英語学習者の読解レベルに応じたニュース文書を提供するNewsela、対象をニュース以外にも拡大

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Newselaは2012年にサービスを開始し、英語学習者に広く活用されているサービスだ。英語の読解力を、個々人のレベルおよびペースで高めることを目的としている。

NewselaのCEO兼共同ファウンダーであるMatthew Grossによれば、80万の先生および770万の生徒が利用しているのだとのこと。

読解の教材にはもっぱらニュースを使っていたのだが、英語学習の観点からみると、これだけでは不十分だという話になったようだ。英語をただ読むだけでなく、内容を把握して自分自身で考える能力も身につけさせたいと考えるうち、教材の幅を広げることになったそうだ。

新学年を迎えようとする今、Newselaが新たに追加したのはLibraryだ。このLibraryでは歴史や有名な人物に関する一時的情報を、さまざまな読解レベルに応じた形で提供する。用意している言語は英語およびスペイン語だ。

扱うものを具体的にみれば、歴史ないし人物関連の情報の中でもとくに、メディアやポップカルチャーにも頻繁に登場するものを集めている。たとえばリンカーン大統領のゲティスバーグ演説やブラウン対教育委員会裁判に関するものなのだ。

こうした資料は非常に価値あるものではあるが、読解を難しく感じる人もいる。オリジナルをみてみようとウェブや印刷物を探しても、読めなくてがっかりする人も多い。

そこで、こうした資料を読解レベルに応じた形で提供しようとしているわけだ。合衆国憲法を8歳程度の子供の読解力にあわせて書き換えている例を下に掲載しておこう。

オリジナル
We the People of the United States, in Order to form a more perfect Union, establish Justice, insure domestic Tranquility, provide for the common defence, promote the general Welfare, and secure the Blessings of Liberty to ourselves and our Posterity, do ordain and establish this Constitution for the United States of America.

変更後
We the People of the United States want to form a more perfect country. We will set up justice, promise peace, protect the people, keep them healthy, and have liberty for ourselves and our children. Now we create this Constitution for the United States of America in order to do those things.

なお、Libraryの追加とともに、Pro版および、教師用および学校単位でプレミアム版を利用している人に対するサービスを改良した。

追加機能により、教師は生徒たちがどのようなコンテンツを読んで、また読解力を伸ばしているのかを確認することができる。また、どのレベルで難しさを感じているのかなどを、クラス単位ないし個人毎にチェックすることもできる。

Gross曰く「生徒たちの読解力に応じて、読む力や知識、読書へのモチベーションを高めたいと考えているのです」とのこと。

本サービスは、外国語として英語を学んでいる人(ESL:English-as-a-second-language)や貧困層を主な対象としたものだ。

サービスの提供によりもちろん利益をあげることを目指しているが、まずミッションありきのサービスでもある。技術および教育の融合を考えるKPCBOwl Venturesなどからの出資を受けている。

Newselaはこれまでに2216万ドルのベンチャーファンド資金を集めている。

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(翻訳:Maeda, H

コンピューターの原理を教えるために本物のトランジスタを使って一部屋を占領する巨大なCPUを作った

Projection: Cylindrical (1)
FOV: 227 x 78
Ev: 6.71

今年の夏は、何をした? 野外コンサート数回、バーベキュー数回ぐらいかな。でも、ひとつの部屋ぐらいの大きさの40000トランジスタのCPUを、完全に手作りで作ったかな? それはたぶんないね。

James Newmanは、学生たちにコンピューターのことをもっとよく知ってもらうために、CPUを作ろう、と思った。でも、何千個ものトランジスタをシリコンのかたまりの中に埋め込むのではなく、彼は何枚もの襖(ふすま)のようなサイズのボードの上に、ふつうのサイズのトランジスタを手作業で配線して、Tetris(テトリス)をプレイできる等身大のCPUを作った。彼は先月そのプロジェクトの完成を発表し、製作過程の完全な記録とビデオを未来のギークたちのためにポストした。

Abbey Road StudiosとEPCOT Centerを合わせたようなそのCPUは一部屋を占領し、巨大なLEDボードに出力を表示する。このプロジェクトは製作に2年を要し、20kHzで動く。そのエミュレータがここにあり、プロジェクトのサイトがここだ

Newmanはこう書いている: “コンピューターはとても不透明で、目で見てその原理を理解することは不可能だ。私がやりたかったのは、コンピューターの中に入って、そこで起きていることを見ることだ。シリコン製のチップの中を歩けるほど、人間を小さくすることはできないけど、その逆ならできる。人間が中に入って歩けるほど大きなコンピューターを作るのだ。それだけでなく、あらゆるものにLEDをつけて、データの動きやロジックの動作を実際に目で見えるようにした”。

完成したプロジェクトは驚くほど複雑だが、意外にも美しい。われわれも薔薇作りやホットドッグを趣味にするのをやめて、物置の奥から、はんだごてを出してくるべきかもしれない。Newmanに比べると、ぼくらの毎日はアホみたいだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

デザインベース学習が子供たちに主体性を獲得させる

TORONTO, ON- JANUARY 17 The "Neat Freaks" from Donwood Park Jr. P.S. in Scarborough (L-R) Muskaan Butt, and Aneekah Sattar (both 11 years old) prepare their teams robot.  LEGO robots designed by some of Ontario's brightest young minds take over the joint Durham College (DC) and the University of Ontario Institute of Technology (UOIT) campus, as both institutions host the annual FIRST LEGO League's (FLL) Ontario East Provincial Championships.    January 17, 2015.        (David Cooper/Toronto Star via Getty Images)

【編集部注】著者のGian Paolo Bassi氏はSolidWorksのCEO

その年代の子供たちのほとんどが、デジタル機器に触れながらも、しばしば愚かなゲームをしたり猫の動画を見たりしている一方で、8つの小学校の教師たちと164人の4年ならびに5年生たちは、同じデバイスを新しい学びのために使っている。テキサス州とバージニア州の15の教室では、生徒たちは製造デザインとデジタル製造プロセスを使って、物理的なモデルを作成し、基礎となる数学的概念を学習して、意味のある文脈でそれらを利用している。

このFabLab Classroomは、STEM教育における「E」(Science、Technology、Engineering、MathのE)に焦点を当てた全米科学財団のパイロットプロジェクトである。このプロジェクトはノーステキサス大学で始まった。マサチューセッツ工科大学(MIT)で始められたNeil GershenfeldのFab Labの縮小版をモデルにしている。生徒たちはコンピュータ上で自分たちのプロジェクトを3Dで設計し、その後シンプルな素材を使用してアイテムを作る。

生徒たちや教師たちに利用可能な広い範囲のデジタルツールと設備が、K-12教育システム(小学校1年から高校3年までの12年間の教育システムの総称)を変容させている。Fab Labsとメイカースペースが子供たちに、設計し考案し学ぶことができる創造的な場所を提供する。ビデオゲーム(例えばMinecraft)とバーチャルリアリティ(VR)が、デザインベース学習ツール(design-based learning tools)として採用されている。学校で、共同作業スペースで、そして自宅で、3Dプリンタはより容易に利用可能になっている。こうしたすべてのツールとSTEM教育における幅広い取り組みが、とても若い年齢の子供たちに3D設計を行わせている。

自分自身が単なる消費者ではないことに子供たちが気がつくことを、いかに学校が手助けできるかが焦点である。

STEMに対する国家的な興味と熱意に不足はない。 オバマ大統領はよりSTEMに焦点を当てたカリキュラムが、アメリカの教育の困難とアメリカの製造業の衰退の是正を助けることができると考えている。米国教育省の事務次官Jim Sheltonはこう語る「STEM教育は全ての生徒にとって、彼らがこの先何をしたいかに関わらず重要です」

STEMの支持者たちは、新しい種類のツール、機械、および方法へのアクセスが増えることで、若者たちが触発されていると信じている。それは単に製造の民主化だろうか?それとも、メイカーマインドセットとハンズオン手段の更なる開放と、デザインベース教育による消費者から生産者への急激なメンタルシフトを引き起こすのだろうか?

「行動主体性の感覚」によって動かされる

子供の学問的な旅の早期に、これらのツールを提供するようにシフトすることで、私たちは単にデザインベース学習の大いなる機会を与えているだけではなく、生徒たちが自信をもってデザインと製作に取り組む能力の開発を助ける「行動主体性の感覚*」を身につけさせているのだ。ハーバード教育学大学院のAgency by Design(デザインによる行動主体性)プロジェクトによれば:

「メイカー中心教育の重要な目標は、若者や大人たちに、自分の世界を構築し形を整えるための力が与えられた(エンパワーされた)気持ちにさせる手助けをすることです。こうしたメイカーエンパワーメントの感覚の獲得は、個々人の物理的概念的環境の中のデザインを捉え関わることを学ぶことによって(別の言い方をすれば、デザインに対する感受性を磨くことによって)強く促進されます。この感受性は、若者や大人たちが物やシステムのデザインを間近に観察し熟考するとき、デザインの複雑さを探求するとき、そして自らを自分たちの世界のデザイナーであると理解するときに身に付くのです 」。

私はこれらのテーマを日々3D CADの顧客との会話の中で見聞きする。特に最近の大学卒業生たちからだが、K-12セグメントで働く私たちの教育チームからも見聞きするのだ。

