脆弱性のある自動投票機を売り続ける選挙機器メーカーを米上院議員が問題視

重要な選挙を前に、4人のベテラン上院議員が「既知の脆弱性」のある機器を売り続ける米国の大手自動投票機メーカー3社に回答を要求した。

米国時間3月27日に送られた書簡は、選挙機器メーカーのES&S、Dominion VotingおよびHart InterCivic に対して、悪用されると選挙結果を蝕む恐れのある脆弱性を持つ数十年前の機械を売り続ける理由の説明を求めている。

「国民の選挙の信憑性はわれわれが投票に使用する機械に直接結びついている」と、上院議員らが発信した書簡は言う。エイミー・クロブチャー(民・ミネソタ)、マーク・ワーナー(民・バージニア)、ジャック・リード(民・ロードアイランド)、ゲーリー・ピーターズ(民・ミシガン)の4人は、それぞれ、立法、諜報、軍事、国土安全保障の各委員会の重鎮だ。「これほど重大な責任を負っていながら、選挙機器業界には有意義な革新がなく、我々の民主主義はそのつけを払っている」と書簡は付け加えた。

主な問題は、この3社だけで米国選挙機器市場シェアの90%以上を占めているが、これらの自動投票機には紙の投票用紙がないため、バグがあったとき投票が正確に数えられたのかどうか調べるのが困難なことだ。

にもかかわらず、何千万台ものその同じ機械が、来る2020年の大統領選挙に使用される見込みだ。

ES&SとDiminionの広報担当者は受け取った書簡に関して回答する予定。Hart InterCivicはコメントの要求に返信がない。

大統領選挙に出馬するクロブチャーを含め4人の上院議員は、選挙は今も「深刻な脅威に曝されている」と言った。

セキュリティー専門家は何年も前から自動投票機の危険に対して警鐘を鳴らしてきた。最大の問題は、これらの機器が容易にハックされ選挙結果に干渉される可能性があることだ。つい数カ月前、テキサスの一部の郡で行われた期日前投票で、投票者がHart製の機器に問題を発見し、一部のケースで投票画面から選択肢が完全に消えていた。ES&Sは、セキュリティー研究者にシステムを提供しないと発表したことで議会で怒りを買った。その発表は選挙システムのハッキングコンテストであるDEF CON Voting Villageで同社の自動投票機がハックされ壊滅的評価を受けてから間もない出来事だった。

民主党幹部らは、紙の投票用紙は信頼できる投票システムにとって「基本的必需品」であると言っているが、企業は今も紙を出力しない機器を作り続けている。昨年民主党議員は、将来の選挙で紙の記録を必須にする 法案を提出したが、通過しなかった。

各社は4月9日までに上院議員の書簡に回答しなくてはならない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

自動運転除草機のFarmWiseがプロトタイプ製造パートナーにミシガン州の自動車企業を選ぶ

FarmWiseは、農業で一番嫌がられる作業のひとつである除草を、ロボットにやらせようとしている。そのために、このサンフランシスコ生まれのスタートアップはミシガン州の自動車企業Roushに、自動運転ロボットのプロトタイプ作りで協力を求めた。

このコラボレーション事業の財務的詳細は公表されていない。

自動運転除草機は、除草剤を不要にし、農家の労力を減らす。この除草ロボットは1日24時間平気で精度の高い除草作業をするから、作物の反収を大幅にアップする。そもそも除草剤も、除草が大変な仕事だから発明されたのだ。

Roushは2019年に12台のプロトタイプを作り、2020年にはさらに多くを作る予定だ。でも、なぜ中国ではなくミシガン州なのか?

FarmWiseの共同創業者でCTOのThomas Palomares氏はこう語る。「ミシガン州はその優れた製造業と自動車産業で世界的に知られている。彼らは高度な技術と製造工程のノウハウを持っている。われわれのマシンを作ってテストするためにも、そのような高度な製造技術が必要だ。われわれにRoushを紹介したのはミシガン州の投資企業のPlanetMだが、うちのようなテクノロジー系のスタートアップが製造にまで手を染めるためには、年季の入った評価の高い自動車メーカーの協力が絶対に欠かせない」。

Roushは、高性能な自動車部品のメーカーとしてミシガン州で長い歴史がある。最近ではその高度な製造技術を活かして、ロボティクスや代替燃料システムにも手を広げている。

ミシガン州の産業振興や国際関係の形成にも関わっているPlanetMの、集団事業担当ハイスプレジデントのTrevor Pawl氏は次のように語る。「FarmWiseのようなスタートアップとミシガン州生え抜きの企業であるRoushの製造業ノウハウが一緒になって、前者のコンセプトを現実化する。このコラボレーションは、そんな機会づくりのモデルケースだ。その意味で、このコラボレーションが実ったことは非常に喜ばしい。プロトタイプや製造のサポートを求めている新興企業を州の有能な製造業界が支えていく、今回はそんな事業モデルのすばらしい好例だ」。

FarmWiseは2016年に創業され、これまで570万ドルのシード資金を調達している。そのときの投資家はPlayground Globalなどだ。本誌TechCrunchがFarmWiseを最初に見たのは、Alchemist Acceleratorのデモデーのときだ。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

アップルがMacBookの第3世代のバタフライキーボード問題で謝罪

Apple(アップル)はMacBookのバタフライスイッチキーボードの改善を続けてきた。実際、テクノロジーは第3世代となっており、今なお続く問題を解決するゴム加工膜が追加され、耳障りな音も減少されている。

しかし、最も熱烈なAppleファンたちでさえも、キーの固着やランダムな誤動作に不満を持ち続けている。本当の話、シアトルで行われたAmazonのあるイベントで、私は会場内の緊張した空気をいち早く伝えるべく社員のひとりに緊急メールを送った。どの子音が抜けたのかは思い出せないが、当時の決定的ニュースを伝えるためには決定的に重要だったようだ。たぶんあれは「M」だったと思う。

More recently, I had to take laptop into IT after it was firing off random spaces and period. I might have screamed at my desk a few times over that one. Then there was this, wic onestly couldn’t ave appened at a worse time.

最近私は、スペースとピリオドがランダムに入力されるようになったノートパソコンをIT部門に持ち込まなくてはならなかった。座席で何度か叫び声を上げていたかもしれない。そしてこれが、これ以上悪いときはないというタイミングに起きた[” wic onestly couldn’t ave appened at a worse time.”]。

Apple’s acknowledged issues in the past, suggesting free repairs. And now it’s offered The Wall Street Journal a bit of an apology for the on-going woes.

Appleは過去にこの問題を認めて無料修理を勧めた。そしてこのたび現在進行中の問題に関してThe Wall Street Journalで少しばかり謝罪した

「弊社は第3世代のバタフライキーボードで少数のユーザーが問題を経験していることを認識しており、申し訳なく思っている」と同社は言った。「大多数のMacノートパソコン顧客は新しいキーボードで有意義な体験をしている」

このあと、何か問題があればユーザーはAppleCareに連絡を取るよう勧めている。私は最新のキーボードが同社にとって正しい方向に進んでいると思っているが、初期の問題は今も十分続いているので、Appleはこれに関して設計図から見直したほうがよいのではないだろうか。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Galaxy Foldの画面折り曲げテスト動画が公開

Samsung(サムスン)の折りたたみスマートフォン「Galaxy Fold」はまだ謎が多い。2月のアンパックイベントにて公開された同端末は、MWCではガラスの向こう側に鎮座していた。

そしてSamsungが本日公開した動画では、Galaxy Foldをストレステストにかけている様子が確認できる。

Samsungによれば、Galaxy Foldのディスプレイは20万回の開閉動作に耐えられるとしている。これはおよそ、5年間で1日に100回折りたたんだ回数に相当する。

動画では、Samsungなどのメーカーがどのようにして耐久回数を決定しているのかが見て取れる。同社によれば、この機械を使えば約1週間で20万回の折り曲げ試験が実施できるそうだ。なんにせよ、製品をこの手に取る日が楽しみである。

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(文/塚本直樹 Twitter

Ustreamの元CEOが高効率電動モーターのスタートアップLinear Labsを創業

電動モーターを開発しているLinear Labsが、Science Inc.とKindred Venturesが率いるシードラウンドで450万ドル(約5億円)を調達した。同社のモーターは、自動車やスクーター、ロボット、風力タービン、そして空調機など、さまざまな用途に使われている。

投資家のChrisおよびCrystal Sacca、Saltwater VenturesのRyan Graves、Dynamic SignalのCEO Russ Fradin、Masergyの常勤会長で元CEOのChris MacFarland、Ustreamの協同ファウンダーGyula Feherらも、このラウンドに参加した。

創業4年になる同社の創業者であるBrad Hunstable氏とFred Hunstable氏によると、彼らはこれまでよりも軽くて柔軟性のある電動モーターを発明した。彼らは世界各地の低開発国の小さなコミュニティで、きれいな水を汲み上げたり、水力発電に使うデバイスを設計しているときそのモーターを着想し、Hunstable Electric Turbine(HET)と名付けた。

Linear Labsは現在50の特許を出願しており、内21件には特許が下りて、29件はまだ審査中だ。

二人の創業者には、起業家と電気工学の経歴がある。Brad Hunstable氏は、ライブのビデオストリーミングサービスUstreamの元CEOで創業者だが、それは2016年に1億5000万ドルでIBMに売った。Fred Hunstable氏には電気工学と原子力技術の経歴があり、EbascoとWalker Engineeringで、電気のインフラストラクチャや、環境およびエンタープライズのプロジェクト、また高度な安全性評価事業の、設計とアップグレードを担当した。

同社によると、HETは状況の変化や多様な状況に適応できる複数のローターを使っている。永久磁石を使ったモーターに比べてトルク密度は2倍、電力密度は3倍ある。出力は同じサイズのモーターに比べて2倍、レンジは10%以上大きい。

HETの設計は電気自動車のようなモビリティ用途に向いている。ギアボックス不要で高いトルクを産出するからだ。そのため、電気自動車の生産コストも低くなる、と同社は主張する。

「電動モーターが長年追い続けてきた夢は、ギアボックスなしで高いトルクを生むことだ。HETはそれを、小型軽量でかつ、従来のモーターよりも効率的なパッケージで実現している」とLinear LabsのCTOであるFred Hunstable氏が声明の中で言っている。

これにより、航続距離の長い電気自動車や、より強力な電気スクーターが実現するだろう。

テキサス大学の再生エネルギーと自動車技術に関する研究所(Renewable Energy and Vehicular Technology、REVT)を創設したBabak Fahimi氏によると、「この電気モーターはエネルギーの節約と信頼性の向上、および自動車の製造コストの削減に大きく寄与する」という。

同社はこのシード資金を、自分たちの発明を顧客に広めるマーケティング活動に使いたい、と考えている。同社はまた、人材も求めているし、最近確保した新しい人びとを同社のリーダーシップチームに加えたい、としている。具体的には、John Curry氏を社長に、Jon Hurry氏をバイスプレジデントにしたい。Curry氏はこれまで、KLA-TencorやNanoPhotonicsにいた人だ。Hurry氏は、TeslaとFaraday Futureで高い地位にあった。

画像クレジット: Linear Labs

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Googleが台湾のオフィススペースを拡張、ハードウェア開発に本腰か?

Googleは米国時間3月26日、新北市板橋區(Banqiao District, New Taipei City)に新しい複合施設を建設して台湾のオフィススペースを拡張することを発表した。公園を兼ねたテクノロジー系工業団地、台北遠東テレコムパーク(Taipei Far Eastern Telecom Park)に建設されるその施設は、Taipei 101に今あるオフィスから車で20分ぐらいだ。Googleは現在、台湾に2000名の社員を抱えているが、さらに女性中心に数百名を新たに雇用する計画であるとGoogleのハードウェア部門のシニアバイスプレジデントであるRick Osterloh氏が記者会見で述べた。

その複合施設は、2018年5月に発表されたGoogleのIntelligent Taiwanプロジェクトでも重要な役割を演じる。昨年このプロジェクトは、約5000名の学生にAI技術を教育訓練し、50000名のデジタルマーケターを育成した。

中国で政府による検閲OKの検索エンジンを立ち上げるという、物議をかもしたProject Dragonflyの発表以来、同社が台湾やアジアのそのほかのハブでやることにも鋭い目が注がれるだろう。Googleは昨年Dragonflyを中止したと言われているが、その後の社員たちの話によると、そのプロジェクトが継続している証拠があるそうだ。Googleのスポークスパーソンは、その件と台湾オフィスの拡張は無関係だ、と言った。

2018年初頭にHTCのスマートフォン部門の大部分をGoogleが11億ドルで買収してからは、台湾が同社のアジア最大のエンジニアリングハブになった。Googleは2010年に検閲問題を原因として中国を撤退したが、その態度の打ち消しのようにも見えるProject Dragonflyは、Googleの社内でも問題視された。同社の中国再進出は、12月にGoogleのCEOであるSundar Pichai氏を喚問した下院の司法委員会でも質問が集中した

