企業を“卒業”したアルムナイとの新しい関係づくりをSaaSで支援、ハッカズークが資金調達

人事・採用に携わる人やHR Techの関係者なら、「アルムナイ(alumni)」という言葉を一度は聞いたことがあるのではないだろうか。もともと学校の「卒業生」「同窓生」といった意味だが、企業のOB・OGの意味でも使われるようになっている。

HR Techスタートアップのハッカズークが提供するのは、そんなアルムナイと企業との関係性を退職後もつなぐためのプラットフォーム「Official-Alumni.com」だ。1月16日、ハッカズークは、ドリームインキュベータと複数の個人投資家を引受先として第三者割当増資による資金調達を実施したことを明らかにした。

企業とアルムナイとの新しい関係性を築く

「採用活動から勤務中の人事管理で、候補者や社員との関係性を築いてきた企業が、退職後も退職者との人的リレーションを保ち、企業と退職者との新しい関係性を築こう、というのがアルムナイリレーションの考え方だ」ハッカズーク代表取締役CEOの鈴木仁志氏は、このように同社のサービスについて説明する。

人材不足の折、アルムナイリレーションシップは再雇用やリファラル採用など、採用活動の場面で注目されることが増えている。だが、鈴木氏によれば「現在、当社のサービスを利用する顧客企業はみんな、再雇用だけでなく、アルムナイを業務委託パートナーとして活用したり、退職した企業のお客さんになるアルムナイもいる」とのこと。

元社員の再雇用やリファラル採用での口コミ・紹介といった制度をアルムナイ向けに用意することのメリットは、採用に直接関係する部分でもあり、想像が付きやすい。さらに、ともに仕事をする相手として、また顧客としても、その企業をよく知るからこそ接点を持ち続けるメリットがあるそうだ。

そのほかにも「アルムナイと取り組むオープンイノベーションは、うまくいきやすい」と鈴木氏はいう。「アルムナイは一度社外に出ることで、古巣にどのような変革が必要かは分かっている。一方で社内の政治力学も知っているので、全くの他人が推し進めるのとは違い、よい提案になる」のだそうだ。

アルムナイリレーションでは「会社だけが得をする形は絶対うまくいかない、といつもクライアントにも伝えている」と鈴木氏は述べ、アルムナイとの関係性を続けることの効果を説明している。

「アルムナイは、社外にいながら古巣の良さを一番知っている。組織の中で一度は折り合いが付かずに辞めてしまったとしても、そこでの仕事自体は好きだったり、サービスには愛着があったりする人も多い。そうした人たちと企業が互いにポジティブな関係性を育むことで、働き方改革ならぬ“辞め方改革”が進むはずだ」(鈴木氏)

鈴木氏は「退職したら関係が切れる、という前提では、退職者はきれいな辞め方をしないこともある。退職後もつながる前提なら、きれいに辞め、企業にもメリットが大きい」という。

アルムナイ特化型SaaS「Official-Alumni.com」

アルムナイリレーション専用SaaSのOfficial-Alumni.comは、2018年1月にベータ版がリリースされた。ハッカズークでは、このシステムに加え、制度の企画・設計コンサルティング、運用サポートをサービスとして提供している。

Official-Alumni.comは、企業がアルムナイとの接点を作り、「今アルムナイがどうしているか」を知るためのウェブアプリだ。チャット形式のメッセージ機能で、アルムナイとのコミュニケーションの接点を保ち、データを蓄積。実名でのやり取りだけでなく、「意見箱」のように匿名でアルムナイが情報発信する機能も備えている。

「匿名メッセージは、例えば企業がよいと思って取り入れた人事制度に、社員が実は不満を抱えている、といった本音の評判をOB・OG経由で聴き取る、というような形で利用されている」(鈴木氏)

それぞれのメッセージ機能は1対1のやり取りが基本だが、グループチャットができる「ルーム機能」も備えている。

「SNSなどでOB・OGグループを作ると、メンバー間で迷惑メッセージの発信リスクが生まれるが、Official-Alumni.comでは個々のメンバーの検索はできないので、その心配がない。一方で『○○年退職組のグループ』というように目的や属性ごとにグループが作れるので、活発なコミュニケーションは行える」と鈴木氏。「SNSやチャットツール、CRMといった非特化型のほかのサービスとは違う、アルムナイ特化型システムとなっている」と話している。

システムにはNPS/eNPSを活用して、アルムナイのエンゲージメントを測定する「Gauge(ゲージ)」も採用されている。管理画面はCRMライクな見た目だが、こうした機能を取り入れ、やはりアルムナイ管理に特化したつくりになっているという。

「アルムナイ」への理解を進めて成長加速を目指す

「アルムナイという言葉が浸透してきた今、言葉は広がってきたが『企業が退職者をも搾取するためのもの』といった誤解もある」と鈴木氏は語る。こうした風潮を変えていくことで、ハッカズークの成長を加速させたい、という思いが資金調達の背景にはあるそうだ。

ハッカズークは2017年7月の設立。鈴木氏は人事・採用のコンサルティング・アウトソーシングのレジェンダ・グループのシンガポール法人で代表取締役社長を務めていた人物だ。海外のHR Tech動向に明るく、TechCrunch JapanにHR Tech Conferenceのレポートを寄稿したことや、イベントTechCrunch Schoolで海外HR Tech市場のトレンドを解説してもらったこともある。

今回の資金調達は2018年5月に実施した、複数のエンジェル投資家による調達に続くもの。ドリームインキュベータのほかに、ポケラボ創業者でジラフ執行役員の佐々木俊介氏、ほか個人投資家1名から出資を受けた。調達金額は明らかにされていないが、関係者によれば数千万円規模だということだ。

新たに株主となったドリームインキュベータについて鈴木氏は「調達金額の多寡よりも、戦略コンサルティングとインキュベーションで力のあるVCのドリームインキュベータの支援を得ることで、事業拡大を加速したいと考えた」と話している。

調達資金は、PR、プロダクト開発、そしてコンサルティングやカスタマーサクセスのための人材採用に充てる。「PRに関しては、アルムナイリレーションが企業にとっても、個人にとっても必要で、なくてはならないものになるということを伝えたい。企業がアルムナイとつながること、アルムナイも企業とつながることが当たり前で、メリットになるということを発信していく」(鈴木氏)

「Official-Alumni.comの熱狂的ファンをつくるのが、2019年の目標」と鈴木氏は語る。「顧客の中には、後輩のために熱心にコミュニケーションを取るアルムナイがいる企業もあって、チャットで使える『アルムナイスタンプ』まで作っている。そういう機能を入れられるのは、特化型サービスの強みだ。強いカルチャーは、熱量のあるカルトを醸成する。その中でアルムナイと企業が永続的につながることができる」(鈴木氏)

現在の顧客企業は規模も業種も、アルムナイリレーションを取る目的もさまざまだと、鈴木氏はいう。「システム開発や人材系企業ではオープンイノベーションのために利用している例がある。また飲食・小売などでは、店舗のディスプレイなど“ビジュアルマーチャンダイジング”やメニューの新商品開発などで、アルムナイから意見をもらうケースも」(鈴木氏)

どういった規模や目的でサービスの利用が進み、どこでOfficial-Alumni.comがスケールするかは、今後見極めていくという鈴木氏。直近では、辞めた人が何をしているかを把握することができて、アルムナイへのメリット提供や関係性が作れるように、システムに加えてコンサルティングで対応していくと話していた。

写真左端:ハッカズーク代表取締役CEO 鈴木仁志氏

American Expressが日本のレストラン予約サービスPocket Conciergeを買収

American Express(‘アメックス’)が日本で買収を行い、レストラン予約サービスPocket Conciergeを手に入れた。その価額は公表されていない。

買収は日本語で発表され、日本で最初の投資先としてPocket Concierge等を選んだ500 Startups JapanのトップJames Rineyによる英語の発表記事もある。

