総合キャスティング企業のエイスリーがタレント写真のサブスク「TALENT STOCK」の事前会員登録を受付開始

総合キャスティング企業のエイスリーがタレント写真のサブスク「TALENT STOCK」の事前会員登録を受付開始

キャスティング事業・グローバルエージェンシー事業を手がけるエイスリーは10月12日、デジタルプロモーション用のタレント写真サブスクリプションサービス「TALENT STOCK」(タレントストック)の事前会員登録を受付開始した。正式リリースは2021年12月上旬を予定している。

エイスリーは、プロモーションなどでタレントを起用したい広告代理店やイベント会社、自治体などのクライアントに対し、俳優、モデル、声優、アスリート、文化人などの人材をマッチングさせ提案する総合キャスティング事業を展開。累計1万2000件、年間約1300件のキャスティング実績を持つ。

タレントストックは、契約者に対して「タレント写真のレンタル」を行なうサービス。あらかじめ撮影された写真の中から、撮影費用をかけることなく必要な素材を選ぶことができる。納品期間は最短で3日、登録タレントは初年度で500人を予定。月額利用料は10~100万円(税抜)で、予算に合わせたタレントを選択できる。契約期間は3/6/12カ月となっているため、短期契約で試験的に利用することも可能。総合キャスティング企業のエイスリーがタレント写真のサブスク「TALENT STOCK」の事前会員登録を受付開始

今回スタートした事前会員登録の特典として、先行ログインの実施、企業向け・代理店向けそれぞれのオンライン説明会の開催(それぞれ12月上旬を予定)、先着契約20社に対するサービス手数料無料キャンペーンも行なう。

今後エイスリーは、ウェブ広告の企画立案・実施・効果測定までをワンストップソリューションで提供するサービスも展開したいという。タレントストックで得る独自データと外部の各種データ(タレントの好感度、CM・番組出演情報、ソーシャルメディアデータなど)を統合的に分析し、タレント起用のマッチング精度を高める「タレストメタデータ」の開発も予定している。また、写真のほかにタレントの音声や動画、作品やキャラクターなど、総合的なタレントコンテンツ提供の拡充も図るという。

 

Epic GamesのCEOがアップルはiPhoneの「設定」で自社サービスを宣伝していると非難

Apple(アップル)を相手取った反トラスト訴訟(現在控訴中)で大きな注目を集めているEpic Games(エピック・ゲームズ)CEOのTim Sweeney(ティム・スウィーニー)氏は米国時間10月7日、iPhoneメーカーは他社が利用できない広告枠を自身に与えていると非難した。その場所はiPhoneの設定画面だ。一部のiOS 15ユーザーが、Appleが設定画面のトップ、Apple IDのすぐ下で自社サービスを広告していることを報告している。提示されるサービスは、端末オーナー向けにカスタマイズされていて、すでにサブスクライブしているサービスに基づいていると見られる。

関連記事:Epic Gamesがアップルとの独禁法違反訴訟で先週の判決を不服として控訴

例えばApple Musicをサブスクライブしていないユーザーには、6カ月の無料トライアルをすすめる広告が表示される。一方現在のApple Musicサブスクライバーには、AppleCareなどのまだ利用していないサービスの追加が促される。

スウィーニー氏は、この種のファーストパーティー広告はAppleによる反競争的行為の可能性があることを指摘している。推奨されているサービスの中にはApp Store(アップストア)で提供されているサードパーティー・アプリと直接競合するものがあるためから。しかしそれらのサードパーティー製アプリは、もちろんiPhoneの設定画面に近づくことができない。できるのはApp Store上の広告スロットに入札することだけだ。

「Fortnite(フォートナイト)を締め出した連中の新しいやり口。自社の音楽サービスのための設定画面広告は実際の設定画面より早く現れ、他の広告主、Spotify(スポティファイ)やSound Cloud(サウンド・クラウド)は利用できません」とスウィーニー氏はいう。

スウィーニー氏は、Mobile Dev Memo(モバイル・デブ・メモ)のアナリストであるEric Seufert(エリック・スーファート)氏の別の投稿をリツイートしており、スーファート氏はGlassfy(グラスファイ)の共同ファウンダーFrancesco Zucchetta(フランセスコ・ズチェッタ)氏の作成した画像をシェアしている。

ズチェッタ氏はTechCrunchに、その広告は自身が所有するiOS 15が動くiPhone 8で見つけたと語った。しかしもっと新しいデバイスで広告を見た人もいる。中には、Appleの宣伝をプッシュ通知でも受け取ったと指摘するコメントもあった。

この問題が微妙なのは、こうした広告は、Appleが自身の利益のために他社を不利な立場においているとは必ずしも言えないことだ。

例えば私たちのiOS 15.1が動作しているiPhone 13 Pro Maxでは、その掲示がAppleCare+(アップルケア・プラス)の保証を追加できる期限までまだ一定の日数があることを知らせるために使用されていた(我々はすでにAppleの他のサブスクリプションをほとんど利用している)。この場合、SpotifyがApple Musicと直接競合するのと同じようなAppleCareと直接競合するサードパーティーアプリは存在しない。Asurion(アシュリオン)などの保証会社はAT&T(エー・ティー・アンド・ティー)やVerizon(ベライゾン)などの 携帯キャリアと提携して、iPhoneの保険プランを販売し、App Storeを通じた消費者への直接販売は行っていない。

保証追加の喚起は有益な情報であり、望まない侵入ではないと指摘する向きさえある。

スウィーニー氏のツイートは、設定アプリ内のファーストパーティー広告の認知度を高めたが、実際これは新しいことではない。

AppleはこれまでにもiPhoneの設定画面を使ってユーザーに自社サービスを売り込むことがよくあり、今回と概ね同じやり方だった。

たとえば2020年、AppleはApple ArcadeAppleCare、およびApple TV+のプロモーションを設定アプリ内で展開しているところを見つけられた。設定画面以外にも、Appleは別の変わった方法で自社サービスを宣伝しており、プッシュ通知を使ったものもあった。さらに同社は、何年も前から自社アプリの中で別のアプリのクロスプロモーションを行っている。例えばApple Musicのサブスクリプションのおすすめが、iTunesを使っている時に表示されるといったものだ。

しかし現在規制当局は、プラットフォームが自らのマーケティングパワーを利用あるいは濫用する様子を綿密に監視している。現在Google(グーグル)は、端末製造メーカーが自社のスマートフォンを販売する際に一連のGoogleアプリをプリインストールすることを必須としていることに対するEUの記録的な罰金命令を控訴している。一方Samsung(サムスン)は、Galaxy(ギャラクシー)端末上で自社アプリの広告を掲載することを中止すると発表した(これまで同社は、他の企業が自社製品を宣伝する広告を時々掲載していた)。

Epic Gamesのスウィーニー氏のツイートについて補足コメントを出しておらず、同社がこのちょっとした最新情報を次の控訴審で使用するかどうかも明らかにしていない。Appleにはコメントを要求しているがまだ応答はない。

画像クレジット:TechCrunch

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nob Takahashi / facebook

App Storeの変化を期待してPaddleが「アップル税」回避する代替アプリ内課金システムを開発中

サブスクリプション型ビジネスのソリューションプロバイダーであるPaddleは、App Storeのデベロッパーがサードパーティの決済システムを利用できるようになる未来に賭けている。そして、そのようなシステムが認められた暁には、いち早く代替手段を提供したいと考えている。同社は米国時間10月7日、iOSデベロッパー向けの新しいアプリ内課金(IAP)システムを発表した。このシステムは、Apple(アップル)が提供するIAPに代わるものとして設計されている。このシステムにより、デベロッパーは獲得した収益のより多くをキープできるとPaddleは述べている。

これは大きな賭けであり、報われるかどうかはわからない。

Paddleによると、同社のシステムは、デベロッパーが顧客のライフサイクル全体を通して顧客データにアクセスできるようにし、直接サブスクリプションを管理したり一時停止するツールを組み合わせて提供するとともに、PayPal(ペイパル)などの他の支払いメカニズムにも対応するという。また、多くのデベロッパーが以前から望んでいた、デベロッパー自身による返金の管理も可能になる。手数料は、10ドル(約1110円)未満の取引では10%、10ドル以上の取引では5%となっている。これは、Appleの手数料30%よりも低い水準だ(サブスクリプションベースのアプリの2年目、およびスモールビジネスプログラムとApple News Partnerプログラムの参加者は15%に下がる)。

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アップルのApp Store外での決済方法への誘導ブロックが禁止に、Epic Gamesとの裁判で

しかし、Paddleの製品は、Epic Games対Appleの訴訟における裁判所の判決が控訴審でも支持され、Appleがその判決をうまい具合に解釈し、Paddleのような代替決済システムの利用が可能になるという信念に基づいている。これは、現時点でPaddleが明確に知り得ないことだ。

9月、米連邦地裁のYvonne Gonzalez Rogers(イボンヌ・ゴンサレス・ロジャーズ)判事は、App Storeでのサードパーティによる決済の問題について、Appleは反トラスト行為を行っていないと判断したものの、Fortnite(フォートナイト)の開発元であるEpic Gamesを支持する画期的な判決を下した。Epicは、独自の決済システムを使用することに加えて、iOSユーザーに直接ゲームを配信することもできるようにしたいと考えており、裁判所の判決を不服として控訴すると述べている

関連記事:Epic Gamesがアップルとの独禁法違反訴訟で先週の判決を不服として控訴

一方、今回の判決では、Appleはデベロッパーがアプリ内にボタンや外部リンク、その他のコールトゥアクション(CTA)を含め、ユーザーを別の決済メカニズムに誘導することを禁止することはできないとされた。

控訴後に判決のこの部分が調整されなかったとしても、サードパーティによる支払いの問題に関する判事の表現は、Appleにとって解釈の余地がある。現在のところ、この判決は、Appleがストア外の他の決済手段にリンクされたアプリをリジェクトすることを阻止するだけであり、アプリ自体に組み込まれた競争力のある支払いシステムをサポートするまでには至らないだろうと考えられている。このPaddleシステムがApp Reviewを通過する可能性については、すでに専門家が反論している

