YouTube、支援したい非営利団体への寄付を促す「寄付カード」を米国内クリエイターに向けて導入開始

YouTubeが米国におけるビデオ制作者向けに、非営利団体に対する寄付行為を行いやすくする仕組みを導入した。「寄付カード(donation cards)」を通じて行うものだ。米国の内国歳入庁が確認済みの、歳入法第501条c項3号に定められる公的非営利団体の中から募金を呼びかける団体を選び、ビデオを閲覧しながら直ちに寄付が行えるようになっている。

これまでも非営利団体は自らが制作したビデオで寄付カードを使うことができた。しかし往々にして非営利団体自身が行う寄付要請よりも、第三者の行うものの方が効果的であることもあるのだ。たとえばALS理解促進のためのアイス・バケツ・チャレンジなどで寄付カードが使えていれば、ALS Associationに対する寄付金額もさらに増えたことだろう。

これまでにもアノテーションにてビデオ中に非営利団体へのリンクを埋め込み、それによって寄付を促すことはできた。しかし介在する手間が多くて実際の寄付に繋がる可能性が低いものとなっていたのだ。

ビデオ閲覧者が寄付を行う場合、寄付額のすべてが該当団体に収められることにもなっている。Googleが手数料を取ることはなく、またクレジット手数料も引かれないようになっている。

現在のところ、この仕組みを利用できるのは米国内においてのみのことだ。しかしGoogleによれば仕組みをさまざまな国に広げていきたいとのこと。「世界中のクリエイターが非営利団体の応援をできるようになるのです」と述べている。

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(翻訳:Maeda, H

Walmartがオープンソースのクラウド&アプリケーション管理プラットホームOneOpsをローンチ

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Walmart(そう、あのWalmart)が、クラウドとアプリケーションのライフサイクル管理のためのDevOpsプラットホームOneOpsを、オープンソースでローンチする。Walmart Labsが開発したそれは、アプリケーションをよりはやく書いてローンチし、それらのメンテナンスをより容易にすることがねらいだ。

そのサービスをオープンソースにすることは、昨年発表されていた。

“われわれのミッションは、顧客に、もっともアジャイルでコスト効果が高く柔軟性に富むアプリケーションライフサイクル管理のソリューションを、クラウド上のエンタープライズクラスのワークロードに対して提供することだ”、とチームは語っている。

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Walmartのような企業がこんなツールをローンチするのは奇妙とも思えるが、しかしむしろ、レガシーのリテイラー(小売企業)においては、テクノロジの有効利用が今のWalmartほどには進んでいない、と言えるのかもしれない。ただし同社が今日(米国時間1/26)述べたように、同社はクラウドのユーザであり、クラウドのプロバイダではない。

今日の発表声明の中でWalmartのCTO Jeremy KingとWalmartLabsのプラットホーム担当VP Tim Kimmetはこう述べている; “WalmartがOneOpsをオープンソースでリリースすることは、理にかなっている。オープンソースにすれば、コミュニティがそれを改良したり、既存のテクノロジに適応させるための方法を築いたりできるからだ。われわれはオープンソースの門外漢ではない。これまでもずっと、積極的なコントリビューターであり、Mupd8やhapiのような技術をコミュニティにリリースしてきた”。

実際にはOneOpsは2011年に企業として創業され、Walmartが2013年に買収した。今日では同社の約3000名のエンジニアが、新しいプロダクトの構築や管理に利用している。walmart.comやSam’s Clubなどの、同社のeコマースサイトは、OneOpsで管理されている。同社によると、同社のエンジニアたちは、このプラットホームを使って毎月3万あまりの変更をコミットしている。

それでは、OneOpsは一体何をするのか? Walmartによると、このプラットホームの重要な利点のひとつは、そのままで複数のパブリックおよびプライベートなクラウドプラットホームに使えることだ。それらのクラウドプラットホームは、Microsoft Azure, Rackspace, AWSおよびCenturyLink Cloud, そしてOpenStackのクラウドだ。OpenStackはWalmartがそのアーリーアダプターであり、今でも最大のユーザの一つだ。

“クラウド環境はコントロール性が優れているから、クラウドのプロバイダがプロプライエタリなツールや技術の使用をユーザに指定したり、使える帯域を制限したりするのではなくて、OneOpsを使えば、デベロッパがコントロールを自分の手中に取り戻すことができる”、とチームは書いている。

Walmartのチームによると、NoSQLデータベースのCouchbaseとも協働して、自分たちのプロダクトを統合してもらっている。OneOpsはそのほか、Node.jsやDocker, ElasticSearchなどなどさまざまな技術と一緒に使えるようセットアップされている。

OneOpsにはさらに、モニタリングツールや、不具合時の自動治癒/自動リプレース機能、クラスタのサイズを管理する自動スケーリングツールなどが含まれている。アドミン向けには、企業向けのアイデンティティサービスやクォータ管理、構成管理などとの統合もできる。

プロジェクトのコードはGitHubにある。GitHubのプロダクト管理担当VP Kakul Srivastavaは、こう言っている: “Walmartはオープンソースへの重要な貢献を続けている。これからGitHubのコミュニティがOneOpsとどうエンゲージしていくか、楽しみに見守りたい。小売企業の大物がソフトウェアの大物にもなるところを目撃するなんて、すごいことだよ”。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

楽天が国内スタートアップ対象の100億円のファンドを組成

rakuten事業会社がCVC(コーポレートVC)を立ち上げる例が増えているが、日本を代表するネット企業の楽天グループが、運用資産額100億円という、かなり大きなファンド「Rakuten Ventures Japan Fund」を立ち上げたことを今日発表した。楽天創業者の三木谷浩史氏もボードメンバーの1人としてCVCの運営に携わっていて、「スタートアップ企業の支援を通してネット業界をエンパワーしていくという三木谷の思いがある」(同社広報部)という。

楽天グループは、これまで「Rakuten Ventures」として、アーリーステージ対象の2つのファンドを運用してきた。1つは2013年からシンガポールを拠点にスタートしたもので東南アジア対象の1000万ドル規模のもの。もう1つは2014年からイスラエル、アジア太平洋地域、米国企業を対象とした1億ドル規模のグローバル・ファンド。今回のRakuten Ventures Japan Fundは3つめとなる。アーリーステージ投資に加えて、グロースステージも投資対象としていて「1億円以上の投資もあり得る」(広報部)としている。

投資対象はインターネット関連事業を展開する日本のスタートアップ企業ということで、特に注力する領域などは定めていないという。楽天のノウハウやサービスを通した支援をしていく。投資先を楽天グループで買収するという流れを想定しているのかという質問に対しては「明確に考えてはいないが、自然と協業という形になっていくことはあるだろう」(広報部)と話している。

ファンド運用は、マネージング・パートナーであるサエミン・アン(SaeMin Ahn)氏とインベストメント・マネージャーのホーギル・ドー(Hogil Doh)氏が中心となって行う。ホーギル氏は東京を拠点としている韓国人で、これまでは楽天グループでM&Aを担当していた。日本語、韓国語、英語が話せるという。国内事業を進めるスタートアップへの投資に加えて、東南アジアや欧米市場をブリッジするような役割を果たしていくとしている。

ビデオの視聴者データを収集分析してマーケティングや営業活動を助けるVidyardが$35Mを調達

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ビデオを利用するマーケティングや営業活動を改良すると自称するVidyardが、創業5年目を迎える本年年初早々、シリーズCで3500万ドルを調達した。

このラウンドをリードしたのはBattery Venturesで、これにBessemer Venture PartnersとSalesforce Ventures, OMERS Ventures, iNovia Capital, そしてSoftTech VCが参加した。Y Combinatorで孵化した同社は、これまでに計6000万ドルを調達したことになる。

Vidyardは、視聴者のデータを調べるためのいろんなツールを提供し、ユーザはそのデータをマーケティングや営業のツールで利用したり、コンテンツの個人化に利用したりする。顧客は、Honeywell, Lenovo, LinkedIn, MongoDBなどだ。

同社によると今回の資金は、主に新製品開発に投じられる。それは、“企業がビデオを顧客のエンゲージメントのために利用して、ネット上のオーディエンスのデジタルのボディランゲージを理解し、マーケティング等に利用できる”ための、ツールないしサービスだそうだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

リノベーション特化のマーケットプレイスを運営するツクルバ、グロービスなどから数億円の資金調達

左からツクルバの高野慎一氏、中村真広氏、村上浩輝氏、GCPの上村康太氏、高宮慎一氏

左からツクルバの高野慎一氏、中村真広氏、村上浩輝氏、GCPの上村康太氏、高宮慎一氏

リノベーション住宅特化のオンラインマーケット「cowcamo」等を運営するツクルバは1月27日、グロービス・キャピタル・パートナーズ(GCP)を引受先とした第三者割当増資および金融機関からの借入による資金調達を実施したことを明らかにした。金額等は非公開だが、数億円規模になるという。また調達にあわせて、GCPの上村康太氏が社外取締役に就任する。

リーマンショックからの起業

ツクルバの創業は2011年。信用金庫から数百万円の借入を行い、渋谷にコワーキングスペース「co-ba」を設立するところからスタートした。代表取締役CEOの村上浩輝氏と代表取締役CCO・クリエイティブディレクターの中村真広氏の2人は新卒でコスモスイニシア(旧:リクルートコスモス)に入社。しかしリーマンショックのあおりを受け、1年も経たずに会社を辞めることになる。

その後村上氏はネクストで不動産関連のビジネスに、中村氏は大学時代に学んだ建築学を武器にデザイン事務所に入社。それぞれキャリアを積んだ後にツクルバを立ち上げた。なお冒頭の写真にいる高野慎一氏はリクルートコスモスの元役員。2人がコスモスイニシアに入社するきっかけになった人物だ。2015年10月にツクルバに参画した。

受託から自社事業への転換

コワーキングスペースの運営からスタートした同社だが、その後は2人のキャリアを生かして空間プロデュースに乗り出す。最近では、六本木ヒルズに移転したメルカリのオフィスなんかも彼らのプロデュースだ。そんな同社だったが、2015年に入ってcowcamoを立ち上げ。社内にエンジニアを置き、自社でウェブサービスを開発するに至った。これにあわせて、2015年2月には、East Venturesとアカツキを引受先とした第三者割当増資も実施した。

 

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「デザインの会社が(資金を調達して)ITの会社になったのは、突然変異ではなくこれまでの延長線上。思いつきで『メディアを作る、アプリを作る』と考えたわけではなく、どんなベンチャーでもテクノロジーを活用することが必須になったと考えたから」——村上氏はこう語る。

ツクルバ創業時から代表2人には「大量生産大量消費でない、『先進衰退国』となった今の日本だからこそできる事業で成長していく」という思いがあったそうだ。もちろんそんなことを言ってもまずは自分たちの食い扶持を稼がないといけない。「『会社を経営する』ということも最初は手探りで、受託もやってとにかく必死でやってきた。3期で黒字になって、より急角度に成長するために受託から自社事業に切り替えようとなった。会社の知見や信用、ノウハウを考えれば、cowcamoのモデルだった」(村上氏)

不動産全体では縮小しているが中古住宅だけは伸びつつあるという市場環境(政策としても2020年に中古住宅流通・リフォーム市場の規模倍増(20兆円)を掲げている)、オフィスの空間プロデュースに加えて住宅リノベーションなども手がけていたことでできた仕入れルート。起業前に不動産仲介を手がけていたノウハウ——これらがあってcowcamoというサービスは生まれたという。最近では360度動画によるバーチャル内覧機能なども実装。月間流通額もサービス正式ローンチから半年で数億円規模に成長した。ツクルバでは今回の資金調達をもとに、開発体制強化や営業人員拡大を進めるほか、各種プロモーション施策も展開していく。

また冒頭に書いた通り、今回の調達にあわせて、GCPの上村康太氏が社外取締役に就任する。このほか公認会計士の服部景子氏が常勤監査役に、同じく公認会計士の小池良平氏が監査役に、GCPの高宮慎一氏がアドバイザーにそれぞれ就任する。

実は上村氏と村上氏は同年代の起業家(上村氏はかつて「ソーシャルランチ」を運営するシンクランチを起業。Donutsに売却している)としても数年来の親交があるということ。両者はビジネスに関する相談はしていたが、もちろん資金調達は私情ではなく「VCとして素晴らしかったのでGCPに引受をお願いした」(村上氏)、「チームだけでなくプロダクトや数値を厳しく判断して、半年ほどかけて投資決定に至った」(上村氏)とのこと。

古いがらくたを売ってくれるサービスGoneがシアトルとベイエリアへ展開、粗利300万ドルを目指す

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古い携帯とかラップトップとか、必要ないものがどんどんたまってしまう。しかもそんなガラクタを始末するのは、意外と容易じゃない。そんなごみを売ってくれるサービスGoneがこのほど、シアトルとベイエリアの両地で同社コンシエルジュサービスのフル展開を開始した。

Goneとは何か?

この単純なコンセプトのサービスは昨年6月に、オースチンでローンチした。ユーザは、自分が売りたい物の写真を撮るだけでよい。あとはすべて、Goneがやってくれる。Gone Concierge(コンシエルジュ)と呼ばれる担当者がうちまでやってきて品物を受け取り、それを梱包し、売り、発送する。めでたく売れたら、メールで通知が来る。

Goneは事業の拡大を早めるために、包装資材と発送用ラベルをユーザに送り、荷造りと発送をユーザにやらせる方式を新たに導入した。

でも、家にコンシエルジュがやってくることが、Goneの最大の魅力だった。郵便局で行列に並ぶなんて、誰もしたくない。

Goneは最初、オースチンとサンフランシスコでは正しくコンシエルジュサービスをやっていたが、しかし今日の発表では、シアトルとベイエリア全域ではコンシエルジュサービスがオンデマンドになる。

同社は今年の粗利益額300万ドルを目指して、年内にニューヨーク、ボストン、LA、マイアミ、シカゴなど10の都市にサービスを拡張する予定だ。

Goneによると、これまでのユーザ一人あたりの売上額は約250ドル、一人のユーザが平均4つのアイテムを売っている。

Goneのことが気になる人は、このホームページへ行ってみよう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

Microsoftの新iOS用ニュースアプリ「News Pro」はSmartNewsに似過ぎている

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Microsoftは本日、iOSユーザー向けのニュースアプリを発表した。新アプリはAppleがiOS 9に元から入っているニュースアプリに似ている。新アプリは「News Pro」という名で、ユーザーの興味関心に合わせて記事を提案し、これまで知らなかったユーザーが好みそうなサイトや記事の発掘を助ける。

Microsoftの新しい記事を読むアプリとApple Newsの違いは、Microsoftの方はBing Newsと連携していて、ソーシャルネットワークの情報を元にインターフェイスをユーザーにパーソナライズしていることだ。ユーザーはLinkedInかFacebookでサインインでき、興味関心に基いた記事がホームフィード上に流れるようになる。

例えば、私がNews Proのウェブ版にサインインした後、興味関心のキーワードとして「TechCrunch」が表示された。しかし妙なことに、アプリはTechCrunchのサイト上の記事をすぐに提示するわけではなかった。なので、もう少し開発が必要な段階なのかもしれないという印象を受けた。

モバイルでは、もうちょっと良い仕事をしていた。LinednInで認証した後、私の興味関心をもう一つ見つけたようだ。それは「インターネット」でテクノロジー系のニュースとTechCrunchの記事も表示した。

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モバイルアプリの別のタブでは、フォローするトピックや業界をカスタマイズすることができる。継続して情報が知りたい会社やプロダクトもフォローできる。しかし、このタブはさらに2つのセクションに分かれている。「ブラウズ」と変わった名前の「パイロット」だ。後者は、「ブラウズ」のセクションでもできるようなトピックの選択と解除ができるが、このセクションでは小さなサムネイル画像がグリッド状に並べられている。

アプリのカスタマイズする部分が何故2つのセクションに分かれているかは不明確だ。

ユーザーはアプリ内で記事に「いいね!」やコメントをすることができる。これもApple Newsとは違うところだ。(Appleのアプリは記事のハートをクリックする機能のみだ)

Microsoftのニュースアプリでは便利な「スピーディーモード」のオプションを提供している。ここでは該当記事の容量を軽くし、ロードの早いバージョンの記事を見ることができる。iOSで人気のSmartNewsアプリを使っているなら、この機能は驚くほど似ていると思うだろう。

ちょっと似すぎていないだろうか?しかも「スピーディーモード」の切り替え矢印のボタンまで緑だ。どうだろう?

上の画像: News Pro、 下の画像: SmartNews

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Microsoftにとっては残念だが、このニュースアプリはどこもユニークな点はなく、部分的には競合他社のクローンを作ろうとしているのではないかと思ってしまう。「このアプリにもその機能あるよ」と言っているような感じは、魅力が半減する。残念だ。現在、モバイルでニュースを読む体験を再構築したり、魅力的にするチャンスは多くあると思うが、このMicrosoftのNews Proは他のアプリの機能を焼き直しているだけのように思う。

アプリはMicrosoft社内のインキュベータープロジェクト「Microsoft Garage」から誕生したものだ。Microsoft GarageではAndroid ランチャー最も迷惑な目覚まし時計といった風変わりなプロジェクトを手がけている。言い換えれば、これらのプロジェクトはOfficeやモバイル版OutlookといったプロダクトやさらにはMicrosoft Selfieアプリのように十分な対応を行っているものではない。Garage Projectはとりあえずたくさんのプロジェクトをやってみて、何がうまくいくかを試しているようだ。

News ProはiTunesから無料でダウンロードできる。

(謝辞:画像クレジットmicrosoft-news.com)

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website/ twitter

BACKLINKOによるランキング要素の大調査!100万の検索結果を分析してわかったこと。

今回の記事は、SEO Japanに初登場となる、BACKLINKOからの記事となります。特にリンク構築の手法に定評があり、設立者のブライアン・ディーン氏は、かのニール・パテル氏からも”ことリンク構築においては、ブライアン・ディーン氏は業界内でベストな人材だ”、と言わしめる方です。2年前のSMX Londonでお会いして以来ブログを拝見していましたが、今回SEO Japanへの掲載を快く承諾していただきました。今後、彼の記事もSEO Japanで紹介させていただく予定ですが、第一弾の記事はランキング要素の分析記事です。Search Engine Landでも紹介された調査で、100万の検索結果を対象としています。果たして、その調査結果とは?– SEO Japan

*リンク先は全て英語となっています。

先日、我々は100万のGoogleの検索結果を分析した。下記の疑問を明らかにするためだ。

検索エンジンの1ページ目の順位と相関関係のある要素はどれなのだろうか?

