TeslaのAutopilotの安全機能を騙すデバイスの販売をアメリカ政府が禁止

[筆者: Kirsten Korosec]
このほど、Teslaの半自動運転システムAutopilotの安全性機能をバイパスするアフターマーケット製品の使用を、連邦政府が禁止した。

合衆国運輸省の自動車道交通安全管理局(National Highway Traffic Safety Administration, NHTSA)は、Autopilot Buddy製品を売っているカリフォルニアの企業Dolder, Falco, およびReese Partners LLCに、停止命令書簡を発行した。

Autopilot Buddy製品は、“Tesla Autopilotのうるさい小言(こごと)を減らすデバイス”、というキャッチーなスローガンでマーケティングされている磁性体プラスチック片で、運転者の手がステアリングホイールにあることをチェックし、手が離れていたら警告を発するTeslaの機能を、不能にする。Autopilot Buddyのようなアフターマーケットデバイスは、NHTSAの規制対象である自動車用品だ。

Autopilot Buddyは、Tesla Model S, Model X, およびModel 3で使える。

NHTSAの副長官Heidi Kingは声明でこう述べている: “自動車の安全性機能と運転者の集中状態を無視する製品は受け入れられない。運転者に手をホィールに戻すよう安全システムが警告できないようにすることによってこの製品は、重要な安全対策を不能にし、顧客とほかの道路使用者を危険に陥れる”。

TeslaのAutopilotは、完全な自動運転システムではない。むしろそれは高度なアシスタンスシステムで、交通量に応じて速度を自動制御する機能(traffic-aware cruise control, TACC)や同社の登録商標であるAutosteer(自動ハンドル)などの機能を搭載している。後者は、カメラとレーダーと超音波センサーを使って、レーンのマーキングと車両などの存在を検出する。AutopilotとAutosteer機能が動作していれば、システムはTeslaの速度を一定に維持し、前の車両と適切な車間を保ち、レーンの保持や変更を行う。

しかしそれは、運転者が手をホィールに置くことを要求するので、それが面倒なオーナーはシステムを騙すためのありとあらゆる方法を、これまで見つけてきた。運転者が手をホィールに置いてないとシステムは、目と耳の両方へ警報を与える。警報を運転者が無視し続けると、Autopilotは遮断する。

書簡は企業に、対応期限を2018年6月29日と告げ、それまでにAutopilot Buddyの全米におけるマーケティングと営業と流通をすべて終了したことを、NHTSAに証明しなければならない。

企業はすでに政府に対応していたようで、そのWebサイトには、現在は国際的なオーダーしか取っていない、とある。“アメリカ国内のオーダーは取っていない。この問題ができるだけ早期に解決することを望んでいる”、とそのWebサイトは言っている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Amazon、ホテル向けAlexaシステムの提供開始

Alexaがホテルの客室にやってくる。Amazonは今朝、Alexa for Hospitalityと呼ぶ新プログラムを発表した。ホテルチェーンやバケーションレンタルなどあらゆるタイプの宿泊施設向けに音声アシスタントを提供するというものだ。このシステムは、チェックアウト時刻やプールのオープン時間といった宿泊施設の主な情報が含まれるようにカスタマイズできる。また、宿泊客は部屋の清掃やルームサービスなどをリクエストをすることも可能だ。もちろん、空調を調整したりブラインドを開けたりといった“スマート”ホテル客室機能を操作できるように設定することもできる。

この新プラットフォーム展開にあたり、AmazonはMarriottと提携する。この提携は、かなりの規模の投入となるだけでなく、MarriottがこれまでSiriとAlexaの両方のデバイスをテストしてきたという点を鑑みても大きな意味を持つ。

Amazonによると、Marriottインターナショナルはグループ傘下のMarriott Hoteles、Westin Hotels & Resorts、St. Regis Hotels & Resorts、Aloft Hotels、Autograph Collection Hotelsの中からセレクトした施設で今夏このAlexa新サービスを導入する。

また、このシステムは招待制ながら他のホテル運営者へも今日からオープンとなった。

Alexa for Hospitalityは、そのホテル向けにカスタマイズされたEchoを客室に設置して提供される。現在利用できるデバイスはAmazon Echo Dot、Echo、Echo Plusだ。

Echoを介して宿泊客は、フィットネスセンターの場所や、プールのオープン時間、その他一般的なことを尋ねることができる。加えて、ルームサービスやフロントデスクへの問い合わせ、清掃、スパといったことについてもAlexaに聞くことが可能だ。

Amazonいわく、このシステムはホテルですでに採用されているDigValet、Intelity、Nuvola、Volaraといったテックと協働する。これにより、宿泊客は「Alexa、ワインを注文して」「Alexa、スパの予約を入れて」と話しかけることができ、こうした依頼はサービス運営や、POSシステム、リクエストシステムに反映される。

Amazonの宣伝ビデオで、宿泊客がEchoを使ってホテルの部屋から自宅の子供に電話をかけているように、Alexaは電話としても部分的に利用できる。

ホテルがしようと思えば、照明やブラインド、サーモスタット、そしてテレビまでコントロールできる“スマートホーム”などの機能もカスタマイズできる。

中でも、World Cinema、GuestTekといった客室用エンターテイメントプロバイダーとも連携し、テレビを音声で操作できるようになるのも大きい。また、Crestronや、HoneywellのInncomなどを使った接続機器のコントロールもできるようになる、としている。

加えて、ホテルのブランドに合うようなミュージックステーションが流れるように設定されているiHeartRadioやTunelnを使って音楽やラジオを流すこともできる(近隣の部屋への迷惑とならないよう、ホテル側で音量調整が可能だ)。

ワークアウトや、空港での待ち時間、瞑想、ホワイトノイズなど、ホテルが独自に提携するサードパーティのアプリーMarriottはTEDと提携ーも使えるようになる。TEDが提供されるMarriottのホテルでは、客は心温まるようなTEDトークを、あるいはクリエイティビティに富むものを、またはリーダーシップについてのものをというふうにAlexaにお願いできる。

しかし、Alexa for Hospitalityは部屋に置くEchoだけを指しているわけではない。ホテル側が各種情報をアップデートしたり何か新しい機能を持たせたり、設定調整したり、使用状況を追跡したりできるダッシュボードを介してEchoを設定できる一連のツールを指す。

Amazonによると、デバイスは数分で設定できるように設計されていて、もしオフラインになったら管理者にすぐに通知がいくようになっている。

またホテル管理側が、分析やレポートを通して宿泊客がどれくらい使用したかを測定することもできるようになっている。

サービス開始時は利用できないが、このプラットフォームでは将来、宿泊客が滞在中、一時的に自分のAmazonアカウントに接続し、客室内のEchoを個人仕様にすることができるようになる。

これは、おそらくこのプラットフォームで一番注目すべき機能だろう。

ホテルというのは、これまでどこもやっていなかったようなゲストサービスを提供するためのテクノロジーを取り入れることで客にアピールできる。たとえば、客が楽しむためのホテル情報を搭載したAndroidタブレット。あるいは、そばにスマホを置いて暗い中で眠れるように抜くこともあるファンシーなクロックラジオなどだ。

ホテルの部屋で使うAlexaを、“あなたの”Alexaに変えることで、宿泊客はAmazon MusicやSpotify、Pandoraなどに入っている好みの音楽、またAudibleのオーディオブックを聴くことができる、とAmazonは話す。

普段からAlexaを利用している人はこのAmazonのバーチャルアシスタントの利便性を知っていて、正直なところ、これによりホテル側は宿泊客の増加を期待できる。Alexaユーザーなら、旅行時にAlexaがないということを忘れてAlexa、と話しかけたことがあるだろう。

しかし今後はホテルにAlexaがいる。

Amazonによると、現在バケーションレンタルのRedAwning、Thompson Hotels、Joie de Vivre、Destination Hotels、AlilaといったTwo Roads Hospitalityのブティックライフスタイル施設でもこの新プラットフォームをテストする方向で作業を進めているという。

このシステム導入費用が果たしていくらなのか、デバイス購入で大量注文割引などはあるのか、Amazonはふせている。

「Marriottは客へのサービスの一環としてイノベーションに取り組み続けてきた。Alexa for Hospitalityを初めて導入する施設であることに興奮している」とMarriottインターナショナルの顧客満足担当副社長Jennifer Hsiehはサービス開始のプレスリリースでこう述べている。

「私たちの顧客の多くが、自宅で音声テクノロジーを使用していて、その利便性を旅先でも提供したい。Alexa for Hospitalityを利用できる初の施設はCharlotte Marriott City CenterとMarriott Irvine Spectrumになる。宿泊客からのフィードバックや使用状況をみて、私たちのホテルでAlexaを通じてどういった機能やサービスが展開できるのかを検討することになる」ともコメントしている。

MarriottはAlexa for Hospitalityを今夏、全米10の施設で導入するとしている。ここには、同社が新サービスを真っ先に導入するノースカロライナのCharlotte Marriott City Center、カリフォルニアのMarriott Irvine Spectrumも含まれる。その他の8施設はWestin Hotels & Resorts、St. Regis Hotels & Resorts、Aloft Hotels、Autograph Collection Hotelsブランドとなる。

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(翻訳:Mizoguchi)

モバイルのプライバシーで頑張るKeepsafeが守秘機能を強調したブラウザーをリリース

プライベートな写真アプリKeepsafeを作っているKeepsafeが、製品ラインを拡大し、モバイルのWebブラウザーをリリースした。

協同ファウンダーでCEOのZouhair Belkouraによると、写真アプリ、VPN、プライベートな電話番号生成アプリなどKeepsafeの製品はすべて、プライバシーの保護で共通しているだけでなく、意図的にそれらの機能をシンプルで分かりやすくしている。Belkouraによるとそのやり方は、独特のジャーゴンや複雑な設定の多い、今のセキュリティ技術の対極にある。

さらにBelkouraによると、インターネット上のプライバシーには複数のレベルがある。たとえば政府機関や大手テクノロジー企業が個人データにアクセスしているが、そのことは知識のレベルでは気になっても、感情のレベルでは誰も本気で気にしていない。

そして、“うるさいご近所さん”という問題もある。つまりBelkouraによれば、“10億人がGmailを使っていて、それらのメールはすべて広告のためにスキャンされているにもかかわらず、ご近所の人に‘あなたのメール読ましてくれる?’と言ったら必ず断られる”。

Keepsafeの今度のブラウザーは、この二種類のプライバシーに対応しているようだ。まず、自分のブラウザーをPINでロックできる(Touch IDやAndroid Fingerprintも使える)。

Keepsafe browser tabs

また実際にWebを閲覧しているときは、通常の個々のタブで、ソーシャルサイトや広告やアナリティクスによる個人追跡をブロックできる(追跡者の種類も指定できる)。ただしクッキーとキャッシュは保存されるから、今ログインしているWebサイトやそのほかのセッションのデータは維持される。しかし、タブ全体をプライベートに指定すると、そのタブを閉じたら何もかも消え去る。

従来のブラウザーにもプライベート(匿名)モードがあるが、Belkouraに言わせると、Keepsafeのブラウザーはプライバシーを最前面に打ち出して設計されている。ユーザーには最初からそのことが、強烈かつ明確に訴求される。そしてこのブラウザーは、同社のさまざまなプライバシー製品の一環にすぎない。今後は、それら複数のプライバシー製品の統合も予定している。

そのKeepsafe Browserは、iOSもAndroidも無料だ。

収益化に関してBelkouraは、“プライベートなブラウザーそのものを売り物にしたくはない。今後もっと総合的なKeepsafe Suite(総合ソフトウェア集)が形をなしてきたら、そこらで課金を考えたい”、と言っている。

画像クレジット: Keepsafe

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

サッカーのゲームをテーブルの上の拡張現実の3D映像で見る

ワールドカップのシーズンなので、機械学習の記事もフットボールを取り上げないわけにはいかない。その見事なゲームへの今日のオマージュは、試合の2Dビデオから3Dのコンテンツを作り、すでに拡張現実のセットアップのある人ならそれをコーヒーテーブルの上でも観戦できるシステムだ。まだそれほど‘リアル’ではないが、テレビよりはおもしろいだろう。

その“Soccer On Your Tabletop”(卓上サッカー)システムは、試合のビデオを入力とし、それを注意深く見ながら各選手の動きを追い、そして選手たちの像を3Dモデルへマップする。それらのモデルは、複数のサッカービデオゲームから抽出された動きを、フィールド上の3D表現に変換したものだ。基本的にそれは、PS4のFIFA 18と現実の映像を組み合わせたもので、一種のミニチュアの現実/人工ハイブリッドを作り出している。

[入力フレーム][選手分析][奥行きの推計]

ソースデータは二次元で解像度が低く、たえず動いているから、そんなものからリアルでほぼ正確な各選手の3D像を再構成するのは、たいへんな作業だ。

目下それは、完全にはほど遠い。これはまだ実用レベルではない、と感じる人もいるだろう。キャラクターの位置は推計だから、ちょっとジャンプするし、ボールはよく見えない。だから全員がフィールドで踊っているように見える。いや、フィールド上の歓喜のダンスも、今後の実装課題に含まれている。

でもそのアイデアはすごいし、まだ制約は大きいけどすでに実動システムだ。今後、複数のアングルから撮ったゲームを入力にすることができたら、それをテレビ放送のライブ中継から得るなどして、試合終了数分後には3Dのリプレイを提供できるだろう。

さらにもっと高度な技術を想像すれば、一箇所の中心的な位置からゲームを複数アングルで撮る/見ることも可能だろう。テレビのスポーツ放送でいちばんつまんないのは、必ず、ワンシーン==ワンアングルであることだ。ひとつのシーンを同時に複数のアングルから自由に見れたら、最高だろうな。

そのためには、完全なホログラムディスプレイが安く入手できるようになり、全アングルバージョンの実況中継が放送されるようになることが、必要だ。

この研究はソルトレイクシティで行われたComputer Vision and Pattern Recognitionカンファレンスでプレゼンされた、FacebookとGoogleとワシントン大学のコラボレーションだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

AnchorがiPad用のポッドキャスト作成と編集アプリを提供

今年初めにポッドキャスト制作プラットフォームとして再スタートしたAnchor が、本日(米国時間6月19日)よりモバイル版ポッドキャスティングツールの提供をiPad上で開始した。これまで提供していたiPhone版のように、iPad版のAnchorを使用すれば、iTunesやGoogle Playミュージックを含むどこにでも、ポッドキャストを録音、編集、配信することができる。新しいアプリは、タッチベースの編集にもカスタマイズされており、ドラッグ&ドロップやマルチタスクといったiPad固有の機能も利用している。

