iOS 8発表―通知、写真、クラウド同期、キーボード、ヘルス・アプリなど重要な新機能が多数

昨年、AppleはiOS史上最大のアップデートを実施した。今年、進化はさらに新たな段階を迎えた。ジョニー・アイブのチームはユーザーからのフィードバックに耳を傾け、機能を深めていく時間が十分にあったはずだ。ついにiOS 8が登場した。

WWDCでの発表は続いており、われわれは現在も取材中だ。この後もWWDC関連記事をアップするのでお読みいただきたい。

AppleはまずiOS 8の概要を説明した。以下、その要点を報告する。

通知センター: 大きな変更があった。通知が対話的になり、下にスワイプするとメッセージにすぐに返事ができるようになった。この機能はロックスクリーンでも有効だ。OS X Mavericksの対話的通知によく似ている。

ダブルタップで「お気に入り」の相手を表示できる。日頃よく連絡を取り合っている相手がすぐに探せる。

iPadのSafariの場合、右上隅のタブ・ボタンをクリックするとタブ表示に切り替わる。 これは今回同時に発表されたOS X Yosemite搭載版と同じだ。

メールを書いているときに、下スワイプする受信トレイにジャンプできる機能が加わった。メールを書きながら関連のメールをチェックできる。終わったら画面下をタップすると編集中のメールに戻れる。

クイック・タイプ:iOS 8では新しいキーボードが搭載された。このキーボードでは初めてキーワード候補が表示されるようになった。これはコンテキスト感知タイプで、ユーザーが以前に入力した単語を自動的に候補として表示する。

しかもこのキーボードは会話の相手が誰であるかをコンテキストとして考慮に入れる。これによって入力される単語の候補を予測する精度がアップしているという(チャットの相手が上司か恋人かで会話の内容も大きく変わる)。

連続性(Continuity): これはiOS 8からOS X YosemiteまでAppleの全ソフトウェア・エコシステムの新たな核ともなるべき機能だ。iPHone、iPad、Macは常にお互いの存在を意識するようになる。ユーザーはどんな作業をしている場合でも、一つのデバイスから別のデバイスにごく簡単に移動できる。

たとえばMacでメールを書いているとしよう。iPhoneの左下隅に小さなアイコンが現れる。ユーザーが上スワイプすると、さきほどまでコンピュータで書いていたメールの下書きが表示され、編集を継続できる。逆にiPhoneからMacにも同様に移動できる。

iMessage: iPhoneで一番よく使われるアプリの一つだろう。これにも改良が加えられた。

グループ・メッセージの場合、Facebookメッセージのようにスレッドに名前を付けられるようになった。またスレッドに新たな相手を追加したり、既存の相手を削除したり、また個別に相手を指定して一時的にメッセージを受け取らないようにすることもできるようになった。

また音声メッセージ機能が追加された。入力窓の右側にある小さなビーコンを左にスワイプすればよい。また通知センターに表示されたメッセージに音声で返信したい場合はiPhoneを耳に当てるだけでよい。

もうひとつ重要な点は、音声、ビデオのメッセージの場合、一定時間後に自動的に削除されるように設定できることだ。

ヘルス(Health): われわれはAppleがヘルス関連の発表をすることを予期していたが、アプリの名前がシンプルに「ヘルス」となるとは思わなかった。このアプリは、iOSを利用したヘルス・アプリをひとまとめに登録し、バックグラウンドで動作させるためのプラットフォームだ。ユーザーはヘルス関連のアプリの操作やデータの閲覧をすべてここから行える。

ヘルス・アプリにはHealthKitと呼ばれるSDKが用意されており、デベロッパーだけでなく、医療機関などもアプリを開発できる。

ファミリー共有:これもiOS 8の重要な新機能だ。ユーザーは家族が所有するすべてのデバイスを同期できる(ただし単一のクレジットカードに関連付けられている必要がある)。ファミリー共有を設定すると、コンテンツ、カレンダー、リマインダー、連絡相手などが全デバイスで自動的に同期するようになる。また家族所有のデバイスの位置を追跡できる。これはよく忘れ物をする子供を持つ親にはありがたい機能だ。

しかしファミリー共有機能でいちばん重要なのは子供がお金を使うのをチェックできることだ。子供の買い物のせいでとんでもない額の料金支払に青くなる心配はもうない。子供がiTunesとAppStoreでなにかを買おうとすると、両親のデバイスに承認を求める通知が行く。

写真:

これまでAppleの写真ギャラリーには最大1000枚までした保存できず、それ以上の写真を保管したければ、Macに移動するしかなかった。今回AppleはiTunesがユーザーの音楽と映画を保管するように、ユーザーの写真とビデオをクラウドに保管し、どのデバイスからでもアクセスできる機能を提供した。

また写真にアクセスできるだけでなく、ビデオと写真に対して驚くほど高度な編集ができるようになった。もちろん編集結果もすべてのデバイスで同期する。

また写真アプリの検索機能を大幅に強化した。また最近撮った写真、最近見た写真が候補として優先的に表示されるようになった。

また写真アプリの全体的なデザインもかなり変化した。写真の余白スペースが広くなったところなども含めてYosemiteに似た印象だ。.

Siri: こちらも大きなバージョンアップがあった。「ヘイ、Siri」と呼びかけるだけで、デバイスに触れることなく起動できる。私はSiriが登場したときからこの機能がサポートされるのを切望していた。またSiriはShazamと連携するようになり、iTunesで買い物をしたり22カ国語でディクテーションができるようになった。

デベロッパー:

今年はデベロッパー向けの新機能も数多く提供された。TouchIDによる認証はすでにサードパーティーのデベロッパーに公開されているが、今回はキーボード・アプリをAppStoreに登録できるようになった。これでSwypeもiOSデバイスについに登場するかもしれない。カメラのAPIも公開されたのでサードパーティー・アプリによってカメラをマニュアルで細かくコントロールできるようになりそうだ。

今回公開されたHomeKitも大変興味深い。HomeKitはApple版のホームオートメーションのプラットフォームだ。デベロッパーはHomekitを利用してモノのインターネット(IoT)をコントロールし、iOSベースのさまざまなホームオートメーション・アプリを開発できる。 Siriと組み合わせると、たとえば「もう寝る!」とiPhoneに呼びかけるだけでエアコンの温度設定を下げ、家中の電気を消すなど、さまざまな就寝準備が一度に命令できるようなるかもしれない。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Snapchatで「ぼっち」になった人でも楽しめるメッセージングアプリ「winker」

NTTドコモ・ベンチャーズのインキュベーションプログラムである「ドコモ・イノベーションビレッジ」の第1期生であるプライムアゲイン。同社はこれまで写真の加工、アルバムアプリ「DecoAlbum」、Facebookで手書きのイラストを送信できるメッセージングアプリ「DrawChat」などを提供してきた。

プライムアゲイン代表取締役の阿部伸弘氏は、「スマートフォン時代のコミュニケーション領域サービス」提供に向けて、2010年に大学1年生で起業した。「留学先のカナダで、TiwtterやFacebookの普及を見ていた。そしてエジプト人の友人が『母国でソーシャルメディアを使った革命が起きた(アラブの春)』という話を聞いた。もともと政治家になりたかったが、それよりもコミュニケーションこそが世界を変えていけるのではいかと考えた」(阿部氏)。同社はこれまでNTTドコモ・ベンチャーズやEast Venturesなどからシードマネーを調達している。

そんな同社が6月2日に公開したのがiOS向けのコミュニケーションアプリ「winker」だ。winkerは、最大10秒の視聴で消えて二度と閲覧できない動画や写真をFacebookやTwitter、LINE上の友人に送付できるサービスだ。Twitterに関しては相互フォローしている友人間のみでメッセージの送信ができる。

プライムアゲインではwinkerについて「Snapchatライク」とうたっているのだが、動画撮影までの起動時間が多少早いくらいで(デモで比較を見せてもらった)、正直なところ機能としてはSnapchatとほぼ同じと言っていい。

だが1つだけ大きく違う点がある、それはFacebookやTwitter、LINEというほかのSNSのフレンドをそのまま持ち込むことができることだ。Snapchatの場合、連絡先として電話番号を登録している、かつアプリをインストールしているユーザーとしかコミュニケーションできない(もちろん招待もできるが)。「Snapchatを使ってみて分かるのは、実は友達が使っていなくて楽しめないということ。フレンドが多いからこそ消える動画や写真のおもしろさがある。友達を見つけやすいというのは重要な要素だ」(阿部氏)。

今後は国内に加えて、東南アジアでの普及に向けた施策をに取り組むという。


Google連携のスケジュール調整サービス「Cu-hacker」がiPhoneアプリを公開

外回りをして人に会うような仕事をしている場合、毎日の課題となるのがスケジュール調整ではないだろうか。まだ予定の入っていない時間に、いかに効率的に予定を入れていくかに悩む人々に最適なサービスが、”スケジュール調整を10倍速くする”とうたうジェネストリームの「Cu-hacker(クウハッカー)」だ。このサービスはGoogleカレンダーと同期できるスケジュール調整機能を提供している。利用は無料。

スケジュールを調整する際には、まずカレンダー上で、スケジュールを入れる候補となる日時をクリックして指定する。指定した日時は、画面左側に「6/1(日) 15:30-18:30」といったようにテキストで表示されると同時に、調整用のURLが発行される。これをコピーしてメールやメッセージングサービスで送付すれば、スムーズなスケジュール調整が可能となる。

もちろん候補は複数選択可能。選択した順番に関わらず、テキストは日付順にソートされる。また調整中のスケジュールをCu-Hacker上で「仮登録」すると、Googleカレンダーには、「候補日時」が自動で登録される。正直なところ、使ってみるまでは情報量も多くてとっつきにくいUIだと思ったのだが、ちょっとしたタイピングなどを省略して予定を調整できるので非常に便利だ。

そんなジェネストリームが5月30日、Cu-HackerのiPhoneアプリを公開した。アプリも無料で利用できる。

ジェネストリーム代表取締役社長の秋貞雄大氏が「スマートフォンでスケジュールを調整する場合、メールとカレンダー、さらにはブラウザを行き来しないといけないことが多いがそれは非常に面倒。それをシンプルでスピーディーな操作で実現する」と語るように、アプリはウェブ版と比べてシンプルなインターフェースを備える。候補日時をタップ操作で選択すれば、候補日時のテキストをクリップボードにコピーしたり、直接メールしたり、FacebookやLINEで共有できる。

今後はAndroidアプリの提供も予定する。現状サービスは無料だが、将来的には法人向けサービスでの有料化を狙っているとのこと。また近いうちにウェブ版を英語対応させるほか、時差の自動計算機能などを導入する予定だという。


女子生徒のグループが視覚障害者向けAndroidアプリを開発、Verizonのコンテンストで優秀賞に

テキサス州フレズノのResaca中学校1年生の女子生徒たちのグループが視覚障害のある同級生を手助けしようと思いたち、視覚障害者向けアプリを開発した。

Hello Naviと呼ばれるアプリは、このグループのGrecia Canoという少女が同じ学校に通う視覚障害のある生徒たちが日ごろ校内を移動するのに苦労しているのを見て心を痛めたことが誕生のきっかけだった。

理科の教師、Maggie BoladoはVerizonが中高校生向けに開催しているInnovative App Challengeコンテストについてのツイートを読んで、生徒たちに興味があるかと尋ねた。すると6人のグループが興味があると答えた。

このコンテストには1200グループが応募したが、視覚障害者向け移動援助アプリのアイディアは高く評価された。Verizon challengeの中学校部門で優秀賞を受賞し、オバマ大統領と会ったり、サイエンス・ガイとして有名なビル・ナイや「怪しい伝説」のキャリー・バイロンにこのアプリを説明する機会に恵まれた。

グループのメンバーは誰もプログラミングの経験がなかったので、MITメディア・ラボの専門家グループがプログラミングの手助けをすると同時にプログラミングの基礎を教えた。.

メンバーの一人、Sandra Baqueroは「プログラミングするのが好きになりました。プロジェクトに加わる前はプログラミングって何をすることなのか全然知りませんでした。何か面白そうだったので参加したのです」と語った。

指導した教師によると、グループは視覚障害者の同級生の一人と移動技術の指導者に協力してもらい、どんな困難があるのかを集中的に調査したという。そのデータを元に視覚障害者の移動を効果的に手助けするアプリがデザインされた。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Notifyrは、iPhoneの通知をMacで見られるちょっと気の利いたアプリ

Notifyrは、iOSの通知をMacで受けられるアプリだ。仕事中私は、いつもiPhoneをMacの隣に置いている。iPhoneが鳴るたびに、Macの画面から目をそらして重要なメッセージかどうかを確認している。私はかなり多くの通知を受け取っていて、その大部分は重要ではない。しかし、長い記事を書いている時には、これが問題になることがある。ぜいたくな悩みだということは承知しているが、Notifyrが正に解決してくれた。

きのうProduct Huntでこの新しいアプリを発見した時、私はすぐにインストールした。Notifyrの使い方は、Pebbleとよく似ているが、違うのは、通知がiPhoneではなくMacに表示されるところだ。

まず、iOSアプリをApp Storeから(価格は3.99ドル)インストールし、次に無料のMacアプリをインストールする。iPhoneでアプリを開くと、Bluetoothを有効にするように言われる。Macアプリはシステム環境設定のペインとして動作する。MacでBluetoothを有効にしてiPhoneとペアリングすれば準備完了だ。

アプリはBluetooth Low Energyを利用するため、iPhone 4以前では使えない。代わりにそれは、バッテリーが急に減らないことも意味している。

これでiPhoneが鳴るたびに、Mac画面の片隅にOS Xの通知が送られてくる。Macの通知センターで、以前のiPhone通知を見ることもできる。iPhoneとMacで同じ通知を受取っている時、例えばノートとiPhoneで別々のTwitterクライアントを使っているような場合は、そのiPhoneアプリをNotifyrから除外できる。

実にシンプルで、設定手順も簡単だ。ところで、私は別の方法でこの問題を解決することができたかもしれない。たぶん私は、時々iPhoneの電源を切ることを試すべきだった。たぶん私は、集中力が続く時間内で仕事をすべきなのであり、そうすれば文章の途中で書くのを中断

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


CtoCサービスが成長する”カギ”は何か? Baixing、メルカリ、Stores、ジモティーが語る

冒頭の画像を見てほしい。この写真は何か?これは米国のクラシファイドサービス(「売ります」「買います」をはじめとした個人広告を掲載するサービス)「craigslist」の1ページである。craigslistでは様々な分野の個人広告が掲載されているが、その1つ1つが、実は今、スタータップが提供する特化型のCtoCサービスに置き換えられつつある、ということを示している。

北海道・札幌で5月22日から23日にかけて開催中の招待制イベント「Infinity Ventures Summit 2014 Spring(IVS)」の第3セッションAでは、そんなCtoCサービスの事業者4社——Baixing.com CEOのJianshuo Wang氏、ジモティー 代表取締役社長の加藤貴博氏、メルカリ 代表取締役社長の山田 進太郎氏、ブラケット 代表取締役の光本勇介氏が登壇。インフィニティ・ベンチャーズLLP 共同代表パートナーの田中章雄氏がモデレーターを務める中で、それぞれのビジネスについて語った。セッションの前半は各社のサービスが紹介されたが、ここではセッションの後半のディスカッションについて紹介していきたい。

CtoCサービスはどうやって集客するのか

メルカリが手がけるのは、スマートフォン向けフリマサービス「メルカリ」だ。先日14.5億円の資金を調達し、現在テレビCMも開始している。山田氏は、CMでユーザーが増加したこと自体は否定しないが(CM効果について他社の事例を挙げると、先日調達を終えたアカツキなどは、2週間のテレビCMで70万ユーザーが増加したという話だった)、「プロダクトこそが非常に重要」と断言した。当然と言えば当然かもしれないが、やはりプロダクトが命となる。メルカリではスマートフォンに特化し、素早く手軽な操作で出品、購入できるフリマサービスを目指しているという。誰もが迷わず操作できるプロダクトを作ることこそが重要だと語る。

オンラインショップ構築サービス「STORES.jp」を提供するブラケットの光本氏は、「まだ自分たちでも答えが見つけられていない」と語る。STORES.jpの出展数は10万店舗。単純に店舗数だけを比較すれば4万店舗超の楽天を超えている数字だ。しかし店舗の性質も違うし、SEOやリスティング広告などを含めて、コストをかけたマーケティングを展開している。なので同じことをしてもどこまで成果が出るかというと難しい。そのためStores.jpでは、店頭販売できるパッケージ商品を作るということから、さまざまな集客の施策を作っているそうだ。

craigslistのようなクラシファイドサービス「ジモティー」を展開するジモティーの加藤氏は、そもそも「クラシファイド」という言葉自体が日本で一般的ではないため、言葉としては「(売ります買いますを投稿できる)掲示板」としてアピールしていった方がユーザーとの親和性が高いと判断したという(ちなみにジモティーのユーザーは40代以上が62%となっており、ITリテラシーも比較的低いそうだ)。サービス開始当初は,「社員の友人に声をかけてサービスを紹介する」といった人海戦術で集客を始めた時もティーだが、結局重要なのは「リピーターをどれだけ作るか」ということだと思い、ユーザーがどうやって成功体験を得られるかに注力しているそうだ。

中国でクラシファイドサービス「Baixing.com」を展開するWang氏も、口コミの重要性を語る。広告経由のサイト流入は実は全体の5%程度で、ほとんどはオーガニックなサイト流入なのだという。ちなみにBaixing.comで最も人気のある商品は中古車で、実に中国で流通する中古車の30%が同サービスを通じてやりとりされているそうだが、中国の中古車市場では安価な部類に入る1万ドル以下のものを取り扱っているそうだ。こういった商品は安価すぎて中古車ディーラーだと扱いたがらないそうだ。

リリース時期、ユーザーヒアリング、機能——カギになる施策は?

セッション後半、会場から「どういった施策が成功のカギになったのか」という質問が4社に投げられた。

アプリを4月に提供したメルカリ。先行するサービスとしては、女性に特化したFabricのフリマアプリ「Fril」などもあったが、「競合も出てきたが、タイミング的にも早く動けたことがよかった」(山田氏)と語る。

ユーザーインタビューの重要性を語るのは加藤氏だ。「社内の意見とユーザーの声は実は合っていなかったりする。例えばサービスのリッチ化は、実はユーザーのニーズと乖離していることもある」(加藤氏)。この話はなにもCtoC領域に限ったことではないだろう。

光本氏は、1つに絞れないとしながら、これまでの常識を超えるようなサービスの付加がポイントだったと語る。Stores.jpでは、ユーザーが複数店舗で商品を購入する場合でも、一括での決済ができるようにしたし、商品撮影や倉庫利用も基本無料で提供を開始した。こういった施策も、集客のフックになっているそうだ。

「シンプル」こそが大事だとするはWang氏だ。加藤氏の話にも近いが、サービスが複雑になりそうなとこには、まず原点に戻ってシンプルにするのだという。Baixing.com自体も、ユーザーに4つのテンプレートを作るだけで個人広告を出せる仕組みを導入しているのだという。


ブレスト不要、1人で悶々と考えろ!LINE流「面白いプロダクト」の作り方


今日から札幌で開かれている「Infinity Ventures Summit 2014 Spring」に来ている。初日には、LINE執行役員の舛田淳氏とヤフー執行役員の小澤隆生氏が登壇し、「次世代プラットフォーム革命」をテーマにしたセッションが開かれた。テーマとは若干離れるが、セッション内で両者が「面白いプロダクトの作り方」について語った内容が興味深かったので紹介しよう。

ブレストするな。1人で悶々と考えろ――。舛田氏によれば、LINEで新しいプロダクトを作る際には、社内で無駄に情報共有をしないように呼びかけているという。「プロジェクト間で連携しようとすると、『向こうではこれをやってるから』と身動きがとれなくなる。(木を見て)森を見ないと動くべきではないというが、全体の合意を取ろうとするとつまらなくなる」

1人で悶々と極限までプロダクトを考えたあとは、「早く、小さく始めて、ダメならばすぐに閉じることが大事」と舛田氏は語る。「すぐに閉じればダメージは小さい。ちょっと恥ずかしいけど。言ったことでも、ダメならすぐに撤退するのがイノベーションに必要なこと」

これに対して小澤氏は、面白いことや新しいことのほとんどは失敗するとの持論を展開。2012年4月に宮坂学氏が代表取締役CEOに就任し、社内で「10倍失敗しろ」というメッセージを発信してからは、「挑戦しないとダメだ」という空気が醸成されたのだという。

「9割は失敗するので、それを許す企業文化をいかに作るか」。小澤氏の言葉の通り、軽井沢の高級別荘を予約できる「Yahoo!トラベル 軽井沢の別荘特集」が4月16日のローンチから1カ月余りで閉鎖したことも明かした。「昨日閉じたんですよ。僕が華々しく始めたんですが、社内大騒然ですよ」。

さらに、ヤフーがイー・アクセスの株式取得を中止したことについて暗に触れ、「今週も大きな失敗があったんですが、よくないですよ、あれは!」と語り、会場をわかせる一幕も。ちなみに小澤氏はセッションで開口一番、「今週冒頭に大きなニュースがありましたが、広報からは『くれぐれもふざけるな』と言われている」と話していた。


「半分匿名」のソーシャルメディア、SecretがAndroid版をローンチ―世界中から利用可能に

シリコンバレーの住人としては、当地で人気の「半分匿名」のソーシャルメディア、Secretが アメリカに登場したのがたった4ヶ月だったとは信じられない思いだ。今日(米国時間5/21)、このアプリはiOS版、新登場のAndroid版、ともに世界中でダウンロード可能になった。

Secretというのは、まずiOSアプリとして公開されたが、匿名で感想や意見を共有できるモバイル・アプリだ。

このアプリはユーザーのアドレス帳を検索してそこに載っている友だち、さらに友だちの友だちをリストアップする。そうした知り合いネットワーク中の誰かが投稿するとタイムラインに表示される仕組みだ。投稿自体は匿名だが、知り合いの誰かであることは分かっているので、投稿の内容と合わせて身元が推測されてしまう可能性は十分ある。

今回Android版が登場したのでユーザーはまた飛躍的に増加するだろう。

新機能

iOS版、Android版の双方に今回新機能が追加されている。iOS版では画面遷移の間にときおりSecretに友だちを招待するよう勧める画面や現在の友だちの数など表示される(ちなみに私の友だちは652人でSecretの共同ファウンダーBader-Wechselerの656人のすぐ次だ)。

もう一つの新機能はストリームの途中に時折表示されるIcebreakers〔座をなごやかにするもの、知り合いになるきっかけ〕と呼ばれる質問だ。右のスクリーショットでは「いままであなたがやった一番クレージーなことは何?」と尋ねている。Icebreakersの質問を考えているのはSecretのコミュニティー担当チーム(現在は3名)で、ユーザーは自分で質問に答えてもいいし、自分の友だちに尋ねてもよい。

IcebreakersはすでにSecretのコミュニティーで論じられたテーマをヒントにしてユーザーの参加を促そうというアイディアだ。たとえばこの間の母の日には、ユーザーはママについての秘密のエピソードを多数投稿していた。

国際展開

アメリカに登場した後、Secretはカナダ、オーストラリア、ニュージーランド、イギリスという具合に英語圏の諸国へ徐々にサービス範囲を拡大してきた。しかし今日のAndroid版のローンチを機に、地域制限は完全に取り除かれ、Secretは世界中どこからでも利用できるようになった。

当面は英語版のみだが、Bader-Wechselerは私の取材に対して「今年後半には英語以外のバージョンを順次公開する予定だ」と語った。ただし、現在のバージョンはどんな言語でも投稿できるので、同一言語の投稿がグループ化されるという。つまりスペイン語の投稿がドイツ語の投稿t入り混じって表示されないようにする。この分類はユーザーの投稿地域別に行われるようだ。

世界展開の次にSecretが狙うのは何だろう? 匿名のメッセージ・アプリだろうか?

SecretはGoogle Ventures、Kleiner Perkins、Initialized Capital、Fuel Capital、Vivi Nevo、SV Angel、Ashton KutcherのA-Grade Investments、David Sacks、Bill Lee、Pete Cashmore、Joe Montana、Rob Wiesenthal,、Andrew Chen他から1000万ドルの資金を調達している。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


来日中のDuolingo CEO、安価で手軽な語学検定アプリ提供でTOEICもディスラプトする予定と明かす

2週間前に日本語版をローンチして話題の語学学習サービス「Duolingo」(デュオリンゴ)の創業者でCEOのルイス・フォン・アン氏が来日中で、東京・六本木で話を聞く機会があった。ルイスは1979年、ガテマラ生まれの連続起業家。カーネギーメロン大学のコンピューターサイエンス学部の准教授でもあり、人間とコンピューターが協力することで大規模な課題を解くシステムについての実装や論文で、数々の受賞歴がある。

TechCrunch Japan読者なら彼の名前をreCAPTCHAの発案者として覚えているかもしれない。ユーザー登録画面などでランダムに歪曲された文字列が表示されることがあるが、CAPTCHAと呼ばれるこの仕組みを、古文書のデジタル化というOCRだけで処理できない問題に結び付けるというのがreCAPTCHAだ。古文書の3割ぐらいはかすれや日焼けによる変色などで機械的に読み取りができないが、人間ならかなり読み取れる。CAPTCHAによって無駄に浪費される人間の脳時間(コンピュテーション)を有効活用するというのがreCAPTCHAのアイデアだ。ルイスが創業したreCAPTCHAはグーグルに2009年に買収され、今や10億人以上が解読作業に参加したことになるという。

そのルイスが、2011年に新たに起業して取り組んでいるのがDuolingoだ。Duolingoは一見単なる言語学習アプリ(サービス)だが、実際にはreCAPTCHA同様に大規模に分散した人間の労力を集約することで、アルゴリズム的なアプローチがうまくいかない課題を解決するというアイデアがベースにある。外国語学習産業という大きな市場を、翻訳という別の市場と結び付けるのがDuolingoのミソで、学習者は無償で外国語学習ができる一方、Duolingoは学習者の訳文作りという学習を活かして安価な翻訳サービスを提供できる。先日のシリーズCも含めて、すでに3800万ドルほどの資金を調達している注目株だ。

CNNのスペイン語版はDuolingo 100%

もうDuolingoに登録して試した人も多いかもしれないけど、ぼく自身は半年ほど前に英語版サービスでフランス語を学習するというコースを試してみた。ただ、どうして大学でフランス語の成績が「可」だったぼくが一所懸命に翻訳するろくでもない英文の訳文が、対価を生むような翻訳市場と結び付くのか良く分かからなかった。これは「reCAPTCHAと同モデル」と想定したことから来る誤解だったようだ。

ルイスによれば、Duolingoには学習コンテンツと翻訳コンテンツという2種類の明確に別々のコンテンツがあるそうだ。reCAPTCHAの印象から「言語学習の課題を解くと、知らず知らずのうちに翻訳作業に協力していた」というモデルかと想像していたけど、実は参加者は明示的に翻訳作業を参加することになるという意味で、だいぶreCAPTCHAとは違うモデルなのだそうだ。

2013年10月にはCNNやBuzzFeedと提携。CNNが提供しているスペイン語コンテンツは100%、Duolingoによる翻訳だそうだ。BuzzFeedについては、スペイン語、ポルトガル語、フランス語が全部Duolingoによる翻訳で、すでに毎日かなりの量の有償翻訳を行っているという。翻訳すべきコンテンツを持っているパブリッシャーからの収益が得られるので、Duolingoは学習者に対しては無償でサービスを提供でき、2、3年で黒字化できるだろうとルイスは言う。

翻訳すべきドキュメントはWikiのように参加者が書き換えられる。徐々に翻訳していき、一定の人が個別の訳文にOKを出したら、そのセンテンスの翻訳は完了となる。翻訳すべきコンテンツはユーザーの嗜好や実績などを考慮したアルゴリズムによって、各ユーザーにリコメンドされる。CNNのニュースのように速報性が必要なものは優先順位が高いとか、コンテンツ自体の評価が高いものが優先されるという風になっているそうだ。残り1行で翻訳が完了するコンテンツも優先されるなど、リコメンドのアルゴリズムは随時改善しているという。

「良いコンテンツ、短いコンテンツほど早く翻訳されます。CNNの例だと、平均800語のコンテンツは6時間で翻訳されます。翻訳料金はボリューム次第ですが、一般の翻訳料金の相場が1語あたり7〜8セントのところ、Duolingoは2〜4セント程度と半額程度です」

すでに収益を上げるモデルがあるものの、現在のDuolingoのフォーカスはパブリッシャー集めではなく、語学学習サービスとしての、より大きな成功という。

「現在、Duolingoのユーザー数は約2500万人。うち85%がモバイルで、Android、iPhoneが半分ずつ。いずれのプラットホームでも、多くの国で教育分野ナンバーワンアプリとなっています。ユーザーの30%が北米、30%が南米、30%がヨーロッパで、残りがその他の地域という分布です。まだアジアはこれから。中国語で英語を学ぶ、日本語で英語を学ぶという教材が登場したところです。日本語版のローンチは2週間前で、日本では2万7000ユーザーとなっています」

「ちょっとおもしろい数字があります。北米では公立学校で外国語学習している人の数より、すでにDuolingoで学習している人の数のほうがすでに多いんですね。すでに教育アプリでは2位に圧倒的な差を付けていて、オンライン語学学習サービスでは1位に成長しています。ですが、オンラインで語学を学習するといったとき、誰もがDuolingoの名前をすぐに思い浮かべるかと言えば、そんなことはありません。まだ誰もが認知するブランドにはなっていない。そうなるのが今いちばんの目標ですね」

進化する教材とコミュニティ

現在、Duolingoの教材にあるのは18言語。必ずしも2言語について両方向の教材が存在するわけではなく、「日本語→英語」のように一方向しかない言語の組み合わせもある。今のところDuolingo上で英語話者が日本語を学ぶことはできない。

年内には75コース、言語数にして30程度になる見込みという。入力メソッドが必要なアジアの言語を入力方法と合わせて教える教材の開発というのは、まだこれからのチャレンジだとルイスは話してくれた。

ちなみに、いま日本語で英語を学習すると、英文の直訳のような和文が課題に出てきて面食らう。「私の父は私の母を愛しています」というようなものだ。そもそも日本語がヘンだ。文法的にはあり得なくはなくても、こんなこと言うやつはいない。これには次のような事情があるようだ。

Duolingoには、まず全ての教材の元となる英語で書かれた例文集がある。新教材は、まずこれの翻訳をするところから作る。次にユーザーのアクティビティのメトリックスを取って、どこで躓いてるのか、どこで多くの学習者が間違えるのかといったデータやリアクションから、問題の追加、削除、順序の入れ替えなどを随時行っていくのだという。利用者は不自然な訳文について、コメントしたり議論したりといったこともできる。

単に間違った問題を排除するという以上のこともやるという。たとえば複数形よりも先に形容詞を学んだグループのほうが、成績が良いか? といったA/Bテストを1000人規模で行うなど、データドリブンなアプローチを採用しているのだとか。

「どういう方法が成功しているのかを大規模に検証もできますし、すでにDuolingoは学習効率が高いというデータもあります。Duolingoでの34時間の学習が、大学の1学期相当という報告があります」

コース教材はボランティアが作成しているが、バイリンガルのボランティアからの申し出は、これまで4万件に及ぶという。ボランティアは、なぜ自分がその言語教材作成に適格なのかを説明する必要があり、こうした申請の中から、特定言語の組みあせについて4、5人を選出して、彼らに教材のメンテを任せるのだそうだ。

TOEFLなど語学検定ビジネスをディスラプトしたい

翻訳市場でのマネタイズに加えて、もう1つ、収益モデルという意味で興味深いのが、今後1カ月程度で「Duolingo Test」と呼ぶ標準テストをローンチ予定という話だ。

「Duolingoでは毎日感謝のメールをたくさん受け取っています。その中でも多いのが、次のようなメールです。“これまで英語学習は高価だったけど、Duolingoのおかげで英語ができるようになった。とても感謝しています。でも今は別の問題があるんです。英語ができるようになったことを証明したいんですよ”。そこでわれわれは半年ほど前から標準テストについて検討を始めました」

特に需要の高い第二言語としての英語についていえば、TOEFLのように標準化された検定試験というものは存在しているが、ルイスは、この市場はディスラプトされる潮時だという。

「Duolingoとスマートフォンによって言語学習ができるようになった人は途上国にも多い。こうした国だと、TOEFLの200ドルとか300ドルといった検定料は月給に相当する額。原価はそんなにかかるわけがないので非常に高い。しかも、大都市に住んでなければ試験会場に行くのに数時間かかることもあります。いま、Duolingo Testという名前でベータテストをしているアプリがあります。これは受験料が20ドル、時間も20分あればスマートフォンだけで受験できる語学検定です」

現在、一般的な英語の検定が2時間とか4時間と長時間に及ぶのに対して、Duolingo Testが20分と時間が短いのは受験者のレベルに応じてリアルタイムに出題の難易度を変えるアダプティブなテストだからだそうだ。第1問目は中位のレベルの問題を出し、正解を続ける限りレベルを上げていき、逆に受験者のレベルが出題より低いと判定されれば難易度の低い問題群から出題するという方式だ。ちなみに同じくアダプティブテストで受験者の特定ジャンルの知識レベルを計るスタートアップに米東海岸のSmartererというのがあるけれど、彼らは最短10問、120秒程度で人事採用に必要な検定試験が可能だと言ってたりする。

短時間でテスト可能というと、逆に精度が気になるところ。Duolingoが内部的に行ったテストではDuolingo Testの結果とTOEFLのスコアの間には高い相関があることが分かっていて、「普及には数年かかると思うが、これは普及すると思う」とルイスは話している。日本ではTOEFLよりTOEICがメジャーだという話をしたら、モチロンそれは知っているし、TOEFL同様にディスラプト対象だねという答だった。まあ、20世紀前半に生まれたマークシート方式という古い技術を受験生に押し付けてるようじゃディスラプトされて当然だね。

一方、スマフォだとチートが簡単にできそうだが、「チート対策はカメラをオンにして動画と音声を撮ることを考えています」という。

「テスト結果だけではなく、録画データも人間が見るという方式です。実は今のオフラインの検定には受験コストの問題だけではなく、チートの横行という問題もあります。替え玉や賄賂がまかり通ってる国もあるんです。途上国には賄賂が日常の光景というところがあって、すでに検定に300ドルも払ってるのだし、もう100ドル試験官に払っちゃえよ、ということになりがちなんですね。Duolingo Testでは録画した動画をオンラインで発行する検定証につけておくことで、たとえば企業の採用担当者が見られるようにするということも考えています」

Duolingoは1カ月以内にAndroid版を出し、その後にiPhone版もリリース予定という。

スピーキング対応は、非同期型で?

Duolingoの一部の教材にはスピーキングも含まれているが、会話練習のコンテンツへのニーズが強いそうだ。こうした声に応えてDuolingoでは1年ほど前から会話練習モジュールを計画しているという。

「たとえば、学習者同士をペアにマッチングして動画チャットするというのが自明のアイデアです。ただ、この市場を少し調べてみて、すぐに赤信号がともりました。動画チャットによるモデルは全然上手く行っていないんですね、みんなやったほうがいいというんですけど」

「このジャンルだとVerblingが最大規模ですが、トラフィックで言えばわれわれの50分の1程度。結局、話すことがないのが問題なのです。ほとんど話せない外国語で、見ず知らずのヒトと話すというのはハードルが高い。初心者だと、挨拶をして名前を名乗ると終わり。もう話すことがなくなるんです」

「だから単なる動画チャットをやろうと思いません。何か違うことをやろうと思っています。リアルタイム性がダメなんじゃないかと思うんです。タイプするのかしゃべるのかは別にして、リアルタイムに応答しなくてもいいチャットやメッセージングのようなものがいいのでは、と考えています。非同期の会話です。ほかにも、2、3の単語から完成形のセンテンスを作って提案するような機能を付けるといったことを検討しています」

語学である必然性はないので、ほかの教育分野への進出も

Duolingoのように学習者と課題を結び付ける学習プラットホームというのは、なにも外国語学習にだけ適用できる問題でもない。ルイスは「今後、ほかの教育分野に進出するかもしれない」と話す。

「(reCaptchaのときと違って)Duolingoを(Googleなどに)売る気はないですね。理想的には成長を続けて、言語に関わることは全部やりたいのです。翻訳や検定もそうですし、マイナー言語の保存ということもやりたいです。それから、ほかの教育分野に参入するかもしれません」

「もちろん全てではないでしょうけど、今後、スマフォ経由で非常に幅広い教育というのがなされるようになると思います。それはたぶんMOOCsのようなものではありません。1時間の動画を見て学習する、というモデルではなく、Duolingoのようにゲームのようなものでしょう。5分とか10分、列に並んでるときにちょっとやるというようなもの。それがスマフォネイティブなモデルでしょうね。言語以外だとプログラミングはいいですね。Codeacademyなどは、すごくいいサービスで好きですが、アプリじゃないですよね。プログラミングをスマフォネイティブで学習するということは、まだ誰もやっていません」

確かに、MOOCsは結局のところ放っておいても教科書で学習をする高学歴で勉強熱心な先進国の人々がコースを受ける主体で、しかもコースの終了率が極めて低いという話がある。

「語学である必然性はなく、ほかのジャンルにも参入する可能性はありますが、言語学習にもプログラミング学習にも共通する特徴があります。それは、この2つが学校外でも学習するものという点で、これは重要です。教育というのは、もう100年以上も変わってなくて、これからディスラプトが必要な分野でしょう。教師の役割というのは、学生の前であれこれしゃべるということから、質問に答えるというように変わっていくと思います。ただ、われわれは早い時期に学校向けのソリューションはやらないと意識的に決断したのです。なぜなら、学校のことを考慮にいれると、カリキュラムとの齟齬が大きいと使われないし、いろいろ問題が出てきます。その点、外国語もプログラミングも学校でも学校外でも学習するものです。われわれは学校が何をやってるかなんて気にしません。学校よりもはるかに速いペースでイノベーションを起こすためにも、意図的に外国語学習を選んだのです」


Apple、App Storeの1位になったマリファナ栽培 ゲームを追放―他の大麻アプリはどうなる?

Appleはアメリカでゲーム部門のトップを占めていたWeed FirmをApp Storeから削除した。このゲームはGrand Theft Autoのマリファナ愛好家版と呼ばれていた。プレイヤーはマリファナ(weed)を栽培して売りさばき、ギャングたちと渡り合いながら、大金を儲けることに努める。

デベロッパーのウェブサイトによればApp Storeからの取り下げはApple側の全く一方的な決定だという。

AppleがこんなゲームにApp Storeのチャートのトップに居座わられたくないという考えた気持ちは分かる。だが、似たようなゲームが多数ある中でWeed Firmだけが狙い撃ちされた理由が、単に有名になってしまったからというだけなら釈然としないものが残る。この点に関してAppleにコメントないし説明を求めているが回答はない。

デベロッパーのManitoba Gamesは自分たちが追放されたことについて、「面白すぎて全ゲーム・カテゴリーでNo. 1になってしまったからだろう。今でもマリファナ栽培ゲームは山ほどApp Storeにある。それに車を壊したり、人を射ったり、鳥を建物にぶつけたりするような違法行為を内容としたゲームも無数に公開されている」と言っている。

いささか負け惜しみのきらいがあるものの、ある程度要点を突いている。

過去にもAppleが違法行為を助長する可能性があるアプリに対して厳しい態度を取ったことがある。たとえばHerb Converterというオンスをグラムに換算するマリファナの売人向けアプリが禁止されている。しかし最近、アメリカでもマリファナは部分的に解禁され、全国いたるところで違法というわけではなくなった。

しかしそれとは別に、Appleはどんな理由であろうと自分が好まないアプリをApp Storeから排除する権限を持っている。App Storeはオープンなウェブではない。単独の運営者であるAppleが自由に規則を設定できる場所なのだ。

しかし、 “weed”というキーワードでApp Storeを検索すると、たくさんのマリファナ関連アプリが見つかる。マリファナがらみのトリビア、マリファナの種類の見分け方、栽培ハンドブック、合法的なマリファナの入手場所をまとめたWeedmapsから今回禁止された“Weed Firmそっくりの栽培、販売ゲームのWeed TycoonWeed Farmerまで数知れずだ。 こうしたゲームは今でもApp Storeに掲載されている。

しかし、Appleの態度は変化しているのかもしれない。別のデベロッパーが今日(米国時間5/21)、Facebookに公開投稿したところによると、彼のマリファナ・ゲームはApp Storeへの登録を拒絶されたという。

上はデベロッパーが公開したそのゲームのスクリーショットだが、マリファナをテーマにしているばかりでなく、警官を豚として描いているのがさすがにAppleの「極めて好ましくない内容」のアプリを禁止する条項に引っかかったのだろう。

子供への悪影響

App Storeのユーザーはどんどん低年齢化しており、バカバカしいゲームも多くなっている。しかしAppleは子どもたちが麻薬の製造や取引についての詳細をApp Storeのゲームで学んでいると非難されたくはないだろう。もちろんWeed Firmはいちばん厳しい年齢制限が適用されていたが、子どもたちのiPhoneに保護を設定することを怠っている両親も多い。

これに先立ってWeed FirmはGoogle Playからも削除されたという。 ただしManitoba Gamesによれば削除された理由は内容ではなくゲームの配給会社にあったという。デベロッパーは「適当な配給会社が見つかればPlay Storeに復帰できる」としている。

これについてGoogleがどう考えているか知りたいものだ。.

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


自分撮り写真に「いいね!」してもらうために必要ないくつかの配慮

Instagram上で、16万もの自分撮り(selfie)写真を分析した結果が発表されている。分析しているのはHubSportの「Social Media Scientist」であるDan Zarrellaだ。この分野における「分析」は流行りでもある。使われているタグ、色合い、利用しているフィルターなどをチェックして、他の人に気に入って貰える自分撮り写真を撮るヒントとするものだ。ちなみに今回紹介するレポートを見る限り、自分ではよかれと思ったことがほとんど逆に作用していることがわかってしまった。自分撮りも、なかなか奥が深い。

まず、色合いについてだが、自分撮り写真においてはどうやら寒色系の色を多用する方が、暖色系の写真よりも人気を集めるらしい。青い服を着て、青緑系の背景の前に立つのが良いのかもしれない。もしかするとスターバックスのロゴの前に立つのも効果的かもしれない。人気を得るためにはハッシュタグも大切な要素で#pretty、#boy、#daily、#girl、および#hairなどのハッシュタグのついた写真が、人気を集めるケースが多いようだ。また「like」をおねだりするハッシュタグも有効らしい。たとえば#l4l、#likeforlike、#like4likeといったようなハッシュタグが、「like」のおねだり用として利用されている。

尚、ハッシュタグの多様は無駄以外の何物でもないと考えている人にとっては残念なことに、どうやらハッシュタグを多く利用すれば、それだけ「like」を取得する機会も増えるらしい。ハッシュタグの個数が30個に到達する前にグラフ上では谷間があるが、しかしそれでも、より多くのハッシュタグを付けることで、より多くの「like」を獲得するチャンスが生まれているようだ。

フィルターについての分析も行っている。この分野でも、個人的に多用しているものは人気が低いということがわかった。当方で利用しているのは「Valencia」、「Lo-Fi」、「X-Pro II」、「Hudson」、そして「Rise」だが、「like」を集めやすいフィルターは「Willow」、「Normal」、「Toaster」、「Mayfair」、「Sutro」および「Hefe」などであるらしい。ちなみに#NoFilterというハッシュタグが最も人気を集めているようだが、しかし実はそのほぼ3分の1のケースで、フィルターが用いられているようだ。そういうケースでは「Valencia」や「Amaro」が用いられることが多い様子。洗面所の鏡を使ったいかにも自然な自分撮り写真であっても、何らかのフィルター処理が加えられているケースがあるということになる。

ところで、酔っ払っているときにこそセクシーに見えるという自負があるにせよ、#drunkハッシュタグを付すのはやめた方が良いようだ。#drunkハッシュタグを付けてしまうと「like」をもらいにくくなってしまうようなのだ。自分撮りは素面のときに限るということなのだろう。よしんば酔っ払いモードであるにせよ、他の人にはばれないようにしておくのが良いようだ。

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(翻訳:Maeda, H


スマホゲームのアカツキが14億円を調達して台湾にも拠点設立


先日のSansanの発表以降も大型調達のニュースが続いている。スマートフォンゲームの開発を手がけるアカツキが、グロービスやリンクアンドモチベーションを引受先とした総額14億円の第三者割当増資を実施した。出資比率は非公開。この調達を契機に、開発体制の強化、テレビCMを含めた広告宣伝の強化、海外進出を進める。現在スタッフは約70人だが、来年をめどに倍近い130人まで拡大する。

アカツキは2010年6月の設立。共同創業者で代表取締役 CEOの塩田元規氏は、ディー・エヌ・エーの出身。同じく共同創業者で取締役 COOの香田哲朗氏は、アクセンチュアの出身。創業当初はGREE、Mobageのプラットフォーム向けにソーシャルゲームを提供してきたが、2012年後半には開発リソースをスマートフォン向けのネイティブゲームにシフト。現在テレビCMも展開している「サウザンドメモリーズ」は現在200万ダウンロード(CM効果もあり、2週間で70万ユーザーが増加。この時期の新規ユーザーは実数こそ聞けなかったが、アクティブ率も高いそうだ)。そのほかにもバンダイナムコゲームスとの共同タイトル「テイルズオブリンク」などが好調だという。売上高は非開示だが、4期連続での成長を実現しているとのこと。

海外展開については、6月をめどに台湾に子会社「「暁数碼股份有限公司(Akatsuki Taiwan Inc.)」を設立。香田氏が代表に就任する。子会社は日本法人の外部開発リソースという扱いではなく、企画から開発までゲームスタジオとしての機能を一通り持たせて、中国語圏へのゲーム展開の拠点とすることを狙う。

また今回の発表にあわせて、元IBM Venture Capital Groupパートナー日本代表で、勝屋久事務所代表の勝屋久氏が社外取締役に、元ミクシィ取締役CFOの小泉文明氏が非常勤監査役に就任する。小泉氏はメルカリ取締役を務めるなど、スタートアップ複数社の資本施策を支援しているという。先日メルカリが発表した14.5億円の調達にも関わった。

リンクアンドモチベーションが出資する理由は?

僕としては増資の引受先としてリンクアンドモチベーションの名前が挙がったのが意外だったが、これにはアカツキの理念が関係してくるのだという。

香田氏が「業績がよくても、『働いても幸せではない』なんてことがあるじゃないですか。そういうことにはならない会社にしたい」と語るとおり、アカツキでは幸せに働くためのオフィス環境整備、制度作りには相当力を入れているそうだ。夜になると、自社が契約する八百屋からサラダが届けられる「OFFICE DE YASAI」のような仕組みもあるそうだ。

そういった風土作りのために、同社はリンクアンドモチベーションから人材に関するコンサルティングを受けており、その中でリンクアンドモチベーションが2013年秋よりインキュベーションを手がけていることを知ったそうだ。香田氏は「人材についての考え方がシンクしたことが大きい。同社の執行役員がアドバイザーに入ることになるが、経営者の課題はやはり『人』なので、そこを一緒に考えてもらえることは大きい」と語った。


App Storeは今の社会が愚民社会である証拠

今iTunes App Storeで1位のゲームは、雑草を売るゲームだ。いや、ほんとに。でもその”Weed Firm“というアプリも、2位に比べればかなりまともだ。2位は最近多いアホらしい時間つぶしゲームの一つで、名前は”100 Balls“、ビアポンを思い出す。そしてそれに続く3位は”Toilet Time“、その名のとおり、ト*レに入っているとき遊ぶ短いゲームだ。さらにその次の”Make It Rain“は、できるだ速くスワイプしてお金を飛ばす、というゲームだ。

凡人たち(Everyman)のApp Storeにようこそ。

というか、誰かさんの言葉を借りれば、愚民社会(Idiocracy)にようこそ。

[App Storeをふつうの英語で言うとIdiocracy。]
[最悪という名のゴールを目指すレースだ。]
[映画のIdiocracyにApp Storeがあってもよかったよね。]

これらのゲームは、アメリカ的な俗悪趣味がモバイルの世界を支配していることの表れだ。でも”Here Comes Honey Boo Boo”とか”The Real Housewives”のようなコンテンツは、合衆国だけでなく、世界中の英語国で必ずチャートの上位になる。

人気の原因はいろいろあるが、いい加減なアプリデベロッパたちが仕掛けるますますいい加減なマーケティングテクニックに、釣られてしまうユーザが多いのだ。そういう、脳の健康を害しそうな使い捨てのゲームが、”Flappy Bird”や”Red Bouncing Ball“のクローンより上位になるのは、新しいアプリに飛びつくための、もっとまともな契機が、一般ユーザにはないからだ。〔TechCrunchやゲーム専門サイトのレビューを読んでアプリを買う“一般人”はいない。〕

それだけでなく、最近のアホゲームの氾濫には、App Storeの性質の変貌も影響している。

今日(こんにち)では、先進国のスマートフォン市場はほとんど飽和状態だ。ということは、老若男女いろんな人が持っており、その趣味や感性はばらばらで、しかも本誌などによく登場するテクノロジエリートたちの“次の偉大なるモバイルアプリ”とは無縁な領域で生きている。

App Storeは万人(everyone)のものであり、そして万人の大群は、タブロイド新聞やテレビのリアリティ番組は好きでも、文学や教育テレビには寄り付かない。

しかも、今ではガキどもですらiPhoneを持っていて、それを持ってないと仲間はずれになるというのだ。アホゲームの顧客の相当部分が、ガキどもである。

“Flappy Bird”を作ったDong Nguyenも本誌の取材に対して、プレーヤーのほとんどは学童だ、と言っていた。

このような“成熟市場”においては、雑草ゲームやト*レ時間つぶしゲームへと“成熟して”いく万人たちは、昔のような、まじめなアプリをまじめにダウンロードするスマートフォンユーザではない。だから今では、Google Search、Pandora、WhatsApp、Pinterest、Twitterなどのアプリが、トップ10に入らないどころか、往々にしてトップ20にも入らないのだ。

校庭にたむろする群衆たちがApp Storeのチャートに与える影響力を、まだ業界はよく理解していない。小学生のトレンドが市場に及ぼす力は、何年も前から強力だが、今日ではそれは、お人形のCabbage Patch KidsやTickle Me Elmoの話ではない。次に何を買おうかと彼らがうろうろしている仮想ストアの棚を、無限に多い在庫で満たす、という今日的マーケティングのお話なのだ。

しかし最悪という名のゴールを目指すApp Storeのレースを、幼いiPhoneユーザのせいだけにはできない。

今日の、ストレス過多で情報過剰な世界に住む、緊張を抜く余裕すらない大人たちも、ちょっとした息抜きを求めているのだ。そう、トイレが唯一の息抜きの場かもしれない。そしてそのために、まさに、アホなゲームにのめり込むのだ。

ところで、あなたのホーム画面には、最近、何があるかなぁ? 正直に言って。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Appleはメッセージ入力中に相手のプロフィール写真を大きく表示する特許を取得していた

AppleInsiderは、Appleがアメリカ特許商標局(USPTO)から新しい特許の承認を受けていたことを見つけ出した。この特許はテキスト・メッセージを入力中に相手を間違えないようにするためのものだ。間違った相手にSMSのメッセージを送信してしまうほど最低な失敗はない。取り返しのつかない惨事を招く場合さえある。

Appleが特許を取ったシステムでは、テキストを入力に送信相手の写真を背景に大きくはっきり表示する。これならどんなにうっかりしていても今、誰に向かって送信しようとしているのか忘れる気づかいはあるまい。

グループ・チャットの場合はグリッドか横スクロールで全員の写真が表示される。さらに最後にメッセージを受けた相手をカラーで、他の相手をグレーアウトするなどのコミュニケーションを助ける機能も追加される。

相手の写真が得られない場合は男女別のシルエットが表示される。これでも多少は自分が送信しようとしている相手の属性を知る助けになる。またこの特許では、APIを通じてサードパーティーもこの機能を利用できるとしている。

テキスト・アプリの場合はDMほど間違いを犯しやすくないが、 それでも間違うことはあるし、その結果も同じくらい壊滅的だ。Appleは従来の可能な限りシンプルなUIという方針をある程度犠牲にしても、機能を優先することにしたようだ。それでもどぎついフルカラーで直接画像を表示するようなやり方は避け、透明性をコントロールするというような繊細なデザインを採用している。Appleの特許の通例で、すぐに実際の製品に採用されることはなさそうだが、Appleがユーザー体験のコアとなるような部分でも日々小さない改良を重ねていることのもうひとつの証拠といえるだろう。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


NagisaがDonutsから1億円調達、多ジャンルのアプリ提供で1億ダウンロードを目指す

スマートフォンアプリを続々とリリースするNagisa。同社は5月15日、Donutsを引受先とする1億円の第三者割当増資を実施したと発表した。

かつてはLINE対抗のメッセージングサービス「Balloon」などを手がけてきたNagisaだが、現在は複数の写真を組み合わせてスライド動画を作成する「SLIDE MOVIES」や日記アプリ「Livre」、カジュアルゲーム「49人目の少女」などアプリを続々と提供。現在までに累計500万ダウンロードを達成したという。4月単月で100万ダウンロードを達成するなど、急速な成長を遂げているという。

これらのアプリ群は、1つがずば抜けてダウンロードされているというわけではないが、それぞれディレクターとエンジニアの2人といった比較的少人数な体制で開発。SLIDE MOVIESで140万ダウンロードを達成するなどスマッシュヒットを続けているとのことだ。そのアプリ上で広告や課金をすることで「すでにプロフィッタブルな状況」(Nagisa代表取締役社長の横山佳幸氏)だという。

そんなNagisaだが、収益を成長のために投資に回し、さらに資金調達をすることで、人材採用や経営基盤の強化を図り、事業を一気に加速するとしている。「今後2年以内にAppStore、Google Playの全てのカテゴリーにおける上位にランクインできるアプリを企画、開発していき、『全てのスマホにNagisaのアプリを』というポートフォリオを組んでいく。LINEがコミュニケーションアプリを1つのプラットフォーム、ユーザープールにしているが、Nagisaはたくさんのアプリをユーザープールにしていく」(横山氏)。直近にはオフィス移転を決定し、現在20人体制のスタッフを一気に40〜50人まで拡大していくことを予定するほか、SNSやCtoC、ファッションEC、ゲームなど幅広い領域でアプリをリリースしていくという。今後は2016年3月末までに合計数1億ダウンロードを目指す。

Nagisaに出資するDonutsは、「暴走列伝 単車の虎」、「Tokyo 7th シスターズ」といったゲームや、10秒動画投稿コミュニティの「MixChannel」などを展開している。ランチを軸にしたマッチングサービス(現在は就職活動する学生向けにサービスを特化させている)「ソーシャルランチ」運営のシンクランチ買収でも話題になった。

シンクランチの共同創業者でもあり、現在Donutsの経営企画室室長兼ヒューマンリソース部部長を務める上村康太氏。出資の意図について「シナジーとIPOによるキャピタルゲインを狙う」と語る。上村氏は「ブーストなどの広告施策の効果が薄れてゆく中で、Nagisaのアプリが抱えるユーザープールは今度の新作ゲーム立ち上げのタイミングで大きな威力を発揮すると判断した」と続けるが、直近ではまず、ゲームに次ぐ主力事業として注力するMixChannelにおいて、NagisaのSLIDE MOVIESとの連携や他アプリを含めての相互送客などを進める。


ヘアサロンの予約を変えるアプリが登場!髪型投稿SNSオープン

おしゃれ好きな女子にとって、ヘアサロンは飲食店のように地域や店舗で探すものではない。まずはスタイリストを見つけること――。こんな発想から本日リリースされたiPhoneアプリがヘアスナップSNS「HAIR」だ。雑誌やネット上にあるヘアスタイル写真の多くは、カットモデルを一眼レフで撮影し、Macでレタッチした「サロン発信の宣伝写真」ばかり。これに対してHAIRは、周りの友だちがスマホでヘアスナップを投稿するのが特徴。そのため「自分ごと」にとらえることができるのだという。ある意味、リリースから5カ月で200万ダウンロードを突破したファッションコーディネート共有アプリ「WEAR」のヘアスタイル版といえるかもしれない。

HAIRをざっくり言えば、「今日のヘアスタイルを考える」と「あの子をカットしているスタイリストが分かる」という2つを実現するサービスだ。ユーザーは「友達」「スタイリスト」「テーマ(Long、Medium、Bobなどのヘアスタイル)」「人気ユーザー」「キーワード」ごとにヘアスナップを閲覧したり、クリッピングができる。

Facebookアカウントで会員登録すると、気になるユーザーや友だちをフォローしたり、ヘアスナップを投稿することが可能だ。ヘアスナップには、カットを手がけたスタイリスト(美容師)をタグ付けでき、友だちやフォローしている人をカットしたスタイリストのページにアクセスしてカットの予約が行えるようになっている。

スタイリストにしてみれば、カットした人にタグ付けされることで、自分の宣伝にもなるというわけだ。スタイリストは毎月1500円を支払うことで、自らのプロフィールや連絡先を記載したプロフィールページを作成できる。HAIRを運営するリッチメディアの中村武士によれば、まずは青山や表参道、原宿の有名ヘアサロンに所属するスタイリストにアプローチし、徐々に全国のスタイリストを集めていくのだという。

ターゲットとしているコアユーザーは「ヘアスタイルについて遊んだり、悩んでいる18〜25歳の女性」。ベータ版の投稿状況はカットモデル(サロンモデル)やスタイリストが自らのアピールのためにヘアスナップを投稿している状況だが、正式版を公開した5月14日以降は自分撮りに抵抗のない若い女性の投稿を見込んでいるようで、半年後に週間アクティブユーザー9万人を目標に掲げる。「みんなのヘアスナップから、スタイリストとの偶然の出会いを生み出せれば」。


Flappy Bird、作者が復活を約束―マルチプレイヤー対応で「より中毒性の低いバージョン」

Flappy Bird物語の最新編の情報が届いた。以前はあれほど人嫌いだった作者が、メディアに登場してあの中毒性の高いゲームをマルチプレイヤー化して復活させると約束した。

今日、作者のDong NguyenはCNBCのClosing BellのKelly Evansに「Flappy Birdsをマルチプレイヤー・ゲームとして復活させる」と語ったという。ただし、実際にリリースされるのはしばらく後になる。またNguyenは「新バージョンでは中毒性を減らす」と語ったというが、あのゲームで大いに時間を無駄にしたプレイヤーたちに取ってはよいことだろう。.

Flappy Birdはごくシンプルだが極端に難しいスマートフォン・ゲームで、大人気となったが突然作者がアプリをストアから取り下げてしまった。いっこうにゲームをクリアできないことに苛立った一部のファンがNguenにしつこく嫌がらせをしたのも取り下げの原因ではないかと言われている。

Nguyenは以前にも少し違った形でゲームを復活させるとツイートしていたが、詳しいことは語っていなかった。今回は8月というスケジュールのようだ。新Flappy Birdsの登場が楽しみだ。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Yahoo、自動消滅型メッセージングサービスのBlinkを(人材目的で)買収

Yahooが、モバイル向け自動消滅型メッセージングサービスのBlinkを買収したようだ。Snapchatが有名で、その他にも最近登場したFranklyや、Confide、あるいはWickrなど、競合となるサービスがひしめいている分野だ。買収の詳細については明らかにされていない。

Blinkは現在7人で運営されており、ファウンダーを含む全員がYahooに加わることとなっているらしい。

Blinkの開発を行ったのはMeh Labsで、元GoogleのKevin StephensおよびMichelle Norganにより設立された。元々は位置情報サービスのKismetを提供していた。SXSW 2012の頃にはHighlightなどとともに話題になっており、Banjoなども同種のサービスを提供しようとしているところだった。しかしKismetは充分な利用者を獲得するにいたらず、結局は別の人気ジャンルで再スタートを切ることとなったのだ。そのジャンルがモバイル向けのプライベートメッセージングの分野だ。

Blinkがリリースされたのは約1年前のことで、iPhone向けアプリケーションとしてリリースされた。現在のアプリケーションではメッセージ、写真、ビデオ、音声などを、個人ないし特定のグループ間で共有することができるようになっている。また有効時間をタイマーで設定できるようになっていて、すなわち送ったメッセージや写真などを、見始めてから何秒間表示するかを設定することができる。

今年になってAndroid版がリリースされたが、その時点でのダウンロード数は10万ほどで、利用者のうちの半数以上がアメリカ在住であった。アメリカ以外では中東での利用者が増加する傾向にあり、大きな成長が期待されていた。

Stephensもアラビア語をサポートするなどして、中東市場に注力していきたい旨を表明していた。またビジネス用途でも利用できるような「プロ版」の提供なども考えていたようだ。

しかしそうした予定についてはご破算ということになる。Blinkのサービスは数週間のうちにも消え去ることになるらしいのだ。すなわち、このBlinkの買収もサービスそれ自体を活用するというよりも、人材の方を目的としたものだということだ。そしてStephensのことだけを考えても、Yahooにとっては良い買収(人材獲得)であると言えるだろう。Boxeeでデバイスプロダクトパートナーシップ部門のディレクターを務め、あるいはGoogleおよびYouTubeでのPMの経験もあり、さらにAppleでもエンジニアとして働いていた。

Kismetを運営していた時代に、Meh Labsはシード資金としてTriple Point、NEA、AngelPad、およびShiva Rajaraman、Steph Hannon、Roham Gharegozlou、Ben Narasinなどのエンジェルから併せて100万ドルを調達していた。今回の買収により、投資家たちにはそれなりの見返りがある模様だ。但し、投資面に限っていえば「大成功」というわけでもないらしい。

尚、YahooのM&Aでは、買収の詳細についてあまり明らかにしてくれないのが最近の状況となっている。人材獲得のための企業買収を行うことについて非難されることも多く、また投資家たちもそうした買収戦略が有効に機能しているのかどうかを疑問に感じ始めているようなのだ。私たちの取材に対して、Blink側も詳細なデータを明かしてはくれなかった。

Blinkのサイトで公開された文章を掲載しておこう。

2014年5月13日付で、BlinkはYahooの傘下に入ることとなりました。私たちはメッセージングを、実際に会話するような自由さで利用できるようにと考えてBlinkの開発を行いました。こうした概念をYahooに持ち込み、その中でできる新しいことを考えていきたいと思っています。

どのようなプロダクトを提供できるかについて、まだ具体的なお話ができる段階ではありません。しかしこれからもぜひ、私たちBlinkチームの活躍に期待していただきたいと考えています。

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(翻訳:Maeda, H


Outlook.com、新しい受信箱自動化システムでGmailのフィルターに対抗

MicrosoftのOutlook.comは、メールを処理する複雑な「ルール」を作るための新しい方法 ― 自分の受信箱用のIFTTTレシピのようなもの ― を、多くの使いやすさ改善と共に、今日(米国時間5/13)発表した

Outlook.comは、Microsoftの成功例の一つだ。MicrosoftがHotmailの移行を1年ほど前に完了した時、Outlook.comには4億人のアクティブユーザーがいて、うち1.25億人はモバイルでアクティブであると話した。そろそろ新しい数字の時期だ。(私はMicrosoftに、どうやって「アクティブユーザー」を数えているのか質問しているので情報が入り次第記事を更新する)。もちろんOutlook.comは新サービスとしてスタートしたものであり、一定の移行期間を経た後、Hotmailのユーザーベースを吸収する予定だ([アップデート:MicrosoftはTechCrunchに、月間アクティブユーザー数の算出方法を提供した。「Outlook.comはアクティブユーザーを、ウェブ、メールクライアント、またはスマートフォン経由でサインインした人と定義している」)。

新しい「高度なルール」機能では、メールの経過時間等複数の「条件」を作成できる。例えば、「メールが未読で、3日間以上経過し、連絡先にある相手からなら、重要フラグを付ける」等。このツールは、パワーユーザーを喜ばせそうだ。もちろんGmailも、フィルタリングテクノロジーを持っている。

Outlook.comの古いルール設定画面はこちら。

下に貼った新しいルールは今日から展開されるので、まだ来ていない人はもう少しの辛坊だ。

新機能に関するMicrosoftの記事によると、Outlook.comユーザーは、1日当たり「返信」ボタンを800万回押している。案外少ない数字だなと感じることはさて置き、同ウェブメールサービスでは、メールの文中で返信できるようになり、新しい画面に移る必要がない。またOutlook.comは「アンドゥー」機能も導入した。Gmailがかなり前から提供しているものと似ている。

さらにOutlook.comは、連絡先の相手と話すために使うチャットサービスを、変更できるようになった。

今回のアップデートは、Outlook.comが一部の領域でGmailと対等に戦うのを手助けすると共に、ウェブメールの進化にも役立つだろう。Outlook.comは、Microsoftの「サービス」ビジネスモデルにおける、モバイルファースト、クラウドファースト方針と一致している。Outlook.comは、OneDrive、Office Onlineエコシステムとも密に連携しているので、メールツールの利用促進は、Microsoftの成長に不可欠な他のクラウド製品の利用にもつながるだろう。

IMAGE BY FLICKR USER Abhishek Shirali UNDER CC BY 2.0 LICENSE (IMAGE HAS BEEN CROPPED) 

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


ターゲットは非IT系、Wantedlyが連絡帳アプリ「CONTACT」公開

iPhoneで連絡先を管理している人が感じる不満のひとつが、標準搭載のアプリ単体ではグループ分けができないことだろう。こうしたニーズもあってか、連絡帳をグループ化するiPhoneアプリは100以上存在する。ソーシャルリクルーティングサービス「Wantedly」を運営するウォンテッドリーが14日に公開したiPhoneアプリ「CONTACT(コンタクト)」もその1つ。FacebookやWantedlyと連携することで、これらのサービスに登録している会社名から連絡先を探せるのが特徴だ。

アプリをインストールするとiPhoneの連絡先が表示され、仕事、友人、家族などとグループ分けが可能。グループのアイコンは120種類以上あり、連絡先をアイコンにドラッグ&ドロップするだけで直感的にグループ分けできる。

ウェブ業界では「連絡はメッセンジャーで十分」という人もいるだろう。そんな人にはFacebookとの連携機能が刺さるかもしれないと、ウォンテッドリー代表取締役CEOの仲暁子は言う。Facebookは会社名で友人を検索できないが、CONTACTでは「社名は思い出せるのに名前が出てこない……」といった人も社名で探せるほか、連絡先をタップすればそこからFacebookメッセンジャーでやりとりできるようになっている。さらに、WantedlyのプロフィールにTwitter、Google+、GitHubの情報があれば、それらも情報も連絡先に反映される仕様となっている。

ウォンテッドリー代表取締役CEOの仲暁子

前述の通り、iPhoneの連絡先アプリは山ほどある。ではなぜ、ウォンテッドリーは今さら連絡帳アプリを投入したのか? こう尋ねると仲暁子は、その理由を次のように話した。「既存の連絡帳アプリのほとんどはデザインが洗練されていなくてダサいんですよ。UIも直感的じゃない。私も連絡帳アプリを使っていなかったんですけど、有料版アプリ並みの機能を洗練させればニーズはあるし、私もこれだったら使う」。

最近はウォンテッドリーの顔として講演や取材対応、自社採用に注力してきた仲暁子だが、CONTACTは久々に開発の陣頭指揮をとったプロダクトなのだという。主なターゲットは「ウェブ業界以外のユーザー」。従来はWantedlyと接点がなかったユーザーを確保しようとしているようで、今秋までに15万ダウンロードを目指す。本業のソーシャルリクルーティングサービスは約2800社、約9万人が利用していて、企業数は約230社、ユーザー数は6000〜8000人ペースで毎月伸びているそうだ。