我々はコンテンツを分析した。バックリンクも分析した。さらに、サイトスピードも分析した。

エリック・バン・バスキック氏とパートナー会社の協力により、幾つかの興味深い発見を得ることができた。

この記事では、我々が行った調査により発見できた事実を共有したいと思う。

まずは、重要な事柄をまとめよう。

1.バックリンクはGoogleのランキング要素の内、依然として非常に重要な要素である。我々の調査は、該当のページにリンクを張っているドメインの数が、他のどの要素よりも、ランキングとの相関関係があったことを明らかにした。

2.我々が取得したデータによると、サイト全体のリンク・オーソリティー(Ahrefsのドメイン・レーティングによって測定)が、高順位との強い相関関係があった。

3.”トピックとの関連性がある”と評価されたコンテンツ(MarketMuseを使用)は、トピックに対し深く掘り下げていないコンテンツよりも、大いに高い順位に表示されている。そのため、トピックを絞って深く掘り下げたコンテンツを作成することで、高順位を獲得できるかもしれない。

4.SEMRushの検索結果ページのデータに基づいた調査を行った所、長いコンテンツがGoogleの検索結果の上位に表示される傾向があった。Googleの1ページ目に表示されているコンテンツの平均単語数は、1,890単語であった。

5.HTTPSは、ある程度、Googleの1ページ表示との相関関係があった。これは、GoogleがHTTPSをランキング要素として使用しているという事実があることから、それほど大きな驚きではないだろう。

6.Schemaについての話題は常にあるが、我々のデータはSchemaのマークアップと高順位との間に相関関係があることを示さなかった。

7.少なくとも、画像が1つあるコンテンツは、画像が全く無いコンテンツよりも上位に表示されていた。しかし、それ以上の画像の数がランキングに影響されることはなかった。

8.titleタグ内のキーワードの最適化とランキングについては、非常に弱い相関関係しか見られなかった。この相関関係は、我々が予測していたものよりも遥かに小さく、Googleがセマンティック検索に移行している事実を反映しているかもしれない。

9.サイトスピードは重要だ。Alexaのデータを使用し調査した所、読み込み速度が速いサイトのページは、読み込み速度が遅いサイトのページよりも、明らかに高順位に表示されていた。

10.複数回のペンギンアップデートにもかかわらず、完全一致のアンカーテキストはランキングに強い影響を与えている。

11.SimilarWebを使用して調査した所、低い直帰率が高順位と関係していることがわかった。

下記に、より詳細な情報とデータを記載する。

リンク元のドメイン数は、
ランキングへ強い影響を与える。

同じドメインから複数のバックリンクを獲得してもその効果は減少される、ということを耳にしたことはあるだろう。

言い換えれば、10個のドメインから10本のリンクを獲得する方が、同じドメインから10本のリンクを獲得するよりも良いということだ。

我々の分析によると、これは事実のようだ。ドメインの多様性はランキングへ大きな影響を与えることが分かったのである。

【上記グラフの各項目の和訳】
グラフタイトル:リンク元のドメイン数
縦軸のタイトル:リンク元のドメイン総数
横軸のタイトル:Googleの順位

Googleは、あなたのページを支持する、複数の”異なったサイト”を確認している。そして、より多くのドメインがあなたのページヘリンクを張っていれば、より多くの支持をあなたのサイトが獲得していると、Googleが認識するのである。

事実、ユニークなリンク元のドメイン数は、我々が今回行った調査の中で、最も相関関係が強い要素であった。

重要なポイント:異なったグループのドメインからリンクを獲得することは、SEOにとって非常に重要な項目である。

オーソリティーのあるドメインは、
Googleの検索結果で上位に表示される傾向がある。

驚くことではないが、Webサイト全体のリンク・オーソリティー(Ahrefsのドメイン・レーティングを使用して測定)はGoogleの順位との強い結び付きがある。

【上記グラフの各項目の和訳】
グラフタイトル:ドメインのリンク・オーソリティー(Ahrefsnoのドメイン・レーティング)
縦軸のタイトル:ドメイン・レーティングの平均
横軸のタイトル:Googleの順位

Webサイト全体のオーソリティーは、ページのオーソリティーよりも、ランキングとの強い相関関係があった。

言い換えれば、該当のページのあるドメインの方が、ページ自体よりも重要であるということだ。

重要なポイント:あなたのサイトへのリンク数が増加することで、あなたのサイト内の”別ページ”のランキングが上昇する可能性がある。

包括的で、トピックを深掘りしたコンテンツを作成することが、ランキング上昇を導く可能性がある。

SEOの初期の時代は、Googleはページ内に記述されているキーワードを見ることによって、ページのトピックを判断していた。

ページ内に該当のキーワードが〇〇回出現していれば、Googleはそのページが該当のキーワードについて書かれているものだと判断していた。今日では、ハミングバード・アルゴリズムのおかげで、Googleは全てのページのトピックを理解することができている。

例えば、”バック・トゥ・ザ・フューチャーの監督は誰?”と検索した場合、

Googleは”バック・トゥ・ザ・フューチャーの監督は誰?”というキーワードを含んでいるページを探すわけではない。

Googleは質問の意味を理解しており、適切な答えを提供する。

あなたが想像している通り、この事実は、我々がSEOのためにコンテンツを最適化する方法へ大きな影響を与えている。理論的には、Googleは特定のトピックを深掘りした記事を好んでいるはずなのだ。

しかし、データはこの考えに賛同してくれているのだろうか?

この疑問に答えるために、我々はMarketMuseを使用し、”トピックのオーソリティー”を調査するための10,000のURLを分析した。

そして、包括的なコンテンツが、内容の浅いコンテンツよりも、明らかに高順位に表示されることを明らかにした。

【上記グラフの各項目の和訳】
グラフタイトル:コンテンツのトピック・オーソリティー(MarketMuseによるデータ)
縦軸のタイトル:トピックの範囲
横軸のタイトル:Googleの順位

これは非常に興味深いことだ。しかし、Googleが包括的であると判断するコンテンツを、どのようにして作成すればいいのだろうか?

これを明らかにするため、我々のデータセットから2つの例を挙げてみよう。

最初の例は、Bush Gardendsが入園パスの期間を延長するというDaily Pressの記事だ。

このページは、1ページ目に表示されるための、よく知られたポイントを掴んでいる。例えば、このページはtitleタグとH1タグにキーワードを使用している。また、ドメイン(Dailypress.com)のオーソリティーは非常に高い。(Ahrefsのドメイン・レーティングは64)

しかしながら、このページの該当のキーワード(Busch Garden fun card)の順位は10位である。

この低順位の原因の一部は、該当のページのトピック・オーソリティーのスコアが低いためだと思われる。

対象的な例として、バリ風サテソースの作り方についてのページを例に挙げよう。

このページはサテソースについての豊富な情報を提供している。このコンテンツは、インドネシアにおけるサテソースの歴史についての記述があり、サテソースがどのように使用されているかに触れ、レシピや栄養素についての情報も提供している。

このページ内に”インドネシア サテ ソース”という記述はどこにもないが、このキーワードで1ページ表示を獲得している。

この理由の説明として、このページが”インドネシア サテ ソース”というトピックに対しての高いオーソリティーを獲得していることが挙げられるだろう。

重要なポイント:包括的で、掘り下げたコンテンツを作成することが、Googleでの上位表示の助けとなるだろう。

長文のコンテンツは、短文のコンテンツよりも、
Googleの検索結果で上位に表示される。

長文のコンテンツは、200単語程度のブログ記事よりも、上位に表示されるのだろうか?

こちらを明らかにするために、我々は自身のデータを分析してみることにした。

データから異常値(51単語以下のページと9999単語以上のページ)を除外した後、我々が発見したことは、長文のコンテンツは、短文のコンテンツよりも、明らかに順位が良いということであった。

【上記グラフの各項目の和訳】
グラフタイトル:コンテンツの単語の総数
縦軸のタイトル:単語数
横軸のタイトル:Googleの順位

我々の分析結果によると、Googleで1ページ目に表示されているコンテンツの平均単語数は、1,890単語であった。

以前行われた検索エンジンのランキング要素についての調査でも、より長いコンテンツがGoogleでは上位に表示される、という結果が出ている。

この相関関係は、長文のコンテンツはより多くのソーシャルシェアを獲得するという事実に基づいている可能性がある。もしくは、Googleがそもそも長文の記事を好む傾向があるからなのかもしれない。

その他の可能性として、長文のコンテンツはトピックへの関連性を高めることが挙げられる。その結果、Googleがあなたのコンテンツのトピックに対する理解を深めることになる。

また、長文のコンテンツが上位表示されるという事実は、優れたコンテンツを作成しようとする姿勢が、単純に結果として表れているだけとも考えられる。今回の調査は、相関関係を明らかにする調査だ。そのため、長文のコンテンツが検索結果で上位に表示される単一の原因を特定することは、不可能である。

しかしながら、我々のデータを分析し、実際の順位と照らし合わせてみると、長文のコンテンツはSEOにとって最適な手法であることは明らかであるようだ。

重要なポイント:Googleの検索結果において、長文のコンテンツは、短文のコンテンツよりも、上位に表示される。Googleの検索結果の1ページ目に表示されているコンテンツの平均単語数は、1,890単語であった。

HTTPSは上位表示と、多少、相関関係がある。

昨年、GoogleはWebマスターに対し、自身のサイトをHTTPSに対応するよう呼びかけた。また、HTTPSを”ランキング要素“とすることも発表した。

我々のデータは、この事実をどう反映しているのだろうか?

非常に強い相関関係は見られなかったが、HTTPSとGoogleの検索結果の1ページ目の順位との間に、相関関係が見られた。

【上記グラフの各項目の和訳】
グラフタイトル:HTTPSの適用
縦軸のタイトル:HTTPSのドメインの割合
横軸のタイトル:Googleの順位

この事実は、あなたが自身のサイトをすぐにでもHTTPS対応にすべきだ、という結論を導くものなのだろうか?明らかに、その判断はあなた自身にゆだねられている。しかし、HTTPSへの対応は、非常に慎重に行うべきプロジェクトであり、技術的に深刻な問題を引き起こしてしまう可能性がある。

HTTPSへの対応を取り掛かる前に、Googleによるこれらのガイドライン(日本語はこちら)を参照すべきだろう。

重要なポイント:HTTPSとランキングとの間に強い関連性が認められないため、また、HTTPSへの対応は大掛かりなプロジェクトとなるため、単純にSEOのためだけに、HTTPSへの対応を行うことを我々は推奨しない。しかし、サイトを新規で立ち上げる場合は、初めからHTTPSに対応することが望まれる。

Schemaのマークアップとランキングには関連性は見られない。

SchemaのマークアップとSEOについての議論はずっと行われてきた。

その内容は、こういったものだ。

Schemaをマークアップすることにより、検索エンジンはあなたのコンテンツの内容をより深く理解することができるようになる。この、より深い理解が、検索エンジンがあなたのサイトをより多くの人の目に触れるようにする、というものである。

例えば、<name> という構造化データのタグを使用することで、”Star Wars”という単語を記述した際に、一般的なフランチャイズではなく、オリジナルの映画タイトルについて言及していることを、Googleが理解できるようにさせるのだ。

もしくは、Eコマースサイトの場合では、Schemaを使用することで、商品の評価を表示することが可能となる。

こうした事柄の全てが、ランキング上昇の手助けとなる”はず”、とされている。実際に、Googleのジョン・ミュラー氏は、将来的にGoogleが構造化データをランキング要素として用いる可能性をほのめかしている

しかしながら、我々の分析によれば、構造化データの使用の有無はGoogleの順位と関連性がないことが明らかになっている。

【上記グラフの各項目の和訳】
グラフタイトル:Schemaの有無
縦軸のタイトル:検索結果内の割合
横軸のタイトル:Googleの順位

重要なポイント:構造化データをサイトにマークアップするのは自由だ。しかし、ランキングに影響があることは、期待しないほうがよい。

短めのURLの方が、長めのURLよりも上位に表示される傾向がある。

オン・ページSEOの施策の1つとして、私はよく、短めのURLを使用することを薦めている。

なぜだろうか?

これには2つの理由がある。

まず、”backlinko.com/my-post”のような短いURLは、”backlinko.com/1/12/2016/blog/category/this-is-the-title-of-my-blog-post”のような長いURLよりも、Googleにとって理解がしやすいからである。

実際、マット・カッツ氏によれば、URL内の5単語以降の単語について、下記のように述べている。

“(Googleの)アルゴリズムは、こうした単語についてはあまり重要視しておらず、それほど大きな信頼は寄せていない”

我々のデータは、この言葉を裏付けている。

【上記グラフの各項目の和訳】
グラフタイトル:URLの長さ
縦軸のタイトル:平均文字数
横軸のタイトル:Googleの順位

幸運にも、このアドバイスは実践しやすい内容だと言えよう。新しいコンテンツを公開する場合、URLは短く、魅力的なものにしよう。

WordPressを使用しているのであれば、パーマリンクの構造を、”投稿名”に設定しておくとよい。

そして、新しい記事を作成するたびに、少量の単語を含むURLに修正しよう。

注意:新しいパーマリンクは、今後作成する記事にのみ適用するように設定しよう。既に投稿した記事のパーマリンクも変更した場合、SEOにおける非常に重大な問題が起こりかねない。

例えば、私が作成した” 21 Actionable SEO Techniques You Can Use Right Now(すぐに実践できる、21のSEOテクニック)”は、ターゲットキーワードをシンプルに含んだタイトルにしている。

もう1つの理由は、長いURLは、到達するまでにTOPページからの複数回のクリックが必要とされるからである。これは、通常、オーソリティの受け渡しが少なくなってしまうことを意味している。そして、オーソリティが低い場合、ランキングも低くなってしまうだろう。

例えば、BestBuy.comのiPadの商品ページのURLは、サイト内で最もオーソリティの高い、TOPページから非常に離れた位置にあることを示している。

重要なポイント:可能であれば短いURLを使用し、Googleが該当のページのトピックをより良く理解できるようにしよう。

少なくとも1つの画像があるコンテンツは、まったく画像がないコンテンツよりも、上位に表示される。
(しかし、多くの画像を使用することが違いを生み出すことはない。)

とある調査によれは、画像が豊富なページは、より多くのビュー数ソーシャル・シェアを生み出すということだ。

こうした事実は、コンテンツに多くの画像を含めることでシェアを促し、結果としてGoogleのランキングの上昇を導く、ということを意味しているのだろうか?

画像の使用がGoogleのランキングにどのような影響を与えるかを測定するため、ページのボディ内(ページ内のコンテンツ部分)の画像の有無を確認してみた。

我々のデータによると、コンテンツ内に最低1つでも画像が使用されていれば、まったく画像のないコンテンツよりもはるかに順位が良いことがわかった。

【上記グラフの各項目の和訳】
グラフタイトル:最低でも1つ画像を使用しているコンテンツ
縦軸のタイトル:(画像を使用している)ページの割合
横軸のタイトル:Googleの順位

しかしながら、画像の総数とランキングの関係性を調べたところ、相関関係は何も見当たらなかった。

つまり、ここが画像の使用とランキングにおける、収穫逓減のポイントと言えるだろう。

重要なポイント:画像をコンテンツ内に含めることは、全く含めないコンテンツよりも、明らかに良い。しかし、多くの画像を含めることが、ランキングに影響を与えることはない。

titleタグ内に(完全一致の)キーワードを含めることと、ランキングとの相関関係は小さい。

検索エンジンの初期の段階では、titleタグは非常に重要なオン・ページSEOの要素であった。

titleタグによって、ユーザー(と、検索エンジン)に、該当のページの全体的なトピックを伝えることができるため、titleタグ内に含まれる言葉は、長い間ランキングに非常に大きな影響を与えていた。

しかしながら、Googleがよりセマンティック検索に移行することで、それがtitleタグの重要性を低くさせているのではないか。我々は、この仮説を検証したいと思った。

調査の結果、titleタグ内のキーワードの使用は、ランキングとの若干の相関関係があることがわかった。しかし、その相関関係は、我々が予想していたよりもはるかに小さいものだった。

【上記グラフの各項目の和訳】
グラフタイトル:titleタグ内に含まれる(完全一致の)キーワード
縦軸のタイトル:検索結果内の割合
横軸のタイトル:Googleの順位

この結果は、Googleがあなたのページのトピックを理解するために、titleタグ内の完全一致のキーワードを見る必要がなくなっている、ということを意味している。

例えば、”list building(リスト 作成)”で検索した場合を見てみよう。

上記は上位6位の検索結果であるが、その内の3つ(1位表示も含む)が、titleタグ内に”list building”という完全一致のキーワードを使用していない。

この事実は、Googleが完全一致のキーワードから、セマンティック検索へを移行していることを反映していると言えるだろう。

重要なポイント:完全一致のキーワードをtitleタグ内に含めることは、ランキング上昇を導くこともあるだろう。しかし、セマンティック検索のおかげで、その影響力は過去と比べて低くなっているようだ。

読み込み速度の早いWebサイトは、読み込み速度の遅いWebサイトよりも、上位に表示される。

2010年以降、Googleはサイトの読み込み速度をランキングシグナルに使用することを明らかにした

しかし、我々は非常に気になっている。

サイトの読み込み速度は、どの程度、ランキングに影響するのだろうか?