同社はもともと、短時間のオーディオに注力していたが、最近ではモバイル機器ですぐに使用できる使いやすいツールを使用すれば、ポッドキャスターたちの増え続けるリスナーたちに、より上手く対応することができることに気が付いた。

iPhone版のAnchorでは、音声を録音したり、友達と一緒に録音したり、Podcastに音声メッセージを挿入したり、音楽やトランジションを簡単に追加することが、ボタンタップで可能だ。iPadアプリはこれに、いくつかのアップグレードと調整を加えた、類似のツールセットを提供している。

始める際には外部マイクを、ライトニングポートに、直接もしくはライトニング=USBアダプタを介して接続して使うこともできる。

他のアプリからAnchorに、音声ファイルをアップロードしたりドラッグ&ドロップして、エピソードビルダーで使用することもできる。たとえば、GarageBandから音楽を取り込んだり、ボイスメモを追加したり、Dropboxのようなクラウドストレージサイトに保存された他のオーディオファイルをインポートしたりすることができるのだ。

またこのアプリはマルチタスクもサポートしているため、メモを開いたまま録音を行うこともできる。

初心者やアマチュアのポッドキャスターでも簡単に使える、万人向けのタッチベースのコントロールを使用して、iPad上の音声ファイルを直接編集することもできる。

このコントロールを使用すれば、ポッドキャストの先頭と最後を切り詰めることができるので、間違った出だしや、その他の雑音などの問題を取り除くことができる。また、トランジション、ボイスメッセージ、音楽、その他のオーディオを挿入するために、音声クリップを分割することも可能だ。

ポッドキャストをまとめる際には、クリップを移動したり削除したりすることができる。

現在のポッドキャスティングの人気を考えると、ポッドキャスターのニーズを念頭に置いて作成されたオーディオ編集ツールが、他にまだ存在していないのは驚きだ。

Anchorアプリは、iPadを単に消費だけでなく、コンテンツ制作のために利用するための1つの例である。特にクリエイティブなプロジェクトの編集ツールとしてどのように使えるかを示すための好例となっている。

同社はユーザー数を公表していないが、Sensor Towerによれば、世界中で85万件以上インストールされているという。AnchorがPodcast制作に方針転換をした2月以降の毎月の伸び率は、平均40%という印象的な数字だったと、同社は語っている。

同社は現在調達資金で運営されているため、iPad版のAnchorは、iPhone版と同様に無料で利用できる。しかし長期的な計画としては、Anchorを使うポッドキャスター向けの収益化ツールの提供が考えられている。Anchorはその際に収益の一部を受け取る予定だ。

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(翻訳:sako)

VirusTotalは、アンチウイルスの「誤判定」からデベロッパーを守る

GoogleがVirusTotalを買収してから6年が過ぎた。VirusTotalは、ユーザーがアップロードしたファイルにマルウェアやウィルスが入っていないかをチェックするサービスで、70種類のアンチウイルスとドメインブラックリストサービスのデータベースとアルゴリズムを利用している。 現在はAlphabet傘下のセキュリティー会社、Chronicleの一部となっているVirusTotalは、ここ数年の間に中立的公共サービスとしての地位を確立し、ユーザー、デベロッパーの両方から信用を勝ち取ってきた。デベロッパーはAPI経由でも同サービスを利用できる。

本日VirusTotalは、新しいツールを公開して中核サービスを拡大した。これはデベロッパーが新しく書いたコードを同社のパートナーである複数のアンチウイルスシステムでスキャンすることで、アンチウイルスが誤ってマルウェアと判断しないようにするものだ。この種の誤判定(偽陽性)問題は驚くほどよく起こっており、マルウェアに関係のないデベロッパーにとって大きな頭痛の種になっている。

このほどデベロッパーに一般公開されたVirusTotal Monitorは、デベロッパーがコードをアップロードすると、VirusTotalがチェックを行い、いずれかのアンチウイルス・パートナーが誤ってマルウェアと判断した場合、各パートナーとデベロッパーに通知する——そして解決策を見つけるための橋渡しをする。

VirusTotalの技術責任者、Emiliano Martinezは、誤判定問題はデベロッパーにとって頭痛の種であるばかりでなく、アンチウイルス業界にとっても広報災害となりかねないことを指摘する。アンチウイルス会社は、自分たちのツールが誤ってマルウェア認定したために、ユーザーが最新バージョンのアプリケーションを使えなくなる責任をとりたくないと考えている。「そこでわれわれは、Google Driveのような場所にソフトウェアデベロッパーがプログラムをアップロードできるようにした——プログラムの公開前でも公開後でもよい」とMartinezは説明した。

これは、主として商業デベロッパー向けのツールだが、大企業で業務アプリを作っているデベロッパーにも有効だ。

VirusTotal Monitorは、アンチウイルス会社には無料で提供される。デベロッパーからは料金を取ることで収益化する計画だ。「つまるところデベロッパーは、誤判定されて利用禁止になれば莫大な損害を被る」と、この収益モデルの理由を尋ねた私にMartinezは言った。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Facebookにスポンサードビデオがさらに必要な理由――Brand Collabsはブランドとクリエーターを仲介する検索エンジン

Facebookは、自分で手数料を取らずにブランドとビデオクリエーターを結びつけ、ビデオ広告やビデオ内プロダクト・プレースメントをさらに増やそうと努めている。今日(米国時間6/19、)われわれが5月にスクープした機能正式にスタートした。名称はBrand Collabs Managerだ。

このシステムはブランドが有力インフルエンサーをさまざまな条件で検索できるエンジンだ。オーディエンスのデモグラフィックや各種の属性、過去にスポンサードを受けたビデオのポートフォリオなどを簡単に検索することができる。簡単にいえば、3月に報じたとおり、FacebookはビデオコンテンツのマネタイズにあたってYouTubeとPatreonをコピーしようとしている。

一方、スポンサーを得たいクリエーターはBrand Collabsシステムに参加して自分のFacebookページについてのポートフォリオを作成することができる。ページの作成者はここで自分がブランドをいかにシームレスにビデオに埋め込めるかを示せる。ブランドはクリエーターのビデオの人気がどの国でもっとも多いか、オーディエンスの関心、性別、学歴、交際関係、重要なイベント、家の所有などをキーとした検索が可能だ。

今回、これ以外にもFacebookはクリエーターのマネタイズを助ける機能を多数発表している。

  • 昨年11月にiOS向けに発表されたFacebook Creator アプリAndroid版が世界的にローンチされた(Google Playへの登録が完了しだい有効となる)。 コンテンツ・クリエーターはCreatorアプリを利用することで、配信するライブ・ビデオにイントロ、アウトロ〔ビデオ末尾の定形部分〕を追加したり、TwitterやInstagramに簡単にクロス投稿したりできる。またFacebook本体とInstagramのコメント、Messengerでのチャットを一つのインボックスで処理できる。これによりファンとのコミュニケーションが大きく効率化される。

  • Ad Breaksはビデオの中間にCMを挿入する機能だ。現在一部のアメリカのクリエーター向けに公開されているが、この範囲がさらに拡大される。長期にわたってオリジナルのコンテンツを作成しており、熱心なファンが多数いることが条件だ。スポンサーが得られた場合、クリエーターは広告料金の55%を得る。
  • Patreon式有料視聴契約もさらに多くのクリエーターが利用できるようになった。クリエーターはあたり月額4.99ドルの料金を設定できる。契約者は有料コンテンツを見ることができるだけなく、会話の際にパトロン(契約者)であることを示すバッジが表示される。またゲームビデオのクリエーターはStarsと呼ばれるゲーム内通貨を利用したマイクロ支払いも受けられるようになった。

  • トップファン・バッジはクリエーターのいちばん熱心なファンをハイライトする機能で、3月からテストされていたが、さらに広い範囲から利用できるようになる。
  • Rights Managerを利用すると、クリエーターはFacebookにアップロードするビデオのフィンガープリントを取り、他人が同一のビデオをアップロードできないよう管理できる。従来パブリッシャーだけが利用できたがクリエーターも利用可能となった。.

今日のFacebookの発表には重要なインタラクティブ・ビデオ機能が多数含まれており、さっそくこの機能を用いたゲームショーも発表されている。クリエーターはユーザーがビデオ内で回答できるミニクイズ、アンケート、ゲーム化などさまざまな対話的機能を埋め込むことができる。
ユーザーは単に受け身でビデオを見るだけなく、積極的に参加することが可能だ。オリジナルビデオ向けのFacebook Watchハブもビデオショーのフォーマット、クリエーターの範囲が拡大された。

Facebookがスポンサードビデオをさらに必要とする理由

ユーザーのアテンションがYoutTube、Netflix、Twitchなどの流れることを防ぎたければ、Facebookはホットなオリジナルビデオを製作できるビデオクリエーターを多数必要とする。しかし優秀なクリエーターをつなぎとめて置くためには、Facebookのビデオプラットフォームで十分なマネタイズが可能でなければならない。しかし、たとえばAd Breaksのようなビデオ内CMを不用意に挿入するのは、特に短いビデオの場合、視聴者の反発を招くおそれがある。

しかしTwitterのVineビデオの実験で、短いビデオでも6秒あればマーケティングに十分効果があることが証明されている。Nicheというスタートアップはブランドとクリエーターを仲介するマーケットプレイスを作り、たとえばホンダ車の窓やドアから流れ出す曲を作れるミュージシャンやコカ・コーラについてジョークを飛ばすコメディアンを探したりできるようにした。結局TwitterはNicheを買収したが、価格は5000万ドルと報じられた。[情報開示:Nicheの共同ファウンダーのDarren Lachtmanは筆者の従兄弟]

Facebookと違ってVineはビデオクリエーターからすぐ人気を得た。YouTubeの広告収入は多額になり得るし、Patreonのサブスクリプションモデルも魅力的だ。Twitchはゲームファンの熱心な支持を受け、クリエーターはチップを稼いでいる。こうしたことがFacebookからビデオクリエーターを遠ざける結果となっていた。

FacebookがBrand Collabs Managerをリリースしたのは、ビデオ広告配信の条件を直接的に改善するよりも、クリエーターがブランドから広告収入を得られる道を整備する方法を選んだのだろう。

Niche、YouTube、Patreon、Twitchのものまね以上の仕組みを作るにはFacebookとしても相当の作業が必要だ。しかしFacebookとしてはプラットフォームの魅力を高めるためにクリエーターにポケットマネーを払うのに比べればずっと安上がりなはずだ。.

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Amazon、宅配ロッカーの “Hub” を全米展開

AmazonのHubが登場してから約1年がすぎた。同社はアパート居住者用の配達ロッカーを静かに導入し、その後さまざまな問題点を解決してきたに違いない。今日(米国時間6/19)午前、Amazonは同サービスを正式発表し、全米展開を開始した。

サービス自体はAmazonが一部地域でこれまで実施してきたものとさほど変わらない。ロッカーは建物内に置かれ、利用者はキーパッド経由でアクセスする。アイデアは、管理人から荷物が届けられるのを待ったり、直接配達を受け取るために時間を合わせたりする手間を省くことだ。

毎度のように不在票を受け取っては、郵便局の長い行列に並んでいるアパート住民の一人として、私はこのアイデアを支持したい。そして正直なところ、私は玄関(や車)への出入りをAmazon(あるいはほかの誰か)に託すやり方をあまり気に入っていない。イレギュラーな形状の荷物をどう扱うかはまた別の問題だ。

今回のニュースで特に興味深いのは、これがAmazon専用ではないことだ。同社によると、Hubは「どの送り手からの配達」にも使えるという。では同様のサービスを提供するほかのサービスではなくAmazonを使う理由は何か? 当然価格だ。Amazonはライバルを出し抜くことにかけていつもぬかりはない。Hubも例外ではないはずだ。しかもシステムの24時間サポートも提供している。

同社は、すでに50万世帯が新サービスを利用可能で、毎月「数千単位」で増やしていくと言っている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

BtoBエンジニアプラットフォームを運営するメイプルシステムズが1.4億円調達、間接部門向け新サービスも

客先常駐型のシステムエンジニアリングサービス(SES)業界向けに、エンジニア管理のプラットフォーム「PRO-SESS」を提供するメイプルシステムズは6月20日、第三者割当増資と金融機関借り入れにより総額約1億4000万円の資金調達を実施したことを明らかにした。第三者割当増資の引受先はベクトルエボラブルアジアオークファンOrchestra Investmentと個人投資家の高野秀敏氏。今回の資金調達は2017年8月に実施した総額1億円の調達に続くものとなる。

またメイプルシステムズでは同時に、PRO-SESSで提供してきた機能の一部を切り出し、いくつかのサービスに分けて提供していくと発表。第1弾としてSESの間接部門業務を一元管理できる「契約管理できるくん」を7月1日にリリースする。

IT業界では、急なエンジニア需要に対応するために、企業間でのエンジニア派遣の仕組みとして、SESが利用されてきた。しかしSESでは、仲介会社がいくつも関わることによるエンジニアのミスマッチや契約の不透明性、多重下請け構造などが問題となっている。

PRO-SESSは、そうした問題を解消したいと開発された、BtoBのオープンプラットフォームだ。エンジニアが所属する企業と顧客企業とを、仲介企業なしで直接結び付ける。

契約管理できるくんは、PRO-SESSの中からSESのバックオフィス業務を支援する機能を分割して提供。SES契約の管理や見積書・発注書・発注請書の作成・送付、勤怠管理、請求書発行などが行える。

メイプルシステムズ代表取締役の望月祐介氏は「PRO-SESSをエンジニアが集まるプラットフォームとして、1年ほどかけてブラッシュアップを進める中で、業務にシステムがより溶け込んでいかなければ使ってもらえないし、エンジニア情報も集まらない、と課題を感じた」とサービスを分割する理由について説明する。

望月氏によると、現在PRO-SESSの契約企業は300社を超え、対象企業のエンジニア数は1万2000人を数える規模となったそうだ。その一方、PRO-SESSに登録されているエンジニアは2000人程度で、登録にまで至っていないエンジニアの数が多いという。

「SESは契約形態が独特で、納品もプロダクトを引き渡せば終わり、とはならない」と望月氏は話す。エンジニアが現場常駐の形で働くことの多いSES業界では、契約期間や勤怠情報の管理・レポーティング、それに基づく請求書発行などのバックオフィス業務が煩雑になりやすい。

