What3wordsは世界をフレーズに分割する

もし///joins.slides.predict を訪れたなら、///history.writing.closets に行ってみよう。お金に余裕があれば ///cattle.excuse.luggage の Bananas Fosterもいい。もちろん、帰る前に ///plotting.nest.reshape に寄るのを忘れずに。

もし世界がwhat3wordsの考える通りになったら、それが未来の案内方法だ。ミュージシャンのChris Sheldrickとケンブリッジ大学の数学者Mohan Ganesalingamが設立したこの会社は、世界を3つの単語からなる名前で識別できる3メートル四方のブロックに分けた。ブルックリンのTotonno’s Pizzeriaなら ///cats.lots.dame、ホワイトハウスは///kicks.mirror.tops。3つの単語だけなので、簡単に見つけられて住所も面倒な緯度経度も必要がない。

世界を57兆個の小さな区画に分割してそれぞれにユニークな名前をつけたwhat3wordsに投資が殺到

チームがこのシステムを作ったのは、旅行者が人里離れた場所を見つけのはほぼ不可能だと知ったからだ。たとえば東京は住所を頼りに移動するのが著しく困難なことで知られているし、アラスカでユルト(移動テント)を借りるときのように、住所が絶えず代わってGPS座標が役にたたないケースもある。代わりに、///else.impuls.broom と運転手に言うだけで済む。

同チームは4000万ポンドの資金を調達し、現在産業界や旅行会社向けのマッピングAPIを開発している。ここで地図を見ることができる

「私は世界中で音楽イベントを運営していた。会場の多くが郊外だ。楽器もミュージシャンもゲストも迷子になった。GPS座標を教えようとしたこともあるが、正確に覚えて伝えるのは不可能だった」とSheldrickは言った。「これは、音声のために作られた唯一のアドレス・ソリューションであり、英数字のコードではなく単語を使う唯一のシステムだ」

もちろん、これには慣れが必要だ。単語の発音を間違えておかしな結果を生むこともあるかもしれないが、ポストモダン時代を生きていくための良い方法の一つとは言えるだろう。それに、場所によっては詩的に聞こえる名前もあるし、気に入らなければいつでも ///drills.dandelions.bounds に行くことができる。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

NetgearのメッシュギアOrbiルーターがギガビットクラスのWi-Fi 6をサポート

メッシュ用として気に入っているNetgearのOrbiが、大きくスピードアップした。その新しいルーターはRBK50と呼ばれ、Wi-Fi 6 802.11axをサポートしていて、メッシュを構成するルーター間をギガビット級のワイヤレスで接続する。〔主に家庭内メッシュのこと〕

WiFi 6はまだ新しい規格なので、サポートしているハードウェアはまだ多くない。以下、Netgearの発表声明から引用しよう:

業界トップのOrbi Mesh Wi-Fi Systemsが改良され、 4×4 Wi-Fi 6バックホールの1024 QAMをフィーチャーして、この専用ワイヤレスリンク間および、それと衛星間のスピードとカバレッジとキャパシティを増加する。

Qualcomm Technologies, Inc.のWi-Fi 6対応ネットワーキングSoCを使用しているWi-Fi 6用Orbiは、複数同時のWi-Fiストリームでも従来より高いパフォーマンスをサポートし、ギガビットのインターネットをさらに多くのデバイスに供給して、家庭のギガビットインターネットユーザーが新しいWi-Fi 6の利点を享受できるようにする。それは、次世代のモバイルやスマートホームデバイスの標準を目指した設計である。

この新しいルーターは2019Q3に発売される。価格の発表はない。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

オブジェクトをシンプルな部分的形状の集まりとして捉え、精度の高い3Dモデルを作る

空間領域構成法(constructive solid geometry, CSG)と呼ばれる技法を使用するシステムによりMITの研究者たちが、オブジェクトを分解してそれら個々の構成要素を3Dモデルで表現することに成功した。いわばそれは、複雑な物体に対するリバースエンジニアリングだ。

そのシステムを紹介するペーパー“InverseCSG: Automatic Conversion of 3D Models to CSG Trees”を、Tao Du, Jeevana Priya Inala, Yewen Pu, Andrew Spielberg, Adriana Schulz, Daniela Rus, Armando Solar-Lezama, そしてWojciech Matusikらが共著している。

Tao Duは3DPrintingIndustry誌の記事でこう述べている: “高レベルでは、問題は三角形メッシュをシンプルなツリーにリバースエンジニアリングすることだ。オブジェクトをカスタマイズしたければ、それを構成する元の複数の形の、それらの寸法やお互いの組み合わさり方にアクセスできるのが理想的だ。しかしすべてを一つの三角形メッシュへと組み合わせてしまえば、そこにあるのは三角形のリストだけで、個々の形の情報は失われている。でも、それらのメタデータを回復すれば、ほかの人たちがそのデザインを容易に変えることもできる”。

その処理は、オブジェクトをシンプルな剛体の集まりに切り分けて、それらを合わせれば複雑なオブジェクトが作れるようにする。現在の3Dスキャンは不完全だから、オブジェクト全体のメッシュモデルはオブジェクトの不完全な表現にしかならない。しかしこのように、より単純な形状のメッシュ的集まりとしてオブジェクトを表現できれば、より正確なスキャンに近くなる。オブジェクトの形を変える処理も、やりやすい。全体一括スキャンではなく、小部分分解スキャンとその再合成をするのだ。

“われわれのアルゴリズムは堅牢だから、言葉では言い表せないような奇妙な形のオブジェクトやその変更〜カスタマイズでも正確に表現できる。その例を、実際に示した。また、われわれの方法は変項(パラメータ)の集まりで表現されるCSGプログラム(parameterized CSG programs)を返すから、それによりエンドユーザーが3Dメッシュの構造を理解したり編集したりできるようになる”、とDuは語る。

このシステムは、オブジェクトを構成している要素的な形状を見つけて、それらの形を変える。これによって、ほとんどどんなオブジェクトでも、以前(全体一括スキャン)に比べてずっと高い精度で再現およびカスタマイズできるようになる。それはハードウェアをハッキングしてその形や大きさや安定性を理解するための、とってもクールな方法だ。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Appleサポートを騙るボイスメールにご注意――コールバック先はフィッシングサイト

iPhoneユーザーを騙そうとするボイスメールを使った巧妙なフィッシングの手口が発見された。発信者をAppleサポートのように見せかけており、コールバックさせるのが狙いだった。

