I/O 2014開催近づく―Googleデベロッパー・カンファレンスのテーマはデザインとウェアラブル

今年もGoogleの大掛かりなデベロッパー・イベントの開催が近づいてきた。多くの読者がこの2日にわたるイベント〔日本時間6/26-6/27〕で何が発表されるのか興味をお持ちだろう。

今年のGoogleはアプリのデベロッパーだけでなく、デザイナーやマーケッターにもGoogleの戦略に関する詳細な情報を伝えようと力を入れているようだ。しかし一般エンド・ユーザーに直接関連する発表も数多く用意されているらしい。

Android Wear

事情に通じた情報源によれば、今年のI/Oの重要なテーマの一つはGoogleが今年3月に発表したAndroid Wearだという。このプラットフォームはスマートウォッチなどウェラブル・デバイスのためのAndroid OSの拡張機能だ。

メーカー数社がAndroid Wearを利用したスマートウォッチをデビューさせようとしている。なかでもMotorolaとLGはこの夏にMoto360 とLG G Watchをそれぞれローンチさせると発表している。暦の上ではすでに夏だから、I/Oでこれらのプロダクトが正式にお披露目されるのはまず間違いない。同時にAndroidWearの詳細についても多くのことを知ることになりそうだ。

Android車載システム

Appleは今年に入ってiOSの車載システム、CarPlayの普及に大いに力を入れている。当然、Googleも独自の車載モバイル・システムでAppleにに対抗してくるはずだ。1月に概要が発表され、GM、Audi、Hyundaiと提携しているものの、Android車載システムについてはまだ具体的な情報がほとんどない。しかし今年中にいくつかの新車種に搭載されるという。

GoogleはこのAndroid車載システムについて近く大規模なプレスイベントを計画しているらしい。

Android TV、ホームAndroid

今年、GoogleはIoT〔モノのインターネット〕などを通じてAndroidを通常のモバイル・デバイス以外の分野に拡張することに全力を挙げている。Goolge TVなどがその一例だが、Android TVプロジェクトも進行中といわれる。これもI/Oで発表されるかもしれない。

Android TVはGoogle TVとは異なりアプリ自身の機能よりもコンテンツに主題があると言われている。ただし具体的な内容はまったく分かっていない。Googleは最近子会社のNestを通じてDropcamを買収した。Nestは急速にホーム・オートメーションのハブに成長しつつある。Nest関連の発表もあるだろう。同時にGoogleのプラットフォームを利用したサードパーティーのプロダクトの紹介もあるかもしれない。

Android 5.0

Androidの新バージョンが今回のカンファレンスで発表される可能性は低いかもしれないが、それがどんなものになりそうかヒントがつかめるかもしれない。最近報じられたQuantum PaperはAndroidアプリに新しい統一的UIを導入しようとする野心的なプロジェクトで、Polymerは再利用可能なそのインターフェイス要素だという。

Quantum PaperとPolymerはAndroidアプリばかりでなく、iOSやGoogle独自のハードウェアも含めたさまざまなデバイスのインターフェイスの新しいデザイン・ガイドラインとなるようだ。今年、Googleはデザインの改良と統一化に全力を挙げるものとみられる。

デベロッパーの再定義

当然ながらソフトウェアのデベロッパーを中心とするものの、Googleは今年のI/Oではターゲットしてデザイナーやマーケッターにも重点が置かれるようだ。つまりアプリを開発して流通させるプロセスに関わる人々全てを対象とするということらしい。

われわれは現地取材を行い、ライブ・ブログも含めて報告する予定だ。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Google、コーディングする女性を育成する “Made With Code” に5000万ドルを投資

先週Googleは、若い女性がプログラミングに興味を持ち、業界の男女格差を減らすことを目的とする新ちな取り組み “Made With Code” をスタートさせた。背景にあるアイデアは、スマートフォンのアプリからお気に入りの映画まで、若い女性の大好きなものがプログラムで出来ていること、そして学習したスキルを自分自身の情熱に応用できることを教えることにある。

Googleは、同プロジェクトに今後3年間で5000万ドルを投資する。Made With Codeでは数多くのパートナーがコミュニティーの育成を助ける。Chelsea Clinton、Mindy Kaling、MITメディアラボ、全米ガールスカウト、Girls Inc.、Girls Who Code、National Center for Women and Information Technology、およびメディアパートナーとしてTechCrunchも加わる。

Made With Codeウェブサイトには、子供たちがプログラミングを学ぶためのリソースやプロジェクト、仲間、あるいはメンターと問題やプロジェクトについて議論するためのコミュニティ、そして地域のイベントに関する情報等が提供されている。すべては、未来のテクノロジーに関して、女性が主役の座につくための取り組みだ。

数字で見る限り、米国女性のコンピュータ・サイエンス学科人気は減少している。

Google XのEVP Megan Smithは、これを変えることのできる要素はいくつかあり、いずれも手の届くところにあると説明する。第一に、若い女子にコーディングをやってみるよう薦める、たとえ薦める人自身に技術的素養がなくても。「誰かにコーディングを薦めるために、あなたがコードの書き方を知っている必要はない」。

さらにSmithは、一部の女の子たちにとっては、コーディングをやってみる明確な手段がなく、目標にするヒーローもいないと指摘する。テレビ番組の中でさえ、コンピュータ・サイエンスといえば女性より男性に代表されることの方がずっと多い。

Made With Codeはこうした問題を解決すると共に、若い女性にコーディングしてみるよう勇気づけることを他の人々にも薦め、目指すべき人物像を示せることを目標にしている。

発表イベントの様子と、関係者のインタビューを下のビデオに収めてある。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


GoogleがSPDYモジュールmod_spdyをApache Foundationに寄贈

GoogleのSPDYプロトコルはHTTPの次のバージョンに標準規格として導入されるが、このプロトコルを実装したLinuxモジュールmod_spdy2年あまり前に、広く使われているオープンソースのWebサーバApacheの上で動き始めた。それによってSPDY(”SPeeDY”と発音する)の人気が一挙に広まり、今では多くのWebサーバやブラウザがサポートしている。SPDYの一般的な普及にめどがついたと判断したGoogleは今日、mod_spdyをApache Software Foundationに寄贈する、と発表した

これによってmod_spdyは、サードパーティのアドオンではなくApache本体の一部になる。Apache Foundationの協同ファウンダJim Jagielskiは今日の声明文の中で、次のように述べている: “目的はそれを完全にApache 2.4の一部にすること、そしてもちろん、2.6/3.0のコアパートにすることだ”。

GoogleのソフトウェアエンジニアMatthew Steeleは今日の発表声明の中で、これによりApacheのユーザにとってSPDYの可利用性がさらに広がり、また“昨年11月に草案として提出されたHTTP/2.0の進捗にも道を開く”、と述べている。

SPDYはHTTPの次のバージョンの機能の多くを支えているので、実質的に次期バージョンのHTTPのベースだ、といっても過言ではない。数か月後ぐらいからHTTP/2.0の話題が賑やかになってくると思われるが、HTTPの現行バージョンとの違いなどを詳しく知りたい人には、これが格好のドキュメントだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Google、I/Oカンファレンスを控えてマルチプラットフォーム・ウェブアプリのテンプレート、Web Starter Kitを発表

Googleは以前からデベロッパー向けに最新のウェブテクノロジーを利用したベスト・ケースのサンプルを提供してきた。今日(米国時間6/19)、Googleはさらに一歩を進めて、HTML5 Boilerplateに似たWeb Starter Kitリリースした。これはマルチプラットフォームのウェブアプリを作成するためのテンプレートとツールを集めた開発キットだ。

Googleによれば、ここに収められたテンプレートはマルチプラットフォームでのパフォーマンスやレイアウトが最適化されておりデベロッパーがすばやくアプリを開発するのを助けるという。簡単に言えば、これまでGoogleが推奨してきた開発方針を実際に作動するコード化し。、必要なツールを加えたパッケージだ。ただしWeb Starter Kitはユーザーの環境にNode、Ruby、Ruby Sass gem、ストリーミング・ビルドシステムのGulp.jsがインストールされていることを前提としている。Gulpの利用は必須ではないが、これを使えばLiveReload、自動的な画像最適化、HTMLのミニファイなどの機能が利用できるようになる。

Starter KitはChromeの最新版はもちろん、IE10と11、Firefox 30と31を含め主要なブラウザ、モバイル・ブラウザをサポートしている。

Starter KitはTwitter BootstrapやZURBのFoundationともいくぶん重なるところがあるが、 Starter Kitは極めて使いやすく、こうした他のプロジェクトのスタイルも簡単に利用できる。

Bootstrapなどのプロジェクトとは異なり、GoogleのキットにはUI要素のようなコンポネントはあまり含まれていない。Googleが今後、そうしたコンポネントを追加していくのかどうか不明だが、Googleのエンジニア、Addy Osmaniは今日、「Starter KitはUIコンポネントの面でBootstrapと競争する意図はない」とHacker Newsに書いた。Osmaniはまた「BootstrapやFoundationなどのライブラリーはプロトタイピングを始めるにあたってすばらしい出発点となるが、こうしたライブラリーを利用する上での最大の問題はアプリにひとたびそのスタイルやルックアンドフィールを適用すると、そのアプリでは永久にその適用を続けなければならない点だ」と付け加えている。 Web Starter Kitはこれと異なり、デベロッパーがアプリの目的に合わせて独自のスタイルを開発して適用することを望んでいるのだという。

BootstrapやFoundationと同様、Starter Kitもレイアウトに関しては可変グリッド(fluid grid)を提供しているが、Googleのソリューションの方がやや柔軟性が高いように思われる。

このプロジェクトはまったくのベータ版だ。GoogleがI/Oデベロッパー・カンファレンスのサンフランシスコでの開催を1週間後に控えたタイミングでStarter Kitを公開したことをは少々意外だ。しかしこれはI/Oで詳細を紹介する前にデベロッパーに実際にStarter Kitを試しておいてもらいたいということなのかもしれない。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


YouTube SEO – 検索エンジンが動画の内容を格付けする仕組み

Googleのウェブ検索に続き世界第二位の検索エンジンともいわれるYouTube。米国では以前から活用されてきた動画マーケティングですが、日本でも最近動画を公開して注目を浴びようとする企業も少しずつ増えているようです。YouTube等の動画SEOについては色々なことがいわれてはいますが、ウェブサイトのSEOに比べるとまだまだ黎明期なこともあり、絶対的なルールはまだないようです。動画SEOを攻略するには、まずは最大動画サービスのYouTubeから、そしてYouTubeの動画評価の仕組みを理解することから、ということでSEO by the SeaによるGoogleの動画関連特許の記事を。 — SEO Japan

グーグルやユーチューブで動画を検索するとき、動画の内容ではなく、テキストを基に動画が結果にリストアップされている可能性が高い。当該の検索アルゴリズムは、動画のタイトル、そして、動画をアップロードした人物が入力した説明文およびタグに注目しているのだろう。しかし、動画の注釈もまた、動画が関連する用語やフレーズを特定する上で重要な役割を果たしていると考えられている。

例えば、以下の動画はグーグルの新しいレシピ検索のオプションを告知しており、新しい機能に関する詳細を提供している。しかし、動画に付随するテキストは、加えられた機能の詳細を説明する人物が、グーグルの料理長 スコット・ジアムバスティーニ氏だと言う事実にどれも言及していない。 [Google executive chef]を検索すると、ユーチューブの検索結果にはこの動画は表示されない。しかし、現実には表示してもらいたいところだ。

また、動画が検索結果でランキングされる上で、閲覧数、コメントの本数、そして、評価するの数、プレイリストに加えられる頻度等、その他の要素も鍵を握っているだろう。

動画に関連するテキストのコンテンツのみに依存すると問題が生じる。まず、説明文が、数多くのシーンや様々な内容を含む長い動画をうまく説明することが出来ていない問題が考えられる。また、多数の動画を持つサイトで、クエリに応じて返される結果の数が、多数に上る可能性があることも問題の一つである。

検索エンジンは、最初のフレームから得たスクリーンショットを表示するものの、中心となるフレームや動画の最後のフレームの方が、クエリに最適な動画を特定する上で役に立つ可能性があり、当該のサムネイルが動画のコンテンツを適切に描写しているとは言いきれない。

このような問題は、すべて動画の実際のコンテンツを無視していると言う共通点を持つ。それでは、検索エンジンが実際の音声およびビジュアルコンテンツを使って、関連する検索用語を判断することが出来たとしたらどうだろうか?

検索エンジンが、多数の動画のフレームとフレームに関連するキーワードのキーワードの関連スコアを記録するインデックスを動画から作成してくれたら、動画の内容を容易に理解することが出来るようになるのではないだろうか。

このようなフレームは、それぞれの動画の画像や音声に含まれているアイテムを基にキーワードに関連付けられると考えられる。また、グーグルは、動画の最初、中間、または最後のフレームを選ぶ代わりに、フレームのイメージをサムネイルとして使い、検索結果に表示することもあり得る。

過去にグーグルが公表した特許には、検索エンジンが、動画内の特定のキーワードに関連する画像と音声を特定し、そして、インデックスすることで、動画のインデックスを改善する仕組みが描かれている:

関連性を基にした画像の選択
考案: Gal Chechik、Samy Bengio
委託先: Google
米国特許申請番号 20110047163
付与日: 2011年2月24日
申請日: 2009年8月24日

概要

動画の検索結果をユーザーが入力したキーワードのクエリに応じて表示するシステム、コンピュータが読める記憶媒体、そして、コンピュータ実装メソッド。動画のホスティングシステムは、機械の学習プロセスを用いて、ラベル付きのトレーニングデータセットからメディアコンテンツの特徴をコンテンツのキーワードの記述を関連付ける主要なキーワードのモデルを学ぶ。

このシステムは、学習したモデルを使って、動画で見つかった特徴を基に、キーワードのクエリに関連する動画の検索結果を提供する。さらに、このシステムは、学習したモデルを用いて、動画を表す1つないし複数のサムネイルの画像を特定し、表示する。

グーグルの従業員が綴った複数のホワイトペーパーにも、動画インデックスの今後の展開が示唆されている:

特許で描かれているシステムは、動画の注釈インデックスに依存して、検索者が探している動画、もしくはクエリに関連する可能性がある動画の一部を見つける支援を行う。

例えば、海で泳ぐイルカのシーンまたは画像を含む動画は、「イルカ」、「泳ぐ」、「海」等のキーワードで当該の動画の一部にラベルを貼っている可能性がある。

動画の一部をクエリに対して格付けする際に役に立ちそうな方法が多数この特許には掲載されている。

クリックスルーのデータは、キーワードが特定の動画にとって適切かどうかを判断する際に役に立つと考えられている。クエリに対する同じサムネイルの画像が、多くの検索者によって選ばれると言うことは、クエリの用語と動画との関連性の高さを裏付けていると言っても過言ではないだろう。

動画の画像と音声、そして、関連するメタデータを持つストック画像および音声クリップを含む、ラベルが貼られたトレーニングデータセットの間の類似性の検索は、ラベルが貼られていない画像と音声を特定する上で役に立つかもしれない。グーグルによる類似性検索の例は、グーグルの類似イメージ検索で確認することが出来る。

この特許および先程紹介したホワイトペーパーは、動画の画像と音声をキーワードと一致させるために使われるラベルを用いて関連付けを行う類似性検索を支えるテクノロジーをもっと詳しく説明している。

タイトルやデスクリプション等の動画に関連するメタデータが、継続的に検索エンジンに用いられる一方で、動画の内容の付加的なデータが、動画の検索結果を大幅に改善する可能性はある。

また、ユーチューブの動画でグーグルの料理長が特集されている場合、料理長を容易に見つけることが出来るようになるだろう。


この記事は、SEO by the Seaに掲載された「How a Search Engine Might Rank Videos Based Upon Video Content」を翻訳した内容です。

限りなく基本的な話ではあったのですが、最終的には動画を解析してテーマやキーワードを動画に自動で付与するような仕組みが作られるのですかね。その処理を全ての動画に適用するには恐ろしい処理量が求められそうで、一瞬非現実的な気もしますが、Googleであればいつか普通にできるようになるのかもしれません。 — SEO Japan [G+]

Googleマイビジネスは「御社の情報を無料でGoogleに掲載」するダッシュボード〔日本語化ずみ〕

今朝(米国時間6/10)、Googleはスモールビジネスのオーナー向けの新しいツールをリリースした。ビジネスのオーナーはこのツールを使ってGoogle検索を始め、Googleのさまざまなサービスに企業情報や写真を提供し、ユーザーレビューなどのフィードバックを得ることができる。このGoogleマイビジネスはスモールビジネスがGooogleを利用するためのワンストップ・ダッシュボードだ。もちろんGoogle+のアカウント管理もできる。

Googleマイビジネスの主なターゲットはいってみればまだ「Googleに登録」していないビジネス・オーナーのようだ。マイビジネスのホームページにはまさにそういう表現のボタンがある。

今日の発表にさりげなく埋め込まれていた興味深いニュースは、 GoogleプレイスやGoogle+のダッシュボードのような既存のビジネス向けサービスもすべて新しいGoogleマイビジネスに統合されるという点だ。「これらのサービスのユーザーはマイビジネスにアップグレードされます」とGoogleは告知している。

Googleマイビジネスに登録して必要な事項を入力すると、その情報はGoogle検索、Googleマップ、Google+に掲載される。どんなデバイスないしサービスからでも、ユーザーが検索すればその情報が表示されるようになる。ビジネスは住所、電話番号、営業時間などに加えて写真やバーチャル・ツアーを掲載することもできる。またGoogleレビューを読んで回答することもできる。

またこのサービスはFacebookページに対抗するGoogle+ページの作成や管理にも利用できる。マイビジネスのダッシュボードからGoogle+に顧客に知ってもらいたいニュース、イベント、写真などを簡単に投稿できる。

マイビジネスにはまたGoogle+ページのアクセスを表示するGoogle Insightsや地域密着型広告のAdWords Expressも統合されている。ビジネスのオーナーは自分のGoogle+ページの記事の表示回数、読者層、広告のクリック数などの情報を簡単に得ることができる。 (Google+のInsghtsについてはこちらが詳しい)

GoogleマイビジネスのAndroidアプリはすでにGoogle Playで公開されている。iOS版も近くリリースされる。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


