超音速旅客機開発のBoom SupersonicがFlight Researchと提携、XB-1実現に前進

超音速旅客機を開発しているスタートアップ、BoomについてはTechCrunchでもファウンダーへのインタビューを含め、詳しく紹介している。超音速旅客機の開発計画はいくつもあるがもっとも影響が大きいのはJALとバージン航空が出資するBoomだろう。デンバーを本拠とするこのスタートアップはこのほど試験飛行、型式取得、パイロットの訓練などを専門とする企業、Flight Research, Inc.と提携したことを発表した。

Flight Research, Inc.はBoomが開発中のXB-1超音速デモンストレーターの試験飛行をモハーベ砂漠の上空での実施を計画しており、提携の一環として、Boomはモハーヴェ空港および宇宙港(Mojave Air and Space Port)に所在するFlight Researchの格納庫が利用できる。テスト飛行の発着にはこの空港が用いられる。また、ノースロップT-38超音速練習機も利用可能。T-38はパイロットの訓練とXB-1のテスト飛行を追尾してモニターするために用いられる。

Boomが開発中のXB-1は、最終目的である商用旅客機Overtureの設計の前段階にあたる。BoomによればXB-1はこの商用機のスケールダウン版であり、テスト飛行によって得た情報をフィードバックしてOvertureの開発に生かすのだという。XB-1の操縦系とエンジンは開発を完了しており、現在はコクピットの細部を詰めているとのことだ。胴体の半分と翼の3分の1は今後開発される。最初のテスト飛行は2020年後半の予定だ。

動画は2017年4月取材のものとなる。

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滑川海彦@Facebook

JALとVirginが出資するBoomが超音速旅客機開発計画の詳細を明かす

今のところテクノロジー業界の注目は自動走行車に集まっているが、別の分野のレースも激しさを増している。超音速旅客機の開発だ。高度1万mにおける音速は時速1027km程度だが、Boomが開発する旅客機は時速1230kmを目指している。

現在航空会社が運航させているジェット旅客機のスピードは時速650kmから800kmぐらいだ。燃料の消費は速度とともに急激に増えていくため、この速度に落ち着いている。つまり理由は主として経済的なものだ。

最近多くのスタートアップが超音速機計画を推進している。もっとも先進的なのは昨年誕生したアトランタのスタートアップであるHermeusだ。同社はニューヨーク、ロンドン間を90分で飛ぶ旅客機を計画中だ。先週、金額は不明だが、Khosla Venturesから資金を調達することに成功している。アドバイザーにはジェフ・ベゾス氏の宇宙企業、Blue Originの元プレジデントも加わっているという

Aerion SupersonicSpike Aerospaceのプランはもっと現実的で、12座席、時速1600km程度を目指している。これらは富豪や企業向け自家用機マーケットがターゲットだ。

しかし最も野心的でもっとも影響が大きい計画はBoomのものだろう。デンバーに本拠を置き、社員は150人のこのスタートアップは1億4100万ドルの出資を受けており、 これはマッハ2で飛行する55座席の旅客機の初期設計を開始するのに足る資金だ。画期的なのは料金が現在のビジネスクラス程度になるという点だ。Boomでは航空会社に多数の機体を販売することができれば、最終的にはエコノミークラス程度の料金に引き下げることができるとしている。

ニューヨークとロンドン、サンフランシスコと東京、シアトルと上海といった大部分が洋上の区間ならこれが可能になるかもしれない。実は超音速機の就航を妨げている大きな理由は超音速飛行にともなう衝撃波の存在だ。多くの国が人口密集地の上空を超音速で飛ぶことを禁じている。

今月16日に開催されたTechchCrunchのStrictlyVCイベントにBoomのファウンダー、CEOのブレイク・ショル(Blake Scholl)氏を招き、同社の超音速機開発計画についてインタビューすることができた。ショル氏は私の質問に詳しく答え てくれた。以下はインタビューの主要部分の要約だが、やり取りを直かに見たい読者のために記事末にビデオをエンベッドしておいた。

TC:ブレイク(・ショル)の経歴を振り返ると、元Amazonでその後モバイル支払システムのKima Labsを共同創業した。これはGrouponに買収され、Grouponに加わった。航空産業のバックグラウンドはないようだが、超音速機を開発する会社を創業しようと考えた理由は?

BS:実はKima Labs売却以前にさかのぼる話になる。(会社を売るか、売らないかは)常に難しい問題だ。私はGrouponのオファーを受けて売却した。スタートアップというのは常に困難な仕事だ。スタートアップの仕事に楽な部分などない。目を覚ましたときに、果たしてこんな苦労をする価値があるのだろうかと考える日が来る。

Grouponを去ったとき、自動車レンタルからヘルスケアまでありとあらゆるスタートアップのアイディアを抱えていた。しかしはるか昔から私自身が情熱を向けてきたのは飛行機だった。それならこの機会にフィージビリティだけでも調査すれば長年の固執をさっぱり忘れることができるのではないかと思ったわけだ。

TC:それがマッハ2で飛行する旅客機を開発するという具体的な計画に変わったのはどういう経緯?

BS:最初に調べたのは「なぜまだ実現していないのか?」だった。常識的だが不正確な説明がいろいろあった。巨大な資本が必要だ、規制が厳しい、長距離を飛べる旅客機を作っているのは世界で2社(ボーイング、エアバス)しかない、等々。つまり起業家などの入り込む余地はないというのだ。

そこで私は第一原理、つまり出発的に戻って考えてみた。コンコルドは50年も前、計算尺と風洞実験で設計された。では(テクノロジーが圧倒的な進歩を遂げた)今なぜできないのか?Wikipediaを調べただけでも最大のハードルは燃料コストだと判明した。超音速で飛ぶと莫大な燃料を消費する。誰もそんなコストを支払えない。利用者が少なければ飛行機も売れず、1機あたりの価格も高価になる。

しかし50年前の燃料消費率を30%改善すれば経済的に成立するとわかった。 その程度の改良なら不可能とは思えない。そこでさらに航空関係の教科書を呼んだり、教科を受講したりした。またできるかぎり大勢の業界の人間に会って私のアイディアに穴がないか尋ねてまわった。ディスカッションを重ねていくうちに皆が「これはうまく行くかもしれないな」と言い出した。そこでBoomを起業したというわけだ。

TC:Boomが計画している機体はどのくらいがレガシーでどのくらいが独自に開発したものなのか?

BS:コンコルドは50年前に設計されたと言ったが、われわれは文字通り先人の業績の上に立っている。しかし当時の機体は主としてアルミだったが今はカーボンファイバーの複合素材が利用できる。風洞しかなかったが、今はクラウド経由でスーパーコンピュータによる精密なシミュレーションが可能だ。50年前のジェットエンジンは騒音がひどく燃費も悪かった。これも圧倒的に改善されている。

エンジンや機体のメーカーといった大企業は1960年以後、航空機テクノロジーを着実に改善し続けてきた。しかし大手航空機メーカーはひたすら効率化を優先してきた。しかしスピードを優先すればまったく新しい機体が開発できるはずだ。要するに航空機テクノロジーというのは非常に保守的な分野だが、同時にデザインの根本的な方向転換も可能なのだ。

TC:エンジンは何基搭載?

BS:両翼下に1基ずつ、胴体後部上面に1基、合計3基だ。

TC:エンジンのメーカーは?

BS:まだ決定していないが、ジェットエンジン・メーカー3社(GE、P&W、ロールスロイス)のうち2社と協力している。最終決定は入札となるだろう。

TC:Boomはまず3分の1のスケールモデルで試作を開始し、続いて実機の製作に移るというが、実機の55座席というサイズはどのようにして決定したのか?

BS:コンコルドの経験を考えてみよう。クールな機体を作るだけでは充分ではない。多くの人々が支払えるような金額で座席が販売できなければビジネスは成り立たない。座席数が増えれば料金を下げることができるから機体のサイズはビジネス面で重要となってくる。だが航空機ビジネスでいちばん重要なのは数字はロードファクターだ。これは全座席数に対する有償座席の比率だ。想定される金額に対して座席数が多すぎると空席が増え、ロードファクターが下がる。何百もの路線でビジネスクラス料金で満席にしてビジネスを成立させることができるのが55座席だとわれわれは考えている。

TC:コンコルドの室内は非常に狭く、乗客にはあまり居心地のいい空間ではなかったと聞く。居住性というのは他の要素にくらべて優先順位はさほど高くないかもしれないが、Boomではこの点はどうなのだろう?

BS::実は共同ファウンダーのガレージで一番最初に作ったモックアップはキャビンだった。超音速機でもキャビンの快適さの重要性は非常に高い。現在の旅客機のように7時間から9時間もかからないにしても、数時間は機内に座っていなければならない。居住性は重要だ。現在のビジネスクラスで標準的な広さの快適なシートが必要だろう。窓も大きくなければならないし、リラックスして必要なら仕事もできるスペースがいる。しかしせいぜい4時間程度のフライトであれば現在のビジネスクラスほどフラットに倒せるシートでなくてもよい。


TC:ジェットエンジンのメーカーはまだ決まっていないということだが、このプロジェクトは非常に野心的なものだ。エンジン・メーカー以外の提携というと(会社への投資家でもある)日本航空だろうか?

BS:航空機を開発、製造するのはハードルの高い事業だが、中でも投資家が注目するのが航空会社との関係だ。そのアエライン企業はまずエンジンをどうするのか知りたがる。逆にエンジン会社はエアラインとの関係を尋ねる。われわれ、投資家、エンジン・メーカー、航空会社というのは「ニワトリとタマゴ」の複雑な四角関係となる。チームのメンバーにわれわれはタマゴを割らないと仕事が始まらないオムレツ製造業なのだと冗談を言うことがある。【略】

エンジンなどのコンポネント・メーカーとの提携にせよ、エアラインとの提携にせよ、最初はかなりゆるい関係から始めざるを得ない。企画書、目論見書、仮発注といったあたりだ。そこから徐々に信頼関係を築いていくい現在のところ我々は(JALとVirginから)1機2億ドルで30機を仮受注(pre-sold)している。

TC:仮受注(pre-sold)の意味は?

BS:これは予約意向確認書(letter of intent)よりは一歩進んだ段階だが、ここではあまり詳しく内容を説明できない。簡単に言えば、来年われわれがプロトタイプの製造で一定の段階に達することができるかどうかで本発注かキャンセルかが決まる。この段階をクリアできれば、Boomの前途は非常に明るくなる。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

トランプ大統領の緊急命令でボーイング737 Maxは飛行全面差し止め

New York Timesによれば、トランプ大統領は米国における737 Maxの飛行を当面禁止する大統領命令を発した。これはエチオピア航空のボーイング737 Maxの墜落事故を受けたもので、ボーイング社はFAA(米連邦航空局)、NTSB(米国家運輸安全委員会)と協議した後、この措置に全面的に協力すると声明した。

3月10日にエチオピア航空の737 Maxがアディスアベバ空港を離陸した直後に墜落し、乗員、乗客157人全員が死亡する墜落事故が起きた。これによりEUを含む各国が737 Maxの飛行を禁止する中、FAAに対して同型機の飛行を差し止めるよう圧力が高まっていた。ボーイングの声明は「原因解明と再発防止に全力を挙げる」としている。

737 Maxはナイジェリアとインドネシアの航空会社の運行するフライトで事故を起こしていたが、New York Timesの以前の記事によれば、ボーイングのCEO、Dennis A. Muilenburgはシカゴからトランプ大統領に電話をかけ、737 Maxの安全性について問題ないと確約していたという。主要国の中で米国だけが737Maxのフライトを停止する措置を取っていなかった。

報道によればこの電話は月曜日から予定されていたが、トランプ大統領がTwitterでハイテク旅客機の安全性に疑念を示したため繰り上げられたものらしい。

飛行機を飛ばすのは難しくなり過ぎている。パイロットはいらない、MIT卒のコンピューター科学者だけいればいい、という具合だ。飛行機だけでなくさまざまな製品で同じことが起きている。そしていつも行き過ぎて余計な機能を付け加えてしまう。瞬時の判断が必要な場合には古き良き単純な方法のほうがずっといい。

トランプ大統領が飛行禁止の緊急命令を発する準備をしていることが報じられたが、ボーイングは争わず従う姿勢を示した。

速報:トランプ大統領、「737 max 8および737 max 9のすべての飛行を禁止する緊急命令を発する準備をしている」

ボーイング社は声明で次のように述べた。

我々は安全性に積極的に配慮した(緊急命令による)措置を全面的に支持する。 安全性は過去も現在もボーイング社が旅客機を設計、製造する過程で最優先する中心的価値であり、.これに以上に優先すべき課題は我々にも我々の産業にも存在しない。我々は調査担当チームと協力しなが事故の原因を解明し、このような事態が二度と起きないよう安全性を増強する施策を追加すべく全力を挙げている。

そしてついいにFAAは正式に737 Maxの飛行を禁止した。以下がFAAの声明だ。

FAAは米国の空域内で、あるいは米国の航空会が運行する場合において、ボーイング737 MAX航空機の飛行を一時的に禁止することを命じた。FAAは新たなデータを入手し続けており、この措置は本日朝までのデータの分析結果に基づくものだ。

飛行停止は調査が行われる期間中継続される。これにはコックピットの音声を含む墜落機のフライトレコーダー記録の解析が含まれる。フライト302の事故について、FAAのチームはNTSBの事故調査にエチオピア現地で協力している。

画像:Joe Raedle / Getty Image

【編集部注】日本の航空会社ではANAが737-8 Maxの導入を決定しただけですでに運用している例はない。Wikipediaのページ末尾に採用航空会社と運行状況の一覧があるが、FAAが飛行を差し止めたためすべての737 Maxが運行停止となった。737 Maxは昨年10月にインドネシアのライオンエアが運行する機体が墜落し189人が死亡する事故を起こしていた。

なおTechCrunchでは同じくShieber記者が昨日、「737 Maxの墜落でEUが飛行差し止め、原因はオートパイロットの不具合か?」という記事を執筆していた。記事によれば機体の迎え角(AoA)を検知するセンサー系に不具合があるとシステムが不正な機種下げを実行しようとする。自動操縦解除の手順に不慣れなパイロットの場合、高度の乱高下などを引き起こし墜落の原因となる危険性があるという。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

可動部品のないこの飛行機はイオン風に乗って飛ぶ

飛行機はそれが発明されたときから、可動部品を使って空気を押すことにより、飛行した。グライダーや気球は飛ぶというより浮かぶものだが、動力による飛行はもっぱらプロペラ、すなわち“押し進める(propel)”部品が頼りだ。しかし今日(米国時間11/21)それが変わり、世界初の“ソリッドステートな”(固体状態の)航空機が、“イオン風”を生成して可動部品まったくなしで飛ぶ。

SFみたいだ、と思ったそこのあなた、まさにそのとおり、それはSFなのだ。これを作ったMITのStephen Barrett〔航空学と宇宙航行学の准教授〕は、Star Trekからヒントを得た、と言っている。

BarrettはMITのニュースリリースで言っている: “遠い未来の飛行機は、プロペラやタービンがないだろう。それはむしろ‘Star Trek’に似ていて、青く輝きながら無音で滑空する”。

彼は説明する; “大学に職を得たとき、これを研究する良いチャンスだと思った。そして物理学の中に、それを可能にするものを探した”。

彼は、彼のチームの航空機を飛ばせるための原理を‘発見’しなかった…それは、1世紀も前から‘知られて’いた。ただし、それを飛行に応用して成功した者はいなかった。

その単純な原理では、陰電気で荷電した強力な電源があると、それらはその電荷をまわりの空気に放電し、それを“イオン化”する。そしてそのとき、それはその電源から流出し、正しくセットアップされた近くの“コレクター”の表面に向かって流れる(Nature誌にもっと詳しい説明がある)。チームのペーパーも今日(米国時間11/21)同誌に載った

それで一体何をしているのか、というと、マイナス電気を帯びた空気を人間が指定した方向へ流しているのだ。この現象は1920年代には知られていて、60年代にはそれを利用して何かを推進(押し進める)することが試みられた。でもそのときの電気エネルギーの利用効率は、わずか1%だった。それは、あえて穏やかな言い方をすれば、非効率だった。

実は、Barrettらのシステムもそれとあまり変らず、入力エネルギーのわずか2.6%が推進に使われただけだ。でも彼らは、現代の最新技術、CAD(コンピューター支援設計)と、超軽量素材を利用できた。そしてチームは、一定の重量(軽さ)と翼長のある航空機なら、大きな推進力さえ生成できれば飛行は理論的に可能である、と判定した。この結論に達するまでに、彼らは数年を費やしている。

何度も修正し(何度も墜落し)てたどり着いたのが、幅5メートル、重量2.5キログラムの複翼機だ。それは、数回離陸に失敗したあと、約10秒間飛んだ。テストに使った部屋がもっと大きければ、もっと飛べたと思われるが、ふつうに滑空した場合よりもずっと長い時間/距離飛べたということは、概念実証として十分だ。

Barrettは曰く: “推進系に可動部品のない飛行機が飛行を持続したのは、これが初めてだ。これにより、まだ誰も探求しなかった、もっと静かで、機械的に単純で、排気のない航空機の可能性が開けた”。

チームの全員も含めて誰もが、これが近い将来プロペラやジェットエンジンを置換するとは考えていない。でも、静かで機械的に単純な推力機構の用途は、たくさんある。たとえばドローンの微調整や軟着陸にも使えるだろう。

まだやるべきことは大量にある。でも目標はソリッドステートな飛行機械を発明することであり、彼らはそれには成功した。残っているのは、その実用工学だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

空飛ぶタクシーのLilium、AudiとAirbusの元幹部を招聘

未来的な空飛ぶタクシーサービスのための垂直離着陸機を開発するLiliumは、AirbusAudiから大物の元幹部を招き入れ、テクノロジーを向上し市場にサービスを提供する準備を進めている。

Mirko Reuterは、Audiで自動運転の責任者を務めていた人物で、無人飛行の責任者として取締役に就任する。Jakob Waeschenbachは元Airbusの機器組立責任者、Rochus Moenterは元Airbusの財務・投資部門担当副社長で、それぞれ飛行機組み立て責任者、および法律顧問・法務責任者としてLiliumに加わる。

Liliumは2015年にDaniel Wiegand、Sebastian Born、Patrick Nathen、およびMatthias Meinerによって共同設立され、そのビジョンは独自の垂直離着陸機のネットワークを構築することで航空移動のコストを削減し、パリからロンドンまで乗客を1時間以内に運ぶことにある。

Audiで長年自動運転の長を務めたReuterは、無人航空機システムに必要なプロセスと技術の開発を受け持つと同社は声明で述べた。

「私は、社会のあらゆる分野で広く使われる効果的で利用しやすい輸送を可能にする革新的サービスを開発する、という当社のミッションに全力を注いでいる。Liliumは新しい革命的な輸送手段を開発しており、その一端を担えることを非常に嬉しく思っている」とReuterが声明で語った。

Liliumは2019年に最初の機体を送り出す準備を整えるなか、経営チームを強化していると記事は伝えている。2017年、同社は9000万ドルの新たな資金調達を行い Tencent、国際民間銀行資産管理グループの LGTAtomico、Skype共同ファウンダーのNiklas Zennströmが設立したLiliumのSeries A支援者、およびTwitterのEv Williamsが共同設立した初期ステージVCファンドのObvious Venturesらが出資した。

こうした投資や有力幹部の入社は、益々競争の激しくなるこの業界でLiliumのビジネスに信用を与える(そう、空飛ぶタクシー業界は競争が激しい)。

ドイツの自動車メーカーDaimlerは、Volocopterを支援する投資家コンソーシアムに参加して約2850万ドルを出資し、配車サービスのUberはブラジルのEmbraerやスロベニアのPipistrelと組んで、独自の空飛ぶタクシーを開発している。実は飛行機メーカーのAirbusも、独自の無人空飛ぶタクシーVahanaを開発中で、数年のうちに市場に出したいと考えている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

アラスカ航空がファーストクラスのエンターテインメントにVRを試験導入

公共の場だけれども完全にくつろげる場所といえば、長時間の飛行機の旅を措いてほかにない。そして、そのことに目をつけた仮想現実企業は、それを人びとにVRのコンテンツを経験してもらう絶好の機会と見なしている。

今日(米国時間9/24)Alaska Airlines(アラスカ航空)は、Skylightsとパートナーして同社の最新のハードウェアを二つの航路で試験的に採用する、と発表した。

2年前にY CombinatorでローンチしたSkylightsは、VRを、飛行機で旅をする人が航空会社を選ぶ理由になるほどのビッグなエンターテインメントにすることを目指している。今度のアラスカ航空との契約はアメリカにおける初めてのパートナーシップで、これまではヨーロッパのEmiratesやXL Airwaysなどとのパートナーシップを成功させてきた。

ただしエコノミークラスの人には、楽しい仮想人生は手の届かないところにある。このサービスは、アラスカ航空のシアトル-ボストン便とボストン-サンディエゴ便のファーストクラスの乗客にのみ、提供される。

その“Allosky”と名付けられた新しいハードウェアは、かなりコンパクトだ。主に2Dと3Dのムービーを想定した設計だが、360度のコンテンツも一部楽しめる。モバイルのVRハードウェアとしては相当すっきりしているが、でも目立つ。これまでの最新世代の製品といえば、Samusung GlaxyのGear VRがスタンダードだったと思うが、この新世代製品はサングラスに似ている。まだ相当かさばってるけどね。

Boseのヘッドフォンは機内の騒音を遮断してくれるから人気になったが、Skylightsは、そのVRハードウェアが人びとの視界を遮断するので人気になることを、ねらっているのだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

[ビデオ]Airoboticsの完全自動運航ドローンのデモを見る

テルアビブに近い、倉庫と壊れた歩道だけという荒涼とした地域の低空を、ドローンが飛んでいる。そいつはゆっくりと、自分の家に接近する。それは金網のフェンスの中にある冷蔵庫サイズの箱だ。ドローンはその上でホバリングし、着地に備える。まるで、大きな虫が、ブンブン鳴きながら下降するようだ。基地に戻ったドローンはきれいにされ、充電されて空に戻る。このドローンはしかし、不可能に近いことをする: 離陸も着陸も自動的に行い、人間がコントロールしなくても、何度でも離陸着陸充電離陸…を繰り返す。そしてそのためのシステムは外付けの装置ではなく、本機に内蔵されている。そのため、とってもクールなマシンに見える。

この自動運航ロボットを作ったAiroboticsが、本誌取材陣を本社に招待し、製品のデモを見せてくれた。このビデオでは、自動運航ドローンの仕組みや、人間がなかな行けない地域での地図作りや監視などへの利用、ひいてはドローンの自動飛行の未来について同社の人たちが語っている。そのうち、ジャングルや砂漠や戦場などで、これらのドローンが活躍するようになるだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

アメリカ空軍のドローンのドキュメンテーションがダークウェブで200ドルで売られていた

ダークウェブ(dark web, 闇ウェブ)の上には、あなたが想像すらしなかったものがある。6月にはセキュリティ調査企業Recorded Futureの危機情報(threat intelligence)チームInsikt Groupが、ダークウェブのマーケットプレース上の犯罪行為をモニタしているときに、アメリカの機密軍事情報が売られていることを発見した。

Insiktの説明によると、一人の英語を話すハッカーが、無人航空機MQ-9 Reaperのドキュメンテーションがある、とほのめかした。そして驚いたことにそのハッカーは、それを150ドルか200ドルで売る、と言うのだ。

Insikt Groupによると、そのドキュメントは極秘扱いではなかったが、いくつかの機密資料を含んでいた:

  • M1 Abramsメンテナンス・マニュアル
  • 戦車小隊訓練教程
  • 搭乗員生存教程(サバイバルコース)
  • 簡易爆発物対抗戦術

Insiktは、そのほかのドキュメントもアメリカ陸軍の職員やペンタゴンから盗まれたようだ、と言っているが、しかしその情報のソースは確認されていない。

そのハッカーは、フォーラムに参加してこれらのドキュメントをあからさまに売るつもりだったようで、米軍の不注意な職員からそのほかの軍事文書を入手したこともある、と認めた。Insikt Groupが調べていくと、ハッカーはドキュメントを、不正な構成のFTPログイン認証情報を使い、Netgearのルーターにアクセスして入手したことが分かった。ハックしたドローンのドキュメントのソースについて尋ねると、その犯人はMQ-1 Predatorドローンからの撮影記録にもアクセスした、と認めた。

彼の手口はこうだ(出典–Insikt Group):

犯人は、Webサイトだけでなくコンピューター本体を検索できる検索エンジンShodanを使ってインターネットを広範囲にスキャンし、著名なサイトで標準的なポート21(FTP)を使っている構成不良なルーターを見つけ、そこから侵入したマシンから貴重なドキュメントをハイジャックした。

