サウジアラビアはTwitterの社員に活動家の個人データを盗ませた

最近公開された裁判所の文書によると、サウジアラビアの政府職員がTwitter(ツイッター)の少なくとも2人の社員を買収して、同国政府が関心を持つユーザーの個人情報にアクセスしたとされている。それらのユーザーは2015年に彼らのその行為について警告されたが、事件の全容はまだ明らかではない。

その連邦レベルの告訴を引用しているAP通信の記事によると、サウジ政府はAhmad Abouammo(アフマド・アブアムモ)とAli Alzabarah(アリ・アルザバラ)の2人に接近して「特定ユーザーの個人情報を取り出すことができたら高級腕時計と数万ドルを与える」と約束した。

アブアムモはTwitterで中東のメディアパートナーシップを担当し、アルザバラはエンジニアだった。どちらも正規の登録のないサウジのエージェント、すなわちスパイとして行動したとして告発された。

アルザバラは、2015年にワシントンD.C.でサウジの王族の一人と会い、その後の1週間以内に数千人のユーザーのデータへのアクセスを開始し、その中にはサウジアラビアが公式にTwitterにコンタクトして情報を求めた少なくとも33名が含まれていたとされる。これらのユーザーの中には、王室とサウジ政府にとって危険な政治活動家やジャーナリストが含まれていた。

その行為が社内で発覚し、上司に詰問されたアルザバラは「単なる好奇心でアクセスした」と言ったとされる。しかし彼は解雇されると、文字どおりその翌日に家族とともにサウジアラビアに飛び、現在は当地政府の職にある。

関連記事:サウジ政府に誘惑されたTwitter社員が2015年の国家によるハッキングの警告の契機だった(未訳)

この事件によりTwitterは数千名のユーザーに、彼らが国家がスポンサーである攻撃の対象かもしれないと警告したが、実際に彼らの個人データが秘かに盗まれた証拠はない。The New York Timesの報道では、この警告活動は個人情報取得の目的のためにサウジの政府職員に買収されたTwitter社員が契機だった。そして今回明らかになったのは、同様の行為に関わった社員がもう一人いたことだ。

問題の事件はまだ未確定であり、今後さらなる情報が明るみに出るものと思われる。将来の類似事件の防止策についてTwitterに尋ねたが、同社は明確な回答ではなく、次のような声明をくれた。

今回の捜査に関してFBIと司法省の支援に感謝する。悪者たちが弊社のサービスを毀損しようとする試みについては、十分に承知している。弊社は機密扱いであるアカウント情報へのアクセスを、訓練され審査された特定の社員グループに限定している。弊社は、Twitterを使って自分たちの考えを世界と共有しようとする権能の座にある人びとが直面する、大きなリスクを承知している。弊社には、彼らのプライバシーと重要な仕事をする能力を保護するツールが配備されている。弊社は、われわれのサービスを使って平等と個人の自由と人権を唱道する人びとの保護に真剣に取り組んでいる。

画像クレジット: Bryce Durbin/TechCrunch

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ファーウェイがバグ発見褒賞会議を開催、ミュンヘンにハッカーを集める

中国のテクノロジー大手のHuawei(ファーウェイ)は、今月下旬にミュンヘンで開く秘密会議に全世界の優秀なスマートフォンハッカーを招き、各国政府の同社に対する懸念を払拭しようとしている。

TechCrunchの情報筋によると、その11月16日の会議でファーウェイは、新しいバグ褒賞事業を非公開で提示する。それにより、セキュリティの脆弱性を指摘した研究者には賞金が贈られる。情報筋によると、そのバグ褒賞事業は過去と未来のモバイルデバイスを対象とし、またAndroidに対抗する同社製モバイルオペレーティングシステムであるHarmonyOSも、バグ発見賞の対象になる。

Apple(アップル)やGoogle(グーグル)、Samsung(サムスン)など、そのほかのスマートフォンメーカーにもバグ褒賞制度がある。

ファーウェイの新しいバグ発見褒賞制度は、同社と中国政府との関係に対する批判が最近ますます高まっていることと関係がありそうだ。同社が中国政府のためにスパイ行為をしているという米国の主張をファーウェイは否定しているが、それでもなお連邦政府は制裁と米国での事業に対する制限を解こうとしない。同社に対するこのような圧力の中で、グーグルなどはファーウェイに対する同社スマートフォンに使われていたAndroidのサポートを停止し、そのため同社は独自のOSを使わざるをえなくなった

ある情報筋はこのイベントを、アップルが8月に主催した秘密会議に似ているという。そこではiPhoneをハックしてセキュリティの弱点を見つけたセキュリティ研究家に、特別製のiPhoneが贈られた。

情報筋によるとファーウェイのバグ褒賞会議の目的は、セキュリティ研究者たちと同社との積極的な協働ぶりを各国政府に見せつけることにある。ファーウェイは通信企業が使用するネットワーキング機器も作っているが、これに関しては今年初めに英国の政府当局から、同社は国のセキュリティの脅威にはならないと主張しながら、深刻で意図的な欠陥を直そうとしないと批判された。

ファーウェイのスポークスパーソンであるChase Skinner(チェイス・スキナー)氏は、コメントの求めに応じなかった。

関連記事:米通信委がファーウェイとZTEの設備排除を通信会社に要求へ

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民主主義の大規模な破壊を恐れたインド政府がネットサービスを一部規制へ

インド政府は米国時間10月21日、情報仲介企業を規制する既存のルールを改定する計画であることを発表した。情報仲介企業(Intermediary、Intermediarries)とは、コンテンツの作成をユーザーに依存しているソーシャルメディアアプリケーションなどのことで「彼らは民主主義にとんでもない破壊をもたらしている」と政府は見ている。

最高裁判所に提出された法的文書で、エレクトロニクスと情報技術省(Ministry of Electronics and Information Technology)は「情報仲介企業を規制する規則を2020年1月15日までに起草する」と表明している。

さらにその文書の中で同省は「インターネットは民主的な政体に想像を絶する破壊をもたらす強力なツールとして勃興した」とコメントしている。そこで同省によれば、情報仲介企業を監視監督することによって「個人の権利や国の統一性、尊厳性、および安全性に対する現在ますます増加している脅威に対抗できる」としている。

インド政府は昨年後半に、法案協議に関するガイドラインの草案を発表した。それによると「提案されている規則は2011年の法律を改訂するもので、情報仲介企業として500万以上のユーザーがいるソーシャルメディアなどのサービスを対象とする」ことを明らかにした。

政府の職員によると、規則の今日的な改定が必要なときとは放置すれば偽の情報やインターネットのそのほかの悪用が継続的に氾濫すると思われる時代や社会状況を指す。

10月21日に提出された文書は、WhatsApp上のメッセージの発信源を明らかにするシステムを導入せよとするインド政府の要求に対するFacebookからの拒否への応答だ。WhatsAppはインドで人気最大のインスタントメッセージングプラットホームで、ユーザー数は4億人を超えている

インドではソーシャルメディアのユーザーがアカウントに、政府発行の12桁のバイオメトリックスIDであるAadhaar(アーダール)をリンクさせるべきだという意見もある。12億人がこのシステムに登録している。

Facebookの役員は「インド政府の要求である発信源の開示に応じたら、全世界のWhatsAppユーザーが享受しているエンドツーエンドの暗号化が無意味になる」と主張している。「暗号化をなくしたらユーザーの安全性とプライバシーが侵される」と彼らは主張する。最高裁判所は米国時間10月22日にFacebookの言いぶんを聴く予定だ。

インドのインターネット人口は近年増大し、業界の推計によると現在は6億人を超えている。安価なAndroidハンドセットと低料金のモバイルデータの増殖により、ますます多くのインド人がインターネットとソーシャルメディアプラットホームのユーザーになっている。

ある下級裁判所は最高裁判所に対して「テクノロジーは経済成長と社会開発に寄与する半面、ヘイトスピーチやフェイクニュース、公序紊乱、反国家的活動、名誉毀損的投稿、などなどの違法行為がインターネットとソーシャルメディアの上で急増している」と伝えた。

画像クレジット: HABIB NAQASH/AFP/Getty Images

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罰金総額3.8兆円の対Facebook集団訴訟がいよいよ本番へ

Facebookは、米国イリノイ州で顔認識データを悪用したとされる賠償額350億ドル(約3兆8000億円)の集団訴訟の前段で敗訴した。米国時間10月16日、同社はその訴訟を棄却してもらうために必要な第9巡回裁判所の裁判官全員の前でのヒアリングを拒否されたのだ。従ってこの訴訟は、最高裁判所の仲裁がないかぎり実際の裁判にかけられる。

訴状によると、マッピングが始まった2011年にイリノイ州の市民は、アップロードされた彼らの写真が顔認識でスキャンされることに同意していないし、データがどれだけ長く保存されるのかに関する情報の提供もなかった。Facebookは700万人の人々に対し一人あたり1000ドルから5000ドルの罰金を科せられ、その総額は最大で350億ドルになる。

facebook facial recognition photo review

第9巡回裁判所の3人の判事はこの訴訟の棄却を求めるFacebookの申し立てを却下し、原告を集団訴訟原告不適格とする8月の抗告も退けられた。判事の一人は、Facebookの顔認識データが監視カメラの記録で彼らを特定するために利用されたり、さらにはバイオメトリックスで保護されている携帯電話をアンロックするために使われたこともありえると述べた。Facebookはもともとこの機能を、写真のタグを強化するために作り、ユーザーにタグのない写真を見せ、それが自分であるか、それとも特定の友だちであるかを尋ねていた。

Nicholas Iovinoが今日見つけた裁判所の発表を、この記事の末尾に掲載した。コメントを求められたFacebookのスポークスパーソンは、次のように答えた。 「Facebookは常に顔認識技術の使用について人々に話しており、それを彼らのために利用することの是非に関しては彼らにコントロールを与えている。私たちは私たちのオプションを目下再検討しており、今後も私たち自身を強力に擁護し続けたい」。

2015年に提出されたこの集団訴訟の告訴を、Facebookはあらゆる手段で阻止しようとした。訴状中の大量の言葉の定義に異議を申し立てたり、訴えの基盤にもなっている「バイオメトリック情報プライバシー法」を無効とするロビー活動を展開したりした。

FTCの同意判決違反では5億ドルの示談金で合意に達したが、この集団訴訟の罰金額はその記録を破っている。昨年の年商550億ドル(約6兆円)のFacebookにとってたいした額ではないかもしれないが、この訴訟にはデータのプライバシーや透明性に関する要求が大量に付随している。350億ドルの罰金決定は、今日のFacebookの株価の2.25%下げに貢献したようだ。

画像クレジット: Mike MacKenzie
補足記事提供: Zack Whittaker

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Twitterが世界のリーダーたちの暴言のリツイートを禁止

Twitterは、ルールに違反している世界のリーダーからのツイートへの対話の仕方を制限することを発表した。

同社によると、今後は人を不快にさせるようなツイートをいいねしたり、リプライ、シェア、またはリツイートすることを禁ずるが、コメントや普通のツイートの中で問題のツイートを引用することは許される。

その理由は、ユーザーは今世界で起きていることを、口汚いツイートも含めて知るべきだが「ルール無視の黙認は許さないためだ」という。

口汚いツイートへのいいね、リプライ、シェア、リツイートはできなくなる。コメントでリツイートして自分の意見を表明することはできる。

Twitterは「ルールを破っている世界のリーダーに対して何もしない」という非難と、表現の自由の間で板挟みになっていた。

Twitterは米国時間10月15日の無署名のブログ記事で、「世界のリーダーたちのTwitter上の行為に対して前例のない措置を講じた」と言っている。

昨年Twitterは「北朝鮮に対する宣戦布告の脅しなど物騒なツイートを書くドナルド・トランプを禁じない」という立場を明らかにした。しかし、イランの最高指導者ハメネイ師の場合は、彼のツイートの1つが削除された

Twitterは「世界のリーダーたちのアカウントが弊社のポリシーよりも上位にあることはない」とし、「テロを奨励するツイートや暴力による脅し、プライベート情報のポストなどを行う者は、誰であれ禁止される」と説明する。

しかし、Twitterはこれに続けて「世界のリーダーが関与している場合は、その発言への公共的関心が明らかに存在するならば、そのコンテンツをそのまま残すという小さな過ちを、私たちはあえて犯すこともある」とも語る。、

そしてそんな場合には「そのコンテンツにルール違反であるという注記を付け、人々がコンテンツを見られるためのリンクを置く」として、7月の約束を補足している。

Twitterは、こんなツイートもしている。「目標は、ルールを正しく公平に適用することである。そうすることによって、弊社の検閲方針を正しく理解していただけると思っている。弊社はオープンな会話の場を提供するとともに、人々がリーダーの言葉を聞き、彼らの説明責任を明らかにする権利を保護する」。

関連記事:Twitter asserts that it won’t ban Trump because he’s a world leader(トランプは世界のリーダーだから暴言ツイートを禁じないとTwitterが発表、未訳)

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地球から110光年先のスーパーアースに液状の水

氷やガス状の水は私たちの銀河系宇宙でそんなに珍しくはないが、液体の水は極めまれだ。そして、地球に似た太陽系外惑星上の液状およびガス状の水どうだろう?それはまだ、見つかっていなかった、これまでは。天文学者たちはこの、天空の珍獣とも言うべき系外惑星K2-18bを、今や古色蒼然たるハッブル宇宙望遠鏡を使って発見した。

K2-18bは、質量と大きさが地球に近いので「スーパーアース」と呼ばれる。それだけでなく、太陽系の「可住ゾーン、ハビタブルゾーン」に存在し、水を液状に維持できる。それは、110光年先の獅子座の中にある。

スーパーアースや可住域の惑星、それに水のある惑星の数はとても多いけど、この3つの条件が揃った惑星はこれまでなかった。3連勝は今回が初めてだ。

研究者たちはハッブルの過去のデータを使って、K2-18bの太陽の光がその大気を通過するときのスペクトル特性を調べた。彼らは液状ガス状両方の水の証拠を見つけ、それは地球上のような水循環を示唆していた。蒸発、凝縮、などなどの。

関連記事:There is liquid water on Mars(火星に液状の水がある、未訳)

しかしそれは、そこに小さな宇宙人がいるかも云々という話ではない。K2-18bの太陽は赤色矮星で、惑星はその放射を浴び続けている。宇宙望遠鏡科学研究所のHannah Wakeford(ハンナ・ウェイクフォード)はNature誌に「生命や生物が私たちが日頃知ってるようなものだとすると、この世界が生存可能であることはほとんどありえない」とコメントしている。

残念だが、そもそも科学者たちはそれを見つけようとしていたのではない。しかし、地球に似た惑星がハビタブルゾーンにあって地球に似た水循環があることを見つけたのは、本当にすごい。これまで調べた系外惑星の数の少なさから見れば、奇跡に近いのかもしれない。銀河系宇宙だけでも系外惑星はものすごく多いから、K2-18bののような星もまた、意外と多いのかもしれない。

この発見は、別の意味でも興味深い。最近の天文学の研究の多くがそうであるように、これもまた、一般公開されている(2016年から2017年までの)過去データの分析により発見された。そして分析にはオープンソースのアルゴリズムが使われた。つまり、データも研究方法もどちらも、そこらにオープンに存在している。でもそれを使いこなせるためには、本格的な科学的努力を要する。

K2-18bに関しては2つの資料が公開されている。1つはモントリオール大学、もうひとつはユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドンからだ。前者は原本が昨日Arxivに掲載され、後者は本日、Nature Astronomy誌に載った。

画像クレジット: ESA/Hubble, M. Kornmesser

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米国でドローンを武器化したら被害者がいなくても罰金260万円超

血気盛んな米国人が初めて本物のドローンを手に入れて、火炎放射器を装着してみたくなったとしても、それは極めて自然な成り行きだ。でも、この人畜無害なホビーも、世界最大の文句屋である連邦政府は黙認してくれない。

米政府の重要メンバーであるFAA(連邦航空局)はこのほど、ドローンと武器は「危険な組み合わせである」と題する通達を発表した。本当にそうだろうか。とはいえ彼らは政府の監督機関だから、いちおうその通達を見てみよう。

通達では「ネット上の写真やビデオで、銃器、火器、爆弾、火炎放射器などを装備したドローンを見たことが、たぶんあるだろう。しかし、そのようなアイテムをドローンに付けることを考えてはいけない。なぜなら、そのようなアイテムを装備したドローンは、人間とあなたの銀行口座に多大なる被害をもたらすことがありえるからだ」。

上記の内、罰金の箇所はジョークではない。FAAの規則に違反したら最大2万5000ドル(約260万円)を没収される。中でも特に重い罪は、自分の攻撃ドローンをYouTubeにポストすることだ。

https://www.youtube.com/watch?v=07rtBip9ixk

ちなみに、上のビデオの主人公はThrowFlame TF-19だ。TechCrunchはこの極端に恐ろしいデバイスを、決して推奨も承認もしない。

でも例えば、あなたがどこかの軍需企業で対潜兵器を開発していたり、ドローンに支配された未来の地球を描く映画を制作していたらどうか。あるいは、とにかく十分に注意しますと約束したら。

そういう場合はFAAに正規に申請して、ドローンの武器化について認可を得る。そんなめんどくさいこと、どうでもいいや、誰にも見られなきゃいいんだろ!?この疑問にFAAはもちろん、イエスと言わない。絶対に。だから、無認可の実験やいたずらは、最初からやらないのがベストだ。

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画像クレジット: ThrowFlame

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中国の報復関税と米大統領の攻撃的な対中ツイートで株式市場が一斉暴落

今週わずかに上がった株価だが、中国が750億ドル(7兆9000億円)相当の報復関税を発表した8月23日には主要な株価指数のすべてが急落した。

中国外務省によると、米国の自動車と自動車部品の輸入に対する関税を再開し、また、大豆やコーヒー、ウィスキー、シーフードなどの農林水産および食料品に対する関税を5または10%上乗せする。

事態はドナルド・トランプ大統領のTwitterアカウント上の声明によって、さらに悪化した。彼は、米国は早急に「中国に代わるものを探すべき」とツイート。さらに、中国は「我々の知的財産を毎年数千億ドル相当盗んでいる」と非難した。

我が国は愚かにも、中国で何年にもわたって数兆ドルを失っている。彼らは、我々の知的財産を1年に数千億ドルずつ盗んできた。しかもそれを、今後も続けるつもりだ。そうはさせない!我々に中国は要らない。そして率直に言って関係は遠くなるだろう…

この攻撃的なツイートで、市場は暴落した。ダウ・ジョーンズ工業平均は終了前に700ポイントも下がり、その日は結局623ポイント下げの2万5628.60ドルで終わった。一方S&P 500インデックスは75.84ポイント下げの2847.11ドルでその日を終え、Nasdaqは239.62ポイント下げて7751.77ドルで終わった。

今週は、米国の各種経済報告も落ち込んだ。週の初めには、米国の過去1年の新規雇用数が50万人に下方修正された。一方、国の債務は予想を上回るペースで急増し、2020年の国の赤字は1兆2000億ドルと予想される。

関連記事:Trump adds tariffs to $550 billion of Chinese imports in trade war reprisal(トランプが中国製品に5500億ドルの追加関税、未訳)

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NASAの超音速ジェット機にはフロントウィンドウの場所に4Kディスプレイを設置

NASAの静音超音速航空機の実験機であるX-59 QueSSTは、コックピットが独特だ。本来ならフロントウィンドウがあるべき場所に、大きな4Kのスクリーンがある。なぜか?これが奇抜な外見を狙った飛行機だからだ。

ロッキード・マーティン(Lockheed Martin)が2億4700万ドルの予算で開発したX-59は、ソニックブーム(衝撃波音)を発生させずに音よりも相当速く飛ぶとされている。というより、少なくとも地上の見物人にとっては「車のドアを閉める音」より大きなノイズをいっさい発生しない。

そのためには当然、なるべく流線型の形状が望ましい。だとすると、ジェット戦闘機のような突き出たコックピットはだめだ。というかむしろ、操縦士を先頭に置いて大きな窓をつける、というデザインが許されない。

コックピットはどちらかというと、小さくて変わった形をした翼の先端の上の面からつまみ出した小部屋のようで、その側面からの眺めはきれいでも前方には機首が見えるだけだ。

対策としてこの機には複数のディスプレイがあり、下の方にあるのは今の航空機にもある位置などの表示だが、上が4Kのモニターで、それはeXternal Visibility System(XVS、外部可視性システム)と呼ばれるものの一部になる。機の外部にある2台のカメラの像を縫い合わせ、前もってロードされていた地形データと合成される。

だからそれは現実の画面ではないが、パイロットはシミュレーターで過ごす時間が長いから、すぐ慣れるだろう。そして現実世界をどうしても見たいときには、そのための窓もある。

このロッキードとNASAの航空機は建造段階に入っているが、一部の部品は明らかにまだ設計途上だ。初フライトは2021年とされていて、このような実験機にしては欲張りなゴールだ。でもこの通称X-planeは、NASAが30年かけて開発してきた企画。もし成功したら、そのほかの静音超音速機の先駆者になり、かつてコンコルドなどがトライした超音速陸上空路便を未来に復活させるだろう。

ただしBoomに負けなければだが。

関連記事: JALとVirginが出資するBoomが超音速旅客機開発計画の詳細を明かす

画像クレジット: NASA

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ファーウェイが略式判決を申請して禁制の根拠は違憲と主張

米国時間5月29日、ファーウェイ(Huawei)は、同社に対するトランプ政権による全面的な禁制に対抗する訴訟手続を開始した。この中国の通信ハードウェア大手は、輸入停止の根拠とされている国防権限法(National Defense Authorization Act)の条項の合憲性を問う、略式判決の申し立てを申請した。

同社の法務担当最高責任者(Chief Legal Officer、CLO)は、米政府に対してファーウェイが前から主張している一連の論点を列挙した。Song Liuping氏は、用意された声明でこう述べている。「米国の政治家は国家の力を利用して一民間企業を追及している。これは正常ではなく、過去にも例がない」。

ファーウェイはかねてから、モバイルデバイスと5Gのインフラストラクチャを含むネットワーキング機器に関し、同社と中国政府との密接な関係につき、そのセキュリティ上の懸念を米国から問題視されていた。また同社は、イランなどの国に対する米国の制裁に違反したとして非難されている。

両者間の問題はここ数カ月で急激に過熱し、アメリカの企業とファーウェイとのすべての事業関係が禁じられた。同社はスマートフォンに関しては代替プランがあるから困らないと言っているが、しかしGoogleのようなソフトウェア企業やARMのような部品企業との断絶は克服できないだろう。

Song氏の声明は、最近同社が米商務省の輸出禁制リストに載ったことを、やや大げさな語調で非難している。「それは危険な前例を作るものである。米政府は、ファーウェイがセキュリティの脅威であることを示す証拠を何1つ提供していない。銃がないのだから、煙もない。あるのは憶測だけだ」。

この申し立てに対する審理は9月19日に行われる。

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米国がファーウェイに対する禁制を一時的に緩和か

二歩前進、そして一歩後退。

トランプ政権は中国との貿易紛争をめぐる戦略を微調整しているようだ。先週はファーウェイが米国の技術を輸入することを禁じたため、Googleをはじめ一部の米国企業は、この中国の通信技術企業でもありスマートフォンのメーカーでもある企業との関係を部分的に断つことになった。

しかしFederal Register誌のまだ草稿段階の記事によると、商務省とその下の産業安全局が、ファーウェイに「90日間の一時的全面的許可を」を与え、すでにライセンスのある米国の技術の使用を続行できるようにすると発表した。ただし、新たにライセンスを要する新しい技術や新型のスマートフォンは、それらを申請しなければならない。そしてロイターによれば、その申請は認可されないだろう。

関連記事
Why startups need to be careful about export licenses and the Huawei ban(ファーウェイ締め付けでスタートアップが気をつけるべきこと、未訳)

撤回の理由はわからない。米国の雇用への影響、が答になるかもしれない。調査団体Information Technology and Innovation Foundationが本日発表した報告書は、ファーウェイおよびその関連企業への米企業からの輸出を禁ずれば米経済に最大563億ドルのダメージを与え、最大74000人の雇用喪失をもたらすという。もちろんテクノロジー企業の多くは関税にも輸出禁止にも反対しているし、トランプ政権は米国の雇用をその内政の中心的課題にしている。

もうひとつのありうる答としては、米国の措置に怒った中国が、レアアース資源への米国のアクセスを実質的に禁じるかもしれない、という説。先週末、習近平主席はレアアースの採掘現場を訪問したが、政治アナリストたちはそれが、中国がレアアースの最大の輸出国であることを米国に思い出させるためのサインだと言っている。確かに中国は、レアアースでは世界最大だ

この一時的な緩和によって貿易関係が大きく変わるわけではないがファーウェイにとっては、米国の技術を欠いた状態で次の企業戦略を練るための、小休止にはなるだろう。

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米軍の最新秘密兵器は巨大な空飛ぶナイフで敵を斬る

先週のウォールストリートジャーナル紙(WSJ)の記事が明らかにした米軍の秘密兵器は、特定の標的の破壊を狙う攻撃において、一般市民の犠牲者を減らすことを目的としている。空中のドローンからヘルファイヤー空対地ミサイルを発射する、といった従来のやり方と違ってこの変種ミサイルは弾頭も爆薬も積まない。どうして?それは従量100ポンド(約45kg)の金属を標的上に落とし、6つの巨大なナイフでそれらを切り刻む。

WSJの記事によると、オバマ政権時代に開発されたこの武器は、特定の状況でのみ使用される。R9Xと呼ばれ、ヘルファイヤーのような通常の爆発性ミサイルでは市民に死者が出るような高精度の作戦向けに設計された。

WSJ紙は、R9Xが実際に使われた2つの作戦を確認できた。ひとつは、1月の国防総省の作戦でJamal al-Badawi(ジャマル・アルバダウィ)を殺し、もうひとつは2年前にシリアで、アルカイダのリーダーAhmad Hasan Abu Khayr al-Masri(アハマド・ハサン・アブ・ハイル・アル・マスリ)に死をもたらした。

「忍者爆弾」(Ninja Bbomb)とあだ名で呼ばれるこの兵器は、米軍が使う初めての金属と重力を利用する殺傷兵器ではない。朝鮮戦争でもベトナム戦でも、米軍は「Lazy Dog」と呼ばれる爆弾を使った。それは何百もの長さ約5cmの発射体を空から雨のように降らせ、それらの高速性が殺傷能力を持った。

多くの場合その効果は気色悪いが、あとに不発弾のようなものを残さない。その余禄(と呼んでよいのなら)は、100ポンドの鋭利な金属を敵の頭上に落とすことによって一般市民の犠牲者を最小化するこの兵器の特徴の、これまた不気味なついでの一部と言えるかもしれない。

関連記事: Palantir wins $800 million contract to build the US Army’s next battlefield software system(Palantirが戦場用次世代ソフトウェアで8億ドルの受注、未訳)

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フォックスコン郭台銘会長が親中派政党から台湾総統選に立候補

フォックスコン(Foxconn、ホンハイ)の会長であるTerry Gou(郭台銘)氏は4月17日、台湾の総統選挙に立候補することを公式に発表した。郭氏は、鴻海科技集団としても知られアップルの最大のサプライヤーでもある同社の指導的地位から退き、親中派野党国民党の指名候補として選挙戦に臨む意向だ。

台湾の経済と中国との複雑な関係が2020年の総統選の焦点になるだろう。現職のTsai Ing-wen(蔡英文)氏は国民党やそのほかの政党の候補だけでなく、自分の所属政党である民主進歩党から先月立候補したWilliam Lai(賴淸德)氏とも票を競わなければならない。

以前郭氏は、自分の大統領職への願望は道教と仏教で最高の神の位にある海の女神Mazu(妈祖)に祝福されている、と言っていた。郭氏は1974年にFoxconnを創立し、政治家であったことはないが、しかし彼の選挙戦は彼の実業家としての評判と、70億ドル(7800億円)と言われる総資産額がモノを言うだろう。

郭氏の政治家経験の欠如は有権者の心情の中で、彼のドナルド・トランプ米大統領や中国政府との関係で埋め合わせられるかもしれない。Foxconnはウィスコンシン州に100億ドルの工場を建設する予定だ。中国は台湾の主権を認めていないし、不正な地方と見なしているが、Foxconnの工場が世界で一番多い国は中国だ。

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テック企業大手のサービスのアルゴリズムによる偏向を防ぐ法案を民主党が提出

民主党の議員たちが、巨大テクノロジー企業の表面下に潜んでいるアルゴリズムによる偏向(algorithmic biases、アルゴリズミックバイアス)を抑止する法案を提出した。そのAlgorithmic Accountability Act(アルゴリズム説明責任法)と呼ばれる法案は、民主党上院議員のRon Wyden氏(オレゴン州)とCory Booker氏(ニュージャージー州)が提出し、下院では民主党下院議員Yvette Clarke氏(ニューヨーク州)が提出者となる。

この法案は時宜を得ている。先月だけでも、Facebookは求人広告における差別的扱いで集団訴訟を示談に持ち込み、また住宅都市開発省からは住宅広告のターゲティングツールで同様の民事訴訟を提起された。この法案は年商5000万ドル以上の企業をが対象だが、100万以上のユーザーのデータを保持している企業はほとんどすべて、この要件に当てはまるだろう。

関連記事: 米住宅省が住宅広告におけるFacebookの広告ターゲティングを差別として告訴

米国時間4月9日、上院で提出されたダークパターンデザインを禁ずる法案(用語解説)と同じく、このアルゴリズム説明責任法(PDF)も監督省庁は連邦取引委員会(Federal Trade Commission、FTC)になる。そして法案によるとFTCは企業に、自分たちのアルゴリズムによる意思決定システムに対する「インパクト評価」を命じることができる。その評価は、自動化システムの中にある「正確性、公平性、偏り、差別、プライバシー、そしてセキュリティ」に関するありうる結果を査定し、問題が見つかった場合は修正を要求される。

法案に関する声明の中でBooker氏は、ユーザーに買う機会のない家や、就く機会のない仕事や、その存在を知ることのできない金融サービス等を提供する、テクノロジーの差別的実践を非難した。

Booker氏はこう言っている。「この法律は企業に、自分たちのツールの正確さや公平さ、偏り、そして差別を頻繁に評価することを要求する」。

大手テクノロジー企業の偏向は今やホットな話題だが、この問題に対する政党のアプローチはかなり違った角度からも行われている。米国時間4月10日、たまたま上院の司法小委員会が上院議員Ted Cruz氏を座長とするヒアリングを行った。Cruz氏は、FacebookやTwitterが右寄りのユーザーを冷遇しているとする、根拠のない主張を繰り返す共和党員たちのリーダー格の人物だ。

一方民主党の議員たちは、アルゴリズムによる偏向のプラットホーム以外の問題にも関心があるようだ。

Clarke下院議員はこう言っている。「大企業が彼らの自動化システムの意図せざる影響に背を向けないようにするアルゴリズム説明責任法は、21世紀のテクノロジーが確実に、疎外ではなく力づけのツールになるよう導く。そしてまた、すべての消費者のセキュリティとプライバシーを強化する」。

関連記事: ‘Hateful comments’ result in YouTube disabling chat during a live-streamed hearing on hate(ヘイトをめぐる公聴会にヘイトコメントが殺到、未訳)

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インドの人工衛星破壊で400あまりの破片がさまざまな軌道上にばらまかれた

NASAのアドミニストレーターを務めるJim Bridenstine氏によると、インドが最近実施した軌道上防衛能力のデモンストレーションにより、400あまりの破片がさまざまな軌道内に散乱し、国際宇宙ステーションやそのほかの配備物を危険にさらしている。彼は米国時間4月2日に行われた市民参加の集会で、「こわい、とってもこわいことだ」と述べた。

先週敢行されたそのテストでは、インドのロケットが高度約300キロメートルに打ち上げられ、前からそこに置かれていた人工衛星に当たって破壊した。それは、1月に打ち上げられたMicrosat Rだと思われる。ナレンドラ・モディ首相はそのテストについて、誇らしげにこう述べた。「インドの優秀な科学者たちの素晴らしい能力と我が国の宇宙計画の成功が示された」。

世界中の宇宙関係者たちからの反応はそんなに温かいものではなく、一部はその行為を宇宙の軍用化に向かう一歩と非難し、またBridenstine氏らはもっと現実的な警告を発した。

彼はこう言った。「意図的に軌道上にデブリフィールド(Debris Fields,、残骸界)を作ることは人間の宇宙飛行と両立しない」。

「その一度のイベントによる400片のデブリを軌道上に認識した。われわれが今調べているのは10センチ以上の大きな破片約60個のみである。60個のうち24個は、国際宇宙ステーションの遠地点の上にある」。

これらの破片のほとんどはすぐに大気圏内で燃え尽きてしまうが、大きなものは追跡できるし、必要なら回避もできる。しかし、「これらのこと全体が悪しき前例になる」とBridenstine氏は示唆する。「どこかの国がやったら、他の国もやろうという気になるだろう」。

まさに彼の言うとおりだからこそ、今回インドはやったのだ。つい最近の2008年に米国もロシアもそして中国もすでにそれをやってしまった。だから米国にも責任の一端はある。でも、デブリを軌道上に送り込んでISSを危険にさらすようなことは、単純に良くない考えだ、と全員が合意するだろう。

インド宇宙研究機構のアドバイザーTapan Misra氏はIndian Expressに、6カ月以内にデブリはすべてなくなる、今回のミッションはいかなるリスクも生じないよう細心に計算されている、と述べている。彼によると、中国による今回と同様の迎撃ミッションは高度が今回の3倍近くあり、大量のオブジェクトを作り出したので、長年経った今でも探知の対象になっているそうだ。

軌道上のデブリは深刻な問題であり、今後打ち上げが増えるとともに問題も悪化する。しかしRocket Labのような一部の企業は事前対策を取ろうとしている。同社はなんと、宇宙銛(もり)という、打ち込んで後で回収できる装備を設計している。それは理論としてはたいへんクールだが、むしろ、そんなものが必要にならないことを願いたいね。

画像クレジット: AFP/Arun Sankar/Getty Images

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トランプ政権のCTO、合衆国最高技術責任者がやっと決まる

2年あまりのトランプ政権でずっと空席だったU.S. Chief Technology Officer(合衆国最高技術責任者)の席がやっと埋まる。Bloombergの記事によると、米国時間3月21日、トランプ大統領は、現在CTO代理であるMichael Kratsios氏を、テクノロジーに関する国の最高の地位に昇進させる。トランプ政権に加わる前のKratsios氏は、Peter Thielの投資会社Thiel Capitalの主席スタッフで、また、もうひとつのThielのプロジェクト、ヘッジファンドClarium Capitalの最高財務責任者(CFO)だった。

国のCTOという役職はオバマ時代に作られ、これまで3名が奉職した。最後は元GoogleのMegan Smith氏で、Googleの初期の買収を仕切った人。その後はGoogle.orgに在籍していた。

CTO職は、テクノロジーの問題に関して大統領に助言し、テクノロジー政策の形成を助け、また民間部門へのリンクになる点も重要だ。前任者とは対照的にKratsios氏は、その役割に明確なベンチャーキャピタル色の視点を持ち込むだろう。ちなみに国のCTOは、ホワイトハウスのOffice of Science and Technology Policy(科学技術政策部)に属する。

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元ハッカーが初めて米大統領になるかもしれない

民主党の大統領候補Beto O’Rourke(ベト・オルーク)氏が、数十年前の悪名高きハッキンググループのメンバーだったことを明かした。

この元下院議員はテキサスのハッカーグループ「Cult of the Dead Cow」のメンバーだった。このグループはインターネット時代の初期のハクティビズム(Hacktivism、政治活動社会活動などを含むハッカー主義)に影響を与えたことで知られ、Windowsをハッキングするコードを作った。1990年代にはインターネットを抗議運動のためのプラットホームとして利用し、人権の重視を訴え検閲を非難した。その多くのリリースの中では、リモートアクセスとアドミニストレーションのツール「Back Orifice」がとくに有名だ。

このハッカーグループの一件を報じたロイターの記事によると、当時のオルークのハンドル名は「Psychedelic Warlord」だった。

彼はその後政治家への道を進み、2005年にエルパソ市の市会議員に当選してからは、ハッカーグループのメンバーだったことが自分の政治家としての成長を傷つけないか心配するようになった、という。グループのメンバーたちはオルークの秘密を護ったが、彼自身はロイターに、グループとの縁を認めた。

ロイターは彼を「米国の政治史における最も傑出した元ハッカー」と記し、その彼は米国時間3月14日に、米大統領に立候補すると発表した。

もしも彼がホワイトハウスを勝ち取ったら、彼は初めてのハッカー大統領になる。

オルークの履歴を見ると、アメリカが現在直面しているテクノロジーの問題にこの候補者がどのようにアプローチし、どのように問題を理解するかわかる気がする。テクノロジーに関して、かなり本格的な知識と理解を持った人が二大政党から大統領選に出馬するのは、これがほとんど初めてだろう。彼なら、テクノロジーが持ち込む良い面と諸問題に、政策のレベルで厳しく配慮し対応できるのではないか。

「インターネットには民主化する力がある、と思っている。私の個人的経験から言っても、インターネットは人の生き方を変える。そしてインターネットの上では、アイデアと技術を分かち合う国中の人びとの途方もない知性を有効に利用できる」。オルークはロイターにこう語っている。

この46歳氏はまだ支持者たちに、この新たな発覚について述べていない。

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米議会に超党派で提出、顔認識技術の商業的利用を監視監督する法案

米国時間3月14日、米ハワイ州選出のBrian Schatz上院議員(民主党)とミズーリ州選出のRoy Blunt上院議員(共和党)が、顔認識技術の商用利用を監視監督する法律の法案を提出した。Commercial Facial Recognition Privacy Act(商用顔認識プライバシー法)と名付けられたその法律は、顔認識を使用している企業がそのことを消費者に知らせる義務と、企業がユーザーの同意なく顔認識データをサードパーティと自由に共有することに対する制限を定めている。

Blunt上院議員は法案についてこう説明している。「消費者は自分のデータがどのように集められ利用されているかについて、ますます心配している。それらのデータには、顔認識技術で集められたデータも含まれる。そのため、今後のこの技術の開発に対してガードレールを設け、責任ある実装が為されるようにしていく必要がある」。

マイクロソフトは、この超党派的法案を支持している。それは、顔認識技術に対する同社の規制方針にも合致している。マイクロソフトの社長Brad Smith氏は、December誌でこう述べている。「この技術を規制する法律の採択を政府が2019年に開始することが重要、とわれわれは考えている。今ならまだ、顔認識という霊鬼が瓶から飛び出したばかりの段階だ」。

The Hill誌の指摘によると、この法案にはマイクロソフトが前に言及していた警察による顔認識技術の使用に関する条項が含まれていない。例えば、特定個人の監視には裁判所命令を要するといった制限条項。代わりに法案が重視しているのは、顔認識技術の商業的利用がもたらすリスクだ。顔認識技術に対する法制は今年から、マイクロソフトの本社がある州では州レベルでも進んでいて、同社はそれを支持している。

Schatz上院議員は法案についてこう述べている。「顔は人間のアイデンティティであり、個人のものだ。だから顔を追跡したり分析しようとする企業には、事前に許可を求める責任がある。われわれの法案は、企業が顔認識技術を使ってデータをシェアするとき、人びとが事前に確実にその情報を知り、もっと重要なこととしては、そのやり方を人びとがコントロールできるようにするものだ」。

法案の去就はともかくとして、これを見るとこの技術に対する、議会による規制の基調のようなものが分かる。マイクロソフトの関与からもわかるように、顔認識技術に対しては一般社会からの関心も濃密だから、企業は法律ができる前に法案作成の段階から積極的に関わっていくべきではないか。

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オポチュニティの最後の火星パノラマ写真は素晴らしすぎて言葉がない

火星探査車オポチュニティは、公式には永久にオフラインになったが、その科学と画像の遺産は存続する。そしてNASAは米国時間3月13日、あのロボットがその後塵の毛布に包まれていく前に送ってきた最後の、完全に近いパノラマをシェアした。

火星の表面にこれまで5000日(地球日ではなく火星日で)以上いたオポチュニティは、その最後をエンデバークレーターの中、その東縁にあるパシビアランスバレーで迎えた。生存の最後の1か月彼は、自分のまわりを規則正しく撮影し、多くの感動的なパノラマにまた一つを加えた。

パノラマカメラ「Pancam」は、撮影をブルー、グリーン、ディープレッド(深紅色、近赤外線色)の順にフィルタをかけて行い、354の画像で多様な地形や自分の一部、そして谷を踏み歩いた軌跡を拾う。下の画像をクリックすると完全な注釈つきのバージョンを見られる。

それは、人が望みうる火星の風景画像としてこれ以上のものがありえないほど完璧で、細部の違いまで詳細だ。色を加工しているので、この世のものとは思えぬ独特の美しさがある(元の色のバージョンはここにある)。そしてそのため、この探査車の最後のショットだという切なさが胸を打つ。彩色は実は完成していない。左下にあるモノクロの部分は、これから彩色する箇所だ。

厳密に言うとこれは、探査車が最後に送った画像ではない。あの致命的な塵の嵐が迫ってくるとき、オポチュニティは最後のサムネイルを送ったが、本体画像は送られなかった。それは、日没寸前の太陽の画像だ。

塵の雲が完全に太陽を覆い、オポチュニティが漆黒の闇に包まれたことは最後の送信でわかる。

上の画像中にある閃光やドットは、すべて画像センサーのノイズだ。本当は完全な闇で、その嵐の規模が全惑星サイズであることから考えると、数週間は続くだろう。

オポチュニティは、とてつもない幸運に恵まれた。設計寿命の何十倍も長持ちして旅をし、チームの最長予測すら超えた。しかも最後の日まで美しくて価値あるデータを取り続けたことは、その設計と制作が堅牢かつ細心であったことの証明だ。

画像クレジット: NASA/JPL

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ファーウェイが米政府を提訴、自社機器に対する禁則は「憲法違反」と主張

ファーウェイは、スパイ行為と米国のイランに対する制裁と関連した銀行詐欺の嫌疑から身を護るために、米国政府に対する訴訟に踏み切った。米国時間3月6日の夜に行われた記者会見でファーウェイは、米国政府を訴訟したことを発表し、同社の製品の使用を連邦政府機関とその契約企業に対して禁ずることは「適正な司法手続きを欠いており憲法違反だ」と主張した。

同社は世界最大の通信機器メーカーで、またスマートフォン市場ではApple(アップル)に対する脅威を日に日に増している。ファーウェイの米本社のあるテキサス州で提出された訴状の中核にあるものは、National Defense Authorization Act(国防権限法)に2018年8月に追加された第889条が憲法違反だとする、同社の主張だ。

第889条には、連邦政府機関がファーウェイの機器やサービスを調達したり、ファーウェイの機器やサービスを使っている契約企業と協働したり、あるいはファーウェイ製品の調達に使われる補助金や政府融資に支出することを防ぐ規定がある。

3月6日の記者会見でファーウェイの輪番会長を務める郭平(Guo Ping)氏は「米議会はその規定を支持する証拠を提供していないし、ファーウェイへの禁則ための適正な司法手続きを行っていない」と言った。同社は、その規定に対する終局的差止め命令を求めている。

郭氏はこう語る。「これまでの30年間、弊社製品のセキュリティにはまったく問題がなかった。ファーウェイがバックドアをインストールしたことはないし、他社がわれわれの機器にバックドアをインストールすることも絶対に許さない。米国政府はわれわれのサービスを脅威と決めつけているが、その非難を正しいとする証拠を示したことは一度もない。米国政府は証拠提出の努力もせずに、一方的に企業に汚名を着せているだけである。さらにひどいのは、われわれを他の国でもブロックしていることだ」。

米国の政府職員たちはかなり前から、国内企業と他国の政府がファーウェイの機器を使わないよう警告していた。「中国がそれらの機器を使って諜報活動をしているおそれがある」とされた。2017年に成立した中国の法律は、「すべての団体と市民が法に即した国の諜報努力を支持し、援助し、協力することおよび、彼らが知っている国の諜報活動の秘密を保護すること」を要求している。

ファーウェイの法的行為は、ライバルのZTEと米国政府の間で昨年到達した和解と対照的である。ZTEが10億ドルの罰金を払うことに同意したあと7月に、米国はZTEが米国のサプライヤーに販売できないようにしている禁則を解除する、と発表した。それまでの捜査では、その中国の通信機器メーカー(ZTE)が、イランおよび北朝鮮と取り引きすることにより、米国の制裁に違反している、とされていた。

肥大する脅威

ファーウェイに関する懸念は、同社が5Gの技術における中心的な中国企業へと成長したことにより、一層エスカレートしている。5Gは、自動運転車や遠隔手術などの未来的な通信技術を支えるネットワーク技術だ。その背景には、世界全体の5G化をリードしたいとする中国の野心がある。そのため中国政府は5Gの商用ライセンスの発行を急ぎ、消費者の関心を喚起しようとしている。

今年の初めに米国司法省はファーウェイと同社の財務担当役員Meng Wanzhou(孟晩舟)氏を、米国のイランに対する制裁を回避する事業行為により刑事告訴した。孟氏は今週、彼女の権利を侵犯したとしてカナダ政府と警察を告訴した。その権利侵犯とは、彼らが12月に米国政府のために彼女をカナダ国内で拘留したことを指している。

ふだんはあまり人前で話すことのないファウンダーのRen Zhengfei(任正非)氏をはじめファーウェイの役員たちは、同社の機器にバックドアがあることを断固否定した。最近任氏は、米国が彼の会社の進路を妨害することはできない、と宣言し、彼の娘である孟氏の逮捕を、“政治的動機に基づく許しがたい行為”と呼んだ。

このファーウェイ騒動は、米国と中国の貿易紛争が長引いている間に生じた。世界の二大経済圏の間で緊張がこれ以上増せば、イノベーションを扼殺するとの論評もある。世界中の国が今では、投資とサプライチェーンのリソースと技能労働者をますます中国に依存するようになっている。しかし同時にその多くは、セキュリティで米国との連合に依存している。

【アップデート】ZTEの件と貿易戦争について米国時間3月7日に加筆。

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