音声認識で英語が学習できるブラウザ・ゲーム、Spell UpがGoogle Chrome Experimentで登場

Googleはベータ版一時的プロジェクトとして新たなサービスを提供するのが得意だが、今日(米国時間5/13)はChrome Experimentの一環としてSpell Upという英語学習アプリを公開した。これは音声認識と音声合成を用いてユーザーの英語の上達を助けるブラウザ・ベースのゲームだ。

初級から上級までさまざまなレベルが用意されており、ユーザーはどのレベルから始めることもできる。このゲームの主な目的は語彙力を高めることで、Spell Upという名前もそこから来ている。

ユーザーはブラウザが表示する単語を正しく発音しなければならない。表示された綴りから抜けているするアルファベットを推測したり、綴り変えから正しい単語を推測したりするモードもある。答えはすべてマイクに音声で入力する(私が試したところではこのアプリは英国英語の発音を好むようだ)。

このアプリははロンドンのGoogle Creative LabのXavier Barradeをリーダーとして開発された。最近のChromeの音声認識/合成テクノロジーの進歩が存分に利用されている。

昨年GoogleはChromeでWeb Speech APIを、今年はそれを利用した音声合成をそれぞれサポートした。これによってデベロッパーはユーザーが音声でデータを入力し、それに対してアプリが音声で応答するアプリを開発することができるようになった。Spell Upはこのテクノロジーを利用している。

つまりSpell Upは面白いゲームであり教育アプリであると同時に、音声認識、合成などブラウザ・ベースのテクノロジーがネーティブ・アプリの開発環境に負けず、大きく進歩していることを示すデモの役目も果たしている。またこのプロジェクトが若く、国際的なユーザー層をターゲットにしていることも興味深い。

Barradeによれば、Spell Upはゲームデザイナーと英語教育関係者の協力によって開発されたという。最近の教育アプリはデベロッパー、ゲームデザイナー、教育者の三者の連合が必須となっているようだ。このアプリは主としてデスクトップとAndroidのChrome向けに開発されており、iPhone、iPadで実行すると音声入力が無効になるのでユーザーは回答をキーボードからタイプしなければならない。

現在このアプリは英語だけが対象だが、他の言語にも拡張されれば、英語国における外国語教育にも大いに有益だろう。

Macのノートでしばらくプレイしてみたが、たいへん面白かった。ただし音声認識の反応はやや遅く、私が発音したアルファベットを完全に誤解したことも一度ならずあった。しかし私の子供は喜びそうだし、こういうアプリのためならいくらネットを使ってもらっても構わない。

下はGoogleによる紹介ビデオ。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


オンライン・セラピーを提供するTalkspace、Spark Capitalおよびソフトバンクより250万ドルを調達

「トークセラピー」を提供するスタートアップであるTalkspaceが、セラピーのあり方を変えようとしている。通常のトークセラピーといえば、1週間毎に医院にて行われるものだが、これをセラピストと患者の双方にとって、より便利なものにしようとしている。サービスの拡充にむけてはSpark Capitalおよびソフトバンクから250万ドルの資金を調達した。

毎年、4500万人以上の人がメンタル面での問題を抱えていると診断されるが、Talkspaceはそうした人々を対象としたサービスだ。疾患を抱えていると診断された人のうち、治療を受けているのは40%にも満たないのだそうだ。なるほどこれは大問題であり、この問題を解決するための方法を提供しようと考えたわけだ。

登録を行った利用者は、資格を持つセラピストにいくつでもメッセージを送ることができるようになっている。こうした仕組みにより、必要な時に、必要なだけの治療的支援活動を提供したいと考えているわけだ。

もう少し詳しく仕組みをみておこう。Talkspaceの利用者は、1週間毎にセラピストのものとを訪問するのではなく、ウェブやiOSアプリケーションを使って(匿名で)相談することができるのだ。費用は1週間の利用で49ドル、月単位で申し込むのなら1週間換算で25ドル、年単位であればやはり1週間換算が12ドルとなる。

CEOのOren Frank曰く、カウンセリングを必要とする人が、必要なときに必要なだけ受診できるようにすることを目標としたものだ。従来のセラピー受診料と比べれば、80%も安い価格で利用できるのだとのこと。

iPhoneおよびiPad版のモバイルアプリケーションを提供しているのも、より広い層に使ってもらおうと考えてのことだ。これを利用することで、外出先から相談を投稿することもできる。ちなみにTalkspaceでは、メッセージ経由のものだけでなく、ビデオを利用したセラピーも提供している。

資金調達は、セラピストの確保および利用者層の拡大を考えてのことだ。250万ドルを調達した今回のラウンドをリードしたのはSpark Capitalとソフトバンクだ。今回の資金調達と同時に、AOLのビデオ部門のプレジデントであるRan Harnevoが、Talkspaceの取締役に就任した。

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(翻訳:Maeda, H


MS OfficeのiPadアプリ、46日で2700万ダウンロードを達成

4月上旬にMicrosoftはOffice for iPadのダウンロード数が1200万回に達したと発表した。それから1月少々で、さらに1500万ダウンロードが追加され、今日(米国時間5/12)、総数は2700万回となった。

アプリが 公開されてからわずか46日にしてはとんでもない数だ。1日平均、58万7000ダウンロードという計算になる。それだけユーザー側からの要望が強かったということだろう。 あと1月後もすれば洪水のようなダウンロードが収まるのかどうか興味深い。

OfficeアプリのなかではWordがもっとも人気が高く、アメリカでは11位、109カ国でトップ100位に入っている。iPad向けOfficeのリリース後に発表されたGoogleドキュメントのiPad向け生産性アプリはアメリカでは23位に降下している。

Office for iPadは最近Microsoftが強力に推し進めているクロスプラットフォーム化、モバイル化、クラウド化路線の一環だ。統計的に見れば、Wordはローンチ以来の勢いを少しずつ失っている。

タブレット・デバイスが市場に確固とした地位を築いてから相当な期間が経過していることを考えると、タブレット向け生産性ツールが本格的に登場したのは驚くほど最近だ。iPad向けOfficeの提供もDropbox、Box,、Googleなどのライバルを相手にしたプラットフォーム戦争の一つの局面と考えるべきだろう。iOSでダウンロード数を稼ぐことはOneDriveやOffice365の売上増大につながる。 考えすぎだろうか? ともあれ、MicrosoftはAppleを助けるためにiPadのサポートを始めたのでないことは確かだ。

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Twitter、ミュートを正式導入―アンフォローせずに特定の相手を非表示にできる

