IBM、CESで史上初の商用量子コンピューターを発表――20Qビットだがパイオニアとして大きな意義

今日(米国時間1/8)、ラスベガスで開幕したCESでIBMは世界で初となる実験室の外で稼働する商用量子コンピューターを発表した

このIBM Qシステムには20Qbitの量子コンピューターと伝統的なコンピューターが統合されている。ビジネス、研究の双方で、従来のコンピューターとほぼ同様にアプリケーションを作動させることができる。物理的にはまだ相当にかさばるシステムだが、量子コンピューター部分の冷却システムを始め、利用に必要なすべてのハードウェアがパッケージに含まれているとう。

IBMは発表にあたって「作動に必要なすべての要素を統合した初の汎用量子コンピューター」だと強調した。もちろん 20Qbitというのは量子コンピューターとしてはきわめて小規模であり、量子コンピューターが必要とされる典型的に困難な課題を解くにはまったく力不足だ。このシステムのQbitの持続時間は100マイクロ秒レベルだという。

IBM が「現在のコンピューター・テクノロジーでは計算が困難と考えられている課題を解決するための第一歩が踏み出された」とパイオニアとしての意義を強調するのは無理ない。ある種の問題は規模の拡大と共に指数関数的に計算量が爆発し、現行のコンピューター・システムでは実用的な時間内でも処理が不可能となる。量子もつれを利用した量子コンピューターではネックが一挙に解消されると期待されている。ただしわれわれはまだそこまで来ているわけではない。そうではあるが、このシステムは第一歩ではある。IBMはシステムは将来アップグレードできるし、メンテナンスが容易であると述べた。

ハイブリッドクラウドおよびIBM Research担当 上級副社長のArvind Krishnaは「IBM Qシステムは量子コンピューターの商用化に向けての大きな一歩だ。このシステムは量子コンピューティングが研究施設の外でも稼働することを実証した点が決定的に重要だ。我々はビジネスや科学研究に役立つ実用的な量子コンピューティング・アプリケーションの開発を進めていく」と述べた。

またQシステムのデザインも見逃せない。 IBMは十分誇りにしていいだろう。スーパーコンピューターの普及にあたったは 「世界でもっとも高価なベンチ」と呼ばれたCrayコンピューターの独特なデザインが果たした役割も小さくなかった。IBMはMap Project OfficeUniversal Design Studioなどのスタジオと提携してデザインを決定したという。また英王室の宝石やモナリザなどの名画の展示のデザインで知られるGoppionも協力した。 
IBMでは Qシステムは単なるハードウェア以上のアート作品だと考えているという。たしかにその成果は驚くべきものだ。高さ幅が2.7メートルの気密された直方体で、伝統的コンピューターなど他の部分はシャーシー内に隠されているが.、中央の透明な部分に量子コンピューターがシャンデリアのように輝いている。

この量子コンピューターが欲しいならIBM,と提携する必要がある。量子コンピューターはAmazonのプライム会員になれば送料無料で翌日届く、というようなレベルにはなっていない。

ちなみに IBMは石油メジャーのExxonMobilやCERN、Fermilabなどの著名な研究機関と提携してIBM Q Networkを作った。これはビジネス利用と研究利用を統合し、 量子コンピューティングのユースケースを共有するコミュニティーの確立を目指すものだ。参加メンバーは量子コンピューティング・ソフトウェアを共有することができる。またクラウドベースの量子コンピューティングも計画されている。

CES 2019 coverage - TechCrunch

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【以上】

Lenovo、80ドルのGoogle Assitant対応アラームクロックを今春発売へ

AmazonのEcho Spot——枕元に置くフルカラーディスプレイ付き音声入力対応アシスタント——のアイデアは好きだが、AlexaよりもGoogle Assistantの方がいい、という人にとって選択肢は限られていた。

スマートフォンをドックに挿すことはできるが、同じとは言えない。Google Home Hubは、限られた場所に置くナイトスタンドとしてはちょっと大きすぎる。

Smart Home at CES 2019 - TechCrunch

そこに目をつけたLenovoがSmart Clockを作った——80ドルのGoogle Assistant内蔵ベッドサイド用デバイスだ。

前面の480×800タッチスクリーンには、時計のほか天気などの情報を表示できる。Googleカレンダーと同期させれば、ふだんの目覚まし時計の時刻を変更する必要があるとき事前に知らせてくれる。

音楽を聞くための小さなスピーカーを内蔵し、背面には他のデバイスを充電するためのUSBポートがある。全体はソフトなグレイの布地で覆われていて、どんなGoogle Homeデバイスともマッチするだけでなく、80ドルのデバイスとは思えないおしゃれな外観だ。

もちろんGoogle Assistantを中心に据えているので、音声制御オートメーションからテレビのリモコン操作までGoogle Homeでできることはなんでもこなす。

Echo Spotと異なり、Lenovoのクロックには内蔵カメラがない——ベッドルームで使うことを考えると、おそらく懸命な判断だ。

今春出荷予定だとGoogleは言っている。

CES 2019 coverage - TechCrunch

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Lenovoの新型タブレットはAlexaスマートディスプレイとの二役をこなす

Lenovoは優れたスマートアシスタントが何かを知っている。同社はGoogleと組んで最初のサードパーティー製スマートディスプレイを作った会社で、このたびAlexaタブレットも作った。

同社が発表したデバイスは、Smart Tab M10およびP10の2モデル。いずれも10.1インチタブレットで、Amazon Fire以外でスマートアシスタントを搭載した初めてのタブレットだ。商品にはLenovo製の新しいSmart Dockが同梱され、タブレットを置くと「Showモード」になり、充電中はEcho Showとの二役を務める。このドック/スタンドは3 Wスピーカーを搭載し、内蔵スピーカーがAlexaコマンドに聞き耳を立てる。

Lenovoは同製品を一種のトラベル用Echo Showと位置づけていて、この分野では興味深い試みだ。ドックは小さいとは言えないが、全体構成としては、スマートスピーカーをバッグに押し込むよりも間違いなく運びやすい。

こういう製品にどれほどの需要があるか私には定かでないが、旅先でスマートスピーカー離脱症状を経験するTechCrunchスタッフが少なくとも一人いるので、おそらく存在価値はあるのだろう。

タブレット本体に関して、2つのモデルの主な違いはデザインにある。P10の方がスリムで洗練されたデザインで軽量だ。RAM(4 GB)とストレージ(最大64 GB)容量も大きく、7000 mAhの大型バッテリーを搭載している。価格は300ドルでM10より100ドル高い。

両機種とも今月発売予定。

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Ankerのワイヤレス充電器内蔵アラームクロックはかなり魅力的だ

私はベッドサイドにEcho Spotを置いているが、なにか妙な気分がする。眠っているときにカメラとマイクロホンが近くにあるのは、たぶん良いことではない。その点、Ankerから出たアラームクロックを私は支持したい。

Soundcore Wakeyは、実際この手の商品の中でもかなり見栄えがよい。しかも、上部にはワイヤレス充電パッドがついているので、おやすみの時間になったらスマホを上に置くだけでよい。

ベッドにスマホを置いたまま眠ってしまうことの多い人は、そのひどい習慣から解放されるかもしれない。いや、たぶんそんなことはないだろうが、それでも試す価値は間違いなくある。

Wakeyにば5ワットスピーカーが2つついていて、アラームを10件設定可能でFM(AMはない)ラジオも聞ける。さらに、眠りにつくのを助けてくれるホワイトノイズも6種類内蔵している。

Soundcore Wakeyは今春発売予定で価格は100ドル。

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SonyのPS4は5年経った今も絶好調

ホリデーシーズンで快勝したSonyのPlayStation 4が、すごい途中到達点に近づいている。

同社の月曜日(米国時間1/7)の発表によると、ホリデーシーズンに売れたPS4は全世界で560万台あまり、これまでの累計は9160万台だ。もうすぐ億のオーダーに乗る。発売から5年経つのに、まだ人気絶頂だ。

Microsoftはコンソールウォー(console wars, ゲーム機戦争)で終始負け組だから、数字を自慢することもないが、推計ではXbox Oneの累計売上はPS4の約半分だ。Nintendoは2017年晩くにローンチしたSwitchがアメリカで売上最速のゲーム機を記録したが、総売上台数ではそれより相当古いPS4の足元にも及ばない。

関連記事: Nintendo Switch、2019年に販売台数でPS4を上回るとの予測(Strategy Analytics)

一方ソフトウェアは、これまで売れた総タイトル数が5000万、専属タイトルのSpidermanは900万部売れた。同じく部数(本数)で言うなら、PS4の売れたゲームはこれまでに8億7600万という驚異的な数だ。10億が目の前。

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SamsungのQ4も利益は下降、メモリチップなど半導体の需要低迷で

がっかりするような結果を覚悟しなければならないのは、Appleとそれを取り巻くアナリストたちだけではなかった。Samsung Electronicsの2018最終四半期の決算ガイダンスも、二年ぶりに利益が減少するだけでなく、アナリストたちの予想をはるかに下回っている。同社はその下降の原因として、メモリチップの需要が予想外に低かったことを挙げている。これまでの各四半期ではメモリが、同社のスマートフォン事業の低迷を補ってあまりある存在だった。

Samsung Electronicsによると、約10兆8000億ウォン(96億7000万ドル)の連結営業利益は、前年同期の15兆1500億ウォンを28.7%下回り、Thomson Reutersが取材したアナリストたちの予測13兆2000億ウォンすら下回る予想だ。連結売上の予想59兆ウォンは前年同期65兆9800億ウォン(529億ドル)を10.6%下回る。アナリストたちの予想は62兆8000億ウォンだった。

声明で同社は、“メモリビジネスの困難な状況により2019年の第一四半期も低調な決算が続くことが予想される”、と言っている。とくにデータセンターの顧客の一部において、需要が予想外に弱かったそうだ。

先週は、SamsungのライバルAppleが、第一四半期決算のガイダンスを下げ、CEOのTim Cookは、売上予測が当初の890-930億ドルから840億ドルにダウンする、と述べた。新興市場における需要低迷がその原因とされたが、しかし一般的にスマートフォンの市場そのものが最近の二年は不調なのだ。

ほぼ1年前にGartnerが、2004年以来初めてのスマートフォンの全世界的な売上減を報告した。そのときは、高品質な低価格スマートフォンの不在によりアップグレードが不調だったことと、とくに高級機のオーナーに長期保有の傾向があることが、市場低迷の原因とされた。

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SonyのノイズキャンセリングヘッドホンがAlexaを導入、声で音楽再生をコントロール

ノイズキャンセリングヘッドホンにスマートアシスタントがないことを想像してみよう。それは、2017年へのタイムスリップだろうか? でもありがたいことにSonyは、今日(米国時間1/7)のCESのプレスカンファレンスで、ついに人気製品WH-1000XM3にAlexaなかったことを解決した。

このヘッドホンは今年の第一四半期のどこかで、ファームウェアを改造してAmazonのスマートアシスタントを載せる。ボタンをタップするとAlexaに命令でき、音楽再生のあれこれを指示できる。スマートホームデバイスのコントロールなど、ふつうのAlexaの仕事もできる。

ファームウェアのアップデートはWH-1000XM3と並行して旧モデルWH-1000XM2と、インイヤモデルのWH-1000Xでも行われる。長年わが国の最大の悪夢であった、まだAlexaがあらゆるデバイスにはないという病弊が、快癒に一歩近づいた。

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AT&Tが5Gのマーケティングで嘘をついている

最近アップデートしたAT&Tのスマートフォンは、一部に5G Eのアイコンがある。このアイコンは、現在4Gで動いていることを示すアイコンをリプレースして(なくして)いる。しかし、問題はそこだ: そのスマートフォンはまだ4Gのネットワーク上にある。AT&Tは、前にも同じことをした。

このナンセンスはAT&Tのマーケティングの策略だ。その5G Eなるものは5G Evolutionと呼ばれ、改良版の4Gネットワークであって本物の5Gではない。5Gが一般消費者の手に届くのは、もっと先の話だ。以前はLTEに関しても、AT&Tは同じ欺瞞を使った。

このマーケティング的嘘があるのは、限られた市場の限られた機種だけだ。でも同社は今年、この愚行をもっと多くの機種と市場で展開する気だろう。

情報開示: 本誌TechCrunchはVerizon Mediaの企業である。

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NetgearのメッシュギアOrbiルーターがギガビットクラスのWi-Fi 6をサポート

メッシュ用として気に入っているNetgearのOrbiが、大きくスピードアップした。その新しいルーターはRBK50と呼ばれ、Wi-Fi 6 802.11axをサポートしていて、メッシュを構成するルーター間をギガビット級のワイヤレスで接続する。〔主に家庭内メッシュのこと〕

WiFi 6はまだ新しい規格なので、サポートしているハードウェアはまだ多くない。以下、Netgearの発表声明から引用しよう:

業界トップのOrbi Mesh Wi-Fi Systemsが改良され、 4×4 Wi-Fi 6バックホールの1024 QAMをフィーチャーして、この専用ワイヤレスリンク間および、それと衛星間のスピードとカバレッジとキャパシティを増加する。

Qualcomm Technologies, Inc.のWi-Fi 6対応ネットワーキングSoCを使用しているWi-Fi 6用Orbiは、複数同時のWi-Fiストリームでも従来より高いパフォーマンスをサポートし、ギガビットのインターネットをさらに多くのデバイスに供給して、家庭のギガビットインターネットユーザーが新しいWi-Fi 6の利点を享受できるようにする。それは、次世代のモバイルやスマートホームデバイスの標準を目指した設計である。

この新しいルーターは2019Q3に発売される。価格の発表はない。

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Mophineの新しい充電ケースはLightningポートを使わずにiPhoneを充電する

新しいiPhoneで有線ヘッドホンを使っている人は、Lightningポート経由でiPhoneを充電しながら音楽を聞こうとしたときのイライラをよく知っているだろう。Mophieは今日(米国時間1/7)この問題の解決策をCESで披露した。

Qi規格のワイヤレス充電を利用することで、Mophieの新しいバッテリーケース(iPhone X, Xs/Max, XR用)は、iPhoneのLightningポートをフルに使用できる。これはiPhoneを充電しながら有線ヘッドホンで音楽を聞けることを意味している。

バッテリーケース自身の充電は、USB-CまたはQiのワイヤレスパッドで行う。このケースを使うとiPhone Xs/Xで最大25時間、iPhone Xs MaxおよびXRでは最大31時間の通話が可能になる。この充電ケースは119.95ドルで今四半期中に発売予定。

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HPが、価格5000ドル、65インチのモンスターゲーミングディスプレイを発表

HP Omen X EmperiumはThe Office(英国のコメディドラマ)の再放送を視聴するためのものではない。もちろん視ることは可能だが。このディスプレイは、NvidiaのBig Format Gaming Display(BFGD)ファミリの、最初のディスプレイだ。従来の大型ディスプレイとは異なり、これらはNvidiaの認定を受けており、極めて滑らかな動を通して、最高のゲーム体験を提供すると言われている。

決して安くはない。Omen X Emperiumの価格は5000ドルで、発売は2月の予定だ。

昨年の夏、Nvidiaはこれらのディスプレイを製造するために、複数のメーカーと協力する意向を発表していた。今回の製品は、初めて発表されたもののひとつである。従来のテレビ市場にある同様のサイズのディスプレイに比べて遥かに高価格なものではあるが、十分な数のゲーマーたちが、信じがたい映像によってもたらされる利点を享受するために、現金を差し出すことだろう。

Emperiumの内部には、NvidiaのG-Sync HDRテクノロジを採用した、Nvidiaチップセットが搭載されている。ディスプレイ内のこのテクノロジーは、正しいリフレッシュレートを確保するためにコンピューター内のNVidia GPUと同期し、結果としてより鮮明で、滑らか、そして淀みのない映像を生み出す。

その画面は、デスクトップモニタに利用できるものの中では最高の、HPの素晴らしいQuantium Dot技術を利用している。またDCI-P3色域は95%にも達する。すなわち大量のカラースペクトルを表示する能力を持っていることを意味している。ディスプレイのリフレッシュレートは144Hz、そしてテレビよりもモニターに近い性格から、実際の素晴らしい性能が期待できる。

従来、Samsung、LG、その他のメーカーからの大型ディスプレイは、240Hz以上の速いリフレッシュレートをしばしば売り物にしていた。それは嘘ではないが、ソフトウェアの強化によってのみ達成されているもので、しばしば貧弱な映像へとつながっていた。個人的には直接このディスプレイを見てはいないものの、その宣伝文句が正当なものであることを信じている。

ディスプレイにはNvidiaのShield TVソフトウェアパックが内蔵されていて、所有者はNvidiaのストリーミングサービスを通じて、ほぼすべてのストリーミングサービスと幅広いゲームにアクセスできる。

良い音は良い画像と同じくらい重要であるため、サウンドバーがディスプレイに付属している。

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(翻訳:sako)

HP、量子ドット液晶(QLED)使用のモニターPavilion 27を発売

本日(米国時間1/6)HPはPavilion 27を発表した。QLED画面(HPは正式名称のQuantum Dot[量子ドット]と呼んでいる)を搭載した初めてのディスプレイで、フィルムの代わりにガラスの上にドットがある。違いは明らかだ。ガラスの上の画像は鮮明で美しい。私はガラスディスプレイが気に入っている。

これはディスプレイ世界の大きな一歩であり、大画面にも小さな画面にも新しい製品の可能性を開くものだ。この画面は10億色以上を表現することができる。

Pavilion 27は、HPのこれまでで最も薄いディスプレイでもある。上から下までほとんどの部分が厚さわずか6.5 mmで、ポートや電源のある部分はずっと厚い。壁に掛けることができないのは残念だ

接続方法はUSB-C、DisplayPort、およびHDMI。3月に399ドルで発売される。

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キッチンエイドもGoogleスマートディスプレイを発売

いや、これは理にかなっている、たぶん。キッチンは以前から、メーカーがこの種のスマートスクリーンの使いどころとして注目していた場所だ。だったら、キッチン用品メーカーのKitchenAid/Whirlpoolがその流れに乗ろうとするのは不思議ではない。

KitchenAid Smart Displayというシンプルな名前の製品は標準的なスマートスクリーンのように見える——Lenovo製品のデザインからいくつかヒントを得たと思わせる外観(ただしベゼルは異様に広い)。

しかし大きな差別化要因は、Yummly、同社が2年前に買収したレシピ検索エンジンだ。これとGoogle Assitantが組んだことで、レシピとクックングガイドが、10インチ防水ディスプレイの中心に据えられている。

正直なところ、KitchenAidブランドのデバイスを、たとえば、Google Home Hubをさしおいて選ぶ理由はおそらくない——たとえキッチン専用に使うつもりでも。しかし、KitchenAidが売り方さえ間違えなければ(Target、Lower’sなどのホーム/キッチンストアなど)、かなりの数を動かすことができるだろう。

Whirlpoolは新しいProバージョンのYummlyもCESでデビューさせ、カーラ・ホール、リチャード・ブレイズ、ジェット・ティラ、ダニエル・ホルツマンといったプロのシェフたちの技を同プラットフォームに取り込んでいる。

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HPの新しいAMD Chromebookの郎報と悲報

郎報:HPがAMD Chromebookを出した。悲報 :使われているチップセットが古い。

HPの新しいChromebook 14を紹介する。これは初めてのAMD搭載Chromebookだ。ただし喜びすぎないように。これは、多くの人たちが待ち望んでいたAMD版Chromebookではない。このChromebookは相当古いAMDチップセットで動いている。

これまで、ChromebookはIntelチップを使ってきた。しかし2018年夏、いずれQualcommとAMDのチップを使ったChromebookが提供されるという噂が広まった。どちらにもIntelに対して独自の優位性がある。Qualcommモデルは、理論的に、常時オンの接続性と長いバッテリー寿命が実現可能であり、一方AMDは、理論的に、優れたグラフィックレンダリング機能をChromebookにもたらすことができる。

このHP Chromebookはどちらでもない。

新しいHP Chromebook 14はAMD Dual-Core A4-9120を搭載している。このチップは2016年6月に発売された。CES 2019で発表された他のChromebookに使われているチップと比べると、このチップは遅く電源管理機能も劣っている。Radeon R4グラフィクスを採用している点はよいのだが、ここでもやはり、旧型チップと組合わさっていることから総合的結果は期待されるほど魅力的ではない。

願わくば、このモデルをきっかけに最新チップセットを使った他のAMD Chromebookが出てきてほしい。

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これまでに売れたAlexaデバイスが1億台を突破した、まだ製品のないAlexa Autoにもすでに100万人が殺到

金曜日(米国時間1/4)にAmazonが行った発表によると、同社のEchoシリーズをはじめとする、音声アシスタントサービスAlexaのユーザー端末デバイスは、これまでの累計で1億台以上売れた。

それは、Amazonのデバイス担当SVP Dave LimpがThe Vergeのインタビューで挙げた数字で、音声アシスタントを多様なハードウェアデバイスに実装して売っていく同社のペースが、非常に速かったことを物語っている。ただしLimpの話の中には、それら端末実装機の何割がAmazon自身のEchoデバイスで、サードパーティ製のAlexaデバイスが残り何割か、という情報はない。〔参考記事

関連記事: The long list of new Alexa devices Amazon announced at its hardware event…Amazon自身のAlexaデバイス(未訳)

同社のビジョンは、回路基板のあるものなら何でもそこにAlexaを入れられる、というものだ。そのことを証明するかのように9月の同社のハードウェアイベントでは、Echoの各種新製品のほかに時計や電子レンジなども含む10種類以上のAlexa対応デバイスが発表された。Limpによると、今市販されているAlexaデバイスは150種類以上あり、その多くは2018年に発売されたものだ。

1億という数字は、まだ成熟の余地が十分にあるプラットホームとしては確かにすごいが、しかしAndroidとiOSという二つの大陸で勢いのある、Google AssistantやApple Siriという強敵にやられないためには、それぐらいアグレッシブでなければならなかった。その強い姿勢のおかげでAmazon Alexaは、スマートホームに関してはGoogleをしのいでいる。それでも後者のGoogle Homeデバイス、とりわけGoogle Home Miniは、かなり健闘しているが。

関連記事: 本年Q2、もっとも売れたスマートスピーカーはGoogle Home Mini

Amazonの低価格AlexaデバイスEcho Dotも、同様に大きな関心を集めている。このデバイスは9月に新しいデザインになり、スピーカーの音量が大きくなった。同社は、発売前のハードウェアでも成功を収めつつある: 車載用AlexaデバイスであるAlexa Autoは、その招待制販売にすでに100万名以上が登録した。

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ウォーターサーバーのFloWaterが$15Mを調達してボトル入り飲料産業との戦いを拡大継続

カリフォルニア州バーリンゲームの今年で8歳になるFloWaterは、水筒や瓶などに飲み水を補充するウォーターステーション(またの名ウォーターサーバー)を作っている。同社はこのほど、初めての大型投資として1500万ドルを調達した。浄水器などを作っているスウェーデンのBluewaterが、このラウンドをリードした。

FloWaterの製品は学校や大学、フィットネスセンター、ホテル、オフィスなどに置かれる。CEO Rich Razgaitisが語る同社のミッションは、4つの環境問題の解決だ。1)アメリカにおける肥満は砂糖で味付けをした炭酸飲料の飲み過ぎが大きな原因のひとつだ; 2)毎年400億本の使い捨て飲料ボトルが放棄されている; 3)そんなボトル入り飲料の生産や輸送のために数百万バレルの石油が消費され数百万ポンドのCO2が排出されている; 4)使い捨てプラスチックボトルには、内分泌かく乱化学物質(endocrine-disrupting chemicals, EDC)などの毒物が含まれている。

これは、相当な説得力があるし、水補充ステーションのそのほかのメーカーも同じことを主張している。SECの文書によると、今回は13の投資家がFloWaterの主張に賛同して、同社に小切手を書いた。

ファウンダーのWyatt Taubmanによると、同社の創業資金は18600ドルの銀行融資だった。Taubmanは2015年以降、同社の一取締役へと退いているが、自分の新しい企業としてコールドプレスジュースのメーカーを立ち上げた。

LinkedIn上のTaubmanの言葉によると、最初の銀行融資でパイロット事業として水補充ステーションを立ち上げ、次は友だちや家族から12万5000ドルを集め、そして62000ドルの二度目の融資で補充ステーションの設置数を増やした。その後同社は、Tech Coast AngelsとHawaii Angels、そして社員として雇用したRazgaitisから95万ドルを調達、製品のデザインを一新し、2016年にはシリーズAとして260万ドルを調達した。

FloWaterのウォーターステーションは、Google, Airbnb, Specialized Bikes, そして皮肉なことにRed Bullなどに置かれている。

同社のステーションは、今では50近くの州にあるそうだ。

画像クレジット: Zing Images

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Klipschの新型ワイヤレスイヤホンは、充電ケースがZippoライター風

Bluetoothイヤホンの出現以来、充電ケースといえば良く言って実用的だ。理解できる。ケースの外見でイヤホンを買う人はもしいたとしてもごくわずかだと私は想像する。しかし多くの人にとって、イヤホンはスマートフォン(とおそらくウェアブル)共に、必ず一緒に外出する電子機器のひとつだ。

デザインは悪くさえなければ無難だ。たとえばAirPods。Glideのデンタルフロスを思い出させることを除いて、十分よくできていて不快感のないデザインだ。そして少し違うことに挑戦したKlipschに拍手を送りたい(もうひとつの明確な例外であるSennheiserの高価なMomentumと共に)。T5のサウンド品質やバッテリー寿命について私には何も言えないが(来週CESで初めて披露される)、魅力的なケースに入っていることだけは間違いない。

GizmodoがZippoライターと比較しているのは実に的を射ている。そして正直に話せば、生涯ノンスモーカーの私は人生のある時期(「高校時代」と呼んでおこう)Zippoをアクセサリーとして持ち歩いていた。キャップを片手で開く小技もいくつか身につけた。自慢ではない。

ともあれ、T5の価格は199ドルで、現在のBluetoothイヤホンの中ではバイエンドの部類に入る。Klipsch製品の音質は概して堅実なので、安心できるだろう。発売は今年の夏を予定している。

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空港などのX線セキュリティマシンの能力をニューラルネットでアップするSynapseがシードで$6Mを調達…成田空港で試験運用中

最近の数年間でコンピュータービジョンの技術は大きく進歩しているはずだが、それでもなお、空港などの安全が重視される場所では、大量のX線撮影装置がさらに大量の人間の手を借りて、武器などの発見に使われている。

Synapse Technologyが作っているコンピュータービジョン技術の製品は、既存のX線マシンに付設するハードウェアアドオンで、本体機の保証を無効にすることなく、ニューラルネットワークを利用するアシスタントが、スキャン対象に対する‘視力’を増強する。

同社はこのほど、Founders Fundと8VC、およびVillage Globalがリードするシードラウンドで、600万ドルを調達した。

これまでの同社の主な対象は、政府の建物や学校など重要施設のセキュリティチェックだったが、本当はもっと大きな市場として空港をねらっている。空港も当然、同社の技術の市場だ。Synapseは現在、日本の成田空港でパイロット事業を行っており、同社によると、そのスキャナーにより禁止品目の検出率が従来に比べ14%増えたそうだ。

これまで500万あまりのバッグをスキャンしたが、今後は検出品目をもっと多様化していきたい、という。たとえば今同社は、その技術で3Dプリントされた武器を検出するテストを行っている。

Synapseの社長Ian Cinnamonは、本誌インタビューでこう語った: “これまでのX線マシンは物の判定を人間の目に頼ってきたから性能に限界がある。わが社のソフトウェアとAIは、人間よりも高い精度で武器を自動的に検出する”。

Synapseの技術は、機内手荷物の中の洗面用品をチェックするわけではない。現在の同社の技術は、銃や、ナイフのような鋭利な品物の検出にフォーカスしている。同社によると、空港の保安担当者たちの仕事が楽になるだけでなく、同社のAI技術により、今までは見つけられなかった大きな電子製品の中に隠されたオブジェクトを、彼らは見つけられるようになる。だから将来的に旅客は、自分のバッグの中にラップトップがあるだけではセキュリティチェックにひっかからなくなる。

空港の禁止品目は今どんどん増えているから、Synapseのねらいは人間労働者を置換することではなく、彼らが実際に調べなければならない品物の数を減らしてあげることだ。“わが社のアルゴリズムが活躍するようになればなるほど、人間労働者の能力もアップする”、とCinnamonは言っている。

今回の資金は、もっとさまざまな重要施設で同社のプロダクトが使えるようにするための技術開発と、新規雇用の増大に充てられれる。

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Samsung Galaxy S10、初のリーク写真から分かること

むむむ、これは一体なんだ? 多産系のスマートフォン情報リーク屋EVLeaksによれば、これはSamsung Galaxy S10だそうだ。もしそうだとしたら、2か月後のMobile World Congressで披露されるはずのそれの、初めてのリーク写真だ。

アイコンがすべてぼかされているし、トリミングもへたで、非常に雑な写真だ。ソースを隠そうとしたのか? でもスマートフォンの前面の撮り方としてはまともだし、1か月も経てばこれの別バージョンが世の中にどっと出てくるだろう。

ここでいちばんおもしろいものは、イコール、いちばん意外でないものだ。前の世代(S9)でノッチを避けたSamsungは今回それを完全に跳び越えて、本誌が2019年に大流行すると予言した‘穴あけ方式’(hole-punch)のデザインをカメラに採用した。とくに目立つのは、Huaweiがすでに昨年、Samsungに先駆けて同社のNova 4にhole-punchを採用したことだ。

EVが上のツイートで言っている“Beyond 1”は、このフラグシップ機の仮称だ。“Beyond 2”がS10 Plus, “Beyond 0”がiPhone XRのような低価格機だろう。

このリーク写真のもうひとつの注目箇所は、どうやらワイヤレス充電に対応し、そしてSamsungのウェアラブルとの互換性がありそうなことだ。これもまた、Huaweiの最新機Mate 20 Proへの追随だろう。

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Apple株価引き続き下落、90日で38%――主因は米中貿易戦争

Appleの株価は一晩で9%以上ダウンした。実際、同社の株価は昨年の10月以来、トータルで38%も下落している。昨日(米国時間1/2)、Appleが収入の低下を警告する異例のガイダンス修正を発表する際、.株式売買は一時中断された。iPhoneをアップグレードする需要が失速したことが同社の収入、ひいては株価に大きな影響を与えたものとみられる。

10月3日の株価は232.07ドルだった。その後市場は乱調で全体として下落傾向だ。Appple株もここ数ヶ月ダウンを続け10月の高値と比べて87ドルも値下がりしている。

 

昨日の午後、Appleはガイダンスの下方修正による混乱を避けるため株式売買を一時停止したが、このときの株価は157.92ドルだった。今朝、この記事の執筆時点の株価は8.19%ダウンの144.981ドルだ。.

D.A. Davidsonのシニア・アナリスト、Tom Forteは昨日のガイダンス修正について、「Appleの経営は盤石と思われていた。なるほどiPhoneの売上台数は軟化していたが、これほど深刻だったことには驚かされた」と述べた。

Forteは昨日の発表でいちばん重要だったのはAppleが売上の20%を得ていた中国市場の問題だと考えている。長期化が予想される米中貿易戦争は売上に大きな影響を与えるだろう。貿易戦争は中国経済を全体として減速させるし、愛国心の高まりからiPhoneに代えて中国製スマートフォンを買う動きも起きるはずだ。

しかもすでにApple自身がインド、ロシア、ブラジル、トルコなど中国を除く市場でもiPhone売上が低下することを予想していた。しかしForteはやはり中国市場の問題がいちばん大きいと考えている。

Forteは「iPhoneのパフォーマンスが低下している一方、他のプロダクトは19%も成長していることは将来に向けて明るいニュースだ」という。しかもAppleの資金は潤沢であり、株式買い戻しのために1000億ドルを用意している。「株式買い戻しプログラムもあるし、決算は好調でキャッシュフローも巨額だ。つまり市場で投資家が株を買わないのならApple自身が買えばよい」とForteは説明した。

Canaccord Genuityの今朝発表してレポートでアナリストは、「昨日のガイダンス修正にもかかわらず、Appleのファンダメンタルズは良好であり、引き続きわれわれはApple株式についてBUY格付けを維持する」としている。

Forteは「ただし米中貿易戦争の将来は大きな疑問符だ。他のプロダクトの販売は好調であるものの、貿易戦争の状況が流動的である間は収入予想を上方修正することはないだろう」とみている。

〔日本版〕日本時間1月4日7:40AMにおけるApple株式は上の記事からさらに2ドルダウンして142.50ドル(時間外取引)。前日からほぼ10%のダウンとなっている。

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