iPhone、販売4800万台でApple 2015年Q4の売上をリード

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AppleのiPhone 6と6sは好調を続け、会計2015年第4四半期には4800万台を販売した。これはQ3の4750万台を上回り、前年同期2014年Q4の約3900万台からも伸びているが、アナリスト予測の4850万台にはわずかに届かなかった。

これはiPhone 6sが発売された四半期ではあるが、その期間はわずか数週間だったことを留意されたい。iPhoneは常にApple最大の収益源であり、iPhone 6sが店頭に並んでからわずか数週間しかなかった今期も、期待を裏切らなかった。Appleの今期売上のうち約322億ドルがiPhoneの販売によるものだった。

今期はiPad売上が下降を見た2度目の四半期でもあり、こちらはAppleの人気モバイル製品、iPhoneのようにはいっていない。iPadの販売台数はQ3の約1100万台からQ4の1000万台へと減少した。2014年Q4の1200万台強からはさらに大きく落き込んだ。大画面や様々な形状のライバルたちと戦うiPhoneが順調に成功を続ける中、昨年来のiPadの不調は対照的だ。

Macの販売は570万台で、2014年Q4の550万台を上回った。CEO Tim Cookは、これはMacの過去最高だと言った。

AppleのiPhoneによる支払いサービス、Apple Payも月間2桁成長を続けていると、CEO Tim Cookは語った。さらにApple CEOは、American Expressとの提携によってApple Payを「主要グローバル市場の対象顧客」に提供することも発表した。これが軌道に乗れば、全世界での利用が促進され、海外でも携帯電話で支払えるようになる。

海外といえば、誰の頭に浮かぶのも中国であり、Appleでは特にそうだろう。中国およびインドを始めとする一部の地域は、世界でもモバイルの普及が最も速く、これは新型iPhoneの販売にとってよい兆候だ。

「今後数年間で中国は大きな変化を見せるだろう」と最近同国を訪れたCookは言った。「われわれは、そこそこ良い位置につけている」。

現在Appleは中国に25の店舗を持ち、来年中混までには40店舗まで伸ばすとCookは言っている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Apple、中国の製造パートナーをグリーン化する太陽光エネルギー計画を発表

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Appleは自社の国際事業を再利用可能エネルギーによってより効率化するべく、数十億ドルの資金を投入してきた。グリーンピースからの賞賛を勝ち取ったこの取り組みの大部分は、米国およびヨーロッパに向けられてきたが、今日(米国時間10/21)Appleは初めて、中国 ― 同社の売上が大きく花を咲かせつつある国 — でのビジネスもグリーンにする一連の取り組みを発表した。

CEO Tim Cookの中国訪問に合わせて、Appleは中国の製造パートナーと協力して、彼らが「エネルギー効率を高め、製造工程にクリーンエネルギーを使用する」手助けをすることを発表した。またAppleは、Foxconnを含めその現地製造業者との協同で、今後数年間で2ギガワット以上の「クリーン」なエネルギーを追加することも説明した。

この行動だけでも注目に値する。なぜならAppleの中国拠点製造工場は、長年にわたり環境を汚染していると非難されてきたからだ。去る2011年、iPhoneサプライヤーのPegatronは、環境問題で叱責され、2013年にはAppleが、有害金属で汚染された水を川に流したとして告発されたFoxconnとUniMicronを締め付けを厳しくしたと報じられた

一企業の取り組みによって中国の製造業界が一気に浄化されることはないが、Appleが現地パートナーに対して、環境にもっと優しくするよう圧力をかけていることは大きな前進だ。実際Foxconnは今日、2018年までに太陽光発電400メガワット ― 同社がiPhoneの「最終製造工程」に使うエネルギーと同等と言っている ― を自社で作ると確約したことは、変化の可能性を示す証拠だ。

Appleは今日、現在中国での活動はカーボンニュートラル(炭素中立)であることも公表した。これは ― 四川省の40メガワット太陽光発電システムが完成したおかげで ― 同社が現在中国の事務所や店舗で使用している以上の電力を生み出しているためだ。

米国の巨人はまだ道は半ばであると言い、中国の北部、東部および南部のプロジェクトを通じて、200メガワットを追加できるよう、太陽光発電プロジェクトを拡大する計画だ。追加施設が稼動開始すれば、同社のグリーンエネルギー生成機構は「中国の26万5000世帯が年間に使用するエネルギーに相当する電力を生み出し、Appleサプライチェーンが使用するエネルギーと相殺される」。

「気象変動はわれわれの時代の大きな課題の一つであり、今こそ行動を起こす時だ」とCookは声明文で語った。「新たなグリーンエネルギーへの移行には、革新と野心と目的が必要だ。われわれは、世界をわれわれが見つけた時より良くすることを熱烈に信じ、他の多くのサプライヤー、パートナー、企業らもこの重要な取り組みに参加してくれることを願っている。

Appleは間違いなく後続のための基準を設定している。同社は米国および中国で炭素中立を実現し、国際事業の87%を再生可能エネルギーで賄っていると標榜している。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

iPhone 6SのLive PhotosをGIFやビデオに変えるアプリがまた出ました、その名はLively

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iPhone 6S/6S PlusのLive PhotosをGIFやビデオに変えるアプリが、また現れました。そう、美もアートも、それを共有できなくては無意味であります。

Tiny WhaleのLivelyは、あなたのデバイスに閉じ込められていたLive PhotosをGIFやビデオに変え、GIFは0.5xから2.0xまでの範囲で速さを指定できる。

おっと、まだLive Photosについて知らない人がいるかもしれない。

iPhoneの最新機種iPhone 6SとiPhone 6S Plusには、Live Photosというソフトウェアによる機能がある。この機能を有効にしておくと、カメラはシャッターボタンが押される瞬間の前後各1秒、計2秒あまりを、動画として記録する。

しかし、その動画付き写真はLive Photos機能のあるiPhoneでしか見られないので、iPhoneのそのほかの機種やそのほかのメーカーのデバイスのオーナーと共有できない。

Livelyは、その扉を開こうとしている。

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もちろん、ほかにもそれを考えた連中はいる。今週初めにローンチしたLive GIFは、1ドル99セントの有料アプリだ。

一方Livelyは、ダウンロードは無料でGIF/ビデオ変換3つまでは無料(プレビューは無制限)だ。枚数無制限でこのアプリを使いたい人は、アプリ内から1ドル99セントを払う。

Livelyのダウンロードはここから。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

Apple iPhone 6sの今度のテレビコマーシャルは3Dタッチ入門編、上級編も必要だね

AppleがiPhone 6sの新しいTVコマーシャルを開始した。基調は前回と同じで、“何もかも変えたのはiPhoneだけ”(the only thing that’s changed is everything)と言っている。今回はiPhone 6sのもっとも重要な機能のひとつ、3Dタッチ(3D Touch)が主役だ。

時間をかけてpeekジェスチャとpopジェスチャを説明している。軽いプレスで情報をpeek(ちら見)し、強いプレスでそのコンテンツをロードする(pop)。そのデモに使われるのは、Mail、Maps、MessagesなどAppleのアプリと、Instagramなどサードパーティのアプリだ。

Apple Watchや、新型MacBookのトラックパッドではForce Touchと呼ばれる新しい技術が使われている/いたが、3D Touchは物理的には同じものを、ソフトウェアによってまったく別の実装にした。つまり別のジェスチャ集合が実装され、それによってインタフェイスのアクションが速くなった。ぼくは、スマートフォンの使い方そのものが革命的に変わると思っている。

これまでいろんなアプリで3Dタッチを経験したが、ぼくの感想は変わらない。最初は、3Dタッチを導入したばかりのTweetbotだった。本誌の常勤ライターJohn Biggsにいたっては、3DタッチはAppleの秘密兵器だとまで言っている。

それでも、知らない人に3D Touchを説明するのは難しい。iPhone 6sを実際に使ってみるのが、ベストの方法だ。しかしご近所にApple Storeがない人も多いから、今回のコマーシャルはハウツー・ビデオみたいになったのだ。

30秒ですべてを語ることはできないから、登場しない使い方もある: ホーム画面のショートカット、Live Photos、ライブ壁紙、そしてぼくの好きなタッチパッド機能:

[新しいiPhoneの3Dタッチ: プッシュするとタッチパッドになり、カーソルを動かしたりテキストをセレクトできる。世界が変わった。]

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

自称Appleストア熱狂者ゲイリー・アレン、67歳で死去

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私が一番心配していることの一つ、それは趣味 ― 没頭できる健全な情熱 ― を持っていないこと。もちろんテクノロジーは大好きだが、これは私の仕事でもある。Gary Allen、自称「Appleストア熱狂者」が日曜日(米国時間10/11)、脳腫瘍との闘病の末67歳で亡くなった。Washington Postが伝えた。同紙が指摘する興味深い点。それは、AllenがApple製品に関しては、それを一般に販売する場所ほどのファンではなかったことだ。

彼のTwitterrプロフィールがすべてを物語っている:「Apple小売店舗熱狂者、新規店舗のグランドオープニングを祝福しに世界中どこへでも出かける」

Screen Shot 2015-10-15 at 1.26.16 PM「ファンボーイ」という単語はテク業界に氾濫しているが、おそらくAllenは、Appleの小売戦略についてどのApple従業員よりも知っていた。彼のウェブサイト(今はダウンしている)ifoapplestore.comは、Appleの最新ストアに関する情報で満載だった。彼は殆どの店を訪れ実際に体験もした。

かつて賢人は私に、崇拝者がいなければそれは芸術作品ではないと私に言った。Allenのような崇拝者は、スティーブ・ジョブズがAppleの店舗を、魅誘的な、エレガントで探し求める価値のある場所にしたがっていた、という事実の信憑性を高める。

Allenの場合、彼自身たしかに探求していた:

ありがとうGary Allen、人生で大切なのは小さな物たちであることを思い出させてくれて。たとえその小さな物たちが、テクノロジー世界の多くの人々の夢と希望を育む幸せで小さな店の中に置かれているとしても。あなたの鋭い洞察はこれからも生き続ける

【日本語版注:見出しの写真はAppleストア大阪。Gary Allenはここにも来ていたらしい】

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

iPhone 6sのLive PhotosをGIF化して共有できるアプリLive GIF

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それは時間の問題だった。しかも、たいした時間じゃなかった。あるデベロッパのおかげで早くも、iPhone 6s/6s PlusのLive Photosを、インターネットじゅうにばら撒けるようになったのだ。どんなにかわいい猫や子どものクリップでも、自分のカメラロールの中に永遠に閉じ込めておくなんて、無意味よね。

Live Photosの’Live’とは、写真を撮ったらそれが自動的に短い動画にもなること。Appleのスマートフォンの、最新の機種だけの機能よ。カメラロールの中ではふつうのスチル写真だけど、iPhone 6s/6s Plusの感圧画面に表示して写真をタップすると、その前後1.5秒ずつのビデオが映り、まさに‘ライブ’なる。

Live GIF

Live PhotosはiPhone 6s/6s Plusの上でしか見られないから、ほかの人に共有するときはふつうのスチル写真をシェアするしかない。…ところが、今日登場したLive GIFアプリを使うと、その悲しい状況が一変する。

Live GIFを作ったデベロッパは写真編集アプリPriimeも作っている。CEOのArthur Changははじめ、感圧タッチ機能(3D Touch)などiPhone 6sの新しい機能でいろいろ実験をしていたのだが、そのとき、“Live Photosにみんなが望んでいることを簡単にできるアプリを作ろう”、と思い立った。

“最初は、Live Photosのことが詳しくドキュメントされているiOS 9.1用に作ろうと思ったが、でもそれはまだベータだから、多くの人が使ってない。そこで、iOS 9.0でも使えるアプリを作ろう、と決めたのだ”。

しかも、これはみんなが作りたがっているアプリだから、早いもの勝ちだ。スピードが勝負。

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しかも、Live GIFはたしかに、とっても使いやすい。