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

EUが5Gめぐりセキュリティ強化もファーウェイ排除は見送り

Huawei(ファーウェイ)の5Gプロダクトによるサイバーセキュリティの脅威についての欧州連合(EU)の最新のアプローチは注意喚起であり、徹底排除ではない。これは、ファーウェイと中国政府のつながりに懸念があるとして同社ボイコットを呼びかけていた米国への対応として、今週EUが出した新たな勧告の主旨だ。

この勧告では、「来たる5Gテクノロジーが銀行業務から交通、健康、産業、そして民主主義に至るまで、社会の最も基礎的部分の屋台骨を形成する」と記している。しかし、米政府が求めていたファーウェイの即座排除を促すには至っていない。

「5Gテクノロジーは我々の経済や社会を変え、個人や事業会社にとって大きな機会をもたらす」とEUデジタル責任者のAndrus Ansip氏は勧告に伴う声明文で述べた。「しかしこれは完全な保障なしにはあり得ない。ゆえに、EUにおける5Gインフラはテクニカル上または法的なバックドアから完全に無縁で安全が確保されていることが必須だ」。

この発言は、EUがテクノロジーの監視を強化するのに伴い、今後のファーウェイ排除を完全には否定しないことを意味している。しかし、全面禁止という米国の要求を押しのけるという大きな流れを示している。

先月バルセロナで開かれた通信会議で登壇したEUデジタル局長のMariya Gabriel氏は、もし加盟国が「それぞれ自国を守ろうと」異なる対応をとれば分裂の可能性があると警告し、EUはネットワーク・セキュリティの問題に「共通のアプローチ」を取るべきだと話した。

その際、Gabriel氏は委員会は間もなく対応を取る準備をしていると述べた。しかし、全面排除を支持するとは言っておらず、軟着陸させる可能性を残していた。

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(翻訳:Mizoguchi)

ファーウェイのスマートグラスはジェントルモンスターと提携

Huawei(ファーウェイ)は韓国ファッションブランドのジェントルモンスターと共同開発した、通信可能なスマートグラスを発表した。

Huaweiはこのスマートグラスをイヤフォンの代替として位置づけており、スマートフォンを経由して通話ができる。製品にボタンはなく、眼鏡のつるをタップすることで着信を受けることができる。

アンテナや充電モジュール、デュアルマイク、チップセット、スピーカー、バッテリーなどはすべてつる部分に収められている。2つのマイクはビームフォーミング技術に対応し、たとえメガネがずれていていても装着者の発言を拾ってくれる。

ステレオスピーカーは耳のちょうど上に位置しており、周囲の妨げにならないように聞くことができる。なお、カメラは内蔵されていない。プライバシーの議論を避けるためにはいい選択だろう。

Huaweiのスマートグラスには、底面にUSB Type-Cポートを備えたレザーケースが付属。こちらはワイヤレス充電にも対応している。新型スマートフォン「P30シリーズ」のプレスカンファレンスで発表されたこのスマートグラスは、2019年7月以降に販売される予定だ。

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(文/塚本直樹 Twitter

Huawei P30 Pro/P30発表 ペリスコープレンズと深度センサーでカメラ性能刷新

Huawei(ファーウェイ)はプレスカンファレンスにて、新型フラッグシップスマートフォン「P30 Pro」「P30」を発表した。両端末とも、前モデルの「P20シリーズ」から全面的にアップデートされている。

まず外観上の進化として、両スマートフォンは小型な水滴型ノッチを搭載。またディスプレイには指紋認証機能が内蔵されている。ディスプレイサイズはP20 Pro/P20の5.8/6.1インチから、6.1/6.47インチに大型化しており、画面のアスペクト比は18.7:9から19.5:9に変更された。

P30 ProはiPhone XRよりも細いのだが、それでも個人的には手に余るサイズに感じられた。

背面パネルの素材はガラスで、角度により美しい色の変化をみせる。フレームはアルミ製だ。カーブディスプレイと裏側側面のカーブした形状のおかげで、スリムに感じられるのは好印象。本体上下の縁は平らに仕上げられており、手のひらに馴染む感触だ。

P30 ProとP30のスペックは似ており、両方とも2340×1080ドットの有機ELディスプレイを搭載している。

2機種の大きな違いは、P30 Proがカーブディスプレイなのにたいし、P30は平らなディスプレイを採用していることだ。なお、イヤホンジャックを搭載しているのはP30のみとなっている。

両機種とも、本体カラーは5パターン。ブリーシング・クリスタル、アンバー・サンライズ、パール・ホワイト、ブラック、オーロラが用意されている。アンバー・サンライズはレッドとオレンジのグラデーションカラーで、パール・ホワイトはホワイトとピンクのグラデーションカラー、オーロラはブルーとターコイズのグラデーションカラーだ。

 

背面には4カメラを搭載

カメラ性能には特にこだわりのあるHuawei。P30 Proではなんと背面に4カメラが搭載されている。

 

  • メインカメラは4000万画素/焦点距離27mm/f値1.6で光学手ブレ補正に対応
  • 超広角カメラは2000万画素/焦点距離16mm/f値2.2
  • 望遠カメラは800万画素/f値3.4かつ5倍ズーム(焦点距離125mm)を実現。こちらも光学手ブレ補正に対応
  • フラッシュ下には赤外線の照射で物体の深度を測定するToFセンサーを搭載

P30 ProではToFセンサーのおかげで、より上質なボケ効果が楽しめる。またメインカメラと望遠カメラの組み合わせにより、10倍のハイブリッドズームも実現した。

望遠カメラにはペリスコープレンズを採用。ガラスで光軸を曲げるこのレンズのおかげで、スマートフォンが分厚くならずに高倍率ズームが可能となった。

次に、P30のカメラスペックをみてみよう。

  • メインカメラは4000万画素/f値1.8で光学手ブレ補正に対応
  • 超広角カメラは1600万画素/f値2.2
  • 望遠カメラは800万画素で3倍の光学ズームを実現
  • ToFセンサーはなし

さらに、ハードウェアだけでなくソフトウェアの支援により、光学/電子手ブレ補正のおかげでナイトモードの性能がずっと進化している。また、フロントカメラも2400万画素から3200万画素に進化し、HDR撮影や暗所下での高感度撮影が楽しめる。

内部スペックまとめ

プロセッサには、Mate 20シリーズにも搭載されているKirin 980を採用。OSはAndroid Pie 9.1で、独自インターフェイスのEMUIが搭載されている。

USB-C経由では40W充電に対応し、最高15Wのワイヤレス充電も利用できる。P30 Proのバッテリー容量は4200mAhで、ワイヤレスリバース充電により他のデバイスの充電も可能だ。

P30 ProはIP68、P30はIP53の防塵・防水性能に対応。またディスプレイを振動させることで、スピーカーとして利用する。

ワイヤレスイヤホンも登場

新型ワイヤレスイヤホンのFreeLaceは、BeatsXのようにネックバンドが存在。こちらはネックバンドを取り外し、スマートフォンに直接差し込んで音楽を視聴することもできる。

USB Type-C経由で5分充電すれば、4時間の音楽視聴が可能。本体色はグラファイト・ブラック、アンバー・サンライズ、エメラルド・グリーン、ムーンライト・シルバーが用意されている。

イヤホン同士は磁力でくっつき、首にぶら下げて持ち運べる。それぞれを外せば、自動で電話にでたり音楽を再生することが可能。逆にくっつければ、電話をきったり音楽が停止する。なお、FreeLaceは単品で販売される予定だ。

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(文/塚本直樹 Twitter

3眼+深度センサーの4カメラ搭載で10倍ハイブリッドズームのHUAWEI P30 Proが登場

ファーウェイ(HUAWEI)はフランス・パリで、現地時間3月26日に最新スマホとなる「HUAWEI P30」シリーズを発表した。

事前のリークのとおり、最上位モデル「HUAWEI P30 Pro」は、背面カメラに屈曲光学系の望遠レンズ(ペリスコープカメラ)を搭載することで、5倍ズーム、10倍のハイブリッドズーム。、50倍のデジタルズームでの撮影が可能だ。具体的には、背面に縦列3眼カメラとToF深度センサーカメラ、フラッシュ、色温度&フリッカーセンサーなどを搭載。2000万画素(16ミリ、f2.2)の超広角、4000万画素(27ミリ、f1.6)の広角、800万画素(f3.4、125ミリ)の望遠の3レンズを備え、10倍ハイブリッドズームを実現している。

ISO感度は、ぶっちぎりのISO409600を実現しているとのこと。iPhone XSやGalaxy S10 Proとの比較で暗所撮影での優位性があることを強調した。

カメラのセンサーは、従来のRGGBではなくRYYBとしたことで40%多く光を取り込めるようになったとのこと。

ディスプレイサイズは6.47インチで、解像度は2340×1080ドット、DCI-P3対応。ノッチ部分は水滴型で、曲面有機ELパネルを備えている。指紋認証センサーは、前モデルのP20 Proとは異なり前面下部のホームボタンではなく、Mate 20 Proと同様に有機ELパネル下に埋め込まれている。

プロセッサーは、グループ会社のハイシリコン社製のKirin 980を採用。IP68の防塵防水性能を備える。バッテリー容量は4200mAhだ。本体サイズは、幅73.4×高さ158.0×厚さ8.41ミリで、重さは192g。充電などに使うコネクターは、USB C(USB 3.1 Gen.3.1)で、イヤフォンもUSB C接続となる。

OSはAndroid 9。メモリー6GB+ストレージ128 GB、メモリー8GB+ストレージ128/256/512 GBのラインアップがある。2枚のSIMが差せるデュアルSIM仕様のモデルもあり、いずれも4G LTEでの待ち受けが可能だ。

カラバリは、ブラック、パールホワイト、オーロラ、アンバー・サンシャイン、ブリージング・クリスタルの5色。

スタンダードモデルのP30は、6.1インチで解像度2340×1080ドットの有機ELディスプレイを搭載。800万画素(80ミリ、f2.4)の望遠、1600万画素(17ミリ、f2.2)の超広角、400万画素(f1.84、27ミリ)の広角の3レンズなどを備える。

バッテリー容量は3650mAh。本体サイズは、幅71.36×高さ149.1×厚さ7.57ミリで、重さは165g。メモリー6/8 GB+ストレージ128GBのモデルがある。こちらも2枚のSIMが差せるデュアルSIM仕様のモデルもあり、いずれも4G LTEでの待ち受けが可能だ。充電などに使うコネクターは、USB C(USB 3.1 Gen.3.1)。P30 Proとは異なり3.5ミリのイヤフォンジャックを用意する。

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詳細は追って公開する。

イーロン・マスク氏がツイートを契約違反としたSECの訴えに反論

米国時間3月22日、Tesla(テスラ)のCEOであるElon Musk(イーロン・マスク)氏は、自身によるTwitterの利用は、証券取引委員会(SEC)との和解条件に違反していないと主張し、利用を禁止するという同委員会の要求は和解命令の「極端な解釈」に基づくものであると指摘した。マンハッタン連邦裁判所に提出された文書による。

SECは、今や悪名高きマスク氏の「資金は確保した」ツイートに関して昨年合意した和解契約に違反したとして、マスク氏を法廷侮辱罪に問うよう判事に要求した。同契約のもとでは、マスク氏は投資家にとって重要情報となりうる発言の前にはTesla取締役会の承認を得る必要がある。

同氏、自分は契約に違反しておらず、問題はSECの解釈にあると主張し、その解釈は「事実上あらゆるレベルで間違っている」と説明した。提出書類では、和解交渉に関する新たな詳細も明らかにされた。それによると、SECがMuskに送った契約書草案では、マスク氏がTeslaに関連する発言をいかなる形式で行う場合にも、すべて事前承認を得ることを要求していた。

マスク氏とTeslaはこれらの条項に合意したことはない。代わりに同氏によると、契約が要求しているのは、彼がTesla自身のポリシーを従うことであり、そこでは「会社または株主にとって重要な情報を含むあるいは含む可能性が合理的に予想される書面によるコミュニケーション」には事前の承認が必要であるとされている。

裁判所文書を通じて交わされている激しい応酬は、ビリオネア起業家とSECとの間で昨年8月に始まった戦いをエスカレートさせている。当時マスク氏は、自社株を1株あたり420ドルで買い取り非上場化するための「費用を獲得した」とツイートした。9月にSECは連邦地方裁判所に、意義を申し立て、同氏が嘘をついていると主張した。

昨年マスク氏とTeslaは、不正行為を認めることなくSECとの和解に合意した。Teslaは罰金2000万ドルを支払い、マスク氏は3年以上会長職から離れ、取締役会に独立取締役2名を加えることに同意せざるを得なかった。さらにTeslaは、同氏の会社に関する公開発言を監視することを義務付けられ、Twitterもそこに含まれていた。

しかし先月になって戦いが再燃した。2月19日にマスク氏がツイートを発信し、Teslaは今年「およそ」50万台の車を生産すると発言し、数時間後に「同社は年末まで年間換算50万台ののペースで生産する」という意味だったと訂正したためだった。

SECはそのツイートをマスク氏による契約違反であると主張した。同氏はこのツイートについて「重要ではなく」合意に沿っていると発言した。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

日本時間3月26日未明のアップルイベントを前に無人のスティーブ・ジョブズ・シアターを覗いてみた

今日の午後は何をする予定?あなたの答えが「無人のスティーブ・ジョブズ・シアターのライブストリームを見る」だとしたら、正直私は何をもってすればアップルファンを自称できるのかわからない。

クパチーノで行われるイベントの前日、Apple(アップル)による空っぽのシアターと思われるもののストリーミング中継では闇に包まれる中、巨大画面に何やらサイケデリックなデザインが動いている。すべては翌日を盛り上げるためであることはほぼ間違いない。実際ファンたちは午前のリハーサルのあと間違って動画が流れ続けていないか必死で探している

一番考えられるのは、われわれが見ているのは合成したCGモックアップか、会場を事前に撮影したビデオだろう。大画面に奇妙なポップアップが表示されたこともあった。Appleはこうしたビッグイベントの直前にお楽しみを提供することで知られている。これを愉快なおふざけと見るにせよ、心優しい「釣り」と見るにせよ、この会社は間違いなくわれわれの注目を引いている。必要だとは思わないが。

Appleは明日のイベントで数々の新製品を発表すると見られている。Netflix競合サービス、ニュースサービス、ゲーミングサービスなどだ。Appleブランドのクレジットカードを準備中だという噂まである。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

アップルの新しいiPad miniはやっぱりminiだった

iPad miniを使うのは非常に楽しい。伝統的なノートパソコン向けの仕事を除けば、サイズ的にベストなタブレットだろう。これはいい。Appleが今回アップデートしてくれたことに感謝したい。

小さなminiでも、Apple Pencilが使えるようになったのは最高だ。メモを書いたり、スケッチしたりする分には、画面の面積が足りないという心配はいらない。プロのアーティストにとっては、より大きなiPadに比べて不利だろうが、持ち運び可能な落書き帳としてなら、iPad ProやAirに比べて、まったくかさばらず、手軽に扱える。

唯一の欠点は?素晴らしい新しいPencilを使った後では、miniで使える古いタイプのPencilは、ツルツルしていて滑りやすい。それに平らな面がないので、シェーディングや曲線のスケッチといった作業の際に、指を置く位置で向きを確認できない。

とはいえ、実際に描いてみれば、その感触は素晴らしく、機敏に動作する。Pencilが利用可能な他のモデルと比べても、応答性は同等で、遅れを感じることもない。

古い方のPencilに対応した訳は、デザインとコストのバランスを考えた結果だろう。平らな面を諦めれば、iPad Proに採用したPencil充電用の磁石アレイを再設計する必要もない。それは、ある意味スマートキーボード用のコネクタと同じように、かなり値が張るものだと考えられる。というわけで、新しいAirにもminiにも、第2世代のPencilは採用されたなかった。

Touch IDは、iPad ProのFace IDと比べると、古臭くてまどろっこしく感じられるかもしれない。ただし、miniの使い方を考えれば、それほど悪くない。なぜならminiは、机の上に置いてキーボードでタイプ入力するのではなく、いつも手に持ったまま、指で触って使うものだからだ。とはいえ、iPadを使い始めるには、ぎこちなく、押し付けがましい余計な操作を強いられるのは確かだ。それによって、Face IDと新しいジェスチャーが、いかになめらかに動作するかということを思い知らされることになる。

筐体ののデザインはほとんど変わっていないので、旧モデル用のケースやキーボードを持っていれば、ある程度の互換性が期待できる。ただし、カメラの位置が変わり、ボタンの位置もわずかながらズレたので、実際に合わせてみると、使えるものと使えないものがあるかもしれない。

新しいminiのパフォーマンスは、間違いなく最高だ。もちろん、iPad Proと比べれば劣るものの、新しいiPad Air(まだテストできるものを入手していないが)とまったく同じだ。少なくとも、表面的な仕様は同じであり、あえてクロックを下げて性能を落としたりはしていないと信じている。それによってminiは、そのサイズにしては非常に強力なタブレットとなっている。同じくらいのサイズの他のタブレットを完全に凌駕する。

画面はなめらかで、発色も素晴らしい。表面から奥に引っ込んだ感じもまったくない。ただ、タップしてスリープ解除することができないのは残念だ。

パフォーマンスは、その比較的高価な399ドル(日本では4万5800円から)という価格に見合ったもの。ベストを求めれば、それなりの金額を払う必要がある。

昨年、私は12.9インチのiPad Proをブラジルへの出張に連れて行った。バックアップや、代役となるマシンなしでだ。その環境でTechCrunchを運営できるか試してみたかったのだ。それには、イベントの計画から論説の執筆、その他いろいろな分野にまたがるプロジェクトも含まれている。それがあまりにもうまくできたので、結局そのままとなり、それ以降、MacBookをまともに開いたことがない。その経験については、いつか記事にするつもりでいる。そこには話しておくべき興味深い事柄が、いろいろと含まれているから。

ここでは、その文脈を含めて考えてみよう。というのも、iPad Proは強力なコンピュータであり、性能も優れているものの、タブレットとして標準的ではない方法で使うのは、正直「楽しく」ない。その点では、これまでもiPad miniは常に輝いていた。その優位はこれからも変わらない。

ゆったりしたジャケットやコートのポケットならすっぽり入る。何しろminiは重くないので、手首をひねって支えても、大きなiPadほど負担にならない。片手で十分扱えるのだ。

このような話を続けてもよいのだが、それは詰まるところ、「小型のiPad」としてのiPad miniが、2012年に登場したときの最初のレビュー以来、ここ何年も嫌になるほど言われ続けてきたことと同じになってしまう。これは本当に、Appleの現在のiPadのラインナップの中で、真っ先に選ぶべきモデルだ。もし安いモデルがいいなら、安いもの(言い方が悪ければ「最も入手しやすいもの」)を選べばいい。小さいものがいいなら、iPad miniを選べばいい。

現行のラインナップの他のiPadは、選ぶのに複雑な条件を比較しなければならない。その点、miniの選択基準は明快だ。

小型のiPadが登場することが明らかになる以前に、私は、当時まだ非常に未熟だった小型タブレットの市場を、Appleならどのように定義するのか、といった記事を書いたことがある。それは確かに定義された。他のどんな小型タブレットも、これまでのところ市場に大きなインパクトを与えることはできていない。もちろん、ブリスターパックで売られているような、やがて希少価値は出るかもしれない、粗悪なAndroidタブレットの類はカウントしない。

以下は、2012年時点の私の見解だ。

はっきり言って、小型タブレットの市場などというものは存在しない。(中略)2年前、私たちはタブレット市場を連続する全体とみなしていた。iPadなんて買う人いるのか、という話もあり、他のメーカーがコンシューマー向けタブレットを作ろうとして失敗した、といったことも語られていた。今やiPadは、他のメーカーやプラットフォームでは真似のできない大成功を収めている。