しかし、Paddleはその可能性があると考えている。

Paddleは声明でこう述べた。「当社および当社の法律顧問の理解では、Paddleのアプリ内課金システムはApple対Epicの法的判決の範囲内で許容されます。iOSデベロッパーや市場に大きな影響を与えるこの問題をより明確にするために、Appleがこの点について同社の解釈を示すことを歓迎します」。

Paddleは、裁判所の判決に合わせて、2021年12月7日から同社のシステム提供開始する予定だ。

現在、3000社以上のソフトウェアクライアント(販売者)がPaddleのプラットフォームを他のサービスに利用しており、同社は年間数十億ドル(数千億円)の決済量を処理している。このAppleのIAPの代替サービスを実際に導入するデベロッパーが出てくるかどうかは興味深いところだが、その場合、アプリがApp Storeからリジェクトされるリスクがある。これまでのところ、Paddleによると、MacPawを含む何社かのデベロッパーがこの試みに同意しているとのことだ。

画像クレジット:TechCrunch

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(文:Sarah Perez、翻訳:Aya Nakazato)

GMは2030年までにサブスクをNetflix級のビジネスにしようとしている

GM(ゼネラルモーターズ)は2021年の車載サブスクリプションサービスの売上が20億ドル(約2230億円)近くに達し、2029年末には250億ドル(約2兆7800億円)とNetflixやPeloton、Spotifyに匹敵する規模になるとの予測を公表した。

GMのクルマは米国とカナダで1600万台走っている。現在その4分の1にあたるおよそ420万台のオーナーが有料サブスクリプションサービスを利用していると、米国時間10月6日の投資家向けイベントのプレゼンテーションで同社のイノベーション&グロース担当SVPであるAlan Wexler(アラン・ウェクスラー)氏が言及した。

同社はサブスク利用者の増加を見込んでいる。特に、2023年に同社のエンド・ツー・エンドのプラットフォームであるUltifiが公開されてサブスクリプションプラットフォームが強化され、Over The Airでソフトウェアをアップデートできるようになったら増加が加速するとの予測だ。

関連記事:GMが新しいソフトウェアプラットフォーム「Ultifi」を2023年から生産される次世代車に搭載

GMの現在のサブスクリプションプラットフォームは、同社の子会社で車のセキュリティ、緊急サービス、ナビゲーションを提供するOnStarなどのサービスに対応している。

同社によれば、顧客は全般に複数のサービスを選びたいと希望しているという。同社は数千人の顧客を対象とした調査で、45種類の機能やサービスのオプションを提供した。顧客が選択したプロダクトやサービスは平均で25種類だった。

ウェクスラー氏は「我々の調査では、魅力のあるサービスを適切に組み合わせれば、お客様はプロダクトやサービスに平均で月額135ドル(約1万5000円)を支払うつもりがあるとの結果が出ています」と述べた。

GMは2030年までに米国内で3000万台の車にコネクテッドカー技術が搭載され、サービスの市場は800億ドル(約8兆9200億円)規模になると予測している。ウェクスラー氏は、GMは売上をさらに200億~250億ドル(約2兆2300億〜2兆7900億円)増やすことを目指しており、そのうちの60億ドル(約6700億円)は保険、それ以外はワンタイムの購入とサブスクリプションになるだろうと述べた。

OnStarとは別に、GMは2021年4月に公開したアプリベースの車載ナビゲーションソリューションでAlexaの音声コントロールで起動できるMaps+に関心を示している顧客をターゲットにする意向だ。また、法人顧客からも売上を得る大きなチャンスがあると見ている。特に既存のサービスであるOnStar Vehicle Insightsでは、GMとGM以外の車両が混在していても車両を管理できる。

ウェクスラー氏は次のように述べた。「このサービスだけで巨大な市場のニーズに応えられます。数十万台のコネクテッドカーから何百万回、何億マイルもの移動のデータが集まり、こうしたデータがすべて多大な収益化の機会となります。当社は扱うべきデータの量で群を抜いており、これを活用する計画です」。

ウェクスラー氏は、サブスクリプションサービスが同社の「成長の機会と経常収益の基盤」になるだろうと述べた。その詳細や初期のKPIは今後公表されるものと見られる。

画像クレジット:Steve Fecht / General Motors

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:Kaori Koyama)

気が散らないウェブコンテンツ読書サービス「Scroll」閉鎖、「Twitter Blue」の機能に

広告などを取り除き、ウェブ上の長いコンテンツを読みやすくするサービスのScroll(スクロール)が約30日間サービスを停止し、Twitter Blueの機能になる。Twitter(ツイッター)がTechCrunchへの電子メールの中で認めた。Twitterは5月にScrollを買収し、Twitter上でプレミアム機能としてScrollを提供する計画だと述べていた。Scrollは独立事業としてサービスを停止した後、Twitter Blueの一部として「Ad-Free Articles(広告ゼロの記事)」になる。

関連記事:ツイッターが予定するサブスクサービスの充実を狙い広告を取り除きページを読みやすくするScrollを買収

Scrollの現在の購読者に送られた電子メールには「ローディングが迅速で、広告がない記事を引き続き読むことが可能、その一方でお気に入りのサイトのジャーナリズムをサポートするTwitter Blueを購読してください」と書かれている。

Scrollは現在、月5ドル(約560円)で有料購読者にUSA Today、Buzzfeed News、The Atlantic、The Vergeなどを含むさまざまなウェブサイトでの広告が入らないブラウジングを提供している。Scrollの使用はリーダービューに似ていて、読者がコンテンツにフォーカスできるよう、広告やトラッカー、その他のウェブサイト上の邪魔なものを排除する。月額料金の一部は購読者が読むコンテンツの資金にあてられる。

ScrollとTwitterが買収を発表して以降、Scrollは新規購読の受付を停止してプライベートベータに移行し、チームはScrollのTwitterへの統合に取り組んだ。現在の利用者は、ScrollがいつTwitter Blueで利用できるようになるのか、そして直接的な移行があるのかどうか知らされていない。2社は数週間内に詳細を提供すると約束している。

Twitterは以前、購読者がTwitterを通じてScrollを使用するとき、サブスクの売上高の一部は出版社とコンテンツを制作したライターのサポートに充てられると言及した。プレミアム購読者は、報道機関やTwitterの自前のニュースレタープロダクトRevueの記事を簡単に読むためにScrollを使うことができるとTwitterは説明していた。RevueはTwitterがこのほど買収したサービスで、すでにTwitterに統合されている。

Twitter Blueは現在、カナダとオーストラリアでのみ利用できるというのは注目に値する。購読すると、Twitterユーザーはプレミアムな機能にアクセスできる。ここには、ブックマークを整理するツールや、Twitterが長らくリクエストされてきた「編集」ボタンに関連して提供するものに最も近いものになる「Undo Tweet」機能などが含まれる。Twitter Blueにはまた、リーダーモード機能もある。Twitterが以前、Scrollの計画とは関連がないと言っていたものだ。一部の人はTwitter Blueに他の機能を期待していたかもしれないが、リーダーモードはScrollのような確固たるサービスとは対照的なThread Readerといったサードパーティのアプリに代わるものだ。

カナダとオーストラリアでは、Twitter Blueの購読料金は現在、3.49カナダドル(約310円)と4.49オーストラリアドル(約360円)だ。今後の統合で料金が上がるかどうかは不明だ。

画像クレジット:Twitter

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(文:Aisha Malik、翻訳:Nariko Mizoguchi

アルゴリズムで学習者の理解度に合ったSTEM教育を行うNumeradeのショート動画サービス

現在、注目を集めるEdTech分野の起業家たちは、テストの技術や情報保持の在り方など、現代の学習に関連するほぼすべての要素について、その構造や影響を再定義しようとしている。しかし、最も人気のある製品は、一見シンプルなもの、つまり、オールマイティな個別指導なのかもしれない。2018年に設立されたEdTech企業、Numerade(ヌーマレイド)は、拡張可能かつ高品質な個別指導に挑戦し、1億ドル(約110億円)の評価を受けたばかりだ。

方程式や実験の仕組みを解説する短編動画のサブスクリプションを販売するNumeradeは、アルゴリズムを使って学習者の理解の仕方に合わせた説明を行う。共同設立者であるCEOのNhon Ma(エヌホン・マ)氏によると、コンテキストで説明する非同期型のコンテンツに焦点を当てることで、高品質な個別指導を手頃な価格で提供することが可能になるという。

「本当の教育には、視覚と聴覚だけでなく、生徒が実際に学習する際の言葉で伝えるというコンテキストも含まれます」とマ氏。Numeradeは、Wolfram AlphaのようなロボットQ&Aやステップバイステップの回答プラットフォームではなく、実際に科学をソリューションに統合してユーザーに伝えるプラットフォームにしたいと考えている。

7月下旬、NumeradeはIDG Capital(アイデージーキャピタル)、General Catalyst(ゼネラルカタリスト)、Mucker Capital(マッカーキャピタル)、Kapor Capital(カパーキャピタル)、Interplay Ventures(インタープレイベンチャーズ)などの投資家や、Margo Georgiadis(マーゴ・ジョージアディス、Ancestry(アンセストリー)の元CEO)、Khaled Helioui(ハレド・ヒリオリ、Bigpoint Games(ビッグポイントゲームズ)の元CEOでUber(ウーバー)のエンジェル投資家)、Taavet Hinrikus(ターベット・ヒンリクス、Wise(ワイズ)の創業者)などの戦略的投資家が参加するラウンドで、評価額1億ドル(約110億円)で2600万ドル(約28億7000万円)を調達したことを発表した。

マ氏は「同期型の個別指導には需要と供給のメカニズムの縛りがあります。優秀な家庭教師の時間は限られていて、割増料金を要求されることもあり、全体的に市場の供給側の制約になっています」と説明する。一部の企業では、効率化のために複数の生徒を1人の教師に割り当てるグループレッスンオプションも採用されているが、マ氏は「これは本当に時代遅れで、教師の質を損なうものだ」と考えている。

