アップルが中国の国営メディアに批判されたクラウドソーシング地図アプリをApp Storeから削除

【抄訳】
Apple(アップル)がHKmapをApp Storeに載せて中国の国営メディアに批判されてからまだ1日も経たないが、同社はそのクラウドソースで作られた地図アプリを削除した。そのアプリの配信を拒否するという最初の決定をアップルがひるがえしてから1週間足らずで、今度は削除を決めた。その地図は、民主化運動のデモをしている人たちや、道路閉鎖、警官の行動などの場所を示していた。なお、HKmapのウェブサイトは健在だ。

アップルがHKmapをApp Storeで許可すると、中国共産党がオーナーである新聞China Dailyの記事が同社を批判。そのアプリは「暴徒が暴力行為に赴くことを可能にした」と述べ、さらに「企業は政治に介入すべきでない。アップルはその無分別で無責任な決定を反省すべきだ」と言った。

中国政府は抗議に参加している人たちを暴力的と呼び、ソーシャルメディア上で組織的なキャンペーンを展開しているが、アムネスティインターナショナルのような人権団体は、抗議者たちに対する警官の暴行の複数の事例を記録している。

HKmapの作者は、アップルがこのアプリを警察と住民を危険にさらすと主張しているが「その説には同意しない」とツイートした。

HKmap.live 領域のリアルタイム地図 HKmapアプリが香港の警察と住民を危険にさらしているというAppleと香港警察の主張には同意しない。

アップルはTechCrunch宛ての声明で「香港の警察と住民を危険にさらしていることがアプリを削除した理由だ」と明言した。

その声明には「App Storeはアプリを見つけるための安全で信頼に足る場所である。私たちが知ったことによると、HKmap.liveアプリは香港の警察と住民を危険にさらすようなやり方で使われてきた。香港の多くの心配している顧客がこのアプリに関して私たちにコンタクトしてきたので、私たちは早急にその調査を始めた。そのアプリは警官の所在を表示し、私たちに対するHong Kong Cybersecurity and Technology Crime Bureau(CSTCB, 香港サイバーセキュリティ・テクノロジー犯罪局)からの立証によると、アプリは警官を狙って待ち伏せ攻撃するために利用されており、警官の安全を脅かし、また犯罪者たちがそれを利用して警察がいない場所を知り、それらの地区の住民を犯罪の被害者にしている。このアプリは私たちのガイドラインと当地の法律に違反しているのでApp Storeから削除した」。

アプリのデベロッパーはこの理由付けを疑問視している。彼らは、「香港のCSTCBのHKmapアプリが、警官に対する待ち伏せ攻撃や警官の安全性の毀損のために使われ、犯罪者が警官のいない場所を知って犯行に利用しているという説には証拠がまったくない」と主張し、「Wazeなどそのほかのアプリにもクラウドソースの情報や投稿があり、通勤者が交通カメラや警官を避けるためなどに利用しているが、それらのアプリは今でもApp Storeにある」とコメントしている。

【中略】

これは民主派の人々を心配させ、同社の3つ目に大きい市場である中国の政府を慰撫するためと思われるアップルのいくつかの決定の最新版だ。2年前に同社は、中国のApp StoreからVPNアプリを削除し、そして先週は香港のiOSキーボードから台湾の旗の絵文字を削除した。また香港のApp Storeからは、ニュースサイトであるQuartzのアプリを削除した。噂では同サイトが香港の抗議活動を報じているからだそうだ。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Pinterestが新興マーケット向けにライトバージョンをリリース

新興マーケットユーザーの需要に合わせてモバイルアプリのライトバージョンを投入する動きが広がる中、Pinterestもその流れに乗る。米国時間10月7日にリリースしたPinterest Liteでは、ユーザーはこれまでよりも早くアプリをダウンロードでき、またアプリは従来よりモバイル端末のストレージを使わないとしている。

Pinterestは以前はGoogle PlayでPinterest Liteアプリを展開していたが、App Annieからのデータによると、このアプリは1年前に削除された。

「新しいPinterestのLiteアプリは実際にはPinterestのProgressive Web App(PWA)で、Google Playユーザーがダウンロードできていたものだ」とPinterestはTechCrunchに説明した。

Pinterestのエンジニアブログに昨年あった投稿によると、これはしばらくの間水面下で進行していたプロジュクトだ。投稿で、同社はモバイルでのウェブ体験がひどいもので、アップデートする必要があることを認めていた。

2017年7月、PinterestはモバイルウェブアプリをPWAとして一から書き直すためのチームを編成した。これにより「バンド幅の小さい環境にいる人や、限られたデータプランの人により良い使用体験を提供する」と話した。

Pinterest Liteモバイルアプリは今日から、Androidユーザー向けにペルー、アルゼンチン、コロンビア、チリ、メキシコで提供される。アプリのサイズはわずか1.4MB。デバイスによって異なるが、通常のPinterestアプリのサイズはAndroid端末で1.4MBをはるかに超える。比較のために言うと、iOS用は143.1MBだ。

アプリのリリースにあたり、同社にコメントを求めたところ「人々がどこにいようとも、自分の興味につながるようなインスピレーションを得られるよう、世界中の人がPinterestを利用できるようにすることが目標だ」とPinterestの広報は語った。

そしていまPinterestは、フラッグシップアプリのライトバージョンを提供する数ある主要サービスの1つとなった。

Googleは、Google GoやGmail Go、Files Go、YouTube Go、Google Maps Go、そしてGoogle Assistant Goなど一連のGoブランドアプリ軽量版を展開している。そして他社のものをいくつか挙げると、Facebook LiteInstagram LiteMessenger LiteTwitter LiteUber LiteSpotify LiteTikTok LiteSkype LiteLINE Liteなどがある。Tinderもまた今年初め、インドマーケットに対応するためにTinder Lite appを開発中だと話し、この夏にひっそりとリリースした。

ライト版アプリの提供は、新興マーケットで競争を展開する上で最近では不可欠なものになっている。

特にPinterestはマーケット拡大に取り組んでいる。先日、Pinterestは第2四半期の国際マーケットの売上高は199%増の2400万ドル(約26億円)だったと発表した。月間ユーザーはトータルで3億人で、そのうち国際マーケットのユーザーは38%増の2億1500万人だった。しかしながら、Pinterestの売上高の大半は米国マーケットによるもので、第2四半期の売上高2億6100万ドル(約280億円)のうち、1億5300万ドル(約164億円)が米国マーケットのものだった。

画像クレジット:Pinterest

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(翻訳:Mizoguchi)

SuseのOpenStackクラウドが終了へ

Suse Linuxディストリビューションをその名の由来とし、ますます多くのマネージドエンタープライズサービスを提供し、最近新しく独立オープンソース企業に戻ったSuse(スーゼ)は、企業向け開発者スペースにおける変化のトレンドの先端にとどまるために米国時間10月9日、ちょっとした新しい戦略を発表した。

過去数年間にわたって、SuseはOpenStackプラットフォームに重点を置いていた。OpenStackプラットフォームは、大企業が自身のデータセンターの中に、AWSやAzureなどのパブリッククラウドのコアサービスに似たものを構築できるようにするための、オープンソースプロジェクトだ。今回の新しい戦略によって、SuseはOpenStackから離れていくことになる。同社はOpenStack Cloudの新しいバージョンの開発と、既存のOpenStack製品の販売の両方を中止する。

