薬剤のリリースをコントロールして治癒を早めるスマート包帯をMITなどが共同開発

切り傷や擦り傷の治療は通常、包帯や救急絆などを何度か取り替えながら、その都度軟膏などを塗って行う。でも、傷薬(きずぐすり)の要らない包帯があったら、どうだろう?今、ネブラスカ大学リンカーン校とハーバード大学とMITが共同開発しているスマート包帯が、まさにそれなのだ。

従来からよく使われる、消毒綿などの繊維と違って、この傷口保護材は“感熱性のドラッグキャリアを含んだヒドロゲルで電熱ヒーターを包んだ複合繊維”で作られている(右図)。実は、これですべてを言い表しているのだ。

傷口を保護するなどの包帯としての機能は同じだが、そこに切手大のマイクロコントローラーが付いている。アプリやタイマーや織り込まれたセンサーなどによってそのマイクロコントローラーが起動すると、繊維に電気を送って温め、ヒドロゲルの中で寝ていた薬剤を活性化する。

その薬剤は、麻酔剤や抗生剤、あるいは治療を加速する成長ホルモンなど、何でもよい。電圧が高いとより多くの薬剤が活性化し、また、それぞれ薬剤の異なる複数の複合繊維を、ひとつのスマート包帯に使ってもよい。

“これは薬剤の投与量に依存しない治療が可能な初めての傷口保護材である”、とUN-LのAli Tamayolがニューズリリースで言っている。“リリースプロファイルの異なる複数の薬をリリースできる。これはほかのシステムに比べて大きな利点だ”。

チームはジャーナルAdvanced Functional Materialsに発表したペーパーで、動物に適用したときの良好な治癒効果を述べている(人間でのテストはまだこれから)。また、熱が薬剤の効果を妨げないことも、確認している。

ふつうの擦り傷なら普通の包帯や救急絆などの傷口保護材(bandage, 池の向こう岸のお友だち(イギリス人)ならplaster)で十分だが、人が頻繁に世話できない負傷者とか、包帯の頻繁な交換が難しい患部を持つ人には、このシステムが最適だろう。

さらにテストを重ねてFDAの認可が得られたら、今度は繊維とセンサーの統合という課題がある。血糖値やpHなど、治癒過程が分かる測度が包帯から得られれば、それを包帯の上のディスプレイに、プログレスバーで表示できるようになるかもしれない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

ヨーロッパの子どもたちのためのプログラミング教育振興事業EU Code WeekにAppleとGoogleも協賛

EC(European Commission, 欧州委員会)が毎年主催する、児童生徒のためのプログラミング入門行事EU Code Week、今年は明日(米国時間10/7)から10月22日までの2週間行われる。

昨年と同じく、ヨーロッパ各国のさまざまな団体や組織により、何千ものプログラミング入門イベントが開催され、ヨーロッパをはみ出た部分もわずかにある。

各国各地のイベントの詳細は、この主催者ページで分かる。

昨年のEU Code Weekでは、総数23000のイベントに計100万名近くが参加した。第一回の2013年には、イベント数3000、参加者数10000だったから、すごい成長だ。

開催するイベントの数がいちばん多いのはイタリアで、今挙がっているものだけでも2659件、イギリスはやや慎ましやかに187件だ。

第二位のポーランドは497件、次いでトルコ244、フランス228、ドイツ225等となる。

子どもにプログラミングへの興味と初歩的な力をつけることが目的の行事だから、イベントも子ども対象が多いが、全年齢対象のイベントも少なくない。

イベントはプログラミングのさまざまなテーマを扱い、それらはアプリの開発、ロボット、AI、ゲームの設計など、いろいろだ。

今年はAppleも参加して、EU Code Weekの期間中にヨーロッパ各地のストアで無料のプログラミングコースを開催する。Swiftプログラミング言語の入門がメインだが、Star WarsやSpheroのキャラクターを利用する子ども向けのロボット入門もある。

Appleによると、来年はヨーロッパ全域10か国の100あまりのストアで、計6000以上のコースを開催し、それらをAppleがこれまでやってきた店内教育事業Today at Appleの一環として展開する。

Googleは、学校などで行われるイベントに資金を出したり、資金提供者を紹介したりする。

Googleの社会貢献部門は数年前に、その資金によりイギリスの児童生徒に大量のRaspberry Piマイクロコンピューターを寄贈した。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

iPhone 8の電池が膨張してケースが割れる問題をAppleは今調査中

iPhone 8とiPhone 8 Plusを買った人たちの一部から、電池が膨らんでケースが開き、内部が露出するという報告が寄せられている。

Appleのスポークスウーマンは、問題を調査していることを確認したが、被害が生じたデバイスの台数については口をつぐんだ。

本誌が聞いたかぎりでは、報告の数はきわめて少ない。

昨日(米国時間10/5)CNETが、いくつかの報告があることを報道し、iPhone 8が継ぎ目から割れるという報告は少なくとも5か国からの計6件だ、と述べた。

今日のReuters(ロイター)によると、中国の国営メディアが、買ったばかりのiPhone 8 Plusが10月5日に割れて開いたというユーザーについて報道している。ただし焼け焦げや爆発の様子はない、という。

AppleのライバルSamsungは昨年、同社のスマートフォンGalaxy Note 7の電池が大きな問題を抱えた。そのときは一部のNote 7の電池が発火し、Samsungは出荷したNote 7のすべてをリコールするという、大きな損害を被った。

iPhone 8の場合、これまでの報告では、電池が膨張するだけで発火はないようだ。

でも発売が9月22日だから、まだ発売直後と言っても過言ではない。

Appleは例によって発売後第一週のiPhone 8と同Plusの売上台数を発表しないから、現に今何人の人がこの製品を手にしているのかは分からない。

一部のアナリストの説では、アップグレードを手控えて、後日発売の最上位機種、iPhone Xを待っている消費者も少なくないだろう、という。

iPhone Xの予約受付は10月27日に始まり、発売は11月3日の予定だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

プエルトリコ知事、イーロン・マスクに支援を求める――ツイート交換から電力網再建の交渉が始まるか?