TwitterはAndroid、iPhone、ウェブの各クライアント向けにミュート機能を正式に導入した。ユーザーはこれによってアンフォローせずにフォローしている相手のツイートを一時的に非表示にできる。

ミュートをオンにした場合、相手の投稿はリツイートも含めてタイムラインに表示されず、プッシュ通知やSMSでの通知にも含まれなくなる。ミュートしていることはユーザー本人以外にはわからない。またいつでもミュートを解除できる。

ミュートは個別のツイートの「その他」を開いて選択する。歯車アイコンから「設定、プロフィール」を開いても設定できる。この機能は今日から数週間かけて全ユーザーに公開される予定だ。

ミュートは一部のサードパーティーのクライアントではすでに実装されている。たとえばTweetbotはネーティブ・ウェブ・クライアントとiOSでミュート機能を提供している。Tweetbotのミュートはユーザーだけでなく特定のキーワードやハッシュタグを対象とすることもできる。これだとうるさいチャットグループや興味のない事件がタイムラインを溢れかえらせるのを簡単に防ぐことができて便利だTwitterにもTweetbotのようなハッシュタグ、キーワードのミュート機能を提供してもらいたい。

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ドクター・ドレー、AppleのBeats買収を認める? 自らを「ヒップホップ初のビリオネア」と呼ぶ

「Mr Beats本人と一緒にBeatsを聞くなんてめったにあるもんじゃないぜ」と、ミュージシャン、タイリース・ギブソンのの自撮りと思われるビデオは始まる。彼は昨夜ドクター・ドレーと一緒にいた。

iPhoneメーカーが音楽ストリーミング会社を32億ドルで買収するとFinancial Timesが報じて以来、両社の間で何が本当に起きているのか、AppleからもBeatsからも正式な確認は得られていない。しかし、Beatsの共同ファウンダーの一人であるドクター・ドレーは、情報の透明性に関して別の考えを持っているようだ。

他の連中とふざけながらギブソンは、Beats/Apple のニュースをネタにしたビデオを始める。「ホントにビリオネア・クラブ入りだぜ、おい・・・Forbesのリストも変わる!・・・」

「そう大々的に」とドクター・ドレーが再び加わる。

「ヒップホップで最初のビリオネアが、ここ西海岸に!」と、後に立っているドレーは言う。

冗談が本当になった、YO!

写真とオリジナルビデオTyrese Gibson

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


イラスト制作の様子を自動的にInstagram用ビデオにまとめるSketchVid

また、面白いiOSアプリケーションが登場してきた。名前をSketchVidというものだ。描いた落書きをInstagram用のアニメーションにすることができる。

手元の写真をなぞって絵にすることもできるし、もちろん普通に絵を描くこともできる。いずれにしてもスケッチの手順をすべて記録し、そしてその描画の様子を15秒間のビデオにまとめるのだ。

自分ではJotスタイラスを持ってはいるものの、絵を描くのは得意でない。しかしSketchVidにはトレース機能も用意されていて、Crispin Gloverの絵も、なんとか本人であると認識できる程度には描写することができたように思う。

上手に描くことができたなら、SketchVidから作品を共有することができるようになっている。YouTubeではイラスト作成の様子をうつしたものが人気ジャンルのひとつとなっているし、そうした流れにのってSketchVidを使ってInstagram上でマーケティングないし教育目的などの目的で作品を公開する人も増えてきているようだ。ターゲットとなる利用者の幅は広いだろうが、とくに子供などは自分の作品が動き出すのを見てとても喜ぶのではないだろうか。

SketchVidを製作したのはトロント在住のSaeed GhaferiとArfan Chaudhryだ。あるときSaeedがArfanにスケッチを送ったのだそうだ。

「Arfanは最初、本当にSaeed本人がが描いたのだとなかなか信じなかったのです」とのこと。「そのときにひらめいたのです。イラストを描く様子を記録して、それをビデオ化すれば面白いのではないだろうか、と」。

公開するプラットフォームとしてInstagramを利用することとした。「アート分野に携わる人にも、自分の写真やビデオ作品などを公開する場としてInstagramを利用している人が多かったからです」。

他にもイラストの様子を記録するアプリケーションがある中、公開場所をInstagramに特化することで、アプリケーションの特徴を出そうとも考えたのだろう。写真をトレースする際、写真は自動的に正方形に切り取られ、またイラスト作成手順がどれだけ複雑であろうとも、ちゃんと15秒に収まるように編集してくれる。

SketchVidはiOS版が提供されていて、基本機能は無料で利用することができる。またアプリケーション内販売の機能を使って、さらに便利な描画ツールを入手することもできる。今の段階でも相当に楽しいものになっていると思うが、アニメーションのクオリティを高めるために、すぐにもアップデートする予定にしているのだとのことだ。またAndroid版も現在作成中であるとのことだった。

GhaferiとChaudhryのお気に入り作品をいくつか掲載しておこう。

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(翻訳:Maeda, H


電子書籍を月毎の定額で提供するOyster、提供書籍数が50万超となり、Android版も提供開始予定

提供する電子書籍について、月額9ドル99セントで読み放題のサービスを提供しているOysterの提供電子書籍数が50万冊を超えたとのことだ。昨年9月に10万冊からスタートしたサービスだが、順調に規模を拡大しているようだ。

また出版者との提携関係も拡大し、HarperCollinsは1万冊以上の書籍を提供するようになっているとのこと(Jess WalterのBeautiful Ruins、Gretchen RubinのThe Happiness Project、あるいはNeil GaimanのAmerican Godsなども提供中)。さらにMcSweeney’s、Chronicle Books、Grove Atlantic、そしてWileyなどとも新たに提携することになったとのことだ。

規模拡大への意図がうかがえる話であるが、しかしOysterが目指すのは「大量の本を提供する」ことではない。Oysterが利用者に提供したいと考えているのは「最近出版された、人気のある書籍」なのだそうだ。Oyster(およびその競合)のサービスは、しばしばNetflixと比較される。そのNetflixの場合も、不満の声は見られる本数についてのものではないことがほとんどだ。多くの人が見たいと思う人気作品が提供されているかどうかということが、最大の関心事となっている。

Oysterでは新刊がすぐに提供リストに入れられないケースもあるが、共同ファウンダー兼CEOのEric Stormbergは、出版から3ヵ月程度のうちに提供を開始できるように心がけていると述べている。

現在の利用者数などについては教えてもらえなかった。しかし提供される本の範囲を拡大し、また新たな出版社との提携も進めているというのは、逆にいえば読者数についても順調に拡大しつつあるということなのだろう。

競合であるScribdEntitleについても質問してみた。これに対しStormbergは「Oysterとしては人気の書籍を提供し、そしてより良いエクスペリエンスを提供していくまでです」と回答してくれた。

品揃えのについては、Oyster内で人気の100冊を見た場合、そのうち半数は競合他社では提供されていないものなのだそうだ。「そうした点をみても、私たちが人気作品を広く提供しており、そしてそれが利用者にアピールしていることをご理解いただけると思います」とのことだった。

Oysterは現在iOSデバイス版のみが提供されているが、年内にもAndroid版をリリースする予定にしているとのことだった。

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(翻訳:Maeda, H


Instagramの「タグ」を利用にしたフリマサービスを米国で展開する10sec、藤田ファンドから1.6億円を調達

サイバーエージェントが3月に開催した「スタートアップ版あした会議」。これは、サイバーエージェント内で開催されているビジネスプランコンテストである「あした会議」のスタートアップ版となる。

書類と面接による事前審査を通過した創業2年以内のスタートアップに対して、サイバーエージェントの経営陣や子会社の経営者がアドバイザーとなり、2日間でサービスのブラッシュアップに取り組むというものだ。優秀プランには最大3億円の投資がなされるとされていたが、最終的に5社が投資検討の対象となり、うち2社への投資が発表されている。

1社目はファッションECアプリ「melo」運営のGorooに

まず1社目は、スマホアプリ「melo」を5月2日に公開したGorooだ。同社はサイバーエージェントから2000万円の資金を調達したことを4月25日に発表している。

Gorooの手がけるmeloは、大手通販サイトからネット展開のみの小規模ブランドまで、200以上のウェブサイトに掲載されている商品を横断して閲覧したり、お気に入りの商品を投稿したりできるというもの。興味を持った商品は、直接当該サイトにアクセスして購入することができる。10代から20代の女性にターゲットを絞ってサービスを提供する。

Goroo代表取締役の花房弘也氏は、「ネットで服を買うのが楽しくないのは『チャネルが限られている』という理由から。BASEやStore.jpのようなプラットフォームが登場し、個人で運営するような規模のファッションサイトは今後増えると思うが、そういったサイトが食っていけるような世界を作りたい」とサービスへの思いを語る。今後は各ECサイトへの送客トラフィックを拡大し、ツール提供などでのマネタイズを検討する。

10secは「Instagram」をプラットフォームにコマースを展開

そして5月8日、スタートアップ版あした会議発のスタートアップとして2社目の投資先として発表されたのが、10sec(旧Instamall)だ。同社はサイバーエージェントから1億6000万円の資金を調達した。ちなみに、今回の出資はサイバーエージェント代表取締役である藤田晋氏の名を冠した投資案件を指す「藤田ファンド」としての出資になるそうだ。実は藤田ファンドというのは、サイバーエージェント投資事業本部の投資案件の中でも、グロースステージのスタートアップへの大規模な投資に限定されているそうだ。これまでの実績で言えば、BASEやクラウドワークス、スマートエデュケーションなどへの投資がそれにあたる。

話を戻そう。10secの手がける「10sec」(現在米国からのみ利用可能)は、画像共有サービスの「Instagram」を利用してCtoCコマースを実現するプラットフォームだ。ユーザー登録をすれば、「#10sec」というハッシュタグを付与してInstagramに投稿した写真の商品を10sec上に出品して販売できる。投稿時に「○○$」とコメントを入力していれば、それがそのまま商品の販売価格として表示される。商品の購入には、出品者の指定の金額で購入する「Buy」と、値引きの交渉をして出品者がそれを受け入れた場合に購入できる「Offer」の2つの手段を用意する。出品者が価格を設定せずに出品した場合は、「Best Offer」と呼ぶ入札制度も導入する。サービスは現在手数料無料で提供しているが、将来的には出品者から10%の手数料を徴収する予定だそうだ。

安全な取引に向けて、エスクローサービスも導入。購入者が決済(stripeを採用)をしたのち、出品者が商品を送付し、出品者が受け取り完了の処理をする、もしくは送付から10日が経過した時点ではじめて出品者に入金がなされる仕組み。物流などは現在出品者に手段をゆだねるが、今後は自社、もしくはパートナーとともに提供する考えもあるという。

10secは、インキュベイトファンドが主催するインキュベーションプログラム「インキュベイトキャンプ 5th」の卒業生。インキュベイトファンド代表パートナーの赤浦徹氏を通じて、同社から合計2300万円の出資を受け、米国に限定して2013年11月よりほぼノンプロモーションでサービスを提供してきた。10sec「1年半ほど前から、Instagramで『#forsale』『#buy』といったハッシュタグを使ってフリマアプリのように商品を販売しているユーザーが居るのに気付いた。だがInstagramで写真を撮って出品しても、売買をサポートするツールもなかった」——代表取締役CEOの正田英之氏はサービス提供のきっかけについてこう語る。僕も確認したが、#forsaleタグがついた写真は270万件以上も存在している。

10secでは、今回調達した資金をもとにマーケティングと人材採用を進める。すでに設立済みの米国子会社にマーケティング担当者を置くほか、サービスを開発する日本法人のエンジニア採用を進める。また、5月にはiOSアプリをクローズドベータ版として公開。6月から7月頃の正式リリースを目指すという。同社では当面米国でサービスを提供するとのことで、日本でのサービス展開については「すでにメルカリやLINE MALLもいるレッドオーシャン、そのまま勝負をすることはない」(正田氏)とのことだ。

ところで、サイバーエージェントとしては、日本でサービスを展開せず米国でのみサービスを展開するスタートアップに投資する意義はあるのだろうか? サイバーエージェント投資事業本部 本部長の宮崎聡氏は「どこで事業を展開するかは意識しておらず、グローバルでやった方が伸ばせる座組みなのであれば、そんな会社に出資する。資金を用意してアクセルを踏めばユーザーを取れるのであれば、そこに資金とノウハウを注入したい。また、米国であれば、我々が子会社設立の時にぶち当たった壁も理解しているのでアドバイスできるし、ネットワークもある」と、語ってくれた。

同社が将来的に考えるのは、Instagramだけではなく、さまざまなソーシャルメディアと連携したCtoCプラットフォームの構築だという。たとえばFacebookもPinterestもタグを付与して写真をアップロードできるので、これをすべて10secの出品のプラットフォームにする。また逆に、10secに出品した写真をさまざまなソーシャルメディアに掲載して、10secへの集客を図るというものだ。もしこの構想が実現すれば、全世界のソーシャルメディアユーザーが、CtoCの出品者、購入者たりえる世界がやってくることになる。もちろんそのためには、クロスボーダーでの物流や決済など、課題もたくさんあるのだけれども。

正田氏(左)と宮崎氏(右)


開発者のためのGoogle Docsを自称するCodeanywhere、Disrupt NYでも大人気

プログラマーのためのGoogle Docsを自称するCodeanywhereがなかなかの人気だ。どこからでも、いつもと同じ開発環境を利用できるようにしようとするサービスだ。Disrupt NYのStartup Alleyで、観客の投票によるベストカンパニーに選ばれ、共同ファウンダーのIvan BurazinおよびVedran Jukicが、先ほどプレゼンテーションを行った。

このアイデアを思いついたのは、自分のPCがなくても、いつもと同じ環境でプログラム開発が行えないものかと考えたからだった。また開発と言わないまでも、問題点の修正を行うだけであっても、自分の環境一式を持ち歩かないといけないことに疑問を感じたこともあった。そのアイデアを推し進め、出先のPCからウェブ経由で利用できるようにしたのみならず、iOSおよびAndroid版のアプリケーションも提供している。

運営にあたっているのは2名の共同ファウンダーに5名のエンジニアだ。これまでに63万5000ドルの資金を調達しているそうだ。Burazinによれば、日々新たに400名が登録していて、利用者数は20万を超えており、先週のログイン者数は5万人程度になるのだそうだ。

料金はフリーミアムモデルを採用していて、有料版は月額5ドル(年間登録では50ドル)となっている。これによりFTP、FTPS、ないしSFTPサーバーを好きなだけ利用することができる。来月中にはオフラインモードで利用できるようにする予定で、Githubなどとの連携も深めて行きたいとのことだ。

訳注:Codeanywhereの「Features」ページでは以下の機能について説明が掲載されています。

  • ブラウザ内から利用できるコードエディタ
  • ファイルエクスプローラー
  • Dropbox、Github、Driveなどとの連携
  • SSHターミナル
  • リビジョン管理

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(翻訳:Maeda, H


Googleマップがメジャー・アップデート―乗換案内、ナビ情報が強化され、Uberを統合

GoogleマップのiOS版、Android版アプリがメジャー・アップデートされ、カーナビでは詳しい道路情報が追加され、交通機関の乗り換え案内も強化されるなど多くの新機能が提供されている。

その中で目立つのはUberを経路検索のオプションに取り込んだことだ。UberアプリをインストールしているユーザーがUberのサービス提供地域で公共交通機関、あるいは徒歩で経路検索をするとオプションにUberが表示される。およその所要時間も表示され、ワンタッチでUberアプリが立ち上がる。

Googleが特定のスタートアップのサービスに大いに目立つ形でお墨付きを与えたことは興味深い。実はUberはGoogle Venturesの重要な投資先だ。やはりそれでUberをひいきしたのではないかという印象もないではない。もっともGoogleはGoogle Venturesの運営はGoogle本体とは独立していると常に主張している。

もちろん、これ以外にも多くの新機能がある。モバイル版のマップはナビ機能を使っている場合、従来より詳しい道路情報を表示するようになった。

トップのグリーンのナビゲーション・バーには道路名、曲がる方向、そこまでに距離の他にレーン情報が表示される。また左下に次の次に曲がる方向が「その先」として情報される。後日の利用に備えてオフライン・マップを事前にダウンロードしてカスタムリストで管理することもできるようになった。

またローカル情報検索では、店舗等の営業時間、価格帯、格付評価などの条件での絞込ができる。レストランを探す場合など、いちいちアプリを切り替えないでも詳しい情報が得られるのは大いに便利だ。これでGoogleマップはいちだんとYelpに近づいてきた。

また公共交通機関を利用する場合は、別経路のオプションが一覧表示され即座に切り替えができる。発車時刻、到着時刻を始め詳しい乗り換え案内情報が表示されるだけでなく、次発のバスや電車の時刻も表示される。

また一度Googleマップで検索した場所はユーザーのアカウントに記録され、サインインすればいつでも後から呼び出すことができる。観光地、名所旧跡など一部の場所ではストリートビューで屋内の画像を見ることができる。

以上のように、今回のモバイル版のアップデートは大掛かりなものとなったが、もっとも興味深いのはやはりUberとのタイアップだろう。はたしてGoogleは将来UberのライバルであるHailoやLyftもオプションに加えるのか、Uberだけを推薦するのか、対応が注目される。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Snapchat、短命テキストチャットとビデオ通話を追加

Snapchatは、大成功している短命メッセージングプラットフォーム上に、ゆっくりと機能を追加してきている。今日の新機能は、古き良きチャットと、FaceTimeライクなビデオ通話機能の2つだ。テキストメッセージは、このアプリの性格を大きく変えるかもしれない。

短命写真は何かおかしな物を送って友人たちとの会話のきっかけにするのに最適だ。何人もの友達からスナップが送り返されチャットのようなやり取りが続く。そしてどうでもいい写真を撮ってそこにキャプションを書き込むことになる。短寿命で文字数も制限されているという事実は実に魅力的だが、時としてひどく腹立たしい。

しかし、このすべては過去のものになった。Snapchatの受信箱で友達の名前を右にスワイプするとチャット画面になる。これは一般的なチャットインターフェースだ。テキストメッセージを書いて、送り、スナップを送り、カメラロールの写真やビデオも送れる。残念なから、スタンプはない。

しかし、画面の下端には新しいボタンがある。これが青くなった時、それは相手が今チャット画面にいてあなたのメッセージを読んでいることを意味している。ボタンを押せば、通話が始まる。相手もその青ボタンを押せば、両方で同時に顔を見ることができる。

スナップを見る時と同じく、ビデオ通話を続けるためには、画面に指を置き続けなくてはならない。指の下には、カメラのサムネイルが見える。画面の他の部分には友達の顔がいっぱいに写っている。親指を離すと、相手の顔だけが見え、自分のカメラは共有されなくなる。

前面カメラから背面カメラに切り替えるには、親指を画面上半分までドラッグするだけで良い。こうした繊細なインターフェースは、Snapchatが非常に効果的なメッセージングアプリであり続ける理由だ。

通話やチャットが終ったら、受信箱に戻ることができる。そうするたびに必ずチャット履歴は消され、あなたはSnapchatの短命性に忠実でいられる。ただし、メッセージ毎にタップして保存することはできる。

テキストチャットへの参入は、Snapchatにとって重要な動きだ。Ansaを始め多くのライバルたちが、テキストメッセージ用Snapchatを作り様々なレベルで成功している。Snapchatの既存ユーザーが果たしてこれらの新機能を喜ぶかどうかは、まだ何とも言えない。もはやSnapchatは、ヘンな自撮りを送るだけのサービスではなくなった。

このアップデートは、まだPlay StoreにもApp Storeにも届いていないようだ ― 今日(米国時間5/1)中には公開されるはずだ。チャットをするためには、おそらく相手もアプリをアップデートしている必要があるだろうから、仲の良い友達と新機能を使えるようになるまでにはしばらく時間がかかるかもしれない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


Foursquare、チェックインを廃止して新アプリに移すと発表―Yelp的な推薦と発見に特化へ

Foursquareはコア機能を2つの新しいアプリに分割する計画を発表した。ひとつはレストランや店舗の推薦アプリだ。もうひとつは、ユーザーがチェックインすると付近でチェックインしている友だちが表示されるアプリで、ある種の「ソーシャル・ヒートマップ」ないし「アンビエント位置情報」のサービスだ。

後者の新アプリはSwarm〔昆虫の群、群衆〕という名だが、まだ公開されていない。ファウンダーのDennis Crowleyによれば、このアプリはInstant Messengerが友だちがオンラインかオフラインかを常に表示していることにヒントを得たのだという。Swarmは近所にいる友だちを表示し、会話を始めることができる。この種のアンビエント位置情報サービスは、以前から話題にはなっていたものの、Foursqureのような有力サービスが真剣に取り上げたことはこれまでなかった。

一方、Foursquareはコア部分のアプリもゼロから作り直している。最大の変更はチェックイン機能をSwarmに全面的に移行し、Foursquareアプリからは削除したことだ。新しいFoursquareはレストランや店舗の推薦と発見のサービスに特化する。

Vergeのインタビューで、Croweeyは「われわれの目的は単にチェックイン・ボタンを作ることではない」と述べている。しかしFoursquareが5年前にスタートしたときはチェックイン・ボタンが必要だった。ユーザーがどこに行き、何を共有し、どう評価するかというデータを収集しなければならかったからだ。そのデータは十分に収集できた。だからもうチェックインは必要ない、ということなのだろう。

その代わりに、FoursqareはYelp的な検索機能を提供する。ただし検索の結果はYelpとは全く異なる。単に「近くのピザ屋ベスト10」を表示するのではなく、Foursquareはユーザーやユーザーの友だちが行ったことがある店とその評価を考慮に入れてリストを作る。つまり個々のユーザーの好みとニーズにマッチした検索結果が提供できるというわけだ。

そういうわけでFoursquareは二分されることになった。しかし、当面の印象に過ぎないが、いろいろと懸念が残る。Foursquareを特徴づけてきたチェックインを今後はSwarmが一手に担い、新たに位置情報共有サービスとしてスタートするという。しかしこういうサービスに多くのユーザーが関心を示すだろうという証拠があるわけではない。似たような試みはHighlight、Circleなどが行ってきたが、どれも実験の域を大きく出るものではなかった。

Vergeのインタビューで、Crowley自身さえ、チェックインありのSwarmの素晴らしさよりチェックインなしのFoursquareの素晴らしさの方を熱心に説いていた。

要するにFoursquareはYelpに直接戦いを挑むという道を選択したということだろう。それ自身は理にかなった戦略だ。しかしSwarmは本気でトップクラスのサービスに成長させようと狙ったというより、チェックインをただ路上に投げ捨てる代わりになんとか再利用できないかと考えた結果のように思える。

新アプリはどちらもまだ公開されていないが、数週間後にはリリースされるようだ。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


モバイル用のプロトタイプを、ネイティブアプリケーション上で動作させるProto.io

ここ数年で大きく成長しつつある、モバイルアプリケーションのプロトタイピング作成サポートツールのProto.ioが、注目すべき新たな機能をリリースした。簡単にモバイルアプリケーションを作成するだけでなく、そのプロトタイプの動作を確認するためのネイティブアプリケーションが登場したのだ。iOS版およびAndroid版があり、双方の環境で、プロトタイプを実際のアプリケーションのように動かしてみることができる。

このアプリケーションを使うことで、フルに動作するアプリケーション風のものをスマートフォン上で動作させながら、プロトタイプに変更を加えていくことができるようになるわけだ。一般的にプロトタイプツールといえば、ブラウザ上で動作を確認するようなものが多いが、そこから比べると大きく進化したものということができよう。

CEOのAlexis Piperides曰く、「フルスクリーンでの動作環境を提供したかったのです」とのこと。以前はProto.ioでもプロトタイプはモバイル版のSafariやChromeなどのブラウザ上で動作させていた。しかしブラウザにはタイトルバーやアドレスバーなど独自のUIが備わっているし、必ずしもプロトタイプ表示に最適であるというわけでもなかったのだ。

また、アプリケーションを媒介することにより、作成したプロトタイプをiPhone、iPad、そしてAndroidデバイスで動かしてみることができるようになった。作成した環境と異なる環境の人に見てもらう場合にも、簡単にアプリケーション経由で見てもらうことができるようになったのだ。

もともとはキプロス発のプロジェクトで、クライアントサイドの開発をいろいろと行っていた。プロトタイピングツールはもともと自分たちで使うためのツールとして開発したものだった。きちんとしたデザインを行って開発をすると費用もかかるので、その前にアプリケーションの「テスト版」を見せて評価を促したいと考えてのものだったわけだ。しかし作ってみると、一般の人も多いに興味を持つツールができあがっていた。そこで2年半ほど前に、このプロダクトのスピンアウトを行ったわけだ。

昨年になって、Piperidesは拠点をアメリカに移し、アメリカの企業としてProto.ioを立ち上げた。今やこのフリーミアムサービスは7万の利用者を抱え、少ないながら1500の有料会員を抱えることとなっている。有料プランは月額24ドルから用意されていて、企業向けにはより高価なプランも用意されている。

また、サービスはいくつかのビッグネームによっても利用されている。たとえばPayPal、eBay、Disney、Sportify、あるいはEvernoteなどもユーザーに含まれる。他にも大小問わずさまざまな企業に利用されているし、もちろんフリーランサーによる利用も多い。

アプリケーションプロトタイプを提供するサービスには、Invision、Flintoなど最近注目を集めているところもある。またAxureやJustinmindなどのように便利なプロトタイプオーサリングツールを提供しているところもある。Proto.ioは、これまでもプロトタイプ作成時の機能や使い勝手のよさで他サービスと競ってきていた。機能比較についてはきっとこちらのサイトも参考になるだろう。

実際に動作するプロトタイプを簡単に作成できれば、たとえばメニューの反応の様子を示すためのPhotoshop画像なども必要なくなる。実装しようとするメニューを配置して、それぞれのメニューからのリンクを設定することで、より簡単に具体的なイメージを掴んでもらうことができるようになる。またもし必要なのであれば、カスタムアニメーションなどを利用することもできるようになっている。

「私たちは非常に強力なアニメーションエンジンを持っています。さまざまなアニメーションを使ってもらえますし、またタイムライン上にて、アニメーションの継続時間などを指定することもできるようになっています」とPiperidesは言っている。

さらに、もともとはスマートフォン用のデザインツールとして開発したのではあったが、smart TVやゲーム機、冷蔵庫、目覚まし時計、車(AppleのCarplayもここに含まれる)などに向けた開発にProto.ioを利用しようとする人も増えてきた。さまざまな環境に対するニーズが高まる中、Proto.ioとしてはAndroid Wearスマートウォッチには対応できるようになっている。

シード資金こそ少額であったものの、シリーズAではサンフランシスコでチーム展開を可能とする人材を得るのに充分な金額を得ようとしている。

Proto.ioのアプリケーションはiTunesのこちらないしGoogle Playで入手できる。

訳注:上のスマートフォン画面はスクロールして見ることができます。

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(翻訳:Maeda, H


iPad版Officeから遅れること1ヵ月、GoogleがiOS版生産性アプリを公開

Googleは、iOS用Google DocsおよびGoogle Sheetsの単体アプリを公開し、Slidesも近く公開予定だ。これらの生産性アプリは、従来Google Drive内のアプリとしてiPhoneおよびiPadから利用できた。文書、スプレッドシート、およびプレゼンテーション用の各エディターは、カリフォルニア州マウンテンビューのクラウドサーバーにあるGoogle Driveに保存されたファイルを作成、編集できる。

今のところ各アプリは、Google Driveのアプリ内エディターおよびビュワーと基本的に同じものと思われるが、即ちそれは様々なフォーマットの文書を作成、変更するために必要なものがすべて提供されていることを意味している ― Microsoft Officeのコンテンツを含め。このタイミングは興味深い。MicrosoftがOfficeアプリ一式をiPad向けに公開したのはつい1ヵ月前だ。Googleは、これらの単体アプリにオフラインでも利用できる機能を追加しているため、ネット接続がなくても使用できる。

統合アプリから機能を切り出し、特定目的のソフトウェアを複数作ることに力を入れる大企業が増えていることは興味深い。例えばFacebookは自社アプリでこれを進めており、それを会社の方向性であるとしている。

アプリはGoogle PlayおよびApp Storeで公開されており、Googleは今後しばらくの間、Driveアプリで「作成」ボタンを押すと、単独アプリをダウンロードするよう案内して、移行を促進する。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


Facebook、 いよいよサードパーティへのモバイル広告配信ネットワーク、FANをローンチ

今日(米国時間4/30)開催されたf8デベロッパー・カンファレンスでFacebookはFAN(Facebook Audience Network) という新しいモバイル広告ネットワークを発表した。

これによりサードパーティーのモバイル・アプリのデベロッパー、パブリッシャーは広告営業、広告ターゲティング、実績管理、支払い管理などを自分自身でしなくても広告収入を得られるようになる。

先週私がスクープしたとおり、FANに参加すれば、広告に関するすべてをFacebookが代行してくれる。デベロッパーはバナー広告を掲出するなら数行のコードを書くだけよいし、もっとアプリのコンテンツの一部に溶け込んだ広告を掲出したければFacebookの協力を受けることができる。

Facebookによれば、デベロッパーはFANにこちらからサイインアップすることもできるし、Facebookの広告代理業者に連絡を取ってもよい。このプログラムは現在ベータテスト中で、今後数ヶ月かけて一般に利用可能になる。当面対象となる広告主はモバイル・アプリのインストールや利用を呼びかけるデベロッパーだが、将来はFANを他の分野の広告にも拡大する計画だ。ウェブサイトのトラフィック増強のための広告やeコマースの広告などが含まれることになるだろう。Facebookは「テスト期間中に次第に〔広告の〕パフォーマンスが改善されるものと期待している」と述べている。

FANではIABバナー広告、IABインタースティシャル広告、ネーティブ広告の3種類が用意される。広告デザインはモバイル・アプリのインストールなどそれぞれのビジネス上の目的に合わせて最適化される。

Facebookによれば、Facebook SDKないし広告統計サービスを利用することによって広告主はFANによる表示回数やコンバージョン件数などをモニタできる。また年齢、性別その他の広告閲覧者データも収集できる。

Facebookがモバイル広告ネットワークのテストを開始したのは2012年に遡るが、その後Facebook内での広告の強化に集中するために、オフサイトでの広告ネットワーク・プロジェクトは棚上げとなっていた。

2013年9月にFacebookはモバイル広告ネットワークのテストを再開した。これはそれまでの実験と異なり、広告主、パブリッシャーと直接に取引するタイプとなった(サードパーティーを介さないのでFacebookのマージンが大きくなる)。最近行われた2014年第1四半期の決算報告でCOOのシェリル・サンドバーグは「この広告ネットワークのテストでは関係者から高い評価を得た。大いに希望のもてる結果だった」と述べた。

Re/codeのMike IsaacはFacebookは今日この広告ネットワークをローンチするだろうと報じていた。今日、私はその名称がFAN (Facebook Audience Network)であり、IABガイドラインに沿った定形広告だけでなくカスタマイズされたフォーマットの広告をサポートすることを含め、各種の詳細を確認することができた。以下は、バナー、インタースティシャル、カスタム、それぞれのサンプルだ。

この広告ネットワークはInMobiなどのネットワークのライバルとなる。 [アップデート:FANはTwitterのMoPubのような仲介サービスとは競争関係にないことが判明した。このようなサービスはFANを通じた広告を他の広告ネットワークからの広告と同時に表示することができる。FANとMoPubの協調関係についてのフォロー記事を参照]

FANが十分な広告主とパブリッシャーを集めて運営が軌道に載るまでには数四半期かかるだろうが、Facebookの収入の新たな重要な柱となる可能性を十分に秘めている。

今回のFANのローンチでFacebookは、マネタイズのチャンネルを自らのネットワーク内での広告掲出から、サードパーティーのパブリッシャーへの広告配信へと拡張した。これまでFacebookの売上はニュースフィード内の広告の表示数とそれを訪問するユーザー数に直接比例していた。

広告ネットワークを通じたサードパーティーへの広告配信ならFacebook内に広告を溢れさせてユーザー体験を悪化させることなく、収入を増やすことができる。たとえFacebook内でのユーザー・エンゲージメントが頭打ちになっても影響を受けにくいし、ライバルに対しても安定して優位性を確保できる。FANが成功すれば、Facebookのユーザーにとっては幸運なことに、Facebook内の広告は減少さえするかもしれない。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


目指すは屋外のGoogle、徒歩5分以内の場所を検索する「Pathee」が1.3億円調達

5月にリリース予定のiPhoneアプリ

徒歩5分圏内の場所を検索できるサービス「Pathee(パシー)」を運営するtritrue(トライトゥルー)は4月30日、オプトと大和PIパートナーズを引受先とする1億3000万円の第三者割当増資を実施した。Patheeは屋外でスマートフォンを使って検索する利用シーンに特化したサービス。現在はブラウザーからの利用のみに対応しているが、5月中にiPhoneアプリをリリースする予定。

tritrue代表取締役CEOの寺田真介は、屋外で検索サービスを利用すると、「検索結果が多すぎる」「検索結果が同一の内容ばかりである」「場所に関係ない検索結果が出てくる」という3つの理由で答えが見つかりにくいと指摘する。「例えば、近くのラーメン屋を探そうと思ってスマホと調べるとWikipediaやレシピがヒットしたりする。Googleの検索結果から場所に関係ないページを除けば便利なんじゃないか、という発想からPatheeを開発した」。

Patheeが真価を発揮するのは「土地勘のない場所」だという。ウェブページの情報と位置情報を紐付けて整理しているため、近くの喫煙所や授乳室を探すといったニーズに答えられるという主張だ。

例えば、屋外で急な便意に襲われた際、「トイレ」と検索すると徒歩5分以内の場所から探すことができ、検索結果をタップするとGoogleマップで道順を案内してくれる。同じようなことはGoogleマップでも事足りるようにも思えるが、Patheeではデパートやパチンコ屋など、誰でも利用可能なトイレがある施設のウェブページを検索結果に表示するのが特徴という。この点、Google Mapsでは公共のトイレしか表示されなかったりするそうで、将来的には「屋外のGoogle検索」のようなポジションを目指す。

収益面では、今回出資を受けたオプトの協力を得て、位置情報に基づく検索クエリの解析によって最適化した広告サービス「Patheeアドプレイス」や、エリアマーケティングに活用できるサービス「Patheeロケーショントレンド」を2015年までに提供する。また、詳細は明かされなかったが、住所が記載されていないウェブページにも住所を付加する技術を開発していて、近日中に特許申請する予定なのだという。


2013年のRovio(Angry Birds)、売り上げは横ばいで利益は半分ほどに減少

Angry Birdsで有名なRovioにとって、2013年はやや停滞気味の年となってしまったようだ。社員を大幅に増強して臨んだ年ではあったが、利益が半分ほどとなってしまった。

ヘルシンキに本拠をおくRovioの、昨年の売り上げは2億1590万ドル程度だった。これは2012年の2億1060万ドルをわずかに上回る数字となっている。

しかし従業員数は500名から800名へと増やしており、純利益でみると7680万ドルから3730万ドルへと、半分ほどに縮小してしまっている。ちなみにRovioは非公開企業であるのだが、フィンランドの法律により毎年の収支報告を行う必要がある。

RovioはJami Laesが新たにゲーム部門のエグゼクティブ・バイスプレジデント(EVP)となるなど、組織的な変革も行いつつあるところだ。LaesはDigital ChocolateやEAなど経験を積んできた人物だ。以前のゲーム部門EVPであったPetri JarvilehtoはRovioを去り、やはり元Rovioで戦略的パートナーシップ部門を率いていたAndrew Stalbowと、Seriouslyを創業している。

ところでRovioは、他企業のようにfree-to-playモデルによる収益構造の確立には、さほど熱心でないように見える。関連グッズやライセンス販売の方に力を入れているようなのだ。

同じくヘルシンキ発のSupercellはfree-to-playモデルの中で収益構造を確立し、昨年の年間売上高が8億9200万に達している。

こうした状況を見て、Rovioもfree-to-playの収益化をはかる必要があると考える人は多い。しかし一方で、グッズ販売などを行うことにより、作品がヒットするかどうかというギャンブル的な面のあるゲーム企業に、ある程度の安定性をもたらしていると評価することもできるだろう。昨年の状況をみると、消費者グッズの売り上げが、全体の47%を占めるまでになっている。誕生時からは考えられないほどに大きく成長したHello Kittyやミッキーマウスなどの例もあり、グッズ開発やライセンス販売には確かに大きな魅力があるのも否めないところだ。

また、Rovioはアニメーションスタジオを買収し、長編アニメも製作中だ。こちらの方は2016年半ばにもリリースされる予定なのだとのこと。またYouTubeで短編作品を公開するアニメーションスタジオも買収している。さらにサードパーティーアプリケーションをプロモートするためのプログラムも作っているし、またAngry Birdsテーマパークをヨーロッパや中国に設置してもいる。

Rovio曰く、これからfree-to-playの収益化についても積極的に進めていきたいとのこと。仮想アイテムや仮想通貨などの販売も行っていきたいとのこと。これまでにはAngry Birds Star Wars IIやAngry Birds Go!などでは行っていたわけで、積極的展開することで新たな収益チャネルを構築することに繋がる可能性もあるだろう。

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(翻訳:Maeda, H


Twitterのプロフィールページ変更で思う、「自己表現」可能性のこれから

現実世界の時の流れというのは、もちろん過去から未来へと遷移していくものだ。つまり今ここに存在する自分というのが「最新」の自分であるということになる。ソーシャルネットワークも、そうした発想でプロフィールページを構成していた。しかし、最近になってTwitterでも特定のツイートを固定してフィードのトップに表示することができるようになった。これにより、自分のことをより的確に伝えることができるようになるかもしれない。よりトータルな視点から自分を伝えるための一歩であると評価することができるだろう。

誰かに会ったときはたいてい「how are you?」と話しかける。疑問を投げかけているわけではあるが、この質問に対する回答で相手のことを深く理解できるというようなことはほとんどない。「fine」と応じられるケースがほとんどだし、あるいはちょっとした調子の善し悪しに言及する程度のことが多い。「一番新しい言葉」が相互理解に繋がらないことが多いのはこの例からもよくわかるところだが、しかしこれまではFacebook、Twitter、あるいはGoogleなどもみな、同じような「伝わらなさ」を仕組みとして採用していたのだ。

もちろん、より深く知りたいのなら写真アルバムを見たりして、より多くの情報を集めることはできる。しかし「いったいどういう人なのか」とか「何をしているのか」ということは、すぐに知りたいものなのだ。ひと目みてわからないような場合、追加で手間を払おうとすることはほとんどないと言ってよい。また、写真やお気に入り、あるいはどういう人をフォローしているのかを眺めてみても、これまた時系列的理解の制限にしばられることになるのだ。運が悪ければ重要な情報が何も得られないということもあり得る。

これまでのプロフィールページの仕組みは、直近の3秒間だけの記憶(参考:Goldfish Memory)で自分を評価させるというようなやり方だったのだ。

街で偶然に人と出会うという状況とは違うのだから、ソーシャルネットワークにて「How are you? / I’m fine」方式を踏襲する必要はないのだ。部屋のインテリアを整えて、そして人を招待するような形式にすれば良いのだと思う。マントルピースに「最新の3枚」の写真を飾っている人は少ないだろう。たいていの人は一番のお気に入りを飾っておくものだ。もっとも大事な人やものなどが写っていることだろう。たくさんの本やCDを持っている人も多いかもしれない。そういう人も、たいていは好きな作品が目立つところにくるように配置しているものだろう。

選択することにより、私たちは自分の経験したことのうち、ぜひ人に伝えたいと思うことを共有することができるようになる。そうしたことこそ、インターネット上での友だちを見つけるのに有効な手段となるのだ。世界中には億の単位で趣味を語り合ったり、友だちになったり、あるいは情報を伝え合う関係になり得る人が存在している。ソーシャルネットワークは、そうした人々を繋ぐのに役立つツールとなるべきなのだ。

Twitterの新しいプロフィールページは、「正しい方向」に進化するものとして評価すべきものかと思う。プロフィールページに固定ツイートを表示できるようになったことにより、「新しい発言」ではなく、本当に興味を持っているものはなんなのかをツイートや写真、ないしリンクで示すことができるようになったのだ。「こちらはこういう人間です。興味があればフォローしてください」ということを示しやすくなる。

また、フォントサイズでも特徴を示すことができるようにしているようだ。反響の大きいツイートについては、少し大きめなフォントで表示されるようになっている。すなわち面白い発言が見つけてもらいやすくなっているわけだ。プロフィールのキュレーションをクラウドに委ねている状況だと言うことができようか。

自分が何物であるかを示しやすくなるとともに、こうした機能はある人をフォローすべきかどうかを判断する際にも役立つ。直近のツイートだけ見ても、その人が果たして興味深い人なのかどうなのか、判断できないことがある。これからはピン止めしているツイートをみて、ある程度の判断ができるようになるわけだ。

Facebookを見てみると、こちらではどういった投稿を誰に表示するかといったオプションをいろいろと用意している。但しこれはあくまでも、時系列のポストをどういった範囲で公開するかということを設定できるに過ぎない。「ページ」ではさまざまな機能が提供されているが、一般の利用者がこれを充分に活用することはできずにいる。「友達」、「いいね」、「音楽」、「ゲーム」、「本」、「イベント」、あるいは「ノート」など、プロフィール画面中に表示するいろいろなセクションが用意されてもいる。しかしこれらは少々わかりにくいところに表示されている。また管理の方法も面倒で、ほとんどの人が手付かずで放置している現状だ。

また、タイムラインへの投稿をどのように表示するべきかというのは、Facebookがずっと気をもんできた部分でもある。アルバム内の写真を大きく表示するかという選択ができるようにしたり、あるいは「いいね」のカスタマイズ表示もできるようになったり、あるいはそうした機能が使えなくなったりということを繰り返してきている。Google+の方は、オプションの選択が面倒すぎるのか、カスタマイズ機能については無視を決めこんだ格好だ。

ベストな形式というのがあるのだろうか。人気の投稿や写真を目立つように表示するのは、投稿者をわかりやすく表現するひとつの方法かもしれない。また表示形式を自由に作成できるセクションなどを追加するのも面白いのではないだろうか。たとえばPinterest風のレイアウトを使って、ひとめでわかるような自己表現はかなりわかりやすくて便利だと思うのだ。

多くのソーシャルネットワークが時系列による表示方法を採用していたことも理解はできる。共有範囲が狭く、また投稿数も少ないうちは、時系列による方式が確かに機能するのだ。しかしTwitterは8歳となり、Facebookも10歳になった。「最新」情報に拘らない表現の形式が生まれてくるタイミングだと思う。

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(翻訳:Maeda, H


Facebookメッセンジャーがアップデート―自撮り写真が速攻で送れる

われわれはプライベートなコミュニケーションでも写真やビデオを使うのが好きだ。Snapchatがいい証拠だ。そこでFacebookはメッセンジャー・アプリにビデオ共有機能を追加し、カメラへのアクセスも素早くできるようにした。今日(米国時間4/28)、iOS版のアップデートが公開されたが、今週中にはAndroid版もリリースされる。

新しいメッセンジャー入力画面にはテキストだけでなく、カメラ、写真ギャラリー、ステッカー〔スタンプ〕、音声メッセージ録音のためのアイコンが並んでおり、ワンタッチでそれぞれの機能が利用できる。

Facebookではステッカーをバイラルに拡散させようとしており、誰かが送ってきたステッカーが気に入った場合はそれを長押しするとそのステッカーが属するパック全体をダウンロードすることができる。またメイン画面に常に検索バーとキーボードが表示されるのでチャットの相手を探すのが楽になった(「友達」画面では下にスワイプすると検索モードになる)。

これまでFacebook Messengerで添付できるのは写真だけで、ビデオは送れなかった。今回のアップデートでビデオの添付ができるようになったが、アプリ内での録画はまだサポートされていない。〔写真ギャラリーを開いてそこに保存された動画を選択する。長押しすると送信前にプレビューできる〕。

最近WhatsAppが発表したところによると、毎日1億本のビデオがやりとりされているという。このこともFacebookがメッセンジャー機能の強化を急いだ理由のひとつだろう。

アプリ内から即座に自撮り写真が送れる新しいシステムは親密感を高める効果が大きい。メッセージ作成画面の下部のカメラ・アイコンをタップすると、画面の半分がフロント・カメラのモニタに変わる。ここで「送信」をタップすれば即座に自撮り写真が相手に送られる〔リアカメラに切り替えることもできる〕。写真を撮ってから送る相手を選ばなければならないSnapchatよりこちらの方がずっと素早い。

新バージョンで下部にアイコンが追加されたため、テキスト入力スペースが多少犠牲になったものの、マルチメディアが速攻で使えるようになったのは大きい。Facebookの2億人のMessengerユーザーは今までよりも活発にコミュニケーションすることになりそうだ。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+