GoogleのApp EngineもDockerをサポート、オープンソースのコンテナ管理ツールを提供

Dockerは今や明らかにデベロッパコミュニティの大スターであり、Googleも当然、真剣に対応している。 今年はCompute EngineにDockerの基本的なサポートを加えたが、さらに今日(米国時間6/10)は、App EngineもDockerに対応する、と発表した。そしてそのためには、最近ローンチしたユーザ管理型仮想マシン(Managed VMs)を活用する。

またデベロッパによるDockerの利用を支援するために、Googleは今日、コンテナ管理ツールKubernetesをローンチする。さらにGoogleがDockerのコミュニティに本格的に参加するために、同社のインフラ担当VP Eric BrewerをDocker Governance Committeeにノミネートし、 “コミュニティと協力してコンテナのさらに良いオープンスタンダード構築に貢献していきたい”、との意思表示をした。

コンテナはGoogleにとって新しいものではない。同社はこれまで長年にわたって、大規模なデータセンターを管理するために内製のコンテナを使ってきた。今や同社は毎週、同社のデータセンター全体で20億あまりのコンテナをローンチしている。

GoogleのクラウドサービスプロダクトにおけるDockerの導入を推進してきた、プロダクトマネージャのCraig McLuckieは、Dockerのサポートは同社にとって当然なことだ、と言う。従来型のホスティングでは、新しいボックスを加えることが毎回、大仕事だった。しかし最近のアプリケーションは多くの小さなサービスの集合体であることが多いので、コンテナがうってつけの世界だ。だからMcLuckieは、“コンテナはうちにものすごく大量の価値をもたらす”、と言う。“多くのデベロッパにとってDockerは、大きな便宜を提供してくれるのだ”。

デベロッパがDockerをApp Engineで使うと、既存のDockerイメージの大きなライブラリにアクセスでき、またGoogleのストレージサービスを利用して自分のものを持ち込むこともできる。DockerイメージはManaged VMsに展開でき、するとデベロッパはGoogleのPaaSにない各種のサービスをApp Engineで動かせるので、多大な柔軟性 (自由度)が得られる。

またデベロッパが自分のApp Engineアプリケーションをパッケージして、それらからDockerイメージを作る作業を、ものすごく楽にしていきたい、と McLuckieは言っている。

App EngineにおけるDockerのサポートはまだベータだが、デベロッパはここでユーザ登録をして利用できる。

Dockerを使う場合、コンテナの管理やスケジューリングはユーザの責任だが、今ではそれらを支援するKubernetesのようなサードパーティツールがいろいろある。Kubernetesはギリシア語で“船の操舵手”という意味で、マシンの“艦隊”へのコンテナの展開を助けるオープンソースのコンテナマネージャだ。マシンを互いに連携させる機能のほかに、健康管理やレプリケーションの機能もある。なお、このコンテナマネージャはGoogleのサービスに縛られることなく、いろんなプラットホーム上のコンテナを一元管理できる。

Google自身はコンテナシステムとしてOmegaを使っており、Kubernetesも同社のデータセンターの運用にために作ったツールだが、今回はそれをDocker用にまったく新たに書き起こした。Googleが社内で使っているものよりもずっと、デベロッパフレンドリになっているそうだ。スタートアップ企業には、GoogleにあるようなDevOpsのチームがない場合が多いから、その点にも配慮している。

McLuckieによると、Kubernetesには多数のデベロッパが使えるという利点があり、ということは管理するコンテナ群が広範なデベロッパ集合にまたがっていてもよい、という意味だ。そのコードは、GitHubで入手できる。

関連記事(日本語訳)〕

 

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Google、いよいよ独自衛星保有へ―衛星スタートアップ、Skyboxを5億ドルで買収

今日(米国時間6/10)、Googleは衛星テクノロジーのスタートアップ、Skybox Imagingを買収したことを確認した。われわれは先月、この買収の動きをスクープしている。ただし買収金額はわれわれが予測したよりも低かった。情報源によれば10億ドル近いということだったが、実際の買収額は5億ドルだった。

買収手続が完了すると、Skyboxの社員の役割はかなり変わる。基本的にはアクセスとエネルギー事業部に属すが、衛星画像処理に関しては地理情報事業部と緊密に連携して働くことになる。また長期的にはGoogleのインターネット・アクセス拡大プロジェクトLoonにおいてTitan Aerospaceなどと共に衛星の利用を研究する。

Skyboxは買収を確認する声明の中で、同社が開発、打ち上げた衛星がすでに情報を収集中だと述べている。

われわれは世界最小の高精細度画像衛星を開発、打ち上げている。この衛星は美しく有用な写真とビデオを日々送ってきている。…これまで以上に大きな目標に向かって進むことを助ける力のある大企業に参加することが適切なタイミングだと考えた。

SkyboxとGoogleは情報(特に高精度の位置画像情報)を共有し人々のために役立てるという共通の目標を持っている。そのためにはGoogleは自動走行車を独自に開発しているし、われわれは独自の衛星をゼロから作った。

大企業や官公庁に地図データを提供するGoogleのEarth Enterprise事業部は大規模災害の救援活動も行っている。

Earth Enterpriseのホームページによれば、このサービスはテラバイト級のピクセルおよびベクターの地理データをユーザーに提供する。ユーザーは自社サーバー内でGoogle Maps APIを利用して自由にデータを処理できる。成果物はGoogle Earthデスクトップ、モバイルアプリ、独自アプリなどを通じてユーザーのネットワーク内で安全に利用できる。

GoogleはSkyboxの今後の衛星打ち上げスケジュールについては明かしていないが、おそらくこの夏に最初の打ち上げが行われるものと見られる。そしてGoogleの壮大な野心からすると、その後に数多くの打ち上げが続くことだろう。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Dockerがついにv1.0に、サポートとドキュメンテーション完備で本格商用化へ

Dockerプラットホームを支える企業Docker, Incが今日、同社主催のカンファレンスDockercon14で、Docker 1.0のリリースと“Docker化”されたプロダクトのためのマーケットプレイスを発表した。

CEOのBen Golubによると、これらの発表は同社のこれまでの15か月にわたる集中的な開発努力の成果だ。Golubの説明によると、1.0は初めての、商用サポートとドキュメンテーションが完備したプロダクションクォリティーのバージョンである。彼曰く、これまでは多くの人たちが0.xバージョンの開発に従事してきたが、これからはコミュニティサポートではなく商用サポートがつくので、銀行などの保守的な企業でも安心してDockerを利用できる。

Docker 1.0はGoogleが開発した新しいコンテナ技術の実装系の一つで、アプリケーションを、これまでのように変更を加えたり、開発サイクルの新しいステージに入るたびに、まったく新たな再インストールや再構成を必要とせず、安全に配布できる。

これまではデベロッパと運用者(ユーザ、オペレーション側)は利害が相反していた。デベロッパは必要に応じて変更を加えたいし、運用者は安定性を欲する。しかし変更を加えたことによって、他の部分や構成要件などが変わって、オペレーションサイドを悩ませることが多かった。

“Dockerは、この面倒な問題でデベロッパを救った”、と彼は言う。“それと同時に、アドミンの苦労もなくなった。DevとOpsの両方がハッピーになった”。

彼の説明では、Docker 1.0ではデベロッパはラップトップの上でボタンを一つ押すだけであり、プロダクションや、ステージング、顧客環境の側では、すべてが従来どおりに動く。デベロッパが開発ワークフローの次のステップに移って何かを変えても、プログラムを壊したり、問題の原因究明に苦労することがない。

すなわちプログラムをDockerのコンテナに安全に収めることによって、デベロッパがその内部を変えても外側の状態は前と変わらない。

また、Docker 1.0と併せて発表されたDocker Hubは、デベロッパが“Docker化”されたアプリケーションを見つけたり発表する場だ。Docker化アプリケーションとは、Dockerを使って動かすように調整されているアプリケーション、という意味だ。このハブでデベロッパは、ほかのデベロッパとコラボレーションすることができるし、また、Dockerのメンテなたちに会うことができる。ここに寄与貢献されるものを、メンテナたちがフィルタして、特定のジョブやプラットホームに合ったものを見つけるのだ。

Golubが言うには、オープンソースで行くなら全身でその世界に浸らないとだめだ。今では社員35名(+1匹の亀さん) を450名のデベロッパのコミュニティが支え、Dockerの開発や、カンファレンスの開催に尽力している。始まってからまだわずか15か月なのに。

このコミュニティ集団こそが、DokcerプロダクトとDocker Hubのメンテナンスの中心的な力であり、彼らがあらゆるコンテンツのクォリティーをたえずチェックしている。また、彼らの寄与貢献に悪い部分があれば、市場から叱声が返ってくる。

カンファレンスについては、Golub曰く、たった二つの新製品だから、カンファレンスなんかたいしたことない、と最初は考えていた。でも日程を決めて実際に準備を初めてみると、すごい大仕事であることが分かった。“最初は、カンファレンスはいいアイデアだと思ったんだけどね”、と彼はジョークを言う。

数からいえば、大成功だった。最初は500名を予定していたが、先週金曜日には急遽100名追加し、それでも、チケットにあぶれた人が400名以上いた。

講演者はGoogle、IBM、Rackspace、Red Hatなど大物企業の人たちばかり。Wired誌は、GoogleがDockerに深くコミットしていると報じ、GooglerのEric Brewerが二日目に行ったスピーチは、Dockerの知名度と関心を大きく高めただろう。

最近同社は、シリーズBで1500万ドルを獲得した。本誌TechCrunchの記事によると、そのラウンドを仕切ったのはGreylock Partnersだ。参加した投資家はInsight Venture Partners のほかに既存の投資家Benchmark CapitalTrinity Venturesだ。なお、Yahoo!のファウンダJerry Yangも、初期に同社に投資している。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Googleの新たなイノベーション – 検索、モバイルに続く一手とは?

Googleといえば今や単なる検索サービス企業から、世界最先端技術企業のイメージを多くの人に持たれていると思います。Google Mapのような革命的な地図サービスに始まり、自動車操縦のオートメーション化、そして最近では東大発のロボット企業やドローン技術の買収でも注目を浴びています。検索サービスからスタートし、今やデジタル領域で最大手の広告プラットフォームとなったGoogleが何故、このような最新技術に興味を持っているのでしょう?その背景にあるGoogleが目指す新たなイノベーションをカリスマ的存在のデジタルマーケッターとして知られるミッチ・ジョエルが考える。 — SEO Japan

検索エンジンが、ロボット & ドローン(自動操縦機器)を開発する会社の買収に走るのは、正常だろうか?

プロのマーケッターなら、Googleのここ数年の活動に首を傾げているはずだ。検索エンジンとして地位を確立した(そして、広告プラットフォームを最適化し、3500億ドルの時価総額を持つまでに成長させた)企業が、生まれたばかりの、未来志向のテクノロジーに資金を投入することを理解するのは容易ではない。広告、そして、ソフトウェアのライセンス事業から主に収益を得ているGoogleに対して、ロボットや自動操縦機器は、どのように関わってくるのだろうか?

Googleのイノベーション 第一期

Googleは、劇的なイノベーションを2度経験している(この2つのイノベーションの間には、多くの同様のイノベーション、そして、小規模なイノベーションが行われていた)。まずは、Googleが検索を極めた、第一期を理解することが重要である。「検索」は、決まった形を持たず、インターネット上で作られた、様々な相違するデータ、コンテンツ、そして、情報を整理する能力そのものである。これには、プログラムから記事に至るまで、あらゆるアイテムが含まれ、(数年の歳月を経て)Google検索なしでは、何かを探す(思い出す)ことなど想像出来なくなるほど進化していった。当然ながら、検索には、世界の情報を整理するだけでは、莫大な収益を得られないと言う問題がある。Googleは、キーワードベースの広告を発明したわけではないが、間違いなく、このアプローチを極めたのはGoogleである。パフォーマンスベースの広告の時代を導いたGoogleは、検索エンジンマーケティングを、最も効果が高い広告の形式に数えられるほどまでに成長させたのであった。つまり、コンテンツを検索するユーザーに、検索のUXを妨げない、コンテキストをベースとした広告が表示される仕組みである。さらに、消費者が広告をクリックした(つまり、興味を示した)場合のみ、料金が発生する入札ベースを採用し、広告をブランドやメディア企業に販売するようになった。数年を経て、Googleは、オファーを従来のバナー広告の代わりに、このタイプの広告の表示を望む個人のウェブサイトにまで、販売を拡大していった。その後、Googleは、GDN(Google Display Network)を構築するべく、戦略的な買収を行っていった。2006年のYouTubeの買収もまた、Googleの第一期イノベーションにおいて、大きな意味を持っていた。その数年後、TrueViewによって、消費者が視聴している広告(そして、スキップしている広告)を学習する試みが行われ、オンライン動画で有効なCMのタイプを理解することが可能になった。数年以内に、TrueViewは、キーワードと同じように、効果的なパフォーマンスベースのCM広告へと成長する可能性を秘めている。Googleがウェブを席巻した第一期を大局的に見るなら、comScore Media Metrixによる2014年2月のデスクトップのウェブサイト Top 50ランキングをチェックすると良いだろう — 2億2200万人を超えるユニークビジターのうち、Googleのウェブサイトは、1億8700万人以上のユニークビジターを占めていたのであった。

Googleのイノベーション 第二期

2006年、Googleは、Androidと呼ばれる、当時知名度が低かったモバイル OSを買収した。当時、メディアの専門家は、この買収に当惑していた。しかし、Androidの買収は、大胆な行動ながら、モバイルの分野で大きな勢力を得る原動力となった。現在、Googleは、モバイル対応のプラットフォームでアプリを構築するだけでなく、モバイルの接続が行われる実際のプラットフォームを運営するようになっている。 消費者がデスクトップのPCとラップトップから、スマートフォンとタブレットに移るにつれ、Googleは、モバイル業界にイノベーションを与え、手中に収めるようになった。Apple、そして、爆発的な成功を収めたiPhoneiPadとの互角の戦いも忘れてはならない。それでも、Android(そして、Androidを支えるGoogleのアプリとモバイルウェブサイト)は、モバイルで一大勢力を形成している。事実、comScoreが2014年2月の米国のスマートフォン加入者シェアを調べた結果、Googleが占めるモバイルウェブの割合が明らかになった — スマートフォンメーカーとして1位に輝ているのはApple(41.3 %)だが、Androidは、スマートフォンプラットフォームにおいて、52%のシェアを獲得して、1位を獲得している。さらに衝撃的なのは、スマートフォンの閲覧およびアプリのオーディエンス全体の90%近くがGoogleのサイトで占められている点である。要するに、Googleはモバイルも制しているのだ。

Googleのイノベーション 第三期

Googleのような企業は、どのように業績を伸ばしていくのだろうか?事業の規模を拡大する機会は、減りつつある(3000万人が新たに特定のアプリを利用したところで、Googleが急激に成長するわけではない)。その答えは、現在、インターネットを利用していない人達をネットに結びつける取り組みである。珍しいことではない。デジタルの分裂は、ずっと前から議論の対象になっていたはずだ(持つものと持たざる者の間に存在する溝)。事実、Googleのエリック・シュミット会長は、ビジネス書「The New Digital Age – Reshaping the Future of People, Nations and Business」(新たなデジタルの時代 – 人、国、企業の未来の再建)(Googleの職員、ジョレッド・コーヘン氏と共同で執筆)の中でこのトピックを詳しく取り上げている。インターネットに接続していない人達が50億近く存在する。(現時点で)「スマート」もしくは「オンライン化」されていない機器は無数にある。Googleは、この規模に狙いを定めなければならない。そのため、イノベーションを無人操作機、ロボット、そして、人工知能に集中させているのだ。無人操作機(ドローン)は、この最後のネット非接続地域にインターネットを提供する力をGoogleに与える。ロボットは、機械が動き、考え、そして、人間の介入をある程度必要としない状態で、働くことが出来ると言うアイデアに基づいている。それには、機械学習機能をベースとする新しいタイプの演算コードと構造が必要になる(コンピュータをプログラミングして、別のコンピュータに対して、命令を下し、この作業を継続することで、改善され、さらに多くの命令を与えることが可能になる)。先日のドローンを開発するTitan Aerospaceの買収、あるいは、ここ数年の8社(あるいはもっと多く)のロボット開発を行う企業(あの有名なBoston Dynamicsもその一つ)に対する買収に大きな注目が集まっているものの、1月下旬にGoogleがDeepMindを買収した理由は十分にクローズアップされているとは言えない。

コンピュータを賢くする

Googleは、DeepMindの買収に5億ドル近い資金を投入したと報じられている(と言っても、割と最近、Nestの買収に30億ドル以上を投じていたため、あまり大きな金額には見えないかもしれない)。DeepMindは、買収時には、無名であったが、このロンドンを拠点に活動するテクノロジー企業は、コンピュータが、人間のように学習し、動くことが出来るように支援する人工知能を開発していたと言われている。この人工知能、ネットに接続するデバイスを増やす取り組み、そして、無人操縦機とロボットの買い取りを考慮すると、想像は膨らむ一方である。マーケッターの観点では、奇妙であり、Googleのイメージとはかけ離れているように見えるものの、視野を広げることを厭わない考えを持っているなら、Googleが、ビジネスモデルをメディアに依存するのではなく、テクノロジーと世界を結びつける取り組みに関心を寄せていることは、容易に想像がつくはずだ。企業にとっても、この点を理解することは重要である。もしかしたら、今後のマーケティングでは、単純に、投じる広告費を効率良く利用することではなく、Googleの後に続き、よりグローバルなレベルで、テクノロジーを通じて、より大勢の人達に接触する取り組みが、成功を左右する可能性がある。



筆者について:ミッチ・ジョエルは数々の受賞歴を誇るカナダ発のデジタルマーケティング/コミュニケーションエージェンシー、Twist Imageの代表です。2008年にはカナダで最もソーシャルメディア上で影響力のある人物、そして40歳以下で最も有名な40人の一人、さらに世界で最も影響力のあるオンラインマーケッター100人の一人に選ばれました。著書である「Six Pixels of Separation」(Grand Central Publishing – Hachette Book Group)は、ビジネス/マーケティング書として英語圏で大ベストセラーになっています。ミッチのブログはこちらから。


この記事は、Six Pixels of Separationに掲載された「Google’s Third Wave Of Innovation」を翻訳した内容です。

Googleの歴史と現状、今後の可能性が短く的確にまとめられた流石の内容でした。ウェブマーケティングに関わっているとGoogleに対してどうしても検索や広告等、ネットサービス企業という認識を持ってしまいがちですが、そんな低レベルの認識ではGoogle、そしてデジタルの進化には到底ついていけそうもありませんね。記事にもあるように、これまでのような検索やモバイルと違い、ネットの世界にわかりやすい広大な市場がある状況ではなくなりつつあるだけに、今後のGoogleの進む道が非常に興味深いです。私は私で、この記事を何度も読み直して小規模ながら次の一手を考えたいと思います。。。 — SEO Japan [G+]

検索がアプリで行われる傾向が増、Googleなどのシェアは低下傾向に

eMarketerの調査報告書によると、今ではスマートフォンやタブレットのアプリからいろんなものを検索する人が増えているという。そのことは、GoogleやBingやYahooなどの大手検索エンジンにとって、売上シェアの深刻な減少を意味している。

この報告書によると、Googleのモバイル広告の売上シェアは2012年から2014年までで17%も減少した。2年前にこの検索巨人は22億4000万ドルの検索市場の82.8%を保有していた。今年の合衆国のモバイル広告市場は177億3000万ドルという巨額で、そのうちのモバイル検索広告はその約半分の90億2000万ドルだったが、Googleのマーケットシェアは65.7%に落ちた(上図下表)。

ものごとを探すときに、これまでのようにデスクトップで検索エンジンを使う、という形から、スマートフォンで探す形に変わりつつあるのだ。同時にまた、検索のやり方も多様化している。Googleは何でも探せる汎用検索エンジンだが、どこが良いレストランか、今欲しいものをいくらぐらいで売ってるか、などは教えてくれない。だから旅行の情報を探すならKayakなどのアプリを使った方がよい。家を探すならTrulia、地元のお店や企業を探すならYelp、等々となる。そこで、検索エンジンからアプリへ、という移行が起きつつあるのだ。

今年初めのNielsenの消費者調査も、モバイルにおけるこの変化を確認している。今や消費者がインターネットを利用する時間はモバイル上で月平均34時間、これに対しデスクトップは27時間だ。

eMarketerの報告書によると、ローカル検索の伸びが著しい。広告収入の成長率では、Yelpが群を抜いている(上図上表)。Yelp上の地域のお店や企業にに対する検索は今年の成長率が136%、モバイル広告の売上が1億1900万ドルという予想だ。GoogleやYahoo、Bingなどの広告売上に比べると微々たる額だが、消費者の行動が明らかに変わりつつあるサインだ。2016年では、Yelpの広告売上シェアが2012年の3倍強という予想に対して、Googleの売上シェアは64.2%に落ちる(上図下表)。

この報告書では、”Other”(その他)が何なのかよくわからないが、シェアは2012年から2016年にかけて5.4%→29.7%という、たいへんな伸びだ(上図下表)。なお、Googleも、シェアは落ちても売上が減少するわけではない。過去2年間でモバイル広告は70億ドル近く増加したが、その中でGoogleのモバイル広告の売上は60億ドル近いのだ。

結論としては、さまざまなニッチアプリが、徐々に検索に取って代わりつつある、ということ。この傾向は、ものごとを調べるのにデスクトップよりもモバイル上で調べるのが多くなっている、という一般傾向に後押しされている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Project Tangoの第二の開発機はTegra K1タブレット、1024ドルでふつうの人も買える

 
 

Googleの3D奥行き感知型モバイルプロジェクトProject Tangoに、新たな開発用ハードウェアが加わった。その今日(米国時間6/5)デビューしたタブレットの開発キットは、NVIDIA Tegra K1プロセッサと4GBのRAM、128GBのストレージ、1080pのディスプレイ、定番のAndroid 4.4、WiFi、Bluetooth LE、4G LTE、そして二つのカメラと、奥行き感知というマジックを演ずるための背面奥行きセンサを搭載する。

このタブレットはこれまで噂にすぎなかったが、今度は6月下旬に1024ドルで発売される。デベロッパが登録しておくと、リリース直後に通知をくれる。Googleは“限られた量しか”作らないと言っているから、一般消費者向けの発売ではない。しかし登録するときに自分がデベロッパか否かをチェックボックスで指定するだけなので、誰でも買えるのだろうが、申し込みがその“一定量”を超えそうなときはデベロッパを優先するのかもしれない。

EngadgetがこのProject Tangoタブレットの詳細を報じており、初期的なソフトウェア体験にも一部触れている。3月に出たProject Tango開発機、スマートフォンキットは、わずか200台がデベロッパの手に渡っただけだ。しかし今度のタブレットは、もっと多くの人にテストしてもらうのが目的だろう。とくにゲームまわりがおもしろいと思うのだが、Engadgetはゲーム業界の大手UnityやEpicの名を挙げて、彼らはすでにTangoの仕事を始めている、と言っている。

Tangoをまだよく知らない読者は、この、GoogleのAdvanced Technology and Research部門による野心的なプロジェクトに関する、一連の本誌記事をお読みいただきたい。視界処理用のチップはMovidiusというスタートアップの特殊なチップを使用、これまでのモバイルになかった全く新しいユーザ体験の扉を開くものだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


ワールドカップの12のスタジアムすべてをGoogleのストリートビューで見られる

ブラジルで行われる2014年サッカーフットボールワールドカップの最初のゲームは、1週間後にキックオフとなる。そして、それがまるで大きなスポーツイベントの伝統に徐々になりつつあるかのように、Googleは今日(米国時間6/4)、12のワールドカップスタジアムすべてのストリートビューを公開した

スタジアムだけでなくその周辺や、ブラジル国内のそのほかの場所も撮っている。たとえばイグアス国立公園や世界遺産St. Michael of the Missionsなどだ。

Googleによると、今回のアップデートでストリートビューには“ブラジルの数百もの名所の画像”が加わり、さらにペルー、チリ、コロンビア、メキシコなどそのほかの中南米諸国の新たな画像も加わった。

Googleはこれまで何年もかけてストリートビューに新しい画像を次々と加えており、その中にはスタジアムの画像も多い。

今回同社は、これらスタジアムと周辺街路の画像によって、“2014年の大会のデジタルの遺産を後世に遺したい”、とかっこいいことを言っている。でもこれからの数週間でGoogleが撮った数の何千倍もの写真やビデオが、これらの会場で撮られるのだから、Googleが遺産を名乗るのは僭称かもしれない。しかしテレビでしかゲームを見れない人にとっては、ストリートビューの画像がある程度の、でかい現場感を与えるだろう。そして2年後には今度はGoogleはブラジルのオリンピック会場に必ず戻ってきて画像を撮るだろうが、われわれはVRヘルメットをかぶってその“ストリート”を仮想体験できるだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Googleのメール暗号化プラグインのコード中にNSAをおちょくるイースターエッグが

Googleは最近、Chromeブラウザのプラグインでメールの暗号化を推進すると発表して話題になった。本誌はGoogleが取り組むその課題の難しさを指摘し、また、価値ある仕事だ、とも述べた。

しかしGoogleは、そのコードの中に小さなイースターエッグを忍ばせた。そいつが、とってもおかしい。それは、こんなジョークだ(Zen Albatrossさん、ネタをどうもありがとう):

上の図中の”SSL added and removed here”(SSLがここで加えられ取り去られた)は、合衆国の外でGoogleとYahooとのあいだで渡されるデータを盗み見するNSAの計画への、当てこすりだ。下図は、この件に関するNSAのスライドだ。

完全に同じ文があることが、おわかりかな?

Googleがメールを暗号化するコードにこのテキストを入れたのは、NSAに対する一種の皮肉で、そのときNSAはSSLという広く使われている暗号化方式をかいくぐろうとしていたのだ。そこでGoogleは、メールのユーザのためにメッセージのセキュリティを強化するこの新しいツールの中で、わざとNSA自身の言葉を使ったのだ。

画像: FLICKR/KENNETH LU; CC BY-SA 2.0のライセンスによる(画像はトリミングした)

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Googleの自動運転自動車にバグがあったら…

先週、Googleは自動運転自動車のプロトタイプを発表した。車のデザインもゼロから行い、小さな昆虫のようにも、タイヤのついたグミキャンディーのようにも見えるものとなった(正面は明らかに顔を意識しているように思える)。センサーをまとったテクノロジーが車を運転するという空想科学小説風の未来を垣間見せてくれるものだ。このプロトタイプに熱狂する人もいるが、一部には懐疑的に受け取る人もいるようだ。

その懐疑派の代表として、コナン・オブライエン(Conan O’Brien)の名を挙げることができるかもしれない。Googleの自動運転車自動車について、かなり皮肉な紹介をしているのだ。

紹介に用いたビデオは、もともとGoogleの用意したものだ。一般の人を招いて、自動運転自動車の乗り心地を試してもらおうとするものだ。このビデオにオブラインたちは編集を加えて、「自動運転自動車にバグがあったら」という内容のビデオを制作したのだ。

注意:ビデオの制作にあたって、動物虐待などの行為は行われていません(訳注:但し不用意に閲覧すると不快に感じることもあるかと思います)。

Googleは現在、自動運転自動車の実現に向けてさまざまなプロトタイプを製作しているところだ。世界中で、法的な認知を受けることを目的としている。

Google自動運転自動車の最高速度は25マイル毎時(時速40km程度)で、車の前部には衝突に備えてフォーム素材を試用しており、フロントグラスもガラスでなくプラスチックを使用している。安全を再優先に、あるいは少なくとも安全の最優先を目的として設計されているのだ。しかし人の車に対する支配権を機械に渡してしまうことについては不安の声もあることは、当然のことだと思う。

さらに。ハンドルのないクルマを運転するときに、いったい何をすれば良いのかと悩む人も多いはずだ。

オブライエン版の紹介ビデオを下に掲載しておこう。

日本語版追記:Googleによるオリジナル版の紹介ビデオも併せてみた方が面白いと思う。

原文へ

(翻訳:Maeda, H


Google、簡単に使えるメール暗号化用Chromeプラグインの開発を準備中

Googleが本日アナウンスしたところによれば、ウェブベースのメールサービスで利用できる、簡単なエンドツーエンドな暗号化プラグインのリリースに向けて準備中であるようだ。暗号化技術としては、標準のOpenPGPを用いるとのこと。

Googleの狙いは、テック系以外の人も簡単にメールの暗号化を行えるようにしようとすることだ。現在もMailvelopeなどの拡張機能もあるが、Gmailや一般的なメールサービスを使いながら、メールの暗号化を行うのはなかなかとっつきにくいものとなっている。使い勝手の悪さやわかりにくさのせいもあって、現在のところはメールの暗号化を行っている人はあまりいないという状況だ。

ちなみに、Googleはプロジェクトが進行中である旨をアナウンスはしたが、プラグインのリリースはまだ行っていない。ソースコードを公開してテストを行い、広く意見を求めているところだ。OpenSLLライブラリではHeartbleedバグもあったことであり、より慎重な姿勢をとっているということなのだろう。「不完全な状態で世に出せば、さまざまな亜種が生まれてしまうことにもつながります」ということも懸念しているようだ。これもまた正しいスタンスだろう。

このプラグインはVulnerability Reward Programに属する。したがって、問題点を発見した人には報奨金が支払われることになる。

アナウンスによると「ウェブベースのメール」を使っている人は「誰でも」利用できるようになるとのこと。すなわちGmailだけでなく、他のメールサービスでも利用できるようになるということだ。メールというのは送信人がいれば受取人もいるわけで、Gmail以外でも利用できるようにするというのは、当然の選択肢だろう。

プラグインがどのようなものになり、どの程度簡単に利用できるようになるのかについてはまだわからない(まだ多くのテストを経てさまざまな改良がなされることになるのだろう)。利用する公開鍵方式の暗号化技術を使うには、なかなか複雑な手順が必要となるのがこれまでの常だった。これを広く一般の人にも使ってもらえるシステムにしようというのが、なかなか難しいものであることは否めない。

ちなみに、暗号化用拡張機能の話のみでなく、Googleは「送信中メールの暗号化」と題した「透明性レポート」も公開した。送信者受信者間でメールが流れていく際に、どの程度の暗号化が行われているのかということを検討したものだ。現在のところはGmailから送信する場合は65%ほどが暗号化されるようになっているとのこと。他サービスからの受信メールについてみると割合は低下し、暗号化率は50%ほどになるとのことだ。ドメイン毎の暗号化率などについても「送信中メールの暗号化」のページで確認することができる。

原文へ

(翻訳:Maeda, H


Google Chromeのデベロッパー版に64ビット版登場―安定性、セキュリティー、パフォーマンスの改善へ

現代の主要OSはすべてネーティブに64ビットCPUをサポートしているし、多くのアプリにも64ビット版がある。しかし全般的にみてブラウザはこの動きに遅れているFirefoxの非公式版には64ビット版が存在するが)。

しかし今日(米国時間6/3)、Googleは実験的なDeveloper版とCanary版でChromeのWindows向け64ビット版をリリースした。おそらく今年中に一般向け安定版にも64ビット版が登場するものと思われる。Macの64ビット版についてのGoogleの対応は現在のところ不明だ。

これまで長いこと「ブラウザを64ビット化してもさしたるメリットはない」という主張が優勢だった。しかし今日のリリースでGoogleがそうは考えていないことが明確になった。GoogleのWill Harrisはリリースにともなうコメントで「64ビット版には、速度の改善など数多くのメリットがある」と述べている。

64化によって最新のプロセッサ、コンパイラの最適化、命令セット、呼び出し方法が利用できるようになる。また関数のパラメータのレジスタへの受け渡しも高速化される。これにより、特にグラフィックス、マルチメディアの処理ではパフォーマンスが平均で25%も改善された。

またGoogleによれば64ビット版のChromeは32ビット版に比べてはるかにクラッシュしにくい。特にレンダリング・プロセスのクラッシュ率は半減したという。

セキュリティーも重要な改善点だ。64ビットアプリはWindows 8で採用されたHigh Entropy ASLRのようにプログラム中の重要なデータをメモリのあちこちにランダムに保持し、ハッカーが容易にアクセスすることができないようにすることによって侵入を防止する手法を利用できるという。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


ペンギンアップデート3.0事前対策マニュアル

パンダアップデート4.0が実施され、次はパンダアップデート3.0か?!と恐怖に慄いているSEO業者(汗)の方も多いことでしょう。徹底したコンテンツマーケティングを活用したSEOで歴代のアップデートを切り抜けてきた米国のカリスマウェブマーケッター、ニール・パテルがペンギンアップデート3.0を予測し、その事前対策を考えた記事を。日本の有料リンクSEOを崩壊させたペンギンアップデートですが、Googleがリンクを評価要素として重要視しているのは変わらない現在、あくまで一つの考察ながら意図せぬ順位下落を避けるためにも読んでみる価値はありそうです。 — SEO Japan

penguin 3

Googleによると、ペンギン 2.0は、英語の米国のクエリの2.3%のみに影響を与えたようだ。「2.3%のみ」と言う表現を用いたが、今までのアルゴリズムの導入の中では、3番目に規模が大きいアップデートであった。影響を受けたのはクエリだけではなく、ペンギン 2.0の登場は、多くのサイトのウェブトラフィックにインパクトをもたらしたのであった。中には、トラフィックが90%減少したと報告したウェブマスターもいた。平たく言えば、ビジネスは破壊され、収益を得ることは出来なくなったと言うことだ。

現在、大規模なアップデートが再び投入されようとしている — ペンギン 3.0だ。

ただし、心配する必要はない。今回は、ペンギンの現状に関するニュースを提供し、ペンギンに備える方法を伝授していく。

ペンギンの番号

ペンギンに関する話をしようとすると、混乱を招いてしまうことがある。何匹ペンギンがいるのだろうか、そして、新しいペンギンの番号は何番になるのだろうか?

GoogleとSEO業者の番号を付ける方式が異なるため、混乱を招く一因となっている。ダニー・サリバン氏、そして、同氏率いるSearch Engine Landは、整数を使ってペンギンアップデートに番号を与えている。ペンギン 1、ペンギン 2、ペンギン 3、そして、ペンギン 4と名づけている。

一方、Googleのスパム対策を統括するマット・カッツ氏は、アップデートの規模の大小を表すために、少数を用いている。

どの方式を好むにせよ、ペンギンのアップデートが4回行われていることに変わりはない。そのうちの2つは大きく、残りの2つは規模が小さかった。一方、出番を待つ、5番目となるペンギンアップデートは、大きなアップデートになると言われている

それでは、Googleが用いる、より大勢の人達に受け入られている番号付けの方式を用いて、ペンギンアップデートの歴史を駆け足で振り返っていこう。

ペンギン 1、オリジナルのペンギン — 2012年4月24日

このアルゴリズムの変更は、Google史上最大のアップデートであり、平等な環境を作るために導入された。ペンギン 1は、過剰最適化のサイトを葬る使命を帯びていた。

ペンギン 1.1 — 2012年5月25日

オリジナルのペンギンを初めて更新した1.1は、ほとんど波風を立てなかった。

ペンギン 1.2 — 2012年10月5日

2012年の秋に行われたペンギンのアップデートでは、品質の高いサイトに見返りを与えるための改善が行われた。ペンギン 1.2では、英語のクエリの0.3%が影響を受けた。

ペンギン 2.0 — 2013年5月22日

ペンギン 2.0は、大規模なアップデートであった。多くのクエリ、そして、多くのサイトが影響を受けていた。ペンギン 2.0は、質の低い被リンク、そして、何よりも過剰に最適化されたアンカーテキストを嗅ぎ分ける能力をアップさせた。

ペンギン 2.1 — 2013年10月4日

このアップデートに関しては、それほど重要ではないと指摘するウェブマスターもいる。しかし、2.0が投入された際に、恐らく、身を潜めていたであろう一部のサイトは、ついに見つかってしまった

そして、今、再び、ペンギンが投入されようとしている。ペンギン 3.0になるのだろうか?3.0なら何が起こるのだろうか?

ペンギンの意図

あらゆるアルゴリズムのアップデートは、より関連する検索結果を返し、スパムに対抗することを最終的な目標に掲げている。

ペンギン 2.0も例外ではない。Googleは、ペンギンと言う呼び名が定着するまでは、「ウェブスパムアップデート」と呼んでいた。つまり、ペンギンはウェブスパムを狙っているのだ。しかし、実際に何に照準を当てているのだろうか?

  • スパムな被リンク — ペンギン 2.0の最大のターゲットは、有毒、つまり、スパムな被リンクであった。品質の低いサイトからのあらゆる被リンクがターゲットになった。
  • 完全一致のアンカーテキスト — ページの名前と同じアンカーテキストもターゲットになった。例えば、example.com/cheap-cell-phonesに向かうアンカーテキスト「cheap cell phones」は、ペンギン 2.0の登場により、格下げの対象となった。
  • 最適化されたアンカーテキスト — 同様に、キーワード、とりわけ競争の激しいロングテール、ショート、または、ヘッドタームを持つアンカーテキストは、ペンギン 2.0の攻撃を受けていた。「top cell phones」や「best smartphone」等のショートアンカーは、過剰最適化と見なされた。
  • 有料リンク — ペンギン 1.0と同じように、Googleは、ペンギン 2.0を用いて、有料リンクへの包囲網を狭めようとした。明らかに金銭のやり取りが行われていると見られるリンクは、- 一部の目立たないリンクも含め – ペナルティーを課された。
  • 関係のないリンク — 大半のオーソリティの高いサイトからのリンクは、リンクプロフィールを強化する傾向があるものの、Googleは、被リンクのトピックの関連性を的確に判断するようになった。会計ソフトウェアに関するウェブサイトが、ペットフードサイトからのリンクを受けると、ペンギンの出動を促す可能性がある。

ペンギン 3.0のターゲット

次のメジャーなペンギンアップデートの導入は、ペンギン 2.0のターゲットをより厳しく処罰する可能性が高い。以下に、ペンギン 3.0が焦点を絞ると私が推測するターゲットを挙げていく:

  • 最適化されたアンカーテキスト — ご存知のように、完全一致とキーワードが豊富に詰まったアンカーテキストの時代は幕を閉じようとしている。ペンギン 3.0の支配下では、さらにこの手法に対する警戒レベルが上がる。アンカーテキストの最適化には手を出さない方が良い。勘の良いSEOのエキスパートは、最終的に、アンカーが検索に与える影響は制限されると以前から推測している。共引用と共起へ向かうトレンド、そして、よりソーシャルなウェブの台頭により、単純に被リンクは、今までの影響力を維持することが出来なくなる。この流れについていく上でも、アンカーの最適化は意味がないどころから、明らかに危険である。
  • 品質の低い被リンク — 質の低いサイトからのリンクは、出来れば避けておきたい。正当なサイトに、怪しげなサイトからリンクが送られると、まっとうなサイトが怪しく見えてしまう。サイトに対するリンクを管理する立場にあるなら、オーソリティレベルが同等、または、高いサイトからリンクが寄せられていることを裏づけるべきだ。
  • ゲストブログネットワークからのリンク — Googleは、PostJointやMyBlogGues等のアーティクルネットワークに対する統制を強めている。マット・カッツ氏が、ゲスト投稿ネットワークを仕留めると言ったのは、冗談ではない。Googleは、既に行動を起こしており、今後も統制を強めていくだろう。そして、ペンギン 3.0では、アルゴリズム自体に指令がインプットされるのではないだろうか。

危険かどうかを把握する方法

ペンギン 2.0は、全てのサイトに影響を及ぼしたわけではなく、この点に関しては、ペンギン 3.0も同じはずである。安全を期するには、コンテンツとリンクプロフィールを常に評価するべきである。ペンギン 3.0に襲われるかどうかを特定するために、まずは、ペンギン 2.0の影響を受けたかどうかを把握してもらいたい。

そのためには、Panguinを利用すると良いだろう。

このサイトは、分析データを用いて、アルゴリズムのアップデートと共にタイムラインに掲載する。サイトが、アップデートと同時期にトラフィックを落としているなら、当該のアップデートの影響を受けたと考えられる。また、ペンギン 2.0の影響を受けたものの、何も対策を講じていないなら、ペンギン 3.0の影響を受ける確率は高いと言えるだろう。

このツールにサイトを接続すると、下の画像のグラフと同じようなグラフが表示されるはずである:

tool penalty

右側のアルゴリズムのアップデートを使って、ペンギンアップデートのみを表示しよう。次のサイトは、5月22日のペンギン 2.0、そして、10月のペンギン 2.1の影響を受けているようには見えない。

tool penalty

サイトが、以前のペンギンアップデートの影響を受けたことがあるなら、ペンギン 3.0に狙われる恐れがある。今のうちに対策を講じておいてもらいたい。

対策

ペンギンのターゲット、そして、サイトの危険度を理解したら、実際に行動を起こしてもらいたい。

リンクプロフィールの評価を行うと良いだろう。ペンギン 3.0が導入され、ペナルティーを受けたら、徹底した評価を嫌でも行わなければならなくなる。手動ペナルティーの結果は、延々と続く。したがって、ペナルティーの長期的な影響に苦しむよりも、積極的に行動を起こし、今のうちにリンクプロフィールを評価しておくことを薦める。

それでは、評価を重点的に行うべき分野を簡単に説明してく。

ゲスト投稿ネットワークからのリンクを全て削除する

ゲスト投稿ネットワークを過去に利用したことがあるのなら、出来るだけ早くリンクを削除するべきである。ゲスト投稿ネットワークのアカウント、または、自分で取っておいた記録を用いて、どのサイトからリンクを得たのか特定しよう。

このリンクに対する権限を持っているなら、今すぐに削除してもらいたい。権限を持っていないなら、サイトのオーナーやウェブマスターに連絡を取り、代わりに削除してもらおう。

スパムサイトからのリンクを全て削除する

思っている以上に多くのスパムサイトからリンクが送られてきているかもしれない。簡単な検査を行うだけで、認識していなかった、多数の質の低いサイト、リンクディレクトリ、トピックが異なるサイトが見つかる。このようなサイトからのリンクは、なるべく早く削除するべきである。今後のアルゴリズムのアップデートにおいて、重大なペナルティーの対象になるためだ、

ここでは、厳しい態度で臨んでもらいたい。正当な可能性があるサイトを救うことが目的ではない。スパムの可能性があるサイトを全て削除する必要がある。多くのリンクを削除して失敗する方が、劣悪なリンクを残して失敗するよりも、まだ救われる。優れたリンクはいつでも加えることが出来る。手動のペナルティーを受けてしまうと、被リンクを削除するプロセスで手を緩めたことを、後悔するはずである。

完全一致のアンカーテキストのリンクを全て削除する

続いて、完全一致のアンカーを削除する。URLのアンカーを多数抱えているのではないだろうか。このタイプのリンクは完全一致とはカウントされない。完全一致は、ページのURLではないタイトルが、アンカーテキストと一致する際に発生する。 先程触れた例「example.com/cheap-cell-phonesに向かうcheap cell phones」は、削除するべきリンクの典型的な例である。

最適化したアンカーリンクを全て削除する

次に最適化したアンカーを削除、または、無効化していってもらいたい。過剰に最適化されているアンカーを用いているなら、削除しよう。削除するプロセスを躊躇したくなる気持ちは分かる — 価値を加えている可能性があるリンクを削除しなければならないのだ。しかし、この作業は、Googleに対して、健全なリンクプロフィールを持っている点をアピールする上で、欠かせない取り組みである。

ゲスト投稿リンクをnofollowにする

とりわけ、検索結果を操作するために、ゲスト投稿を介して多くのリンクを構築してきたなら、過去を振り返り、ゲスト投稿した全てのサイトを再び訪れるべきである。当該のサイトに自分のサイトへ向かうリンクをnofollowにしてもらうよう要請しよう。ゲスト投稿した記事でキーワードを詰め込んだアンカーテキストを使っていないことを願う。なぜなら、ペンギン 3.0に襲われる確率が高くなるからだ。

幸いにもアカウントを持っているなら、ログインして、自分でリンクにnofollowを加えることが可能だ。

結論

ペンギン 3.0を回避するための行動は、その他のペナルティーを回避する行動とほとんど変わらない。ただし、ペンギンアップデートの過去のターゲットに関して、守備を固めるために対策を多少調整する必要がある。

危険だとは思っていなくても、上述した作業を行うことで、リンクプロフィールを改善する効果が見込める。ウェブサイトを整理する取り組みが害を及ぼすことはない。無害であり、むしろ、有益である。

ペンギン 3.0に関する考えを聞かせてもらいたい。そもそも、ペンギン 3.0は、本当にやって来るのだろうか?


この記事は、Quicksproutに掲載された「How to Avoid Getting Slaughtered by Penguin 3.0」を翻訳した内容です。

えーと、結論からいうと、SEOのリンク対策は一切やるな!、というお話でした。終了 m(_ _)m

というわけでもないでしょうが、ペンギンアップデートの大打撃に限らず定期的なアルゴリズム調整で発動するペナルティを受ける可能性は常にあるリスクを下げたければ、ここに書かれていることはどれもリスク要素ではありますし、「全て削除」とはいわずとも、過度なリンク対策は控えておいた方が良さそうであるのは間違いありませんね。 — SEO Japan [G+]

ヨーロッパ人の検索結果削除リクエストのためにGoogleが入力フォームページを立ちあげ

EUに住んで、自分に関する古い不適切な情報を検索結果から消してもらいたい、とあなたなら思う? Googleはこのほど、ヨーロッパに住んでいて、自分に関する、自分に削除する権利があると思える情報をGoogleがインデクスした、と信ずる者からの削除リクエストを受け付ける仕組みを実装した。

今朝(米国時間5/30)からあるその、ユーザがデータの削除をリクエストするための入力フォームページは、今月初めにヨーロッパ司法裁判所が下した、Googleは“忘れられる権利”を尊重すべし、という裁定に従うものだ。裁定は、個人からのリクエストに応じてGoogleは、個人データの処理に関するEUのプライバシー指針に違反している“不適切で”古い情報を削除すべし、と言っている。

この裁定は、自分の名前と資産喪失に関する検索結果を検索エンジンから削除したいという、あるスペイン人の訴えが契機となって下(くだ)された。

今月初めには、司法裁判所の裁定に続いて、Googleには検索コンテンツの削除リクエストがいくつか寄せられていることが明らかになった。ただしそこに挙げられていた例は、古典的な三大醜聞ネタともいうべき、再選を目指す元政治家がオフィスにおけるお行儀の悪い行為を報じた記事のリンクの削除を求める; 医師が患者からのネガティブなリビューの消去を求める; 有罪となった児童性愛者が児童虐待写真を保有していたとする判決文の取り下げを求める、といったものだった。

それらは、司法裁判所の裁定の社会的評価を下げるために、Googleが意図的に放ったリークか、とも思われた。

たしかにその裁定は、議論を招(よ)んでいる。とりわけ、Open Rights GroupやWikipediaのJimmy Walesなど、言論と表現の自由を主張する人びとからの反論が多かった。

Walesはそれを、“滑稽”で“異様”と形容し、これでは今後ほとんどの新聞記事が検索にかからなくなる、と指摘した。あるいは、ヨーロッパでは、名もないマイナーな検索エンジンだけが、Googleなどの大手検索エンジンで見つからない情報を表示するかもしれない。裁定に対する批判が示唆しているものは、ヨーロッパではとっくに姿を消したと思われている、検閲という名の悪霊の復活だ。

議論のもう一方の側には、個人のプライバシー権利が座っている。こちらはこのところ、ネットビジネスの繁盛のために大量のユーザデータを収集し利用する企業から、足蹴にされる機会が多くなっている。

昨今の高度に発達した情報技術とそのツールは、データを自動的かつ機械的にふるいにかけるだけなので、人間だけから成る社会では自然に過去という名の背景に溶け込み、消え去ってしまうような情報、たとえば昔々の新聞記事なども、必要以上の長期にわたって公共の目にさらされてしまう。‘忘れられる権利’というおかしな言葉が生まれたのも、このような状況からだ。

裁判所は今のところ、後者の側についている。しかも裁定には即時の強制力があるので、この裁定を根拠に今後為されるリクエストに対応する処理を、Googleは迅速に実装しなければならない。

Googleによると、同社はすでにそういうリクエストを“数千件”受け取っているそうだから、ヨーロッパ人のあいだにGoogleの検索履歴を自分でエディットしたい、という願望があることも事実だ。

裁定に対するGoogleのコンプライアンスは、EUのユーザがEuropean Data Protection Lawに基づいて削除する権利が自分にあると思われる情報を詳細に指定するための、フォームページとして実装されている。

そのフォームには、リクエストの適法性はGoogleが判断する、と書かれている:

この決定の実装においては、弊社が個々のリクエストを評価し、個人のプライバシー権利と、情報の接受と配布にかかわる公共の権利の均衡に努めるものとする。リクエストの評価において弊社は、情報の時代的な古さと、情報に対する公共的関心の有無を独自に判断する。この検討の対象となる情報は、たとえば、金融詐欺、専門的職業人が犯した過失、犯罪に対する有罪判決、公務員の不正な公的行為、などである。

Googleは、上の‘公共的関心の有無’という言葉にも見られるように、裁定に逆らう面も見せている。すなわち、詐欺や過失、公務員の不正行為の記事などは、古い情報であっても、必要があれば見られるという状態の方が適切である、とGoogleは主張しているのだ。

しかしこのような評価はとても難しいから、今後情報取り去りリクエストが増えれば、Googleにとって、手に負えない作業になる可能性もある。おそらく、処理の一部は自動化せざるをえない、と思われる。

なお、情報の削除をリクエストする者は、運転免許証や国民番号証などによって本人性を証明する必要がある。

また、本人の本人性を公的に代理する機関、たとえば本人との正式の契約のある弁護士事務所などが、検索結果からの情報の取り去りをリクエストすることもできる。顧客の某氏のために検索履歴を仔細に調べて、複数の、必要十分な数だけの、削除リクエストをGoogleに提出することが、法律事務所などの手頃な副収入源になってしまうかもしれない。

Googleは本誌TechCrunch宛のメールで、同社はヨーロッパ各国のデータ保護当局と密接に協働していくことのほかに、専門家集団によるGoogle独自の諮問委員会を立ちあげて、評価判断過程の適正化を図る、と言っている。おぉ、これまた、プライバシー専門の弁護士たちの、格好の副収入源になるね。

この件について、Googleは次のように述べている:

“ヨーロッパの裁判所の最近の裁定に従うために弊社は、弊社の検索エンジンからの結果の削除をリクエストするヨーロッパ人のためのフォームページを提供する。裁判所の裁定によりGoogleは、個人の忘れられる権利と公共の知る権利に関して、難しい判断をしなければならない。弊社は専門家による諮問委員会を作って、これらの問題を綿密に検討していきたい。またこの裁定の実装にあたっては、各国のデータ保護当局等とも協働していく”。

アップデート: Googleは、諮問委員会の当面のメンバーの氏名を公表した:

  • Frank La Rue (意見と発言の自由に対する権利の普及と保護に関わる国連特別報告人)
  • Peggy Valcke (University of Leuvenロースクール理事)
  • Jose Luis Piñar (元スペインのDPA, 現在は教授職)
  • Jimmy Wales (Wikipedia)
  • Luciano Floridi (Oxford Internet Instituteで情報倫理哲学を担当)

このメンバーは全員、Googleが選出した人たちなので、かなり‘Google好み’であるかもしれない。

Twitter上には、こんな皮肉っぽい批判も:

[このメンバーは一見多彩だけど、裁判所が言ってる‘均衡’にはあまり配慮してないようね。]

アップデート2: ヨーロッパ司法裁判所の裁定に対するGoogleの今回のコンプライアンスは、データ保護法自体は1995年からあることを考えると遅すぎる、とECの部長Viviane Redingがコメントしている:

“Googleがやっとヨーロッパの法律を尊重するために必要な措置をとったことは、良い展開である。ヨーロッパのデータ保護法は1995年から存在しているから、やっとという形容がふさわしい。Googleにそれをわからせるために、ヨーロッパ司法裁判所の出番が必要だった。忘れられる権利と自由な情報の権利は敵同士ではなく友だちである”。

“この動きは、それまでの実践不可能というおそれが、根拠のないものであったことを示している”。

データの保護は未来のビジネスモデルである。

— Viviane Reding

[pullquote author="Viviane Reding"]Data protection is the business model of the future.[/pullquote]

“法律は、表現の自由とデータの保護とのあいだで正しい均衡を図るためにある”。

“どちらかを優先して他方を犠牲にするのではなく、両方を立てるための正しい均衡が重要である。ヨーロッパ司法裁判所は、二つの権利が矛盾・衝突しないことを明らかにし、その均衡の見つけ方と、忘れられる権利の限界が那辺にあるかを、明確に指示した。また裁判所は、ジャーナリストの仕事はそのまま保護すべきであることも、明らかにした”。

“真のデータ保護を社会に提供していくことに、今後のスタートアップの強力で革新的なビジネス機会がある。法律による保護や、データに関して消費者の力を強くしていくことに、安定的な売上と利益の機会がある。データの保護は未来のビジネスモデルである。この機会をつかもうとする企業の前には、広大なビジネスの未来が開けている”。

[Image by Nana B Agyei; Flickr]

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Googleは機械学習とニューラルネットワークを利用してデータセンターのパフォーマンスを最適化している

Googleは、機械学習(machine learning)によって、データセンターのパフォーマンスを最大化し、エネルギー消費を最小化している。同社はこのほど、その取り組みをまとめた研究報告書を公表した。その要点は: Googleが構築している高度にインテリジェントなサーバファームは、自分の過去のパフォーマンスから学び、未来の自己を改良する。

GoogleのAI化データセンターは、社員Jim Gaoの20%プロジェクトだ。彼は自分本来の仕事をしているときに、こいつはおもしろい!と目をつけたのだ。Googleには、拘束時間の20%は自分の好きなことをしてよい、という有名な勤務ルールがある。考えることと学習することのできるデータセンターは、たまたまGaoの、やってみたいことになったのだ。

Gaoは機械学習を勉強し、モデルの構築を開始した。そのために必要なデータとしては、Googleがデータセンターから毎日のように収集している膨大な量のパフォーマンスデータがすでにあり、そこには時間別・機器装置別・気温など気象条件別などに分類されているエネルギー消費に関するデータもあった。Gaoのコンピュータはそれらのデータをすべて分析して、さまざまな条件や要素とエネルギー消費量との相関関係をあぶりだした。そしてそれをもとに彼は、データセンターにおけるコンピューティングの効率を最大化するエネルギー(とくに電力)利用の方式を導き出した。報告書のその部分は、Power Usage Effectiveness(電力利用の実効性)というタイトルでまとめられている。

彼が作成したモデルは、以前Googleで実際にあったような、サーババンク全体を停止しなければならないほどの緊急事態でも、実は、冷房の設定温度など、ほかのパラメータを一時的に調整するだけで切り抜けられることを示している。その方が、高い出力レベルを維持しつつ、時間とエネルギーと経費を節約できるのだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))