ライブ授業やWolfram Alphaのような答えを教えるだけのシステムを避けてきたNumeradeだが、第3の選択肢として動画を採用した。動画はEdTechの分野では目新しいものではなく、現在は主に、CourseraやUdemyなどの大規模オープンオンラインコースのプロバイダーや、MasterClassやOutschoolなどの「エデュテインメント(エデュケーションとエンターテインメントを合わせた造語)」プラットフォームが動画を利用している。Numeradeは、教師または教育者主導で「Fundamentals of Physics(物理学の基礎)」の第2章にある問題を中心に動画を作成しようと考えている。

Numeradeの動画で学ぶ学生(画像クレジット:Numerade)

Numeradeには、基礎的な知識を得るためのブートキャンプの動画、手順に焦点を当ててその知識をスキルに変えるステップバイステップの動画、これらの情報がどれだけ理解できたかを評価するクイズという3つの主要製品がある。

しかし、このスタートアップの真の狙いは、どの学生にどの動画を見せるかを決定するアルゴリズムにある。マ氏は「深層学習」や「コンピュータビジョン」「オントロジー」といった言葉を使ってアルゴリズムの仕組みを説明するが、つまりは教育動画にTikTok並みの特殊性を持たせ、ユーザーの過去の行動を利用して、学習スタイルに合うコンテンツを適切に提供したい、ということだ。

Numeradeは、ステップ・バイ・ステップの動画で脳が問題のパターンや多様性を理解することで、最終的には答えをよりよく理解できるようになると考えている。同社のアルゴリズムは主にクイズで利用され、あるトピックに対する学生の成績を確認し、その結果をモデルに入力して、新しいブートキャンプやクイズをより適切に提供できるようにする。

「当社のモデルでは、まず学生の強みと弱みを理解し、次に関連する概念的、実践的、評価的なコンテンツを表示して、主題に対する学生の知識を構築して学生の成長と学習をサポートします。アルゴリズムは、動画の構造化データを解析し、学生ごとのニーズに合わせた教育スタイルを提供することができます」とマ氏。

現在のところ、Numeradeのアルゴリズムは予備的なもののようだ。ユーザーが自分に合うコンテンツの恩恵を受けるためには、有料会員になって、十分な利用履歴を稼ぐ必要がある。それができたとしても、学生が前回のクイズで間違えたコンセプトを再表示する以外に、このアルゴリズムがどのようにその学生に合うコンテンツを提供できるのかは明らかではない。

Numeradeの計画も野心的な前提の上に成り立っている。すなわち、学生はコンセプトを学びたいのであって、先延ばしにしていた宿題を終わらせるために急いで答えを知りたいのではない、というものだ。マ氏は、Numeradeの動画の視聴時間はその動画の長さの2~3倍にもなり、これは学生が単にスキップして答えにたどり着くだけでなく、コンテンツと向き合っていることを意味している、と説明する。

Wolfram Alphaに対抗しようとしているのはNumeradeだけではない。過去1年間、Quizlet(クイズレット)やCourse Hero(コースヒーロー)といったEdTechのユニコーン企業は、AIを搭載したチャットボットやライブ電卓に多額の投資を行ってきたが、Course Heroの手法は主にNumeradeのような企業を買収することだった。これらのプラットフォームは、テクノロジーを駆使した個別指導のセッションでは、人間関係の構築や時間ではなく、スピードとシンプルさを優先すべきだという考えに基づいて構築されている。週に一度、数学の家庭教師のところに行くことを嫌がる学生でも、数学試験の数時間前の真夜中に、丁寧に答えを説明してくれるプラットフォームを利用するかもしれない、という考えだ。

アルゴリズムの進化があまり進んでいるとはいえず、競争も激しい分野にもかかわらず、Numeradeの新しい投資家と、収益をもたらす能力は期待がもてる。具体的な内容は明かされていないが、マ氏によると、同社は年間経常収益が8桁(日本円では10億円)目前だという。現在の加入者ベースで少なくとも1000万ドル(約11億5000万円)以上の年間収益を上げていることだ。マ氏は、Numeradeの最大の競争力は「視点」だと考えている。

「商業的なSTEM(Science:科学、Technology:技術、Engineering:工学、Mathematics:数学)教材に対するよくある批判は、モジュール化されすぎている、というものです。教科書では物理を単独で教えています」とマ氏は話す。「私たちのアルゴリズムはそうではありません。私たちはSTEMを連動したエコシステムとして扱います。数学、物理、化学、生物学の概念は全面的に関連しているのです」。

画像クレジット:Westend61 / Getty Images

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(文:Natasha Mascarenhas、翻訳:Dragonfly)

米アマゾンがHaloサブスクでフィットネスと食事プランナーのサービスを提供

Amazon(アマゾン)はユーザーの健康とフィットネス、そしてHaloパーソナルヘルスデバイスに関係する2つの新サービスを導入する。Apple Fitness+のようなインタラクティブなホームビデオによるエクササイズのHalo Fitnessと、パーソナライズされたガイド付き食事プランナーのHalo Nutritionだ。

これらのサービスはいずれも、AmazonのHaloラインナップのフィットネストラッカーを使用する人向けのHalo会員サービスに含まれる。ラインナップにはOLEDディスプレイを搭載している新しいHalo Viewアクティビティトラッカーも加わる。HaloのサブスクはHalo Bandに付いてくる3カ月の無料トライアル、あるいはHalo Viewに付属する12カ月のトライアルの後は月3.99ドル(約450円)だ。Fitnessは2021年後半に提供が始まり、そして2022年1月からはNutritionも提供される。

Halo Fitnessは「業界の専門家」による「スタジオ品質のワークアウト」を提供し、Haloフィットネスバンドがとらえる心拍や心拍強度ゾーンなどの数値をリアルタイムに表示する。ワークアウトのコーチにはMichael Hildebrand(マイケル・ヒルデブランド)氏、Elena Cheung(エレナ・チュン)氏、Elizabeth Andrews(エリザベス・アンドリュー)氏らがいる。そしてワークアウトには有酸素運動、強度トレーニング、ヨガ、屋外移動クラスなどがある。

Halo Nutritionはレシピの検索や食事プラニングを提供し、食事の好みや必要に応じたメニュー、あるいはクラシック、ケト、地中海、北欧、パレオ、完全菜食、ベジタリアンといった特定の食事のためにあらかじめキュレートされたメニューを作るオプションもある。サービス開始時は、Whole Foods やWWなどのパートナーが提供する500超のレシピをライブラリーに備え、材料を探すためのAlexa買い物リストも統合している、とAmazonは説明している。

画像クレジット:Amazon

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(文:Darrell Etherington、翻訳:Nariko Mizoguchi

ベルリンの電動自転車サブスクDanceがサービス開始から数週間で約21.6億円を調達

ドイツのスタートアップ企業「Dance(ダンス)」は、新たに1940万ドル(約21億6000万円)の資金を調達した。このニュースは、同社がベルリンで電動自転車のサブスクリプションサービスの展開を開始してからわずか数週間後に発表された。

今回の資金調達では、Eurazeo(ユーラゼオ)が主導している。HV Capital(HV キャピタル)とBlueYard(ブルーヤード)も出資しており、Offline Ventures(オフライン・ベンチャーズ)のDave Morin(デイブ・モリン)氏とJames Higa(ジェームス・ヒガ)氏、Nicolas Berggruen(ニコラス・ベルグリューン)氏、Roxanne Varza(ロクサーヌ・ヴァルザ)氏、Verena Pausder(ヴェレナ・パウザー)氏も参加している。

関連記事:独Dance、初期費用ゼロでeバイクが欲しい人向けに修理・メンテナンス込みサブスクサービスを開始

なお、知らない人のために、Danceは「Dance One(ダンス・ワン)」という独自の電動自転車をデザインしている。カーボンベルト、油圧ディスク、スマートフォン用マウント、取り外し可能なバッテリーを搭載しており、見込み走行可能距離は55kmだ。

顧客は自転車を直接購入することはできない。その代わりに、月額79ユーロ(約1万280円)で加入することができる。その後は、何の心配もなく利用することが可能だ。自転車がパンクしたり、その他の問題が発生した場合は、Danceが技術スタッフを派遣して修理もしてくれる。

長期の契約はない。つまり、Danceの自転車は、数カ月または数年でも、レンタルすることができるということだ。普段あまり自転車に乗らないという人にとっては、とてもありがたいサービスだろう。自分の自転車を購入する前に、長い目で見て自転車に乗りたいと感じるかどうかを確認することができるのだから。

自転車のデザインが完成した今、同スタートアップはサービスを展開開始しなければならない。現在、ベルリンの街中には「数百台」のDanceの電動自転車が走っており、これはまだ始まりに過ぎない。

しかし、今日の資金調達は、オペレーションとエンジニアリングの分野で新たな人材を採用し、チームの規模を2倍にすることを計画しているDanceにとって有益なものとなるだろう。Danceは、2022年からヨーロッパのより多くの都市に進出する予定だ。

画像クレジット:Dance

画像クレジット:Dance

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(文:Romain Dillet、翻訳:Akihito Mizukoshi)

アマゾンが高齢者介護のサブスクサービス「Alexa Together」を開始

Amazon(アマゾン)は本日、自立した生活を送っているものの、特別なサポートを必要とする可能性がある高齢の家族を持つ家族のために設計された新しいサブスクリプションサービス「Alexa Together」を発表した。この月額19.99ドル(約2200円)のサブスクリプションは、Amazonの既存製品であるAlexa Care Hubを拡張したもので、Care Hubの機能の多くを取り入れ、緊急応答機能や専門家による緊急ヘルプラインへのアクセスなど、新たな保護機能を追加している。

同社は2020年11月に、年老いた親や愛する人の活動に関する一般的な情報を受け取ったり、愛する人が助けを求めた場合に警告を受けたりするために(本人の許可のもと)彼らを見守ることができるAlexaモバイルアプリのオプションであるCare Hubを初めて導入した。

画像クレジット:Amazon

Alexa Togetherでは、高齢の家族がAlexaに助けを求めてきたときに家族に知らせるためのケアアラートなどの機能に、家族は引き続きアクセスすることができる。

また、2022年初めから、複数の人が愛する人をサポートできるようになる。これは、例えば、兄弟で両親の介護を分担している場合などに便利だ。近くに住む人もサポート対象となり、緊急時にカスタマーの家族の様子を確認することもできる。

画像クレジット:Amazon

Amazonによると、介護者は、愛する人のデバイスにリマインダーを設定したり、お気に入りの曲を簡単に再生できるように音楽サービスにリンクしたりできる。また、家族のAlexaアカウントに連絡先を追加して、ハンズフリーで友人や家族に電話をかけることもできる。

また、新しいサブスクリプションには、ハンズフリーで24時間365日、緊急ヘルプラインにアクセスすることができる緊急対応機能が導入されている。これにより、高齢の家族が自宅で転倒したり、その他の緊急事態が発生したりした場合、Alexaに助けを求めることができる。

Alexaはそれに応えて、家族や隣人など、アカウントに接続されているすべての人に警告を発する。

このサブスクリプションは、6カ月間は無料で提供され、その後継続する場合は月額19.99ドル(約2200円)の有料会員となる。

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(文:Sarah Perez、翻訳:Yuta Kaminishi)

第3四半期の全世界のアプリダウンロード数は360億回、支出額約3.8兆円でともに過去最多に

アプリ経済に関する新たな予測では、第3四半期にアプリとゲームに費やされる額は過去最多となることが見込まれている。App Annieは、世界の消費者が同四半期にアプリとゲームに前年同期比20%増の340億ドル(約3兆7650億円)を費やすと推定している。この増加は、人々が現在エンターテインメント、買い物、仕事、教育などのためにアプリをどのように使っているかという点において、新型コロナウイルス感染症のパンデミックが消費者行動にまだ影響を及ぼし続けていることを示している。

App Annieに関しては、初期に秘密の情報源を使って情報を人為的に操作し、証券会社のクライアントに不正確な情報を伝えていたことが先にニュースになったことを記しておくべきだろう。同社はそうしたことを防ぐために内部コントロールで統計的にモデル化してきた。証券会社が投資判断を下すのに操作されたデータを使ったため、App Annieは証券詐欺で1000万ドル(約11億円)超の罰金を支払うことで米証券取引委員会と和解した。

しかしこうした操作にもかかわらず、App Annieのデータは今日でもモバイルマーケットをかなり正確にとらえており、かなりのアプリ会社、マーケッター、投資家にモバイルエコシステムに関する情報を提供している数多くのトップ企業の1社だ。

第3四半期のアプリ売上高に最も貢献したのは、引き続きゲームでの支出とモバイルサブスクリプションだとApp Annieは指摘した。モバイルサブスクは、Apple(アップル)とGoogle(グーグル)がアプリストアプラットフォームを通じての購入で手数料を徴収する権利を保持しようとする中で、訴訟や増えつつある規制の焦点となっている。ゲームは引き続き消費者支出の大部分を占めているが、ゲーム以外の支出もサブスクのおかげでここ数年割合を増やしてきた。

関連記事:アップルは控訴決着まで「フォートナイト」のApp Store復帰認めず、Epicが通告メール公開

また、ダウンロード数では引き続きAndroidがiOSを凌いでいるが、消費者支出額では逆の構図であるのも変わらない。

画像クレジット:App Annie

第3四半期のダウンロード数は前年同期に比べて10%増え、過去最多の360億回に達した。この増加は主にGoogle Playによるもので、特にインドやブラジルなどの新興マーケットでのダウンロードが貢献した。増加幅が最も大きかったのはブラジル、フィリピン、メキシコで、中南米マーケットは今や世界のアプリ会社の注目を集め始めていて、成長の可能性を秘めている。

ダウンロード数の成長を支えた産業は、旅行、教育、医療だ。この3部門はパンデミックの影響を受けた。旅行アプリのダウンロードは Google Playで前年同期比35%増、iOSで同15%増だった。ワクチン接種が広がる中で夏の旅行シーズンを迎えたことが貢献した。もちろん医療と教育のアプリもパンデミックに結びついていて、ユーザーはオンライン学習や診察、新型コロナ検査やワクチン接種の予約でモバイルテクノロジーを活用した。

モバイルアプリの売上高となるとiOSが優勢で、過去4四半期でもそうだったが世界のアプリストアの消費者支出の65%を占めた。

画像クレジット:App Annie

iOSアプリでの消費者支出額は前年同期比15%増の220億ドル(約2兆4360億円)に達し、Google Playでは同15%増の120億ドル(約1兆3290億円)だった。売上高の大半はゲームアプリによるもので、両アプリストアでの支出額の66%を占めた。非ゲームアプリ部門では、消費者支出の76%がiOSでのものだった。どちらのアプリストアでもゲーム以外の部門での成長のほとんどはエンターテインメント、写真・ビデオ、ソーシャルメディア、デートのアプリによるものだった。

消費者支出額においては米国と中国が最大のiOSマーケットで、日本、米国、台湾で最も増加した。Google Playでは、米国、日本、韓国の消費者支出額が最大だったが、日本、ロシア、オーストラリアが成長を牽引した。

売上高やダウンロード数の調査はこれまでモバイル経済の全体図を把握するのに役立ってきた一方で、マーケットが成熟するにつれ、アプリをデバイスにすでにインストールした消費者のアプリエンゲージメントにもかなりの関心が寄せられている。

App AnnieのライバルSensor Towerが9月23日に発表した調査結果では、ゲームアプリと非ゲームアプリのアクティブユーザー、セッション、リテンション(保持)の数字を分析している。同社によると、世界のトップ500のアプリの平均の月間アクティブユーザー数は9170万人で、この数字は第2四半期に前年同期の8460万人から8.4%増えた。

画像クレジット:Sensor Tower

ビジネスアプリは2018年第1四半期から2021年第2四半期の間に約42%という最も高い複合年間成長率(CAGR)を見せた、とSensor Towerは指摘した。一方、消費者は2021年第2四半期にエンターテインメントアプリで最も多くの時間を費やし、トップ100の各アプリの使用時間は平均1日あたり約29分だった。

画像クレジット:Sensor Tower

ゲームの中では、ジャンル別に「PUBG Mobile」や「Garena Free Fire」などのシューティングゲームのデイリーアクティブユーザーが第2四半期に最も多く、このジャンルのトップ50のゲームのデイリーアクティブユーザーは平均760万人だったが、ハイパーカジュアルゲームがトップだった。

Sensor Towerはまた、ロックダウン中に人々がモバイルデバイスを頻繁に利用するようになり、初期のアプリ全般のアクティブユーザー数の増加は新型コロナパンデミックによるものとしている。しかし2020年第3四半期でわずかに減ったのち、アクティブユーザー数はいまパンデミック前のレベルに戻った、と指摘した。

画像クレジット:TechCrunch

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nariko Mizoguchi

Nintendo Switchで「NINTENDO 64」「メガドライブ」タイトルをプレイ、新サブスクプランは10月下旬から

Chris Pratt(クリス・プラット)が、任天堂と「Despicable Me(怪盗グルー)」を制作したIllumination(イルミネーション)が共同で制作している長編映画で、マリオの声優を務める。Anya Taylor-Joy(アニャ・テイラー-ジョイ)がピーチ姫で、Jack Black(ジャック・ブラック)がクッパ、Charlie Day(チャーリー・デイ)がルイージ、そして最近のTechCrunch Disruptのゲスト(恥ずかしながら)であるSeth Rogen(セス・ローゲン)がドンキーコングを担当するなど、私がいつも望んでいたものになる。しかし、Nintendo Directでは「大乱闘スマッシュブラザーズシリーズ」の追加ファイターが誰なのか教えてくれなかった。

「エキサイティング」なことは他にもある。任天堂は、2018年9月にオンラインサブスクリプションサービス「Nintendo Switch Online」を発表して以来初めてとなる新サブスクプランの追加を発表した。

Nintendo Switch Online + 追加パック」と呼ばれるサービスは「スーパーマリオ6」「マリオカート64」(最大4人でオンライン対戦が可能)「ヨッシーストーリー」などのNINTENDO 64タイトルや「ソニック・ザ・ヘッジホッグ2」「ファンタシースター ~千年紀の終りに~」といったSEFGAのメガドライブのゲームをプレイできるようになる。さらに「ゼルダの伝説 ムジュラの仮面」などのタイトルも追加予定だ。2021年10月下旬から提供される予定だが、料金は明らかになっていない。

Nintendo

既存オンラインプランNintendo Switch Onlineは年額19.99ドル(日本では税込2400円)。ワイヤレスのNINTENDO64やSEGAのコントローラーはそれぞれ49.99ドル(日本では税込5478円)で販売される。懐かしさの琴線、ノスタルジックで琴線に触れるものだが、プレイに必須のものではない。

その他のビッグニュースとしては「星のカービィ」シリーズの新作3Dプラットフォーマーアドベンチャー「星のカービィ ディスカバリー」が2022年春にNintendo Switchに登場する。また、久しぶりに「あつまれ どうぶつの森」にログインしてみたいという人へ。村人に怒られるのが怖くて、しばらくにログインしていなかった人も、もう大丈夫。11月には無料アップデートが行われ、10月のNintendo Directではその詳細が発表されます。しかし今回の予告では、プレイヤーが博物館の中にある喫茶「ハトの巣」に入れるようになることがわかっている。この居心地の良いカフェは「とびだせ どうぶつの森」などのにも登場している。

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画像クレジット:Nintendo

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Katsuyuki Yasui)

プレミアムデジタルアート・NFTプラットフォームNiioが約16.4億円調達、サムスンとの戦略的パートナーシップ締結受け

テルアビブを拠点とするデジタルアートプラットフォーム「Niio」は、先週発表されたSamsung Display(サムスン・ディスプレイ)との戦略的パートナーシップにともない、1500万ドル(約16億4000万円)のシリーズAラウンドを調達したことを発表した。

このラウンドは、LVMH(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)とCatterto(キャタルトン)のジョイントベンチャーであるL Catterton(Lキャタルトン)、Entrée Capital、Pico Venture Partnersが共同で主導したもの。さらに、Saga VCをはじめ、一流のアーティスト、アートコレクター、美術館、ギャラリスト、MoMA(ニューヨーク近代美術館)やGuggenheim(グッゲンハイム美術館)などの機関の評議会委員、オンラインギャンブル起業家であり、NFTにも投資しているShalom McKenzie(シャロム・マッケンジー)氏などが参加した。シリーズAの前に、Niioは最初に戦略的エンジェルから800万ドル(約8億7000万円)を調達し、続いて2017年に機関投資家からシードラウンドを行っていた。

Niioは今回の資金を、アーティストコミュニティの拡大と、アプリ対応のサブスクリプション・購入プラットフォームの拡張に使用するとのこと。ブロックチェーンベースのこのプラットフォームには、NFTやその他のデジタルアート資産の取引が可能なマーケットプレイスが含まれる予定だ。

Niioの共同創業者兼CEOであるRob Anders(ロブ・アンダース)氏は、次のように述べた。「デジタルアートは、NFTの爆発的な成長により市場が加速し、主流のメディアとして受け入れられるようになりました。人々がいま経験している変化は、文化にとってここ数十年で最も社会的に重要な瞬間であり、これまでにない方法で新しい種類のアートにアクセスし、スクリーン上で体験できるようになっています」。

Niioの技術は、ユーザーがデジタルアート作品をあらゆるデジタルスクリーン上でストリーミングすることを可能にし、音楽やエンターテインメントのストリーミングサービスがアルバムや映画に対して行ってきたのと同様に、アートとプラットフォーム構築との間のギャップを埋めるものだ。

前出のアンダース氏とOren Moshe(オレン・モシェ)氏によって2014年に設立されたNiioは、アクセシブルなストリーミング配信サービスと、公開マーケットプレイスや個人間取引を通じて、アーティストやギャラリー、コンテンツ所有者から直接、エディション化されたNFTアートワークを購入できる機能を組み合わせています、とアンダース氏はTechCrunchに語った。

Niioは、2021年末にサブスクリプションサービスを開始し、続いてNFTマーケットプレイスを開設する予定だ。これにより、アートの専門家からなるグローバルコミュニティに支えられたNiioは、デジタルアートメディアのための最も包括的なエンド・ツー・エンドのソリューションとなり、プレミアムデジタルアートに誰もがいかなるスクリーンからでも簡単にアクセスできるようになる。

約6000のギャラリー、機関、アーティストからなるグローバルコミュニティにNiioのツールを提供することで、Niioのプラットフォームとブロックチェーンは、アーティストが自分の作品を配信、管理、収益化、保存することを可能にする。

Niioは、クリエイティブコミュニティとアーティストがライフワークを公開、管理、保護する能力を尊重し、サポートするために、すべてのアーティストが同社のツールを永遠に無料で利用できるとしている。

Niioの共同創業者であるモシェ氏はこう述べている。「当社は、何よりもまずアーティストに力を与え、彼らの作品をデジタルで体験し、世界中で入手できるようにするというプラットフォームのビジョンを実現しました。6000人以上のアーティストが、ライフワークの公開、管理、保護、収益化を可能にする当社に信頼を寄せてくれていることに感謝しています」。

アンダース氏によれば、過去2〜3年の間に、約1万社のグローバル企業がNiioのプラットフォームを利用しているという。それらの顧客はギャラリー、美術館、スタジオ、アートスクールなどのアート関係者から、ラグジュアリーブランド、ホテルチェーン、不動産デベロッパーなど多岐にわたっており、プラットフォーム上で提供されている1万5000点のプレミアム作品から厳選されたアートストリームを、30カ国以上の公共スペースや場所で数百万人に向けて配信していると同氏は述べている。

アンダース氏は「スマートテレビは10億台以上の市場があり、当社のパートナーであるサムスンは市場の30~40%を占めているため、当社は『ラストマイル』提案をすることができます」とも語った。

デジタルアートの市場規模は、2025年には約500億~1000億ドル(約5兆4600億〜約10兆9200億円)になると予測されている。

L Catterton Growth FundのマネージングパートナーであるMichael Farello(マイケル・ファレロ)氏はこう述べている。「デジタルアートは、L Cattertonが長年注目してきた分野です。当社はデジタルアートの将来性に非常に期待しており、この分野を継続的に評価した結果、Niioにたどり着きました。サブスクリプションとNFTの両方を提供する彼らのプラットフォームアプローチと、批評家とアーティストのコミュニティで築かれた評判、そしてサムスンとのパートナーシップによる評価が相まって、彼らを市場のリーダーにすることを確信しています」。

画像クレジット:After Indifference by Siebren Versteeg, Commissioned by Niio

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(文:Kate Park、翻訳:Aya Nakazato)

アップルが瞑想やグループワークアウト機能を「Fitness+」サブスクに追加、15カ国で新たに展開

Apple(アップル)はApple Watch Series 7をお披露目したあと、Apple Watchを中心としたフィットネスサービス「Fitness+」のアップデート内容を公開した。

現在、月額9.99ドル(約1095円)のこのサービスは現在、米国、カナダ、英国など6カ国で提供されている。しかし、米国時間9月14日に開催されたプレスイベントでは、ブラジル、サウジアラビア、インドネシア、フランス、イタリア、ロシアなど、2021年秋にはさらに多くの国でこのサービスが展開されることが発表された。コンテンツは6つの言語で字幕が表示可能になる。

また、Appleは、Fitness+のサブスクライバー向けに、秋から新たにピラティスとガイド付き瞑想のコンテンツを追加すると発表した。Fitness+には、感謝の念、マインドフルネス、そして心を落ち着かせることに焦点を当てたガイド付き瞑想が毎日追加される。これらのコンテンツはビデオと音声の両方で提供されるとのことで、HeadspaceやCalmのようなアプリとの競合が予想される。

また、Fitness+は、秋にShare Playを利用した「グループワークアウト」を展開する。これは、サブスクライバーが世界のどこにいても、FaceTimeやグループメッセージスレッドを介して友人と一緒にエクササイズできるというもの。一度に最大32人まで一緒にエクササイズできるという。

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画像クレジット:Apple

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Aya Nakazato)

マーベルの定額コミック読み放題アプリ「Marvel Unlimited」がアップデート

Marvel(マーベル)が定額制コミックアプリ「Marvel Unlimited(マーベル・アンリミテッド)」の新バージョンをリリースした。今回のアップデートでは、スマートフォンやタブレット端末の画面に合わせてデザインされた高解像度の縦型コミック「Infinity Comics(インフィニティ・コミックス)」の配信が始まている。当初は27作品のInfinity Comicsが提供されているが、年内には100作品以上が読めるようになる予定だ。その中には「X-Men Unlimited(エックスメン・アンリミテッド)」「Captain America(キャプテン・アメリカ)」「Black Widow(ブラック・ウィドウ)」「Deadpool(デッドプール)」「Shang-Chi(シャン・チー)」「Venom / Carnage(ヴェノム / カーネイジ)」などのシリーズが含まれる。

すべてが新しく、すべてが違うMarvelUnlimitedを体験せよ。

マーベルコミックを読むために必要なものがすべて揃ったアプリ! マーベル・ユニバースに飛び込むためのアップデートされた機能をご紹介します。

マーベル・エンターテインメント

Disney Media & Entertainment Distribution(ディズニー・メディア&エンターテインメント・ディストリビューション)の協力を得て一から作り直されたこのアプリでは、コミックをオフラインで読むための無制限のダウンロードが可能になり、コンテンツを別の場所で共有することができるようになった。他にもマーベルは、合理化されたデザイン、安定性の向上「クラス最高のスピードと検索ツール」、自分の好みに基づいてカスタマイズされる読書ガイドなどの改良を約束している。また、Marvel Insider(マーベル・インサイダー)のメンバーは、このアプリを利用することでポイントを貯めることもできる。

月額プランは10ドル(約1100円) / 月、標準年間プランは69ドル(約7600円) / 年。年間99ドル(約1万900円)の「アニュアル・プラス」プランは、月額プランや標準年間プランの特典に加え、メンバーシップキット、イベントへの招待、shopDisney(ショップディズニー)での割引などが含まれる。

Marvel Unlimitedには現在、2万9000冊以上のコミックが登録されており、毎週追加されていく。しかし、紙のコミックが店頭に並んでから作品がアプリに反映させるまでには、少なくとも3カ月のギャップがある。

今回のアップデートは、とっくに更新されるべき時期が過ぎたと思われていたアプリにとって、歓迎すべきものだ。Disney+(ディズニープラス)でマーベルの「What If…?(ホワット・イフ…?)」シリーズを観ていて、あるいはMarvel Cinematic Universe(マーベル・シネマティック・ユニバース)で他の作品を観ていて、コミックも読んでみたいと思っていた人は、この機会にMarvel Unlimitedを試してみてはいかがだろうか。

編集部注:本記事の初出はEngadget。執筆者Kris Holtは、Engadgetの寄稿ライター。

画像クレジット:Marvel

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(文:Kris Holt、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

Apple MusicはShazamの技術でDJミックス内の楽曲に対しきちんと使用料を払おうとしている

Apple Music(アップル・ミュージック)は米国時間9月10日、DJミックスの作成に関わるすべてのクリエイターを個々に適切に特定して支払いを行うプロセスを作成したことを発表した。Apple Musicは、Appleが2018年に4億ドル(約439億5000万円)で買収した音声認識アプリShazam(シャザム)のテクノロジーを使用して、メジャーならびに独立レーベルと協力して、ミックスに登場するDJ、レーベル、アーティストの間でストリーミングロイヤルティを公正に分配する方法を考案しようとしている。これは、DJミックスが関係するすべてのクリエイターに対して長期的な金銭的便益を提供して、他のアーティストが繰り返しクリエイターの作品を利用して制作した場合でも、クリエイターに報酬が支払われるようにすることが狙いだ。AppleはShazamのテクノロジーの初の大がかりな統合として、その価値を認めているようだ。

これまでは、YouTube(ユーチューブ)やTwitch(トゥィッチ)などのライブストリーミングプラットフォームは、他のアーティストの曲の使用を著作権侵害としてフラグ付けする可能性があったため、DJがミックスをオンラインでストリーミングすることは困難だった。アーティストは、ライブセット中にDJが曲を再生されたときにはロイヤリティを受け取る権利があるが、ダンスミュージックの場合には、さまざまな曲を編集して混ぜ合わせて認識できないものにすることができるため、事情はさらに複雑になる。

Apple Musicは、2020年と2021年のトゥモローランドのデジタルフェスティバルのセットを含め、すでに何千ものミックスをホストしている、だがビルボードが6月にそれを指摘していたものの、今回の技術を正式に発表したのはこのタイミングになった。この発表の一環として、Studio !K7のDJ Kicksアーカイブが同サービス上で展開され始め、ファンは15年以上市場に出ていなかったミックスにアクセスできるようになる。

DJのCharlotte de Witte(シャーロット・デ・ウィッテ)氏は「Apple Musicは、ミックスにトラックが含まれているアーティストと、それらのミックスを作成しているアーティストに公正な料金を提供できるような連続ミックスを提供する最初のプラットフォームです。これは、誰もが公平に扱われる正しい方向への一歩です」と、Appleを代表する声明の中で述べている。「オンラインミックスを再び提供できることに、言葉ではいえないほど興奮しています」。

画像クレジット:Apple Music

ダンスミュージックファンにとって、DJミックスをストリーミングできる機能は画期的であり、Apple MusicがSpotify(スポティファイ)と競争するのに役立つだろう(SpotifyはAppleのポッドキャスティングの利用者を上回り、有料サブスクリプションで業界をリードしている)。Apple Musicはロスレスオーディオや空間オーディオを導入し、クラシック音楽チャンネルを買収したにもかかわらず、まだSpotifyには追いつけていない。だがDJミックスの追加によりさらに別のユニークな音楽機能が追加されることになる。

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だがApple MusicがDJロイヤルティの難問へ果敢に切り込んだとしても、パンデミックを乗り越えて生き残ったライブミュージシャンやDJの間で起こっている、より広範な危機に必ずしも対処できるわけではない。

Mixcloud(ミックスクラウド)のようなプラットフォームでは、DJが事前にライセンスされた音楽を使用してセットをストリーミングし、収益化を行うことができるが、Apple MusicのDJミックスにはユーザー生成コンテンツは含まれない。Audible Magic(オーディブル・マジック)と提携しているMIDiA Research(ミディア・リサーチ)は、ユーザー生成コンテンツ(UGC) が、リップシンクのTikTok(ティクトク)であれSoundcloud(サウンドクラウド)DJミックスであれ、音楽を使用するオンラインコンテンツが、今後2年間で60億ドル(約6589億8000万円)を超える価値のある音楽業界の金鉱になる可能性があることを発表した。しかし、Apple自身はまだUGCに投資していない。個人は、Soundcloudの場合のような、個人のミックスをプラットフォームにストリーミングをアップロードすることはまだできない。6月のビルボードレポートによると、Apple Musicは、プラットフォームが結合されたトラックの70%を識別したときのみ、ミックスをホストする。

Apple Musicは、ロイヤルティが正確にはどのように分割されるかについての質問には答えなかったが、これはミュージシャンたちがデジタル環境の中で生計を立てる方法を再考するための小さな一歩に過ぎない。

これらの革新はアーティストに報酬を与える役には立つものの、ストリーミングロイヤルティは、ミュージシャンがお金を稼ぐ方法のごく一部しか占めていない。Appleはミュージシャンに1回のストリームごとに1セント(約1.1円)を支払うが、Spotifyのような競合他社はそれよりもはるかに少ない額しか支払っていない。このことから、UMAW(ミュージシャンと関連労働者組合)は、3月にJustice at Spotify(Spotifyに公正さを)という名前のキャンペーンを開始した。これは、Appleと同じく1回のストリームあたり1セントの支払いを要求するものだ。しかし、特にプラットフォームからのストリーミングに対するわずかな支払いを考えると、ライブイベントはミュージシャンにとって不可欠なもののままだ。もちろん、パンデミックはツアーに対して良い影響を与えていない。さらに追い打ちをかけるような情報だが、2016年にエレクトロニックミュージック協会は、ダンスミュージックプロデューサーたちがライブパフォーマンスと認定されないまま使用された作品から1億2000万ドル(約131億8000万円)のロイヤルティをもらうことができなかったと推定している。

画像クレジット:TechCrunch

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(文: Amanda Silberling、翻訳:sako)

月額料金で新品または再生品のSIMフリー端末をリースするスマホサブスサービスの英Raylo

英国を拠点とし、スマホサブスクリプションサービスを展開するスタートアップ企業Raylo(レイロ―)は、Octopus Ventures(オクトパスベンチャーズ)が主導するシリーズAラウンドで1150万ドル(約12億7000万円)を調達した。

今回の資金調達は、2020年の債務による資金調達に続くもので、2019年の創業以来、Rayloが調達した金額は株式発行と債務による調達を合計して4000万ドル(約44億円)になる。同社には、Macquarie Group(マッコーリーグループ)、Carphone Warehouse(カーフォンウェアハウス)のGuy Johnson(ガイ・ジョンソン)氏、Funding Circle(ファンディングサークル)の共同設立者なども投資を行っている。

調達した資金は「消費者がスマートフォンを所有するのではなく、月額料金を支払って新品または再生品のSIMフリーデバイスをリースする」サブスクリプションサービスの強化のために使用される。

Rayloによると、顧客数と売上高は前年同期比で10倍の伸びを示しており、今回の調達で、従業員の倍増やさらなる技術開発など、英国における成長の加速を計画しているという。将来的にはグローバルに展開することも示唆しているが、現時点では英国を軸に着実に成長したいという考えだ。

Rayloを通じた最新スマートフォンの購入では、契約終了時のハードウェアの所有権移転をともなわないので、ユーザーは希望小売価格よりも安い価格でスマートフォンを利用することができる。

環境への配慮はさることながら、数年前から10万円を超えているiPhoneの最上位機種のようなプレミアムスマホの価格を考えると、希望小売価格よりも安い価格というのはますます重要なポイントになるかもしれない。

さらに、スマートフォンに大金を支払える消費者はそれほど多くはないという事実もある。リースや返却という手段は、そのようなユーザーに高額なハイエンドモデルを利用する方法を提供する。

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一般的なRayloのサービスでは、ユーザーは12カ月または24カ月の契約期間終了後にデバイスを返却し、返却されたデバイスは2~3回リサイクルされて他のユーザーに利用される。

Rayloによれば、返却されたデバイスは同社のパートナーによってリサイクルされる。通信事業者による販売では、消費者は使用しなくなった古いデバイスを引き出しにしまい、デバイスが持つ潜在的な有用性を無駄にしてしまうのに対し、Rayloのサービスでは、デバイスを長く使うことで持続可能性を促進する循環型モデルを構築できるとしている。

使わなくなったデバイスを家族に譲ったり、売却や下取りに出したりする人も少なくないが、Rayloによれば、英国では約1億2500万台のスマートフォンが使われずに「冬眠」しているという。スマホユーザーの多くが、スマートフォンの第二の人生を気にしていないということだ。

Rayloは、1台の定額制リースを6~7年間で3人のユーザーに利用してもらえると考えている。これが実現すれば、英国でのスマートフォンの平均寿命(2.31年)は約2倍になる。

できるだけ長期間利用できるように、Rayloのすべてのスマートフォンにはケースと液晶保護フィルムが無料で提供される。

ユーザーは、リースされたスマートフォンを傷つけたり、高額な修理代や返却できなくなったりした際の料金をカバーできるように、保険に加入するかどうかを検討する必要がある。Rayloは、独自のデバイス保険をオプションとして販売しており、保険に加入すると月額料金は少し高くなる。

Rayloのサービスは通信事業者のサブスクリプションプランと競合するが、同社はリース方式の方が安いと主張する。契約終了の際、消費者はデバイスの所有権を持たない(すなわち、他の場所で売ったり下取りしてもらったりできる権利が付与されない)ので、当然といえば当然である。

契約終了時にデバイスを返却したくない(あるいは返却できない)場合、ユーザーはノンリターン(返却不可)料金を支払うが、この料金はスマートフォンの種類やリース期間によって異なる。例えばSmsungの「Galaxy S21 Ultra 5G」や「iPhone 12 Pro Max」(いずれも512GBモデル)を12カ月間使用した場合など、プレミアムモデルのノンリターン料金は600ポンド(約9万円)以上になることもある。

一方、契約終了後もアップグレードせずに同じデバイスを使い続けたい場合は、通常の月額料金を最長36カ月まで継続して支払うことが可能で、ノンリターン料金は1ポンド(約150円)になる。

Rayloのリースデバイスにはすべて24カ月間の保証が付いており、ユーザーによる破損や事故に起因しない故障については無償で修理を行い、修理ができない場合は代替機を提供するとしている。

今回のシリーズAラウンドについて、Octopus Venturesのアーリーステージフィンテック投資家であるTosin Agbabiaka(トーシン・アグバビアカ)氏は、声明の中で次のように述べる。「サブスクリプションエコノミーによって、商品やサービスへのアクセスは急速に変化しています。しかし、個人にとって最も価値のあるデバイスであるスマートフォンに関しては、消費者は所有権一体型のサービスの利用を余儀なくされています。ほとんどの人が買っては捨て、買っては捨てのサイクルに陥っていて、経済的にも環境的にも大きな負担となっています」。

「Rayloは、多くの消費者にプレミアムスマホを低価格のサブスクリプション料金で提供し、最新技術を利用できるようにすることでこの問題を解決します。一度使用された機器を再利用する同社のサービスは、この市場において消費者に支持される持続可能な選択肢となります。この市場には大きなチャンスがあります。私たちは、(Rayloの共同設立者の)Karl Gilbert(カール・ギルバート)氏、Richard Fulton(リチャード・フルトン)氏、Jinden Badesha(ジンデン・バデシャ)氏の3人には、スマートフォンの提供方法を進化させるビジョンと深い専門知識があると信じています」。

近年、ヨーロッパでは、多くの再生電子機器ビジネスが投資家の注目を集めており、欧州委員会でも「修理する権利」法の制定が検討されている。

この分野で最近行われた資金調達には、フランスの再生品市場スタートアップ「Back Market(バックマーケット)」の3億3500万ドル(約369億円)、ベルリンを拠点とする「Grover(グローバー)」の電子機器サブスクリプション事業に対する7,100万ドル(約79億円)、フィンランドを拠点とし、中古iPhoneの再生・販売を行う「Swappie(スワッピー)」の4,060万ドル(約45億円)などが挙げられる。

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(文:Natasha Lomas、翻訳:Dragonfly)

家具と家電のサブスク「CLAS」が約21億円調達、提供エリア・取り扱いジャンル・商品点数を拡大しマーケットプレイスとして加速

家具と家電のサブスク「CLAS」が約21億円調達、提供エリア・取り扱いジャンル・商品点数を拡大しマーケットプレイスとして加速

家具と家電のサブスクリプションサービス「CLAS」(クラス)を運営するクラスは9月8日、第三者割当増資による総額約21億円の資金調達を実施したことを発表した。引受先は、グロービス・キャピタル・パートナーズ、モノフルのグループ会社などとなっている。これによりクラスの累計資金調達額は約28億円に達した。

CLASは、家具や家電を月額料金440円(税込)でレンタルするサブスクリプションサービス。初期コストが抑えた上で(個人は送料・保証金も基本0円)、個人でも法人でも、必要なものを必要なだけ利用でき、ウェブ上だけで発注・交換・返却が行える。製品を提供するメーカーは100社を超え、自社のプライベートブランド家具も100点ほど用意されている。

返却された製品は廃棄されることなく、専門のリペア職人が修繕を行い再度貸し出しされるため、利用者にとっても製品を提供する業者にとっても、無駄のないサステナブルなシステムになっている。しかも製品提供する業者は、品物を売って終わりではなく、継続的な収益につながるビジネスにもなる。

現在のサービス対象地域は、法人向けは一部離島などを除く日本全国、個人向けは東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、大阪府、京都府、兵庫県(大阪府・京都府・兵庫県は一部地域を除く)となっているが、今回調達した資金により、サービスの全国展開を目指し、各主要地域における商品発送・返却品回収の物流体制の構築を進めるという。

さらに、倉庫管理のDX化の推進、メーカーと事業収益を分配するレベニューシェア契約の積極的な締結、取り扱いジャンルと商品点数の拡大、個人向けと法人向けの商品を共通化するカートシステムの強化、サブスクリプション・マーケットの推進を実施する。また、これを実現するための人材を、2023年までに200人規模で採用するとのこと。

クラスでは、SDGsの目標12「つくる責任つかう責任」の達成に向けた、循環型でサステナブルな「ものを捨てない社会づくり」の実現を目指すと話している。

純粋に「写真を楽しむ」だけの写真共有アプリGlassは有料だが公開前から人気、iOS版リリース

Instagram(インスタグラム)はそのフォーカスを買い物、ビデオへと変えてきており、同社の製品責任者Adam Mosseri(アダム・モセリ)氏は6月に「もはやInstagramは単なる写真共有アプリではない」と発言したときはニュースになった。しかしソーシャル写真共有エクスペリエンスを求めているフォトグラファーはどうすればいいのか。

Facebook(フェイスブック)とPinterest(ピンタレスト)でプロダクトデザイナーを務めたTom Watson(トム・ワトソン)氏によると、フォトグラファーはしばらくの間、ソーシャルネットワークに欠いていた。だからこそワトソン氏は、共同創業者のStefan Borsje(ステファン・ボルシュ)氏とともに、フォトグラファーのためのサブスクリプションベースiOSアプリ「Glass(グラス)」を開発した。

「私は常に写真を愛してきました。Flickr(フリッカー)がYahoo(ヤフー)に買収されたのは、私にとっては悲しい出来事でした。私はオタクのような写真コミュニティが大好きなのです」とワトソン氏はTechCrunchに語った。「そして写真コミュニティはモバイル分野に入り込むためにInstagramを手に入れました。しかしFacebookがInstagramを買収したときに私はFacebookにいたのですが、必然的に今日のような事態になるだろうということは目に見えていたはずです」。

広告が入る無料のソーシャルメディアに慣れている人にとって、アプリに月額料金を払うというのは馴染みがないかもしれない。Glassは月4.99ドル(約550円)あるいは年29.99ドル(約3300円)かかるが、14日間の無料トライアルができる。それでも、Glassはお試しする人のApp Store決済情報をすぐに確認するので、トライアル期間が終わる前にGlassを削除することを忘れるかもと懸念する人は利用をためらうかもしれない。しかしこのモデルは意図的だ。ワトソン氏とボルシュ氏は、メンバー5人だけのチームで、ベンチャー資金や広告収入なしにアプリを構築しようとしている。チームはフォトグラファーのコミュニティに応えたいだけなのだ。

「ソーシャルサブスクモデルで何か違うことを始め、ベンチャー資金なしに自力で展開したかったのです」とワトソン氏は話した。「ベンチャー資金を受け入れて、はるか遠くに行くと何が起きるかという例を過去に目にしてきました。大規模展開するためにフォトグラファーコミュニティからどんどん離れていきます」。

画像クレジット:Glass

アプリを開いた瞬間から、Glassが写真そのものに注力しているのがわかる。フォトグラファーをフォローすると、気を散らすものを最小限に抑えるよう投稿が画像のフィードに表示される。写真がスクリーンいっぱいに表示され、写真を右にドラッグすると誰が投稿したのかを確認できる。画像をクリックすると、キャプションやその写真がどのように撮影されたのかについての情報が表示される。コメントを通じてソーシャル活動ができるが、写真に対する「ライク(好き)」はない。これは意図的なデザインだが、一部のユーザーはたとえ後のブラウジングのために画像をブックマークするのに役立つだけだとしても「ライク」ボタンを求めている、とワトソン氏は話す。今後数週間以内に、Glassは写真のカテゴリーなどのディスカバリー機能を立ち上げる。また、ユーザーが機能をリクエストしたり、他のユーザーのアイデアに意思表示したりできるフィードバックフィードバックボードも設ける。もしGlassが提案を追求することを選択すれば「進行中」と表示される。

まだ開始段階にすぎないが、GlassはEXIFデータ提供によってすでに自らをInstagramやVSCOから切り離している。EXIFデータは、Glassが惹きつけたい「写真オタク」にとってキャンディのようなものだ。EXIFデータはフォトグラファーがどのカメラを使ったのか、写真のISO、絞り値、シャッタースピード、焦点距離を示す。こうしたデータとコミュニティ感覚は、Flickrが初期に人々を惹きつけた要素だったが、Yahooが最大1テラバイトのデータを無料ユーザーに提供したとき、コミュニティというより個人的なアーカイブになった。そしてSmugMugが2018年にYahooからFlickrを買収したとき、無料ユーザー向けの写真は最大1000枚のみとし、有料プランにアップグレードしなければ無料ユーザーの写真を削除するかもしれないと警告してサービスを限定的にしようとした。

Glassはまた、アプリでさまざまな画像サイズを扱えるようにすることでフォトグラファーにアピールしている。最大アスペクト比は16:9で、これは標準のカメラ写真のサイズに対応する。しかしInstagramでは、四角の画像モチーフから移行した後ですら、大半のカメラからトリミングなしに縦写真を投稿することはできない。VSCO同様、Glassも各ユーザーのフォロワー数を表示しないが、コメントを見ることはできる。何人のフォロワーを抱えているかを見ることはできなくても、自分のアカウントを誰がフォローしているかはわかる。

「これは安全のために重要だと考えました。もし誰かがあなたをフォローすると、あなたはそのフォロワーが誰なのかを知る必要があり、ブロックできなければなりません」とワトソン氏は話した。「我々は最初からブロックしたり報告したりする機能を構築したかったのです」。

同氏は、これまでのGlassアプリのダウンロード数を共有するのは却下したが「反応に極めて満足している」とのことだ。同アプリは8月にウェイトリストを設け、9月1日からすべてのiOSユーザーへ提供を開始した。ウェイトリストの目的は熱狂を生み出すためではなく、むしろユーザーエクスペリエンスをスムーズなものにし続け、負荷がかかりすぎないようにするためだった。8月にウェイトリストが始まったとき、ワトソン氏はGlassが毎日数百もの招待状を送っているとTechCrunchに語った。

「私は長い間インターネットを利用してきました。そしてかつては心地よくて安全な場所があるという風に感じていました。このサブスクモデルをとることで、写真サービスが再びそういう風に感じられる場所になることを願っています」と話した。

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画像クレジット:Glass

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Nariko Mizoguchi

データで最適化を図るサブスク型のワイン販売会社Bright Cellars社が約12億3200万円の資金調達を達成

6年前に設立されたサブスクリプション型のワイン販売会社Bright Cellars(ブライト・セラーズ)は、多くの新興企業と同様に、時間をかけて進化してきた。アメリカのウィスコンシン州ミルウォーキーを拠点とするBright Cellarsは、かつては会員の嗜好に合ったサードパーティ製のワインを送っていたが、現在では顧客に関する十分なデータが蓄積されているため、他のブランドのワインは販売していない。その代わりに、Bright Cellarsの「オリジナル」商品の中には確かに他のブランドから別の名前で販売されているものもあるが、パートナーであるワインメーカーにレシピの調整を指示することで、成功を収めるケースが増えている。

「私たちは、デジタル製品を最適化するのと同じように、ワインを最適化しています」と語るのは、サンフランシスコ出身の共同創業者兼CEOのRichart Yau(リチャード・ヤウ)氏だ。彼のスタートアップは、早い段階で地域のアクセラレータープログラムに参加し、そこに留まったが、現在では会社の大部分が分散化した。

今朝早く、ヤウ氏とこの方向転換について話をした。Cleveland Avenue(クリーブランド・アベニュー)を中心に、Revolution Ventures(レボリューション・ベンチャーズ)やNorthwestern Mutual(ノースウェスタン・ミューチュアル)などの投資家が参加して、シリーズBとして1,120万ドル(約12億3200万円)の資金調達を行っている。同社は現在、合計で約2,000万ドル(約22億円)ほどの資金を調達している。

また、ヤウ氏は、すべてのデータ収集によって見えてきた業界のトレンドについても語ってくれた。

TC:ワインのポートフォリオを作っていますよね。それはどういうことなのでしょうか?

ヤウ氏:私たちは、土地を所有していません。[Gallo(ガロ)やConstellation(コンステレーション)のような大手企業と同じように]主にサプライヤーと仕事をしていますが、以前よりも規模が大きくなったので、ワインの味や見た目をデザインすることができるようになました。このワインはどのくらい甘くすべきか、酸味はどうか、どのような色やブランド、ラベルにしたいのか、どの層のお客様がこのワインを一番楽しめるのかなど、さまざまな変数を最適化することができます。

TC:御社が調合したワインの中で、どんなものがあるのですか?

ヤウ氏:誰もスパークリングワインに使っていないブドウ品種を使って、シャンパーニュ方式で製造されたスパークリングワイン(シャンパーニュワインではなく、国産ワイン)がありますが、これは私たちのプラットフォームでもトップクラスの評価を得ています。スパークリングワインは、本当に好調です。

TC:サービスの登録者数はどのくらいいますか?

ヤウ氏:それは言えませんが、パンデミックの期間中、新規加入者数だけでなく、お客様の購買がD2C(ダイレクトtoコンシューマーの略)に流れる割合が増えたことで、かなり良い影響を生んでくれました。状況がすこし改善した夏になっても、家で引き続き料理をしたり、ワインを飲んだりする人が増えていました。

TC:このプラットフォーム上では、ワインの平均価格はいくらですか?

ヤウ氏:20ドル(約2200円)から25ドル(2750円)です。

TC:ブドウの仕入れ先はどこですか?

ヤウ氏:ワシントン州やカリフォルニア州などの西海岸が多いですが、南米やヨーロッパなどの海外にもブドウのサプライヤーがいます。

TC:ワインの種類はどれくらいありますか?また、どれくらい試し置きしているのですか?

ヤウ氏:これまでに約600種類のワインを試しましたが、常時40~50種類のワインを用意しています。すべてをずっとストックしているわけではなく、あまり売れないものは基本的に排除しています。

TC:多くのD2Cブランドが、最終的に実店舗を出店します。御社はそれをしていませんね。なぜでしょうか?

ヤウ氏:いつかはそうなるかもしれませんが、私たちはD2Cであることを気に入っていますし、登録会員の皆様が自宅で仕事をしていて、家にいても荷物を受け取ることができる今の世界では、D2Cであることはとても意味のあることだと思います。これは 、一般的なeコマースのトレンドとも一致します。食料品をお店で買わなくなったということは、ワインもお店で買わなくなったということですよね。

TC:ボトルはどこから出荷されるのですか?

ヤウ氏:様々な場所からですが、主に(ベイエリアの)サンタローザからです。

TC:カリフォルニアのワインメーカーの中には、ブドウを守るために日焼け止めを吹き付ける人もいるようですが、天候が与える影響を実感されていますか?

ヤウ氏:(気候変動が)ワイン業界に影響を与えているのは確かです。幸いなことに、私たちは取引先に柔軟性があるので、事業の健全性の観点からはそれほど影響を受けていません。なぜなら、当社の事業の多くはカリフォルニアで行われているからです。2年前は物流が滞り、出荷できない日があったり、気温の上昇による影響を受けたりしました。しかし幸いなことに、今年はこれまでのところ、オペレーションやサプライチェーンの混乱はありません。

TC:老舗企業(レガシー企業)から提携や買収の話を持ちかけられたことはありますか?

ヤウ氏:会話はしていますが、私たちは多くのデータを持っていて、彼らを手助けすることができるので、パートナーシップという意味での会話をしています。例えば、新しいワインを発売し、フォーカスグループのような形でフィードバックを得て、誰が何を好むかを把握することができます。また、あるワインの2種類のブレンドをスプリットテストして、どちらが良いかを調べることもできます。彼ら老舗のワイン企業との会話もそこから始まります。

TC:それでは、データの対価としてお金が支払われるのですね。

ヤウ氏:将来的にデータを売ることに反対はしませんが、どちらかというと、大きなワイン会社でイノベーションがどのように活用できるかを学ぶ機会としてアプローチしています。各州で大規模な営業力やディストリビューターをもつConstellationが得意とすることと同じことができるとは思っていませんが、補完的な方法でできることは、消費者を理解するということです。

TC:外部の人が驚くような発見はありましたか?

ヤウ氏:プティット・シラーは、プラットフォーム上でカベルネやピノ・ノワールと同等か、それ以上の成果を上げています。カベルネやピノはプティット・シラーの50倍もの市場規模がありますが、会員の皆様にはとても気に入っていただけているようです。

また、すべての層の人々が、思っている以上にメルローを気に入っています。メルローは嫌われがちですが、赤のブレンドワインで成功しているものを見ると……。

TC:人々はメルローに対してどんなイメージを持っているのですか?

RY:(笑)映画『Sideways』を見たことがありますか?やはり、それが関係しているのでしょうね。(作中、ピノ・ノワールを崇拝するキャラクターに、メルローがとにかく嫌われている)一方、ピノ・ノワールは依然として人気がありますが、(他のワイン販売業者が)思っているほど、人々はピノ・ノワールを好きではありません。

[原文へ]

Twitterが有料サブスク「Super Follows」を米国で開始、数週間内にグローバル展開

Twitter(ツイッター)は6月から申し込みを受け付けていたプレミアムなサブスクSuper Followsの提供を米国時間9月1日に開始した。

2月に発表していたこの機能では、ユーザーはお気に入りのアカウントを月額料金を払って購読し、特別なコンテンツにアクセスできるようになる。さまざまなソーシャルプラットフォームで収益化のオプションが増えつつあるが、クリエイターにとってはそこにまた1つツールが加わった格好だ。

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このサービスを利用できるアカウントは、Super Followsサブスクの月額料金を2.99ドル(約330円)、4.99ドル(約550円)、9.99ドル(約1100円)から選んで課金できる。この価格は有料ニュースレターとほぼ同程度だ。クリエイターは一部のツイートを有料購読者だけに公開することができ、その一方で通常のツイートで無料フォロワーにもリーチし続けられる。

画像クレジット:Twitter

有料の購読者には特別のSuper Followerバッジが付けられ、ツイートの海の中で無料フォロワーとは区別される。バッジはリプライに表示され、Super Followerはサポートすることを選んだアカウントと直接やり取りできるようになる。Super Followsを利用しているアカウントは、プロフィールページにSuper Follows専用ボタンが表示される。

Super Followsは誰でも使えるわけではない。当面、申し込み制となっていてウェイトリストがある。申し込みはアプリのサイドバーにある収益化オプションから行える。ただし、フォロワー1000人超を抱え、過去1カ月に25回超のツイートをしている米国拠点のユーザーのみが申し込める。

米国とカナダ拠点のiOS Twitterユーザーは9月1日から一部のアカウントをSuper Followできるようになり、今後数週間以内にグローバルのユーザーにも提供される。クリエイターの側では、Super Followsは差し当たってiOSでのみ利用可能だが、Androidとデスクトップも「間もなく」サポートされる。

Super Followの収入は標準的なものとなるが、Apple(アップル)やGoogle(グーグル)がアプリ内購入手数料として30%を徴収するとTwitterは話す。Twitterは、Super Followsを通じた売り上げに対し、最初の5万ドル(約550万円)までは手数料として3%を徴収する。これから活動を始めようとしているアカウント、あるいは有料のTwitter機能を他のクリエイター収入を補完する方法として活用している人にとって思いやりのある設定だ。売り上げが5万ドルを超えると、Twitterの取り分は20%になる。

Twitterにとって、Super Followsは一般提供につなげる初の収益化実験ではない。同社は5月、Cash Appや他の決済プラットフォームの統合を通じてアカウントが1度限りの支払いを受けられるTip Jarを導入した。テストは差し当たって「クリエイター、ジャーナリスト、専門家、非営利団体」などの対象アカウントに限定して行われている。

8月22日の週には、6月に有料のオーディオルーム機能に申し込んだユーザー向けにTicketed Spacesを導入した。Ticketed SpacesでのTwitterの手数料はSuper Followsと同じ設定で、ユーザーは高機能なチケット発行機能であるTicketed Spacesで1〜999ドル(約110〜11万円)の間で課金できる。

長期間のプロダクト停滞を経て、Super FollowsはTwitterの一連の動きの最新のものとなる。しかし同社はこの12カ月、失敗したFleetsのリリースと提供停止から、導入の兆しが見られる多くの人が何年もの間求めていたいじめ防止機能のようなものに至るまで、忙しくしていた。

ユーザーがプレミアムなコンテンツを提供して課金できるようにすることは、Twitterにとってかなり大きな変化だ。物いう株主がCEOのJack Dorsey(ジャック・ドーシー)氏を追放すると脅すまで、同社はほぼ動かなかった。また、コンテンツ制作でユーザーが稼げるようにするツールを多くのプラットフォームが加えるのにともない、熱が高まっているクリエイター分野への参入もTwitterにとっては大きな動きであり、クリエイターが継続して利用しそのプロセスで収入を生み出せるよう維持することが理想だ。

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画像クレジット:Twitter

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(文:Taylor Hatmaker、翻訳:Nariko Mizoguchi