E3でMSがXbox Game Pass Ultimateを発表、月額約15ドルでPCでもプレイ

先ほどE3カンファレンスでMicrosoft(マイクロソフト)は、Xbox Game Pass Ultimateを発表した。このゲームサブスクリプションにはXboxコンソールと各種のモバイルデバイスに加えてデスクトップ向けのXbox Game Pass for PCもバンドルされる。月額料金は14.99ドル(約1630円)。

Xbox Game Passは多数のXboxゲームを自由にダウンロードできるマルチプラットフォームのプロダクトだが、今回のUltimateは手頃な価格でパソコンも利用できるようになった。思わず手を出したくなるプロダクトだ。これによってMicrosoftはゲームビジネスの中心となることを狙っている。

Ultimateに先立って発表されたXbox Live Goldはオンラインのゲームサービスだがサブスクリプションにはエクストラの無料ゲームやストアでの割引が含まれる。Xboxの熱狂的ファンを増やし、人当たり売上も最大にするという長年のMicrosoftの戦略は健在だ。 Game Passには専用機で大ヒットしたゲームを含めて100タイトル以上のクラシックゲームが含まれる。

Live Goldの料金は月額9.99ドルで、すでにMicrosoftのサブスクリプションに加入している多くのユーザーがこちらにも参加したいと考えるのは間違いない。

【Japan編集部追記】MicrosoftのE3ライブビデオ録画。画面下部に表示されるタイムスタンプがゼロになったところから開始する。

キアヌ・リーブス本人がCyberpunk 2077のプロモーションに登壇して会場から喝采を浴びていた。こちらはドラゴンボールZカカロットのワールドプレミア。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

ゼンハイザー初のゲーム用ワイヤレスヘッドセット「GSP 670」

ゼンハイザーは、先週のComputexの開催期間中に、来月初めに出荷予定の初のゲーム用ワイヤレスヘッドセットGSP 670をメディア向けに早期プレビューを行った。

GSP 670の小売価格は349ユーロ(約393ドル、約4万2600円)で、他の一般的なゲーム用ワイヤレスヘッドセット(そして有線方式の従来のモデルゼンハイザーGSP 600の249.95ドル)よりも、かなり高価なものだ。ゼンハイザー社は、同社の優れた音質と快適なヘッドセットに対する評判と共に、その新しいヘッドセットの機能が、ゲーマーたちに購入を決心させることを望んでいる(私がComputexで試用してみたときには、それは優れた装着性、接続速度、そしてオーディオ品質を提供してくれた。しかしもちろん当日の数分程度の試用では、数時間に及ぶゲームの後で、ヘッドセットがどのように感じられ音が響くのかを判断することは難しい)。

ワイヤレスによってもたらされる自由にもかかわらず、多くのゲーマーたちは音質や接続速度の低下、あるいはバッテリーレベルを心配する必要を避けるために、有線ヘッドセットを使い続けている。これらはゼンハイザーがGSP 670の機能でアプローチした課題である。他のワイヤレスヘッドセットと同様に、GSP 670もワイヤレスドングルに接続する必要がある。製品にはGSA 70コンパクトUSBドングルが付属しているが、これには「ほとんど遅延することのない音」を約束するためにゼンハイザーが開発した、低遅延接続を実現する技術が搭載されている。USBは、PCおよびSony Playstation 4と互換性がある。GSP 670にはBluetoothも搭載されているので、ユーザーはスマートフォンやタブレットとペアリングすることもできる。

GSP 670のマイクはノイズキャンセリング機能付きで、ブームアームを上げることでミュートすることができる。ヘッドセットには、ユーザーがチャット音声とゲーム音声を別々に制御できるようにするための、2つの音量調整ホイールが備わっている。ゲーマーたちは、ゼンハイザー製の”Gaming Suite for Windows”を使ってオーディオの調整を行うことができる。これはユーザーたちにプリセットオーディオとカスタマイズサウンドの間の切り替えを可能にし、サラウンドサウンドモードの切り替えや、イコライザーとしての機能も提供する。

バッテリーに関してゼンハイザーは、GSP 670の急速充電バッテリーは7分の充電で2時間動作することができると主張している。完全に充電された場合、バッテリーはBluetooth接続で最大20時間、GSA 70ドングルで接続されている場合には16時間動作することができる。ヘッドセットは、電力を節約するために自動シャットダウン機能を持っている。

GSP 670は、現在ゼンハイザーのウェブサイトで予約注文が可能で、7月1日から出荷される予定だ。

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(翻訳:sako)

Google Stadiaのパフォーマンスはインターネット接続のスピードでどう違う?

ゲームプレイを双方向ストリーミングで提供するGoogleのクラウドサービスStadiaは、米国時間6月6日のローンチに際してさまざまな情報や資料が提供された。バイスプレジデントのPhil Harrison氏が提供してくれたのは、ユーザーのインターネット接続のクオリティの違いによる、このサービスのパフォーマンスの違いに関するデータだ。そのトップにあるのは、4Kの解像度+HDRのカラー+60fpsのフレームレート+5.1サラウンドサウンドで、このクォリティを得るためには少なくとも35Mbpsの接続が必要だ。

4KでなくHD1080pでよければ、HDR+60fps+5.1サラウンドのままで20Mbpsもあれば十分だ。そしてGoogleはストリームの円滑性の最適化を60ftpの前提でずっと下のほう、10Mbpsからさらにその下まで行っている。そのレベルではストリームの解像度は720pとなり、サウンドはサラウンドではなくステレオになる。

Harrison氏は「Staidaではゲームを誰でも楽しめるようにしたかった」という。誰でもというのは、インターネットの接続のスピードだけでなく、使えるデバイスのこともある。今回のローンチの時点でStadiaは、テレビ(+Chromecast Ultra)、デスクトップ、ラップトップ、タブレット(+ブラウザー)、スマートフォンで使えるが、最後のスマートフォンは当面、Pixel 3とPixel 3aのみ(+Stadiaアプリ)のみだ。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

テトリスが35歳に、ブロックは今も落ち続ける

6月6日、テトリスが35周年を迎えた。

テトリスは見かけは単純なゲームで、4つの正方向からなるさまざまな形のブロックが落ちてくるところを回転させて、長方形のプレイ画面に隙間なく埋めていき、いっぱいになった行ができる画面から消える。テトリスを説明しなくてはならない場面に遭遇したのは初めてだったが、なんとかできたと思う。

この記念日を調べていて知った新しい事実もあった。「Tetris」という名前は、ゲームのクリエイターであるAlexey Pajitnov氏が、ギリシャ語のTetra(4を表す接頭辞)とTennis(ラケットとネットと毛羽立った蛍光イエローの球を使うスポーツ)を組み合わせて思いついたそうだ。正直なところ個人的にはテニスを想起するものはない。もしかしたら、一瞬うつろになって自分がPong(卓球ゲーム)を発明していると思ったのかもしれない。

それなりに古いテトリスファンは、下の動画の音楽が消去不能なかたちで脳に焼き付いているはずだ。そして、このゲームは今もTetris 99として未だに新鮮さと存在価値を保っている。最新バージョンにはFortnite(フォートナイト)などのゲームから想起された「バトルロイヤル」スタイルのマルチプレイヤー機構も入っている。

