wiARframeはAR体験の開発を容易にすることを狙う

AR(拡張現実)は何年にもわたってバズワードであり続けてきたが、そのほとんどは、ただ物珍しいものというだけに留まっている。本日Disrupt BerlinにおけるStartup Battlefieldに参加したwiARframeは、私たちがまだARゲームの入り口に立っているに過ぎないと考えている。そして市場がさらに進歩するためには、ツールがもっと使いやすくなること、そしてデザイナーたちがAR体験に対してよりよい刺激を得る手段が得られる必要があると考えているのだ。

WiARframeは、こうした問題に、ARデザイナーに対して使いやすいウェブベースを提供してAR体験の構築を行わせ、さらに同社のiOSまたはAndroidアプリをダウンロードした者同士でコミュニティ機能を使ってノウハウを共有できるようにすることで取り組もうとしている。

同社の創業者であるJeremiah Alexanderは、実際のシーンエディターは、他の3Dモデリングツールに似たものになっていると語った。その中では、シーンをレイアウトすることができるだけでなく、それを対話的なものにすることができる。通常開発者たちは、この作業を複雑で多機能なUnityのようなツールの中で行う。しかしAlexanderは、そうしたものを使い始めるためのハードルは、多くの非開発者たちにとってはまだとても高いと主張する。それに対してwiARframeは、AR体験を開発することに特化したツールを提供することで、多くの複雑さを取り除くのだという。「Unityはデザイナー向けではないのです」と彼は私に語った。

3Dモデルを取り込むことができることに加えて、ツールはまたデザイナーたちに、設定や他のアプリ内体験として利用することのできるメニューをシーンに付け加えることを可能にする。

だがAlexanderが強調するように、サービスのコミュニティ面が劣らず重要なのだ。ここでのアイデアは、デザイナーたちに既存のシーンを使って、リミックスすることを可能にするということである。それはMicrosoftがPaint 3DやRemix 3Dで行っていることと似通ってはいるものの、AlexanderはそれをGitHubに喩えることを好んでいる。

GitHubはまた、長期的にはwiARframeのビジネスモデルにインスピレーションを与えるものである。GitHubのように、wiARframeのユーザーはサービスを無料で利用できるが、その場合作品はパブリックなものになる。それらをプライベートなものにするためには、ユーザーは利用料金を支払う必要がある。長期的には、同社はおそらく、さらに機能を追加した企業向けプランを提供することになるだろう。

wiARframeはAlexanderがひとりで創業した会社だが、現在は3人のフルタイム従業員を抱えている。チームは今年の初めにComcast NBCUniversal Techstarsプログラムに参加した。そしてAlexanderはゲームのデザインやその他のデジタル製品に対する広範な経験を持っている。実際に、そのキャリアの初期には、彼はAtariで開発者のためのツールを開発していた。

AlexanderはARの現状を、始めるためには高い技術力が必要とされたウェブの初期の頃になぞらえた。wiARframeの背後にある動機は、ARコンテンツを作成する能力を大衆化することだ。この先消費者のARへの需要が具体化するかどうかが鍵である。もしそうなるならば、もちろんwiARframeのようなツールは、誰にとっても、新しい体験に飛び込みそれを生み出すことを容易にするだろう。

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(翻訳:sako)

コラム:ツールは変わる

私が過去十年ほど、HappyFunCorp1で仕事としてやってきたウェブサービス作りやスマートフォンアプリ開発は、かつてはとてもわかりやすいものだった。決して簡単だったとは言わないが、特に顧客が消費者向けスタートアップの場合は、わかりやすかったのだ。多くの会社がそうだった。

経験を積むほど、私たちはより良いものに手が届くようになった。2つのアプリをデザインし実装する(通常はiOSが先、Androidが後)。デザインには金を惜しんではならない。それらをJSON APIに接続する。それは通常はRuby on Railsで書かれたバックエンドだ。このバックエンドはウェブサイトでも使われている。常にウェブサイトが存在している:一般消費者はアプリで最小限の表示を見ているに過ぎない。その裏には常に機能やアプリの外観を制御するための管理サイトが伴っているのだ。

管理サイトのデザインはそれほど重要ではないので、ActiveAdminのようなもので、見かけは粗いが使えるものを作成することができる。なぜ自分でわざわざ作る必要があるだろう?同様に、認証は面倒で間違いも起きやすいので、FacebookやTwitterへのフックを組み込んだDeviseのようなものを使いたい。データベースは慎重に設計しよう。生のJavascriptを扱うのは悪夢に他ならないので、動的なブラウザ内操作にはjQueryを使おう。サーバーテストにRspecとMinitestのどちらを使うかには議論が分かれる。

全部揃ったかな?OK、それではHerokuのスケーリング環境に展開しよう、単に”git push”とするだけでステージングと本番環境にプッシュすることができる。様々なレベルのPostgresサポート、自動スケーリング、パイプライン、Redisキャッシング、Eesqueワーカージョブなども同様だ。もしスタートアップなら、そのままHerokuの上で様子を見よう。もしそれが製品市場で成功するとしたら、とりわけ素早いイテレーションが可能だったことが大きい。そしてもし成功したならば、ある時点でAWSへと卒業しなければならない。なぜならHerokuのスケーリングには限界があり、しかも大規模になるにつれて多大な費用がかかるからだ。もしそうでないなら…まあ「失敗は早めに」だよね?

ああ、友よ、そんな日々があったのだ。既に過ぎ去った平和な日々…(ノートをチェック)もう5年前の話だ。もちろん沢山の苦労は味わったが、意思決定上の複雑さはほとんどなかった。スマートフォンブームが始まり、ウェブブームは落ち着いて、それでも皆がまだその2つのブームの上に乗っていた。

では現在は?まあ、今でもそれらの波自身は崩れ去ってはいない、ソフトウェアはいまでも世界を食べ続けている。だが状況は…変わってしまった。世界はますます(ソフトウェアによって)食べられ続けているが、その速度は落ちている。まあ今や100万ドルのものが500%成長するというよりも、10億ドルのものが50%成長しているという意味でだが。世界を変える決意に満ちて、それを試すために資金を注ぎ込む、アプリのアイデアに満ちた夢想的起業家の数は少なくなっている。もちろん、そうした者たちはまだ居るし、その力も大きくなってはいるが、現在の風景はより複雑なものになっているのだ。

その代わりに、私たちは大規模なビジネスを目にするようになった。メディア、製造、そして小売などだ、そうしたものたちが新しい技術プロジェクトを適用し、熱中し、実験しなければならないことに気が付いたのだ ―― 興奮と恐れの中で。そうでなければ、とても限られた(しかしとても有益な)用途のカスタムアプリケーションを作ることが要求され、それらを既存の面倒なミドルウェアなどと接続しなければならない。また、たとえ有名なテクノロジー企業であっても、社内のチームを純粋にコアコンピタンスとビジネスモデルに専念させるために、補助的なツールとプロジェクトはアウトソーシングしている。私たちの顧客たちが、ここ数年でより企業向けにシフトしたことは間違いない。

とはいえ、素晴らしいアイデアや触発的なパワーポイントを引っさげたスタートアップたちの登場が途切れたと言いたいわけではない。例えば、かつてのコンシューマアプリの創業者たちを置き換えるように登場した、超夢想的ブロックチェーン創業者たちがいる(実際、私自身も時には少しばかりブロックチェーンに対して夢想家になってしまう)。昨年末から今年にかけて沢山のブロックチェーンスタートアッププロジェクトを仕掛けて、現在はせいぜいそのうちの数個が残っている状態に陥っているのは、私たちだけではないと思っている(とりわけツールが依然としてとてもお粗末なままなので、私には90年代のコマンドラインハッキングを思い起こさせる)。しかし、私はこの分野が消えてしまうとは考えていない。

現段階では、予想していたほど多くのAIプロジェクトを、私たちは手がけていない。おそらくその原因の一部は、AI人材が極端に不足し高価値のままであることであり、また部分的には多くの”AI”的な仕事が、深層学習ニューラルネットワークを訓練し調整することなく、単純な線形回帰を使って行えることが明らかになったことだろう…まあもしTensorFlowでそうした線形回帰を行ったとしても、まだ”AI”というバズワードを使っても許される筈だ。そうだろう?