今日(米国時間1/4)、セキュリティ専門家のBrian Krebsが報じたところによれば、同じくセキュリティー専門家でiPhoneユーザーのJody WestbyがApple Supportを発信者とするボイスメールを受け取った。内容はいくつかのIPアドレスがハッキングされことに対処するためコールバックしてほしいというものだった。メール履歴を表示すると発信者はApple Inc.のように見えたが、その1-866(フリーダイヤル番号)は完全なニセモノだった。

KrebsOnSecurityではWestbyがかけた番号 (866-277-7794)に電話してみた。

自動応答システムが「Apple Supportを呼び出すので1分30秒ほど待つよう」告げた。1分後にインド訛りの男が電話に出て電話した理由を尋ねた。

騙された一般人のふりをして「Appleからボイスメールが来て情報漏えいに対処するためにコールバックしてほしいと言われたからだ」と答えた。男は少し待つよう告げた後、接続が切れた。

これは明らかに用心が足りないユーザーから財政状況などを含めた個人情報を聞き出そうとする試みだ。もしかするとサポート料金と偽って金を騙し取ろうという策略だったかもしれない。重要な点はApple(回線はAT&T)デバイス上で受けたにもかかわらず、一見して真正なAppleサポートと偽サイトの区別がつかなかったことだ。どうしてそんなことが可能だったのか?

このフィッシングでは、ボイスメール発信者が他人になりすまして身元を隠せたことだ。簡単にいえば発信者は検索結果をごまかし、偽の電話番号を本当のものと勘違いさせた。Westbyが電話するよういわれた番号は、実際にはフィッシング・サイトだった。どこからでもいいが「お前のコンピューターはこわれている」などという電話がかかってきたら嘘をついてる思っていい。メーカーにせよ金融機関にせよサポートが自分から電話してくることはない。こちらからの電話に(運がよければ)答えるだけだ。

〔日本版〕KrebsOnSecurityの記事によれば、Westbyは本来のAppleサポートの番号をウェブ検索で調べ、電話してフィッシングであることを確認したという。テキストメールであれボイスメールであれ、Google検索などで独自に確認した番号以外返信しないのが賢明。

原文へ

滑川海彦@Facebook Google+

プログラミングをゲームのように遊べるScratchのv.3.0が出た、タブレットでも使える

使うに値する唯一の子ども向けプログラミング言語Scratchが、Scratch 3.0のローンチを発表した。この強力なオープンソースツールに、おもしろい新しい機能がいくつか加わった。

学齢期の子どものいない読者のために説明すると、Scratchはブロック方式のプログラミング言語で、小さなゲームや、スプライトやアニメのある“漫画”を作れる。そのシステムはけっこう複雑で、子どもたちはこれまで、Minecraftのプラットホームや、楽しいアーケードゲーム*、そしてこんなものまで作ってきた。〔*: アーケードゲーム, arcade games, arcadeは日本語で言えば“ゲーセン”。〕

Scratchのこのニューバージョンには、ハードウェアを制御する機能や、新しいコントロールブロックがある。

Scratch 3.0は次世代のScratchで、Scratchでもっといろんなものを、いろんなところで作れるようになった。数十個もの新しいスプライトがあり、サウンドエディターもすっかり新しくなった。そして新しいプログラミングブロックもたくさんある。Scratch 3.0は、ラップトップやデスクトップコンピューターだけでなく、タブレットでも使えるようになった。

Scratchはプログラミングをゲームのように楽しめるツールで、うちの子は今でも、これで何度も何度も遊んでいる。そんな力を持つプログラミング言語は、ほかにない。とくに小学校入学前ぐらいの子どもに最適の、プログラミング入門だ。今度のアップデートをぜひチェックして、そして作ったアニメはぜひクラスでシェアしよう!

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

ガラスを3DプリントするシステムをMITの研究者たちが完成

溶けたガラスのロープをエンドレスに吐き出すマシンは、この言葉だけを見ると不気味かもしれないが、MITの連中はまさにそれを完成させた。3D Printing and Additive Manufacturingに載ったペーパーで、研究者のChikara Inamura, Michael Stern, Daniel Lizardo, Peter Houk, そしてNeri Oxmanらが記述しているガラスの3Dプリントシステムは、熱い素材を完全にコントロールして最終製品を作ることができる。

彼らのG3DP2と呼ばれるシステムは、“3域温度コントロールシステムと4軸モーションコントロールシステムをデジタルに統合した、溶融ガラス用の新しいAM*プラットホームであり、その生産能力と信頼性はすでに産業用の実用レベルに達している。製品の精度と再現性は高く、それらも、これまでガラスでは不可能だったレベルだ”、という。〔*: AM, additive manufacuturing, 付加(的)製造技術…3Dプリントのこと。〕

このシステムは、溶けたガラスを収めた加熱ボックスと、オブジェクトをプリントする温度制御されたボックスを使用する。可動性のプレートが、プリントの進行とともにオブジェクトを下へ下へと下げていき、プリントヘッドはその上で動く。このシステムが興味深いのは、そのまま即、装飾や建築用に使える透明なガラス構造物を作ることだ。研究者たちは溶融ガラスを押し出すシステムに細心の注意を払い、不純物や構造上の問題がない状態でガラスが冷えて固まるよう工夫した。

“将来的には、ガラスの優れた素材特性(透明性、強度、化学的安定など)とこのAM技術を組み合わせることによって、新しい形の多機能なビルディングブロックを作れるようになるだろう”、と彼らは言っている。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