しかし、タブレット市場は1つの大海ではない。それは、互いにつながってはいるが、いくつもに分かれた水域であり、われわれは、それが形作られるのを、今まさに目にしているのだ。そしてiPad miniは、すでに「小型タブレット」の池の中でうごめいているオタマジャクシと競合するものではない。その支配を拡大していく大きな魚を目指しているのだ。

そう、これはまだ言えているだろう。

1つの大きな違いは、当然ながら今のiPad miniには、それまでにiPad用に開発された膨大な種類のアプリが付いてくるというメリットがあることだ。それらのアプリは、タブレットの中身やサービスに対する、実体のともなった本物のアクセスを可能とする。それは2012年には、まだまったく保証されていなかったことだ。われわれは、あっという間に忘れてしまう。

コンシューマー向けセグメントばかりでなく、iPad miniは産業、商取引、そして医療といった分野の用途でも、高い人気を誇ってる。カルテや患者の病歴からPOS、現場での情報確認まで、miniのサイズは、こうしたプロのユーザーに最適だ。実はそうした用途が、Appleがminiをアップデートすることを決定した大きな要因なのだ。

他のモデルと比較すると、価格的にも初めて登場したときと同じくらい高価に感じられるが、iPad miniは際立ったデバイスであり続けている。小さく、スマートで、今では途方もなく速くなり、ストレージ容量も十分だ。小さいことは、大きなアドバンテージだと私は考える。それにより、miniは、自立した存在たり得る。「ノートパソコンの代わりとしてのiPad」の議論とは無縁だ。これまで以上に多用途で、便利になったと感じられるのは事実だが、それはまったく本質ではない。私はこのminiが、改めて、非常に気に入ってしまった。そしてPencilが使えるようになったことで、魅力はさらに増している。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

Xbox One Sのディスクなしモデルが5月に登場か

物理メディアが消える兆しは以前からあった。そして来る5月、Microsoft(マイクロソフト)は「Xbox One S All-Digital(XOSAD)」の発売によって、とどめを刺そうとしている。報道の通りなら、最新のコンソールではBlu-rayドライブがダウンロード体験で置き換えられる。

XOSADの噂は去年から出回っていた。当時はまだトップガンの続編タイトルから「Marverick」と呼ばれていた。Windows Centralの最新レポートに、システムの詳細とともに発売日の予想が5月7日と書かれているが、これは当初の報道とおおむね一致している。

システムには1TBのストレージがついてくると言われており、それならディスク離れの進むプレイヤーにも十分な容量だろう。製品にはMinecraft、Forza Horizaon 3、Sea of Thievesなどいくつかダウンロードコードが付属するらしい。

ディスクドライブがないことを別として、新システムの外観は通常のOne Sと大きくは変わらない。価格は先行機種より安くなることが予想される。これは、Microsoftがゲームから物理メディアを引き離そうとする大きな動きの一環だ。さらにはXbox Game Passのようなデジタルファーストなサービスも入ってきている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

ダイソンがデスク用ライトとパーソナル扇風機を新発売

Dysonは非常に特殊な方法で物事を進める。この英国メーカーが作る超高品質製品が目指している世界では価格は問題ではない。同社の製品を使うことは、初めてスポーツカーを運転するのと少し似ている。一体だれがそんな大金を払うのかまるで想像できない。実際試してみるまでは。

うまい具合に、今週同社は3種類の新製品を試す機会を一部の報道関係者に与えてくれた。同社曰く、従来型の宣伝はあまり行わないため、口コミとレビューで評判が広まることを期待している。そんなわけで、デモンストレーションの意図は、各製品を支える思想や開発プロセスをわれわれに紹介することだった。

新発表されたのは、新しい製品ライン2つと、おなじみの製品の新型が1つ。Cyclone V11は昨年のV10コードレス掃除機の改訂版だ。私はV10を少し使ったことがあり、そのパワー(スポーツカーのアナロジーが当てはまる)にまんまと魅せられた(使い続けるだけの魅力はあったが、400~500ドル払うことをお勧めするほどではない)。

昨年のモデルはさまざまな表面を掃除することに関してよい仕事をする。あのいまいましいペットの毛さえも片づけてくれる。すばやく掃除ができるしスイッチを押した時の反応もよい。ただしバッテリーはまったくだめなので、V11が改善したというのを期待したい。

新モデルには、バッテリーを節約するEconoモード、掃除する面に合わせる自動調整機能など3つのモードがある。バッテリー自身も大きくて堅牢になったので、うまくいけば1回の充電で40分くらい使えるはずだ。さらに、タンクにディスプレイが内蔵され、バッテリー残量を見たり、掃除機のよくあるトラブルの解決方法を教えてくれる。

パーソナル・エアピュリファイヤーのCool Meは、同社のピュリファイアーシステムを小さなフォームファクターに収めたものだ(ちょっとヒューマノイドに似ている)。小さな部屋や、デスクやベッドサイドなどで自分だけにスポットで風を送りたい人には優れた選択肢だ。音は静かだが、眠りを誘うのに十分なホワイトノイズがでる。

風の流れる方向を手動で調節する。これは少々奇異に感じる。顔に直接風を送るものを触る前には手を洗うのを忘れないほうがいいだろう。

Lightcycleは、まさにDyson製らしいデスクランプだ。大きい。我が家のデスクトップに置くには大きすぎる。しかし、完全調節可能なアームと時刻にあわせたホワイトバランスなどのセッティングは実にすばらしい。Dysonはこうも言っている。

現在地の自然光に合わせる機能にはいろいろな利点がありますが、ランプの輝度や色温度が経年劣化すると、調整能力がなくなります。Dysonの技術者はLEDの過熱をヒートパイプ技術で解決しました。真空密封された銅パイプが熱を放出します。内部では少量の水が蒸発し、凝縮するとともに熱を拡散したあと毛細管現象によってLEDに戻ります。これによってエネルギー不要のノンストップな冷却サイクルが実現しました。これは照明の輝度と品質が60年間維持されることを意味しています。

価格はといえば、みなさんの予想通り非常に高価だ。掃除機は600ドルから、エアピュリファイヤーは350ドル、ライトは600~900ドル。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

浮動小数点演算1回は100京分の1秒、IntelとCrayが超高速次世代スパコンを共同開発中

「今のスマホは昔のスパコンだ」とよく言われる。しかし今の本物のスーパーコンピューターの能力はもちろんスマートフォンなどとは比べモノにならない。Intel(インテル)と Cray(クレイ)はエネルギー省の5億ドル(約553億円)の契約を獲得し、最大級のスーパーコンピューターを共同開発している。このマシンがいよいよエクサフロッップスを実現する