「Suseは、世界最大の独立系オープンソース企業として、成長と進化の次の段階に着手するために、私たちの戦略を現在ならびに将来の企業ユーザーの皆さまのニーズに合わせることによって成長していきます。企業ユーザーの皆さまは、ますます動的でハイブリッドなマルチクラウドアプリケーション環境とDevOpsプロセスに移行しようとしています」と同社は声明の中で述べている。「私たちはお客さまが、エッジからクラウドに至る、あらゆるコンピューティング環境を受け入れていくプロセスを助ける、こうした戦略を進めて行く上で、理想的なポジションにいるのです」。

Suseが今後注力するのは、よりアプリケーションデリバリーを強化するためのCloud Application Platform(オープンソースのCloud Foundryプラットフォームに基づくもの)とKubernetesベースのコンテナプラットフォームである。

もしこのセグメントでの売上が成長を続けるようなら、SuseはOpenStackサービスを停止しない可能性もある。OpenStackに関する過剰な宣伝は近年鳴りを潜めたとはいえ、それはいまだに世界でもっともアクティブなオープンソースプロジェクトであり、世界最大規模の企業(通信大手も含まれる)の実運用環境を支えている。OpenStackプロジェクトが、すべてのマインドシェアがコンテナ、特にKubernetesに移行してしまった世界で、自分の立ち位置を見出すためには、数年の時間が必要だった。とはいえ、同時にコンテナは、OpenStackの新しいチャンスを生み出している。なぜなら、これらのコンテナとインフラストラクチャの残りの部分を管理する何らかの方法がまだ必要だからだ。

プロジェクトの舵取りを行う、包括組織のOpenStack Foundationは楽観的だ。

「OpenStackディストリビューションの市場は、Linuxや他の大規模なオープンソースプロジェクトがそうだったように、高度なサポートを提供する、よく慣れたコアグループによって支えられています」と声明の中で語るのはOpenStack FoundationのCOOのMark Collier(マーク・コリアー)氏だ。「すべての企業は戦略的な優先順位を随時調整しています。そしてプライベートクラウドへのコンテナーやVM、そしてベアメタルなどのオープンソースインフラストラクチャ製品の提供に、引き続き注力しているディストリビューションプロバイダーにとって、OpenStackは市場をリードする選択肢なのです」。

コリアー氏によれば、分析会社451 Researchは、KubernetesとOpenStackを合わせた市場規模が約110億ドル(約1兆1800億円)あると考えていて、そのうち77億ドル(約8260億円)はOpenStackに集中していると指摘しているという。「オープンソースクラウド市場全体が、各自8桁(1000万ドル、約10億7000万円)以上の収益に向けて前進を続けていて、そのほとんどがOpenStack製品とサービスに集中していますので、ディストリビューション同士の自然な統合が採択に影響を与えないことは明らかです」と同氏は主張する。

Suseにとっては、OpenStack製品は終わりを迎える。ただし現時点では、同社は引き続きOpenStack Foundationのトップレベルのプラチナスポンサーであり、SuseのAlan Clark(アラン・クラーク)氏はFoundationの役員を務めている。SuseはOpenStackブランドのその他のプロジェクトのいくつかに関与しているため、同社はスポンサーであり続ける可能性が高いが、おそらくトップレベルのスポンサーを続けることはないだろう。

関連記事:SUSEがエンタープライズサービス好調で再び独立企業に

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(翻訳:sako)

カップルの絆を強めるアプリ「LifeCouple」

米国では年間で約80万組のカップルが離婚している。この状況に「約34秒に1組のカップルが離婚している」と警鐘を鳴らし、カップルが生涯「良好な関係」を維持できるようサポートするアプリが「LifeCouple」だ。10月3日、TechCrunch Disruptで開催されたピッチバトルのStartup Battlefieldにて同アプリのパブリックβ版の提供開始が発表された。現時点では日本のAppStoreでは提供されていない。別れることが互いにとって最善となるカップルもいる。だが、LifeCoupleは無意味で些細な争いや、そこから発展する破局を必要な限り防ぎたいと考えている。

LifeCoupleは、カップルの間に生じている問題を特定し改善するアプリだ。信用、会話、対立、親密度などを短いアンケートを繰り返すことで計測し、改善ができる場合、アラートが飛ぶ。カップルはお互いに、アプリが提供するアクティビティーを行うことで関係を良くしていく。気まずいが話し合いが必要な際に使うアイスブレイクもアプリが提案してくれる。デジタルギフトを贈ることやデートの予定を立てることも可能だ。

近年、マッチングアプリにより多くのカップルが誕生してきた。そしてカップルたちが離れ離れにならないよう開発された、マッチングアプリのようなデジタルソリューションがLifeCoupleだと、同社の創業者Sean Rones氏は言う。「LifeCoupleは心のためのFitbitだ。セラピーと置き換えることはできないが、セラピストたちの役にも立つツールになり得ると考えている」(Rones氏)。

Rones氏は競合としてTalk SpaceやLasting、Relishなどのセラピーやコーチングを提供するサービスの名を挙げたが、LifeCoupleは唯一「カップルの絆の深さを計測しモニターする」と説明。LifeCoupleの正式ローンチは2020年1月を予定。現在は無料で利用できるが、今後は月額制へとシフトする。同社はシードラウンドで約58万ドル(約6200万円)を調達済みだ。

Twitterがターゲット広告に2段階認証の電話番号とメールアドレスが使われていたと認める

Twitter(ツイッター)は不注意にユーザーが提供した電話番号やメールアドレスを使用し、ターゲット広告を配信していた可能性があると発表した。

米国時間10月8日の発表によれば、Twitterは影響を受けたユーザーの数を把握していない。

この問題は、電話番号やメールアドレスなどの企業がマーケティングリストにもとづいて広告を展開できる、Twitterのオーディエンスプログラムに端を発している。しかし同社は、広告主がマーケティングリストをアップロードすると、Twitterユーザーがアカウントの2段階認証のために設定した電話番号やメールアドレスと一致することを発見した。

この問題は9月17日に解決されたと発表されている。

昨年Facebook(フェイスブック)が、セキュリティのためにユーザーが提出した電話番号とメールアドレスをターゲット広告に使っていたことが発覚したのとTwitterは同じ状況にある。

この問題に関してTwitterは、広告ターゲティングの設定は「誤りだった」と述べ、謝罪した。

これは、今年Twitterに発覚した最新のセキュリティー関連の問題だ。同社は昨年パスワードをプレーンテキストで保存していたこと、2年間も電話番号の漏洩バグを放置していたこと、5月には位置情報データが漏洩していたことを認めている。

今年8月には、Twitterの最高経営責任者のJack Dorsey(ジャック・ドーシー)氏のアカウントがハッキングされている。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

TikTokが政治的な広告の禁止について説明

北京を拠点とするビデオアプリのTikTokは、香港の抗議行動やLGBTを支持するコンテンツといったトピックを検閲して中国の外交政策を推進していると非難を受けている。そうした中、同社はアプリ上での政治的な広告を禁止し、Facebook、Twitter、Instagramなど米国のソーシャルメディアのプラットフォームからさらに距離を置くことになった。

米国時間10月3日、同社はTikTok上での政治的な広告を、このアプリが提供しようとしている体験にそぐわないものとして禁止すると発表した。

TikTokグローバルビジネスソリューション担当バイスプレジデントのBlake Chandlee(ブレイク・チャンドリー)氏は「コミュニティに対して表示される有料の広告はすべて我々のプラットフォームの基準に合致するものでなくてはならない。有料の政治広告はその性質上、TikTokプラットフォームの体験にふさわしくないと考えている」と述べた。同氏は最近、FacebookからTikTokに加わった

同氏は「このため、中央政府や州、自治体の、候補者、現在の指導者、政党や政治団体、政治問題に関する支援や反対の有料広告を禁止する。これには選挙関連の広告、アドボカシー広告、意見広告が含まれる」と述べた。

同社はさらに、TikTokは創造性を発揮する場であり、創造力を刺激するような「ポジティブで楽しい環境」を作っていきたいと説明している。

面白いフィルタやエフェクトなどの製品、そしてブランドとの提携関係を通じて、同社はこのような目標に向けて進んでいくものと思われる。

現在、TikTokは、フィード内ビデオ広告や起動画面広告、スポンサー付きハッシュタグチャレンジのようなネイティブ広告など、さまざまな広告の場を提供している。さらに最近では、TikTokクリエイターマーケットプレイスのベータ版を公開した。これはTikTokのクリエイターとブランドをつないでブランドのマーケティングキャンペーンに役立てようとするものだ。

チャンドリー氏はこう補足する。「ただしトータルで見れば、我々が最も重視しているのはコミュニティにとって楽しい本物の体験を作り出すことだ。ブランドに価値を提供する方法を探ってはいるが、我々はユーザーがTikTokのプラットフォームを特別なものとして気に入ってくれている理由に常に忠実であり続ける。それは、このアプリが楽しく常識にとらわれない感じがして、ずっと見ていたくなるということだ」。

政治広告はこの方針には合わないと、同社は考えている。政治的な広告を取り入れることには、Facebookが直面したように大きな困難が伴う。

例えば、政治広告の広告主を確認するシステムを作る必要があった。確認には住所、電話番号、業務用のメールアドレスとそれに対応するウェブサイト、納税者番号、米国連邦選挙管理委員会のID番号といった身元情報が必要だ。透明性を確保するために政治広告のデータベースも作って公開し、検索できるようにした。

中国系企業であるTikTokにはこのような運営をするためのリソースがないだろう。VICEが報じたように、昨年、同社はアプリ上のヘイトスピーチに対して断固とした措置をとっていなかったようだ。

TikTokでの政治広告の禁止は新たに開始されたことではない。これまでのポリシーの強化といえるものだが、TikTokはこれまで明言してこなかった。

同社はTechCrunchに対し、特にこのプラットフォームがマーケティングに活用される機会が増えていることから、広告の透明性を確保するためにポリシーを積極的に運用していくことにしたと述べている。

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(翻訳:Kaori Koyama)

オーディオブック配信「audiobook.jp」会員が100万人を突破、ユーザー急増のワケは“サブスク”そして“コンテンツの質と量”

オーディオブックの配信サービス「audiobook.jp」を展開するオトバンクは10月8日、同サービスの会員数が100万人を突破したことを発表した。スマホが国内で普及していなかった2007年にサービスを開始した同社。2018年12月に60万人を突破した会員数はそれからわずか9ヵ月で100万人を超えた。2018年3月にサブスクを開始したこと、そして制作ラインの強化や配信ジャンルの拡充が近年におけるユーザー数の急増に繋がったとオトバンク代表取締役社長の久保田裕也氏は言う。同社は4月、企業向けのオーディオブック「audiobook CAMP」もローンチしている。

「2018年から月額750円の聴き放題をスタートした。初回は30日無料、ザッピングして色々な作品に触れられるような設計にしたことが、『オーディオブックのは気になるけどハードルが高い』という潜在ユーザーへの訴求に繋がっているようだ。 そして次は制作力。スマホが普及する前の2007年からサービスを開始、オーディオブックの制作インフラ開発を手掛けてきており、複数のスタジオも構え、オーディオブックをずっと作り続けてきた制作陣も社員として所属している。良質なクオリティで大量にオーディオブックを制作するラインを開発し続け、現在は毎月500タイトル以上の作品が配信され、累計では2万7000点を配信している。また、音や本関連で親和性の高いコラボレーションを定期的に続けてきたことも、ユーザー獲得に繋がった。コナミスポーツクラブや、高速バスの『WILLER EXPRESS』などと連携させていただいている。色々な場とコラボしてオーディオブックを試していただく機会を作っているが、一度聞いていただければ継続してユーザーになってくださる可能性が高いということも実感している」(久保田氏)。

会員数100万人突破の発表に合わせ、オトバンクは「オーディオブック白書」も併せて公開している。この白書によれば、移動中に、そして朝の通勤時間帯にオーディオブックを利用しているユーザーが多いようだ。同調査はaudiobook.jpの会員を対象にしたオンライン調査。サンプル数は1358名。

最近では、オトバンクは8月にポッドキャストの配信を本格的に開始した。このポッドキャストには配信者のマネタイズを支援する課金システムが導入されている。久保田氏いわく「聴き放題内のランキングでもポッドキャスト番組がベスト10に入ることが増えてきている」そうだ。「よりスピーディーに配信対応できるよう、配信インフラの整備を社内のエンジニアチームが頑張って進めている。準備が間もなくできるので、より多くの番組が配信されていく」(久保田氏)。

会員数100万人を突破したaudiobook.jp。だが、「耳から情報をインプットする」ことの普及は海外に比べて「まだまだこれからだ」と久保田氏は話す。「海外では20年以上も前からオーディオブックやその他の音声コンテンツの普及が始まっていた。しかし、日本では現在も音声コンテンツを増やしている初期段階のような状態に近いと思う。 また、『聴く』という行為がまだ浸透していないと感じている。より一層『聴く』のハードルを下げるにはどうしていけばいいのか、現在。事業サイドでも検討を続けている」(久保田氏)。

オトバンクは今後、今以上にコンテンツを拡充していくため制作ラインを強化し、「本を耳で聴く」というライフスタイルをより一層広げるべく、アプリの機能開発を進めていく。そして、生活のシーンに合わせて「聴くコンテンツが選べるような状態」を構築すべく、「これまでと変わらず、本を音声化したオーディオブックは引き続き増やしていくほか、もう少しライトに聞き流ししても楽しめるような短尺コンテンツも増やしていきたい」(久保田氏)。

Instagramがストーカー用ツールと言われる「フォロー中」タブを廃止

Instagramは「フォロー中」タブを廃止する。会社が意図した誰かを発見するためのツールではなく、ストーキング用ツールとして知られている機能だ。米国時間10月7日にInstagramは、人物や場所やハッシュタグを新たに見つける場所は「発見」タブだと語った。ちなみに「フォロー中」タブを定期的に使っていたユーザーは多くなかった。

こうした要素が合わさって、今回の廃止に至ったとTechCrunchは理解している。

しかし、Instagramユーザーがフォロー中タブを無視していたのは役に立たないからだけではない。多くの人がこの機能を忘れていたり、そもそも存在を知らなかった。このタブのおかげでユーザーの違法あるいはプライベートな行動が露見した例は多い。

このタブは、我々のオンライン生活を裸にすることでかなり悪評を買っていた。「小さな浮気」を見つける場所になることもよくある。例えば、付き合っている相手が他人の投稿にやたらといいね!していたり、元カレ元カノのコンテンツを見ていたり、「予備のお相手」と頻繁に会っているのがバレてしまうこともある。

iOS Before Following誰かがInstagramを使う主な理由が「IGモデル」(Instagram上だけのモデル)にいいね!やフォローすることだと簡単にわかってしまうこともある。多くの人が追跡されたくない種類の行動であり、その人物が親しい友人でなく、同僚や仕事相手だったりするといっそう厄介だ。

このタブは友達関係に悪影響を及ぼすこともある。友達のメッセージに返信しなかったり、「忙しい」と言っている人がInstagramでやたらにアクティブだったり、明らかに嘘をついているようなときだ。

ゴシップ記者もこのタブの愛用者で、有名人が誰をフォローしているかを暴露したり、個人的や仕事上の新しい人間関係のヒントを見つけたりする。

全体的に見て、フォロー中タブはストーカーツールとして知られるようになり、純粋な発見システムとしてユーザーに便益を提供していない。

Android After Activity

Instagramがこの変更を発表したのは本日だが、多くのユーザーが以前からこのタブを利用できなくなっていた。去る8月、Redditの大きなスレッドで、フォロー中タブが消えたと訴えるユーザーがいたが、バクだろうという結論だった。

フォロー中タブがなくなったあとは、ハートボタンを押すと「あなた」のアクティビティだけが表示される。

フォロー中タブの廃止は本日にスタートするが、全員に行き渡るには今週いっぱいかかるだろうとInstagramはコメントしている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Huluがようやくダウンロードに対応、ただし広告なしプランユーザーが対象

Huluがようやく同社のストリーミングサービスにダウンロード機能を搭載する。NetflixAmazon Prime Videoは同様のサービスを数年前に導入している。Huluは、広告が入るダウンロード手法を開発し、オフライン視聴をすぐにサポートすると1年以上前に約束していた。しかし今日発表されたダウンロード機能の提供は「広告なしプラン」を利用しているiOSユーザーに限定されるとのことだ。

Huluにコメントを求めた際、この機能が「広告あり」バージョンでいつになったら使えるようになるのか、あるいは棚上げされるのか、明確なタイムラインは示さなかった。インターフェースのアップデートやライブのガイド改良などを含むモバイルアップデートに今夏は注力した、と述べるにとどまった。

オフライン視聴機能立ち上げにあたっては、The Handmaid’s TaleShrill and The Act、そしてFamily GuyDesperate HousewivesThis is UsHow I Met Your MotherERといったシリーズものなどのHuluオリジナルを含む、何千ものテレビ番組や映画が提供される。実際のところ、Huluのコンテンツ契約ではすでにダウンロードが認められているので、Huluで利用できるコンテンツのほとんどがオフライン視聴の対象となる。

ただし、いくつかのテレビ番組コンテンツでは過去のものだけがダウンロード対象となる。

コンテンツにアクセスできるよう、Huluはスクリーン下に新しくダウンロードタブを設ける。または、「ダウンロードできるものをみる」をクリックすることでダウンロードする番組や映画をブラウズできる、とHuluは説明している。

ユーザーはまた、特定のコンテンツのタイトルを入力してオフライン視聴が可能かどうか検索できる。もしオフライン視聴できるなら、タイトルの詳細ページにダウンロードアイコンが表示される。

ユーザーは5つのデバイスで計25のコンテンツをダウンロードでき、ダウンロードコンテンツの視聴期間は最長30日だ。そして一旦再生を開始したら2日間のみ有効となる。もしそれまでに見終わらなかったら、オンライン状態で期限切れとなったコンテンツを更新する必要がある。

この機能は当面iOSユーザー向けで、Android向けは間もなくとのことだ。

オフライン視聴のサポートがかなり遅かったことを、Huluは認識している。

現代の消費者は、飛行機や地下鉄で移動しているときでも、コンテンツがダウンロードでき、広告なしで、そしてインターネット接続なしでテレビ番組や映画がみられることを期待している。

Amazon Prime Videoでは2015年にダウンロード機能が導入され、その翌年Netflix続いた。ストリーミングマーケットにおいて中小のサービスすらもダウンロード機能を展開していて、CBS All Accessは昨年Showtimeは一昨年導入している。

Huluは最近までこのダウンロード機能についてほとんど触れもしなかった。2018年のアップフロント(番組紹介)で、HuluCEORandy Freer氏は広告者に対し、ダウンロード機能が“20182019年アップフロントシーズン(20198月までの期間)中に使えるようになる見込み、と話した。Freer氏は、このダウンロード機能でユーザーは広告付きで番組をダウンロードできるようになる、とした。

以来、その機能がなぜまだ利用できないかについては語られることはなかった。

一部の人が指摘した、考えられる理由は昨年あったHulu経営陣の大幅な刷新だ。この刷新では、コンテンツ担当役員やエクスピアリアンス担当SVPなど何人かのエグゼクティブが社を去った。だがこの組織改編にはテクニカルチームは含まれず、大きな影響はなかった。Hulu消費者向けモバイルアプリの刷新バージョンを夏にリリースした。これは新たにダウンロード機能を加えるよりも優先すべきとHuluが判断した結果だ。

そして、Huluは広告付きのダウンロードでテクニカル的に問題を抱えているのかもしれない。そうした広告がうまく作動するようにするには当初想定したよりも時間がかかるのだろう。そして、オンデマンドダウンロードが利用できる限り、そのようなプロダクトが必要かどうか、再考さえしているというのもありえる。

ダウンロード機能は今日からiOSで利用できるが、使えるようにするにはアプリをアップデートする必要がある。そしてもし、まだ11.99ドルする広告なしサービスを利用していなければ、こちらに切り替えなければならない。

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(翻訳:Mizoguchi)

会議のコストを可視化、“短時間で成果の出る時間”に変える「Savetime」

「資料や議事録が見つからない」、「目的や議題が不明瞭」、「時間通りに終わらない」、「結果が共有されない」、「決まったことが行われない」、「安易に会議が増える」。企業に務める多くの従業員は会議に関してこのような課題を感じているのではないだろうか。マキナで代表取締役を務める植川悠氏もその一人だ。パーソル総合研究所のデータによると、無駄な会議による企業の損失は年間15億円。社内会議・打ち合わせの時間はメンバー層で週に3時間を超え、係長級で6時間、部長級になると8.6時間になるという。

会議に関連する課題を解決するため、マキナは10月8日、「会議を成果が生まれる時間に変える」クラウドツールの「Savetime(セーブタイム)」のオープンβ版をリリースした。

Savetimeでは、会議に関わる情報やコミュニケーションを集約、GoogleカレンダーやSlackなどと連携し、ミーティングの生産性を高めていく。アジェンダや担当者の事前の設定、経過時間の見える化、設定した共有範囲に対して会議の結果を簡単に共有、ミーティング中に記入したタスクの一覧表示、などといった機能が特徴的。

中でも注目したいのは、会議に要しているコストを見える化し、出席者や開催時間の削減を促し、コスト削減を実現できるという点だ。時給を設定することで、会議の「コスト感」が一目瞭然となる。それによる「危機感」によって、従業員は率先的に会議を効率化するという機能だ。

マキナいわく、Savetimeを使うことで「会議時間が減り、より生産性が高い活動に時間を使える」、「事前準備と決まったことの明文化で、アウトプット(結果)が増える」、「決まったことを完了まで管理でき、アウトカム(成果)が増える」といったメリットが得られるそうだ。

Savetimeの導入実績にはスタークス、Peatix、レッドビジョンなどの企業が名を連ねる。マキナは12月頃にはSavetimeの正式リリースを予定しているそうだ。類似サービスにはSmartHR子会社SmartMeetingがクローズドβ版を公開している「SmartMeeting」がある。「現状、『会議を改善する』という(ツールの)市場があるわけではない。まずは市場ができることが重要」(植川氏)。

現段階で、Savetimeは「社内会議の効率化」に特化しているが’、「最終的には企業間でのコミュニケーションに対してアプローチしていきたい」(植川氏)。

SpotifyがApple TVに、iOS 13ではSiriもサポート

米国時間10月7日、音楽ストリーミングの大手であるSpotifyのサービスがついにApple TVで使えるようになった。またiOS 13に対応した最新のSpotifyアプリがSiriをサポートしたことも発表された。 音楽を聞くときにSiriの音声コマンドが使える。「Hey Siri, play」の後に楽曲名を付け加え、最後に「on Spotify」と付け加えればいい。

Siriのサポートがテストされていることは今年に入って発見されていたが、一般向けにサポートされる日時についての正式な発表はなかった。

Spotifyによれば、AirPods、CarPlay、HomePodでもSiriはサポートされているという。また最新のSpotifyアプリは、データ帯域幅が問題になる場合に役立つ、iOSのデータセーバーモードにも対応する。

アプリのアップデートは順次行われているのでApple TVでSpotifyが使えるようになるまでいま少し待つ必要があるユーザーもいるかもしれない。

これまでSpotifyでSiriがサポートされていなかったのもSpotifyの責任ではなかった。Siriを使ってアプリに音声コントロール能力を与えるAppleのSiriKititフレームワークがiOS 13でやっとサードパーティに公開されたのだ。これでSpotifyなどの音楽サービスはオーディオ再生や、曲のスキップや移動、トラック情報の取得などの機能を音声で操作できるようになった。

iOS 13になって、まずPandora、Googleマップ、WazeなどがSiriのインテグレーションを行った。 つまり日頃Appleのライバルである企業もSiriのサポートができるようになれば即座に飛びつくということが証明されたわけだ。

もちろんSiriの音声コマンドが使えるのは一般ユーザーにとって便利だし、結局アプリの運営者のビジネスにもメリットがあることになる。SpotifyはこれまでAppleの行動を反トラスト法に違反する疑いのある競争制限的なものとして対立していたが、こうした事情がその主張を軟化させたようだ。

長らくSpotifyはAppleのアプリプラットフォームは反競争的であり、自社アプリやApple Musicのような自社サービスを不当に優先するビジネス慣行を継続させてきたと非難してきた。そうした不満の最たるものがAppleがSiriに自社のアプリ、サービスを優先させていることだった。またApp StoreにおけるAppleの取り分が30%であることもSpotifyの成長を妨げる要因だとしていた。

この3月にSpotifyはEUに対しAppleに対して反トラスト的ビジネス慣行の申立を行っていた。また米議会もAppleに関する反トラスト法調査に関連して情報を提供するようSpotifyに接触しているとReuters(ロイター)が報道している。

iOS 13でSirikitがサードパーティに公開され、Siriが使えるようになってもSpotifyは「これでは十分でない」という立場を維持するだろう。たとえばユーザーがSiriにSpotifyを操作させるためにはいちいち「on Spotify」と付け加える必要がある。ユーザーがいつもSpotifyで音楽を聞いているなら、このサービスを音楽再生のデフォルトに設定できる機能があれば大いに手間が省けるわけだ。またSiriのサポートが行われたのはすべてのiOSではなくiOS 13のデバイスのみだ。

Spotifyは本日、Google Nest Home Max、Sonos Move、Sonos One SL、Samsung Galaxy
Foldに加えて、スマートウオッチではMichael Kors(マイケル・コース)のAccessシリーズ、Wear OSを搭載したDiesel(ディーゼル)やEmporio Armani(エンポリオ・アルマーニ)のサポートも発表している。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

NBAのステフィン・カリー選手が教育プラットフォーム「Guild Education」に出資

全米プロバスケットボールリーグであるNBAのゴールデンステート・ウォリアーズに所属するステフィン・カリー選手は、SC30プレジデントのBryant Barr(ブライアント・バー)氏とともに、Guild Educationに投資すると発表した。DisneyやLowe’sといったFortune 1000企業が社員の教育支援するのを手助けする会社だ。

「我々は当社が(福祉としての教育)と呼んでいるものをほかに先駆けて提供している」とGuild Educationの共同創業者でCEOのRachel Carlson(ラケル・カールソン)氏がTechCrunchに話した。「我々はテクノロジープラットフォームであり、NPOと公立大学のネットワークでもある。これらを融合させることで、社員は会社の支援を受けて学校に戻る機会を得られる」。

Guild Educationはカリー氏が最近発表した非営利団体であるEat. Learn. Play Foundationとも方向が一致しているとカリー氏がTechCrunchに伝えた。

Eat. Learn. Play Foundationを7月にスタートしたばかりなので、タイミングは最高だ」とカリー氏は言う。「これは、私のプロジェクトのlearnの部分を目指し、大学の教育と卒業することの重要性を探究する機会になる。対象は小学校からだ」。

Guild Educationのミッションは大学卒業というカリー氏の個人的目標とも一致している。カリー氏は2009年にNBAにドラフトされる前、デビッドソン大学(ノースカロライナ州)で社会学を学んでいたが修了できなかった。

「両者には共通点がある」とカリー氏は言う。「私は1日も早くこれを実行しなければならない」

残念ながらデビッドソン大学の単位取得方式はGuild Educationとは一致していない。バー氏によると、同大学は単位の移行に厳格な要件があるためだ。

たとえカリー氏がGuld Educationで卒業資格を得られないとしても、この仕組みを利用できる米国人は300万人以上いる。

「この国の学生・生徒は労働力として過小評価されている」とカールソン氏は言う。「米国には大学に行っていない人たちが6400万人いる。我々は、才能が認められずに機会を逃している人たちに道を開く必要があるという信念を共有している。教育を通じてその機会を拡大することができる」。

カリー氏とバー氏は今週のDisrupt SFで私と一緒に登壇してくれた。以外のビデオで確認してほしい。

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人材採用関連サービスのROXXが月額制リファレンスチェック「back check」を正式リリース

人材紹介エージェント支援サービス「agent bank(旧SARDINE)」など、採用関連サービスを提供するROXX(ロックス、旧社名SCOUTER)は10月7日、月額制リファレンスチェックサービス「back check(バックチェック)」に新機能を追加した。今年1月に発表され、3月からベータ版を展開していたback checkはこれまでに累計90社が導入。今回が正式リリースとなる。

back checkは、面接や書類からだけでは見えてこない採用候補者の経歴や実績に関する情報を、候補者の上司や同僚といった一緒に働いた経験のある第三者から取得することができる、リファレンスチェックサービスだ。採用予定の職種やポジションに合わせて数10問の質問を自動生成し、オンライン上で簡単にリファレンスチェックを実施できる。また従来のリファレンスチェックサービスと比較すると10分の1程度の金額(1件あたり1万円以下)でチェックが実施できることから、スタートアップも含め、採用人数やポジションにかかわらず幅広く利用されているという。

本格リリースにあたり、back checkには、候補者の前職における勤怠・対人関係といった基本的信頼性を可視化するスコアリングや、性格診断による職務適性チェックといった新たな機能が導入された。独自のデータ分析により、入社後のパフォーマンスを総合的、客観的に分析・予測することが可能となる。

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本格リリースから先着500社までは、back checkの全機能が無制限で1カ月間使えるキャンペーンも実施される。ROXXでは、2020年末をめどに累計導入企業数1000社を目指すとしている。

Disrupt SF 2019のStartup BattlefieldはRenderが優勝

選抜された20社のスタートアップが2日間の熾烈な戦いを繰り広げ、今年の勝者が決まった。

Startup Battlefieldは競争の激しいピッチコンテストなので、参加を申し込んだ時点ですでにふるいにかけられる。そして選ばれた20社が複数のVCグループとテクノロジー業界のリーダーたちの前でプレゼンテーションを行い、10万ドルの賞金と優勝カップを争った。

審査員たちは何時間も評議し、その後TechCrunchが彼らのメモを集めて検討し、5社に絞り込んだ。決勝に進んだのは、OmniVisOrbit FabRenderStrattyX、そしてTrapticだ。

これら5社のスタートアップが、新しい審査員団の前で決勝のデモを披露した。審査員は、Kleiner PerkinsのMamoon Hamid(マムーン・ハミッド)氏、Sound VenturesのAshton Kutcher(アシュトン・クッチャー)氏、SequoiaのAlfred Lin(アルフレッド・リン)氏、Lumi LabsのMarissa Mayer(マリッサ・メイヤー)氏、Floodgate VenturesのAnn Miura-Ko(アン・ミウラ-コー)氏、そしてTechCrunch編集長のMatthew Panzarino(マシュー・パンツァリーノ)だ。

優勝:Render

Renderは、マネージドクラウドのプラットホームを開発。同社は、AWSやAzure、GCPなど従来のクラウドプロバイダーとは異なるサービスを目指し、特にデプロイの自動化やHerokuを思わせるアプリケーション管理の抽象化などによる、より管理の容易なインフラストラクチャを提供している。

Renderの詳しい記事

準優勝:OmniVis

OmniVisは、コレラなどの病原体の検出を妊娠検査のように迅速かつ簡単、そして安価にチェックできる。スマートフォン上での検査なので、大量の人命を救えると期待されている。

OmniVisの詳しい記事

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ソフトウェア開発チームのパフォーマンスを計るツール「Continuous Insights」

Harness(ハーネス)のCEOで共同創業者であるJyoti Bansal(ジョーティ・バンサル)氏は、ソフトウェア開発チームのパフォーマンスを計るツールがないことに日頃から不満を感じていた。Harnessは継続的デリバリーをサービスとして提供するツール(Continuous Delivery as a Service)だが、同社の最新製品であるContinuous Insightsは、彼のその不満を解消し管理職が自分のチームのパフォーマンスを正しく知るためのツールだ。

バンサル氏によると、以前から測定なくして改善なしという管理のための格言がある。そしてContinuous Insightsは、エンジニアリングの実効性を計る方法だ。彼は 「人々はソフトウェアのデリバリー工程の良否を知りたがるし追跡調査もしている。Continuous Insightsは、そのためのツールだ」と説明する。

彼によると、パフォーマンスのビューが何週間も何カ月ものデータを引っ張り出さなくても得られるツールはこれが初めてだ。「現在のパフォーマンスを知るためのデータはどうやって得るのか。ソフトウェアのデリバリーはどれだけ速いのか。どこにボトルネックがあるのか。これらに関しては現状では十分な可視性がない。Continuous Insightsは、エンジニアリングのチームがソフトウェアのデリバリーのパフォーマンスを明確に測定し追跡することを、カスタマイズ可能なダッシュボードによって極めて容易にした」と彼は主張する。

Harnessは、DevOps Research and Assessment(DORA)が彼らの本であるAccelerate日本語訳)で定義している4つの重要な測度を計る。それらは、デプロイの頻度、リードタイム、平均回復時間、そしてエラーの変化率だ。バンサル氏は「これらの数字の良い組織はイノベーションの能力でもほかより勝っている」と主張する。逆にこれら4つの測度の悪い企業は市場の後尾を走ることになる。

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画像提供: Harness

バンサル氏によると、これら4つの領域の測定は、パフォーマンスを調べる方法であるだけでなく、数値を上げることがチーム間の競争になるとゲームの要素が入ってくる。エンジニアリングがもっともデータドリブンな組織だ。といくら言っても、彼によるとこれまではそのためのツールを欠いていた。彼は、Harnessのユーザーが、やがてこの種の厳格さをエンジニアリングに導入することを期待している。

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Disrupt SF 2019のStartup Battlefieldファイナリスト5社が決定

米国時間10月2日、3日の2日間、Disrupt SFのステージで20社が競い、ビジョンを語り、技術をデモり、エキスパートの集団である審査員の質問に答えた。彼らは世界中から集まり、そしてコレラの検出から軌道上の給油までの、さまざまな課題に挑戦した。

そして審査の結果、5社のファイナリストが決まった。その5社が米国時間10月4日には、新しい審査員たちにプレゼンを行う。そして最終勝者は、株式の提供義務のないシード資金10万ドルと優勝杯を持ち帰る。優勝杯の所有権期間は向こう1年だ。

Disrupt SFの決勝戦はTechCrunchのウェブサイトで太平洋時間13時15分(日本時間10月5日午前6時15分)から見られる。では早速、5社を紹介しよう。

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OmniVisは、コレラなどの病原を、妊娠検査のように迅速簡単安価に見つける。検出にはスマートフォンを使うので、大量の人命を救える。

関連記事:OmniVis could save lives by detecting cholera-infected water in minutes rather than days

Orbit Fab

Orbit Fabは、宇宙でロボットによる燃料補給を行う。今年の初めに同社は国際宇宙ステーションに水を供給する最初のスタートアップになった。

関連記事:Orbit Fab raises $3M to make orbital refueling easier, cheaper and more accessible

Render

Renderは、マネージドクラウドのプラットホームを作った。そこには、オブジェクトストレージのサービスもある。それは、ストレージをユーザーが簡単に増やすことができる。

関連記事:Render announces object storage service at TechCrunch Disrupt

StrattyX

StrattyXは、ユーザーが作った複雑なルールに基づいて株の売買を行う。同社の狙いは自動化株取引ソフトウェアの大衆化だ。プロでないトレーダーもプロもどちらも利用できる。

関連記事:StrattyX lets you buy and sell shares using automated rules

Traptic

小麦やトウモロコシの収穫はとっくに機械化されているが、イチゴなどフルーツは収穫の機械化が難しい。Trapticは3Dのコンピュータービジョンと特製のロボットアームを使って、熟れたイチゴだけを摘み取る。

関連記事:3Dのコンピュータービジョンと特製のロボットアームでイチゴの収穫を自動化Trapticの記事

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Instagramが「親しい友達」専用チャットアプリ「Threads」を世界でスタート

Instagramが親しい友達に今やっていることを自動的に送信できるとしたらどうだろう?例えば、 (家にいる)、 (仕事中) (移動中)、 ️(リラックスしている)といった具合だ。これがInstagramの新アプリ「Threads」の狙いだ。Instagramの「親しい友達」専用のチャットツールで、ワンタッチでカメラを起動するショートカットが用意され、写真やビデオを簡単に送信できる。

ThreadsにはStatus(マニュアル送信)とAuto Status(自動送信)というこれまでなかったまったく新しい機能が用意される。ユーザーはここに好みの絵文字をメッセージとして設定し、親しい友達に自分のステータスをワンタッチで知らせることができる。また位置情報をベースにしてInstagramが自動的に各種機能にアクセスできるようオプトインすること可能だ。

Instagram Threads Auto Status

米国時間10月4日、ThreadsアプリはiOS版とAndroid版が世界で公開される予定だ。 FacebookによるInstagramのメジャーアップデートはSnapchat最大のユースケース、つまり親しい友達に対する写真とテキストの連続送信をターゲットとしている。

どこの誰ともわからない相手からのどうでもいい着信には皆飽き飽きしている。チャットアプリのユーザーにとって興味があるのは「親しい友達」リストにあるメンバーの動静だが、Threadsに表示されるのはまさにこの「親しい友達」だ。もちろんInstagram本体からダイレクトメッセージ機能を使ってもいいし、併用することもできる。

