ベルリンのBattlefield勝者は晩婚者のために元気な精子を冷凍保存するLegacyに決定

最初は13社だった。そして二日間の激しい競争の結果、勝者が決まった。

これらStartup Battlefieldの参加社は全参加社の中から書類選考で選ばれ、いずれも甲乙つけがたい優秀なスタートアップとして、このコンペに参加した。彼らはみな、VCたちとテクノロジー業界のリーダーから成るジャッジの前でプレゼンを行い、5万ドルの優勝賞金と優勝カップDisrupt Cupを争った。

数時間に及ぶ討議を経て本誌TechCrunchの編集者たちは、ジャッジのノートを熟読し、5社のファイナリストを決めた: それらは、Imago AI, Kalepso, Legacy, Polyteia, そしてSpikeだ。

5社は決勝のステージで、新たなジャッジたちの前で再度デモを行った。決勝のジャッジは、Sophia Bendz(Atomico), Niko Bonatsos(General Catalyst), Luciana Luxandru(Accel), Ida Tin(Clue), Matt Turck (FirstMark Capital), そしてMatthew Panzarino(TechCrunch)だ。

そしてついに、ベルリンで行われたTechCrunch Disrupt Berlin 2018 Startup Battlefieldの優勝者が決まった。

優勝: Legacy

Legacyは、おもしろい問題を探究している。それは、加齢に伴う精子の活動低下だ。スイス出身の同社は、人間の精子を冷凍保存して、本人が高齢者になっても元気で安全な精子を使えるようにする。晩婚だけど自分たちの子どもがほしい、という人びとにとっては、これは重要な問題だ。

Legacyに関する本誌記事は、ここにある〔未訳〕。

準優勝: Imago AI

Imago AIはAIを使って作物の収量を増やし、無駄に廃棄される食品を減らして、世界の人口増に対応する。同社はコンピュータービジョンと機械学習の技術を使って、作物の収量と品質を、誰でも容易に予測できるようにする。

Imago AIに関する本誌記事は、ここにある〔未訳〕。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

AmazonのComprehend Medicalサービスは機械学習を利用して患者の記録から有意な医療データを取り出す

【抄訳】
Amazonが、機械学習を利用して患者の記録から重要なデータを取り出し、病院などのヘルスケアプロバイダーや研究者たちの費用節約や治療方針の決定、臨床試験(治験)の管理などを助ける新しいサービスを立ち上げた。AmazonがAmazon Comprehend Medicalとよぶこのサービスの発表は、火曜日(米国時間11/27)に、The Wall Street Journalがそれを報じた直後に行われた。

このクラウドソフトウェアはテキスト分析と機械学習を組み合わせて、処方や注記、面談の音声、検査の結果、などから成る患者の記録を読む。これらの記録がデジタイズされてComprehend Medicalにアップロードされると、診断や処置、薬の処方、そして症状などに関する情報が拾い上げられてまとめられる。

〔参考記事: Amazon Comprehendとは…「Amazon Comprehendでは機械学習の技術とは無縁なデベロッパーでも専門用語で自然言語処理モデルを訓練できる」〕

Amazonの最近のヘルスケアへの進出としては、オンラインの処方箋サービスPillPackを10億ドル近くで買収したことや、Amazonの社員のヘルスケアを改善するための、Berkshire HathawayとJP Morgan Chaseとのジョイントベンチャーが挙げられる。これらにより同社は、最近ますますヘルスケアにフォーカスしているそのほかの大手テクノロジー企業の仲間入りをしている。

たとえば今年初めにAppleは、iPhoneのユーザーが自分の病院の医療記録を見られるための機能をiPhone上に導入した。またGoogleは最近、大手医療法人Geisingerの前CEODavid Feinbergを雇用して、検索やGoogle Brain, Google Fit, Nestなど多岐にわたるGoogleの各事業部門が抱えるヘルスケア企画の、一元化と全体的な指揮を彼に委ねた。

今日の発表声明の中でAmazonはこう言っている: “これまでは、この情報を見つけるために長時間の手作業を要し、しかもそのために、高度な技能を持つ医療エキスパートによるデータ入力や、情報を自動的に取り出すためにデベロッパーのチームがカスタムのコードとルールを書く必要があった”。そして同社の主張によるとComprehend Medicalは、患者の記録の中に“医療の状態、解剖学的専門用語、医療検査の詳細、治療内容、処置”、などを正確に見つける。一方、患者は、このサービスを利用して自分の治療のさまざまな側面を管理し、通院のスケジュールや薬の処方、保険の適用の判断などを明確に把握できる。

【後略】
●データは暗号化され、どこにも保存・利用されないのでプライバシーの問題はない。
●すでにいくつかの大手製薬企業や医学研究所がComprehend Medicalを試験的に導入し、とくに治験の適正な実施に必要な膨大な量のデータ作業の省力化や迅速化などに貢献している。“これまで数時間を要したデータ作業が数秒で終わる”そうである。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Zimmer BiometとAppleがApple WatchとiPhoneを使った膝と腰の人工関節置換手術のための臨床研究を開始

Appleは、最新型Apple Watchの利便性を訴えるものとして健康を大きな柱に据えているが、本日(米時間10月16日)、その新たな道筋が形となって現れるというニュースが報じられた。人工関節置換手術の治療材料やシステムの開発で世界をリードするZimmer Biometは、人工膝関節および人工股関節の置換手術を受ける人々に焦点を当てた臨床研究を、Appleと共同で行うと発表した。

この試みは三段階に分かれており、最初の2年間で最大1万人の患者が参加することが予測されると、Zimmer Biometの遠隔医療副社長Ted Spoonerはインタビューで語っている。

彼によると、患者のケアは次の3つの側面によってカバーされる。Apple WatchとiPhoneのセンサーを使い、患者の術前と術後の状態をモニターする。患者自身による術前と術後のケアの質を向上させるための教育と情報を提供する。医師、介護士、患者との間に連絡チャンネルを開設し、質問や答えを交換できるようにする。これらはすべて、Zimmer Biometのmymobilityアプリで行われる。

このプロジェクトに参加する医療施設は以下のとおりだ。
University of Utah Health(ユタヘルス大学)、Rush University Medical Center(ラッシュ大学医療センター)、University of Pennsylvania Health System(ペンシルベニア・ヘルスシステム大学)、Emory University Orthopaedics & Spine Hospital/Emory Healthcare(エモニー大学整形および脊椎病院/エモニー・ヘルスケア)、Hoag Orthopedic Institute in Southern California(ホーグ整形病院サザンカリフォルニア)、Massachusetts General Hospital(マサチューセッツ総合病院)およびBrigham and Women’s Hospital(ブリガム・アンド・ウイメンズ病院)が設立した非営利団体Partners HealthCare(パートナーズ・ヘルスケア)のメンバーであるNewton-Wellesley Hospital(ニュートン・ウェルスレイ病院)、Centura Health(センチュラ・ヘルス)所属のPorter Adventist Hospital – Colorado Joint Replacement(ポーター再臨派病院コロラド人工関節置換部)、Legacy Meridian Park Medical Center(レガシー・メリディアン・パーク医療センター)所属のROC Orthopedics(ROC整形病院)、OrthoArizona(オーソアリゾナ)、Midwest Center for Joint Replacement(人工関節置換中西部センター)、Hartzband Center for Hip & Knee Replacement(人工股関節膝関節置換ハーツバンドセンター)、New Mexico Orthopaedic Associates(ニューメキシコ整形連盟)、Michigan Institute for Advanced Surgery(ミシガン高度外科病院)所属のThe DeClaire LaMacchia Orthopaedic Institute(デクレア・ラマッキア整形病院)、
Joint Implant Surgeons(関節移植外科)、Orthopedic and Fracture Clinic(整形および骨折クリニック)、Panorama Orthopedic and Spine Center(パノラマ整形および脊椎センター)。