どうやるか…

まず、あなたがGIF化したいLive Photosを撮る。いや、もちろん、すでにあるLive Photosでもよい。この際、猫か子どもがよいだろう。

猫や子どもはじっとしてないから撮りにくいが、この際重要なのは‘動き’だから。

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Live GIFアプリをロードすると、そいつはカメラロールからLive Photosだけを取り込む。写真をタップすると、GIF形式のプレビューが見られる。そして‘Share GIF’を指定するとGIFが出来上がるし、‘Share video’なら.movファイルができる。どちらも簡単に、メールやメッセージングなどで友だちと共有できる。

これであなたのLive Photosは(オーディオ抜きだが)、iPhoneのハードウェアから解放され自由になった。

このアプリには、写真をPriimeで編集するオプションもある。それは、自分とこの別のアプリの宣伝の意味もある。

“Live GIFを作りながら、6sの感圧タッチなどの使い方も分かってきたから、Priimeの次のバージョンは感圧タッチ対応にできるだろう。今Live GIFに編集機能はないけど、Priimeでうまくいったら、それをLive GIFにも応用したい”。

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Live Photosをインターネットの全域と共有できるようになるのだから、このアプリのお値段1ドル99セントは安いよ。

ただしみんながまだ、GIFの氾濫にうんざりしていなければね。

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Live GIFは、App Storeのここで買えます。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

特許訴訟でウィスコンシン大学に敗れたAppleは$862Mの損害賠償に直面

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Appleは特許訴訟と無縁な企業ではないが、最近ウィスコンシン大学マディソン校の許認可部局が興した訴訟は、同社にとって大きな損失になるかもしれない。

合衆国陪審は、iPhone 5SとiPhone 6 、iPhone 6S、およびiPadの一部の機種に存在するAppleのA7、A8およびA8Xのチップに、Wisconsin Alumni Research Foundation(WARF, ウィスコンシン学友会研究財団)が1998年に申請した特許に該当する技術が含まれている、と評決した。

裁判長の合衆国地裁判事William Conleyは、Appleは最大で8億6200万ドルの損害を償う義務がある、と述べた。

Reutersの記事によると、この裁判は負担義務、損害、および意図的侵害の三つの部分に分かれ、後日下される後者への判決によってAppleの賠償額はさらに増える可能性がある。

問題の特許、U.S. Patent No. 5,781,752は、“並列処理計算機のための表を用いるデータ推測回路”と題され、それは分岐予測を使ってコンピュータの電力効率を上げる、とされている。

そしてこの訴訟は、とうてい、Appleが抱える特許問題の最後のものではない。Reutersによると、WARFは先月再び訴訟を興し、Appleの最新チップA9とA9Xがやはり特許を侵害している、と主張している。

2009年にWARFは同じ特許侵犯でIntelを訴訟し、示談を獲得した

2015年1月に提出された訴状の原文を、ご覧いただこう:

WARF v. Apple

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

Apple、iMacと共にアクセサリも刷新。トラックパッドにForce Touchを搭載

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Appleの今日の発表で RetinaディスプレイのiMacを紹介すると共に、コンピューター用の主要アクセサリーの製品ラインもアップデートしたと伝えている。Bluetoothのキーボード、マウス、トラックバッドの周辺機器を「全面刷新」した。

新iMacを購入すると新しいキーボードとマウスが付属品として含まれているが、個別にも販売している。ただしiMacの購入者でトラックパッドも入手したい場合は別途オプションを選択する必要がある(価格は129ドル)。

Magic Keyboard、Magic Mouse 2、Magic Trackpad 2は、充電式のリチウムイオン電池を内蔵するデザインに変更している。インターフェイスの操作を滑らかに保つために、使い捨ての電池を供給する必要がなくなる。Appleの「より頑強な内部構造」が何を指しているのかは良く分からないが、「品質の高さを感じる」ことができるという。

新しいMagic Trackpad 2の最も注目すべきことは、AppleがForce Touchのインターフェイスの仕組みを初めてデスクトップのハードウェアに搭載したことだ。AppleはForce Touchのトラックパッドを3月に発売したRetina MacBook Proには搭載している。(iPhoneのモデルには、この機能の完全版である「3D Touch」を搭載しているのは周知の通りだ。)

Force Touch機能がようやくiMacのユーザーにも浸透するようだ。少なくともAppleのアクセサリを購入する人たちにはということだが。

Force Touchの技術は、Appleが以前のトラックパッドのモデルで採用していた機械的なクリックの仕組みの代わりに、ソフトウェアで創りだすユーザーがコントロール可能なクリック効果に置き換える。これは、触覚へのフィードバックと連動するかすかな振動で物理的なクリックの感覚を再現する。

他のApple端末に搭載しているForce Touch同様、iMacのユーザーも圧力を検知して作動する幅広いUIのインタラクションを利用できるようになる。例えば、素早く言葉の意味を調べたり、ファイルのプレビューを見たり、住所から地図を出したりできる。

新トラックパッドの表面積も従来のものより広くなっているという(Appleによると29%広い)。

キーボードとマウスに関しては、Appleの新しいワイヤレスキーボードは少し小さくなっている。デスクトップの場所を13%も節約できるそうだ。(キーの「シザー構造」と低くなったフォルムのため)。Magic Mouse 2は「軽く、頑丈」とし「よりスムーズな動き」を実現するために底面を改良している。

それぞれのアクセサリは、親機となるMacのハードウェアにLightning – USBの充電ケーブルで接続すると自動でペアリングを行う。Appleはそれぞれの周辺機器はフル充電した場合「一ヶ月かそれ以上」使えるという。

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website/ twitter

Apple、4Kおよび5Kディスプレイを搭載した新iMacを発表

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AppleがiMacラインにて超高解像度スクリーンの適用をさらにおしすすめてきた。21.5インチのオールインワンiMacに4Kスクリーンを採用したのだ。さらに27インチのiMacでは5Kディスプレイが搭載されることとなった。

これにより1920×1080の画面をもつ機種は安価な21.5インチモデルのみとなった。iPhone 6sでも4Kカメラを搭載しており、もはや1920×1080のサイズへのニーズは低下しつつあると判断しているのだろう。

もちろんピクセル数が増すことにより価格も高くなっている。新たにアナウンスされた4Kマックは172,800円からとなっており、1080pモデルの126,800円からとくらべればかなり高額になっている。ちなみに4Kモデルでも標準搭載メモリーは8GBで、グラフィックカードも1080pモデルの高性能版から変わっていない。

なおMagic Keyboardも新しくなっている。より小さく、軽くなっているようだ。電池はリチウムイオンとなり、従来の単三電池から変更されている。キーボードにはLightningケーブルが繋がり、搭載のリチウムイオン電池を2時間で充電できるとのこと。1回の充電で1ヶ月程度利用できるのだそうだ。

(Apple Japan、iMacのページはこちらより)

原文へ

(翻訳:Maeda, H

Appleがroot証明を利用して広告などをブロックするアプリをApp Storeから削除、事後対策をデベロッパと検討中

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Appleが、デベロッパにroot証明を与えて暗号化されているユーザトラフィックを見られるようにするアプリを、App Storeから削除した。Appleの声明文によると、同社はそれらのアプリをストアに戻す件についてデベロッパと折衝中だそうだ。

その中には、一部の広告ブロッカーもある。それらはroot証明を使ってトラフィック(ユーザが見ているWebサイトなど)を、パケットのレベルで調べているからだ。つまり暗号化などのデータ保護を、バイパスしてしまう。Appleは従来から、iOSとOS Xからのroot証明の承認には慎重だ。

これらの広告ブロッカー(ad blockers)は、AppleがiOS 9から導入して、Safariの広告ブロックに利用されているコンテンツブロッカーとは別のものだ。むしろこれらが広告やそのほかのコンテンツをブロックする方法は、ユーザのトラフィックからそれらを削り取るというやり方だ。そのためにはVPNのような設定をして、ユーザのトラフィックがアプリ(この場合広告ブロッカー)のメーカーのサーバを通るようにし、そこでコンテンツの挿入や削除などの加工を行う。

それ自身に悪意はなくても、誤用される危険性がある。ユーザのトラフィックを外部サーバの上で第三者が読めるわけだから、それはまさにapp-in-the-middle中間者攻撃)の状況だ。つまりそれはハッカー攻撃と紙一重であり、ユーザには知られないまま、暗号化されていないトラフィックへのアクセスを与えてしまうのだ。

削除されたアプリの中には、Been Choiceもあったらしい。これは、アプリの中でも動くコンテンツブロッカーだ。最近本誌も取り上げたが、奇妙なことにそれは、Appleのシステムの中でも仕事ができるのだ。このアプリはもう、App Storeにはない。
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ユーザが意図的にVPNを使う場合は、自分のトラフィックが外部のサーバを経由していることをユーザ自身が知っている。しかしコンテンツブロッカーの場合は、知らない間にそれがやられる。だからAppleはおそらく、それらが(1)第三者のroot証明を使っている、(2)トラフィックを外部サーバに回して削除などの加工をする、(3)VPNと違ってAppleの推奨ビヘイビアではない、の理由により禁止したのだ。VPNの公式サポートは、iOS 9にも引き継がれている。

Appleの声明文がこれ:

Appleは顧客のプライバシーとセキュリティの保護に深くコミットしている。弊社は、root証明を設定する一部のアプリをApp Storeから削除した。それは顧客のネットワークデータのモニタリングを可能にし、その結果、SSL/TLSによるセキュリティが破壊されることもありえるからだ。弊社は今、これらのデベロッパと密接に協働して、彼らのアプリが、顧客のプライバシーとセキュリティを危険にさらすことなく、App Storeに迅速に戻れるよう、努力している。

Safariにあるような、アプリ内の広告やそのほかのコンテンツをブロックする枠組みは、現在のAppleにはない。アプリを削除された/される可能性のあるデベロッパは、そのコンテツブロッカー的なアプリを書き換え、Safariにその仕事をやってもらうように、しなければならない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

Apple曰く、新iPhoneのA9チップのバッテリー性能差はわずか2~3%

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Appleは、同社の新製品iPhone 6sと6s Plusに使われているA9チップの性能違に関する相次ぐ雑音に応答した。一部のA9チップがTSMC製でその他がSamsung製であることをかなり前から知られている。Samsungは長年にわたるAppleの半導体パートナーだ。

最近人々は両方のチップを使うデバイスを徹底して使い込み、バッテリー寿命が理論的に50分異なるという結論に達した。

TechCrunchに向けた声明で、Appleは同社独自のテストおよび発売後数週間後にユーザーから集めたデータに基づき、実際のバッテリー寿命の両機種における違いはわずか2~3%だと言った。これは実生活で認識できるレベルよりはるか小さい。

iPhone 6sおよびiPhone 6s PlusにはAppleが設計したA9チップが使われており、これは世界で最も高度なスマートフォン用チップである。出荷されるチップはすべて、容量、カラー、モデルによらずiPhone 6sの驚くべき性能と優れたバッテリー寿命を提供するべく、Appleの最高基準を満たしている。

プロセッサーをバッテリーが切れるまで重負荷で動作させる一部の実験室テストは、実世界の利用を反映するものではなく、それは最大のCPU性能を非現実的な時間使用しているためだ。これは実世界のバッテリー寿命の測定方法として誤解を招く。当社のテストおよび顧客データによると、iPhone 6sと6s Plusの実際のバッテリー寿命は、様々な部品の違いを考慮に入れても、わずか2~3%の範囲内である。

数多くの記事やビデオか、それぞれのチップの使用電力について発表されているが、大半のテストは、Appleが “manufactured”[作られた]と呼ぶものだ。基本的にそれらは非現実的な機械駆動のテストであり、実世界の利用を反映しておらず反映は不可能だ。