しかし何よりも、私たちが使用するツールが変わってしまった。いまでは、アプリを作ろうとする際には、自分に問いかけなければならない:本当にネイティブで作るべきか?(JavaまたはKotlin?Objective-CそれともSwift?)そうでなければReact Native?あるいはXamarin?そうでなければGoogleの新しいFlutterとか?またウェブサイトを構築したいときには考えなければならない:従来式でやるのか?それともReact、Angular、またはVueを使ったシングルページにするのか?サーバーに関しては…ご存知のようにGoはRailsよりもはるかに高速で、そう、並列処理もエレガントだ。でもmap/filter/reduceはどこに入れれば良いのだろう?Javascriptはいまだに扱い難い言語だが、システム全体を横断して1つの言語を使うことには一定の利点がある。そして最近のNodeは強力でパッケージも豊富だ。もちろん、それら全体をコンテナに入れたい筈だ、Dockerはさらに1層もしくは2層の設定の複雑さを追加するが、通常そうする価値はある。

完全に「サーバレス」に移行はしないにしても、ある程度の部分をAmazon LambdaやGoogle Firebaseでまかなうというのはどうだろう?たとえFirebaseをデータストアに使用しなくても、認​​証に使うというのは?そして、もし必要に応じてあるいは適切と思われるので、全てをコンテナ化しKubernetes化していた場合でも、製品が市場に受け入れられたことがはっきりするまでは、多数のマイクロサービスを組み合わせる道筋を進むのはやめておこう。そしてその後どこにシステムを展開すれば良いだろうか。AWS、Azure、Google Cloud、またはDigital Ocean?あるいは、App EngineやBeanstalkのようなPaaSサービスや、Herokuのような「サーバーレス」と「ベアメタル仮想マシン」の間に入るようなものを使いたいだろうか?

過度に単純化しているが、私の言いたいことはおわかりいただけるだろう。開発者として、これほどの選択肢やツールが提供されたことはこれまでになかった。そして利用可能なツールセットの中の、どれが特定の状況に対して最善なのかを決定することが恐ろしく難しいという理由で、分析に対する困難に直面させられることもかつてなかった。場合によっては(実はしばしば)最善ではなく、とりあえず良いものを選ぶことで満足しなければならない。そして、その選択の困難はすぐには簡単になりそうもない。プログラマーでいることは大変な時代だ。私たちは有り余るほどの選択肢の中に巻き込まれて、生きて働かなければならないのだ。


【注】1はい、これは本当に私たちの会社の名前である。このTechCrunchのコラムは私のフルタイムの仕事ではない(人は、これが私のフルタイムの仕事だと考えることが多い。なにしろ目に止まるし、毎週コラムを書くことは大変な重労働だと考える人もいるからだ。しかし私は本当に企業のCTOだ)。

【訳注】この記事の原題は”The tools, they are a-changing”であるが、これはボブ・ディランの”The Times They Are a-Changin’ “のもじりである。この歌の邦題はしばしば「時代は変わる」とされるため、この記事のタイトルも「ツールは変わる」とした。

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(翻訳:sako)

画像クレジット: Pixabay under a CC0 license.

Googleの開発プラットホームFirebaseのサミットがチェコのプラハで開催、エンタープライズ指向を強調

今日(米国時間10/29)プラハで行われたFirebase SummitでGoogleは、そのアプリケーション*開発プラットホームFirebaseのさまざまなアップデートを発表した。それにより同社は、同プラットホームを、個人や小さなチームのための環境であるだけでなく、本格的なエンタープライズ開発ツールにも仕立てようとしている。〔*: 開発プラットホーム; 主にWebアプリケーションとモバイルアプリが対象。参考記事。〕

Googleは4年前にFirebaseを買収して、デベロッパーがそのSDKを使って重要なクラウドツール…データベースやストレージなど…に容易に接続できるようにした。その後同社は、その上に、モニタリングなどの高度な機能を加え、パフォーマンスの問題を解決し、アプリのユーザーのエンゲージメントを知るためのアナリティクスを加えたりしてきた。でも、これまでのそれらツールキットは、必ずしも大企業を視野に入れたものではなかった。

Firebaseのプロダクト担当Francis Maが、こう語る: “今日の発表は主に、モバイルアプリの構築と成長を志向しているエンタープライズと高度なアプリチームのための、機能とアップデートが中心だ”。

たぶん今日の最大のニュースは、企業対象のサポートが加わったことだろう。毎月150万のアプリおよびアプリケーションがFirebase上で作られているというが、しかしエンタープライズに深く入り込むためには、企業のITが問題にぶつかったとき電話できるところが必要だ。そのため同社は年内に、各種のサポートパッケージをベータで発表する予定だ。それらが、さらに幅広いGoogle Cloud Platformのサポートと組み合わさる形になる。

“すでにGCPの有償サポートを受けているユーザーは、そのGoogle Cloud Platform(GCP) Support ConsoleからFirebase関連の質問に答えてもらえる。またGCPのサポートパッケージには、ターゲットのレスポンスタイムや、専用のテクニカルアカウントマネージャー(Enterprise Supportの場合)などが含まれている。Firebaseのサポートに関して、別料金は発生しない”、とMaはGoogle Cloudとの一体性をブログ記事で強調している

また、大きなチームや企業はさまざまな管理ツールを必要とするので、Googleは今日、Firebase Management APIを発表した。これによりIDEからFirebaseへの、プロジェクトのワークフローを、プログラムにより管理できるようになる。Maによると、これにはWebベースのIDE、StackBlitzとGlitchの統合も含まれている。“これらのプラットホームがFirebaseでアプリが作られていることを自動的に検出し、ボタンひとつでそれをFirebase Hostingへデプロイできるようにする。彼らのプラットホームを去る必要はない”、とMaは書いている。

そのほか、5月に発表されたGoogle MLキットの顔認識ツールへのアクセスの改良をはじめ、たくさんの発表があった。パフォーマンスモニタリングツールCrashlyticsが改良されて、PagerDutyの統合が行われた。アナリティクスツールFirebase Predictionsは、ベータを卒業して一般公開された。

これらの発表はすべて、Firebaseプラットホームの成熟を示すと同時に、単なるデベロッパーツールから、エンタープライズも視野に収めたツールへの機能拡張を、はっきりとねらっている。

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ImprobableのMMOプラットホームをUnityから利用できる、バトルロワイヤルのブームか?

Fortniteのようなバトルロワイヤルゲームは、複数のプレーヤーがいて各人が他の全員と戦う。ゲーム企業が理解し始めているのは、それが大量のオーディエンスを一度に呼びこむ仕掛けであることだ。そういう願望は前から存在していたが、しかし資金量十分なスタートアップImprobableは、そのような広大なオンライン世界を、さらに多くのゲームデベロッパーにとって、可利用にするつもりだ。

AIベースのゲームプラットホームメーカーImprobableは、同社のマルチプレーヤープラットホームSpatialOSを用いるゲームSDKを、人気の高いゲーム開発プラットホームUnityに加える、と発表した。今では、ビデオゲームの約半分がUnityを使って作られている、と言われる。

Improbableはマルチプレーヤーゲームに関して壮大なビジョンを持ち、それが大量のベンチャー資本を吸引している。ロンドンに拠を置く同社は、複数のユーザーが同時に広大なオンライン空間を共有するデジタル世界の実現に向けて、これまで6億ドルあまりの資金を調達した。同社のSpatialOSプラットホームを使うと、オンラインゲームの一つのインスタンスが複数のサーバーを横断して動き、各サーバーから他のサーバーが見えることによって世界を一つに縫い合わせる。これをゲームの言葉で言い換えれば、何百人ものゲームプレーヤーがお互いに相手を見られて、彼らのゲーム内のアクションはその世界のどこにいても同じ機能を発揮する。