上記の方法でハッカーはまず、ネバダ州クリーチの空軍基地にある第432航空機メンテナンス中隊Reaperドローンメンテナンス担当部隊の大尉のコンピューターに侵入し、機密ドキュメントのキャッシュを盗んだ。その中には、Reaperのメンテナンス教本やReaperメンテナンス部隊に配属された航空兵の名簿もあった。教本のたぐいは極秘文書ではないが、敵対勢力の手に渡ると、そのもっとも技術的に高度な航空機〔Reaperドローン〕の技術的能力や弱点を探る手がかりになりえる。

Insikt Groupによると、ハッカーが軍事機密をオープンなマーケットプレースで売ることは“きわめて稀”である。“平凡な技術的能力しか持たないハッカーが単独でいくつかの脆弱な軍部ターゲットを見つけ、わずか1週間で高度に機密的な情報を気づかれずに取り出せたことは、もっと高度な技術と豊富な財政力を持つ確信犯組織だったら何ができるだろうか、という怖ろしい想定にわれわれを導く”、と同グループは警告している。

画像クレジット: Andrew Lee/アメリカ合衆国空軍

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

飛行車PAL-V Libertyの実生産バージョンがスイスのモーターショーに登場した

飛行車は意外と身近に迫ってきている。たとえばPAL-V Libertyは、スイスのジュネーブで行われたモーターショーで実際に見て触(さわ)れる実物だ。この空中飛行車の実生産バージョンがショーで展示されるのはこれが初めてだが、われわれは運良く見ることができた。

PAL-V Libertyの外観は、航空機というよりも自動車的だが、路上というよりも超特殊なサーキットで見かけるかもしれないようなレースカー、といったところ。細いボディーの前の方に二つのシートが横に並んでいるが、これはふつうのデザイン。そして飛行用の折りたたみ式回転翼が上にある。

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この車は、エンジンが路上用と飛行用の計二基ある。そして実は、‘ジャイロプレーン’(gyroplane)と呼ばれるクラシックな航空機のデザインをベースにしている。それは、空中を航行できることが実証されているデザインだ。しかもPAL-V Libertyは、ヨーロッパではEASAの、アメリカではFAAのルールに従って飛行できることが認められている。また、路上の安全基準も満たしている。

ただし、飛ぶためにはパイロットの免許が要る。離着陸には小さな飛行場+滑走路も必要だ。飛行モードとドライブモードの切り替えに5−10分を要するが、広い空き地を持ってる人なら、それも気にならないだろう。

お値段は40万ドルからだ。上に書いたいろんな要件のほかに、銀行の協力も必要かもしれない。最初の予約購入者にキーを渡せるのは2019年、それまでにすべての検定をパスしていればね。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Airbusは空飛ぶ電動タクシーを2018年に供用開始する、最初は人間が操縦

Airbusは空飛ぶタクシーを来年実用化する、CityAirbusのチーフエンジニアMarius Bebeselが今週、それを確認した。今のところスケジュールは順調で、CityAirbusは、この乗り物の推進力となる電力系の地上テストに成功した。

CityAirbusの航空機は垂直離着陸型で、回転翼を4つ使用し、混みあった都市空間の短距離飛行で最大4名を運ぶ。駅や空港など、主要な交通ハブに接続することがねらいである。最初のうちはパイロットが操縦するが、技術が完成次第、完全な自動操縦へ移行する。

CNBCの報道によると、Airbusはこの航空機を固定ルートで運用するつもりで、最高速度は時速80マイル(ほぼ130キロメートル)とする。地上の交通渋滞による遅れがなくなるだけでなく、理論的には渋滞を軽減する可能性もある。

電池駆動の電動乗り物にとっては、短距離飛行が理想的な形だ。短期的には、完全電動による長距離航続はほぼ不可能だ。また、電池交換や充電が自動化されれば、完全な自動飛行の未来へ一歩近づくだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

World Viewの成層圏気球がツーソン本社からの浮上操作に成功、商用化に一歩前進

成層圏気球をさまざまな目的のために提供するWorld Viewが、同社の発表によると、アリゾナ州ツーソンの本社から、その最初の浮上に成功した。その新しい本社は公式には2月にオープンしたが、その後今日まで各種の準備作業に追われ、本日(米国時間10/1)やっと初浮上に至りついた。

World Viewは高高度の気球船を使うことにより、商用宇宙ビジネスに新しい分野を開拓しようとしている。その気球は地球の大気圏の上端で運用され、科学研究や観測などの目的に、低地球軌道人工衛星よりずっと安い費用で利用できる。その成層圏高度は、長期的な観測サイトにも適しており、気象観測や国防用途にも向いているとされる。

ツーソンにおける初浮上は、土曜日(米国時間9/30)に行われ、その前の気球充填テストは8月半ばに行われた。ツーソンの本社には浮上のための施設設備だけでなくオフィスもあり、巨大な気球を手作業で組み立てるための世界最長のテーブルもある。将来的には客室のある気球も構想しており、それが実現したら成層圏観光旅行や科学者たちの搬送も可能になる。

World ViewのCEO Jane Poynterによると、ツーソンからの最初の浮上は同社の(ブランド名)Stratollite気球の一連の開発および立証過程における、重要な里程標のひとつにすぎないが、今日の成功を踏まえて今後は徐々に、長期の滞留や永続的ステーションの実現に向けて努力していかなければならない、という。

ツーソン本社ではなく試験サイトからの浮上では、すでに気球の27時間の連続飛行に成功している。複数の気球の、数時間でなく数か月の一斉滞留が可能になれば、商用の運用もできる、と同社は考えている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

World Viewの新型気球、成層圏で27時間滞空に成功――地表観測、有人飛行などに活用へ

World Viewは成層圏を飛行するStratollite気球を開発しているスタートアップだ。同社は先週末の実験で成層圏上層に気球を27時間滞空させるという新記録を樹立した。成層圏で1昼夜以上にわたって気球を制御下においての飛行に成功したのはこれが最初だ。

これはWorld Viewにとって大きな一歩だ。同社はStratollites気球を一週間以上、最終的には数ヶ月にわたって成層圏に滞空させたい考えだ(TechCrunchでは今年2月、アリゾナのWorld View本社を取材した)。同社は気球に高精細度のカメラなどのセンサーを搭載し、地表の状況を詳細にモニターするなどのミッションを考えている。成層圏気球は特定の軌道に制約されず、また衛星打ち上げにはともなう莫大な費用負担がない。

ただしStratollitesと呼ばれる成層圏気球が機能するためには大きな環境変化に耐える必要がある。特に成層圏上層では昼夜の温度差などの変化はきわめて厳しいものがある。先週の実験の成功でWorld Viewの気球は成層圏の環境変化に耐える可能性があることを示すことができた。また成層圏気球として始めて高度制御にも成功した。

World Viewのビジネスモデルにとって今回の成功は大きな意義がある。同社では最終的に気球による成層圏の有人飛行を計画している。これは気球に吊り下げられたVoyagerカプセルにより宇宙との縁となる大気圏最上層を飛行するというものだ。下のビデオでWorld View取材時のもようをご覧いただきたい。

〔日本版〕World Viewでは高度をコントロールすることで互いに異なる方向に吹くジェット気流を利用して一定の場所の上空に留まるテクノロジーを開発している。また成層圏有人飛行が実現した場合、1人7万5000ドルで観光飛行も計画しているという。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Duke Roboticsが機関銃搭載ドローンのビデオを公開

軍事企業のDuke Roboticsは兵器を搭載するドローンのビデオを公開した。TIKADと呼ばれる新しいプラットフォームはユニークだ。仕組自体は比較的シンプルで、カスタムメイドのマルチローター機体の下部に小火器を搭載し、旋回、照準を行うメカニズムが組み込まれている。機関銃、狙撃銃、グレネードランチャーなどがあまり手を加えずに搭載可能なようだ。しかしこのビデオが示唆する未来の戦争は恐るべきものだ。

機体下部のジンバルが小火器を安定させ、専用パッドにカメラ画像が表示され、リモートコントロールで索敵、照準が可能になっている。かなり以前からこうしたことを可能にするテクノロジーは存在しており、最近ではAV社の無人航空機システム、Switchbladeプロジェクトなどがその例だ。実のところ、DJIのような有力ドローン・メーカーであればこうしたシステムは今すぐ片手間にでも開発可能だろう。しかし兵器は極めて限られた市場であり、その点が興味深い。

このシステムの開発者は「TIKADは政府に全く新しい能力を与え、テロリスト・グループの掃討とその際の地上兵力の死傷者の減少に役立てることが可能になる」 と述べている。開発メーカーはこの種の兵器の開発のために出資を募っている。このビデオは本質的にはクラウドファンディングによる資金集めための大掛かりなバイラル・マーケティングの一環といっていい。ともかく機関銃搭載ドローンというのは人目を引く。

Duke Roboticsでは現在イスラエル国防軍と提携してテストを行っているとしている。またオンラインでのプロダクト受注も考えている。これがこうしたビデオを製作した理由だろう。現在のテクノロジーではこうした小火器搭載ドローンを実戦に投入するのはかなりの危険がある。しかしリモートコントロールで目的地へ飛び、敵を射撃して飛び去るシステムを作ること自体は比較的簡単だ。木などの障害物に当たると自爆する。

TIKADビデオそのものついていえば、額面どおりには受け取らないほうがよい。これは現実のプロダクトではなく、資金集めのマーケティングだ。そもそもドローンに武器を搭載するのがそれほど簡単なら米軍のMQ-1プレデターやその後継のMQ-9 リーパーのような巨大で高価なシステムよりずっと取り回しのいいシステムがすでに実現していたはずだ。とはいえ、「ドローンがリモートコントロールでテロリストをやっつける」という戦場を見たいならDukeのビデオはよくできている。

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ボーイング787、アメリカ上空に巨大な飛行機のイラストを描く

エンジンのテストのために連続18時間も飛行機を飛ばさねばならないなら、何か面白いことをしたくなるだろう。ボーイングはどうやら面白いことが好きだったようだ。787ドリームライナーで実施したエンジンのテストの最後の14時間でボーイングはアメリカ上空に巨大な飛行機のイラストを描いた。

私が数えたところでは、このイラストは17の州にまたがっている。イラストの右の翼の端ははミシガン州アッパーペニンシュラに、左側はテキサス州を横断してメキシコ国境近くまで延びている。

この記事を書いている時点で787の軌跡は飛行機の輪郭をほぼ描き終わっている。これからシアトルに戻るのだそうだ。シアトル着陸は太平洋時間 9:24が予定されている。787の軌跡はここでライブ放映中

専門家の解説によれば、これは大量の燃料を使ったジョークなどではないそうだ。ボーイングはロールス・ロイスの新しい長距離用ジェットエンジンを採用するにあたってテストを必要としていた。

このフライトは17時間46分で1万6000キロをカバーする予定だ。これは現行のあらゆる商用路線より長い。最長の商用空路はカタールのドーハとニュージーランドのオークランドを結ぶルートで、飛行時間16時間10分、距離は1万4518キロだという。

〔日本版〕すでに787は着陸ずみだが、リンク先から詳細な軌跡を見ることができる。

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Virgin Galactic、動力飛行テストを再開――2018年には商用宇宙旅行開始を目指す

Virgin Galacticが宇宙往還機の動力飛行のテストを再開する。2014年に副操縦士のMichael Alsburyが死亡した悲劇的事故以来SpaceShipTwoのの動力飛行は中断されていた。テストの再開はVirgin Galacticのファウンダー、リチャード・ブランソンがBloombergのインタビューの内容を共有したことで確認された。

現在実施中の滑空飛行の結果が集約された後は、3週間に1回のペースで動力飛行が行われる予定だ。テストは徐々に高度を上げ、今年11月か12月には宇宙との境界となる高度まで飛行するという。すべて順調に運べば、2018年半ばにブランソン自身が最初の乗客となって最初の宇宙飛行を行う。ブランソンは最終的にはこの機体で有料商用宇宙旅行を実現させようとしている。

2014年の事故以来、沈黙していたVirgin Galacticだが、今回初めて具体的な商用宇宙旅行計画が明らかにされた。ブランソンはBloombergに対し、計画の遅延とジェフ・ベゾスのBlue Originやイーロン・マスクのSpaceXなど民間宇宙企業の躍進にもかかわらず、「(ライバルがいくらあろうと)十分な数の宇宙旅行機を製作することはできない」と需要が旺盛であることを強調した。

Virgin Groupは現在Virgin Orbitとよばれる衛星打ち上げとロジスティクスを行う会社を所有している。同社は最近VSS Unityと呼ばれる機体の滑空実験を行い、成功させている。今後動力飛行の実験に移り、最終的にはこの機体から小型衛星の打ち上げを成功させたい考えた。

〔日本版〕Virgin Orbitの機体は専用のボーイング747、Gosmic Girlに背負われて成層圏に上がり、動力飛行して衛星を放出、軌道に乗せることが目的。SpaceShip IIは弾道軌道の有人商用宇宙飛行が目的で、双胴タイプのジェト機に吊り下げられ、上空で分離する。下は事故前にVirgin Galacticが公開したビデオ。

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アメリカへ向かう旅客のラップトップ持ち込み禁止がEtihad、Emirates、Turkishの三社で解除

アメリカ政府は、多くの論争を招いていた航空機へのラップトップ持ち込み禁止を、三つの主要エアラインに対して解除した。

解除が即刻有効になるのは、Etihad AirwaysEmirates Airline、そしてTurkish Airlinesだ。これらの中東からアメリカへの便では、ラップトップやタブレット、eリーダーなどの電子機器の持ち込みが許される。残る6社(Royal Jordanian, EgyptAir, Turkish Airlines, Saudia, Kuwait Airways, Royal Air Maroc, Qatar Airways, Emirates, Ethiad Airways)は、禁止が持続する。

国土安全保障省は、3月に禁令を公布した。禁令は中東の10の空港からアメリカへ向かうすべてのフライトに適用され、それには重要な空路ハブであるドバイ、アブダビ、ドーハ*(カタール)も含まれる。〔*: 原文ではDoharとなっているが、間違いであろう。〕

今日のデジタル時代においてそのような禁令は先例がなく、国の安全を強化するための策である、として正当化された。

お役人たちからの、具体的な脅威に関する説明はなかったが、諜報活動の結果として、一部のテロリスト組織が消費者電子製品に爆発物を隠してひそかに旅客機内に持ち込むおそれがあるための決定、とされた。

これら政府高官たちによると、2016年2月の、ジブチからモガジシオに向かうDaallo航空159便の墜落は、この種のデバイスによるもの、とされた。今日の禁令を1年以上前に起きた事件で説明するのは、ちょいと厳しいのではないかな。

実際には、この禁令は実施が困難だった(中東からアメリカまでのフライトに乗ったことのあるぼくが言うのだから間違いない!)。 空港における通常のチェックインと違って、それは形式化されていないので、行列でむやみに時間を浪費した。荷物のチェックが通常のチェック以外に繰り返され、見つかった電子機器はひとつひとつ箱に入れられた。

同様の禁令がヨーロッパからアメリカへ向かう便にも適用されるという噂もあったが、実現はしなかった。今回一応、数社で解除されたのだから、適用範囲が今後広がることはないだろう。でも2017年のアメリカ政府の現状を見るかぎり、何が起きても不思議ではない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

データサイエンスとAIの作品でコンペを行うKaggleが国土安全保障省の空港のセキュリティ改善策懸賞に協力

空港のセキュリティを通ることは、どこでもうんざりする体験だ。しかも遅くて人に対し侵害的なプロセスでありながら、TSA(上図)には、脅威を未然に防いだという立派な実績があまりない。そこで国土安全保障省は、データサイエンスのソリューションのコンペを主催しているKaggleの協力を仰いで、空港のセキュリティシステムをより正確かつ効率的にするための、機械学習ツールの懸賞を開催している。

今年の早い時期にGoogleが買収したKaggleは、機械学習の難問の新しい視点による解を競う懸賞付きコンペを、定期的に主催している。今年の三度目のコンペであるこの危険検出アルゴリズムの改良というお題の懸賞は、賞金総額が100万ドルを超えている。

優勝賞金が50万ドルで賞金総額150万ドルのこのコンペの応募作品は、人間が身につけている危険物を正確に予見するアルゴリズムやシステムだ。機械学習を訓練するための画像データ集は、TSAが提供する。服をちゃんと着ていても武器の携行が分かる、という画像の集合だ。プライバシー保護のために、それらは実際の写真ではなくてTSAが作った画像だ。

コンピュータービジョンのスタートアップMatroidのファウンダーでCEOのReza Zadehはこう言う: “このコンペの結果から、実際にそんなシステムを作ったらどれほどのものができるか、その目安が分かるだろう。でも結果がどうであれ、現場の警備員が確実に危険物を見逃さないようにするための、補助的システムは絶対的に必要だ”。

これら17のボディゾーンのどれかに武器が隠されている可能性を検知するシステムが、コンペの課題だ。

もちろんTSAそのものが具体的に機械学習の問題を抱えているわけではない。むしろこのお役所の問題は、高価で複雑なマシンを自力でアップグレードする技術力がないことと、高価とはいっても、今の民間のデータセンターに見られる高度なGPUをまったく導入していないことだ。しかしGoogleやFacebookなどは、軽量級の機械学習フレームワークに重点投資し、エッジで〔各末端現場で〕ローカルに(インターネットなしで)使えるよう最適化しているから、TSAもそれらなら利用できるだろう。

そしてそれなら、コンペの応募作品がいきなり実際に空港の人体スキャンマシンで使われることもありえる。事前に訓練するほかに、いくつかの制約条件に合わせればよいだけの話だ。国土安全保障省も、真の評価のためには実地テストが必要だから協力する、と言っている。

Kaggleを作ったAnthony Goldbloomは、“エンドユーザーマシンに高速なGPUがないのは厳しいが、でも推論部分はヘビーな計算をしないからね”、と言う。

もうひとつの懸念は、危険検出を自動化した場合に起きうる、名誉毀損的な状況だ。旅行者が、身におぼえのない嫌疑をかけられるおそれがある。しかしTSAが作った訓練用画像のデータセットは、それを防ぐための工夫がしてある。

“TSAはそれに関してはいい仕事をしている。ボランティアを採用するときも、特定のタイプの人〔宗教、民族等〕が不名誉な誤認をされないために、十分なダイバーシティ(多様性)を確保するようにしている”、とGoldbloomは念を押す。