テトリスを語る歴史にはハリウッドも登場する。映画化の話は単作だけでなく、2016年には1995年に「モータルコンバット」を映画化した制作会社から3部作の計画まだ発表された。その後の進捗については何も聞こえてこないが、正式に中止もされていないので、いつかはこの成功が保証された映画作品を見る機会があるかもしれない。

記念日を祝して、私は倉庫の中から初代の今も動作可能なゲームボーイとテトリスのカートリッジを掘り出し、何行かクリアした。ただし、今日テトリスにあまり時間を費やしてはいけない。さもないと、その名を冠した症状が発症するおそれがある

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

グーグルのクラウドゲーム「Stadia」は11月から月額9.99ドルで4K版スタート

Google(グーグル)のクラウドゲームサービス「Stadia」の全貌が、来週のE3に先立って米国時間6月6日の朝に実施されたライブストリームにて明かされた。Stadiaはコンソール並のゲームをChromeブラウザ経由で、さまざまなプラットフォームにてプレイできるサービスだ。

まず、Stadia Proが11月から月額9.99ドル(約1100円)にて提供される。プレーヤーは4K解像度/60fpsにてストリームゲームが楽しめるが、最低でも35Mbpsの通信環境が必要だ。またストリーミング機能にくわえ、Stadia Proではいくつかのゲームにもアクセスできる。

サービスは、米国、英国、カナダ、ベルギー、フィンランド、デンマーク、フランス、ドイツ、アイルランド、イタリア、オランダ、ノルウェー、スペイン、スウェーデンにてローンチされる。またモバイルデバイスではPixel 3とPixel 3aでの動作が確認されており、対応機器は今後拡大される予定だ。

さらにグーグルは来年、Stadiaストアからタイトルを購入したゲーマー向けに、1080p解像度/30fpsでプレイできる無料サブスクリプションプラインを用意する予定だ。これはグーグルが最終的にストリーミングゲームに本格的に参入するという大きな発表で、Pro版へとゲーマーの関心を惹きつけるための質の高い無料コンテンツを用意しなければならないプレッシャーとなるだろう。

さらに130ドル(約1万4000円)のFoundersエディションでは、「Destiny 2」とコントローラー、Chromecast Ultra、3ヶ月間のStadia Proの使用権が含まれる。Stadiaのコントローラーは単体だと69ドル(約7500円)だ。

さらに、ローンチタイトルも発表された。「Doom Eternal」「The Crew 2」「Get Packed」「Grid」「FM」「Mortal Kombat 11」「Farming Simulator 19」「The Elder Scrolls Online」「Trials Rising」「Wolfenstein Young Blood」「Baldur’s Gate III」「Just Dance」「Shadow of the Tomb Raider」「Dragon Ball Xenoverse 2」「Final Fantasy XV」「Rage 2」「Samurai Showdown」が用意される。

今回我々はいくつかの答えを得たが、マルチプレーヤー対応タイトルなど、まだ不明点が多いのも事実だ。この点について、グーグルは「詳細は今後公開する」としている。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

ニンテンドーの貴重な歴史を受け継ぐスーパーマリオメーカー2

1992年、ニンテンドーはマリオペイントを発売した。スーパーファミコンのタイトルの中でも異色の存在だ。それまでのマリオシリーズも、多彩なバラエティを誇っていたが、これは中でも際立っていた。マウスという、もっともニンテンドーらしからぬ入力装置が付属していたという1点だけを取っても、それがわかるだろう。

そして、ゲームで遊ぶことよりも、お絵描き、音楽、アニメ、といった創作に焦点を当てていたものだった点でも特異な存在だった。このタイトルは、ゲームというものの中に潜む創造的な側面をざっと垣間見させてくれた。そして若年のプレーヤーにとっては、自分でゲームを作るということが、どんな感じのものであるかを味あわせてくれる存在だった。

2015年に登場したスーパーマリオメーカーは、スピリットとしてはマリオペイントの続編に相当するものだった。最初はWii Uで、後には3DSでも動くようになったこのタイトルは、ペイントよりも直接的に、マリオの世界を自分で作ることを可能にしていた。オリジナルのスーパーマリオブラザーズの30周年を記念してリリースされ、ニンテンドーの最大の強みを活用して、誰にとってもなじ、み深いシリーズにひねりを加えたものとなっていた。

名前からわかるように、スーパーマリオメーカー2は、スーパーマリオメーカーの直接的な続編だ。想像可能なあらゆる面で、Wii U版の前作の内容を拡張したものとなっている。実際ニンテンドーは、ここ数カ月、ちょっとずつチラ見せしながら、じらすのを楽しんでいるように見える。この6月28日にNintendo Switch版が実際に発売されるまで、おそらくそれが続くだろう。これは、スーパースマッシュブラザーズが登場したときと似たようなアプローチだが、スーパーマリオメーカー2の場合には、スマブラのような隠しキャラではなく、ゲームの特徴とダイナミクスに注力したものとなっている。

先週、ニンテンドー主催のイベントで、私も実際にこのタイトルをプレーしてみた。そのままの状態のゲームプレイだけでも、かなり感動的なものだった。ワールドビルディングの技法は、直感的とは言えないボタンの組み合わせを憶える必要もあり、コントローラーを使いこなすだけでもなかなか難しい。あちこちスクロールさせながらコースを作っていくのは骨が折れる。とはいえ、5分もやっていれば、かなり快適に操作できるようになるだろう。

このタイトルが本当に成功するかどうかは、やはりゲームプレイの深さしだいということになるだろう。1ドルでスマホ用のゲームがいくらでも手に入る時代に、70ドル(日本では5980円)というのは、すんなりと受け入れるのが難しい価格かもしれない。しかし、他のほぼすべてのマリオシリーズのタイトルと同様、スーパーマリオメーカー2は何度でもやりたくなってしまうゲームなのだ。新しいストーリーモードでは、ニンテンドーが最初から用意した100以上のコースを、すぐに遊ぶことができる。また、他の人が作ったレベルを試してみることも可能だ。さらに、サードパーティが作成したステージを使った世界規模の競技に、オンラインで参加することもできる。

マリオシリーズのよさを受け継いで、このゲームも懐かしさと新しいアイデアをうまくミックスしたものとなっている。そして、40年の歴史を持つマリオのゲームプレイに、文字通りプレーヤーを誘うのだ。基本的な構成要素は、これまでのマリオ、つまりスーパーマリオブラザーズ、スーパーマリオブラザーズ3、スーパーマリオワールド、NewスーパーマリオブラザーズU、スーパーマリオ3Dワールド、を巧みに組み合わせたものとなっている。

私のような、昔からのニンテンドープレイヤーの年寄りにとって、ほとんどの部分に親しみが感じられる一方で、目新しい部分もある。スーパーマリオ3Dワールドに由来するネコマリオと透明土管には、ちょっと慣れが必要だった。マリオ、ルイージ、キノピオ、キノピコがチームを組んでレベルをクリヤーする、マルチプレーヤーモードの操作にも、やはり最初は手こずった。

実際にこのゲームで1〜2時間遊んでみたが、それではほんのさわりでしかないことがはっきりと感じられた。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

Pokémon GOがプレーヤーの睡眠データをゲームの要素に利用へ

おやおや、米国時間5月28日にはちょっと驚きのニュースが入ってきた。未来のある時期にPokémon GOは、プレーヤーの睡眠の習慣をゲームプレーの要素として含めるそうだ。

それは、The Pokémon Companyのもっと大きな企画の一部だ。CEOの石原恒和氏が本日夜の記者会見でコメントしている。「睡眠をエンターテインメントにしたい」。そ、そ、それは、どういうことだろう?