イノベーションのためには携帯を捨てろ

われわれは今、過渡期を生きている。1980年代のはじめ頃には、デスクトップコンピュータの時代に入り、ドットコムの崩壊でクライマックスを迎えた。それは2000年問題に対応するためのコンサルティング料と、ハードウェアへの支出、さらにはPets.comなどの理不尽な繁栄に支えられた財政バブルだったのだ。その直近の過渡期は、コンピュータがより小さくより奇抜に、より薄く、そしてずっと強力になった時期だった。それは、長い退屈な時期を経て、われわれをモバイル時代へと導いた。それが今も続いている。次の10年間で革新を起こしたいのなら、以前のデスクトップPCがそうだったように、もはや携帯電話は行き止まりだということを認めるべき時が来ている。

われわれは、10年ごとに何かを創造しては、その後それを磨き続けることを繰り返している。その進歩の速度は増加しているものの、それは革新ではない。たとえば2007年のiPhoneと、現在のPixel 3との違いは信じられないほどだ。しかし、Pixelにできて、オリジナルのiPhoneやAndroid携帯にできないことが何かあるだろうか? あったとしても多くはない。

われわれは、現在の技術が可能にするユースケースに縛られている。1903年には、自転車は自転車であり、飛ぶことはできなかった。しかし、ライト兄弟や、その他の人々が、前進する機械的な動きから揚力を得ることに成功すると、われわれは離陸することができるようになった。2019年には、携帯は携帯であり、われわれと真にやりとりすることはできない。人間の体とは独立した部品に過ぎないからだ。そうした制限の先を見据える人が出てくれば、われわれは飛べるようになるかもしれない。

モバイル技術の未来を断定するつもりはないが、携帯電話を捨てて、この世界を見つめ直さない限り、注目に値するようなことは何もできないだろう、ということだけは言っておく。確かにきれいな写真が撮れるようになり、FaceTimeでやりとりできるようにはなった。しかし、そうした技術の限界に気付かなければ、それらの外の世界は見えてこないのだ。

もうすぐ新しい年(そして新しいCES)がやってくる。そしてまた、より多くの同じようなものがやってくる。画面−手−目の連携にとどまって、実質的に携帯電話を顔に押し当てるだけようなVRデバイスや、ほとんどテレビのようにしか見えない大画面のパソコンを作るのは、安全であり安心だ。しかし、その次に何があるのだろうか? そうしたデバイスはどこに行こうとしているのか? どのように変わるのか? ユーザーインターフェイスは、どのように凝縮され、形を変えるのか? そろそろ真剣に考えなければ、やがて身動きが取れなくなってしまうだろう。

たぶん、あなたはもう考えている。でも、急がなければならない。これまでもそうだったように、この時代も急激にガラッと変わるかもしれない。そうなれば、よく見積もっても得られるチャンスは限られる。なぜVRは軌道に乗らないのか? なぜなら、それはまだ辺境のものであり、モバイル思考に囚われた人たちによって探索されている段階だからだ。機械学習やAIの普及も、なぜこんなに遅いのか? それは、そのユースケースが、チャットボットと、より良い顧客応対に狙いを定めているからだ。われわれが、携帯電話の黒い鏡(この意味は分かるだろう)の向こう側に注目し始めなければ、イノベーションは失敗する。

起動するすべてのアプリ、スクロールするすべての写真、すべてのタップ、ダサいFacebookのちょっとした改良に期待して祈ることは、みんな予想を上回るより良い未来の到来に抵抗する砦を築くためのレンガなのだ。だから、来年こそは携帯から手を離して、何かを創ろうではないか。手遅れになる前に。

画像クレジット:Fuse/Getty Images

原文へ

(翻訳:Fumihiko Shibata)

この腕輪は麻薬の過剰摂取を検出して死を未然に防ぐ

カーネギーメロン大学の学生たちのプロジェクトが、人命を救うかもしれない。HopeBandと名付けられた腕輪が、血中の酸素濃度が低いことを感知して、それが急を要するレベルならテキストメッセージとアラーム音を送る。

学生のRashmi Kalkunteが、IEEEにこう語っている: “友だちの誰かがいつも過量摂取を心配していたら、その使い方パターンを理解し、どんなときには誰に助けを求めるべきか知ってる人が近くにいるといいよね。HopeBandは、そんな人の代わりになることを目指して、設計したんだ”。

9月に行われたHealth 2.0カンファレンスでチームは、Robert Wood Johnson財団主催のOpioid Challengeコンペに応募して三位になった。彼らはその腕輪を、ピッツバーグの針交換事業*に送るつもりだ。売価は20ドル未満をねらっている。〔*: 注射針を新品の針に交換することでエイズなどの伝染を防ぐ。多くは地方自治体の公衆衛生事業の一環。〕

今年アメリカで過量摂取で死んだ人は72000人を超えている。こんなデバイスがあれば、人びとを少しは安全にできるだろう。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

魚を拡張現実を生成するタンクに入れてみたらそれを本物の現実と区別できた

ニュージャージー工科大学の研究者たちが、グリーングラス(glass knifefish)の“姿勢維持”機能を調べているとき、動物の電気的感知器官をリアルタイムで騙(だま)すための拡張現実を作った。その魚はさまざまな穴を自分の家にして身を隠す習性があるが、研究者たちは、魚が自分を安全に保つために利用している自動的自律的なセンサー機能を、このやり方で知りたいと思った。

准教授のEric Fortuneはこう語る: “いちばん興奮したのは、この研究によって、われわれが10年以上前から夢見ていたやり方で、フィードバックを調べられるようになったことだ。ほとんどすべての動物が、自分の体を動かすことによってまわりの環境を感知しているが、この、運動によるアクティブな感知の基本的な過程を、拡張現実を利用してリアルタイムで調べたのは、おそらくこれが初めてだろう”。

魚がARのヘッドセットを装着したのではなく、研究者たちは水中で揺れる隠れ家の動きをシミュレートした。

Fortuneは曰く: “この魚が隠れ家の位置をフォローすることは前から分かっていたが、ごく最近分かったのは、人間の目の動きにも似た小さな動きを彼らが生成することだ。そこでわれわれは、拡張現実のようなものによって、魚の感知システムと運動システムとの関係を撹乱することはできないか、と考えた。しかし両者の結びつきを維持したままそれをやるのは、きわめて難しかった”。

その試験では、魚を管の中に入れて(上図)、管の動きと魚の目の動きが同期するようにした。魚が前や後ろへ動くとき、その動きは隠れ家の動きにも及ぶ。その動きを魚が見たとき、何が起きるのか。隠れ家の動きと魚の動きが同期したとき、魚はその動きが隠れ家の“リアル”な動き(単独の動き)でないことを、感知できた。つまり魚は、自分が仮想環境の中にいることを知っていた。

“動きの刺激の起源が独立のものであるときと、自分の動きのフィードバックであるときとを、魚は区別できた。この実験により、われわれが観察していた現象が、魚が自分の動きから受け取るフィードバックによるものであることが分かった。基本的にその動物は、自分のまわりの感覚世界を自分がコントロールしていることを、知っているようだった”。

もしかしたら魚は、Job Simulatorをプレイできるかもしれない。

“同じような実験を、人間の視覚についてもできるのではないか。それにより、神経生物学の貴重な知識が得られるだろう。また、視覚と運動のコントロールに関しては、人工的なシステムより動物の方がずっと上手だから、われわれが公開するデータを技術者が機械の制御に利用できたら、とても強力なフィードバックシステムが可能になるだろう”。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

1月のCESに行くならTCミートアップを予約しよう――暗号化テクノロジーのハードがテーマ

新年早々、ラスベガスで開催されるCES 2019に参加予定の読者も多いだろう。TechCrunchはこの機会にスタートアップがプレゼンをするミニイベントを計画している。テーマは暗号テクノロジーを中心にしたハードウェアだ。コ・ワーキングサービス、Work In Progressの好意で200人のオーディエンスを収容できるスペースを確保した。

会場はWork In Progress, 317 South 6th Street Las Vegas、 日時は2019年1月9日(水)6:00 PM – 9:00PM(太平洋時間)。

ラスベガスのダウンタウン、フリーモントストリートエクスペリエンスの近くで、チケットは無料だが200枚しか用意できない。 先着順なので興味があるなら早めにチェックすることをお勧めする。予約はこちらから

このイベントでは各チーム3分、10チーム分の枠が用意されているので、応募多数の場合はわれわれの方でチームを選ぶことになる。ハードウェア・イベントなので実物を持参できることが望ましい。スライドの利用は禁止。ピッチ希望者はこちらの書式に記入して申し込む。選ばれたチームにはこちらから連絡する。

ではラスベガスでお会いしましょう。

原文へ

滑川海彦@Facebook Google+

初期段階の研究をネットメディア上で一般公開しシェアするMorressierは研究の安定成長を支援

ネットやニュースで研究プロジェクトを知ったときは、それが数えきれないほどの試行や変更を行ったあとであることが多い。しかしMorressierは、お互い会ったこともないさまざまな研究者たちが、初期段階の研究に取り組んでいる様子を、ネット上のコンテンツとして紹介したいと考えている。成熟段階の研究だけでなく、初期段階の研究も周知し、研究をより活性化したいのだ。

Morressierは、初期段階の研究のためのそのようなサービスだ。つまり同社は、研究者たちが、“自分たちのカンファレンスのポスターやプレゼンテーションや概要書などによる研究プロフィールを起こせるようにして、それらにより、彼らの仕事をきわめて初期からカンファレンス会場やネット上で提示できるようにする”。初期段階の研究のほとんどが、参加者のあまり多くないカンファレンスに登場するから、そういうカンファレンスにおいてプロジェクトをより目立つようにして、研究をより良い方向に向けていく。

Morressierの協同ファウンダーSami Benchekrounはこう語る: “われわれはもっぱら、研究過程のもっとも初期の段階からの成果や所見にフォーカスする。そのコンテンツは従来、大学のホールやカンファレンスに限定されていたものだ。コンテンツをネットに載せてアクセスできるようにすると、科学者たちは同業者が同じ間違いを何度も犯すことを防ぎ、お互いの所見を活かして効率的に前進できる。

“われわれは科学者たちが、それまでは隠れていた初期段階の研究を個々のパーマリンク等から披露し、自分たちへの明白な所属性(クレジット)を得られるようにする。われわれが作って提供するコンテンツにより、科学におけるシグナルとトレンドを、競合者たちよりもずっと早い段階で開陳できる”、と彼は語る。

このサービスはすでに実動しており、RedalpineとCherry Venturesから600万ドルあまりを調達している。

“学術的なカンファレンスでは世界中で活発な意見交換が行われていて、それを直接体験できるから、それらのイベントの、従来オフラインだった研究をデジタル化するために、Morressierを着想した。ネット上なら、会話が年中継続するだろう。それまでは隠されていた初期段階の研究を、発見可能アクセス可能にすることによって、科学者たちの進捗を早めたい”、とBenchekrounは述べている。

ファウンダーとは、今年のDisrupt Berlinで話をした。下のビデオを、ご覧いただきたい。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Casio、金銀フルメタルのG-Shockを発売

G-Shockはオタクっぽさのあまりクールになった。そして最新モデルのGMWB5000GD-9も例外ではない。オリジナルのG-Shockモデルをベースにしたこの明らかにスマートではない(しかし無能でもない)ウォッチは、ソーラー充電、電波時刻修正を備え、Bluetoothでスマートフォンと接続できる。そして今回、ゴールドまたはシルバー基調のメタル側を装い、10年前続いたブランドとはっきり離別した。

野心的なデザイン変更は、Casioの伊部菊雄がデザインした純金プロトタイプからヒントを得ている。あのキラキラの腕時計は、市場にでる可能性もあるがCasioの展示ケース全体と同じくらいの値段になるので少々やりすぎだ。しかし、この2種類のスチールモデルは実に魅力的で非常に贅沢だ。

「最初のG-SHOCKモデルDW5000Cから着想を得たこの時計は、モダンで輝やきのある色を特長としながらビンテージの美観を維持している」とCasioは書いている。「この製品は初期G-SHOCKの象徴的デザインを採用し、ケースビンテージな角型、ベゼルはレンガ模様の表面に豪華な金色のアクセントがあしらわれている」

550ドルという価格はエントリーレベルのクォーツ時計としては少々高価だが、心配はいらない。「役立たず」が「ファッショナブル」の同義語になりつつある今、ファションの世界に足がかりを見つけられるはずだ。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

