アップルが新型コロナウイルスによる製造と売上への被害で収益の予測を下方修正

米国時間2月18日、Apple(アップル)は2020年1月に行った決算報告時の財務見通しはもはや無効であると発表した。同社は、投資家宛ての書簡で、中国の大部分を襲い世界経済にも影響を及ぼしている新型コロナウイルスの被害により「3月四半期としていた収益に関するガイダンスの達成は期待できない」と述べている。

アップルはこの書簡で、以前前のガイダンスは「中国の春節休暇が終わる2月10日以降の売上における最良の予測に基づいていた」と述べている。その後、中国における仕事への復帰が人為的に遅らされ、新型コロナウイルスが予想以上に手に負えないことが判明したため、同社のガイダンス変更はむしろ当然と思える。

同社は、変更の理由を2つ挙げている。1つは「全世界へのiPhoneの供給が一時的に制限されてしまう」ため。Foxconnにおける生産回復の遅れからも当然理解できる。またiPhoneの需要についてアップルは、ウィルスにより「中国国内のアップル製品の需要」が影響を受けていると話している。最近の四半期でアップルは健全財政のためにハードウェアをそれほど重視していないが、それでもiPhoneによる収益に比べれば、新しい部門であるサービスの売上は、まだまだささやかなものだ。

アメリカのハードウェア企業であるアップルによる疾病対策のための寄付金は、以前に発表した額の倍になっているそうだ。

今回のアップルの発表に対する投資家たちの動きで、製造と売上の多くを中国に依存する他の企業の今後も占うことができる。アップルの株価が急落すれば、不安が広がって、投資家が危ないと見なした他の企業の株も下がる。逆に、投資家たちが製造と販売に対する短期的妨害と見なすものをアップルが振り払えれば、他社の株もそれほど値崩れしないだろう。

それにしても、シンガポールが経済成長率を切り下げ、アップルもその仲間入りをした今となっては、世界経済に対する新型コロナウイルスの影響は、ささやかなものでは済まないだろう。

アップルがガイダンスを変更したのは、これが初めてではない。同社は1年前にも貿易摩擦により予想を下方修正した。

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SpaceXのCrew Dragonが最初の有人飛行に備えてフロリダへ移動

SpaceXが、宇宙飛行士が乗る商用の有人宇宙船Crew Dragon(クルー・ドラゴン)をフロリダに移した。すべてが計画通りに行けば、2〜3か月後にはここからの打ち上げが行われる。Crew Dragonのカプセルは今、打ち上げ前の最後の試験と点検がフロリダで行われている。それはFalcon 9ロケットの上部に装着され、NASAの宇宙飛行士Bob Behnken(ボブ・ベンケン)氏とDoug Hurley(ダグ・ハーリー)氏を乗せて、フロリダのケープカナベラル空軍基地から打ち上げられる。

ベンケン氏とハーリー氏はCrew Dragonに乗って国際宇宙ステーション(International Space Station、ISS)へ向かう。それはSpaceXとNASAが「Demo-2」というコードネームで呼ぶデモンストレーションミッションの一環で、ISSまでの有人往復定期便の可能性を検証する試験の重要な一部でもある。SpaceXのCrew DragonとBoeing(ボーイング)の有人宇宙船Starliner CST-100の2つが、 NASAのためにその運用ステータスを達成すべき宇宙船とされている。なおボーイングの機は、目下開発と試験中である。

NASAの宇宙飛行士を乗せた宇宙ステーションへの往復飛行を前にしてCrew Dragonはフロリダへ移った。

ボーイングの宇宙船は最近何らかの問題に遭遇して試験の締め切りを延ばし、宇宙飛行士を乗せた最初の飛行を行うという目標に遅れが生じた。Starlinerは12月に行われた無人のデモンストレーションミッションで、深刻と思われる2つのソフトウェアの問題に遭遇した。今NASAと同社は修正活動を行なっており、それにはボーイングとそのソフトウェア開発および試験工程の安全性の見直しが含まれている。

一方SpaceXは1月に飛行中のアボートテストを行い、有人のデモミッションへ向かう前に必要とされる最後の重要なデモンストレーションを終えた。そのテストはあらゆる点で成功であり、Crew Dragonが予期せざるエラー時には自分を打ち上げ機から分離して離れ、乗客である宇宙飛行士の安全を確保することを示した。

SpaceXは、有人飛行の商用運用の前の、最後の段階で計画されているデモの、準備過程の詳細を共有してきた。たとえば今週初めのツイートでは、同社の宇宙船が超音波試験を行っていることを報告した。現在、Demo-2ミッションは暫定的に5月2日に行われるとされているが、ミッションのニーズや残る準備の進捗によっては早まることも延期されることもありえる。

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データの利用や管理でメインフレームとクラウドを橋渡しするModel9

イスラエルでメインフレームを扱っていたグループが起業したModel9は、メインフレームコンピューターとクラウドの間でデータを転送するサービスだ。同社は米国時間2月900万ドル(約98700万円)のシリーズA調達を発表した。

Intel Capitalがこのラウンドをリードし、StageOneやNorth First Ventures、Glenrock Israelなどの既存の投資家が参加した。同社のこれまでの調達総額は、1300万ドル(約14億2500万円)近くになる。

実は、大きな銀行や保険会社、航空会社、大型リテイラーなど世界最大級の企業は、まだメインフレームを使っている。これらの企業は、毎日の大量のトランザクション処理のために、そのがっしりとしたマシンを必要としているが、そのままでは貴重なデータを現代的なデータ分析にかけることが難しい。その難問をModel9が解決する。

Model9のCEOで共同創業者のGil Peleg(ギル・プレグ氏によると、同社の技術はメインフレームのユーザーがデータをクラウドやそのほかのオンプレミスのストレージに持ち込むことを助ける。「メインフレームのデータはプロプライエタリなストレージに閉じ込められていて、急速に進化し変化しているクラウドの世界で起きていることにまったくアクセスできない。そこで、私たちの特許を取った技術が、メインフレームが直接、クラウドや、メインフレームではない分散ストレージシステムにデータをリードライトできるようにする」と同氏は説明する。

重要なユースケースがいくつかあり、例えばそんなストレージやクラウドが使えるとテープによる高価なバックアップがいらないので、事故からのリカバリーに利用できる。また、データをクラウドに送れれば、現代的なデータ分析を適用できる。それは前には不可能だったことだ。

