AmazonのミネソタFCで労働者たちがデモ、会社は“彼らはうちの社員じゃない”と反論

昨日(米国時間12/14)の午後、ミネソタ州シャコピーのAmazonフルフィルメントセンターの外で、ソマリア系アメリカ人の労働者たちが、“われわれの声を聞け”(hear our voice)とシュプレヒコールしながらデモ行進をした。その数はソースによって異なるが、The Minneapolis Star Tribuneは約100名としている。

問題のある労働条件に関する報道が何年間も続いている同社にとって、これはもはやお馴染みの光景だ。今年の始めに、バーモント州選出の上院議員Bernie Sandersからの圧力で同社が、倉庫労働者の15ドルの最低賃金を採用したとき、Amazonの労働問題はその沸点に達した。

抗議者たちは不公平な労働条件と、約40%が東アフリカ出身である当地の労働者に対する配慮のない待遇を非難した。“われわれには安定した雇用が必要だ。われわれはロボットでなない”、ある従業員は地元のFox系テレビ局にこう語った。

この抗議活動は、ニューヨークの倉庫の従業員たちが組合結成の計画を発表した、その同じ週に起きた。クリスマスまであと10日というこのご時節はもちろん、オンラインリテールの巨人にとって都合の良くないタイミングだ。

同社のスポークスパーソンはGizmodoの取材に対して“失望感”を表明した: “今日のイベントに参加した人びとは大多数がAmazonとは無関係な人たちだ。Amazonの従業員の多くは今日、何千ものホリデーパッケージを顧客に送ることに忙殺されている。今日行われた、私たちのビジネスの生命線である献身的で勤勉な人びとを傷つける取り組みには、失望している。彼らは、今日もふつうに仕事をしていただけだ”、という。

そのスポークスパーソンはさらに言葉を続けて、同社の労働と安全性の実績、および有給の祈祷休憩の規則を弁護した。“祈祷休憩は20分以内なら有給であり、休憩を補償する生産性調整規則はない。20分を超える祈祷休憩も認められるが、その場合は生産性調整がある”。

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詐欺で訴えられているHuaweiのCFOが$7.5Mで保釈

カナダ政府は、バンクーバーで拘束後10日になる、Huaweiの最高財務責任者Meng Wanzhouの保釈を認めた。この決定は三日間の法廷審問の結論で、そこで判事と検察官がWanzhouの保釈適格性について議論した。

WanzhouはHuaweiの創業者Ren Zhengfeiの娘で、最高刑が懲役30年にもなる詐欺罪で訴えられていた。彼女は12月1日、メキシコへ向かうトランジットの間にアメリカ政府の要請によりカナダの政府職員に逮捕された。保釈条件の一環として法廷は彼女に、1000万カナダドル(US750万ドル)を払うことと、彼女のバンクーバーの自宅でアメリカへの送還を待つよう命じた。報道によると、Wanzhouはパスポートを放棄し、アンクレットを着用、午後11時から午前6時までは在宅しなければならない。

アメリカ司法省は、Wanzhouがアメリカの金融機関を騙して、Huaweiの非公式の子会社SkyComに、アメリカが制裁を課しているイランで事業をさせた、と申し立てている。

Huaweiはコメントの求めに、直ちには応じていない。

関連記事: HuaweiのCFO逮捕で中国株価急落、貿易摩擦のさらなる高まり懸念

画像クレジット: Bloomberg / Contributor / Getty Images

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LinkedIn、新たなプライバシー設定でメールアドレスのエクスポートを禁止

LinkedInのプライバシーにとっての大きな勝利は、つながりのある人のメールアドレスをエクスポートしたい企業やリクルーターなどにとっては大きな損失だ。LinkdInは新たなプライバシー設定を密かに導入し、ユーザーのメールアドレスを他人がエクスポートすることをデフォルトで禁止した。これで一部のスパムや、つながっていることに気づいていなかったどこかのユーザーが自分のメールアドレスをダウンロードして巨大なスプレッドシートに貼り付けるのを防ぐことができる。しかし、この新しい設定を警告もアナウンスもなく導入したことで、プロフェッショナルネットワーキングサイトに多大な投資をして、つながった相手と外部で接触しようとしていた多くのユーザーの怒りを買う可能性がある。

TechCrunchは読者からの情報で、LinkedInのアーカイブツールでデータをエクスポートしたときメールアドレスが取れなくなったことを知らされた。その後LinkedINは本誌に対してこれを認め、「これは新しい設定で、メンバーはLinkedInに登録したメールアドレスの管理を強化できるようになった。『メールアドレスの公開設定』という項目を見ると、新たに詳細設定項目が追加されて、もっとも強いプライバシーオプションがデフォルトになっていることがわかる。メンバーはこの設定を好みに合わせて変更できる。これでメンバーは自分のアドレスを誰がダウンロードできるかを管理できるようになる」

新しいオプションは、設定とプライバシー -> プライバシー -> メールアドレスの公開設定の中にある。ここの「つながりがデータをエクスポートする際にメールnobuo.takahashi@nifty.comのダウンロードを許可しますか?」の トグルがデフォルトで「いいえ」 になっている。ほとんどのユーザーはこれを知らない。なぜならLinkedInはアナウンスしていないから。 ヘルプセンターにメールアドレス公開範囲の説明が折り畳まれたセクションとして追加されただけであり、「はい」に変更する人は、そうする理由の説明がないのでほとんどいないだろう。つまり、今後LinkedInでエクスポートしたアーカイブにほとんど誰のメールアドレスもないことを意味する。つながりのあるユーザーは、プロフィール画面にくればメールアドレスを見ることができるが、まとめてダウンロードすることはできない。

Facebookは2010年にGoogleとデータポータビリティーについてき戦ったとき、メールアドレスのエクスポートに関して同じ結論に達した。Facebookはユーザーが自分のGmail連絡先をインポートすることを推奨したが、友達のメールアドレスをエクスポートすることは禁止した。同社は、ユーザーは自分のアドレスは所有しているが友達のアドレスは自分のものではないのでダウンロードできない、と主張した——しかしこのスタンスは都合よく、ライバルアプリがFacebookの友達リストをインポートしてソーシャルグラフを作ることも阻止した。私は、Facebookは友達リストをインターオペラブルにして、ユーザーが使うアプリを選べるようにすべきだと提唱した。これは、それが正しい道であると同時に規制を遅らせることにもなるからだ。

Facebookのようなソーシャルネットワークでメールアドレスのエクスポートを禁止する意味は理解できる。しかしLinkedInのようなプロフェッショナルネットワークでは、人々は知らない人たちと意図的につながっていて、エクスポートは常に許可されていたので、黙ってそれを変えることは正しいやり方とは思えない。おそらくLinkedInは、つながっている人が誰でもメールアドレスをかき集められるという事実に注目を集めたくなかったのだろう。昨今のソーシャル分野における厳しいプライバシー監視というメディア事情を踏まえるとそれも無理はない。しかし、LinkedInに依存する企業に多大な影響を与える変更を隠そうすることは、コアユーザーの信頼を失墜させる事態になりかねない。

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マクロン大統領「Paris Call」でサイバー犯罪抑止を提唱

フランスのエマニュエル・マクロン大統領はパリのUNESCOで行われたインターネット・ガバナンス・フォーラム(IGF)で講演した。IGFは設立されてからしばらくたつが、一部で期待されたほどの活動がなかった。

フランス政府がサイバーセキュリティーに関する3ページの文書、Paris Callを発表したのはそれが理由だ。マクロン大統領はIGFを活性化し、各国(および企業)が集まってサイバーセキュリティー問題について意見を一致させるためのサブグループを作りたいと考えている。

「まず、インターネットは今ここで機能している。そしてニュースはサイバー問題で溢れているにも関わらず、われわれはITのツールを盲信している」とマクロン氏は言った。

しかし、彼によると、もし国際コミュニティーが適切な規制に同意できなければ、民主的プロセスの整合性にリスクをもたらす。現在状況は2種類ある、と彼は考えている。独裁的政府はインターネットのリクエストにフィルターをかけ、ウェブをインターネットのサブセットに制限している。一方民主的国家では、誰もが(ほとんど)フィルターされていないウェブを閲覧できる。

「最近のサイバー攻撃は医療システムに侵入することもできる。もしわれわれが、常にシステムがセキュアである確信を持てなければ、システムは空中分解してしまう」

言い換えるとサイバー攻撃は、民主主義国家がネットワークを守るために中国を模倣し、さまざまなウェブサービスをブロックする事態を招きかねない。

「だから私は今日ここへ来て、新しい合議制度を提案する。このフォーラムは議論や講演以上の何かを生み出すべきだ。具体的な決断に役立つ新しい場になるべきだ」とマクロン氏は言った。

彼はIGFを国連事務総長直轄にすることを提案している。さらに彼は、世界の国々と企業、NGOらの間が合意した”Paris Call” も支持している。

すでに数百の組織がParis Callに署名している。ほとんどのEU加盟国、Microsoft、Cisco、Samsung、Seamens、Facebook、Google、ICANN、インターネットソサエティなどだ。しかし、中国と米国はまだ署名していない。

Paris Callの全文はここで読める。Paris Callのメンバーは、あらゆる種類のサイバー攻撃を防止することに概ね一致している——これは和平提案だ。

その内容に関してマクロン氏はウェブに反対ではない。ウェブが民主主義の春を可能にし、気候変動や女性の権利に対する活動を活発化したことに彼は言及した。しかし、今やウェブが過激派のヘイトスピーチ発信に利用されていることも話した。

「巨大プラットフォームはゲートウェイになるだけではなくゲートの番人にもなるべきだ」とマクロン氏は言った。

テロリストのコンテンツやヘイトスピーチを削除することについては過去にもいくつか取り組みがあった。しかしマクロン氏は、さらに一歩踏み込むべきだと考えている。

コンテンツの監視に関するFacebookの取り組みで、Facebookとフランス政府が協力体制を取ろうとしているのはそれが理由だ。

最後にマクロン氏はこの機会を利用して、フランスのデジタル化への取り組みについて再度話した。フランス政府は欧州のIT巨人らに公正に課税する新しい方法の制定に力を入れている。マクロンはこれを小さい企業を不公平な競争から保護するためだと説明した。しかし交渉は今のところ停滞している。

さらにマクロン氏は、人工知能の投資とイノベーションに関する第三の考えも擁護した。

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Facebook、極右グループProud Boysの利用を停止、勧誘手段を断つ

Facebook、極右グループProud Boysの利用を停止、勧誘手段を断つ
FacebookProud Boysを排除している。白人至上主義グループとつながりのある極右市民組織だ。Business Insiderが最初にこの決定を報じた。Facebookは、Proud BoysをFacebookとInstagramから排除することをTechCrunchに正式に伝え、同グループ(恐らくリーダーのGavin McInnesも)が同社のヘイト行動集団/人物の定義に合致したことを示した。

Facebookは以下の声明を送ってきた:

「われわれは組織的ヘイト行動およびヘイトスピーチ傾向の研究を続け、パートナーの協力を得てヘイト行動組織の変化状態の理解を深めている。当社はそうした組織や個人をプラットホームから排除すると共に、それらに対する称賛、支援も見つけ次第排除している。今後もわれわれのポリシーに違反するコンテンツ、ページ、および人々の監視を続け、コミュニティーの安全を保つためにヘイトスピーチとヘイト組織に対して行動を起こしていく」

他のオンライン発の極右グループと比べても、Proud Boysがソーシャルネットワークを通じて与える影響は膨大だ。工作員でVice誌ファウンダーのMiInnesが設立した同組織は、主たる勧誘手段としてFacebookに依存している。本誌が8月に報じたように、Proud Boysは驚くほど複雑なネットワークを運用し、多くの地方、地域のFacebookグループを通じて新しいメンバーを集めている。彼らはあらゆる面でFacebook依存している——Proud Boysのホームページからも、Facebookグループにリンクを貼ってメンバー候補者を誘導している。

本稿執筆時点でFacebookの停止措置はProud Boysグループの一部に適用されているが、されていないグループもある。Proud BoysファウンダーのMcInnesのプロフィールは今も有効のようだ。Facebookの同組織に対する決定は、最近ニューヨークで、暴行、武器不法所持、集団暴行などの罪でProud Boysのメンバー5人が逮捕されたことを受けたものと思われる。

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中国からトランプへお返し: iPhoneをやめてHuaweiにしたら

The South China Morning Postによると、中国外務省のスポークスウーマンHua Chunying(华春莹)が、トランプの安全でないiPhoneに対するスパイ行為に関する、昨日(米国時間10/24)のおそろしい記事を否定して、それを“フェイクニュース”と呼んだ。彼女は大統領のためにとくに言葉を選んで、Huaweiのハンドセットに換えるよう提案し、それがだめなら通信をやめたら、と言った。

その語調はときにはネット上の‘荒らし’のようにもなり、そのスポークスパーソンは、“この記事を見ると、オスカーの脚本賞を必死で狙ってる人たちが書いたように思える”、とも言った。

[政府支給のスマートフォンしか使ってない]

昨日(きのう)のThe New York Timesの記事は、“アメリカの諜報機関の職員によると、その機関は、中国とロシアが大統領の携帯電話の外国政府の内部の人間からの通話を盗聴し、また外国の政府職員間の通信を傍受していることを(そのアメリカの諜報機関が)知った”、と言っている。

Trumpは今朝Twitterで反撃し、記事を訂正しようとしたが、そんな時間はない、とも言い、それは“soooo wrong”(ものすごく間違ってる)だ、と付言した。さらに大統領は、その記事(私物のiPhone)と違って、政府支給のスマートフォンしか使っていない、と言っている。

Huaの声明はさらに一歩進んで、アメリカがHuaweiのハンドセットやそのほかの中国製のネットワーキング機器を、政府によるスパイ行為への懸念から禁じていることを、猛然と攻撃している。

画像クレジット: BRENDAN SMIALOWSKI/AFP

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Googleは過去2年間で48名をセクハラで解雇

今朝The New York Timesは、性的不行跡が報じられたAndroidの作者Andy Rubinに対する、Googleからの処遇に関する爆弾記事を載せた。

その記事が出たあと、CEOのSundar Pichaiと人事担当VP Eileen Naughtonの署名入りメモがGoogleのスタッフに送られた。そのメモは、“高い地位にある者の不適切な行為に対する強硬な姿勢を、今後ますます厳しくしていく”、とし、その厳しい処分の内容を詳説している。

そのメモはGoogleのスポークスパーソンが本誌TechCrunchに提供したもので、過去2年間だけでも48名がセクシャルハラスメントにより解雇された、とある。そのリストには、上級管理職が13名含まれている。

その社員宛て書簡は曰く、“これらの個人の誰一人として解雇手当を受け取っていない”。これは明らかに、Rubinに1か月に200万ドルずつの分割で計9000万ドルが支払われた、とする報道を指している。RubinはGoogleを2014年に辞めた。書簡の全文が、本記事の末尾にある。

本誌は今、Rubinが2015年に立ち上げたハードウェア向けのインキュベーターPlaygroundにも問い合わせている。情報が得られ次第、この記事をアップデートしたい。

From: Sundar

Hi everyone,

今日のThe New York Timesの記事は、読むのがつらかったです。

私たちは、安全で差別や区別のない職場づくりに、真剣に取り組んでいます。みなさんに明言したいのは、私たちがセクシャルハラスメントや不適切な行為に関する苦情を、どれ一つとして無視することはない、ということです。必ず調べて、対応します。

近年行ったいくつかの変更により、高い地位にある人びとの不適切な行為に対する強硬な姿勢が、ますます厳しくなっています。そのため、最近の2年間で48名がセクシャルハラスメントで解雇され、内13名は上級管理職以上の地位でした。これらの個人の誰一人として、解雇手当や退職金を受け取っていません。

2015年にはRespect@事業を立ち上げ、各年の内部調査報告書により、Googleにおけるこの種の調査に関する透明性を提供してきました。ハラスメントを報告することには心痛が伴うことを理解していますので、秘密のチャネルを提供して、あなたが経験または目撃した不適切な行為を共有しています。私たちは、声を発して事を公にする人びとを、支援し尊敬します。そして、そのためのいろいろな方法を提供しています。匿名による報告もできます。

最近の方針変更により、すべてのVPおよびSVPは、報告や係争の有無にかかわらず、同僚とのいかなる関係をも、開示しなければなりません。

私たちは、Googleを安全で良い仕事のできる職場にすることに真剣にコミットしています。そのような職場では、不適切な振る舞いをする者には誰にでも、重大な結果がもたらされます。

Sundar and Eileen

画像クレジット: Bloomberg/Getty Images

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Facebook、「広告アーカイブレポート」で政治広告費ランキングを公表

明白な理由により、Facebookは中間選挙を前に政治広告の透明性を高めようとしている。去る5月、同ソーシャルネットワークは米国内の政治広告を検索できるデータベース、Ad Archiveを導入した。このほど新たに政治広告費用を週例報告するAd Archive Report機能を追加した。

レポートはキャンペーン別のトップ広告利用者を利用額および広告掲載数と共に公開している。最初のレポートは、FacebookとInstagramで5月から10月20日の期間に掲載された広告が対象で、総額2.56億ドルが160万件の広告に消費された。

この数字にはFacebook自身による選挙の公正化および投票推進運動に関連する広告も含まれている。それ以外ではあらゆる手を尽くして戦っているテキサス州のベト・オルーク下院議員がリードしているのは驚きではないだろう。”Beto for Texas” キャンペーンはこの期間約6000件の広告に530万ドルを使った。

ドナルド・トランプの “The Trump Make America Graeat Again Committee”[トランプがアメリカを再び偉大にする委員会]が190万ドルで2位。ちなみに “Donald J. Trump for President, Inc.” [ドナルド・トランプを大統領に株式会社] は160万ドルで8位だった。これは170万ドルを使ったトム・ステイヤーの”Need to Impeach”[弾劾せよ]のすぐ下だ。こうしたキャンペーンが2020年に向けて膨れ上がっていくことは間違いない。

アーカイブには、7年前まで遡って広告が収納されている。また同サイトでは、データをアクセスするためのリサーチャー向けのAPIも提供している。

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Facebook、盗んだコンテンツのサイトをニュースフィードで降格

Facebookは、低俗なニュースパブリッシャーや他の情報源から不正に記事を転載するウェブサイトのランキングを下げる。本日(米国時間10/16)同社は、コンテンツの信憑性に関するこの新基準に加えて、クリックベイトや低俗広告満載のランディングページのサイトへのリンクを、ニュースフィードで目立たなくすることをTechCrunchだけに伝えた。これはFacebookが行ったアンケート調査と対面インタビューで、かき集めコンテンツをユーザーが嫌っているとわかったことを受けての動きだ。

不正入手された知的財産がニュースフィードで配信されにくくなれば、参照トラフィックが減り広告収入も減るので、悪党共が記事や写真やビデオを盗む動機づけがそもそもなくなる。その結果ウェブ全体でコンテンツの信憑性が改善される効果が期待できる。

そして、 最近起きたFacebookの大規模セキュリティー侵害によって2900万ユーザーが盗まれたプロィールデータが万一オンライン公開されたたときに備えて、Facebookはデータへのリンクをフィードから事実上排除するポリシーをすでに制定している。

Facebookの最新ニュースフィードポリシー変更によって降格されるタイプのサイトは、たとえばこれだ。”Latest Nigerian News” は、最近の私のTechCrunch記事を抜き取り、山のような広告で包み込んだ。

An ad-filled site that scraped my recent TechCrunch article. This site might be hit by a News Feed demotion

「当社は本日より、他サイトのコンテンツを複製、転載するだけで独自の価値を持たない低級なサイトにリンクする投稿を、ユーザーが見ることが少なくなるアップデートを公開する。これに伴い当社のパブリッシャー向けガイドラインを修正する」とFacdbookが低俗広告満載サイトの降格について書いた2017年5月の投稿への補遺書いた。Facebookは新しいガイドラインで、報道機関はコンテンツを転載する際に独自コンテンツや価値を付加しなければFacebookコミュニティーの怒りを買う、と警告するつもりだと本誌に語った。

個人的には、こうした話題に関する透明さの重要性を考えると、Facebookは元記事の更新だけでなく、新たな記事を書くべきだと私は思う。

さて、Facebookはどうやってコンテンツが盗まれたものだと決めるのか? システムはあるページのテキストコンテンツが他のあらゆるコンテンツと一致しているかどうか比較する。この一致の程度に基づいてサイトがコンテンツを盗んだかどうかを予測する。この予測値を、サイト見出しのクリックベイト加減やサイト広告の質と量と組み合わせて盗難コンテンツを決定する。

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マイクロソフト、オープンソース特許ネットワーク(OIN)に加盟、特許6万件を開放

本日(米国時間10/10)Microsoftは、オープンソース特許団体のOpen Invention Network(OIN)に参加したことを発表した。同グループはLinuxを始めとするオープンソースソフトウェアを特許関連訴訟から守ることを目的としている。グループ参加の一環として、ソフトウェアの巨人は特許6万件を含むライブラリーをグループメンバーに開放する。この巨大特許データベースへのアクセスは無制限でロイヤリティフリー。

It is, as ZDNETによると、これは長年積極的に訴訟を起こしてきた同社の過去からの転換を意味している。同社は数々の訴訟に関わり、最近ではAndroidエコシステムの様々な企業を訴えてきた。Microsoftは今回の発表でもそのことを認め、このニュースは新たな出発への兆候と見るべきものだと付け加えた。

MicrosoftがOIN参加を決めたことを驚きと受け取る人たちがいることは知っている」とEVP Erich Andersenがブログに書いた。「Microsoftとオープンソースコミュニティーの間で特許問題に関するに軋轢があったのは周知のことだ。そしてわれわれの進化を見守ってきたその他の人たちには、この発表を当社が顧客や開発者の声に耳を傾け、Linuxを始めとするオープンソースソフトウェアを強く推進していくための必然的な一歩であると理解してもらえることを願っている」

このニュースは、同社がWindows開発とLinux開発の境界をなくし、.NEtやJavaを含め、開発者が両方のオペレーティングシステムのためにプログラム開発することを推進しようという方向性を示すものでもある。

先週Microsoftは、Google、Facebook、Amazonらに続き、パテントトロール対策団体のLOT Networkに参加した。

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Uber、選挙日に投票所への無料乗車を提供

Uberは、移動手段を投票に行くか否かの決定要因にしたくないと考えた。来る投票日にUberは有権者が地元の投票所を簡単に見つける方法を提供し、非営利団体と協力して一部の人たちを投票所に無料で送リ届ける。

2018年11月6日、Uberは米国の利用者に投票所を簡単に見つける方法を提供、さらに無料乗車を予約できるようにする。Lyftも同様の試みとして、投票日に投票場所まで半額または無料で乗車できるサービスを提供する。

「決定を下すのはやって来た人たち」、とUber CEOのDara Khosrowshahiがブログに書いた。「今年の投票日、Uberは人々が簡単にそれを実行できるように、われわれにできることをする」

2016年の大統領選挙では、調査に回答した若者の35%が、移動手段がないことを投票しなかった理由に挙げた。

またUberは非営利団体の協力を得て、同サービスの乗客、運転手の両方が、州の締切日までに選挙登録をすませられるように進めている。今日(米国時間10/4)から投票日までの期間、Uberは全国125箇所以上のドライバーハブで選挙登録キャンペーンを主催する。

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Amazonがアメリカの社員の最低賃金を15ドルにアップ、国が定める最低賃金の倍以上

Amazonが、アメリカの従業員の最低賃金を11月1日から15ドルに上げる、と発表した。〔これまでは13ドル。〕

Whole Foodsなどの子会社の社員も対象となり、また季節雇用や一時雇用の労働者にも適用される。Amazonによると、対象となる正社員は25万人、季節雇用者は10万人である。

Amazonはこのところ日増しに、その低賃金を各方面から批判されていた。たとえばBernie Sanders上院議員は、彼が(政府による)“企業優遇策”と呼ぶものを終わらせるための法案を最近提出した。それが、誰をねらっているかは明らかだ。法案のタイトルは、こうなっている: Stop Bad Employers by Zeroing Out Subsidies(BEZOS)(補助金をゼロにして悪質な雇用者を根絶やしに(BEZOS))。

一方、Whole Foodsの従業員グループは組合の結成を呼びかけ、最低賃金15ドルなどの要求を提示した。

賃上げの発表声明でAmazonのCEO Jeff Bezosはこう述べている: “批判を聴いて、何をすべきかを真剣に考えた。そして、私たちは追随者ではなくリーダーでありたい、と決心した。今回の変更をたいへん嬉しく思っており、競合他社のみなさまや、そのほかの大規模な雇用者たちが、私たちの仲間に加わることを奨励したい”。

Amazonによると、これまでの福利厚生は変らないが、時間制のフルフィルメントとカスタマーサービスの社員にはRSU(譲渡制限付株式)の交付を全廃する。それに代わり、直接的な株式購入プランが提供されるが、その理由はおそらく、これらの従業員が“RSUよりも金額が明確ですぐに現金化できるもの”を求めているためだ。

また、同社の誓約によると、同社の政策チームが、国の7ドル25セントの最低賃金を上げるよう、ロビー活動を行なう。目標額は提示されていないが、“7ドル25セントは低すぎる。われわれは議会に働きかけて、新しいより高い国の最低賃金を決めてもらう”、と言っている。

[サンダース上院議員: Amazonの社員にとって重要であるだけでなく、世界が耳を傾けるべきだ。企業のリーダーたちがBezos氏のリードに続くことを促したい。]
[Dave Clark–Amazon世界展開とカスタマーサービス担当SVP: 南カルフォルニアのFCで15ドルの最低賃金を共有した。全員が拍手をした。]

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Facebookのデータ流出は、データが悪用されない限り忘れられる

われわれはCambridge Analyticaスキャンダルに関心を持ったが、それはトランプの当選を後押ししたかもしれなかったからだ。LocationSmartを無視したのは、たとえ携帯電話のリアルタイムGPSデータが流出したとしても、そのデータがどう悪用されたかが明確になることはなかったからだ。

プライバシー問題はほとんどの人にとって、セキュリティーや思想的問題にならない限り抽象的概念である、というこの現実は、先週起こったFacebookの大規模データ流出を理解する上で重要な発想だ。

Facebookのお粗末なエンジニアリングは、3つのバグを生み出した結果5000万人のアクセストークンを盗まれた。ローコストな効率化による急成長を追求した結果、Facebookはユーザーを守ることに失敗した。Facebookは著しく信用を失墜した。

しかし、流失したアクセストークンを使うことで、アタッカーはユーザーのアカウントを乗っ取り、なりすまして行動し、個人情報を盗み出す可能性はあるものの、ユーザーが実際にどれほど気にかけているのかは不明だ。それは、現時点でFacebookもその監督機関も、どのデータが盗まれ、悪用されたのかを正確に掴んでいないからだ。

我慢の限界

すべては明日にでも変わるかもしれない。もしFacebookが、このアタックは外国政府が選挙介入するために実行されたか、個人情報盗難のチェックをかいくぐって人々の銀行口座やソーシャルメディアのプロフィールを盗んだか、個人を特定して物理的被害を与えたりしたことを発見すれば、暴動が起きる。

流出データの十分恐ろしい使い道を踏まえると、今回の流出事件はFacebookブランドを破壊する原因になりかねない。もしユーザーがプロフィールデータを消去し、フィード閲覧を減らし、シェアをしなくなるようなことになれば、この事故は著しい金銭的被害とネガティブなネットワーク効果をFacebookにもたらす。数年来のスキャンダルのあと、これが最後の一撃になるかもしれない。

しかし、盗まれたデータが悪用された証拠が未だにでてこないことで、事件はユーザーの記憶のかなたに消えていくかもしれない。Facebookに買収されたInstagramとWhatsAppのファウンダーたちの緊張感漂う脱退に見られるように、反発の発端は一般大衆からではないのかもしれない。

このアタックによってソーシャルメディアの規制が早まる可能性がある。Warner上院議員は問題の追求を「強化」するよう議会に提案した。Warnerは欧州のGDPRに似たプライバシー法の推進者だった。法案には、ソーシャルネットワークの移行を容易にするポータビリティーとインターオペラビリティーも盛り込まれていた。ユーザーが競合サービスに移行する脅威は、Facebookにユーザーのプライバシーとセキュリティーの扱いを改善させるきっかけになるだろう。

FTCやEUは、Facebookの違反に対して相当額の罰金を科す可能性がある。しかし、四半期当たり数十億ドルを稼いでいる状況を踏まえると、Facebookにとって深刻な罰を与えるためには、罰金は歴史的金額にする必要があるだろう。

今回のアタックに関する最大の関心事は、AirbnbやSpotifyのようにFacebook Loginを使っている他のサービスへのアクセスに、トークンが使用されたかどうかだ。本件によって、Facebookを個人認証プラットフォームとして使おうと考えていたパートナーは二の足を踏むかもしれない。ただし、みなさんはパスワードを変えなくてはならない心配はする必要がない。ユーザー名とパスワードを盗まれるハッキングと異なり、Facebookの事故による継続的危険は限定的だ。パスワードが流出した場合は、盗難から長時間経過後に別アプリがハッキングを受ける可能性があるのに対して、今回盗まれたアクセストークンはすでにすべて無効化されている。

鈍感化

もし政府調査官やジャーナリストやアンチFacebook活動家たちが、Facebookに怠慢の責任を取らせたいと思うなら、具体的な脅威と結びつける必要がある。

流出データの悪質な利用の証拠がない今、このスキャンダルはFacebookの他のさまざまな問題に紛れる可能性がある。毎週、繰り返し、Facebookには見出しを飾るトラブルが起きる。時間とともに、それらが積み重なってFacebookの利用を躊躇させ、より多くのユーザーを離脱させる。しかし、容易に乗り換えられる汎用ソーシャルネットワークがないために、多くのユーザーは人とつながる利便性の引き換えに、Facebookの失態に耐えてきた。

データ漏洩が頻繁になるにつれ、大衆は鈍感になりつつある。最悪、無関心になりかねない。たとえ被害が明確でなくても、企業はプライバシー侵害の説明責任を持つべきだ。しかしEquifax、Yahoo、さらには携帯通信会社の事故が続くなか、われわれは深いため息と時には罵詈雑言を吐くだけで、日々の生活を送り続けることに慣れてしまった。記憶に残るのは、脅威がデジタル世界からオフラインの現実世界へと転移したときだけなのだ。

[画像出典:Getty]

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Apple、EUの追徴税150億ドルの支払いを完了

Appleは、不法な税優遇で得た100億ユーロを超える資金をアイルランド政府に返還した、とReutersが伝えた。Appleは、追徴金153億ドル(131億ユーロ)に加えて14億ドル(12億ユーロ)の利息を払った。

2016年8月、欧州委員会はAppleが2003年から2014にかけて不当な税優遇を受けていたという裁定を下した。特に同社はアイルランドにもっと多く納税すべきだった——はるかに多く。EUの競争担当委員、Margrethe Vestagerは、[アイルランドでの]Appleの実質的法人税率は予想よりもよりもずっと低かったと語った。

当時多くのグローバル企業がダブルアイリッシュと呼ばれる方法を利用して、利益のごくわずかな割合に対して法人税を支払っていた。Appleはすべて合法であると主張し、アイルランド政府もAppleを擁護した——おそらく、巨額の罰金がビジネスに悪影響をもたらす恐れがあるため。

欧州の各国政府の陳情によってダブルアイリッシュは2014年に終了した。Appleは同じ時期に国外利益の一部をジャージー島に移転した。

現在巨額の現金はエスクロー口座に置かれている。Appleは2016年にEUの決定に意義を申し立てた。この手続には最大5年を要するため、アイルランド政府は当分Appleの資金を手にすることがないだろう。

欧州の税制改革を追いかけている人なら、フランス、ドイツ、スペイン、およびイタリアが、巨大IT企業に対して、欧州の各国で実際に得た利益に基づいて課税する税制改革を協議 していることを知っているだろう。そうすることで、IT企業は法人税率の低い一国だけで利益を計上することができなくなる。

しかし、どうやらこの改革は一部の国々の反対によって停滞しているようだ。この種の改革法案を通過させるためには全会一致が必要だ。このため、改革が実施されるかどうかは不透明だ。

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FacebookとTwitter:米国情報機関はもっと選挙妨害対策の力になれたはずだ

Facebook COO、Sheryl Sandbergは、プラットフォームとして海外からの選挙妨害防止に努力すべき点があったことを認めたが、政府も情報提供の強化に努めるべきだと語った。

これは米国時間9月5日に予定されている上院情報委員会公聴会を控えての発言だ。公聴会ではSandbergとTwitter CEO Jack Dorseyがソーシャルメディアプラットフォームの海外からの選挙妨害について証言する。GoogleのLarry Pageは招聘されたが出席を拒んだ

「われわれは、気づくのが遅すぎたし、行動も遅すぎた」とSandbergは用意された文書で語った。

この公聴会は、2016年大統領選挙でのロシアによる選挙妨害の後遺症といえる。ソーシャルメディア各社は、ロシア政府と密に協力していたとみられる外国人活動家らが誤情報を拡散し、選挙結果に影響を与えようとしたことを受け、にわかに注目を浴びている。選挙妨害は今秋の中間選挙も標的にしている。

FacebookTwitterの両社は、誤情報や偽ニュースの拡散に関わっていると思われるアカウントとボットをプラットフォームから削除した。Googleは昨年、同社サイトでロシアによる妨害行為を発見したことを報告した。

「われわれは、金銭目的の荒らし組織から高度な軍事情報作戦まで、敵を発見して戦うことに徐々に慣れてきた」とSandbergは言った。

しかしFacebookのナンバー2は、ソーシャルメディア各社がロシア妨害の全体像を理解するために、米国政府にはもっとできることがあったと語った。

「われわれは今後もサービス悪用の監視を続け、警察当局や他の業界にこれらの脅威に関する情報を提供していくつもりだ」とSandbergは言った。「2016年のロシアの活動全体に関するわれわれの知識は限られていた。それは米国政府やこの委員会がもつ情報や調査ツールを利用できなかったためだ」。

その後TwitterのDorseyも声明で自らの意見を述べた:「われわれが直面している脅威との戦いには政府パートナーや同業他社の多大な協力が必要だ」と言い、「われわれは、それぞれが他社のもたない情報を持っているので、情報を組み合わせることで脅威と戦う力はいっそう強くなる」と付け加えた。

SandbergとDorseyは両者ともに、政府のもつ民間企業が見ることのできない機密情報、すなわち国家機密とされる情報について微妙に言及した。

近年IT企業は、政府機関の保有する情報をアクセスする必要性が高まっている。増え続けるサイバーセキュリティーの脅威や国家レベルハッカーからの攻撃を防ぐために不可欠だ。背景にあるのは情報の共有 によって、豊富なリソースをもつハッカーに対抗することができるという考えだ。しかし、そのための法案導入には反対もある。脅威に関する情報を政府と共有することは、個人ユーザーのデータも収集され米国政府情報機関に送られるのではないかと反対派は恐れている。

それに代えてIT企業各社は、国家安全保障省の 情報アクセスを要求し、直面する脅威の理解を深め、各社が独立に将来の攻撃に備えようとしている。

報道によると、先月IT各社は秘密裏に集合し、海外からのプラットフォーム侵入に対抗する方法について検討した。しかし、Facebook、Twitter、Google、Microsoftらの参加者は、政府からほとんど洞察を得られなかったことに「落胆して会議を後にした」と語った。

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10月3日以降Apple App Storeのすべてのアプリにプライバシーポリシーが必要とされる

Appleは、ユーザーの個人情報をどのように使っているか、そして、その安全と共有について、ユーザーにちゃんと伝えていないアプリを取り締まろうとしている。AppleがApp Store Connectポータルにポストしたデベロッパー向けの発表によると、まだテスト中のものも含めてすべてのアプリに、2018年10月3日の時点で、プライバシーポリシーがなければならない。

Appleは従来から、ユーザーデータの保護に徹している企業だから、これまでプライバシーポリシーのないアプリがApp Storeに実際にあったことは、Appleの怠慢だったとも言える。しかしヨーロッパの規制GDPRが発効した今となっては、それはきわめて重要な方針発表になった。顧客データの取り扱いについて最終的な責任があるのはアプリのメーカーだが、そんなアプリをホストしているAppleにも、ある程度の責任はある。

今日では、アプリだけでなく、それらのアプリをホストするプラットホームも、アプリの振る舞いについて責任がある、とされる。また、アプリに関するプラットホームの方針から生ずるユーザーデータの悪用に関しても、もちろん責任がある。

たとえばFacebookのCEO Mark Zuckerbergは、Cambridge Analyticaのスキャンダルに関して合衆国上院に呼びだされた。8700万ものFacebookユーザーのデータが、Facebookのアプリを使って不正に取得されたのだ。

したがってAppleの新しい要求は、同社に新たな保護層を与えるものだ。Appleがうっかり見逃してしまったアプリでも、これからは、そのアプリのプライバシーポリシーとその文言により責任を問われる。

Appleは、プライバシーポリシーのリンクやテキストは、デベロッパーがそのアプリの新バージョンを提出するまで変えてはならない、としている。しかし、リンクが変わらなくてもリンク先のWebページの内容は変わるかもしれない、という抜け穴がここにはある気がする。

Appleによると、プライバシーポリシーはApp Store全域のすべてのアプリおよびアプリのアップデートに10月3日の時点で必要であり、TestFlightのテストプラットホームに関しても必要である。

すべてのアプリにプライバシーポリシーがあることと、その内容がユーザー保護の観点から適切であることを、Apple自身が検査するのか、そのへんは明らかでない。もしApple自身が検査と排除の作業をやるのなら、スタッフを増員しないかぎり、アプリの承認プロセスが長引いてしまうだろう。

Appleは、いかがわしいアプリのチェックと排除をこれまでもある程度やっており、最近の例では、Facebookのデータ泥棒的VPNアプリOnavoを、App Storeから排除したe。でも、そのアプリは長年無事だったのであり、App Storeのテキストは、それが集めたデータをFacebookが共有した、と開示している。今ごろになってやっと排除されたことは、ユーザーデータを集めることを主要な機能とするアプリに対して、Appleの姿勢がこれからはより厳しくなることを、意味しているのだろう。

画像クレジット: TechCrunch

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カリフォルニアの州議会がオバマ時代のネット中立性の保護の復活に一歩接近

[筆者: Kate Clark]
カリフォルニア州議会下院は木曜日(米国時間8/30)に、58対17で、S.B. 822と呼ばれる法案を通過させた。それは今のアメリカでは最強の、ネット中立性に関する規定だ。

法案は今、上院で最終的な承認を待っている。票決が、今年の議会の締め切りである明日(米国時間8/31)までに行われなければ、成立の可否の決定は翌年に回される。

民主党上院議員Scott Wienerが書いたその法案は、2017年12月にFCCが葬り去ったオバマ時代のネット中立性規則を復活させるだけでなく、インターネットユーザーのための新しい保護も加えている。元の法案はインターネットサービスプロバイダー(ISP)による合法的コンテンツやアプリ、サービス、無害なデバイス等のブロックや帯域制限を禁じているだけでなく、人為的優先化とその有料化を禁止している。それは、お金を払えば自分のトラフィックを優先してくれる、というサービスだ。

そして、今回のカ州の法案で新たに加わったのは、ゼロレーティングの禁止だ。ゼロレーティングとはレート(料金単価)がゼロ(無料)という意味で、それによりISPが特定のWebサイトを、えこひいきすることだ。詳しくは、州議会の法案原文をお読みいただきたい。

議会の決定は、当然ながらComcastやAT&Tなどにとって打撃だ。彼らはネット中立性を終わらせるために、熱心にロビー活動をしていた。一方、ネット中立性を守りたい側は、今度の結果を喜んでいる。

デジタル人権のためのNPO Fight for the Futureの副部長Evan Greerは、声明の中でこう言っている: “インターネット上で自分が見るものやすることを、ケーブルや電話の会社がコントロールすることを、誰も望まない。カリフォルニア州は、AT&TやComcastのような企業が今以上にわれわれを搾取できないようにし、そのためのユーザー保護を復活するための、大きな一歩を踏み出した”。

“州下院のこの歴史的票決は、インターネットの力の証(あかし)である。大手ISPたちは、キャンペーンや寄付やロビー活動やソーシャルネットワーク上の怪しげな広告に巨費を投じているが、しかし結局それらは、ネット中立性を支持する者たちの情熱と献身に勝つことはできない。彼らはまさにインターネットを使って警鐘を鳴らし、人びとを動員している”。

昨年(2017)12月に、FCCは委員たちの票決で、オバマ時代の2015年にできた、インターネットをオープンで公正なものとして維持するためのネット中立性の規制を無きものにした。この機関の今のトップAjit Paiは、大統領Donald Trumpが任命した共和党党員だ。

カリフォルニアの州下院の議決の前日には、北部カリフォルニア出身の国会議員たちがFTCに、サンタクララ郡消防局に対するVerizonの帯域制限を調査するよう求めた。報道によると消防局は、大規模な山火事と戦っている最中に、毎月の25Gバイトの割り当てを超えて通話をしたり、個人的な用事でインターネットを使ったりしていたそうだ。

〔関連記事: 22の州がネット中立性の復活を上訴(未訳)〕

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サンダース上院議員がAmazonの反論に反論、低賃金を国民の血税で補うのは不条理

来週、先の大統領選でかなりの人気を獲得したBernie Sanders上院議員が、政府の“企業優遇策”を利用して社員に低賃金を払っている大企業を規制する法案を提出する。この上院議員にとくに激しく叩かれているのが、AmazonとWalmartだ。そしてその議論は、最近の数日間でますます過熱してきた。

昨日(米国時間8/28)の本誌TechCrunchに載ったSanders上院議員のAmazon批判に対して今朝(米国時間8/29)は、AmazonがSandersを批判して、Amazonの倉庫の状態に対する彼の批判は“正しくないし人びとの誤解を招く”、と反論した。するとこのバーモント州出身の上院議員は、Amazonのフルフィルメントセンターの賃金は“不条理だ”、と反撃した。

彼は言う: “Amazonでは何千人もの社員が、賃金があまりにも少ないので、フードスタンプ(食料切符)とメディケイド(低所得者障害者向け医療費扶助)とパブリックハウジング(低所得者用公共住宅)に依存せざるをえない。The New Food Economyによるとその比率は、アリゾナでは3人に1人、ペンシルベニアとオハイオでは2400名だ。結論としては: わが国の納税者は、1550億ドルを保有しているBezos氏が所有する企業の社員を補助すべきではない。それは、不条理だ”。

昨日のインタビューでSandersは本誌TechCrunchに、同社が社員に関する情報をくれない、と述べた。すると同社は、上院議員は倉庫のツアーへの招待にまだ応じていない、と言い返した。

Sandersは曰く: “フルフィルメントセンターを訪ねる件に関しては、先月はウィスコンシンへ行って、ケノーシャのフルフィルメントセンターの訪問をリクエストした。残念ながらAmazonは、それに応じなかった。9月にはバージニア州チェスターのフルフィルメントセンターを訪ねて、詳細をAmazonと詰めたいと思っている。安全でない労働環境については、海軍の復員兵Seth Kingなど、労働者からの聴き取りもしている。少なくとも一人は、倉庫で死んだらしい”。

もちろん、Amazonのフルフィルメントセンターの状況を問題として取り上げたのは、Sandersが初めてではない。何年も前から、現在や過去の社員たちからの話が、あちこちに登場している。Sandersの批判の標的であるJeff Bezosは、最近の取材に対して、“わが社の労働環境にはとても満足しているし、わが社が払っている賃金にもきわめて満足している”、と答えている。

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米住宅・都市開発省、Facebook広告を公正住宅法違反で告発

米国時間8月17日、住宅・都市開発省(HUD)はFacebookが家主や住宅販売者の公正住宅法違反を助長しているとして告発状を提出した。同省の訴えによると、Facebookの広告設定は売り主が特定の利用者層をターゲットすることを可能にすることで法を無視できるようにしている。

HUDによると、Facebookの広告設定には、特定の人種、宗教、性別、出身国などさまざまなカテゴリーに属する個人を排除するしくみがあり、これは1968年の公民権法の一環で定められた規則に違反していることは明白であるという。

「公正住宅法は住宅差別を禁止しており、マウスのクリックひとつで居住の選択肢を制限あるいは拒否する行為もその一つだ」と住宅・都市開発省のAnna María Farías次官補(公正住宅・機会均等担当)が同省の発行した声明で言った。「Facebookが収集した膨大な個人データを使って広告主の差別を助長することは、人を門前払いするのと同じことだ」。

Facebookは速やかに苦情に反応した。同社はテクノロジーが誤って利用される可能性が残っていることを認めつつ、濫用を減らす努力を進めていると主張した。

「Facebookに差別の居場所はない。ポリシーが厳格に禁止している」、とFacebook to The Washington Postに送った声明で語った。「この数年、われわれは濫用の防止を強化してきた。告発内容は認識しており法廷で回答する。今後もHUDと直接協力して彼らの懸念事項に対応していく所存だ」

この告発は長年の念願だった。National Fair Housing Allianceなどの団体も、すでにこの件でFacebookと法廷で争っている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Google、政治広告の検索可能データベースを公開

透明性の向上と議会との約束を守る取り組みの一環として、Googleは政治広告のアーカイブを自らのプラットフォーム上で公開した。

Ad Libraryと名付けられたGoogleの新しいデータベースは、専用のウェブページで検索できる。誰でも検索や絞り込みが可能で、候補者名や広告主、費用、掲載期間日時、インプレッション数、広告タイプなどを見ることができる。最大予算や最大リーチ数の政治広告に興味のある人は、費用、イップレッション、日時でソーとすることもできる。Googleはこのデータに関するレポートも発行していて、州別の広告費を広告主、上位キーワード別に見ることができる。

同社は、最近の透明化への取り組みについて若干の説明を加えている:

今年当社は政治広告の透明性に関して重要な対策を講じた。新規広告主が米国内でGoogleに政治広告を出稿する場合の新たな条件を設定した —— 政府が発行したIDおよび、彼らが米国市民あるいは合法的永住者であることを証明する情報の提出を方に従って要求する。さらに、選挙広告には「費用負担元」を明記することも要求している。

検索機能は非常に便利だが、いくつか欠けている点もある。Googleのデータベースは米国内の候補者広告を収集しているが、”issue ad”と呼ばれる特定の政治的話題を周知させるための広範囲のキャンペーンや、州あるいは地方の広告は含まれていない。対象は米国内のみなので、海外の選挙広告も表示されない。Googleは、専門家と協力して広範囲の政治広告を収集するツールの開発を検討していると言ったが、具体的な日程は示さなかった。現在は、ツールで発見した広告は週ごとにまとめてライブラリーに追加されている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook