Amazon、衣服を試して気軽に返品もできる「プライム・ワードローブ」をアナウンス

アメリカのAmazonが、プライム会員向けに新たなサービスをアナウンスした。ファッション関連のサービスで、興味を引いたものをなんでもオーダーし、届いたものの中で気に入ったもののみを購入することができるというものだ。この新たなサービスの名前はプライム・ワードローブ(Amazon Prime Wardrobe)という。現在のところはベータ段階ではあるが、登録しておけば、サービス開始時に通知を受けることができる。

利用する際には、大人向けないし子供向けの、洋服・靴・アクセサリーなどの「ファッション」カテゴリーから3ないし15のアイテムを選択する。選択したアイテムは「ワードローブボックス」(Prime Wardrobe box)として送付される。まとめて送るにあたっての追加料金(ボックス費用など)はかからない。カルバンクライン、リーバイス、アディダス、セオリー、タイメックス、ラコステなどなど、ブランドも自由に選ぶことができる。

ワードローブボックスが届けば、7日間のうちに試着してみることができる。合わなかったり、気に入らなかったものは、送られてきたボックスに入れて送り返すことになる。返却用のボックスには、近くのUPSが発行したプリペイドラベルがついていて、集荷してもらったり、あるいは営業所に持ち込むことができる。ワードローブボックスで送られた商品の3ないし4つを購入すれば、購入金額は10%割引となり、5つ以上を購入するならば20%オフになる特典もついている。支払額はもちろん購入した商品についてのみで、追加の手数料などは一切かからない。プライムメンバーは追加料金なしで利用することができるのだ。

なお、これらの情報は「本日、Amazon Fashionはプライム・ワードローブをアナウンスしました。Amazonでのファッション商品購入に新たな魅力をもたらすものです。購入前に試してみることができるようになったのです」という、Amazonからの簡単なメールによりもたらされたものだ。

ファッション関連の商品が思った様子と違ったり、購入を後悔してしまうようなことはありがちなことだ。ZapposはAmazonが買収する前から返品システムを特徴のひとつとしてアピールしていた。Amazonは自らが揃える幅広いファッションアイテムについて返品システムを充実させることにより、より気軽に買い物を楽しめるようにしようとしているわけだ。送られた商品の多くを購入すれば、割り引くというサービスもおもしろい。利用者としては、少数のアイテムしか選ばない場合でも、UPSとのやり取り時間が増えるだけだ。comScoreのデータによれば、Amazonのファッションジャンルでの売上割合は、2013年の15.4%から2016年の17%に拡大中だとのことで、新たなサービスが大きな収益源として成長する可能性はある。

プライム・ワードローブと同様の返品サービスは、Stitch Fixなど多くのサービスが行なっていることだ。ただ、これまでの類似サービスに比べると、Amazonは(多くの男性がそうであるように)買い物に出かけるのがあまり好きでないという人をターゲットとして重視しているようだ。「おすすめアイテム」などを送って興味をもってもらうのではなく実際に関心をもったものを送るようになっている。ただ、プライム・ワードローブがうまくいくようならば、Stitch FixやTrunkClubなどのファンション関連アイテムのデリバリーサービスを買収して、サービス拡大に乗り出そうとするかもしれない。

とりあえずのところは、プライム・ワードローブの一番のウリはその簡単さにあるといえるかもしれない。手持ちのアイテムとちょっと違ったものが必要になった場合にも、Amazonの商品層の厚さや迅速な配達により、気になるものをすぐにオーダーしてみることができるようになる。気になったものの、結局気に入らなかったというような場合でも失うものは何もない。通販でファッションアイテムを購入することのリスクや面倒をできる限り減らそうとするサービスなわけだ。

「試着」が気軽ができるようになり、あるいはリアル店舗の魅力を薄めることにもなるかもしれない。自分に合わないものをオーダーしてしまっても気軽に返品できるわけで、Alexaを活用する幅も広がるかもしれない。

さらにいえば、プライム・ワードローブはAmazon Echo Lookとの親和性も高いものだといえる。全身写真で洋服の様子をチェックすることができるし、似合うかどうかをAIに判断してもらうStyleCheckアプリケーションなどを使って、購入判断をすることもできるだろう。すなわち、プライム・ワードローブはAmazonが扱うファッション関連サービスの拡大に大いに寄与するものとなる可能性もあるわけだ。

10年ほど前に、ジェフ・ベゾスは「2000億ドル企業になるためには、ファッションや食料品を充実させていく必要がある」と述べていた。すでに金額的には目標を上回っているわけではあるが、ファッション関連サービスを充実させることで、Amazonはさらなる成長を成し遂げようとしているわけだ。さらに、買収したWhole Foodsを活用して、ファッション関連アイテムの実店舗展開に乗り出すということもあるのかもしれない。

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(翻訳:Maeda, H

【ビデオ】今年のE3に来た人はモバイルゲームをどう思っているのか

スマートフォンはゲーム産業を劇的に変えた。私たちのポケットにあるコンピューターが進歩すると、モバイルのゲーム体験の満足感も大きくなるのだ。

Nintendoなどの企業は、ポータブルとデスクトップやゲーム専用機のゲームの、区別をなくそうとしている。Switchが、その試みの例だ。しかし同時に、そのほかの大手ゲーム企業は、モバイルのコンテンツをゲーム機やデスクトップ持ち込むことを、あきらめてしまった。

スマートフォンとタブレットは、カジュアルゲームの優勢が続いている。しかし相当な集中力を要するモバイルゲームが大きな社会現象にまでなったにも関わらず(Pokémon Goさん、あんたのことよ)、モバイル上のゲーム体験がゲーム専用機並になると想像するのは、困難だ。

今年のE3に来た人たちに、各人が思うモバイルゲームの未来の姿を尋ねてみた。“モバイルゲーム”という言葉を聞いただけで、肩をすくめる人もいたけどね。



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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

企業内に便利なモバイルイントラネットをセットアップするWorkwell、ヨーロッパ最大のオフィスビル企業も利用

大企業に勤めている人なら、イントラネットのかったるさをよく知っているだろう。必要な情報を見つけるのに時間がかかりすぎる。モバイルで使えない。日常よく使うサービスをうまく統合できない。しかしフランスのモバイルイントラネットWorkwellなら、あなたも好きになるかもしれない。

難しい仕事のようだが、でもWorkwellはすべてのボックス(□)にチェックが入っている。最初からモバイルアプリである。自らのSDKを利用してサードパーティサービスを統合している。必要十分にソーシャルである。

実は、前にこのチームのNever Eat Aloneというプロダクトを本誌で取り上げたことがある。それは、大企業の人がほかの部課の人をランチに誘える、というアプリだ。いろんな人を知る機会になり、コラボレーションを促進する。

Workwellもそれと同じ企業のプロダクトで、しかし構想が大きい。Never Eat Aloneもまだ売っているが、でもオフィス生活を楽にするサービスはほかにもいろいろある。

たとえば、レストランの予約をする、ライドシェアのシェア相手を見つける、オフィスのフロアマップを見る、会議室を予約する、エアコンを操作する、などなど。それに、ランチ配達サービスもこのイントラネットから呼べる。

同社はすでにUnibail-Rodamco〔ヨーロッパ最大の“森ビル”的企業〕と契約しているから、その持ちビルに会社のある人ならWorkwellを利用できる。

ほかに、SephoraやAmerican Expressなどがフランスの事業所でWorkwellを使おうとしている。昨年Workwellは(USドル換算)1670万ドルの評価額で150万ドルを調達した。モバイル中心で企業のセントラルハブを作る仕事は、今後伸びるだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