ハリケーン・マリアによってプウエルトリコの電力網は事実上壊滅してしまった。これを再建するというのはイーロン・マスクにとってさえ稀にみるビッグチャンスだろう。プエルトリコ知事、リカルド・ロッセロはTeslaのバッテリーと太陽光発電システムによってこの作業に当たる可能性についてイーロン・マスクと話し合いを行いたいとしている。

プエルトリコ政府が所有する電力会社によれば、現在この島でで電力が利用できるのはわずか10%の地域にしかすぎない。一部の地域では電力が復活するまでに4か月から半年かかるという。

イーロン・マスクはプエルトリコの電力網再建に太陽光発電とバッテリーのテクノロジーを利用する可能性についてツイートした。

テスラ・チームは世界の数多くの島でこれ〔電力網建設〕を行ってきた。テクノロジーはスケーラブルで規模に上限はない。ただし決定を下すのはプエルトリコ政府、電力事業委員会、ビジネス関係者、そしてもっとも重要な点だが、地域住民だ。

ロッセロ知事はただちに「では話し合おう」とツイートを返し、最高イノベーション責任者も全面的に支持した( #TeslaTechnologies)。

ではこの話し合いは実際のプロジェクトに発展する可能性があるだろうか?

Teslaはすでに数百基のバッテリー・システムを プエルトリコに送っている。現在Teslaの社員が懸命に据え付け作業をしており、また現地の人々に今後のメンテナンスを指導している。

マスクは過去にもツイートから新たなビジネスを始めた経験がある。サウス・オーストラリア州にバッテリープラントを設置する件はAtlassianのファウンダーでオーストラリア人のMike Cannon-Brookesと3月に交わしたツイートがきっかけだった。この契約は先月発効し、100日間で完工できないとマスクは5000ドルをふいにするという。

マスクが述べているようにTeslaはハワイのカウアイ島やアメリカ領サモアで太陽光バッテリーシステムを建設してきた。

もちろん340万人が住むプエルトリコで想定されるプロジェクトに比べれば、これらははるかに小規模だ。しかしマスクはスケールアップに強い自信を持っているようだ。

画像:: ullstein bild / Contributor/Getty Images

〔日本版〕マスクのツイート中のPUCはPuerto Rico Utilities Commissionとみて訳した。ただしプエリトリコの電力事業の正式名称はPuerto Rico Energy Commission

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

ロジクールCraftは最高のキーボードだ――カスタマイズできるダイヤル入力のボーナスつき

Logitech〔ロジクール〕のキーボードは機能豊富でデザインも優れているので私も長年使っている。しかし今回の新しいCraftキーボードは私にとって過去最高のLogitechプロダクトになるかもしれない。Craftには「クリエイティブ入力ダイヤル」と呼ばれるツールが設けられており、ユーザーが利用するソフトウェアに応じてさまざまなカスタム機能が設定できる。もちろんキーボード自体もタイピング・ツールとして最高水準だ。優れたクラフツマンシップを評価するユーザーにとって日々の利用にもっとも適したキーボードではないだろうか。

Craftは価格も200ドル以上とプレミアム・レベルだ。もちろん真のキーボードマニア、特にメカニカルキーのタッチを信奉するユーザーにとっては、200ドルはさして高価ではないだろう。しかしLogitechのユーザーの大多数にしてみれば、いかに利用時間の長いアクセサリーとはいえ、躊躇する価格かもしれない。しかしCraftにはその価格以上の価値がある。快適にタイプ入力したいなら有利な投資だ。しかもクリエイティブダイヤルなど実際に作業の効率をアップする便利な機能が多数付属する。

外見上Craftの最大の特長は利用するアプリに応じてカスタマイズできるクリエイティブ・ダイヤルだが、その設定は自動的に行うことができる。専用ソフトウェアをインストールしておけば、ユーザーがその時点で使っているアプリケーションを自動的に検出し、カスタム機能を自動的に切り替えてくれる。このダイヤルはオーディオのボリューム・コントロールの場合はクリックを繰り返すように段階的に作動する。写真を編集する際に露光や色味を変更する場合はアナログダイヤルとなりスムーズに無段階の調整ができる。これは実際の作業にあたって非常に便利だ。

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しかしダイヤルだけでは200ドルのキーボードを購入する動機にはなりにくいかもしれない。しかしこのキーボードにははるかにたくさんの優れた機能がある。たとえばずっしりした重量があり、どんなに急いでタイプしても不用意にずれることがない。またLogitechのイージースイッチ機能が内蔵されているため、Bluetoothを通じて3台までのデバイスとペアリングしておき、ボタン1つでそれらを切り替えて使用できる。

キーボードにはテンキー、矢印キーが含まれており、環境光によって照度を変えるバックライトがキーを光らせる。充電はUSB-Cポートを用いる。同一のキーがCommandとStartを兼ねるのでMacとWindowsの両方を使うユーザーには非常に都合がよい。

Craftキーボードにアップグレードすべて最大の理由はやはりタイピングの感触が優れていることかもしれない。キートップはわずかに凹面になっており、適度に指先を安定させる。キータッチ、キーストロークも適切だ。Appleの標準ワイヤレスキーボードよりストロークが深い。キーボードのフィニッシュも満足感をあ与える。表現しにくいが、マット仕上げのキートップは指に吸い付く感触がある。ユーザーが毎日何時間もキーを叩くような仕事をしているなら、こうした小さな点も大きな意味を持ってくるだろう。

〔日本版〕Logigechは商標登録の関係で日本ではロジクール・ブランドとなる。Amazonから購入する場合は23,316円。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

パシフィック・リムの続編、アップライジングの予告編が来た

パシフィック・リム:アップライジングの予告編が公開された。ロボットはさらにスマートになり、パイロットのジョン・ボイエガが英国英語を披露する。製作者は観客の好みを良く知っている。カイジュー・モンスターはさらに大きくなり、悪賢さも進化した。

大ヒットしたギレルモ・デル・トロ監督のオリジナルの続編は、予告編をみるかぎり、ストーリーはさらにジェットコースター的になっているようだ。戦闘は市街地を舞台に巨大なスケールで繰り広げられる。

第1作に比べると雰囲気は パワー・レンジャー〔日本の特撮シリーズ「スーパー戦隊」がベース〕に近いかもしれない。もっともだから悪いということにはならないが、注意しないと世界観をぶち壊しにしてしまう危険がある。ともかくうまく行っていることを祈ろう。私はパシフィック・リムの大ファンなので続編が次々に作られることを期待している。ワイルド・スピード・シリーズのカイジュー版になればいいと思っているのだが。

〔日本版〕情報によれば、菊地凛子が引き続き森マコを演じ、千葉真一の息子、新田真剣佑も出演するという。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

AOL Instant Messenger、20年の時を経てサービス停止

チャットの楽しみを世に知らしめたアプリケーションが姿を消すことになった。AOL Instant Messenger(AIM)のサービスが、12月15日をもって終了することになったのだ。世の中に登場したのは1997年のことだった。すくなくとも北米においてはチャットといえばAIMという時代を築き、世紀の変わり目にはたいへん多くの人が使っていたものだった。しかしSMSやFacebookないしWhatsAppなどのソーシャルアプリケーションの台頭により、AIM活躍の場は少なくなっていったのだった。

「1997年以来ずっと、熱心にAIMを使ってくれた方々がいます」と、AIMのヘルプページに記されている。「今後もみなさまに革新的なエクスペリエンスをお届けできるよう、務めていく所存です。一層の注目を集める、世界を驚かせるプロダクトの開発を心がけていきたいと考えています」。

AIM終了の情報は、TechCrunchの読者であるDaniel Sinclairが知らせてくれた。今回のアナウンス以前の3月には、AIMと連携するサードパーティーアプリケーションの動作停止を行なっていた。この度は、MacOS、Windows、iOS、およびAndroid版の公式アプリケーションについても動作を停止することとなるわけだ。

「AIMにを通じて大いに利用されたアウェイメッセージ(離席メッセージ)や着信音などは、いつまでもみなさまの記憶に残るのではないでしょうか」と、利用者に宛てたメールには記されている。AIM経由で送信した写真などは、12月15日までならダウンロードすることができる。アプリケーション自体の新規ダウンロードは直ちに行えなくなるようだ。友達リストなどのエクスポートないし保存はできない様子。

AIMは当初、AOLに付属する機能として実装されたものだった。1997年にスタンドアロンのアプリケーションとなり、離席時などに表示するためのメッセージは、Twitterなどのステータス投稿アプリケーションの嚆矢となるものだった。ICQやYahooないしMicrosoft MSNなどが提供したメッセンジャーと激しい覇権争いを演じたものだった。しかしモバイル対応の遅れなどから、GoogleのGchatやFacebookに利用者を奪われていった。AOL本体も、一時は企業価値が2240億ドルとされていたが、2015年にVerizonにより買収された際には44億ドルに縮小した。同時期、WhatsAppはFacebookに190億ドルで買収されたのだった。

3月には、AOLの元社員の運営するArs Technicaが、AIMの利用者が大幅に減少している旨を伝えていた。OSCARプロトコルの維持もままならない規模であるとのことだった。

TechCrunchもAOL傘下であった。その事実を脇においてもAIMの終了にはほろ苦い思いを感じざるを得ない。12歳の小学生時代、友人関係の築き方や、あるいはロマンスの実現方法を教えてくれたのだった。内気で言葉がなかなか出てこない少年だった私に、キーボードを使って表現する機会を与えてくれたのだ。意見を表明するまえに、見なおしたり書きなおしたりできるのがうれしかった。また、ブラウン管を見つめる目をしばたたかせながら、3日連続の徹夜AIMで最初の彼女となった女性を口説き落としたりもしたのも懐かしい思い出だ。

AIMには「若者のツール」という雰囲気があった。ネットワーク世代にとっての車のような存在でもあっただろうか。AIM体験を通じて、人とのつながり方を変え得るソーシャル・ネットワークの可能性を感じ、そしてついにはソーシャル・ネットワークについて記事を書くことが職業ともなったのだった。

今となっては恥ずかしさも感じるが、私のスクリーンネームはKDog313だった。私のティーンエイジ時代は、AIMの着信音とともにあった。ありがとうの気持ちを伝えたい。

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(翻訳:Maeda, H

Airbusは空飛ぶ電動タクシーを2018年に供用開始する、最初は人間が操縦

Airbusは空飛ぶタクシーを来年実用化する、CityAirbusのチーフエンジニアMarius Bebeselが今週、それを確認した。今のところスケジュールは順調で、CityAirbusは、この乗り物の推進力となる電力系の地上テストに成功した。

CityAirbusの航空機は垂直離着陸型で、回転翼を4つ使用し、混みあった都市空間の短距離飛行で最大4名を運ぶ。駅や空港など、主要な交通ハブに接続することがねらいである。最初のうちはパイロットが操縦するが、技術が完成次第、完全な自動操縦へ移行する。

CNBCの報道によると、Airbusはこの航空機を固定ルートで運用するつもりで、最高速度は時速80マイル(ほぼ130キロメートル)とする。地上の交通渋滞による遅れがなくなるだけでなく、理論的には渋滞を軽減する可能性もある。

電池駆動の電動乗り物にとっては、短距離飛行が理想的な形だ。短期的には、完全電動による長距離航続はほぼ不可能だ。また、電池交換や充電が自動化されれば、完全な自動飛行の未来へ一歩近づくだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

メタップスの時間市場タイムバンクが、テックビューロのCOMSAでICOを検討

メタップスは、テックビューロが提供するICOソリューションCOMSAを使い、同社のサービス「タイムバンク」のICOを実施することで検討開始した。2017年内から2018年夏までの実施に向けて協議する。

タイムバンクは、専門家の時間を売買するサービス。このサービスで取り扱う「時間」をブロックチェーン上のトークンとして表現することで、マーケット拡大と流動化を目指すとしている。タイムバンクで扱う「全時間の平均価格」と連動したトークンや、利用実績に応じて手数料割引を受けられるトークンなどを想定する。詳細は追って随時発表としている。

ここで「検討開始」と微妙な表現になっているのは、メタップスが上場企業で情報開示に厳しいという背景がある。

ここで注記しておく必要があるが、8月3日にCOMSAを発表した時点ではICO案件の予定としてプレミアムウォーターホールディングスとCAMPFIREの両社が予定されていた。ただしプレミアムウォーターホールディングス案件はその後いったんWebサイトから掲載を取り下げ、検討続行中とのことだ。CAMPFIRE案件は同社とテックビューロの業務提携をめぐる意見不一致のためキャンセルとなった。この件に関して双方が経緯や見解を公表しているが、これは直接の対話が難しい段階にあることを示す。CAMPFIRE側の見解と、テックビューロ/COMSA側の見解および反論を見ると、両社の間には深刻な主張の食い違いがある。

懸念材料はあるがCOMSAのICOは進行中である。COMSAは、先月に大口投資家向けのプリセールを実施、10月2日より一般向けのトークンセールを実施中である。アクセス集中により、セール中にもかかわらずサイトを閉鎖して長時間のメンテナンスする一幕もあったが、仮想通貨建てで集めた資金は、10月6日15:30頃の段階で84.2億円に到達しており、世界的に見ても大型のICOとなりつつある。

Facebookが密かにスクリーン共有機能付きのデスクトップチャットアプリをローンチ

TechCrunchは、Facebookがスクリーン共有機能をもつ公式デスクトップチャットアプリ(PCとMac向け)を密かに立ち上げていたことを発見した。これまで多くのユーザーたちが待ち望んでいたものだ。現段階では、この機能はWorkplaceの中でのみ利用可能だ。WorkplaceとはSlackやその他のビジネスアプリと競合している、Facebookのエンタープライズコラボレーションソフトウェアである(いつか一般向けMessengerアプリのデスクトップ版が登場し、スクリーン共有を行えるようになったなら、喜ぶ人は沢山いることだろう)。

現在Workplace1万4000社以上の企業が利用しており、ユーザー1人あたり1ドルから3ドルを支払っている。最近ではWal-Martがサインアップした。このスクリーン共有機能は、SkypeやWebExといった、使い難い企業向けスクリーン共有アプリに比べて、より多くの顧客を引きつけそのシェアを奪うことができるだろう。競合他社がパズルのピースを提供しているだけなのに対して、Facebookはスピード感のある開発スタイルを使って、オールインワンのコラボレーションアプリでオフィスを制圧しようとしていることは明らかだ。

Facebookがデスクトップソフトウェアに再参戦

TechCrunchは、Workplaceのヘルプセクションに埋もれる形で、PCならびにMac向けのWorkplace Chatデスクトップアプリへのリンクがあることに気が付いた。このアプリを使えば紛れやすいブラウザのタブを使うこと無く、簡単に他の従業員たちと終日メッセージを交換することができる。

FacebookのWorkplace広報担当者Vanessa Chanは、TechCrunchの問い合わせに対してデスクトップアプリの提供開始を認め、次のように語った。「これは顧客の皆さまから最も広く求められていた機能の1つでした。それが開発の理由です。デスクトップアプリケーションはまだベータ版でして、より広範なリリースに先立ち、製品を改善するためのフィードバックを提供していただけるWorkplaceカスタマーの皆さまにお使いいただいております」。

デスクトップアプリケーションは、Workplace Chatの専用Webサイト(Messenger.comをモデルにしているサイト)と同様に動作する。大きなダッシュボード上では、全ての会話記録、テキスト検索、そして今や普通の機能である、写真、ビデオ、音声クリップ、絵文字、GIF、そしてWebカムの共有が提供される。他のウィンドウの上に表示されるデスクトップ通知を設定することもできるので、メッセージを見逃すこともない。

Workplace Chatは、カジュアルなゲームプラットフォームであるFacebook Gameroomを除けば、Facebook唯一のデスクトップソフトウェアである。 Facebookは、2012年にWindows向けMessengerアプリを提供しようとしたことはあるものの、2014年にはそれを中止している。それ以来、それっぽいものながら、サードパーティによる偽のデスクトップアプリケーションの数が急増している。Messengerチームは、これまではデスクトップ機能やウェブ機能ではなく、モバイル機能に主眼を置いて来た。しかし現在は、13億人の月間ユーザーを抱えているため、成長を続けるためにデスクトップソフトウェアの探究を行っている可能性は高い。

何でも共有。あなたのスクリーンも

Facebookにとって全く新しいのはスクリーン共有だ。Facebookがテキストからビジュアルなコミュニケーションに進化するにつれて、あなたが見ているものを他の人びとに見せることができるようにすることが、ビデオチャットの重要な補完機能となるだろう。Slackはデビュー4年目のこの5月に、やっとスクリーン共有機能を追加したが、Workplaceはそのデビューから1年も待たずにそれを提供することとなった。

現在スクリーン共有は、Workplace Chatデスクトップアプリケーションと、Webの両方で利用できるようになっている。フルスクリーンを共有するだけではなく、実行中の特定のデスクトップアプリを選んで共有することも可能だ。これは秘匿性の高い仕事のデータや通信などをうっかり晒してしまい、当惑することを防ぐためには重要な仕組みである。たとえば、ExcelやWebブラウザのみを共有することはできるが、Slackや電子メールクライアントを共有することはできない。

スクリーン共有において、このレベルのプライバシーを確​​立することは重要である。なぜならこれはFacebookによって作られたオフィスソフトウェアを利用する顧客たちの、最大の懸念事項の1つなのだ。これが、Facebookがあなたの通常のソーシャルネットワークプロファイルをWorkplaceには直接統合することはせずに、それらを完全に別々に保つことを選択した理由だ。ニュースフィードとインスタントメッセージが仕事に役立つからといって、あなたの上司に自分のソーシャル活動を見て欲しいわけではないからだ。

要するに、新しいデスクトップソフトウェアは、ChromeやFirefoxの中に紛れてしまいそうな場合に、Workplaceをコンピューター上のお好みの場所に置くことができる仕掛けなのだ。Facebookは、慣れ親しんだデザインと目立つ専用のデスクトップアプリを組み合わせることで、同社が可能にしたいと望んでいる常時コラボレーションを促進することができる。