それがSTEMと呼ばれようが、より包括的にSTEAM(AをArtのために追加)と呼ばれようが、生徒たちは真に学びに打ち込んでいる。生徒たちが教育レッスンを活気のあるものにする新しい仕組みで触発されている姿を見ることは心強い。たとえば新しく急速に拡張されているGoogle Expeditionsパイオニアプログラム(Google Cardboardを使って教師たちが生徒たちにVR体験を与える手助けをする)などだ。この没入的3D体験は、海底から火星の表面に至る仮想の旅を可能にする。

FIRSTロボット競技会では、Agency by Designが「デザインへの感受性」と呼ぶ活動に、米国の78000人以上の生徒が活発に参加している。生徒たちは、ボールを救い上げて投げたり、障害物を飛び越えたり、一見不可能な動作を行ったりといった、すべてが膨大なSTEM学習の成果を編みあげたメイカー精神の下で実現されるロボットを作るために、実世界に対する計算を行っている。

米国の教育ニュースをカバーする非営利、無党派のサイトThe 74によれば、ニューオーリンズのBricolage Academyの教室には欠けているものがあるらしい:椅子だ。最近では、The Maker Movement Is About More Than Science and Math — But Is All This Tinkering Really Effective?(メイカー運動は科学と数学以上のものだ — しかしこのティンカリングは本当に効果的なのか?)という表題のもとに、Mark Keierleberが次のような記事を書いている、「机の前に紙と鉛筆を持って座る代わりに、生徒たちは作業台の前に立ちLEGOやロボット、木のブロック、そして回路基板でティンカリング(いろいろ工夫しながら作ったり試したりすること)をしています」。

Bricolage Academyの生徒たちは、テキサス州とバージニア州の164人の生徒たちと同様に、氷山の一角に過ぎない。その氷山はいま、STEMのパワーやメイカー運動、そして新しいパーソナライズド学習を混ぜあわせた教育方法などを体験させることを始めることで、何百万人もの更なる生徒たちを海面へと浮かび上がらせようとしている。

これらの生徒たちと教師たちが使う言葉は、オバマ大統領や、教育省、 Agency by Designプロジェクトが使っているものとは異なるかもしれないが、伝えているメッセージは同じである:「驚くようなものを作る方法を学びたい」。

それは単にテクノロジーあるいはSTEMにフォーカスしたものではなく、それどころかメイカーマインドセットにだけ注目したものでもない。そうではなく、自分自身が単なる消費者ではないことに子供たちが気がつくことを、いかに学校が手助けできるかが焦点である。 彼らはデザイナーで、クリエイターで、メイカーで、そしてプロデューサーなのだ。今日の5年生は、生涯を通したSTEM学習者となるだろう。

訳注:*行動主体性の感覚:sense of agency(自分自身の行動を人からの指示ではなく自分自身で決めていく感覚)

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(翻訳:Sako)

Google Classroomがアップデートされ教師と親+教師と児童生徒のコミュニケーションが充実

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Google Classroomは、Google Apps for Educationの利用窓口として、クラスとコンテンツを管理するためのさまざまなツールを提供している。そろそろ新学期を控えたこの時期には、毎年のようにアップデートが行われるが、今年のアップデートは今日発表された(米国時間8/17)。

Classroomは元々、教師と児童生徒のためのツールだったが、今度のバージョンは親や保護者も利用する。親は子どもの勉強ぶりの報告を自動的に受け取るので、自分の子のクラスにおける近況が分かる。過干渉な親はこの機能を喜ぶかもしれないが、子どもはどうだろう? この機能はオプションなので、教師はオプトインした親にのみ、毎週メールを送る。

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モバイルアプリは今回のアップデートにより、教師と児童生徒がクラス以外の場所で、コラボレーションしながらドキュメントに注記を書ける。たとえば宿題の数学(算数)の問題が難しいと感じた子は、式や図形を描きながら教師に教わることができるだろう。一方教師は、この注記機能を利用して、宿題の出来栄えについて個人別にコメントを述べられる。優良可などの採点もできる。この注釈機能には、ドキュメントの一部をハイライト(強調表示)する機能もある。

教師のための機能は、それほど大きな変化はないが、Google Formsで作る問題に画像を加えられるようになった。また、クラスのさまざまな活動や行事を管理する機能も、より便利になった。

Googleの次世代型メールツールであるInboxが、Google for Educationのユーザーにも提供される。また教室で児童生徒が仮想現実(Virtual Reality, VR)を体験できるExpeditionsは、探検旅行(expeditions)の数が大幅に増えた。今や子どもたちは、Expeditionsで世界の200あまりの極地や秘境を仮想探検できるのだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Spotifyが学習コンテンツで子ども向けカテゴリーを一新

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Spotifyは今朝(米国時間8月15日)、小さな子どものいる家族向けサービスの変更について発表した。今回の変更で子ども向けカテゴリーに語彙や言語学習に焦点をあてた新たなプレイリストが追加され、さらに曲の間に挿入されたボイスオーバーが、一緒に音楽を聞いている親と子どもの交流を促進する。

同社によれば、子どもが生まれてから特に0〜3歳の期間に、(一緒に歌うことを含めて)音楽を聞かせることで、脳や言語機能の発達を促すことができる。Spotifyはこの考えに基いて「子どもと家族」セクションを一新し、特に乳児・幼児にフォーカスすることを決めた。

新しい子ども向けプレイリストは、寝るときやお風呂の時間、車での移動といった日常生活に関する内容を中心に作られている。しかし、Spotify上にあるその他の選びぬかれたプレイリストと異なるのは、親子間の会話の促進を狙って曲間に挿入された、台詞や会話のきっかけとなるようなものの存在だ。

例えば、「次はどんな曲がいいでしょうか?」と尋ねる台詞が再生され、それを聞いている親子に対して、寝る前に聞くようなゆったりして落ち着いた曲を一緒に選ぶよう勧めるのだ。その他にも、親子に間抜けなダンスを作らせたり、子どもがリズムに合わせてジャンプしたり、手を叩いたり、体をくねらせたり、足を踏み鳴らしたりするよう促す台詞が挿入されるかもしれない。また、赤ちゃん言葉の子どもと親の会話を促し、会話の最初のステップをとるよう提案するような台詞もあるかもしれない。

  1. Screen Shot 2016-08-15 at 10.23.08 AM

  2. Screen Shot 2016-08-15 at 10.22.41 AM

たくさんの有名人がボイスオーバーを担当しており、Spotifyの発表によれば、FantasiaやSarah Michelle Gellar、Wiz Khalifa、Tyler Perry、Juanes、Diego Torres、Frankie J、Laurie Berkner、Busy Philipps、Ashley Williamsなどが参加している。

また、準備されているプレイリストの内容も多岐に渡り、親が幼少期に聞いていたような「不朽の」名曲もあれば、Spotify上で他のリスナーに人気の最近の曲や、小さな子供だけでなく家庭で人気の曲も登録されている。

なお、ボイスオーバーとプレイリストは英語とスペイン語に対応している。

この新しい機能は、The Clinton FoundationとThe Opportunity Instituteの共同イニシアティブであるToo Small to Failに加え、Bezos Family FoundationのイニシアティブVroomより提供された研究結果に基いて、脳や言語機能の早期発達を促すために作られたとSpotifyは語る。Vroomは脳の発達に関する情報提供やプレイリスト内のアクティビティに関するアドバイスを行い、プレイリストの構築に携わった組織の名前は各プレイリストの情報内に記載されている。

さらに現在Spotifyは、Univision、the GRAMMY Museum、VH1 Save the Music Foundation、Fatherly、The Bump、Carnegie Hall、Gerber、ZERO TO THREEといった団体と協力しながら、継続的に子ども向けテーマ別プレイリストの作成にあたっている。

さらにSpotifyは、子ども向けカテゴリーのリニューアルを、同社にとって2つ目となる「社会貢献」イニシアティブに結びつけようとしている。イニシアティブの中でSpotifyは、Family Independence Initiativeとタッグを組み、プログラムのフィードバックを同社のネットワーク上の家族から集め、歌や音楽に関連したイベントを開催したい人に対して補助金を交付する予定だ。

「子どもと家族」セクションの改訂以外にも、Spotifyはユーザーベースの拡大に向けた取り組みの一環として、最近数多くの微調整や新機能の追加を行っていた。

例えば、今月Spotifyは初となるオリジナルビデオを発表した他、ゲームのサウンドトラックやその他の関連プレイリストを備えた新たなゲームセクションを追加していた。しかし、子ども向けセクションの一新で、Spotifyはより直接的にApple Musicに対抗しようとしている。というのも、SpotifyはAppleの「Frozen Radio」や「Lullabies」のように家族で楽しめるプレイリストを用意するだけではなく、子どもの早期学習に関連したコンテンツを提供しようとしているのだ。

新しい「子どもと家族」セクションにはspotify.com/singからアクセスできる。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

VidcodeとSnapchatが若者のプログラミング学習を促進するコンテストを開催予定

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10代の若者、特に若い女性にプログラミングへの興味を持たせるという課題には、近年幾多の企業や団体が取り組んできた。しかし、Vidcodeと呼ばれる最近誕生したスタートアップは、違ったアプローチでこの課題を解決しようとしている。Vidcodeは、プログラミングの基礎を教えることに特化したオンラインコースの代わりに、Instagram風フィルターや、ミーム、Snapchatのジオフィルターなど若者が実際に興味を持っているものを作るための知識を提供することで彼らにアピールしているのだ。