ただしThreadsがユニークなのはわれわれが1年半前に発見したカスタム絵文字指定によるステータス送信機能をとうとう正式機能に組み込んだことだろう。

ThreadsのStatusとAuto Statusはユーザーがいまどういう状態にあるか、そのコンテキストをワンタッチで伝えることができるので会話を始めるきっかけに好適だ。「移動中」のアイコンが表示されていればなぜ返事がないのかわかるし、「仕事中」ならオフィスを訪問すれば会えるだろう。ただしプライバシーを考慮してマップ表示などの正確な位置情報は表示されない。重要なのは友達がどこにいるかではなくどんな状態にあるかだ。それがわかれば会話を始める、しばらく控えるなどの判斷の材料になる。

Instagramのコンシューマ・プロダクト・デザインの責任者であるRobby Stein(ロビー・ステイン)氏は私のインタビューに対してこう説明した。

Threadsは「恒常的なつながり」を提供するのが目的だ。基本的な狙いは「自分にアクセスできる相手を正確に管理できるようにする」ことだ。 自分が日頃メッセージをやり取りする相手が特定の数人に限られているなら、そのような行動を簡単にするアプリを作ってもいいではないか? また文章をタイプしてメッセージを送る時間がなくても(ワンタッチで絵文字を送ることで)「つながっている」ことができるならたいへん便利だろう。

ThreadsをInstagram本体とは別のアプリとしてリリースしたのは、ひとつには万一不評だった場合でも本体に被害を及ばさないためもある。しかし成功すれば、Threadsは家族その他親しい友達の動静を常に知ることができる魔法ののぞき窓となる。SMS、WeChat、Snapchatその他のチャットアプリの雑音に悩まされているユーザーにとっては大きな朗報となるかもしれない。

「親しい友達」専用

ソーシャルネットワークの厄介な点は、どうでもいい相手を偶然や礼儀などが原因で友達に追加してしまうことだ。こうした友達の投稿でタイムラインが占領されると全体として興味を引かないものとなってしまう。特にFacebook本体アプリは「万能型ネットワーク」であるため家族、恋人から上司、同僚まであらゆる人々が見ている場所だ。そのためプライベートなことがらはFacebookに投稿しにくいと感じるユーザーが増えている。

Instagram Close Friends Threads

Instagramが「親しい友達」を発表したのは昨年11月ベルリンで開催されたTechCrunch Disruptだった。これは特定のメンバーを「親しい友達」として設定できる機能で、このグループにだけストーリーズを投稿することができる。Facebookは何度もリスト設定に新しい機能を追加してきたがいずれも設定の手間がメリットに見合わず、広く使われるようにならなかった。

「親しい友達」は設定も簡単だし、相手は自分がリストに載っているかどうか分からない。大変便利な機能で、ベルリンで初めて見たとき、Instagramがまだこれを実装していなかったのに驚いたほどだ。【中略】

Auto Statusは受動的情報共有

3年前に私はソーシャルネットワークには「友達がいまどんな状態にあるかいちいち尋ねないでもわかる仕組みが必要だ」と書いた。

InstagramのThreadsはこうしたニーズに応えるアプリだ。プライバシー上の懸念があるため、情報共有の設定が微妙となるが、Threadsでは共有相手を限定すると同時に正確な位置情報などが表示されないようにしている。

Instagram threads Status

Statusによる共有では絵文字でメッセージを送信する。これは1時間から4時間で消滅する。事前に短文を送信メッセージとして用意することもできるし、無数の絵文字から選択することも可能だ。
設定できるメッセージ絵文字には (空いてる)、 (忙しい)、 (勉強中)、 (トラブっている)など.がある。

いっぽうAuto Statusgはデフォルトではオフになっている。この機能をオンにすると、Instagramは収集したデータによって自動的に適切な絵文字を選択して親しい友達に送信する。例えば、ロケーション情報から家、勤務先、カフェ、バー、旅行中などを判断し、それに合った絵文字を選び出す。加速度センサーの情報から自転車に乗っていると判断することもできる。またバッテリーが減っている、充電中であるなどの情報も送信される。

しかしなぜバッテリー情報を送信する必要があるのだろう?これについてInstagramのステイン氏は「バッテリーが充電中だとユーザーがデバイスの近くにいない可能性ある。すぐに返事ができないかもしれない。バッテリー残量がわずかだとステータス送信を止めるかもしれない」からだという。なるほど親しい友達のバッテリーの状況を知っていれば便利なこともありそうだ。【中略】

Instagram threads logo

いまのところ、InstagramはThreadsを商業的に利用する予定はないという。つまり広告が表示されることはない。実際、Facebookはデバイスから得た正確な位置情報を広告その他に利用することはしていない。位置情報は映画館にいる、レストランにいるなどユーザーの状況を知るためだけに用いているという。またFacebookは得られたロケーション情報を一定期間を超えて保存することしないという。

そうではあってもFacebookやInstagramが個人情報を収集し過ぎると考える人々にとってAuto Status機能は反感を呼ぶかもしれない。しかし親しい友達が「ヒマにしている」か「忙しくしている」か知ることができるのは反Facebook派の懸念以上にメリットがあると思う。ThreadsがきっかけとなってInstagramは新しいソーシャルなつながりのハブとなる可能性がある。【中略】

ソーシャルな自慢は情報共有を萎縮させる。Snapchatその他のチャットアプリはこれを排除しようとあれこれ試みたが結局うまくいっていない。Instagramは逆にソーシャルネットワークがさまざまな事情で膨れ上がってしまうのは止むを得ないと認め、逆に本当に親しい友達間のチャットアプリを作ることにした。これはよい考えではないだろうか。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

EUの包括的コンテンツ削除命令の中止を求め、FacebookのザッカーバーグCEOが訴訟へ

Facebookは欧州の最高裁判所と戦うつもりだ。米国時間10月3日に同法廷は、EU諸国が現地法に違反するコンテンツを包括的に削除するようFacebookに命令できるとする裁定を下した。

しかし本日、CEOであるMark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)氏はライブストリーミング配信された社内Q&Aで「これは、われわれも他の会社も戦うべき問題だ」と語った。

同氏は、Facebookはこれまでに行き過ぎた削除要求との「戦いに勝利」してきたと説明した。さらに「裁定が具体的にどのように適用されるかは欧州各国の裁判所によって異なる」ことも指摘した。

Facebookは本日New York Timesに提供した声明で、欧州司法裁判所の裁定は「1つの国が他の国の言論に対して自国の法律を強いることはできないという長年続いている原則を覆すものだ」と語り、この決定は「インターネット企業は特定の国で違法になる可能性のある言論を監視、解釈、削除する役割を果たすべき」だとする問題を表面化させるものだとも語った。

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ザッカーバーグ氏は最近ライブストリーミングでのQ&Aを実施していなかったが、Facebook社内では毎週行っている。The VergeのCasey Newton氏がリークされたFacebook全社ミーティングの2時間にわたる音声データを公開したあとも、同氏は隠すことはなにもないことを示そうとしている。

質問前の発言でザッカーバーグ氏は、米国のウィリアム・バー司法長官が公開書簡で、米国、英国、およびオーストラリアがFacebookに対して、暗号化のメッセージングアプリ全体への拡大を中止するよう要求していることも話題にした。「これは非常に深刻な問題と捉えている」とザッカーバーグ氏は言った。「我々はさまざまな正当性のバランスを取ろうとしている。児童虐待者やテロリストの摘発と、反体制派や一般市民のプライバシーや保護のバランスはその一例だ」。

ザッカーバーグ氏は、Facebookは暗号化されたアプリでも監視は可能であると主張した。「パターンを検出するためにできることはたくさんある」。例えば、Facebookで悪事を働くWhatsAppアカウントを停止したり、メッセージスレッドそのもの以外の不審な行動を分析することで「アップロード時に見つける」こともできると説明した。