暴落が続くSnap株、ついにIPO価格まだ下がる

アップデート:過去数週間じわじわと下げ続けてきたSnap株が、ついに17ドルまで(ごく短時間)落ち込んだ。現在同社の株価はIPO価格をかろうじて上回っている。

Snapの最近の決算は悲惨だった。しばらく20ドル以上を保ってはいたが、悪い日々の続く市場 ―― および成長株に囲まれた同社の将来への不安 ―― が株価に与える圧力は高まっている。Snap以降、多くの小規模IPOが続いているが、非伝統的広告型企業(Pinterest等)にとって、IPOの道が開けたと言われてきた未来に影響を及ぼすかもしれない。

今後数週間の今月上場申請したBlue Apronに対する投資家の動きにも注目だ。Snap同様、 食事配達サービスのBlue Apronは売り上げを伸ばしつつも最近の四半期で大きな損失を計上している。ただしBlue Apronは昨年の第1四半期に300万ドルの利益を上げ、少なくとも黒字化できる能力があることは示した。

この下落は絶対的な失敗によるものではないかもしれない。17ドルというのはSnapが上場する際に自ら選んだ価格だからだ。しかしこうした価格は、できるだけ多くの資金を調達しつつ、20%以上の値上がりを確実にして、投資家がある程度利益をあげられるように決められたものだ。SnapのIPOは、ほとんどの部分について「成功」したといえるが株価は確実に落ち込んでいる。これはSnapに投資した人たちだけでなく、FANG(Facebook、Amazon、Netflix、Google)を始めとする伝統的成長株にとってもよくない兆候だ。

Snap株の暴落から推察できることがいくつかある ―― 特に、株価がさがると株価に連動する報酬体系が崩れて人材の確保が困難になる。Snapは、Facebookなどのネットワークサービスと激しい戦いを続けており、Snapの様々な機能やサービスを真似されている。模倣は究極の称賛ともいえるが、独自の可能性と高いエンゲージメントを広告主に売り込んでいる会社にとって、資源も広告実績もある巨人企業を相手にするのはますます困難になっていく。

もし株価がこのまま下がり続けて17ドルを割れば、それは非常に悪い兆候だ ―― SnapにとってもFacebookやGoogleに対抗する新しいタイプの広告を提供しようとする他の企業にとっても。しかし、ごくわずかな時間17ドルに落ちた後、すぐに反発した。市場全般で悪い日々が続く中、こうした動きがどう続くのか注目したい。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Spotify、2016年度のユーザー1億4000万、売上50%アップ――レーベルとの交渉力もアップ

Spotifyのビジネスは順調だ。昨年は売上を50%もアップさせている。同社のミュージック・ストリーミングは総額で33億ドルを稼ぎ出した。これは木曜日にRecodeが報じた決算書類〔PDF〕で確認された。Spotifyのユーザー数も有料、無料合計して昨年の1億2600万人から1億4000万人に成長している。

しかし良いニュースの陰には悪いニュース、というよりむしろSpotifyは今後も成長を続ける必要があることを示すニュースもあった。同社は今後数年の間に少なくとも20億ドルをレコード・レーベルに支払う必要がある。この金額はユーザーが実際に音楽を聞いたときに支払われる曲単位のライセンス料とは別個で、レーベルが今後もSpotifyに協力していくとことを保証するものだ。

売上が大きい割合にSpotifyが確保した利益が比較的少ないのは主としてこの巨額の支払いがあるためだ。レーベルを始めとする著作権者の協力を確保するために、売上の大部分は用いられている。われわれのJosh Constine記者が指摘したとおり、Spotifyは最近著作権者に対する交渉力を強めつつある。しかし急に利益率をアップさせるようなものではない。

Spotifyが5000万の有料ユーザー(これは3月の数字で、その後アップデートされていない)を確保したことはたしかにレーベルに対する立場を強化したはずだ。しかし今日明日にも力関係に劇的な変化が起こると期待すべきではないだろう。

e画像: Thomas Trutschel/Photothek/Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Duolingo風にスマホでコーディングを学べるアプリPy――YCの2017年夏季プログラム参加企業が開発

Pyは細かく区切られたゲーム性のあるコンテンツを使い、モバイル端末上でプログラミングを学べるような環境を提供しようとしている。この生まれて間もないスタートアップを設立したのは、コンピューターサイエンスを学ぶ2人の友人同士だ。彼らは過去に何度も知り合いからプログラミングの習得についてアドバイスを求められてきたという。

「どうやってプログラミングを学べばいいのか、どんな教材を使えばいいのかといったことを色んな人から聞かれました」と共同ファウンダーのDerek Loは説明する。「そこでさまざまな教材について教えるのですが、最後までやり通せる人はほぼいませんでした。難しすぎるか、つまらないと感じる人が多かったようです。時間がないという人もいましたね。このような経験からPyのアイディアを思いついたんです。携帯電話向けにどこでも楽しくコーディングを学べるようなサービスを自分たちで作ればいいんじゃないかと」

最近App Storeで取り上げられてからアプリのダウンロード数は一気に伸び、現在では10万回以上を記録している。しかも、特別なマーケティング戦略なしでだ(Product Huntには昨年9月から登録されているので、初期のユーザーはシリコンバレーもしくはカリフォルニア州の人が多い)。もともとはAndroid版のアプリも配信されておらず、今週に入ってからようやくリリースされた。

また、Pyの共同ファウンダーであるふたりは、Loの卒業を待ってからY Combinatorの2017年夏季プログラムに参加した。

彼らは2016年5月からiOSアプリの開発にとりかかり、その後すぐにベータ版をリリースした。当時はかなり幅広い分野をカバーしようとしており、TechCrunchに対するピッチの中では、Pythonをはじめとするプログラミング言語だけでなく、人文科学や自然科学、さらには英語文法といった内容も含めていくと話していた。

当初、私は彼らが大風呂敷を広げてしまっているように感じていたが、結局ふたりはプログラミングというもともとの狙いにプロダクトの的を絞ることにした。さらにより実用性を高めるため、ウェブサイトやアプリといった具体的な何かをつくるためのスキルを身につけられるような仕組みを構築することにしたのだ。Pyは個々の目的に応じてカスタマイズされた、モジュール式の実践的な教材を提供しようとしているとLoは語る。そのため、面接時に行われるプログラミングテストのコツに関する教材も準備されている。

「私たちはプログラミング用の教材を開発するのに注力してきましたが、単にプログラミングと言っても、その内容はiOSアプリやウェブサイト、データサイエンスなど多岐にわたります」とLoは話す。「そのため、PyにはSwiftやPythonをはじめとするさまざまな言語の基礎的なコースが準備されているほか、間もなくプロジェクトベースのコースも公開される予定です。Swiftの知識を使っていかにiPhoneアプリをつくるかといった内容のものです。このように、各言語の知識を活かしてユーザーが実際に何かを作れるようなコースを提供できることをとても楽しみにしています」

現在Pyでは10種類の無料”コース”が提供されており、ユーザーはJavascriptやSwift、Python、HTML・CSSなどについて学ぶことができる。教材の大部分は共同ファウンダーのふたりが作っているが、彼らいわく「クオリティを高く保つため」に外部の大学教授やエンジニア、研究者とも協力している。

プログラミング学習サービスは最近かなり増えてきており、各社クリエイティブな方法で幅広い年代の人をひきつけようとしている。具体的にはボードゲーム型のものや、プログラムを使って動かせるロボット、ゲーム要素が盛り込まれた学習プラットフォーム(逆にプログラミング要素が含まれたゲーム)などがある。Pyは競争の激しいこの分野でどのように戦っていこうとしているのか?