同社のソリューションは、AWSやGCP(Google Cloud Platform)、Microsoft Azure、IBMのクラウドサービスなどと互換性がある。またEMC、Nutanix、NetApp、などのオンプレミスのストレージソリューションも使える。それにより同社の顧客は、本格的なハイブリッドクラウドを構築できる。クラウドは、プライベートクラウドでもパブリッククラウドでもどちらでもいい。

同氏は「理想は顧客がハイブリッドクラウドのトポロジーをデプロイして、両方の世界の利点を享受できることだ。メインフレームには、信頼性とセキュリティの面で強みがあり、クラウドはスケールと毎日急激に増加するデータを管理できるし、事故時のリカバリーやデータの管理とアナリティクスなど、現代的なテクノロジーがある」と語る。

同社は2016年に設立され、ソリューションの開発に2年を要した。現在の同社はメインフレームを使っている大企業数社を顧客にしている。同氏によると、今回得られた資金は営業とマーケティングを拡充してこのソリューションの市場を広げることに当てたいという。

関連記事:IBMのメインフレーム事業は健在、新機種z15を発表

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GoogleのGboardキーボードのEmoji Kitchenで絵文字のマッシュアップができる

自分の気持ちを正しく表す絵文字がない、とお嘆きのあなた、米国時間2月12日からニューバージョンが使えるGoogleのGboardキーボードはどうかな。Android用の新しいGboardには「絵文字キッチン」(Emoji Kitchen)という機能があって、ユーザーはいろんな絵文字をマッシュアップしてメッセージのステッカーとして使える。

ステッカーは、Gmail、GoogleのMessages、Messenger、Snapchat、Telegram、WhatsAppなど、いろんなアプリで使える。

例えば、さまざまなスマイルの絵文字に眼鏡をつけたり、ゴーストにカウボーイハットをかぶせたり、ロボットが涙を流したり、サボテンを猿の顔にしたり(でもこれはどうかな)、ハッピープープ(おもしろウンチ)にハートをつけて愛を表現したりなど、何でもできる。

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ただし、できるのはGoogleがサポートしている絵文字のみで、その多くはスマイリー系だ。つまり絵文字のマッシュアップは、どんな絵文字でもAIがリアルタイムでマッシュアップするのではなくて、Gboardがあらかじめ用意しているものだけなのだ。

使い方は、どれかのスマイリー絵文字をタップするとEmoji Kitchenが、使えるマッシュアップを教えてくれる。

GoogleのGboardは、新しい自己表現の方法を探求する実験的なアプリで、かなり前からある。たとえば、自分用の絵文字を自作できるEmoji Minisがあり、落書き絵文字モールス信号絵文字の提案やGIF画像などもある。

その結果このアプリは、何年も前からあるのに今だにAndroidユーザーの評判が良い。今でもツールカテゴリーの上位50位内にいるし、世界中で10億回以上ダウンロードされている。GoogleのPixelスマートフォンなど、一部のAndroidデバイスではデフォルトのキーボードだ。

でもGoogleのGboardに関するより大きな目標は、Googleの検索などと同じく、すべてのユーザーの常駐アプリになることだ。今や検索はデスクトップよりもモバイルの方が多いから、当然、キーボードの使用頻度も高い。そこを、完全にGoogle化したい。でも、モバイルの検索はGoogleにとって高くつく。モバイルデバイスのメーカー、たとえばApple(アップル)などと、デフォルトの検索エンジンにしてもらうことを契約しなければならないからだ。

GboardはGoogleにとって、その契約のための戦略になる。ユーザーはブラウザーアプリからGoogleを使わなくても、いきなりキーボードだけを使えばいい。

Googleによると、Emoji Kitchenは本日からAndroidユーザーに提供される。

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アルゴリズム化されたインボックスでメッセージングやメール、カレンダーを一元管理する‘nflow

いわゆる「Slackたたき」(Slack-lash)については、今や多くの記事が書かれており、今やってる仕事から注意を奪ってしまうDMの妨害への対応に、職場の人びとは困り果てている。象徴的に悪玉に挙げられているのがSlackだが、それでもここ数年VCは、Slackに代表されるような、チャットを区分けしてコメントできる、職場のワーカーたちの足元をぐらつかせる、数多くのコラボレーションツールに積極的に投資してきた。

コラボレーションに対するVCの関心はそろそろピークに達したのではないか、とも思うが、それでもVCたちは、その成長の鈍化を補うために、今度はおしゃれなインタフェイスのメッセージングツールの多様な機能を、わかりやすくそして使いやすくするためのツールに、さらに熱心に投資している。彼らの最新の投資対象である’nuffsaidも、そんな生産性スタートアップのひとつだが、でもこいつは、2020年におけるメッセージングの利用を、少しは我慢できるものにしてくれるかもしれない。

ユタ州出身の同社は今日(米国時間2/11)ステルスを脱し、同社の生産性プラットホームの最初の成分をアーリーアクセスで公開した。そして同時に同社は、430万ドルのシード資金を、General CatalystとGoogleのGradient Ventures、Global Founders Capital、Work Life Ventures、SV Angel、そしてWasabi Venturesから調達した。

’nuffsaidという奇妙な社名の同社がアーリーアクセスでリリースした、同じく奇妙な名前のプロダクトが‘nflowだ。それは、複数のコラボレーションプラットホームとカレンダーを一つのインボックスへまとめる。アルゴリズム化されたタイムライン(algorithmic timeline)がソーシャルメディアのコンテンツのファイヤホーズ(firehose、全ストリーム)を理解可能に消化してくれるように、同社のアルゴリズム化されたインボックス(algorithmic inboxes)はスラックたたきのソリューションかもしれない。そして’nuffsaidは、アルゴリズムによってSlackのメッセージやメール、テキストメッセージ、Zoomのメッセージなどに優先順を付け、検索可能な一元化されたインボックスを作る。それにより、ユーザーのすべてのメッセージが単一のアプリの下に置かれ、緊急なものと、今の仕事が終わってからのものなどに分類できる。

CEOで共同創業者のChris Hicken氏は、次のように語る: 「既存のワークフローにAIを加えることは、それ自体が今やひとつのカテゴリーだと思う。‘nflowは、そんな未来へ送り出した、最初のささやかな製品だ」。Hicken氏はそれまで、UserTestingのCOOだった。