SES企業には小さな会社も多く、自社で管理ツールを導入できるところは少ない。こうした業務はExcelやWordを使って、手作業で行われていることがほとんどだ。

メイプルシステムズでは、業界でニーズが高かった、これらの業務支援を切り離してサービスとして前面に出し、契約管理できるくんとして提供。このサービスでは契約・勤怠管理から請求書発行までを一元管理できるため、エンジニアを登録することがバックオフィス業務負荷の軽減にもつながるという。

同社としては、ニーズの高い部分のサービスを業界に浸透させた上で、エンジニア登録を進めてもらい、エンジニア情報の収集も図っていく考えだ。

契約管理できるくんは登録料、月額利用料は無料。望月氏は「顧客企業からSES企業への支払いサイトを縮めるファクタリングの手数料などで収益化を検討している」と話している。PRO-SESSの一連のサービスについても「マッチングでの収益ではなく、案件情報やエンジニア情報の上位表示を有料オプションとして提供したい」とのことだ。

メイプルシステムズは契約管理できるくんに続き、エンジニア探しを支援するプラットフォーム「エンジニアあつまるくん」もPRO-SESSから切り出して、来年1月ごろをめどに正式リリースを予定している。7月の契約管理できるくんのリリースとともに、エンジニアあつまるくんのベータ版提供を開始する。また、今後も数段階にわたり、PRO-SESSから分割したサービスのリリースを行っていくという。

「SES所属エンジニアも、これまでは所属会社や客先へのレポーティングなどをExcelで行っていた。今後リリースするエンジニア向けのサービスでは、それに置き換わるアプリも提供するつもりだ」(望月氏)

今回、シリーズAラウンドの資金調達を完了したメイプルシステムズ。調達資金は「広報とカスタマーサクセスチームの体制強化に充てる」と望月氏は述べる。「今回参加した投資家は、事業会社としての連携に期待している。SES業界における『エンジニアがいない、抱えたい』あるいは『エンジニアを外に出したい』との需要に応えていきたい」(望月氏)

SpeakSeeは、聴覚障害者がグループの会話に簡単に参加できるようにする

音声認識とIoTの分野には沢山の取り組みがみられるが、この2つの組み合わせから自然に導かれるある応用は比較的追求されてこなかった。それは聾(ろう)者および難聴者の日常会話を支援することだ。SpeakSeeは狙うのは、セットアップが簡単で皆が自然にコミュニケーションできるような巧妙な設計のハードウェアを提供することだ(当然ながら、クラウドファンディングを利用している)。

このデバイスは、聴覚障害者が、数人のひとたちと会話を行う必要がある際に用いられることを想定されている。会議や、夕食でのおしゃべり、そして道をたずねるなどの用途だ。誰かが話す内容を変換できる音声認識テキスト変換アプリは、既に世の中に存在しているものの、実際のところそれらはあまり目的にぴったりとフィットしていない。

「多くの聴覚障害者は、相手にアプリをダウンロードしてもらい、そしてその携帯電話を口のそばに保持していてもらう依頼に、大きな困難を経験しているのです。こうしたインターフェイス上の限界によって、誰もアプリを使い続けることはありませんでした」と説明するのは、SpeakSeeのCEOで共同創業者のJari Hazelebachである。「しかし、独自のハードウェアを設計することによって、私たちは利用が想定される状況に向けてそれらのカスタマイズを行うことが可能になったのです」。

SpeakSeeの利用は簡単だ。複数のクリップオン式マイクが小さな充電ケースの中に納められていて、ユーザーが会話を行いたくなったら、それらのマイクを話す相手に手渡せば良い。このケースは、マイク用のワイヤレスハブとして機能し、ペアになっているスマートフォンへ音声を中継する。音声は送信されると、クラウドのどこかで素早くテキストへ変換され、結果がペアになった聴覚障害者の携帯電話に表示される。

しかし、重要なのは、それぞれのマイクが、話者の区別と背景の雑音を、知的に処理することだ。

「もちろん、マイクロフォンは複数の人からの発話を受け取ります」とHazelebachは言う。「そこで私たちは、マイクにどの方向から音が来ているかを教えるセンサーを組み込みました。マイク同士がこれらのデータを交換するのです。このことによって、どのマイクがどの人のスピーチを拾うべきかを判断することができるのです」。

結果として、発話者毎に区別された変換結果が得られ、素早くほぼ正確なものとして配信される。上図のようにマイクの色がテキストの背景色として現れるので話者を特定できるというわけだ(応答時間と処理の正確さには常にトレードオフは付きまとうが)。そして参加者にはマイクを装着する以外の手間はかからない(彼らはこのマルチマイクシステムの特許を出願中である)。

Hazelebachの両親は聾者であるり、彼は通常の状況で、対話する能力が如何に制限されてしまうかを見ながら成長した。

マイクは決して小さいとは言えない…しかしそれこそが、これが実際のハードウェアであり、見せかけだけものではないことを示している。

「ご想像の通り、最初にこれをテストして貰ったのは私の両親でした」と彼は語った。「当初は数多くの問題がありましたが、間もなく他の人たちも関わり始めました。私たちは聴覚障害者のブログに投稿したのですが、いつの間にかサインアップした人の数は200人に達しました。そこで私たちは、米国、英国、そしてオランダのグループと、現場でのテストを繰り返してきました。

現在、英語の音声認識はオランダ語やその他の言語よりもかなり先行しているので、変換性能は英語向けのものが優れているが、そうだとしても、デバイスそのものはクラウドサービスが対応する120の言語に対して利用可能な筈だ。テキスト変換は月5時間までは無料で提供される。それ以上の利用は1ヶ月あたり10ドルの定額だ。しかし、もしそれがうまく働くなら、価格以上の価値を提供することになるだろう。

プロトタイプは完成し、現在チームは製品の製造を始めるためのクラウドファンディングを行っている。「私たちは、例えばバッテリーの寿命などを、仕様に合わせるために、電気回路系を改善する必要があるのです。製品の出荷は2019年の2月を予定しています」とHazelebachは述べている。プレオーダー価格はドックと3つのマイクで350ドルに設定されている。

Indiegogoタイプのキャンペーンを支援する際の(特に「購入者」としての)通常の用心と覚悟は必要である。だが製作者たちと話してみて、少なくとも私は、これはマーケットに出すためにあとひと押しを必要としているだけの、きちんと動作する製品であることは確かだと考えている。

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(翻訳:sako)

漁獲量を予測する「スマートブイ」、KDDIが実証実験

eng-logo-2015KDDI総合研究所は、漁獲量を予測する新型のスマートブイを開発しました。6月中に石巻湾漁場(宮城県東松島市)で実証実験を開始します。

このスマートブイは、多層の水温測定が可能なセンサーのほか、塩分や溶存酸素などさまざまなセンサーを目的に応じて交換・接続することが可能。測定データは低省電力で広域をカバーするIoT向け通信(LPWA)の「LTE-M」や「LTE Cat.1」を経由してクラウドに蓄積します。

メンテナンス性の高さも大きな売り。ソーラーパネルと二次電池で1年間メンテナンスフリーの連続駆動を目指すほか、従来型に比べて50%軽く、運用性も格段に向上しているといいます。