同氏は、Facebookが規制当局による会社分割の企てを止めるために訴訟する可能性があると発言したことについて聞かれた。大統領候補のエリザベス・ウォーレン氏が企業分割を政策の中心としていることから、彼女の発言を届きにくくしたり、支援者の有権者登録を回避しようとするのではないかという議論があることについても語った。

ザッカーバーグ氏は具体的にもしFacebookがそれを理由にエリザベス・ウォーレン氏が大統領になることを心配しているのだとしたら、我々が公平であり、彼女やほかの候補者たちの声が確実に届くようにしていると、どうやって信じてもらえるだろう」と言い、「私がいいだろうと思うことに人々が同意してないとしても、それでも私はその人たちに発言の機会を与えたい。我々は常に、人々が表現したいことを自分たちの好き嫌いよりも優先させなければならない」。

もちろん今日のセッションでは、リークされたQ&Aセッションよりも用心深かった。ある時ザッカーバーグ氏は、これはプライベートな会話ではないので「Dating」(日本未公開の出会い機能)のデータは公開しないと言った。それでも今回のトークによって、Facebookの政治的立場が激動の時を迎えていることは明らかになった。

ザッカーバーグ氏はQ&Aの最初に、今回のセッションを一般公開することについて「自分はインタビュー対応が下手すぎるので、失うものはなにもない」からだと冗談を言った。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

GoogleがYouTube Musicに3種類の公式プレイリストを追加

Google(グーグル)は新しいYouTube MusicでSpotifyやApple Musicに対する巻き返しを図っている。YouTubeの最高プロダクト責任者、Neal Mohan(ニール・モーハン)氏は米国時間10月2日、米国サンフランシスコで開幕したTechCrunch Disruptに登壇し、Discover Mix、New Release Mix、Your Mixというプレイリストを提供することを発表した。この3種類のプレイリストによりYouTube Musicの音楽ストリーミングは高度にパーソナライズされる。

Discover MixはSpotifyのDiscover WeeklyのYouTube Music版だ。これは9月に一部のユーザー向けにベータ版が公開されていることが報じられていた。ただし今後は全てのユーザーが利用できるようになる。他の2つのプレイリストはまだまったく公開されていない。 モーハン氏は次のように述べた。

YouTube Music自体が最初にリリースされたのは数年前だが、その後我々はサブスクリプションサービスのYouTube Premiumを71カ国でスタートさせた。その結果、ユーザーから多数の貴重なフィードバックを得ることができた。

ここで繰り返し教えられたことのひとつは、音楽を愛好する人間と機械学習のコンビによる音楽の発見や推薦をユーザーは大変気に入っているということだった。そこで我々はこの機能をYouTube Musicアプリの中心に据えることにした。

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プレイリストの編成にあたってはYouTube Musicにおけるユーザーのリスニング履歴がベースとなる。

モーハン氏によれば、Discover Mixはユーザーの好みに合う新しいアーティストや楽曲を発見することを助ける。一度も聞いたことがないアーティストの楽曲はもちろん、好みのアーティストであってもあまり知られていない楽曲が推薦されることがあるという。

New Release Mixは、SpotifyのYour Release RadarのYouTube Music版で、好みのアーティストの最新の楽曲をチェックし、推薦する。

Your Mixでは、お気にリの楽曲に加えてリスニング傾向に基づいてユーザーの好みに合いそうなまだ聞いていない楽曲もリスト化される。

これらのプレイリストは世界のユーザーをカバーし、毎週アップデートされる。表示するにはホーム画面ならMixed for Youのタグを開く。別の場所から検索することもできる。

なお、今月中に利用可能になるというが、正確な日時はまだ発表されていない。

プレイリストの提供はGoogleが音楽ストリーミングをYouTube MusicとGoogle Play Musicの2本立てからYouTube Musicに一本化しようとする動きの一環だ。YouTube MusicはまだGoogle Play Musicを完全には置き換えておらず、Play Musicアプリもまだ稼働している。しかし今後出荷されるAndroidデバイスではPlay MusicではなくYouTube Musicがデフォルトとなる。

Googleはこれにより、音楽ストリーミングでSpotify、Apple Music、Amazon Music、Pandoraなどのサービスに対する巻き返しを図ろうとしている。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

Impalaは単一の標準APIでホテル業界全体をカバーしたい

ロンドンのImpala(インパラ)は、ホテルのデータとの対話をもっと容易にできるようにしたい。そこで同社は、ホテルのレガシーなシステムの上に、あらゆるものを現代的なREST APIで標準化する層を作っている。

そのImpalaがこのほど、シリーズAで1100万ドル(約11億8400万円)を調達した。投資家はStride.VC、Xavier Niel/Kima Ventures、DST GlobalのパートナーであるJerry Murdock(ジェリー・マーロック)氏、そしてこれまでの投資家たちだ。同社はこれまで、シードラウンドで175万ドルを調達している。

基本的にImpalaが望んでいるのは、Stripe(決済API)やTwilio(通信API)、Plaid(フィンテックAPI)などのようにシンプルであることだ。ほんの数行でデベロッパーはImpalaを利用でき、詳細に立ち入る必要はないものに。

ホテル業界はこれまでProperty Management Systems(PMS)というものを使って、部屋や部屋のタイプ、料金、税などなどを管理してきた。

Impalaの共同創業者でCEOのBen Stephenson(ベン・ステファンソン)氏葉「各ホテルはそういう古いシステムに固執しており、その上にオープンなAPIを自ら作る気などない」と語る。

そこでホテル業界でプロダクトを作っているデベロッパーは、現状では各社ばらばらに異なるホテルシステムに接続するために、大量の統合化作業を強いられる。そしてImpalaはそういう違いの大きいホテルシステムの上に標準的なAPIを被せて、プロダクトは一度だけ一つだけ作ればそれで終わりという状態にしたい。

例えば、いろんなホテルの空き室の数を知りたければ、どんなホテルに対しても同じAPIを呼び出して問い合わせできる。1つのホテルでも複数のホテルでも、管理は同じように容易になり、ホテルのシステムと対話するアプリやウェブサイトや内部的サービスの構築も1つのコードで実現できるようになる。

今度得た資金で同社は、そういう統一APIで対応できるホテルシステムをもっと増やしたいと考えている。今は8種類のシステムをサポートしているが、Impalaがホテル業界の普遍的な言語になるためには普遍的なサポートが鍵だ。

Impalaは、直接予約(ダイレクトブッキング)のAPIも作っている。現状では、ブッキングデータを手作業でBooking HoldingsやExpedia Groupのウェブサイト(Booking.com、Priceline、Agoda、Kayak、Expedia、Hotels.com、HomeAway、Trivagoなど)にアップロードしているホテルが多い。チャンネルマネージャーを使っているところもある。

チャンネル・マネージャーはホテルと、そういうホテル情報・予約サイトを仲立ちして、予約情報を1回だけ送ればすべてのサイトにアップロードしてくれる。「でも売り手側からすれば、新しいオンラインセラーを立ち上げたとすると、すべてのチャンネルマネージャーとコネクトしなければならないのだ」とステファンソン氏は言う。

同社の直接予約APIは、ExpediaやBooking.comと新たに競合しようとする者にとってハードルを低くする。また、ホテルの部屋を自分で売らなくてもいいという、新しいタイプの業種の参加も可能にするだろう。そしてたとえば、シティガイドやカンファレンスや音楽フェスティバルなどのWebサイトから直接、部屋を予約できるようになるかもしれない。

それらはBooking.comへの埋め込みではなく、ImpalaのAPIを利用してホテルを直接予約し、コミッション(手数料)を低く抑えられるだろう。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa