物ベースの朝食の商品でコーンフレーク大企業のライバルだった。

そして今、PostはHungry Planetの2500万ドル(約27億円)の投資をリードした。Hungry Planetはクラブケーキ、ラム肉バーガー、鶏肉、豚肉、牛肉の肉ベースの代替品の提供を目指している。その他の投資家にはシンガポール拠点の環境に配慮したホールディングカンパーニーTrirecがある。

業界の動向を追跡しているGood Food Instituteによると、代替タンパク質はビッグビジネスだ。2020年、タンパク質の代替ソースのテクノロジー開発を手がけている企業や商業化している企業は30億ドル(約3240億円)超を調達した。

「2020年に代替タンパク質産業は前年よりもかなり多くの資金を調達し、レジリエンスだけでなく加速を示しました」とGFI法人エンゲージメントのディレクターであるCaroline Bushnell(キャロライン・ブッシュネル)氏は声明で述べた。「こうした資金流入と今後まだ行われる資金調達は、かなり必要とされているR&Dと、これらの企業がスケール展開してより多くの消費者に美味しくて手頃な値段、そして入手しやすい代替タンパク質の製品を提供できるようにする生産能力の構築を促進するでしょう」。

これは、森林破壊を止め、畜産関連の温室効果ガスの排出を減らすために、これまでよりも植物ベースの代替品を動物性タンパク質にもたらそうとする動きの一環だ。

「人類は我々が抱える問題の規模と緊急性に対応するソリューションを必要としています」とエリゾンド氏は述べた。

カテゴリー:フードテック
タグ:ZX VenturesClara Foodsタンパク質代替肉代替卵Anheuser-Busch InBev持続可能性

画像クレジット:plus49/Construction Photography/Avalon/Getty Images / Getty Images

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(文:Jonathan Shieber、翻訳:Nariko Mizoguchi

世界最大級の消費財・食品メーカーたちが持続可能サプライチェーンアクセラレーターに参加

世界最大級の消費財・食品メーカーたちが、ビールのBudweiser(バドワイザー)の親会社であるAnheuser-Busch InBev(AB InBev、アンハイザー・ブッシュ・インベブ)が運営する投資プログラムへの参加を決定した。この投資プログラムは、サプライチェーンの持続可能性を追求するアーリーステージの企業を支援するためのものだ。

アースデイ(4月22日)にタイミングを合わせて行われた今回の発表は、企業や消費者が、リサイクルプログラムがプラスチック廃棄物に関連する問題に適切に対処できておらず、そして現在の気候緊急事態に影響を与えている消費者の行動や工業製品の生産と流通に関わる幅広い問題に直面している中で行われた。

この「100+ Accelerator」という名のAB InBevのプログラムは、ウォーター・スチュワードシップ、循環型経済、持続可能な農業、気候変動対策における、サプライチェーンの課題を解決することを目的として、2018年に開始された。これらの課題は、AB InBevの新しいパートナーであるColgate-Palmolive(コルゲート・パルモリーブ)、Coca-Cola(コカ・コーラ)、Unilever(ユニリーバ)たちも熟知している。

声明によれば、アクセラレーターと投資プログラムの開始以来、AB Inbevは16カ国で36社を支援してきた。支援されるスタートアップ企業たちは、その後2億ドル(約216億3000万円)以上を調達している。

このアクセラレータープログラムは、パイロットプログラムへのファンド組成を行ったり、アーリーステージの企業たちが世界のトップコンシューマーブランドの経営陣と相談できる機会を提供したりしている。

プログラム開始以来、AB InBevはスタートアップたちと協力して、リターナブルパッケージプログラムの試験運用、コロンビアの醸造所での水とエネルギーの使用量を削減するための新しい洗浄技術の導入、アフリカと南米の小規模農場への保険の提供、ブラジルでの廃棄物の回収強化、中国での電気自動車用バッテリーのリサイクル、醸造過程で発生する穀物の廃棄物をアップサイクルして、栄養価の高い新たな食材の創出などを行ってきた。

外部の投資家や規制当局からの圧力が強まる中、企業は自社の各プロセスをより持続可能なものにするための方法に注目し始めている。

長い間懸案だった、このような大手企業同士の共同イニシアチブは、ビジネスから環境に対する影響の削減に大きく貢献できる可能性はあるが、その結果は、これらの企業が小さなパイロットプログラムを超えて、ソリューションを実際に展開していく、コミットメントの深さとスピードにかかっている。

直近のアクセラレータープログラム申込期限は2021年5月31日だ。

カテゴリー:EnviroTech
タグ:Anheuser-Busch InBevサプライチェーン持続可能性循環型経済

画像クレジット:NOEL CELIS/AFP via Getty Images

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(文:Jonathan Shieber、翻訳:sako)

スタートアップにはバイデン大統領のインフラ計画を支持する110兆円分の理由がある

Joe Biden(ジョー・バイデン)大統領が2021年3月末に提案した膨大なインフラ投資計画概算で2兆ドル(約220兆円)の規模となり、大幅な増税もともなう。スタートアップとテクノロジー業界全体にとって、この計画の価値は実に1兆ドル(約110兆円)ほどになる。

テクノロジー企業は過去10年以上、農業、建設、エネルギー、教育、製造、運輸、流通といった昔からの業界に適用できるイノベーションの開発に取り組んできた。こうした業界は、非常に強力なモバイルデバイスの出現により、ようやく最近テクノロジー適応における構造的な障害が取り除かれた業界だ。

これらの業界は現在、より強固な経済再建を目指す大統領の計画の核となっている。バイデン政権が期待する取り組みの大半を実現するのは、スタートアップや大手のテクノロジー企業が提供するハードウェアサービスやソフトウェアサービスだ。米国を再び偉大にすべく費やされる何千億ドルもの資金は、直接的であれ間接的であれ、こうした企業にとって大きな後押しとなるだろう。

投資会社Energy Impact Partners(エナジーインパクトパートナーズ)のパートナーを務めるShayle Kann(シェイル・カン)氏は「バイデン氏の新計画に織り込まれている環境重視の投資は、ARRA(American Recovery and Reinvestment Act、米国復興・再投資法)における投資額のおよそ10倍の規模となる。これは、クリーンな電気や炭素管理、車両の電気化など、環境テクノロジーを扱う幅広い部門にとって大きな機会となるはずだ」と話している。

この計画の感触は多くの面でグリーンニューディールに似ているが、目玉は米国が切実に必要とするインフラの最新化、そしてサービスの改善だ。事実、エネルギー効率化はもはや新時代の建設の一部となっているため、グリーンニューディールの核であるエネルギー効率や再生可能エネルギーの開発計画を無視してインフラに投資することは難しい。

関連記事:バイデン次期大統領の気候変動対策はグリーンニューディールに依存しない

予算案のうち7000億ドル(約77兆円)以上は自然災害への耐性強化に用いられる。例えば、水道、電気、インターネットといった重大なインフラの改修や、公営住宅、連邦ビル、老朽化した商業不動産や住宅不動産などの復旧・改善だ。

また、別途4000億ドル(約44兆円)ほどの資金が、半導体など国内の重要な製造業の強化、将来のパンデミック対応、そして地域のイノベーションハブの立ち上げに投じられる。地域ごとのイノベーションハブは、ベンチャー投資とスタートアップ育成の促進を目指したもので「有色人種のコミュニティやサービスが行き届いていないコミュニティにおける起業家精神の向上を後押しする」ものとなる。

気候への耐性

2020年に米国を襲った数々の災害(および合計で推定1000億ドル、約11兆円ほどの被害額)を鑑みると、バイデン計画の焦点がまず災害対策に向けられていることにも納得できる。

バイデン計画の概要としては、まず500億ドル(約5兆5000億円)を融資に投じ、Federal Emergency Management Agency(連邦緊急事態管理庁)とDepartment of Housing and Urban Development(住宅都市開発省)のプログラム、またDepartment of Transportation(運輸省)の新たな取り組みを通じて、サービスが不十分で災害リスクが最も高いコミュニティにおける強化・保護・投資を行う算段だ。スタートアップに最も関係する点として、大規模な山火事や海水位の上昇、ハリケーンなどを阻止してこれらに備え、農業の新たなリソース管理を実現し「気候に強い」テクノロジーの開発を促進するための取り組みやテクノロジーには、積極的に資金が提供される。

バイデン氏の大がかりなインフラ戦略の大部分と同様、これらの問題にも解決に向けて取り組んでいるスタートアップが存在する。例えば、Cornea(コルネア)Emergency Reporting(エマージェンシーレポーティング)Zonehaven(ゾーンハーヴェン)などの企業が山火事におけるさまざまな側面の解決に取り組んでいる他、洪水予測や気候監視を行うスタートアップもサービスを展開し始めている。また、ビッグデータ分析、監視・感知ツール、ロボティクスといった分野も農場に欠かせない存在となりつつある。大統領がてがける節水プログラムやリサイクルプログラムについては、Epic CleanTec(エピッククリーンテック)をはじめとする企業が住宅ビルや商業ビル向けに廃水のリサイクル技術を開発したところだ。

米国再建物語

バイデン氏のインフラ投資計画で圧倒的な額を占めているのが、エネルギー効率の向上と建物の改修だ。実に4000億ドル(約44兆円)もの資金が、丸ごと住宅やオフィス、学校、退役軍人病院や連邦ビルの改修に充てられる。

Greensoil Proptech Ventures(グリーンソイルプロップテックベンチャーズ)Fifth Wall Ventures(フィフスウォールベンチャーズ)が立ち上げた新たな気候重視の基金は、バイデン氏の計画によってさらにその理論の信頼度を高めることとなる。2億ドル(約220億円)の投資手段を確立し、エネルギー効率と気候テックのソリューション事業に力を入れている基金だ。

フィフスウォールに最近参加したパートナーであるGreg Smithies(グレッグ・スミシーズ)氏は2020年、エネルギー効率の分野で建物の改造とスタートアップのテクノロジーに大きなビジネスチャンスが広がっていると述べている。

「この分野では、実入りが良く、すぐに着手できる案件が数多くある。これらの建物の価値は260兆ドル(約2京9000兆円)にも上るが、ほとんど近代化されていない。こうした老朽化物件に注力すれば、ビジネスチャンスは格段に広がるだろう」。

不動産の脱炭素化もまた、住民の暮らしの質と満足度を高められるだけでなく、世界的な気候変動への取り組みを大きく変える分野だ。フィフスウォールの共同設立者、Brendan Wallace(ブレンダン・ワランス)氏は、声明の中で「エネルギー全体の40%を不動産が消費している。世界経済は屋内で動いているのだ。不動産は炭素問題に大きく関与しているため、気候関連のテクノロジーへの出資が特に多い分野となるだろう」と述べている。

手頃な価格での住宅建設が難しい現状を鑑み、バイデン計画では、この障壁を取り除くための具体的な方策を講じる地域に報酬として柔軟な財政支援を行うよう、新しい補助金計画の議会成立を求めている。その一部に含まれるのは、米国の公営住宅のインフラ改修に使われる400億ドル(約4兆4000億円)の資金だ。

このプロジェクトには、すでにBlocPower(ブロックパワー)などのスタートアップが深く関わっている。

ブロックパワーの最高責任者兼設立者、Donnel Baird(ドネル・ベールド)氏は次のように述べている。「まさにヒーローの登場だ。バイデン・ハリス政権が発表した気候対策は、まさに米国の経済と地球を救うプランで、 「Avengers: Endgame(アベンジャーズ / エンドゲーム)」の現実版を見ている気分だ。過去5年間はやり直せなくても、スマートで大がかりな投資をして未来の気候インフラを整備することならできる。200万軒もの米国の建物を電気化し、化石燃料から完全に切り離す取り組みは、まさに米国への投資だ。新しい業界を生み出し、外国に流出しない雇用を米国人のために創出し、将来的には建物が排出する温室効果ガスを30%削減することにもなるのだ」。

連邦政府によると、スタートアップに直接影響する投資計画の中には、Clean Energy and Sustainability Accelerator(クリーンエネルギーおよび持続可能性促進法)の取り組みとして、270億ドル(約3.0兆円)を投じて個人投資を集める提案書が含まれている。この取り組みで重視されるのは、分散型エネルギー資源、住宅・商業ビル・庁舎の改造、そしてクリーンな運輸だ。サービスが行き届いておらず、クリーンエネルギーへの投資機会がなかったコミュニティに重点が置かれる。

未来のスタートアップ国家への資金提供

連邦政府は次のように発表している。「半導体の発明からインターネットの誕生まで、経済成長の新たな原動力となっている分野は、研究や商品化、強力なサプライチェーンなどを支える公共投資によって成長してきた。バイデン大統領は議会に対し、研究開発、製造、地域単位での経済成長、さらにはグローバル市場での競争に勝つためのツールやトレーニングを従業員と企業に提供する人材育成といった分野について、スマートな投資を行うよう呼びかけている」。

これを実現すべく、バイデン氏は別途4800億ドル(約53兆円)を費やして研究開発を促進する予定だ。このうち500億ドル(約5兆5000億円)は半導体、高度通信技術、エネルギー技術、およびバイオ技術への投資として国立科学財団へ、300億ドル(約3兆3000億円)は農村開発、さらに400億ドル(約4兆4000億円)は研究基盤の強化に充てられる。

また、インターネットを生み出したDARPAプログラムをモデルに、Advanced Research Projects Agency(国防高等研究計画局)の一機関として、気候問題に主眼を置いたARPA-Cの設立を目指す動きもある。気候専門の研究・実証プロジェクトに対する資金としては、200億ドル(約2兆2000億円)が投じられる。こうしたプロジェクトに該当する分野は、エネルギー貯蔵をはじめ、炭素の回収・貯留、水素、高度な核燃料、および希土類元素の分離、浮体式洋上風力発電、バイオ燃料・バイオ製品、量子計算、電気自動車などである。

製造業に資金投入するバイデン氏の取り組みでは、さらに3000億ドル(約33兆円)の政府財政援助を行う用意がある。このうち300億ドル(約3兆3000億円)はバイオプリペアドネスとパンデミックへの準備、500億ドル(約5兆5000億円)は半導体の製造・研究、460億ドル(約5.0兆円)は連邦政府による新たな高度原子炉、核燃料、自動車、ポート、ポンプ、クリーン物質の購買力向上に使われる。

これらすべてで強調されているのは、国内全体で公平かつ均等に経済を発展させるという点だ。そこで、地域のイノベーションハブに加え、刷新的なコミュニティ主導の再開発事業を後押しするCommunity Revitalization Fund(コミュニティ再生基金)に200億ドル(約2兆2000億円)が割り当てられ、農村部の製造業およびクリーンエネルギーの促進を目標にして、国内の製造業投資に520億ドル(約5兆7000億円)が割り当てられる。

さらに、スタートアップ関連では、スモールビジネスがクレジットやベンチャーキャピタル、研究開発費用を獲得できるよう支援するプログラムに310億ドル(約3兆4000億円)が投じられる。予算案では特に、有色人種のコミュニティやサービスが行き届いていないコミュニティの発展を後押しすべく、コミュニティベースのスモールビジネスインキュベーターやイノベーションハブへの資金提供を呼びかけている。

水道と電力のインフラ

米国のC評価のインフラが抱える問題は国内のいたるところで見受けられ、その内容も、道路や橋の崩壊、きれいな飲料水の不足、下水設備の欠陥、不十分なリサイクル施設、発電・送配電設備の増加し続ける需要に対応しきれない送電網などさまざまだ。

連邦政府の声明によると「配管や処理施設が全国で老朽化しており、汚染された飲料水が公衆衛生を脅かしている。推定では、600~1000万軒の住宅への飲料水配給でいまだに鉛製給水管が使われている」とのことである。

この問題に対処するため、バイデン氏は450億ドル(約4兆9000億円)をEnvironmental Protection Agency’s Drinking Water State Revolving Fund(環境保護庁州水道整備基金)とWater Infrastructure Improvements for the Nation Act(水道インフラ改善法)を通じた助成に充てる計画だ。こうしたインフラ交換のプログラムはスタートアップに直接影響することはないかもしれないが、飲料水・廃水・雨水の処理設備や水に含まれる汚染物質の監視・管理システムの改善にさらに660億ドル(約7兆2000億円)が費やされれば、水質検査やフィルタリングなどを扱うさまざまなスタートアップがここ10年以上市場にあふれていることを考えると、恩恵は大きい(事実、水道技術に特化したインキュベーターもあるほどだ)。

悲しい事実ではあるが、米国内の水道インフラの大部分は維持が追いついておらず、こうした大規模な資金投入が必要となっているのである。

また、水道に関して言えることは、近年電力に関しても言えるようになってきている。連邦政府によると、停電による米国の経済損失は年間700億ドル(約7兆7000億円)以上にも上る。この経済損失と1000億ドル(約11兆円)の出費を比較すれば、どちらがいいかは一目瞭然だろう。スタートアップにとって、この計算式で浮く金額はそのまま会社の利益につながる。

より耐久性のある送電システムを構築することは、Veir(ヴェイル)をはじめとする企業にとっては実にうれしい話だろう。ヴェイルは、送電線容量の増加に向けた新しい技術の開発に取り組んでいる企業だ(このプロジェクトは、バイデン政権も計画内で明確に言及している)。

バイデン計画には資金提供だけでなく、Department of Energy(エネルギー省)内部に新しくGrid Deployment Authority(送電網配備局)を設置する案も盛り込まれている。連邦政府はこれを、同局の設置について、道路や鉄道沿線の敷設用地をより有意義に活用し、資金提供手段を通じて新たな高圧送電線を開発するためとしている。

同政権の取り組みはこれだけにとどまらない。エネルギー貯蔵技術と再生可能技術を後押しするため、これらの開発には税額控除が適用される。つまり、直接払いの投資税額控除と生産税控除が10年延長され、その後、徐々に控除が減額されるというわけだ。この計画では、クリーンエネルギーの包括的補助金を捻出する他、政府の連邦ビルについては再生可能エネルギーのみを購入することが盛り込まれている。

バイデン政権下では、クリーンエネルギーとエネルギー貯蔵に対するこの支援に加え、廃棄物の浄化と汚染除去の分野で予算を大きく拡大し、210億ドル(約2兆3000億円)が投じられる予定だ。

Renewell Energy(レネウェルエナジー)をはじめとする企業や、放置された油井を塞ぐ取り組むを続けるさまざまな非営利団体は、この分野に携わることができるはずだ。また、その他の鉱床の回復や、こうした油井から出る排水の再利用といった取り組みの可能性も考えられる他、ここでも投資家はビジネスチャンスを狙うアーリーステージの企業を見出だせるだろう。バイデン計画から出される資金の一部は、汚染されて利用できなくなった工業用地を再開発し、より持続可能なビジネスに変えるために用いられる。

屋内での農業をてがけるPlenty(プレンティ)、Bowery Farms(バワリーファームズ)、AppHarvest(アップハーヴェスト)などの企業は、利用されていない工場や倉庫を農場として再利用することで、大きな利益を上げられるかもしれない。送電網に関する需要を考えれば、閉鎖された工場をエネルギー貯蔵やコミュニティベースの発電に使うハブ、あるいは送電設備に生まれ変わらせることもできる。

連邦政府の声明によると「バイデン大統領の計画は、Appalachian Regional Commission(アパラチア地域委員会)のPOWER補助金プログラム、エネルギー省による(セクション132プログラムを通じた)閉鎖工場の改革プログラム、さらにはコミュニティ主導の環境正義活動を後押しする専用の資金を通して行われる、持続可能な経済開発の取り組みを促進するものである。コミュニティ向けの支援としては、旧世代の環境汚染や蓄積された環境への影響を最前線や工場に隣接する地域で経験してきたコミュニティがこうした問題に対応できるよう、能力構築助成金やプロジェクト助成金が給付される」。

こうした再開発事業の鍵は、スチール、セメント、および化学製品の大規模な製造施設向けに炭素の回収・修復の実証実験を行うパイオニア施設の設立だ。とはいえ、バイデン政権が望めば、さらに一歩先へ進んで低排出の製造技術開発に取り組む企業を支援することもできるだろう。例えば、Heliogen(ヘリオゲン)は大規模な採掘作業用に必要な電力を太陽光発電でまかなっている他、BMWと提携しているBoston Metal(ボストンメタル)は炭素排出量がより少ないスチール製造プロセスの開発を進めている。

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また、これらの資金を使うために不可欠な前提条件として、開発前の段階にある事業に投資する必要がある。これには250億ドル(約2兆7000億円)が割り当てられており、Forbes(フォーブス)誌のRob Day(ロブ・デイ)はこの資金について、比較的小規模のプロジェクトデベロッパーを後押しするだろうと述べている。

デイ氏は次のように述べている。「他の記事でも書いたように、持続可能性に関するプロジェクトを最も有意義な形で、つまり現地の環境汚染や気候変動による打撃を最も受けたコミュニティで実施するには、地元のプロジェクトデベロッパーが鍵となる。比較的小規模のプロジェクトデベロッパーは、単に民間企業のインフラ整備投資を受けるだけでも、多額の出費が必要となる。持続可能性政策に携わる人は皆、起業家の支援について話すが、現状の支援対象の大半は技術開発者で、実際にこうした技術革新を展開する小規模のプロジェクトデベロッパーには支援が向けられていない。インフラの投資家も通常、プロジェクトの建設準備が整ってからでないと資金を提供したがらないものだ」。

より良いインターネットの構築

連邦政府は次のような声明を出している。「広帯域インターネットは、新時代の電気のようなものだ。米国人が仕事をして、平等に学校で学び、医療サービスを受け、人とつながるには広帯域インターネットが欠かせない。それにもかかわらず、ある調査によると、3000万人以上の米国人は最小限必要な速度の広帯域インフラがない場所で生活している。また、農村部や部族の所有地で暮らす米国人のインターネット環境はとりわけ貧弱だ。さらに、OECD諸国の中で米国の広帯域インターネット料金が特に高いこともあり、インフラが整っている地域に暮らしていながら実際には広帯域インターネットを利用できない人も多く存在する」。

バイデン政権は、広帯域インターネットのインフラ整備のために1000億ドル(約11兆円)を支出するにあたり、高速の広帯域インターネットのカバレッジを100%に引き上げる他、地方自治体、非営利団体、および共同組合が所有・運営・提携するネットワークを優先することを目標としている。

新たな資金投入にともない、規制政策にも変化が生じる。これにより、地方自治体が所有または提携するプロバイダーや農村部の電気協同組合が民間のプロバイダーと競合することになり、インターネットプロバイダーは料金形態をさらに透明化する必要が生じる。競争の激化はハードウェアベンダーにとってもメリットとなり、最終的には独自のISP立ち上げを目指す起業家の新事業も生まれる可能性がある。

そうしたサービスの1つが、ロサンゼルスで高速のワイヤレスインターネットを提供するWander(ワンダー)だ。

連邦政府の声明によると「米国人は他の国の人と比べてもインターネット料金を払いすぎている。そこで、大統領は議会に呼びかけて米国人全員のインターネット料金を引き下げ、農村部と都会の両方のインフラを強化し、プロバイダーに説明責任を課し、納税者のお金を守るためのソリューションを全力で探している」とのことだ。

カテゴリー:パブリック / ダイバーシティ
タグ:ジョー・バイデンインフラ環境問題災害農業炭素脱炭素電力持続可能性公共政策アメリカ

画像クレジット:Bryce Durbin/TechCrunch

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(文:Jonathan Shieber、翻訳:Dragonfly)

二酸化炭素ゼロの再エネ100%電力を提供するCleenTechの「アスエネ」が3億円調達、脱炭素社会を目指す

(左から)グロ ラクマツーラ/VPoE、西和田浩平CEO、岩田圭弘COO、江森靖紘Sustainable Leader

(左から)グロ ラクマツーラ/VPoE、西和田浩平CEO、岩田圭弘COO、江森靖紘Sustainable Leader

再生可能エネルギーの電源を特定し、電力の地産地消を進めるCleenTechスターアップのアスエネ(旧リフューチャーズ)が事業展開を加速させている。地元産の再生可能エネルギーから電力をまかなえるサービスが企業に評判がいい。

クリーン電力サービス「アスエネ」を提供するアスエネは4月2日、シリーズAラウンドで第三者割当増資により3億円の資金調達を行ったと発表した。引受先はインキュベイトファンド、環境エネルギー投資、STRIVEとなる。2019年10月に創業したアスエネは、同年12月に行ったシードラウンドの資金調達と合わせ、今回で累計調達額が3億7500万円となった。なお、同社は2020年8月に会社名をアスエネに変更したことに合わせ、サービス名も「アスエネ」に統一している。

アスエネは二酸化炭素排出量ゼロとなる再生可能エネルギー100%の電力を、製造業の工場や企業の店舗・施設などに提供してコスト削減を図るサービスとなる。また、再生可能エネルギーの供給元となる地域・発電所を選べるようにして、地域貢献をするサステナブルな企業としてのブランディングに繋げている。

この他、アスエネは顧客施設の電力使用量や二酸化炭素削減量などを見える化し、パソコンやスマホ経由でブラウザからいつでもデータを確認できるようにしている。電力料金が高い月や時間帯を予測して事前に通知するアラート機能などもある。

サービスの特徴は、再生可能エネルギー100%の電力を地産地消できる仕組みだ。これまでは、発電所から工場に電気が流れる過程で電力が混ざってしまうため、再生可能エネルギーなどの電源特定は難しかった。つまり、企業は地域の再生可能エネルギーを使おうにも、どこの電気がどこで使われるかをトラッキングできていなかったのだ。

アスエネは、パブリックブロックチェーンを活用した非改ざん性の高い独自のトラッキングシステムを用いて、この課題を解決している。同システムにより、発電所側と顧客施設のスマートメーターで測定される電力使用量データを30分毎にマッチングさせることで、どこからどこに電力が流れたかをトラッキングし、電源を特定できるようにした。

二川工業製作所が持つ太陽光発電所

アスエネは2020年5月にサービスを始めてからの10カ月間、導入契約・受注数は毎月平均で約100%の成長率を記録し、20以上の業界で導入されるなど急成長している。サービスの対象エリアは東京電力エリア(関東地方)のみでスタートしたが、現在は東北電力エリアと中部電力エリア、関西電力エリア、中国電力エリア、九州電力エリアが加わり、全国6エリアにサービスを展開。今後は北陸電力エリア、四国電力エリアへの進出も視野に入れている。

直近では、アスエネは兵庫県の建設機械装置・部品メーカー二川工業製作所と連携し、同県にある二川工業製作所の全8工場の電力を、再生可能エネルギー100%の電力でまかなえるようにした。同県の二川工業製作所が持つ太陽光発電所2カ所からの電気をアスエネ独自のトラッキングシステムで電源特定することで、電力の地産地消を実現させている。二川工業製作所は約600万キロワットの電力をアスエネに切り替えたことで、年間の二酸化炭素排出削減量が約2900トンに上るという。

今回の調達資金は、人材採用や組織強化やシステム開発、販促・広告費などに充てる。アスエネの西和田浩平CEOは「次世代に向けた脱炭素社会の創造に挑戦していきます」と意気込みを語った。

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カテゴリー:EnviroTech
タグ:アスエネ二酸化炭素資金調達電力日本持続可能性

説明責任向上を目指してNorrsken VCはパートナー報酬にポートフォリオ企業の持続可能性達成度を紐づけ

最新の投資ファンドをクローズさせたNorrsken VC(ノルスケンVC)は、そのポートフォリオ企業が、単に経済的なリターンだけでなく、世界にもたらした有益な変化の評価も加味してパートナーへの報酬を決めるという、前代未聞の一歩を踏み出した。

2021年3月第4週に、2020年の影響評価を発表した同社は、国連が定める17の持続可能な開発目標(SDGs)のうちの7つに取り組む企業に投資を行い、その目標達成度を、厳しく監視されたものから、ややわかりきった当たり前のものまで、幅広い基準で審査してきた。

場合によっては、目標は単なる顧客満足度となることもある(製品に多くの顧客がつくことは、それだけよくやっている証だ)。しかし公正を期すならば、それは教育や医療など、企業のサービスが与えるインパクトを正確に測定するのが難しい分野に限られる。

同社のポートフォリオ企業は、気候変動緩和や持続可能分野において、はっきりと目に見える進歩を遂げている。排出削減やエネルギー効率の向上などの成果は、実際に簡単に測定できる。そしてそうしたエネルギー効率化や排出削減は、同社のフードテックおよびアグテック事業に関連する廃棄物低減の取り組みと相まって、同社では最高のパフォーマンスを示している。

ポートフォリオ企業がエグジットすれば、そのパフォーマンスは、Norrskenのパートナーに多大な影響を及ぼす。彼らの報酬は、直接それに左右されるからだ。

「私たちが投資を行うときは、その1つ1つに、インパクト面で期待される事業に関して投資前の目標を定めます」と、Norrsken VCのジェネラルパートナーTove Larsson(トーブ・ラーソン)氏はいう。「私たちはそれを、ファンドの主要なリミテッドパートナー数名とともに決めています。目標設定は、諮問委員会の承認を必要とするからです。目標は各年ごとに定め、その後は1年ごとに見直します」。

「ファンドがサイクルの終わりに到達すると、私たちはすべてのインパクトKPIを集計し、各企業の投資額に応じてウェイトを振り分けます。それに基づいて、Norrskenは各社の成功報酬の有無を判断します」。

ポートフォリオ企業は、Norrskenと諮問委員会が定めたインパクト目標の60パーセントを達成できた場合、成功報酬の半分を受け取ることができ、残りは慈善団体に寄付される。「割合は100パーセントまでの間で直線的に変化します。もし目標が達成できなかった場合は、成功報酬は慈善団体やNGOに寄付されます」とラーソン氏は話す。

「◯」はインパクト目標の達成度、「■」は成功報酬の割合(画像クレジット:Norrsken VC

Norrskenのパートナーは、その画期的な報酬構造を差別化のポイントと見定めつつ、特に国連のSDGsに関連するテーマに注力する企業の劇的な増加が継続されることに期待を寄せている。

「投資を開始したとき、私たちは一番手グループの一員でした。それは4年前です。それから市場は急速に変化しました。あまりにも変化が早いために、どうしたら突出できるのか、自分たちが本当のインパクトプレイヤーなのかどうか、どうすれば知ることができるのかを、みんなに聞いて回ったほどです」とNorrskenのジェネラルパートナーAgate Freimane(アガト・フリーメイン)氏は話す。

「これがDNAの中核部分です。私たちは良い結果を出して、有言実行を示さなければなりません」とフリーメイン氏はいう。そこで同社は、欧州投資基金の先例に倣うことにした。同基金は、報酬に同じような制限を課していると彼女はいう。「このやり方を聞いたとき、100パーセント納得できる、どうしてみんなやらないのかと感じました」。

これまで、同社が自ら定めた目標を達成できなかったことはなかった。「2020年の目標は119パーセント達成しました」とフリーメイン氏。それでも、長期目標の12パーセントに過ぎない。「現時点で実現したのは、私たちがファンドの期限内に行わなければならないことの10分の1です」。

不正確かも知れないが、その目標の一部として、同社のポートフォリオ企業が取り組んだ温室効果ガス排出とフードロスの削減、エネルギーの効率化には、計測可能な本物のインパクトがある。それは、データセンターのエネルギー需要を10ギガワット時まで削減するSubmer(サマー)の技術であり、食品廃棄量を1万1000トン削減できるKarma(カーマ)、Whywaste(ホワイウェイスト)、Matsmart(マットスマート)、 Olio(オリオ)の事業であり、洗車に使う水を400万リットル削減できるWoshapp(ウォッシュアプ)であり、Alight(オーライト)による38メガワットのソーラープロジェクトだ。

画像クレジット:Norrsken VC

「私たちが最も誇りに感じているのは、私たちが今これを実行しているということです」とラーソン氏。「現在開発中のものは完ぺきではありませんが、それは誰かが始めなければならないことだと、私たちは真剣に考えています。また、産業界がもっと透明になることが必要です。それを追跡し公開していることが1つの成果だと、私たちはまず言いたいのです」。

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カテゴリー:VC / エンジェル
タグ:ノルスケン財団SDGs環境問題持続可能性

画像クレジット:Malte Mueller / Getty Images

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(文:Jonathan Shieber、翻訳:金井哲夫)

ブラジルのフードデリバリーiFoodが2025年までにカーボンニュートラルを目指す取り組みを発表

ブラジルを拠点とするラテンアメリカのフードデリバリー企業「iFood」は、消費者が企業に持続可能性への注力を求める中、同社の環境への影響を軽減するための一連の取り組みを発表した。

このプログラムは主に2つの要素から成り立っている。1つはプラスチック汚染と廃棄物に焦点を当て、もう1つは2025年までに事業活動においてカーボンニュートラルになることを目指すものだ。

廃棄物削減の取り組みの中でも最も意欲的で資金を要するのは、サンパウロにおける半自動リサイクル施設の開発だろう。

「当社は、ブラジルにおけるサプライチェーン全体をプラスチックフリー包装に変革したいと考えています。生産からマーケティング、物流まで、国全体のサプライチェーンをコントロールすることで、すでに存在しているものの生産量や需要が規模に達していない産業に対して、より競争力のある価格で包装を提供することができます」と、iFoodのCPO(チーフ・ピープル・オフィサー)&チーフ・サステナビリティ・オフィサーであるGustavo Vitti(グスタボ・ヴィッティ)氏は述べている。

同社は他にも、顧客がフードデリバリーを依頼する際に、プラスチック製の使い捨て食器を辞退することができるアプリ内オプションを設けた。

「これらの取り組みは、頼まれもしないのに送られてきて、結局使われずにゴミ箱に入ってしまうことが多いプラスチック製品の消費量削減に貢献します」とヴィッティ氏は語る。「最初に行ったテストでは90%の消費者がこのオプションを利用したため、何万本ものプラスチック製カトラリーが削減されました。これは家庭でのゴミの量を減らしたいという消費者の希望を表しています」とも。

排出量の面では、GHG inventory(greenhouse gas inventory、温室効果ガスインベントリ)を開発した炭素市場のテクノロジー企業であるMoss.Earthと協力し、環境保全や森林再生プロジェクトに結びついたクレジットを購入することで、同社の排出量をオフセットするという。

また、ブラジルで電動バイクを提供しているTembiciと協力して、同社の配送車両を内燃エンジンのモペットやスクーターから移行していく予定だ。

「相殺するだけでは十分でないことはわかっています。二酸化炭素排出量を削減するためには、革新的な方法を考える必要があります。2020年10月、当社はTembiciと提携して宅配業者専用に開発された、手頃な価格で電動自転車をレンタルできるプロジェクト『iFood Pedal』を立ち上げました」とヴィッティ氏は語る。「現在2000人以上の配達人が登録しており、サンパウロとリオデジャネイロで1000台の電動自転車を共有していますが、これには利用に加えて我々が考えていた教育的な側面もあります。定着状況が良好であることから、このプロジェクトを徐々に拡大し、他の都市でも実施して、クリーンな配送の割合を増やしていく計画です」。

ブラジルの電動バイクメーカーであるVoltz MotorsもiFoodと提携している。iFoodはVoltzから30台の電動バイクを注文し、一部の配送パートナーが現在それらを使用している。同社は、今後1年間で1万台以上の電動バイクを導入することを目指しているという。

iFoodは、水の再利用、再生可能エネルギーの導入、オサスコ本社の屋上緑化などの社内向けの取り組みと合わせて、ブラジル国内および国際市場の環境を改善するための持続可能性目標を達成したいと考えている。

「まだまだ道のりは長いですが、重要なパートナーたちとこの一連のイニシアチブに加え、現在開発中の他の取り組みを進めることで、プラスチックの発生や環境に与える二酸化炭素排出量を削減できると信じています。ブラジルの家庭生活における当社の関わりと存在は、地球に対するこれらの環境コミットメントの重要性をさらに高めています」とヴィッティ氏は述べた。

カテゴリー:シェアリングエコノミー
タグ:iFoodフードデリバリーブラジル持続可能性二酸化炭素排出量電動バイクカーボンニュートラル

画像クレジット:Alfribeiro / Getty Images

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(文:Jonathan Shieber、翻訳:Aya Nakazato)

「eBayとネオバンクの融合」したフィンテックDiemが約6億円調達、Fasanara Capitalがリード

英国・ロンドンに拠点を置くフィンテックスタートアップのDiemが、Fasanara Capitalとエンジェル投資家であるOutrun Venturesの創業者となるChris Adelsbach(クリス・アデルスバッハ)氏がリードするシードラウンドで、550万ドル(約6億円)を調達した。その他の投資家には、Farfetchの初期投資家であるAndrea Molteni(アンドレア・モルテニ)氏、ファッションテック企業のPlatformEの共同会長であるBen Demiri(ベン・デミリ)氏、ブランドの創始者であるNicholas Kirkwood(ニコラス・カークウッド)氏が含まれる。

Diemはデビットカードで、アプリを使えばすぐに現金にアクセスでき、従来の銀行サービス(デビットカード、国内および海外への銀行送金)が利用できるだけでなく、消費者が商品を処分して最終的に再販することもできる。これはいわゆるサーキュラーエコノミー(循環型経済)につながるもので、エコの観点からも魅力的だ。過去15年間に廃棄された商品の価値は69億ドル(約7500億円)ともいわれている。

その仕組みは次のようなものだ。例えば古い服や携帯電話、本、バッグなどのアイテムをアプリ読み込むと、アプリはその品物の価値を提示する。そしてそれを受け入れるとアカウントに現金が入り、そのアイテムを購入するための環境が整い、再販される。アイテムを捨てて埋立地に加えるのではなく、現金に代えるというインセンティブが働くのだ。「eBayとネオバンクの融合」と考えればいい。

Geri Cupi(ジェリ・キューピ)氏は声明の中で「Diemのミッションは消費者が今まで知らなかった富に価値を見出し、それを開放し、楽しめるようにすることです。これらは循環型経済を促進し、私たちの重要なバリュー・プロポジション(価値提案)である持続可能性へのコミットメントをサポートしながら行われます。Diemは、資本主義と持続可能性の共存を可能にします」と述べた。

Fasanara Capitalのリードインベスター兼CEOのFrancesco Filia(フランチェスコ・フィリア)氏は次のように述べている。「FasanaraはDiemとキューピ氏とのパートナーシップを発表することに興奮しています。【略】(この会社は)循環型経済の原則を原動力とする新世代のフィンテックであり、その成長をサポートすることを楽しみにしています」。

カテゴリー:フィンテック
タグ:Diem資金調達循環型経済サステナビリティ

画像クレジット:Diem

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(文:Mike Butcher、翻訳:塚本直樹 / Twitter

Energy Impact Partnersが気候変動対策関連企業の指標を作成、NASDAQ総合を大幅に上回る

気候変動に焦点を当てた企業が公開市場に溢れている中、誰が何をしているのか、どこで取引されているのか、どのように業績を上げているのか、把握するのは難しくなっている。そこでEnergy Impact Partners(エナジー・インパクト・パートナーズ)は、持続可能性やエネルギー効率、温室効果ガス排出量の削減に注力しているハイテク企業を追跡するインデックスを設定した。

世界最大級のエネルギー消費者や電力会社を投資家に持つ同社は、過去数カ月間、公開市場で取引されている代表的な気候変動対策技術を対象としたインデックスの設定に取り組んできた。その結果、これらの企業が市場全体と比較して大きなリターンを上げていることが判明した。

2020年に入ってから、EIP Climate Index(EPI環境指標)はNASDAQ(NASDAQ総合指数)を約2.8倍上回っており、NASDAQ総合の45%に対し、127%の上昇となっている。リストに掲載されている企業27社のうち約20社が公開後1年未満の新規上場で、その間にNASDAQ総合を上回った。中でも約16社は、その間に100%以上の上昇を見せている。それは、この指数全体が1月のピーク時から約20%下がった状況になっても変わらない。

このインデックスは、実際には株式投資のためではなく、何よりも教育的なツールとして考えられたものだが、気候関連のソリューションに取り組んでいる企業の幅広さと、これらの企業を支援したいという公開市場の投資家の圧倒的な意欲がそこには示されている。

「SPACに限らず、公開市場における気候変動関連技術の動向は、本当に信じられないほど好調です」と、Energy Impact PartnersのパートナーであるShayle Kann(シャイル・カン)氏は述べている。「この気候変動技術インデックスを作成した動機の1つは、どれだけ多様な企業を集められるかを、確認することでした」。

EIPのインデックスには、持続可能性の観点から注目を集めるBeyond Meat(ビヨンド・ミート)のような企業や、水素燃料電池のBallard Power(バラード・パワー)やBloom Energy(ブルーム・エナジー)のように、やや歴史が長い企業も含まれている。このインデックスに含まれる企業は、電力貯蔵、再生可能エネルギーの生産、電気自動車の充電とインフラ、代替タンパク質の提供など多岐にわたる。

「考え方としては、このような企業をすべて含めた場合、全体のパフォーマンスはどうかということでした。私たちはこのインデックスを作成し、包括的なものにしようとしました。その結果、市場全体を劇的に上回ることになったのです」。

EIPのリストは情報提供を目的としているが、誰かがこのインデックスを利用して、この業界のETF(上場投資信託)を作らない理由はない。現在市場にあるETFのほとんどは、エネルギー生産やインフラに焦点を絞ったものだが、EIPのインデックスは、気候変動の影響を緩和し、温室効果ガスの排出を削減することに焦点を当てた企業の幅広い多様性を追う初めての指標となる可能性が高い。

Desktop Metal(デスクトップ・メタル)のような3Dプリント(積層造形)の会社もあるが、カン氏によると、同社の技術には多大な気候変動要素が含まれているという。

「積層造形技術は、廃棄物の削減、輸送の削減、製造工程の電化など、かなり強力な気候変動対策になります」と、カン氏は語った。

また、この指標は、初期段階の個人投資家が注目するためのシグナルでもあるとカン氏はいう。

「公開市場への道筋が広がります。ここで株価が上昇する企業がわかります。これが我々やベンチャーキャピタルの世界にいるすべての人に示唆するのは、この指標が好調なときには、イグジットまでの道筋が好転するということです」と、同氏は述べている。

カテゴリー:EnviroTech
タグ:Energy Impact Partners気候変動持続可能性二酸化炭素燃料電池3Dプリント

画像クレジット:Energy Impact Partners

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(文:Jonathan Shieber、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

持続可能な自動車製造を目指すBMWが二酸化炭素を排出しない製鉄技術を開発したBoston Metalに投資

Boston Metal(ボストン・メタル)が開発した二酸化炭素を排出しない鉄鋼生産技術を支援する投資家グループに、BMWが加わった。

ボストンを拠点とするこのスタートアップ企業は、TechCrunchでも報じたように、2021年初めに5000万ドル(約54億5000万円)の資金調達を目標としていたが、同社の関係筋によると、BMWが加わったことでこのラウンドは終了したとのこと。

関連記事:ビル・ゲイツ氏が支援するBoston Metalが金属産業の脱炭素化を目指し51.6億円調達

自動車メーカーの投資部門であるBMW iVentures(BMW iベンチャーズ)の支援を受けることで、Boston Metalはより持続可能な製造方法を大規模に求める企業と関係を築くことになる。例えば、欧州にあるBMWグループのプレス工場では、年間50万トンを超える鉄鋼を加工しているという。

「当社は、サプライヤーネットワークにおいて、生産時のCO2排出量が最も多い原材料や部品を体系的に特定しています」と、BMW AGの取締役会メンバーであり、購買およびサプライヤーネットワークを担当するAndreas Wendt(アンドレアス・ヴェント)博士は、声明の中で述べている。「鉄鋼もその1つですが、自動車の生産には欠かせません。そこで私たちは、鉄鋼のサプライチェーンにおけるCO2排出量を継続的に削減することを目指しています。2030年までに、CO2排出量を現在よりも約200万トン削減する必要があります」。

従来の鉄鋼生産では、二酸化炭素を排出する高炉が必要だが、Boston Metalによると、同社が開発した方法では、電気分解セルで鉄鋼に加工される銑鉄を生産することができるという。

Bill Gates(ビル・ゲイツ)氏が率いるBreakthrough Energy Ventures(ブレイクスルー・エナジー・ベンチャーズ)をはじめとする既存の戦略的・財務的投資家とともに、BMWは業界に莫大な影響力を持つ企業パートナーとしてこの投資家グループに加わり、今回の資金調達プロセスを締めくくることになった。

「当社の投資家は、上流の鉱山・鉄鉱石会社から下流の最終的な顧客まで、鉄鋼のバリューチェーン全体に及んでおり、高品質の鉄鋼を競争力のあるコストで大規模に生産できるBoston Metalの革新的なプロセスを評価してくれています」と、最高経営責任者で創業者のTadeu Carneiro.(タデウ・カルネイロ)氏は述べている。

カテゴリー:EnviroTech
タグ:BMW二酸化炭素Boston Metal資金調達環境問題投資持続可能性

画像クレジット:aydinmutlu / Getty Images

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(文:Jonathan Shieber、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

Allbirdsが2021年末にフェイクレザーの靴を発売、植物ベースの代替皮革企業に投資

持続可能性を重視する靴メーカーAllbirds(オールバーズ)は、Natural Fiber Welding(ナチュラル・ファイバー・ウェルディング)という新しい会社に200万ドル(約2億1200万円)の小規模投資を行い、そのサプライチェーンをさらにグリーンな方向へ前進させた。

米国時間2月25日発表されたNatural Fiber Weldingへの投資は、2021年12月までに、完全植物由来の代替皮革という選択肢となってAllbirdsの製品に反映される予定だ。こうしたオプションが追加されることは、アパレル製造の一側面での環境インパクトを重視すると常に言明している同社としては、自然な流れだろう。

この頃のAllbirdsは、もうただの靴メーカーではない。Natural Fiber Weldingの製品には、同社独自の処理技術で作られた頑丈な綿繊維と植物由来の代替皮革が意図的に使われている。

これらの素材がソックス、靴、Tシャツ、下着、セーター、ジャケット、マスクなどのAllbirds製品に使われることになった。Natural Fiber Weldingはそのウェブサイトで、Porsche(ポルシェ)との提携を宣伝している。つまり、イリノイを拠点とするこのスタートアップの新素材Peoria(ペオリア)に熱を入れているのは、Allbirdsだけではないということだ。

PitchBookのデータによれば、Allbirdsからの投資以外にもNatural Fiber Weldingは1500万ドル(約16億円)の資金を調達している。その他の投資者にはCentral Illinois Angels、Prairie Crest Capital、Ralph Lauren Corp.、そして完全植物由来の製品に特化した投資会社Capital Vがある。

2020年、植物由来の素材に飛びついたアパレル企業は、決してAllbirdsだけではない。何かと話題のPangaia(パンガイア)は同年12月、Kintra(キントラ)というバイオ由来の代替ポリエステルのメーカに200万ドルを投資した。

現在、持続可能ファッションの世界で最も大きなスタートアップは、Bolt Threads(ボルト・スレッズ)という会社だ。同社は、Stella McCartney(ステラ・マッカートニー)、Adidas(アディダス)、Balenciaga(バレンシアガ) のオーナーであるファッションハウスなどと(もっと他にもあるが)契約を結んでいる

関連記事:Bolt Threadsがバレンシアガやグッチ、アディダスなどと新素材マッシュルーム代替皮革で提携

それ以外で、植物由来の繊維や素材で多額の資金を調達したスタートアップには、MycoWorks(マイクロワークス)などの企業がある。同社は2020年にJohn Legend(ジョン・レジェンド)氏、Natalie Portman(ナタリー・ポートマン)氏、さらにもっと伝統的な投資企業である台北のWTT Investment Ltd.、DCVC Bio、Valor Equity Partners、Humboldt Fund、Gruss & Co.、Novo Holdings、8VC、SOSV、AgFunder、Wireframe Ventures、Tony Fadell(トニー・ファデル)氏から4500万ドル(約47億8000万円)を調達した。

Allbirdsは、Natural Fiber Weldingの製品で人工皮革の環境への影響を大幅に減らせることを誇っている。Natural Fiber Weldingによれば、その素材では、石油から作られる合成皮革と比較して、関連する二酸化炭素排出量は40分の1、製造時の排出量な17分の1だという。

また同社では、植物由来皮革には天然ゴムが使われると話している。天然ゴム業界には人権を侵害してきた歴史があるが、是正の努力もなされているところだ

「ファッション業界は、あまりにも長い間、いかがわしい合成皮革や持続可能性のない皮革に依存してきました。環境よりもスピードとコストを優先させていたのです」とAllbirdsの共同創設者であり共同CEOのJoey Zwillinger(ジョーイ・ズウィリンガー)氏は声明の中で述べている。「Natural Fiber Welding(NFW)は、大規模に、持続可能な形で、皮革の解毒剤を作っています。しかもそれを、炭素排出量を98パーセント削減して業界の流れを変える可能性のある方法で行っています。NFWとの提携と、彼らの技術が生んだ植物由来皮革の導入で、私たちの旅は、ファッション業界から石油を一掃するというエキサイティングな段階に入ります」。

TechCrunchではAllbirdsに詳しいコメントを求めているが、現時点ではまだ返事がない。

カテゴリー:EnviroTech
タグ:Allbirdsファッション持続可能性投資

画像クレジット:Allbirds

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(文:Jonathan Shieber、翻訳:金井哲夫)

アクセラレーターUrbanーXは世界がその環境思想に追いついてきたこの機に次期コホートを決定

ベンチャー投資ファンドUrban US(アーバン・アス)とBMWの子会社であるMINI(ミニ)が、持続可能で回復力のある未来の都市居住問題に第一義的に取り組む企業を支援する目的で立ち上げたアクセラレーターのUrban-X(アーバンエックス)の新しいコホートが決まった。

第9期となる今回の参加企業は、Urban-Xとその親会社が長年取り組んできたUrban-Xの使命に世界最大手の投資会社が賛同し始めたこの時期に、市場展開することとなる。早い話が、気候が変動しているため、変化した環境に人が適応できるよにする技術的ソリューションが求められているということだ。

「2014年の気候テック投資家として、2021年にいられてよかった」とUrban USの共同創設者Stonly Baptiste Blue(ストーンリー・バプティース・ブルー)氏はいう。「持続可能性と気候変動に対処するスタートアップが今ほど追い風に恵まれた時期はないと、納得されると思います」。

もちろんUrban−Xの仕事は、単に気候変動と復興に対処するだけではない。今後数年で資金を調達し投資者に大きなリターンをもたらすであろう企業として、この分野のスタートアップが目立つようになってきた。

「私たちが見ているのは、気候市場の数百兆ドル(数京円)という資金の波です」とバプティース・ブルー氏。「今が気候の10年であることを示す証拠はたくさんあります」

そして、バプティース・ブルー氏が将来に期待するように、野心的な起業家が大きな新ビジネスを立ち上げる機会はまだまだたくさんある。

「物事がますます厄介になり、災害が日常のものとなる中、復元力を備え、人と人とのコミュニケーションを保つために、災害リスクから情報遮断対策、コミュニティ構築と、この気候テック投資の第2波で私たちがカバーしようとしてる課題は数多くあります」とバプティース・ブルー氏は話す。

今回の新しい講座でUrban−Xが支援する企業には、その条件にぴったり一致するものがある。ソーラー電力の交直変換を集中管理する装置を展開するDomatic(ドマティック)、復元プラットフォームのためのコミュニケーションプラットフォームを構築するOneRoof(ワンルーフ)、災害リスクを軽減する機械学習プラットフォームDorothy(ドロシー)などがそうだ。

TechCrunchの調べでは、現在、同アクセラレーターの内部利益率はおよそ29%だ。

今回参加するコホート企業は以下のとおり。

  • Builders Patch(ビルダーズ・パッチ):安価で複数世帯が暮らせる住居のためのデータプラットフォームおよびマーケットプレイス
  • Domatic(ドマティック):交流主体のソーラー電力供給の普及を目指す集中型の交直変換装置を販売
  • Dorothy(ドロシー):宅地単位で高度な災害リスクの分析が行える機械学習プラットフォーム
  • OneRoof(ワンルーフ):コミュニティ住宅と復元コミュニケーションプラットフォーム
  • Oonee(ウーニー):安全な自転車置き場の管理とマイクロモビリティ関連サービスのためのeコマース・プラットフォーム
  • Origen Hydrogen(オリジェン・ハイドロジェン):大型車両、工業、長期バックアップ電源のための環境にやさしい水素を製造する低価格のハードウェア
  • Singularity(シンギュラリティー):AIとデータを駆使した炭素排出情報と予測のためのプラットフォーム
  • Urbio(アービオ):都市や公共施設のエネルギー革命のための計画とデザインを支援するソフトウェア。
カテゴリー:EnviroTech
タグ:Urban-Xアクセラレータープログラム気候変動持続可能性

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(文:Jonathan Shieber、翻訳:金井哲夫)

ロバート・ダウニー・Jr氏が持続可能性スタートアップを支援するローリングベンチャーファンド設立

2年足らず前、俳優でプロデューサー、投資家のRobert Downey Jr(ロバート・ダウニー・Jr)氏が持続可能性に特化したプロジェクトFootPrint Coalition(フットプリント・コーリション)をAmazon(アマゾン)のre:MARSカンファレンスで発表したとき、それは統計情報ウェブサイトと購読申し込み程度だった。

ときは変わり、現在、同組織は5つの投資先企業と非営利プロジェクトを有し、Footprint Coalition Venturesと名づけたローリングベンチャーファンドを国際経済フォーラムのDigital Davos event(デジタル・ダボス・イベント)でスタートする。

AngelListが管理するこの新たなローリングファンドを擁して、ダウニー・Jr.氏のプロジェクトは世界経済を作り変える2大アイデアの交差点に位置を構える。資金利用と投資手段の民主化、および世界の産業を脱炭素化する10兆ドル(約1043兆円)のチャンスだ。

これは、物語と投資と非営利活動の組み合わせで世界の気候危機と戦おうとしている同プロジェクトの新たな秘策だ。

ローリングファンドと金融革命

まさに今、金融界に革命が起きている。Redditユーザーたちは空売り人や大物機関投資家のBlockbuster(ブロックバスター)、Nokia(ノキア)、GameStop(ゲームストップ)、AMCなどへの投資を巡って起きている不正行為に対する報復を試み、新しいクラウドファンディングとローリングファンドが、一般投資家によるアーリーステージ企業への融資を可能にするなど、ウォール街の状況は明らかに変化している。

そして、公開市場のギャンブルが何人かの新たな億万長者を生んでいる一方で、興味深いスタートアップへの投資機会を開くことは、デイトレードギャンブルに対する不信感とは著しく対照的だ。

どちらも投資家をマイナスで終わらせる可能性があるが、ローリングファンドやクラウドファンディングには、何かを作り出す真のチャンスがあり、単に権力に反旗を翻すこととは違っている。

伝統的ベンチャーファンドと異なり、ローリングファンドは四半期ごとに新たな資金を約束し、順次投資していくため、「ローリング」と呼ばれる。投資家は最低1年の約束で四半期単位で投資を行う。ダウニー・Jr.氏のファンドでは、約束は四半期当たり5000ドル(約52万円)で最大2000名の適格投資家(少数の認定投資家を含む)が参加できる、と同団体の計画に詳しい人物は話している。

「浮世離れした大物機関投資家ではなく、リアルな人々にファンドを開放するというアイデアは、サンダンス映画祭よりスラムダンス映画祭に近いもので、私は気に入っています」。

FootPrint Coalition Venturesを知るためのガイド

FootPrint Coalition Venturesは、アーリーステージとレイトステージ投資に分かれていて、アーリーステージ企業には年間6回、レイトステージ企業には4回投資する。

ダウニー・Jr.氏が経営を支援するのは、Jonathan Schulhof(ジョナサン・シュルホフ)氏らの投資家で、シュルホフ氏は以前LOOM Mediaを設立して広告のスマート都市インフラストラクチャーを構築、Motivate Internationlを設立して米国各都市で自転車シェアサービスを運営し、Global Technology Investmentsではマネージングパートナーを務めた。他には、ダウニー・Jr.氏のメディア制作会社 Team Downeyとメディアテクノロジー企業に投資するDowney Venturesの共同ファウンダーであるSteve Levin(スティーブ・レビン)氏もいる。

同社のポートフォリオには、ファウンダーら自身の資産を使って投資を行った企業がすでに4社ある。これらの投資はいずれも100万ドル(約1億400万円)以下だが、資金が集まるつれて約束する金額は増やしていく予定だという。Footprint Coalitionは、プロラタ投資の権利も持っており、将来出資額を増やすことができる。また、これまでに行った投資は、将来もっと高い評価額で追加出資する可能性を見越した規模になっている。

組織内のベンチャーファンド

ダウニー Jr.氏が作りたい組織は、単なる投資部門ではない。同氏も共同ファウンダーたちも、投資についてダウニー・Jr.氏が築きあげた膨大な支持層と彼らが映画ビジネスで過ごした何十年の間に培った話術を活かす幅広いプラットフォームのごく一部だと考えている。

チームには、CAA Foundationの前の責任者だったRachel Kropa(レイチェル・クロパ)氏も加わり、科学的・慈善的活動を指揮し、ファンドのインパクトアドバイザー兼科学・研究コミュニティ窓口を務めると声明には書かれている。

「私たちが作った、コンテンツを個人に結びつけることができるというアイデアは非常に強力です」とクロパ氏はいう。「この問題は実に頑強で世界中が関係しています。自分の食べる魚が持続可能な餌で育てられていることは重要です」。

クロパ氏は、FootPrint Coalitionが持続可能な水産養殖に関連して発表した記事を引き合いに出している。この記事は、コオロギのタンパク質を飼料や人間の食料に利用するために製造している企業であるŸnsect(インセクト)にFootPrint Coalitionが最近出資したというものだ。

「私たちの細胞農業に関するコンテンツは、特定の産業を深く掘り下げる過程で作ることができるコンテンツの典型例です。この分野への投資はまだ行っていませんが、伝えるべき興味深い物語がそこにはあると信じています」と同社で働く人物が語った。

そのメディアはグループの視聴者を活性化させる付加要素で、お金をとるものではなく、投資価値の一部と考えるものでもない。「私たちはビデオクリップにロバート(ダウニー・Jr.氏)の声をかぶせ、アニメーションを重ねた編集作品を制作し、すべてソーシャルメディアに投稿してきました。企業とは自由な関係で、お金をとったり何らかのリターンを要求することはありません」とその人物は述べた。

奇妙な科学と持続可能性

ŸnsectはFootPrint Coalitionが支援する会社の中でも、ダウニー・Jr.氏の支持者の大部分が描くものとは少々異なることを行っている一例たが、竹由来のトイレットペーパーを作るCloud Paperや持続可能性に焦点を当てた金融サービス会社のAspirationへの投資は、消費者と明確な結びつきがある。

このバランスこそ、会社の目的は環境と持続可能性のリターンだけではなく、具体的な利益である、というシュルホフ氏のいう目標の1つだ。

「私たちの目標は意味のある影響力のあるもの、だから私は純粋な資本主義者になります。良い機会であるかどうかという問題は利益率、規模、リスク特性、関わる人々、そして根源的には、投資家に価値を提供できると思うかどうかで決まります」とシュルホフ氏は語った。「私たちはリターンを求めているのです」。

リターンのチャンスは膨大だ。彼らが言うように、ESGセクター(環境、ソーシャル、政治問題に特化したファンド)は急速に成長を続けている。「利害関係者資本主義」への動きの影響もあり、投資ファンド全体は2500億ドル(約26兆1000億円)を超え、持続可能性資産の価値は過去3年間で2倍になった。

「環境を支援する強力なトレンドが2つあります。1つは、魅力的コンテンツとメディア配信によって、1億人ものロバート支持者の中から熱烈なコミュニティが生まれ、その人たちを使ってすばらしい投資を利用できるようにすること。もう1つは、ターンキーテクノロジープラットフォームによって、さまざまな分野の個人投資家を管理できるようになったことてす」とシュルホフ氏が声明で語った。「ベンチャーファンドは伝統的に最低金額が高く、富裕層や寄付や基金団体以外を排除しています。ずっと低い最低金額と短い投資期間を設定することで、私たちは同じ会社群への投資をずっと大きなグループに開放できるようになりました。投資家たちが多くの熱烈な支持者たちにさらに火をつけたとき、正のフィードバックが始まって環境テクノロジーが究極の受益者になることを私たちは望んでいます」。

関連記事:ロバート・ダウニーJrやグウィネス・パルトロウ、マーク・ベニオフはトイレットペーパーに投資している

カテゴリー:VC / エンジェル
タグ:ロバート・ダウニー・JrFootPrint Coalition持続可能性

画像クレジット:Chris Unger/Zuffa LLC / Getty Images

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

プラスチックを使用しない食料品宅配スタートアップZeroがLAで始動

プラスチックを使わない食料品宅配スタートアップZero(ゼロ)は、サンフランシスコのベイエリアでのみ営業を行っていたが、米国時間2月10日に予定しているロサンゼルスでの事業開始に向けて加速している。Zeroは、サプライヤーから直接買いつけた食料品や日用雑貨を、ビンや箱やその他の持続可能な容器に入れて翌日配達している。

Zeroは、Sightglass Coffee(サイトグラス・コーヒー)、Annie’s(アニーズ)、Newman’s Own(ニューマンズ・オウン)といったビッグネームのブランドと、Zume(ズーム)の共同創設者Julia Collins(ジュリア・コリンズ)氏が立ち上げたPlanet FWD(プラネット・フォワード)などの持続可能性に焦点を当てた新興ベンダーの両方と提携している。

Zeroの会員は、月25ドル(約2600円)で食料品を割り引き価格で購入でき、送料は無料となる。サブスクリプション登録をしなくても利用できるが、個々の商品の価格は少し高くなり、送料7.99ドル(約830)がかかる。

私はZeroを何度か利用したことがあるが、いずれも全体的に満足のいく体験だった。食料品の品揃えはとても良いが、トルティーヤチップスやミカンなどの特定種類の品物は置かれていなかった。しかし、大好きなキャンディのTony’s Chocolonely(トニーズチョコロンリー)はいつも購入できる。

Zeroの創設者でCEOのZuleyka Strasner(スレイカ・ストラスナー)氏によれば、品揃えはトータルで1100点を少し超える程度しかないという。

それは、食料品メーカーがZeroのパッケージに関する内部基準に合致するかどうかを確認するという地道な作業も影響している。鶏肉の場合、Zeroは精肉業者と直接協力して、堆肥になる紙を使った包装を実現させた。そこからジッパーつきの堆肥にできる袋に発展したとストラスナー氏は話す。それには大変な時間と労力とエネルギーと技術が必要だったという。

Zeroは、サプライチェーンの段階ではプラスチック容器の利用を容認しているが、決してそのまま消費者の手に渡らないようにしている。再び鶏肉を例に挙げるが、養鶏場から出荷されたニワトリは、Zeroの精肉ネットワーク内の業者に渡り、さらにパッケージ業者に引き継がれて加工される。

「そのため、養鶏場と輸送段階の一部においてプラスチックが使われることが多いのです」とストラスナー氏。「会社が大きくなるにつれて、その工程をもっともっと変えて、新しく加わる個々の製造流通業者が、もっともっと多くのプラスチックを排除できるよう、もっともっともっと関与するようになりました。利用者にプラスチックを使わずに届けられる製品の開発を養鶏場ごとに行うことから始まり、どんどん遡り、もっともっと多くのプラスチックを排除するという長い道のりに挑んでいます」。

Zeroの提携業者にすれば完全にプラスチックを使わずに事業が行えるの理想だが、「ニワトリがと畜された瞬間から利用者に届くまでの全工程がプラスチック不使用でなけばならないというルールや規制を設ける」のではなく、養鶏場にも流通業者にも、その他この事業に参加する関係者にも、できるだけ簡単に対応できるようにすることが重要だと彼女はいう。

「そのため、私たちが築こうと目指している業界にズレが生じることはありません」。

ストラスナー氏の中でZeroのアイデアが固まり始めたのは、ニカラグアのコーン島へ新婚旅行に出かけたときだった。旅行中、海岸に大量の使い捨てのプラスチックが打ち上げられているの見てショックを受けたと、彼女はTechCrunchに話した。その一方で、彼女はゼロウェイストの反プラスチック運動が育ち始めていることを知り、プラスチックを使わない方針をとった場合に何が起きるのかを想像した。プラスチックを使わない方向性を決めた彼女は、サプライチェーンや国内での食料品の包装方法について、以前よりも深く考えるようになった。

技術畑出身の彼女は、プラスチックゴミの問題にテクノロジーを役立てられないかを模索した。「今後7年から10年のうちに解決しなければならない問題です」と彼女はいう。「もう時間は限られています。それが私が取り組むべき使命なのです」。

Zeroは2018年に試験運用を開始し、2019年に公式ローンチした。Zeroの利用者は大半が登録会員となっている。全体で「何千人もの利用者」があるとストラスナー氏は話していた。

現在、ZeroがPrecursor Ventures、Backstage Capital、1984などの投資家から調達した資金の総額は470万ドル(約4億8700万円)に上る。

「私たちは、米国最大の持続可能プラットフォームを目指しており、そうなる予定です」とストラスナー氏。「なので、食料品から家庭雑貨から何でも、プラスチック不使用の製品がどうしてもほしいという方、またとにかく持続可能な製品を求める方は、Zeroを尋ねてみてください。Zeroは、単なる食料品店を超えた運動なのです」。

カテゴリー:EnviroTech
タグ:Zero持続可能性プラスチックデリバリー

画像クレジット:Zero Grocery

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(翻訳:金井哲夫)

iPodの生みの親トニー・ファデルが語るスタートアップの未来はネット接続性と持続可能性

Tony Fadel(トニー・ファデル)氏はテクノロジー界の「次」を考えずにはいられない。

iPodの生みの親と称され、iPhoneを作り上げ、スマートホームの企業Nest(ネスト)を創設したこの人物は引退を決め込んでいたのだが、どうにも引退が性に合わず、新たなベンチャーFuture Shape(フューチャーシェイプ)を創設した。

そして51歳のデザイナー、エンジニアにして投資家の彼は、コアな協力者たちと3年を費やし、公的および非公開の数々の投資を受けつつ、テクノロジーの未来の姿を模索してきた。ファデル氏の挑戦は、自身の個人的興味(彼は腕時計マニアの情報サイトHodinkeeにも出資している)と、彼が思い描く技術革新の次なる波を追いかけることだ。

「私たちは資金提供できるメンターを自称しています」とファデル氏はこの最新の冒険について語っている。その理念は「本当に難しいことをやろうとしているすべての企業の支援」だ。

ファデル氏とその仲間たちは、将来大きな投資分野になると見込んだ本当に難しい事業をいくつか特定した。それには、すべてのものの電動化、あらゆるもののデジタル接続、バイオマニュファクチュアリングの推進、廃棄物の廃絶などがある。

同社の広報担当者によれば、これらのテーマがFuture Shapeのポートフォリオに含まれる200社を超える企業との活動の、すべてではないまでも一部を突き動かしているという。

ファデル氏の取り組みの中でも、あらゆるものをプログラマブルに電動化するというものがよく知られている。この分野には、ファデル氏が大きく期待を寄せる企業がいくつかある。マイクロLEDを製造するRohinni(ロヒンニ)、デジタルモーターを製造するTurntide(ターンタイド)、ミクロ電子工学用のスイッチを製造するMenlo Micro(メンロー・マイクロ)、冷却用半導体チップセットを製造するPhononic(フォノニック)だ。

こうしたテクノロジーはどれもが、機械工学技術がデジタル化されプログラム可能になってきたこの数十年間の進歩の中で、電球のような大きな関心を集めることがなかったものだ。

ファデル氏は、Apple(アップル)とGoogle(グーグル)に所属していたころから培ってきた製造業界での自身の経験が活かせるFuture Shapeは、これらのテクノロジーを商品化できる独特な立ち位置にあると話す。

「私たちは原子と電子(ソフトウェア)のギャップを埋め、これらのシステムをそこへ適合させます」とファデル氏はいう。

その方針は、ほぼあらゆるものに広がるネット接続性とデジタル化の力を借りた技術開発に当てはまる。

「世界のあらゆる地域に、4Gまたは5Gの接続が拡大します。【略】そして、情報収集ができる安価なセンサーをスマートフォンに搭載し、ソフトウェアやクラウドサービスと統合できるようになります。【略】そこから新しい産業の誕生を可能にするデータが得られるのです」。

低コストのセンサー、バッテリー、電力の普及が拡大すれば、農業から建築までさまざまな新市場に活用可能なデータ収集の機会が増え、金融や保険といったすでにデータ依存度の高い産業が、よりよいサービスを生み出せるようになるとファレル氏は話す。

画像クレジット:Getty Images/Rost-9D

それが、Understory Weather(アンダーストーリー・ウェザー)に同社が投資する理由の1つでもある。気候変動駆動の次世代保険会社とファレル氏が呼ぶ、スマート気象観測所とデータで事業を開始した企業だ。

Future Shapeのポートフォリオには、この他にもファレル氏のバイオマニュファクチュアリングや廃棄物の廃絶に賭ける気持ちを反映した企業がある。Impossible Foods(インポッシブル・フーズ)の初期投資者でもあるファデル氏は、たとえば代替タンパクを使った代替肉の開発に使われている数々の合成生物学的手法は、代替皮革の製造や現在使われている化学物質に取って代わる新たなバイオプラスティックの開発に発展させることが可能だと考えている。

Future ShapeがMycroWorks(マイクロワークス)に投資したのも、そのためだ。数多くのセレブや業界の支援者も参加して2020年11月にクローズした資金調達では、4000万ドル(約41億円)を集めた。

「バイオマニュファクチュアリングは始まっています。しかも驚異的な速度で始まっています。なぜなら私たちはこの惑星の大きな力、つまり生命を味方に付けているからです」とファレル氏。「市場は、進むべき方向に進めるべきです。そうすれば、みんな追従します。Impossible Foodsがしているように」

さらにファデル氏は、廃棄物の流れに関連するサプライチェーンの見直しという膨大な好機と、循環経済の創造における数多くの好機を見すえている。Sweetgreen(スイートグリーン)に代表されるレストラン産業と、製品のパッケージに革新的なバイオプラスティックを使用する企業がこれに当てはまる。

「もう1つ私たちが注目しているのは廃棄物です。どのように廃棄物を減らし、どのように廃棄物をリサイクルするか。私たちはそこを追究していますが、廃棄物は大きな問題です」とファレル氏は話す。

そこにおける数々のチャンスは、経済研究を行い、企業の二酸化炭素と物質的物理的な副産物の排出に関するライフサイクル分析を実施する企業から成長していく。「地球を掘らずに、廃棄物を採掘する」とファデル氏は、数十億ドル(数千億円)規模の採掘産業に取って代わる可能性を語った。

Future Shapeのポートフォリオに含まれる企業はほとんどがアーリーステージだが、エグジットを果たした企業もいくつかあり、さらに多くの企業がその準備中であるとファデル氏はいう。

「お金のためではありません。私たちは変化のために行っています」とファデル氏。「これを正しく行えば、お金がついて来ます。私の仕事はリミテッドパートナーを説得することではありません。【略】私たちは信念に基づいて活動しているのです」。

関連記事:ナタリー・ポートマンとジョン・レジェンドは革ではなく菌糸の服を着る

カテゴリー: EnviroTech
タグ:トニー・ファデルFuture Shape持続可能性二酸化炭素

画像クレジット:Getty Images under a Christophe Morin license.

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(翻訳:金井哲夫)

「宇宙のガソリンスタンド」を目指すスタートアップOrbit Fabがシードラウンドで6.2億円を調達

TC Disrupt 2019にて衛星カップリングシステムを披露するOrbit Fabの最高開発責任者Jeremy Schiel (ジェレミー・シール)氏

「宇宙のガソリンステーション」の構築に特化した企業を自称する、軌道上でのサービス提供を目指すスタートアップOrbit Fab(オービット・ファブ)は、シード投資ラウンドに新たな投資者を迎えた。この追加拡張投資は、Munich Re Ventures(ミューニック・リー・ベンチャーズ、世界最大クラスの保険会社ミュンヘン再保険グループのコーポレートベンチャー投資部門)によるものだ。Munich Reグループは、特に衛星運用者には非常に重要な保険会社であり、打ち上げ前、打ち上げ時、軌道上の運用をカバーする保険商品を提供している。

2019年TechCrunch Disruptバトルフィールドの最終選考まで勝ち残った経験のあるOrbit Fabのシステムは、基本的には、宇宙船を軌道上の給油所まで誘導する宇宙タグボートで成り立つ。給油所には、同社が注文に応じて製作するインターフェイスを使って接続できる。新しく衛星を設計する際に、比較的簡単に組み込めるようデザインされており、キャプチャーやドッキングのための特別なロボットシステムなどを必要とせず、宇宙空間で簡単に燃料補給ができる。

このスタートアップの目標は、宇宙船の寿命を延ばして宇宙デブリを減らし、運用者の経費を削減することで、持続可能な軌道上の商用運用環境の構築を助けることだ。Munich Re Venturesの参加は、衛星運用者の打ち上げと運用のリスクモデルに持続可能性が高く運用期間が長い宇宙船を組み込めるという点で、極めて大きな前進となるずだ。

「推進剤のサプライチェーンの立ち上げを見てみると、その大部分は財務モデルです」と、Orbit Fabの共同創設者でCEOのDaniel Faber(ダニエル・ファーバー)氏はインタビューで私に話した。「顧客のリスクを移動し、設備投資を運営費用に確実に移動し、それでいて新たなリスクを招かないようにするには、これをどう使えばよいのか。そのすべてを、Munich Reの財務商品、保険とリスクの評価に任せることができます。なのでこれは、大変に意味深いパートナーシップなのです」。

ファーバー氏は続けて、Munich Re Ventures のTimur Davis(ティムア・デイビス)氏が宇宙関連のカンファレンスによく顔を出すようになり、そうしたイベントでファーバー氏は彼と言葉を交わすようになったと話した。それがやがて、宇宙でのサービスと基盤整備を見すえたMunich Re Venturesの投資計画に発展し、Orbit Fabはその新計画を背景とした最初の投資先となったわけだ。

この新規投資によって、Orbit Fabのシード投資ラウンドの総額は600万ドル(約6億2000万円)に達した。この中には、ベンチャー投資企業からのものに加えて、米国政府からの200万〜300万ドル(約2億6000万〜3億9000万円)の資金援助も含まれている。同社はまた、新たにドッキングのための「自動運転衛星」キットを着想し研究を行っている。これには、米国立科学財団から予備的な要求開発のための資金を獲得し、現在、その設計製造に着手できる段階に至っている。2021年は、宇宙産業の新企業にとっては大きな年となる。持続可能で規模の拡張が可能な衛星運用というアプローチを掲げるOrbit Fabも、間違いなくその中の1つだ。

関連記事:軌道上の人工衛星に燃料補給するスタートアップOrbit Fabが約3億2000万円を調達

カテゴリー:宇宙
タグ:Orbit Fab人工衛星保険持続可能性

画像クレジット:TechCrunch

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(翻訳:金井哲夫)

バイオ素材のGenomaticaがナイロン加工のAquafilとの提携し再生可能な消費者製品生産

バイオ素材の製造技術を開発しているGenomaticaと、ナイロン素材を大量生産しているAquafilが、新たなデモンストレーション用施設で提携した。この動きは消費者向け包装製品の持続可能性という世界的な問題に、大きな意味を持つかもしれない。

ナイロン6は、歯ブラシの毛やパンティストッキングや、カーペットのような産業素材、その他の丈夫さを要求されるファブリックなど、あらゆるものに使われている。

しかしGenomaticaの素材を使えば、再生可能な製品を開発可能になる。多くの企業がクリーンなサプライチェーンと製品寿命が尽きても環境にネガティブな結果をもたらさない製品を求めている中で、そんな市場に送り出すにふさわしい商品を作れるだろう。

両社の契約はGenomaticaの生産能力を50倍にし、同社の能力を大きく拡張する。

繊維産業は9600億ドル(約99兆6000億円)のビジネスで、世界最大の汚染源の1つでもある。その害は、化学的処置と温室効果ガスの排出の両面にある。世界経済フォーラムが引用しているデータによると、繊維産業は毎年、12億トンの二酸化炭素を排出し、自動車産業と肩を並べている。業界のデータによると、ナイロンの製造だけでも年間に約6000万トンの温室効果ガスを排出している。

ヨーロッパの企業であるAquafilとの複数年の協定により、両社の既存の関係が拡張される。2020年始めに両社は、バイオナイロン6の前身となる素材の最初の1トンをパイロット事業で作った。今回はそれが、パイロットからデモンストレーションスケールに移行し、Genomaticaは数社のブランドに製品を供給できるまでに前進する。

その中の1社である衣料品メーカーのFar Eastern New Centuryは、Genomaticaの製品を同社の衣料に使っている。同社によると現在は、その他のパートナーシップの確立にも努めているという。

Genomaticaを支えるのはCasdin CapitalとViking Global Investorsで、後者はいまでもGenomaticaの最大の株主だ。また有機体工学のGinkgo Bioworksともパートナーしている。

「バイオナイロンは、今何百万種類もの応用製品に使われている素材をリプレースできる。私たちの調査によると(Genomaticaリリース)、現在、健康と経済の両面で大混乱があるにもかかわらず、米国民は依然として持続可能性を優先している。米国民という大きなスケールで私たちはブランドパートナーたちに、持続可能性という目標を満たす重要な方法を提供し、彼ら自身を他社と差別化して、盛り上がっている消費者の要求に応えることができる」とGenomaticaのCEOであるChristophe Schilling(クリストフ・シリング)氏は語る。。

Aquafilはいま、プラントをスロベニアに作っている。そこでGenomaticaのバイオ素材の前身的素材を、バイオナイロン6の糸や、フィルム、工業用プラスチックなどに変換する。

カテゴリー:EnviroTech
タグ:GenomaticaAquafilファッション持続可能性

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(翻訳:iwatani、a..k.a. hiwa