Spoonerによるとこの研究は(現在はアメリカ国内に限られている)、Zimmer BiometとAppleが2年間におよぶ水面下での共同作業が実を結んだものだ。その目的は、Zimmer Biometが求める遠隔医療アプリの実効性を測る知る数値の収集だけではない。Appleの側には、スマートウォッチとスマートフォンを中心に構築される医療サービスに医療業界が期待していることを出資者たちに理解させるという狙いもある。現在、世界中で行われている人工膝関節置換手術の4回に1回を占めるZimmer Biometは、その中心的な存在だ。同社は、股関節、肩関節、足、歯でも同様に堅固な市場を確保している。

Appleがこの研究の重点をどこに置いているかは、この立ち上げにコメントを寄せた人たちの言葉でわかる。

「顧客に力を与えるには、自分の健康と活動の情報を利用して自分自身の健康管理を改善する手段を与えることだと、私たちは信じています」と、Appleの最高執行責任者Jeff Williamsは声明の中で述べている。「人工膝関節と人工股関節の置換手術を行った患者が、自分自身のデータを使い、また医師と直接共有することで、自分のケアと回復に参加できるようになることを、私たちはとても嬉しく思っています。これは、従来の面接による診察という方法では実現できなかったことです。このソリューションは、消費者と主治医を、手術の前も後も、継続してつないでゆきます」

股関節と膝の人工関節置換手術はもっとも一般的な手術で、
アメリカでは毎年に100万回も行われている。Deloitteによれば、人口の増加と長寿化、さらに若いころにフィトネスのための激しい運動で体を酷使した人たちも多く加わり、2035年にはその数は350万回に増えるという。

遠隔医療サービスを人工関節手術を主に受けている高齢者に売るのは、難しそうだと考えるかも知れない。しかしSpoonerは逆だと言う。

「現在、スマートフォンをもっとも早く導入する年代層は、55歳から64歳だとわかりました」と彼は話す。彼らは、そのひとつ下の年代に比べて、スマートフォンやその他の接続機器を3倍の早さで購入しているという。もろん、高齢者が使い始めたのが遅かったというのも理由のひとつかも知れない。とは言え、その数字に関して、「他の年代グループの複合年間成長率が2パーセント以下であることを考えると、本当にびっくりです」と彼は言っている。同様にスマートウォッチについても、高齢者のユーザー数が高い伸びを示している。「若い人たちよりも、高齢者ほどその恩恵を多く受けることになります。年を取ると健康に敏感になるので、このプロジェクトには最適の時期だと私たちは考えました」

Zimmer BiometとAppleが解決を目指す課題の中心には、患者が積極的に治療に関われるようにすることがある。計画どおりに行かない何かが起きた場合、それを特定して対処できるようにしなければならない。システムには大きなダッシュボードと分析機能を備え、診察日の間に患者がどのような行動をとっているかを、医師や介護士が評価できるようにする。

患者は、手術までの間に何度も知らせを受ける。手術が受けられる健康状態を保つために、活発に動くよう指導されるのだ。医師は、患者の体の動き、脈拍数、そしてとくに、1日のうちに立つなどの基本的な動作をどれぐらい行っているかなどをモニターして、患者が指導に従っているかを確認できる。同じことは、術後も続けられる。その間、たとえば傷口がどう見えるかといった不安を覚えた場合、患者は医療チームに相談することも可能だ。ただしそれは、患者のモニターや教育といった第一義的な目的からは外れる使い方だとSpoonerは言う。

Zimmer BiometがAppleと一層緊密に協力し合うようになったのは、医療系企業が(他の多くの業界もそうだが)デジタルサービスの進歩によってもたらされたイノベーションに飛び込む必要性を感じたからだ。そうしなければ、医療の未来を一切捨て去ることになる。Spoonerは、とくに今回の挑戦のために設立したスタートアップRespondWellを通してZimmer Biometに出会ったという。

「この市場は、患者の継続的な利用、そして自分の状態をより詳しく知り、介護士とうまくやってゆけるようにするための有効な生体データを探す場所でした」と彼は言う。彼のスタートアップはMicrosoft Connctを使っていた。「しかしそのとき、Zimmer BiometがAppleと事前交渉を行っていたのです。私たちは、彼らと共通するアイデアを持ってクパチーノに向かいました。そこから今回のコラボが始まりました」

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(翻訳:金井哲夫)

Boseの補聴器、FDA承認を取得

補聴器なしでは聞こえに困難を抱えるという大人は3750万人にのぼる。Boseの新しいプロダクトはそんな人のためのものだ。今日、米国食品医薬品局(FDA)は、オーディオテクノロジー企業Boseの新補聴器の販売を承認した。

Bose Hearing Aidと名付けられたこのデバイスは、難聴の人が医療提供者の助けを借りなくても聞こえを調整したりコントロールしたりできるようにデザインされている。このデバイスは、マイクを通じて音の振動をとらえるのに空気伝導を活用する。そしてそのシグナルを処理し、増幅させ、外耳道にあるイヤホンを通して音を伝える。ユーザーはモバイルアプリで聞こえを調整することができる。

「難聴は社会の大きな健康問題であり、特に年齢に応じて顕著になる」とFDAのデバイス・放射線保健センターで眼・耳鼻咽喉のデバイス部門を統括する医学博士Malvina Eydelmanはプレスリリースで述べている。「今回の販売の許可で、患者は直接自分でフィット感や機能をコントロールできる新たな補聴器を手にすることが可能となった。今回のFDAの決定により、難聴を抱える人は自己健康管理にこれまで以上に積極的に関わるオプションを手に入れることになる」。

このデバイスの市販を承認する前に、FDAは患者125人の臨床試験データをレビューしたとのことだ。この研究では、専門家がデバイスを調整した場合の結果と同等であることが明らかになった。

「そうした結果に加え、患者がBose Hearing Aidを試したとき、プロが行なった設定より自分で行なった設定の方を好んでいた」とFDAはブログに投稿している。

この手の補聴器を手がけるのはBoseが初めてではない。現在は存在しないスタートアップDoppler Labsアクティブリスニング機能を搭載したイヤホンを開発し、聞こえの手段を提供した。また、Nuhearaは今年初めに聞こえを改善させるイヤホンを発表している。しかしながら、Boseのデバイスとそれらとの間にある決定的な違いは、FDAの承認だ。