同社の技術は今、多くのゲームデベロッパーの意欲をかきたてている。このプラットホームを利用したゲームをリリースしたデベロッパーも、すでに数社/数名いる。

今日(米国時間10/11)のニュースは同社の大きな一歩であり、Unityの人気に乗っかって大量の若いゲームデベロッパーたちがMMOの開発により容易に取り組めるようになる。これまでもUnityからSpatialOSを利用することはできたが、それはあくまでも限定的かつ実験的だった。Unityはほかに、Unreal EngineCryEngineによる開発もサポートしている。

今日のリリースでデベロッパーは、同時プレーヤー数最大200名までのSpatialOSゲームを開発できる。そのSDKはデベロッパーに、マルチプレーヤーのネットワーキング機能と、プレイの世界を拡大するための関連機能を提供する。また、デベロッパーがSpatialOSを利用して作ったゲームは、Improbableのサーバーがホストし、そのさまざまなWebツールでメンテナンスしてくれる。

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GitHubがJira Software Cloudの統合を改良、パフォーマンスとユーザー体験をアップ

AtlassianのJiraは、多くの企業で、大きなソフトウェアプロジェクトを管理するためのスタンダードになっている。しかしそれらの企業の多くがソースコードのリポジトリとしてはGitHubを利用しており、JiraとGitHubを統合する公式な方法も、かなり前からある。しかしその古いやり方は、遅くて、能力も限られ、今多くの企業がGitHubで管理しているような大きなコードベースを扱うには、向いていないことが多かった。

しかしMicrosoftに買収されたあとでもGitHubは、オープンソースのエコシステムにコミットしていることを証明するかのように、今日(米国時間10/4)同社は、二つの製品の改良された統合を発表した。

GitHubのエコシステムエンジニアリング担当ディレクターKyle Daigleは、こう語る: “Jiraに関してAtlassianと協働することは、われわれにとってきわめて重要だった。われわれの顧客であるデベロッパーには、彼らが使っているこのオープンなプラットホーム〔GitHub〕から最良の体験を確実に得てほしいからだ。彼らが今、ほかにどんなツールを使っていようともね”。

そこで二か月前にGitHubのチームは、Jiraとの独自の統合を、完全にゼロから再構築することに決めた。そして今後は、それをメンテナンスし改良していくことにした。Daigleが言ってるように、改良の重点はパフォーマンスとユーザー体験の向上に置かれた。

この新しい統合により、JiraのIssue(課題)に結びついているすべてのプルリクエストやコミット、ブランチなどをGitHubから容易に見ることができる。GitHubからの情報に基づいてIssuesを検索できる。そしてまた、開発ワークのステータスをJiraの中でも見ることができる。GitHubで行った変更がJiraのアップデートもトリガーするので、そのデータはどんなときでもアップツーデートに保たれる。

いわゆるJira DVCSコネクターを利用するJiraとの古い統合は非推奨になり、GitHubは、数週間以内にアップグレードするよう、既存のユーザーへの告知を開始する。新しい統合はGitHubのアプリケーションなので、このプラットホームのセキュリティ機能をすべて装備している。

画像クレジット: TechCrunch

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Hasuraがサーバーレスの開発を単純化するオープンソースのイベントシステムを発表

主にPostgresデータベースまわりのデベロッパーツールを作っているHasuraが今日、新しいプロダクトを公開アルファで披露した。それは、プログラマーがサーバーレスのアプリケーションを迅速かつ効率的に作れるためのツールだ。

それは、Postgres上のオープンソースのイベントシステムにより、ファンクションをより簡単に書けるようにする。そのイベントシステムは、データベースが特定の条件に達したらイベントをトリガする。それにより、何かを動かすために大量のコードを書く必要がなくなり、またシステムのスケーラビリティも増す。

プログラマーは通常、一連のAPIコールをつなぎ合わせてサービスを呼び出し、決済や通信ゲートウェイなど、アプリケーションの各部を動かしていく。これによりプログラマーは、さまざまな部分をスクラッチで書くことから免れる。しかし問題は、一連の呼び出しの途中で何かがおかしくなったら、システムはダウンし、再スタートすることになりがちだ。

しかしサーバーレスのアーキテクチャでは、サーバーレスのメリットとしてよく挙げられるように、インフラのことをプログラマー側が気にする必要がなくなるので全体のプロセスがもっと簡単になり、きわめてシンプルなイベントドリブン方式のコードを書ける。そのため、アプリケーションのいろんな部分を呼び出してもダウンするおそれが少ない。

同社は4月に、160万ドルのシードラウンドを調達した。同社はKubernetesのソリューションを提供していたが、今回の発表で、このところデベロッパーに人気のあるサーバーレスにも手を広げた。

上記の資金調達のとき、CEOで協同ファウンダーのTanmai Gopalは、本誌にこう述べた: “われわれのフォーカスは最初から、アプリケーションの開発を超速くすることだった。そのやり方は、われわれのAPIをPostgresデータベースの上に置いて、どんなコードでもそのレベルでデプロイすることだ”。

この最新のプロダクトも、この哲学の延長で、デベロッパーがクラウドネイティブなアプローチを取れるようにする。そしてデベロッパーに、サーバーレスのアドバンテージを、オープンソースで特定のベンダーに縛られないやり方で生かせるツールを与える。

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Google Firebaseのアップデートでアプリ内メッセージング、JIRAの統合などが加わる

Firebaseは今やGoogleのデフォルトのアプリ開発プラットホームであり、買収から今日までの4年間で機能とGoogleのサービスとの統合を大きく拡充したきた。そして今日(米国時間8/16)は、そのさらなるアップデートにより、新しい機能と、より深い統合と、そしていくつかの新しいデザインがこのサービスに導入された。

このリリースのハイライトは、アプリ内メッセージングのローンチだ。この機能により、ユーザーがそのアプリを使っているときに、特定のユーザーに向けた(targeted)、しかもそのときの状況に合った(contextual)メッセージを送れる。このアプリ内通知機能はルック&フィールをデベロッパーがカスタマイズでき、今日から展開されるが、たぶんもっと重要なのは、この機能がFirebase PredictionsやGoogle Analytics for Firebaseと統合されていることだ。そのため、ユーザーの現在の行動に反応するだけでなく、どれぐらいのお金を使いそうか、とか、アプリの使用をやめそうか、などの予測(predictions)に基づいてメッセージを送れる。

また今回のアップデートでFirebaseは、AtlassianのJIRAと統合される。これからはFirebaseのユーザーが、Firebase内のクラッシュレポートに基づいてJIRAのIssue(‘課題’)を作れる。この統合は、数週間後に有効になる。

2017年にTwitterから買収したクラッシュレポートツールCrashlyticsとの、より深い統合が実現した。これからはそのデータをBigQueryにエキスポートして分析し、GoogleのData Studioで視覚化できる。そしてBigQueryにデータを置いたら、Firebaseのデフォルトの保持/削除のルールとは無関係になる。

レポートに関しては、Firebase Cloud Messagingにレポート用のダッシュボードがつき、またFirebase ConsoleのProject Overviewのデザインが一新されて、アプリの健康状態やステータスをひとつのページで見られるようになった。Latest Releaseセクションでは、ライブデータもフィーチャーされる。これらの機能は今日から展開が始まり、数週間後には全員に行き渡る。

WebのコンテンツをホストできるサービスFirebase Hostingは、今回のアップデートにより、ひとつのプロジェクト内で複数のWebサイトをホストできるようになった。Webサイトのアップデートをプッシュしたら、変更されたファイルだけがアップロードされる。ささやかなスピードアップだ。

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シーメンスがローコードプラットフォームのMendixを7億ドルで買収

本日(米国時間8月1日)ドイツの巨大テクノロジー企業であるシーメンスは、人気の高いローコードアプリケーション開発プラットフォーム(通常の言語によるプログラミングをほとんど行わないでアプリケーションを開発するプラットフォーム:超高速開発プラトッフォームと呼ばれることもある)のMendixを、6億ユーロ(約7億ドル)で買収したことを発表した。オランダで設立され、現在はボストンに本社を構えるMendixは、これまでと変わらない運用を続け名前も変えることはない。しかしシーメンスはMendixの技術を自社のクラウド、IoTそしてデジタルエンタープライズへの野望を加速するために活用することを表明している。