彼らは(コンピューターとは関係ない)言語学習アプリを参考に、タッチスクリーンを使ったインタラクティブでユーザーの興味をかき立てるような仕組みを考案した。ちなみに、言語学習アプリの分野でもDuolingoやBabbel、Verblingなど最近さまざまなサービスが誕生している。

「他社サービスとの違いについては、とても具体的なものが何点かあります」とLoはTechCrunchに対して語った。「そのうちのひとつが出題方法で、私たちはこれまでに4、もしくは5種類の出題方法を開発しました。まず選択式の問題があって、ほかにも『このプログラムからはどんなアウトプットが得られるか?』といった質問に答える記述式の問題もあります」

「さらに、解体したプログラムを一行ずつ組み立てていくタイプの問題では、ユーザーがプログラムの流れを理解しているのかを確かめることができます。中でも気に入っているのが、私たちが『ワードバンクス』と呼んでいる穴埋め問題で、これは準備された単語を使って穴が空いたプログラムを完成させていくというものです。繰り返しになりますが、Pyはインタラクティブで楽しく、ゲーム要素を兼ね備えた、Duolingoのような学習アプリなんです」

さらに彼らは、現在「コードレスポンス」と呼ばれるタイプの問題も開発中だという。これは、携帯電話では面倒な入力作業を簡素化するために開発されたキーボード(Pyオリジナル)を使って、実際にコーディングを行うものだ。

「キーの中にはプログラミングに使わないものもあるため、本当に必要な単語や文字、記号だけで構成されたキーボードを作ったんです」とLoは話す。「このカスタムキーボードを使えば、かなり楽にコードを書くことができるので、通勤中でも携帯電話上でコードを書いて、実行することができるんです」

学習内容の定着率を高める仕組みとして、他にもPyには言語学習アプリ(そしてモバイルゲーム)を参考に、ダイナミックレビューやゲーム的な要素が組み込まれている。例えば、各コースを修了したユーザーには星が与えられるようになっているほか、復習ボタンを押すとユーザーが上手く答えられなかった問題が優先的に表示されるようになる。

「アングリーバードでスコアに応じて1〜3つの星が獲得できるように、Pyでも問題の正答率に応じて星が与えられるようになっています。正答率が100%だと星3個で、50%だと1.5個といった具合です。こうすることで、単に学習するだけでなく細かなところまでしっかり覚えようというインセンティブが生まれます」とLoは続ける。

「他にも、レッスンやクイズを終えるごとに経験値が貯まるようになっていたり、何日連続で学習を行ったかが表示されるようになっていたりと、ユーザーの継続的な学習をサポートする機能を実装しています。後者の機能はDuolingoやSnapchatにも導入されていますね。プッシュ通知機能も備えていて、良いタイミングでユーザーに通知を送ることでリテンション率が上がることが分かっています」

各要素が綺麗に並べられたエレガントなインターフェースからは、Pyのチームがデザインにも力を入れている様子が伝わってくる。もともとグラフィックデザインに興味があり、大学でもいくつかの関連コースをとっていたLo自身がアプリのデザインも手がけているとのこと。

既にPyにはさまざまな種類の無料コンテンツが準備されているが、共同ファウンダーのふたりはマネタイズ戦略についても既に考え始めているようだ。Pyのプレミアムサービス(アプリのアップデートに合わせてリリース予定)では、無料版にはないコンテンツが準備されるほか、ユーザーは「ライブ指導機能」を利用して経験豊富なソフトウェアエンジニアとリアルタイムで相談ができるようになる予定だ。

これまでのところ、基本的にPyは初心者や新人プログラマー(=そこまで知識を持ち合わせてない人)をターゲットにしていたが、Loは同様の仕組みを活用して、今後もっと経験を持った人たちに対してもサービスを提供しようとしている。イエール大学もその可能性を感じてPyに興味を持ったようだ。

「(イェール大学は)テクノロジーが日々変化する中、私たちのコースのモジュール性に興味を持ってくれました」とLoは語る。「さらに初期の投資家の1人は、将来的には高度な内容のコースもモジュール式に提供できるのではと期待してくれていました。きっとそれは上手くいくでしょうし、経験豊富なディベロッパーはそういう学習方法を好むと私は考えています」

Pyは昨年の10月にDorm Room Fundから2万ドルのプレシード資金を調達し、Yale Venture Creation Programからも10万ドルの投資を受けることが決まっている(現在契約内容を調整中)。ここにY Combinatorからの投資を含めると、これまでの合計調達額は14万ドルに達する。

さらに、シリコンバレーの有名投資家からは100万ドルの投資話を持ちかけられたようだが、現状そこまでの大金は必要ないということで断ったとLoは語った。しかしYCのプログラムを卒業した後には、100〜300万ドルのシード資金の獲得を目指すとも彼は話している。

彼らがYCで学ぼうとしているのは、どのようにPyのアプリをグローバルビジネスへと成長させられるかということだ。彼らは一案として、コーディングスクールを運営している団体とパートナーシップを結び、生徒にアプリを使ってもらうことでユーザーベースを拡大できるのではと考えている。

「私たちには起業経験がありません。私はいくつかアプリを作ったことがありますし、ふたりともソフトウェア開発の経験はありますが、実際に会社を立ち上げるというのは初めてのことなので、プロから指導を仰ぐというのはとても大切なことだと考えています」とYCでの狙いについてLoは語った。「さらにYCはソフトウェアプロダクトをスケールさせるのがうまいということでよく知られていて、私たちにはそれがとても魅力的に映っています。彼らのネットワークに入り込んで指導者を見つけ、事業をスケールさせて世界中の何百万人という人たちにプロダクトに触れてもらう。この展望こそ私たちを興奮させ、私たちが毎朝目をさまし、YCプログラムへの参加を楽しみにしている理由なのです」

誰でもコーディングは学べるものなのだろうか? 「そう思います」とLoは少しためらいがちに言った。「文字が読めないとなると難しいかもしれませんが、子どもでも文章さえ読めればコーディングができるようになると思いますよ」

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

Slack、再度5億ドル調達へ――エンタープライズ・チャットサービスの確立を目指す

Slackは再度資金調達ラウンドを進めている。 Recodeによれば50億ドルの会社評価額で5億ドルの資金調達を試みているという。この資金は大企業を顧客に加えて新たなビジネスモデルを確立するために必須だ。

昨夜のBloombergの記事によれば、AmazonはSlackの買収に90億ドルを提示したという。Slackはこの買収に興味を示していないようだが、評価額は50億ドルからさらに上昇する可能性がある。

Slackが大口顧客獲得や新たな大型資金調達ラウンドを進める上で、こうしたトレンドは追い風となるだろう。大企業の多くは(たとえ機能が劣っていても)既存のシステムにロックインされている可能性が高い。大口顧客の獲得と同時にSlackの優れたデザインを発展させていくには多額の資金を必要とする。