このドローンは状況に応じて縮む

チューリッヒ大学EPFLの研究者が、隙間の大きさに応じて縮むことができるという、救出活動に最適かもしれない機能を持つロボットを開発した。研究者はまず初めに、カメラ1つを使って人工の隙間を査定して数秒で通り抜けられるドローンをつくった。今回追加された機能ー飛行中のドローンを縮ませるためのハサミのようなシステムーはドローンをより全能的なものにし、現実世界にある大小の隙間に対応できるようになった。

「クワッドローターの隙間飛行に取り組んだ後に、このアイデアを思いついた」と博士号取得を目指しているDavide Falangaは語る。「我々のラボのゴールは、将来的には災害直後に使用することができるドローンを開発することだ。たとえば、地震のような災害で、生存者を探すために倒壊した建物のわずかな裂け目や開き口から建物内に入ることができるというものだ。我々のこれまでのアプローチでは、かなり積極的な操縦を必要としたため、高速で飛ぶことなく狭い隙間をくぐり抜けるというタスクをこなす別のソリューションを模索した。そして思いついたのが、タスクに応じて形を変えられるクワッドローター、折りたたみ可能なドローンだった」。

このシステムは、隙間の大きさを測定し、外部から処理を行うことなく形を変える。かなりエキサイティングな偉業だ。処理は全てドローン搭載のシステムで行われ、必要に応じて自動に切り替えることもできる。開発チームはこのドローンを、いつでも買えるような3Dプリントされたパーツで作った。

「普通のドローンと我々のドローンの最大の違いは、アームとボディの接続の仕方だ。各アームは自動制御モーターを通じてつながっていて、このモーターは本体とアーム間のポジションを変えることができる。これによりロボットは文字通り、アームを本体のまわりで曲げることができ、つまり潜在的にはどんな形態でもとることができる。適応制御装置がドローンの形態を認識し、形態にかかわらず絶えず安定した飛行になるようにする」とFalangaは話した。

研究チームはこの開発についてのレポートをRobotics and Automation Letterで発表した。IEEEが指摘しているように、これは飛ぶドラゴンドローンではなく、もっとシンプルでクールで効率的なプロダクトだ。

[原文へ]

(翻訳:Mizoguchi)

ギフトガイド:年末年始に家族で楽しめるボードゲーム16選

TechCrunchの2018年ホリデーギフトガイドです! 年末のギフトのアイデアがもっと欲しい方は、こちらのGift Guide Hubをご覧ください。

ああ、クリスマスのボードゲーム。暖炉ではぜる火の音。エッグノッグを飲みながら、青は赤のマスの手前にいただの、そうじゃないだのと言い合う。

ボードゲームをクリスマスプレゼントにするというのはどうだろう? 新しいゲームを贈ってみんなで遊ぼう。そこで今回は、我々が最近ハマってきたボードゲームの中から、家族みんなで年末年始の休暇中に楽しめるものを紹介しようと思う。簡単なものからめちゃくちゃ複雑なものまで、いろいろある。新しいものもあれば、古いものもあるが、どれも最高のゲームだ。

街コロ

特別な建物やアトラクションを使って街を建設するという、最高にかわいいカードゲーム。街に発電所やそば屋や遊園地を建設するか? あるいは、テレビ局やパン屋や市役所を充実させるか? ちょっと変わった『シムシティー』のカードゲーム版といったところだ。

 

 

 

キング・オブ・トーキョー

今日はどんな怪獣になりたい? 巨大なトカゲ? ロボット? エイリアン? 「キング・オブ・トーキョー」では、巨大な怪獣になって日本の首都を占領する。トゲトゲの尻尾や牙を使い、賢く立ち回って敵を排除するのだ。子どもに最適。カードゲームとボードゲームの楽しさを同時に味わえる。

 

 

コードネーム

コードネーム」は、これまでとはまったく毛色の異なるチームプレイを楽しむゲームだ。ひとつの言葉が書かれたカードを並べる。プレイヤーは2人1組で、もうひとつのチームと対決する。チームの1人はヒントを出し、もう1人はヒントから答を推測する。1回のターンでできるだけ多くのカードが取れるように、ヒントを出す側はうまい言葉を伝える。ただし、1回のターンに言えるヒントは一言だけ。しかも、中には、一発で敗北する暗殺者カードが潜んでいる。複数のカードに共通するひとつの言葉をヒントとして出すのだが、パートナーが敵のカードや暗殺者カードに手を出さないよう気を配らなければならない。推測する側が混乱してしまっては、ゲームは負ける。「コードネーム」にはさまざまなバージョンがあり、小さい子どもも参加できるディズニー版もある(こちらは英語版のみ)。

Anomia

カードを引くと、なんの関連性もないような絵が描かれている。靴のひも、占領、ポップスターといった具合だ。テーブルに置かれた他のプレイヤーのいちばん上のカードを見て、自分のカードにそれとマッチするものがあるかを探す。あればレースの始まりだ。最初にそのカテゴリーに一致するものを言い当てられたら、そのターンは勝ちとなる。単純に思えるだろうが、頭なフル回転するし、大笑いして体はよじれる。(日本語版なし)

 

 

ボーナンザ

ドイツ生まれの、豆を栽培するゲーム(豆には珍しい品種やいろいろなものがある)。順番にプレイしてゆく。各プレイヤーには限られた数の畑があり、そこに豆を植えて、収穫してお金に換える。新しい豆(カード)を引いたら、その豆を植えなければならない。そのためには、テーブルの上の畑にすでに植えられている豆を収穫する必要も出てくる。そこで、できるだけゲームを有利に進めるために、他のプレイヤーとの交渉が始まる。それがこのゲームのもっとも面白いところだ。いちばん多くのお金を稼いだ人が勝つ。値段交渉や取り引き(それに愉快な豆の絵)が好きな人には、うってつけのゲームだ。

ワルタークラウル 森の影ゲーム

以前にもTechCrunchで紹介したことがあるが、ドイツのオリジナル版は最高だ。ゲームは単純。部屋の電気を消して、木の影に小さなエルフを隠す。プレイヤーは小さなロウソクをボードの森の中で動かし、エルフを捕まえる。すべてのエルフを捕まえたら、またはすべてのエルフをひとつの場所に追い詰めたら勝ちとなる。なんと言っても、ロウソクの火がいい感じ。

ワイナリーの四季

ボードゲームはワインを飲みながら楽しむもの、と考えれば、「ワイナリーの四季」はまさに飲む人のゲームだ。家族とともにトスカーナで小さなワイナリーを経営するという内容。ブドウを育て、ワインを仕込み、お客さんを呼んで、ビジネスを成長させる。美しい舞台設定の開発ゲームだ。

 

秘密のヒトラー

秘密のヒトラー」は、ファシズムの台頭をテーマにしたゲーム。お気楽な内容ではないが、政治体制の脆さや、平和な世界が一夜にしてファシストに支配されるようになる現実を教えてくれる。狼男やマフィアを題材にしたゲームの形式を踏まえ、1人のプレイヤーが秘密のヒトラーとなり、残りのプレイヤーが秘密のナチスとなる。ヒトラーは、自分の正体を他のプレイヤーに明かさずに、協力して政府をファッショ化する。思考ゲームが好きな方にお勧め。

Spaceteam

「Spaceteam」は協力的なゲームだ。勝つのも負けるのもみんな一緒。だからと言って、和気あいあいのゲームというわけではない。叫びたくなることもある。

このゲームでは、ポンコツの宇宙船をみんなで修理しながら旅をする。プレイヤー全員には、いくつかの目標が与えられるが、プレイヤーごとの個別の目標もある。さらに、みんなが適切な道具を持っているわけではない。他のプレイヤーから必要な道具を集めれば、目標が達成される。だが、他にもその道具を必要とする人間がいる。タイマーはカウントダウンを進める。生き残るためには、すべてを同時信仰させなければならない。死にもの狂いで、バカバカしくて、「だれかー、遠心分離ゴミ処理機をオレに渡してくれー! もう15回も頼んでるんだぞ! あ、待って、ここにあったわ」みたいな。

(日本語版なし。スマートフォンやタブレットで遊べる日本語対応アプリがあります)

カルカソンヌ

カルカソンヌ」は私が大好きなゲームだ。絵が美しいので、子どもも参加できる都市開発ゲーム。何時間でもハマってしまう。「ビッグボックス」版には、すべての拡張キットが含まれている。最高にお勧めのゲームだ。

 

トワイライト・ストラグル

ソビエト連邦とアメリカ合衆国が世界の支配権を争うという、非常にヘビーなゲーム。冷戦のシミュレーションだ。タイトルがいかしていて、わくわくする。一見の価値あり。

サイズ – 大鎌戦役

もうひとつの現実世界をカードとミニチュアで再現する壮大なゲーム。荒廃した世界の農民となって、軍隊を立て直し、奪われた土地を取り戻して、発展させるという内容だ。プレイ時間は115分とかなり長いが、大変な高評価を受けている。

 

 

Gnomes at Night

Gnomes at Night」は、ちょっとひねりが利いた子ども向けの協力型ゲーム。プレイヤーの1人は迷路が見えるが、もう1人には見えない。互いに力を合せて迷路を進み、宝を獲得するという、ネットゲームでは味わえないコミュニケーションを大切にしたゲームだ。

 

 

 

 

Risk Legacy

Risk Legacy」は、複雑なゲーム「Risk」さらに複雑にしたバージョン。プレイするごとにボードとピースが変わるため、ゲームをどんどん長くすることができ、何度でも楽しめる。オリジナルの「Risk」もいまだに人気が高いが、これはその軍事ゲームの強力な拡張版だ。(日本語版なし)

ラストナイト・オン・アース

ラストナイト・オン・アース」は、いろいろなシナリオが楽しめるボードゲーム。プレヤーは、人間になるかゾンビになるかを選べる。人間チームは、ゲーム開始前にヒーローカードを1枚引く。そしてボード上を動き回り、課題を解決する。たとえば、屋敷を守ったり、ある場所から脱出したりといった具合だ。それをゾンビが邪魔をする。最良の武器を選んで、彼らを退治するのだ。

 

 

 

Gloomhaven

ボードゲームを真剣に愛している友人や家族には「Gloomhaven」をぜひ贈って欲しい。これまで紹介した中では、いちばん本気のゲームだ(価格も2万5000円以上と高価だ)が、今年もっとも高い人気を集めたゲームでもある。それには理由がある。すぐにプレイできるダンジョン、数千枚のカード、数十種類の職業、百種類近いシナリオが含まれているからだ。これを始めるためには、決まった仲間で定期的にプレイする機会を設けたいと思うかも知れない。もしそれが実現すれば、最高に楽しい。(日本語版なし

Hero Realms

Hero Realms」は、トレーディングカードゲーム(「マジック:ザ・ギャザリング」と同類)だが、内容はまったく違う。強いデッキを作るためにカードを買い足すのが嫌だという人には、これが最適だ。すべては箱の中に揃っている。各プレイヤーは少量の手持ちカードでスタートし、中央のパイルからカードを引いてデッキを組み立てていく。あとは、効果カードの組み合わせて敵と対決し、彼らのヒーローを打ち負かす。(日本語版なし)

[原文へ]
(翻訳:金井哲夫)

アダルトサイト、PornHubが2018年のまとめ発表――オンラインで皆が見ているのはいったい…?

カナダに本拠を置く有力アダルトサイト、PornHubの発表によれば、2018年に335億回のアクセスをかき集めることに成功したそうだ。現在、人類の総数は75億人に過ぎない。うーむ。

PornHubはYouPorn、RedTubeなどを含むアダルト・サイト多数を傘下に持っており、毎年ユーザー動向の調査結果を発表してきた。これには地域別ユーザー数、や検索回数が多かった人気スターなどのデータが含まれる。これによればアメリカ、ドイツ、インド、日本、カナダが訪問者数のトップ5だった。保有するデータ総量は4000PBだという。これは地球上の人類1人あたり500MBに相当するというから驚きだ。

ポルノ動画のデータ量などさしたる意味がないと思えるだろうが、このデータを無視するのは危険だ。つまり有力ポルノサイトはメジャーなニュースサイトよりはるかに多くのトラフィックを集めている。

トランプ大統領を巻き込んだポルノスター、ストーミー・ダニエルズやゲームのFortniteが2018年の検索語の上位を占めたということは政治、文化のメインストリームに何が起きているかをよく示している。

たとえば人気検索ワードのリストで4Kが急上昇していることにテレビ関係者はもっと注目する必要がある。受像機のメーカーを含めて、このトレンドに注意すべきだ。この記事を書くために調べてみたところ、現在無料の4Kコンテンツは残念ながらひどく少ないことを発見した。

さらに示唆/娯楽価値の高いデータもある。

2017年の重要検索語は1080pだったが、今年急上昇した検索後はウルトラHDを意味する4kだ。また「ロマンティック」の検索も倍増している。ただし検索者は女性の方が男性より2倍以上多い点は変わっていない。【略】

人生は芸術を模倣し、ポルノはあらゆるものを模倣するというのが真実であれば、われわれのサイトの2018年の検索語の上位にBowsette(クッパ姫)が登場したのも納得できる。任天堂マリオ・シリーズに登場するキャラクターのファン・イラストがオリジナルだが、あっという間に世界的現象となった。Bowsetteの検索は1週間で300万回を超え、このテーマのパロディーポルノ((NSFW)も72万回再生された。

「バイブル・ベルト」と呼ばれるアメリカ南部からの訪問者も多い。ミシシッピ、サウスカロライナ、アーカンソーはアメリカでももっとも長時間ポルノを見ている。カンサス州が時間最短だった。デバイスとしてはやはりスマートフォンがトップで、iOSとAndroidの割合はほぼ半々だった。カテゴリーでは2位にJapaneseがランクインしている。

一方、Windowsのシェアは今年急速に下がった。逆にChrome OSは急上昇。 ブラウザではChrome、ゲーム機ではPlayStationの人気がトップだ。

ポルノは炭鉱のカナリヤと同様、何らかの異変が起きていることをいち早く知らせる。ポルノで起きたことはやがて外の世界でも起きるのが通例だ。PornHubが公開したデータは大いに興味深い。デスクトップからモバイルへ、1080から4Kへなどのシフトが浮き彫りになった。デートサイトやクッパ姫の人気も面白い。われわれの多くは、表向き強く否定するものの、やはり時折こうしたサイトを訪問していることも裏付けられた。

原文へ

滑川海彦@Facebook Google+

嫌われ者のスポンサー付きビデオを一挙に面白くするHypeHopシステムとは

スポンサー付きコンテンツというものが、ずっと気になっていた。それは、よく見れば本誌TechCrunchにもあるし、今やほとんど、どこにでもある。オンライン・ジャーナリストであるぼくの耳には、いろんな言葉が飛び込んでくる。“Appleはこれを載せるためにきみにいくら払ったのか?”とか。“きみにいくら払えばうちのことをTechCrunchに載せてもらえるの?”とか。だから、ぼくにとっては放っておけない問題になってる。〔‘きみ’==TechCrunch〕

しかも、そろそろうんざりしている。

ジャーナリストは快適に暮らしている人びとを傷つけ、傷ついた者を慰める。マーケターは、快適に暮らしている人を慰める。そしてこの騒動の唯一の勝者は、金の力で大量の掲載数を稼げるお金持ちだ。今はまだ欠点だらけの暗号通貨は、この状況を変えてくれるだろう。

さて、この記事ではぼく自身が作ったものをご紹介したいと思う。本誌の記事で自分の作品を紹介するという掟破りをあえてするのは、それがかなり重要でおもしろい、と思うからだ。それはHypeHopと呼ばれ、スポンサー(付き)ビデオにおける実験だ。YouTubeで何かを選ぶと、スポンサービデオが必ず付いてくる。風邪のときの発疹みたいに。それらは、要らないのにあるものであり、いなくなるまでかなりの時間がかかる。たとえばぼくの息子が見ているNerfのビデオでは、あまりスマートとは言えないアルゴリズムで、広告が頻繁に‘上映’される。

もう、たくさんだ。

現在のシステムでは、マーケターはメディアプラットホームに、彼らが稼いだオーディエンスの数に応じてお金を払う。マーケターは目玉(視聴者)を獲得し、メディアプラットホームはお金を獲得、そしてユーザーは無を獲得する(=何も得ない)。これを変えたい、と思ったんだ。

そのHypeHopは、友だちと一緒に作った。何をするかというと、ビデオを見るとその視聴者にお金を払う。今は概念実証の段階で、ビデオをアップロードして小額の‘ホスト料’を払うと、視聴者をウォッチし、その人が確かにそのビデオを見ていることを確認する。“視聴者をウォッチするだって??”、とあなたは問うだろう。そう。われわれは毎日のように監視されている…GoogleやAmazonの広告システムなどなどに。そろそろ、監視料をもらってもよいのでは?

現在視聴者は、一回の視聴につき約40セントをBTC(Bitcoin)でもらう。息子と一緒に作ったデモビデオは、その仕組みを説明し、実際にテスト用にBTCを預けてある。今のところは、おもしろい実験としてうまくいっている。

同好の士が、これをさらに拡張してくれると嬉しい。たとえばこれは、スポンサービデオを視聴者にとってもっとおもしろいものにするための、ツールになるだろう。マーケティングのためのつまらない屑でも、それを見たら1円もらえることは、おもしろいかもしれない。そしてやがては、多くのマーケティングツールが視聴者と製作者とマーケターの収益源になる。これまでwin-win-loseだった世界が、win-win-winの世界になる。そしてこれは、フェイクニュースやフェイクマーケティングと戦う方法としても重要になるだろう。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

ライカ、決定的瞬間のためのCLストリートキットを発売

Leicaの高価——だが魅力的——なCLは、中古のトヨタカローラ以上払うことなく手に入るオリジナルライカにいちばん近いカメラだ。昨年発売されたこのCLは、事実上Mシリーズの機能削減モデルで、この一年間レビューで激賞されている。そしてクリスマスシーズンの今、LeicaはCLとズミクロンTL 23 mm/F2 レンズをセットにしたStreet Kitを発売した。このフラットパンケーキ・レンズは「報道写真で実証済みの35 mm相当」レンズで、中央ヨーロッパの暗い路地をさまよいながら撮るストリートショットにも十分だ。

そして悪いニュース。Leicaは伝統的に最高の出来栄えのカメラ機器を最高の価格で提供してきたが、これも例外ではない。おそらく次のミレニアムまで使い続けられるであろうカメラを手に入れられる特権を、わずか4195ドルで買うことができる。これはMシリーズよりかなり安いが、あなたのスマホについているカメラと比べると相当高い。このパッケージはカメラとレンズを別々に買うよりも800ドル以上安い。

ともあれ、堅牢で念入りに仕上げられた美しいカメラのセットが、今も存在しているところを見るのは嬉しいものだ。それに、フォトグラフィックアートの創造には、この入場料を払う価値があると思わないだろうか? Leica愛好家のアンリ・カルティエ=ブレッソンはこう言っている、 “Au fond, ce n’est pas la photo en soi qui m’interesse. Ce que je veux c’est de capter une fraction de seconde du reel.”[つまるところ、私の興味は写真そのものにはない。やりたいのは現実の一瞬を切り取ることだ]。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Laco RAD-AUXは「フォールアウト」の世界から飛び出したウォッチだ

Lacoはドイツの小さな時計メーカーで、Fliegerシリーズで知られている。大型の竜頭と見やすい文字盤のパイロット向けにデザインされた腕時計だ。このほど同社は aBlogToWatchと提携してして、ゲームFalloutにテーマに廃墟のVaultから出てきたような時計を作った。

価格は2950ドル。ムーブメントはETA 2824.2、側とバンドは本格的アンティーク調で、ケースは1950年のA-Bombミリタリーに立ち返ったデザインだ。限定143台の生産で予約受付中、3月に出荷予定だ。パッケージ全体がゲームFalloutシリーズからでてきたようなルックスだ。なおゲームを開発したBethesdaは本製品には関わっていないが、あらゆる部分がFalloutユニバースへのオマージュだ。

この製品で特に興味深いのは、aBlogToWatchとの提携だ。人気の腕時計ブログでAriel Adamsが運営している。この種の連携は概して面白みのないブランド時計に、醜いブログロゴがどこかに隠されているケースという結果に終わるものだ。しかしこのパートナーシップはLacoとAdamsのきのこ雲の上を飛ぶイマジネーションから生まれた。ともあれ、これは3DプリントのPip-Boyをまだ見たことのない人にはたまらない一品だ。Vault住民に幸あれ!

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

植物と車輪付きロボットが合体した人工共生体Elowanは植物の意思で動く

サンタのそりをロボット犬が引くようになった今日このごろ、夢でうなされそうな怖いロボットのアイデアは、まだほかにもあるだろうか? Elowanはどうだろう!

ElowanはMIT Media Labのプロジェクトで、要するにそれは、動きまわる室内植物だ。その植物が信号を送ると、彼(彼女?)を乗せている台車が光を見つけようとしてあっちこっち移動する。Harpreet Sareenが作ったそのロボットは、植物の電気化学的な反応の変化を感知して渇きを判断し、また、正しい置かれ方をしていないことも見つける。

Elowanは、自然の力をロボティクスが拡張する試みだ。Elowanのロボティクスのベースは、植物との共生的な結びつきであり、その動きは植物自身の生物電気化学的信号に制御され、植物のその言語がロボットの人工的な世界にインタフェイスしている。

これらの信号が、生長や呼吸、水分の吸収など、さまざまな生理的現象をトリガーする。今回の実験的なセットアップでは、電極を関心領域に挿入した(茎と土、葉と土)。そして弱い信号を増幅してロボットに送り、それぞれの方向への動きをトリガーした。

植物と人工的装置との、このような共生的相互作用は、さらなる外生的拡張により、栄養補給や、生長のフレームワーク、また新しい国防の仕組みにも応用できるだろう。

この植物はついに、血の匂いのする方向へ進むことを覚え、われわれを食べるだろうか? ありえることだ! ジュラシックパークのマルコム博士の言葉を借りれば、科学者たちは移動する室内植物を作ることに没頭していたので、動物の血を栄養とする植物のことはたまたま考えなかったのだ。でもぼくとしては、サイボーグの室内植物に支配される地球なら大歓迎だね。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

AIと3Dプリントを使って写真の絵画を再現できるようになった

MITのコンピューターサイエンス・人工知能ラボの研究者が、写真から絵画を再現するシステムをつくりだした。この技術を使うと、博物館やアート好きの人が、お気に入りの絵画の写真を撮って絵の具のような仕上がりのコピーをプリントできる。

RePaintと呼ばれるこのプロジェクトでは、それぞれの絵画とまったく同じ色を再現するために機械学習を活用していて、階調表現を使って何千もの色を出力できるハイエンドな3Dプリンターでプリントする。

研究者はエドガー・ドガやサルバドール・ダリの残された作品をとらえる、より良い方法を見つけた。彼らは開発した“色トーニング”という特殊な技術を使った。この色トーニングでは、3Dプリンターと、まるでキットカットバーの中にあるチョコレートとワッフルのような薄いレイヤーの中に入った10種類の透明インクが使用される。そして研究者たちはこの方法に、“階調”という何十年もの歴史がある手法を組み合わせた。これにより、連続階調というより、かなりたくさんの小さなインクのドットでイメージがつくられる。こうした技術により色のニュアンスをとらえることができる、と研究チームは話している。

「もしあなたが絵画の色をギャラリーで目にしたもののように再現したら、家では異なる色に見えるかもしれない」と研究者のChangil Kimは語る。「我々のシステムはどんな照明状況でもうまくいき、これまでの試みよりずっと素晴らしい色の再現能力を備えている」

残念なことに、プリントできる大きさはせいぜい名刺サイズ。また、このシステムではマットな仕上がりや複雑な表面テクスチャにまだ対応できていない。しかし研究チームはアルゴリズムと3D出力技術の改善に取り組んでいて、最終的にはポーカーで遊んでいる犬の絵を3Dプラスティックに再現することができるようになるかもしれない。

[原文へ]

(翻訳:Mizoguchi)