近い将来、応募者はGCP(Google Cloud Platform)を(使いたければ)使えるようになる。フレームワークも、KaggleがGoogleの企業だからといって、必ずTensorFlowを使わなければならないことはない。コンペの詳細はここにある。締め切りは12月だ。

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DJI Sparkドローンのコントロールアプリは4種類の自動飛行モードをサポート、SDKも最初から提供

今日(米国時間5/24)ニューヨークで行われたメディアイベントで、DJIが新製品のドローンSparkを発表した。それはポータブルなドローン入門機であり、日常的な航空撮影にも適している。ぴかぴかのSparkを手に入れたあなたのために、DJIはiOS上のコントロールアプリGO 4をリリースした。

このアプリには、4種類の自動飛行モードがあり、そのおかげで、あなたやぼくがちょいと複雑な飛ばし方をして、499ドルもするおもちゃを壊すおそれがない。起動時のGO 4はActiveTrackモードで、画面中の飛行物体に焦点を合わせる。Panoモードは、複数の画面を自動的に縫い合わせてパノラマを作る。ShallowFocusは背景をぼかす〔これは‘飛行モード’ではない〕。TapFlyはターゲットの上でホバーしたり、そいつを追ったりする。Gestureモードは手のジェスチャーで自撮りをしたりビデオを撮ったりする。

もちろんGO 4には写真やビデオ用のフィルターや、自動編集機能もある。YouTube, Instagram, Twitter, Facebookなどのソーシャルネットワークへのアップロードもできる。

Sparkの飛行モードはすべて、GPS/GLONASSのセンサー群と3Dセンサーシステムと、そしてDJIが視界位置決めシステム(vision positioning system)という名前でマーケティングしている機能により飛行時の安定を維持し、完全な自律飛行ができる。

SparkのSDKもすでに提供されていて、Epsonとのパートナーシップや、ドローン使用中のコーディング、一人称ビューのゴーグルの併用などにより、飛行モードや撮影機能などに関してクリエイティブな工夫ができる。

Sparkは今、予約販売中で499ドル、店頭に出るのは6月15日の予定だ。

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DARPAのXS-1宇宙往還機、ボーイングがプロトタイプの開発を受注

シアトルのボーイング本社ではシャンペンを抜いてお祝いしているに違いない。DARPA〔国防高等研究計画局〕のクールな宇宙往還機のプロトタイプの開発をボーイングが受注することに成功した。このプロジェクトを巡ってボーイング、ノースロップ・グラマン、Masten Space Systemsの3社が競争していた。

XS-1宇宙往還機は研究衛星、偵察衛星などを安価に低軌道に送り込めるようにするのが目的だ。最終的には一回の飛行コストを500万ドルに押さえ、年間最低10回飛行できるようにしたいという。

このプロジェクトはNASA,、空軍、民間企業のハイテクの総力を結集するものになる。軽量で超低温に耐える燃料タンク、マッハ10になる大気圏再突入時の高温に対応した強力な複合素材翼などの開発が必要だ。これにより1.3トンのペイロードを低軌道に乗せる。

こういうスーパー・ハイテク・プロジェクトの常としてデモビデオが制作されている。ただこういうビデオは2005年頃に中学生がありあわせの素材をつなぎ合わせたような出来栄えなのはどうしたわけだろうか。

DARPAのプログラム・マネージャー、Jess Sponableはプレスリリースで、「われわれはXS-1プロジェクのフェーズ1においてボーイングが達成した成果を歓迎している。新しく認可された予算により今後、フェーズ2、フェーズ3に進み、実機の組み立てと飛行を実現させたい」と述べた。

プロジェクトの第2段階は2019年まで続き、この間に設計を完了させ、推進システム(スペースシャトルのエンジンの改良版)のテストを実施する予定だ。その後2020年に10回程度のテスト飛行が予定されている。このテストの最後にはマッハ5以上の速度の飛行を10日で10回行うことになっている。.

XS-1についての最新情報はDARPAのサイトを参照のこと。.

〔日本版〕XS-1は無人機。ボーイング社は開発にあたってジェフ・ベゾスのBlue Originと協力しているという。

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Googleのもう一人の始祖Sergey Brinはツェッペリン型の巨大飛行船を開発中

Googleの協同ファウンダーSergey Brinは以前から奇抜で冒険的な技術に取り組むことが好きだが、奇抜という点では今回のがいちばんかもしれない。Bloombergの記事によると、この謎多き億万長者は黒い服装が好きで、かつてはウェアラブルコンピューターGoogle Glassを宣伝するためにそれを着けたまま飛行機から飛び降りたこともあるが、今はNASAの格納庫で秘密の飛行船を作っている。

Brinのそのプロジェクトは、情報があまりない。Bloombergの記事では、Alphabetの社長(Brin)のその航空機はツェッペリンに似ていて、個人的なプロジェクトのようだが、もしかして意欲的な新会社の始まりかもしれない。しかしBrinは飛行機が好きで、過去にはGoogleの社用機として“パーティー専用機”を作らせたことがある、とも言われている。飛行船は中でもBrinのお気に入りで、NASAの近くのAmes Research Centerを訪れてUSS Maconの古い写真を調べたこともある。Maconは米海軍が実際に使った数少ない飛行船の一つで、1935年に嵐でビッグサーの海岸に墜落した。

Googleは2015年以来Amesを実験のための研究施設として使っているが、Brinが作っている飛行船はAlphabetの正規のプロジェクトではない、とBloombergの記事は言っている。しかし、すでに金属製の構造体はできており、Amesの格納庫の一つのほぼ全空間を占めている。そして元NASAの監督官が、全体を監視している。その元監督官Alan Westonは、効率の良い長距離輸送機としては飛行船が最適、という説の持ち主だそうだ。

Brinがツェッペリンに関心を持つのも、懐古趣味からではない。そのハイブリッド飛行船Air Vehicles HAV 304 Airlander 10(上図)は、現時点で世界最大の航空機であり、発熱量が少なくてレーダーに映りにくいなど、軍用機としての適性を持つ。

それに、飛行船は確かに話題にはなるけど、空の旅に関心があるGoogle人間はBrinだけではない。彼の相棒のLarry Pageもこれまでに、いくつかの飛行車スタートアップを支援しており、その中の一つKitty Hawkは、最近の試作機の飛行をビデオで公開した

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))