Slackはシリコンバレーの寵児だ。単にシリコンバレーだけでなく世界のスタートアップ・コミュニティーの心をしっかりつかんでいる。同社のチャット・インターフェイスはきわめてシンプルなデザインで、誰であれ訓練の必要なしにすぐに使える。Slackではこのサービスを大きなチームがプロジェクトを進める上でのツールにしようと努力している。Slackの機能はこれまでもメジャー・アップデートを重ねて進化してきた。たとえばこの1月の メッセージのスレッド化だ(Slackはスレッドの開発に1年以上かけたという)。

Slackのメリットであるシンプルなインターフェイスを維持しようとするあまり、大企業が要求するような機能の導入に消極的であると、結果として成長の頭打ちを招きかねない。
昨年10月の発表によれば、1日当りアクティブ・ユーザーは500万、有料ユーザーは150万だった。Recodeの記事によれば、年間10億ドルの売上があるもののまだ黒字化を達成していないという。

今年5月のアップデートでは特定の質問に対して詳しい情報を持っているメンバーにすぐ回答してもらえる仕組みが導入された。Slackを利用するチームのサイズが大きくなればなるほど情報は混雑してくる。既存のビジネス・コミュニケーション・ツールと競争するには、Slackは使いやすいシンプルなインターフェイスを維持しつつ、情報の混雑をかきわける方法を編み出する必要がある。もちろんライバルはいつでもSlackの機能をコピーできる。SlackはFacebookが容赦なくSnapの機能をコピーして成長を続けた例を教訓とすることができるだろう。

今年に入ってSlackははっきりと大企業に狙いを定め、エンタープライズ・グリッドをスタートさせた(これも1年以上前から準備されていた)。5月には画面共有がサポートされた。こうした段階的なアップデートはすべてライバルの先を越して大企業ユーザーを取り込もうとする努力だ。

昨年4月、Slackは38億ドルの会社評価額で2億ドルの資金を調達している。SaaS企業、成長企業を探している強気の資金マーケット(先週はやや陰りがみえたが)はSlackを利するだろう。新たな資金調達は成長をさらに加速し、単にSlackの機能を強化するだけでなく、企業イメージも改善するに違いない。これは大企業に対しライバルのプロダクト、たとえばMicrosoftなどの既存のツールからの乗り換えを説得するにあたって大きな武器となる。

新たな資金調達ラウンドについてSlackの広報担当者に問い合わせたがまだ回答はない。

F画像: David Paul Morris/Bloomberg via Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

チャットフィクションアプリがティーンたちに大流行、‘本’は過去のものになるのか

チャットフィクション(chat fiction)アプリって知ってる? 知らないなら、たぶんあなたはティーンエイジャーではないわね。

それらはデジタルブックの変種で、テキストメッセージの形をしていて、過去数か月、アプリのチャートの上位を独占している。ふつうの本をよく読む人にとっては、その形がヘンだと思えるが、でも少なくとも若い人たちは、それで‘読書’をしているのだ。

これらが、人気作だ:

Hooked

Hookedから、チャットフィクションのブームが始まった。2015年に登場してからずっと人気を維持している。今も無料アプリの40のカテゴリー全部を合わせた中でトップだ。コメディやホラーなど、いろんなお話があるが、どれもメッセージとして表示される。

次にどうなるか知るためには、スクロールし続けなければならない。テキスティングの形式は、若い人たちにとって共感しやすい。それが、子どものころからのコミュニケーションの形だから。そしてアプリ本体は無料だが、お話を全部読むのは有料だ。

その料金は、各週2ドル99セント、1年で39ドル99セントだ。そのビジネスはすでに、Greylock PartnersやFoundation Capital、Founders Fundなどの著名な投資家たちに目をつけられている。

Yarn

Yarnは、Hookedにとてもよく似ている。これもまたSMSの形をした物語で、料金もまったく同じだ。ただしコンテンツはオリジナルで、テーマもやや違う。

大物セレブとの架空の会話があったり、デートに関する想像上のグループチャットがある。パーティーゲームの“truth or dare”〔仮訳: 告白罰ゲーム〕や、Siriのようなパーソナルアシスタントを使うことをめぐるジョークもある。これらは“本”とは言えないが、iTunesのカテゴリーではそうなっている。

そしてHookedもそうだが、ランクはKindleよりも上だ。このアプリのインキュベーターScienceは、WishboneやSlingshotのメーカーだ。

Tap

Tapは最近、ソーシャルパブリッシングのプラットホームWattpadから出た。ほかのチャットフィクションアプリとよく似ているし、ユーザー体験もまったく同じだ。

そう、壊れていないビジネスモデルなら、変えてはいけない。すなおに真似するにかぎる。物語は恋愛ものや、犯罪ものなど、いろいろ。今どれが人気かすぐ分かるし、何名がスクロールしているかも分かる。自作の物語を、友だちとシェアしてもよい。

このアプリも、ランクの上位にいる。今のティーンにも、本物の本がどんなのか、知ってほしいけどね。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Box、デスクトップ用アプリの Box Drive を公開

Boxはパソコン上でファイル操作を便利にするツールを公開した。

Box DriveはWindowsおよびmacOSで動作するデスクトップアプリだ。ファイルの編集、検索、共有などをブラウザーを開くことなく実行できる。

これは「ファイナルフロンティア」だとCEOのAaron LevieがTechCrunchに話した。Box Driveを使えば「自分の全データに直接デスクトップから無限にアクセスできる」。

企業はこれを使うことでネットワークファイル共有が減り、ITコストの削減が期待できる、「多くの企業IT環境にとって非常に強力な提案だ」とLevieは言う。

アプリ自身は無料だが、General Electric、P&G、The Gapなどの大企業は追加機能の料金をBoxに支払う。既存の一般ユーザーはBox Driveの全機能を利用できる。

Levieは、デスクトップアプリによってクラウドのアクセスは容易になり「パソコン上にCドライブと同じようなドライブが追加されるので、ローカルファイルと同じ操作体験になる」と説明する。「これで、Boxはパソコンの中にシームレスに統合された」。

今月始め、BoxはAppleの新しいアプリ、Filesとの統合を発表した。BoxのドキュメントをiOS端末で利用する方法が増えることになる。

Boxの株価は今年に入って34%上がった。ウォール街がこの発表に注目しているのも良い知らせだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Facebook MessengerのAIアシスタント、スペイン語に対応して言語の壁を乗り越える

英語しか使えないテクノロジーは世界の75%を無視している。この問題はFacebookのグローバルなユーザー基盤ではいっそう深刻だ。しかしながら、米国と中国の研究者による自然言語処理を中心とした人工知能の研究は、多くの言語を置き去りにしてきた。

しかし今日は、AIのアクセシビリティにとって記念すべき日だ。Facebook Messengerの人工知能アシスタント “M” は、スペイン語で提案できるようになった。メッセージの中にスペイン語を検出するとこの機能が働く。Mの提案機能は英語圏では2カ月前に公開されこか

システムは単語とメッセージの意図を理解し、Messengerの様々な機能を提案するポップアップを表示する。例えば、 “Te debo $20” とあればMは支払い機能を提案する。“Besos!” と書けば、かわいいスタンプが薦められ、“¿Dónde estás?” なら位置情報の共有機能が提示される。

Mの新機能は、米国で言語をスペイン語に設定している全ユーザーが利用できる。メキシコでも公開されつつある。

昨年Facebookは、Facebookページに多言語シェアボタンを追加し、一つの言語で投稿すると、各国の人たちに母国語で表示されるしくみを提供した。そして、毎月8億人を優に超えるユーザーが翻訳されたニュースフィードを読んでいる。FacebookはBingとの契約を終えてから、自社の翻訳技術を支えるAIの強化に集中している。

Messengerの次のステップはリアルタイム翻訳だろうか。そうなれば、異なる文化の人々ともつながり、協力し、共感をもつことができる。人は自分の理解できないものを恐れる。しかし、もしFacebookの翻訳技術によって、他国の人々がいかによく似ているかを知れば、全人類の寛容を促進することができるだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Instagram、投稿した写真を非公開にする「アーカイブ」機能を公開

先月本誌はInstagramが 「アーカイブ」という新機能をテストしていることを報じた。ユーザーが自分の投稿を誰にも見られなくする機能だ ―― 永久にも一時的にも。今日(米国時間6/13)、同サービスは全ユーザーにこの機能を公開した。今すぐ写真を隠すことができる。

自分のプロファイルにあるどの写真もビデオも、画面右上にある “…” 3つのドットをタップして、「アーカイブ」(archive)することができる。

アーカイブされた投稿は、プロフィール画面の右上に用意された専用セクションに移動される。

このアーカイブページとその中の全投稿は本人にしか見えない。いずれ写真をアーカイブから出してプロフィールに表示することも、そのまま永久に自分だけの記録にしておくこともできる。

ところで、なぜ写真をアーカイブするのか?

例えば、あまりいいね!をもらえなかったけど、その瞬間を覚えておきたいので、カメラロールにある何万枚もの写真の中に埋もれさせたくないとき。あるいは、友達とけんかをしたり、交際相手と別れたり、しばらく会いたくないけれども永久に削除するのはためらわれるときなど。

もしかしたら、ソーシャルメディアを完全休養して、しばらくの間自分の写真を全部アーカイブしたくなることもあるかもしれない。

この機能はSnapchatのMemoriesセクションをやや彷彿させる。後世に残したいが、ストーリーの中で友達に見せたいとは思わない写真やビデオを保存しておくSnapchatの機能だ。

唯一の違いは、Instagramアーカイブフォルダーには直接投稿できないことだ ―― つまり、写真は少なくとも一瞬は公開しなくてはならず、その後アーカイブに移動することができる。このため、この新機能がパーソナルなギャラリーとして使われることは稀で、文字通りのアーカイブセクションとして、将来公開するかどうか本当にわからない写真を置く場所になるだろう。

注目すべきは、いずれInstagramが最初から非公開に写真を保存する機能を提供するかどうかだ。 ――組み込みの “finstagram” のようなもの。finstagramとは、一部のユーザーが作る秘密の “fake” Instagramアカウントのことで、個人的写真、あるいは家族やごく親しい友達とだけシェアする写真を保管しておく場所として使われている。

“archive” 機能は本日(米国時間6/13)全ユーザーに公開される。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

次期iOS App Storeでは評価とレビューを維持できる――インクリメンタルなアップデートが可能に

App Storeのアプリのデベロッパーが新しいージョンにアップデートすると、高い評価も好意的レビューも消えてしまう。この問題が近々解決されそうだ。デベロッパーはアップデートの際に現在の評価とレビューを維持するか消去するか選択できるようになる。

Appleのワールドワイド・マーケティング担当上級副社長、 フィル・シラーは今年のWWDCでジョン・グルーバーがホストするThe Talk Showに登場し、このことを発表した。

レビューを最近のものに限るのは数年前までは理にかなっていた。現在のInstagramアプリは以前とは一変しているので、 2010年のレビューなどは何の参考にもならない。そこでAppleはアプリがバージョンアップするごとにレビューをリセットすることとした。

また以前はアプリのデベロッパーもそう頻繁にバージョンアップを行うことはなかった。これはApp Storeで新たなバージョンが承認されるまでにかなり長い時間がかかったことも一因だ。しかし現在はアプリの承認にはほんの数時間しかかからない。

そこでアプリにバグを発見した場合、修正版を1日ないしもっと短い時間で作成、登録することが可能になった。これはApp Storeアプリの品質向上に大いに役立ったが、同時に評価とレビューがその都度リセットされてしまう仕組みが問題となってきた。一部のデベロッパーはこのリセットを避けるために、バグフィックスをすぐに行わず、メジャー・アップデートを待つようになった。

9月に一般公開されるiOS 11ではデベロッパーはアップデートをためらう理由がなくなる。現行の評価とレビューを維持したまま自由にバグフィックスやマイナー・アップデートが行えるようになる。

デベロッパーがアプリの中心的機能を変更するようなメジャー・アップデートを行う場合は、リセット・ボタンを押してそれまでの評価とレビューを消去することを選べる。というわけで、デベロッパーはApp Storeでもインクリメンタルな改良を行うことができるようになる。最初から完全を目指す必要はない。もしコア機能を変更するv2をリリースするなら評価とレビューを消去してゼロからやり直すこともできる。

〔日本版〕フィル・シラーとクレイグ・フェデリーギが出演したビデオはこちら。1:08:30あたりからWWDCのキーノートでは触れられなかったiOS App Storeの新機能が説明されている。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

‘ネット中立性を救え”抗議活動にAmazon, Kickstarter, Reddit, YCなど60社あまりが参加

ネット中立性(net neutrality)という規則を廃止しようとする、今のFCC(連邦通信委員会)の提案をめぐって議論が沸き起こっているが、7月12日にはAmazon, Etsy, Github, Kickstarter, Reddit, Y Combinatorなども参加する大規模な抗議集会(あるいは何らかのネット上の抗議行動)が行われる。

運動のWebサイトにはすでに60社以上の参加企業が載っており、さらに多くの参加を呼びかけている。

集会を企画したのはネット上の三つの人権団体、Fight for the Future, freepress, そしてDemand Progressだ。一部は、2012年の法案SOPAとPIPAに反対する、ネット上の抗議活動にも参加している。その5年前の抗議活動では、50000あまりのWebサイトがそのホームページをブラックアウトして抗議の意思を示し、議会の再審議に導いた。

関係者は、そのときと同じように、2017年のネット中立性の危機が回避されることを、期待している。

運動のWebサイトには、こう書かれている: “FCCはインターネットの中立性を破壊して、大手のケーブル企業に、ネット上で私たちが見るものをコントロールさせようとしている。彼らが言うとおりになれば、帯域制限や通信のブロック、検閲、割増料金などの行為が、プロバイダー間で一般化するだろう。7月12日には、インターネットが一堂に集まって、その阻止を目指す”。

“私たちは、あなたのサイトのフォロワーやビジターなど、誰もが簡単に運動に参加できるためのツールを提供する。これまでも私たちは、一致団結して、SOPAのときのブラックアウトやインターネットの牛歩化などにより、インターネット全体の意思を示し、検閲や腐敗を防いできた。今は、それをもう一度やるべき時だ!”。

5月に報じたように、今年の夏の終わりに票決される予定のFCCの新しい規則案は、ブロードバンドを連邦通信法第Ⅱ章が適用される通信サービスの分類から外そうとしている。それによって、ISP(インターネットサービスプロバイダー)を規制する/しない強力かつ広範な権限がFCCの手中に転がり込む。

それによってISPやケーブルプロバイダーは、少なくとも理屈の上では、自由勝手に、帯域制限や通信のブロック、オンラインサービスの検閲、特定コンテンツへのアクセスの割増課金などができるようになる。彼らは、ネット上のコンテンツに対して、強権を揮えるようになる。

運動を支援するY Combinatorの社長Sam Altmanは、抗議活動に参加する理由として、ケーブルやワイヤレスの企業が市場の勝者と敗者を恣意的に決めるという、“途方もなく強大な権力を”持ってしまいかねないからだ、と述べている

FCCの規則改正案を詳しく知りたい人は、この記事をご覧いただきたい。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

iOS 11では、UberやWazeのようなアプリが位置情報を常時収集できなくなる

Appleは今週のWWDCで、iOS 11の発表に重点を置き、ファイル管理、iMessage、QRコードのスキャンなど様々な機能を紹介した。しかし明示的に発表されなかった新機能もいくつかある。その一つは多くのユーザーに歓迎されると思われるもので、アプリによる位置情報データの利用をユーザーが制限できるようにセキュリティー設定が改訂される。

UberやWazeなどのアプリは、ユーザーに対してアプリが動作していない時でも端末の位置情報のフルアクセスを強要して批判を浴びている。昨年本誌が報じたように、これはアプリが密かにユーザーの個人情報を収集する可能性があることを意味している。しかしUberなどは問題提起に耳を貸さなかった

iOS 11の新しい設定機能が提供されれば、その心配もなくなるはずだ。「このAppの使用中のみ許可」の設定を全アプリで選択できるようになる ―― デベロッパーのJoe DuvallやTwitterユーザーの@tfoil2@chengyinliuら、鋭い観察力の持ち主が見つけた。従来この設定項目 ―― 名前の通りに機能する ―― はデベロッパーのオプションであり、多くの著名なアプリが提供していなかった。

Uberの例が下にあるが、これはユーザーのプライバシー保護に大きく貢献するに違いない。ユーザーによっては端末のバッテリー寿命を延ばす効果もあるかもしれない。

[iOS 11では、位置情報利用の「このアプリを使用中のみ」が全アプリに付いた! よくやった。]

現在iOS 11はデベロッパーにのみ提供されているので、この変更の与える影響は限られているが、9月にiOS 11が一般公開されれば、位置情報の利用を細かく制御できるこの新しい項目を、多くのiPhoneユーザーが利用できるようになる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

iPhoneのカメラアプリでQRコードを読めるようになる

次に流行るのはQRコードだと言われた頃を覚えているだろうか。かつてアメリカでは広告看板や名刺でよく見かけたものだ。QRコードは私たちのデバイスの使い方を変えるはずだった。CurrentCを覚えていますか?しかしこの国で主流になることはなかった。そのためだけにサードパーティー製アプリをダウンロードしてスキャンする必要があり、システムとして美しくなかったことが大きな理由だった。

しかしTwitterに流れてきた情報によると、QRコードはアメリカでもう一度チャンスを与えられそうだ。iOS 11の初期ベータでは内蔵カメラアプリがQRコードを読めるからだ。つまりこれは、iPhoneユーザーなら誰でも、カメラアプリを開いてQRコードに向ければURLに飛べることを意味している。

下の写真で使い方のイメージを見て欲しい。もちろんこれはベータなので、変更される(あるいは削除される)可能性はあるが、このシンプルな実装は実にAppleらしく、これ以上複雑にならない可能性は高い。

報告によると、この機能はカメラの設定メニューでオフにできるが標準では有効になっている。

QRコードは実際非常に便利だ ―― URLをタイプしたり貼り付けたりするよりずっと簡単だ。QRコードで毎日食べ物を注文したり支払いをしているアジアのモバイルユーザーに聞いてみてほしい。QRコードの普及は高まるばかりで、Appleもついに標準サポートせざるを得なくなった。

果たしてアメリカが再びあの短命のQRブームに戻るのかどうか注目したい。マーケター諸兄、もしこれを読んでいるなら、またTシャツにあれを載せるのはやめて欲しい。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

WWDC:Apple、iOS 11を発表

今日(米国時間6/5)のWWDCでAppleがiOSの時期バージョンを発表することは以前から予測されていた。今回のデベロッパー・カンファレンスでiOS 11が紹介されたのは順当といえる。一般ユーザー向けの公開は9月を待たねばならないが、AppleによればiOS 11は以下のようなモバイルOSになるという。

AppleのCEO、ティム・クックはまず「iOS 10は86%のiOSデバイスにインストールずみだ」と述べた。続いてAppleのソフトウェア・エンジニアリング担当上級副社長、クレイグ・フェデリーギがiOS 11の新機能を紹介し、「iOS 11はテクノロジー面で大幅な進歩を遂げると同時に新機能も多数追加された」と述べた。

iOS 11ではスタンプ(sticker)とiMessageがショートカット・ドロワーから簡単にアクセスできるようになった。スタンプを送信するために何度もタップする必要はなくなる。すべての会話は自動的にiCloudに同期される。この同期は以降も維持されるため、ユーザーが一つのデバイスであるメッセージを削除するとすべてのAppleデバイスで削除される。 つまり今後は休暇旅行から戻ってMacを開くと膨大な未読メッセージの雪崩に襲われるということはなくなる。

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Apple Payに関して、他のApple Payユーザーに現金を送ることができるようになった。VenmoあるいはSquare Cashに似た機能だ。この機能はiMessageにビルトインされている。現金を受け取った場合、Apple Pay Cash cardの残高に追加される。この資金はApple Payを通じて支払に充てることができる。自分の銀行口座に振り込むことも可能だ。

SiriもiOS 11で大幅に強化された。 Siriは毎月3億7500万のデバイスで利用されているという。iOS 11ではSiriの発音は改良され、抑揚もさらに自然になったという。またSiriを用いて翻訳も可能になる。中国語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、英語が翻訳では最初にサポートされる。

Siriは文脈やユーザーの関心の把握でも改善された。Appleはこれを「Siri知能( intelligence)」と呼んでいるが、iOSのあらゆる場面で利用される。たとえば誰かiMessageで「どこまで行くの?」と尋ねたとすると、iOSはカレンダーを開いてどこに行く予定か調べ、回答の候補を表示する。ユーザーがアイスランド旅行について検索したとすると、iOSはスペルの自動訂正辞書にReykjavik〔アイスランドの首都〕などの単語を追加する。ニュース・アプリにもアイスランドのニュースが表示されるようになる、といった具合だ。

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カメラ・アプリはHEVC(h.265)をサポートする。 このコーデックはビデオの画質を改善すると同時にファイル圧縮にも優れている。画像処理ソフトも改良を受け、既存のカメラで撮影した場合でも画質の向上が期待できるようだ。【略】

コントロール・センターも大幅にアップデートされた。デザインが一新され、多数のボタンが追加された。今後はユ次々にタブを切り替える手数が省かれる。たとえば、ミュージックビデオを再生している場合、輝度調整と一時停止を同一の画面で実行できる。さらに詳細な選択が必要な場合、3Dタッチで即座に機能を呼び出せる。

Apple Mapsのカーナビ機能もiOS 11で強化された。アメリカ内ではショッピング・モールや空港の詳細地図が利用できる。アメリカ人には非常に便利だろう。

iOSは運転中、Bluetoothで車載オーディオに接続していることを認識する。iPhoneのモーション・センサーは自動的に「電話に出られません」モードを起動する。このモードではすべての通知の表示が保留される。メッセージが着信した場合、予め用意した返信が自動送信されるよう設定できる。

AirPlayにもメジャー・アップデートが来た。AirPlay 2ではWiFi経由で複数のスピーカーを接続しiOSデバイスからコントロールできる。Libratone、Devialet、Bose、B&Oその他多数のオーディオ・メーカーがAirPlay 2をサポートする予定だ。それだけではない。AirPlay 2にはデベロッパー向けAPIが用意され、AirPlayを利用したアプリの開発が可能になった。

MusicKit APIの登場にによりデベロッパーはApple Musicの利用ができるようになった。たとえばShazamは(とうとう)Apple Musicのプレイリストに楽曲を自動で追加できるようになる。

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Appleのフィル・シラーはApp Storeのアップデートについて簡単に触れた。もっとも重要な点はデザインが一新されることだろう。見た目はApple Newsにやや似ている。 ‘Today’タブには個人別にカスタマイズされたお勧めが表示される。ゲームは別に独自のタブが用意される。‘Apps’タブにはApp Storeチームによるお勧めアプリが掲載される。【略】

iOS 11のベータ版は今日から公開されるが、今後夏までに細かいバグ修正が行われるはずだ。一般ユーザー向け公開は9月。アップデートは無料。

アップデート: Appleはさらに多数の機能を発表した。キーノートの最後でフェデリーギがステージに戻り、iPad専用機能を発表した。 iPad画面の下部にはドックが用意され、これまでより簡単にアプリを切り替えられるようになった。Split Viewを用いれば同時に2つのアプリを並べて開くことができる。ドラッグアンドドロップで簡単に実行できる。

Split Viewについていえば、アプリ選択機能が一新された。コントロール・センターを開くショートカットと最近使ったアプリのプレビューが表示される。iOS 10の小さなアイコンのリストよりずっと使いやすい。

新しいFilesアプリはiPad上のファイルとクラウド・サービスを表示する。ユーザーはFilesアプリとメール・アプリ間でファイルをドラッグアンドドロップで移動できる。iPadのアプリは閉鎖的に単独で作動するだけではなくなった。これはAppleとしては画期的な方針転換だ。

ユーザーはApple PencilでNotesアプリに書き込むことができる。Appleは書かれたテキストをOCRを使って処理し検索可能にする。カメラ・アプリにもネーティブで文書をスキャンする機能が追加された。スクリーンショットを撮ると、小さいポップアップが隅に表示される。タップするとスクリーンショットをトリミングし、説明を加えることができる。いちいち写真アプリを開く必要はない。

いろいろな面でiPadのiOSはデスクトップ・コンピュータのOSに近づいてきた。アプリは全画面でなく移動可能な窓で表示できるようになりドックも追加された。AppleはiPadをますます強力にしようと計画している。

iOS 11はiPad Air以降、iPad mini 2以降、第5世代iPad以降、iPhone 5s以降の各シリーズで作動する。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Apple、iOSにファイル管理アプリを導入か? App Storeの項目がリーク

Apple WWDCイベント前夜に見つかったリークによって、AppleはiPhoneオーナーがファイルを管理する方法を変えようとしているらしいことがわかった。

これは、デベロッパーのSteve Stroughton Smithが探し当てた新しいアプリのプレースホルダーによるもので、もうすぐiOSに ‘Files’ という新しいアプリがやってくることを示唆している。主要な機能はAppleが公開予定のiOS 11に組み込まれるはずなので、このアプリ項目はiOS 11に含まれる標準アプリを削除したユーザーがダウンロードするためのオプションと思われる。

AppleはiOS 10で、プレインストールされたアプリをユーザーが削除できるようにした ―― ただし本当に削除されるわけではない。よって、Filesアプリなどの主要な機能を再ダウンロード可能にするのは当然のことだ。

‘Files’ アプリへの直接リンクはここにある

詳細は現時点で明らかにされていないが、この機能/アプリがiOS端末上でもっとファイルを操作したいというユーザーの声に答えるものであることは間違いない。AppleはiCloudベースのストレージシステムとしてiCloud Driveを提供しているが、この新機能はファイルやデバイス上のストレージを今より細かく管理できるようにするものだ。Androidはすでに同等の機能を提供しており、パソコンでは見慣れた機能かもしれない。もちろんこれがiCloud Driveの再ブランドか改訂版である可能性もある。

さらにAppleはApp Storeのリストにアクティビティー・アプリを追加しようとしていることもStroughton Smithのもう一つの発見によってわかった。つまりこのアプリも削除可能になるという意味だ。

本誌はAppleにコメントを求めているが、確認するためにはイベントを待つ必要がありそうだ。

そのイベントは間近に迫っている。WWDCは6月5日10AM PT/1PM ET(日本時間6月6日午前2時)に始まり、本誌は現地から発表をライブブログして、分析結果を報告する予定だ。

Appleが何を発表するのか興味のある人は、このプレビュー記事をご覧あれ。Siri内蔵スピーカーと新しいMacbook Proの噂がホットな話題だ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

SherpaはInstagramの写真を使った旅行ガイドアプリ

旅行先のおすすめスポットを探す方法はたくさんある――Pinterest、Google Destinations、旅行ブログ、Condé Nastが手がけるTravelerなどの旅行メディアなどがその例だ。しかし、今週ローンチしたばかりのアプリ「Sherpa」は、Instagramこそがその最良の方法だと主張する。このiOSアプリはInstagram上の写真を集め、それを使ってトラベルガイドを構築するというもの。ガイドにはFoursquareやWikipediaなどから取得した外部データも加えられる。

Sherpa共同創業者兼CEOのPaul Aaron氏は、ニューヨークでデザインスタジオのModern Assemblyを創業した人物。彼はそこでCoca-Cola、UNICEF、Droga5、The Climate Reality Project、The Rock(Dwayne Johnson)などのブランドと共にプロジェクトを展開していた。また、Silver + PatnersとCrispin Porter + Boguskyではデジタル部門長として数年間務めている。

「Sherpaのアイデアが生まれたのは、私が以前立ち上げたデジタルデザイン・スタジオのModern Assemblyで、旅行レビューサイト大手のWebデザインのピッチを行ったときでした」とAaron氏は語る。「そのビジネスに深く関わるうちに、私はそのレビューシステム自体が面倒なユーザーエクスペリエンスや、貢献しづらくてウソの情報が生み出されやすい構造を生み出していると考えるようになりました」。

「Sherpaのアイデアとは、すでに私たちが毎日シェアしている写真を活用して旅行プランをつくるというものです。より信頼性が高く、感情に訴えかけ、より簡単に参加可能な旅行プランです」とAaron氏は話す。

同社は現在世界90カ国にいる2000人のインスタグラム写真家――またの名を「マイクロインフルエンサー」たち――と共にガイドをつくりあげている。Andrew Kearns氏Roman Koenigshofer氏Marianne Hope氏Sean Byrne氏Kristen Alana氏Irina氏Patrick Florian氏Lukas Elias Winkler氏などがその例だ。

Sherpaは写真家たちのコンテンツを集め、それをもとにさまざまなタイプの旅行者に向けたガイドをつくりあげる――バックパッカー、冒険家、余暇を利用した旅行者など種類はざまざまだ。ローンチ時点で50万枚の位置情報付きの写真を利用した1万5000以上の旅行ガイドが作られている。

アプリを利用する際にはまず、Eメールと「本拠地(居住地)」を入力して自分のInstagramアカウントとSherpaを連携する。また、自分のInstagramにある写真の位置情報を利用することで、これまでに訪れた国や地域をアプリに教えることもできる(このオプションを有効にすると自分の写真がSherpaで公開されることになる。だから、もしあなたがInstagramアカウントを非公開にしている場合は、このオプションを利用しないほうがいいだろう)。