同研究所によると、同スマートブイで得られる異なる深度の水温データは、過去の漁獲量実績や周辺気象データと組み合わせて分析することで、漁獲量のおおまかな予測を実現できるとのこと。これを活用し、効果的な出漁判断などによる漁業の効率化を目指すとしています。

Engadget 日本版からの転載。

Microsoftが、国境における移住家族の強制的な分離に「動揺している」と表明

米国移民関税執行局(ICE)とのクラウドコンピューティング契約に対するボイコットの声や従業員の反対意見が挙がる中で、Microsoft は同社が「国境で子どもたちが家族​​から強制的に分離されていることに動揺している」という声明を発表した。ICEは現在、米国とメキシコの国境において、移住者の両親を子供たちから分離する施策によって、共和党、民主党の双方から非難されている。

MicrosoftのICEへの関与に関する論争は、今年の初めに、同局がAzure Govementに対して運用許諾(ATO)を与えたことに由来している(ATOは官民様々な文脈で使われるが、基本はATOを得なければ組織内のPC等にソフトウェアをインストールしたり利用することはできない)。1月のブログ記事でMicrosoftは、ATOによりICEがクラウドベースの識別とアクセスサービスを提供することになり、「従業員が情報に基づいた意思決定を迅速に行うのを支援する」と語っていた。また、政府対応のクラウドコンピューティングソフトウェアを使用することで、ICEは「エッジデバイス上のデータを処理したり、深層学習機能を利用して顔の認識と識別を加速することができる」と述べていた。

ATOが与えられて既に6ヶ月が経過しているが、子連れで合法的に亡命を求める者も含む、家族分離に対する憤激が高まると共に、この件が再浮上してきたのだ。多くのソーシャルメディアのユーザーがMicrosoftのボイコットを呼びかけており、退職を検討している従業員もいる

しかし、Microsoftはその声明の中で、同社は「国境で家族から子どもたちを引き離す件に関わるいかなるプロジェクト」でもICEや合衆国税関国境警備局に協力しておらず、Azureがその目的に利用されているかどうかは把握していないと述べている。また同社は、トランプ政権に対して、政策を変更するように「強く要請して」いる。

Microsoftからの完全な声明は以下の通りである。TechCrunchは同社に対してさらなるコメントを求めている。

私たちがはっきりさせておきたいご質問にお答えします:Microsoftは米国移民関税執行局(ICE)もしくは合衆国税関国境警備局と、今回の国境における、家族から子どもたちを引き離すプロジェクトに関して、いかなる共同作業も行っておりません。また出回っている憶測に反して、私たちはAzureもしくはAzureサービスがこの目的に利用されているか否かを把握しておりません。企業としてMicrosoftは、国境において子供たちがその家族から強制的に分離されていることに動揺しています。家族が一緒にいることは、第二次世界大戦の終結以来、米国の政策と法律の基本的な信条となっています。企業として、Microsoftは、難民や移民である子どもたちがその両親と一緒にいることができるように、20年以上にわたって技術を法のルールと組み合わせるために努力を重ねてきました。私たちは今、その道を変えるのではなく、この高貴な伝統を守り続けなければなりません。私たちは、子供たちがこれ以上家族から引き離されないようにするために、現政権には政策の変更を、議会には立法を強く要請します。

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(翻訳:sako)

画像クレジット: JASON REDMOND/AFP / Getty Images

メルカリ、上場初日で時価総額がマザーズ市場トップに——経営陣が展望を語る

ここ数年の国内スタートアップシーンを牽引してきたメルカリが、本日6月19日に東証マザーズ市場に上場した。

2013年7月にリリースされたフリマアプリの「メルカリ」の累計ダウンロード数はすでに1億DLを突破。アプリ内の年間取引高を合計すると、その額は2900億円を超える。そして上場初日、株式市場はそのメルカリを1株あたり5300円と評価した。同価格で算出した時価総額は約7132億円で、マザーズ市場で首位の規模となる。

メルカリは同日、都内にて上場記者会見を開催。代表取締役会長兼CEOの山田進太郎氏、取締役社長兼COO小泉文明氏、米国メルカリCEOのジョン・ラーゲリン氏が今後の展望について語った。

会見のトップバッターとして登場した山田氏は、「これから、社会の公器としての責任に真摯に向き合っていく。メルカリは写真をとるだけでAIが価格を算出するサービスを開発するなど、テクノロジーに力を入れてきた。日本を代表するテックカンパニーと呼ばれるようになりたい」と語った。

「メルカリの強みは、高い成長力とユーザーのエンゲージメント。このサイズになっても年間流通額の成長率は50%。利用時間は5.3時間で、国内ではインスタグラムやFacebookアプリ以上のエンゲージメントだ」と話す山田氏。今後は人、テクノロジー、海外への投資に注力し、「国をまたいで取引ができる世界的なマーケットプレイス」を作っていきたいとメルカリの目標を語った。

日本の成長戦略について語るのは、社長として国内事業を率いる小泉氏だ。同氏は「メルカリの成長にとって重要なのは、ユーザー数の拡大と1人あたりの売上高を拡大すること。そのためにもテレビCMなどを通して40代や50代の認知・利用を向上したい。スポーツ用品など、さまざまなジャンルの商品の取り扱いを増やす必要がある」と、メルカリが現状抱える課題を踏まえて成長の道筋を示した。

もう1つ、小泉氏が会見で強調したのはメルペイを中心としたエコシステムの構築だ。メルペイは、メルカリグループの金融ビジネスの担い手として設立された新会社。まだサービスの詳細は不明ではあるものの、フリマアプリ内の売買で生まれたお金をウォレットに貯め、それをコンビニなどの外部施設やサービスで利用できるモバイル決済機能をつくり、メルカリ独自の経済圏を構築していくという。また、将来的にはユーザーの取引履歴、評価情報など信用情報を活用し、総合的な金融サービスを提供するとした。

米国メルカリを率いるラーゲリン氏は、「メルカリに入ってすぐ、アメリカでも日本と同じように高い回転率で商品が売買されていると感じた。ただ、規模も認知もまだまだ。シリコンバレーで戦っていくためにはチームをさらに強化する必要がある」とアメリカ市場の現状と注力ポイントについて語った。

CAMPFIREとパルコがタッグ——購入型クラウドファンディングを共同運営、新規金融サービスも

購入型クラウドファンディングプラットフォーム「CAMPFIRE(キャンプファイヤー)」などを運営するCAMPFIREは6月19日、パルコと業務提携を締結したことを明らかにした。

7月26日よりパルコが運営する購入型クラウドファンディング「BOOSTER(ブースター)」を共同で運営する予定のほか、新たな金融サービスの創出に向けた取り組みも行っていくという。なお業務提携と合わせて、パルコがCAMPFIREの株式を取得することも発表している(出資金額などは非公開)。

BOOSTERはパルコが2014年に立ち上げた購入型クラウドファンディングプラットフォームだ。もともと両社では2017年12月より、BOOSTERとCAMPFIREを連動させて同一のプロジェクトを支援する取り組みを行っていた。

その結果として目標を大きく超える金額の調達に成功。相乗効果の実証に加え、ビジョンや企業風土の親和性を確認できたことが今回の提携にも繋がっているようだ。

BOOSTERの共同運営にあたって、同サービスの会員やシステムなどをCAMPFIREと統合。プロジェクトの組成やPRを両社で実施するほか、BOOSTERのプロジェクト全案件をCAMPFIREにも掲載し、購入できる仕組みにする。

新生BOOSTERではこれまで以上に幅広い領域で、エンタテインメントを掛け合わせたユニークな商品やサービス、イベントを提供していく方針。プロジェクト実行者には両社の取引先とのマッチング機会を設けるほか、PARCO店舗などリアル店舗を活用した販売促進、サイト制作やリターン商品の制作、問い合わせ対応、配送など業務の代行といったサポートも検討していくという。

CAMPFIREとパルコでは、2020年に両社のサービスを合わせた年間の流通総額200億円の達成を目標に「新商品開発やクリエイター支援、地域活性化など幅広い領域でステークホルダーや世の中に貢献できるサービスに進化することを目指します」としている。

また上述した通り、共同で新たな金融サービスの創出に向けた検証を始める計画。クラウドファンディングとパルコのリアル店舗をかけ合わせ、Webとリアル双方で収集したデータを活用した「成長意欲のある組織や個人向けの金融サービス」の開発に取り組むという。

なおパルコに限らずCAMPFIREでは他社との連携を積極的に進めていて、直近ではワールドと資本業務提携を締結しているほか、幻冬舎と共同出資会社を設立するなどしている。

簡単にワークフローを構築して実行できるZenaton

フランスのスタートアップZenatonは、AccelとPoint Nine Capitalの主導で235万ドルを調達した。Slack Fund、Kima Ventures、Julien Lemoine、そしてFrancis Nappezも参加している。同社は、アプリケーションの最も面倒な部分、つまり非同期ジョブとバックグラウンドタスクの管理を引き受けようとしている。

1つのデータベースを使用したシンプルなWebベースのサービスを開発するのはとても簡単になってきているが、様々なイベントに基づいてタスクをさばくワークフローを構築しスケールアップしていくことは、いまでも大変だ。

ときには、バックグラウンドタスクが失敗し、あなたのワークフローが機能しなくなったことに気づくまでに何日もかかることがある。中には、非常に多くのリソースを必要とするワークフローが存在することで、そうした定期実行ジョブやパフォーマンスの急上昇を処理するために、より多くのRAMが必要となって、サーバー代がとても高額になってしまうこともある。

さらに、多くの中小企業では、非同期ジョブを追加することで大きな利益を得ることができる。たとえば、メールリマインダを送信することで、顧客離れを防ぐことができる。電子商取引のウェブサイトを運営しているならば、ちょっとしたアクセサリーを並べて表示して、顧客の「合わせ買い」を誘うこともできる。またユーザーがアプリを通じてレストランを見つけた後、数時間後にレビュー投稿をリクエストすることもできる。

「私たちはこうしたことをとても簡単に行えるように頑張っています。開発者はZenatonをワーカーのサーバー上にインストールするだけです。それで完了です。特に、バックグラウンドジョブ用のキューイングシステムを維持する必要がなくなり、定期的なジョブ実行を行うcronも、一時的な状態を保存するためのデータベースの移行も不要になります」と共同創業者でCEOのGilles Barbierは語った。Barbierは以前The Family働いていたが、ZenatonはThe Familyのポートフォリオの一部である。

Zenatonは既に大きなクライアントと連携し、数百万のワークフローインスタンスを処理している。もし1ヶ月に処理するタスク件数が25万件以下なら、無料でZenatonを試すことができる。それ以上になる場合には、プランは月額49ドルから始まり、ワークフローにどれだけのRAMを使いたいかによって支払い額が決定する。

今のところ、ZenatonはPHPとNodeアプリケーションに統合することができるが、同社はPython、Ruby、Javaを始めとするより多くの言語にも取り組んでいる最中だ。まだ若いプロダクトであることは明らかだ。

しかし、それは有望なスタートを切ったように思える。もし小規模な開発チームならば、Zenatonを使ったWaaS(workflow-as-a-service)アプローチを採用する意味はあるだろう。

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(翻訳:sako)

YouTubeの音楽ストリーミングサービスの供用国が12増えたが日本はまだ

YouTubeの音楽ストリーミングサービスの市場が新たに12か国増え、また有料音楽ビデオサービスは、17の市場で提供されることになった。

YouTubeのCEO Susan Wojcickiは、2月に、市場拡張の最終目標は100か国 、と大風呂敷を広げた。

YouTubeの最初の市場は、アメリカ、オーストラリア、ニュージーランド、メキシコ、韓国だった。今日(米国時間6/18)新たに加わったのは、オーストリア、カナダ、フィンランド、フランス、ドイツ、アイルランド、イタリア、ノルウェー、ロシア、スペイン、スウェーデン、そしてイギリスだ。

YouTubeがその有料会員制サービスの体系を改定したのは5月で、これによりYouTube Musicという有料または機能に制限のある無料サービスがGoogle Play Musicをリプレースし、また音楽ビデオストリーミングYouTube Premium(前YouTube Red)が発表された。

YouTubeの新しいアプリ(Android)(iOS)Webプレーヤーも加わり、サービスの構造改革が行われた。新しい機能として、動的カスタムリコメンデーションや多様な検索オプション(歌詞や一般的な説明で検索できる)、そしてさまざまなジャンルやムードやアクティビティ(活動)に対応する“数千の”プレイリストが用意された。

YouTube Musicは、ビデオなし、オーディオのみだが、アメリカの月額会費が$9.99(ファミリープランは$14.99)で、SpotifyやApple Musicとの競合を意識している。一方YouTube Premiumはビデオサービスで、リプレースされたYouTube Redより2ドル高い$11.99、ファミリープランなら$17.99だ。最初の3か月はプロモーション期間とされ、無料だ。

YouTube Premiumは広告なし、であるだけでなく、バックグラウンド機能やダウンロード機能がある。会員はYouTube Originalsの番組やムービーにもアクセスできる。

アメリカ、オーストラリア、ニュージーランド、メキシコ、…これらの国々でYouTube RedやGoogle Play Music…ファミリープランを含む…の会員だった人は、自動的に現状料金でYouTube Premiumにアクセスできるようになる。

そのほかの国で Google Play Musicの会員だった人は、その国が対象市場になり次第、現状料金で自動的にYouTube Music Premiumにアクセスできるようになる。音楽やプレイリストへのアクセスは、Google Play Musicのときと何も変わらない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

米軍の中に宇宙軍ができる、国防長官の反対を押し切って

【抄訳】
大統領のDonald J. Trumpは米軍の中に宇宙軍(Space Force)を作るつもりだ。この驚愕の発表は、ホワイトハウスでこのほど再召集された宇宙評議会(Space Council)の三度目の会議で行われた。

“空軍とは別に、それと同格なものとして宇宙軍を持ちたい。それには十分な理由があり、きわめて重要だ”、と大統領は言った。

昨年議会がこのアイデアを初めて提案したとき、国防長官のJames “Mad Dog” Mattisは、軍に新しい部門を作ることに反対した。

議会の第一党が昨年、宇宙戦を専門とする、軍の6番目の部門を作るという説を最初に流した(残念ながらエイリアンの昆虫の侵入日本語Wikipedia)は防げないようだが)。そのときMattisは直ちに、そのアイデアを激しく非難した。

議会における宇宙軍構想のリーダーの一人である、オハイオ州選出共和党議員Mike Turnerに宛てた書簡で、Mattisは述べている:

省の複合的戦闘機能を統一すべく努力しているこのときにあたって、宇宙の作戦に狭くて偏ったアプローチを提示しかねない単独の部門を加えることを、私は望まない。

どうやら大統領は、その後の数か月で考えを固めたようだ。

Trumpは今や、“軍の6番目の部門としての宇宙軍の設立に必要なプロセスを直ちに開始するよう、国防総省とペンタゴンに指示している”。

【中略】

“アメリカを守るためには、宇宙にアメリカのプレゼンスがあるだけでは不十分だ。われわれは宇宙に、アメリカの支配力を持つ必要がある”、と大統領は言った。

【後略】

〔訳注: さまざまな‘宇宙セレブ’が招かれているSpace Councilに、テクノロジー界隈から参加しているのは、今のところ、Jeff BezosのBlue OriginのCEO Bob Smithのみ。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Apple、iOS 12でiPhoneの位置情報を緊急センターに通知(米国のみ)

今日(米国時間6/18)午前Appleは、iOS 12の新機能を発表し、米国ユーザーがiPhoneで911通報した際、自動的に位置情報が初期対応者に送られるようになる。この動きは携帯電話から緊急電話をかけたときの問題に対処するものであり、旧来のシステムでは携帯電話の発信者の位置情報を迅速正確に取得することが困難だった。

911呼び出しの約80%が携帯電話からであることから、システムの改善は急務である。

2015年にAppleは、GPSおよびWi-Fiアクセスポイントを利用して発信者の位置情報を推定するHELO(Hybridized Emergency Location)と呼ばれるシステムを提供した。本日のAppleの発表によると、同社はさらにRapidSOSのインターネットプロトコルベースのデータパイプラインを利用して、このHELO位置情報を911センターに安全に送信することで、応答時間の短縮を目指している。

RapidSOSの技術は、多くの911センターにインストール済みのソフトウェアに統合される。

またAppleは、FCC(連邦通信委員会)は携帯通信業者に対して、2021年までに発信者の80%の位置を50メートル以内の精度で特定することを要求していることを指摘した。現在同社の位置情報サービスの精度はこの要求を満たしており、今後911センターは同じ精度のデータをアクセス可能になる。

いつものAppleらしく、同社は新機能のデータプライバシーを強調した。ユーザーの位置データは緊急目的以外に共有することは不可能であり、911センターのみが通話中に位置情報を利用できる。

この911対応は、今月行われたAppleのソフトウェア中心のカンファレンスであるWWDCのキーノートでは発表されなかった。そこでは、プライバシー、セキュリティーやAI利用など今年iOS 12に導入される数々の機能が紹介された。例年通りであればiOS 12は9月に一般公開される。

「社会は緊急時に911センターを頼りにしており、そこでは利用可能な最高の技術を利用できるべきだとわれわれは信じている」とApple CEOのTim Cookが新機能発表の声明で言った。「一瞬一瞬が重要な場面で、これらのツールは顧客がいちばん助けを必要としているときに初期対応者が手を差し伸べるのに役立つだろう」

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

GoogleはAndroidユーザー向けにWeb上のMessagesを提供

メッセージングに関するGoogleの多様な努力は、最近Alloを“休止”してMessagesに一本化されたようだが、そのMessagesが今日(米国時間6/18)からWebでも使えるようになる、と同社は発表した。全ユーザーへの展開は来週いっぱいかかるようだ。GIF検索やスマートリプライなど、GoogleがiMessageに対抗するために盛り込んだ機能は、すべて揃っている。

同社は今年初めにAlloのチームをAndroid Messageへ移し、そしてそのアプリはメッセージングのスタンダードRCSを使っている。世界中のモバイル企業の多くが採用しているそのスタンダードは、iMessageより機能が多く、開封確認やタイピングインジケーター、高解像度の写真共有、便利なグループチャットなどの機能もある。

今回Messagesは、iMessageにない機能をさらに増やした。それは、Webのサポートだ。

Appleのユーザーは今でも、専用のアプリケーションを使ってMacからiMessageの会話にアクセスできる。GoogleのMessages for Webもそれと似ていて、メッセージへのクロスプラットホームなアクセスを提供する。Androidユーザーは、スマートフォンを使っていなくても、メッセージを見たり、チャットに応答できる。

ただしMessages for Webの実装はWhatsAppのデスクトップと似ていて、スマートフォンと同期するためにはMessageのWebサイトでコードをスキャンしなければならない。

Googleによると、Messages for Webはローンチ時からすでに、ステッカー、絵文字、画像の添付などもサポートする。

来週中にサポートされる機能は、内蔵のGIF検索や、スマートリプライ(英語と絵文字による返事のみ)、会話中のWebリンクのプレビュー、タップしてワンタイムパスワードをコピーする、などだ。

ワンタイムパスワードのコピー機能は、iOS 12のiMessageにもある。ワンタイムパスワードを要求するアプリやサイトにログインするときは、それを入力すべき欄に一回のタップだけでコピーできるようになる。Googleのは一回じゃなく、コピーとペーストで計二回のようだ。それでも、十分便利だけどね。

試してみたい人は、Google PlayからMessagesアプリの最新バージョンを入手すること。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Google、中国eコマース大手JD.comに5億5000万ドル戦略投資

Googleは近年、中国でその存在感を高めつつあるが、さらに強化する。中国eコマースの大手JD.comと戦略的提携を結ぶことに合意し、JD.comの株式5億5000万ドル分を購入する。

Googleは中国での投資を続けている。中国マーケットに商品を投入し、AIハブを含むオフィスを開設した。そしていま、JD.comと共同で主に中国以外のマーケットで事業を展開しようとしている。GoogleとJD.comの共同リリースによると、2社は欧州、米国、東南アジアで“小売ソリューションの共同開発を含む、幅広い戦略的取り組みを共同で展開する”としている。

JD.comは人間の代わりにロボットを使った倉庫を中国で展開しているが、同社のサプライチェーンとロジスティック分野における経験、そしてテクノロジーを、Googleのオンライン小売を展開する上での顧客へのアプローチ力やデータ、マーケティングなどと融合させるのが最終目的となる。

手始めに2社は、JD.comの商品をGoogleの世界中の買い物プラットフォームで展開する。もちろん、2社が次のコラボの青写真を描いているのは明らかだ。

NASDAQでの株価に基づくと、JD.comの時価総額は約600億ドルだ。JD.comはウォルマートなどと提携していて、倉庫のオートメーション化技術やドローン、他の次世代小売ロジスティックに積極的に投資している。

配信プラットフォームのGoogleがJD.comのようなサービスプロバイダーを支援するという動きは興味深い。というのも、検索と広告を手がけるこの会社はすでに、JD.comのライバルであるアリババを含むさまざまなeコマース企業と提携しているからだ。

JD.com、そして時価総額5000億ドルのインターネット巨大企業Tencentと関係を築いたことは、Googleの今を象徴している。この3企業は、東南アジアのライドシェアリング新興企業Go-Jekに出資している。その一方でTencentとGoogleは先ごろ、特許シェアリング提携に調印しており、中国のAIスタートアップXtalPiへの共同投資も行なっている。

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(翻訳:Mizoguchi)