「シーメンスのデジタル化戦略の一環として、わが社はDigital Enterprise向けのソフトウェア製品に引き続き投資をして行きます。Mendixの買収により、クラウド分野の専門知識や、クラウド以外のプラットフォームソリューション、そして極めてスキルの高い人びとを得たことで、シーメンスはその包括的なDigital EnterpriseおよびMindSphere IoTポートフォリオの強化を続けます」と語るのはシーメンスのDigital Factory部門のCEOであるJan Mrosikだ。

Mendixのサービスは、既にIBM、SAP、そしてPivotalのクラウドサービスに深く統合されている。Mendixの共同創業者兼CEOのDerek Roosは、同社とシーメンスは当初戦略的パートナーシップについて協議していたが、対話が進むにつれて両者は買収の方向へ舵を切ったのだと語る。Roosによれば、両社のビジョンは非常に似ており、そしてシーメンスはMendixの成長を加速し、プラットフォームを拡張し、そしてそれをシーメンスの現行のMindSphere IoT Systemへ統合することへの支援を約束したと言う。

「もしどのローコードプラットフォームが長期的に投資する価値があり、勝ち残るのかを疑問に思ったことがあるなら、もはや悩む必要はありません」とRoosは書く。「シーメンスによるこのコミットメントと投資によって、当社は研究開発と地域拡大に向けての投資を、大いに加速することが可能になります。より素早い技術革新、より広いリーチ、そしてより良い顧客体験をお届けすることができるでしょう」。

ここ数年の間に「ローコード」は、徐々に人気が高まり、より多くの企業が従業員たちに、現在保存されているデータへのアクセスと活用をさせようとしている。とはいえ、全ての従業員がプログラムの方法を学ぶわけにもいかない。そこでMendixやK2その他のツールが、非開発者向けに容易にアプリケーション(大部分がデータベースを裏に抱えている)を作成できるようにしているのだ。

またシーメンスは本日、Vision 2020+という名の、新たな企業体系を発表した。その詳細自身はあまり興味深いものではないが、同社によれば、それはIoTインテグレーションサービスのような分野に対する投資を通して、成長のポートフォリオを強化するものだという。Mendixの買収もその一部だが、おそらく似たような動きをまた近い将来にも見ることができるだろう。

今回の買収以前に、MendixはBattery Ventures、Prime Ventures、HENQ Investなどの投資家たちから約3800万ドルを調達していた

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(翻訳:sako)

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継続的インテグレーション(CI)による開発自動化プラットホームCircleCIが初の海外オフィスを日本に

CircleCIの、継続的インテグレーションとデプロイメントをベースとするビルドプラットホームは、今や世界中の数十万のデベロッパーが利用している。同社はこれまで5900万ドルのVC資金を調達しているが、うち3100万ドルは、今年初めのシリーズCのラウンドだ。

グローバル化によって成長を維持したい同社はこのほど初めて、サンフランシスコの本社の外、日本の東京にオフィスを開いた。最初はそのオフィスの社員を4〜5名とし、地元企業とのパートナーシップで事業を展開するつもりだ。

同社にとって日本は初体験ではない。すでに数名のリモートワーカーがいるし、またCyberAgentやDeNAとの仕事を通じて、日本はアメリカとイギリスに次ぐ同社の世界第三位の市場だ。

CEOのJim Roseはこう説明する: “日本やグローバル市場で活躍できることは、本当にすばらしい。日本はこれまでも、うちにとって成長市場だったし、最近では成長のスピードが上がっている”。Roseは2014年にCircleCIがDistillerを買収したとき同社のCOOになり、2015年にCEOになった。

CircleCIは世界のどこにいて、どんなインフラを使っているデベロッパーでも簡単にインストールして使えるため、同社の売上はボトムアップ的(口コミ的)に伸びている。今や同社の知名度は高く、売上の35〜40%はすでにグローバル市場からだ。

しかしCircleCIのプロダクトは、ワンクリックでインストールできる簡便さが売りではない。むしろCircleCIは、クラウドネイティブな環境でソフトウェアを管理するためのまったく新しい方法であり、デベロッパーと管理職との密接な協働を支えることにより、レガシーのコードベースをクラウドとGitから成る環境へ移行させる過程を助ける。Roseは曰く、“最近の6四半期ぐらいの傾向としては、大企業でもそんなやり方が根付きつつある”。

でも。そのための教育訓練や企業文化の変化は、日本のような非英語圏では容易でないだろう。Roseによると、企業がCircleCIのシステムをインストールするという導入の第一歩をクリアしたら、“今度はそれを社内に周知する仕事があり、それにはローカルな知識が必要だ”。そこで地元雇用の社員たちや地元企業とのパートナーシップが、CircleCIを顧客企業のワークフローに接着していくことを、同社は期待している。

イギリスは同社の二番目に大きな市場だが、新たにオフィスを置くという形での国際展開の端緒として日本を選んだのは、同社の英語のリソースが日本では十分に通用することが実証されたからであり、そしてイギリスはBrexitによってヨーロッパにおける戦略立案が難しくなっているためだ。

“BrexitとGDPRをめぐっては、大量の可動部品があり、単一市場としてアプローチできるのかも、はっきりしない。とりあえずイギリスは、EUとは別の単独市場としてアプローチすべきだろう”、とRoseは説明する。ドイツ、フランス、北欧など、ヨーロッパのそのほかの部分に対する国際展開は、その正しいやり方を目下思案中だ。

Roseの構想では、アメリカ以外の売上を売上全体の50%にもっていきたい。日本は今後国際展開に力を入れていくための、いわばスタート地点だ。

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GitLabのハイエンドの利用プランがオープンソースのプロジェクトと教育機関に無償提供

GitHubがMicrosoftに買収されたことに多くのデベロッパーが深い不安をいだき、その多くはGitHubに代わるものを探している。候補の一つがGitLabで、同社も鉄は熱いうちに打つことに決めたようだ。今後より多くのデベロッパーが同プラットホームに集まりやすいようにGitLabは今日(米国時間6/5)、セルフホスティング・タイプのGitLab Ultimateプランと、そのGitLabがホストするGoldプランを、オープンソースのプロジェクトと教育機関向けに無料にした。

GitLabのCEO Sid Sijbrandijはこう語る: “教育機関やオープンソースのプロジェクトは、自分たちのソフトウェアプロジェクトのセキュリティやパフォーマンス管理が完備していない場合が多い。幸いにも今のGitLabは業績も良く、多少の余裕があるので、これらの重要なコミュニティにGitLab UltimateとGitLab Goldの両プランの完全な機能集合を無償でご提供できる”。

GitLabに移行することへの関心は今とても強くて、きのうのGitHubのニュースが流れて以降同プラットホームには14300あまりのユニークビジターがあり、そのデベロッパーたちはGitLab.com上に10万以上の新たなリポジトリをオープンした。その多くがGitLabの無料で制約のあるCoreプランで登録したが、それは基本機能はすべて揃っているものの、大型のプロジェクトには向いていない。

しかしGoldとUltimateは、通常一人あたり月額99ドルの有料制だが、コードリポジトリとしての基本機能のほかに、ロードマップの公開や、依存性とコンテナのスキャン、Kubernetesクラスターのモニタリング、そして近い将来、ライセンスポートフォリオの管理が加わる。

ただしGoldとUltimateプランを無料で利用する場合はサポートが含まれない。サポートを必要とするデベロッパーやオープンソースプロジェクトは、別途一人あたり月額4ドル95セントを払えばよい。

もうひとつの制約は、教育機関(学校、大学)はOKでも個々の学生には適用されないこと。その理由をGitLabは、GitLab側の管理の負担を軽減したいため、と言っている。“あなたが学生であなたの教育機関がGitLabに登録していない場合は、GitLab.com上の公開されているプロジェクトのすべての機能や、プライベートなプロジェクトの無料機能を利用できる。それ以外は有料になる”、ということだ。

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GitLabがライバルのGitHubをサポート、CI/CDで顧客を取り込みたい

おもしろい展開だ。チームがコードを共有するための共有リポジトリを提供するサービス、という点では多くの点でGitHubと競合するGitLabで、その継続的インテグレーションとデリバリ(continuous integration and delivery(CI/CD))の機能がGitHubをサポートすることになった

今日(米国時間3/22)ローンチするその新しいサービスは、GitLabがホストするサービスの一環だ。2019年の3月22日までは無料で利用できるが、その後は、GitLab.comの有料のSilverティアへ行く。

GitHubもやはり、そのコアツールの上の層としてベーシックなプロジェクト管理やタスク管理のサービスを提供しているが、しかしDevOpsのライフサイクルのほとんどの部分はパートナーたちにまかせている。GitLabは、複数のコードリポジトリを統合するなど、もっと完全なCI/CDソリューションを提供しているが、GitLabの人気もけっして低くはないけど、GitHubはデベロッパーや企業による知名度ではGitLabを大きく引き離している。というわけで今回GitLabは、コードをGitHubに保存しているけどより完全なCI/CDソリューションも使いたい、という新しいユーザー、とりわけエンタープライズユーザーを獲得したいのだ。

今度の新たなGitHubの統合により、デベロッパーは自分のプロジェクトをGitLabでセットアップし、それらをGitHubのリポジトリに接続できる。するとデベロッパーがコードをそのGitHubのリポジトリへプッシュするたびに、GitLabがそのプロジェクトのCI/CDパイプラインを動かし、ビルドとテストとデプロイを自動化する。

GitLabのCEOで協同ファウンダーのSid Sijbrandijはこう述べる: “継続的インテグレーションとデプロイメントは現代的なDevOpsの根幹だ。今回の新しいサービスにより、GitHubをコードリポジトリとして使っている企業やオープンソースのプロジェクトは、GitLabの、業界のトップを走る高度なCI/CDサービスを利用できる”。

なおGitLabは、AtlassianのBitBucketの、今回とよく似た統合も提供している。

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Airtableが非技術者のためのツールで複雑なソフトウェアを開発できるようにするために5200万ドルを調達

大企業ならば、おそらく相互に関連した情報の複雑なバックボーン(そこには膨大なデータが含まれ、そこへの操作が簡単にできるようになっている)を構築するための、多数のエンジニアとリソースを抱えていることだろう。しかし小さな企業だったり、それほど技術指向ではない企業の場合、そうしたリソースを持つことは難しい。

それこそが、Howtie LiuにAirtableの作成を決意させたものだ。このスタートアップは一見ただのスプレッドシートにしか見えないものを、堅牢なデータベースツールとして使えるようにすることを目指している企業だ。背後で行われている複雑性を隠しながら、プログラミング経験のない人たちに、自分たちの仕事を処理するための複雑なシステムが作れるようにしてくれる。本日(米国時間3月14日)、彼らはBlocksという名の新しいツールで、さらなる1歩を踏み出した。これを使うことで利用者たちは、SMSや統合マップなどの様々な操作部品を、システムにただドロップすれば良いようになる。例えば、技術バックグラウンドを持たない小規模ビジネスのオーナーが、注意深く全てのアクティビティ、例えば食品トラックのネットワークを追跡することが、金額を入力してツールの1つをドロップするだけで、可能になるものだと考えてみて欲しい。

「私たちは、皆が持っているこの力をソフトウェア開発の中に引き出して、それを誰でも使える『一般消費者向け製品』の形にしたいと願っているのです」とLiuは言う。「同時に、ビジネスの観点からは、一般にローコードアプリケーション(プログラミングをあまり行わなくてもよいアプリケーション)のプラットフォームが持つ、大きなチャンスに期待しています。これらのプラットフォームは、普通なら予算を使い時間もかかる、重量級の高価なユースケースのニーズを解決します。私はAirtableをGUI寄りのものとして位置付けています。これに対して多くのツールはデータ管理的側面が中心です」。

Liuによれば、同社はCRVとCaffeinated Capitalによって主導されたラウンドで5200万ドルを追加調達したと語った。他にラウンドに参加したのはFreestyle VenturesとSlow Venturesである。調達資金は全て、プログラミングプロセスそのものを抽象化しようとするシステムの構築に利用される。しかし結局は、論理操作のレゴブロックに過ぎないものを使って、どれだけ実際にシステムをカスタマイズできるかということには、ある程度の限界がつきものだ。要するに、ここでの目標は、平均的なプログラマーが作るような、一般的な操作をなるべく数多く抽出することだ(そして大企業にはしばしば、これらを高度にカスタマイズするニーズが存在している)。

こうしたことは、まだ流行ってはいないが大きな市場の可能性のある、小規模から中規模のロングテールビジネスを、企業たちが徐々に狙おうとするときに必要となるものだ。そうした企業にはエンジニアを雇うためのリソースもおそらくないだろう。GoogleやFacebookが大学にやって来て、技術系のバックグラウンドを持った学生たちをさらっていくのとは対照的だ。これが、ビジネスを運用するために必要な、沢山の複雑な操作を抽象する用途に、Excelが大人気を博している理由の1つである。しかし同時に、Liuはそうした哲学はさらに前に進めることができるべきだと語った。

「クラウドの世界には、AmazonのクラウドインフラのEC2があります。これはハードウェアを抽象化して、既存のマシン上の情報を乗せることが可能です」とLiuは言う。「そして、OSやそれ以上のものを載せることも可能です。コンテナ、Heroku、およびその他のツールが、運用レベルの複雑さを取り除いています。しかし、それでもアプリケーションとロジックは書かなければなりません。私たちの目標は、その部分をさらに飛び越えて、アプリケーションコードのレイヤーを抽象化することなのです。利用者は私たちのインターフェイスやブロックを直接使うことができます。これらは全てプラグアンドプレイで利用できるレゴブロックのようなもので、利用者に、よりダイナミックな機能を提供します。マップビューやTwilioとの統合などがその例です」。

そして実際には、Twilioを始めとする多くのプラットフォームも、それ自身でコーディングの初心者に対して、とても親切なものになろうとしている。例えばTwilioは開発の初心者が、そのプラットフォームを利用するためのとても素晴らしいドキュメントを沢山持っている。その中でAirtableが狙うのは、これら全てを複雑なウェブの上で相互接続し、リレーショナル・データベースを背後で構築し、利用者が正確性、速度、そして信頼性を犠牲にすること無く、シンプルに運用できるようにすることだ。

「明らかにMySQLは、コードやカスタムSQLクエリを使用してデータとやりとりしたい場合には素晴らしいものです」とLiuは言う。「しかし、究極的には、ビジネスエンドユーザーが、文字通りターミナルベースのSQLプロンプトを、データとのやりとりをするプライマリインターフェイスとして採用することを期待することはできません。もちろんそのようなデザインを採用することはないでしょう。明らかに、SQLレベルのデータベースの上に、何らかのインターフェイスが必要です。私たちは基本的に、Postgresのようなリレーショナルデータベースと同等の価値をエンドユーザーに対して開放していますが、私たちはさらに重要なものを提供しています:データを即座に可視化するインターフェイスです」。

これまでにも、平均的なユーザーが慣れ親しんでいる基本的なフォーマットを再考しようとする活動は数多く見られてきたが、柔軟性に対しての成熟度は進んでいる。例えばワード文書の背後にある概念を再考しようとするスタートアップCoda6000万ドルを調達した。こうした努力はいずれも、非テクニカルユーザーのためのより堅牢なツールキットの作成に向けられている。このことは、この分野が徐々にホットな場所になることを意味している。特にAmazonやMicrosoftのように、こうしたサービスをオンラインで提供しようとしていたり、そうしたビジネスに目をつけた企業たちにとってはチャンスのようにみえる。

Liuも、同社の目標は、WYSIWYGで汎用なプラットフォームを作ることで、潜在的な全てのビジネスケースを追い求めることだと話した。こうしたやり方は通常ホリゾンタルアプローチ(水平アプローチ)と呼ばれている。ただ、こうしたやりかたは大変危険なもので、おそらく同社に対して投げかけられる最も大きな疑問の1つである。例えば他のスタートアップや企業がやって来て、特定分野のニッチを全て奪ってしまうかも知れない(例えば、ヘルスケアに特化したカスタムGUIプログラミングインターフェイスとか)。しかしLiuはAirtableにとってのチャンスは、最初から水平アプローチをとっているところにあると語る。