あとは、特定の旅行先をサーチするか、「トレンド」から気になる旅行ガイドを選ぶだけだ。アプリに表示されるWikipediaからの情報で旅行先のおおまかな雰囲気を掴むことはできるが、Sherpaの本来の目的は集められた写真からインスピレーションを得ることだ。

気になるガイドが見つかれば、それを「スーツケース」に保存することができる。するとSherpaがユーザーの好みに合わせてアプリに表示されるコンテンツをパーソナライズしてくれる。

Sherpaはガイドをブラウジングするアプリであり、航空券やツアーを予約するなどの具体的な”旅行プランづくり”には向いていない。

しかし、今後そのような機能が追加される可能性もある。

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「将来的には、Sherpaにあるすべての写真を通してさまざま予約ができ、人気のホテルや隠れた名所などを探せるようになります」とAaron氏は語る。「プラットフォームが成長すれば、一般の旅行代理店と同じように予約手数料から収益を生み出していきます」。

だが、無駄のないデザインと美しい写真をもつSherpaは、今のままでも旅行先を発見するためのアプリとしての利用価値はあるだろう。

ブルックリンを拠点とするSherpaのチームメンバーは、Aaron氏、共同創業者のAdam Gettings氏、同じく共同創業者であるTom Hadley氏の3人だ。これまでに同社はエンジェルラウンドで少額の資金調達を実施している。

Sherpaは過去6ヶ月間のクローズドβテストで旅行先ごとのガイドやコミュニティを構築してきた。

それを終えたSherpaは現在、App Storeから無料でダウンロードできる。

[原文]

(翻訳:木村拓哉 /Website /Facebook /Twitter

Appleのアプリデベロッパーへの支払額が700億ドルを突破、ゲームとエンタテイメントが引っ張る

Appleはついにアプリの売上でAndroidに抜かれたようだが(というかアナリストたちがそう言っているが)、今日(米国時間6/1)はそれ自身の道標をまた一つ越えた。すなわち同社によると、アプリのデベロッパーへの支払いが700億ドルを突破したのだ。1年前は500億ドルだった。なお、‘売上’は、これらにAppleの取り分を加えた額である。

スマートフォンの売上は多くの大市場の飽和とともに、昨年の年成長率わずか3%へと落ち込んでいるが、アプリのエコシステムは依然として強力なモーターが動かしているようだ。

Appleによると、アプリのダウンロード数は前年比で70%増加した。Pokémon GOやSuper Mario Runなどのゲームに依るところが大きいが、CancerAid, SPACE by THIX, Zones for Training with Exercise Intensity, Vanido, Ace Tennis, Havenlyなどの一般アプリも市場の成長に貢献している。

ここ数年の同じ傾向として、上位ではゲームとエンターテインメントが依然として強いものの、LifestyleとHealth and Fitnessのカテゴリーは前年比70%を超える成長を示している。また、写真とビデオは昨年来、90%という最高率の成長を見せた。

これらの発表はAppleの年次デベロッパーカンファレンスWWDCの先駆けとして、絶好のタイミングだった。

スマートフォンの売上台数では数年前からAndroidがiPhoneを抜いているが、アプリとなると、その売上も使われ方も、Appleが伝統的に強い。

しかし一部の推計では、Google Play Storeとそのほかのストアを合わせたAndroidアプリの売上がAppleを抜き始めたらしい。App Annieが3月に挙げた数字では、2021年のAppleの売上が600億ドルに対して、Google Play Storeが420億ドル、そのほかのAndroidストアが360億ドルという推計だ。でも今日発表された数字でAppleは、アプリの作者と販売者が得る利益が継続的に大きいことを示したいようだ。

“人びとはどこでもアプリが大好きであり、われわれの顧客は記録的な数のダウンロードを行っている”、と、Appleのグローバルマーケティング担当SVPが声明している。“デベロッパーが稼いだ700億ドルは、ひたすら驚異的である。デベロッパーたちが作る新しいアプリのすばらしさには、いつも感嘆しており、来週のWorldwide Developers Conferenceでお会いできることが楽しみである”。

Appleは新しい決済方式を導入して、さまざまな経済圏の人たちがアプリ内購入をできるようにした。アプリの料金をキャリアの請求書に含めるキャリア決済(carrier billing)という方式もある。プリペイ(事前支払い)のクレジットでもよい…とくにこれは、通常のクレジットカードがあまり普及していない市場で便利だ。

そしてさらに、有料会員制(サブスクリプション)がある。Appleは通常のアプリ内購入では30%を取るが、1年を超えるサブスクリプションに対してはその率が15%に下がる

Appleによると、今では25のカテゴリーのすべてにわたってサブスクリプションが認められるので、有料会員制は前年比58%増加した。この分野のリーダー格は、NetflixとHuluだ。料理アプリのTastemadeや写真アプリのOverとEnlightがそれに次ぐ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Adobe Scanは文書やレシートその他を編集可能なPDFに変換する

本日(米国時間6月1日)Adobeは、紙文書などを編集可能なPDFファイルへと簡単にデジタル変換できる、新しいモバイルアプリAdobeScanを発表した。App Storeには、既に多くのスキャンしてPDFへ変換するアプリが溢れているが、その多くは無料ではなく、デザインは古臭く、あるいは単にイメージをPDFに変換するだけで編集可能にはしてくれないものが多い。一方、Adobe Scanは、光学式文字認識(OCR)を使用して、印刷されたテキストをデジタルテキストに変換し、Acrobat Reader DCまたはAcrobat DCを使って検索、選択、コピーあるいは注釈付けができるようにする。

これに加えて、Adobeは無料アプリでもスキャンできるページ数に限界はなく、スキャンクオリティも下げないと言っている。

もちろんMicrosoft(Office Lens)、Google(Googleドライブ)、あるいはScanner Proなどの一般的なサードパーティ製アプリケーションなどを利用することに比べて、利用者の視点から見て優れている、あるいは困る点は、このアプリがAdobeのDocument Cloudと連携するようにデザインされているということだ。Adobeの顧客たちにとってはこれは利点だが、好みのアップロード先を選択できるようにする、より自由なソリューションを好む者もいる。

モバイルでスキャンしたドキュメントは、Adobe Document Cloudアカウントに自動的にアップロードされ、オンラインで保存したり、他のユーザーと共有したりすることができる。そしてもしAcrobat DCの加入者(スタンダードは月12.99ドル、プロは月14.99ドル)なら、文書の完全な編集と整理、そして署名の入力なども可能になる。

Adobe Scanは、単に紙だけを対象としたものではないことも指摘しておこう。同社によれば、ショッピングのレシート、名刺、会議中に表示されたスライド、さらにはホワイトボードのようなものをスキャンすることもできるという。

この新しいアプリは、Adobe Senseiという名のAIおよびマシンラーニングに基づくプラットフォームによって支えられている。 Senseiは、境界検出、自動トリミングとキャプチャ、パースペクティブ補正、例えば影部分を削除する自動クリーンなどの実現に利用される。

また、Adobe Signの新しいモバイル機能と連携して、どのデバイスからでもドキュメントに自動的に署名して送信することができる、とAdobeは発表している。

新しいアプリは、今日(米国時間6月1日)からiOSAndroidの両デバイスで利用可能だ。

[ 原文へ ]
(翻訳:Sako)