Workplaceは、従来のホワイトカラー従業員同士のみならず、企業内の全員が上から下までコミュニケーションを取れるように設計されている。これが幅広いアクセスポイントの提供が重要な理由なのだ。ほとんどのエンタープライズソフトウェアは不格好で不便だと考えられているが、Workplaceはそのアイデアを覆そうとするものだ。

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(翻訳:Sako)

2015年にロシアの諜報機関がNSAを侵害してサイバーセキュリティの戦略を盗んだらしい

NSA(National Security Agency,国家安全保障局)は2015年に深刻な侵害を蒙り、サイバー戦争に関する同局の戦略を外部に露出した。それには、防御の方法とともに、外国のネットワークを攻撃する方法も含まれていた。Wall Street Journalが今日(米国時間10/5)、そう報じている。その攻撃の背後にはロシアの諜報機関がいて、ロシアのKaspersky Labsのソフトウェアが道具として使われた、とされている。

しかもなんと、問題のデータはNSAの契約職員が自宅に持ち帰っていたと言われ、その人物がなぜか、彼らが使うKasperskyのウィルス防御ソフトウェアによって危機に陥った。その具体的な過程の説明はないが、推測では、同局のサーバー上の疑わしいファイル(マルウェアの実行ファイルなど)を彼がダウンロードし保存する行為に関連していたようだ。本誌は今、K社に詳しい情報を求めている。

Kaspersky Labsは今年非難の砲火を浴び、その背景では、数えきれないほど多くのサイバーセキュリティ関連事件と、噂される現政権との関係により、アメリカの国政に対するロシアの妨害が懸念されていた。つい先月は、同社のソフトウェアの使用が、行政府と議会の各部で禁じられた。Kasperskyは、“いかなる政府とも不当な関係はない”と言って嫌疑を否定し、申し立てには根拠がない、と主張した。

方法についてはよく分からないが、侵害があったことはほぼ確実である。WSJによると、侵害が深刻だったからこそコードネームまで付けられ、同局の上部からの訓戒もあったのだ。盗まれた資料にはNSAのオペレーションの詳細だけでなく、攻撃や防御に使われる実際のコードまであったと言われる。

侵害は公表されず、2015年に起きたものが2016年の春にやっと発見された。そのためロシアの諜報機関は選挙の年に楽に仕事を開始し、その年が深刻なサイバーセキュリティ事件に侵されることが、確実となったのだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Google Cloud Platform の導入・運用支援を行うクラウドエース、WiLなどから4.5億円を調達

Google Cloud Platform の導入や運用をサポートするクラウドエースは10月5日、複数の投資家に対する第三者割当増資により総額4.5億円の資金調達を実施したことを明らかにした。引受先はWiL、TOKAIコミュニケーションズ、TBSイノベーション・パートナーズ、みずほキャピタルを含む5社。今回の資金調達で、クラウドエースの累計調達額は5億円を超える。

Google Cloud PlatformはGoogleがクラウド上で提供する複数サービスの総称だ。ユーザーとなる企業は、ストレージやビッグデータ解析、機械学習などGoogle社内でも使われているコアなインフラや技術を活用し、自社のシステム環境を構築できる点が特徴。日本国内でも任天堂や全日本空輸などで活用されている。

クラウドエースではGoogle Cloud Platformを活用したい企業に対して、導入から実際の運用までをサポートしている。同社はもともと吉積情報が2014年の7月から行っていたGoogle Cloud Platformの販売・運用事業を独立させる形で、2016年11月に設立された。

クラウドエースの代表取締役である吉積礼敏氏は、今回の資金調達を踏まえて「より一層AIやビッグデータ分野に対する投資を行い、GCPをより簡単に安心して素早く利用できるようなツール開発や人材教育などの体制全般を構築してまいります」とコメント。運用サポート体制を強化することに加え、Google Cloud Platformを補完するようなツール開発にも力を入れていくという。

TechCrunchではつい先日も、Salesforceの提供するマーケティングオートメーションツール「Pardot」の導入支援を行うtoBeマーケティングが4億円を調達したことを取り上げた。同社もSalesforceが開発するサービスの導入・運用をサポートしながら、それを補完する自社ツールを合わせて提供することで500社以上の顧客を獲得している。

テクノロジーの発展に伴い、強力なツールが次々と登場する今の時代。他社が開発したツールを上手く使いこなせるようにサポートしていく“ベンダー”的なスタートアップも、今後は増えていくのかもしれない。

 

社名変更で「加速するタイミング」、クラウドファンディングのMakuakeは地方と世界を目指す

左からマクアケ取締役の木内文昭氏、代表取締役社長の中山亮太郎氏、取締役の坊垣佳奈氏

「もともとクラウドファンディングは『募金サイト』のイメージが強かったり、一部のアーティストやクリエーターの認知はあるが使われる領域が狭かったりした。だが、アイデアの善し悪しに絞って、腹をくくってやってきた結果で伸びてきたのがこの数年。ここでブランドを加速するタイミングだと判断した」

そう語るのは、クラウドファンディングサービス「Makuake」を運営するマクアケ代表取締役社長の中山亮太郎氏。同社は10月1日に社名をサイバーエージェント・クラウドファンディングからマクアケに変更したばかり。10月6日にはiOSアプリもリリースした。プッシュ通知や検索機能を提供することで、購入者の利便性を高める。

2013年8月にスタートしたMakuakeは、これまで約3000件のプロジェクトを掲載。1000万円を超える大型の資金調達の事例は60件以上、中には1億円を越えるプロジェクトも存在している。同社がサービスを開始する以前から、「CAMPFIRE」や「Readyfor」といったクラウドファンディングサービスはあるが、今では各社がそれぞれ特徴のあるプロジェクトを掲載している。

その中でMakuakeが得意とするのは、ガジェットや文具、職人の作り上げた小物、新型飲食店の会員権など、今までになかった「モノ」が中心だ。プロジェクトにお金を払うのは、6割が既存ユーザー。そのプロジェクトだけのファンではなく、珍しい商品を買う場として利用しているユーザーが増えてきているのだと同社は見ている。「企画をして、クラウドファンディングをして、(量産で)生み出して、事業が回っていくというプロセスは大体3年ほどかかる。それがMakuake上で一周した」(中山氏)

ソニーの事例を契機に大企業との連携も加速

大手メーカーとの連携も積極的に進めている。そのきっかけともなったのは、ソニーの新規事業創出プログラムから生まれた電子ペーパーウォッチ「FES Watch」。2014年に発表されたFES Watchのプロジェクトは、追加販売も合わせると2000万円以上を集めた。現在は「Makuake Incubation Studio」を立ち上げ、大手企業のR&D部門などが持つ技術をプロダクトに落とし込み、Makuakeでの販売まで行うというコンサルティング事業も展開している。

「FES Watch」のプロジェクト

このMakuake Incubation Studioからは、シャープや東芝、JVCケンウッドなどとのプロジェクトが生まれている。「企業の人は今、新しいモノを生み出すときに悶々とした気持ちを抱えている。例えば20代、30代向けのガジェットを出すのに、60代の役員では分からないことだってある。以前は寄付の印象も強かったので『大企業のくせにクラウドファンディングを使うのはけしからん』とも言われたが、ここ1年はなくなってきた」(マクアケ取締役の木内文昭氏)。Makuake Incubation Studioは事業面でも手数料以外のビジネスとして同社の成長を担っているという。

ビジネスの話をもう少しすると、同社は2016年度の同社の決算は当期純利益が5900万円の赤字。今期の見通しについては非公開としたものの「銀行からの借入も可能。健全な状況」とのことだった。8月にはプロサッカー選手本田圭佑氏率いるKSK Angel Fundからの投資も受けている。「(本田氏に)会った瞬間に『1兆円規模になると思う』と言われた。(今後の子会社上場について)可能性は閉ざしたくない。さまざまな調達方法を考えている。親会社もいるし、事業は回っているので銀行借入も可能だ」(中山氏)

今後は地方のプロジェクト立ち上げ、海外展開も

そしてMakuakeは現在、地方のプロジェクト立ち上げにも力を入れているという。全国75行を超える金融機関と連携・提携して、地域の製造業者や飲食業者などのプロジェクト発掘、支援を行っているという。1億円以上を集めた折りたたみ式電動ハイブリッドバイク「glafit」のプロジェクトを手がけたのも、和歌山県発のバイク関連用品メーカーだったりする。「技術を持っていて、BtoBだけではなくBtoCでもプロダクトを作りたいという話や、いいモノだけど売れないのでリブランディングしたいという話など、マーケティングやプロモーションがうまくいってないけれどもいいモノというのはすごくある」(マクアケ取締役の坊垣佳奈氏)

「glafit」のプロジェクト

米大手クラウドファンディングサービスの「Kickstarter」も日本でサービスを開始したが、「そんなに意識はしないが、海外のサービスが日本にやってくるというのは市場があると判断されているということ、よいニュースだ。そこは歓迎している。だが(クラウドファンディングは)日本にとってとても重要なインフラ。これをしっかり国産でやっていかないと、国にとってもよくないなと思っている」(中山氏)。そう語る一方で、Makuakeの海外展開についても進めていくという。「日本のメーカーの研究開発技術は高いが、まだまだ生かし切れていない。Makuakeでやっているのは、日本のすごい技術をマーケットに出していくこと」「プラットフォームが自分の都合で海外に出ていっても受け入れられにくい。世界の人が(日本語のMakuakeを)翻訳してでも欲しいモノが必要。そんなモノとセットでグローバル展開をしていく」(中山氏)

投資家が14億ドルを投じたMagic Leapが今日までにリリースしたもののすべて

投資家たちから14億ドルを調達したMagic Leapが今日(米国時間20017/10/5)までにリリースしたもの:

Magic Leapは同社のまだリリースされていないプロダクトについて無限話すことには熱心だが、実際には何も言ってないに等しい。上のリストの落とし前は、いったいいつになるのか。

[Magic Leap、その始まり]

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Apple、新型Apple WatchのLTE接続問題の修正アップデートを公開

Joanna SternがWall Street JournalにApple Watch Series 3レビュー記事を書いたとき、見出しにはこう書かれていた:「Apple Watch Series 3レビュー:紐なし…信頼性なし」。新しいApple Watchは状況によってはLTEネットワークとの接続に問題があった。結局それはソフトウェアのバグであることがわかり、今日AppleはwatchOSのアップデートを発行し、LTE接続問題を修正した

watchOS 4.0.1のリリースノートは実に単刀直入だ:「watchOS 4.0.1はApple Watchが未承認の(閉鎖された)Wi-Fiネットワークに接続する稀なケースの問題を修正します。コーヒーショップやホテルなどで、ネットワークを利用出来るようになる前にユーザーがウェブページに飛ばされる場合のことです」とAppleは書いている。

Wall Street Journalは、3種類のApple Watchと2種類の通信会社で問題を再現したが、Appleがバグを確認するまでにはあと数日を要した。その後同社はソフトウェアのバグであることを認め、深刻な問題ではないことがわかった。あなたのApple Watchを交換する必要はない。

というわけで、Apple Watch Seriese 3のセルラーモデルを持っている人は、iPhoneのWatchアプリを開き、「一般」「ソフトウェアアップデート」の順にタップしてパッチをインストールしよう。watchOSのアップデートはしばらく時間がかかるのが普通なので、充電器と時間のある時に行うことをお勧めする。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Google Compute EngineがCPU 96コア、メモリ624GBの巨大インスタンスを提供、プロセッサーもグレードアップ

どんなにリソース大食漢のアプリケーションでも、Google Compute Engine(GCE)なら満足するだろう。今度新たに、CPU 96基、メモリ624GBという怪物インスタンスが生まれたのだ。Bill Gatesは昔、誰が一体640KB以上ものメモリを必要とするんだい?と言ったらしい。彼には、今日のような日が来るとは想像もできなかったのだ。

これは、本当の話ですよ。しかも、ちょっと前の3月にはGCEは64コアのCPU + 416GBのメモリというインスタンスを発表している。今回は、それを上回る。

使用するチップは、たぶんご想像どおり、IntelのXeon Scalableプロセッサー(コードネームSkylake)だ。Googleによるとこの子は、前の世代のXeon系列に比べて計算性能が20%速く、high performance computing(HCP)では82%より高速、メモリ帯域はほぼ2倍だ。もちろん、これで十分という性能は永遠にないけどね。

それほどのパワーは要らない、というユーザーは、ご自分のワークロードに合わせてCPUとメモリの構成をカスタマイズできる。

Googleによると、今回の巨大インスタンスは、その性能をすでにSAP HANAで実証している。SAP HANAは、ドイツのソフトウェア大手によるインメモリデータベースで、ユーザーの必要に応じてメモリをいくらでも使える。

624GBでも足りない、というユーザーに対応するためGoogleは今、最大4TBまでメモリを搭載できる製品を開発中だ。お金をしっかり用意して、待っていよう。本日(米国時間10/5)紹介されたインスタンスは、一時間約4ドル95セントからだ。

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ボーイング、Aurora Flight Sciences社買収で無人飛行機に本腰

BoeingはAurora Flight Sciencesを買収すると発表した。ロボット飛行機やロボット乗り物を現実にするための無人飛行システムに特化した会社だ。Auroraの買収によって、軍用および商用両方の自動飛行機開発の開発が後押しされる、とBoeingは言っている。

Aurora Flight Sciencesは、DARPAおよびUSAFの助成を受けている軍用無人垂直離着陸機、LightningStrike XV-24Aを開発している。今年Auroraは、XV-24A Demonstratorと呼ばれるの縮小スケール機を使ったテストフライトに成功した

買収完了後もAuroraはBoeingの独立子会社として運営され、無人飛行機の設計、開発を継続する。XV-24A以外にも、Auroraは操業20年の間に、パイロット不要航空機を30種類以上設計、飛行させている。

VTOL(垂直離着陸機)に大きく投資している主要航空会社はBoeingだけではない。今週Airbusは、来年目標の空飛ぶ電気自動車の初テストにむけて開発が順調に進んでいることを明らかにした。最終的には無人航空タクシーの展開を目指している。

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Microsoft、EdgeブラウザーのiOS版とAndroid版を提供へ

Microsoftのモバイル版Windows 10は、公式には今も開発中とされているが、この会社が独自のモバイルエコシステムの構築を断念したことは公然の秘密だ。残された選択肢は一つだけ。負けを認めて自社アプリケーションをAndroidやiOSに提供することだ。ここ数年同社がやってきたことはまさにそれで、今日(米国時間10/5)Microsoftは、近くEdgeブラウザー(悪評高かったInternet Explorerの後継)がiOSとAndroidに登場すると発表した。あわせて、Android版のランチャー、Arrowを終了し、Microsoft Launcherの名称で再出発させる。

Microsoftは、モバイルのOSやハードウェア分野から基本的に撤退しているが、デスクトップでの地位を確保するためにも、ライバルプラットフォームで存在感を示す必要がある。EdgeおよびMicrosoft Launcherは、いずれもMicrosoft Graphの拡大を後押しするものであり、この戦略の重要な位置を占めるアプリだ。GraphはMicrosoftのクロスプラットフォームシステムで、ユーザーの作業環境や文書をデバイス横断で同期する。同社はこれが将来のWindowsの鍵を握ると考えている。

それを踏まえると、新バージョンのEdgeが、ユーザーのパソコンとモバイル端末の接続を容易にし、ブラウザーのセッションその他の機能を簡単に同期できると約束しているのも当然だ

ただし、現在iOSおよびAndroid版のEgdeはまだプレビュー版で、入手希望者はここから登録できる。Androidバージョンは近くGoogle Playストアでベータ版が公開され、iOS版は近い将来Testflight経由で配布される予定だ。

MicrosoftがこのEdgeプラットフォームに、独自のレンダリングエンジンを使っていないことは注目に値する。代わりにiOSではWebKitを、AndroidではBlinkエンジンを使用している(AndroidのWebViewコントロールではない)。つまり、AndroidではMicrosoftが独自のBlinkエンジンをアプリと共に提供することを意味している ―― これは、予想されていたことではなかった。

ランチャーはかなりよくできていて、毎日使うであろうGoogleアプリ(カレンダー、Gmail等々)がうまく統合されている。Microsoft版のGoogle Feed(Android端末のホーム画面一番左)もかなり便利で、Googlleが単なるニュースフィードとして使っているのに対して、カレンダーその他の情報を中央に配置して使いやすくしている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

InstagramからFacebookへ、ストーリーのクロス投稿が可能に――Facebookのクローン戦略進化中

Facebookアプリの「24時間で消える」ストーリー機能にはまだあまり利用者がいない。しかし近くこの状態は変わりそうだ。われわれは先月、Facebookがポルトガルで「InstagramストーリーをFacebook本体に配信するオプションをテストしているのを発見した。さきほどFacebookはInstagramストーリーに Facebookストーリーと同期させる機能をアメリカのユーザー向けに追加したことを公式に確認した。まだこの機能が公開されていないユーザーも間もなく利用できるようになる。例外は企業アカウントで、こちらはFacebookストーリーの利用を許されていない。

InstagramはFacebookとストーリーを共有する機能を追加した。ユーザー名、プロフィール写真はプライバシー保護の観点からエモーティコンと黒いバーに変えてある]

Facebookの広報担当者がTechCrunchに説明したところによれば、「Instagramストーリーに投稿する際、誰でも簡単にFacebookストーリーにも投稿できるようになる」という。現在のところその逆にFacebookストーリーからInstagramストーリーへの同期はできない。ただし将来は可能になるかもしれないという。

このクロス投稿機能は2箇所に投稿する手間を半減させる。またローカルに保存して再投稿することにともなう画質の低下も防げる。最近Facebookは努力の中心をストーリーにピボットさせた。Facebook CameraやCamera EffectsプラットフォームによるAR効果の主たる投稿先はストーリーだ。今日の新機能の追加は、7月にスタートしたFacebookストーリーの出足が期待ほどでないことに対する強力なテコ入れだろう。

Facebook本体にSnapchat Storiesのクローンを追加することについて、「FacebookはすでにInstagramストーリーに加えてMessenger Day,、WhatsApp Statusもを持っているのだからムダだ」という批判も出ていた。またInstagramストーリーがリリース後わず2か月の2016年8月に1億ユーザーを獲得したのに対してFacebookストーリーのユーザー数はまだ公表されていない。現在Instagramストーリーのユーザーは2億5000万で WhatsApp全体とほぼ等しく、Messenger Daのユーザーも7000万となっている。

Instagram doesnでは2億5000万のユーザーの内訳を公表していない。つまりそのうちどのくらいが投稿し、どのくらいが閲覧しているだけなのかは分からない。しかしInstagramの母数の巨大さから考えて同時投稿機能によってFacebookストーリーに大量のコンテンツが流入してくることは確実だ。Instagramはウェブ版がリリースされデスクトップから写真を見るとことができるようになったが、ストーリーもデスクトップから投稿、閲覧できるようになる。【略】

将来はFacebookグループのどのアプリにも簡単にクロス投稿できるようになることを期待している。つまりFacebook、Instagram、WhatsApp、Messengerのどれを開いていても友達の動静がわかり、また1回の投稿ですべてのアプリのユーザーに自分が何をしているか知らせることができるようになるのが望ましい。Facebookがさらに賢くなれば、誰がどのアプリで何を見たかを判別し、たとえばInstagramですでに見た写真はFacebookでは表示しないようになるかもしれない。

Facebookの4つのストーリー・プロダクトが巨大なユーザーを集めていることはSnapchatに深刻な脅威を与えている。Instagramのストーリー・クローンのローンチ前、Snapchatのユーザー数の四半期成長率は17.2%もあったのに、o a 2017年の第2四半期にはわずか4.2%に低下してしまった。【略】

Facebookはいかに「人まね」と非難されようとこのクローン戦略を捨てる気はない。Facebookのデザイン責任者、Luke Woodsは先月開催されたTechCrunch Disrupt SFで講演した後、「Snapchatのセールスポイントをコピーすることを倫理的だと考えているか?」と質問された。Wooodsは「われわれはユーザーを第一に考えている。われわれは結果を重視する。ユーザーが目的を達成することを手助けするのがわれわれの役目だ。それに引き続いて〔特定の〕フォーマットが選択される」と答えた。

つまりユーザーが24時間で消えるストーリー的プロダクトを望むならFacebookはクローンだという非難にもプライドにもかまわず、それらを世界に向かって提供するということだ。統計の数字が示すところによれば、Facebookのユーザーはまさにストーリーのような「一定時間後に消えるスライドショー」的プロダクトを求めており、そのフォーマットをもともと誰が発明したかはまったく気にしていないようだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

ブレードランナー2049、公開近づく――オリジナルを超えないがやはり気に入った

続編を必要としない映画ということならブレードランナーはその筆頭だろう。

だいいち続編はあのロサンゼルスをどうやって描写したらいいのか? なるほど現実のLAは2019年になっても無数の飛行車が飛び回ったり巨大な日本語の電光広告が壁面を彩ったりすることはなさそうだ。しかし今でもブレードランナーのオリジナルは暗くシリアスなSF映画の教科書となっている。

さらに重要なことだが、オリジナルのエンディングは両義性の典型だった(少なくともリドリー・スコット版やファイナルカット版はそうだ)。

それでも今週末に公開されるブレードランナー2049は続編が陥りがちな罠を巧みに避けた作品になっている〔日本での公開は10/27〕。ブレードランナー2049はオリジナルと同様、それ自身で完結した物語となっており、シリーズ化といった方向に動く要素はない。
また安易な謎解きもしていない。オリジナルのエンディングが両義的であったのとまったく同じように2049のエンディングも両義的だ。【略】

ブレードランナー2049でもオリジナルと同様に人々はレプリカントについて「人間の魂を持っていない」として劣等性を叫ぶ。しかしそれがレプリカントの奴隷化を正当化するためのウソであることがオリジナルの場合よりもさらにはっきりと感じられる。

2049のドゥニ・ヴィルヌーヴ監督はロサンゼルス市そのものより、市外の光景を創造することにいっそう興味を惹かれたようだ。市外はオリジナルでも存在が暗示されていたが、実際には描写されていない。新ブレードランナーではほとんど無人で環境破壊により荒廃した広大な風景が写し出される。皮肉なことにブレードランナー2049はオリジナルよりもフィリップ・K・ディックの原作、『アンドロイドは電気羊の夢をみるか』 に近い雰囲気だ。

ここまで私はストーリーにも登場人物にもほとんど触れてこなかった。これは映画を配給するワーナー・ブラザーズがレビュアーに対してネタバレをしないよう強く注意を喚起しているからだが、ライアン・ゴズリングのブレードランナーがオリジナルのエンディング以来市外に隠れ住んでたハリソン・フォードのリック・デッカードを探しに行くということは紹介しておいてもいいだろう。

ゴズリングは新しい主役にふさわしい演技をみせた。寡黙さ、有能さ、突き放した態度のミックスはドライブの主人公に通じるものがあるが、この映画ではさらに突然の暴力と怒りのシーンがさらに多くなっている。ハリソン・フォードは2049でもスターウォーズの新作で帰ってきたときの「気難しい老人」のイメージからそう遠くない。しかしフォードの感情表現はさすがだ。

この映画は全体として静かに進行する。ビジュアルの美しさを鑑賞するのに十分な上映時間がある(163分!)。もしかするといささか静かすぎ、いささか長過ぎるかもしれない。しかし私は美しく物悲しいSF映画の大ファンだ。ただしオリジナルのエンディングでのデッカードとレプリカントのリーダー、バティーとの対決は映画史に記憶される瞬間だと思うが、2049はそこまでは到達していないようだ。

私は感情を揺さぶられるという以上に映画の出来栄えに感心した(こればヴィルヌーブ監督の前作『メッセージ』にも言えることだ)。ブレードランナーのオリジナルは続編を必要としないという考えは変わっていないし、続編のインパクトはオリジナルには及ばないだろう。

それでもこれは良く考えぬかれた素晴らしいSF映画だ。もちろん料金を払って見る価値は十分にある。

〔日本版〕日本での公開は10月27日(金)から。公式サイトには「オリジナルとの間に何があったのか?」という疑問を埋める渡辺信一郎監督によるアニメが掲載されている。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+