MicrosoftとSlackの争いは、2020年も広告やアクティブユーザーの数などで行われる

Microsoft(マイクロソフト)のTeamsSlack長期戦は、2020年も続いている。米国時間1月17日朝、Microsoftは同社のエンタープライズコミュニケーションサービス、Teamsの初めてとなるグローバルな広告キャンペーンと同社が呼ぶものを発表した。

先日IPOしたSlackは、2010年代の後半に大ブレイクし、スタートアップ世界のテクノロジースタックを深く掘り下げることによって巨額の売上を立てた。スタートアップとして登場した同社は、その後大企業にも食い込んで成功を持続し、エンタープライズを相手にした方が一度に大きな売上を得やすいことを悟った。

しかしエンタープライズの生産性ソフトウェアといえば、Microsoftの大きな主戦場だ。Slackの急伸を見たMicrosoftは、生まれたばかりのライバルを買収しないことに決めた。そして、Slackと競合するTeamsに投資した。なお、本日発表された広告キャンペーンは両社における初めての広告合戦ではない。

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SlackとTeamsは、ユーザー数の発表でも争っている。最近、Microsoft はTeamsの一日のアクティブユーザー(DAU)が2000だと発表した。Slackの最新の数は1200万だ。しかしSlackは、2000万のうちのどれだけが、本当にアクティブなユーザーか、とやり返した。Microsoftの数字と自分たちの数字を単純に比較するのは無意味だ、と言いたいのだ。しかしそれでも、両社の発表数はこのところますます差が開いている。

Microsoftによる今回の広告キャンペーンは、Slack対Teams戦の新しい章となる。重要なのは、広告だけではなく、今回Microsoftが、Teamsの知名度向上を戦いの焦点に選んだことだ。

株価

TeamsはMicrosoftが長年築いてきたOffice 365という大きな建物の一部だが、SlackはSlackという企業のビジネスだ。しかも直接上場だから、その株価からも何かが匂ってくる。

Slackの株価はデビュー時の30ドル台半ばから、20ドル台前半へ下がっている。調べてみると、Slackの株が市場で嫌われているのではなく、同社が上場初期の値付けを間違えたのだ。同社の株価は売上に対する倍率が上場初日からは下がったが、依然としてリッチだ。投資家たちはSlackを、優秀企業として値付けしている。

今後SlackとMicrosoftは、DAUの数字を争い続けるだろう。問題は、Microsoftというエンタープライズの大物にSlackというブランドが耐えられるかという点だ。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Alphabetの時価総額1兆ドルとSaaS株の記録的高値で見えるこれからのスタートアップ

先の株式市場における記事の続編として、今週は注目すべきことが2つ起きた。1つはアメリカのテクノロジー企業として三番目に大きいAlphabet(アルファベット)が、時価総額1兆ドル(約110兆円)を超えたこと。そして2つめは、2019年の夏に下がったSaaS企業の株価が記録的な高値に達したことだ。

この2つのマイルストーンの間に深い関係はないが、どちらも現在のテクノロジー企業に対する公開株式市場の無節制を表している。そしてその熱気は、非公開市場のスタートアップや、彼らを支援するベンチャーキャピタルにも伝染している。

でもそれは、いくつかの理由でテクノロジースタートアップにとって良いニュースだ。大手テクノロジー企業の懐はこれまでになく暖かく、小さな企業をいくらでも買収できる。SaaSの高値は小さなスタートアップの資金調達と、彼らの先輩たちがエグジットする追い風になる。

大手テクノロジー企業とその小さな兄弟たちが現在、享受している圧倒的な好評価は、ユニコーンが登場する絶好の条件でもある。市場でこの高値が続くかぎり、TechCrunchもこのポイントをずっと追ってみたい。テクノロジー企業の株価はもはや、いかなる月並みの表現を超えたものだ。

関連記事: How many unicorns will exit before the market turns?…この好況の間にいくつのユニコーンがエグジットするか?(未訳、有料記事)

AlphabetとMicrosoftとAppleの3社を合わせると、その時価総額は3.68兆ドル(約410兆円)になるが、株価よりも安定的な数字である売上額を使うと、SaaSの株価は3社の売上の12.3倍だ。しかし、非上場のベンチャー支援の企業は必ずしも、公開株式市場の投資家たちの財布の口のゆるさにあずかることはできない。

テクノロジーの顧客企業はどうか?

現在の公開市場におけるテクノロジー企業の時価総額の膨張は、テクノロジーを生産し提供する側ではなく、最近ますます増えている「テクノロジー利用企業(tech-enabled-startups)」の助けになるだろうか? 2019年に上場した企業の一部は、彼らの非上場時の最後の評価額またはそれ以上になった時価総額を支持する気のない投資家たちから、すぐに見捨てられた。SmileDirectClubは、そんな例のひとつだ

テクノロジー企業を評価する基準は往々にして曖昧だが、粗利率と継続性は重要だろう。粗利率が大きくて、安定的に継続している企業は価値も大きい。市場のこのような見方が、最近のSaaSの株価を当然のように押し上げている。

2020年最初のベンチャー支援のIPOとして期待されるCasperOne Medicalにとっては、テクノロジー利用企業(tech-enabled-startups、テクノロジーをベースとする企業)というイメージを維持する方が、株式市場でも有利だろう。テクノロジー企業は今、時価総額がとても大きいため、非上場と上場を隔てる川を渡るときは、テクノロジーの匂いをほんの少しでもさせていた方が株価にとって有利だ。

関連記事: One Medical’s IPO will test the value of tech-enabled startups…One MedicalのIPOでテクノロジー利用企業の評価が分かる(未訳、有料記事)

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Amazonがインドの小企業のデジタル化促進のため約1100億円を投資

インドは今週、Jeff Bezos(ジェフ・ベゾス)氏を反トラストの調査で迎えた。さらにまた、ふだんは互いに競争している小規模商業主たちが全国から何千人も集まって、eコマースの巨人の搾取的と言われるやり方に抗議した。しかし、Amazon(アマゾン)の創業者でありCEOのベゾス氏は、同社にとって最も重要な海外市場への愛をそんなことでは失わなかった。

1月15日のカンファレンスでベゾス氏とAmazon IndiaのトップであるAmit Agarwal(アミット・アガルワル)氏は、この米国の巨人が中小企業のデジタル化を促進するためにインドに10億ドル(約1100億円)を注入すると発表した。アマゾンはこれまでインドに約55億ドルを投資している。

ベゾス氏によると、同社はまたインドの生産品の輸出にも着目している。それはニューデリーのMake in India(地産地売)キャンペーンへの協賛でもある。Amazonが扱う量は、2025年に100億ドルと彼は想定している。

同氏は「今後の5年間で、Amazonは累計10億ドルをインド全域の市町村の零細企業に投資し、これまでなかったほど多くの顧客増大をみなさんのために実現したい」と語った。そして「この計画では、現在のアマゾンのグローバルな展開を利用して、2025年までにインドからの100億ドルの輸出を作り出したい。この投資によって何百万という多くの人々が未来のインドの繁栄に与れるようにし、それと同時にインドの豊かで多様な文化を表している『Make in India』製品を、全世界に紹介したい」と続けた。

インドでは最近の10年間で5億近い人々がインターネットに接続した。しかし、全国の何万もの都市や町や村に散在する小規模な企業はまだオフラインだ。GoogleやFacebook、Microsoftなども近年はこれら小企業がウェブ上に出店してデジタル決済を受け入れるよう、支援しツールを提供している。

Amazonが主催した「Amazon SMBhav」カンファレンスは、SMBが中小企業(Small and Medium Business)を表しているとともに、smbhavはヒンズー語で「できる、可能」という意味だ。開会時に上映されたビデオでは、インドの貧しい商人や職人たちがアマゾンのeコマースプラットホームに参加して事業を拡大する様子が映し出されていた。

同社の役員の一人によると、アマゾンはインドで50万社を超える売り手を集めておら、その中の数千の業者が世界中の12カ国のAmazonのマーケットプレースで商品を販売している。

しかし、カンファレンスの会場からわずか10マイル(16km)離れたところでは、多く業務がアマゾンを違った目で見ていた。

インドの業者が多数集まってアマゾンの搾取的なやり方に抗議(画像提供:Manish Singh / TechCrunch)

この国の6000万を超える販売業者を代表する業界団体であるConfederation of All India Traders(CAIT、全インド商業者連盟)によると、抗議活動をインドの300都市で組織した。連盟の代表によると、同団体はアマゾンとFlipkartが採用している搾取的な価格設定と反競争的な行為を世の中に知らしめたいという。

ベゾス氏とアガルワル氏は、抗議活動や反トラストの調査に言及しなかった。ここには、世界最大の途上国市場の将来がかかっている。NasscomとPwC Indiaの報道によると、インドのeコマース市場は今後3年間で1500億ドル成長すると言われている。

ベゾス氏もカンファレンスで「21世紀はインドの世紀だと私は予言したい。最も重要な同盟関係はインドと米国の関係だと思う。それは、世界最古の民主主義と世界最大の民主主義の関係だ」と語る。

1月13日にインドのCompetition Commission(競争委員会)は、アマゾンとウォルマートが保有するFlipkartに対する反トラスト調査を開始し、eコマースの二大大手がスマートフォンのベンダーと組んで排他的な協定を結び、一部の売り手を優遇していないか調べることになった。

その調査はアマゾンとFlipkartにとって最新の規制による逆風であり、特にFlipkartは2018年にインドでウォルマートに過半数の株を160億ドルで売却している。昨年、米国上院議員は外国企業が自分の子会社から在庫を売ることを禁じているニューデリーを批判した。その禁制によってAアマゾンとFlipkartは突然、そのマーケットプレースから数十万品目を取り去ることになった。

CAITのスポークスパーソンはTechCrunchに「会員の商業者たちはインドの反トラスト監視当局による調査を歓迎している」と述べた。今日の新しい抗議活動は、近年この業界団体が組織した複数の活動の1つにすぎない。先月は数千名の抗議者が、eコマースの担い手たちへの同様の懸念を表明した。

本日、一部の抗議者は「アマゾンとジェフ・ベゾスとフリップカートは帰れ!」と声を上げた。CAITの全国レベルの理事長Sumit Agarwal(スミット・アガルワル)氏はTechCrunchのインタビューで「Amazonの大幅値引きが小規模商業者の成長を妨げているので、政府の介入が緊急に必要だ」と述べた。

業界の推計では、eコマースはこの国の小売業の売上の約3%を占める。

画像クレジット:Anindito Mukherjee/Bloomberg/Getty Images

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

マイクロソフトがChromeベースEdge安定版を初リリース、Mac版もあり

Microsoft(マイクロソフト)はスケジュールどおり、米国時間1月15日に新しいChromiumベースのEdgeブラウザーの最初の安定バージョンリリースした。独自のブラウザーエンジンの開発を中止し、良かれ悪しかれ業界標準を採用することを最初に発表してから、まだ1年ちょっとしか経っていない。

現状で、Windows 7、8、10に加えてmacOS用の安定版を直接ダウンロードできるようになっている。Windows 10を使用している人は、自動更新に組み込まれるのを待ってもいいが、それにはまだしばらく時間がかかりそうだ。

すべての開発はオープンで進行したため、これまでにもさまざまなプレリリースチャネルがあった。それもあって、今回のリリースに驚きはない。「コレクション」(Collection)と呼ばれるマイクロソフト独自の新しいブックマーク機能など、将来に向けて最も興味深い機能の一部は、まだ実験的なプレリリースチャンネルでのみ利用可能となっている。ただし、Edgeは現在6週間のリリースサイクルを採用しているので、そうした状況もすぐに変わるだろう。

ここまでの開発サイクルに沿って、私もずっと主張していたように、EdgeはChromeに対する有望なチャレンジャーだ。代替のブラウザーを探している人に推奨することに、まったく躊躇は感じない。とはいえ、まだいくつかの機能が欠けている。中でも最も重要なのは、ブラウザーの履歴や拡張機能をデバイス間で同期する機能だ。私としては、Edgeをメインブラウザーとして使用するのに困難を感じたことは一度もなかったが、そこは人によって違うだろう。

他のモダンなブラウザーと同様、Edgeにも、ユーザーをオンライントラッカーから保護するさまざまなオプションが備わっている。また拡張機能については、Chromeウェブストアと、マイクロソフト独自の拡張機能リポジトリの両方をサポートする。さらに、リーダーモードやプロファイルを切り替える機能など、期待されるほぼすべての機能を備えている。

しかし、キラー機能と言えるもの、つまり他のブラウザーと比べて明らかに優れている機能は、まだ確立していない。マイクロソフト自身は、コレクションがかなり気に入っているようだが、私のワークフローにとっては、さほど便利だとは感じられない。しかし、これで安定したプラットフォームが得られたので、開発チームがその上に革新を実現する準備は整った。今後は、新しい機能に集中した開発が期待できそうだ。

Firefoxでは、独自性を追求した開発が進められていることもあって、Edgeとしては、それがどれほど優れているとしても、再びマイクロソフトのブラウザーに戻ってくるよう、ユーザーを説得するのには骨が折れるかもしれない。ほとんどのユーザーにとって、別のブラウザーに乗り換えるのは、それほど手軽にできることではない、という事情もある。

いずれにせよ、これまで新しいEdgeを試してみることをためらっていた人には、ようやくチャンスが到来したと言える。いちばん簡単な方法は、直接最新版をダウンロードすることだ。Windows 10を使っている場合、通常のWindows OS更新チャネルを通じて、そのうちに新しいEdgeが古いEdgeを置き換えることになる。ただしマイクロソフトは、これを非常にゆっくりとしたロールアウトに設定しているので、完了には数ヶ月もかかると見込まれる。その場合も、いったん新しいEdgeがインストールされると、以降はWindows Updateシステムとは独立に、Edgeが自分で更新するようになるはずだ。

当然ながらエンタープライズユーザーは、いつ、どのように移行するのかを選択できる。それについては、マイクロソフトがここここで詳しく解説している。Edgeは、Internet Explorerモードを備えているため、おそらく多くの企業は短期間でEdgeに移行することになるだろう。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

Amazonが本社の敷地に収容300名弱のホームレスシェルターを建設

巨大テクノロジー企業がますます大きくなるに伴い、ホームレスの人たちを助けろという業界の指導者たちの声も高まっている。高い給与水準に並行して生活費がかつてないほど高騰している地域では、とくにそうだ。例えば2019年1月には、Facebook(フェイスブック)とChan Zuckerberg Initiativeがそのほかの人びとと共に作ったグループであるPartnership for the Bay’s Future(ベイエリアの未来のための連携)は、数億ドルを投じて庶民に手の届く住宅を増やし、サンフランシスコ周辺の5つの主な郡で低所得居住者の保護を強化しようとしている。一方Microsoft(マイクロソフト)は昨年1月の発表で、高い家賃のために低所得や中所得の人びとが逃げ出しているシアトルとその郊外地区を再び多くの人びとが住める場所にするために5億ドルを拠出すると約束した。

Mary’s Placeのファミリーセンター(画像提供: Amazon)

Amazonも過去にCEOであるJeff Bezos(ジェフ・ベゾス)氏が、ホームレス解消のために20億ドルを拠出し、同じ資金で教育などの行政サービスが行き届いていない地区にモンテッソーリ的な就学前教育施設を建設すると2018年の9月にTwitterで発表した。

しかし今回Amazonは、ホームレス救援事業のバーを他社に対して相当高く上げた。同社はシアトルの本社内のスペースにホームレスシェルターを作る。それは、ワシントン州で最大の家族向けシェルターになる。

Business Insiderが米国時間12月30日朝にこのニュースを報じている。そのシェルターのひと晩の収容人数は275名で、家族には個室が提供され、ペットを連れてきてもいい。業務用キッチンもあり、そこでは1年に60万食の食事を作れる。

その施設は新年の第1四半期にオープンし、長年Amazonとパートナーしている非営利団体Mary’s Placeとの提携事業の一環になる。同団体は2016年以降、Amazonのキャンパスにあるトラベロッジ・ホテルの外に、シェルターを運営している。Business Insiderの記事によると、その新しい施設には各年400家族向けのベッドと毛布が用意され、Amazonは施設のオーナーであるだけでなく、今後10年間、またはMary’s Placeが必要とする間、日常経費や修繕費、セキュリティ費用なども負担する。

ホームレスはシアトルのあるキング郡だけでも12500名と言われているが、Business InsiderによるとAmazonのシェルターは微々たる救いであるだけでなく重要な意義もある。それはAmazonが、自分の本社の敷地にシェルターを建設するからだ。

私たちの知るかぎり、ここまでやったテクノロジー企業はほかにない。この決定はまた、増加しているホームレス人口への支援策をめぐる他の都市の、あいまいな姿勢を際立たせる。記憶に残る1つの例は、3月にサンフランシスコ市長London Breed(ロンドン・ブリード)氏が、湾岸道路沿いの駐車場に市の7000名あまりのホームレス住民のうち最大200名を収容する案を述べたとき、周辺住民が反対の声を上げたことだ。その案は後日実現したが。

ニュースサイトのVoxによると、Microsoftの昨年の5億ドルの約束などの企業努力に対しては、賞賛と不満の2つの声がある。不満派は、そういう活動が受け取る無料のパブリシティを問題にしている。Amazonも、2018年の税前利益110億ドルに対して国税を一銭も払っていない。同社はまた2018年に、一般市民に手の届く住宅のために資金を調達しようとしている大企業に課税するなら、シアトルでの建設をやめると市を脅したことがある。

9150億ドルという世界最大の時価総額を誇るAmazonが、それにふさわしいことをしているか。これは確かに今後の探究を要するテーマだ。今や「世界を食べている」と称されるそのほかのテクノロジー企業にもれは言える。しかしそれでも、Amazonのような企業が会社の中心にホームレスシェルターを作ることは、肯定的に受け入れるべきだし見習ってもいいだろう。

Mary’s Placeの執行ディレクターであるMarty Hartman(マーティ・ハートマン)氏はBusiness Insiderに「1つの事業で解決する問題ではない。企業だけでは解決しない。団体でも政府でも解決できない。財団でもだ。全員が力を合わせる必要がある」と語る。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

グローバル企業に必須のユニバーサルアクセプタンス

拡大するグローバルビジネスでも、システムが、「.世界」や、「.ОНЛАЙН」など(英語なら、それぞれ「.world」と「.online」)といった拡張子を持つウェブアドレスと互換性を欠いたものだったら、利益を取りこぼしてしまう。このような機会の損失は、このところ増加する一方だ。2017年の調査では、軽く年間100億ドル(約10億9400万円)近くの規模のeコマース市場に相当すると結論付けられていた。しかも、これは控えめな見積もりだ。

画像クレジット:atakan / Getty Images by Chris Mondini

その理由を理解するには、次の2つの事実を考えてみればいい。

まず第1に、通常のラテン系アルファベット類の文字は、世界人口の3分の1をちょっと超える程度の人しか使っていない。その数は、中国語、アラビア語、キリル文字、デバナーガリ文字などを毎日読み書きしている数十億の人々には、とても及ばない。しかも、そうした文字は、人口増加、経済成長、インターネットの普及など、すべてが世界平均を上回っている地域で使用されている。

そして第2に、インターネットのナビゲート方法の革新によって、世界の各地域で使われているさまざまな文字のドメイン名が、世界の大部分で利用できるようになっている。2012年には、いわゆる一般的なドメイン名(よく知られた.comや.eduなどの拡張子を持つ部分)は、わずか22個だった。現在では、その数は1500を超えている。

このようなイノベーションは、たとえば日本のウェブサーファーが、キーボードを全角から半角に切り替えて「www」や「.com」を入力する必要があった時代を、事実上終わらせる。というのも、今やドメイン名全体を日本語で書くこともできるようになったからだ。

この変化は、世界中の急速に成長している市場で非常に重要だ。特にアジアでは、多言語の利用は一般的ではなく、スマートフォンの新規ユーザーが、デジタル化と経済成長の主な推進力となっている。今日でも、すべてのウェブアドレスのうち、漢字で記述されているのはほんの一部に過ぎない。中国標準語を話す人は、世界のインターネットユーザー人口のほぼ5分の1を占めているというのに。

オンライン消費者の次の波とさらに大きく関わってくるのは、新しいドメイン名に加えて、電子メールアドレスも異なるスクリプトで表記され得ること。そうしたメールアドレスを使用してサービスにサインアップしたり、プラットフォームにサインインしたりする人も、今後増えるはずだ。

賢明なグローバルな企業、そしてグローバル化への志の高い企業が、大きな死角をなくすために行動しているのは、そのためだ。多くのソフトウェア開発者や企業のリーダーは、英語圏、または「ラテン系アルファベット」が使われている世界に住んでおり、そういった人々にとって、インターネットは非常にスムーズに機能している。そのため彼らは、あらゆるドメイン名を等しく受け入れるために、ソフトウェアやアプリをアップグレードするための重要なステップを踏んでいない。そのための手順は、ドメイン名と電子メールアドレスに関する「ユニバーサルアクセプタンス」と呼ばれる、一種のベストプラクティスだ。

システムがユニバーサルアクセプタンスに対応していない場合、異なるスクリプトによるドメイン名または電子メールアドレスを使用しているユーザーは、自分のドメイン名や電子メールアドレスを入力しても「有効」と認識されないため、そうしたシステムを利用することができない。これは、大きな機会損失だ。JavaやPythonなどのプログラミング言語には、そのためのコードライブラリが既に存在していて、このようなタスクも「バグ修正」と同様にあつかうことができる。しかし、これは大きな意味を持つ修正となる。

ユニバーサルアクセプタンスの重要性を把握するには、インドのことを考えてみればいい。そこは、インターネットユーザー人口が、地球上で最も急速に成長している地域であり、明確なケーススタディを提供してくれる。

インドでは、全般的にインターネットの普及が進んでいるが、特に田舎ではさらに急速に普及している。インドのインターネットユーザー数は、最近5億人を超え、2020年までには6億2700万人に達する勢いだ。その5分の2のユーザーは農村地域にいる。そしてインドには22の公用語があり、ほとんどのユーザーはモバイルデバイスを使っていることも忘れてはならない。

インドのラジャスタン州で、最近州政府は、6900万の個々の住民にヒンディー語と英語、両方の電子メールアドレスを無料で提供した。それと同時に、オンラインの公共サービスを、ユニバーサルアクセプタンス対応で運営している。すべてヒンディー語でも利用可能となっているのだ。この対応のために、開発者は30日間ほど集中的に取り組む必要があったが、おかげで住民はヒンディー語の電子メールアドレスだけで、一連のオンラインプラットフォームとサービスにアクセスできるようになった。このラジャスタンの住民のうちのいくらかは、読者の将来の顧客になるかもしれない。

Microsoft(マイクロソフト)は、このような互換性を推し進めている企業の1つだ。昨年、同社の電子メールプラットフォームは、インド全土で話されているもののうち、なんと15種もの言語について、電子メールアドレス国際化(EAI、Email Address Internationalization)を達成したと発表した。Microsoft IndiaのCOOであるMeetul Patel(ミータル・ペイテル)氏は、以下のように述べている

「言語がテクノロジーの採用に対する障壁にならないようにすることは、デジタルインクルージョンの達成と成長の鍵です。15種類の言語で電子メールアドレスを記述できるようにすることは、現代のコミュニケーションおよびコラボレーションツールを、すべての人にとってアクセスしやすく、使いやすいものにするための、ワクワクするようなステップです。私たちは、その実現を目指して不断の努力を続けてきました。私たちがしているのは、テクノロジーに人々の言語を使わせることであって、人々にテクノロジーの標準言語をまず学んでもらうことではないのです」。

このようなメリットにもかかわらず、その達成にはまだまだ多くの作業が残っている。世界の上位1000のウェブサイトに関する最近のレビューでは、現在使われているすべての言語の電子メールアドレスを受け付けたのは、わずかに5%程度だった。

ユニバーサルアクセプタンスをサポートするよう、システムを更新することは、さまざまなスクリプトで記述された言語を使う数十億の人々にとって、インターネットをアクセスしやすいものにするための簡単な方法だ。そして、デジタルインクルージョン支持者が大切にする大義ともなっている。一方、新しいグローバル市場を探求するビジネスにとっては、グローバルなオンラインプラットフォームの時代において、直接的なeコマースからシェアリングエコノミーまで、競争力を差別化する重大な要因なのだ。この先行者利益は、数十億ドルに相当する可能性もある。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

マイクロソフトの次世代ゲーム機「Xbox Series X」は2020年後半に登場

米国時間12月14日に開催されたGame Awards 2019を見逃した人は知らないかもしれないが、Microsoft(マイクロソフト)の次世代コンソールの名前は「Xbox Series X」で2020年後半に登場する。同社は、画像、動画に加えてわずかながらのスペック情報もインターネットで公開した。もちろん2020年のホリデーシーズンに登場する前にはXbox Series Xの詳細情報をたくさん見ることになるのは間違いない。

Xboxの責任者であるPhil Spencer(フィル・スペンサー)氏は公式ブログでかなり長文の紹介記事を書いている。しかしここでは、わかりやすいところから始めよう。Series Xの外観は、今までとは異なる。もちろんすでにミーム製造者たちが徹夜で考えているだろうが、私には昔ながらのパソコンか、ルーターのようにも見える。

現行機の約3倍の高さで背が高く、四角形で黒い。かなりのミニマリストデザインだ。多くの人が冷蔵庫と比較しているようだが、私はいいと思っている。実際、周囲に自然に溶け込めるデザインを求めている人はたくさんいる。

ここ数世代でゲームコンソールは専用機から何でもありのメディアプレーヤーに変わりつつあり、棚に置いてほとんど目立たないスタイルは悪くない。箱型のデザインは、スペースにあわせて縦横どちらにも置けるということでもある。

新しいワイヤレスコントローラーも一緒に発売される。これまでよりやや小さく「さらに多くの人たちに使えるよう改善された」とスペンサー氏は言う。

ボタンの配置や数はほぼそのままだが、スクリーンショットやゲームクリップを撮るためのシェアボタンが加わった。新コントローラーはゲーム機本体に付属し、Xbox OneとWindows 10でも使える。

Series Xは従来機と互換性があり、Xbox Oneのアクセサリーも利用できると、スペンサー氏は以外のように明らかにしている。

互換性を守るために、Xbox Series Xではマシンの世代を超えてゲームをプレイするための消費者に優しい仕組みの開発に力を入れている。

2020年発売予定のHalo Infiniteをはじめとする自社タイトルはもちろんのこと、Xbox Game Studiosのゲームでも、プレイ履歴やセーブデータをデバイス間で共有可能にすることを約束する。

スペック情報は現時点ではまだわずかしか公表されていないが、スペンサー氏は4K動画の60FPS(最大120FPS)での再生と、可変リフレッシュレート(VRR)、8Kそれぞれへの対応を約束した。

最新のZen 2およびAMDとの提携による次世代RDNAアーキテクチャーを活用した当社のカスタムデザイン・プロセッサーによって、Xbox Series Xではハードウェアアクセラレーションによるレイトレーシングやこれまでのゲーム機とは違うレベルの性能を実現している。また特許取得の可変レートシェーディング(VRS)テクノロジーは、デベロッパーがXbox Series X GPUのパワーをさらに引き出すことを可能にし、次世代SSDは読み込み時間を事実上なくし、プレイヤーをこれまで以上に早くゲームの世界に引き込む。

Seriex Xがネイティブハードウェアだけでなくクラウドゲーミングにも目を向けているのはもちろんだ。イベントでは近日公開のNinja Theoryの新作「Senua’s Saga: Hellblade II」のプレビューも行われた。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Microsoft TeamsのLinux版が公開プレビューがダウンロード可能に

米国時間12月10日、Microsoft(マイクロソフト)は、Microsoft Teams for Linuxの公開プレビューを発表した。このオープンソースのオペレーティングシステム上で可利用になる初めてのOffice 365ツールだ。

プレビューの目的は言うまでもなく、一般公開の前にフィードバックをもらって製品を改良すること。リリースを発表する同社のブログ記事には「本日よりMicrosoft TeamsをLinuxユーザーは公開プレビューで利用できる。オープンソースコミュニティの職場や教育機関などで、高品質なコラボレーション体験が可能になる」と記載されている。

目標は実働プラットホームを増やして顧客を増やすことだ。ブログ記事には「顧客の多くがWindows 10とLinuxなど、複数種類のプラットホームの上で動く複数のデバイスを使っている。マイクロソフトは、同社のクラウドにおいても、生産性ソフトウェアにおいても、混成環境をサポートすることにコミットしており、今回の発表によりTeamsの使用体験をLinuxユーザーに広げられることは、とても喜ばしい」とコメントしている。

この発表は、2つの点で重要だ。まずMicrosoftは、CEOがSatya Nadella(サティア・ナデラ)氏になってからオープンソースを受け入れるようになったとはいえ、その前までの長年はオープンソースとの仲が単純ではなかった。しかしこれからは、必要とするユーザーがいる限り、プラットホームやオペレーティングシステムの違いを超えてそのツールを積極的に提供する姿勢に変わったのだ。

第2に、これがLinux上の最初のOffice 365アプリケーションだから、フィードバックが良好なら今後ほかのアプリケーションにも門戸を開くかもしれない。

この発表の背景にはまた、エンタープライズ向けのコラボレーションプラットホームのユーザーをSlackと取り合いしているという事情がある。7月にマイクロソフトはTeamsの1日のアクティブユーザー数(DAU)を1300万人と発表したが、SlackのDAUは1200万人だ。Linux上ではすでに2年近く前からSlackを利用できる

関連記事:Slack comes to Linux as a snap(SlackがLinuxのアプリストアSnapに登場、未訳)

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

マイクロソフトは2020年5月6日にWunderlistを閉鎖

これまでずっとMicrosoft(マイクロソフト)は、2015年に買収したTo DoアプリであるWnderlist(ワンダーリスト)について、自社開発のTo Doアプリで遜色のない体験を提供できるようになったときに、Wundelistを閉鎖し置き換えることを宣言してきた。米国時間12月9日、同社はついに2020年5月6日(日本時間2020年5月7日)にWunderlistを閉鎖することを発表した。この日以降、Wunderlist中の予定は同期されなくなるが、ユーザーは引き続き、マイクロソフト自身のTo Doアプリにコンテンツをインポートできる。

一部のWunderlistユーザーは失望するだろうが、公平を期するために言うなら、マイクロソフトはこの手の買収時に期待される期間よりも、はるかに長期にわたって同アプリの運営を続けてきた。そして同社は 2017年4月の段階から、アプリの将来的な閉鎖に向けて、Wunderlistユーザーのための準備を進めていたのだ。

その間マイクロソフトは、リストグループ(フォルダー)、ステップ(サブタスク)、添付ファイル、共有、タスク割り当てといった、ユーザーお気に入りの機能が、Microsoft To Doに確実に取り込まれるように作業を続けてきた。

9月には、同社はTo Doに、新しい背景、スマートリスト、そして日々の計画スマートに提案してくれる、個人デイリープランナーなどのアップグレードを追加したが、これはWunderlistの閉鎖が近づいていることを示唆していた。また、Outlook、Microsoft Planner、Cortana、Android上のMicrosoft Launcherなどのほかの自社アプリとTo Doを統合した。

 

このときには、Wunderlistのオリジナル開発者であるChristian Reber(クリスチャン・リーバー)氏が、TwitterでWunderlistの閉鎖への憂慮を表明し、もし可能ならアプリを買い戻すことを提案した。リーバー氏は必ずしも負け惜しみを言いたかったわけではなく、共有フォルダーやチーム間のコラボレーションといったオリジナルの構想を実現したいという希望を表明したのだ。実際には、現在リーバー氏は彼が共同創業した新しいコンテンツコラボレーションスタートアップのPitchに関与しており、Wunderlistに戻ることは実際には現実的な話とは思えなかった。

マイクロソフトは、すでにWunderlistに対する新機能のリリースが停止していることや、アプリが古くなるにつれて保守が難しくなることを理由に、Wunderlistを終了することにしたと発表している。さらに、To DoアプリをWunderlistに代わる最良の選択肢にすることに、全力を注いでいきたいと考えている。

2020年5月6日以降、Wunderlistは同期されなくなるが、その時までアプリのサポートは継続される。時間の経過とともに、終了日以降はマイクロソフトはすべてが適切に機能し続けることを保証しなくなる。同社はまた、本日の時点で、アプリの閉鎖に備えてWunderlistの新しいサインアップを受け付けなくなったと述べている。

切り替えを行うには、To DoユーザーならiOS、Android、Mac、PC、またはウェブアプリにアクセスしてWunderlistインポーターを使用することができる(インポーターへのリンクは設定の中にある)。もしその方がお好みなら、必要に応じて、WunderlistアプリからTo Doにリストをエクスポートすることもできる。

コンテンツが適切にインポートされた後は、ユーザーはTo Doに切り替えることができる。To Doは、秋のアップデートを受けてデザインがWunderlistsと似通ったものとなったが、個人用にカスタマイズされたMy Dayホーム画面などの新機能も導入されている。さらに、Microsoft Outlookの電子メールおよびPlannerタスクがTo Doに送信できるようになった。一方、「今後の予定」リストにはすべての期日が表示されるが、必要に応じて今日のタスクのみを表示するようにも設定できる。

「最初からこの旅にお付き合いしていただいている方もいらっしゃいます」とマイクロソフトは発表の中で述べている。「ユーザーである皆さまが、私たちにとってすべてです。引き続き私たちのビジョンを分かち合い、旅の次のステップへお付き合いいただけるようお願い致します。皆さまに現在のWunderlistの実現へのご助力を頂きました。私たちはTo Doに対しても同じご助力をいただけることを期待しております。お好みの機能、追加して欲しい、アップデートして欲しい機能などがございましたら、ぜひお知らせください。印刷、今後の予定、そしてダークモードなどの最新の追加機能によって、私たちが新しい機能を構築する際につねに皆さまのフィードバックを考慮に入れていることがおわかりいただけたのではないかと思います」と同社は語る。

Sensor Towerのデータによれば、2014年1月1日以降、WunderlistはiOSおよびAndroidプラットフォーム全体のインストール件数は2600万件。アプリが2015年6月1日にマイクロソフトに買収されてからのダウンロード数は約1860万回。そして、2019年にはアプリは300万人のユーザーによってインストールされたが、2018年の400万人からは減少している。

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(翻訳:sako)

マイクロソフトがニュージーランド政府と協力し機械翻訳にマオリ語を加える

機械翻訳が便利なことは誰でもわかるし、誰でも体験できる。しかし、この実用アプリケーションは、テクノロジーがもたらす価値のほんの一部にすぎない。Microsoft(マイクロソフト)とニュージーランド政府は、マオリ語を保存し、できればそれに新しい命を吹き込むために、機械翻訳が役に立つことを示そうとしている。

Te reo Māori(テ・レオ・マーオリ、マオリ語)は、ニュージーランド最大の原住民コミュニティの言語だ。しかしどこでもそうだが、マオリも何世代にもわたって植民者の優勢な文化に同化していくにつれて、言葉も次第に忘れ去られようとしている。

マオリ族は人口の約15%を占めるが、マオリ語を話すのはその4分の1にすぎない。ニュージーランドの全人口の3%だ。国はマオリ語の教育を幅広く推進してこの傾向を逆転し、その適切な保存のための策を講じようとしている。

マイクロソフトとニュージーランドのマオリ語委員会であるTe Taura Whiri i te Reo Māoriが数年間協力して、同社のソフトウェアにこの消え行く言語が含まれるよう努めている。このパートナーシップの最新のイベントが、マイクロソフトの翻訳サービスへのマオリ語の導入だ。このサービスがサポートしているそのほかの60の言語とマオリ語との間で、互いに自動的な翻訳ができる。

自動翻訳は、コンテンツや仕事の理解を助け、また埋もれていたドキュメントを探究できるようにするから、インクルージョンと教育のための強力な力になる。

精確な翻訳モデルの作成は、どの言語でも難しい。そしてその鍵は、互いに比較できるコーパスをたくさん用意することだ。そこで開発の重要な、そして委員会が助けになる部分は、コーパスを集めて質のチェックを行い、正しい翻訳ができるようにすることだ。しかし、その言葉がわかる人が少ないと、フランス語とドイツ語の翻訳サービスを作ることなどに比べて作業はより困難になる。

この事業におけるマオリ語話者の一人、ワイカト大学(University of Waikato)のTe Taka Keegan(キーガン)氏は、マイクロソフトのブログ記事で以下のようにコメントしている。

このマオリ語ツールの開発は、長年共通の目標に向けて尽力した多くの人々なくしては不可能だったでしょう。私たちの仕事によって、ニュージーランドの未来の世代のためにマオリ語の再活性化と正規化がもたらされるだけでなく、マオリ語が世界中で共有され学ばれ、価値を認められるようになることを望みます。私たちが用いるテクノロジーが私たちの文化の伝統を反映強化し、そして言葉がその心になることが、極めて重要です。

今は世界の各地で、死にゆく言語が増えている。それをすべて防ぐことはできないにしても、テクノロジーがそれらの記録と使用を助けて、どんどん数が減っている現用言語と共存させていくことは可能だ。マオリ語翻訳事業は、マイクロソフトのAI for Cultural Heritage(文化の継承のためのAI)事業の一環だ。

画像クレジット: Microsoft

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

マイクロソフトがCortanaをトーンダウン、モバイルアプリ終了へ

Microsoft(マイクロソフト)は今月行われた同社のIgniteカンファレンスで、パーソナル生産性アシスタントCortana(コルタナ)の新たなビジョンを発表した。それは、メールなど日々の生活でもっと便利に使えるようにすることを目指したものであったが、Cortanaを真のSiri、Alexa、Googleアシスタント対抗にするという同社の野望を断念するものだった。そして本日11月18日、もう1つのはしごが外された。マイクロソフトはCortanaのスタンドアロンモバイルアプリを終了すると発表したのだ。

同社はいくつかの地域でiOSおよびAndroidのCortanaサポートを2020年1月31日に終了することを静かに発表した。それ以降Cortanaモバイルアプリのサポートはなくなる。マイクロソフトはMicrosoft Launcherの新しいバージョンを公開する予定で、そこにもCortanaは入っていないと話した。

終了する地域は、英国、オーストラリア、ドイツ、メキシコ、中国、スペイン、カナダ、およびインド。米国の名前はないが、後日サポートがなくなっても驚きではない。CortanaのiOSアプリはApp Storeの生産性アプリランキングで254位にすぎず、Google Playでも145位だ。Sensor Towerの最新データによる。

2020年1月31日以降、ユーザーが作ったリマインダーやリストなどのCortanaコンテンツは、CortanaアプリやMicrosoft Launcherで使えなくなるが、WindowsのCortanaでは引き続き利用できる。また、Cortanaのリマインダー、リスト、およびタスクは最近アップデートされたMicrosoft To Doアプリケーションと自動的に同期し、今後も使用できる。

ここ数年マイクロソフトは、Cortanaの計画を再三後戻りさせてきた。例えばBuild 2018イベントで同社は、CortanaとAlexaの連携を発表した。それはCortanaが音声アシスタントのニーズを自力で満たすだけの力を持っていないことを認めるものだった。そして今年1月、同社のCEOであるSatya Nadella(サティア・ナデラ)氏は、 今やCortanaをAlexaのライバルとは思っていないと語りCortanaベースのスマートスピーカーの計画を終了したことを明らかにした。

「Cortanaは会話形コンピューティングと生産性をすべてのプラットフォームとデバイスにもらたす広大なビジョンの重要な部分である」と同社の広報がTechCrunchに声明で語った。「Cortanaをできる限り便利にするために、生産性アプリのMicrosoft 365との統合を強化し、この進化の一環としてAndroidとiOSのCortanaモバイルアプリのサポートを終了する」

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

SalesforceがMarketing CloudをMicrosoft Azureに移行すると発表

エンタープライズソフトウェアの世界では、ときどき不思議な組み合わせが出てくるものだ。米国時間11月13日、Salesforce(セールスフォース)はCloud Information Modelに関してAWSとの大きな意味を持つ連携を発表した。そしてその翌日、セールスフォースは同社のMarketing CloudをMicrosoft Azureに移行すると発表した。エンタープライズの協力関係があっちに行ったりこっちに行ったりして混乱することがあるというのを体現しているようだ。

画像:Steve Jennings / Sean Gallup / Getty Images

セールスフォースとMicrosoft(マイクロソフト)は、セールスフォースのSales CloudとService CloudをMicrosoft Teamsと統合することでも協力すると発表した。

同社は、自社のデータセンターで稼働してきたMarketing Cloudを数カ月以内にMicrosoft Azureに移行する計画だ。ただし現時点では移行の明確なタイムラインは示されていない。AWSと熾烈な争いをしているマイクロソフトにとって、これは大きな意味を持つ。AWSが市場をリードしていることは明らかだが、マイクロソフトはここしばらく強力な2番手となっている。セールスフォースを顧客として迎えることは、マイクロソフトにとって品質の証明のひとつになる。

CRM Essentialsの創業者で長年業界をウォッチしているBrent Leary(ブレント・リアリー)氏は、この連携はビジネスに対するマイクロソフトの現在のアプローチを強く表していて、同社はゴールを達成するために幅広い連携を望んでいるのだと語る。リアリー氏はTechCrunchに対し「セールスフォースがアマゾンよりもマイクロソフトとの関係を深めることを選んだというのが重要なニュースで、セールスフォースの強化によってマイクロソフトのCRMツールであるDynamics 365が脅かされるおそれがあることをマイクロソフトは問題視していない。マイクロソフトの成長を最も大きく担っているのはAzureであることが、その主な理由だ」と述べた。

両社はこれまでもずっと複雑な関係にあった。マイクロソフトのCEOがSteve Ballmer(スティーブ・バルマー)氏だった時代には、CRM製品をめぐって法廷で争っていた。その後、マイクロソフトのCEOになったSatya Nadella(サティア・ナデラ)氏は2015年のDreamforceカンファレンスで仲良くする意向を示した。それ以降、両社の関係は一進一退だったが、今回の発表で敵というよりは友に近づいたようだ

とはいえ、セールスフォースがCloud Information Modelに関してAWSとの連携を発表したばかりであることも見逃せない。Cloud Information ModelはAdobe、Microsoft、SAPのパートナーシップと直接競合するものであり、セールスフォースはデータの統合に関するAWSとの大規模な連携を昨年発表している。

こうした矛盾するような関係はややこしいが、現在のコネクテッドクラウドの世界においては、市場のある部分で激しく戦う企業同士であっても、別の部分では両社と顧客のためになるなら協力しあおうとすることの表れだ。今回の発表はこうしたケースと思われる。

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(翻訳:Kaori Koyama)

新しいEdgeにはマイクロソフトの大きな思いが込められている

Microsoft(マイクロソフト)は、ChromiumベースのEdgeブラウザーに、いくつかの大きな目標を掲げている。Edge担当副社長Chuck Friedman(チャック・フリードマン)氏は、Edgeで10億人のユーザーを確保したいと考えている。そこに到達して初めてChromeのユーザー数と張り合うことができるのだ。だがその前に、フリードマン氏が率いるチームは1月にEdgeのバージョン1.0を公開しなければならない。

マイクロソフトが自暴自棄になってChromiumを採用したことは周知の事実だ。実際、約2年前にチームに加わったフリードマン氏はそれを実存的危機と呼んでいた。それは、はたしてユーザーは現在のEdgeを使いたいと思うのだろうか?といった疑問から発している。「私が着任したときほとんど全員が、で、我々は何がしたいんだ?といった実存的危機感を抱いていました。それは、なぜEdge?みたいな時期でした。ユーザーがこれを選ぶ理由はなんなのか?重要な問題にうまく対処できるのか?」。その当時、彼はそうした疑問への答を持ち合わせていなかった。そこでチームは、ブラウザー空間に提供できるマイクロソフトならではの価値とは何か、さらにはEdgeには将来的に役割があるのかという基本に立ち戻ることにした。

フリードマン氏は、Edgeのプロダクトチームを担当する以前、Windows 10のユーザーエクスペリエンスのためのプログラム管理チームを統括し、Windows 8のつまづきからの挽回に貢献した人物だ。それを考えると、Edgeがマイクロソフトにとっていかに大切な製品であるかがわかる。

ブラウザー空間には、やらなければならない仕事が山ほどあるとフリードマン氏は言う。「まるで足が生えているかのように、新しい問題の塊が次々に現れます」と彼は私に話してくれた。「なので、過去5年間の問題を解決することではなく、今後5年間の問題を解決するという仕事でした」。そのために彼らは、Edgeに元からあった互換性の問題を克服しなければならなかった。まだ世の中には、少なくとも職場環境には、レガシーなウェブとの互換性が必要だという認識があった。

マイクロソフトを含むブラウザー業界では、誰であれプライバシーが最重要課題であることは明からだ。ネットサーフィンを行う人々のプライバシー問題への意識は一般に高いが、自分自身を守るための手段を持っていないとフリードマン氏は言う。「私たちはそこに辿り着き、ウェブのお約束を認識したのです。世界のあらゆる情報に自由にアクセスできるのは爽快だが、その代償として、その中に自分の個人情報も含まれるとなると困る」とフリードマン氏。そうしてこれも、チームの目標となった。しかし、それらすべての課題を総合して考えたとき(セキュリティーの課題も加わって)、Edgeチームは、これらすべてをマイクロソフト製品全体と調和させるという問題に取り組むことになった。「これはオペレーティングシステムだけの問題ではありません。検索だけの問題でもありません。実際にこれは、完全なMicrosoft 365の話なのです。つまりオペレーティングシステムにセキュリティーと生産性ツールを加えたものです」。

だが、フリードマン氏の話は、私がGoogleのChromeチームから聞いたことと重なる。つまり、現在のウェブは広告のビジネスモデルに大きく依存していて、少なくとも現状では、ウェブでパブリッシングを行っているほとんどの企業では、広告が収益の柱になっているというものだ。そこのバランスを取るのが非常に難しい。マイクロソフトは透明性を高めることで対応しようとしている。「ユーザーは、自分の個人情報がどこにあるかを知っているべきなのに、どのデータが何に使われているのかを知らされていません」と彼は説明する。そのためユーザーには、自分のデータがどのように使われるのかを把握し管理できる能力が与えられるべきだという。

「私たちの業界にも、徹底的なプライバシーの保護と管理が絶対に必要だと訴える人たちがいます。それを求めるユーザーも一部にいると私は思っています。しかし、その中の一部の要素がウェブを崩壊させるとも考えています。そしてそれには、パブリケーションが正当な方法で収益を得る能力を奪ってしまう恐れががります」。さらに彼は、ユーザーのおよそ半数が、通常の広告よりもターゲッティング広告を好んでいて、彼らが不満に感じているのは広告の管理権がないことだと指摘した。

マイクロソフトのブラウザーは、デフォルトでサードパーティーのCookieをブロックするようになっている。そのために、彼らはMozillaと同じホワイトリストを利用しているが、ユーザーが自分のデータを削除できることをサイトが示している場合、そのリストは定期的に更新される。そうすることで、広告業界の多くの企業がユーザーに管理機能を与えるよう促す考えだ。

Edgeはまた、ビジネスユーザーのための強力なツールでもある。そこでチームは、一般の顧客に加えてビジネスユーザーに向けたブラウザーの生産性全体を改善する方法も考え始めている。例えば、そこからCollection(コレクション)のアイデアが生まれた。これは、ブックマークとスクラッチ パッドとリーディング リストのハイブリッドだ。まだ本格的には公開はされていないが、Edgeの試験的なカナリアビルドに実装されていて、フラグを有効化すれば使えるようになる。

また彼らは、ユーザーがよくOffice製品からEdgeにコンテンツをコピー&ペーストしていて、そのためこの機能をもっと強化して欲しいと望んでいることに気がついた。「私たちは、あらゆる素晴らしいウェブエクスペリエンスを有するOffiseの資産を統合することで、連携を強化しようとしています。しかし正直言って、ある程度まで彼らと一緒になって、もっとできるように力を貸す必要があります。Officeのウェブ資産を大幅に刷新できるチャンスなので、とてもエキサイトしています。そこでは、もっと革新的なものが作れます」。

もうひとつ、彼らが注目しているのはタブの管理だ。「タブのカオスは興味深い問題です。それは、いまだに存在します。その問題解決に大きく貢献できた人はいなかったのでしょう」とフリードマン氏は言う。それが実際にどのような形になるかはお楽しみだ。

まだ今すぐには見ることができないがCortanaとの統合もある。それは、今の非Chromium版のEdgeに組み込まれているが、まだ新バージョンに搭載できるまでに成熟していないとフリードマン氏は見ている。ブラウザーには便利なものだが、パーソナルアシスタントは間違いがあってはいけないと彼は言う。新しいEdgeに、それがどのような姿で搭載されるかは、まだわからない。可能性はあると彼は考えているが、現実にどのような形で実装されるかは、いまだ不明だ。

バージョン1.0が出荷された後は、彼らは毎年、2つか3つのメジャーな新機能を追加していく考えだ。おそらく最初はコレクションになるだろう。

フリードマン氏はまた、現在Edgeを利用しているユーザーが多くいることを理解している。その数はおよそ1億5000万人。彼らがEdgeを使っている理由は、Windowsに付属しているからだ。低信頼度ユーザーと彼が表現するその人たちは、新しいEdgeがまったく違う姿をしていたら、わざわざ今とは違うブラウザーをダウンロードするとは思えない。代わりに、iPadなど見た目にずっとシンプルな別のデバイスに乗り換えてしまう可能性がある。

だがマイクロソフトは、明らかに経験豊富なユーザーに向けて、Chromeに取って代わるものとしてEdgeを位置付けている。チームは、そうしたユーザーたちに、できるだけ摩擦の少ない移行方法を提供しようと準備を進めている。そのバランスがとても難しいのだが、フリードマン氏は可能だと信じている。そこには、彼がWindowsのために働いてきた経験が生かされる。

「私の直前の仕事はWindows 10です。Windows 10のためのコアユーザー向けのエクスペリエンスを作り上げるプロダクトチームを率いていました。ある意味、Windows 7と8のコードベースを受け継ぎながら、こう問いました。さて、どうやったらこれらのユーザーを統合して、どちらも新製品に満足してもらえるようになるか。今回も同じようなチャレンジです。数々の異なる分野のユーザーの気持を本気で考えることが重要です」。

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(翻訳:金井哲夫)

マイクロソフトが会議室管理サービスを開始

好き嫌いに関わらず(たぶん嫌いな人が多いとは思うが)、会議は会社にとって不可欠のもの。そして、技術的な問題のために、会議を時間通りに始められなかった経験を持つ人も多いだろう。Microsoft(マイクロソフト)は、会議室の管理サービスを提供することで、こうした問題を解決したいと考えている。費用は1室につき50ドル(約5400円)から。このサービスは、Managed Meeting Rooms(マネージド・ミーティング・ルーム)と呼ばれている。現在プライベートプレビューの状態だが、米国時間11月4日の発表に先立って、同社はすでに100を超える顧客とこっそり協力して、1500を超える会議室を管理してきた。

同社のMicrosoft 365担当のコーポレートVPであるBrad Anderson(ブラッド・アンダーソン)氏が私に語ったところによれば、Microsoft Teamsのチームは、多くの仕事をこなしてソフトウェアを最適化し、ビデオ/音声ベースの会議を簡単に開始できるようにした。

「しかし、会議室についてちょっと考えを巡らせてみると、Microsoft Teamsを運営するソフトウェアだけでなく、部屋にはたくさんのハードウェアがあります。テーブルの上にもデバイスがあり、スクリーンがあり、マイクやカメラがあり、プロジェクターもあります。さらに、それらすべてをつなぐケーブル類もあります」とアンダーソン氏は言う。「会議をシームレスで素晴らしいものにするには、こうしたハードウェアが、すべて正常に機能している必要があります。そこで、Managed Meeting Roomsのソリューションでは、すべてのハードウェアの動作も確認することにしました」。

このソリューションは、Microsoft Teamsルームと、Skype for Businessルームのシステムをサポートしている。同社は、企業が会議室をセットアップするための適切なツールの選択を手助けすることもできる。すべてが適切に設定されれば、同社はクラウドサービスを通してすべての機器を監視し、正常に動作しているかどうかを確認できる。問題があっても、それがリモートで修正できるものであれば、チームはそれを修正し、会議を時間通りに始めることができる。

「会議室の管理に、実際に習熟できるほど余裕のある組織はまれです」とアンダーソン氏は言う。「そこで、そうした組織では、結局このように考えるしかなくなるでしょう。つまり、マイクロソフトが実際に非常に手頃な価格でソリューションを提供しているのに、会議のための専門家を養成する必要が本当にあるのかということです。【中略】もし、会議の開始が10分でも遅れることを防げるなら、1回で元が取れるでしょう」。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

Microsoft TeamsにYammerとの統合やセキュアなプライベートチャネルなどの新機能

Microsoft(マイクロソフト)のYammer(ヤマー)といえば、原始的なSlackのような、あまりリアルタイムでもないチャットアプリで、もうなくなってしまったと思う人がいても無理はない。しかし実は生きていて、しかも元気だ。全社的なチャネルやチーム全体へのお知らせといった動きの速くないソーシャルネットワークの用途で使われている。米国時間11月4日、同社はYammerをSlackのライバルであるMicrosoft Teamsに統合すると発表した。Teamsでは、Yammerは左のサイドバーに置かれる。

SAN FRANCISCO, CA – MARCH 30: Microsoft CEO Satya Nadella delivers the keynote address during the 2016 Microsoft Build Developer Conference on March 30, 2016 in San Francisco, California. The Microsoft Build Developer Conference runs through April 1. (Photo by Justin Sullivan/Getty Images)

これにより、マイクロソフトの2つの企業向けコミュニケーションプラットフォームはついに一緒に成長していくことになり、ユーザーは動きの速いチャットはTeams、FacebookのMessengerやニュースフィードのような社内SNSはYammerと、お互いに補完しながら使い分けられるようになる。

Yammer自体も、全プラットフォームにわたってマイクロソフトのFluent Design Systemを使って再設計された。またYammerをOutlookにも組み込み、受信メールボックスから直接、メッセージに返信できるようになる。新しいYammerは12月にプライベートプレビューとして公開が開始される。

今回のアップデートで、Teamsにはほかにも、セキュアなプライベートチャネル、マルチウィンドウのチャットとミーティング、チャネルのピン固定、Microsoft To DoおよびPlannerとのタスクの統合(To Doアプリは1つでは不十分なようだ)など、多くの新機能が追加される。Teams Roomsも大幅に機能強化され、Cisco WebExとZoomのミーティングのサポート、緊急通話に対応したTeams Phone System、管理者がTeamsのセキュリティを守るためのIT管理機能が追加される。

Linux版のTeamsクライアントも開発中で、今年中にはパブリックプレビューが公開される予定だ。

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(翻訳:Kaori Koyama)

マイクロソフトが共同編集ツール「Fluid Framework」の公開プレビューを開始

今年前半にMicrosoft(マイクロソフト)が開催したデベロッパーカンファレンスのBuildで、最も興味深く、そして最もわかりづらかったニュースのひとつが、同社のFluid Frameworkの初めての一般公開のデモだった。Fluidは複数のデベロッパーがリアルタイムでコードを共同編集するツールだ。しかし同社はそれをOfficeやOutlookのような自社のツールにも入れてしまった。そのため、単なるコーディングエディターというより、ドキュメントのルック&フィールの形を変えてしまうものだった。

米国時間11月4日、フロリダ州オーランドで行われた同社のクラウドテクノロジーのためのカンファレンスであるIgniteでは、そのFluid Frameworkのエンドユーザー体験の初めての公開プレビューと、デベロッパーのための非公開プレビューが提供された。

マイクロソフトが言うには、Fluidのメインの能力は3つある。ひとつは複数の人が共同でドキュメントを編集できること。そしてドキュメントモデルをコンポーネントに分割できること。それから、テキストのリアルタイム翻訳とか語句の提案などさまざまな機能を持ったインテリジェントエージェントを組み込めることだ。

これらは、あるところまではGoogle Docsとあまり変わらないし、Officeにあるマイクロソフト自身のコラボレーション機能にも似ている。新しいのは、マイクロソフトがこれをデベロッパーに公開し、Fluid Frameworkをドキュメントを解体してコンポーネントに分割する新しい方法と見なしていることだ。そのようなドキュメントを、いろんなアプリケーションで利用できる。

マイクロソフトの計画ではFluid FrameworkをMicrosoft 365全体の、さまざまなユーザー体験に組み込んでいく。具体的には、Teams、Outlook、SharePoint、OneNote、Officeなどいろいろだ。関心のある方は、公開プレビューを見て試してみればドキュメントの編集方法がどんな感じかわかるだろう。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Microsoft AzureがFarmBeatsのプレビュー版を公開し農業テックに参入

Microsoft(マイクロソフト)がフロリダ州オーランドで開催中のイベント「Ignite」で、同社はこれまで主に研究目的だったプロジェクトのAzure FarmBeatsを、パブリックプレビューとしてAzure Marketplaceで米国時間11月4日から公開すると発表した。FarmBeatsは、IoTセンサー、データ分析、機械学習を組み合わせた同社のプロジェクトだ。

GROSSDERSCHAU, GERMANY – AUGUST 14: In this aerial view a combine harvests summer wheat at a cooperative farm on August 14, 2015 near Grossderschau, Germany. The German Farmers’ Association (Deutscher Bauernverband) is due to announce annual grain harvest results this week. Some farmers have reported a disappointing harvest due to the dry weather in recent months. (Photo by Sean Gallup/Getty Images)

この日の発表でマイクロソフトは「FarmBeatsの目的は、農家が自分の農場のデータとデータドリブンの洞察によって理解を深め直感を強化するものだ」と説明した。FarmBeatsは、センサー、衛星、ドローン、気象観測などさまざまなソースからデータを集め、AIと機械学習によって農家にアクション可能なインテリジェンスを提供することを目指している。

さらにFarmBeatsは、ここで収集され、評価されるデータを利用するアプリを作る開発者のためのプラットフォーム的なものになることも狙っている。

マイクロソフトは開発プロセスに関し、次のように説明している。衛星画像は活用するが、それで農場のすべてのデータを捉えられるわけではない。現場に設置されたセンサーなどのデータが必要で、さまざまな種類のデータをまとめて分析する必要がある。また農場ではインターネットの接続環境が十分でないことも多いため、FarmBeatsはテレビの空いている周波数帯域を利用して接続するマイクロソフトの取り組みを初めて利用するチームになった。そしてもちろん、データの収集にはAzure IoT Edgeを活用する。

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(翻訳:Kaori Koyama)

ウェブ版のVisual Studioが試用可能に

Microsoft(マイクロソフト)は今年のデベロッパーカンファレンスことBuildで、Visual Studio IDEのウェブ版を開発中だと発表した。

当時、Visual Studio Onlineは一部のデベロッパ向けにプライベートプレビューとして公開されていた。そして今回のIgniteカンファレンスで、同社はこのサービスを試用したいすべてのデベロッパーに公開した。

Visual Studio Onlineを使えば、開発者は自分のリポジトリ用に完全に設定された開発環境を素早く立ち上げることができる。そして、ウェブベースのエディタを使用してコードを編集できる。

「Visual Studio Onlineは、Visual Studio、クラウドにホストされた開発環境、どこからでもアクセス可能なウェブベースのエディタを統合し、開発者の生産性をこれまで以上に向上させる」とマイクロソフトはプレス資料で述べている。「プル・リクエストのような共同作業のオープンソース・ワーク・フローが普及するにつれ、開発者は生産性を損なわずにコードベースとプロジェクトを素早く切り替える必要がある」。

現時点では、このサービスは同社のGitHubと深く統合されているが、同社によると、開発者は自分の物理マシンと仮想マシンをVisual Studioベースの環境に配置することもできる。開発者はWindowsやMac、Linuxにて人気が高まっているVisual Studio Codeから、オンライン環境を作ることもできる。

今回はクラウドベースの環境とVisual Studio Codeの拡張サポートがプレビューされている。

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(翻訳:塚本直樹Twitter

新プライバシー機能搭載のChromiumベースのEdgeブラウザが1月15日に公開

Microsoft(マイクロソフト)は米国時間11月4日、ChromiumベースのEdgeブラウザが1月15日に一般公開され、Insiderプログラム向けのベータ版となるWindowsとmacOSのリリースがダウンロード可能になったと発表した(新しいアイコンも採用されている)。

新しいEdgeブラウザの開発は急速に進み、最新のビルドは非常に安定している。さらに同社はCollectionsのような特徴的な機能をより実験的なビルドに組み込み始めている。

今回のリリースでマイクロソフトは、新しいプライバシー機能も発表した。注目すべき機能は、おそらく新しいInPrivateというブラウジングモードで、Bingと組み合わせることで、ユーザーのオンライン検索履歴と身元のプライバシーを守る。InPrivateはその名のとおり、ウィンドウを閉じたときにローカルマシン上のブラウズセッションに関する情報を削除する。そしてBingで検索すると、その検索履歴や個人を特定できるデータも保存されず、関連付けもされなくなる。

Edgeではデフォルト設定にて、トラッキング防止も有効になる。マイクロソフトのModern Life、Search&Devices Groupのコーポレートバイスプレジデントを務めるYusuf Mehdi(ユスフ・メディ)氏は、本日の発表前のブリーフィングにて、「ウェブ上で難しいことの1つは、プライバシーとデータ保護を両立させる方法で、ユーザーはウェブをパーソナライズしたい場合もある」と述べた。「現在の問題は誰もそれを本当に成功させていないことだ。企業の中には、非常に厳格なプライバシー管理を目指して革新的な取り組みを行っているところもある。問題は、彼らがウェブを壊すことだ。一方で他の企業は『心配しないでほしい。すべての機能を顧客に提供する』と表明するが、バックグラウンドではデータが追跡されている」。もちろんメディ氏は、マイクロソフトのアプローチが優れており、よりバランスが取れていると考えている。

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(翻訳:塚本直樹Twitter

Slackに投資したIndex VenturesがSlackのライバルも支援

Slackは仕事場のコミュニケーションの新しいソリューションを作った。そのソリューションは、Microsoft(マイクロソフト)をも含む、多くの会社にマネされている。Slackは個人や企業が共同作業をするのに役立つように作られた製品だが、通知が多すぎると批判され、生産性を下げるとも言われてきた。

Stripeの元クリエイティブディレクターでデザイン畑のLudwig Pettersson(ルートヴィヒ・ペッターソン)氏が率いるスタートアップのQuillは「チームを邪魔しない有意義な会話」を提供するという。同社はシードラウンドで200万ドル(約2億1800万円)を調達した。このラウンドはSam Altman(
サム・アルトマン)氏が主導し、General Catalystが参加した。その後、シリーズAでは評価額が6250万ドル(約68億円)で、1250万ドル(約13億6000万円)を調達した。TechCrunchの調べによれば、シリーズAはIndex VenturesのパートナーでSlackの元ボードオブザーバーのSarah Cannon(サラ・キャノン)氏が主導した。Quillとキャノン氏はコメントを避けた。

米国サンフランシスコを拠点とするQuillは、シンプルなメッセージング製品を作っている。まだベータだが、情報筋がTechCrunchに語ったところによると、Quillはスレッドを重視し会話を減らして集中できるような製品を計画しているという。Y Combinatorの元プレジデントであるアルトマン氏によれば、ダイレクトメッセージ、スレッド、チャンネルのフィルタリングで長時間スタックすることがあるSlackに比べると、この製品は流れてくるデータの量が少ないという。

アルトマン氏はTechCrunchに対し「この製品はコミュニケーションのバンド幅を広げ効率を上げることに厳密に的を絞っている。技術的には驚くほどうまくいっている。フィードには適切な情報が表示され、適切な人々がインテリジェントに参加できる」と語った。

ペッターソン氏は、以前にアルトマン氏の現在のベンチャーであるOpenAIで一緒に働いていた。OpenAIは、AIを「親しみやすい」方向に導く開発を研究する企業だ。ペッターソン氏は2016〜2017年に同社の技術スタッフとして働き、OpenAIの初期デザインを作った。

Index Venturesはというと、成長している仕事用コミュニケーションソフトウェアのカテゴリーにさらに資金を投じているようだ。同社は2015年にSlackに最初に投資し、その後、今年6月にSlackは待望の上場を果たした。Slackは数億ドルを調達し、2018年の評価額は70億ドル(約7600億円)を超えていた。

上場後、Slackは市場で地位を築くのに苦戦している。その大きな要因は、大手のMicrosoft(マイクロソフト)が2016年にリリースしたSlack風の製品であるTeamsの成長だ。マイクロソフトは多くの企業に愛用されるツールを集めた便利な製品パッケージを提供して急速にシェアを獲得した。7月の時点でTeamsのデイリーアクティブユーザー数は1300万人で、マイクロソフト史上最も成長の早いアプリとなった。Slackは今月初めにデイリーアクティブユーザー数は1200万人と発表した。

QuillのようなスタートアップもSlackにとっては脅威だ。同社は仕事用チャットソフトウェアの新しい形を作り、このようなツールのニーズが高いことを証明した。一般に企業は何年にもわたってモデルを反復しなくてはならない。

Quillは、OpenAIのチェアマンで最高技術責任者のGreg Brockman(グレッグ・ブロックマン)氏と、Twitter元幹部でColor Genomics共同創業者のElad Gil(エラド・ギル)氏の支援も受けている。

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(翻訳:Kaori Koyama)