Auroraプログラムはいわゆる「エクサスケール」のコンピューティングシステムで、2021年にアルゴンヌ国立研究所に納入される。エクサ(exa)という接頭辞はものすごく巨大な数、10の18乗を表す。浮動小数点演算1回に100京分の1秒しかかからないわけだ。

読者の手元のデバイスに使われている最新のCPUはおそらくギガフロップス級の速度だろう。 1000ギガが1テラであり、その1000倍がペタ、さらに1000倍でやっとエクサの単位に到達する。たしかに半導体回路製造テクノロジーの驚異的な発達によってわれわれは非常に高機能のスマートフォンやタブレットを使えるようになった。しかし本物のスーパーコンピューターは文字通り桁違いに強力だ(これはCPUの場合で、GPUはもう少し込み入った話になる)。

ただし、そのスパコンも現在の世界最速は200ペタフロップス程度で、昨年TechCrunchが紹介したオークリッジ国立研究所で稼働するIBM Summitシステムだ。

しかしなぜエクサスケールのスパコンが必要なのか?ペタフロップス級で能力は十分ではないのか?実はペタフロップスでは間に合わないのだ。地球温暖化が特定の地域の雲の発達に与える状況をシミュレーションするには現在のスパコンの能力では足りない。こうしたシミュレーションの必要性が新たなスパコンの能力拡張競争を生んでいる。

気候シミュレーションは特にコンピューターのリソースを消費する処理だ。モデルの各点ごとに複雑な計算を必要とするため、当初のモデルはきわめて目が粗いものだった((最近の成果はたとえばこちら)。こう考えてもいい。ボールが地面にぶつかってはね返る。この現象は簡単にシミュレーションできる。では巨大なスケールのシステムに含まれるすべての分子についてこの計算が必要だとしたらどうだろう? 気候シミュレーションとなれば各ノードの相互作用、重力、気圧、温度、地球の自転、その他あらゆる要素を考えねばならない。2つの恒星が衝突するしたら?

コンピューターの能力がアップすればシミュレーションはそれだけ正確になる。 Intelのプレスリリースによれば、「天文学上の巨大なスケールの現象をシミュレーションしたり、化学物質が個々の細胞に与える影響を再現することで新しい効果的な薬品を開発したりできる」ようになるという。

IntelによればAuroraはアメリカにおける最初のエクサスケールのシステムだという。ただし中国はすでに1年前からエクサスケールを目指して開発を始めていた。中国のスパコンは現在でも世界最速クラスであり、この目標が達成できないと考える理由はない。

アルゴンヌ国立研究所がこのシステムを使って何をするつもりなのか興味があるところだ。そこで同研究所のサイトで公表されている研究テーマ一覧ざっと眺めてみたが、「何もかもほとんどすべてのジャンル」という印象だった。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

8980円の広告付きモデルKindleはフロントライト搭載に

ローエンドのKindleの魅力は価格だ。競合よりも低価格で提供するのはアマゾンの得意とするところで、これまで電子書籍リーダーを普及させてきた。もちろん90ドル(日本での販売価格は8980円)のデバイスには足りない点もいろいろある。中でも、Kindleのほかのラインアップには備わっているフロントライトが、ローエンドのKindleに頑なに搭載されなかったことは無視できない。

アマゾンは最新版のKindleでこの点を見直した。静電容量方式の167ppiタッチディスプレイに、明るさ調整機能付きのフロントライトを組み込んだのだ。8980円は広告付きモデルの価格である。

  1. All-new-Kindle_black_front

  2. All-new-Kindle_white_tilt

  3. All-new-Kindle_white_front

  4. All-new-Kindle_black_tilt

ラインアップとしては、このKindleの上位にKindle Paperwhiteがある。Kindle Paperwhiteは、Kindleより高解像度の300ppiディスプレイ、薄型のデザイン、防水機能を備え、価格は1万3980円から。最もハイエンドのKindle Oasisにはさらにさまざまな機能が搭載されて、2万9980円からだ。

新しいKindleには、読み終わった本をデバイス間で同期してマークをつけたり、読書の履歴からおすすめを表示したりする新機能が追加される。この機能は既存のモデルにもアップデートとして配信される予定だ。

新しいKindleはすでに予約注文が始まっている。発売予定日は4月10日で、カラーはブラックとホワイトの2色。

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(翻訳:Kaori Koyama)

Google Stadiaを実機プレイ、多少の遅延が起きるが優秀なプラットフォーム

Googleの新しいゲーム・ストリーミングのプラットフォームであるStadiaだが、発表会場でレイテンシー、価格、サポート予定のデバイスなどについてうるさくスタッフに質問した後、新しいゲームコントローラを実際にテストしてみることができた。短時間だが大画面テレビでプレイしたのはクラウド版のDoom 2016だった。

最初のトライはさんざんだった。フレームレートが極端に遅くなり、まるでPowerPointのスライドの早送りみたいになった。4K映像が表示されたかと思うと何が映っているかわからないほどぼやけた。最長で0.5秒くらいのレイテンシーが感じられた。このありさまにGoogleの社員は不安げに顔を見合わせていたが、やがて私のコントローラをひったくって再起動をかけた。

再起動後は状況は大きく改善された。しかしひと言で要約するなら、ストリーミングゲームには「何が起きるか予想がつかない」不安定さが残っている。Googleの名誉のために付け加えておくと、Stadiaの実機テストは強力なネットワークが張り巡らされたマウンテンビューの本社キャンパスではなく、発表会場のホテルのWi-Fiで行われた。これは現実の使用条件にずっと近いはずだ。

StadiaはGoogleのクラウドゲームストリーミングサービスだ。テクノロジーの詳細についてはまだ不明な点が多々あるが、基本的な方向性ははっきりしている。ハイレベルの専用機ゲームをオンラインに移行させることだ。Chromeブラウザからアクセスできれば強力なゲーム用GPUを持たないスマートフォンなどのデバイスでハイレベルのゲームがプレイできるようになる。

最初のトライでつまづいたものの、その後Stadia体験は全体としてポジティブなものだった。Doom 2016の画像は鮮明な4Kで、プラットフォームを特に意識せずゲームに集中できた。新しいプラットフォームが導入された場合、「意識しないですむ」というのは大成功を意味する。

カジュアル・ゲームにはStadiaは素晴らしいプラットフォームになると思う。。ただし高度なマルチプレイヤーゲームを楽しむ筋金入りユーザーには最適ではないかもしれない。理論上は、YouTubeのフィードから直接にスポーツ系ゲームを起動できる。しかしこういう使い方には向いていない。インプットから画面上にその効果が出されるまでのレイテンシーがそれなりにあるからだ。しかし(私も含めて)多数のユーザーにとってStadiaの能力は十分だ。なんといってもこのレベルのユーザーがゲーム市場の大部分を占めるのだから、Stadiaは十分に価値があるテクノロジーだ。

Google Stadia担当のバイスプレジデントであるPhil Harrison氏は、レイテンシーがどれほどの範囲になるか正確な数字を挙げることは控えたが、「人間が何かを知覚してから反応するまでの時間よりも短い」と述べた。Googleのスタッフによれば、この時間は(個人差はあるものの)70ミリ秒から130ミリ秒程度だという。つまりStadiaのレイテンシーはネットワーク接続が最良であれば70ミリ秒未満ということになるのだろう。

レイテンシーはネットワークの状態だけでなく、ユーザーとデータセンターとの物理的な距離によっても変化する。つまり固定した数字はあまり意味がない。テスト時点で私はサンフランシスコにおり、およそ80キロ離れたサンノゼのデータセンターにアクセスできた。Googleは「Stadiaがサポートされている国のユーザーであっても、僻地に居住しているような場合、サービスの開始時点で必ずサインアップできるとは限らない」と認めたが、その理由がここで述べたような事情だ。

その他の興味ある点。

  • Googleはサポートされるデバイスについて「後日正確な情報を発表する」と述べたが、iOSデバイスをサポートするのかという質問に対して「スタート時点ではPixelデバイスに焦点を当てていく」と強調した。.
  • 別のプラットフォームで購入ずみのタイトルであってもStadiaではプレイできないようだ。当然だが、Stadiaのゲームはこのプラットフォーム上で改めて購入する必要がある。
  • ユーザーはYouTubeのストリームからゲームにアクセスすることができるが、すべてのコンテンツをまとめたハブとなるサイトも用意され、URLでゲームにアクセスすることもできる。
  • コントローラ(トップの写真)はよく出来ている。デザインはソニーのDualShockとよく似ている

Stadiaについては今年の夏のGoogle I/Oでさらに詳しい点が判明するはずだ。私の最初の実機テストではサービスがGoogleの主張どおりに作動し、専用機クラスのゲーム体験を与えることができると確認できた。そこで現在、最大の疑問は価格だ。ハードコアなゲーマーしか手が届かない価格になるのか、カジュアル・ゲーマーにも手頃な価格になるかがこのプラットフォームの性格を決める。ビジネスとしての成否もおそらくはこの価格設定にかかっているだろう

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(翻訳:Umihiko Namekawa、滑川海彦@Facebook

アップルがiMac系列を最新プロセッサーとグラフィックスでアップグレード

アップルは来週のビッグイベントを控えているというのに、そのほかのいろんなニュースで盛り上がっている。今週はまずiPadのアップグレードがあったし、そして3月19日には同社の岩盤であるiMac系列に少々のアップグレードを行ったことを発表した。

何年経っても人気が衰えないこのオールインワン機は、系列機とハイエンドのiMac Proとのギャップを埋める重要なアップグレードをいくつか行った。とくに重要なのは、インテルの第9世代プロセッサーと、Radeon Pro Vegaグラフィックスだ。ニューモデルは価格もルックスも前と変らない。いいことだ。2つのスタンダードモデルについてすこし詳しく言うと、次のようになる。

21.5インチ:第8世代の4コアに6コアオプションが加わり、従来機より60%(1.6倍)速くなった。さらにRadeon Pro Vegaにより、グラフィックスのスピードは最大80%(1.8倍)アップした。4Kのデスクトップ機は税別14万2800円から。

27インチ:この大型モデルは第9世代のインテルプロセッサーを搭載、コア数は6または8になる。こちらもRadeon Pro Vega使用。5Kのシステムは税別19万8800円から。

どちらのシステムも旧型機をリプレースする。アップルのサイトや店頭に登場するのは米国時間3月19日からだ。抜本的なリニューアルではないが、この長寿な系列機をアップツーデートに維持するには十分だ。これからも引き続き、クリエイティブのプロたちの仕事の相棒として、またホビイストのゲーマーたちの愛用機として生き延びるだろう。これ以上のものをお望みの方は、iMac Proを検討すべきだ。ただしこちらのデスクトップは、このところしばらく仕様が変わっていない。

関連記事:Apple updates iMac Pro options(未訳:iMac Proのメモリオプションなどがアップデート)

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

第2世代AirPodsに足りなかったもの

アップルは3月20日、完全ワイヤレスイヤフォン「AirPods」の第2世代を発表した。デザインは従来モデルと同様だが、新たにワイヤレス充電(Qi)に対応。税別価格は、ワイヤレス充電ケースと新AirPodsが2万2800円、通常のLightning接続の充電ケースと新AirPodsが1万7800円、ワイヤレス充電ケースのみが8800円。ワイヤレス充電ケース自体は、第1世代AirPodsでも使える。

独自開発のH1チップにより、通話時間は従来に比べて50%伸びたほか、これまではAirPods本体をダブルタップしなければ呼び出せなかったSiriが常時受け待ち状態となり、「ヘイシリ」のみで即時に利用可能になった。

個人的にうれしいのは、iPhone、Apple Watch、iPad、Macといったデバイス間での切り替えが従来の2倍も速くなった点。AirPodsをiPhoneからMacへ切り替える際にイライラした経験が何度もあったからだ。

確実に進化した第2世代は、もちろん「買い」だろう。従来の特徴として、iPhoneと近づけるだけでペアリングできる簡単さ、耳から外すと音楽や動画が止まるシンクロ感、電話がかかってきたときの快適なハンズフリー通話などがあり、第2世代では常時Siriが待機しているし、ワイヤレス充電もできる。

いやでも、そこじゃないんだ。欲しいのはホワイト以外なんだ。なぜアップルはカラバリを出さないのか?iPhoneは日本で圧倒的なシェアがあるが、カラバリがあるうえケースも豊富に揃っていてカスタマイズを楽しめる。なのになぜ、AirPodsはホワイトしかないのか。

この冬、TechCrunch Japanのオフィスがある南青山周辺ではカナダグースのコートとAirPodsの組み合わせで街中を闊歩する人を毎日何人も見た。あまりにも同じスタイルの人が多くて、こちらが恥ずかしくなるほどに。

どれだけいい商品でも、身につけるものが画一化すると途端にカッコ悪くなる。ワイヤレス充電ケースは、いまはまだ幻のマルチ端末同時ワイヤレス充電が可能なAirPowerと一緒でもよかったはず。今回は、ワイヤレス充電よりもカラバリだったのではないか。

アップルにはこれからも、無理してでも買いたくなってしまう魅力ある製品を期待したい。