看護師向けセラピーやベビーフード、食糧支援マップ、新型コロナ禍の困窮者を支援するテック企業

もしあなたが、先週Fortnite(フォートナイト)でトラビス・スコットの活躍を見た1230万人のひとりなら、きっと賛成してくれるだろう。人を元気にすることに際限はないと。TechCrunchのコメント欄によると、ある少年はスコットのパフォーマンスをスター・ウォーズ以上だと言ったそうだ。

Epic Games(エピック・ゲームズ)の人気マルチプレーヤーゲームであるフォートナイトは、このパンデミックの中でもビジネスを普段どおり継続する創造的方法を見つけた例のひとつにすぎない。しかし、このゲームはサイケデリック要素を加えたことで特別な加点を得た。

画像クレジット:Little Spoon

では、新型コロナウイルス(COVID-19)の中で必死に頑張っているテック企業がほかにもたくさんあるので紹介しよう。

シニアとボランティアを結ぶ架け橋

シニア層向けのサービスを提供するスタートアップ、Umbrella(アンブレラ)は、自宅待機命令のために家を離れられない高齢者に生活必需品を届けるボランティア数千人を募集している。配達物の中には非接触食料品や処方箋もある。ニューヨーク拠点の同社はシニアを地元の店舗やサービスと結びつけているが、新型コロナ感染拡大を受け、年間メンバー料金を免除するとともに、シニアと地元ボランティアをつなぐボランティア・プラットフォームを開始した。最近同社は、この取組みを拡大するために、Venture for America(ベンチャー・フォー・アメリカ)と協力関係を結んだ。

看護師の心の健康

看護師の就職斡旋などを支援するTrusted Health(トラステッド・ヘルス)は、オハイオ州立大学看護学部と共同で、今最前線で働く看護師たちの心の健康と福祉に焦点を当てたプログラムを立ち上げた。過去6週間に40万人の看護師が登録した。同プログラムは、心の健康を守るためのホットラインや4~8時間のコーチングと心理療法などのパートナープログラムをスタートした。

科学講座にリアルタイム字幕を

リモート教育は冗談ではなくなった。音声認識サービスのRev.com(編集部注:日本のRevcommとは無関係)は、K-12(年長~高3)の教員向けに文字起こしサービスを提供している。同社は声明で、このリアルタイム字幕はZoomへの統合が可能で、英語が母語ではなく苦労している生徒たちの助けになるだろう、と言っている。サービスは学年度の終わりまで無料で提供される

移民二世と低所得の生徒向けのコーチング

多くの移民二世と低所得家庭の学生にとって、学校閉鎖の影響は春休みの計画以上に大きな問題だ。何万人もの学生たちが、新たな食料、住居、仕事の供給元を探さなくてはならない。飛行機が危険だったり高価すぎるために故郷へ戻れない人たちもいる。大学の卒業に特化した非営利団体であるBeyond 12(ビヨンド・トゥエルブ)はCOVID-19 Virtual College Coaching Corps(COVID-19バーチャル・カレッジ・コーチング・コープス)をつくるための基金を開始する。これは、卒業が危ぶまれている学生の精神的・社会的・学問的支援に重点をおいた支援プログラムだ。同社は、過去2週間に30万ドルを集め、現在新たなコーチ20名の雇用と登録学生2万人を目標にしている。

隔離?大丈夫、ひとりじゃない

非営利のソフトウェア会社、Astra Labs(アストラ・ラブズ)は新型コロナの影響と戦う人たちを支援するウェブサイト、Isolatednotalone.comを立ち上げた。このサイトはこれまで見てきたホットラインや疾病対策センター(CDC)を詳細する取り組みとは少々異なり、パンデミックが原因で生じた困難な疑問に答えてくれる。愛する人が新型コロナで亡くなったことを知りました、どうすればいいでしょう? どんな葬儀ができるのか? 私が次にすべきことは何なのか? 等々。

レストランのための非接触ソリューションを無料で

テイクアウトを電話注文した客がレストランに受け取りに行くと、昔ながらのクレジットカードと署名(つまりウイルス)のやりとりがある。画面やペンの共有を避けるために、サンフランシスコ拠点で2012年設立のCardFree(カードフリー)は、同社のモバイル・オンライン注文システムを3ヶ月間無料でレストランに提供している。対象は中小規模の店で、このソフトウェアによって「サードパーティー配達アプリの仲介手数料を削減できる」とCardFreeは言っている。

Instagramの科学インフルエンサー全員集合

イタリア・ベニスのスタートアップで科学に基づくプロバイオティクスを製造しているSeedは、Instagramを通じて無料科学教室を開設した。ベンチャーキャピタルが支援する同社は、新型コロナの中で微生物はどのように働くか、という今ますます重要になっている複雑なテーマについて教えている。講座は全6週間。

スプーンで伝える善意

消費者直販ベビーフード会社で、セリーナ・ウィリアムズが支援するLettle Spoon(リトル・スプーン)は、子どもたちの食事に苦闘する親たちに無料または割引価格で食事を提供している。同社はフードバンクの全米ネットワークであるFeeding America(フィーディング・アメリカ)にLittle Spoonのベビーフード10万ドル分を寄付し、医療従事者向けにディスカウント販売している。さらにLittle Spoonは、雇用者と共同で、従業員の子どもたちにヘルシーで手頃価格のキッズミールを提供する取組みも行っている。

感情を話し合うフォーラム

このところ誰もが感じている感情の起伏の中には、Twitter(ツイッター)の280文字や仕事用のSlackグループでは表せないものがたくさんある。Now&Me(ナウ・アンド・ミー)は、感情の山や谷をみんなと共有するための話し合いの場をつくった。匿名でも投稿できる。共同ファウンダーのDrishti Gupta氏は、「オーケーでなくてもオーケーだと知ることが、元気になるスタート地点だ」と言う。

クラウドソーシングでつくる食糧支援マップ

このパンデミックは、世界中の食糧危機に試練を与えている。人権と栄養価の高い食品に特化した慈善団体であるWhyHunger(ホワイ・ハンガー)は、10x managementと同社ソフトウェアチームの協力を得て、米国全土にわたる無料食事提供場所のインタラクティブマップを作った。ソフトウェアエンジニアのGreg Sadetsky(グレッグ・サデツキー)氏とColin Wren(コリン・レン)氏がクラウドソーシングのオープンソースマップの開発に協力した。

新型コロナウイルス 関連アップデート

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

最短1時間で不動産の買取提示ができる「すむたす買取PRO」を無償開放、コロナ禍での迅速な遺産相続や離婚調停を支援

中古不動産の売却価格をAIが算出し、司法書士の登記手続きを含めて最短2日での売却・買取を実現するシステム「すむたす買取」の開発・運営を手掛けるすむたすは4月27日、税理士や弁護士向けに向けて不動産価格算出システム「すむたす買取PRO」の無償提供を開始した。

同社ではこれまで、引っ越しや海外転勤、法人の資産整理などはもちろん離婚時のマンション売却などを迅速に進めることを支援するため、すむたす買取のサービスを提供してきた。同サービスでは、不動産の売却希望者が所有物件の現状などをスマートフォンなどで撮影した写真などを送るだけで、同社が開発したAIが該当地域の類似中古不動産の価格や直近の取引実績などから当該不動産の売却価格を瞬時に判断できるのが特徴だ。

実際には、すむたすのスタッフによる現地確認などの作業も入るが、登記手続きを含めて最短2日の買取を実現している。買取自体もすむたすが行うため、このような短期間での売却が実現する。ただし即時買取のため、住宅情報サイトなどに掲載されている類似情景の不動産の売却価格に比べると2〜3割ほどは価格は下がる。同社は即時買取した不動産を一般市場向けに売却することで利益を得る仕組みだ。

このすむたす買取の技術をベースに、間取りや建物面積、郵便番号などの基本情報から買取価格を自動算出できるシステムがすむたす買取PROだ。税理士や弁護士は、遺産相続や離婚調停の際に財産分与の目的で所有不動産の価値を調査するする必要があるが、価値を確かめるには数週間を要することが多かったそうだ。

すむたすによると「従来は、依頼主側に調査を委ねるか税理士や弁護士が知り合いの不動産会社に依頼して査定書の作成を依頼するかの2択のことが多かったようです」とのこと。そして「実際には前者のケースが多いため、依頼者がなにもしないとそのぶん期間が延びてしまう」そうだ。「後者の場合は、実際の売却につながらない査定が多く、不動産会社としては商売にはならないのでやりたがらない」という。

また、たとえ不動産価値が確定しても売却となると数カ月から半年かかることも多く、スピード感が求められるはずの遺産相続や離婚調停が長引く原因にもなっていた。

加えて現在は、新型コロナウイルス(COVID-19)の感染蔓延によって不動産取引自体が下火になっており、現地内覧や対面での相談・説明なども難しくなっている。同社では、コロナ禍の税理士や弁護士などの士業支援のため、すむたす買取PROの無料提供を決めた。サービス開始時に全国の約20社の税理士事務所や弁護士事務所への導入が決まっており、同社としては2020年度内に約100社の導入を目指す。今後は、法的文書の自動作成といった新機能の追加も予定している。

すむたす買取PROの概要は以下のとおり。

  • 提供開始開始日:2020年4月27日
  • 機能:不動産価格査定、査定書作成、価格算定根拠書算定根拠書の自動作成(予定)
  • 利用料金:無料
  • 提供対象:首都圏を事業エリアとする税理士法人、税理士事務所、法律事務所
  • 申し込み方法:登録申し込みフォーム、もしくは電話(0120-540-880)での問い合わせ

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コードを書かずにソフトウェアテストをAIで自動化するAutify、ローンチ半年で導入企業累計100社を突破

オーティファイは4月27日、AIを用いたソフトウェアテスト自動化プラットフォーム「Autify」の導入企業が国内外で100社を突破したことを明らかにした。2019年10月のAutifyのオフィシャルグローバルローンチからの半年での達成で、同社によると「想定よりも早い」実現だったそうだ。

同社は、2019年にTechCrunch Japanが主催した「TechCrunch Tokyo 2019」の「スタートアップバトル」のファイナリスト。応募総数120社超から選ばれたファイナリスト20社の中からファーストラウンドを勝ち抜き、ファイナルラウンドに進出した6社の中の1社だ。また、日本人を含むチームとしてはB2B領域に特化した米国シリコンバレーのアクセラレータープログラム「Alchemist Accelerator」を初めて卒業したスタートアップでもある。

Autifyは、コードを書かずに簡単にテストシナリオを作成・メンテナンスすることができる、ソフトウェアテストツール。コードを書く必要がないので、エンジニア以外でも扱えるのが最大の特徴だ。ソフトウェアテストは、ネット企業では日々発生する業務。ウェブサイトのデザインを少し変更するだけでも、ページ内のボタンの大きさや配置場所、PCやスマートフォンなどの画面サイズ、使用ブラウザーによる見え方の違いなど、さまざまなテストが必要となる。

通常、ソフトウェアテストを実施する場合、エンジニアがチェックツールを自作してテストしたり、日本よりも人件費が安い東南アジアの会社にチェック業務をアウトソーシングするなどしている企業が多い。しかし現在のソフトウェア開発は、計画や設定など工程管理されたウォーターフォール型から、仕様変更が頻発するアジャイル開発が主流になってきており、その仕様変更に迅速に対応するは難しかった。Autifyを使えば、社内での即時テストが可能で、外部に出さないためセキュリティーの面でも安心して使えるメリットがある。

主な導入企業は以下のとおりで、同社は今後も、IT(自社サービス、受託開発)、エンターテイメント、不動産、製造業、金融、ヘルスケア、物流、小売・卸などの業種への導入を促進する考えだ。

想定よりも早い、導入100社突破について同社代表取締役の近澤 良氏は、「オーティファイからの営業活動はほとんどやっておらず、多くはウェブサイトからのデモリクエストから導入が決まった」とのこと。そして「さまざまなツールによる自動化や省力化、契約書撤廃といったオペレーションの効率化が導入企業の増加に貢献したかもしれない」と続ける。

実際に同社では設立当初から、社内における人事関連の処理や社外とのNDA(秘密保持契約)の提携などに印鑑を使わず、DocuSignを用いた電子署名を利用してきた。Autifyはグローバルローンチしていることから、海外とのやり取りにも使えるDocuSignを選んだという。

また、Autifyのローンチ直後はクライアントとの利用契約書を作成して製本捺印をしていたが、双方とも非常に手間がかかっていたことを問題視。弁護士などと相談のうえ、利用申し込みフォームにTypeformを導入し、このフォームにデリバリー条件と利用規約に同意してもらう方式に変更した。これにより利用契約書の撤廃が可能になっただけでなく、署名や捺印自体もなくすことで契約処理を迅速化したのだ。

同社は現在、デモリクエストを申し込んだ企業から順次案内を進めているほか、新型コロナウイルス(COVID-19)の影響による在宅勤務の拡大を受け、現在1カ月無料キャンペーンも実施中だ。

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資金調達の契約条件はBeforeコロナ、Afterコロナでどう変わるか

スタートアップが資金を調達しようとするときは、間違っても公園を散歩するようにはいかない。良い時があり、悪い時がある。現在はと言えば、ほとんど誰も生涯で経験したことがないような不確実な時期だ。

新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックで世の中が混乱する前に難なく資金調達できたスタートアップでも、事業継続のためにさらに資金が必要になる可能性は十分ある。多くのセクターで売上が急減しているからだ。

バリュエーションはほぼ確実に下がるか横ばいだ。もう1つの切実な問題は、Zoom(ズーム)を使った電話会議で創業者がどういう取引条件に直面するかということだ。多くの業界関係者によると、投資家は自らの資金を守ろうとするため、契約条件は厳しいものになるという。

「現時点で企業には3種類ある」と、ワシントンDCに拠点を置くCooley(クーリー)でスタートアップを専門とする弁護士、Derek Colla(デレク・コラ)氏は述べる。「2カ月前を振り返ってみよう。まず、投資家に『金を持っていってくれ』を言わしめるような業績の良い会社があった。次に良くやっている会社があった。実績は計画に近いが大したことはない。最後に投資家のブリッジファイナンスで何とかしのいでいる会社があった」。

「今は」とコラ氏は言う、誰もがはしごから足をを滑らせたところだ。「良い会社は、次の資金調達でバリュエーションがわずかに上がるかもしれないが、たいていは直近のラウンドを再びオープンするにとどまっている。インサイダー(既存株主)が会社の失敗を望まないという理由もあるが、新しい投資家に入られ、良いディールを持っていかれ、自分たちが間抜けに見られるのをいやがるという理由もある」。

さて「そこそこの会社」は、より厳しい条件の受け入れを要求されている。低いバリュエーションに甘んじたり、会社がダウンラウンドを避けたいなら、多くのワラントを投資家に渡したりすることだ。後者はつまり、投資家に今日の低い株価で計算した持ち分を将来渡す契約上の権利だ。

コラ氏はまた「第2グループの会社が一時的に不利な条件をのむよう求められる例が増えている」と言う。例えば、将来のラウンドで会社のバリュエーションが下落した場合に投資家が保有する株の希薄化防止を保証するフルラチェット条項を付し、保証期間を1年にすることなどだ。

「第3グループはもう終わりだ」と同氏は言う。

これは逸話であって、今のところ全体の一部のそのまた一部の話にすぎない。Orrick(オリック)サンフランシスコ事務所のパートナーであり、法人グループの責任者であるMike Sullivan(マイク・サリバン)弁護士は次のように指摘する。「危機が起きた後に、この機に乗じようとする投資家を見たことはない。ただデータが取れているわけではない。ドットコムブーム後の2001年と2002年に訪れた『核の冬』で見られた契約条件が再び現れるか判断するには時期尚早だと思う」。

TechCrunchが話した、ニューヨークを拠点とするスタートアップ弁護士の1人は、最も厳しい契約条件は今のところ、ほとんどが東海岸のグロースステージをターゲットとする投資家が関わるタームシートで見られると述べた。彼らは創業者の「物語る」能力よりも常に数字に関心がある。

ベイエリアのスタートアップはまだ厳しい取引条件に直面していないようだ。たとえばFenwick & Westが今週初めに発行した今年第1四半期に関するレポートでは、パンデミックのため新規取引の動きが落ちていると指摘しているが、より高い優先順位や倍数を条件とする残余財産分配優先権(Senior or Multiple Liquidation Preference)、希薄化を防止するラチェット条項、Pay-to-Play(ペイ・トゥ・プレイ)条項など、深刻な景気後退時に現れる条項の増加はみられないという。(ペイ・トゥ・プレイ条項とは、会社が資金調達の際にインサイダーに頼る必要があるが、比例按分による資金負担ができないまたはしたくない株主がいる場合、その株主が保有する優先株式が普通株やその他の権利内容の面で劣後する株式に転換されてしまう条項)。

レポートの著者は、「そのような契約条件は今後数カ月で注目されるようになるだろう」と述べている。だが、匿名を希望した経験の長い投資家は、そうした条件が再び現れることは決してないと主張する。「スタートアップエコシステムにおける非常に自由な情報の流れと投資家の評判の重要性を考えると、選択肢が減っている創業者に圧力をかけることは合理的ではない。このビジネスに今後20年は関わる必要のある人々が嬉々として襲い掛かるという考えは、ほとんどフィクションだ」。

起業家でエンジェル投資家のJason Calacanis(ジェイソン・カラカニス)氏も概ね同意し、次のように語った。「ワラントやフラットラウンドを望む声を聞いたことはあるが、ドットコムバブル崩壊後のように残余財産分配優先権を2倍や3倍にというのは聞いたことがない。創業者が出会うとしてもそうしたナンセンスを求めるのは略奪的なVCだけだ。ただそういうクレイジーな条件に合意してしまうと、問題は会社が死のスパイラルに陥る可能性があるということだ」。

価格以外の条件について、これまで紹介してきた見方が正しいかは時間が経たなければわからない。多くはこの不況がどれだけ長く続くかにかかっている。

とはいえ「創設者はゲームが変わったことを理解すべきだ」とシードステージ向けのVCであるHaystackの創業者であるSemil Shah(セミル・シャー)氏は示唆した。

資金調達ラウンドの「最適化」は少し前まで、経営陣にとって可能なことだったが、今は確実にクロージングすることが重要だ。誰かがフェアで合理的な条件を提示してきたら、ぐずぐずしたり、もっと良い条件を得ようといろんな人に働きかけるのはやめたほうが良いかもしれない。

画像クレジットpryzmat / Shutterstock

“新型コロナウイルス

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(翻訳:Mizoguchi

Facebook、ターゲット広告の分類から「疑似科学」を削除

「COVID-19関連の間違った情報を何十万件も拡散するのに手を貸した」と批判されてマーク・ザッカーバーグ氏はFacebookからそうした記事を削除し始めた。しかしその後も広告ターゲッティングの分類の中に「疑似科学(pseudoscience)」が残されていた。世界的なパンデミックの中、ニセ科学を一掃するために全力を上げることを公に約束したソーシャルネットワークとしては奇妙な行動だった。

広告主はFacebookの広告マネージャを使って7800万人もの 「疑似科学に関心があると述べた」相手に広告を掲出することができた。The Markup は調査の結果 Facebookがこのカテゴリをターゲティング広告購入のために使っている発見した。これに対してFacebookは「疑似科学」タグの使用は取りやめたと述べた。

TechCrunchの取材に対して、Facebookはタグを取り下げたことを確認した。プロダクト・マネジメント担当ディレクターのRob Leathern(ロブ・レザン)氏は「このカテゴリは以前のアップデートで削除されていなければならなかったが、今回は実際に削除した」と述べた。新型コロナウイルスによるパンデミックはニセ科学を売り込むには絶好の時期だということは言うまでもないが、最近、陰謀論や危険な民間療法の温床が巨大化するにつれ問題があらわになってきた。

先週ザッカーバーグ氏自身が挙げたように、人気のあるバカげた主張には「漂白剤を飲むと新型ウイルスに効く」とか「他人との距離を開けるソーシャルディスタンシングは無意味だ」といったものがある。広告収入が得られるという自明の要素を別とすれば、Facebookが名指しで批判されるまでこのカテゴリーを放置しておいた理由は明らかでない。

他の広告ネットワークやソーシャルメディアも誤情報、ニセ情報の拡散を抑制するために苦闘している。 Twitterは最近、COVID-19ガイダンスの注意リストに5G関連の陰謀論を追加した。われわれも報じたようにGoogleは身元確認義務を広告主全員に拡大すると発表している。
画像:Justin Sullivan / Getty Images
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滑川海彦@Facebook

香港で初めてのネットネイティブのペット保険が誕生、飼い主の安心のため新型コロナも対象

香港の保険テクノロジーのスタートアップOneDegreeが今日(米国時間4/23)、最初のプロダクトをローンチした。それは、Pawfect Careと名付けた一連のペット向け医療プランだ。同社は今後、サイバー保険や人間の医療保険なども出す予定で、すべてが完全にオンラインのそれらが出揃うのは今から12か月後だそうだ。

2016年に創業されたOneDegreeは、昨年シリーズAで3000万ドルを調達した。投資家はBitRock Capital、Cyperport Macro Fund、そしてCathay Venturesなどだ。

共同創業者でCEOのAlvin Kwock氏によると、香港では規制が厳しく保険の免許をもらうのが難しいので、Pawfect Careの立ち上げまでに2年を要した。

香港で初めてインターネットを利用する保険に免許が下りたのは、既存の保険企業Sun LifeのBow TieとAsia InsuranceのAvoの2例だ。香港の保険監督機関は、既存企業のデジタル進出には熱心だ。既存企業とは無縁の独立企業としてネット保険の免許が下りたのは、OneDegreeが初めてである。

OneDegreeは来年、サイバー保険と人間の医療保険を徐々に立ち上げるつもりだ。Kwock氏によるとCOVID-19のパンデミックが「パラダイムシフト」を起こした。人が顔と顔を合わせることが、激減したからだ。保険監督機関も今ではネット保険に免許を出すようになったし、いろんなネット製品の登場を許容している。

同社がペット保険から始めることに決めたのは、ペットの医療は高いにもかかわらず、香港では飼い主の3%しか医療保険に入っていないからだ。OneDegreeでは、顧客が保険証書を買って管理するのも、保険金を請求するのも、モバイルアプリからだ。請求の約90%は支払いが2営業日以内に行われるそうだ。

パンデミックへの対応としてPawfect Careのペット保険はCOVID-19関連の医療費もカバーしている。ただしOneDegreeが強調するのは、ペットを検査してウイルス陽性になった例がきわめて少ないことだ。実際にキャリアが見つかった証拠もない。でもペット保険にそれを入れたのは、飼い主を安心させるためだ。

画像クレジット: OneDegree

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

欧州が新型コロナ対策の接触トレース技術におけるプライバシー保護でAppleとGoogleにAPI変更要求

新型コロナウイルス(COVID-19)の感染リスクを測るため、Bluetoothベースで接近度を追跡するいわゆる「プライバシー保護」規格を、EUの科学者や技術専門家が協同して開発している。またこの構想に基づき、彼らはAppleとGoogleに対して両社のAPI変更を要求している。

4月1日に発表されたPEPP-PT(汎欧州プライバシー保護接近度追跡)は、国境を越えたデジタル介入の足並みを揃えるために、接触追跡アプリの開発者に対して、スマートフォンユーザーのデータを標準化された方法で処理することを求めるものだ。また、新型コロナウイルスの流行が原因で勢いを増しつつある位置追跡ツールによる過度なプライバシー侵害のリスクを減らすことを目的としている。

米国時間4月17日、7カ国の国営アプリにPEPP-PTのアプローチを採用されることが明らかとなった。さらに40カ国の追加参加について話し合いが設けられている(アップデート参加が明らかとなったスイススペインは、同国はその実施を集権化することについて否定している)。

PEPP-PTのHans-Christian Boos(ハンス・クリスチャン・ボース)氏は「現在、多数の政府と話し合っているところです。一部の国は、国内のアプリをPEPP-PTの原則とプロトコルに基づいて製作すると公言しています」とウェブ会見の中で語っている。

「既に、7カ国が本構想に同調することが決定しています。また、参加に向けた話し合いを40カ国と様々なレベルで行っています」と同氏はいう。

ボース氏は、これら政府の一覧を公表すると述べたが、本記事の執筆段階では、まだ目にする機会は得られていない。私たちはPEPP-PTのPR会社へ情報提供を既に申し入れており、入手次第、本記事を更新する予定である。

また彼は「欧州の複数の国を巻き込むという今回の手法はうまくいきました」とも述べる。「政府はこれまでになかった素早さで決定を下しています。参加に向けて40カ国以上が話し合う今、私たちが扱う対象はもはや欧州だけに止まりません。プライバシーの保護をモデル化する、そして議題の中心に挙げることが私たちが強調したいことであり、この構想を他の地域にも広げられると確信しています」。

同会見に参加したイタリア政府の技術革新およびデジタル変革省でCTOを努めるPaolo de Rosa(パオロ・デ・ローザ)氏も、イタリアのアプリがPEPP-PTに基づき作成されることを認めている。

ローザ氏は「我が国は近日中にアプリを完成させます。もちろんこのモデルに基づいたものです」とだけ述べ、それ以外の詳細は控えている。

PEPP-PTの中核を成す「プライバシー保護」方針は、位置情報データを収集しないシステムアーキテクチャを使用していることに基づいている。その代わり互いに接近するデバイスは、匿名化されたIDを共有する。感染リスクが発生しと後にシステムが判定した場合、この匿名IDを使用して各個人へ通知が送られる。個人の接触情報がアップロードされるのは診断結果が出た後で、その後にそれまでに接触した他のデバイスへと通知が送られる。

PEPP-PTのスポークスマン兼コーディネーターを務めるボース氏は、2020年4月初頭に行なったTechCrunchの取材で、TechCrunchに対してプロジェクトが中央管理型と分散型の両方のアプローチに対応することを伝えている。前者では、IDは信頼できるサーバー(公衆衛生担当の政府機関が管理するサーバーなど)へアップロードされる。後者では、IDは各デバイスで管理され、そこで感染リスクも計算される。バックエンドサーバーは、情報をデバイスへ送信する役割のみを受け持つ。

この分散型システムにおいてAppleとGoogleは協調してサポートを行うとされている。このことが発表されたのはPEPP-PTの発表直後のこと。この2社のサポートにより、近日公開予定のAPIとシステム全体に利用されているBluetoothベースの接近度トラッキングによって、感染者の接触者トレーシングが可能となる。

世界人口の大多数を今回の構想に巻き込むために必要なのは、このわずか2社の協力を取り付けることだけだ。両社の参加によって、テクノロジーを利用した方法で新型コロナウイルスに対抗するという分散型の接触者トレーシング構想は大きく前進することとなった。

先日欧州議会で可決された決議案も、分散型の接触者トレーシングを後押しするものだ。

欧州議会は加盟国に対して「人々がセキュリティとプライバシー保護の両方のための基本的なプロトコルを確認できるように。また、アプリケーションのコード自体を公開し、政府が主張するような形で本当にアプリケーションが運用されているかを確認できるように、接触者トレーシングアプリの機能を完全に透明化する」よう働きかけている(委員会も、分散化を望んでいることを以前に示唆している)。

しかし、少なくとも7カ国の政府(およびPEPP-PTの主張によればその他多数)を含むPEPP-PTの支援者は、「プライバシー保護」の中央管理手法をあきらめていない。支援者の一部は、これを「疑似分散型」と呼んでいる。ボース氏は本日、AppleとGoogleの間で、両社のアプローチを変更できるかどうかの話し合いが行われていることを発表した。

現時点のAndroidとiOSでは、接触追跡アプリが分散型インフラを使用しない場合、バックグラウンドでBluetooth追跡を実行することはできない。これは、プラットフォーム側で一般のアプリがBluetoothへアクセスする方法を制限しているためである。つまり、そうしたアプリのユーザーが接近度追跡を機能させるためには、アプリを常に開いてアクティブにしておかなければいけないことを意味する。これではバッテリーの駆動時間が短くなってしまう。

また、Apple-Googleの共同モデルで採用されたリレーサーバーモデルが原因で、接触追跡データを中央管理に置くと(意図的な)制限もかかる。

「AppleとGoogleが歩み寄り、OSのレイヤーを開放してくれたことに感謝します。言い換えれば、Bluetooth測定と暗号化処理、およびそうしたタスクのバックグラウンド実行を常に安定して実行させるというOSの真の機能が使えるようになりました。モバイルエコシステムの巨人2社と、彼らが提供したプロトコルに注目してみれば、特に各国の政府側の観点から、話し合える余地は大いにあります」とボース氏はいう。

「PEPP-PTからも、いくつか話し合いたい点があります。私たちは選択肢を求めています。また、モデルの実装についても選択肢が必要です。両社のプロトコルの上へさらに中央管理型または分散型のプロトコルを作成しなければならないのであれば、どちらの利点も活かせずに終わるでしょう。話し合うべき内容は多くあります。しかし、彼らの決断とは別に、ハイテク業界で働く人々の多くはAppleとGoogleがこうした話し合いで非常にオープンな態度をとることを知っています。今はまだ、対立する時期ではありません。話し合いは継続しており、何らかの合意が得られる見通しです」。

AppleとGoogleへPEPP-PTが依頼した変更が具体的に何なのかは、はっきりしていない。私たちはウェブ会見の最中に詳細を訪ねたが、回答を得られなかった。しかし当グループと政府の後援者はテクノロジーの巨人の姿勢を崩し、Bluetoothの接触情報を中央の管理によってグラフ化し、全国の新型コロナウイルス対策組織へ配信しやすくすることを目指している。

現時点でAppleとGoogleのAPIは、サーバーレベルで接触情報のマッチングをブロックするよう設計されている。しかし、政府(またはその他の組織)が制約を回避して一部のデータを中央管理する方法は、まだ残されている可能性がある。

私たちはPEPP-PTがいう話し合いについて、AppleとGoogleに問い合わせた。本記事の執筆時点では、どちらの回答も得られていない。

イタリアと同様に、ドイツとフランスの政府も、PEPP-PTを支持して国営アプリを作成すると示唆している。これはつまり、もしAPIを変更する圧力が効かない場合は、かつてのAppleとFBIの対立と同じように、EUの巨大な加盟国たちとテクノロジーの巨人との対決が始まる可能性があることになる。

今回のエピソードでもう1つ重要な点は、PEPP-PTが依然としてプライバシーとセキュリティの専門家から激しい批判を浴び続けていることである。さらには、他の組織が開発中の「DP-3T」と呼ばれる分散型接触トレーシングプロトコルに言及した文章がPEPP-PTのウェブサイト上から削除されたことで、この批判はさらに勢いを増している。

また、CoindeskはPEPP-PTのウェブサイト上の記述が何も発表がないまま編集されていたことを指摘した。

DP-3Tの支援者は、PEPP-PTがいまだにレビュー用のコードやプロトコルを公開していないことを繰り返し問い詰めており、PEPP-PTを「トロイの木馬」とまで揶揄している。

PEPP-PT構想に参加し、かつDP-3Tを設計したETH ZürichのKenneth Paterson(ケネス・パターソン)博士は私たちの問い合わせに対して、連合が「Gapple(Google + Apple)」からどのような約束を取り付けようとしているのかについて明らかにしなかった。

彼はメールのやりとりでこう答えている。「彼らがシステムがどんな仕組みで動作するのか未だ明言していないため、(AppleとGoogleのシステムに対する変更について)何を求めているのか、私には何もいえません」。

4月17日にボース氏は、PEPP-PTのウェブサイトからDP-3Tへの言及が削除されたのは間違いだったと表明した。彼はこの事態を「コミュニケーションの失敗」が原因だとしている。彼はまた、PEPP-PTは規格化された技術を組み合わせた中に、DP-3Tの分散型プロトコルを含めることに今でも興味がある、と述べている。このため既に不明瞭な両組織の違いは、また新たに線引きされ続ける見通しである(また、プレスからボース氏へのメールは現在、Hering Schuppener社によってふるい分けされているのも興味深い点である。同社は、危機管理のPRを含む広報サービスを販売するコミュニケーション企業である)。

ボース氏はDP-3Tの排除に関して「遺憾に思います」と述べる。「実際は、一般社会に普及しているのと同じレベルで、様々な選択肢を用意したいと考えていました。それらの選択肢は今でも存在しており、その仕事に従事する同僚やその他の方々には深く感謝しています」。

「暗号化技術のコミュニティではこの話題の議論が活発に続いており、プロトコルを改善するのはいつでも望ましいため、私たちもそうした議論を奨励しています。私たちが見失ってはならないのは、ここで話し合うべきなのは暗号化についてではなく、伝染病の対策である点です。基盤となる転送レイヤーでプライバシーが守られる限り、政府はどんな選択肢もとれるためそれで十分でしょう」。

ボース氏はまた、PEPP-PTは米国時間4月18日午後に、ついに何らかの技術文書を公開すると語った。最初の発表から3週間後、しかも金曜の晩に発表することを選択したことになった。その後、7ページの「高レベル概要」文書がGitHubのこのリンクへ掲載された。しかし、レビュー用のコードにはほど遠い内容である(アップデート:このリンクはその後消去された)。また同時に、彼はジャーナリスト達に対して、細かい技術にこだわるのではなく新型コロナウイルスと戦う「大局」に注目するよう依頼している。

米国時間4月17日のウェブ会見では、PEPP-PTを支援する科学者の一部が、感染リスクを追跡する代替としてBluetoothがどの程度有効なのか、テストする方法を語ってくれた。

オックスフォード大学のビッグデータ研究所でナフィールド医学科教授および病原体力学のシニアグループリーダーを務めるChristophe Fraser(クリストフ・フレーザー)氏は、伝染を追跡するためにBluetoothの接近度データを使用する基本原理を説明し、次のように述べている。

「私たちが開発しているアルゴリズムは、各個人が互いに接近して過ごした累積時間に注目しています。目標は、スマートフォンの接近度データから、伝染の可能性を予測することです。理想的なシステムは、感染リスクが最も高い人々で必要な隔離を減らし、また感染のリスクがない人々へは、例え接近があったことが記録されていても、通知することはありません。

もちろん、それだけでは完全なプロセスとは言えません。しかし、この画期的なアプローチの重要な点は、情報や通知の正確度を検証できるようになることです。そのため、誰が通知を受け取り、そのうちどれだけの人が感染したのか、実際に把握できなければなりません。また、接触したと特定された人々のうち、どれだけの人がまだ感染していないのかも把握する必要があります。各システムに応じて様々な方法で検証を行うことは可能ですが、この手順を外すことはできません」。

フレーザー氏の話を踏まえると、デジタル介入の効果を評価することが不可欠となるはずだ。評価を発表することで、公共衛生の管轄機関が接触情報のグラフへより広範にアクセスできるようになる。ここでDP-3Tの分散型プロトコルでは、アプリのユーザーが疫学者や研究グループへ自発的にデータを共有することを明白に選べることに注目する必要がある。共有すれば、研究者は感染者と有リスクのユーザーとの交流を記録したグラフを再構築できる(言い換えれば、接近度グラフへアクセスできる)。

またフレーザー氏は次のようにも語っている。「数百万人に影響を与える隔離要請などの介入を行うのであれば、通知を出した時点での最大限の科学的な根拠、または入手可能な限りの証拠を提供することが本当に重要となります。それらの証拠を集める中で、ウイルスの感染についての理解が深まっていきます。実際、アプリの検証を行えばより深まるため、情報のフィードバックを受け取ることは不可欠でしょう」。

ボース氏によれば、現在テストや参照用に使用されているPEPP-PTに沿って作成されたアプリは、いずれも国家レベルの公衆衛生機関とはつながっていない。ただし、彼はイタリア企業の衛生システムへ接続してテストを実施する試験的なケースを挙げている。

彼は「バックエンドとアプリケーションのビルダーを提供しました。またプロトコルとサンプルコードを提供し、測定科学の内容など、多くの情報を提供しています。AndroidとiOSで、既に稼働しているアプリケーションが存在します。国家の衛生システムへ統合されていないだけです」と語っている。

PEPP-PTのウェブサイトは、Vodafoneなど構想を支援する数々の企業「会員」を掲載している。また取り組みを主導していると伝えられる、ドイツのFraunhofer Heinrich Hertz通信研究所(HHI)など、数カ所の研究機関も掲載されている。

HHIの取締役であるThomas Wiegand(トーマス・ウィーガンド)氏も、4月17日の会見に参加していた。注目すべきことに、彼はDP-3Tのホワイトペーパーの著者の1人でもある。しかし、GitHubの文書履歴によれば、4月10日に彼はREADME(前文)と著者一覧から削除されている。この変更に対しては何の説明も行われていない。

記者会見でウィーガンド氏は、暗号化とデジタル権利について活動する多数のコミュニティから反感を得るであろうと発言した。彼は、新型コロナウイルス接触追跡に用いる暗号化システムについての議論を「余興」とし、彼が欧州の「開かれた公共の話し合い」と呼ぶものが「欧州人である私たちをこの危機から救う可能性をなくすであろう」だという懸念を表明した。

彼はまたこう述べている。「私は単に、この問題の困難さを皆に理解してもらいたいだけです。暗号化はシステムを構成する12のブロックの1つにしか過ぎません。つまり、いったい何のためにここで集まっているか、皆さんに振り返っていただき、見直して欲しいのです。私たちはこのウイルスに勝利しなければなりません。さもなければ、もう一度ロックダウンが繰り返され、より深刻な問題が生まれるでしょう。皆さん全員にそれを考えていただきたいと思います。一丸となって協力すれば、ウイルスに勝てる可能性はあります」。

ウェブ会見では、利用されたZoomのチャットが人種差別的なスパム発言で乱されたことで、さらに不穏な空気が漂うことになった。ボース氏は会見を開始する直前に「技術に明るい人々から、Zoomはセキュリティに不安があるため使用するべきではないと聞きました。セキュリティとプライバシーについての構想を発表する場には合わないツールでした」と話した。

「残念ながら、同僚らの多くがこのツールだけを使っていることがわかったので、Zoomが改善するのを待つか、別のツールを使用する必要があります。もちろんZoomへデータをリークするのは私たちの意図することではないですから」。

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(翻訳:Dragonfly)

隔離生活で求められる自然発生的なコミュニケーションを生むソーシャルアプリたち

次世代版ソーシャルネットワーク、Clubhouse(クラブハウス)

カレンダーからの招待はもういらない。気軽に会話に飛び入りで参加しよう。これが新型コロナウイルス(COVID-19)による隔離で空白になってしまった我々のスケジュールを、商売の種にできないかと考えている新しいソーシャルスタートアップ企業に推進力を与えているコンセプトだ。しかし、こうしたソーシャルアプリはオンラインによる集いやオープンオフィスプランなど流動性あるアドホック、その場に応じた臨時的なコミュニケーションを実現することよって、新型コロナウイルス収束後の我々の働き方や人付き合いのあり方を変える可能性もある。「Live」は高性能ストリーミングの代名詞となっているが、これらの新しいアプリがスポットライトを当てているのは、目前のタスク、ゲーム、ディスカッションに加え、複数のユーザーである。

Clubhouse(クラブハウス)の「部屋」

Clubhouseの「room」

これらのスタートアップ企業の中で最も注目されているのが、ユーザーがいつでもチャットルームに参加できるオーディオベースのソーシャルネットワークであるClubhouseだ。ユーザーは自らがフォローするすべての人の部屋を確認し、ラベルの付いていない部屋を見つけたら、興味の赴くまま、会話に参加したり、ただ話に耳を傾けたり、といったことが可能である。活気のある部屋は多くのユーザーが集まるし、活気がなければユーザーは他のチャットサークルへ移っていく。

Clubhouseは先週末、人々が限定招待を求めて争奪戦を繰り広げたり、メンバーシップについて謙虚を装いながら自慢したり、人々のFOMOをからかったりするなど、VCのTwitterで大騒動を引き起こした。現在のところ、公開アプリやアクセスはない。Clubhouseという名は、人々が限定的な集団に属していたいと願う気持ちを完璧にとらえている。

Clubhouseは、Paul Davison(ポール・デイヴィスン)氏によって開発された。彼は過去にオフラインでの出会いを目的とした位置情報アプリHighlightおよびカメラロールすべてを公開するアプリShortsを開発した(2016年にPinterestが彼の開発チームを買収)。2020年に彼は、Alpha Exploration Coスタートアップスタジオを発表し、またラジオ形式の視聴者参加型番組を即座に放送可能なTalkshowを立ち上げた。新しい友だちを作る、生活をシェアする、考えを伝える、議論する。デイヴィスン氏の取り組みに通底するのが「スポンテニアス(自然発生的)」という概念だ。

Clubhouseはまだ始まったばかりの段階だ。ウェブサイトさえない。よく似た名前のClubhouse.ioと混同しないようにしよう。Clubhouseがどのようなものになるのかについての説明や、正式にリリースされるのか、またそれがいつになるのかは一切発表されておらず、またデイヴィスン氏も共同創業者のRohan Seth(ロハン・セス)氏もコメントを拒否している。しかし、肯定的な評価は、Twitterがテキストで行ったことを進化させるような、より即時的でマルチメディア的なアプローチに対する欲求があることを示している。

サプライズのない隔離生活

この隔離生活でわかったのは、皆と離れて1人になると、自然発生的な交流の機会を失うということだ。オフィスにいるなら、給湯室で偶然顔を合わせた同僚と軽い会話を交わしたり、インターネットで見つけたおもしろおかしいことを声に出してコメントしたりできる。パーティーではぶらぶら歩いて、1人でも知り合いがいるグループがあればそこに混じってみたり、興味をひく話が耳に飛び込んできたら、会話に参加したりできる。家にこもっているとこうした機会が失われる。相手の邪魔にならないテキストと違い、緊急性がないにもかかわらず手当り次第に友達に電話をしたりすることを我々は非難してきた。

Clubhouse(クラブハウス)の創業者ポール・ダビソン氏

Clubhouseの創業者ポール・デイヴィスン氏  画像クレジット:JD Lasica

日時の決まったZoomによる通話、実用的なSlackのスレッド、際限のないEメールのやり取りでは、意外性や、人々が互いのアイディアを交換し合う中で生まれる会話による喜びを捉えることができない。しかし、スマートアプリ開発者たちは、自然発生的というコンセプトがユーザーの生活やワークフローを絶えず妨害するものではないと考えている。ユーザーは会話に参加するかしないかについて決定権を持ち、また構わないで欲しい場合にはそれを表示することで、望む場合にのみ社会的つながりを持つことができる。

AppAnnieによるHousepartyのランクを示すチャート

AppAnnieによるHousepartyのランクを示すチャート

Housepartyはこの自然発生的というコンセプトを体現している。このアプリは新型コロナウイルスによる隔離が続く中、ユーザーがアプリを開いた瞬間に気分の赴くままに友だちとグループのビデオチャットルームに参加できるようにすることで、大ヒットしている。毎月5000万回のダウンロードがあり、一部の地域では新型コロナ以前の70倍を超える数に増加している。これは、米国を含む82カ国でソーシャルアプリ部門の第1位になり、16カ国でアプリ全体で第1位となった。

Discord本来はゲーム用に開発されたアプリだが、ユーザーはいつでも開いているビデオ、音声、およびチャットルームを通じて自然発生的に他のユーザーと交流を持つことができる。カリフォルニア州、ニューヨーク州、ニュージャージー州、ワシントン州など、早期に外出を禁止した州での使用の急増もあり、米国において日常的にDiscordの音声機能を使用するユーザーの数は50%増加した。モバイルゲームにオーバーレイされたビデオチャットアプリのBunchもまたランクを上げ主流になってきている。主なユーザー層は1日の総会話時間が150万分にのぼる女性にシフトしてきている。これらのアプリを使用することで、友達と合流し一緒に選んでプレイするのが簡単になる。

モバイルゲームにオーバーレイされたビデオチャットアプリ、Bunch

Bunch

即席オフィス

企業のビデオチャットツールは、強引でかつ事前準備のいるZoom通話に代わり、自然発生的コンセプトを取り入れたものになっている。これはZoomに対する反動で、終日ビデオチャット続きで何も成し遂げられないことに人々が気づいたためだ。

Loomを使用すると、ビデオクリップを簡単に録画して同僚に送信でき、同僚は時間のある時にそれを見ることができる。ビデオは撮影と同時にアップロードされるため、会話のスピードがアップする。

Loomを使用すると、ビデオクリップを簡単に録画して同僚に送信できる

Loom

Aroundでは、画面の上部に小さな円形のビデオウインドウが表示されるので、デスクトップの大部分を実際の作業のために使用しつつ、同僚と即座にコミュニケーションを取ることが可能だ。

Aroundでは、画面の上部に小さな円形のビデオウィンドウが表示される

Around

Screenは画面共有を起動できる小さなウィジェットである。全員が共有ウィンドウをコントロールできるカーソルを持ち、その場でコーディング、設計、書き込み、注釈を付けることができる。

Screenは、画面共有を起動できる小さなウィジェット

Screen

Pragliはアバターベースの仮想オフィスで、ユーザーは誰がカレンダーミーティングに参加しているか、その場にいないか、時間があるかを確認できるので、全員の空き時間をわざわざ探す必要なく、ボイスチャットやビデオチャットチャンネルを同時に開くタイミングを把握することができる。しかし、Slackのように自宅にまで追いかけて来ることなく、Pragliでは仮想オフィスにサインインまたはサインアウトして、1日を開始、終了することが可能だ。

Pragliはアバターベースの仮想オフィス

Pragli

声を届ける

ビジュアルコミュニケーションは、我々がいる場所が示せる携帯電話の画期的な機能だったが、外出できない現在、我々に表示するものはあまりない。これが、手数をかけずに自然発生的なコミュニケーションが取れるツールが流行するチャンス拡大のきっかけとなっている。リモートパーティー、迅速な問題解決など用途を問わず、Clubhouse以外の新しいアプリには、ビデオだけでなく音声機能が組み込まれている。音声を使えば迅速な情報交換が可能で、その場に居合わせているような臨場感もある上、仕事中にディスプレイが占拠されたり注意を全部持っていかれることもないし、見栄えを気にする必要もない。

High Fidelityは、Second Lifeの共同創業者であるPhilip Rosedale(フィリップ・ローズデール)氏が現在携わっている、資本金7200万ドル(約77億4000万円)のスタートアップ企業だ。High Fidelityは最近、バーチャルリアリティのコワーキングツールの構築から離れ、音声とヘッドフォンベースのオンラインイベントプラットフォームおよび人々が集うためのギャザリングスペースのテストを開始した。初期のベータ版ではユーザーは地図上で自身を示すドットを動かし、空間オーディオで彼らの近くにいる人物の声を聞くことができる。相手に近づけばその声は大きくなり、通り過ぎると消えていく。ユーザーは気分の赴くまま、小さなドットの集まりに近づいたり離れたりしながら、声の届く範囲で様々な会話を聞くことができる。

High Fidelityによる初期テストからの非公式な原寸模型

High Fidelityによる初期テストからの非公式な原寸模型 画像クレジット:DigitalGlobe / Getty Images

High Fidelityは現在テストマップとしてバーニングマンの衛星写真を使用している。実際のオフラインイベントと同じように思い思いの場所にDJが陣取り、リスナーはDJの間を行き来したり、友達と歩きながら会話したりする。バーニングマンは2020年の開催がキャンセルとなったため、High Fidelityはバーニングマンのオーガナイザーが約束したバーチャルバージョンを開催する候補者となる可能性がある。

Housepartyの元CEOであるBen Rubin(ベン・ルビン)氏と、Skypeエンジニアリング部門の統括部長であるBrian Meek(ブライアン・ミーク)氏は Slashtalkと呼ばれる自然発生的なチームワークツールを開発中だ。ルビン氏が去り、Housepartyは2019年中頃にFortnite-maker Epicに売却されたが、このゲーム業界の巨人は最近の隔離生活で成功の波に乗るまで、このアプリを放置していた。

Slashtalkは、迅速で分散型の会話を旨とする会議不要のツール

彼の新しいスタートアップ企業のウェブサイトには「Slashtalkは、迅速で分散型の会話を旨とする会議不要のツールです。我々は、適切な人員が適切な時に適切なトピックについて必要十分なだけ話し合えれば、ほとんどの会議は不要だと確信している」と書かれている。このツールを使えば、瞬時にボイスチャットまたはビデオチャットを始めることができ、日時の決まった共同セッションを待たずして、物事の段取りをつけることができる。

TechCrunch Disrupt NY 2015に出席したSlashtalk共同創設者ベン・ルビン氏

TechCrunch Disrupt NY 2015に出席したSlashtalk共同創設者ベン・ルビン氏

仕事にせよ遊びにせよ、これらの自然発生的な集いの場を提供するアプリは我々に縛りの少なかった若かかりし時代を思い起こさせる。カフェテリアや校庭をぶらぶらする、ショッピングモールに誰かいないかチェックする、部屋のドアが開け放たれた大学の学生寮の廊下を歩く、学生会館や広場でおしゃべりする。大人になる一歩手前の時代には、偶発的な交流の機会がたくさんある。

年を重ねてそれぞれが自宅を持つようになると、我々は文字通り壁を作って偶発的なコミュニケーションができるというシグナルを受ける能力を自ら制限してしまう。Down To LunchやSnapchatが買収したZenlyといったアプリや、Facebookが準備中のMessengerのステータス機能は、こうしたバリアを打ち破り、オフラインで誘うときの気まずさを感じないように設計されている

関連記事:隔離中だからこそ、メディアが真に「ソーシャル」な存在に

実世界での交流や共同作業には、通常、交通手段や計画が必要になってくるが、ここで取り上げた新しいソーシャルアプリはたちどころに我々に集まる場所与えてくれる。前もってスケジュールする必要はない。妥当な距離圏内にいる人以外とつながることを阻んでいた地理的な制限もやはり消え去った。デジタルでなら、自らのネットワーク内から相手をよりどりみどりで選択可能だ。隔離生活で我々のカレンダーの一部は空白になってしまったが、これにより我々の選択肢が広がった。

様々な制限が取り除かれた今、必要なのは我々の意思だけだ。我々は繋がりを持ちたい相手と繋がり、望みを達成することができるのである。スポンテニアス(自然発生的)なアプリによって、瞬発力ある人間本来の性質は輝く。

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(翻訳:Dragonfly)

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Curativeは画期的な新型コロナ検査方法で米食品医薬品局の認可を取得

診断法のスタートアップであるCurative(キュラティブ)は、新型コロナウイルス(COVID-19)の感染を診断する画期的な検査方法について、米食品医薬品局(FDA)から非常事態時に限った使用認可を取得した。

同社によると、この検査方法は3月末からすでにロサンゼルス市に導入されており、5万3000人の住民が検査を受けているとのことだ。

Curativeの検査では、被験者に咳をしてもらい痰を採取することで、肺の奥のウイルスが検出できるのだと広報担当者は話している。

FDA最高科学責任者Denise Hinton(ダニース・ヒントン)氏がデジタル署名した書簡では、Curativeの検査が以下のように解説されている。

この製品の使用にあたっては、最初に口腔咽頭(喉の)スワブ、鼻咽頭スワブ、鼻腔スワブ、および口腔液検体よりSARS-CoV-2核酸を抽出し分離、純化する。次に、純化した核酸をcDNAに逆転写した後に、PCRによる増幅および認可されたリアルタイム(RT)PCR装置を用いた検出を行う。このCurative-Korva SARS-Cov-2検査は、EUA(緊急使用時許可)の要請により提出された認可手順に解説されているとおり、衛生研究所で一般的に使われているすべての市販マテリアル、またはその他の認可されたマテリアルおよび認可された補助的試薬が使用できる。

dot.LAで最初に紹介されたCurativeは、カリフォルニア大学ロサンゼルス校と提携する医療研究施設KorvaLabs(コーバラブズ)と共同で検査処理を行っている。

この検査方法は、米国での検査数に歯止めをかけているサプライチェーン不足の回避を目指している。現在米国では、検査キットに必要な重要部品の調達が世界的な新型コロナウイルスのパンデミックの影響で調達困難に陥っているため、検査キット不足が続いていると同社は話す。

Curativeは、検体採取と抽出キットの部品の多くを代替する製品の生産に取り組んでいる。それを同社は、磁気シリカビーズを使用しない大規模なRNA抽出方法と呼んでいる。

同社は、もともと敗血症のための画期的な検査方法の開発を目指して2020年1月に創設されたのだが、新型コロナウイルスが世界中に蔓延するようになり、その検査に方向を切り替えた。

「私たちの目標は、新型コロナウイルス検査キットの直交的なサプライチェーンを構築することです。それにより、公共衛生と米疾病対策センターの足かせとなり生産拡大を阻んでいる材料を買わずに済むようになります」と、同社はウェブサイトで述べている。「私たちはまた必要な試薬を提供することで、医療研究所の稼働率向上を目指す事業にも協力しています」。

Curativeは、同社の検査方法は2つの点で優れていると話す。その検体採取法は、医療従事者を危険にさらすことが少ないため個人用保護具の必要量を少なくできる点、そして、代替サプライチェーンを使うことで、素早く検査を拡大できる点だ。

同社は既に1日におよそ5000件の検査を可能にしており、1日に2万個のキットを生産している。検査結果は31時間ほどで届けられる。

「多くの人が検査できる体制は、我が国の新型コロナウイルス対策には欠かせません。認可を得たことで、私たちはさらに生産量を増やし、全国に私たちの検査キットを届けます」と、Curative Inc.の創設者でありCEOのFred Turner(フレッド・ターナー)氏は話す。「私たちは、ロサンゼルス市とロングビーチ市と共同で、数千の人々がドライブスルー施設で検査が受けられるようにしましたが、この検査をさらに全国の大勢の人々にも拡大できるよう、既に万全の態勢を整えています。同時にこの検査キットを使った自宅での検体採取を許可するよう、私たちはFDAとの協議を続けています。認可が得られれば、さらに検査数を増やせます」。

新たに認可されたことで、同社は全国のさらに多くの販売業者と事業を広げることが可能になる。

Curativeの検査は既にロサンゼルスとロングビーチで導入され、ロサンゼルス郡、ロサンゼルス郡消防局、ロサンゼルス郡保安局によって組織的に実施されている。検査キットは消費者に直接販売されるものではなく、医師による注文が必要だと同社は話している。

ベンチャー投資企業のDCVCの支援を受けているCurativeだが、DCVCが有限責任社員に、望むならCurativeの検査キットが手に入ることを示唆する手紙を出したことで、早くも物議をかもした。

DCVCの手紙には以下のように書かれていた。

新型コロナウイルスの症状があり、すぐに検査を受けられない場合は、速やかにお知らせください。我々のポートフォリオに含まれているある企業との特別な関係を通じて、検査キット(簡単で早くて安全な唾液または痰のスワブによるテスト)の送付を手配します。検査結果は1〜3日で郵送されます。

これに続くブログ記事で、DCVCの共同経営者たちはその主旨を以下のように説明した。

州境をまたぐ遠隔治療を可能にする規制変更に伴い、DCVCのすべての知人のみなさんに、Carbon (Health)の優れた医療ケアと完全な検査方法のことを知っていただきたいと考えたのです。そしてもちろん、それには私たちのL.P.で働く方々も含まれます。彼らも我々同様、この厳しい時期に際し、自分自身や家族に対して難しい決断を下しています。

Carbonは素早く患者に優しい電子患者研修により今のペースを保っていますが、Curativeの検査能力が加わったことで、今後10日間で1日あたりの検査数が1万件に拡大される見通しです。この医療戦力の合体が、すべての人への医療を、まさに「手配する」のです。

私たちの表現が傲慢に聞こえたでしょうか? それについて言い訳はしません。誤解された方がいれば、とても残念に思います。誰であれ「割り込み」は許されません。私たちは、友人のみなさんと私たちのコミュニティーに、いつでも質の高い医療を受けることができ、しかも私たちのポートフォリオにある最先端技術を活用できることをお伝えしようと努めているのです。

新型コロナウイルスのアウトブレイクに対処する上で、正確な検査が最重要であることに変わりはないが、数多くのスタートアップ企業が革新的な診断方式の開発に取り組んでいる。

ハーバード大学免疫学者William Hanage(ウィリアム・ヘイネージ)氏は、Business Insiderに「社会で実際に何が起きているのかを正確に知ることが、このパンデミックに対処する上での重要な鍵になります」と話している。

画像クレジット:Andriy Onufriyenko / Getty Images

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(翻訳:金井哲夫)

Facebook Datingの新機能でバーチャルデートが可能に

米国時間4月24日、Facebookはユーザーはもうすぐ「バーチャルデート」ができるようになると発表した。Facebook Datingのユーザーは、本物のデートの代わりに新しいビデオ通話機能を利用することでMessenger経由でビデオ会話できるようになる。このような機能は、人びとが新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックにより、在宅と社会的距離を保つことを強要されている現在、需要が高まっている。

しかしオンラインのデートアプリは人びとを現実世界で結びつけることが本来の目的であり、その仮想化は大きな課題でもある。

今のところ、政府のロックダウンのためオンラインでデートした人が初めて実際にデートできる場所は限られている。レストランやモール、バー、その他の小売業施設は、新型コロナウイルスがアウトブレークしたすべての地域で閉鎖している。しかし、そんな制約がなくなっても、オンラインデートアプリのユーザーの多くは、知らない人との初めてのデートやお見合い的なデートを遠慮するだろう。相手をもっとよく知るためには、ビデオチャットがより安全なオプションとなる。

Facebook Datingが利用可能になると、オンラインでデートをする人びとは相手をバーチャルデートに誘うことができる。誘われた人は、画面に出るポップアップで、それを承諾したり断ったりできる。

承諾すると、Facebook DatingのユーザーはFacebook Messengerでビデオチャットができるようになり、お互いをもっとよく知ることができる。しかし、現在まだ開発途上の機能なので、プライバシーやセキュリティなどに関する詳しい情報は提供されていない。

パンデミックのためにデートの場所をビデオ上にしたオンラインデートアプリは、Facebookが初めてではない。しかもライバルとなるデートアプリの多くは、新型コロナの来襲以前からビデオ機能を導入している。

例えばBumbleは、ほぼ1年前から音声とビデオによる通話機能を提供している。その機能は電話やAppleのFaceTimeなどと同じだが、ユーザーは自分の電話番号やメールアドレスなどの個人情報をシェアしなくてもいいので安全だ。同社によるとこの機能は最近の2カ月で利用が急増し、今どきの仮想デートの人気を物語っている。

一方、Match Groupが同社の数多いデートアプリにビデオを導入したのは、もっと最近だ。2020年4月はMatchアプリにビデオチャットが加わり、すでにマッチした者がビデオで会話できる。Matchによると、同じくMatch傘下のHingeには「Dating from Home(自宅でデート)」というプロンプトがあり、独自のビデオデート機能を準備している。これまたMatch傘下のPlenty of Fish(PoF)は、3月にライブのストリーミングをローンチし、独身者とその友だちが相手を探す場所を提供した。

Match Groupの主力アプリであるTinderにはまだライブのビデオデート機能はないが、ユーザーはプロフィールにビデオを加えることができる。Tinderのビデオデートについて同社はまだ何も発表がないが、このご時世にビデオ通話が使えないのは、少々奇妙だ。

あまり知名度のないデートアプリも、eHarmonyの例に見られるように、ビデオデートでユーザー数を増やそうとしている。Facebookの新機能は展開が数カ月後になるとのことだが、Facebook Datingが使えるところならどこでも利用できる。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

米国で大麻関連企業を新型コロナ支援の対象とする法案が提出

新型コロナウイルス(COVID-19)への米政府による大規模な資金援助が間近に迫っている中、以前に大麻ビジネスが急成長していた州の2人の議員が、政府に大麻産業への保護を要請している。

Earl Blumenauer(アール・ブルメナウアー)下院議員とEd Perlmutter(エド・パールマター)下院議員が提出したこの法案は、大麻企業に給与保護プログラム、経済傷害災害融資、災害融資プログラムを通じた緊急融資の資格を与えるものだ。

大麻関連企業は必要な事業認可を与えられており、大麻が医療やレクリエーション目的の販売で合法化されているほとんどの州で、事業を継続することができる。それでもこれらの企業は、例えプログラムの要件を満たしていたとしても、米中小企業庁を通じた融資や、その他の新型コロナウイルスによる危機に対する援助を申請することができない。これに、前回の大規模な新型コロナウイルス支援パッケージの後に導入された、PPPと呼ばれる融資免除プログラムも含まれている。

多くの中小企業経営者が労働者の雇用維持のためにPPPローンによる助成金を申請したが、資金を確保できた企業はほとんどなかった。さらに悪いことに、融資の一部は大手レストランチェーンヘッジファンドなど、中小企業の定義外の企業に与えられた。

「大麻ビジネスはコロラド州および全国の地域経済における主要な雇用者であり、また重要な貢献者でもある」と、パールマター議員は述べている。「大麻関連企業は他の合法的なビジネスと同レベルの支援を受けるべきであり、今回の新型コロナウイルスの危機の間、米中小企業向け貸付(SBA)の救済基金の対象となるべきだ」。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

米食品医薬品局が新型コロナ治療薬候補の一部に危険性ありと再警告

FDA(米食品医薬品局)は、ヒドロキシクロロキンとクロロキンの重大な副作用について再度警告した。両医薬品は抗マラリア(および皮膚エリテマトーデスなど)薬として以前から使われているが、最近新型コロナウイルス(COVID-19)治療薬の候補として臨床試験が行われていた。しかし研究者がJAMA(ジャーナル・オブ・アメリカン・メディシン)に 発表した論文によれば、試験は「重大な副作用」のため試験は急遽中止されている。

論文によると両薬品は「初期の結果」において22人の患者の死亡を含む重大な危険が認められ、試験は中止されたという。初期試験では薬剤の大量投与を受けたグループの死亡率は39%に上った。少量投与のグループでも死亡率は15%あった。双方を総合すると死亡率は27%だった。

「試験の結果は同薬剤の大量投与に対して強い懸念を示すものとなった。毒性のリスクが効能を上回ることが明らかだった」と研究グループは所見を述べている

4月24日のFDAの警告では特にこの臨床試験には言及していないが、81人の患者を対象としており、フェーズII臨床試験として最大規模のものだった。今回FDAは「ヒドロキシクロロキンを単独あるいは他の薬剤と併用して投与された新型コロナウイルス患者の死亡に関する報告を受けている」と注意を呼びかけている。「他の薬剤」には抗生物質のアジスロマイシンが含まれている(JAMA論文によれば被験者全員がアジスロマイシンの投与を受けていた)。治験者には心臓の鼓動が遅くなるQT間隔延長や逆に速くなる心室性頻拍などの危険な症状が見られ、一部の例では死亡の原因となったという。

ヒドロキシクロロキンとクロロキンはトランプ大統領が新型コロナウイルスの治療薬として有望だと述べたことで注目されたが、フランスにおける初期の小規模調査な研究で治療薬としての可能性が認められたものの、安全性に関しては科学的証拠が得られるような臨床試験は行われていなかった。医薬品として承認されたのはあくまで抗マラリヤなどに処方されることを前提としており、大量投与には重大な副作用があることは以前から知られていた。

画像クレジット:Getty Images

新型コロナウイルス 関連アップデート

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

神戸市が新型コロナ対策でUber Eatsに続き出前館と連携、店舗側は手数料減免、利用者は500円相当のポイント

お役所なのに仕事が早い。神戸市は4月24日、出前館との事業連携協定を締結したことを発表した。中小飲食店を対象に出前館のサービス利用料の半額助成などを含む「KOBE出前シフトサポート」を展開する。実施期間は緊急補正予算の議決予定日で5月1日から7月31日までの3か月間予定。状況を見ながら期間の延長も検討するとのこと。なお、出前館と連携により、出前館のインフラを利用しているLINEデリマやdデリバリーとの連携も可能になる。

対象となるのは、中小企業基本法第2条に規定する中小飲食店約200店舗+新規参加店。具体的な施策は以下のとおり。

飲食店

  • 出前館サービス利用料の半額ぶんを助成(神戸市と出前館が半分ずつ助成、大手フランチャイズチェーンの直営店および中小飲食店に該当しない店舗は対象外)
  • 初期制作費用2万円の免除を5月7日~7月31日まで延長(出前館が助成)
  • 配達代行手数料を助成し、税別代金の30%を23%に(出前館が助成)

就労者

  • 休業・営業短縮を余儀なくされている市内飲食店勤務者を対象に「飲食店向け緊急雇用シェア」を積極的に展開し、迅速かつ柔軟な雇用確保を支援(出前館が助成)
  • 上記取組みをPR支援(神戸市が実施)

家庭

  • 出前館で使えるTポイント500円ぶん還元、もしくはLINEデリマやdデリバリーで使えるクーポンの提供(神戸市と出前館が半分ずつ助成、1人1回、送料を除いて1000円以上の注文のみ、5月1日10時〜5月14日23時59分の期間中の注文が対象)

関連記事:神戸市がUber Eatsと連携して市内の営業エリア拡大、新型コロナ対策で中小飲食店が支払う手数料を4割減免へ

新型コロナウイルス 関連アップデート

買い物代行のInstacartが新型コロナに関する新ポリシーと25万人の新規雇用を発表

新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大で外出が制限されているため、買い物代行のInstacart(インスタカート)は積極的な雇用を続けている。米国時間4月23日の発表によると、同社は消費者の需要に応え「1時間以内配達、即日配達」に戻すために、ショッパー(注文された品物を顧客に届ける人)を新たに25万人雇用すると発表した。

雇用の発表に加え、同社は新型コロナウイルスの疾病手当の拡大、パートタイムとフルタイムの両方のショッパーに対するボーナス、健康・安全キットに必要なショッパーのアプリ内チェックインなど、新しいポリシーも多数実施する。Instacartは、わずか1カ月でショッパーのネットワークを250%以上拡大する計画を発表したことになる。

2020年3月に同社は、既存の20万人に加え新たに30万人のフルタイムのショッパーを雇用すると発表していた。この目標は達成され、今回発表された分を追加するとショッパーのネットワークは75万人になる見込みだ。同社は4月前半に、ケアチームを1200人から3000人と2倍以上に増やすことも発表した。

Instacartの最近の雇用は、レイオフに見舞われる企業がある一方で必要なビジネスの需要は突出して増えていることを表している。積極的な雇用と新しいポリシーにより、Instacartのショッパーが最近訴えていた、顧客からの空前の需要によるストレスが多少緩和されるかもしれない。

3月にInstacartのショッパーの一部がストライキを決行し、個人用の防護装備、注文1件につき5ドル(約540円)の危険手当、デフォルトのチップの最少額の変更、既往歴がある人に対する疾病手当の拡大などを会社に対して要求した。

Instacartはこのうちいくつかの要求に応えた。3月に同社は疾病手当のポリシーの拡大と非接触支払いオプションの概略を説明した。また、ショッパーがもっと柔軟かつ迅速に配達に対応できるように新しい機能を導入した。

今回のInstacartの発表はショッパーと顧客に対する質の高いサービスを取り戻そうとするものだが、問題が起きたときの対処にはまだ改善の余地がある。先週、Instacartはコストコとの提携により処方薬の配達を開始すると発表した。

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(翻訳:Kaori Koyama)

MITが布に織り込んで洗濯機で洗濯できる常時健康モニタリング用センサーを開発

MITが開発した新しいタイプの軽量センサーは、布のような曲げられる素材に組み込める。たとえばそれをアスリートのウェアに織り込めば、体温や心拍数、呼吸数などのバイタルを常時モニタできる。また洗濯機で洗えるし、外から見て目立つものが何もない。あるいは織り込まずに取り外せるようにすると、複数の衣類で使える。

このセンサーの研究プロトタイプはスマートフォンと通信でき、最終的には中国のパートナーが量産する。応用分野は健康産業のほかに、宇宙飛行士の生命兆候を知るなど宇宙での利用も考えられる。MITのこの研究は、NASAとMITメディアラボの宇宙探究計画も出資しているが、ポテンシャルが圧倒的に大きいのは地球上での利用だ。とりわけ、COVID-19に悩まされている今は、将来のもっとコントロールの幅が広がったバージョンが、ヘルスケアの分野で多用されるだろう。

中でもとくにこれは、定常的なモニタリングと医師の診察を必要とする慢性病患者にとって費用効果が高くて容易な方法であり、多くの場合手作業で一貫性を維持することが難しかった記録の作成と維持を助けるだろう。記録の更新を人間の手や遠隔医療に頼るのではなく、患者自身がバイオメトリックデータの安定的なストリームを、治療をモニタしているヘルスケアのプロフェッショナルに提供できる。そしてそのプロセスを自動化すれば、患者と介護者の両方がつねに最新の状態情報をリアルタイムで提供し取得できる。

遠隔医療はCOVID-19のおかげですでに需要が急増しており、患者もヘルスケアのプロフェッショナルも共に、COVID-19の感染リスクを下げながらヘルスケアのニーズを継続的に管理する方法を求めている。とくに重要な対象は、慢性病や既往症を抱える弱者だ。

アメリカのプライマリーケアのスタートアップForwardなどは、すでにこの方式を実験している、。それは、バイオメトリックのセンサーを自宅にいる患者に配布してモニタするやり方だ。インターネットに接続されるセンサー(コネクテッドセンサー)を作っているKinsaも、匿名のバイオメトリックデータを集積するやり方に価値を見出している。それはセンサーのデータをマッピングしてCOVID-19の拡散の兆候、とくに地域における発熱の広がりを調べようとする。

衣類に埋め込まれるウェアラブルなセンサーは、前にも試みられ、製品化されたこともある。でも今回のMITのバージョンは、もっとも着用のなじみが良く、邪魔にならず、快適だ。将来、健康データの常時モニタリングによってパンデミックのもっと良質なモデリングが可能になれば、まさにこのセンサーがイノベーションの最先端として注目されるだろう。

画像クレジット: MIT

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

米議会が新型コロナ支援法案を可決、給与保護融資プログラムを拡充

米国時間4/23、米議会はCOVID-19(新型コロナウイルス)の影響を強く受けた企業・組織に財政支援を行う最新の緊急刺激策を可決した。

法案は上院で2週間にわたる議論を呼び、共和党は包括性の低い案を推し、民主党は刺激策に他の基金を追加で織り込もうとした。最終的に、同暫定法は3100億ドル(33兆円)を確保して中小企業庁(SBA)の給与保護プログラム(PPP)を拡充し、病院に750億ドル、新型コロナウイルス検査に250億ドルを供出する。本法案は経済的損害災害融資(EIDL)プログラム向けの追加基金も含んでいる。

新型コロナ検査の資金には、各州と協力して国の検査能力を拡大するトランプ政権の「戦略的計画」策定にむけた具体的要求が付随している。検査能力の拡大は、国がビジネスの再開を認めるために必要だと医療専門家が言っている重要な要件だ。

新型コロナ危機によってその多くが壊滅状態にある全国の中小企業のために中小企業庁が実施した返済免除条件付き融資プログラムは、期待をもって迎えられたが、すぐに不満を募らせる結果となった。融資プログラムは中小企業が給与を支払うことを目的とするもので、社員の慰留に使われた場合には助成金として扱われる。多くの中小企業経営者は給与保護プログラム融資を扱う銀行を探しまわったが、申請受付が開始された直後にプログラムから締め出された。申し込み結果を受け取れずに宙ぶらりん状態の会社もあった。数日後に、基金は底をついた。

大手銀行は先着順システムをとらず、自らの利益の可能性に基づいて融資を小出しにしたと非難された。比較的大きい会社の中には、プログラムの抜け穴を見つけて資金をタダ取りしたものもあった。ちなみに、レストランチェーンのRuth’s Chris Steakhouse(ルースクリス ステーキハウス)は2000万ドルを手に入れたが、現在同社は返済すると言っている。

民主党はこうした問題の一部に対応すべく新たな分割案の採用を求めて闘い、最終法案では、資産100~500億ドルの銀行と信用組合に300億ドルの融資が割当てられ、資産100億ドル以下の銀行には別途300億ドルが割り当てられた。

トランプ大統領は本法案を承認する意向を以前から表明しており、できるだけ早く資金が利用できるように署名すると言っている。

関連記事:Senate passes new $484 billion relief bill to replenish small business loans, fund hospitals and testing

画像クレジット:Sarah Silbiger/Bloomberg via Getty Images / Getty Images

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

アップル/グーグル共同開発のコロナウイルス接触者追跡APIの最初のバージョンが来週リリース

Apple(アップル)のCEO Tim Cook氏と欧州委員会の単一市場担当委員Thierry BretonThe氏の会話によると、AppleとGoogleが共同開発しているクロスプラットホームな接触者追跡APIは来週から使用できる。Breton氏が彼のオフィスで共有した写真には、彼とCook氏のビデオ会話の様子が写っており、また彼がLes Echosに語ったところによると、AppleのCEOは、公衆衛生当局のためにアプリを作るソフトウェアデベロッパーがその接触者追跡APIを利用できるのは4月28日からだ、と述べた。

AppleとGoogleは4月10日に、両社がiOSとAndroidの両方のモバイルデバイスで動く接触者追跡システムで協働していると発表し、そのオプトインのネットワークがユーザーの実際のID情報とは無関係なランダムなIDにより、COVID-19の検査で陽性と確認された人と接触した可能性を 通信する、と詳しく説明した。それは、個人のプライバシーを保護するために位置データを決して集めない分散システムで、AppleとGoogleは、そのAPIを使って作られたいかなるアプリも、それらがユーザーベースの最遠のリーチを持ちうるために、プロジェクトで協働することを選んだ。

その接触者追跡システムの展開は二段階で行われる。最初に、APIがデベロッパーにとって可利用になる…それが来週起きることだ。この段階は最初、5月中旬を予定していたが、Breton氏とCook氏の会話を聞いたかぎりでは両社はそのスケジュールを早めたようだ。ソーシャルディスタンシング措置の変様や緩和をいついかにして行うべきかを正しく知るためには、接触者追跡が喫緊に必要だから、このスケジュール変更は理にかなっている。

計画の第二段階は、接触者追跡システムのアップデートをOSのレベルで行うことだ。オプトインはデバイス上で管理され、AndroidもiOSスマートフォンもどちらも、このイン・アウトの切り替えにより、ローカルな追跡行為に参加できるものでなければならない。しかもそれは、公衆衛生当局の特定のアプリの有無とは無関係でなければならない。ただしAppleとGoogleが行なったQ&Aセッションによると、接触者の可能性を通知する公衆衛生アプリのダウンロードとインストールを示唆するプロンプトが出るのは構わない。それによってユーザーは、信頼できるソースから、次にどうすればよいか関する追加的情報を取得できるだろう。

なお、この第二段階は今年後半の展開になる。でもAPIの最初のバージョンの到着がこれだけ早まったことは、これをなるべく早く市場に出したいとする両社の意欲と努力の表れだろう。おそらく、相当多くの技術者をつぎ込んでいると思われる。

現在開発中またはすでに実装された接触者追跡システムはたくさんあるが、共通の技術による相互乗り入れ通信が可能で、もっとも人気の高い複数のモバイル機種間の幅広い参加の機会が開けることは、そんなシステムが実際に効果的でありうる大きなチャンスになるだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Boston Dynamicsの四足ロボが病院内を闊歩、新型コロナの遠隔医療で活躍

この2週間、Boston Dynamics(ボストン・ダイナミクス)のロボットであるSpot(スポット)は、地元のBrigham and Women’s Hospital(ブリガム・アンド・ウィメンズ病院)の廊下を歩きまわっている。遠隔医療は会社の初期の主要製品リストには載っていなかったが、Boston Dynamicsは新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックが生活のすべてを奪う存在になったことで方向転換した多くのテック企業に仲間入りした。

同社によると、3月初め以来同社のテクノロジーを遠隔医療に利用できないかという問い合わせが複数の病院から寄せられたという。

「Boston Dynamicsの下に届いた働きかけや、命を守る個人防護具(PPE)の世界的欠乏を踏まえ、当社はこの数週間に病院からの要望の理解を深め、当社のSpotロボットを使ったモバイルロボティック医療の開発に注力してきた」と同社は書いている。「その結果生まれたのが、緊急医療テントや駐車場などの特殊環境下で、パンデミックに対応する現場スタッフを支援する歩行型ロボットだった」。

iPadと双方向無線を搭載したSpotはモバイル遠隔会議システムとして利用されており、感染力の強いウイルスを拡散するリスクを負うことなく医師が患者を診察することができる。これは比較的簡単な仕事であり、多くのロボティック会社が積極的に取組んでいる分野だ。

多くの医療施設にとっては価格の壁があるものの、Spotの四足歩行は車輪システムがアクセスできない場所にロボットが訪れる可能性を開く。モジュール化されていることで、将来別の作業を遂行できる可能性を常に秘めている。Boston Dynamicsは、体温、呼吸数、脈拍、酸素飽和度などの生体信号を検知するシステムを搭載する検討を進めていると言っている。

将来は、ロボットに紫外線照射器を背負わせてモバイル消毒ステーションにすることもできるかもしれない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Virgin Orbitの自動人工呼吸器を米食品医薬品局が緊急承認、数日以内に医療現場に提供へ

小型衛星の打ち上げを目指すVirgin OrbitはFDA(米食品医薬品局)から人工呼吸器用の緊急使用許可(EUA)を得た。同社は新型コロナウイルス(COVID-19)感染の重症患者に必須となる人工呼吸器のニーズに対処するため、数週間前から設計とプロトタイプ化の製造を開始していた。Virgin Orbitは、「FDAの承認が得られたので、数日以内に人工呼吸器の提供が開始できる」と期待している。

Virgin Orbitが設計した人工呼吸器は、救急車に搭載され救急隊員が自発呼吸の能力を失った患者に使用する手動人工呼吸器を自動化したものだ。設計に当たっては専門家と医師のグループ、ブリッジ人工呼吸器コンソーシアムの指導を得ている。「ブリッジ」という分類のとおり、主に「つなぎ」として使用されるタイプだが、これには大きなメリットがある。軽症患者にブリッジタイプの簡便な人工呼吸器を使うことにより、本来の人工呼吸器を新型コロナウイルスによって重篤な肺炎を起している患者の救命にあてることができるようになる。

Virginではすでに人工呼吸器の製造を開始していると発表しており、現在の生産体制で「週に100台以上」を生産できるという。今週中に出荷予定の最初の100台はカリフォルニア州に送られEMSA(Emergency Medial Services Authority)によって必要度の高い医療現場に配布される。

Vigin Orbitでは人工呼吸器の生産ラインを迅速に立ち上げて出荷を開始するために多大の努力を払ったが本業はやはり衛星打上だ。同社では独自の小型衛星発射システムの開発を続けるとしている。Virgin Orbitの空中発射システムについてはTechCrunchでも報じてきた。今月、Launcher Oneロケットを747母機の主翼下に吊り下げて所定の高度に上昇させる最終飛行テストに成功している。この後は実際にロケットに点火して衛星を打上げるテストとなる。これは今年中に実施される予定だ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

米国当局が進める新型コロナの接触者追跡の必要性とプライバシー保護の重要性

米国での新型コロナウイルス(COVID-19)の感染者数の増加に伴い、当局は、検査数が限られている状況下で、感染の拡大を追跡し制御する方法を切実に求めている。

4月10日、感染者とその濃厚接触者を追跡することで感染の拡大を監視するAndroidとiOS向けの任意の匿名連絡先追跡ネットワークを、Google(グーグル)とApple(アップル)が共同開発することを発表した。このモバイルアプリを公衆衛生当局からダウンロードすると、ネットワークを使用している感染者に接近すると通知される仕組みだ。システムはGPSではなくBluetooth Low Energy(BLE)送信を使用するため、位置情報は追跡されず、追跡データは集中型のデータベースではなく各自のスマートフォンに保存される。これはすべて、利用者のプライバシー保護を考慮した点だ。

関連記事:アップルとグーグルが新型コロナ感染チェック用モバイルアプリを共同開発、プライバシー保護も確約

しかし、多数の他の新型コロナウイルス対策ではプライバシーは十分に考慮されていない。その理由は、位置情報を追跡し、多くは中央集中型データストレージを採用しているためだ。

Googleは、ロケーション履歴の設定をオンにしている人のスマートフォンから匿名で集計されたデータを元に地域別の時系列動向を示す「Community Mobility Reports(コミュニティ・モビリティ・レポート)」を公開すると発表した。Facebookや他の企業は、COVID-19モビリティ・データ・ネットワークの一環として、世界中の疫学者に携帯電話から匿名化して集計されたデータを提供している。

Centers for Disease Control(CDC:疾病管理センター)は、モバイル広告会社からのロケーションデータに基づいて、米国市民の移動を匿名で追跡している。プライバシー擁護者は、このような追跡メカニズムはプライバシーを侵害するもので不安要素があるとしているが、このデータによると、公共の場には依然として大勢の人が集まっていることがわかる。この結果は、政策の決定には役立つが、懸念があることには変わりはない。

感染拡大をより効果的に予防するための政府の取り組みは賞賛に値するが、データの使用方法には特定の条件と制限が必要だ。これを怠ると、国は重大な問題に直面するだろう。政府はこの目に見えない敵と戦うために対策を講じる必要があるが、データの保護と使用に関する条件も必要だ。特に次の5つを保証する必要がある。

一時性

9月11日の同時多発テロ事件の6週間後に可決された愛国者法は、米国民を偵察する前例のない権限を政府に与えた。当時これはやむを得ないことだったかもしれないが、政府は現在も、何百万もの通話とテキストメッセージの収集を継続している。GoogleやFacebookのような企業が政府とデータを共有する場合、共有の期間とその共有データの保持期間には、明確に限定された期間が必要になる。

市民的自由権

9月11日の攻撃後、NYPD(ニューヨーク市警察)などの法執行機関は、地元のイスラム教徒住民の違法な監視活動を行った。このプログラムは、第二次世界大戦での日系米国人強制収容や、公民権運動で人種差別の解消を求めたアフリカ系米国人に対するFBIの監視に比較された。

現在のパンデミックを、市民的自由権が失われていく例に加えてはならない。現在、そして将来にも、我々を守るために共有されるデータが、監視や差別のために使われることになってはならない。

透明性

ロケーションデータなどの機密データを政府と共有する企業には、一般の人が理解できるような、タイムリーで詳細な透明性レポートの提出が義務付けられる必要がある。

限定的使用と目的の明確化

OECD(経済協力開発機構)のFair Information Practice Principles(FIPP:公正情報行動原則)には、データ処理活動に特定された目的以外に個人データを使用してはならないことが明記されている。にもかかわらず、二次的な目的のためにロケーションデータを共有している企業のメディア報道規制措置は後を絶たない。今回も、ウイルスの感染防止のために収集および使用されるロケーションデータは、その特定の目的以外に使用されてはならない。

データセキュリティ

市民を保護するという政府の善意は、即ち機密データを保護することにはならない。むしろ、パンデミック中にサイバー犯罪が増加する可能性の方が高い。政府は、適切な管理上、技術上、物理的な安全対策が講じられていることを市民に保証しなければならない。

米国当局者が対策を模索するなか、どの前例からの教訓やデータ保護の種類が実際に議論されているかは明らかにされていない。これには、ニュースで報道されている内容に頼るしかない。米国人の追跡に対テロ戦争ツールを使用したデータマイニング企業のPalantir(パランティア)は、感染の追跡に関するデータ収集についてCDCと協議中である。

法執行機関、民間企業、独裁政権に自社ソフトウェアを販売したことで厳しく批判された顔認識企業のClearview AI(クリアビュー・エーアイ)は、データ主導型のインサイトを使用して感染を追跡することについて州政府機関と討議している。また、Unacast(ユナキャスト)は、市民のロケーションデータに基づいて、各州の社会的距離戦略の評価格付けを行っている。

自由の鐘を鳴らす

米国は現実的な道を探す必要がある。さまざまな営利団体によって収集、使用、共有されているロケーションデータは、実際には異なるタイプに分かれる。そのため、まず最も重要なデータと、その主要なパートナーを特定する必要がある。医師、研究者、学者、倫理学者、法律専門家が、これらのテクノロジー企業との対話に積極的に参加する必要がある。

また、ロケーションデータを共有する場合は、プライバシー保護技術も使用されなければならない。この最新の例はAppleとGoogleの共同開発だ。その他には、Private Kit:Safe Pathsとマサチューセッツ工科大学のSafeTraceプラットフォームがある。これも、匿名化、分散化、暗号化された手段で、ユーザーが自発的にデータを共有するものだ。

ここでの課題は、契約、技術、管理によるコントロールを追加しなければ、匿名化されたデータ(個人を特定する可能性のないデータ)が本当に匿名であることを実際に保証することが困難な点にある。さらに、ユーザーが自発的に自分の位置と健康状態を送信することでプラットフォームが成り立つため、普及率が十分に伸びず、結果に偏りが生じ、不正確になるだろう。

それなら、公衆衛生の名の下、スマートフォンを持つすべての米国市民にロケーションデータの共有を義務付けるよう、政府に任せるべきだろうか? 何が起ころうとも今まで以上に、地方、州、連邦政府当局は、さまざまなデータ共有案の検討には米国市民を第一にして考慮することが不可欠である。

Heather Federman    寄稿者プロフィール

Heather Federman(ヘザー・フェダマン)は、ニューヨークを拠点とする企業、BigIDのプライバシー&ポリシー担当副社長で、プライバシー法を専門とする弁護士である。同社は、AIを使用して組織が顧客のプライバシー管理を強化できるようにする。これは、個人データを正確に追跡し、機密情報へのアクセスを管理し、プライバシー規制を遵守することで行われる。以前は、メイシーズとアメリカンエクスプレスでプライバシーの責任者を務めた。

画像クレジット: Thomas Tolstrup / Getty Images

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(翻訳: Dragonfly)

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