さらに今回、SnapchatがVidcodeの取り組みにパートナーとして加わることになった。

Vidcodeは、水曜日からSnapchatジオフィルターコンテストを開催予定で、選ばれた作品は実際にSnapchat上にアップロードされ、全てのSnapchatユーザーがそのフィルターを使えるようになる。同社によれば、参加者は1ヶ月間でオリジナルフィルターを作成しなければならない。

Vidcodeの設立以前は大学院でコンピューターサイエンスの研究をしていた、共同設立者兼CEOであるAlexandra Diraclesは、「ティーンエイジャーにとって、Snapchatユーザーのような大規模のオーディエンスに対して何かをつくる機会を持つというのは素晴らしいことですし、彼女たちにとって大きな意味を持っています」と説明する。

Leandra TejedorとMelissa Halfonによって共同設立されたVidcodeは、元々ふたりの出会いの場でもある、2014年のはじめに行われたStartup Weekendハッカソンのプロジェクトとして誕生した。結果的に彼女たちはコンテストで優勝し、自分たちのアイディアが即座に認められただけでなく、優勝がプロジェクトに取り組み続けるための励みとなった。

このプロジェクトについてDiraclesは、「私は、自分のSTEM分野やプログラミングへの愛を利用して、もっと多くの女の子がこの分野に興味を持てるような方法をみつけられないかと考えていました」と言う。

Vidcodeはハッカソンから1年後に正式な形でローンチされ、製品開発のための資金調達キャンペーンをKickstarter上で実施した。

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さらにDiraclesは「私たちはコーディングとティーンエイジャーの日常的な趣味を結びつけようとしていて、今で言えば、ビデオフィルターやInstagram、Snapchatなどがこれにあたります。Vidcodeでは、このようなテクノロジーの作り方やコーディングを使った改良の仕方を紹介しています」と語る。

現在Vidcodeは、Codeacademyのようなオンラインの自習用コースを提供している。生徒は1つ45分程度のレッスンを進めながら、オンラインコードエディターで実際にコーディングを行うことができる。しかし、Vidcodeの特徴はスクリーンの右側に設置されているメディアライブラリーの存在で、生徒はここに自分の写真やビデオをアップロードすることができる。この機能を使うことで、生徒は自分自身のメディアを使うことができ、勉強をより身近なものに感じられるのだ。

また、各レッスンは必要に応じて繰り返すことができるため、学生は自分のペースで勉強を進められる。

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昨年ローンチされたオンラインコースのほか、最近では教室でVidcodeのサービスを使うための教師用ツールも導入され、年単位での契約が可能だ。今ではアメリカの5000もの学校でVidcodeのソフトが利用されており、プラットフォーム上には10万人の生徒が登録している。同社によれば、生徒は週に2つから3つのプロジェクトを完了させている。

Vidcodeのこれまでのデータを見れば、ティーンエイジャーの好きなものを使ってコーディングに興味を持たせるというアイディアが機能していることが分かる。ポケモンGOの人気をうけ、Vidcodeが1週間ちょっと前にARゲームの作り方について学べるコースを開設したところ、1週間のうちに5000ものプロジェクトが作成されていた。

また、SnapchatはVidcodeにとって数あるパートナーの1社に過ぎない。同社は、Girl Scouts of Greater New Yorkと共同でミドルスクール用のコーディングプログラムの作成にあたっているほか、Intel EducationやAmy Poehler’s Smart Girlsといった組織とも協業を行っている。さらにDiraclesは、現在彼女たちがFacebookとVR教育に関する話をし始めたところだと付け加えた。

7人のフルタイムスタッフで構成されるVidcodeは、今夏Y Combinatorに参加予定で、Kickstarterキャンペーン後には小規模エンジェルラウンドで資金調達を行った。

Snapchatコンテストは水曜日からこちらで開催予定。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

エデュテックがフィンテックに続く狙い目だ

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【編集部注】著者のDavid Bainbridge氏はKnowledgemotionの創業者でCEO。

フィンテックは第4次産業革命の要だ。いまや完全に世界を席巻し、銀行とのつきあい方を永遠に変革した。しかし多くの人々は、それがまだまだこれからだと思っていて、数字もそれを示している: 今年の第1四半期におけるグローバル投資は、53億ドルに達した – 前年同期比でなんと67パーセントの伸びだ。

では何故その成功に悲鳴が上がっているのか?フィンテックスタートアップは、貪欲な消費者たちによる革新的デジタルサービスへの要求を社会の変化として捉えたのだ。実際、最近の研究によれば、もし最新テクノロジーを提供しなかったならば、銀行の3分の1以上の顧客は離れていくだろうという報告も出されている。

簡単なことだ ‐ 私たちは物事が簡単で、アクセスしやすく、すぐに提供されるようになっていて欲しいからだ。フィンテックの発案者たちは、この期待を察知し、金融サービスの伝統的な概念に革新のひと捻りとテクノロジーの手触りを追加し、銀行業務の未来が変わることを見つめて来たのだ。

そしてまあ、ベンチャーキャピタリストが目をつけたというわけだ。英国とアイルランドだけで、フィンテックスタートアップは2008年から2013年の間に投資家から4613億ポンドを調達した 。そして今や、私たちは携帯電話の電波で支払いを済ませ、時計に話しかけて資金を転送し、現金を必要とすることがほとんどなくなっている。

さて、では次は何だろう?フィンテックバブルは、まだはじける兆しはないがないが、現在のグローバル経済情勢の安定性が揺るがされるにつれ、減速の兆しを見せている。

世界が、Brexitの後遺症や、これから迎える米国の選挙、不安定な欧州の金融市場などによる経済的動揺の辻褄を合わせようと努力していることを思えば、投資家たちが過飽和のベンチャーマーケットで、賭けをして投資を行うことに消極的になる理由も理解できる。そこで、「フィンテック」の次の波を見つけ、捉え、乗ろうとしている投資家たちに、機会の窓を示したい。

エデュテック(edtech)へようこそ ‐ 2017年にやってくる、大きくて、手付かずで、安全な投資機会へ。

投資家たちへの呼びかけ

教育市場は巨大だ。ここで私たちが話題にしているのは世界で年間5兆ドルの規模を持つものである。エデュテックはまだ他の赤熱した投資機会に比べれば完全に見劣りしている。フィンテック産業だけでなく、他の産業にくらべても。例えば2015年には、全エデュテック業界に対するものよりも、Uber 1社により多くの投資がなされている。

しかし、ようやく猫が袋から出るところだ。新しい教育と学習世界の発展が、投資とともに始まっている。エデュテックへの投資は2020年までに、世界的に2億5200万ドルへ達する見込みである 。デジタル化が金融サービス業界を変えたのと同じように、その進歩的な手は教育も程なく掴みとっていくだろう。

過去150年の間というもの、ほとんどの学習モデルは – 特に子供に関しては – ほとんど変化していない。教師や講師は教室の前方に立って、主に印刷された教科書やプリントを前に座って聞いている生徒たちを相手に、考えや入門的な事実について説明している。

エデュテックは、最大のそしておそらく最も収益の高いデジタル適用分野の地位を求めてさまよっている最中だ。

しかし、いまや、デジタル技術は、今日の教室の姿を変え始めている。より多くの学生が、コンピューターやタブレットを使用しており、教師たちは講義の内容を表現するために、ますますスクリーンを使用するようになって来ている。物理的な教科書は、オンラインのインタラクティブサービスで置き換えられつつある。それらは、より最新で内容が深く、学習者に自分自身のペースでの探求と学習を可能にするものだ。

これは、2つ点で重要だ。まず、学生がデジタルDNAを持って生まれているということだ。ビジネスとして考えると、教育機関は、その消費者のデジタル需要に応える必要がある – 教室の外のデジタル技術に常にさらされている人々は、学習環境の四方の壁の内側にも同じデジタル機能を期待するようになる。

第2に、急成長するデジタルスキルが私たちの社会を分断することに、世界が気付き始めていることだ。デジタルは、程なくすべての産業の核となる。私たちは既に、人事からヘルスケア、そしてファッションに至る場所で、それが起きていることを目にしている。実際には、今から4年後には、英国ではデジタル熟練労働者だけで230万人が必要とされることが予測されている。私たちはそうした職場に向けての準備を若者たちに適切に与えているだろうか?多くの人はそうではないと言うだろう。実際には、10パーセントの学校だけが、何らかのコンピュータサイエンスのクラスを提供しているに過ぎない 。もし学校のレベルで、生徒たちを教室の外にあるテクノロジーに触れさせることを始めないならば、すぐにスキルのギャップは埋めることのできない谷になるだろう。

エデュテックは次のフィンテックだ

教育と学習テクノロジー界は、毎年英国経済に10億ポンド以上の寄与を行っていて、その過程で世界で最も革新的なスタートアップ企業を生み出している。Raspberry PiからBlackbullion、そして私たちのKnowledgemotionまで、現在英国には1000を超えるエデュテックスタートアップがひしめき合い、教育イノベーションで世界をリードしようとしている。

学校や、カレッジ、そして大学への直接アクセスを持っている唯一のテクノロジー業界であることとは別に、エデュテックは投資家にとって最も安全な賭けである。金融市場の浮き沈みとは異なり、エデュテックは安定していて、より広範な地政学的な情勢の圧力の多くから守られている。これは、賢い投資家からのスマートな資金のための、安全な避難所のようなものだ。

しかし、これは氷山の一角に過ぎない。エデュテックが、世界最大のコンテンツプロバイダー、最大の教育機関、「確実なこと」を探している投資家などに約束する機会は、ほぼ無限である。やがて「デジタルファースト」の仲間に遅れて加わるとしても、今のエデュテックは、最大のそしておそらく最も収益の高いデジタル適用分野の地位を求めてさまよっている最中だ。

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(翻訳:Sako)

オンライン言語検索サービスのLudwigで英文をブラッシュアップ

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これまで母国語以外の言語で文章を書く経験をした人であれば、恐らく誰もが少なくとも2つのことを知っているだろう。ひとつは、普段に比べて文章を書くのにとても時間がかかるということ。そしてもうひとつは、オンライン翻訳サービスには間違いが多いということだ。

イタリア出身の研究者Antonio Rotoloも、学生生活の早い段階で同じ問題に直面した。国際的なキャリアを築いていきたいと思った彼は、論文を英語で執筆しなければならなかったのだ。そして、MITに入学してから半年後に、Rotoloは新しい形のオンライン翻訳サービスのアイディアを思いついた。彼の思い描いたサービスは、The New York TimesやBBCなどの信頼できる情報源が文法的な誤りを犯していない限り、間違いようのないものだった。

2016年2月に公開されたLudwigは、正しい英語の文章を書くサポートをする言語検索エンジンだ。イタリアのカターニアを拠点とするLudwigは、シチリア島出身でアメリカ、ノルウェー、ドイツ、スペインの大学での勤務経験を持つ研究者やエンジニアのグループによって設立された。同社は、2014年7月に153億ドル規模の電気通信会社Telecom Italiaより2万5000ユーロ(2万7880ドル)の補助金を受け取った。

Ludwigについてまず知っておかなければならないのが、ユーザーはアクティブな役割を担わなければいけないということだ。「私たちの最終的なゴールは、ユーザーが自分の力で英文を書けるようになることです」と共同設立で公共経営博士のFederico Papaは語った。「私たちは言語学習がアクティブなプロセスだと堅く信じています」

  1. まず、ユーザーはチェックしたい文章を入力する。すると、Ludwigが正しい例文を表示する。
  2. さらにユーザーはLudwigに英文の空いている箇所を埋めさせることもでき、文脈に合う語彙のリストを確認できる。
  3. 熟語はLudwigのデータベース上に登録されている。
  4. Ludwigは辞書としても使うことができる。
  5. Ludwigのウェブサイト上には、英語について書かれたブログもある。

Ludwigを使う際、ユーザーはLudwigバーに(Google翻訳を使うときのように)翻訳したい文章を入力するのではなく、自分なりの英訳文を入力しなければならない。そして、アルゴリズムが入力された文章を、The New York Times、PLOS ONE、BBC、学術論文などの信頼できる情報源を基にした例文データベースと比較する。その後、Ludwigが検索結果を表示し、ユーザーは例文を確認するとともに正しい表現を学ぶことができる。

「私たちはLudwigがGoogle翻訳の競合サービスだとは考えていません」とCEOのRotoloは話した。「Google翻訳でまず翻訳を行って、その後Ludwigで翻訳が正しいかチェックすることはできますけどね」

Ludwigの社名は、20世紀の最も影響力がある哲学者で、数ある中でも言語哲学に焦点を当てた研究を行っていたルートヴィヒ・ヴィトゲンシュタイン(Ludwig Wittgenstein)に由来する。「ヴィトゲンシュタインは、言葉の意味はその文脈に依存するという結論にたどり着きました」とLudwigの共同設立者で認知科学者でもあり、現在ペンシルベニア大学ウォートンスクールで経営学の博士過程に在籍しているRoberta Pellegrinoは説明する。「そして、文脈こそが、何百万という数の信頼できる情報が集まったデータベースを検索し、Ludwigが提供する唯一の情報なのです」

別のオンライン翻訳ツールとして知られるReversoは、複数言語で表記された巨大な例文データベースを保有している。「Reversoのデータベース上に存在する文章は、必ず他の言語と対になっていなければなりません」とRotoloは語った。「LudwigはReversoと違い、英語で入力されたどんな文章でも、信頼できる英文を基にチェックすることができます」

しかし、少なくともひとつのケースにおいて、Ludwigのユーザーは行き詰まってしまうことになるかもしれない。例えば、「data」が単数形なのか複数形なのか確認したいとする。しかし、Ludwig上には「data are」と「data is」という両方の形の例文が表示されてしまう。こういった場合、ユーザーは検索結果の数を確認するか、ウェブ上で追加の確認を行うことができると、エンジニアのFrancesco AronicaとSalvatore Monelloは説明する。

The team of Ludwig is composed by eight people: Antonio Rotolo (CEO and co-founder), Roberta Pellegrino (design manager and co-founder), Federico Papa (legal expert and co-founder), Francesco Giacalone (designer and designer and developer), Daniele Tagliavia (communication manager), Antonino Randazzo (head software developer), Francesco Aronica (database expert) and Salvatore Monello (algorithm expert).

Ludwigは8人から構成されている。 写真の6名が左から、Francesco Aronica(データベースエキスパート)、Salvatore Monello(アルゴリズムエキスパート)、Francesco Giacalone(デザイナー兼ディベロッパー)、Antonio Rotolo(CEO兼共同設立者)、 Roberta Pellegrino(デザインマネージャー兼共同設立者)、Federico Papa(法務エキスパート兼共同設立者)で、写真には写っていない残りの2名がDaniele Tagliavia(コミュニケーションマネージャー)とAntonino Randazzo(ヘッドソフトウェアディベロッパー)。 写真提供: Ludwig

同社によれば、現在Ludwigは1日あたり平均1万ページビューを記録しており、168ヶ国から7万5000人のユーザーが日常的にサービスを利用している。

留学生はLudwigのターゲット層のひとつだ。Institute for International Educationによれば、2014年から2015年にかけて、約100万人の留学生がアメリカの短期大学や大学に在籍していた。そして、その大部分(44%)がSTEM分野の学科に入学し、科学、技術、工学、数学関連職の人材のパイプラインを形成していたのだ。

オンライン版のLudwigは現在無料で利用可能だが、同社は4つの方法でサービスのマネタイズを行おうとしている。オンライン版への広告掲載がまずひとつ。そして、ふたつめの収入源が語学学校のオンラインプラットフォームに統合することができるLudwigのAPI版の提供だ。さらに、Ludwigは広告無しのデスクトップアプリのローンチを秋に予定している。最後に、同社は信頼できる情報源に対して、オンラインアーカイブへのトラフィックを増加させるためのパートナーシップを持ちかけようとしている。

将来的にLudwigは、メンターにもなってくれるようなエンジェル投資家をみつけたいと考えている。シチリア島を離れてシリコンバレーに移動することについて、Pellegrinoは「どんな選択肢も受け入れようとは思っていますが、私たちの夢は国際的なチームと共にシチリア島で生活しながら仕事をすることです」と語った。

注記:原文の一部の文章や前置詞は、Ludwigを使ってチェックしつつ執筆されており、本記事の執筆者は英語ネイティブではない。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

イスラエルにイノベーションセンターが誕生、若手起業家の育成を目指す

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イスラエルは技術革新の国として既によく知られている。ここ数年だけを見ても、イスラエルからはWazeViberFiverrといった消費者向けの人気スタートアップが誕生している。さらに、イスラエルはUSBメモリや冠動脈ステントなど、多くのハードサイエンス分野の発明が誕生した場所でもある。

しかし、現在イスラエルはちょっとした岐路に立っている。前述のような技術的な「勝利」を見せびらかしたいと考えている一方、これからもイノベーションを生み出す続けることが出来なければ、過去にすがっていてもしょうがないとも考えているのだ。

その解決策とは、過去の成功体験を使って次世代の発明家や起業家を刺激することだった。

それを実現するための方法のひとつが、ヤッファ(Jaffa)のPeres Peace House内にある、イスラエル前大統領Shimon Peresが建てたIsraeli Innovation Centerだ。

本日発表されたこの施設は、既にイスラエルに存在する発明品や企業、さらには未だ開発されていない未来のイスラエルのテクノロジーにスポットをあてることとなる。

しかし、この施設の目的は、イスラエルについての自慢話をすることだけではない。実際のところ、Peres前大統領はその目的について、イスラエルがイノベーションを生み出しつづけることを促進することだと述べている。

Israeli Innovation Centerは、未来への道筋を一番重要視しており、私たちはイノベーションには制限や障壁がないことを証明しようとしています。イノベーションは、国家や民族を超えた対話を実現し、ユダヤ教徒、イスラム教徒、キリスト教徒など宗教を問わず、イノベーションによって全ての若者が平等に科学やテクノロジーに携わることができるのです。この施設で私たちは、幼少期から平和を推進することができると強調すると共に、全ての少年少女の想像力を刺激しながら彼らの夢を育んでいきたいと考えています。

前イスラエル大統領 Shimon Peres

彼らはどのようにPeres前大統領の言う夢を実現していくのだろうか? まず、施設の一部は「主要なイスラエル企業の紹介」と、さまざまな業界にわたるイスラエルの発明品の紹介に割り当てられる。

しかしもっと重要なのが、コミュニティースペースとして利用される予定の残りのスペースだ。ここでは、起業家が顔合わせ、一緒に働き、学ぶことを目的としており、ハッカソンに参加することもできる。Peres前大統領は、この場所では旧来の学校や大学では行っていない、実践的な経験学習をすることができると強調した。

彼は、テクノロジーこそがより良い社会を作り、世界に平和をもたらす一番の方法だと考えており、次世代の発明家や起業家が刺激を受けつつ、そのような世界を作りだせるようにトレーニングが受けられるような環境を整えたいと考えている。

そして、開所式に出席していた主賓の顔ぶれを見ると、この施設がイスラエル全体にとって最も重要なテクノロジーセンターになろうとしているのがわかる。イベントには、イスラエルの3大重要人物である前大統領Shimon Peres、現大統領Reuven Rivlin、そして現在の首相のBenjamin Netanyahuが出席していたのだ。

実際に、3人はVRヘッドセットを式典中に試し、Peres前大統領はVR体験が「全く新しいもの」であり、「新しい現実世界を創るのに必要な夢を生み出すことに繋がるかもしれない」と語った。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

学習ツールを提供するDuolingo、新しいTinycardsで言語学習以外にも対応開始

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モバイル向けの教育アプリケーションでもっとも有名なものといえばDuolingoということになるだろうか。ただし、「教育アプリケーション」とはいっても、これまでは言語の学習に特化したものとなっていた。しかしこの度Tinycards(iOS版)というアプリケーションをリリースし、「記憶力」を使うものであれば多くの学習シーンで利用できるようになった。これまで同様に単語などを学習するのにも使えるし、その他にも公式や歴史年表、あるいはポケモンの名前やステータスを学習するのにも使えるのだ(ポケモン学習用のカードもTinycards内に用意されている)。

Tinycardsを簡単に言ってしまえば「フラッシュカード」式の学習ツールだ。Duolingoと同様に間隔反復(Spaced repetition)を用いる。進度管理方法についてもDuolingoで用いていたのと同じアルゴリズムを用いている。

lessons「Duolingoは、楽しく、かつ効率的に学ぶことのできる言語学習ツールとして世の中に受け入れられることとなりました」と、DuolingoのCEO兼共同ファウンダーであるLuis von Ahnは言っている。「Duolingoで培ったノウハウを、新しくフラッシュカードを用いた学習ツールに移植することで、覚え学習に苦労している子供たちの手伝いができると考えています。もちろん子供だけでなく、大人が教養を広げるために、新しいことを勉強する際にも役に立てると考えています」。

今回のTinycardsでも、学習の中に遊びの要素を持ち込んでいる。学習をすすめることにより新しいレベルにチャレンジできるようになるし、また学習しているカードを友だちとシェアすることなどもできる。言語(単語)学習以外にも可能性を広げたのはDuolingoにとって大きな進歩だといえるだろう。

Tinycardsを起動すると、まずはフォローするフラッシュカードクリエイターを決める画面となる。今のところ、カードの多くはDuolingo自身により制作されたものだ。Duolingoと同様に使うためのDuolingoカードもあれば、歴史を学ぶためのTinyHistoryというカードもある。他にはTinyScience、TinyGeoなどがある。Tinycards上で中国語が学べるように提携して導入したChineasyもある。

こちらで試してみた際には「ひらがな」コースを選んでもみた。Duolingo自身による日本語コースはまだないようだが、「ひらがな」カードを勉強することで、日本で用いられている文字のいくつかが読めるようになるかもしれない。

使い勝手はDuolingoと同じような感じだ。最初にカードの表と裏(単語学習時なら、学習している単語が表、裏にはその意味が書いてある)を見て学習し、そして閲覧したカードに関する質問に答えていくのだ。こちらで使ってみた「ひらがな」コースでは、記された読みをするひらがなを選んだり、読みをタイプしたりして学習する。もちろんこれだけで日本語の勉強ができるわけではない。ただ、日本語学習中に、文字や単語を勉強する際には良い副教材となることだろう。なお、日本語の基本フレーズを学んだり、あるいは動物の名前を日本語で言えるようにするためのカードも用意されている。

他にフィーチャーされているカードを見てみると、たとえばロシア語のアルファベットを学習するためのものや、あるいはヨーロッパの国名を学習するためのものなどが掲示されている。「ベオウルフ」(Beowulf)を学んだ人には懐かしい古英語を学習するためのカードもある(Beowulfのみを扱ったカードもある)。言語を学んでいるときに便利な機能だが、音声を認識して正誤を判断する機能もある。

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Duolingoによれば、すでに数百ものカードが登場しているのだとのこと。自前のカードを作りたければ、そうすることもできる。アプリケーションを使っている人の誰もがあなたをフォローする可能性があり、あなたをフォローした人には、アップデート情報が配信されるようになっている。なにか得意分野があるのなら、Tinycards経由で他の人の学習を支援するようなこともできるわけだ。

今のところ、Android版をリリースするのかどうかについての情報はない。しかしこれまでのAndroid対応を考えるなら、おそらくは開発中なのではなかろうかと思われる。

ちなみにDuolingoはこれまでに8330万ドルを調達している。Tinycardsを収益源に育てようという計画は、とりあえず今のところはないようだ。

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(翻訳:Maeda, H

無料のオンラインプログラミングスクールCodecademyが3000万ドルを新たに資金調達

Codecademy  the free online coding school  raises another  30M led by Naspers   TechCrunch

Codecademyは1600万人の登録ユーザーを持つオンラインのコーディングスクールだ。これまでサービスを利用するのに生徒に一銭も課金しないという経緯を辿ってきた。今、Codecademyがいつ、どのようにサービスをマネタイズするかと疑念が湧く中、3000万ドルの新たな資金調達をCodecademyが発表した。これは同社が次にどうするかを示す出来事かもしれない。

南アフリカに拠点を置く(営利目的の)巨大メディア企業、NaspersがシリーズCラウンドを率いる。CodecademyはシリーズCラウンドで調達した資金を、引き続きCodecademyのサービスを世界に普及させ、モバイルなどなプラットフォームでも使えるよう開発に充てると語っている。

ラウンドに参加する投資家には以前のラウンドにも参加したUnion Square Ventures、Flybridge Capital Partners、Index Ventures、Sir Richard Bransonを含む。Codecademyは評価額を開示していないが、私たちは探り出そうとしている。Codecademyが調達した資金は合計で4250万ドルだ。

Codecademyの共同創業者でCEOのZach Sims氏はインタビューにおいてCodecademyは有料の「プロフェッショナル」サービス(月額約20ドル)からすでにいくらかの収益を生んでいると語った。プロフェッショナルサービスではコーディングの独習コンテンツにプラスしてメンターへの相談、成績の評価が可能だ。

しかし、Sims氏は今年度初頭のインタビューでTechCrunchに対し、Codecademyには1600万人の登録ユーザーベースをマネタイズできる他の手段があると示唆した。

「プロシューマー(製品の開発にも携わる消費者)層、追加コンテンツ、メンターへの相談、さらにはユーザーがゼロから仕事を得るまでの支援とそれに対する課金」が今年度初頭にフィリピン・ダバオで開かれたWorld Economic Forumでのインタビューの中でSims氏が言及したすべての手段だ。

コーディングトレーニングプログラムにとって問題となってきた仕事斡旋の領域にCodecademyの長期的なビジョンがある。他の高額な競合サービスは多くのことを約束するが、学習が終わった後、最終的に仕事まで提供できるところはほとんどない。

オンラインのトレーニングプログラムを通してCodecademyはユーザーに関するすべてのデータを収集する。そして、そのデータの活用で、長期的にはCodecademyは他のスクールよりも卒業生を有望な仕事とつなげることが可能だとSims氏は考えている。そしてSims氏はそれでマネタイズができればと期待している。

実際に、Codecademyはカリキュラムの卒業生をアドバイザーとして雇い、Codecademyの主張通りのことをすでに実践している。現在、アドバイザーはプロフェッショナルサービスの料金を払っている人のためのメンターとして従事している。

「私たちは自社のことを経済的な機会への入り口として捉えています」とSims氏は語った。採用候補者の能力に関して十分に理解していない担当者が門番を務める業界において、Codecademyのようなサービスは、必要とする企業が選りすぐりの人材を見つけるための助けとなるとSims氏は言う。

26歳の共同創業者Sims氏はCodecademyの成長につれて、そのオンライントレーニング・プラットフォームを別のデジタル分野に拡げていくことを望んでいる。

コーディングの時代の波に乗る

ニューヨークに本社を置き、2011年のY Combinatorに参加したCodeacademyが本腰を入れて着手している市場は巨大だ。

クラスで教えている内容、仕事の現場で理解している内容、そしてどの職に人材を充てるべきか(あるいはどのようなビジネスを構築するか)においてそれぞれテクノロジーギャップが存在する。現在、テクノロジーはいたるところに存在している。それが意味するのは私たちはすべての産業、すべての段階の仕事がテクノロジースキルを必要としているいうことだ。

これに加え、今では30億人以上の人がオンライン上にいる。対象となる大きな市場が存在するのだ(Codecademyには現在1600万人の登録ユーザーしかいないことを思い出してほしい)。

現在、CodecademyはHTML/CSS、Javascript/jQuery、Python、Ruby、PHP、APIなどのプログラミング言語やコンポーネントに重点を置いている。Codecademyの前提は単にレッスンを習うだけではなく、書いたコード、成果物へのフィードバックをプラットフォーム上で他のユーザーから受けることができる教室のような環境を再現していることだ。

人々がコードを習うのを支援しているオンライン・プラットフォームはCodecademyだけではない。同じ分野で展開するサービスは他にもLinkedInが所有するLynda.com、Thinkfuk、Code.org、Coursera、Udacity、Pluralsight、Khan Academy、Treehouseなどがある。

さらに教育が専業の企業からAmazonのような企業まで、オンライン学習ツールを開発している企業は数多く存在する。これらの企業もCodecademyが解決することを目指すスキルギャップの解消を目的にしたコンテンツを開発準備中だ。

競争の渦中にいるCodecademyのユニークな売りの1つは無料で使用できることだ。ある人たちは、Codecademyの教育では十分には学べず、よりプログラミング学習に真剣な生徒は最終的には別のオンラインプラットフォームを見つけなければならないと指摘している。しかし、Codecademyは何か試してみたいという好奇心のために入門の敷居を低くしているのだ(深い専門性やレベルの高いスキルを学ぶ教育コンテンツにおいては、マネタイズが確実にできるだろうとSims氏も述べている)。

端的に言えば、多くの競合が出てきたということは、コンピューター・プログラミングの機能を学ぶことへの関心の高まりにCodecademyが乗ってきたことを示している。

「2011年にCodecademyを設立して以来、21世紀の教育の鍵となる科目としてコード学習への関心が爆発的に高まっている様を見てきました」とCodecademyのZach Sims氏は声明において語った。「数百万の月間ユーザー、米国外に50%以上のユーザーがいるので、Naspersとパートナーを結ぶことは最高の機会です。幅広い学習コースを多くの言語で、新たな地域に提供していくことでビジネスを拡大させ、誰もが経済的な機会にアクセスできる教育を創造していきます」。

ラウンドの一環として、Naspers VenturesのCEOのLarry Illg氏がCodecademyの取締役に就任した。

「従来の大学は、テクノロジーを学ぶ生徒や雇用者の要求の変化に対応するには不十分な備えしかありません。Codecademyは市場において重要で埋める価値のあるギャップを解消させることができるでしょう」とLarry Illg氏は語った。「Codecademyの製品の質とチームの実行力で海外展開を進め、今後の拡大に向け、確固たる地位を築くことができています」。

Naspersは米国の教育界に長いこと関わってきた。NaspersのCodecademyへの投資は米国のEdTech(教育テクノロジー)において3回目の投資となる。Naspersの投資先にはBrainlyやUdemyが含まれる。

今年度初頭のSims氏へのインタビューはこちら

原文

(翻訳:Shinya Morimoto)

DIY.CoがCartoon Networkと共同で子供向け学習プラットフォームJAMをローンチ

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Vimeoのデザイナーで共同設立者であるZach Kleinの率いる、教育系のハイテクスタートアップDIY Co.は、JAM.comという新しい子供向けの学習プラットフォームをローンチした。

KleinがTechCrunchに語ったところでは、同社は2015年の暮れに400万ドルのベンチャー基金をひっそりと調達した。そのラウンドはJAMの開発をサポートするためのもので、Learn Capitalがリードを務め、Spark Capitalの参加で行われた。

DIYの新サイトであるJAMのコースは14歳までの子供が対象だ。「子供にとって学ぶ価値があるが、学校では教えてくれないスキルの数は膨大で、フルタイムの教師でなくても子供にそう言ったスキルを喜んで教えたいという先生はたくさんいる」と、Kleinは言う。

これまでのところ、JAMのコースには「自分だけの機械を発明するには」、「料理のプロになろう」、「アニメーターになるには」などがある。

DIYがCartoon Networkと共同で開発、プロモーションを手掛けるアニメーションのコースは、サインアップした子供とその親に無償で提供される。他のコースは1コースにつき99ドルで、1年間アクセス可能だ。始めるにあたって7日間の無料体験期間がある。

Cartoon NetworkのアニメシリーズAdventure Timeの製作における中心人物の一人、 Julia PottはJAMのアニメコースの開発を手伝った。PottはJAMのコースのビデオの部分にも実際に出演している。

JAM features a How to Become a Pro Chef course for kids.

JAMの料理コース、「料理のプロになろう」

DIYはJAMコースの製作にあたり、厳選した講師陣を揃えた。それらの講師はDIYのスタッフであったりPottのようにその分野のエキスパートであったりする。同社はコースを販売することで収入を得ている。

Kleinは同社のアプリとサイトを完全に無広告にすると決めており、ユーザーデータも売却されたりしないということだ。

Cartoon Network社長のChristina Millerによると、このコースに参加した生徒のうち、少なくとも3人の作品がCartoon Networkによりオンライン上でプロモートされ、もし出色の出来であればインタースティシャルとして実際に放映されるという。

Pottは生徒の作品をレビューして、どの作品がそのようなCartoon Networkのプロモーションに使われるかを決定する。

Turner Broadcastingの所有するこのネットワークは3000万ドルをかけJAMコースを支援し、子供や視聴者に対してSTEAMに関する技能と概念の促進を図る。STEAMとは、科学(science)、テクノノジー(technology)、工学(engineering)、芸術(art)および数学(math)のことだ。Cartoon NetworkはこれまでもこのSTEAMのイニシアチブを通してDIY Co.をパートナーに取り組んできた。

「プログラミングが現在科学と工学の分野で重要であるように、将来は芸術においても大変重要になります。我々は今、将来のアニメーター育成の種を蒔き、子供達をインスパイアしなくてはいけないのです。我々がDIYに話を持ちかけたのは、DIYがコミュニティーで行っている活動が気に入ったからです」と、Millerは言う。
Learn CapitalのRob Hutterによると、同社がDIYに投資する理由の一つはJAMのローンチを支援するためだ。今後、このニューヨークを拠点とするスタートアップがさらにコースを充実させ、コースで既に学んでいる家族からのフィードバックを集めることを期待している。

投資家も気づいている通り、DIY Co. はモバイル中心のアプローチを採っている。これは普段、学校の外ではタブレットやスマホを使ってインターネットに接続している最近の子供達にアピールするだろう。

Madison Watkins teaches kids how to become a pop singer via JAM.com.

Madison WatkinsはJAM.comで子供にどうすればポップ歌手になれるかを教えている

JAMのコースは、他のもっと単純なアプリに見られる、単なるビデオや双方向的なクイズ以上のものだ、とKleinは付け加えた。

子供達はボットを介してJAMのコースと交流する。ボットは基本的な質問について答え、新しいスキルを終了、習得する際にどんな演習が必要か案内してくれる。

子供達は時々、ボットとコース内容によっては、コンピュータ画面を離れて実際の世界で問題を解決することが要求される。これは、今日子供達がほとんど過剰なまでの時間をコンピュータ画面の前で過ごしている現代において、とても重要なことだ。

加えて、子供がJAMのコースを履修するとき、子供は同時にそのオンラインのコミュニティーに参加することとなる。子供達がコースで行う演習はみんなが見ることができる。子供がコースの新規課題やセクションに挑戦するとき、JAMではまず他の子供達の作品を見て刺激を受けることが推奨されている。

「親達は子供がコンピュータの前に座っているときは、その時間を有益なことに使って欲しいと思うものですが、我々は親のその思いを実現する手助けをしたいと思っているのです。子供達がコンピュータから離れ、現実の世界で何かをすれば、コンピュータに戻ってきたときにそのことについてオンラインのコミュニティーに報告することができます」と、Kleinは言う。

将来的には、DIY Co.はそのボットのインターフェースをもっと洗練したものにしていきたいと考えている。人工知能を活用することで、子供が一見関係なさそうな質問を思いついてもコースを中断してJAMボットに話しかけることができるようになる。これはまさに、子供が親や教師など理解のある人たちに対して行うのと同じような感覚である。

JAMは同社に元からある、子供のためのソーシャルネットワークサイトDIY.orgとは別物だ。DIY.orgもJAM同様に、子供の学習、創造性、知的興味を育てることに主眼を置いたサイトだ。DIY.orgは完全に無料のサービスで、広告もなく、JAMのコースの履修の有無に関わらずどんな子供にも門戸が開かれている。
[原文へ]

(翻訳:Tsubouchi)

Microsoftがプロ養成講座を提供、データ・サイエンティストのスキルギャップを埋める

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Microsoftは求人市場にもっとデータ・サイエンティストが欲しいと考えている。若い人は真新しい知識を獲得するところから始める必要があるだろうし、キャリアを進めているプロはこれまでの経験を軸に技術を身につけられるようにする必要がある。

どちらの場合でもスキルギャップを埋めるため、Microsoftはデータサイエンスの一連の講座を edX.orgを介してローンチした。ハーバード大学とMITが立ち上げたedX.orgは、非営利で運営するオンライン学習の場だ。

データサイエンスのカリキュラムは、Microsoft Professional Degreeのプログラムが初めて提供する講座だ。Microsoftが主導するこのプログラムは、社会人が重要な分野でのスキル獲得を促すことが目的だ。本日ローンチしたプログラムについてMicrosoftは「雇用主が認められる大学レベルのカリキュラムです。キャリアのどの段階にいる人も受講できます」とプレスリリースで伝えた。

データ・サイエンティストは、求人数が候補者数を上回る、現在最も求められている職種の一つだ。

Microsoftのコースは9つのクラスと最終プロジェクトで構成される。全てのクラスは無料で聴講することができる。しかし、Microsoft Professional Degreeの認定を得るには、生徒はカリキュラムの10ステップ毎に証明書を購入しなければならない。

オリエンテーションのクラスは25ドルだ。「データサイエンスとアナリティクスのための統計的思考」の認定は99ドルで、他のクラスの認定はそれぞれ49ドルだ(データサイエンスコースを全て完了するには516ドルかかる)。

