Hollywoodの人気スターで熱心な環境保護活動家Leonardo DiCaprioが植物性バーガーのBeyond Meatに投資

環境問題に熱心なハリウッドの名士たちの中でもとくにリーダー格のLeonardo DiCaprio(レオナルド・ディカプリオ)の名前が、ビーフを使わない植物性のバーガーBeyond Meatの、投資者たちのリストに載った。

Beyond MeatのCEO Ethan Brownが声明文で述べている: “Leonardo DiCaprioをBeyond Meatのファミリーに迎えたことに感動している。環境保護活動家としての彼の献身と役割は、弊社のBeyond Burgerのような植物から直接作る人工肉が、人間の健康と地球の気候と、自然資源および動物の福祉に大きく貢献するという共有ビジョンを反映している”。

実は、ole Leo〔愛称〕は初期の同社を助けたことがある。同社が植物性タンパク質材料の試作を繰り返していたとき、それらで作られたバーガーにフィードバックを提供したことがあるのだ。

“今後も彼の協力を継続的に得ながら、おいしくて満足感のある製品を、より多くの消費者に提供していきたい”、とBrownは言っている。

ole Leo自身は、自分が動物の肉を使わないための人工肉企業に投資したことをとても真剣に説明している。彼の声明は:

“畜産は大量の炭素を大気中に排出する。動物の肉から、Beyond Meatのような植物由来の肉に移行することは、気候への悪影響を減らすために人間が為しうることの中でも、もっとも効果の大きい方法のひとつである”。

Beyond Burgerは、全米で2000以上の店で売られている。その中には小売大手KrogerやAlbertsonsの店もある。

“植物から直接、おいしくてヘルシーな肉を作れる同社の能力は、結果的に、気候変動に対処しようとする消費者たちの日常的なアクションを助けている”、とDiCaprioは述べている。

Beyond Burgerは、BurgerFi, Epic Burger, Veggie Grillなどのファストフード店でも売られている。

Beyond Meatの新たな投資家には大スターのイメージというおまけがあるが、同社のコンペティターたちにはふところの豊かな投資家たちが付いている。たとえばImpossible FoodsにはBill Gatesが投資し、7500万ドルを調達している。また、プロテインを原料とする人工肉のMemphis Meatsや、植物卵のHampton Creekも、植物性バーガーに新たに参入している。

このように他社が巨額の資金調達をしている市場では、DiCaprioがもたらしたスターの威光だけではいまいち足りないね。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Microsoft、GEが新設したアイルランド風力発電所の全電力を15年間分購入

Microsoftは本日(米国時間10/9)、General Electric(以下、GE)がアイルランドのケリー州に新設したTullahennel風力発電所の37メガワットの全電力を、15年間購入する契約を締結した。

これは、いくつかの点において重要だ。まず第一に、これはMicrosoftがアイルランドにある自社クラウドデータセンターの、少なくとも一部の電力供給にクリーンエネルギーを使用することを意味する。これにより、Microsoftは電力コストを削減し、クラウドサービスの運営に伴う環境汚染を軽減できるかもしれない。

だが、これはデータセンターに電力を供給する以上の影響をもたらす可能性がある。なぜかと言うと、MicrosoftとGEは、風車から余剰電力を蓄電する技術開発に取り組んでいるからだ。この技術で余剰電力を蓄電できた場合、MicrosoftとGEはアイルランドの電力網に電力を還元することができる。

MicrosoftのDatacenter Strategy(データセンター戦略部)のゼネラルマネジャーであるChristian Beladyは、これはMicrosoftがアイルランドで築いた関係性の延長にあり、この契約は各方面において有益なものになるだろうと話す。「我々の契約は、アイルランドの電力網に新しいクリーンエネルギーを供給することに貢献し、また電力網の容量、信頼性、性能の向上をもたらすことができる革新的な要素を持っている。これによって風力エネルギーのような新しいクリーンエネルギー源を導入することが容易になり、それは環境、アイルランド、そしてMicrosoftにとっていいことだ」とBeladyは声明の中で述べた。

クラウドコンピューティングには、他のコンピューティング形態よりも環境に優しいというイメージが常にあった。しかし実際は、そのエネルギー源によって大きく左右する。近年、Apple、Facebook、Google、Microsoftなどの大企業は新しいデータセンターを建設したが、これらの企業が念頭に置いたのはエネルギー効率だ。

例を挙げると、Appleは2015年、130メガワットのソーラー電力を25年間購入する契約を締結した。その契約額は8億5000万ドルに上った。Facebookがオレゴン州のプラインビルに建設するデータセンターの設計をしていたのは2011年だったが、同社は当時からエネルギー効率について考慮していた。

世界的大企業が企業市民としての良い取り組みを行っているというのは理想的だし、彼らもそれを意図している部分はあるだろう。しかし、運営コストの低いデータセンターを建設することが、企業にとって経済的に得策というのが現実だ。その過程でこれらの企業の炭素排出量が減るのであれば、それは嬉しい結果といえよう。

今日Microsoftが発表した電力の他に、同社は全世界で600メガワットのクリーンエネルギーを調達している。

 

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(翻訳:Keitaro Imoto / Twitter / Facebook

Airbusは空飛ぶ電動タクシーを2018年に供用開始する、最初は人間が操縦

Airbusは空飛ぶタクシーを来年実用化する、CityAirbusのチーフエンジニアMarius Bebeselが今週、それを確認した。今のところスケジュールは順調で、CityAirbusは、この乗り物の推進力となる電力系の地上テストに成功した。

CityAirbusの航空機は垂直離着陸型で、回転翼を4つ使用し、混みあった都市空間の短距離飛行で最大4名を運ぶ。駅や空港など、主要な交通ハブに接続することがねらいである。最初のうちはパイロットが操縦するが、技術が完成次第、完全な自動操縦へ移行する。

CNBCの報道によると、Airbusはこの航空機を固定ルートで運用するつもりで、最高速度は時速80マイル(ほぼ130キロメートル)とする。地上の交通渋滞による遅れがなくなるだけでなく、理論的には渋滞を軽減する可能性もある。

電池駆動の電動乗り物にとっては、短距離飛行が理想的な形だ。短期的には、完全電動による長距離航続はほぼ不可能だ。また、電池交換や充電が自動化されれば、完全な自動飛行の未来へ一歩近づくだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

ボーイング、Aurora Flight Sciences社買収で無人飛行機に本腰

BoeingはAurora Flight Sciencesを買収すると発表した。ロボット飛行機やロボット乗り物を現実にするための無人飛行システムに特化した会社だ。Auroraの買収によって、軍用および商用両方の自動飛行機開発の開発が後押しされる、とBoeingは言っている。

Aurora Flight Sciencesは、DARPAおよびUSAFの助成を受けている軍用無人垂直離着陸機、LightningStrike XV-24Aを開発している。今年Auroraは、XV-24A Demonstratorと呼ばれるの縮小スケール機を使ったテストフライトに成功した

買収完了後もAuroraはBoeingの独立子会社として運営され、無人飛行機の設計、開発を継続する。XV-24A以外にも、Auroraは操業20年の間に、パイロット不要航空機を30種類以上設計、飛行させている。

VTOL(垂直離着陸機)に大きく投資している主要航空会社はBoeingだけではない。今週Airbusは、来年目標の空飛ぶ電気自動車の初テストにむけて開発が順調に進んでいることを明らかにした。最終的には無人航空タクシーの展開を目指している。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

アメリカの超有名なモニュメント(記念的建造物)やダムもドローン飛行禁止区域に

連邦航空局(Federal Aviation Administration, FAA)が、記念的建造物やダムなど、アメリカの重要なランドマーク周辺におけるドローンの利用を規制するルールを発表した。この新たな制限では、ドローンはそのランドマークから400フィート(122メートル)以内を飛行してはならない。FAAによるとこれらのルールは、連邦政府の安全保障ならびに法執行関連の省庁(FBIなど)からの要望に基づいて制定された。

これらの場所は、これまでも増え続けていた飛行禁止区域の、さらなる追加にすぎない。これまでは、空港、(空港以外の)滑走路、軍の基地、競技場、国立公園などが禁止区域だった。おもしろいのは、今回加わった場所の半分がダムであることだ。すなわちFAAは、エネルギーや水などを供給する公共事業のための施設も、ドローンから守りたいのだ。規制が発効するのは、2017年10月5日からだ。

  • Statue of Liberty National Monument, New York, NY(自由の女神像)
  • Boston National Historical Park (U.S.S. Constitution), Boston, MA(コンスティチューション号博物館)
  • Independence National Historical Park, Philadelphia, PA(インディペンデンス国立歴史公園)
  • Folsom Dam; Folsom, CA(フォルサムダム)
  • Glen Canyon Dam; Lake Powell, AZ(グレンキャニオンダム)
  • Grand Coulee Dam; Grand Coulee, WA(グランドクーリーダム)
  • Hoover Dam; Boulder City, NV(フーバーダム)
  • Jefferson National Expansion Memorial; St. Louis, MO(ジェファーソン国立記念公園)
  • Mount Rushmore National Memorial; Keystone, SD(ラシュモア山)
  • Shasta Dam; Shasta Lake, CA(シャスタ湖貯水池)

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Teslaのソーラールーフ、初期出荷分を設置完了

Teslaは、同社ソーラールーフ製品の初出荷分の設置を完了した。ソーラーパネルを組み込んだ瓦でエネルギーを集めるしくみだ。このソーラー瓦が初めて披露されたのは昨年のことで、見た目はふつうの瓦とほぼ変わらないため、従来型デザインのソーラーパネルの設置に二の足を踏んでいた消費者にとっても、美的に魅力ある選択肢といえる。

最初に設置されたのはTesla社員らの自宅で、電気自動車Tesla Model 3の最初と時と同じやり方だ。これは、こうした製品を市場に出すための多大な努力に報いる意味もあるが、新製品の初期段階でテストとモニターをするための戦略的判断であるにも違いない。

「私の家にも、[Teslaの共同ファウンダー]JB[Straubel]の家にもついている」とElon Muskが電話で言った。初出荷分のソーラー屋根は設置されただけでなくすでにエネルギーを生み始めていることも指摘した。

Teslaはソーラールーフの予約受付を第2四半期に開始した。設置された製品は家の寿命「または無限、どちらか早いほう」が来るまで保証される。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

電気自動車版Mini、3ドアモデルをベースに2019年市場投入

電気自動車版Miniについて、新たな情報がアナウンスされた。電気自動車版Miniが、内燃エンジンモデルとハイブリッドモデルに加えられることはすでにアナウンスされていた。今回のアナウンスによれば、加えられるのはMiniブランドの中核をなしている3ドアモデルを電気自動車化したものになるのだそうだ。2019年に、他モデルに追加する形でリリースされることになる。

電気自動車版Miniの駆動部部分まわりについては、バイエルン州のランツフート(Landshut)およびディンゴルフィング(Dingolfing)工場で製造されることになるとのこと。他の部分についえては、主工場のあるオクスフォードでの生産されることになる。BMWのパーツ統合戦略により、各モデルを電気自動車化するのも比較的簡単に行えるのだそうだ。

他の車種についても、2020年までに電気自動車化を行うプランが公開されている。MBW i8 Roadsterも2018年に電気自動車モデルが投入される予定であるし、また2020年にはX3の電気自動車モデルも登場することになっている。ミニ・カントリーマンのプラグインハイブリット版も登場している。

電気自動車版Miniについては、まだ詳細な情報は明らかになっていない。しかし2019年に市場投入が予定されているのであれば、自動車メーカーのタイムスパンで考えれば、もうほとんど時間がないといっても良い状況だ。すぐにも情報が流れてくることだろう。

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(翻訳:Maeda, H

Teslaがオーストラリアのウィンドファームのために世界最大のバッテリーストレージ施設を建設

Teslaは、オーストラリアのホーンズデールウィンドファームのために建設する世界最大のリチウムイオンバッテリーストレージ施設により、再生可能エネルギーのストレージ市場のテーブルでまた大きなレイズをしたようだ。その完成は、2017年12月1日とされている。その施設はTeslaの商用バッテリーストレージモジュールPowerpackを使用し、容量は100 MW/129 MWhとなる。それはファームのタービンのピーク発電時間帯における生成エネルギーを保存し、グリッド(一般送電網)の必要に応じて終日安定供給する。

このシステムの最大容量は、約3万世帯への電力供給量に相当する。Teslaによるとそれは、2016年のサウスオーストラリアにおける暴風で州全域に生じた停電の規模に、ほぼ相当する。しかし本当の目的はサウスオーストラリアの電力グリッドの安定化にあり、これによりピーク需要に応じた電力デリバリのコントロールが可能になる。Teslaによると、住民用には同社の家庭用バッテリーストレージデバイスPowerwallを据え付けるので、グリッドの安定化にさらに貢献する。

Teslaはすでに、大規模なエネルギーストレージ施設をハワイのカウアイ島に建設しており、その落成式でTeslaの協同ファウンダーでCTOのJB Straubelが、Powerpackを使ったシステムは、ソーラーに限らず、さまざまな再生可能エネルギーによる発電に利用できる、と説明した。今回の風力用の造成は、その規模も相まって、Teslaのエネルギー関連提供物が多様なニーズに対応することを、世界に示すだろう。

“バッテリーストレージはわが国のエネルギー市場の未来であり、この分野におけるわれわれのリーダーシップに世界の目が追随するだろう”、とサウスオーストラリア州の州首相Jay Weatherillが声明文に書いている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

フランス政府の気候計画では化石燃料車の販売を2040年までに終了

Volvoが内燃機関だけの車の販売を2019年までにやめると発表したまさにその翌日に、フランスの環境大臣Nicolas HulotがFinancial Times誌に、化石燃料で動く車の販売を2040年までに終わらせることを含む、この国のための計画の詳細を語った。そのために、代替燃料車への減税などの優遇措置や、内燃機関車への増税などの政策が施行されるようだ。

フランスの環境計画には炭素税の導入も含まれ、また国内で新たに発見された油田に対する採掘免許の発行は停止される。Engadgetによると再生可能エネルギーの生産に対する奨励策もあり、それによりEV用の電力が確実にグリーンエネルギーから得られるようにして、マクロレベルでのクリーンエネルギーへの転換を促す。

ロンドンの市長Sadiq Khanが2050年までに市内の全交通手段を排気ガスゼロにする、と声明したのと同じく、これらフランスの場合も現時点でのプランであり、法的拘束力はない。でもフランスの政府は法律を制定することができるから、少なくとも現政権下では、プランが何らかのアクションに結びつくことを期待できる。

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Google Mapsの地図上で現在地の空気汚染度が分かる…カリフォルニア州オークランドから

Google Mapsが初めての、今自分が立っている場所の大気質が分かる地図を、カリフォルニア州オークランドでローンチした。

このプロジェクトはEnvironmental Defense Fund(EDF)Aclimaとのパートナーシップによるもので、後者は2015年から、ベイエリアとセントラルヴァリー、そしてロサンゼルスの環境の変化を地図化している。

このパートナーシップによりGoogleは、AclimaのセンサーをStreetViewの車に装着、酸化窒素や二酸化炭素やばい煙など自動車の排気物質の多い地域では、街路ごとにそのデータを地図上に表示できるようにした。

その地図がベイエリアの環境科学者たちの役に立っている例として、ベイブリッジからI-80への合流点にかけて、車が加速することによって発生する高い汚染を把握できたことが挙げられる。そこは渋滞が頻発するフリーウェイで、ラッシュアワーだけでなく、週末にも大気の汚染が生ずることが分かった。

今日のGoogleのブログ記事は、Googleがこれまで発表した汚染データの中では最多だ、と主張している。“1年間で測定回数は300万近く、のべ20000キロあまりにわたって測定した”と述べ、今後は他の都市でもやる、という。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

イーロン・マスク、パリ協定離脱を受けトランプ大統領の諮問委員会を辞任

Elon Muskは、約束通りトランプ大統領の諮問委員会を辞めると今日Twitterで語った。TeslaおよびSpaceXのCEOは、もしトランプ氏がパリ気候協定の脱退を遂行すれば、自らの委員会職を辞する意向であることを前日に約束していた。トランプ大統領は木曜日(米国時間6/1)、米国が同協定を脱退することを表明した。

[大統領諮問委員会を辞任する。気候変動は本当だ。パリ協定を脱退することはアメリカにとっても世界にとっても好ましくない]

Muskは、気候変動およびパリ協定離脱の世界と米国両方にとってのマイナス面を辞任の理由に挙げた。起業家として多彩な成功を収めているMuskは、委員会への参加やホワイトハウスとのつながりを通じて、パリ協定を支持するよう大統領の説得を試みてきた。

今回の決断の前、Muskはトランプ氏の経済諮問委員会および製造業委員会で委員を務めていた。Muskは政権との密な関係について、特にイスラム教国からの入国を規制する大統領令の後もホワイトハウスに近い立場を続けたことについて、支持者から批判を受けた。

Muskは、UberのCEO Tarvis Kalanicが入国規制命令の後経済諮問委員会を辞任してからも、頑なに自らの立場を擁護し続けた。当時Muskは、「重要な問題に深く関わることが、結局はよい結果を生む」と、委員会に残る理由を説明した。

アップデート ―― 委員会辞任は続く。Disney CEOのBob Igerも大統領の委員会を離脱し、「信条の問題」だと語った。

[パリ協定脱退を受け、私は主義に基づき大統領諮問委員会を辞任する]

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

気候変動に関する世界的協定から離脱したらアメリカの産業にダメージ、とヒラリー・クリントンが主張

気候変動に関する国際協定にアメリカが留まるか脱けるか、トランプ大統領の決断をめぐっていろんな噂がある中*、前国務長官ヒラリー・クリントンが、水曜日(米国時間5/31)にカリフォルニア州ランチョ・パロス・ヴァーディーズで行われたCode Conferenceで、大統領に辛辣な言葉を進呈した。〔*: 日本時間6月1日午前9時現在〕

現国務長官Rex Tillersonや、大統領がパリ協定に留まるよう勧奨する署名運動にサインした多くの企業役員たちの意向を受けてクリントンは、協定の放棄はアメリカとその企業にとって悪である、と述べた。

“クリーンエネルギーの輸出で世界のリーダーになるのは、どこの国でしょうか”、クリントンは中国やヨーロッパにおける国家的支援と、それらの国々における再生可能エネルギー産業の活況を強調した。

“その大きな市場を誰かが手中にしようとしているとき、私たちはそれを捨てようとしているのです”、とClintonはぶち上げた。

パリ協定に署名していない国はシリアとニカラグアの二か国だけであることをクリントンは指摘して、大統領の翻意を促した。

クリントンはさらに、再生可能エネルギーや気候変動に取り組んでいる企業に現政権が示しているネガティブな認識は、グローバル市場におけるアメリカ企業の競争力を削いでいる、と主張した。

これらの企業がアメリカ政府の支持を得られないのは、“恥ずかしいことです”、とクリントンは述べた。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Appleがリサイクル材料だけの使用への挑戦を宣言、しかしiPhoneをもっと長持ちさせるべきだという反応も出る

Appleは環境を保護し「血塗られた鉱物」(“blood minerals” 採掘・流通過程に社会的・人権的問題を孕む鉱物。conflict mineralsとも)の利用を避けるために、再生可能材料だけを製品に用いるという崇高な目標を自ら掲げた。4月22日のアースデイに先立ち本日(米国時間19日)リリースされた、その2017年版環境対応報告書(Environmental Responsibility Report)の中で同社は、「採掘への依存を完全になくす日を目指して私たちは挑戦する」と語っている。しかしグリーンピースは、それでは不十分だと考えている。この非営利団体は、Appleのコミットメントを賞賛したが、警告も行った。Appleはもっと長持ちし、修理が容易なデバイスを作るべきだという忠告だ。

Vice Newsでのインタビューで、Appleの環境、方針、社会活動担当副社長のLisa Jacksonは、「どのようにやるかを完全に決定する前に、世界に向けて発表するという、私たちが滅多に行わないことをやっています。なので私たちは少し緊張していますが、この分野を担うものとして、テクノロジーが向かうべき方向だと信じていますから、とても重要なことだと考えています」。

リサイクル材料だけを使用することは、環境へのインパクトを減らすだけでなく、リチウムイオンバッテリーに必須のコバルトや紛争地域の鉱物の採掘に、子供たち使役するといった人権侵害を防ぐ効果がある。(Appleは最近、コンゴで採掘されたコバルトの購入を停止し、そのサプライチェーンを監査している)。

Apple製品に使用されている他の採掘された素材には、アルミニウム、銅、錫およびタングステンが含まれる。その環境対応報告書の中でAppleは以下のように述べている「手始めに、私たちはより多くのお客さまに、Apple Renewを通した古いデバイスのリサイクルをお願いします。そして私たちは新しい革新的なリサイクル技法を推進しています。例えば、回収された素材を新製品の中にうまく利用できるようにするための、解体ロボットラインなどに取り組んでいます。これは何年にも渡って、複数の複数のAppleのチーム、取引先、そして専門小売店の協力を要する野心的な目標です。しかし、私たちの取り組みは既に始まっています」。

もちろん、Appleがこれをやっている理由の一つは、iPhoneやその他の製品が「コンフリクトフリー」(様々な問題を含む材料を使用していないということ)を宣言できれば、大いなる宣伝となるからである。

「もっと多くのリサイクル材料を使えば、その問題(材料の利用)に対する別の回答を与えてくれるという点が、私たちにアピールした理由の1つではないと言うならば、嘘になります」とアメリカ合衆国環境保護庁の長官を2009年から2013年まで務めていたJacksonは、Vice Newsに語った。

これはAppleが、ますます社会的課題に基いて購入の決定を下し始めた消費者たちの信用を育む役に立つだろう。

しかし、多くのスマートフォンユーザーにとって、iPhoneも含むアップル製品に困らされている点は、その他のメーカーによるデバイスよりも修理が難しいことで有名だということだ。グリーンピースはこの点に関して同社に対し「100%リサイクル材料に移行することも重要だが、Appleやその他のIT企業にとって、その製品寿命の終わりまで修理がしやすく、そしてリサイクル可能であるように製品をデザインすることが重要である」と呼びかけている。

JacksonはVice Newsに対し、「多くのひとが、長持ちすることを知っているのでApple製品を購入しています」と語った。しかし、その記事でも指摘されているように、電気製品一般の寿命はほんの10年前に比べて短くなっているし、Apple自身がiPhoneやApple Watchの寿命として想定しているのはわずか3年であると言っている

それでも、Appleの約束は正しい方向への1歩ではある。たとえそれがこの先どのような形で実を結ぶかを正確には描けていないにしても。1つ良い点は、その動きが競合他社にも追随するように圧力をかけるということだ。

「このコミットメントと、最近のアジアにおけるサプライチェーンの再生可能エネルギーへの移行の進展は、この分野で他の組織よりも遥かに進んだ地点にAppleを立たせました」と、グリーンピースはその声明の中で語っている。「Samsung、Huawei、そしてMicrosoftのような主要ITブランドたちは、もしこれ以上引き離されるというリスクを負いたくないのなら、Appleのリーダーシップに即座に追随する必要があります」。

そして更に「Appleのアナウンスは、SamsungがGalaxy Note 7を世界中からリコールし、改修しリサイクルするという発表を行ってから1ヶ月以内になされました。これはSamsungを始めとする業界全体に対して、より素晴らしい革新が可能であるという強いメッセージを送るものでした」と追記している。

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(翻訳:Sako)Cathe

FEATURED IMAGE: ZHANG PENG/GETTY IMAGES

Teslaのソーラー屋根瓦、4月から予約受付開始へ

Teslaが昨年発表したソーラー屋根瓦は、見た目は普通の瓦と変わらないが従来のソーラーパネルとほぼ同じ効率で発電する。Tesla CEO Elon Muskは4月から注文を受け付けると発表した。

Teslaが電気自動車事業と並んでエネルギー生成・蓄積事業を進める上でこれは大きな一歩だ。ソーラー瓦は、太陽光発電を技術オタクやグリーン・エネルギー推進者にアピールするものから、一般の人々へと広げることでもっと普及させようとするものだ。単に電気料金節約のためでも、住宅の再販価値を高めるためでも、自分のエネルギー利用を把握するためでもよい。

Teslaのソーラー瓦には4種類のデザインがあり、伝統的屋根瓦の種類に似せている。ただし当初は1種類か2種類しか提供できないと同社は言っている。この屋根の設置費用は従来型の屋根を新しく設置するよりも安くなると11月にMuskが紹介したニュースには書かれており、これにはエネルギーコストの節約は加味されていない。

設置は必ずしも4月には始まらないだろう。Teslaは予約で待ち行列を作っておき、取り付けは後になって始める可能性が高い。量産は2017年のどこかの時点で始まるものと思われる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Wright Electric、電動旅客機ビジネスに参入宣言

燃料は航空会社最大のコストだ。コスト削減の近道?燃料を一切使わないこと。それがWright Electricの売り口上だ。Wright Electricは商用旅客機のスタートアップで、300マイル(480km)以内をバッテリーで飛ぶ飛行機を作っている。こうした単距離フライトは、260億ドルの航空市場の30%を占めている。

今日(米国時間3/21)Wright Electicは、Y Combinatorのデモデーで初めて世界に向けてプレビューを披露した。シリコンバレーでもっとも栄誉あるスタートアップ・アクセラレータが投資家の前で新しい会社を紹介するイベントだ。Wright Electricは、乗客150人を乗せる飛行機を作って737市場を破壊すると宣言した。設計した飛行機は英国の格安航空会社、EasyJetと提携して空に送り出す。デモでは自社製の電動飛行機も駐車場で披露した。

「これは私が見てきた中で最高レベルのハードウェア技術チームだ」とY Combinatorのアクセラレータ・プログラム責任者、Michael Seibelは言う。Wright Electricは、かつてNASAが電動飛行機の可能性を探るために資金提供したチームを雇った。おかげでライバルの何年か先を行くことができた、と共同ファウンダーのJeff Englerは言った。

Y Combinatorのデモデーで発表するWright Electricの共同ファウンダー、Jeff Engler。

この飛行機が実際に動く方式はバッテリー技術の進歩に依存している。今後10年でバッテリーが急速に進歩すれば、完全電動方式にするが、そうならなければChevy Voltに似たハイブリッドシステムを採用する。昨年ボーイングとエアバスは、737スタイルの航空機を合計967機、1機平均9000万ドルで売った。この市場のごくわずかな部分を置き換えるだけでも巨大なチャンスだ。

現時点では、世界を横断する長距離フライトにはまだ燃料が必要だ。しかしWright Electricのテクノロジーを使えば、ニューヨークからワシントンDCなどの単距離をもっと安く、充電に使う電気の出どころによってはもっと環境にやさしく飛べるようになる可能性がある。

Wright Electricは生まれてからわずか1年なので、実際に飛ばすまでの道のりは長い。上の画像はモックアップだ。しかし世界中の航空会社がコスト削減とライバルとの差別化に必死になっている今、もし離陸できれば空高く飛んでいける可能性はある。

Ryan Lawlerが執筆を一部担当した。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Amazonが50箇所の配送センターの屋根にソーラーパネルを敷きつめ電力消費の80%近くをまかなう

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再生可能エネルギーの利用で優等生になりたいAmazonは、世界中の配送と仕分けのための施設(“フルフィルメントセンター”)の屋根にソーラーパネルを敷きつめるプロジェクトを立ち上げた。今年はアメリカの15の施設でそれを行い、2020年までには50の建物を予定している。

最初の15箇所の太陽光設備で発電量は41メガワットになる。Amazonによると、これで各建物の年間電力需要の約80%をまかなえる。もちろん実際には、日照時間や実装上の制約、その施設で行っている業務、などによって差が生じる。Amazonが挙げている具体例はカリフォルニア州パターソンの配送センターだが、そこでは面積110万平方フィートの屋根の75%にソーラーを敷きつめ、そこで働く数百基の仕分けロボットに電力を供給する。

Amazonのグリーンエネルギーイニシアチブには、さまざまな州の風力と太陽光プラントからAWSのデータセンターへの電力供給も含まれている。そして同社によると、再生可能エネルギーによる発電量の最終目標は、260万MWだ。

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しかし環境監視団体Greenpeaceの1月の報告書によると、再生可能エネルギーに関するAmazonの現状はAppleやFacebook、Googleなどに比べると後れている。ソーラーの屋根上展開は商用電力の消費を抑え、同社のエネルギー状況を全体としては改善するだろうが、Greenpeaceの厳しい批判に応えるためには、大規模な専用発電施設が必要だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Otherlabのボール紙製ドローンは2ポンドの荷重を運んで消滅する

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ドローンは、人間が入り込めないようなところでも仕事ができる便利な道具だが、その高価な金属製の装置を人間が容易に回収できないケースもある。そこでサンフランシスコのOtherlabが考えたのは、Wired誌によると: 一回かぎりの軽い仕事を終えたら使い捨てとなるドローンだ。

そのアイデアは、突然誰かの頭にひらめいた妄想ではない。OtherlabのこのApsaraと呼ばれるプロジェクト(Aerial Platform Supporting Autonomous Resupply Actions, APSARA, 自律的再補給アクションをサポートする航空機プラットホーム)は、DARPAが資金の一部を出している。そのねらいは、目標区域に小さな荷重を配給して、成功したらその痕跡を残さないドローン(のようなもの)の開発だ。

そこで、Apsaraの構想のひとつはグライダーだ。ボール紙製で、その最長部分は長さ3フィートの主翼。折りたたみ式で、使うときには開いてテープで固定する(上図)。ボール紙製なら数か月後には消滅すると思われるが、Otherlabはもっと早い方法として、わずか数日で完全に生分解するキノコ、ないし菌糸体の利用を考えている。

もちろん、ドローンだから電子回路/部品を搭載している。それがなければ、ただの紙飛行機だ。翼を動かすアクチュエータが2基あり、それで航路をコントロールする。位置を知るためのGPS装置もある。それらの電子回路/部品があるおかげで、目的地の50フィート以内に着陸できる。DARPAなどの目的にとっては、あともうちょっと、と言いたい距離だ。

DARPAは生分解する電子部品も研究開発しているから、それらの電子回路や部品もドローンと一緒に消え去る。そこで、その、積載量わずか2ポンドのほとんど無音の航空機は、数日後には痕跡を残さずに消滅する。いかにも、国防方面が欲しがりそうなデバイスだ。

しかしWired誌は、そのほかの用途も挙げている: OtherlabからスピンアウトしたEverflyが考えているのは、食品店の配達に使える積載量22ポンドのドローンだ。それもやはり、軽量で低衝撃の使い捨てをねらっている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

遺伝子編集でマンモスを再生する研究にハーバード大学が取り組んでいる、それらしき胚ができるのも近い

ST. PETER-ORDING, GERMANY - MAY 31:  Two replicas of mammoths are seen during the "Giganten Der Eizeit" exhibition opening on May 31, 2011 in St. Peter-Ording, Germany. Europes biggest ice age exhibition opens on 3rd of June.  (Photo by Krafft Angerer/Getty Images)

マンモスはとっくに絶滅したけど、でも、もしかしたら戻ってくるかもしれない。ただしそれは、象の遺伝子を編集してマンモスの形質を持たせる、というお話なのだ。今週行われたAmerican Association for the Advancement of Scienceの今年の年次大会で、ハーバード大学の研究者たちが、その研究の進捗状況を発表した。チームリーダーのGeorge Church教授によると、その進捗は意外と早かったそうだ。

4000年前に絶滅したとされるマンモスを再生する話は、これまでもあった。とくに、遺伝子編集技術の進歩を語るときには、よく持ち出される例だ。Churchのチームも、実は遺伝子編集技術CRISPR Cas-9を使って、象のゲノムの遺伝子にマンモスの形質…長い体毛や厚い皮下脂肪の層、そのほかの寒季耐性特性などを導入しようとしている。

研究者たちは、あと2年ぐらいでマンモスふうの象の胚を作れる、と言っている。The Guardianによるとそれは、一般大衆が絶滅種の再生という言葉に期待するものとは違って、実際には、マンモスの復活というよりもむしろ、何か新しいものだ。

しかも胚は、まだ実際の動物ではない。発生して、胎児、新生児、と育っていく胚はまだ得られていない。チームは、それまでには多くの年月を要する、と気の長い話をしている。現段階の研究は、発生の複雑な段階を、少しずつでも前進した有機体が得られるような、編集技術にフォーカスしている。最初それは細胞だったが、今やっと胚の段階に来ているのだ。

チームの話の中で興味深いのは、この研究からアジア象の保全のための知見がいくつか得られるかもしれない、という点だ。アジア象も、今は絶滅危惧種だ。また、彼らの研究からは、地球温暖化に抗してツンドラの溶解を防ぐための、永久凍土層の曝気技術が見つかるかもしれない。

もちろんこのような研究には、倫理の方面からの批判もある。生きるために社会を必要とする種を個体として再生することの意味。そして、遠い昔の動物を再生することよりも、今人間の介入によって危険に瀕している種の保全に、そのぶんのリソースを回すべきではないか。などなど。

しかしこのプロジェクトは、科学的にはすごくおもしろいし、研究が中断されることもないだろう。倫理的懸念は、確かにあるとしても。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

科学を黙らせる努力、やりたいようにやってみれば!

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テクノロジーとインターネットは、ビジネスやコミュニケーションと並んで科学にも力を与えてきた。ほかのものと同様にテクノロジーは、科学の努力も、その活動と到達の範囲をグローバルにし、妨害に対して強くし、数十億の人びとがアクセスできるものにした。それは、権力の承諾の有無とは無関係に。そのことは、現在の政権の、科学の研究に口輪をはめようとする努力が失敗する、理由のひとつにすぎない。

オンラインのコミュニケーションを改ざんされたり、即座に閉鎖された国の省庁のリストが、日に日に成長している。環境保護局、国立公園庁、エネルギー省、農務省、運輸省、そして内務省、などなど。その雑でぶきっちょなやり方を見ると、これらの省庁がもっぱら気候変動に関して情報活動を抑圧されたことが明らかだ。うまくいくと、いいけどね!

しかしまず、早とちりを防いでおきたい。今はしょせん、政権移行期だ。模様替えでちょっとした失敗が起きるのは、当然ではないか? ホワイトハウスのWebサイトのスペイン語バージョンが完全になくなったのも、入れ替えに手間取っているだけかもしれない。

しかし、現政権のエネルギー計画に、“solar”や“wind”、“renewable”の言葉がないことは、たまたまではない。

また、Obamaの気候変動政策に代わるものや、まして反証すらもないことは、偶然ではない。

国立公園庁が、気候変動に関するいくつかのツイートのあとで叱責されたのも、

疾病管理センターが気候変動に関する会議を突然キャンセルしたことも、

閣僚指名者たちが何度も繰り返して、気候変動の存在やその危急性を認めることを拒否したのも、

硬軟多様なコミュニケーションの制限を受け取った省庁の多くに、気候変動に大きく影響する、あるいは影響される、担当行政職掌があることも、

環境保護局が気候変動のページを閉鎖され、削除を命令され、そして今では同局の研究を公表前に政府が検査するとなったのも、偶然ではない。

これは移行作業のちょっとしたミスでも、正々堂々とした主張でも、特定の考え方の誇大宣伝でもない。ほかのことは何を語ってもよいが、気候変動はだめ。それは、政府による、政府が危険と見なす話題に関連する情報の、意図的な抑圧だ。

もっと、ふさわしい言葉がある。今日(こんにち)、その言葉は誤用されることが多いが、この場合は正しい使い方だ。それは、検閲である。

検閲志望者にとって不運なことに、そんなものが有効だったのは遠い昔だ。どんなに強力な情報抑止努力よりもStreisand effectの方が強いことは、何年も前から証明されている。でも今回のは、そんなレベルではない。要するに、科学を黙らせることは、誰にもできないのだ。

とくに気候変動は、おとなしく寝かせておくことが難しい厄介者だ。ここ数十年にわたって、世界中の何千×n人もの科学者たちによる研究が、人為起源の気候変動(あるいは、いわゆる“地球温暖化”)という理論(重力や進化が理論だ、という意味での理論)に到達し、それを日々強化している。

それは、どこかの小さな研究室のひとにぎりのインテリたちではない。その膨大な数の科学者たちを、ほかの研究課題へ再配置したり、彼らの膨大な量の論文を小さな学術誌に封じ込めることは、誰にもできない。結果はすでに目の前にある。産業界はすでに、対応努力をしている。かつては議論があった場所の突然の沈黙は、これらの省庁が言うかもしれない文句などよりもずっと大声で語るだろう。それは、誰かに月について語るな、と言うのと同じで、そんなことをやってみようと思うだけでも、十分に異様だ。

しかしさらに加えて、今の科学は何にも増してグローバルであり、そしてテクノロジーに強い。科学のグローバルなコミュニティとテクノロジーおよびインターネットは、今や切っても切り離せない親密な仲だ。どの研究所にも、すべての実験を詳述している小さなブログがあり、そんなブログは何千もある。大学のニュースサービスは教授たちのインタビューを載せ、公刊されている学術誌は新しい研究を誰もがレビューできる形で公開し、Natureのような巨大でグローバルな出版物は、話題を求めて研究者たちの世界を掘りあさり、おもしろい研究結果を載せる。TwitterやFacebookなどのソーシャルメディアも、ほとんど無限にある研究や意見の公式/非公式なアウトレットだ。その一つを切り殺せば、そこに新たな二つが生まれる。

要するに、彼らがやっていることは無駄である。もちろん、今日の人類が直面している最重要な問題への言及は、どの政権にとっても不快にきまっている。それらの言及は、過去の政策を批判し、新しい政策を求めているからだ。たぶん、現政権がやっている気候変動の無視は、ほかでもあったし、現にほかでもやっているだろう。それはとても不幸なことだけれども、でも、言及を削除するやり方は、単なる、途方もないアホだ。

今ではたくさんの気象衛星が地球のまわりの大気を見張り、そのデータを各国に報告している。海洋では多くのブイや船が水温等を調べ、結果を世界中のいろんな機関に共有している。専門の研究機関が世界各地にあって、研究者たちが毎日のようにたくさんのペーパーを発表している。今ぼくらがこうしているあいだにも、海水面の上昇が続き、国全体が水没しつつある。それを黙らせるなんて!

科学者も、自己の情熱というものを持つ個人である。ロボットの改良でも、疾病の治療法の発見でも、そしてこの惑星の気候というミステリーの解明でも。彼らは書き、共有し、友だちと話し合う。彼らは、真実を探求する者たちのグローバルなコミュニティだ。友だちの誰かがひどい目に遭ったら、黙っていないだろう。そのひどい目が、どんなに幼稚で無意味な方法だったとしても。彼らは、自分たちが発見したものに関する知識を、広める方法を見つける。ぼくたちは、彼らを助ける。そして、そう、彼らもワシントンでデモ行進をする

ところで、2016年が記録の上では史上最温暖の年だった、と言っているツイートはすべて消されるかもしれないから、ここでも言っておこう。2016年は記録上最温暖の年でしたd〔NASAのこのページは日本時間1/26 11:54現在、消されていない。〕。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

ホワイトハウスの公式Webサイトから気候変動への言及がいっさい消え去る

【抄訳】
Trump政権は早くも、人びとの現実認識を危険な方向へ変える動きに出た。新政権はホワイトハウスのWebサイトから“気候変動”(climate change)と“地球温暖化”(global warming)の言葉をすべて消し、気候変動に関するページhttp://www.whitehouse.gov/energy/climate-changeも、完全に削除された。

アップデート: Snopes.comが指摘しているように、政権が変わると前政権のページはアーカイブされるのがふつうだが、新しいホワイトハウスのページに“気候変動”への言及がまったくないことと、新政権が、Climate Action Planのような重要な環境政策の排除を追求する、と具体的に述べているエネルギー政策のページを宣伝している、という事実は残る。

Motherboardによると、この変更は政権移行が正式に発効した東部時間正午に生じた。下図はObama大統領の下(もと)でのclimate-changeのページであり、Wayback Machineによる、このページのライブバージョンがここにある。

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ホワイトハウスの公式Webサイトの“重要問題”(Top Issue)のリストからもClimate Changeは消え、やや関連があると思われる“アメリカ優先のエネルギー計画”(American First Energy Plan)には、アメリカの包括的なエネルギー政策におけるTrumpの目標が述べられている。それは、保護主義者*的な資源利用施策が中心だ。〔*: 保護主義者, protectionist, ‘保護貿易’のような、自国の利益保護を優先する考えの人びと。〕

そのページには次のような悩ましい一節があり、そこでもやはり、気候変動などの、問題を特定する名前はいっさい使われていない:

私たちはあまりにも長く、わが国のエネルギー産業の重荷となる規制に足を引っ張られていた。Trump大統領は、Climate Action PlanやWaters of the U.S.ルールのような有害で不必要な政策を排除することを、確約している。これらの制約がなくなれば、アメリカの労働者を大きく助けることになり、その賃金は今後の7年間で300億ドル以上増加するだろう。

【中略】
〔環境保護局の気候変動ページは健在だが、いずれなくなるだろう。〕
〔グリーン&クリーンテック・スタートアップの将来が不安。〕

ホワイトハウスの公式Webサイト上の、LGBTQの人権問題を扱うページも、政権移行時に削除された(未訳)。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))