我々は、100万ドメインの平均的な読み込み速度を分析するため、Alexaのデータを参照した。つまり、個々のページの読み込み速度を直接測定した訳ではない。ドメイン全体の平均的な読み込み速度を計測したのである。

そして、サイトの読み込み速度がGoogleのランキングと、強い相関関係があることを発見した。

【上記グラフの各項目の和訳】
グラフタイトル:平均的な読み込み速度
縦軸のタイトル:ミリ秒
横軸のタイトル:Googleの順位

繰り返しとなるが、これは相関関係の調査である。そして、サイトの読み込み速度を改善することは、SEOに対しても効果があると言うことはできる。

サイトの読み込み速度を高めることで、SEOに悪影響を与えることはないだろう。自身のサイトを高速化することは、理にかなったことと言える。

重要なポイント:読み込み速度の速いWebサイトは、Googleの検索結果の上位に表示されることになるようだ。

より多くの被リンク=より高い順位。

(ソーシャルシグナルのような)検索エンジンが今日使用している、新しいランキングシグナルについての話題は尽きない。被リンク数の重要性は下がり続けている、と主張する者も多いだろう。

Googleが被リンク数をランキングシグナルに使用しているかどうか、非常に気になるところだ。

こちらを検証するため、AhrefsのAPIを使用し、対象となるサイトの各ページに向けられた被リンクの総数を測定した。

その結果、最も多い被リンクを獲得しているサイトが、Googleでは上位に表示されている傾向があることがわかった。

【上記グラフの各項目の和訳】
グラフタイトル:被リンクの総数
縦軸のタイトル:被リンクの平均数
横軸のタイトル:Googleの順位

Googleはアルゴリズムに様々な要素を追加し続けているが、被リンクは未だに重要なランキングシグナルであるようだ。

重要なポイント:被リンク数の多いページは、被リンク数の少ないページよりも、ランキングが上位になる傾向がある。

Googleのランキングは、ページ全体のリンク・オーソリティと、強く結びついている。

被リンクの総数に加え、別の疑問もある。

ページの全体的なオーソリティはランキングに影響するのだろうか?

多くのSEO担当者は、被リンクのと同様、被リンクのも重要であるという意見に同意するだろう。

言い換えれば、オーソリティのあるサイトからの1リンクが、品質の低い100サイトからの100リンクよりも効果が強いこともある、ということだ。

そして、我々のデータはこれを裏付けることとなった。

【上記グラフの各項目の和訳】
グラフタイトル:Webページのリンク・オーソリティ(AhrefsのURLレーティング)
縦軸のタイトル:URLレーティングの平均値
横軸のタイトル:Googleの順位

Ahrefsのリンク・オーソリティ(URLレーティング)によれば、オーソリティのあるページは、リンクオーソリティが低いページよりも、高順位に位置するようだ。しかし、この相関関係は、被リンク数における相関関係と比べ、相関の強さは低かった。

重要なポイント:ページにおける全体的なリンク・オーソリティは重要である。

完全一致のアンカーテキストは、ランキングに非常に大きな影響を与える。

Googleが2012年にペンギン・アップデートをリリースして以来、多くのSEO担当者は完全一致のアンカーテキストのリンクを構築することに反対してきた。しかし、幾つかの検索エンジンの調査によれば、アンカーテキストは未だに重要であることがわかっている。

これが、我々がアンカーテキストは未だに重要なランキングシグナルであるかどうかを、調査したいと思った理由である。

我々の調査によると、完全一致のアンカーテキストは、ランキングと非常に強い相関関係があることがわかった。

SEOの初期の段階では、完全一致のアンカーテキストでリンクを構築することは、非常に効果的なアプローチとされてきた。例えば、”online flower delivery(オンライン 花 配達)”というキーワードで上位表示を獲得したい場合、下記のようなアンカーテキストのリンクを構築することが重要であった。

しかし、Googleはこうした慣習を取り締まる目的で、ペンギンアップデートをリリースしている。そのため、未だにランキングにおける重要な要素であるという事実がありながらも、我々は完全一致のアンカーテキストでリンクを構築することを薦めていない。

重要なポイント:完全一致のアンカーテキストによる被リンクは、ランキングと強い相関関係がある。しかし、その危険性から、リンク内の完全一致のアンカーテキストによるリンク構築をSEOの施策に含めることを、我々はお勧めしない。

低い直帰率は、Googleの検索結果における高順位と、強い関連性がある。

多くのSEO担当者は、Googleが”ユーザー体験のシグナル”(直帰率、サイト内滞在時間、検索結果画面のクリック率など)をランキング要素に使用しているのではないか、と疑っている。

こちらを検証するために、我々は10万のWebサイトを対象とし、SimilarWebを使用した分析を行った。

直帰率、サイト内の滞在時間、検索結果画面におけるクリック率、の3つのシグナルを分析している。

その結果、我々は低い直帰率が、検索結果の上位表示と、強い相関関係があることを発見した。

【上記グラフの各項目の和訳】
グラフタイトル:直帰率
縦軸のタイトル:ドメイン評価の平均
横軸のタイトル:Googleの順位

注意していただきたいのは、我々は低い直帰率が高順位の”理由”となっていると主張しているわけではない、ということだ。

Googleは直帰率をランキングシグナルとして使用している可能性はある(以前、Googleはこれを否定しているが)。もしくは、高品質なコンテンツがユーザーを長い時間とどまらせている、といったことに過ぎないかもしれない。それゆえ、低い直帰率は高品質なコンテンツの副産物であり、Googleがそれを測定している、ということになるだろう。

今回の調査は相関関係の調査であるため、我々のデータ単体から結論を出すことは不可能だろう。

重要なポイント:Googleは直帰率をランキングシグナルとして使用しているかもしれない。しかし、これは相関関係の調査であり、因果関係を表すものではない。

まとめ

今回の調査に協力していただいたパートナーに、大きな感謝の意を示したい。 SEMRushAhrefsMarketMuseSimilarWebの協力により、今回の調査が可能となった。

さらに、ClickStreamのエリック・バン・バスキック氏(プロジェクト・ダイレクター)、ザック・ルセル氏(リード・デベロッパー)、クィ・ハオ氏(ヘッド・データサイエンティスト)からの協力に対しても、大きく感謝したい。

また、我々がどのようにしてデータを集め、分析したかについて詳しく知りたい場合は、今回の調査方法をまとめたリンクを掲載しておくので、そちらを参照してほしい。

そして、私は皆様からの感想を聞きたいと思っている。どんな調査結果が、あなたに驚きであっただろうか?(もしくは、驚きではなかっただろうか?)もしくは、我々の調査について、なんらかの質問があるだろうか?

下記にコメントを残し、ぜひ、我々に伝えてほしい。

この記事は、BACKLINKOに掲載された「We Analyzed 1 Million Google Search Results. Here’s What We Learned About SEO」を翻訳した内容です。

非常に多くのデータを分析した調査でしたが、もちろん、”誰も知らない裏技的な要素”が発見されたわけではありません。順位へ影響する多くの要素がGoogleが注視している要素であり、また、Googleが掲げるベストプラクティスが実際のベストプラクティスにどんどん近づいていることを裏付けているとも言えます。世界全体の検索から考えればほんの一部であり、海外のデータを使用しているため、日本で運営している自身のサイトの状況と完全に一致するものではないかもしれません。長文コンテンツの優位性や、完全一致のアンカーの影響度など、文字面だけでは誤った解釈になってしまう要素もあるため、そこは注意するべきですね。兎にも角にも、非常に興味深い調査でした。ブライアン氏の記事は今後も掲載していく予定ですので、ご興味のある方は、ぜひ、ご確認いただければと思います。– SEO Japan

続きを読む BACKLINKOによるランキング要素の大調査!100万の検索結果を分析してわかったこと。

Firefox 44がリリース、やっと本格的なプッシュ通知を実装

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Mozillaが今日(米国時間1/26)、 WindowsとMac、LinuxおよびAndroid用の、Firefoxブラウザを、アップデートした。今回のハイライトは、そのデスクトップブラウザに、Webからのプッシュ通知を実装したことだ。

Firefoxはこれまでも、いろんなタイプの、Web上の通知をサポートしていたが、それらはいずれも、当のサイトを常時開いている必要があった。しかし今回の実装は、ネイティブの通知に似ていて、モバイルの通知のように動作する。通知はオプトインなので、FirefoxのControl Centerでin/outを管理できる。

Mozillaが適切に説明しているように、この機能は、“Webメールや天気予報、ソーシャルネットワーク、ショッピングなど、ユーザがアップデートを頻繁にチェックするようなWebサイトで重宝する”。

なお、Googleは昨年すでに通知を実装しており、Facebookなどもそれをすぐに採用した

デベロッパとしてFirefoxのプッシュ通知をサイトに導入したい人は、Mozillaが発表した詳しい実装ガイドを勉強しよう。

今回はこの改良されたプッシュ通知がいちばん目立つ機能だが、ほかにもいくつかの変わった箇所が(とくに内蔵のデベロッパツールに)ある。デスクトップバージョンのリリースノートの全文はここにあり、Android用はここにある。

[原文へ]。
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

Apple TVとApple WatchはQ2に絶好調だった(らしい)

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火曜日(米国時間1/26)の取引終了後、Appleは四半期決算を発表し、184億ドルの利益を記録した。

リリース文からは、iPhoneが7480万台販売され、アナリスト予測とほぼ一致したことが容易に読み取れるが、Appleの「その他」カテゴリーは、具Apple WatchとApple TVが実際に何台売れたかを知るのを難しくしている。

われわれにわかるのは、「その他」カテゴリーの買巡43.5億ドルが大きく伸びた結果であることだ ― 年間62%成長しただけでなく、前四半期からも43%伸びている。これは、Apple Watchが新発売された4月以降に急な売上増があったことを意味している。あるいは、ホリデーセールの増加や、人気の第4世代Apple TVのためかもしれない。BeatsのヘッドホンやiPodもこの「その他」に含まれている。

具体的な販売数値は明らかにしなかったが、CEOのTim Cookは決算会見で、「Apple TVにとって圧倒的に最良の四半期だった」と話した。現在Apple TVにはアプリが3600種類あると彼は言った。

さらにCookは、同社が「Apple Watchの販売で四半期記録を立てた…特に12月」と話した。AppleはApple Watchの具体的な販売台数を公開したことがない。

「その他」の数字を見て、Asymcoのアナリスト、Harace Dediuは彼のApple Watch予測を修正した。

[私の推定では、Watchの四半期販売台数は550万台、累計で1240万台]

彼はデバイス別に推定したこのグラフも見せた。

アナリストらによるApple Watchの販売台数は大きくばらついている。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Apple、Q1のiPhoneは前年比わずか0.4%増の7500万台

A customer tries out the new Apple iPhone 6S at an Apple store on Chicago's Magnificent Mile, Friday, Sept. 25, 2015, in Chicago. (AP Photo/Kiichiro Sato)

Appleは今日(米国時間1/26)のQ1決算発表で、iPhone 7480万台、iPad 1610万台、Mac 530万台を販売したことを報告した。

Appleの第1四半期は2015年12月末締めで、ホリデーシーズンを含んでいる。これは同社にとって年間最高の四半期になるはずであることを意味している。加えて、iPhone 6sとiPhone 6s Plus9月25日に発売されたことから、Appleの次世代旗艦端末が同四半期フルに販売されたことになる。

昨年の同時期、Appleは7500万台近くのiPhoneを売り、対前年比57%の売上成長を示した。今期のiPhone販売7480万台は、年間売上成長でわずか1%、販売台数ではわずか0.4%の成長だった。

対前四半期比でみると、Appleは前期の4800万台より56%多くのiPhoneを販売した。

Appleは第1四半期に7500万台以上のiPhoneを売ると予測されていた。これは四半期中アナリストらが特に注目してきた数字だった。多くの人々は、8年近い連続成長を続けてきた iPhoneがついに下り始めることを恐れていた。

一方、AppleはiPad製品ラインの育成ではさらに苦労している。同社は第1四半期に1610万台のiPadを販売し、対前年比25%減だったが、前四半期からは63%増だった。

ちなみにAppleは新製品のiPad Proを11月11日に発売しており、四半期の約半分の期間販売された。

Appleのタブレット端末の販売は下降が続いている ― 昨年同期、AppleはiPadを2100万台販売しており、対前年比18%の減少だった。

今はPC業界全体が下降を続けているが、Appleも例外ではない。

Macの販売台数は530万台で、前年から4%減少した。

今期のiPhoneは絶好調とは言えなかったが、Appleの財務状況は依然として卓越しており、単一四半期で760億ドルの売上を記録した

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Apple、四半期売上で予測を越えるも、iPhone販売は不達

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それはAppleにとってこの上なく重要な四半期だった。そして、彼らはほぼ投資家の期待に沿ったようだ ― ただし、第2四半期に向けて同社初の売上減少の可能性も秘められている。

Appleは、第1四半期に売上759億ドル、1株当たり利益3.28ドルを記録した。これは売上におけるAppleの四半期記録だが、アナリストの予測にはわずかに届かなかった。アナリストは、1株当たり3.23ドル、売上766億ドルと予想していた。

Appleは第1四半期に7480万台のiPhoneを売ったが、アナリストの予測は7500台だった。前の四半期にAppleは7450万台のiPhoneを出荷しており、これはiPhoneの売上成長が壁に当たった可能性を意味している。これには複数の要因が考えられるが ― 中国での成長の鈍化、飽和点に達した等 ― 何であれ、主要な成長エンジンのスピードは落ちているようだ。

これはiPhoneの売上としてはわずかな不達だが、同社のQ2予測を注意深く見ている人々にとっては大きい数字だ。アナリストは557億ドルと予測しているが、AppleはQ2の売上を500~530億ドルと見込んでいる。昨年の第2四半期に、同社は580億ドルの売上を記録した ― 即ちAppleの次の四半期は、最近の記憶にある限り初めてのマイナス成長となる可能性がある。株価は時間外取引でも横ばいを続けており、これは第2四半期の弱気の将来予測をアナリストがすでに織り込み済みだったことを意味している。

これはAppleにとって一大事だ。iPhoneは同社にとって常に主要な成長因子であり、iPadの売上が停滞する中、もしこのエンジンが減速するようなら、将来の業績にとって良くない前触れだ。実際、成長エンジンが飽和点に達することは不可避である。しかしAppleは2007年のiPhone発売以来、これを維持し続けている。

AppleはiPadを1610万台販売し、これも予測を下回った。Macの売上は530万台で、アナリスト予測に届かなかった。いずれも、昨年の第1四半期より減少している。既に停滞しているiPadの売上に、iPad Proがどう寄与していくのはまだわからない。

AppleがVRに参入する可能性に関する噂に関して、興味深い指摘がある。CookはVRを「ニッチ」とは考えていない、と語った。「実にクールで、面白いアプリケーションもいくつかある」。

AppleはiPhoneの販売では今もお札を刷っている状態だが、Apple WatchやiPad Proなどの新しいハードウェアで製品の多様化をはかっている。Appleは「その他」カテゴリーで43.5億ドルを売上げており、そこにはApple WatchsとApple TVが含まれている。

AppleのQ1末時点の保有現金は2160億ドルだった。「わが社のバランスシートは究極の状態」とCookは会見で語った。

為替レートは同社にとって引き続き向い風であり、Appleが決算発表で具体的にそれを指摘したほどだ。売上への影響は50億ドルに及ぶと同社は言った。実際、Cookは電話会見の最初にこの言葉を口にした ― 併せて国際経済が直面する他の主要問題も。同社売上の2/3は米国以外からもたらされており、外国為替はAppleにとって強い向い風であるとCookは言った。

「どこを見ても極端な状態が起きている。ブラジル、ロシア、日本… いずれの市場も経済成長の鈍化や物価の下落あるいは通貨の弱体化に影響されている」とCookは言った。「中国はやや取り戻しつつあり、香港は特にそうだ」

今年の株価の動きを踏まえると、Q1はAppleにとって極めて重要な四半期だった。つまるところ、2015年はApple株にとって良い年とは言えなかった。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

完全審査制のビジネス向けマッチングアプリyentaは、人工知能が毎日おすすめユーザーを10名紹介

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ウェブ業界の仕事に特化した求人サイトGreenやユーザーのソーシャルデータを解析し、人工知能で企業と採用候補者をつなぐサービスTalentBaseを運営しているアトラエは、本日新たに完全審査制のビジネスパーソン向けマッチングアプリ「yenta」をリリースしたことを発表した。2015年12月からプライベートベータ版を展開していたが、本日から東京23区で会えるユーザーならyentaに登録することができるようになる。

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yentaを使うにはユーザーはまずFacebookでログインし、審査を待つ。審査を通過したユーザーは会いやすい地域(例えば、渋谷や新宿)、職歴と職種、学歴、自己紹介文を入力すると、毎日昼の12時に人工知能が導き出した相性の良いユーザー10名が紹介される。会いたいと思った場合は右にスワイプし、そうでない場合は左にスワイプする。男女のマッチングアプリではお馴染みのインターフェイスだ。マッチング結果はリアルタイムではなく、夜の8時にまとめて届く。これはマッチングを判断する時間とマッチング後のメッセージのやりとりの時間を分けることでユーザーの負荷を減らすと共に結果が届くのを待つちょっとしたわくわく感になることを期待しているとアトラエの取締役を務める岡利幸氏はTechCrunchに話した。

「yenta」とは英語で口うるさい女性を指す言葉で「おせっかいおばさんが会いたい者同士をつなげるようなイメージのサービス」と岡氏は説明する。yentaはTalentBaseの人工知能を活かしていて、ユーザーのFacebookの投稿内容、プロフィールデータ、興味関心からユーザー同士の相性を判断しているそうだ。

yentaが完全審査制を取っているのは、刺激ある出会いを提供するためと岡氏は言う。yentaは技術審査とアナログ審査を行っているという。技術審査では人工知能が既存のユーザーベースからどれだけそのユーザーに会いたいという関心が集まるかを予測し、一定数を超えれば通過となる。アナログ審査では担当者が内容をチェックしていて、例えばヘッドハンターばかり増えないようバランスを保つために行っているという。また、不審なユーザーがいたら簡単に通報できるなどの工夫を施し、安全面に気を配っているそうだ。

2015年12月にプライベートベータでサービスを開始してから、今では350名ほどの登録者数でマッチングの合計件数は3000件に上るという。マッチングアプリでマッチングの成立と同時に重要なのは、マッチング後にユーザー同士がメッセージを交換して実際に出会うことだ。メッセージ交換に抵抗感のあるユーザーもいるが、1回メッセージの送受信を経験をすると抵抗感が減って次回から活発にメッセージを送るようになり良い循環が生まれていると岡氏は言う。yentaのユーザーは主にランチやお茶、オフィス訪問でつながっているそうだ。

もう1つyentaの特徴は、Facebookで既に友達同士のマッチングも行える点だ。アプリの「友人・知人」ボタンから人工知能が既存の友達をレコメンドする。「1回しか会ったことがない友人や飲み会で初めて会った知人など、きっかけがないとまた会う機会がなく、仲を深められないことがあります」と岡氏は言う。yentaは新たに人脈を広めること、そして既存のつながりとも仲を深めることの両方を担うと説明する。

海外にはWeaveといったビジネスパーソン向けのマッチングアプリが既に存在するが、ログインにはLinkedInのアカウントが必要であり、日本の市場にはやや不向きだと岡氏は指摘する。元Googleの開発者が率いるAccompanyという会社が既存連絡先との関係性を維持するサービスを開発しているがまだローンチしていない。今のところyentaと似たアプリでしっかりと作りこんであるものは少なく、アメリカ市場への参入の余地もあるかもしれないと岡氏は話す。しかし、まずはユーザー数が増加しても良い出会いを最大化できるようにすることが最初のミッションと岡氏は話す。

マッチングではないが日本のビジネスパーソン向けサービスとして頭に思い浮かぶのは、名刺管理のSansanやソーシャルリクルーティングサービスを提供するWantedly辺りだろうか。Sansanは企業やそこで働いている人を検索して名刺交換を依頼し、メッセージをやりとりすることができる。Wantedlyでは求人情報やビジネスパーソンを探してつながることが可能だ。これらのサービスはインターネット上でビジネスパーソンがつながる新たな方法を提案してきた。yentaのアプリでは人工知能でビジネスパーソンの出会い方や関わり方の効率化を試みる。デートアプリの普及で男女の出会い方やコミュニケーション手段が変わってきたように、ビジネスパーソンの出会い方やその後の関わり方も徐々に変わってきているようだ。

yentaのiOSアプリはこちらからダウンロードできる。

労務管理クラウド「SmartHR」運営のKUFUが資金調達、あわせて社労士法人を立ち上げ

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2015年11月に開催したイベント「TechCrunch Tokyo 2015」。その目玉企画である、創業3年未満・サービスローンチ1年未満のスタートアップ限定のプレゼンコンテスト「スタートアップバトル」で優勝したKUFU。労務クラウドサービス「SmartHR」を提供する同社は1月27日、East VenturesおよびDGインキュベーション、Beenextの3社を引受先とする第三者割当増資資を実施したことをあきらかにした。金額や出資比率は非公開だが、数千万円程度と見られる。同社は今回の調達をもとに開発やサポートの体制を強化する。

またKUFUではこれにあわせて、SmartHRの運営に携わる社会保険労務士(社労士)の 海野慶子氏が「社会保険労務士法人スマートエイチアール」を立ち上げたことを明らかにしている。

これまでにも紹介している通りだが、SmartHRは社会保険や雇用保険など、労務に関わる手続きを自動化するサービスだ。各種の手続きに応じて、画面上のフォームに必要事項を入力していけば、書類を自動作成できる。総務省が提供する電子政府「e-Gov」の外部連携APIと連携することで、今冬にもウェブから役所への申請も可能になる予定だという。料金は従業員数にあわせて月額980円から。以前、サービス開始から3カ月半の導入企業数が200社以上と聞いていたのだが、現在その企業数は480社にまで増加。売上も月次約170%のペースで成長しているという。

例えば税務会計ではfreeeやMFクラウド会計といったクラウドサービスが登場し、税理士がこれらのサービスに対応していくという動きがあるようだが、SmartHRの登場によって、社労士でも同様の動きがあるという。つまり、社労士の仕事を奪うのではなく、社労士の仕事をクラウドサービスでサポートするということだ。実際従業員数50人以上の企業の多くが社労士とアカウントを共有してSmartHRを利用しているという。

KUFU代表取締役の宮田昇始氏によると、最近は社労士から「社労士事務所向けの管理画面を作って欲しい」という要望も届くのだそうだ。最近ではサポートにも注力しており、実績をサイト上で公開するなどの取り組みも行っている。また社労法人スマートエイチアールでは、社会保険労務士の視点からSmartHRの導入を支援していく。今後はKUFUと協力してSmartHRの改善を図っていくほか、社労士向けの機能の提供も進める。

KUFUでは今後、SmartHRで対応する手続きを拡充。さらに人事情報管理システムの強化を進める。同社は2016年内に3000社、2017年内には2万社の導入を目指すとしている。

人工知能とコンピュータ科学の父、マービン・ミンスキー、88歳で亡くなる

2016-01-27-marvin-minsky

マービン・ミンスキーは真のパイオニアであり、常に同時代より一歩先を考えていた。ミンスキーが人工知能とコンピュータ科学の父であったことは誰もが認めるだろう。思慮深い科学者であり、コンピュータ科学者たちを何世代にもわたって鼓舞してきた。

ミンスキーは2016年1月24日、88歳で脳出血のため亡くなった

ミンスキーは1927年、ニューヨークで生まれ、ハーバードとプリンストンで数学を学んだ後、1958年にMITで教職に就いた。1981年にNew Yorkerが掲載した素晴らしいインタビューで、ミンスキーはこの当時のことを回顧してこう述べている。

遺伝学も面白そうだった。当時、遺伝がどのようにして起きるのか詳しいことは誰も知らなかったからね。しかし私の求めるような深遠さがあるのかどうか懸念があった。その点、物理学は深淵であり、しかもその問題は解決可能だった。物理学もなかなかいいと思った。しかし知能の問題はほとんど絶望的なまでに深淵に思えた。私が人工知能以外の分野の専門家になろうと考えたことはないと思う。

ミンスキーは1950年に人工知能の研究を始めている。パソコンやインターネットが発明されるはるか以前のことだ。ミンスキーはMITでジョン・マッカーシー ,とともに人工知能グループの共同創立者となった。LISP言語の開発者として知られるマッカーシーもまた人工知能の偉大なパイオニアであり、「人工知能(Aartificial Intelligence)」という言葉を発明したのはマッカーシーだった〔2011年に84歳で逝去〕。

「しかし知能の問題はほとんど絶望的なまでに深淵に思えた。私が人工知能以外の分野の専門家になろうと考えたことはないと思う」

—マービン・ミンスキー

1951年にミンスキーはハードウェアによるニューラルネットワークを利用した機械学習デバイスを作った。確実なことを言うのは難しいが、世界で最初の自己学習する人口知能であった可能性は高い。

ミンスキーはコンピュータ科学だけでなく認知科学全般の発達にも絶大な影響を与えた。ニューロンは半自動的kに組織化される脳内リレーであり、そういうものとしてコンピュータのような機械にごく近いものとミンスキーは考えた。1960年にミンスキーは人工知能への歩み(Steps Toward Artificial Intelligence)という記念碑的論文を書き、人工知能実現への道筋を示した。

ある意味で、コンピュータは命じられたことしかできない。しかしある問題について、その正確な解決方法がわからなくても、われわれは機械に解決方法を検索するよう命じるプログラムを書くことができる。さまざまな解決方法の試みの巨大な空間を検索するわけだ。残念ながら、われわれがすぐに思いつくような当たり前のプログラムでは、検索のプロセスは驚くほど非効率なものになってしまう。パターン認識手法を用いれば、 コンピュータの作動を適切と思われる方向のみに制限することにより、プロセスを劇的に効率化することできる。また学習については、それ以前の体験を記憶し、参照することで検索を方向づけ、効率を改善することに役立てる〔ことと定義できる〕。 現実の状況を分析するにあたり、われわれがプランニングと呼ぶ手法を用い、探索をより適切な小さい範囲に限定することにより機械の作動は本質的な改良を受ける。最後に、 帰納的推論(Induction)の項で、われわれは知能機械を現実に得るために必要な広汎なコンセプトを検討する。

つまりミンスキーはコンピュータは単に「命じられたことを実行する」だけの機械ではなく、そうした枠をはるかに超える存在だと確信していた。こうしてミンスキーは後に人工知能と呼ばれるようになる分野を理論化し、プログラムを書き始めた。これは文字通り革命的な仕事だった。

コンピュータは20世紀が生んだもっとも可能性に富む機械だといえる。間違いなく、人工知能は21世紀に社会を根本的に変える最大の要素となるだろう。こうした変革をその最も早い時期に研究し始めたのがミンスキーだった。

ミンスキーは1957年に共焦点顕微鏡という有用な装置も発明している。ピアノをよく弾き、哲学者でもあり、優れた文筆家でもあった。またスタンリー・キューブリックの名作、 2001年宇宙の旅のテクニカル・アドバイザーを務めた。しかし、もっとも重要な点は、ミンスキーが当時生まれたばかりのコンピュータ科学に圧倒的な影響を与えたことだ。ミンスキー以後、コンピュータは単に命じられた作業だけをこなす「高速計算機」以上の存在になっていった。

画像: Steamtalks/Flickr UNDER A CC BY-SA 2.0 LICENSE

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

ピッツバーグ大学医学部、ソーシャルメディア依存と睡眠障害との関連性を指摘

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多くの人がネット上を流れる(くだらない)ビデオをついつい見続けてしまう日常生活を送る中、ピッツバーグ大学が「ソーシャルメディアは睡眠パターンに壊滅的ダメージをもたらす」という研究結果を発表した。

要するに、ソーシャルメディア依存の高い人は、依存度の低い人に比べて睡眠障害を招きやすい、とのことだ。こちらから、詳細な情報を確認することができる。

「ソーシャルメディアが睡眠習慣に影響を及ぼし得ることを確認した最初の調査です」と、今回の調査を行ったJessica C. Levensonは述べている。「さらに、最初のソーシャルメディア・ネイティブ世代について詳細な調査を行った最初のデータとなります」とのことだ。

実験参加者たちは1週間で61時間もソーシャルメディアに触れ、そのうち30%が「睡眠障害を経験した」のだとのこと。ここでいう睡眠障害とは、Instagramを眺め続けたり、FacebookやTwitterにコメントを投稿して睡眠時間が短くなってしまったことをいう。睡眠障害がさらにソーシャルメディアへの依存度を高めるという悪循環も見られるとのこと。調査は19歳から32歳のアメリカ人1788名に対して行われた。

「睡眠困難な状況が、さらなるソーシャルメディア依存を招くことがあります。そしてさらに重症な睡眠障害へと繋がっていくのです。ソーシャルメディアは反応することを前提にしており、さらに反応したりされたりすることで報奨を得ることができるようになっており、このことが睡眠を妨げる要因ともなっています」とのこと。

もちろん、この研究のみをもって、ソーシャルメディアが睡眠に悪影響を及ぼすと結論づけることはできないだろうと思う。ソーシャルメディアの利用を控えるべきだという結論は尚早ではある。ただしTwitterで知り合いの投稿を見続けることが、日常生活に何らかの影響を及ぼす可能性があるということは気にしておいて良いかもしれない。

原文へ

(翻訳:Maeda, H

GoPro、Periscopeとの連携を開始

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アクションカメラを作るGoProが、Periscopeと連携するようになった。PeriscopeとはTwitter発のライブストリーミング用アプリケーションだ。GoProのHERO4が、Periscopeを使ってダイレクトにビデオを配信できるようになったのだ。

使い方は簡単で、iPhoneとGoProをペアリングすると自動的にPeriscopeアプリケーションを認識する。すなわちこれだけで記録したビデオをライブ配信できるようになるのだ(もちろん後に再生してみるために保存しておくこともできる)。

サーファーやスキーヤーに大人気のGoProでは、昨年からPeriscopeの競合であるMeerkatでもライブ配信できるようになっている。またGoPro自身も本格的動画配信のためのHEROCastなるプロダクトも提供している。こちらはプロフェッショナル用途を視野にいれたワイヤレストランスミッターだ。

Twitterは今年になって、Periscopeでのビデオ配信を直接にTwitterフィードに流すことができるようにもしている。1000万を数えるPeriscope登録者のうち、どれだけがアクティブなのかはわからない。しかし公式アナウンスによれば、1日で40年間分のビデオがPeriscope上で視聴されているのだそうだ。

主にティーンの間でライブストリーミングは大いに人気を集めつつある。たとえばYouNowなども人気を集めているし、YouTubeやFacebookでもライブストリーミングが可能となっている。ライブストリーミングを可能とすることで、閲覧者が増える傾向があるようだ。

ちなみにTwitterとGoProは双方ともに「分岐点」にある。ライブストリーミングの力により、利用者を拡大したいと双方ともに考えているところだ。Twitter利用者数の成長率は大いに低下している。エグゼクティブが離職することになったとの発表をうけ、月曜日には過去最安値となる17.02ドルの株価を記録した。GoProの方もレイオフをアナウンスしてから株価は低迷している。

新たな試みをアナウンスする中、GoProは来週水曜日に収支報告が予定されており、Twitterの方も2月10日に報告会が予定されている。

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(翻訳:Maeda, H

Sonyはセルネットワーク利用のIoTを指向してLTEチップのAltair Semiconductorを買収

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Sony Corporationが今日(米国時間1/26)、Altair Semiconductorを2億1200万ドルで買収する、と発表した。元Texas Instrumentの役員三人がイスラエルで創業したAltairは、デバイスをLTEに接続するためのチップを作っていて、その技術はSonyの物のインターネット(IoT)ビジネスの開発を助ける。

LTEはスマートフォンだけでなく、フィットネストラッカーや家電など家庭用品、センサーなど、IoTのオブジェクトを接続するのにも使われる。今は電脳製品の多くがBluetoothやWi-Fiでネットに接続する場合が多く、それはどちらも、大量の電力を要しないからだ。LTEも低電力消費である点は同じだが、多くのデバイスを一度に接続できるので、企業で使うのに向いている。またLTEによるIoTデバイスの接続はキャリアのネットワークなどがすでに持っているインフラを使えるので、展開の費用対効果も大きい。

IoTにセルラーの技術を使おうとしている企業はほかにもあり、Altair買収によりSonyはそれらの企業と競合することになる。たとえばIntel, EricssonおよびNokiaはNarrow Band-LTE(NB-LTE)と呼ばれる技術で協働しているが、一方それによってHuaweiやVodafoneのNarrow-Band Cellular IoT(NB-CIoT)と競合している。

声明文の中でSonyは、Altairの現行の事業は継続し、そのほかにSonyのGlobal Navigation Satellite System(GNSS)や画像センサーとAltairの現代的なチップを組み合わせて、“セルラ接続のセンサー応用デバイスの新種を開発”していきたい、と言っている。

買収の完了は来月初頭と期待され、Sonyによると、それは2016年の同社の財務的結果に大きな影響を及ぼすことはない、という。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

インターネットトラフィックのモニタリングとルート最適化を助けるCedexisが$22Mを調達、ビデオブームが業績を後押し

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Cedexisは、大企業が自分たちのトラフィックの、サーバーからCDNへ、クラウドプロバイダーへ、そして最後に顧客に届くまでの、流れをモニタするタスクを助ける。同社は今日、Ginko Venturesが率い、FoxconnとNokia Growth Partners、Citrix Systems Venturesおよび同社のシリーズAの投資家Madrona VenturesとAdvanced Technology Venturesが参加するシリーズBのラウンドで、2200万ドルを調達したことを発表した。これでCedexisの総調達額は3300万ドルになる。

同社の本社はオレゴン州ポートランドにあり、現在はAccor Hotels, Airbus, Comcast, LinkedIn, Mozilla, Nissan, Shutterstockなどが顧客だ。同社によると、顧客数はほぼ1000社、ということだ。

Cedexisは多様なネットワーク管理機能やネットワーク最適化機能を提供している。それらの中でも核となるRadarは、クラウドソーシングによるリアルタイムの、クラウドとネットワークのパフォーマンスモニタリングツールだ。同社の顧客は、そのデータを見て、さまざまなプライオリティ(コスト、パフォーマンス、可利用性、これらのミックス)に基づき、トラフィックのルートを最適化する方針を決める。実際に最適化を行うツールが、CedexisのOpenMixサービスだ。顧客はCedexixのサービスを使って、いくつかの重要なパフォーマンス指標に現れた自分たちの意思決定のインパクトを測ることもできる。

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CedexisのCEO Scott Groutは次のように語る: “Cedexis Radarのコミュニティを100社近くにまで育て、その中にはTumblr, Microsoft, LinkedInなどの大物Web企業もいる。この急速に大きくなってきた市場を捉えていくために、営業とマーケティング努力を拡大したい”。

Groutによると、同社の新しいプロダクトであるビデオトラフィックの最適化ツール”Buffer Killer”も採用が増えており、これが2016年における、二つ目、または三つ目に大きいユースケースになりそうだ、と。

“Buffer Killerを作ったのは、従来型のWebサイトとモバイルアプリの両方の顧客から要望が多かったからだ。今ではほとんどの企業が、オーディエンスとのリッチなコミュニケーションを築くために、ビデオを積極的に使っている”、と彼は語る。“嬉しい驚きなのは、これまでの顧客と違ってビデオのデリバリを主とする企業がユーザとして増えていることだ。とくにPBSやViaPlay, StarzPlay, JadooTV, Viewliftなどが顧客になってくれたことは、大きいよね”。

新たな資金は企業規模の拡大と、グローバル展開、そして顧客の増加を加速することに充てていく。ということはもちろん、エンジニアリングとマーケティングと営業を急速に拡大していく計画なのだ。

[原文へ]。
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

ヤフー、バレンタイン関連キーワードの検索トレンドをインフォグラフィックで公開

バレンタイン、ひそかに心躍らせている男性もいるのでは?前回のクリスマスに引き続き、Yahoo! JAPANがバレンタインに関するキーワードの検索動向を調査し、その結果をインフォグラフィックで公開したので、ご紹介します。– SEO Japan

※画像をクリックすると、公開元サイト(Yahoo!マーケティングソリューション ブログ)に飛びます。

出典:検索キーワードで見るバレインタイン- Yahoo!マーケティングソリューション ブログ

2015年、「バレンタイン」というキーワードの検索数のピークは、PCでは前日の2月13日、スマートフォンでは2月14日でした。バレンタイン当日の検索キーワード(スマートフォン)で多かったものは、「生チョコ レシピ」「バレンタイン チョコ」「バレンタイン 画像」で、男女とも同じ。その他、「本命チョコ」というキーワードを検索しているユーザーの約4割を10代以下がしめるといった特徴がみられます。本命チョコの準備をしている様子が垣間見えてほほえましいですね。

男性がバレンタイン当日に「生チョコ レシピ」を最も多く検索しているということは、いったい何を表しているのか?前回のクリスマスと同じく、キーワード検索データからイベントの現状が垣間見えるのは、マーケターにとって有益な情報であり、普通に読んでみても面白いものです。 — SEO Japan