生徒は特定コースのセッションに登録する必要がある。各クラスのスケジュールはこのカレンダーを参照してほしい。受講を検討する生徒は詳細なシラバスを読み、各授業の選択科目を検討し、クラスのedXページから入学できる。各ステップは最低4時間から最大8時間で完了する。

ITオンライン教育の分野に進出する大手テクノロジー企業はMicrosoftが初めてではない。GoogleはUdacityと提携して、Androidのナノ学位や他のクラスを提供している。Amazonは、ビッグデータのクラスを始め、高度な技術スキルが取得できるAWSトレーニングの提供と認定を行っている。

[原文へ]

(翻訳:Nozomi Okuma /Website

Androidの共同創設者Rich MinerがGoogleの教育プロジェクトの舵取りをするためにGVを辞任

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Androidの共同創設者Rich Minerが(Alphabet ではなく)Googleの中で教育プロジェクトを立ち上げるためにGV(以前は Google Ventures という名で知られていた)を辞任することが、本日GV側から発表された。Minerは謎めいた新しいEdTech(教育テクノロジー)プロジェクトの指揮を、大半がシリコンバレーにいる彼のチームに対してマサチューセッツ州ケンブリッジから行うことになる。

GVの担当者は、プロジェクトが収益事業なのか、または慈善活動の一部であるかどうかへの回答は差し控えた。

またMinerの新しいプロジェクトはGoogle内での独立したスタートアップのようなものだろうという先走った噂は正しくないものであると広報担当者は語った。現時点で、Minerへのインタビュー申込みは叶えられておらず、新しいプロジェクトに関する追加情報の提供も拒否されている。

この件に最初に触れたFortune誌のDan Primackによるインタビューによれば、Minerとの間で「ベビーシッター用途でも広告配信用途でもない、質の高い教育アプリやその他子供中心のインターネットサービス」はほとんど存在しないという話が出たそうだ。

それは、現在市場で人気のアプリケーションやサービスを提供する無数の教育テクノロジーや子供中心企業に対する不満のようなものであり、GVやGoogle.orgの手を借りてとまでは言わないが、ベンチャーもしくは慈善基金を立ち上げるような話だった。

GVのEdTech関連のビジネスポートフォリオに含まれているのは以下のものだ。
NoRedInk: 個性を活かした文章の書き方を子供達に教えるアプリ。
Wonder Workshop: 子供達と指導者たちがロボットやコーディングクラブをコミュニティ内で立ち上げることを助けるプラットフォーム。
Clever: 生徒たちが教室内でアプリにログインすることを助けたり、家庭で名前とパスワードの管理に長々とした時間を費やさなくても良いようにする学校向けの管理ツール。

GVは更にUdacityCreativeLiveといった大人向けの専門的な訓練を施すEdTech企業も支援している。

Google自身も既に大規模な教育事業を展開している。学校に対して大量のChromebookとタブレットを売っていて、これはスティーブ・ジョブスがかつてApple IIを使った戦略に倣ったものである。また、Google自身はGoogle for Educationのアプリケーションやコンテンツ、そして Android オペレーティングシステムを学校や教育者、そしてEdTech業界の開発者に普及させるべく大いに力を注いでいる。

Alphabet は売上報告の中で教育関連のセールスデータを開示していないが、Googleにとって巨大な市場であることに間違いはない。

Google for Educationのサイトによれば、 Google Appsの利用者数は現在5000万人。1000万人の教師と生徒がクラウドベースのGoogle Classroomをグループの形成、課題の配布、フィードバックの送信などのために使っているし、地域の教育者同士をつなぎ、お互いの学びを提供するGoogle Educator Groupsに属する教育者グループの数は世界で280に及んでいる。

いまやGoogleは、Apple、Microsoft、そしてBertelsmannのような伝統的な教育出版社たちと、大規模でグローバルな教育市場で競合している。スタートアップも同様だ ー EdSurgeの調査によれば、EdTech投資家たちは、2010年以来、K-12(幼稚園生から高校生まで)の市場に対するものだけでも23億ドルの資金を注ぎ込んでいる。

これまでのところGoogleは、教育テクノロジーを買収するよりも自身で構築することを選んできた。同じEdSurgeレポートでは、2010年から2015年の教育市場におけるM&AでGoogleが買い手として関わったものは1%未満であることが明らかになっている。

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(翻訳:Sako Hiroshi)

生徒たちが設計した3Dプリント「きのこ培養器」と「火星用ミニ農場」が、NASAの「スタートレックリプリケーター」コンテストの勝者に

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NASAは、子供たちがわれわれの未来だと信じている。そうでなければ、2050年の宇宙飛行士に食べさせる方法を彼らに聞くだろうか? 全米を対象にした“Star Trek Replicator”コンテストは2月に始まり、何百もの3Dプリントのアイデアが生まれた。そして勝者が発表された。放射線の好きなキノコの家と、火星開拓者のための小さな農園だ。

課題は「2050年に3Dプリントする、宇宙飛行士のための、非食用、食品関連器具を設計」することで、一辺15 cmの立方体に収まり、単一原料で、おかしなSF風なものを含まないこと。子供たちは、プリント時の微小重力による制約も考慮しなくてはならない ― NASAはここには関与しない。

30の州から405件の応募があり、NASA、Made in Space、および米国機械学会の審査員が評価した。

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アリゾナ州フェニックス、Desert Vista High SchoolのKyle Corretteが設計した、fungarium(うまい名前をつけたものだ)は、「メラニン化」された菌類(キノコ)を培養するもので、この菌類は、植物が太陽光を使うのと同じように、電離放射線(悪玉)を利用してエネルギーを得る。容器は菌類を保護し、水をやって3本の棒上で成長させながら、栄養豊富な宇宙線を浴びさせる。左側の3面構造は、取り外して成長エリアの上に被せることができる。

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Eagle Ridge Middle SchoolのSreyesh Solaは、火星で使う小型の “Astro mini farm”[ミニ農場]を作った。上部にプリントされたレンズが、火星表面を照らす微小な太陽光を集めて濃縮する。ポンプが大気圧を常に地球上の約1/10に保ち、植物の成長に最低限必要な空気を与える(圧力が高くなりすぎないようにバルブがついている)。プリントに必要なシリカ(二酸化ケイ素)さえ火星の土壌から採取できるかもしれない、とSolaは説明している。

他に6つのプロジェクトがファイナリストとなり、賢いマグ、小さなゼロG水耕装置、およびスピルリナ藻培養器2種等があった。ファイナリスト全員(勝者らを含む)が、Makerbot Replicator Miniを学校に、PancakeBotを個人に贈られた。そして、勝者の2名は、ニューヨークで、元宇宙飛行士のMike Massiminoと共にスペースシャトルエンタープライズ・ツアーに参加する。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

マラケシュ条約、著作権を制限して視覚障害者の書籍利用を容易に

Child learning to read braille at Bombali School for the Blind in Sierra Leone. | Location: Bombali, Sierra Leone.

視覚障害者にとって、見えることを前提にした書籍や出版物を読むことはそもそも困難だが、コンテンツがアクセス可能な形式で提供されなければ完全に不可能だ。幸いなことに、問題を緩和するための国際的な合意が、今日大きな節目を迎え、年内には発効される運びとなった。

マラケシュ条約は、国連の一部門である世界知的所有権機関(WIPO)が提唱した、国境を越えて知的財産問題を緩和する一連の規則だ。条約は著作権法に例外を設け、点字、オーディオブック、電子書籍等のアクセシビリティー形式による作品の複製を認め、こうした作品の国際流通の制約を緩和する。

障害、ニーズ、利用方法は極めて多岐にわたる。麻痺があったり手を失った人々の要件は、視覚障害者や失読症の人たちとは大きく異なる。

マラケシュ条約は新しいアイデアではない。条約の準備や交渉は10年近く続いた ― 大きな国際合意はあらゆる意味で簡単でないので、それは驚きではない。もちろん、MPAAを始めとする主要な著作権所有団体が反対したことも邪魔をしている ― 例えば、字幕等を制限の対象から外した。

皮肉なことに、米国はこの条約が国際化を進める著作権制限を既に実施している、数少ない幸運な国の一つだ ― そして多くの組織が積極的に推進している。実際、つい昨日(米国時間6/30)、HathiTrust(大学図書館書籍アーカイブ事業)と全米視覚障害者連合は、視覚障害者および読書に不自由のある人々のために1400万冊以上の書籍をオンラインで公開すると発表した。

反対はあるものの、事態は良い方向へと進んでいる。エクアドルとグアテマラが昨日条約に加盟し、今日カナダが続いたことで、マラケシュの重要な20番目の加盟国となり、条約に「効力を生じ」させた。

Representatives from Canada (left), Guatemala (center), and Ecuador present documents to WIPO's Francis Gurry.

カナダ(左)、グアテマラ(中央)、およびエクアドル(右)の代表者が、WIPOのFransis Gurryに書類を提出した。

「マルケシュ条約が広く世界中で受け入れられれば、視覚障害のある人々が、より平等で差別のない方法で書物を利用できるようになる」と、WIPOのFrancis Gurry事務局長はプレスリリースで言った。

条約に効力が生じるということは、WIPOが加盟国に対し、約束を守り条約の規定を実際に法制化するよう促し始められることを意味している。発効日は9月30日だが、10月1日から点訳書が溢れることを期待してはいけない ― 法律が制定され、翻訳と配布のプロセスを監督する組織の選定あるいは設立が必要だ。

たとえゆっくりでも、何もないよりずっと良い。数年以内に、通常の書籍を読むことのできない人々が、今よりずっと簡単に代替手段を見つけられるようになるはずだ。

[情報提供に感謝:EFF

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

XYZprintingの新しい3Dプリンターは、教室向けにデザインされている

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低価格の3Dプリンター・スキャナーでよく知られているに違いないハードウェアメーカー、XYZprintingが、初めて教育市場に焦点を合わせた製品、da Vinci miniMakerを229ドルで売り出す。K-12の理科系クラス向けに作られたエントリーレベルの3Dプリンターだ。

この低価格な3Dプリンターは使いやすさを意識したデザインで、プッシュボタンによるプリントや自動補正機能に加え、教室利用のための同社のソフトウェアセレクション、Educational Ecosystemが統合されている。

セットには、3DモデリングソフトウェアのXYZmaker、3Dギャラリー(デザイン済みの3Dモデルが予め登録されている)およびXYZprinting STEAMプロジェクトのカリキュラムが含まれている。プリンターは、Amazonで予約が可能、出荷予定は今年の秋で、子供たちが学校に戻るまでに届くはずだ。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

コーディングブートキャンプは事実の開示を…誇大宣伝や詐欺まがいから決別するために

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[筆者: Darrell Silver](Thinkfulの協同ファウンダーでCEO。)

コーディングブートキャンプはこのところ成長著しいが、しかしメインストリームになるためには、彼らが宣伝している結果が真実であることを、証明する必要がある。

コーディングブートキャンプは2012年に出現し、ソフトウェア開発のコースを提供して、卒業生にテクノロジーのキャリアを約束し始めた。そんなスクールを今では何億ドルものベンチャー資金が支え、2016年の生徒は約3万名に達すると予想され、総額5億ドル近い指導料をかき集めている。

多くのスクールが、100%近い卒業率と就職率を主張しているが、しかしその主張にはほとんど証拠がなく、スクールの経営実態も多くが開示されていない。入学志望者は、結果を数値で知ろうとする。大学のような数十年数世紀におよぶ評判の歴史がないスクールにとっては、それが唯一の評価の目安なのだ。

そこで今のところは、生徒たちの多くはアーリーアダプターで、初物食いのリスクを厭わない。しかしどんな製品でもそうだが、大きな市場で採用されるためには、透明性と信用と実証性が欠かせない。プログラミングの教育では、なおさらこのことが言える。なぜなら同じスキルを学ぶ費用が、Code Schoolの月額25ドルからブートキャンプの平均的指導料14000ドルまでと、幅がありすぎるからだ。

生徒にとって学び方の賢い決め方は、実際にどんな結果が得られるのかを知り、またピアグループの存在や、学習方法の時間的要件と約束を知ることが前提になる。でもこの業界はまだ、そのための情報を提供していない。

スクールの多くが、ある一人の卒業生がY Combinatorに行ったとか、ほんの数名がGoogleに雇用されたとか、そんな一度限りの成果をマーケティングに利用している。それらはメールのそそるタイトルにはなるが、生徒に正しい期待を持たせることはできない。そして結局、企業が消費者の信用を築いていく必要があるまさにそのときに、信用は食い荒らされている。

テクノロジー業界がブートキャンプを否定的に見るようになったのも、そのためだ。Zed Shawはブートキャンプの派手な誇大宣伝に対する調査を開始したし、ThinkfulのメンターBasel Faragは本誌TechCrunchに、“まともで生徒思いのブートキャンプも少なくはないが、それよりずっと多いのは、現代版の蝦蟇(がま)の油売りのような営業が、人生の窮地にあり、藁にもすがりたい平均的アメリカ人を食い物にしているスクールだ”、と書いた

Online education

業界は、自分が明言した約束を守れないブートキャンプにも注目し始めている(中にはホワイトハウスへの就職を約束するところもある!)。そんな、教育よりもマーケティングに力を入れすぎているブートキャンプが、この市場で操業しているすべての企業に迷惑をかけている。

一部のスクールは、透明性を真剣に考えるようになりつつある。Lighthouse Labs, HackReactor, それにTuring Schoolなどは、生徒の最終結果を公表している。数か月後には、General Assemblyなどもその仲間に加わるだろう。

透明性を求める外圧もある。Skills Fundのようなローン企業が今ではコーディングブートキャンプの生徒の約20%に融資をしているので、彼らは当然ながら(一定の制限はあるものの)良質な結果データを集めている。Skills Fundはブートキャンプたちに、共通的なスタンダードと教科カテゴリーを守らせて、良質な結果報告(匿名の)を得ようとしている。

政府のパイロット事業EQUIP(新しい奨学制度)にも、同様の外圧効果がある。また独立のブートキャンプレビューサイトCourse Reportは、生徒のレビューにその生徒の結果を付けるようにした。いずれは公的な標準化が避けられないと思われるが、しかし現状では、生徒の成功の定義すら流動的なほどに、急速にイノベーションしている市場なので、良質なデータの整備とその公表は、なかなか進んでいない。

dev bootcamp

また、スクールによって違いがあって当然、という部分もある。たとえば入学を認めるポリシーはスクールごとにまちまちだし、長期休暇を取った生徒を脱落と見なすか見なさないか、などの違いもある。

しかし、長くとも2年以内には、各校が自分の定義によるデータと、それらの数字に至った方法論(何をどう計算したのか)を、公表すべきだ。そうすればスクールは公開の場で議論せざるをえなくなり、生徒は選択と決定をしやすくなるだろう。

2年前に、BPPE(Bureau for Private Postsecondary Education, カリフォルニア州私学高等教育監督局)が、同局の基準を満たしていないいくつかのブートキャンプを閉鎖しようとしたことがある。当時それは違法というより規則違反と見なされたが、それらは小さなスクールばかりで、数年後にそんな違反は起きなくなった。しかしブートキャンプに入学する生徒の数は、今や当時の10倍もいて、数百万人がプログラミングを学び、そこに何億ドルものVC資金が投じられている。

透明性がなければ、メインストリームの採用は遅々として進まないだろう。それどころか、今度また閉鎖命令があったりしたら、プログラミングスクールの未成熟な評判は再起不能の致命的なダメージを受けるだろう。スクールが今後も事実の報告に関して消極的な態度を維持すれば、お役所が面倒な規制を課さざるをえなくなる。それすらも、運が良ければの話だ。

生徒たちの信用をかち取ることが、長期的には、今の、高騰する奨学金ローンと、慢性的な不完全就業(非正規雇用など)という大きな経済的問題の解決に導くはずだ。それこそが、すべてのコーディングブートキャンプが共同して目指すべき道ではないか。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Bose、子供用にBluetoothスピーカー組み立てキットをリリース

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Boseは、実用性が強調されることの多いBluetoothスピーカー市場に、DIYキットを投入することにしたようだ。本体は小さいながら、エレクトロニクスの不思議を十分に感じられるキットに仕上がっている。この「Speaker Cube」が、Bose社のBOSEbuildシリーズの第一号プロダクトとなる。組み立てに必要なパーツはすべて同梱されており、また詳しい組み立て説明書も用意されている。

もちろんカスタマイズも意識されている。たとえばカバーやカラーライトの色を変更して、自分仕様に仕上げることもできる。もちろん(きちんと組み立てれば)既存のBluetoothスピーカーと同様の機能を備えている。

(訳注:上のビデオを見てとても欲しくなりました)

本プロダクトは学校外に広がりつつあるSTEM教育の波に乗ろうとするプロダクトだと位置づけることができる。対象年齢は8歳以上となっている。the BOSEbuildのサイトより、149ドルで購入することができる。

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(翻訳:Maeda, H

子どもたちに分子の不思議を教える教材セットHappy Atomsは老舗企業の初のクラウドファンディング

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ほとんどのSTEM玩具を断固軽蔑しているぼくが、Happy Atomsを許せるのは、それが家庭市場ではなく教育者をターゲットにしているからだ。化学実験用具のメーカーThames & KosmosとピッツバーグのSchell Gamesが共作したHappy Atomsは、磁石で表す原子を使って分子の構造を子どもたちに教える。

キットには、酸素や炭素、水素などの原子が入っていて、それらを組み合わせて分子を表す。iOSのアプリで分子をスキャンすると、その物質のデータや分子の特徴などが分かる。たとえば果糖の分子を作ったら、果糖が自然界のどこにあるか、体に対して何をするか、などが分かる。そう、気分を良くすることだよね。

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先生用の359ドルのパッケージには250の原子パーツが入っているが、アトムが50個のセットは129ドルだ。パーツは頑丈にできていて、電池などはいっさい使わない。アプリはパーツの色とその周りの帯で原子を判断するから、どんな位置からでも原子をスキャンできる。

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くどいようだが、STEM玩具はその多くがゴミだ。でもHappy Atomsは、どうやって化学を三次元で教えるか、という面白い、そして重要な問への解を与えている。先生がこれを使ってくれたら、高校時代の化学の成績はもっと良かったと思う。当時のぼくはAPの化学で、“努力が足りない”と評価されてしまった。

玩具は所詮、玩具だけど、Thames & Kosmosは一世紀以上にわたって本格的な化学や工作のキットを作っている。つまり、この分野の完全なプロである。そんな企業がクラウドファンディングに踏み切ったのはおもしろいが、でもそれは試す意義があるだろうし、しかもSchell Gamesとのパートナーシップで物理的なオブジェクトとアプリの両方を作れた。温室効果ガスのN2Oなんかも作れるから、まるで自分が高校生に戻ったような気持ちになり、めまいがしそうだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))