Boseは、FDAのDe Novo発売前レビュー審査を受けた。これは、リスクが低〜中程度のデバイスで革新的かつ新規のもので行われるプロセスだ。FDAが言うように、ユーザーが自分でフィット感や補聴のプログラムを調整できる補聴器として初めて認可された市販向け商品となる。しかしながら、州の法律によっては、補聴器を扱う認可機関でこのデバイスを購入することになるかもしれない。

このデバイスがどのような外観なのかは明らかではない。もしかすると、“日常会話がよく聞こえるようになる”ヘッドフォンとして現在市販されているBoseヘッドフォンが、単に補聴器として再投入されるだけかもしれない。

Boseはこれまで50年以上にもわたって業界トップのオーディオ体験を提供してきた。そして最近我々は、その専門性をいかして騒音のある環境でもよく聞こえるようなものに取り組んでいる。Boseの広報Joanne BerhiaumeはTechCrunchに対し文書でこう述べた。「FDAによるDe Novo申請承認で、軽度〜中度の難聴を抱える人が聞こえをコントロールするのにBoseのテクノロジーを活用することができるようになった。補聴器によって恩恵を受けることができるのに現在補聴器を使っていないという何百万人もの人に、求めやすく、操作も簡単、そして素晴らしい音が楽しめるというこのソリューションを提供することを非常に楽しみにしている」と述べている。

イメージクレジット: Photo by Larry French/Getty Images / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi)

IBM Watson Healthと復員軍人省が退役軍人のがん治療でパートナーシップ

IBMのWatson Healthと復員軍人省が今日(米国時間7/19)、Watsonの人工知能を使って末期がんの退役軍人を支援する共同事業を今後も継続する、と発表した

Watsonは一般的には、ゲームのJeopardy!人間に勝ったことぐらいしか知られていないが、2016年にはオバマ政権の全米がん撲滅運動に従って、復員軍人省の精密腫瘍学プログラムに参加した。Watsonと省の腫瘍学者たちは、患者が提供した腫瘍の標本を分析し、がんのゲノムの突然変異を探究した。そのとき得た情報により、患者別の投薬や治療の方針をより精密にすることができた。

両者のパートナーシップが始まったときには2700名あまりの退役軍人を研究と治療の対象にできたが、今日の発表では省の腫瘍学者たちが少なくとも2019年までWatsonのゲノム研究技術を利用できることになった。

IBM Watson HealthのトップKyu Rhee博士はこう語る: “膨大な量の医学情報と具体的な個人のがんの突然変異を正しく関連付けることは、きわめて困難である。その意味でAIは、精密腫瘍学の対象規模を大きくすることに、重要な貢献をしてくれる。とくに復員軍人省とのパートナーシップは、アメリカで最大の総合的ヘルスシステムになる”。

2016年にこのパートナーシップが始まる前には、IBMはWatsonを、20以上のがん治療/研究機関で訓練した。そしてその初期の結果に基づき、科学者と医師によるチームが意思決定を行った。

2年間の訓練でAIに医学の学位を与えることはできないが、Watsonが人間のプロフェッショナルよりも得意なのは、データの消費だ。全米がん研究所のデータによると、アメリカのがん患者の3.5%が退役軍人と言われるだけに、大量のデータから情報を取り出す能力はきわめて重要だ。がん患者は年々増えており、2018年には新たにがんを診療した患者が170万名あまりに達した。

これだけの患者に適切な治療と処置を提供していくことは、多くの意味で数との勝負だ。そして数こそが、Watsonが得意技を生かせる領域だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

製薬企業のサプライチェーンからにせ薬を撃退するTraceLinkがさらに$60Mを調達

このお天気の良い金曜日(米国時間6/8)の午後、SECが処理したばかりのTraceLinkは、薬を調べて偽薬(にせぐすり)をの処方を根絶やしにしようと努力しているSaaSだ。同社はこのほど、シリーズDで6000万ドルを調達した。

SECのファイルによると、参加した投資家は18社で、そこにはたぶんGoldman Sachsもいる…同社の成長資金部門は約18か月前にTraceLinkのシリーズC 5150万ドルをリードしている。この9歳になるスタートアップの初期の投資家には、ほかにFirstMark Capital, Volition Capital, F-Prime Capitalらがいた。

本誌TechCrunchのライターJordan Crookがそのときに書いているが、TraceLinkは製薬企業のサプライチェーンを、各国のコンプライアンス要件に応じて調べる。これはとくにアメリカでは、2013年のDrug Supply Chain Security Act(薬剤サプライチェーン安全法)によって重要性を増している。この消費者保護法は、消費者を偽薬や盗品薬、汚損薬などから守ることがそのねらいだ。

この法律が施行されたときには、業界は今後10年以内に最小単位レベルのトレーサビリティを確立することが、義務化された。その期限が5年後に迫っている。

さらにTraceLinkにとって追い風になっているのは、麻薬だ。その拡大は90年代の後半以降とくに激しく、薬剤のサプライチェーンにおいてそれに対する脆弱性を摘出すべし、という圧力がますます強くなっている。

同社が今、上場に備えて四半期ごとの売上や顧客数の伸びを報告するようになったのも、不思議ではない。まさに、2週間前の同社の“成長ハイライト”によれば、同社の2018Q1の売上は前年同期比で69%も伸びたのだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

生物学を3Dで視覚化する強力なツールAllen Integrated Cellで感動しよう

細胞ってどんな形をしているのだろう? 絵を描(か)けと言われたらたぶん誰もが、中央に卵黄のある目玉焼きのようなものを描き、リボゾームを二本ぐらい添えるだろう。凝り性の人なら、さらに小胞体をざっと描くかもしれない。でも本物の細胞はそれよりもずっと複雑で、しかももちろん立体だ。そして細胞を実際に体(からだ)にあるとおりに、誰もが視覚化できるツールが、ここでご紹介するAllen Integrated Cellだ。

このツールを作ったAllen Institute for Cell Science(アレン細胞科学研究所)は、Microsoftの協同ファウンダーPaul Allenがシアトルに作った研究施設だ。この研究所は長年、主に細胞の視覚化を研究してきたが、今日(米国時間5/9)やっとそれをAllen Integrated Cellと名付けた企画として一般公開し、Web上でも見られるようにした。

このアプリケーションは、もっぱら幹細胞が対象だ。その3Dモデルは一般的な理論だけでなく、彼らが研究所内部で行った記録や観察にも基づいている。細胞のタイプは数十種類あり、プロテイン(タンパク質)をはじめ、細胞を構成しているさまざまな物質を像を切り替えながら見ることができる。

オルガネラやプロテインの位置を観察できただけでなく、このシステムはそのほかの類似の細胞を調べることによって、それらの位置を予測できるようになった。そこで、特定の物質を探索しなかった細胞についても、その存在を確率モデルから推測できる。

それが重要なのは、特定の物質やオルガネラを選んで蛍光染色し、顕微鏡で直接見るやり方が細胞にとって良くないからだ。そうやっていろんなものをタグ付けしていると、細胞が死ぬこともある。しかしモデルによって、細胞膜Bの存在と形からオルガネラAの所在を導けるのなら、タグ付けは不要だ。

研究所の常勤取締役Rick Horwitzがプレスリリースで述べている: “これは、人間の生きている細胞の内部を見る新しい方法だ。将来的にこの方法は、新薬の発見や疾病の研究など、人間の細胞の研究を必要とする研究開発の、あり方を変えるだろう”。

微生物学者でない人が見ると、これらは岩を描いたヘタな絵か、モダンアートに見えるだろう。しかし、ある種のプロテインの生体内の働きや、特定の医薬やホルモンへの反応、その分布を支配している体内的過程、などを研究している者にとっては、強力なツールになりえる。

関心を持たれた方は、研究所にある、人間の細胞のヴィジュアルガイドをご覧になるとよいだろう。それも今日公開され、見る人に高校時代の生物学を思い出させるだけでなく、撮影された動画等ではなくWebそのものの技術で描かれる、3Dのすばらしいビューアーを体験できる。

画像クレジット: Allen Institute for Cell Science

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

3Dプリンティングは医療産業をディスラプトする――補装具カスタマイズから再生医療まで

〔編集部〕この記事の筆者はXponentialWorksのファウンダー、CEOのAvi Reichentalで、Dプリンティング・テクノロジーとその影響についてのエキスパート。

1983年に3Dプリンティングの父、Chuck Hallはきわめてシンプルでありながらきわめて革命的なものを作り出した。彼は世界で最初に目の洗浄用コップを3Dプリンターでプリントアウトした。

それは見たところごく平凡な小さい黒いカップに過ぎなかったが、このカップこそ来るべき革命を予告していた。今や3Dプリンターは医療とヘルスケアを根本的にディスラプトしつつある。

アメリカのヘルスケアのコストは天井知らずで高騰を続けている。政治による解決は望み薄だ。テクノロジーの革新以外に意味ある結果をもたらす可能性はない。ここでは3Dプリンティングがすでに起こしつつある革命の一端を紹介したい。

カスタム化補装具

私はよくAmanda Boxtelの例を話す。Amandaは下半身に麻痺があり、Ekso Bionicsのロボット・スーツを利用していた。Amandaは私に相談に来て「装着感が悪く困っている」と訴えた。このスーツは優れたデザインでAmandaにある程度の運動の自由を与えたものの、誰もが当然望むような自然な動作は不可能だった。

ソース:Scott Summit, Charles Engelbert Photography

通常の補装具は各種の現行デバイスと同様、大量生産品だ。これに対して3Dプリンティングによる補装具は個別のユーザーに合わせたカスタムメイドだ。われわれはAmandaの身体をデジタルスキャンし、カスタム化したロボットスーツの製作を目指した。これはテーラーメイドで背広を仕立てるのに似ている。これによりAmandの身体にミリ単位でフィットした軽量で装着感がいいロボットスーツを作ることができた。今ではAmandaはすっかりのスーツに慣れ、ハイヒールを履いて歩く練習をしている。

これと同様のテクノロジーが空気が流通し着用が快適な脊柱側彎用コルセットや義足、義手その他の補装具の製作に用いられている。

バイオプリンティング、ティシューエンジニアリング

外科医の Jason Chuenはオーストラリアの医学誌、Medical Journal of Australiaに掲載された記事で、再生医療においてブレークスルーが起きており、人から人への臓器移植を不要とする時代が近づいていると述べている。これがどのようなテクノロジーなのか簡単に説明しよう。

本質的にみれば、 3Dプリンティングはコンピューターによって薄膜を積層していくテクノロジーだ。現在プリンティングに用いられる素材はプラステイックや金属粉が多い。薄膜を積み重ねて最終的に、おもちゃ、サングラス、医療用コルセット等、所望の形状を得るわけだ。この3Dプリンティング・テクノロジーは医療プロパーの分野に応用されつつある。つまりプラステイックや金属粉の代わりに生体材料を用いることで「オーガノイド」と呼ぶ小さい臓器をプリントアウトできるようになってきた。これには幹細胞を用いて増殖された生体材料が用いられる。こうしたオーガノイドを人体に移植し、時間をかけて成長させることにより、たとえば本来の肝臓や腎臓の機能が失われたときに、その代替とすることができるようなるだろう。

3Dプリンティングによる火傷治療

メアリー・シェリーのSFの古典、『フランケンシュタイン』めいて聞こえるかもしれないが、皮膚の再生医療は、効果はもとより、コスト節約の面を考えてもきわめて大きなインパクトを与えるだろう。過去何世紀にもわたって、火傷によって損傷した皮膚に対する処置はきわめて限られた選択肢しかなかった。皮膚片移植は苦痛がひどく、審美的にも満足のいく結果は得られない。水治療法の効果は限定的だ。しかしスペインの研究者チームは3Dプリンティングによる治療法を開発している。コンピューターにより精密にコントロールして薄膜を積層していくテクノロジーは事実上あらゆる分野に適用可能だ。まだプロトタイプだが、3Dパイオプリンターは人間の皮膚を作出できると示されている。研究チームはヒト血漿と皮膚から抽出された各種物質を生体インクとしてわずか30分程度で100平方センチメートルの人工皮膚を作ることに成功した。このテクノロジーが患者にもたらす利益は計り知れない。

製薬産業

最後に3Dプリンティングは製薬産業にもディスラプトをもたらす可能性があることに触れておきたい。多種類の薬を処方されれば多数の錠剤、カプセルを毎日飲まなければならない。われわれの多くは毎日、毎週、何十錠もの薬を飲んでいる。しかも薬を飲む時間、回数はそれぞれ異なる。赤い錠剤を朝食後に2錠、夕食前に白いカプセルを1つ、といった具合だ。しかも薬を指示どおりにきちんと服用しているかどうかもチェックしなければならない。これらは非常に手間がかかり、患者に負担をかけるだけなく医療機関側のコストも膨大だ。

しかし3Dプリンティングで製造されるカプセルなら、その患者に合わせた複数の薬剤を含有するだけでなく、溶解して身体に吸収される時間も自由にコントロールできる。この「ポリピル」というコンセプトはすでに糖尿病患者に対して治験段階を迎えており、大きな成果が期待されている。

結論

The 医療産業における治療法、用いられるデバイス、作出される臓器は全体として3Dプリンティングの応用による革命前夜にあるといっていい。正確性、柔軟性、信頼性のアップに加えてコストの大幅削減が機体できる。われわれの健康を守り、回復するテクノロジーはまったく新しい段階へと進歩しつつある。これは万人にとって歓迎すべきトレンドだろう。

画像:belekekin / Getty Images

〔日本版〕Amanda BoxtelのTED講演。9分あたりからロボットスーツを着用してデモ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

23andMeの消費者直送型がんリスク遺伝子検査キットをFDAが正式認可

遺伝子検査の最強スタートアップ23andMeが今日、さまざまな形のがんに結びついている遺伝子を調べる、消費者直送型のテストキットにFDAの公式の認可が下りたことを発表した。近く発売されるそのキットは処方箋不要で使用でき、卵巣、乳房、および前立腺のがんの高いリスクに結びついているとされるBRCA1とBRCA2遺伝子をテストする。

“初めてのそして唯一の消費者直送型遺伝学企業として、処方箋不要のがんリスク検査にFDAの認可を得たことは、23andMeと消費者の両方にとって大きな前進である”、と同スタートアップのCEO Anne Wojcickiがその発表を告げるプレスリリースで述べている。“一般消費者がこの、自分の生命に関わるかもしれない情報に低料金で直接アクセスできることは、きわめて重要であるとわれわれは信ずる。われわれは今後も継続して、健康情報へのアクセスを拡大する道の開拓者であり続けたい。そしてさらに、ヘルスケアへの消費者の意思による予防医学的アプローチを推進していきたい”。

ただしもちろん、この検査はがんのリスクに関する最終的決定的な結論となるものではなく、また正しい検診に代わるものでもない。遺伝学者のEric TopolがThe Vergeで述べているように、これで検査される三つの遺伝子変種は、知られている数百もの変異体のわずかなパーセンテージでしかない。したがってこの検査には、消費者に虚偽の安心感を与えるおそれがある。

Topolの警告は、FDAが2013年に同社に送った書簡を反映している。その書簡は23andMeに、同社の唾液採取キットとパーソナルゲノムサービス(Personal Genome Service, PGS)を中止するよう、勧告している。

“PGSに意図されている一部の用途がとくに気がかりである”、とFDAは書いている。“たとえばBRCA関連の遺伝子リスクと薬物反応(たとえばワルファリン過敏性、クロピドグレル反応、そしてファイブ・エフユー毒性)の評価は、これら高リスク指標の擬陽性または擬陰性の評価から結果する健康状態の可能性がある”。

遺伝子のその三つの変種はアシュケナージ系ユダヤ人の子孫に多く見られ、その系統の人びとでは40人に一人の割合で検出される。女性では、その変種の一つが存在すると70歳までに乳がんになるリスクが85%高くなる。同社の注記にもあるように、ある研究では、医療履歴を提供したBRCA陽性者の約半数は、近い親戚にがんの履歴がない、と報告している。

というわけで同社のサービスは、ユーザーに赤信号を提供し、今後の検診を勧めるものだ。しかしもちろん、この検査の結果を絶対に、実際に医師を訪ねることと同等、と見なしてはならない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Cardiogramの研究によれば、Apple Watchは糖尿病を85%の精度で検出可能

Cardiogramの創業者Brandon Ballingerによる最新の臨床研究によれば、Apple Watchは既に糖尿病と診断された人が、糖尿病であることを85%の正確性で診断することができた。

この研究は、CardiogramとUCSFによる、より大きなDeepHeart研究の一部である。特に今回の研究では、1万4000人のApple Watchユーザーからのデータを使用し、またAndroid Wearを使う同じタイプのセンサーを搭載したフィットネスバンドも、彼らのシステムに統合された。

2015年には、 Framingham Heart Studyが、安静時心拍数と心拍数の変動によって、糖尿病および高血圧を有意に予測できたことを示した。これにより、Watchの心拍センサーを使用して、糖尿病患者を正確に検出できるかどうかを調べる機運が高まった。

これまでに、Ballingerと彼の同僚たちは、Apple’s WatchをCardiogramのAIベースのアルゴリズムと組み合わせることによって、心拍の異常なリズムを97%の精度で、睡眠時無呼吸は90%の精度で、そして高血圧症は82%の精度で検出することができた。これらの発見の大半は、臨床ジャーナルまたは抄録に掲載されており、Ballingerは今週のAAAI 2018会議で発表した後に、最新の研究結果を出版する予定だ。

糖尿病は増加を続けている、米国内の大問題であり、今では米国の成人の1億人以上が、前糖尿病ならびに糖尿病患者である。アメリカ疾病予防管理センターによれば、そのうちの4分の1以上が診断を受けていないが、この問題の原因の一部は、血糖値をチェックする際の痛みによるものである。患者は毎食後に自分自身に注射を行い、適切な量のインスリンを正しく投与して、自分自身でバランスをとる必要がある。

また早期発見を行うことで、糖尿病の合併症が発症する前に、それらを防ぐことが可能になる。血糖値を測定するための特殊デバイスを作製する試みも、他に続けられて来たが、今回の研究は、通常の心拍センサーが人工知能ベースのアルゴリズムと組み合わせられることで、他のハードウェア無しに糖尿病を同定できることを示した、初の大規模研究である。

さて、では次は何だろう?Ballingerと彼の同僚であるJohns Hsiehは、心臓センサーを通して様々な疾患を検出できるだろうと語る。たとえば妊娠糖尿病などだ。Hsiehはまた、今回のテストは既に糖尿病もしくは前糖尿病であると診断を受けたひとたちに対して行われたものであるため、もし自分が糖尿病ではないかと疑うならば、Watchの結果に頼るのではなく、医師の診察を受けるべきだと注意を促した。

しかし、この結果は有望である。私たちは、Apple Watchや他の心拍センサー内蔵のフィットネスモニターが、私たちに関して次に何を教えてくれるのかを、ただ心待ちにしよう。

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(翻訳:sako)

携帯電話の電波放射と発がんの関係が動物実験で実証されたかもしれない

【抄訳】
国立衛生研究所(National Institutes of Health, NIH)の毒物研究部門National Toxicology Programが、携帯電話の電波放射が特定の形のがんに結びついていることを見出している。それはまだ最終結論にはほど遠いもので、その複雑な研究結果はこれから他の専門家たちからの評価を必要とするが、しかし彼らの発見の一部は明らかに重要であり、一般のレベルでも議論される価値がある。

携帯電話の電波の発がん性に関する一部の研究は2016年に初めて登場し、ぼくも本誌TechCrunchで取り上げたことがあるが、今回の(草稿)はデータを完備した完全な研究報告だ。

どちらの報告でも、“ラットやマウスにおける携帯電話のRFR(radio frequency radiation, 電波放射)への露出に結びついた腫瘍の発生の一貫した増加は示されていない”、としている。しかし研究者たちは、“これまでの研究の設計では、このような陰性の結果が携帯電話のRFRに発がん性がないことを明らかに示している、と最終的に結論するのは困難である”、と感じていた。

言い換えると、発がん性云々に関する結論を出せるほどに十分な量と密度の電波放射環境での研究を、まだ誰も行っていなかった。そして今回の研究では、実験動物の、RFRへのより長期的でより強力な露出が敢行された。

マウスとラットたちの各グループは、それぞれ900MHzと1900Mhzの電波に1日9時間さらされ、その強度は体重1キログラムあたり1〜10ワットの範囲で、何段階かに変えられた。ちなみに、電子製品に対するFCCの一般的な上限が0.08W/kg、専門職に対する短時間の最大露出は20W/kgを6分以内とされているから、今回のマウスたちにとっては強烈な電波の被爆だった。

【中略】

900 MHz:
一部の証拠(some evidence)はRFRを雄のラットの心臓の悪性神経鞘腫に結びつけている。雌のラットには同じ証拠がない。限定的証拠(equivocal evidence)は露出を雌における脳の神経膠腫に結びつけている。両性ともにそのほかのさまざまなタイプの腫瘍は“携帯電話のRFRの露出と関連していたかもしれない”、その意味は、結びつきが不明確、ないし個体数が結論を導くに十分でない。露出した雄と雌において、あまり深刻でない“腫瘍ではない組織損傷”が、より高頻度だった。

1900 MHz:
限定的証拠:雄雌両方のマウスにおいて、肺、肝臓、およびその他の器官組織における発がん性。

【後略】

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

電気歯ブラシのQuipがオーラルケア/デンタルケアの全分野に挑戦すべく$10Mを調達

ベンチャー資金が支えるがあり、ひげそりがあり、メガネもある。なら、歯ブラシがあってもいいよね。

Quipは、同社のデンタルケアビジネスのために1000万ドルを調達した。Sherpa Capital, Blue Scorpion VC, Demi Lovatoなどが主な投資家だ。

ニューヨークに拠を置く同社は、ファウンダーでCEOのSimon Eneverによると、(事業範囲は)“電気歯ブラシだけでなくもっと大きい”、と言う。Quipは、“口内の健康に関わる分野の問題を解決し現代化したい”。

Quipはいろんな方法で自社を差別化しようとしている。歯ブラシのお値段は25ドルからで、入手は会員制だ。ヘッドの交換や歯磨きの提供が、会員サービスの一環だ。

Quipには、ご自慢の歯磨きガイドがある。それは、最適のテクニックを教える。歯医者さんが喜びそうだ。また同社の歯ブラシのデザインは、ユーザーが頻繁に歯を磨きたくなる形だそうだ。

Sherpa Capitalの協同ファウンダーで専務取締役のShervin Pishevarによると、彼がQuipに投資した理由は、“オーラルケアは多様な商材商機のある大きな市場であり、Quipは歯ブラシ以外のものをいろいろ考えている”からだ。彼によると、“Quipは健康産業全体の中でももっとも重要な分野のひとつに関して消費者に前向きの行動を喚起し、誰もがデンタルケアにアクセスできるようにしている”、という。

今回得た資金は新製品開発と、同社会員を歯医者さんなどに結びつけるプラットホーム“Dental Connect”の構築に充てられる。Quipはこれまでに、少なくとも200万ドルを調達している

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遺伝子検査種目の増えた23andMeが研究開発拡大のため$200Mを調達

複数の情報筋によると、一般消費者向け遺伝子分析サービスの23andMeが、Sequoiaがリードするラウンドにより、2億ドル近い資金を調達している。このラウンドには、Fidelityも参加しているようだ。

ここしばらく、このパーソナル・ジェネティクス企業が研究部門の拡大と新製品開発のために資金を求めている、という噂が漂っていた。

新たに得られたキャッシュによって、23andMeはIPOのプレッシャーからも当面自由になり、成長のための努力に邁進できる。ふつう、どの企業も、上場は最後の資金調達ラウンドから一年以降後に行われることが多い。協同ファウンダーでCEOのAnne WojcickiはIPOにあまり乗り気でないらしいが、そうやって初期の投資家や社員たちに流動性を提供するのが、後期段階のベンチャー支援企業がたどる標準的な道筋だ。しかし23andMeに関しては、大手製薬企業などによる買収、という線もありうる。

23andMeは2013年に、同社の個人に対する遺伝子検査を売り物にすることをやめるよう、FDAに命じられて行き詰まった。それ以降同社は、研究努力に注力してきた。当時FDAは、同社のやり方がFDAの基準に合わない、と言った。その結果23andMeは、新たな顧客たちに遺伝子健康情報を売ることをやめ、別の売上源を探した。

その後同社は医学研究に力を入れ、科学者の雇用を増やし、複数の遺伝子関連企業とパートナーして高度な研究活動を続けた。たとえば女性の受胎能力について研究している遺伝子企業Celmatixは、同社と協働して女性の妊娠能力に影響を及ぼす遺伝子について研究している。

FDAは2015年に規制をやや緩め、ブルーム症候群のための遺伝子検査を認めた。そして今年初めには、唾液検査が許される疾病リスクが、後発性アルツハイマー病やパーキンソン病など、10種類に増えた。少なくとも一つの情報筋によれば、今同社は、乳がん関連の遺伝子BRCA-1とBRCA-2も検査に加えられるよう認可を求めている。認可が下りれば、同社はColor Genomicsなどと競合することになる。

23andMeはほかにも、たとえば家系調査のための遺伝子検査企業Ancestry.comなどとも競合している。

FidelityとSequoiaにコメントを求めているが、Sequoiaはコメントを断(ことわ)った。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Omega OphthalmicsがARも可能にするかもしれない眼への移植プラットフォームを試験中

Googleや他のハイテク企業たちはARの目的を果たすためにメガネコンタクトレンズに力を入れている。しかしOmega Ophthalmicsは、眼の中に拡張現実のための空間を作るために、外科的に眼に埋め込まれたレンズを使うという、より侵襲的なアプローチをとっている。

これは野蛮な方法に聞こえるかもしれないが、レンズを埋め込む手法そのものは決して新しいものではない。レンズの移植は、特に高齢者の患者が多い、白内障および他の変性疾患の治療法としてはありふれたものだ。米国内では毎年約360万人の患者が、こうした病気に対する何らかの治療を受けていいる。

白内障の手術には、曇ったレンズを除去し、それを薄い人工レンズで置き換えるやり方も含まれている。共同創業者で認定眼科医のGary Wortzは、これを、単なるレンズではなく、他の製造業者たちが異なるインタラクティブセンサーや、薬の投与装置、そしてAR/VR統合機能を提供できるチャンスと捉えた。

「私たちが作っているのは手袋です」と、Elon Muskが脳内の神経系で実現したがっているものと比較しながらWortzは語る。「眼の中に、私たちはこの生物不活性の場所を作ります。これは手袋の中に手を収めるようなスタイルのインプラントを開発したい人のために、ビジネスとして開放されている場所となります」。

とはいえ、彼はARインプラントのために、視力の良い若者たちがすぐにでもやってくることは期待していない。そうではなく、彼はこのプラットフォームが自立生活を維持したい70代以上の人びとに対して、幅広い応用範囲があるものと考えている。こうした人が歩き回り易いように、拡張地図を表示したり、もし医学的問題が見つかった場合に警告を表示するといった用途は便利だろう。

彼はまた「スーパー兵士」などへの有用性についても言及した。

「ARには巨大な市場があることはわかっています。本質的にこれは、テクノロジー企業たちがまだ認識していない陣取りゲームなのです」と、もう1人の共同創業者でCEOのRick Iflandが、電話越しに語った。

同社は今回のアイデアのためには、特に外部からの投資は求めていない。とはいえWortzとIflandによれば、ニューヨークとオレンジ郡の2つのメジャーVCから、アプローチを受けたらしい。ともあれOmegaは現在、最初の資金を「この用途に理解のある」エンジェル投資家たちや眼科医たちから調達した、とWortzは語っている。

このテクノロジーは実現可能なのだろうか?おそらくは。今のところOmegaは7人の患者に対して、米国外で行われた非常に小さなヒト臨床試験を行い、6ヶ月の間事故は起こしていない。聞いたところによれば、同社は、程なく行われる予定の、より大規模な臨床試験を含む、まだ公表されていないいくつかの研究も抱えているということだ。

大規模臨床試験の結果が出るまで、同社はFDAの承認をまだ待つ必要があり、欧州の眼科でも次の12から24ヶ月の間に承認を得ることができることを期待している。Wortzは、FDAのプロセスについても前向きであるように見えた。

「FDAのScott Gotlieb(FDAのコミッショナーである医師)との仕事には、非常に感銘を受けています。彼は真のプロフェッショナルです」と彼は話した。

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(翻訳:Sako)

蜂のインターネット(Internet of Bees)で蜂のコロニーの健康をモニタする

今や周知の事実として、全世界の蜂の生息数は、何かを警報するかのように、急速に減りつつある。しかもわれわれ世間の一般人と違って養蜂家は、彼らの巣箱をつねに注意深く監視しなければならない。でも、何千という巣箱を抱える大規模養蜂家にとっては、巣箱のモニタリングは容易でない仕事だ。そこでカナダの研究者が開発したモニタリングシステムは、蜂たちの羽音を聴いて健康状態などをチェックする。

サイモンフレーザー大学の大学院生Oldooz Pooyanfarが作ったデータ収集デバイスは、今後の改良により、今多くの蜂たちを見舞っている謎のような苦境、蜂のコロニーの崩壊という異状の原因究明に役立つ、と期待されている。

そのデバイスは、マイクロフォンと温度センサーと湿度センサーを使用し、最終的には加速度計も含める予定だ。それを巣箱に取り付けると、コロニーの動態がまるでドローンで遠隔データを収集したときのように、手に取るように分かる。

“このモニタリングシステムでは、蜂たちが今‘何を言っているのか’というデータを、リアルタイムで集めることができる。彼らの、食糧調達の状況や、群飛の様子、女王蜂の存在もしくは不在なども分かる”、Pooyanfarはニュースリリースでこう述べている。

今後デバイスの台数が増えて、大量のデータがリアルタイムで集まるようになれば、ニューラルネットワークを訓練して問題を突き止められるようになるだろう。Pooyanfarが今執筆している学位論文は、研究開発のこの部分を扱っている。

現状では一般市販の部品の寄せ集めなので、必要以上に大きいし、費用も高い。しかし専用のセンサーパッケージを大量に特注できるようになれば、かなり安上がりになるだろう。彼女は今、地元の養蜂家たちと協働してハードウェアとソフトウェアを開発している。養蜂家たちも、かなりの関心を示しているそうだ。

Pooyanfarのこの研究開発は、Mitacs Accelerate事業が資金を提供している。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Googleのライフサイエンス部門Verily社が細菌に感染した蚊2000万匹をフレズノに放つ

Googleの親会社Alphabet傘下のライフサイエンス企業Verilyが、研究室で育てて、細菌に感染させた蚊2000万匹を、カリフォルニア州フレズノにリリースする計画を準備している。そしてそれは、良いことなのだ!

実は、ジカ熱を媒介するネッタイシマカがその地域に蔓延している。今年の初めには、ある女性がフレズノで、ジカ熱の最初の感染者と確認された。それは、それまで旅をしていたパートナーとの性的接触によるものだった。今では、何か対策をとらないかぎり、感染の流行が避けられないおそれがある。VerilyのDebug Projectと呼ばれるそのプランは、ジカ熱を媒介する蚊の人口(生息数)を一掃して今後の感染を防ぐ、というものだ。

蚊の人口をいじると予期せざる弊害はないのか? それはない。この種類の蚊は、2013年に初めてその地域に入ってきたのだ。既存生態系の一部ではない。

では、どうやって退治するのか? Verilyの雄の蚊はボルバキア菌に感染していて、人間には無害だが、雌の蚊と交配すると感染し、卵子を発生不能にする。

おまけに、雄の蚊は噛まないから、フレズノの住民が今以上に痒さを我慢することにはならない。

費用に関する発表はないが、蚊をリリースするチームのエンジニアLinus UpsonがMIT Technology Reviewで、次は同じことをオーストラリアでやる、と言っている。

“環境が変わっても同じ効果があることを、証明したいんだ”、と彼は同誌に述べている。

Verilyの計画では、フレズノの面積300エーカーの地域社会二箇所に、20週間にわたって、毎週100万匹の蚊を放つ。ボルバキア菌に感染している蚊をリリースする規模としては、アメリカでは過去最大である。

Fancher Creek地区の住民は今日(米国時間7/14)から、Verilyのバンがやってきて小さな虫たちの健康的な大群をリリースする様子を、目にすることになるだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

糖尿病患者のリモート管理プラットホームGlookoがシリーズCの$35Mを調達、業容の拡大を目指す

Glookoは、患者のデータを遠くから医師がモニタできる、その際使用するデバイスの種類を問わない、というデータ管理型のヘルスケアサービスを提供している。とくに現在最大に力を入れているのが、糖尿病とその患者および医療スタッフだ。その同社が今日(米国時間6/28)、シリーズCで3500万ドルの資金を調達した。これまでの調達額3600万ドルを合わせると、トータルで7100万ドルになる。

前回本誌が取り上げたときは聞けなかったが、今回は協力的で、これまでの対象患者数100万あまり、彼らのデータをモニタした医師等の数は6000あまり、ということだ。この分野にはDexcomやMedtronicなど先輩の大手もいるので、競争に伍していくためにはさらに急速な拡大が必要だ。

Glookoの計画では、資金は営業とマーケティングと開発チームの増員、および、フランス、ドイツ、イギリス、アジア、中東における商用化努力の強化に充てる、という。

今回のラウンドを指揮したのはトロントのGeorgian Partners、これに新たな投資家Insulet CorporationとMayo Clinicが参加した。既存の投資家Canaan Partners, Social Capital, Medtronic, およびSamsung Nextも参加した。

GlookoのCEO Rick Altingerはこう述べる: “今回の新たな資金によって、私たちのミッションである糖尿病患者の生活改善の、さらなる追究が可能になった。今後は臨床的ソリューションへの投資により、薬服用サイクルの遵守、個人化されたインサイトの提供、それを契機とする生活改善の推進などに取り組んでいきたい。また、何千もの臨床医と看護師等による臨床的意思決定を支援して、糖尿病患者が自宅等医療機関の外にいるときのサポートを充実していきたい”。

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レーザーを使用する3D顕微鏡で小さなウィルスの体内航跡を観察する

もしもあなたがぼくみたいな人間なら、ウィルスが自分の体内を航行するときの経路が気になって気になって、まる一日がつぶれてしまうことがあるだろう。そんなぼくたちにとって幸運にも、デューク大学の研究者たちが開発した新しい顕微鏡は、おちびさんたちがたどる道を、ミクロン単位で見せてくれる。

Kevin Welsher助教授の研究チームが設計したシステムは、従来の顕微鏡の形をしていない。光学的に像を拡大するのではなく、少量の対象物をさまざまな角度からレーザーで何度も走査し、特殊な蛍光粒子を光らせる。そしてそれらの位置の変化を追う。

粒子の一つを何かにくっつけ、その後どうなるかを見る。いわばそれは、微生物学のためのモーションキャプチャー・スタジオだ。でもこれまで、そういう蛍光粒子は、ウィルスにくっつけるには大きすぎた。人間なら、体中(からだじゅう)にたくさんのバスケットボールをテープで貼り付けられて、ゴラムの物真似をやれ、と言われているようなものだ。Welsherのチームは最近、システムをより強力にして、もっと小さなドットを検出できるようにした。そして蛍光タンパク質分子をウィルスの体内で作れるようになった。その結果、上図に見るように、小さな動きを詳細に追えるようになった。

単純?だよね?

昔の漫画、Family Circusを思い出す。Billyかだれかが近所中を上図のウィルスのように動きまわり、犬を可愛がり、ご近所の家のポーチにある泥を調べたりする。ただしそのBillyは、ここではレンチウイルスで、そのご近所は細胞膜の外の液状質だ。

もちろんそれは、見て楽しむためのものではない。目標は、ウィルスが細胞に接触して侵入し感染するまでの過程を、観察することだ。ウィルスの行動を理解するためにとても重要なその瞬間は、直(じか)に見ることがほとんど不可能なので、よく理解されていない。

“われわれが調べる努力をしているのは、ウィルスが細胞の表面に初めて接触したときに起きることだ。それはどうやってレセプターを呼び出すのか、どうやって自分の包膜を脱ぐのか”、Welsherはデューク大学のニューズリリースでそう述べている。“その過程をリアルタイムで見たいし、そのためにはウィルスを最初の瞬間からロックオンできなければならない”。

そんなシステムができたら、私たちは、これまで作られたものの中でもっとも高度な生物学的マシンの理解に一歩近づくだろう。チームの研究は、Optical Societyの今週のジャーナルに発表される。

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ネット上で初めて性の健康コンサルを提供するBiem、45ドルと高いが有資格の専門家が対応、検査も受けられる

性の健康、という話題は、あまり人気がない。性やデートにテクノロジーが大々的に関わっている今日ですら、ネット上に性の健康に関する情報は乏しい。そこを突いたのが、Biemだ。

Biemのアプリとサービスを使って、性に関する保健医療の専門家と気軽に話をしたり、検査を受けたりできる。またユーザーはこのアプリとサービスに対しては匿名のまま、コンサルの結果や試験結果で異状が明らかになったら、そのことを性的パートナーに通知できる。

協同ファウンダーのBryan Stacyは、STD(性行為感染症)の検査には恐怖や不安が伴うことを感じ、それを緩和するためにBiemを創った。

“性の健康について教育されていないから、みんな怖がるんだ”、と彼は言う。“でも恐怖に負けて知識や情報が不足したら、本人の命にかかわることもある。精巣癌やクラミジアも、知識がなければ重症になるまで放置される。アメリカでSTD患者が異様に多いのも、みんな恐怖に負けて、正しい知識を得ようとしないからだ。われわれの目標は、みんなが性の健康について平然淡々と会話できるようになること。恐怖に圧倒されたり、複雑な検査や医療にびびったりしないようになることだ”。

このサービスはすでにニューヨークでは臨床段階であり、国の規制をクリアすれば全国展開できる。今同社は、シリーズAの資金調達中だ。

とてもシンプルなシステムで、アプリ経由で性の健康に関する有資格の専門家と話をすると45ドル、オプションとして検査も受けられる。

“検査は自宅または、うちのパートナーの検査部門で受けられる”、とStacyは語る。“診断はすべて、FDAとCLEAの規格に準拠している。伝承等による自己検査や、商品化されている検査キットは、FDAの規準に合わないし、正確でもない。しかも、専門家の判断がないので、今後の処置について正しい指針が得られない”。

同社は、デートアプリとパートナーして、性の健康やその診断についてコミュニケーションと理解を広めたい、と考えている。性を楽しむにしても、そこに恐怖や不安や混乱がないようにしたいものだ。

〔参考:性の健康、日本の関連機関

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Appleの秘密チームが採血する必要のないグルコースレベル測定製品を研究開発中

Appleは生物医学方面の研究者集団を雇って、センサーを利用して糖尿病患者をモニタする秘密のプロジェクトに取り組んでいる、とCNBCが報じている

糖尿病患者は世界中で3億7100万人いる、と推定されていて、近年ではいくつかのテクノロジー企業が新しい治療法の開発に取り組んでいる。たとえばVirtaという新進のスタートアップは、患者の行動をリモートでモニタし完全に治癒することを目指している。またベイエリアのLivongo Healthは5250万ドルを調達して、血糖値監視製品を開発している。

通常、患者が自分のグルコースをモニタするためには、腕などに針を刺して自分の血液を採取していたが、それをしなくてすむようになれば、大革命だ。CNBCにそのニュースを教えた人は、Appleが開発しているのは皮膚の下に埋め込む光学式のセンサーで、その光り方でグルコースの値を測定できる、と言っている。

針を使わない方法はこれまでにもいくつか考えられたが、いずれもうまくいかなかった。Alphabetの生命科学企業Verilyは、グルコースレベルが分かるコンタクトレンズを考えたが、一部の報道によると、すでに3年経ったそのプロジェクトは、あまり快調ではないようだ。

しかし報道ではAppleのプロジェクトも少なくとも5年は経っており、今ではフィジビリティテストを行うべき段階だ、という。また、この種の製品に対する規制をクリアするために、コンサルタントを雇った、とも言われている。

チームを指揮するのはAppleのハードウェア技術担当SVP Johny Srouji、メンバーは30名だそうだ。その中の少なくとも10数名は、Appleが生物医学分野(ZONARE, Vital Connect, Sano, Medtronicなどの企業)から熱心にスカウトした人たちのようだ。

このプロジェクトについてAppleに確認することはできない(Appleからの返事がない)が、同社はかなり前からこのようなビジョンを持っていた。Walter Isaacsonが書いたSteve Jobsの伝記によると、彼はAppleをテクノロジーと生物学が交わる場所にしたい、と考えていた。今すでにその場所にいるのが、ウォーキングの歩数を計り、燃焼カロリーを計算し、心拍などの生物学的測度を計るApple Watchだ。そして皮膚に埋め込むグルコースセンサーも、同じくユーザーがどこにいてもグルコースレベルを計ることができて、採血の必要もないから、業界を一変させる製品になるだろう。

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