これは、私のレビューでベンチマークへの依存を減らし、自分のテストでもiOSの非現実的な「原始状態」のインストール状態を避けている理由の一つだ。

iOSをインストールする際に、診断情報をAppleに送るかどうかを聞かれるオプトイン画面を知っているだろう。これが現実世界(匿名)の顧客から来るデータだ。Appleは、人々がどのようにiPhoneを使っているかを自社アプリを通じて正確に見ている ― CPUを長時間ピークで走らせて電池を使い果たすベンチマークとは異なる。それは現実世界ではまず起きない状況だ。

Appleの言う、両プロセッサー間で2~3%の違いというのは、あらゆるデバイスにおける製造上の許容範囲内だ ― 全く同じプロセッサーを使った2台のiPhoneの間においても。言い換えると、あなたのiPhoneと誰かの全く同じ臓器からなるiPhoneの間には、最大3%の違いがあるということだ。誰がチップを作ったかによらず。

基本的に、現実世界の利用で2つのプロセッサーの違いを知るためには、フォークト・カンプ検査を行う必要がある。

あなたが、自分の端末が許容範囲の最上位にないことに傷ついてもそれは私の知るところではない。私は気にならないが、あなたは気にするかもしれない ― しかし、おそらく気にしないことをお薦めする。

Appleは、なぜA9チップの製造元が2社あるかについてはコメントしていないが、推測はできる。まず、iPhone 6sと6s Plusが記録的売上を見せながらも多くの店舗にまだ在庫がある(一部のサイズについて)という事実と、今年は中国で初日から発売されたという事実を合わせる。これは、今までにない生産台数を意味し、部品やチップを単一ベンダーに依存すると不足を招く可能性が高い。

Cowen and CompanyのTimothy Arcuriが、異なるA9製造元について報告しており、これがA10に向けてAppleの地位を強くしていると指摘している。

今回AAPLはSamsungを使ってA9製造の最初の波を起こす一方、Appleにとってこれが初のFinFETプロセッサーであることから、分止まりや配分問題の保険としてTSMCを開択した。分止まりの大きな違いを含む様々な問題を踏まえると、AAPLはTSMCの割当てを増やす準備があった ― もし必要なら。

AAPLにとって、部止まりの問題が解決すれば、将来の量産契約で両社に最大の圧力をかけられる地位を得られる。製造元の反撃(例えばSamsungがA10から手を引く?)はともかく、今後も続く可能性は高い ― 特にIntelはAppleのチップ製造に強い興味を示している。これは新しい窓を開くものだ。10nmはA10発売には間に合わないとしても[Intelの] 14nmは、次世代FinFETの利用にあたり、TSMCおよびSamsungの 16nm/14nm ノードよりも性能および消費電力に有意な改善をもたらす。

2社のベンダーに発注を分割することは、Appleにとって他にも意味があるだろう。例えば、TSMCに極限まで製造を任せることができる。もしTSMCチップがSamsungチップと同じ(あるいは高い)性能を出せるなら、それはAppleにとって好都合だ。なぜなら、ライバルであるSamsungへの依存度を下げられるからだ。

ここで重要なのは、2枚のシリコンの間に数%の違いがあることではなく 、Appleが史上類を見ない需用に応じていること ― そして、自社のチップ設計を障害なく進めるための舞台を整えつつあることだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

オリジナルアニメーションや著者注のついたiBooks専用の「ハリー・ポッター」シリーズが登場

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「ハリー・ポッター」ファンに朗報だ。改めてシリーズ7作を楽しむ機会がやってきた。すなわち、Appleが自らのプラットフォーム専用のシリーズiBooks Storeで扱いはじめたのだ。そして今回販売開始となるシリーズでは、J.K. Rowlingのチームと共同で、「拡張版」を販売することとなった。ページ中にアニメーションが埋め込まれていたり、オリジナルの著者注が入っていたり、また独自のフォントやドロップキャップが用いられていたりもする。

これまで、ハリー・ポッターシリーズの電子版はPottermore Shopのみで扱われていた。こちらでの価格は各巻8ドル99セント(訳注:日本語版は1100円)で、購入後にKindleやiPhone、iPad、Nook、Kobo、などに転送して読む形式となっていた。扱っているのは英語版、ドイツ語版、スペイン語版、フランス語版、イタリア語版、日本語版、およびポルトガル語版となっている。

今回リリースされたiBook版は英語版だが、32ヵ国から購入できるようになっている。価格は9ドル99セントで、11月9日にはフランス語版、ドイツ語版、そしてスペイン語版が公開されることになっている。

Appleが自ら販売するのは、これがePub形式のものではないからだ。iBooks Author(IBA)のフォーマットで、これはAppleプラットフォーム専用となっているのだ。プラットフォームを限定することで、文字装飾やイラストレーションの入れ方も細かく設定することができるようになっており、またアニメーションやオーディオ、あるいはインタラクティブな仕掛けを入れ込むこともできるようになっている。

このフォーマットは2012年1月に発表されたものだが、この形式のメリットを活用した書籍というのはあまり数が多くはなかった。iBooks形式のみにしか通用しない要素を入れ込むことに対して、出版社にも躊躇いがあったわけだ。今回のハリー・ポッターシリーズはIBAフォーマットの魅力を伝えるサンプルともなるもので、もしかすると他にも追随する出版社などが出てくるかもしれない。

多くの人が感じているように、ハリー・ポッターシリーズはふつうに本で読んで楽しめる作品だ。しかしiPhoneやiPadの上に、新たな魅力とともに現れてくるのなら、それもまた試してみたいと感じる人が多いことだろう。

小説自体はこれまでにPottermore.comで売られていたものと同じものだ。しかし小説中に挿入されている新たなコンテンツはいずれも魅力的なものばかりだ。新しいフォーマットの電子書籍は90MBないし150MBの容量となっている。一般の電子書籍と比べればはるかに大きなものとなっているが、それでもiPadゲームなどと比べれば小さなものだ。

この容量いっぱいに、ハリー・ポッターの魅力がつまっているのだ。

(訳注:日本で利用可能なのかどうかの確認は行なっておりません)

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(翻訳:Maeda, H

YouTubeのiOSアプリがアップデート、レビューで不満が殺到、評価は★一つ

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YouTubeがiOSアプリのアップデートを発表したが、それはGoogleの“Material”デザインを採用し、新しいビデオ編集機能をいくつか加えるなど、注目すべきアップデートではあるけど、評価は二分されている。ビデオ編集機能はiMovieのツールにやや似ていて、ビデオのトリミングや、フィルタリング、音楽の添付などができる。しかし批判する人たちは、上部の真っ赤なバーがいやだ、とか、iOS 9の新しい機能(マルチタスク、重ね画像など)をまったく使ってない、などと文句を言っている。

Googleは、デスクトップやモバイルのWeb、iOSやAndroidなどモバイルのネイティブなど、複数のプラットホームにまたがる統一的なルック&フィールを目指していて、それは良いことかもしれないけど、あまりにもAndroidフレンドリーな”Material”デザインは、iOSの上ではぱっとしない。YouTubeのiOSアップデートも、その例だ。

アーリーアダプターたちがApp Storeで‘一つ星’の評価を与えているが、とくに評判が悪いのは、“悪趣味な”赤いバーでスペースを無駄遣いしていることだ。しかも、ナビゲーションに必要なタップやスワイプの回数が前よりも増えて、前よりも目的のコンテンツを捉えにくくなっている。

左のサイドバーがなくなったことも、評判が悪い。購入済みや履歴、プレイリストなどの各種機能に容易にアクセスできなくなったからだ。とくに不評が多いのが、購入済みへ行きにくくなったこと。

“別のチャネルへ行くのにバックボタンを押さなければならない”、も、代表的な不平のひとつだ。“今度の改悪によって、大きくてきれいな色の成分だけが画面を占領し、いろんな機能にアクセスするための小さなコントロールがなくなってしまった”、というのだ。

“きれいな色”と感じなかった人も、もちろんいる。

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iOS 9にアップグレードした人たちは、YouTubeが新しいiOSの機能をサポートしていない、と文句を言っている。それらは、重ね画像/ビデオ、オーバレイ、マルチウィンドウなどのマルチタスク機能だ。

ビデオ編集はベーシックな機能だけだが、とりあえず便利だろう。でもレイアウトやナビゲーション、それにiOS 9の機能無視などに対する不満が大きくて、ビデオ編集機能は影の存在になってしまった。マルチタスク機能はすでに、MLB At Bat、Hulu、BBCのiPlayerなどのメジャーなアプリがとっくにサポートしているのだ。

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(hat tip/image credit, app: MacRumors)

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Appleがスマートフォン上で人工知能で写真を分類するアプリのデベロッパPerceptioを買収

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AppleがディープラーニングのPerceptioを買収したことを、今日(米国時間10/5)Bloombergに確認した。Perceptioのプロダクトは、人工知能を使ってスマートフォン上の写真を分類するアプリだ。

昨年10月のRe/codeの記事によると、Perceptioの技術ではデータをクラウドに保存せずモバイルデバイス本体の上で高度な計算処理ができる。ファウンダのNicolas PintoとZak Stoneは、写真共有アプリSmoothieも作った。

PintoのTwitterプロフィールによると、彼はMITとハーバードのリサーチサイエンティストおよびコンピュータ科学の講師だそうだ。一方Stoneは、ハーバードでコンピュータヴィジョンのPhDを取得している。

AppleのスポークスマンColin JohnsonはBloombergに、“Appleは小さなテクノロジ企業をときどき買収するが、その場合一般的に買収の目的や今後の計画を議論しない”、と述べている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Apple Musicの会員登録をキャンセルする方法

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Apple Musicがローンチした会員登録した、そして使った。3か月の試用期間が過ぎた(ぼくの場合)。デフォルトではアカウントが継続するが、ぼくのように止(や)めたい人もいる。

理由を知りたい? ぼくはずっとSpotifyのユーザなので、Apple Musicを十分に聴く機会がなかった。それに、再登録したくなればいつでもできる。

デスクトップでiTunesの登録状態を変えるには、次のようにする。すでに課金が始まっている人は、キャンセルは翌月から有効になる。

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「Account Info」をクリックする。

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「Subscriptions」をクリックする。

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Apple Musicの「Your Membership」をクリックしてエディットする。

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ご自分の意向を指定する。

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iOSでは、Apple Musicアプリを開いて、左上にある小さな顔(「Account Info」に相当)をタップすると、そこからいろんな設定ができる:

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これで終わり! ぼくがSpotifyにこだわる理由は、次の機会に。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Appleが古色蒼然たるプライバシーポリシーを撃破、プライバシーサイトを拡張して新装

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ハードウェア製品やネット上のサービスのプライバシーポリシーに関心を持つ人は、3年前なら少数派だった。しかし政府による、通信や私信の大量盗聴盗視行為がばれてからは、各製品やサービスのプライバシーポリシー注記が、ときにはそれを載せた企業の足かせともなった。

それ以後は、プライバシーがテク企業のメインのスローガンの一つとなり、中でもAppleはとくに声高だった。同社は、ユーザのデータはユーザがオーナーであるという律儀な姿勢を全地球サイズで誇示した。それは往々にして、私企業的というよりも公共的な姿勢だった。それが、今日も続いている。

しかし、今日のニュースはこれだ: Appleはプライバシーサイトをアップデートし、iOS 9と、OS Xの最新バージョンに関する新しい情報を載せた。サイトには新しい部分が加わり、そこにはAppleがユーザに提供している多様なサービスと機能に関する情報が載っている。

そのページではプロダクトや機能におけるプライバシーを取り上げ、それらはたとえばiOS 9のNewsアプリや、iOSとデベロッパがユーザをアプリ内の特定の情報や機能に連れて行くためのネイティブのディープリンクユーティリティ、新機能であるSpotlightの検索候補などだ。たとえばNewsアプリは、そのほかの個人識別情報と同じく匿名化される。また、Proactive Assistantはデータをクラウドでなくデバイス上で処理する。それは本誌の記事で前に述べたように、難しい設計課題だ。

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健康とフィットネスのデータはデバイス上に隔離され、暗号鍵はユーザのパスワード(パスコード)から生成される。こうやって暗号を個人化すると、ほかの人、たとえばAppleでさえ、データを読むことが困難になる。この、ユーザのパスコードをベースとする暗号鍵方式は今ではAppleの全製品で使われている。今の業界のお気に入りの話題である、閲覧履歴が広告に利用されることを防ぐコンテンツブロッカーも、ここで言及されている。

またApple Mapsの場合は、ユーザが旅行に関してMapsにクェリすると、ジェネリックなデバイスIDが生成され、それを使って情報が取り出される。ユーザのApple IDは使われない。旅行の半ばには別のランダムなIDが作られ、後半はそれが使われる。また旅行データを切り詰めるから、旅の出発点や目的地に関する情報は保存されない。そのデータは2年保存されてMapsの改良に利用され、その後削除される。

またiOS 9.0の60ページあまりのセキュリティ白書は、そのモバイルOSをセキュアにするためにAppleが使っているさまざまなテクニックを、詳細に説明している。前からある白書(ホワイトペーパー)のアップデート版だが、iOSの新しい機能についても述べている。Appleの暗号化の方式も詳細に説明され、無資格者のキーチェーンアクセスを防ぐ方法や、アプリのセキュリティ確保の方法を述べている。同社の開発ツールXcodeの不良な無許可複製品でコンパイルされたアプリケーションの最近の大失態が、まだ記憶に新しいから、これらのセキュリティ関連情報を読むと思わず胸が痛くなる。

しかしセキュリティの専門家のためには良いドキュメントだが、ふつうの人にはどうか?

セキュリティポリシーの打破

プライバシーは誰もが気にすべきだが、いろんな調査が示すところによると、まったく何も知らない人や、知ろうとしても難しくてよく分からない、という人がほとんどだ。

Appleも含め、企業のプライバシーポリシーは弁護士が書くことが多く、ふつうの人が読んで分かる文を書ける人…ブログライターなど…はそれを担当しない。それはプライバシー問題が裁判沙汰になったときに、法律文書の方が役に立つからであり、また、プライバシーポリシーを平文で書いたらたぶんひどい文章になるからだ。

Appleは今日の、プライバシーページの拡張で、わかりやすい言葉を使い、多くのデータを援用している。そういう意味ではAppleは、プライバシーポリシーに関する上記の古めかしい伝統を打破している。政府の情報リクエストに関する説明(94%が盗難iPhoneに関するもの、警察による個人情報リクエストはわずか6%)も、またiMessage、Apple Pay、Health、HomeKitなどの消費者アプリにおけるユーザ情報保護の説明も、どちらも確信に満ちた説明態度だ。

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もちろん、これだけ親切なドキュメントがあればAppleはユーザのプライバシーに関する質問に答えなくてもよい、という意味ではない。テク企業の多くが営利企業だから、われわれ消費者やジャーナリストは、Appleと言えども健全な疑いの目は持つべきだ。でもこのプライバシーサイトが昨年ローンチしたときの書簡でCEOのTim Cookは、サイトのアップデートや拡張は定常的に行う、と言っている。そして、言ったとおりになった。

それらのページは、iPhoneを売り込もうとするページとルックスが似ている。Appleの哲学を説明している箇所があり、またAppleのプライバシーやセキュリティ関連機能のアドバンテージをユーザに売り込もうとする部分もある。政府の情報リクエストに関する説明と、プライバシーポリシー本体は、それぞれ独立の区画になっている。

‘manage your privacy’(プライバシーを管理する)の部分は、セキュリティを向上するために何をすべきか、何のためにそれをするのかを、明快に説明している。

企業がユーザにプライバシーに関する情報を提供しようとするとき、これからは木で鼻をくくったようなプライバシーポリシー本文を提示してこと足れりとするのではなく、Appleのこのプライバシーサイト/プライバシーページを参考にすべきだ。法律や技術の専門語だらけのページはまったくない。逆に、小ぎれいに単純化しすぎた、誠実にものごとを伝えようとしない、気取ったページもない。ユーザに情報を提供し、ユーザを教育するための、誠実なサイトだ。Appleは、どのプロダクトもそうだ、と言っている。

Appleはこれまでずっと、プライバシーをセールスツールとして利用する陣営の最前線にいた。最後尾には、いたくないのだ。フルに暗号化を採用したスマートフォン、セキュアな会話と会話の削除が可能なメッセージングアプリ、自分の情報やコンテンツが勝手に、うかつに、他人に知られないため万全を尽くす、各種サービスの設計と実装、…。こう見てくると、今や死人同然となっているプライバシーポリシーの、今回のラジカルな模様替えも、いかにもAppleらしく理にかなっている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Apple、watchOS 2の配信を開始

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AppleがついにwatchOS 2をリリースした。アップデートは一般に公開されている。またOTAアップデートにも対応している。ただしアップデート用のサーバーの準備は順次整えられているとのことで、まだアップデートが有効になっていないというケースもある。スムーズなダウンロードを実現するために、キューシステムを採用しているせいもあるのだろう。

本来、このwatchOS 2は9月16日にリリースされるはずだった。しかし予想外のバグの影響でリリースを遅らさざるを得なかった

「watchOS 2の開発中に発見されたバグについて、修正に思ったよりも時間がかかってしまったのです」と、Appleのスポークスパーソンは言っていた。「スケジュールを延期せざるを得ませんが、まもなくリリースできるものと思います」とのことだった。そして今日を迎えたというわけだ。

Apple Watchが登場してまださほど時間も経っていないが、しかし今回のOSアップデートにはさまざまな機能追加が含まれている。ネイティブのアプリケーションを開発することができるようになり、またプログラム中からあらゆるセンサーにアクセスできるようにもなっている。乗り換え案内にも使えるようになり、Siriがさらに便利になっている。またウォッチフェイスも新しいものが用意されていて、サードパーティー製のコンプリケーションも可能となった。ナイトモードも場合によっては便利だし、また天気や予定を確認するための「タイムマシン」機能も使いやすい。watchOS 2についてはこちら(英文)でもレビューしているのでご参照いただきたい。

アップデートの方法についても記しておこう。iPhoneからWatchアプリケーションを起動して「一般」から「ソフトウェア・アップデート」を選んで行うことができる。アップデートを行うかどうかのプロンプトが表示されるはずだ。

watchOS 2へのアップデートは「絶対」のものだと思う。アップデートすれば、これまでのOSがベータ版であったかのように感じるはずだ。Appleとしては、このwatchOS 2こそが、リリースしたかったものであるはずだ。動作もはやく、また開発者にとっても便利な機能が満載されている。

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(翻訳:Maeda, H

iOS 9、リリース後1週間で適用率は50%超(および好調が予想されるiPhone 6sシリーズ)

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Appleによると、iOS 9はリリースして1週間もたたないうちに50%超の適用率を達成したのだそうだ。すなわちiOSデバイスのうちの半数以上がiOS 9で動作しているということになる。

リリース後、24時間の段階では12%の適用率となっていた。Appleの歴史の中でも、最速の適用ペースとなっているとのことだ。

Appleの場合とはいろいろと状況はことなるが、参考までにみておくとLollipopが12%の適用率を達成するには5ヶ月を要した。

なおiPhone 6sはアメリカ、オーストラリア、カナダ、中国、フランス、ドイツ、香港、日本、ニュージーランド、プエルトリコ、シンガポール、および英国にて金曜日から販売開始となる。

Appleのサイトでは「多くの直営店では各営業日、予約なしで来店されたお客様のためにも(数量に限りはありますが)iPhoneを在庫する予定です」と記載されている(訳注:ただし「直営店のApple StoreでiPhoneで購入する場合、中国、香港、日本、米国(無税の州)では予約が必要です」と記されている)。

またアクセサリー類については「Appleのデザインによるアクセサリーとして、様々な色から選べるレザー製およびシリコン製ケース、本体カラーとマッチするメタリックカラーのLightning Dockなどが販売される予定です」と記されている。こちらは26日の土曜日からオンライン予約が行えるようになるようだ。

Appleは予約状況についての詳細データを公表していないが、CNBCの取材に対して述べたところでは、iPhone 6および6 Plusの打ち立てた記録を破るだろうと述べているとのことだ。ちなみにこのiPhone 6シリーズは、売り上げ開始後の最初の週末を経て1000万台以上が販売された。

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(翻訳:Maeda, H

iOS 9はリリース後24時間ではやくも12%の普及率(iOS 8を上回る速度)

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情報分析事業を展開するMixpanelによると、iOS 9は順調に受け入れられつつある模様だ。更新についてトラブルのあったユーザーもいたようだが、なかなかのペースで広まりつつあるらしい。

Mixpanelによると、リリース後24時間にも達しないうちに、iOS 9は12%の普及率(adoption)を示したとのこと。これはiOS 8よりも速いペースであるとMixpanelのCEOであるSuhail Doshiは述べている。これは、Appleとして始めて一般利用者向けにベータ版を公開して、新しい機能に慣れてもらいつつ、リリーススケジュールを調整した成果のひとつといえるだろう。

またDoshiは、Androidの普及ペースとも比較しつつ、次のようにも述べている。

iOS 9は24時間で12%の普及率(adoption)を示しました。昨年のiOS 8の際と同様な状況を示していると言えます。AndroidではのLollipopについていえば、同様の普及率を達成するのに5ヶ月を要しています。Appleの成功の理由のひとつとして、アップデートモジュールのサイズ(前回のアップデートモジュールよりも3.5倍も小さくなっている)を挙げることもできるでしょう。iPhoneの記憶容量がほとんど残っていないような利用者にも配慮しているともいえるわけです。ただし、サーバー側で一部不具合があったこともあってかiOS 7と比べると普及の速度は大きく遅れてはいるようです。

各OSの割合は次のようになっている。

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上の図から明らかなように、iOS 9はすでに「8以前のOS」よりも多くインストールされているようだ。

iOS 8にくらべて3.5倍も小さいというのが、やはり大きく寄与しているようだ。対応機種をもつひとは、即座にアップデートしようとすることが多い様子。現在も猛烈な速度でiOS 9が増えているようだ。

(なお、タコスの絵文字は9.1からの対応となっている)。

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(翻訳:Maeda, H

Apple、「バグ」を理由にwatchOS 2の配信を延期

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AppleがwatchOS 2のリリースを遅らせることとした。米国時間で9月16日より配信される予定となっていた。

「watchOS 2の開発中にバグを発見し、その対応に予測よりも時間がかかってしまっています」とAppleのスポークスパーソンが述べている。「本日中の配信開始は延期し、近いうちに改めてリリースすることといたします」とのこと。

watchOS 2は大いに注目を集めているものであり、そのリリースを遅らせるということは相当に重大なバグがあったということなのだろう。多くの人が注目しているリリースを遅らせるというのはなかなか勇気のいることだが、結局はそれが消費者およびAppleの双方にとっての利益となると判断したわけだ。今のところ、リリース時期については「近いうち」(shortly)と述べるにとどまっている。

新たにリリースされる予定だったwatchOS 2にはさまざまの新機能が盛り込まれている。開発者がセンサーに直接アクセスでき、そのデータをより効率的にiPhoneと連動できるようになっているのが、もっとも重要な変更点だと言えるかもしれない。Siriの性能も向上し、乗り換え案内機能も追加され、新しい文字盤も使えるようになり、「タイムトラベル」機能を使って天気や予定などをより簡単にチェックできるようにもなる。さらにWatch単体でWiFiに接続して、iPhoneと連動せずに行えることも増えている。

iOS 9の方は予定通りに配信が開始される予定だ。また新たな情報が入ればご報告したい。

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(翻訳:Maeda, H