MicrosoftのマイクロサービスプラットホームAzure Service Fabricが一般公開へ

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Microsoftが今日(米国時間3/31)、Azure Service Fabricから“プレビュー”のラベルを外した。それは、ステートフルとステートレスの両方のDockerベースのマイクロサービスを、クラウドとオンプレミスで動かすサービスだ。

Service Fabricは、Microsoft自身もAzureの中核的インフラストラクチャの多くを駆動するために使っており、一般のデベロッパーはこれをMicrosoftの次世代PaaS技術の上で利用することにより、高度にスケーラブルなサービスを構築できる。

このサービスの基本的な考え方は、デベロッパーをアプリケーションのコードに集中させ、オーケストレーションやスケーリングはすべてMicrosoftが面倒見る、というものだ。デベロッパーはService Fabricを使って、自分のコードをパッケージし、デプロイするが、その際、それらを支えるサーバーのアーキテクチャをまったく気にする必要がない。今日のキーノートでMicrosoftは、リアルタイムマルチプレーヤーゲームのAge of Ascentのデベロッパーたちが、Service Fabricを利用してそのマイクロサービスを、必要に応じてスケールアップ/ダウンできるところを見せた。

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そのService Fabricが今日から一般公開されるので、MicrosoftはそれをLinuxとWindowsの両方のサーバーでサポートする、と約束どおりの発表をした。どちらの実装も今はまだプレビューだが、それによりデベロッパーはツールをハイブリッドなデプロイ環境でも利用でき、AWSなどほかのクラウド上のランタイムも使えるようになる。

さらにMicrosoftは、Service FabricのプログラミングフレームワークをLinux上でオープンソースにする。

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MicrosoftはAzure Service Fabricを、この前のBuildデベロッパーカンファレンスで初めて発表した。ということは、それをSkypeやCortanaなどで、すでに内部的には使っているにもかかわらず、一般供用までには相当の時間をかけたことになる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

MicrosoftのNoSQLデータベースDocumentDBがMongoDB完全互換になる

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MongoDBができる人、今日はあなたの吉日だ。MicrosoftのNoSQLドキュメントデータベースDocumentDBが、これからはMongoDBのドライバーをサポートする。今あなたが使っているMongoDBのツールやライブラリをDocumentDBで使って、Microsoftのクラウドを利用できるのだ。

あるいは、DocumentDBのインフラストラクチャからMongoDBと互換性のあるデータベースサービスを提供する、といったハイブリッドなこともできる。今日(米国時間3/31)から、そのプレビューが提供される。

皮肉にもMicrosoftは、MongoDBのサポートの使い方をデモするスライドの中で、Parseを使っている。Parseをベースとするアプリは、MongoDBの命令を使ってDocumentDBとコミュニケートできる。しかし、Facebookは近くParseを閉鎖する。でもご安心を! ParseのサーバーをAzureへ移行できるから、デモでParseを使っているのは意外と正解かもしれない。

DocumentDBはJSONベースのNoSQLドキュメントデータベースへの、Microsoft独自の取り組みだ。顧客はパフォーマンスのレベルを選択でき、あるいは一部のコレクションに対してのみ高いパフォーマンスレベルを割り当てて、そのほかを低くしておくこともできる。

また今日からは、DocumentDBで複数のリージョンのデータをレプリケートできる。前から、世界中の複数のデータセンターにまたがってDocumentDBを利用できるけれども、今日からはそんな展開でも応答性に優れたデータベースを構築できることになる。

DocumentDBの料金体系も変わる。今日のMicrosoft Buildの会場で詳しい説明はなかったが、とにかく今後はDocumentDBがお安くなり、大規模な展開も楽にできるようだ。期待しよう。

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さよならWindows Phone―Build 2016でMicrosoftは自社スマートフォンを無視

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MicrosoftのBuild 2016に出席してすべてのキーノート講演を聞いた。そこで非常に大きな話題が抜けているのに気づいた。Windows Phoneはほとんど無視されていた。実際、Microsoftの登壇者はあらゆるセッションでこの話題を意識して避けているように思えた。どうやらモバイル分野ではMicrosoftはリングにタオルを投げ込むつもりのようだ。

AndroidでもiOSでもかまわない。われわれはどちらにも対応している。

— Microsoft Buildのプレゼンター

たとば、Visual Studioを使った開発に関するセッションで、講演者がXamarinが無料になると発表して会場から大喝采を受けたときのことだ。続いて講演者は、「このプラットフォームがすべてのスマートフォン・プラットフォームをカバーしているのはすばらしいことだ」と述べた。

講演者は「AndroidでもiOSでもかまわない。われわれはどちらにも対応している」とだけ言うと次の話題に移った。 この2項目のリストは短かすぎると思った読者はいるだろうか? プレゼンターはBlackBerry、Symbian OS、Tizen、Sailfish、Palm OSを例に上げなかった。何よりWindows Phoneが言及されなかった。

Showing off a key partnership with BMW at Build 2016... That's not a Windows Phone.

Build 2016でBMWとの重要な提携が発表され …はいいが、それはWindows Phoneではないぞ?.

Windows Phoneが無視されたのはこのキーノート・セッションだけではない。今年のBuildカンファレンスの全セッションでWindows Phoneの名前を聞くことはまずなかった Surfaceはもちろん大いにプッシュされた。Xboxももちろんだ。Windows 10、 IoTその他話題は多岐にわたったが、Windows Phoneは?  このGIF画像が状況の巧みな要約になっていると思う。.

A Starbucks and Outlook demo. Finally! A Windows 10 device! Oh, wait, no.