「ソフトウェアには、文字通りコードを書かなければならないという前提があります」とLiuは言う。「コードを書くことであまりにも多くのことを構築しているために、自分たちを解放することが難しくなっているのです。しかし有用なアプリケーションの中身を考えてみるとき、特にB2Bの企業内ツールのユースケースを支える、コードで書かれた大量のソフトウェアを見ると、結局その大部分は主にリレーショナルデータベースモデルなのです。そしてそのリレーショナルデータベースの側面から見ればバラバラの形式ではないのです」。

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Dart言語によるモバイルアプリ(iOS/Android)開発フレームワークFlutterがベータを開始

Flutterは、iOSやAndroidのアプリ開発を助けるGoogleのオープンソースのツールだ。まだ生まれて1年にもならないから、知らない人も多いが、ある面ではFacebookのReact Nativなど人気のフレームワークに対抗する製品だ。GoogleのDartプログラミング言語*を使用するこのツールは、昨年のデベロッパーカンファレンスGoogle I/Oで発表された。〔*: Dart言語, 本誌記事。〕

同社の今日(米国時間2/27)の発表では。Flutterは現在ベータでだが、すでに多くのデベロッパーがこれを使ってアプリを作り、Google PlayやApple App Storeで人気上位になっているアプリもある。

GoogleでFlutterを担当しているプロダクトマネージャーSeth Laddによると、MWCでFlutterの発表をしたのには理由がある。それはモバイルデベロッパーに関心を持ってもらいたいからであり、また、昨年から今日までにかけて達成された進歩を強調したいからだ。とくに大きいのは、Android StudioやVisual Studio Codeがサポートされて、Flutterのアプリをそこで書けるようになったことだ。

アルファでローンチしてから以降、FlutterのチームはiPhone Xなど新しいスマートフォンのサポートを加え、アクセシビリティ機能や、右から左へ書いていくテキストのサポート、ローカライゼーション、国際化、Flutterのコードをバックグラウンドで動かす機能、などを加えていった。

デベロッパーにとって、もっとおもしろいのは、ステートフルなホットリロードがサポートされたことだろう。ソースコードを書き換えると一瞬後には、その変化がデベロッパーのスマートフォン上のアプリに反映される。Laddによると、これによってえ開発工程が早くなるだけでなく、いちいちプロトタイピングツールを使う機会が減る。

Dartというニッチなプログラミング言語に依存していることについてLaddは、Flutterにとって正しい言語はDartだ、と主張する。“ほかの言語では、1)早い開発サイクル、2)デベロッパーが期待する標準的機能の充実、3)オブジェクト指向、4)リッチなライブラリ、5)使い慣れるのが早くて容易であること、この5拍子が揃ってる言語はあまりない”、という。このベータでFlutterは、Dart 2のプレリリースバージョンをサポートし、クライアントサイドの開発がより強力にサポートされる。

Laddによると、React Nativeのようなライバルのフレームワークに比べるとFlutterは独自のGPU加速グラフィクスとレンダリングエンジンを使い、Webビューを使わない。“これによって、デザイナーがデザインしたものと、デベロッパーが目にするものとが、正確に同じピクセルになり、ユーザーが実際に体験するデザインにもなる”、という。“独自のグラフィクスエンジンがあることによって、デザイナーが構想した一貫性のあるデザインを提供できる”。

Flutterのチームは、既存のアプリとの統合が容易なことも強調する。Flutterでは、既存のアプリをFlutterの画面から利用する、といったことができる。完全に新規にFlutterで作られた、最も人気のあるアプリとしてGoogleは、Hamiltonを挙げている。

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コーディング不要で誰でもAlexaのスキルを作れるStorylineが今YCで勉強中

【抄訳】
今や3900万人のアメリカ人がスマートスピーカー製品を持っていると言われるが、それらのための音声アプリのエコシステムはまだ発展途上だ。Alexaのスキルは25000種を超えたというけど、まだAlexaのスキルを作っていない企業の方が多いし、スキルがあるといっても、どうでもいいような、ささやかなものばかりだ(企業の製品案内をするとか)。この、未発達なデベロッパー状況の中にやってきたのが、ベラルーシで立ち上がったStorylineだ。同社のサービスは、デベロッパーでない、プログラムを書けない、ふつうの人でも、やさしいドラッグ&ドロップ方式でAlexaのスキルを作らせてくれる。

同じくドラッグ&ドロップでプログラミング不要でWebサイトを作れるサービスにWeeblyがあるが、Storylineは“音声アプリのためのWeebly”を自称している。

【中略】

Storylineの協同ファウンダーでCEOのVasili Shynkarenkaはこう言う: “Alexaのスキルのような、会話型のアプリは、プロのデベロッパーでもまだ作るのに苦労している。デベロッパーでない、クリエイティブに人とかコンテンツの作者たちは、そもそもコードを書けない。そのことが、ぼくたちの大きな着眼点だ”。

今はAlexaオンリーだが、いずれGoogle Homeにも対応する気だ。同社のソフトウェアはとてもシンプルで、一般的なスキルのほかに、Flash Briefingも作れる。簡単なスキルなら5分から7分で作れる、とVasiliは言う。

使い方は簡単で、Storylineのアカウントを取得したら、あとは指示に従っていろんな項目を入力していくだけだ。最後に、Alexaとの会話の流れを作る。

会話の流れをStorylineが画面右に表示してくれるから、それを見ながら必要な編集をしていく。

いろんなボタンを選んでクリックしながら、さまざまなタイプの会話を入力していく。その中には、“ユーザーが想定外のことを言った場合”、というケースもある。

そして出来上がった会話は、ブラウザー上でテストできる。いきなりAlexaにロードしなくてもよい。

会話が完成したら、“Deploy”ボタンを押すとAmazonのアカウントへ行くから、そこで会話の内容をパブリッシュする。Amazonのデベロッパーアカウントを持っていない人は、このときにStorylineのガイドに従って簡単に作れる。

Storylineを使うと、けっこう複雑高度な会話も実装できるから、子どものためのスキル・コンペAlexa Skills Challenge: Kidsでは、決勝に残った内の二人がStorylineを使っている。

2017年の10月にローンチしたStorylineは、今ではユーザーが3000人おり、約3000のスキルが作られている。うち200は、実際にAmazonのSkill Storeから提供されている。

Storylineの競合製品Sayspringも、デザイナーなどがスキルを作れるが、Storylineのように作ったスキルを作者が簡単にパブリッシュできるものではない。その違いは大きいよ、とVasiliは自負を述べる。

“単なるプロトタイピング・ツールじゃ、お客さんがつかないよ”、と彼は競合製品を批判する。

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Storylineにはアナリティクスの機能もあるが、アナリティクスの結果と編集(スキルの改良)機能との統合が、今後の課題だ。

今後はいろんな種類のスキルのテンプレートも提供していくから、コーディング不要のスキルづくりがますます簡単になるだろう。雑学クイズ(トリビア)のような、ゲームのテンプレートも提供するそうだ。

そしてもちろん、Google Homeなどそのほかの音声プラットホームにも対応する予定だ。

今StorylineはY Combinatorの2018冬季の生徒で、YC とAdam DraperのBoost VCが投資している。

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Googleのチャットボット・ビルダーDialogflowに企業ユーザー向け有料バージョン登場

Googleが今日(米国時間11/16)、チャットボットやそのほかの会話的アプリケーションを作るツールDialogflowの、エンタープライズエディションの、ベータローンチを発表した

そして無料版も含めてDialogflowには、今や音声認識機能が内蔵されている。これまでデベロッパーは、その機能が欲しければGoogle CloudのSpeech APIや同様のサービスを使わざるをえなかった。当然ながら、内蔵化によって、一つのAPIを呼び出すだけになったので、スピードも(Google説では30%)向上した。

今のDialogflowにはさらに、GoogleのChatbaseサービスを呼び出すことによる、ベーシックなアナリティクスとモニタリングの能力もある。

Dialogflowは、Googleが昨年買収したときAPI.AIという名前だったけど、その後名前を変えた。でも変わったのは名前だけで、その基本的な考え方はなにしろ、会話的なエージェント(自律プログラム)やそのほかの、テキストや音声による対話を、使いやすい形で作りたい、と思ったときに使えるビルディングブロックを提供することだ。

このサービスはこれまでずっと、ユーザー獲得のために無料(ただし量制限あり)だったが、企業ユーザーは有料でもいいから24/7のサポートやSLA、企業向けのサービス規約、データ保護の約束、などがほしい。

そこで今度のDialogflow Enterprise Editionでは、これらすべてが得られる。Google Cloud AIのプロダクトマネージャーDan Aharonによると、このバージョンのDialogflowはGoogle Cloudの一員なので、前からGoogle Cloudを使っているユーザー企業なら、契約も使用開始も簡単だ。“もしもあなたがSpotifyなら、Google Cloudのプロダクトであるための要件をすべて、すでに満たしているから、Dialogflowをかなり容易に使える”、とAharonは語る。たとえばDialogflow Enterprise Editionのサインアップは、Google Cloud Platform Consoleのコンソールからできる。

有料とはいえ、テキストの対話一回につきわずか0.2セント、音声の対話リクエストは一回につき0.65セントだ。1セントにも満たない(量制限なし)。

これまでの無料バージョンのDialogflowは、どこにも行かない。エンタープライズエディションと同様、新たに音声認識も統合されており、14の言語をサポート、MicrosoftやAmazonなど、主なチャットや音声アシスタントのほとんどを統合している。その量制限は、1日に最大1000対話、1か月累計では15000対話までだ。

GoogleがAPI.AIを買収したとき、それはすでに、チャットボット作成ツールとして相当人気が高かった。そしてGoogleによると、その勢いは今だに衰えていない。GoogleのPRはAharonに、人気第一位のツールとは言うな、と釘をさしたらしいが、実際に人気一位であっても意外ではない。彼によると、無料バージョンだけの現状で登録ユーザー数(デベロッパー数)は“数十万”、今年のCloud Nextイベントを共有したデベロッパー数が15万だから、それよりずっと多いのは確実だ。

“顧客から何度も何度も聞く言葉によると、自然言語理解のクォリティーが高いので、Dialogflowはそのほかのチャットボットツールに大きく差をつけているそうだ”、とAharonは言う。“最良のツールでなければ、本番用(プロダクション用)には使えないからね”。(そうでない企業もあるみたいだが…。)

自然言語の理解以外にも、Cloud Functionsを利用してサーバーレスのスクリプトを簡単に書けるなど、Dialogflowはデベロッパーの自由度が大きい。ほかのアプリケーションへの接続も容易だ…それらがどこでホストされていても。だからたとえば、既存の受発注システムや発送システムと、これから作る会話的アプリケーションを統合することも可能だ。

Aharonによると、API.AIの機能をGoogle Cloudにポートするのに約1年かかった。そしてそれが完了した今では、このサービスはGoogleのAIや機械学習の機能をフルに利用できる。一方、今のGoogleはエンタープライズの顧客獲得が最重要の課題だから、Dialogflowをそのためのメニューの一員にするのも、当然なのだ。

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MicrosoftがWebサイト診断ツールSonarをコマンドラインツールとWebサービスで提供

MicrosoftのEdgeブラウザーのチームが今日(米国時間10/25)、Webサイトのパフォーマンスやセキュリティをチェックするオープンソースのツールをリリースした。そのSonarと名付けられたツールは、Webサイトのためのlintコマンドのようなサイトスキャナーで、デベロッパーがモアベターでもっと高速かつ安全なWebサイトを作れるための、ガイドを提供する。それはMicrosoftが提供しているWebサービスを利用してもよいし、自分のワークフローやルールにツールを合わせたいデベロッパー向けには、コマンドラインツールもある。

実はこの夏MicrosoftはSonarプロジェクトをJS Foundationに寄贈したから、すでにご存知の読者もおられるかもしれない。でも今回はコマンドラインツールだけでなくWebサービスもあるから、そこにWebサイトのURLを貼り付けるだけで簡単に利用できる。

Sonarのチームは、これまでのWebサイト分析ツールのようにコードの静的な分析だけで終わるツールではない、と自負している。それはコードをコンテナの中で実際に実行するし、また複数の実行テストを並列で行える。しかもSonarは、aXe Core, AMP validator, snyk.io, SSL Labs, Cloudinaryなどの既存のツールを統合している。

さらにチームが強調するのは、問題解決の主役はあくまでもユーザーである、という点だ。EdgeのPM Anton Molledaは、今日の発表声明でこう説明している: “デベロッパーにどこがだめかを指摘するだけでなく、Sonarはそうなった理由も説明する。デベロッパーが今後の実際の方針を決められるためには、問題の理由を知ることが重要だ。Webサイトに求められている要件はサイトによってまちまちであり、画一的な判断をすべきではない。たとえばイントラネット上のWebサイトとネットショップのサイトでは、ニーズが大幅に違う。したがって、Sonarは、使いやすいだけでなく、構成と拡張の自由度が必要なのだ”。

本誌のサイトtechcrunch.comでこのツールを訓練してみたが、残念ながら、返ってくるすべてのエラーが、同じ説明なのだ: “Error in sonar analyzing this rule”(Sonarはこのルールの分析でエラーになりました)。これではあまり役に立たないが、今Webサービス版のSonarは、試してみたいユーザーで混み合いすぎているのかもしれない。

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GitLabがGVのリードするシリーズCで$20Mを調達、ソフトウェア開発〜リリースの総合ソリューションを目指す

デベロッパーのためのコラボレーションとDevOpsのプラットホームGitLabは現在、10万あまりの企業が利用している。同社は今日(米国時間10/9)、GV(元Google Ventures)がリードするシリーズCのラウンドにより2000万ドルを調達したことを発表した。これでGitLabの総調達額は4550万ドルあまりとなる。

新たな資金調達に加えて同社は今日、WordPressの協同ファウンダーMatt Mullenwegが同社の取締役会に加わったことを発表した。

GitLabは、その名が示すように、gitをベースとし、デベロッパーがコードのリポジトリーをセルフホスティングしていくためのオープンソースのツールだ。しかし2014年のローンチ以来同社は、そのほかのDevOps向けサービスをいくつも新設してきた。それらの中にはワークフローツールがいくつかあり、またコードのレビューやリリースを容易にできるためや、アプリケーションのモニタリングのための機能すらある。

そこで同社は、自己のミッションを次のように定義している: “現代のソフトウェアデベロッパーのためのシームレスで総合的なプロダクトを開発し、またKubernetesによるソフトウェア開発のためのアプリケーションになること”

そう。今やGitLabですら、Kubernetesというゲームに深く関わりたいのだ。

GVのゼネラルパートナーDave Munichielloは、今日の声明文の中で次のように述べている: “Fortune 500社は今、互いに競ってワールドクラスのソフトウェア開発組織を作ろうとしており、またそれらに、世界最大のテクノロジー企業なみのスピードと生産性とクォリティを持たせようとしている。これらの組織は高品質で大規模なコードを作るべく努力しているので、最高クラスのツールとプラットホームを必要とする。GitLabのプラットホームは、コラボレーションとオートメーションを強調することにより開発プロセスを加速する。GitLabのハイブリッドでマルチクラウドのソリューションはデベロッパーに好まれており、その分野で巨大なファン層を形成している”。

GitLabの現在のユーザーには、Ticketmaster, ING, NASDAQ, Sony, Intelなどもいる。

新たな資金の使途について同社は、“ソフトウェアのパッケージングとリリース方式と構成とモニタリングに関して新たな機能性を加えたい”、と言っている。

同社の競合サービスはGitHubやAtlassianのBitBucketなどだが、GitLabによると、セルフホスティング型のgit市場では同社が2/3のシェアを占めるそうだ。

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デベロッパーでなくても誰でも通信機能のあるアプリケーションを容易に作れるTwilio Studio

Twilioはデベロッパーが自分のアプリケーションに通信機能(オーディオ、ビデオ、テキストなど)を容易に組み込めるためのAPIサービスとして長年有名だが、しかし今日(米国時間9/19)同社が非公開プレビューで立ち上げたTwilio Studioは、デベロッパーでない人びとを対象にしている。

あくまでも通信APIのプロバイダーという同社の本来の土俵にしっかりと立ってはいるのだが、しかし今回のプロダクトは、デベロッパーではなく“だれもが”、音声応答システムやメッセージングボット、通知ワークショップなど顧客のエンゲージメントのあるアプリケーションを、Web上のドラッグ&ドロップ方式で作れる。今のところ、ビデオはまだ使えない。なお、Twilioのマーケティング戦略としては、通信〜コミュニケーションを中心とするユースケースにフォーカスしているけれども、作れるアプリケーションの種類はそれだけではない(もっといろんなアプリケーションを作れる)。

Twilio Studioは特定の種類のアプリケーションを作るための、コーディング不要のサービスだが、実はプロのデベロッパーも対象にしている。Twilioのプロダクト担当VP Pat Malatackはこう語る: “これによって、こういうユーザー体験〔==アプリケーション〕を作れる人の数が大幅に増えるけれども、しかしこんなワークフローを今実際に作っている多くの企業の既存の技術者にとっても、すごく便利なんだ”。

というかTwilio Studioには、同社のサーバーレスプラットホームTwilio Functionsが組み込まれている。StudioでTwilioの既存のAPIのほとんどにGUIでアクセスできるけれども、ドラッグ&ドロップのインタフェイスでは、コードを直接書くことに比べると柔軟性が失われがちだ。しかし機能の呼び出し形式が単純なサーバーレス方式のおかげで、デベロッパーが仕事をした後でも、誰もが容易にアプリケーションに変更を加えることができる*。〔*: サーバーレスでは、アプリケーション側が‘呼び出す’というより、むしろアプリケーションはAPI側がイベント(ここでは主に通信イベント)発生時に呼び出すべき機能を‘指定して’おくだけ。なので、ノンデベロッパープログラミングでも柔軟性が維持される。〕

Twilio Studioの料金は、アプリケーションの利用量がベースだ。やや制限のある無料プランでも、作れるフローの数に制限はないが、プロダクション向けに機能の完備した“Plus”では、月額99ドル+顧客のエンゲージメント一回につき0.5セントだ。今後登場するエンタープライズプランでは、もっと大規模な実装が可能になる。

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Nginx Application Platform、Nginxが考える今の時代に合ったアプリケーションプラットホームとは?

Nginxは、その商用バージョンオープンソースバージョンの両方で、今日のインターネット上のとても人気の高いロードバランサーであり、プロキシであり、Webサーバー/アプリケーションサーバーだが、その提供企業であるNginx, Inc.は、顧客を獲得するための網をもっと大きくしたい、と考えている。とくに重要視しているのが、アプリケーションの開発とデプロイ方式の、近年における急速な変化だ。ポートランドで行われたデベロッパーカンファレンスで今日(米国時間9/6)同社は、デベロッパーがアプリケーションを開発するため、あるいは、DevOpsやクラウド、コンテナ、マイクロサービスといった新しい枠組みに基づいてアプリケーションを現代化するためのワンストッププラットホームとして、Nginx Application Platformの立ち上げを発表した。

当然ながらこのプラットホームの核は、オープンソースバージョンにさまざまなエンタープライズ機能を加えた商用バージョンのNginxだ。さらにその上に、Nginx ControllerおよびNginx Unitというものが加わる。Controllerはその名のとおり、アプリケーションの集中的な管理と制御を行う(アプリケーションはどこへデプロイされていてもよい)。そしてUnitは、PHP, Python, およびGoで書かれた、動的可変的な環境で動くアプリケーションのための、現代的なアプリケーションサーバーだ(今後node.js, Java, Ruby, Perlなどもサポートされる)。年内にUnitはControllerに完全に統合されるので、opsのチームがUnitのアプリケーションをControllerのダッシュボードから管理できる。

Nginxのプロダクト担当Owen Garrettはこう言う: “Unitの基本的な考え方は、今日のアプリケーションサーバーがマイクロサービス方式のアプリケーションアーキテクチャに十分に対応していない、という点にある。たとえば一つのアプリケーションを構成する複数のマイクロサービスが、いろんな言語で書かれていたりするからね”。

Controllerは、Nginx Plusおよびその上で動く従来的なアプリケーションと、今多くの企業が投資している現代的なグリーンフィールドデプロイメント(green-field deployments, レガシー残存物のない処女地デプロイ)の両者を橋渡しする。

Controllerは10月に一部の顧客に非公開ベータで提供され、Unitはすでに可利用である。

今あるNginx Web Application Firewallも、このプラットホームに加わる。Controllerがまだ非公開ベータだから、料金等は未定だ。

なお、Unitはオープンソースだが、Controllerはクローズドソースだ。一部の商用製品をクローズドにするのは、Nginxの従来からのやり方だ。協同ファウンダーでCTOのIgor Sysoevはこう述べる: “Unitは多くの人に使ってほしいから、オープンソースにする。でもControllerは商用製品にしたい”。Unitを早くリリースしたのは、コミュニティからのフィードバックをなるべく早く得て、ツールの今後の方向性の参考にしたいから、だそうだ。

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コードレビューを助けるプラットフォームCodacyが510万ドルを調達

ポルトガルのリスボンを拠点として、「自動コードレビュープラットフォーム」を提供しているスタートアップのCodacyが、シリーズAの資金調達で510万ドルを調達した。ラウンドを主導したのはEQT Venturesであり、参加者は既存の投資家のFaber、Caixa Capital、Join Capital、そしてSeedcampである。

2014年に創業したCodacyによれば、同社のシステムはPaypal、Adobe、Qlik、Cancer Research UK、Deliverooなどを顧客として、数多くの企業に採用されている。このソフトウェアは、自社内にインストールすることも、クラウド上でアクセスすることも可能で、開発者はコードの品質をチェックし、コード品質基準を実装することができる。

「コードレビューは、開発ワークフローの不可欠な要素となっており、開発者は現在、バグをできる限り早く発見し品質を保証するために、コードレビューに20%以上の時間を費やしています」とCodacyの共同創業者Jaime Jorgeは語る。「Codacyを使うことによって、開発者はコードレビューに使う時間を3割削減することができると見積もっています」。

これは、Jorgeの主張するところによれば、エンジニアリングチームの効率性を6%向上させることに相当する。あるいは、より具体的な言葉で言うならば、例えば計画よりも2週間早くソフトウェアを提供することができるということだ。

「コードのレビュー以上に、私たちの使命は、大規模なシステムでの品質確保を通して開発者の生産性を維持するということです。私たちはこれを、最も重要な問題、警告、そしてメトリックスを一元化し、ワークフローに完全に統合することで実現します」と彼は語る。

「たとえば、開発者がプルリクエストを作成しようとする際に、システムが発見したセキュリティの脆弱性を伝えるだけでなく、テストカバレージがチームの定義された目標基準に達しているかどうかを伝えることもできます。当社は、開発者がコード品質を理解し、優れた設計上の決定を下すのを支援する目標に向けて、クラス最高の製品提供することを確実にするために、製品を継続的に開発していきます」。

Codacyの顧客は、小規模なデジタルコンサルタント会社から、大規模な多国籍企業まで、さまざまな業界や地域にまたがっている。

直接の競合相手としてはCode ClimateとSonarqubeが挙げられるが、JorgeによればCodacyはGithub Enterpriseなどの好きなツールと自動的に同期するといった形で、ワークフローに統合されているので、顧客はCodacyを選ぶのだという。「これは非常に大規模な顧客にとっては、特に便利な機能です」と彼は付け加えた。

一方、新たな資金調達は、チームをさらに強化して、幅広い顧客層に向けてCodacyをを拡大できるようにするために使用される。同社は現在、13人の従業員を抱えているが、ソフトウェアエンジニアリング、カスタマーサクセス、販売、マーケティングの分野の人材を募集しているということだ。

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(翻訳:Sako)