2013年にローンチしたこのサービスは、ミシュラン星付きや数か月の予約待ちとなるような特別のレストランのみを対象とする。今では800店のレストランを扱い、日本語と英語と中国語で利用できる。コンペティターはOpenTableや、日本のTableAllなどだ。

American Expressによると、Pocket Conciergeは完全子会社として操業を続ける。そして、同社のカード会員サービスとの統合も計画している。

Pocket Conciergeを経営しているPocket Menuは、シードラウンドで60万ドルを調達した。投資家は、500 Startupsおよびその他大勢だ。さらにその後額面非公開のシリーズAやそのほかの投資も、ものにしてきた。ファウンダーのKei Tokado(戸門慶)はシェフ出身で、2015年には協同ファウンダーでCFOのTatsuro Koyama(小山達郎)が加わった。

Rineyはこう書いている: “日本で始めたときは、日本における、国境をまたぐM&Aについて話をしていた。外国企業が日本の企業を買収する形は、この国で価値を解き放つ有効な方法である。しかし疑う人が多いのも当然であり、したがって数も少ない。Pocket Conciergeは、それができることを実証しただけでなく、世界でもっともよく尊敬されている企業群を事業運営のホームグラウンドにしている”。

American Expressは昨年、トラベルアシスタントMeziイギリスのフィンテックCakeなども買収している。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

スマホで産婦人科医に相談できる「産婦人科オンライン」小田急電鉄に提供開始

小児科に特化した遠隔医療相談サービス「小児科オンライン」などを提供するKids Publicは1月15日、産婦人科領域に特化した遠隔健康医療相談サービス「産婦人科オンライン」を小田急電鉄に福利厚生制度として提供を開始したことを明かした。

小田急電鉄株式会社ではすでに姉妹サービスの小児科オンラインを導入済み。Kids Publicは産婦人科オンライン・小児科オンラインの両サービスの提供を通じ、小田急電鉄の社員が「安心して仕事と妊娠・出産・子育ての両立」ができるよう、出産前後から子供についての悩みまでICTの力を使ってシームレスにサポートする。

産婦人科オンラインでは、平日の18時から22時の間、10分間の予約制で産婦人科医・助産師に相談でき、妊婦は自身が抱える不安やストレスを解消する。対応担当には医師が10名、そして助産師が11名。LINEを使ったチャット、音声通話、ビデオ通話の3つを使って相談できる。

たとえば「妊娠中の食事や服薬について教えてほしい。ネットで調べてもいろんな情報があって分からない」「産後2か月になるけれど気分の落ち込みがひどく、泣き止まない子どもに無力感がある」などの質問に専門家が一対一で対応する。なお同サービスは遠隔健康医療相談サービスであり医療行為ではないため、診断や薬の処方は不可。だが、同サービスには簡単には医療機関に行けない利用者が「本当に受診する必要があるか」などといった相談ができるといったメリットがある。

2018年11月にローンチした産婦人科オンラインは社会サービスとして「全ての利用者に無料で届ける」ことを目標としているため、B向けサービスとして法人に導入し、法人が費用を支払うことで利用者(自治体の住民や企業の社員)は無料で利用できるというスキームでサービスを提供している。

同社は2018年12月に産婦人科オンラインの鹿児島県錦江町・埼玉県横瀬町・長野県白馬村への提供開始を発表していた。

日本労働組合総連合会による「働きながら妊娠をした経験がある20歳〜49歳の女性」への調査(2015年)によると、過度の就労が早産などのトラブルのリスクを高めることについて「自分も職場の人も十分な知識がなかった」と回答した割合が4人に1人。また、仕事内容について「立ったまま仕事をすることが多かった」「重い物を持ち上げる仕事が多かった」「ノルマや締め切りがあるなどストレスの強い仕事があった」と回答した割合が10〜30%程度。

Kids Publicは、一般的に妊娠しながら働く女性にとって「妊娠中に適切な知識を得ること」や「健康や勤務に関して不安がある場合の相談先」のさらなる充実が必要である、と説明している。

2016年に開催された「TechCrunch Tokyoスタートアップバトル」の優勝者でもあるKids Publicは小児科オンラインと産婦人科オンラインの他にも小児医療メディアの 「小児科オンラインジャーナル」や医療者向けメディアの「Kids Public Journal」を提供している。

WordPressのAutomatticがニュース企業のためのWebサイトプラットホームNewspackをローンチ

WordPress.comの母胎企業Automatticが、新製品Newspack発表した。詳しい情報はまだだが、それはニュース企業がコンテンツの発行と収益化を行なうためのオールインワンのソリューションだ。

オープンソースのプロジェクトであるWordPressを使って、誰でもWordPress.comでWebサイトを作れる。それは完成度の高いコンテンツ管理システムだ。本誌TchCrunchもWordPress上にある。しかし、サブスクリプション(有料会員制)とか従量的料金制、ユーザーアカウントなどを駆使してコンテンツを収益化しようとすると、そう簡単ではない。WordPress本体には、そのための機能がない。

そこでAutomatticは、ニュース企業のためのプラットホーム、ニュース企業のためのWordPressを考えた。具体的にねらっているのは、地方や地域のニュース企業だ。そういう企業は、デベロッパーを抱えていないところが多いから、サイトの自作も難しい。

ニュース等のコンテンツを自分では作らない、いわゆるメディア企業も、このプラットホームを利用できる。料金は、まだ開発途上の現在は無料だが、最終的には月額1000-2000ドルを予定している。

AutomatticとSpirited Media、そしてNews Revenue Hubが、このプロジェクトのために240万ドルを調達した。Googleのジャーナリズム育成事業Google News Initiativeが120万ドルを出している。そのほか、Lenfest Institute for JournalismやブロックチェーンのConsenSys, Civil Media, The John S., James L. Knight Foundationなどがこのプロジェクトに投資している。

Mediumもオンラインコンテンツの収益化を目指したが、まだいくつかの問題がある。また既存大手のニュース企業はNewspackを使う必要がないだろう。しかし、収益化機能のあるWebサイトプラットホームを求めているローカルな、あるいなマイナーなニュース企業が、欲しがっていたプラットホームではないだろうか、これは。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

GVA TECHが法人登記に必要な書類を自動作成する「AI-CON 登記」をリリース

AI契約書レビュー「AI-CON レビュー」や契約書作成支援サービス「AI-CON ドラフト」などを開発・運営するLegalTech(リーガルテック)企業のGVA TECHは1月15日、新たにスタートアップ向け法人登記支援サービスの「AI-CON 登記」をリリースした。

AI-CON 登記は必要書類をアップロードし、最低限の必要事項を入力するだけで法人登記の申請書類を自動作成するサービスだ。

オンライン上に登記情報と株主名簿をアップロードすると、情報が自動的に入力され、あとは移転先の住所など最低限の不足情報を入力するだけで法人登記の際に必要な書類が完成する。なおアップロードのための登記情報はサービス上にて無料で取得することができる。

このサービスにより自動で作成された書類に押印し、法務局に送付するだけで登記手続きが完了する。

「どこの法務局に持っていけばわからない」場合でもAI-CON 登記が機械的に判別し、教えてくれるのもポイントだ。

なおAI-CON 登記は登記に通るための必要な手続きのほか、株主総会、取締役会の実施、議事録の作成など会社法の観点からも適切な手続きを含めたスケジュールを案内する。

GVA TECHによると司法書士に依頼すると通常数日を要するところ、AI-CON 登記を利用すれば最短で数十分から数時間で書類を作成することができる。

GVA TECH代表取締役の山本俊氏は登記申請は「一文字間違えただけで補正しなければならないような世界。少しのミスが大きな面倒を生む。その面倒がビジネスを阻害していた」とAI-CON 登記の開発に関して説明する。

同社いわく、会社の設立、商号や本店住所の変更、役員の変更など、ビジネスを行う上で登記の機会は数多く存在し、これら各種の登記手続きは事由が発生してから2週間以内に行う必要がある。

申請期限を過ぎた場合は裁判所より過料の制裁に処せられる可能性があるため、正確性と迅速性が求められるが、登記書類の作成・申請は複雑であるためビジネスのスピードを損なう原因となっていた。

AI-CON 登記の開発には所属司法書士数において城南5区(渋谷、目黒、世田谷、太田、品川)内で最大規模を誇る司法書士法人ライズアクロスが業務提携先として全面協力している。

ライズアクロスの代表社員、髙橋圭氏は「司法書士に頼むか自分でやるかという話だが、世の中の司法書士は基本的にITリテラシーが低い。適切なプレイヤーがいなかった」とGVA TECHとの業務提携について話す。

AI-CON 登記に関しては「司法書士に本店移転を頼むと5万円くらいする」ため、頼む人がいない場合には自社内でやろうとする傾向にあり、結果、一文字間違えただけで役所に出向く必要が出てくるケースもある、と説明した。

「(スタートアップが)そんなことに時間を使うのであれば、サービス開発に注力してほしいと願っている」(高橋氏)

AI-CON 登記が対応のサービスは登記情報の取得が無料、本店移転と募集株式の発行が5000円ととてもリーズナブルだ。なおAI-CON 登記上で作成した書類を法務局への郵送用封筒と共に届ける「お任せレターパック」というオプションも5000円。

届いた書類には押印箇所が付箋で明示してあるので、付箋に従った押印や簡単な作業、郵便局での印紙購入と送付のみで手続きが完了する。

なおライズアクロス所属の司法書士にメール、電話、Chatworkでの相談が可能で、これは無料となっている。

GVA TECHとライズアクロスは「今後も対象となる登記手続きを順次拡大していく予定」だという。開発中の登記支援サービスは商号変更、目的変更、株式分割、そして発行可能株式総数の変更だ。

2017年1月に設立されたGVA TECHはこれまでに人工知能による契約書レビューのAI-CON レビュー、ならびに契約書作成支援サービスのAI-CON ドラフトをリリースしてきた。2018年4月のリリース以降、事業規模を問わず2000社以上のユーザーに利用されている。

2018年にはTechCrunch Tokyo 2018のスタートアップバトルやInfinity Ventures SummitのLaunch Padなどのピッチバトルに参加してきたGVA TECHだが、リーガル面でスタートアップをサポートする同社が本年、さらに躍進することを期待したい。

YouTubeのiOSアプリに左右スワイプ追加へ――ナビゲーション強化の努力を振り返る

YouTubeはビデオクリップの選択がさらに簡単にできるようモバイルアプリをアップデートしてきたが、「今週、視聴中のビデオに水平スワイプのジェスチャーを追加する」と発表した。つまり右にスワイプすると次の「おすすめ」ビデオが、左にスワイプすると直前に視聴していたビデオが再生される。

またYouTubeによれば、ビデオは「視聴を中断したところから再開される」という。

これによりユーザーはモバイル・アプリでの再生コントロールが容易になる。モバイルは今やYouTubeのビデオ視聴の70%を占めるまでになっているという。

今回のアップデートはYouTubeがここしばらく取り組んでいるモバイル・アプリの強化の一環だ。昨年、クリエイター向けの短編ビデオ、YouTubeストーリーs再生の一時停止動画を非表示で再生するダークモードモバイル・アプリのホームでの自動再生など新機能を次々に追加してきた。一昨年、2017年にはアプリ内でのビデオの共有とメッセージ送信ができるようにした。 またアプリがサポートするビデオのフォーマットも拡大している。

YouTubeはモバイルでのジェスチャーの有効活用について努力してきた。たとえば2017年には視聴中のビデオをダブルタップして10秒早送り(巻き戻し)できる機能を追加している。スワイプの追加もこの流れに沿ったものだろう。.

水平(左右)スワイプでナビゲーションが容易になれば、YouTubeビデオの視聴時間も増えると期待している。コンテンツを探すための手数が減ればアプリを使う時間は増えるだろうというわけだ。これは広告の表示回数やアプリ内課金のチャンスを増やしマネタイズのために役立つ。われわれが報じたように、YouTubeは有料メンバー制やデジタル通貨によるプロダクト販売などマーケティングを強化中だ。

この新機能は今週中にまずiOS版に導入される。YouTubeはAndroid版のアップデート時期については明らかにしていない。

原文へ

滑川海彦@Facebook Google+

VLCがダウンロード数30億を突破してAirPlayをサポート、いずれネイティブでVRも

VLCは巨大な人気を誇るメディア再生サービスだが、このほどダウンロード数30億というものすごい到達点を記念して、AirPlayのサポートを加えた。

この新しい機能を発表したのは、同社の主席デベロッパーのひとりJean-Baptiste Kempfだ。彼はCESの会場でVariety誌のインタビューにつかまり、それを口にした。ユーザーはAndroidやiOSデバイスからApple TVにコンテンツを送れるようになる、と彼は言った。VLCの次のバージョン、4.0にそれは載り、この夏のChromecastのサポート以来の大型アップデートになる、という。

しかしVLCの10数名の開発チームは、そればっかりやってるわけではない。

Variety誌によると、目下チームは、VRコンテンツをネイティブでサポートすることに挑戦している。ただし独自のSDKを作るのではなく、既存の人気ハードウェアをリバースエンジニアリングして機能を提供し、2Dのコンテンツを映画のような環境で見れるオプションも含める。対応プラットホームを増やす計画もある。VentureBeatによれば、VLCのチームがねらっているのは、PlayStation 4, Nintendo Switch, Rokuなどのデバイスだ。

VLCを管理しているのは、非営利の母胎的団体VideonLANだ。CESので30億のダウンロードを発表したときは、上図のようなライブのチッカーを使った。10億ダウンロードに達したのが、2012年の5月だった。そもそもの始まりは、1996年の、École Centrale Parisにおける学生プロジェクトだった。その後の成長ぶりは、信じられないほどすごい。

[VLCはわれらのヒーローだ!30億になってもアドウェアやユーザー追跡などのがらくたがないのは偉い!]

(本誌セキュリティライターZack Whittaker)

CES 2019 coverage - TechCrunch

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Amazonのダッシュボタンにドイツの裁判所が消費者保護に違反と判決

【抄訳】
洗剤やトイレットペーパーなど、日用品の補充的購入に便利なAmazonのダッシュボタンに、ドイツの裁判所が消費者保護法に違反との裁定を下(くだ)した。

昨日(米国時間1/11)、バイエルン州高裁は、ダッシュボタンのシステムが、購入に関する十分な情報を消費者に提供していない、と判決した。

原告の消費者団体Verbraucherzentrale NRWは、次のように主張していた:

・Amazonの現在のユーザー規約では、製品が最初よりも高価格になったり、消費者が最初に指定した商品以外の商品を買わされることが、消費者に無断で行われる。

・消費者がボタンを押したとき、そのとき行われる購買行為に関する十分な情報がその時点で提供されない。情報の提供が、購入決定から数か月後になることもある。〔注文のキャンセルは、通常の注文キャンセルと同じ方法で(できる場合は)できる。〕

・ボタン上に、押すと有価購入が行われる、という警告の明記がない。

判決は、裁判所がこれらの主張を認めた結果である。同団体は、裁判所がAmazonの控訴を棄却することを求めている。

Amazonは、本誌TechCrunch宛てのメールで、次のように反論している:

・イノベーションを損ない、消費者の利便性を奪う判決だ。違法性はないと確信しているので、控訴する。

“The decision is not only against innovation, it also prevents customers from making an informed choice for themselves about whether a service like Dash Button is a convenient way for them to shop. We are convinced the Dash Button and the corresponding app are in line with German legislation. Therefore, we’re going to appeal.”

画像クレジット: Amazon

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

中身まで検索閲覧できる法律書籍のデータベース「Legal Library」が数千万円を調達

近年、法務の課題をテクノロジーを用いて解決する「リーガルテック(LegalTech)」関連のスタートアップを取り上げる機会が増えてきた。

例をあげると契約書にまつわる業務を効率化するGVA TECHLegalForceHolmes(旧リグシー)、Hubble(旧RUC)のほか、集団訴訟プラットフォームを展開するクラスアクション、特許や商標など知財関連のプロダクトを手がけるAI Samurai(旧ゴールドアイピー)、Cotoboxなど。この領域の起業家は弁護士を筆頭に現場をよく知る専門家が多いのも特徴かもしれない。

今回紹介するLegal Technologyも、弁護士である二木康晴氏が立ち上げたスタートアップだ。オンライン上で法律専門書を自由に検索・閲覧できるリサーチサービス「Legal Library(リーガルライブラリー)」を開発する同社は1月11日、複数の個人投資家より資金調達を実施したことを明らかにした。

今回のラウンドにはヴォーカーズ(Vorkers)代表取締役社長の増井慎二郎氏やMomentum代表取締役CEOの高頭博志氏を含む数名が参加。調達額は数千万円になるという。

日経テレコンやSPEEDAの法律版を目指す

二木氏が「ビジネスのリサーチに使われている『日経テレコン』や『SPEEDA』の法律版のようなサービスを目指している」と話すように、Legal Libraryはリーガルリサーチを効率化するクラウドサービスだ。

法律専門書をオンライン上でデータベース化し、キーワードに関する内容が書かれている本を出版社横断で検索できる仕組みを構築。検索画面には書籍の表紙画像が並び、クリックすると各書籍の該当箇所が表示され“中身まで閲覧できる”のが特徴だ。

「会社201①」など文中で条文の記載がある場合、クリックすることで「e-Gov」の法令検索サービスの該当条文ページに遷移。その場ですぐに条文と照らし合わせることもできる。

また実務においては専門書に記載のある「契約書のひな形」を参考にして書類を作成することも少なくない。Legal Libraryではこのひな形をWordで出力する機能を搭載することで、契約書の作成までスムーズにする効果もある。

このようなリーガルリサーチは、これまでアナログな側面が強かった業務だ。弁護士やパラリーガルは何か調べたい事項がある場合、弁護士会の図書館や事務所内の図書室などで関連する書籍を手当たり次第チェックしている。

そもそも答えとなる内容を探し出すのに一苦労。その後も該当部分をコピーしたり、ひな形を使いたい場合に手打ちで入力したりなど手間のかかる作業が多く、効率化できる余地があった。

「Google検索のような形で法律書籍の中身まで検索できるサービスがあれば便利ではないかというのが最初の構想。法律書籍をデータベース化すればこれに近いものが実現できると考えて起業した。弁護士にヒアリングをしても課題を感じている人は多く、地味だけど確実にニーズのあるサービスだと考えている」(二木氏)

検索結果として表示される書籍の順番は、これまでに閲覧された回数などに沿って決められる。図書館だと「どの本がどのくらい読まれているのか」がわからないので、多くの専門家が参考にしている書籍をパッと判断することは難しいかもしれないが、Legal Libraryならそんな書籍にもすぐにアクセスできるというわけだ。

まずは弁護士の利用を想定しているが、ゆくゆくは他の士業やビジネスマンなどにも広げていく計画。二木氏自身も法律事務所を経て経営共創基盤で働いていた経験があるが、コンサルタントに見せても反応が良かったという。

「ビジネスマンがどうやってリーガルリサーチをしているかというと、多くの人がGoogleを使う。ただ検索結果の中には誰が書いたかわからないようなブログ記事や古い記事も含まれている。(リーガルリサーチをする際に)信頼性の高い価値ある情報を調べたいというニーズは弁護士に限らない」(二木氏)

たとえばスタートアップにおいても個人のデータを扱うプロダクトであれば個人情報保護法が関わってくるし、FinTechにおける資金決済法や金融商品取引法、銀行法のように業界ごとの法律を調べる機会も多いだろう。

弁護士でなければ毎日頻繁に使うサービスではないかもしれないけれど、ちょっとしたリーガルリサーチを自分でやりたいと思った際に、正しい情報を扱った書籍にオンライン上で即座にアクセスでき流のであれば使い勝手は良さそうだ。

出版社との実証実験をスタート、夏頃には正式版リリースを予定

二木氏によると今のところ出版社側の反応も良いそう。すでに法律専門書を手がける老舗出版社の有斐閣や弘文堂が実証実験に参画する方針で、今後も順次参加する出版社の数を増やす計画だという。

上述したように弁護士会の図書館や各法律事務所内の図書室が充実してくると、そもそも紙の書籍が売れにくくなる可能性がある。Legal Libraryはサブスクリプションモデルでの提供を予定していて、読まれたページ数に応じて出版社に収益を配分する仕組みを予定。出版社にとっては新しい法律書籍の売り方にもなり得る。

また「どの部分がよく読まれているか、どこにラインマーカーが引かれたかといったデータを取れるようになる点もメリット」(二木氏)だという。

今後は出版社との実証実験後を進めながら、春ごろにβ版、夏ごろに正式版の提供を目指してプロダクトの開発に取り組む。

まだローンチ前ではあるものの、すでに弁護士から使いたいという問い合わせもきているそう。中には日本の書籍をすぐに調べることの難しい留学中の弁護士もいるようで、法律書籍のオンライン化が進めば弁護士の働き方の幅も広がるかもしれない。

「(Legal Libraryを普及させて)数年後には若手の弁護士の間で『Legal Libraryがない時代はどうやってリサーチをしていたんだろう』という会話が生まれるようなサービスを目指していきたい」(二木氏)

フランチャイズ制で成功したオンデマンドクリーニングMr JeffがシリーズAで$12Mを調達

オンデマンドのクリーニング屋さんは、スタートアップとしてはすでに下火だ、と思ってるそこのあなた、その見解は変えた方が良いかもよ。スペインのMr Jeffがこのほど、All Iron VenturesがリードするシリーズAで1200万ドルを調達した。

2016年に創業された同社は、一般家庭向けのクリーニングサービスを、オンデマンドとサブスクリプションも含めて提供している。対象国は、ラテンアメリカが多い。昨年の8月に同社は、ブラジルのクリーニングフランチャイズLava é Levaを買収して、マーケットをさらに拡大した。

オンデマンドのクリーニングサービスはすでに店をたたんだところが多いが、Mr Jeffのフランチャイズ方式はそれらとやや違う。また、家庭に洗濯機があまり普及していない国を市場として選んでいることも、特徴のひとつだ。だから同社の競争相手は、コインランドリーなのだ。

同社は2018年に1000あまりのフランチャイジーと新たに契約し、150名の正規社員と2400名あまりの非正規社員を新たに雇用した。顧客がアプリをタップしたら、48時間以内に洗ってアイロンがけした衣類をお届けすることが、彼らの仕事だ。

今回新たに得られた資金は、アジアに目を向けて市場を30か国に増やすことに充てられる。またラテンアメリカも、パナマやコスタリカ、そしてウルグアイに進出したい。

このシリーズAの前には同社は約350万ドルのシード資金を調達していた。その投資家は主に、Albert Armengol(DoctoraliaのCEO), Jeroen Merchiers(ヨーロッパ・中東・アフリカのAirbnbのマネージングディレクター)、Kim Jung(NXC Corp.のCEO)など、ヨーロッパの起業家たちだ。

なお、これら初期の投資家たちも、今回のシリーズAに参加した。

同社のPR素材は本社をマドリッドとしているが、同社からの訂正によると、本社はバレンシアにある。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

AmazonのIMDb、無料ストリーミングサービス「Freedive」を公開

本日(米国時間1/10)Amazon傘下の映画情報サイトIMDbは、無料ストリーミングサービスFreediveを発表した。新サービスでは米国内の利用者に、Fringe、Heroes、The Bachelor、Without a Traceなどの広告付きTV番組や、ハリウッド映画のAwakenings、Foxcatcher、Memento、Monster、Run Lola Run、The Illusionist、The Last Samurai、True Romanceなどが提供される。

コンテンツは購読なしに無料で視聴可能で、スマートフォン、ノートパソコン、あるいばAmazon Fire TVを使って大画面で見ることができる。

すでにIMDbは、一部ビデオコンテンツの定位置として予告編や有名人のインタビューのほかにThe IMDb Show、Casting Calls、No Small Partsなどのオリジナル短編映画も提供している。これらは今後Freediveに統合され、引き続き無料で見ることができると同社は言っている。

新サービスでは、IMDbを利用して作品のキャスト、スタッフ、音楽などの詳細を紹介するX-Rayというサービスも提供される。

「ユーザーはすでにIMDbを使って映画やTV番組を発見し何を見るかを決めている」とIMDbのファウンダー・CEO Col Needhamが発表のリリースで語った。「IMDb Freediveの公開によって、ユーザーは長編映画やTV番組をIMDbサイトやAmazon Fire TVで無料で見ることができる。今後も利用者のフィードバックに基づいてIMDb Freediveを改善し、IMDbのモバイルアプリを始めさらに広く利用できるようにする」

新サービスは、ストリーミング業界全体がAVOD(Ad Supported video-on-demand:広告付きビデオ・オン・デマンド)に大きく力を入れ始めたタイミングで公開された。たとえばRokuは、広告付き映画やテレビ、ニュース、スポーツ、その他のエンターテイメントを提供するThe Roku Channelで利用できるコンテンツを拡張してきた。 Plexも今週のCESで、今年中に広告付きコンテンツを提供開始することを発表した。

Rokuにとって、Rokuデバイスで無料コンテンツが利用できることがハードウェアビジネスの後押しになる。当然Amazonも同じ考えだろう。

AmazonがTV番組や映画を2つの別々のサービス——Amazon Primeおよび傘下のIMDb——で提供するのは少々奇異に感じる。

AmazonがAVOD分野に参入する準備をしていたことは業界でよく知られており、時期だけの問題だった。以前は昨秋にスタートすると噂されていたが、実現しなかった。

新しいストリーミングサービスはwww.imdb.com/freediveで公開中。Fire TVデバイスでは、”Your Apps and Channels”の列に新しいアイコンが現れる、とIMDbは言っている。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

工事現場と職人をつなぐ「助太刀」、給料を即日チャージで使えるプリペイドカード発行

建設現場と職人をつなぐアプリ「助太刀」を提供する助太刀は1月11日、クレディセゾンとの提携により、助太刀を利用した職人が給料をチャージして使うプリペイドカード「助太刀カード」を本日より発行開始すると発表した。

TechCrunch Tokyo 2017で審査員特別賞を受賞した助太刀は、建設現場の仕事を受発注できるマッチングアプリだ。職人は、スマートフォンアプリで自身の職種と居住地を入力するだけで、自分の技能に適した仕事の案件をプッシュ通知で受け取ることができる。また、仕事を発注する側の現場監督は、現場ごとの細かい条件を指定することで、求める要件を満たした職人に仕事を依頼することができる。

助太刀はこれまでに、ユーザーが働いた分の給料を即日受取できる「助太刀Pay」を提供していた。助太刀カードはこの機能と連携。助太刀のアプリ上でカードにチャージを行えば、即日受取サービス手数料の7%が差し引かれた金額がカードにチャージされ、VISA加盟店でそのまま代金の支払いに利用できる。また、助太刀カードを利用する会員同士であれば、お昼の割り勘や飲み会の精算などの際に個人間送金を行うこともできる。この時、送金手数料は無料だ。

助太刀カードには、あいおいニッセイ同和損害保険が提供する障害保険も付帯されている。これは工事現場で働く職人にとって嬉しいサービスだ。ただ、あいおいニッセイ同和損害保険との連携はこれだけではない。助太刀は2019年春、助太刀カード会員向けに職人がアプリ上で加盟できる請負賠償保険を提供する予定だ。

工事現場と職人をつなぐマッチングアプリとして生まれた助太刀だが、即金機能の助太刀Pay、キャッシュレス決済の助太刀カード、そしてアプリでの保険提供など、同サービスは単なるマッチングアプリを超えた存在へと変わりつつある。

起業家のスマホの中身:千葉功太郎氏、堀江貴文氏、山岸広太郎氏が登場

TechCrunch Japanに登場する起業家のスマホの中身からアプリのトレンドなどを感じる「起業家のスマホの中身」シリーズ。第三段となる今回は、2018年にホンダジェットエリート(以下、ホンダジェット)の国内第一顧客となった千葉功太郎氏、堀江貴文氏、山岸広太郎氏に協力いただいた。

国産ビジネスジェット機であるホンダジェットの国内第一オーナーが千葉氏、堀江氏、山岸氏の3人であることが発表されたのは2018年12月のことだ。当初、それを伝える会見には千葉氏だけが登場したが、その後、千葉氏はあえて堀江氏と山岸氏とともにホンダジェット エリートの「共同オーナー」として機体を所有することも併せて発表した。その理由は、千葉氏だけではなく、堀江氏や山岸氏といったインフルエンサーを巻き込みたかったからだ。彼らがSNSなどで個人が気軽にジェット機が利用する「General Aviation」という概念を発信することで、オープンな空を日本に根付かせることが目的だという。

では、ホンダジェットを通してオープンな空を目指す3人のスマホの中身はどうなっているのだろうか。早速覗いてみよう。

千葉功太郎氏

まず最初は、コロプラ元代表取締役副社長で現在はドローンスタートアップに特化したVCの「Drone Fund」を率いる千葉功太郎氏だ。

おそらくみなさんの想像どおり、千葉氏のスマホにはドローンや飛行機関連のアプリがずらりと並んでいる。第2トップページの大半は、ドローン各社用の飛行アプリが設置されている。また、日本の飛行可能地域を確認する「ドローン飛行チェック」、風に関する情報を調べる「Windy.com」、パイロット向け気象情報が分かる「StationWeather Pro」、航空管制塔から発信される航空無線をアプリで聞くことができる「LiveATC Air Radio」など、ほかにも様々なアプリが並んでいる。背景画像も、千葉氏自身がハワイで撮影したドローンの空撮画像なんだとか。

なかでも千葉氏のお気に入りは、世界中の航空機の飛行情報をリアルタイムで見られる「Flightradar24」だ。離陸から着陸までのリアルタイムの高度、位置、エアスピード、方位、飛行経路ログを見ることができるほか、製造年や型式など機体の詳細情報と、その機体の過去の全飛行履歴を閲覧可能なのだとか。また、下の写真のように空にスマホを向けるだけで、実際に飛んでいる飛行機やヘリコプターに詳細情報がオーバーレイされる。

そんな千葉氏が仕事で一番利用するのは、Facebookの「Messenger」だという。社内外での連絡はMessengerでやり取りする。また、「Slack」や「LINE」など他のコミュニケーションツールも利用しているようだ。ニュースアプリは、日本経済新聞、NewsPicks、SmartNewsの3つ。名刺管理には「Eight」を利用している。前回の「起業家のスマホの中身」にも高頻度で登場したAIダイエットアプリ「FiNC」もインストールされていた。

そのほかに日本のスタートアップが開発するサービスとしては、模擬株式で自分の価値を取引できる「VALU」が登場。千葉氏は個人でVALUに数千万円規模の出資を行うほか、サービス上でも自身の模擬株式を公開している。また、千葉氏自身が動画を投稿をすることは恐らくなさそうだが、「TikTok」もインストールされていた。

山岸広太郎氏

CNET Japan編集長、グリー取締役副社長などを経て、現在は慶應義塾大学発のベンチャーキャピタル「慶應イノベーション・イニシアティブ」で代表取締役社長を務める山岸広太郎氏。元ジャーナリストでもある山岸氏のスマホにはニュース系アプリがたくさん並んでいる。日経電子版、Financial Times、Wall Street Journal、Business Insiderなどの各国メディアのアプリがトップページに並ぶほか、第2トップページには「NewsAggregation」、「News Papers」、「Newsstand」という3つのフォルダの中ににニュース関連アプリが多くインストールされている。

山岸氏の情報収集方法は文字を読むことだけではない。山岸氏は毎朝徒歩で通勤しているそうだが、その30分間を使ってポッドキャストで情報収集をするという。「BBC、WSJ、FT、TechCrunchなどの英語のポッドキャストを聞いています。全て無料で英語とグローバルトレンドの両方を勉強できて信じられないほどお得」(山岸氏)

また、退社後にはYouTubeやNetFlixなどの動画サービスを利用するそうで、海外ドラマや映画を英語字幕で観ることで英語の勉強も兼ねているという。「Netflixはほぼすべての海外ドラマに英文字幕があるのがAmazon Prime Videoと比べていいです」と山岸氏は話していたが、これは英語字幕で映画を観る読者にとっては共感できる話ではないだろうか。

一方で、仕事でよく使うアプリとして挙げたのは、SlackとFacebook Messengerの2つ。「KII(慶應イノベーション・イニシアティブ)とGREE社内、投資先のBONXの人たちとはSlack、それ以外はFacebook Messengerのコミュニケーションが多い」という。そのほかにも、ノート型ストレージサービスの「Evernote」と紙文書をデジタル化してEvernoteに保存できる「Evernote Scannable」の名前が挙がった。山岸氏は、アイデアノートもタスク管理もすべてEvernoteに一本化するという。千葉氏と同じく、Japan Taxiがすぐ使えるトップページにあるのも印象的だ。

最近ダウンロードしたアプリの中で良かったものは何かという質問をしたところ、山岸氏はカーナビアプリの「カーナビタイム」を挙げた。「Google Mapだと、自分で運転する際にクルマが通れないような細い道に誘導されたり、立体交差などの分岐の案内が分からないときがありますが、カーナビタイムは最新の地図と渋滞情報を反映し、車載ナビレベルの分かりやすい案内をしてくれるので気に入ってます」(山岸氏)。

その他、名刺管理のEight、ダイエットアプリのFiNCなど、過去の回も含めて登場するアプリもインストールされていることにも注目だ。

堀江貴文氏

最後に、元ライブドア代表取締役社長で、現在はロケット打ち上げサービスを提供するインターステラテクノロジズのファウンダーなどとして活動する実業家の堀江貴文氏のスマホの中身も紹介しよう。

山岸氏と同じく、堀江氏の第一ページにもニュースアプリが多く設置されている。堀江氏がニュースアプリとして使っているのは「グノシー」、「NewsPicks」、「LINE NEWS」の3つがある。また、NewsPicksのビジネスコミックレーベル「NewsPicks Comic」の編集長としても活動する堀江氏のスマホの中には、マンガにまつわるニュースを集めた「マンガ新聞」、マンガアプリの「マンガトリガー」がインストールされている。堀江氏はこのどちらにも深く関わっているが、コミュニケーションアプリの「755(ナナゴーゴー)」、グルメアプリの「TERIYAKI」、パパ活に特化したマッチングアプリの「paters」などのアプリも堀江氏が直接関わるものだ。

堀江氏はビジネス、プライベートを通して「LINE」を一番よく使うという。その言葉の通り、堀江氏は千葉氏や山岸氏とは違ってFacebook Messengerを第二トップページに設置していて、代わりにLINEがドックに設置されていた。そのほかにも、「Slack」、「WeChat」、「WhatsApp Messenger」などのコミュニケーションアプリも併用しているようだ。また、コミュニケーションとはちょっと違うが、迷惑電話をシャットアウトできる「電話帳ナビ」がお気に入りだという。ただ、これは毎回タップするたぐいのアプリではないためか、トップページには登場していない。

前回の「起業家のスマホの中身」で頻出していた名刺管理のEightやダイエットアプリのFiNCの姿はトップページにはなかったが、個人的にはマネー管理の「MoneyFoward」、自身の時間を売買できるサービスの「タイムバンク」、模擬株式で自分の価値を取引する「VALU」、ライブ配信の「イチナナ」などがトップページにあることにも注目した。

面接不要で空いた時間にすぐ働ける「タイミー」が3億円調達、2019年中には新サービスの公開も

空いた時間にすぐ働けるワークシェアサービス「タイミー」を運営するタイミーは1月10日、サイバーエージェント、エン・ジャパン、オリエントコーポレーション、セブン銀行、西武しんきんキャピタル、名称非公開の上場会社ならびに個人投資家2名から3億円を調達したと発表した。

タイミーは、人手が足りない飲食店などと、空いた時間を有効活用したい人たちをマッチングするサービスだ。お店ごとの求人に応募したり、採用面接を受けたりする必要はない。アプリに空いた時間を入力するだけで、数多くの候補から「今ヒマな時間」に働けるお店を探すことができる。2018年のTechCrunch Tokyoスタートアップバトルにも登場したサービスだ。

同サービスは現在約400店舗に導入済みで、その約8割が飲食店だという。タイミー代表取締役の小川嶺氏は、「求人広告の数自体は増えている一方で、アルバイト人口は減っている。求人広告を出しても人が集まらないという共通課題を抱えるお店がタイミーを導入してくれている」と語る。

一方で、タイミーを利用して働く側のユーザーの大半は学生だ。タイミーのダウンロード数は現在約3万5000件。そのうち3万人が学生ユーザーだという。「ユーザーの中には10回以上タイミーを使って働く人もいる。どこかの店舗にアルバイトとして常勤するのに比べ、毎回新鮮な経験や出会いがあることもタイミーの魅力の1つ」(小川氏)。小川氏によれば、今回の資金調達に向けて動き出したのは約3ヶ月前。当時は月間の売上が15万円ほどしかなかったというが、現在ではその約10倍の150万円まで売上が伸びているという。

ところで先日、藤田ファンドの第一号案件がタイミーであることがサイバーエージェントから発表されていたが、サイバーエージェント代表取締役の藤田晋氏との出会いはサイバーエージェント側が開催したスタートアップ起業家向けの食事会だったという。

100人以上の若手起業家が集まったその食事会で、藤田氏は藤田ファンドの復活を告知。起業家はその食事会で各テーブルを周る藤田氏に向けてピッチを行ったという。小川氏もその1人だったが、後日「1億円を出資してください」という旨のメールを藤田氏に直接したところ、そのまま出資を受けることが決まったようだ。

サイバーエージェントの他にも、今回のラウンドには事業会社の名前がずらりと並んでいる。タイミーはそれらの企業との協業も準備しているようだ。例えば、セブン銀行とはタイミーがこれまで提供してきた即金機能をセブン銀行ATMを使って提供する協業を予定している。また、具体的な内容はまだ非公開だが、オリエントコーポレーションとはペイメント分野での協業を進めるようだ。

そのほか、タイミーは独自で新サービスの開発も進める。2019年中には「旅行」とタイミーをかけ合わせたサービスを公開予定だという。小川氏によれば、これは「0円で旅行が行けるサービス」で、ユーザーはタイミーを使って旅行先で働くことで、旅行代金タダで旅に行けてしまうという内容のサービスだという。そのために、今後タイミーは地方向けの営業を強化。2019年8月頃をめどに新サービスをリリースする構えだ。

AWSがMongoDB互換データベースを提供、オープンソースに独自の異議申し立て

AWSが今日(米国時間1/9)、MongoDBのAPIと互換性のあるデータベースDocumentDBローンチした。同社はDocumentDBのことを、“既存のMongoDBアプリケーションやツールと互換性のある、高速でスケーラブルで高可用性のドキュメントデータベース”、と説明している。実質的にそれは、MongoDBをリプレースするためにAWSがホストするドロップインで、MongoDBのコードはまったく使っていない。

AWSによると、MongoDBは基本機能は良いが、そのオープンソースのプラットホームでは、数テラバイトもの、しかも毎秒数百から数千のリード/ライトがあるような規模にもスケールできる、高速で可用性の高いアプリケーションの構築が難しいことを、顧客は体験している。そこで同社がやったのは、自社独自のドキュメントデータベースを作り、それに、オープンソースのApache 2.0 MongoDB 3.6のAPIとの互換性を持たせることだ。

最近の数か月のオープンソースの政治学をフォローしてきた読者なら、これがあまり歓迎されない動向であることを、理解されるだろう。しかも、誰もが知っているように、AWSはオープンソースプロジェクトの良いとこ取りをして、それらの再利用と名称変えをしながら、コミュニティには何も還元していない、と長年非難されている。

しかも選りに選ってMongoDBは、それをやめさせようとした最初の企業のひとつだ。同社は、同社のオープンソースツールのライセンス規約を変えて、そういうことをしたい企業は商用ライセンスを買え、とした。ほかのオープンソース企業も、それに倣った。

MongoDBのCEOで社長のDev Ittycheriaはこう言っている: “模倣はいちばん正直な形の追従だ。だからAmazonがそうやって、MongoDBのドキュメントモデルの人気と勢いに乗っかろうとするのも意外ではない。でも、十分な技術力のあるデベロッパーなら、本物とお粗末な模倣の違いをすぐに見分けるだろう。MongoDBは今後も引き続き、市場に存在するどんな‘そっくりさん’にも勝る性能を維持するだろう”。

これはかなり戦闘的なコメントだが、昨年11月にIttycheriaは、本誌のRon Millerの取材に対して、AWSはドキュメントDBで大量のリソースを消費するMongoDBを愛しているはずだ、と言った。そのインタビューで彼は、“最近の5年間、顧客たちは、自分を大型ベンダーの束縛から解き放とうと努力してきた。彼らが絶対にやりたくないのは、同じ映画をリプレイすることだ”、と語った。〔次の5年間も同じ努力で苦しみたくない。〕

MongoDBの協同ファウンダーでCTOのEliot Horowitzも、同じことを言う: “デベロッパーに彼らが望むものを与えるためにAWSは2年前から、MongoDBのコードをベースとするMongoDBサービスの模倣を提供せざるをえなくなった。わが社は、その全体が一つのことにフォーカスしている。それは、デベロッパーにデータを処理するための最良の方法を与え、またそれをどこで動かしてもよい自由を与えることだ。今後どんな模造品が登場してきたとしても、このたった一つのミッションへのわが社の献身こそが、本物のMongoDBをそれらと差別化する要因だ”。

そして同社のスポークスパーソンによると、AmazonのDocumentDBが互換性を保証しているMongoDB 3.6は2年前の古いバージョンであり、ACIDトランザクションやグローバルクラスター、モバイルのシンクなど、多くの最新機能を欠いている。

しかしAWSも最近ではオープンソースに、ある意味で前よりも熱心になっており、デベロッパーの要望にも応えようと努力している。たしかに、MongoDB自身がホストするサービスに満足していないデベロッパーもいる。MongoDBのライセンスをバイパスしてAPIレベルの互換性を選んだことは、MongoDBがなぜ今のようなライセンス方式にしたかをAWSが知ってるからであり、それはつねに論争の元であったし、同社がオープンソースのコミュニティに愛されない理由でもあった。〔訳注: MongoDB社によるオープンソースソフトウェアの商用化(有料化)ライセンス方式については、この記事を参照してください。〕

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Googleには検索結果を改ざんして簡単に誤情報を拡散できるバグがある

誰にでも簡単に悪用できるGoogleのバグによって、改ざんされた検索結果を本物のように見せることができる。

この検索改ざんバグを報告したのはロンドン拠点のセキュリティー専門化Wietze Beukemaで、悪意あるユーザーがこのバグを利用して誤情報を生成できると警告した。

これは、Google検索結果ページにポップアップしてビジュアル情報や概要を表示する「ナレッジカード」をすげ替えることで行われる。惑星からITニュースサイトまで、多くの検索結果の右側にカードが表示され、情報の断片を一覧できるようになっている。

Beukemaはブログ記事で、Google検索結果のナレッジカードに付けられた共有可能な短縮URLを、あらゆる検索クエリのウェブアドレスに付加することができる、と書いている。

たとえば、 “What is the capital of Britain”[英国の首都はどこ?]と検索すれば ロンドンが出てくることを期待する。しかし、そこにどんな情報でも付加することができる—— たとえば火星

これは”Who is the US president?” [アメリカ大統領はだれ?]という検索でも可能だ。結果を改ざんして「スヌープ・ドッグ」を出すことができる。

1つのバグによって、ナレッジカードの内容を検索結果に簡単に付加できてしまう(画像はTechCrunchによる)。検索クエリの改ざんはHTTPSに反しないため、誰でもリンクをでっち上げてメールで送ったりツイートしたりFacebookでシェアできる——受け取った人にはなんの価値もない。しかし、国家ぐるみの犯罪者による誤情報拡散でインターネット企業への不信感が高まる中、これは深刻な問題になりかねない。

Beukemaは、この検索改ざんバグは誤った事実情報の拡散や、プロパガンダにも利用される可能性があると指摘している。

“Who is responsible for 9/11?”[9/11は誰の責任?]をジョージ・ブッシュに向けることもできる。広く流布している陰謀論だ。あるいは“Where was Barack Obama born?”[バラク・オバマが生まれたのはどこ?]をケニアにすることもできる。これも後任ドナルド・トランプが広めて後にとりさげた陰謀論だ。

さらには、 “Which party should I vote for?”[どの政党に投票すべきか?]を共和党にも民主党にも向けられる。

ボタンをクリックすれば誰に投票すべきか教えてくれると思う人が増えれば選挙は操作されると、多くの人々が考える人も当然だ。

Beukemaは、誰でも簡単に「ふつうに見えるGoogle URLで物議を醸す主張を表示させることができる」。その結果「Googleが悪いと思われるか、最悪の場合それを真実だと思う人がでてくる」

彼はこのバグを2017年12月に最初に報告したが、何も回答がなかったと言った。

「この『攻撃』は人々のGoogleおよびGoogleが提供する事実に対する信頼に基づいている」と彼は言う。

バグは本稿執筆時もまだ生きている。実際、これは3年近く知られていることだ。Beukemaは1年以上前にこの問題を発見したあと公表した。ハッカーコミュニティーではすでに興味がわき立てられている。デベロッパーのLucas Millerは、検索クエリから自動的にニセ検索結果を生成するPythonスクリプトをわずか数時間で書いた。

Googleがなぜ、政治的偏向の指摘(真実である証拠はないが)があるにも関わらず、検索結果の基本的弱点の修正にそこまで時間がかかっているのかは謎だ。サービスの信頼性を高めることなのに。

Google広報担当者はTechCrunchに「問題は修正中」だと伝えた。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

しまむらが商品の店舗取り置きアプリ「しまコレ」をリリース

しまむらは1月9日、アプリ掲載商品をご希望の店舗で取り置きできるスマホアプリ「しまコレ」を1月7日にリリースしたと発表。会員登録は不要で、iOSとAndroidの両方に対応している。通販機能は備わっていない。

使い方はまず商品を選び、色・サイズ・数量を選択し、希望の受け取り店舗を選ぶ。商品が店舗に到着するまで通常7日から10日ほどかかる。商品が店舗に到着するとプッシュ通知が届く。

商品カテゴリーは今のところ、レディース、レディースインナー、メンズ、メンズインナー、ベビー・キッズ、寝具・インテリア、パジャマ・エプロン、入園入学、が用意されている。

しまむらいわく「お客様にもっとファッションセンターしまむらの商品を知ってもらい、便利で楽しく店舗でお買い物をしていただきたい」との想いからこのしまコレアプリは誕生したのだそうだ。

現役エンジニアがメンターの実践的プロエンジニア養成所「TechTrain」公開

次世代のエンジニアが実践的な技術を学べる場を提供すべく、2018年10月に設立されたTechBowl。同じ年の12月にXTechVenturesと中川綾太郎氏から資金調達を行い、サービスの本格的な立ち上げを進めていた同社が、ついにプロエンジニアの養成所「TechTrain(テックトレイン)」をスタートした。

TechTrainは、プロのエンジニアを目指すU30(30歳以下)のユーザーのためのスキルアップ、キャリア支援の場として用意された。エンジニアとして就職や転職を検討していて、開発の基本的な経験や自学経験のある人が対象となる。

メンターとして指導を行うのは、現場経験がある、現役の社会人エンジニア。業界で活躍する現役社会人が、副業で登録しており、技術そのものというよりは、エンジニアとしての仕事の進め方、コードの書き方、立ち回り方など、実践的なメンタリングを行っていく。

メンターには現在約50名が所属。ユーザーは無料で開発のアドバイスやコードレビューをしてもらいながら、仕事や技術を学ぶことができる。

またプログラミング技術だけでなく、エンジニア採用の経験豊富なキャリアアドバイザーによる就職・転職相談も可能。スキルや志向に合わせて、マンツーマンでキャリア支援が受けられ、40社以上のIT・ウェブ系企業の情報を得ることができる。

相談・質問はオンラインで行うため、時間や場所にしばられずにアドバイスやコードレビュー、キャリア支援が受けられる。

さらにTechTrainでは、現在、実際のプロダクトづくりに近い環境で、擬似的に開発実務を体験できる教材を開発中だ。家や研究室など、どこにいても実戦経験を積むことができ、分からないところをメンタリングしてもらうことができるようになるそうだ。

TechCrunchの12月の取材で、TechBowl代表取締役の小澤政生氏は「今は新卒のエンジニアの場合、(スキルアップのためには)インターンか会社説明会にエントリーするかの2択が一般的」として、第3の選択肢になり得るサービスを提供すると述べていた。

また小澤氏は、メンターとユーザー、メンター同士やユーザー同士が交流できる機会も増やしながらコミュニティを広げ「ゆくゆくは次世代を担うエンジニアの卵が日本で1番集まっている場所を目指す」とも話していた。

TechBowlでは昨年すでに、全国各地のエンジニアコミュニティ11団体とアンバサダー提携。TechTrainでは、こうした団体とのコラボによる勉強会やハッカソン、メンターとの交流会も開催する予定だ。ユーザーは、こうしたミートアップやコミュニティに自由に参加することができるそうだ。

TechBowlがアンバサダー提携するエンジニアコミュニティ11団体

 

声のブログ「Voicy」が日経新聞社と業務提携、新しいメディアとサービスを共同開発

TechCrunch Tokyo 2017卒業生で、音声放送プラットフォーム「Voicy」を運営するVoicyは1月9日、日本経済新聞社(以下、日経新聞)との業務提携を発表した。これにより、今後両社は共同で新サービスの開発に取り組む。

2016年9月にリリースしたVoicyは、「声のブログ」として注目を集める音声メディアだ。インフルエンサーなどが「パーソナリティ」としてラジオのようにアプリに声を吹き込み、それをコンテンツとして公開する。内容としては、日々の生活を日記のように話すものから、僕たちTechCrunch Japanのような活字メディアの記事をサマリーして配信するものまで様々だ。

Voicyはこれまでにも毎日新聞などからコンテンツ提供を受けるなどしていたが、今回の日経新聞との提携では、単なるコンテンツ提供以上のものを準備しているとVoicy代表取締役の緒方憲太郎氏は話す。同氏は共同サービスの具体的な内容については明かさなかったものの、Voicyはプレスリリースの中で、新たなメディアサービスの開発、およびVoicyがもつコミュニティやパーソナリティと連携した新サービスの開発を進めるとしている。

米著名キャピタリストのMarc Andreessenは自身が運営するポッドキャストのなかで、(音声というフォーマットは「とてつもなく重要なもの」になると表現した。ポッドキャストの流行から長い時間を経て、スマートスピーカーの普及により「音声の価値」がもう一度見直される時期にきているように思う。そして、そのトレンドは遅かれ早かれ日本にも上陸することだろう。

そんななかVoicyは、“新聞業界の本丸”とも言える日経新聞との業務提携により「従来テキストや画像を中心とした『目からの情報摂取』に加え、音声による『耳からの情報摂取』を融合したサービスを実現」するとコメントし、音声フォーマット時代の新しいコンテンツ消費のあり方を模索していく構えだ。

全国1万校の実績、ClassiとEDUCOMが学校教育向け支援で連携

ClassiとEDUCOMは、初等中等領域において「学習支援」×「校務支援」に関する教育サービスを共同提供する目的で、戦略的パートナーシップを締結した。これによりClassiはEDUCOMの株式の過半を取得し、EDUCOMはClassiグループに入る。

Classiは、ベネッセホールディングスとソフトバンク(現・ソフトバンクグループ)の合弁会社として2014年4月に設立。クラウド型学習支援プラットフォーム「Classi」の提供を通じて、アダプティブラーニング、アクティブ・ラーニング、コミュニケーション、ポートフォリオの4つの視点で学習を支援している。約5000校ある全国の高校の4割超となる約2100校で導入されている。

EDUCOMは、全国の小・中学校や教育委員会向けに教職員の校務の効率化を支援する統合型校務支援システム「EDUCOMマネージャーC4th」を提供。具体的には、成績処理はもちろん、学校運営、学級経営に関わる校務全般を支援する。全国の約320自治体、約6900校の小・中学校にて活用されているという。

今回のパートナーシップについて、Classiの代表取締役副社長である加藤理啓氏は「30年前から、校務支援という新たな市場を創りリードしてきたEDUCOMと戦略的パートナーシップを締結できたことを大変うれしく思います。両社が有する深い専門知識と実績を組み合わせ、『学習支援×校務支援』においてシームレスなサービスを、小・中・高校の全領域において提供することで、日本の学校教育、先生、児童・生徒、保護者に対して大きな貢献ができると考えています」とコメント。

一方、EDUCOMの代表取締役/CEOを務める柳瀬貴夫氏は「EDUCOMは、ICTを活用することで、授業以外のさまざまな雑務に追われている先生方の業務を効率化し、先生方が子どもたちと過ごす時間や、授業準備にかける時間を増やし、学校をもっと元気にしたいと考えています。Classiとともに全国の小・中・高校に、校務支援を柱にした周辺領域への支援を行うことで、日本の教育を変えていきたいと思っています」とのこと。

写真左より、Classiの山﨑昌樹代表取締役社長、EDUCOMの柳瀬貴夫代表取締役/CEO、Classiの加藤理啓代表取締役副社長

現時点ではClassiは高校での学習支援、EDUCOMは小中学校の校務支援と得意分野が異なるが、同じグループとなることで高校での校務支援、小中学校での学習支援といったシナジー効果を発揮できるか注目していきたい。