‘nflowのすごいところは、カレンダーをコミュニケーションハブの中へ持ち込んだことだ。Google Calendarは未だに、生産性ワークフローの中のよそ者だ。メッセージやメールをカレンダーイベントのベースにすることは、つねに要望のレベルにとどまっていた。これまで、十分にタイトな統合が為されたことはない。’nuffsaidはドラッグ&ドロップでカレンダーのイベントを作るが、そのときチームメンバーの名前のタグを付けたり、そのほかの情報を加えられるのが魅力的だ。私自身まだ、読者に100%お勧めできるほど、使い込んではいないのだけど。

’nuffsaidによると、‘nflowの商用化バージョンは月額使用料が25ドルとやや高いが、今のアーリーアクセスに登録したユーザーは、いつまでも月額10ドルで使える。

‘nflowが、メッセージングの過剰に悩む一般ユーザー向けのプロダクトだとすると、今後同社が作ろうとしているのは、個々の企業のワークフローの特殊性に沿った、十分なカスタマイズのできるメッセージ管理ツールだ。

そして今年の夏には、さまざまなアプリに統合できる、顧客の成功を支えるAIモジュールを予定している。それによって仕事の優先順付けや、CR(カスタマーリレーション)機能を各アプリが持てるようになる。一般的なモジュールではなく、エンジニアリング用、プロダクト用、マーケティング用など、部門別にモジュールが提供される。

投資家を代表してGeneral CatalystのマネージングディレクターNiko Bonatsos氏は次のように語る。「コラボレーションツールは多すぎるほどあるが、’nuffsaidの良いところは、仕事の現場で使えることと、ユーザーに手順等の変更を求めないことだ。ユーザーにとっては、メールを初め、顧客とのコンタクトは以前のままだ。ツールがユーザーに、慣れない新しいことを強制しない」。

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テスラは米国でのソーラータイルルーフ導入設置数を増やし中国とヨーロッパ市場を狙う

Tesla(テスラ)は、サンフランシスコのベイエリア地区における同社のソーラータイルルーフ(ソーラーパネルを内蔵する屋根用瓦)の設置件数をこれまでよりもさらに増やして、最終的にはヨーロッパと中国に展開したいようだ。一連のツイートでそう述べたCEOのElon Musk(イーロン・マスク)氏は、同社がこの製品の三度目となる改良製品を10月にローンチして以降初めて、かなり具体性があるアップデートを提供した。

ソーラータイルルーフはテスラがソーラーグラス(Solarglass)と名付けた製品で、ニューヨークのバッファローにある同社工場で作られている。マスク氏はツイートの中で、4月にはバッファローの工場でメディアや顧客を集めて見学集会をやりたい、と述べている。工場の中を見せてくれるらしい。

TechCrunchはこれまでの設置総件数など、ソーラーグラスの詳細情報を求めたが、まだ返事はない。回答が届き次第次第、この記事をアップデートする。

ユーザー:ベイエリアの設置工事はいつ始めるのか。
マスク:工事はすでに開始している。

ユーザー:ヨーロッパはいつ始めるのか? 巨大な市場だが。
マスク:ヨーロッパと中国は近くスケジュールを発表する。

4カ月前にマスク氏は、設置工事の開始を数週間後と言い、各週の設置件数を1000件に増やしたい、とも語った。

テスラのソーラータイルルーフは見た目には普通のタイルと変わらないが、ソーラーパネルにもなっている。同社がこのソーラータイルルーフを初めて披露したのは2016年で、その後改良を重ねてきた。初期二世代の製品は試験的設置を行い、その予約受け付けを2017年に開始した。

10月の決算報告でマスク氏は、ソーラータイルルーフの製品としての完成を告げ、バージョン3はついに本格展開が可能だ、と言っている。

最初のソーラールーフタイルは表面の粗い黒いもののみだが、マスク氏はそのほかの色や仕上げの製品をできれば年内に提供したい、と言った。

ユーザー:カラーやタイプのバラエティはないのか。たとえばヨーロッパに多いテラスハウスの景観を損ないたくない。
マスク:そのとおりだが、最初は目の粗い黒だけだ。今後は土色や複雑な模様も展開する。

テスラのWebサイトにある予想価格では、発電量10kW、面積200平米弱で減税折込前が4万2500ドル(約467万円)だ。国の政策減税8550ドル(約94万円)を折り込むと、実質3万3950ドル(約373万円)になる。

画像クレジット: Tesla

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ギグワーカーの活動家たちが仲間を支援する非営利団体を立ち上げる

著名な活動家ギグワーカーであるVanessa Bain氏(ヴァネッサ・ベイン)と、活動家仲間のSarah Clarke氏(サラ・クラーク、仮名)が作ったGig Workers Collectiveは目下、公益法人の登記を申請しているが、その望みは大きい。

「ギグワーカーが賃金カットなどの問題に遭遇したときの最初の相談窓口になりたい。ここに来れば安心という場所にしたい」とクラーク氏は本誌にそう語った。

同団体の計画は、ギグワーカーの公正な賃金と待遇改善を目指して戦い続けることだ。Instacartのショッパーでも、UberやLyftのドライバーあるいはPostmatesやDoorDashの配達員であっても、ギグワーカーが自分たちを効果的に組織化でき、苦情を申し立て、そして自分たちの権利代表者であれるようにしたい。

クラーク氏は「ヴァネッサと私はこれまで4年間、ギグワーカーのための団体を作ろうと努力してきた。週に40時間、ギグワーカーとして働きながらそのために活動してきた。団体活動に専念できたら、もっといろんなことができるだろう」と語る。

ベインとクラーク氏は数年間、いくつかのキャンペーンを主導してきた。最近のものは、Instacartに抗議する6日間の全国キャンペーンだ。2019年はチップや謝礼の扱いの改善を求める72時間のストライキを敢行した。

現在、同団体は5名のギグワーカーの役員と、同じく6名のギグワーカーの協力者で構成されている。

さらにクラーク氏は「資金があれば、お金がかかることもできる。今は何もかも、私たちのポケットマネーでまかなっている。適切な資金を得て、キャンペーンのワーカーたちに給与を払いたい」と話す。

というわけで、この若い団体の次のステップは資金の獲得だ。ただし紐付きの資金は困るため相手を選ぶのが難しい、という。

彼女によると、ワーカーファーストで考えないと何ごともうまく行かないそうだ。

関連記事: The year of the gig worker uprising…2019年はギグワーカーが起ち上がった年だ(未訳)

画像クレジット: The Washington Post/Getty Images

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FacebookのTwitterアカウントが乗っ取られてハッカー集団が犯行声明

金曜日になって、書くべきものはすべて書いたという気分になれたら、レポーターという仕事も快適だ。月曜日のための準備を始めてもよいし、仕事のリストを整理するのもよい。やっとメールを読める時間があるかもしれない。

しかし、今日のような金曜日(米国時間2月7日)は人目を引くようなことが起きてしまい、コンテンツの神様が犠牲者を要求する。では、その犠牲者になってやろうじゃないか。

FacebookのTwitterやそのメッセンジャーは、ときどきOurMineと名乗るハッカー集団に攻撃される。この1月にスポーツ関連のTwitterアカウントを大量にハックした連中だから、おなじみと言えるかもしれない。

TechCrunchのバックナンバーを漁ってみると、OurMineという名前は意外に多い。たとえば2016年には、OurMineはNiantic(ナイアンティック)のCEOのTwitterアカウントをハックした。その年の終わりごろには、OurMindは複数のメディア関連のTwitterアカウントもハックしている。なんと、OurMineはTechCrunchをハックしたこともある。今、それを思い出した。

TechCrunchはFacebookに、同社Twitterへの侵害についてコメントを求めた。中身のあるコメントが得られるとは思わないが、何かあったらこの記事をアップデートしよう。Twitterは、このハックに関してごく一般的なコメントをくれた。この事変に気づいてから以降、「侵害されたアカウントをロックし、Facebookのパートナーと緊密に協力して復旧に努めている」そうだ。

では、何がポストされていたのか? TechCrunchのセキュリティの鉄人Zack Whittaker(ザック・ウィテカー)が、スクリーンショットを残していた。

上のスクリーンショットを見ると、ツイートはKhorosからポストされたようだ。Khorosは、企業がソーシャルメディアを使って顧客やユーザーと対話するためのソフトを販売している。だからおそらくKhorosも、このヒマ人たちにやられたのだ。投稿はすぐに削除された。Crunchbaseによると、Khorosはオースチンにあるが、資金調達の履歴は載ってない。

というわけで、すてきな金曜日でした。

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資金調達が進まぬソフトバンクの第二ビジョンファンドの未来が見えない

複数のテクノロジー企業の複合体であるSoftBank(ソフトバンク)は、1000億ドル(約11兆円)のVision Fund(ビジョンファンド)でベンチャーキャピタル産業を変えた。しかしThe Wall Street Journalは、同社がそのパフォーマンスとテクノロジーに対する革命的な投資のアプローチを継続できないかもしれない、と危惧した記事を掲載している。

その記事によると、SoftBankは次のVision Fundで設定した目標である1080億ドル(約11兆8500億円)の半分しか調達できないのではないか、しかもその多くは日本企業それ自体から出るという。

大きな支援者であるサウジアラビアの政府系投資ファンドやアブダビのMubadala Investment Co.などは、Vision Fund IIを立ち上げようというソフトバンクの試みに尻込みしている。彼らは、それまでの投資から得られた利益を第2ファンドの原資とすべきだ、と主張している。なおサウジの政府系投資ファンドは、ジャーナリストを暗殺したとされる政権の財政安定を支えている。

その利益は、およそ100億ドル(約1兆1000億円)と言われている。

Vision Fundは鳴り物入りで派手に立ち上がり、少なからぬ投資家たちからの羨望と批判のつぶやきも受けたが、アナリストやメディアは、ソフトバンクの創業者で謎の人物である孫正義氏が調達できた資本の大きさに驚いた。しかし、Vision Fundは創業時の華々しい盛り上がりにふさわしい成果を得られていない。

コワーキング企業WeWorkへの悲惨な投資も、問題の1つだ。ソフトバンクは同社への44億ドル(約4800億円)の投資のうちほぼ35億ドル(約3800億円)を償却した。

しかし、WeWorkの災難はソフトバンクにとって氷山の一角かもしれない。同社は他のポートフォリ企業に対しても、その資本コミットメントを大幅に削減している。それらの企業は最近スタッフを減らし、そのほかの支出も減らして、テクノロジー業界全体に業界の低迷を憂える不安が広がった。

スタッフの削減は、ビジョンファンドの運営母体にも及んでいる。今週初めに同社は、最高位の管理職の1人Michael Ronen(マイケル・ローネン)氏を失った。彼はそれまでGoldman Sachs(ゴールドマン・サックス)にいてParkJockey、Nuro、GM Cruiseなどの企業へのソフトバンクによる投資の中心人物だった。

いなくなった大物は、ローネン氏だけではない。過去5カ月内に、同社の人事のトップMichelle Horn(ミシェル・ホーン)氏と、同じくアメリカのマネージングディレクターだったDavid Thevenon(デビッド・セブノン)氏が、やはり同社を去った。

関連記事: As a top manager leaves amid fundraising woes, SoftBank’s vision looks dimmer — and schadenfreude abounds…人材が去り続けるソフトバンクのビジョンファンドの未来が暗雲で人の不幸は蜜の味が広がる(未訳)

画像クレジット: Tomohiro Ohsumi/Getty Images

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DevOpsポリシーエンジンのDatreeがY Combinatorに入学

DevOpsのポリシーエンジンをGitHubで作っているアーリーステージのスタートアップであるDatreeは米国時間2月6日、シリーズAラウンドで800万ドル(約8億7864億円)を調達した。同社はまた、Y Combinatorの2020年冬季に参加したことも発表した。

BlumbergとTLV Partnersがラウンドをリードし、Y Combinatorが参加した。2018年に発表した300万ドル(約3億2949億円)のシードラウンドを合わせると、同社は今や1100万ドルを調達している。

共同創業者でCEOのShimon Tolts(シモン・トルツ)氏によると、コードを調べて問題を見つけることもDevOpsのチームにとって必要なことだが、彼らはルールの定義でヘルプを求めている。そこでDatreeは一連のルールパッケージを作ってコードをそれらと照合し、コードを動かして乖離や問題点を見つけられるようにした。

トルツ氏は「Datreeは開発のベストプラクティスとコーディングのスタンダードと、セキュリティおよびコンプライアンスのポリシーを提供する。今ではユーザーがDatreeに接続するとDatreeがソースコードを参照してコードベースの全体をスキャンし、ユーザーのテクノロジースタックに基づいて開発のベストプラクティスを推奨する」と説明する。

これらのルールパッケージは同社自身の専門的能力をベースに作るほかに、コミュニティからの支援もあり、また外部エキスパートとのパートナーシップもある。同社のDockerセキュリティパッケージでは、Aqua Securityとチームを組んだ。

デベロッパーはGitHubで仕事をしているので、これらのルールはGitHubで適用される。彼らはコードをコミットする前に適切なルールパッケージをそれに対して動かし、ベストプラクティスに適合していることを確認する。

Datreeのルールパッケージ(スクリーンショット提供:Datree)

トルツ氏によると、シードラウンドの後でY Combinatorに着目したのは、ビジネスの構築にガイダンスが欲しかったからだ。彼は「Y CombinatorがDatreeの助けになることはわかっていた。DatreeのプロダクトはYC企業の95%にふさわしいからだ。もっと勉強すれば、より成熟したYC企業との6桁の契約も獲得できるようになるだろう」と語る。

DatreeはY CombinatorのCEOであるMichael Seibel(マイケル・ザイベル)氏直属で仕事をしており、2020年冬季の一員になったことによってマーケティングと営業力の強化が期待される。2017年から操業していて既存のプロダクトもあり、「社員が12名いる同社は典型的なYC企業とは言えないが、長期的には今回の参加が経営に大きく貢献する」とトルツ氏は感じている。

関連記事:Datree gets $3M seed round to build DevOps policy engine in GitHub(300万ドルのシード資金を得たDatreeがGitHubでDevOpsのポリシーエンジンをを作る、未訳)

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気球ネットワーク開発のグーグル系Loonとの無人航空機開発のソフトバンク系HAPSMobileが空飛ぶ基地局を実現

Google(グーグル)の親会社であるAlphabet(アルファベット)傘下のLoonは、成層圏上の気球にアンテナを乗せて、僻地にインターネットを届けようとしている。同社はこのほど、パートナーのHAPSMobileのための新しいペイロードの開発を完了した。HAPSMobileはソフトバンクの子会社で、高高度を太陽エネルギーで飛ぶ無人航空機を開発している。両社が協力して互いに適応させた通信技術により、Loonの気球がインターネットの通信を地球に送受し、それをHAPSMobileのドローンが利用してモバイルの空飛ぶ基地局になる。

そのための両社の戦略的パートナーシップは昨年4月に発表されたが、それはLoonの機能試験が初めて気球以外のプラットホーム上で行われるという意味でも重要だ。HAPSMobileが開発したHAWK30航空機は、成層圏を時速100kmあまりで飛ぶ。巡航高度は約2万mだ。しかしそれではLoonの気球よりも早すぎるので、ペイロードの方でそのスピードに適応することが必要だ。例えば、LTE接続を地上のデバイスへ送受するために使うアンテナの感度を高めて高速回転を可能にし、良質な接続を維持する。

LoonとHAPSMobileによると、両社の通信技術では700km離れていても1Gpbsの高速でデバイス間の接続を提供できる。HAWK30プロジェクトにおけるHAPSMobileの目的は、圏域を地上の基地局よりも大きくすることだ。なにしろ高高度だから、最も高い地上基地局と比べても、それがカバーする圏域は大きい。現在では全体をカバーするために何万本もの地上基地局が使われているが、この方法なら40機のソーラー航空機で足りると同社は説明する。それに地上基地局方式では避けられなかった、たくさんの細かい圏外域が減ることも期待できる。

Loonにとってこれは、運用形式の有意義な拡張であり、通信技術を互いに適応させることによって、今後いろんなタイプの航空機や送受信方式にも対応できれば売上の機会も増える。だからこれは、同社の商用パートナーシップの一例にすぎない。もちろん今の気球による展開そのものが、ユーザー企業との新たなパートナーシップを獲得することもありえるが。

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Starlinerの二度目のエラーでNASAがボーイングのソフトウェア工程の見直しを要求

NASAのAerospace Safety Advisory Panel(ASAP、航空宇宙安全諮問委員会)は、12月に行われたCST-100 Starliner(スターライナー)の宇宙ステーションとの無人ドッキングテストで発見された二度目の問題を受けて、Boeing(ボーイング)のソフトウェア試験工程の見直しを推奨した。そのときStarlinerは計画どおりに宇宙ステーションと連結できなかったのだが、それは、ミッションのタイマーのエラーでカプセルが、多すぎる燃料を早すぎるタイミングで燃焼したためだった。

米国時間2月6日の会議でASAPのグループは、ミッションの過程でソフトウェアの第二の「異状」が見つかったことを明らかにした。Space Newsの記事によると、その異状はカプセルの飛行中に修正された。その問題が修正されずに見過ごされていたら、エンジンの誤噴射により「宇宙船の壊滅的な失態」に至っただろう、と顧問の一人Paul Hill氏がSpace Newsに語っている。

試験ミッションの間に起きた複数の問題を、今BoeingとNASAが調べている。両者が強調しているのは、その打ち上げはニューメキシコ州ホワイトサンズにおける大気圏突入と着陸に成功し、ISSに接続できなかったにもかかわらず、計画どおりの多くのテストを行えたことだ。

彼らの指摘によると、当時ミッションタイマーのそのエラーは、搭乗者に危険が及ぶものではなかった。しかしこの新たに発見されたエラーは、修正されなければ前のものよりも深刻だったと思われるが、カプセルの地球の大気圏への再突入の2時間前に修正された。

その結果顧問団は、Boeingのシステムエンジニアリングとソフトウェアインテグレーション、および検証試験の見直しを求めることになった。そしてそれが終了するまでは、有人無人を問わずいかなる本番打ち上げも試験飛行も行われない。12月の打ち上げに関して予定されていた次のステップも、すべてが延期になる。

顧問団によると、NASAはすでに「全社的安全性評価」を行うことを決めている。その評価は、昨年、同じく商用の有人事業であるSpaceXに対しても行われている。

そしてそのSpaceXは、顧問団によると、「近く有人飛行を行うことに関しては疑念のない段階に達しているが、正確な時期は未定」だそうだ。なかなか、心強いお言葉だ。なお、米国会計検査院が発表した、商用有人宇宙飛行に関する報告書は、最初の実用有人ミッションのためのCrew Dragonカプセルの納期が、最初のスケジュールよりも早くなった、と明かしている。