NianticのCEOであるJohn Hanke(ジョン・ハンケ)氏も記者会見のステージにちょっとだけいたが、詳しい話はしなかった。彼はこう言った。

「Niantic(ナイアンティック)は新しい種類のゲームを開拓し、全世界をゲーム盤にした。そこで誰もがプレイでき探検もできる。世界の新しい見方を作り、外へ出て体を動かす誘因を人びとに与えた。私たちは健康的なライフスタイルを奨励し、プレーヤーと世界に対してポジティブなインパクトを作り出したいと願った。このたび、Pokémon Companyと一緒に仕事をして、健康的なライフスタイルのもうひとつの要素である良質な夜の休息を奨励していけることは、とても喜ばしい。

Nianticでは、自分の脚で世界を探検することを愛している。でも、そんなアドベンチャーに取り組むためにはエネルギーが必要だ。ヘルシーなライフスタイルの一部として、Pokémon GOで良質な睡眠習慣にごほうびを提供する方法を見つけることは、とてもすばらしい。近日中に、もっと詳しいお話をしたい」。

石原氏の発表では、The Pokémon CompanyはSELECT BUTTONと協働してPokémon SLEEPという別のゲームを作っている。SELECT BUTTONは、2017年にモバイルゲームのMagikarp Jumpを作った企業だ。これについても詳しい話はないが、ローンチは2020年、そしてこれがロゴだ。

この話のすべてに、最近発表したばかりのデバイスPokémon GO+ Plusが絡む。ちなみにこれは、Go Plus Plusと読む。Plusが2つあるから最初のGO+の後継機だ。スマートフォンの画面を見つめなくてもPokémon GOをプレイできるデバイス。GO Plus PlusはGO+の能力をすべて持ち、ボタンをタップするだけでポケストップをスピンさせたり、近くにいるPokémonをキャッチできる。そしてさらに、加速度計があるのでベッドの上に置くと睡眠習慣を調べてBluetoothでスマートフォンに送る。

そしてこれは、発表の席で再生されたビデオのスクリーンショットだ。そのデバイスが、上に書いたように使われている:

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Observationは現代版HAL 9000になれる緊張感と雰囲気たっぷりのパズルゲーム

映画「2001年宇宙の旅」を観るにつけ、HAL 9000の策略がダメだとケチをつけ「自分ならもっとうまくやれる!」と思ってしまう人には、Observation(オブザベーション)がピッタリだ。宇宙ステーションに搭載されたSAMと呼ばれるAIになって、人間の乗組員の指令により、命にかかわる謎に挑戦する。ただし、その事件に自分も関わっている恐れがある。

このゲームは、近未来のISSを拡張した程度の宇宙ステーションとは名ばかりの場所が舞台となる。あなたは、宇宙ステーションにダメージを与えかねない不慮の事故が発生したあと、宇宙飛行士Emma Fisherによって起動される。Systems Administration and Maintenance(SAM)というAIであるあなたは、まずは彼女が当面の混乱を乗り切るための手助けをするよう求められる。その後、何が起きたのかを解明してゆく。

使命を遂行するためには、デジタルエージェントが行うように、さまざまなタスクを熟さなければならない。ハッチをアンロックして開いたり、システムエラーを調べたり、壊れたノートパソコンからデータを回収したりなどなど。ほとんどの作業は、ステーション中に設置されたカメラを通して行う。通常は、カメラ間を自由に移動でき、カメラのアングルを変えて、こっちのハッチを見たり、あっちの壁に貼られている紙切れを見たりできる。しかし、これが微小隕石やその他の宇宙によくある変則的な現象による単純な事故でないことは、すぐにわかる。ネタばらしはしたくないが、2001年宇宙の旅と同様、ミステリーはずっと深いところにあり、SAM自身も事件に関与している、といった程度のことは話してもいいだろう。

Observationはリアルタイムで進行するパズルゲームだが、急いで対処すべきがタスクを与えられることは滅多にない。なので「SAM、ポッドベイのドアを開けろ!」みたいな切迫したコマンドは希で、むしろ「冷却システムがおかしい。だからハッチが開かないのね。調べてみてくれる?」みたいな感じだ。

そこで、例えばカメラを使ってシステムを制御しているサーバーを検査して、再起動に必要な情報を壁に貼られた紙切れに描かれた回路図から得るといった具合だ。解決のコツは、とにかくよく観察すること。しかし、稼働中の宇宙ステーションの繁雑な舞台裏や大惨事の後の残骸の中で、何を探しているのかすらわからないものを探すといった、イラつく宝探しになる場合もある。

もし行き詰まったときは、考えすぎが原因だったりもする。私は、ある問題の解法で悩んでいたとき、じつは背景にまぎれ込んでいたインタラクティブなオブジェクトをひとつ見逃していただけだったという経験がある(実際には、電源のコンセントでオンオフができるというものだった)。

エアーロックなどの装置を操作するときには、たいていミニゲームをクリアするようになっている。一連のボタンを押したり、長押ししたりする順番を見つけるといった程度のもので、それほど難しくはない。これは、いつでもアクションボタンさえ押せば解決するものではないという状況を作るためのハードルになっている。操作性には、ちょっと厄介な部分がある。ある場面では、あることをするためにSキーを押し続け、その後同時にWキーを押し続けなければならないというものがあった。1本の指でそれが同時にできるかどうか、考えればわかりそうなものだ。幸いなことにキーの割り当ては変更が可能で、マウスの動きは悪いもののシビアなタイミングで操作を強いられることはない。

パズルはやや単純だが、宇宙ステーションの中を歩き回るのはとても楽しい。グラフィックが美しいからだ。開発者はよほど入念に下調べをしたのだろう。Observation、すなわちこの宇宙ステーションが、21世紀に運用されていることをリアルに実感させてくれる。いたるところにカメラやノートパソコンが備え付けられていて、ロシア人や中国人の乗組員が残した付箋が貼られ、荷物や実験装置がしまい込まれていたり、途中で放棄されたりしている。

また映像は、ポストプロダクトが加えられ、本当に監視カメラシステムを通してさまざまなものを見ているような雰囲気に仕上げられている。ただその効果には、やや一貫性に欠けるものがある。あるときは、80年代のディスクドライブやシステムが回転を始めるときに似たすすり泣くような音が聞こえたかと思えば、Windows 98 SEっぽいデザインが現れたりする。ゲーム画面は「ターミネーター」から出て来たような感じだ。はっきり言ってまとまりがない。しかし実際、ISSやその他の宇宙船のシステムも、同じようなものだ。それは、ステーション内のいろいろな部分や、プレイヤーが接続する数々の機器に変化をもたらす上では、気の利いた工夫になっている。

主人公Emmaのモデリングも、とてもよく出来ているのだが、そこかしこでぎこちないアニメーションを見せるため、不気味の谷にちょっと足を突っ込んでいる感がある。もしかしたら、微小重力の仕業かも知れない。しかし、声優の力量だけは看過できないものだ。その点、Emmaの声優は素晴らしい。その他、ゲームに登場する声の演技はどれも秀逸だ。会話の量は、よく声優が引き受けたなと思うほどある。しかしお陰で、聞いていて実に心地いい。環境音もまた素晴らしい。ぜひヘッドフォンで聞いてほしい。