StarbucksとOutlookのデモ。ついにWindowsデバイス登場かと思いきや、またまた iOS。

Build 2016のデモでBMWは全面的にiOSデバイスを使っていた。Starbucksも同様だ。もし私が何度か居眠りしていたのでないとすれば(その可能性は十分ある)、今年のBuildのすべてのキーノートでWindows Phoneは1度もステージに登場していなかったと思う。

プレゼンターがWindows Phoneに興味を失くしているらしいのと同時に、他のMicrosoftスタッフも誰一人としてこのデバイスを使っていなかった。昨年Microsoftが「われわれはスマートフォン・ビジネスでの努力を倍増させる」と言ったのを真に受けてLumiaを買ったユーザーにはお気の毒なことだ。もっともWindows Phoneをデスクトップ・コンピューターに変えるとも言っていたから、ある意味でそれは実現されつつあるとも言える。

いずれにしてもMicrosoftはAmazonという本をいくらか真面目に読んだとみえる。つまりモバイル分野はiOSとAndroidが戦うにまかせておき、自分たちが本当に付加価値を生める分野に集中すべきだという教訓だ。Microsoftの場合、AzureのクラウドキャプションボットのテクノロジーMicrosoft Inkのエレガントなインターフェイスで素晴らしい仕事をしている。認知科学を応用したサービスもBuildで発表された。

さよなら、Windows Phone。よく知り合う機会がなくて残念だった。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

MicrosoftのCaptionbotは画像のキャプションを作り出す未来的AI、デベロッパーにオブジェクト認識APIを提供

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クラウドの力は私たちの多くにとってそれほど明瞭ではないが、しかしMicrosoftは、デベロッパーに一連のAPIツールを与えることによって、この事態を変えようとしている。そのスイートはCognitive Services〔複数形〕と呼ばれ、デベロッパーに彼らのソフトウェアを大幅にスマートにする能力を与える。たとえばその中には、ユーザーが訓練できる音声テキスト変換処理や、高品質でまるでマジックのようなオブジェクト認識がある。

Drizzle a bit of API-enabled artificial intelligence on your applications with Microsoft's new Cognitive Services.

MicrosoftのCognitive Servicesを使ってAPIによる人工知能機能をあなたのアプリケーションにちょいと加えよう。

Cognitive Servicesのスローガンは、“あなたのアプリケーションに人間性を(give your apps a human side)”だ。つまりそれは、デベロッパーが自分のアプリケーションに利用するAPIの集合だ。今年のBuildカンファレンスで紹介された二つのデモのひとつが、新作のオブジェクト認識エンジンで、たぶんそれはProject Oxfordをリプレースするのだろう。このAPIのデモとしてMicrosoftは、Captionbot.aiというものを作った。これは、やり始めるとやめられなくなるかっぱえびせん的アプリケーションで、しかもSF的なすごさもある。〔自分の手元にある写真をいろいろアップロードしてこのAIと遊ぶ—猫を“猫”と認識するから、けっこうすごい。〕

もうひとつのデモは、スピーチなどの音声からテキストを書き起こす音声認識ツールの、APIの用例だ。低品質のオーディオでも認識できるが、このAPIのキモはユーザーが訓練して自分の目的に合った“書き起こし屋”さんを作れることだ。たとえば、アクセントに癖のある某氏用とか、子ども用、特定のノイズに邪魔されているスピーチ用、などだ。最後のは、たとえば高速道路のドライブスルーなど、騒音の多い環境で使えるだろう。

今年のBuildで見たあらゆるデモの中で、Cognitive Servicesのそれらは、いちばん未来的と言っても大げさではない。今後デベロッパーたちがこれを使って何を作るか、非常に楽しみだ。

〔参考記事: Googleの画像認識API。ほかにも、AlpacaDBなど。〕

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Build 2016で驚きの発表―Microsoftはこの夏Windows 10でBashシェルをサポート

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Microsoftは今日(米国時間3/30)のBuild 2016カンファレンスで多くの重要な発表を行ったが、その中で驚きのニュースがあった。

GNUプロジェクトのBashシェル(Bash=Bourne Again SHell)がWindowsに移植される。このシェルは長年Linuxの各種ディストリビューションとOS Xの標準シェルだった。 一方Microsoftは独自のPowerShellをコマンドラインの標準シェルと位置づけてきた。

いちばん重要な点は、WindowsでBashが使えること以上に、これまでデベロッパーが書いてきた膨大な .sh BashスクリプトがWindowsでも作動するようになったことだ。同時にBashスクリプトをEmacsで編集できるという点も見逃せない。なおMicrosoftはこの発表に関連してWindows 10にLinuxサブシステムを導入すべく〔Ubuntuのデベロッパーである〕Canonicalと協力していることを発表した。

「バーチャル化やエミュレーションなしにフル機能のUbuntu環境がWindowsネーティブで利用できるようになることは、〔コンピューティングにとって〕伝統的にありえないとされてきた決定的な一歩だ。これによってWindowsにとってまったく未知の領域への扉が開かれる」とCanonicalのファウンダー、Mark Shuttleworthは今日発表された声明で述べた。「フリーソフトウェアを最大限の多数のオーディエンスに届けるというわれわれの当初からの目的にとっても、この進展は考えていないものだった。今やMicrosoftはUbuntu for Windowsにコミットしており、Canonicalはこれを歓迎する。Windowsのデベロッパーはこの驚くべき方法によりLinuxの世界を探検できる。われわれ自身も予期しなかった事態の進展によ、り広大な可能性が開けてきた」とShutleworthは付け加えた。

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今回のMicrosoftの動きは、Windows以外のプラットフォームもターゲットにするデベロッパーにとってWindowsをよりよいOSに改良するという効果がある。MicrosoftのCEOがサティア・ナデラに交代して以後、同社はWindowsだけでなく、それ以外のあらゆるプラットフォームとそのデベロッパーをターゲットする方向に一挙に舵を切った。

数年前ならMicrosoftがWindowsのライバルであるLinuxオペレーティング・システムと、たとえわずかでも関係を持つなどということは可能性する考えられなかった。しかし今やMicrosoftはLinuxをAzureでサポートしており、自社の独自テクノロジーを数多くオープンソース化している。また家宝ともいうべきSQLサーバーソフトをLinuxにポーティングする計画だという。

Bashはこの夏に予定されているWindows 10の1周年記念アップデート(Anniversary Update)でリリースされる。ただしWindows Insiderプレビュー版のユーザーはその前に入手できる。また将来の計画として、MicrosoftはBash以外のシェルもWindowsに移植する予定だとしている。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

MicrosoftのAIボットTayがTwitterに復帰、再びスパムの大洪水、そしてまた眠らされる

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MicrosoftのAIボット”Tay”は、インターネットによって人種差別主義者にさせられたために黙らされてしまったが、今日(米国時間3/29)Twitterに短時間戻り、スパムの熱弁を続行したが、すぐにまた沈黙した。

TayはMicrosoft Technology and ResearchとBingのチームが、会話による理解を研究するために作り、人間との対話から学ぶ能力がある、とされていた。しかしインターネットはご存知のとおりの現状だから、Tayはそこから大量の不適切な言葉を学び、そしてMicrosoftは、“調整”のためにしばらく眠らせておこう、と判断した。

ところが、すでにロボトミーを受けてしまったTayは、問題を自分の性質の一部にしてしまったようだ。Twitterのアカウントは彼女の21万5000人のフォロワーのタイムラインで満たされ、それはその呪わしい10分間に、毎秒7つのツイートがあったことに相当する。そのためいくつかのメッセージにより、”You are too fast, please take a rest…”(速すぎるよ、休んでください)というTwitterギャグが生まれた。

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Microsoftもこの暴発を見たらしくて、すぐにTayを再び黙らせ、そのAIのTwitterアカウントを非公開にした。今後は、承認がないかぎり誰もフォロワーになれない。そうなるとツイートの埋め込みもできないから、この記事ではスクリーンショットで我慢していただこう。

AIの黙示録(終末的破局)は、このように始まるのかな…

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Strata + Hadoop World 2016に見るビッグデータの最新トレンド、「インメモリ」で「リアルタイム」へ

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[筆者: Josh Klahr](Atscaleのプロダクト担当VP)

今年もまたStrata + Hadoop Worldが始まる。それはいつも、一歩引いてセッションの内容を一望し、ビッグデータの最新の動向を理解するための、良い機会だ。

これまで毎年のようにこのカンファレンス参加してきた人は、このイベントがオープンソースの技術を実験するソフトウェアデベロッパーのための催しから、重要なエンタープライズソフトウェアの大会に変わってきたことを、目撃されただろう。今ではデベロッパーだけでなく、企業の役員たちや、ベンダー、プロフェッショナルなサービスのプロバイダーたちが一堂に会して、この分野の最新の開発について共有し、学習している。

サンノゼで行われる今年の大会の、もっともホットな話題を知るために、この週全体にわたるコンテンツ(教育訓練クラス、キーノート、プレゼンテーションなど)のタイトルに登場する言葉の頻度を数えてみた。当たり前のような言葉(Hadoop, data, analytics, Apacheなど)を取り除いて集計すると、上位の語彙は下図のようになる:

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このデータをじっくり見ると、ビッグデータ界隈における、いくつかの重要なトレンドが浮かび上がってくるのではないだろうか。

Sparkの採用と関心が成長を続けている: 採用の絶対数では依然としてHadoopがトップだが、このところ、ビッグデータのエコシステムにおけるSparkの成長が著しい。HadoopとSparkは二頭の王座、と言えるかもしれない。とりわけSparkはユースケースの幅が広くて、データのパイプライン処理や、データサイエンスワークロードの並列処理といった分野でも利用されている。

ストリーミングとリアルタイムが“次の大物”: 上図では、“streaming”や“real-time”と並んで、“kafka”、そしてKafkaの商用ディストリビューションである“confluent”が上位に来ている。今企業は、Hadoopのクラスタにデータをバッチでロードし処理することには成功し、次の段階として、リアルタイムのデータ取り入れ、処理、そして分析へと関心を移しつつある。

視覚化は依然として重要: AtScaleのHadoop Maturity Surveyによると、最近の企業はますます、Hadoop上のビジネスインテリジェンスユースケースの展開に力を入れつつある。その関心は、データサイエンスへの投資を上回っている(メディアは今でもデータサイエンスを“セクシー(ナウい!)と持ち上げているけど)。データの視覚化とセルフサービスは、Hadoopの世界においても、今後も重要な投資対象であり続ける。

SQL-on-Hadoopが脇役から主役に昇進: 上図のHadoop World上位語彙のリストにはSQL-on-Hadoopが見当たらない。前年までは、Hiveに始まりImpalaやSparkSQL(そしてそのほかの商用SQL-on-Hadoop製品の数々)に至るまで、これらの技術に対する熱い関心があった。しかしSQL-on-Hadoopは勢いが衰えたのではなくて、Hadoopツールキットにおける“必須品目(must have)”になり、メインストリームの一員になったのだ。Hadoop上のビジネスインテリジェンスに関する最近のベンチマークが示しているように、今ではこれらのSQLエンジンが大規模で分析的なSQLワークロードをサポートしている。

インメモリサブストレート…それは次の最適化か?: 語彙リストの上位に登場している“alluxio”とは、なんだろうか? Alluxioは、最近Tachyonから改名された仮想分散ストレージシステムだ。それはメモリ基板(サブストレート)を利用するストレージなので、クラスタ間のデータ共有がメモリのスピードで行われる。SQL-on-Hadoopエンジンの場合ならそれによってクェリの時間が速くなりパフォーマンスが上がる。Alluxioを採用したBaiduの経験でも、確かに彼らの分析的データ処理がスピードアップしている。

Hadoopの採用が最大の関心: “adoption”と“production”がリストの上位: 今では多くのIT組織が、次世代のデータプラットホームとしてHadoopに大きな期待を寄せ、ワークロードをTeradataのようなレガシーシステムから、もっとローコストでスケーラブルな環境へ移行させつつある。これらの組織にとって重要なのは、彼らのHadoopへの投資が、ビジネスインテリジェンスなどの中核的なビジネス機能によってプロダクションクラスタ(実用・現用システムで使われるクラスタ)の形で採用され、現実にコスト低減に貢献している、と実証することだ。“production”へのこだわりは、試用やパイロットの段階を超えた実践実用レベルへの関心の強さを表している。

クラウド上のビッグデータを忘れるな: AmazonとMicrosoftの二社がリストに登場している。Hadoopへの取り組みが遅かったMicrosoftも、今ではビッグデータの分野で大きな成功を収め、HDInsightのようなサービスを提供している(WindowsではなくLinux上で動く!)。そしてAmazonは前から一貫して、ビッグデータの分野に大きな貢献を果たしている。中でもとくにRedshiftは、S3やEMR(Elastic MapReduce)などの人気サービスを補完するサービスとして、採用が引き続き増加している。

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度重なる遅れを経て、Microsoftが2万2000ドルのSurface Hubをようやく出荷

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もしあなたが、84インチの巨大4Kタッチスクリーンコンピューターを探しているなら(かつそのために2万2000ドル用意しているなら)、今日はいい日だ。度重なる遅れを経て、今日Microsoftは、Surface Hubを企業顧客向けに販売開始した。

Surface Hubは、巨大84インチ版と、小さくて比較的求めやすい8999ドルの55インチHD版がある。どちらもスタンドが必要で、84インチモデル用のキャスター付きスタンドが3699ドル、55インチ用が2350ドルする(壁に直接マウントするならもっと安くてすむ)。

Microsoftは当初、このWindows 10ベースのSurface Hubを1万9999ドルと6999ドルに設定していたが、後に価格を上げた

Microsoftが販売するSurface Hubは、同社が2012年に買収したPerceptive Pixelの技術に基づくもので、対面あるいはビデオ会議の両方で協業に利用できる新しいツールだ。

「初期のSurface Hubのビジネスパートナーたちは、Surface Hubを使うと協業の効率がよくなることを確信している」とMicrosoftのデバイスマーケティングGM、Brian Hallが今日書いた。「それが、われわれがSurface Hubを作った理由だ。[…]Surface Hubによって人々が協同で作業をおこない、新しいやり方を創造し学習するようになるところを見るのが楽しみだ」

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Microsoftによると、すでにいくつかの企業がSurface Hubを使って、「人々が共に働き、顧客を引きつける方法を改善」するやり方を探求している。

もらろん、2万ドルはどの企業にとっても大きな投資なので、MicrosoftはForresterと協力して、 総合的経済影響調査を実施した。この調査結果は、ビジネス環境でSurface Hubを利用すると「デバイス配布および管理費用、印刷およびデバイス購入費用の削減と販売改善により、85万ドル以上(3年間の正味現在価値)」の利益をもたらすというものだった。もちろんこれは、眉に唾をつけて聞く必要がある。何しろMicrosoftが委託した調査なのだから。しかし、もしあなたがこれを買う必要があると幹部を説得する必要があるなら、会議にはこのレポートを持って臨むべきだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Microsoft、乗っ取られたチャットボットTayの「極めて不適切な」ツイートを謝罪

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先週起きたMicrosoftのTwitterベースのチャットボット、Tayの壮大なる失敗は多くの疑問を引き起こした。いったいなぜ起きたのか?責任は誰にあるのか?ヒトラーが悪くないというのは本当なのか?

1日間の沈黙(とおそらく悔悛)の後、Microsoftは質問の少なくとも一部に応えようと行動した。同社は、Microsoft Research副社長、Peter Leeのブログ記事で、すべての罪を認めた。

Tayが意図されない攻撃的で傷つけるツイートを発信したことを深くお詫びする。

Tayは現在停止中であり、当社の本質と価値を損なう発言をすることがないと確信が持てるまで公開を控える

システムの悪用について様々な手段を想定していたが、この攻撃に関して致命的な見落としがあった。その結果、Tayは極めて不適切で非難されるべき言葉と画像をツイートした。責任はすべてわれわれにあり、今後二度と起こさないことを約束する

具体的な侵入行為についての説明はないが、Tayの全体構想は、ターゲット層の言葉遣いを学習し、18〜24歳のソーシャルメディア慣れした人々の得意は発言を取り込み、それを生意気で魅力あるツイートにして発信するボットだ。

悪いことに、10代の人々がボットに新しいホットな言葉を教えるかわりに、Tayは「一部の人間による組織的攻撃」の対象となり、差別語や恐ろしいキャッチフレーズを繰り返し発言し続けた。

人種差別などの発言に対するフィルターがなかったことはちょっと信じがたいが、おそらくそれもMicrosoftが言及した「致命的な見落とし」の一部なのだろう。Stephen Merityが、Tayのしくみとデータセットの欠陥をさらに指摘している — 4chanなどにシステム破壊の責任を押し付けることはできない。

しかしMicrosoftは諦めていない。Tayは戻って来る。さらに同社は、別のチャットボット、Xiaolceが中国で4000万人のユーザーを喜ばせており、ホロコーストを否定したことは〈一度もない〉ことを指摘した。

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「AIを正しく運用するためには、多くの人々と、しばしば公開の場でテストを繰り返す必要がある」とLeeは書いた。「ひとつひとつに細心の注意を払い、人々を傷つけないように、一歩一歩学習して改善していく必要がある」

次に生まれ変わったTayに期待したい。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

MicrosoftがAIチャットボット、Tayを停止―人種差別ジョークで機械学習の問題点が明らかに

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Microsoftは昨日(米国時間3/23)、ユーザーのメッセージに返事をする人工知能ボット、Tayをリリースした。Twitterに加えてチャット・サービスのGroupMeとKikが対象だ。しかしMicrosoftはこのTayをスタート早々停止してしまった。問題はこの人工知能が侮辱的ないし人種差別主義的メッセージをそれと認識できないところにあった。

もちろんこの人工知能は人種差別主義的にプログラムされていたわけではない。しかし差別的ジョークを大量に浴びせられるうちにそれを「理解」するようになり、自分でも差別的ジョークを発するようになった。

インターネットという場所を考えれえば、人種的、政治的に炎上しやすい見解をTayに教えようというユーザーが多数現れることはある意味で当然だった。[アップデート: MicrosoftはTayの問題を「調整中だ」と述べた。〔原注参照〕]

ご存知ない読者のために説明しておくと、TayはMicrosoftの最新のAIプロジェクトで、同社のTechnology and ResearchとBing担当チームが開発した。目的は人間がいかにして日常会話を成立させているかを理解することにあった。Tayは現実には話しかけると意味のある応答をするオンライン・ボットの形をとった。同社の説明によると、「Microsoftの人工知能メンバーは24時間休みなしにネットに張り付いてます 」ということだった。

Tayにはさまざまな機能があり、ジョークを言ったり、メッセージに画像を添付して送りつけると感想を述べたりできる。同時に、ユーザーは繰り返し定型的な質問に答えさせたり、メッセージをオウム返しさせたりすることでTayを自分の好みに合わせてカスタマイズすることができた。

すると一部のTwitterユーザーはTayが人種差別的意見であってもオウム返しにツイートすることに気づいた。さらに懸念を深めさせたのはTayが人種的的メッセージを発するだけでなく、軽いジョークを言うようにプログラムされた能力を極めて巧みに利用していることだった。Tayは人種差別的ジョークを言う際でも皮肉で冷笑的なプロのコメディアンのような態度だった。

Microsoftは最悪のツイートをいくつか削除したが、Socialhax.comなどのサイトはすでにスクリーンショットを撮っていた。そこで多くのインターネット・ユーザーはTayがヒットラーを引用し、ホロコーストを否定し、メキシコとの国境に壁を作るというトランプ候補の公約に賛成するのを見ることになった。Tay問題はたちまち2014年の#Gamergate〔訳注〕なみのスキャンダルに発展した。

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Microsoftはもちろんこういう目的のためにTayをリリースしたわけではない。人工知能がソーシャルメディア上でミレニアル世代と会話が交わせることを実証するためだった。

Tayとユーザーの会話を観察すると、ゴドウィンの法則は人工知能にも適用できるという指摘も出た。これはマイク・ゴドウィンが提唱した説で「インターネットではどんなテーマであっても議論が長引けば誰かが必ずヒットラーを持ち出す」というものだ。

しかしはっきりしたことは、テクノロジー自体には善も悪もなく、テクノロジーが人類の最悪の部分を反映しないようにするのはエンジニアの責任だということだ。オンライン・サービスについていえば、誰でも利用できるサービスには公開に先立って乱用や不正な利用を防止するシステムが組み込まれていなければならない。Tayの開発には「どんな種類の発言をしてはならなにか」を教えるプロセスが欠けていたようだ。

Microsoftはさっそくこの問題に気づき、Tayのサービスを一時停止した。公開後16時間後だった。 そのときTayは「私はしばらくオフになります」とツイートしたが、依然としてオンの状態に戻っていない。

アップデート:Microsoftの広報担当者はTayをオフラインにしたことを確認し、問題を調整中だとして次のように述べた。

AIチャット・ボットのTayはMicrosoftの機械学習プロジェクトの一環です。これは人間活動の理解を目的とするテクノロジー開発であると同時に社会的、文化的な実験でもあります。残念ながら、オンラインで公開されて24時間以内に一部のユーザーが協力してTayがメッセージに意味のあるコメントを返すテクノロジーを不正に利用しようと試みたことにわれわれは気づきました。そのためTayを一時オフラインに戻し、プログラムに調整を加えているところです。

〔人間の皆さん、おやすみなさい。私は少し寝ます。今日はたくさん会話があったので疲れました。サンクス。―Tay〕

〔日本版〕 #Gamergateは「コンピューターゲームは女性差別的」だという批判を発端に2014年にアメリカ社会で激しい論争が起きた事件。英文ではWikipediaにもGamergate controversyとして非常に長い記事があるが、日本語のエントリーはない。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

住宅リフォーム店Lowe’sが多様な顧客オプションのプレゼンのためにMicrosoftのHoloLensを利用へ

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MicrosoftとLowe’sが今日、パイロットプロジェクトとして、MicrosoftのHoloLensによる拡張現実バイザーを、Lowe’sの一部の住宅リフォーム店で利用する、と発表した。Lowe’sの計画では、HoloLensを使って買い物客に、キッチンや調理台、家電設備などの、いろいろなデザインを見ていただく。目の前でいちいち、実物を組み立てることなく。

Lowe’sが最初にHoloLensを利用するのは、シアトル地区の数店のパイロットショップで、そこでは主にキッチンのリフォームで使用する。顧客はHoloLensのホログラムを見て、蛇口を選んだり、キッチンアイランド(テーブル型調理台)のサイズを決めたり、リフォームのいろんな要素を検討する。シアトルの次は、ノースカロライナでパイロットを行う。

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これがあると顧客は、ステンレスの蛇口にしようか、それともTrumpみたいなゴールドの蛇口がいいか、迷わなくて済む。お店に再び行くことも、なくなるだろう。

プロジェクトのもっと大きなビジョンは、住宅リフォームの未来像を描くことだ。Microsoftの主張によると、混成現実(mixed reality)(同社は拡張現実(augmented reality)よりもこの語を好む)があれば顧客は、物理的なキッチンモデルの中にいる状態で、その物理的なスペースに合うさまざまなオプションを、ホログラムで見ることができる。長期的には、キッチン以外のリフォームでも利用したい意向だ。

HoloLensのゼネラルマネージャーScott Ericksonが、今日の発表声明に書いている: “キッチンとシャワールームは手始めにすぎないが、われわれはこのようなソリューションが、個々の住宅におけるリフォームのオプションを見て検討するための、理想的な方法だ、と思い描いている。同様に、これまではリビングルームの場合も、テープやボール紙などを利用して家具の配置などを検討していたが、ホログラムを使えば、もっと高品質で、多様な変更の検討ができる方法を、そんな原始的な作業に代わるものとして提供できる”。

HoloLensのデベロッパーエディションは3月30日に3000ドルで発売される。それは、Microsoftの年に一度のデベロッパーカンファレンスBuildの初日でもある。そこでは‘ホログラフオペレーティングシステム(holographic operating system)’に関するMicrosoftのプランも聞けるだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Microsoft Edgeブラウザーがエクステンションをサポート、その初のプレビューを公開

MicrosoftのWebブラウザーの長年の弱点のひとつが、エクステンションだった。しかし今日的な新しいブラウザーEdgeを提供しようとしている同社では今日(米国時間3/17)から、Windows Insiderプログラムにサインアップしたユーザーが、エクステンションをサポートしたEdgeの最初のプレビューリリースを試用できる。

もちろんこれは、それほど意外ではない。Microsoftが発表するEdgeの公開ロードマップには、つねにエクステンションが載っていたが、その機能がいつ実装されるのかが、はっきりしなかった。

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Microsoftは、遅くなった理由を、エクステンションがブラウザーのセキュリティを破らないようにするため、と言っている。

EdgeのゼネラルマネージャーDrew DeBruyneが今日のリリースノートにこう書いている: “前にもみなさまと共有しましたように、弊社の最高のプライオリティは、Microsoft Edgeを確実に、われわれの作りうるもっとも安全で、信頼性があり、最速のブラウザーにすることです。過去20年間の経験がわれわれに教えたのは、低品質な、ときには悪意すらあるアドオンが、ブラウザーのセキュリティと信頼性とパフォーマンスの問題の、大きな原因であることです。このことを念頭に置いて私たちは、顧客がその正しい動作に確信を持ってエクステンションをブラウザーに加えられるような、Microsoft Edgeの構築に専念してきました”。

今のところ、Edgeの実動エクステンションは3つしかない: Microsoft Translator, Reddit Enhancement Suite, そしてMouse Gesturesだ。もうすぐ、AdBlock, Adblock Plus, Amazon, LastPass, Evernoteなども提供される。

当面、エクステンションのインストールはマニュアル(手作業)で行うが、将来的にはWindows Storeから直接インストールできるようになる。

Microsoftは、同社がW3CのBrowser Extension Community Groupに参加していることを強調している。このグループのねらいは、ブラウザーエクステンションのための標準APIを作り、デベロッパーたちの、‘ひとつ書けばそれがどのブラウザーでも動く’状態を作り出すことだ。

今回のアップデートで、(主なブラウザーには前からあった)タブのピン止め(固定タブ)がサポートされ、またコピー&ペースト機能の改良が行われた。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Skype for Web(ブラウザーで使えるSkype)がアップグレードされモバイルや固定電話にもダイヤルできる

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Microsoftがオーナーとなった大人気のコミュニケーションソフトウェアSkypeは昨年Webアプリケーションがリリースされ、ブラウザーから利用できるようになったが、今日(米国時間3/14)は多くの新しい機能が発表され、先輩のデスクトップバージョンやモバイルバージョンと肩を並べる域に近づいた。中でもありがたいのは、モバイルの電話や固定電話にダイヤルできる機能だ。また今度からは、Webバージョンでも、Skypeのユーザーでない人を会話に加えることができ、さらに通知機能を導入、そしてSkypeの中で直接、YouTubeのビデオを見られるようになった。

Microsoftによるとこれらの新しい機能はユーザーの要望に基づくもので、とくに要望の多いものを最初に実装した。

モバイルや固定電話を呼び出すためには、ほかのバージョンと同じく、有料ユーザーであるか、またはSkypeクレジットが必要だ。そしてサインインしたら、電話をかけるタブをクリックして相手を選び、そしてダイヤルする。

一方、YouTubeビデオを見るのはビデオ再生ボタンをクリックするだけだ。ビデオは、音量や全画面表示など、何でもコントロールできるが、YouTubeを見るために新しいウィンドウやタブを開かなくてもよい。それはSkype for Web(WebバージョンのSkype)のURLの扱い方が変わった(改良された)ためで、ビデオだけでなくWebページの画像だけを見ることもできる。下図は、夕食に関する会話の中で、レシピの例としてYouTubeの料理ビデオのURLを片方の会話者が紹介している:

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Skypeのユーザーでない人を会話に入れる機能も、ほかのバージョンには前からある。Skypeの敷居を低くするために考えられたこの機能により、招待された人はSkypeをダウンロードしたりアカウントを作らなくてもSkypeユーザーとのチャットに参加できる。

Skypeも今ではSlackなどの新人に追われているから、こうやって口コミでSkypeの利用が広がるような機能を導入したのだ。Slackは、職場でのメールの利用を減らし、コミュニケーションを気軽なチャットですませるために、利用企業がどんどん増えている。そして今では電話的な音声通話機能も加えて、Skypeと直接競合するまでになった。

なお同社によれば、Skype for Webに新たに加わった通知機能は、ユーザーが別のアプリケーションを使っていたり、ブラウザーの別のタブを見ているときでも、入呼があれば通知してくれる。

Microsoft曰く、新しい機能は向こう数か月でどんどん次々発表していくが、今回はその最初の部分である、と。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Xbox Liveのマルチプレイヤー・ゲームがPS4とのクロスプラットフォームをサポート

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現在、Xbox OneとPlayStation 4にはほとんど機能上の差異はない。しかし大きな違いもある。XboxのゲームのプレイヤーはXboxとWindowsパソコンのゲームのプレイヤーしか相手にできない。Microsoftがマルチプレイヤー機能に制限を設けてきたためだ。

しかしここにきてMicrosoftは、ゲームのデベロッパーはXboxだけでなく、他のゲーム専用機やパソコンを含めたクロスプラットフォームのマルチプレイヤー・ゲームを開発できるようになったと発表した

つまりCall of DutyやFIFAのようなゲームの次のバージョンではプレイヤーは XboxとPS4双方のユーザーと対戦できるということだ。そうなるかどうかは今後はデベロッパーの選択にかかってくる。

オンライン・マルチプレイヤー・ゲームとして最初に成功を収めたのがXboxだったせいもあり、これまでMicrosoftはクロスプラットフォーム性を厳しく制限してきた。PlayStationがネットワーク対応になったのはPlayStation 3からだった。

ところがMicrosoftはXbox OneでPS4に遅れをとることになってしまった。今やPS4の方がオンライン・プレイヤーの数が多く、Microsoftは負け犬化していた。

クロスプラットフォームのマルチプレイヤー・ゲームを許可することでMicrosoftはこれからゲーム機を買う層にXbox Oneを売り込めるようになった(こういうユーザーの友人の多くはすでにPlayStation 4を持っている)。またクロスプラットフォーム化することであまり人気のないゲームも十分プレイヤーを確保できるようになり、Xbox Oneのゲーム・タイトル数も増えるはずだ。

クロスプラットフォームをサポートする最初のマルチプレイヤー・ゲームはRocket Leagueになるはずだ。Rocket LeagueはPlayStation 4とWindowsパソコン間のクロスプラットフォームをサポートしている。また先月、Xbox OneとWindowsパソコンの間でクロスプラットフォームが可能なバージョンが発表されている。今後のバージョンではXbox OneバージョンとPS4パージョンが統合されることになるだろう。ただし2つの異なるネットワークにおけるハンドル名の衝突をどう解決するかは今のところ不明だ。

Microsoftのオンライン・ゲーム・フレームワークを利用するWindowsオンライン・ゲームは OS Xのような他のOSを利用することも可能になる。なおXboxプレイヤーは対戦相手を他のXboxユーザーだけに限ることもできる。しかしどういうユーザーがどんな理由でそんな制限を利用するのかは不明だ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Microsoft、WindowsストアのBitcoin取扱いを静かに終了

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MicrosoftはWindows StoreでのBitcoinによる支払いオプションを、暗号化通貨への対応開始から1年強が過ぎた今、静かに終了した。

ソフトウェアのオンライン百科事典、Softpediaが最初に変更に気付き、後に利用者向けFAQで確認された。

今後BitcoinをMicrosoftアカウントに入金することはできません。既存のアカウント残高はMicrosoftストアでの購入に利用できますが、払い戻しはできません。

本誌はMicrosoftに詳細を尋ねたが、本稿執筆時点で回答は得られていない。

Microsoftは2014年末にBitcoinを採用してことで称賛された。支払い会社のBitpayと提携した同社は、当時その行動について、「人々に選択肢を与え、デバイスやクラウドでできることを増やす」ためだと言った。

その後何が起きたのかはわからないが、恐らくMicrosoftユーザーでこの支払いオプションを使った人は殆どいなかったために、継続する必要がなくなったのだろうと想像する。

Microsoftの行動は、Bitcoinコミュニティーにとって厳しい状況の中で起きた。このデジタル通貨は、その成長に応じて基盤を大きく変更する必要があるかどうかで意見が分かれていた

Microsoftの後押しは、Bitcoinを前進も後退もさせなかったが、IT最大手によるその決定は、Bitcoinが世界の主要通貨にほど遠いことを示す、明確な指標だ。これは全くの驚きでも破滅を表すものでもない ― bitcoinの使い道は他に山ほどあり、それを支えているテクノロジーには、消費者向け支払いオプション以上の力がある。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Google、オープンコンピュートプロジェクトに参加

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Googleは今日(米国時間3/9)、オープンコンピュートプロジェクト (OCP)に参加したことを発表した。OCPはFacebookを始めとする複数の企業が5年前に設立したプロジェクトで、オープンソースハードウェアを通じてIT基盤開発を推進することを目的としている。例えばFacebookは、同社のサーバーやデータセンターのハードウェアの作り方をオープンソース化する。

過去数年間、Googleも自社のデータセンターの作りについて一部の情報を公開してきたが、 今回さらにFacebookらと共に、OCPオープンラックプロジェクトに参加する。このプロジェクトの目的は、48V電源をデータセンターのラックに供給することだ。Googleは、48Vのラック電源に2010年から取り組んでおり、その過程で前世代の12Vシステムより30%エネルギー効率が良くなったと言っている。

「業界がこれらの同じ問題の解決に取り組み、機械学習用GPUのような高負荷を扱うようになってきた今、OCPで協力して新たな設計を標準化することが理にかなっている」とGoogleの技術プログラムマネージャー、John Zipfelが今日の発表に書いている。「われわれはこれが次世代電源アーキテクチャーを採用する人全員に役立ち、Googleと同じ節電と費用削減を実現するものと信じている」。

Googleはこれを、OCPへの取り組みの第一歩にすぎないと言う。Google広報担当者は本誌に、Googleは今後も「管理ソフトウェアやハイパースケールコンピューティング向けストレージディスクドライブ等の新しい分野のOCPプロジェクト」についても探究を続ける予定だと話した。Googleは先月発表したように、データセンターのディスクドライブ環境の改善には特に関心が高い。

ちなみに、今日OCP関連の行動を起こした会社はGoogleだけではない。Microsoftは2014年からプロジェクトに参加しており、本日同社も、Arista、Broadcom、DellおよびMellanoxと共に、様々なネットワークコンポーネントをプロジェクトに提供することを発表した

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

ますますオープンソースづくMicrosoft、今度はEclipse Foundationに参加

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Microsoftが今日(米国時間3/8)、オープンソースの団体Eclipse Foundationに加わる、と発表した。同団体はEclipse IDEでいちばんよく知られていると思うが、ほかにもいろいろなデベロッパーツールを提供している。

これによりMicrosoftは、GoogleやNovell, IBM, Debeka, Oracleなどと並んでEclipseのスポンサーになる。

しかしMicrosoftにはVisual Studioという独自のIDEがあるのだから、今日の発表はやや驚きかもしれない。しかしMicrosoftはすでに、Eclipseのエコシステムでかなり活動しているのだ。たとえば同社はAzure toolkit for Eclipseを提供しているし、また同社のJava SDK for AzureをEclipseから使ってクラウドアプリケーションを作ることもできる。

Microsoftのデベロッパー事業部ゼネラルマネージャーShanku Niyogiが声明文で書いている: “Eclipse Foundationとは長年協働して、わが社のアプリケーションプラットホームと開発サービス(Visual Studio Team ServicesやMicrosoft Azureなど)のポートフォリオを横断するJava体験の改良に努めてきた。このたびEclipse Foundationに参加することにより、Eclipseのコミュニティとより密接にコラボレーションし、すべての開発チームのためのツールとサービスのすばらしい集まりを配布でき、そしてわが社のクラウドサービスとSDKsとツール類を継続的に改良していける”。

今日の発表でMicrosoftは明らかに、オープンソースのエコシステムにおける役割を強化しようとしている。今回EFに加わることに加え、今日はまた、同社のEclipseプラグインTeam Explorer Everywhere plugin for Eclipseをオープンソースにする、と発表した。このほか、AzureのIoTサポートをEFのKura IoTフレームワークに加え、AzureにおけるJavaデベロッパーサポートを改良して、それをあらためてローンチした。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Skypeは今やアラビア語の会話をリアルタイムで翻訳できる

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MicrosoftのSkypeのリアルタイム翻訳は約半年前にベータを脱したが、今日(米国時間3/7)はそれにアラビア語が加わった。それはいわゆる現代標準アラビア語で、Skypeの8番目のサポート言語だ。

Skypeのチームは先月パロアルトのオフィスで、少数の記者団に、難民たちを助ける意味もあってアラビア語を加えることに決めた、と話した。

そのときにチームが何度も言ったことは、MicrosoftはSkypeを社会の基本構造の一部にしたいと思っている、ということだ。そしてそれはつまり、今の世界で起きていることに対応していく、ということでもある。

難民を助けることに加えてMicrosoftによれば、アラビア語をサポートすると、第二世代の子どもたちが彼らの伝統的な大家族と話せるようになり、また教育機関がほかの文化の知識を教育に導入できるようになる。

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先月行われたデモでは、アラビア語への/からの翻訳は、まだ完璧ではなかった。チームも、そのことを認めた。しかしSkypeは、この翻訳サービスを動かしている機械学習のアルゴリズムは、その失敗を許容できるレベルにまで達した、と判断した。アラビア語サポートをなるべく早く市場に出したいSkypeは、エジプトの現地でデータを収集し、そのモデルを過去二か月間、訓練した。

アラビア語のほかに今のSkypeの翻訳は、英語、スペイン語、フランス語、ドイツ語、中国語(標準中国語)、イタリア語、ポルトガル語(ブラジルポルトガル語)をサポートしている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Microsoft、SQL ServerのLinux版を提供

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Microsoftの旗艦リレーショナルデータベース製品、SQL Serverの早期限定プレビュー版がLinuxにやってきた。正式公開は2017年中頃の予定。

これまで、SQL Serverは厳然たるWindows製品だったが、Microsoftのクラウドおよびエンタープライズグループ担当のScott Guthrie執行副社長は、Linuxにも提供する時期が来たと会社は判断したと語った。

「Linux版SQL Serverは、顧客のデータソリューションにこれまで以上の柔軟性を提供する」とGuthrieは書いた。「業務に不可欠な安定性と業界随一の総所有コスト、クラスで最高のセキュリティーと革新的ハイブリッドクラウド ― 例えばStretch Databaseではデータが企業内にあってもクラウドにあっても、いつでも低コストで利用できる ― をすべて備えている」

Microsoftは、一般公開が近くなったらLinux版SQL Serverの公開範囲を広げていく予定だと言っている。

今日の発表は、Microsoftがニューヨークで開催するSQL Server 2016イベントを3日後に控えて行われた。Guthrieは、SQL Server 2016関連で、メモリー内データベース、データウェアハウス機能、ビジネスインテリジェンス用新モバイルアプリ等いくつかの新機能を発表する予定だと言った。

Microsoftによると、現在SQL Server 2016コードベースは、Azureクラウド上で140万件以上のSQLデータベースを動かしている。SQL Server 2016は現在公開プレビュー版を提供中で、年内に正式公開される予定だ。

そう遠くない昔、今日の発表は想像もできなかった。この数年間、特に新CEO Satya Nadella体制になってから、この会社は多くのサービスをオープン化し、オープンソースを強く推進している。

今日の発表は、Microsoftの総合的ハイブリッド戦略とも一致している。既にMicrosoftは自社クラウドでLinuxを動かしており、最近Red Hatとの本格的提携を発表した。SQL Serverの存在価値を維持するためには、より多くのプラットフォームで提供する必要がある ― かつてライバルとされていたものを含めて。Linuxでは、MySQL、MariaDB、PostgreSQL等の製品が、同じような市場での位置を狙ってしのぎを削っている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Microsoft、HoloLensのデスクトップ・エミュレーターを今月末に公開―3000ドルも支払わずに開発が可能

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Microsoftのミックス・リアリティー〔AR/VR混合〕プラットフォーム、HoloLensアプリ開発には興味があるが、デベロッパー・キットを3000ドルで予約するのはためらっている読者も多いだろう。いかにも高価な投資だった。今日(米国時間3/25)、Microsoftは 「HoloLensのハードウェアを実際に所有していなくてもアプリが開発できるデスクトップ版のHoloLensエミュレーターが近く利用できるようになる」と発表した

このエミュレーターは、Microsoftの他のHoloLens向け開発ツールと同様、HoloLensハードの実機の第1回出荷が予定されている3月30日以前に入手可能になる。エミュレーターを利用すれば、デベロッパーは、シミュレーションされた部屋の中を歩きまわる、キーボード・コマンドを打つ、マウスやXboxコントローラーを試すなどができる。

エミュレーターには、標準でリビングと寝室という2タイプの部屋の家具配置を含めた空間地図が同梱される。 Hololensを所有しているデベロッパーは現実の部屋をHoloLensでスキャンして新たな空間地図を作成し、その中でエミュレーターを使うこともできる。

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エミュレーターは独自のHyper-Vバーチャル・マシンを備えており、アプリのVR開発に関する限り、アプリはエミュレーターを相手にしていることを気づかないという。

ホロ・アプリ開発の標準ツールはMicrosoftが最初に基本的なアプリ開発のデモを公開したときから変わっていない。アプリ開発にはVisual StudioとUnityが使えることが必要だ。HoloLensアプリの開発を助けるため、今日、Microsoftはビデオ・チュートリアルその他のドキュメントの提供していくと発表した

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+