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グラフデータベースNeo4jのバージョン4.0はサイズ制限のないスケーリングが可能に

グラフデータベースのメジャーであるつNeo4jが今日(米国時間2/4)、バージョン4.0のリリースを発表した。最大の目玉は、スケーリングのサイズに制限がなくなったことだ。

グラフデータベースは複数のデータ間の結びつきを表現し調べることができるので、近年ますます人気がある。たとえばeコマースのサイトなら互いに関連するアイテムを表現したいし、ソーシャルサイトでは自分の友だちと、友だちのそのまた友だちなど、複雑な友だち関係を知りたいだろう。主に企業で人気が増していて、特にデータサイエンティストたちが好んでいる。大量のデータの中の関係を表現し見つけられるからだ。

Neo4jの創業者でCEOのEmil Eifrem(エミル・アイフレム)氏によると、グラフデータベースというコンセプトを開発したのは同社だが、その後大きく成長し、多様な展開を見せてきた。「2019年は一般的にも良い年だったが、グラフデータベースにとってはさらに良かった。我々がグラフという言葉とデータベースという言葉をくっつけたときには、そういう新しいカテゴリーを作ることと、その市場開拓に力を入れてきた。そしてそれを、新しいコンセプトとして布教してきた」と語る。

「今度のニューバージョンはかなりのメジャーリリースであり、彼がフォーカスしたいこともいろいろある。まず最初は、大きさ制限のないスケーリングだ。バージョン4.0では高度な水平スケーリングを導入したので、それが可能になった。これまでのバージョンではデータベース全体にわたってデータを複製してきた。それはデータ処理でよく使われる方法だが、データ量がスケールすると遅くなる。ニューバージョンでは、それを変えたかった」と同氏。

同氏によると「4.0ではパーティショニングを導入した。それは、データベースの世界では『シャーディング』と呼ばれている技法だ。リードライトとサイズの両方をスケールできるから超強力な機能だ。限界があるとすれば予算、つまりどれだけ多くのマシンを加えられるかだ」とのこと。

ニューバージョンには、ロール(役割)ベースのアクセスが加わった。グラフデータベースが個々の部門やチームから全社に広がると、各人のロールに基づいて特定のデータへのアクセスを制限することが極めて重要になる。

これについても同氏は「今日では、Neo4jのグラフデータベースは全社的に広くデプロイされている。すると、セキュリティやプライバシーの問題も生じる。そこで、ロールベースのアクセスによりデータを保護するのだ」と説明する。

ニューバージョンにはほかにも多くの機能がある。例えば、単一のNeo4jクラスターで複数のデータベースを動かしたり、また「リアクティブシステム」のサポートもある。後者によりデベロッパーはデータベースとアプリケーションのやり取りを完全にコントロールでき、頑強性のあるデータパイプラインの確保と、データのストリーミング、機械学習などにもそれが応用できる。

Neo4jは2007年の創業。Crunchbaseによると、これまで1億6000万ドル(約176億円)あまりの資金を調達している。

関連記事:Neo4j nabs $80M Series E as graph database tech flourishes(グラフデータベースが大人気でNeo4jはシリーズEで8000万ドルを調達、未訳)

画像クレジット:Neo4j

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法廷データの検索・分析サービスを開発するリーガルテック企業のTrellisが5億円弱を調達

州の法廷データの検索と分析ツールを開発している米国ロサンゼルス拠点のTrellis Researchが、新たな投資ラウンドで440万ドル(4億8383万円)を調達するとともに、ドキュメントサービスのDocstocの創業者であるAlon Shwartz(アロン・シュワルツ)を技術担当共同創業者として迎えた。

Trellis Researchは2年あまり前にNicole Clark(ニコール・クラーク)氏が創業し、今回シュワルツ氏は同社のプロダクト最高責任者CPOとしてプロダクトデザインを担当する。前述のようにシュワルツ氏は、かつてのTechCrunch 40にも登場したDocstocの創業者としてよく知られているが、その後はペアレンタルコントロールのunGlueなどのスタートアップをロサンゼルス界隈で創業した。

同氏は声明で「Trellisのことは、初期のころからアドバイザーだったのでよく知っている。一緒に仕事をしてみたいと思えるチームは、ここしかない」と語る。同社の440万ドルの投資は、Craft Venturesがリードし、OkapiやRevelなどの投資家が参加した。彼らは、Trellisが今年大きく伸びると期待している。

Trellisの共同創業者でCEOのニコール・クラーク氏

同社はカリフォルニアではすでに操業していて、カリフォルニア州上位裁判所の記録と司法分析の最大のデータベースがある。来年Trellisは、ニューヨークとテキサス、フロリダ、およびデラウェアの各州に進出する予定だ。

Trellisのフリーミアムのサービスでは、州の裁判の裁定や関連文書にオーガニック検索でアクセスでき、またパワーユーザーは有料で保存文書の全文にアクセスでき、ダウンロード、印刷、分析などもできる。クラーク氏はこのプロダクトについて「私が顧客第1号だ」と言う。

ロサンゼルスで訴訟人代理弁護士だったクラーク氏は、自分の調査ニーズを満たすためにTrellisを作った。彼女はよると「このデータを2年使ってからは、どんな申し立てでも勝てるようになった。だから、これが法廷闘争で勝てるためのツールであることはほとんど自明だ。これがあれば、判事が今進行中の案件について何を考えているか分析できるし、弁護士は判事の心にあることを見透かしながら申し立てができる」と答える。

同氏によると、自分のソフトウェアを使えば裁判における弁護士の勝率が倍になる。Trellisの使用料は個人では100ドル、企業との契約は交渉次第だ。同社の創業は2018年だが、同氏がそのサービスのためのデータを集め始めたのは2016年だ。今ではそれは、カリフォルニア州の文書の膨大な集積だ。

Techstarsのアクセラレーター事業を卒業したTrellisは、最初の200万ドル(約2億2000万円)の資金をCraft VenturesとOkapiから調達した。

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3Dプリンタでロケットエンジンを作り廃プラ燃料で噴射に成功したSkyrora

ロケットの打ち上げ事業を展開している英国エディンバラ拠点のSkyroraは、小さな人工衛星用の新しい打ち上げロケットを開発中だ。同社はこのほどその新型ロケットエンジンの地上静止噴射に成功し、実際の打ち上げに向かって大きく前進した。

Skyroraのロケットエンジンは3Dプリンタを使ってる点で新しいだけでなく、その燃料が廃プラスチックから作られている点にも注目だ。その新種の燃料は「Ecosene」と呼ばれ、同社によると競合製品よりもグリーンで、エコロジー的にも健全だそうだ。

Skyroraがテスト中のロケットエンジンは、最終的に全長22mの打ち上げロケットであるSkyrora XLの最後のステージで力を発揮する。Rocket Labの全長17mのElectronに近く、SpaceXのFalcon 9の全長70mにはおよばない。しかし、複数のペイロードを地上から最大500kmまでの複数の軌道へ配達できる。これは小型の衛星ペイロードでよく使われる低地球軌道だ。Skyroraは、廃プラから独自の方法で得られたケロシンであるEcoseneと、通常のロケット燃料であるRP-1ケロシンの両方で噴射して燃料としての性能を比較した。

Skyroraによると、1000kgの廃プラからおよそ600kgのケロシンを作ることができ、温室効果ガスの排出量は競合製品よりも約45%少ないという。Ecoseneには冷凍保存をしなくていいという利点もあり、長期間タンクに入れておける。同社によるとこの性質は、同社が実用打ち上げを予定している彼らの母国であるスコットランドの宇宙船基地の条件に合っているそうだ。

今回の試験噴射だけで新燃料の可用性が決まるわけではないが、その結果は今後のさまざまなテストに向けて励みになる。そしてSkyrora XLロケットの英国からの最初の打ち上げは、2022年を予定している。

【編集部注】TechCrunchは、米国ロサンゼルスで6月25日に開催する「2020 – TechCrunch Sessions: Space」で初めて宇宙テクノロジー専門のイベントを企画している。チケットは、今からでも買える

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イーロン・マスク氏が自作EDMをSoundCloudに本当にポスト

金曜日はたくさん新譜が出る日だが、この米国時間1月31日の金曜日には、ありえないソースからの曲がポストされている。それはElon Musk(イーロン・マスク)氏だ。SpaceXとTesla(テスラ)のCEOは、今週初めに「Don’t Doubt ur Vibe」という曲を書いた。曲は「Emo G Records」から発売される、と言っていた。しかし例によってそれは冗談かもしれないし、夜のインターネットのお遊びかもしれなかった。

ところが、彼は本気だった。しかもその曲を聴くために待つ必要はない。歌詞は、即興で一瞬で書けたのではないか。以下のフレーズを、無限に繰り返すだけだ。

Don’t doubt your vibe / because it’s true / don’t doubt your vibe / because it’s you

マスク氏によると、歌ってるのは彼自身だと言うが、加工されディストーションがかかっているので、まるで宇宙人の声のようだ。

EDM的にアレンジされた脈動感のあるアンビエントなもので、このジャンルの曲としては悪くない。聴いてご判断していただきたい。

マスク氏はこの曲を実際にレコーディングしているスタジオ内の写真をツイートし、最終テイクが完成するまでの過程は思った以上にたいへんだった、とシェアした。その曲作りのツイートの中で彼はフォロワーたちを教育して、コロナウイルスに関する不吉な予言がどんどん大げさになっていく理由を説明した。

アルバムが出るという話はないけど、テスラの決算報告も株価も絶好調だし、名誉毀損の裁判で勝ち、Starlinkプロジェクトも動き出した。それにSpaceXの商用有人飛行も前進、有人ミッション前の最後の試験飛行も成功という、マスク氏にとっていいことずくめの今日このごろだから、音楽をリリースするのもサマになってる。

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アメリカ経済の心臓部であるトラックドライバーを経営の雑務から解放するCloudTrucks

自動運転のスタートアップScotty Labsをわずか5カ月前にDoorDashに売った起業家のTobenna Arodiogbu(トベンナ・アロディオグブ)氏が、新しいスタートアップで戻ってきた。今回彼は、トラックドライバーと彼らのビジネスにもっぱらフォーカスする。トラックドライバーの収入を上げることを目標とするCloudTrucksは、Craft Venturesがリードするラウンドで610万ドル(約6億6000万円)を調達した。これにはKhosla VenturesとKindred VenturesそしてAbstract Venturesが参加した。

「ビジネスを小さな箱の中に詰め込んだ(business in a box)」とアロディオグブ氏が呼ぶCloudTrucksは、トラックのオーナーやオペレーター(事業者)のビジネスを楽にする。CloudTrucksはソフトウェアとデータサイエンスを利用してトラックドライバーのオペレーティングコストを下げ、売上を増やし、キャッシュフローとコストを改善する。

American Trucking Associationsによると、アメリカではトラック輸送業の91%が小企業で、トラックの保有台数は6台かそれ以下だ。2019年はアメリカで800近いトラック業者が倒産した。アナリストはそれを、保険費用の高騰と供給の過剰による1台当たりの荷減りのせいにしている。しかもオペレーターは、安全性の管理や請求書発行などのペーパーワークもこなさなければならない。そこに、CloudTrucksがお助けに登場する。

アロディオグブ氏は 「CloudTrucksはトラックのオーナーがイコール事業のオペレーターでもある小さなトラック企業を狙う。彼らこそが業界の生命線でありしかも最大のプレッシャーに苦しんでいる。保険料金は急騰し、血も涙もない売掛回収業者、そして業界の急速な変貌。それらが彼らを干上がらせる」と語る。

今すでにCloudTrucksは、少数の初期の顧客と共にプラットホームの微調整をしている。新しい顧客は、ケースバイケースで受け入れている。

CloudTrucksの前には、アロディオグブ氏は人間が車やトラックを仮想的にコントロールするScotty Labsを共同創業した。それは長距離輸送でドライバーをアシストするサービスだった。そのスタートアップをDoorDashが買収する前は、600万ドル(約6億5000万円)を調達していた。今はアロディオグブ氏がDoorDashのアドバイザーだ。

Craft Venturesの共同創業者でゼネラルパートナーのDavid Sacks(デビッド・サックス)氏が、本誌に「Tobennaは実績のある起業家だから、CloudTrucksが解決しようとしている問題を明確に理解してプロダクトを作っている。トラック輸送業はアメリカ経済の心臓部なのに、まだテクノロジーの役割がとても小さい。CloudTrucksのチームは、何千ものオーナー=オペレーターのトラックドライバーの収入と仕事の効率を上げるプラットホームを作っている。そんなスタートアップを支援できることは、本当に喜ばしい」と語ってくれた 。

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マイクロソフトはXbox Liveのセキュリティバグ発見者に賞金200万円超を提供

Xbox Liveにすごいセキュリティホールを見つけた人はいるだろうか?Microsoft(マイクロソフト)が、それを知りたがっている。

同社は米国時間1月30日、Xbox Liveのネットワークとサービスに特化したバグ報告褒賞金制度(Bug Bounty)を発表した。そのバグが最高に深刻で、レポートが最高に良く書けていたら最高額の2万ドル(約217万円)をもらえる。

多くのバグ褒賞金制度がそうだが、同社が求めているのも具体的で深刻なセキュリティの欠陥だ。同社のサーバー上で権限のないコードを実行できてしまう方法を見つけたりしたら当然褒賞金が出る。バトルロワイヤルゲームのApexで特定のレジェンドとしてプレイすると、いつもLiveの接続を切られるというのはマイクロソフトが求めているものではない。

また、今回同社が褒賞金の対象としない脆弱性のタイプもある。それらは、DDoS攻撃、同社社員やXboxの顧客を詐称するフィッシング、あるいはサーバーにサーバー名や内部IPなどの基本的な情報を言わせるものなどだ。

もちろん、マイクロソフトバグ報告褒賞金はこれが初めてでなない。同様の褒賞制度が、Microsoft Edgeブラウザーや、Windows 10の「Windows Insider」ビルド、Office 365などいろいろある。

褒賞金の額が最大なのは、同社のクラウドコンピューティングサービスAzureだ。Azure Security Labのアカウントに管理者アクセスするなど超特別のバグでは30万ドル(約3265万円)にもなる。

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大学病院が血液サンプルの配送にドローンを利用

ドローンは食べ物の配達には向いてないかもしれないが、でも病院が使えば命を救うこともある。米国カリフォルニア大学サンディエゴ校の大学病院であるJacobs Medical Center(ジェイコブス・メディカル・センター)では、運送大手UPSが運用するMatternet(マターネット)のドローンを使って、検査用血液などを同病院の複数の施設間で送受する試験を開始した。

このような事業はMatternetにとって三度目だ。まずUPSとの 最初のパートナーシップでは、ノースカロライナのWakeMed病院で1900回の飛行を行った。またチューリッヒでSwissPostが行った飛行では、墜落事故で中断した運用を今月再開する。

関連記事:UPSがドローンスタートアップのMatternetと組んで医療サンプルを輸送

速達性を要求される生物学的標本などの配送は、クーリエサービス(バイク便)が利用されることが多いが、どんなバイクの名人も渋滞には勝てない。

ドローンによる配達は自動操縦になるが、リモートで監視が行われるし、ジェイコブス病院とがんセンターのMoores Cancer Center(ムーアズ・キャンサー・センター)と実験医学センターのCenter for Advanced Laboratory Medicine(センター・フォー・ラボラトリー・メディシン、先端臨床検査センター)はお互いに距離1マイル(約1.6km)未満の見通し線上にある。

今月はドローンスタートアップのMatternetにとって大きな月だ。試験事業が並行して2つもあるし、またヘルスケア専門のVC、McKesson Venturesからの戦略的投資の話もある。

画像クレジット: Matternet

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GMがハンズフリー運転支援システムのSuper Cruiseに車線変更機能を追加

GMは同社のハンズフリー・ドライバーアシスタントシステムであるSuper Cruiseを改良して、ドライバーに代わって自動的にレーンを変える機能を加えた。最初の実装は、2021年発売予定の高級SUVであるEscaladeをはじめとしたCadillac(キャデラック)の一部モデルで行われる。

このSuper Cruiseの強化バージョンでは、ステアリングとスピードコントロールが改良され、再びTeslaのドライバーアシスタンスシステムであるAutopilot、特にそのNavigate on Autopilot機能と競合できるレベルになった。Teslaのシステムは現在、市場で最も優れていると言われている。

2021年のニューバージョン実装は、Escaladeに続いてセダンのCT4とCT5でも行われる。これらのモデルの発売は2020年後半と予想されている。

Super Cruiseは、ライダーのマップデータと高精度GPS、カメラ、レーダーセンサーのほかに、ドライバーの意識の集中を確実にするために、ドライバー注意システムと呼ばれるものを搭載している。TeslaのドライバーアシスタンスシステムであるAutopilotと違うのは、Super Cruiseでは手がホイール(ハンドル)上になくてもよいこと。ただし、しっかりと前方を直視していなければならない。ドライバーの視線を注意システムがチェックして指導する。

Super Cruiseのレーン変更の自動化も、ドライバーが前方道路を直視してないと動作しない。システムが動作しているときは、ドライバーが方向指示器でレーンの変更を指示できる。そのレーンが空いているとシステムが判断したら、車両はそちらに合流する。その際、ゲージクラスター(計器盤)は「入れる空きを探している」や「レーンを変更中」などとメッセージする。

Super CruiseのチーフエンジニアであるMario Maiorana(マリオ・マイオラナ)氏によると、GMのこれら新しいデジタル車載プラットホームは電気的帯域幅も大きく、データ処理も強力で、技術者が新たな機能を加えることができる。さらに後方センサーが改良され、後ろから接近してくる車両を正確に見つける。

Super Cruiseのニューバージョンは、それが許可されているハイウェイ上で、ドライバーに代わってレーンを変更できる。ユーザーインタフェイスとハンズフリードライブの動きも良くなった、とマイオラナ氏は言っている。

2017年にローンチしたSuper Cruiseは当時、フルサイズのCT6セダンに搭載されただけで、中央分離帯のあるハイウェイでしか使えなかった。それが2019年に変わりはじめて、まずSuper Cruiseの実装車種を増やすと発表された。そしてソフトウェアのアップデートにより、アメリカとカナダの総延長数千kmの中央分離帯があるハイウェイで利用できるようになった。現在、利用可能な道路の総延長距離は30万kmを超えている。

このシステムは、ほかの車種への実装も始まっている。2020年はキャデラックの全モデルに載る予定だが、今後はシボレーやGMC、ビュイックなどにも実装されていく。

画像クレジット: GM

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