圧迫感と緊張感を覚えるが、怖いというほどではない。空気孔からネオモーフが飛び出してくることもない。スペースステーションシミュレーター2019を期待するのも間違いだ。これは、本気で楽しめる大人の(とはいえ、大人向けというわけでも暴力的というわけでもない)SF物語だ。私がプレイした限りでは、洗練された面白いゲームだ。

まだ最後までプレイしていないのだが(レビュー用に早めにもらっていたのだけど、Mordhauの強烈な愛憎劇にはまっていたのだ)、ここまでプレイした印象から、適度に難しいパズルで、入念に作り込まれた環境でよく練られた物語を楽しみたいというすべての人に、躊躇なく推薦できる。宇宙マニアにもお勧めだ。今なら25ドル以下で買える(今週のセール期間中はもっと安い)。迷う必要はない。

Observationは、今週初めにEpic GameとPlayStation Storeでリリースされた。

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(翻訳:金井哲夫)

キャラ再デザインのために映画「ソニック・ザ・ムービー」公開延期

映画「ソニック・ザ・ムービー」への反応はさまざまだったというのは、あまりにも持ち上げ過ぎだ。しかし少なくとも、ファンはドクター・ロボトニックを演じるジム・キャリーではなく、本当に大事なソニック・ザ・ヘッジホッグの奇妙なデザインに注目することができた。

オンラインの反応が作品に影響するケースがますます増える中、Jeff Fowler監督はTwitterにて「(キャラクターの)デザインが不評で、変更が求められているのは知っている。我々はそれをするつもりだ」とし、配給元のパラマウントとデザイン変更を進めているようだった。そして、それは当初の予定よりも公開日を数カ月延期させることとなる。

Fowler氏はTwitterにて再び、「ソニックを正しいものにするのにもう少し時間がかかる」とのビッグニュースを伝えている。なおツイートによれば、もともとの公開日の3カ月遅れとなる、2020年2月24日の公開が予定されている。大人気のビデオゲームのヒーローがスクリーンに登場するのに30年近くかかったわけだが、本当に遅れは2〜3カ月で済むのだろうか?

願わくは「不気味の谷」を飛び越えるのに十分な時間があることを祈るばかりだ。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

12種類の魅力的なタイトルが次々に登場するコンパクトなゲーム機「Playdate」

スマートフォンゲームにはもううんざりしていて、今日はもうSwitchを電車のお供に持っていくことにも気が進まないだろうか?このたび、便利なMacアプリの有名なクリエイターで、最近は面白いゲームをリリースしているPanicが、どこへでも携行できるほどコンパクトで、新しいゲームを定期的に受け取ることができるハンドヘルドゲーム機を開発した。Playdateという名前だ。

過去10年間にわたり、任天堂とスマートフォンによって圧倒的に支配されていて、挑戦しようとするものさえいなかった場所に、あえて飛び込んでくる勇気を讃えよう。とはいえPanicは一大帝国を築こうとしているのではない、ただ面白くて新しい何かをやっているだけなのだ。

「驚くようなものは残されていないけれど驚くことは素晴らしい!」と、PlaydateのFAQには書かれている。「私たちPanicはビデオゲームの世界に、これまでのものとは全く違うチャンスを見ました。これまで様々な体験をしてきたビデオゲームプレイヤーの皆さんに、ちょっとした楽しさと喜びをお届けできるような、小さなものをお届けするということです」。

OK、確かに違うみたいだ。明るく黄色の本体に、黒と白のスクリーンを持つ。カートリッジのようなリムーバブルメディアを差し込む場所はない。Playdateは基本的に自己完結的型だが、もちろん充電は必要だし無線接続も行える。そして12のゲームも無線接続を介してやってくる。高橋慶太氏(塊魂の作者)、ベネット・フォディ氏(Getting Over Itの作者)、そしてザック・ゲージ(Ridiculous Fishingの作者)のような有名開発者たちによって開発された、独占ゲームが配信されるのだ。(訳注:他の記事などによれば、実際にはゲームは当初より本体内に入っていて順次アンロックされて使えるようになっているらしい)。

それらは毎週1つずつ登場するが、最初のタイトルは、高橋氏による「Crankin’s Time Travel Adventure」である。おっとそう言えば、この機械にはクランクが付いてることはお話ししただろうか?

そのとおり、このはガジェットには通常の十字パッドと2つのボタンがあるが、側面には小さなクランクがついていて、プレイヤーは奇妙な小さなゲームの中でそれを使うことになる。例えば最初のゲームの場合、クランクを使って時間を進めたり戻したりすることになる。おそらく、魚釣りでリールを巻いたり、懐中電灯を充電したり、工作のために石を削ったり、その他さまざまなことを行うことになるだろう。とはいえ、すべてのゲームに必要というわけでもないので、もし非常に奇妙に見えても心配しないで欲しい(このクランクは、PanicのハードウェアデザインパートナーであるTeenage Engineeringによる触発的なチョイスである)。

ひょっとして気がついていないかもしれないが、ゲームもまた白黒である。2.7インチ、400×240の画面にはバックライトがない。それは電子ペーパーでもなく、カラーフィルターもない単なるLCDだ。私は何年もこうするべきだと言い続けてきた! それはバッテリー寿命を延ばし、遊び方をほんの少し変えることになるだろう。たとえばソファの上で明るい画面を見るのではなく、ランプ光の下のベッドの中で遊ぶといったやり方に。

「Playdateから得られる体験は、携帯電話やテレビを使うゲーム機から得られる体験とは異なるものである必要があると考えています」と語るのは、Panicのスペシャルプロジェクトディレクターであるグレッグ・マレティック(Greg Maletic)氏だ。「この奇妙な1ビット反射式スクリーンは、その体験のための、大きな部分を占めています。こちらの路線に進むデバイスは多くありません。そして私たちにとっては、それこそが魅力の一部でした。そして、それは本当にうまくいきました。開発者たちは、この奇妙だけれどクールなスクリーンに向けたデザインに、活力を感じてくれたのです」。

12種類のタイトルがすべて配信されたあとには、さらに多くのタイトルが登場する可能性があるが、同社によれば、それは多くの条件にかかっているという。しかし彼らは、プラットフォームが簡単にハッキングできるように注意深く仕上げてくれた。

「現在のほとんどのハードウェアプラットフォームには厳しい制限がかかっています。そこで私たちにとってはPlaydateを実験可能な程度にオープンにすることが大切だったのです」と、マレティック氏は語る。「それは、私たちが開発者として、個人的に切望していた種類のプラットフォームなのです。そのため、コード署名やプロビジョニングプロファイルといったモバイル開発の厄介事を心配することなしに、皆が自分のゲームを開発して、気軽に友人たちと共有できるようにしたのです」。

今年の後半に発売予定のPlaydateを149ドルで予約注文することが可能だ。まあ、それは安くはない。だがそれは奇妙で楽しく、いまはユニークな存在だ。それはますます汎用化されつつあるゲームハードウェアの世界で、何らかの価値を持つに違いない。

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(翻訳:sako)

Amazonは倉庫の仕事をゲームにした

Amazonのフルフィルメントセンターの仕事はつらくて退屈だ。問題多い労働条件をめぐるさまざまな記事が、同社をもう何年も悩ませている。それでもなお同社は、配達を今よりもさらに早くしようとしているから、プレッシャーは増すばかりだ。

同社の名誉のために言うなら、労働条件の改善には努力している。最低時給を15ドルに上げたし、一部の仕事はロボットで自動化した。しかも同社は、仕事の一部を文字通りゲーム化しようとしている。

ワシントン・ポストl紙(ちなみにこれもAmazonのCEOであるジェフ・ベゾス氏がオーナー)の記事が、顧客の注文を処理する労働者のモチベーションを上げるための実験的なビデオゲームを紹介している。このゲームは、参加は義務的でなく自由のようだが、 ワークステーションの画面上に展開され、受注を処理した件数が得点になり、チーム同士が対戦する。

記事によると、それはAmazon独自のアイデアではない。UberやLyftのようなギグ企業は、運転距離の長さでドライバーを報奨している。今やFitbitなどを使って自分自身のウォーキングの歩数をゲーム化するぐらいだから、企業が退屈な単純労働に同じ手口を用いても不思議ではない。

しかし、それでもなお、この話全体がちょいとおかしい。というか、むしろ仕事のきつさと退屈さを、なお一層際立たせている。最近本誌はスタテンアイランドの巨大なフルフィルメントセンターを取材したが、そこでは、ギグワーカーの「ピッカー」(Picker、棚から目的品目を拾う人)と「ストウワー」(Stower、その品目を箱に詰める人)が、棚と遊んでいるAmazonのロボットと一緒に配送の仕事をしている。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

ValveがSteam ChatのiOS/Android向けアプリをリリース

1年弱前、ValveはSteamのゲームストアやランチャーのチャット機能を大幅にアップデートした。これはグループチャットやメディア(GIF)の埋め込みなど現代的なチャットの利便性に注目し、Discordへとユーザーが向かわせないためのものだと考える人もいた。なお、Steam Chatの一般公開の数週間後、Discordはゲームストアをオープンさせている。

そして本日、Steam Chatはモバイル分野へと進出した。Valveによれば、Steam ChatアプリのiOSAndroidがすぐに利用可能になるという。

新たなモバイルアプリでは、誰がオンラインなのか、誰がどのゲームをプレイしているのか、Steamの友達の追加、そしてもちろんチャット(1対1とグループ)が可能だ。ゲーム中に邪魔されたくない? Valveによれば、通知は友人ごと、あるいはグループごとに設定できる。

ただし、まだ音声チャットは利用できない。Valveはこの課題に取り組んでいるが、今回のリリースでは機能は搭載されなかった。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

Minecraft EarthはARで現実がブロックの世界になりニワトリも飼える

ゲームのプレイヤー数が1億人を突破すれば、次は2倍の数を目指そうと思うのが自然な成り行き。それは、ゲームがそのまま商品カテゴリーにもなったMicrosoft(マイクロソフト)の「Minecraft」の開発者たち、というかむしろスチュワードも同じこと。このゲームは、さらなる大きな飛躍を遂げた。「ポケモンGO」の流れをくむ、拡張現実(AR)ゲーム「Minecraft Earth」(MCE)に進化したのだ。

米国時間5月18日に発表されたMCEは、iOS版とAndroid版の公式スタートが夏以降とのことだが、完全なMinecraftをモバイル用に、そしてARゲームとして再考したものだ。つまり、どういうこと? エグゼクティブプロデューサーJesse Merriamは、簡潔にこう説明している。「どこへ行ってもMinecraftがある。そしてどこへ行っても、Minecraftで遊べる」。

なるほど、で、どういうこと?もうちょっと詳しく言うと、MCEは他の現実をベースとしたARゲームと同じく、今いる場所の仮想版の中を歩き回り、アイテムを集めたりミニゲームに参加したりできるというものだ。他のARゲームと違うのは、Minecraft: Bedrock Editionが基礎になっているということ。派生版でも、課金を目的にした名前だけのインチキゲームでもない。本物のMinecraftだ。すべてのブロックが揃っていて、モンスターもいれば、レッドストーン回路も自由に作れる。ただそれが、ARになったというだけだ。アイテムを集めて、それを使って世界を作ってその小さなブロックの世界を友だちと共有できる。

このゲームでは、いくつかの楽しいチャンスが増えるのと同時に、ちょっと重要な制約が加えられる。そんなわけで、MCEがどんなゲームなのか、ざっと見ていこう。といっても、マイクロソフトはとてもケチんぼで、ゲーム内の大切な部分をなかなか見せてくれないので、言葉での説明になるけど。

もちろんマップがある

Minecraft Earthであるからには、現実世界の中の特別なMinecraftフィールドに暮らすことになる。ポケモンGoやハリー・ポッター:ウィザーズ・ユナイトと同じく、現実の街や風景の上にレイヤーを重ねるかたちだ。

もちろん外観はブロック状だが、目で見て何がなんだかわからないほどブロック化されているわけではない。地域、私有地、安全な場所、危険な場所などの注釈や推論情報が含まれたOpenStreetMapsデータを使用している。

この夢のマップの上にはタップできる物で満ちあふれている。そのままの表現だが、Tappable(タッパブル、タップできるもの)と呼ばれている。タッパブルはさまざまな形態を取ることができる。具体的には、チェスト、モブなどの形をした資源だ。

チェストにはブロックがたくさん入っていて、丸石やレンガなどに加えて、その他の種類のものも適度にレアな存在として現れる。

モブとは、Minecraftの自然の中で普通に出くわす、ブタやニワトリやイカなどの動物だ。アイテムと同じように取ることができる。モブにもレアなやつがいて、単なる飾りではないものもいる。開発チームは、彼らのお気に入りのモブを紹介していた。ひとつはMuddy pig(泥ブタ)だ。地面に置くと、何もないところで立ち止まり、ひたすら泥浴びをする。Cave Chiken(洞窟ニワトリ)は、タマゴの代わりにマッシュルームを産む。そう、繁殖が可能なのだ。

最後のタッパブルは冒険。資源を集めたり、モンスターと戦ったりできる小さなARインスタンスだ。たとえば、ときどき地面にひび割れがあり、そこを掘ると大量の溶岩が噴き出され、逃げなければならなくなる。溶岩が流れ出した跡には洞窟が現れ、その中でスケルトンが宝のチェストを守っているというような具合だ。こうした冒険を山ほど作ったと開発チームは話していた。

重要なのは、チェスト、Mod、冒険のいずれも、友だち同士で共有できるという点だ。私が見ているチェストは、みんなも見ることができる。そのチェストには、同じアイテムが入っている。冒険は、近くにいる人たちなら誰もが参加でき、みんなで協力して報酬を獲得することができる。

こうしたAR体験とあらゆる行動の土台となる「Build plate」(ビルドプレート)が、ゲームを輝かせている。

ARに関して

「Minecraft EarthをARなしでプレイしたければ、ゲームを止めるしかありません」と、このゲームのディレクターTorfi Olafssonは言う。このゲームのARはNianticのゲームと同様、オプションではない。ARネイティブなのだ。だから、スマートフォンを別の世界を覗き込む窓として使うのが、このゲームをプレイする唯一の方法となる。ただ、それが非常にうまく出来ているので安心できる。

まずは、ビルドプレートについて説明したい。アイテムやミニゲームで、どのようにMinecraftが構成されるのか疑問に思っていた人もいるだろう。構成はされていない。それらは生の素材に過ぎないのだ。

Minecraftで遊びたいと思ったら、開発チームがビルドプレートと呼ぶものを取り出す。これは特殊なアイテムで、テーブルや床などの現実世界の平面の上に仮想的に配置する平らな正方形だ。その上が、小さいながら完全な機能を持つMinecraftの世界となる。

この小さな世界の上に、なんでも好きなものが作れる。地面を掘って洞窟ニワトリのための地下宮殿や泥ブタの楽園を作ったりも自由自在だ。Minecraft自体がそうであるように、ビルドプレートも境界線がない。いや、この言い方は誤解を生むかな。実際、ビルドプレートには厳格な境界線がある。世界はビルドプレートの中だけに限定されるからだ。だが、その中は完全に自分の思い通りになる世界だ。

そこにも、通常のMinecraftのルールが存在する。これはMinecraft Liteとは違う。ただゲームの世界を小さくしただけだ。水も溶岩も物理法則に則って流れる。ブロックも、それぞれ素材に応じた性質を持ちModもごく普通に行動する。

このビルドプレートをミニサイズから実物大に変換したときに魔法が起きる。例えば、机の上で作った城を公園に持っていって3階建ての建造物にできる。廊下を歩けばブタたちは静かに私たちの存在に気付く。間違いなく自分が細部にこだわって作ったその内部に我ながら感心する。刺激的な体験だ。

本当はこんな風に見えるわけではないが、雰囲気だけでも感じとってほしい

他誌の記者といっしょに遊んだデモ版では、ビルドプレートをいくつか使って、実物大の冒険を体験した(正確には現実の4分の3のサイズだが、長さ1mのブロックにはちょっとばかり圧倒される)。それはまったくのカオスだった。みんながブロックを置いたり壊したり、水をあふれさせたり、ニワトリを置いたり。しかし、どれも正常に機能した。

これには、MicrosoftのAzure Spatial Anchorシステムが使われている。仮想空間内の自分の位置を素早く継続的に補正してくれる。更新は驚くほど早く、他のプレイヤーの位置と方向を、遅延なくリアルタイムで示してくれる。一方ゲームそのものは、その空間にしっかり固定される。そこに入って中を歩くときも滞りがない。バグも非常に少ない(それも起こっても仕方がない状況でのみ起きる)。このゲームがマルチプレイヤー体験を強く意識していることはうれしいニュースだ。

開発チームによれば、ARインスタンスとして同時に集まれるのは10人だという。技術的には無制限なのだが、冒険用に設定された舞台やテーブルの周囲など小さな空間に物理的に集まれる人数を考慮してのことだ。64人で大規模な襲撃なんてことは期待できないが、3人か4人の仲間とクモの大群を引き連れて歩くことは可能だ。

開発者の苦闘

開発チームは、これまでのMinecraftと同じ方法でこのゲームを作るにあたり、自然な流れとしていくつかの制限とリスクを設けた。例えば、高速道路の真ん中に冒険アイコンが現れても困る。

その目的のために、開発チームは長期間をかけて、きわめて強固なマップのメタデータを作り上げた。他人の家や庭に冒険が発生しないように。ただし、手で拾える簡単なアイテムは出現する可能性がある。70m先のものまで手が届くので、その人の玄関のドアをノックしてプールの中に洞窟ニワトリがいるので取らせてくれ、なんてお願いする必要はない。

さらに冒険は、道や到達困難な場所には現れないようになっている。例えば歩道や公園など、そこが一般に開放され地区であり、さらに安全で入りやすい場所であることをエンジンが認識できるようにするのに大変に苦労したと開発チームは話していた。

Nianticの『ハリー・ポッター:ウィザーズ・ユナイト』は、ポケモンGo世代の魔法バイキング(本文は英語)

もうひとつの制限は、ARゲームであるため、現実の世界を歩き回らなければならないことだ。しかし、Minecraftの命は仮想性だ。当然のことながら、現実世界にいる限り、仮想的に作られた階段を昇ったり、洞窟に潜ることはできない。プレイヤーである私たちは、二次元の平面上にいる。そこに関わることはできるのだが、その平面の上や下の空間を歩くのは不可能だ(だがビルドプレートには例外もある。ミニチュアモードのときは、スマホを動かして建物の周囲を自由に飛び回ることができる)。

自由に歩けない人には残念なのだが、それでもビルドプレートを回転させれば、別の面にアクセスできるようになる。武器も道具も有効距離は無限なので、遊びの邪魔になるものや障害物を取り除くことができる。

プレイヤーを飽きさせない要素は?

ポケモンGOには、プレイヤーを放さない誘因がある。ハリー・ポッター:ウィザーズ・ユナイトには物語や能力が発展する楽しみがある。Minecraft Earthの場合はどうだろう? そもそも、Minecraftの魅力とは何なのだろう?それは物を作ることだ。それが、スマホの中のARの世界でもできるようになった。

このゲームは物語を追うものではない。詳細は公表されていないもののキャラクターがある程度成長する機能はあるが、Minecraftの本来の遊び方は、物を使ったり作ったりすることだ。レゴで遊ぶのと同じように、ビルドプレートと永続性のある手持ちのアイテムが活気に満ちた砂場になってくれる。

たしかに、ポケモンほどの病みつきになるゲームには見えないかも知れないが、Minecraftが型破りなゲームであることは事実だ。数百万人ものプレイヤーが、物を作ったり、作った物を人に自慢するために、ずっとこれで遊んでいる。最初は、物を人に見せる方法に限りがあるが、将来的には人気の作品を見て回るための手段が提供されるはずだ。

しかし、これでどうやって儲けを出すのだろう?開発チームはこの質問に対して答えをはぐらかしたが、彼らは幸せなことに今はお金のことを心配しなくていい立場にある。Minecraftは歴史的な大ヒットゲームであり大きなドル箱なのだ。たぶん、Minecraftの世界に人々やコミュニティをつなぎとめるためのコストに見合うだけのものが、これにはあるのだろう。

私にとってMCEは素晴らしいものだが、このゲームには誰がどう言おうと、本質的に評価されるべき価値がある。スクリーンショットやゲーム中の動画を紹介できなかったため、それが伝わらないのはよくわかる。ここはひとつ、見た目も素晴らしいしプレイ感覚もよく、あらゆる年代にとって心底楽しめるものだという私の言葉を信じてもらうしかない。

その他、本題から外れた事実を列挙しておこう。対象地域は順次拡大されることになっているが、正式スタートの時点では、今のMinecraftと同じ対象地域で普通にプレイできるようになっているはずだ。

  • スキンも使えるようになる(今のアカウントからスキンを読み込むことも可能にするとのこと)。
  • ビルドプレートのサイズとタイプは数種類用意される。
  • クラフトもできる。だが3×3のクラフト用グリッドがない(?)
  • 荒らしを通報できるが、ゲームの構造上、荒らしが大きな問題になることは少ない。
  • ARエンジンはポイントクラウドを生成し利用するが、寝室の写真を撮るようなことはしない。
  • コンテンツはマップに動的に追加される。ホットスポットもあるが、寂しい場所ではプレイヤーがいるときにコンテンツで満たされるようになる。
  • 当然、AR CoreとAR Kitが使われている。
  • 少し前に見たMinecraftのHoloLens版は、「技術よりも気持ち」を優先させた前任者だ。
  • 知的機能に困難を抱える子どもには冒険は怖すぎるかも。
  • ビルドプレートのブロックを「フレンド」が盗むことができる(寄付もできる)。
  • 面白そう?それならベータ版に登録しよう。

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(翻訳:金井哲夫)

1TBのmicroSDカードがすでに市販されている

ちょっと前までは、TB(テラバイト)のストレージを持てるなんて途方もない話だった。

しかし今や、小指の爪ぐらいの大きさのカードに1TBを収めることができる。

10代のころの僕を仰天させたであろうそのニュースによると、SanDiskは同社のExtreme microSDシリーズの製品系列として、その1TBバージョンを450ドルで売っている。2月のMobile World Congressでも同社からその話はあったけど、今では実際に店頭にある。今朝Tom’s Guideが、SanDiskのサイトで売られていることを見つけた。

リードのスピードは最大で90MB/秒、ライトは60MB/秒だ。SanDiskの製品案内ページは、これより速いリード170MB/秒、ライト90MB/秒のExtremeProカードを予告しているが、発売時期は書かれていない。

昔々は、TBのストレージなんてそもそもいらないし、それがポケットに収まるようなデバイスに載るなんて、笑い話だった。しかしその後4Kビデオや4Kで撮影録画できるデバイスが登場、そしてゲームのテクスチャもますます大容量になってきた。テラバイトが満杯になることも、実際にありえる時代だ。

2099年にこの記事を読んでる人なら、小さなカードサイズのストレージにTBを詰め込むというニュースに驚いているなんて馬鹿に見えるだろう。そのころなら、1本の髪の毛のようなものにすべてのムービーを記録できるだろうし、誰もが自分用の宇宙船を持ってるんだから。でも、このぼく自身はというと、テラバイトのデータが載っている硬貨ぐらいの大きさのカードは、万一の紛失がとっても怖いね。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

人気VRゲーム「Beat Saber」が「アーリーアクセス」を脱して値上げ

VR(バーチャルリアリティー)で一番人気のゲームが、今月中に値上がりしプレイ可能なヘッドセットが増える。

先週TechCrunchでは、Beat Saberの詳細な長文記事を書いた。チェコ・プラハの小さなVRスタジオが作ったベストセラーゲームは大きな収益をメーカーにもたらしている。Guitar HeroとFruit Ninjaを合わせたようなゲームで、EDM(エレクトロダンスミュージック)の流れる中をライトセーバーをもって進んでいく。100万本以上売れている。

今週Beat Game社は、ほとんどのバグを修正したという確信を深め、さらに売上を伸ばすに違いないアップデートを発表した。

来る5月21日に、Beat GamesはValveのSteamストアバージョンおよびOculus Homeプラットフォーム向けバージョンの価格を20ドルから30ドルに上げ、PS VRバージョンと同価格にする。今回の価格改定に伴い、同社はこれまでゲームに冠していた「アーリーアクセス」のタイトルを外した。これはゲームがまだベータ版であり不具合が残っていることを意味していた。同社はMediumの投稿にそのことを詳しく書き、ゲームが「安定バージョン」のレベルに達し、「フルゲーム」になったと感じていることを述べた。

ゲームがアーリーアクセスを脱すると、長らく約束されていたレベルエディターが加わり、ゲーマーは自分のオーディオトラックに合わせてカスタムレベルを作れるようになる。

価格改定の5月21日というのは任意の日付ではなく、Oculusの新しいヘッドセットであるRift SとQuestの発売日だ。

Questと言えば、OculusはRift用のゲームをすでに持っているユーザーがQuestのゲームを無料でダウンロードできるクロスバイというシステムを導入した。しかしBeat GamesはTwitterで、このシステムに対応しない旨を発表したので、Questユーザーは代金を払わなくてはならないが、メーカーは追加のミュージックパックなどのアドオン機能が使えると言っている。

今後Beat Saberは全プラットフォームで統一されていくので、一部の機種だけがアップデートされることはなくなる。これはクロスプラットフォームのマルチプレーヤーゲームの可能性が開かれることを意味している。

価格改定は来週で、5月21日まではアーリーアクセス価格でゲームを購入できる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Googleがスマートディスプレイをゲームプラットフォームとして一般開発者に開放

Googleは米国時間5月7日、デベロッパーカンファレンスのGoogle I/Oで、同社のスマートディスプレイプラットフォームを、一般開発者へ開放することを発表した。これまでは、開発者が(新しく名前を変更した)Nest Hubのようなデバイスをターゲットとするための、現実的な方法は存在していなかった。Google自身と直接取引を行っているサービスだけが、ディスプレイに対するフルアクセスを行うことができていた。だがこれからは、開発者たちはゲームを手はじめとして、Google Assistant用のアクションの開発を始めることができるようになる。

スマートディスプレイ上で、非常に複雑で高度にグラフィカルなゲームが提供されるとは思わないが、言葉遊びやそれに似たお手軽なゲームにとってはいいインターフェイスだ。いずれにせよ、ここで話題にしているのは比較的ローエンドのハードウェアだ。ゲームは、HTML、CSS、およびJavaScriptを使ったものになるという事実も、開発者がこのプラットフォームでできることに、ある程度の制限を課している。Google自身が、現在自社のFlutterマルチプラットフォームフレームワークを使用して、スマートディスプレイエクスペリエンスのいくつかを開発していることを考えると、一般の開発者たちが自身のゲームを同じような方法でデバイスに持ち込めるようになるシナリオは十分に考えられる。

こうしたことを可能にするために、Googleは新しいAPIであるInteractive Canvasを提供する。これは開発者がフルスクリーンエクスペリエンスを作成することを可能にするものだ。これは実際には、Androidとスマートディスプレイの両者で動作する。

将来的には、同社はスマートディスプレイプラットフォームを、他のサードパーティエクスペリエンスに対しても開放する予定だ。とはいえ、それがいつごろになるかは、まだはっきりしていない。Googleが唯一コミットしているタイミングは「間もなく」というものだけだ。

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(翻訳:sako)

マイクロソフトが点字ディスプレイ付きXboxコントローラーを検討中か

Microsoft(マイクロソフト)は近年、ゲームにおけるアクセシビリティ向上に力を入れており、操作しやすいコントローラー「Adaptive Controller」などを発表している。そして同社の点字ディスプレイを組み込んだXbox向けコントローラーの特許は、障がいがあるゲーマーへの新たな配慮を示唆している。

想像できるように、視覚障害者がゲームを楽しむことや、その困難を完全に解決するのは難しい。例えば、画面上にテキストで表示されるプレーヤーの状態やアイテム、ダイアログや指示などは、どのようにしたらそのようなゲーマーが読み取ることができるだろうか。

多くの場合、スクリーンリーダーが視覚障害者用に用意されるが、そのテキストはオーディオ形式で提供されることが多く、ゲーム内では魅力的とはいえない。ゲームに熱中しようとしている時に、誰がコンピューターの音声で鎧のレベルやアイテムの取得を知りたいと思うだろうか。

またこの問題を解決するための点字ディスプレイはすでにいくつか存在するが、ゲームメーカーが用意するものに勝るものはなく、またそのためにMicrosoftは点字を内蔵したコントローラーの特許を出願したのだ。

 

今回の特許は昨年提出され、最近公開されたものをオランダ語サイトのLet’s Go Digitalが発見した。現時点で正式な発表はないが、6月に開催されるE3のことを考えれば興味深い。もちろん特許が必ず製品化につながるわけでないが、着目する価値はあるだろう。

特許で言及されている点字コントローラーは、普通のXbox Oneのゲームパッドとよく似ているが、背面には突起が飛び出してくる複雑な機構が組み込まれている。これは点字ディスプレイで、プレーヤーが指で読み取れる機械的な飛び出しを再現するドットマトリクスと、入力と出力の両方が可能なパドルのセットで構成されている。

 

6本のパドルは点字コードの6個のドットに対応しており、ユーザーはそれらを利用してコードやテキストを入力したり、あるいは指をパドルから離さずに文字を読み取ることができる。もちろんこの機構は、方向の指示や振動のような周囲環境のエフェクトを触覚フィードバックとして再現することもできる。このような機構がコントローラーに存在していても、私は気にならない。

もちろん、ゲームには視覚的なデータを聴覚的なデータに変換し、あるいはその逆を行うメタデータ層が必要となるだろう。このようなアイデアは誰もが考えているが、Microsoftはさらに一歩先をいこうとしている。同社の動きが、他の開発者やメーカーを説得するのに役立つのを祈るばかりだ。

E3の会場では、我々TechCrunchチームもMicrosoftへと、このコントローラーのデザインやその他のアクセシビリティの改善について尋ねるつもりだ。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

ゲーム周辺機器のRazer、トースターを作るハメに

マイクロソフトはエイプリルフールを自粛するよう従業員に呼びかけていたが、この動きは今後、加速していくかもしれない。ゲーム周辺機器を開発し販売するRazerが「エイプリルフールネタ」のはずだったトースターを作るハメになったからだ。

2013年に「Give us the Razer Toaster(Razerトースターをよこせ)」というなのFacebookページが誕生し、RazerのCEOのMin-Liang Tan氏は「100万いいね!を達成したら製造する」とコメント。

Give Us the Razer Toasterより

そして同社は2016年の4月1日、「Project BreadWinner」と題されたページでビデオを公開し、よりガチな雰囲気を出してきた。

100万いいね!を達成した後、Tan氏は「デザイナーとエンジニアのチームを編成」し、完成までは「数年かかる」が、進行具合をシェアすると約束した。

Tan氏の投稿いわく、Razerトースターのタトゥーを誰かが入れた場合、それは10万いいね!としてカウントされるということだった。

Facebookページ誕生から6年、4万4千いいね!と12個のタトゥーでRazerトースターの制作が進むこととなった。

が、Tan氏は、実はIPOの目論見書にRazerトースターについて書いていたと明かしている。

マイクロソフトが発表したHoloLens 2 Development Editionは約39万円

Microsoft(マイクロソフト)は米国時間5月2日の午後というやや奇妙な時間帯に、Buildデベロッパーカンファレンスの予告記者発表を行った。

そしてその中には、HoloLens 2 Development Editionの発表もあった。同社は、大幅に改良されたHoloLens 2を2月のMWCバルセロナで発表したが、まだデベロッパーの手には渡っていない。今のところ最短で今年後半と言われているが、Development Editionは通常のHoloLens 2と同時ローンチになるようだ。

Development Editionは、買えば3500ドル(約39万円)、借りれば月額99ドル(約1.1万円)だ。いずれも本体のみだが500ドル(約5.6万万円)のAzureクレジットがつき、Unity ProUnity PiXYZ pluginの3カ月無料試用もある。ゆえに開発時のレンダリングはUnityを使える。

Development Editionを入手したい人は、Microsoft Mixed Reality Developer Programに参加しなければならない。標準エディションを予約した人も、今年後半になればオーダーを変えられる。

HoloLensのニュースにしては、ちょいとわびしいね。Azureのクレジットは誰でももらえる(通常は200ドル)し、Unity Proの無料試用も30日までなら誰でもできる。

おかしなことに、通常のHoloLens 2も3500ドルになるらしい。通常版がもっと安くなるのか、クレジットなしで同額か、そもそもなぜMicrosoftはそんなことをするのか、全然わからない。これを特別に「Development Edition」と呼ぶこと自体、マーケティングの小細工と思えてくる。今日の発表をHoloLensバイザーの未来的な魔力で盛り上げたいのかもしれない。

でも、Unityの連中は大喜びだ。Unityの業務部門のゼネラルマネジャーであるTim McDonough氏が、今日の声明でこう言っている。「HoloLens 2とUnityのリアルタイム3D開発プラットホームがペアを組めば、企業はイノベーションを加速でき、没入的な体験を作り、産業界の顧客をもっと対話的なやり方で取り込める。Unity ProとPiXYZ PluginがHoloLens 2のDevelopment Editionに加われば、企業はリアルタイムの2Dや3D、VR、ARなどの対話的な体験をすぐに作れるようになり、デザインデータをインポートして準備するだけでリアルタイムの体験を作れる」。

Microsoftは今日の話の中で、Unreal Engine 4のHoloLens 2サポートは5月末に利用可能になると述べた。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

デベロッパーの収益源になるAlexaのスキル内購入機能が国際展開へ

1年前にAmazonがアメリカのAlexaデベロッパーのために設けたスキル内購入の機能が、今日からはグローバルに提供される。最初はイギリスとドイツと日本だけだが、その後、そのほかの国でもできるようになる。デベロッパーはスキル内購入を利用して、Alexaの音声アプリからさまざまな方法で収益を得ることができる。それは、デジタルグッズでもいいし、何かのサブスクリプションや消耗品でもよい。

デジタルグッズには、クイズなどの拡張パックがあってもいいが、消耗品(consumables)はゲームのヒントなど一回かぎりの購入だ。一方サブスクリプションはデベロッパーに継続的な収益機会を与える。それらは、会員特典やアプリのアップグレード、コンテンツの定期的な更新などだ。

コンスタントな収益があれば、その音声アプリを今後継続的に開発していくこともできる。音声アプリケーションはまだ日が浅いから、デベロッパーはまだいろんな試行錯誤をしている。どんなユーザー特典が喜ばれるかも、長期間やってみないと分からない。だから開発を続けられることは、とても重要だ。

Alexaのスキルは、すでに80000を超えている。あまり人気のないアプリのロングテールがあって、ごく一部だけがヒットしている、という状況だ。

Amazonは今日、スキルのヒット作を二つ紹介している。ひとつはGal Shenar作のゲームスキルEscape the Airplaneで、彼によるとコンバージョンレートが34%だそうだ。

もうひとつの、Nick Schwab作の環境音スキルは200万近いアクティブユーザーがいる。彼は無料のトライアルと月額のサブスクリプションを提供し、一度聴いた人はその30%がトライアルに申し込む。そして無料トライアルユーザーの90%が有料のサブスクリプションに換わる。

上の二つのケースでは、どちらも有料サブスクリプションがオプションであり、ハードセルではない。そして彼らは、自分のスキルを、はまりやすくて、くせになりそうな仕上がりにしている。

そのほかの上位スキルは、Jeopardy!Escape the RoomBeat the IntroBig SkyWould You Rather for FamilyQuestion of the Day、そしてYes Sireなどだ。

スキル内購入が国際展開になったから、デベロッパーは自分のスキルをローカライズして、いろんな国で稼げる。そのためには、Alexa Command-Line InterfaceやAlexa Developer Consoleを使える。

関心のあるデベロッパーは、このフォームで申し込み、自分のアイデアをAlexaのチームに説明しよう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa