WWDC:iOS 9でiPadが2画面分割マルチタスクが可能に―Surfaceに追いつく

2015-06-09-apple-wwdc-20150230-ipadmulttask

Appleはビジネス・ユーザー向けにiPadの生産性ツールとしての能力をアップさせた。新しい画面分割モードでは、2つのアプリを同時に表示、作動させることができる。これまでMicrosoftは自社のSurfaceタブレットがiPadより優秀であり「仕事に使える」根拠として、この種のマルチタスク機能を広告でアピールしてきた。

iPadでスプリット・スクリーン・モードが準備されていることは以前からとなっていた。またSurfaceに加えてSamsungのGalaxy Tabシリーズもマルチウィンドウをサポートした。

今朝(米国時間6/8)、WWDCのキーノートでAppleのソフトウェア・エンジニアリング担当上級副社長、Craig FederighiはiPadの新しいスプリット・スクリーン表示をデモした。Safariブラウザを使っている最中、画面右端からスワイプするとメッセージ・アプリが開かれた。メッセージ・アプリを上からスワイプするとアプリ・スイッチャーが表示され、望みのアプリに切り替えることができる。

スプリットビュー・モードでは右側のアプリと左側のアプリは完全に独立にマルチタスクで作動する。

デモ中でFederighiはマップ・アプリへのリンクをタップした。するとAppleマップが左画面に表示された。

またESPNアプリでビデオを見ているときに、メールが届いた。その通知をタップすると、メールアプリが開き、ESPNアプリはピクチャー・イン・ピクチャーに縮小されて動画再生が続いた。

このピクチャー・イン・ピクチャー窓はスクリーン内で自由に動かすことができ、ピンチで拡大縮小ができる。

iPadのマルチタスク・モードでAppleはスプリットビューとスライドオーバーという用語を使っている。スプリットビューというのは2つのアプリが画面分割で表示され、同時に作動することをいう。スライドオーバーは現在使っているアプリを開いたまま第2のアプリをサイドからスワイプして開くことをいう。

スプリットビューはiPad Air 2のみでサポートされる。スライドオーバーはiPad Air、Air 2、Mini 2、 Mini 3でサポートされる。

この新機能にはユーザーが上からのスワイプによって新しく表示させるアプリを選択するスイッチャー機能が含まれる。

apple-wwdc-20150240

apple-wwdc-20150239

Federighiはキーノートのこれより以前の部分で、似たようなスプリット・スクリーン・モードを新しいOS X、El Capitanでもデモした

「多くのユーザーにとってiPadはメイン・コンピュータだ」とFederighiは言う。iOS 9でiPadのソフトウェア・キーボードも大きく改良され、トラックパッド機能が追加されたことで、これまでiPadの難点だったカーソル移動が自由になった。画面分割マルチタスク機能と合わせて、iPadの生産性ツールとしての能力は大きくアップしたといえるだろう。

  1. apple-wwdc-20150223.jpg

  2. apple-wwdc-20150224.jpg

  3. apple-wwdc-20150231.jpg

  4. apple-wwdc-20150230.jpg

  5. apple-wwdc-20150228.jpg

  6. apple-wwdc-20150226.jpg

  7. apple-wwdc-20150225.jpg

  8. apple-wwdc-20150233.jpg

  9. apple-wwdc-20150235.jpg

  10. apple-wwdc-20150234.jpg

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

WWDC:iOS 9の一般公開は秋、iPad 2とiPhone 4s以降のすべてのデバイスをサポート

2015-06-09-apple-wwdc-20150264

AppleはWWDCでiOS 9を発表し、乗り換え案内新しい検索APIiPadのマルチタスクとスクリーン分割Google Nowに対抗するProactiveサービスなど多数の新機能が紹介された。iOS 9のリリースの時期については、7月に公開ベータが発表され、秋に一般向けに公開されるという。

サポートされるデバイスについて、Appleは「iOS 9はiOS 8が作動するすべてのデバイスで作動する」としている。上のWWDCのステージ写真に全デバイスのリストがある。いちばん古いデバイスはiPad 2とiPhone 4sだ。

われわれのiOS 9記事

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

LINE NEWSのMAUが1200万人突破、ヤフーの牙城を崩せるか

編集部が選んだ話題のニュースをLINE経由でプッシュ配信する「LINE DIGEST NEWS」(左)、雑誌ライクな「LINE NEWS マガジン」(中)、「LINE NEWS」アプリ(右)
編集部が選んだ話題のニュースをLINE経由でプッシュ配信する「LINE NEWS DIGEST」(左)、雑誌ライクな「LINE NEWS マガジン」(中)、「LINE NEWS」アプリ(右)

編集部が選んだ話題のニュースをLINE経由でプッシュ配信する「LINE NEWS DIGEST」(左)、雑誌ライクな「LINE NEWS マガジン」(中)、「LINE NEWS」アプリ(右)

もう数年来言われてることだけど、PC時代の王者・ヤフーの牙城がスマホ時代になって崩れる時がいよいよ近づいてきたかもしれない。

5月の「LINE NEWS」月間アクティブユーザー数(MAU)が1200万人を突破した。MAUはLINE NEWSのアプリ、および公式LINEアカウント経由で、LINE NEWSのウェブページに月1回以上アクセスしたユニークユーザーの合計。双方で重複ユーザーはあるものの、前月比469万人増と急成長を遂げている。

重複というのは、アプリを立ち上げてニュースを閲覧しているユーザーと、LINEを通じて話題のニュースを1日に3回ダイジェスト配信する「LINE NEWS DIGEST」を読んでいるユーザーのこと。重複ユーザー数は明かされていないが、LINE NEWSを担当するLINE執行役員の島村武志氏によれば、「アプリは能動的にニュースを読みたい層、LINE NEWS DIGESTはライトな層で住み分けがあるので、重複は多くない」という。

国内のニュースアプリは、昨年12月にMAUが400万人と発表したスマートニュース、MAUを公表していないグノシーなどがしのぎを削っている状況。ニュースアプリに限定しなければ、Yahoo! JAPANアプリやスマホブラウザー経由で毎月2300万人が読んでいる「Yahoo!ニュース」が圧倒的なユーザー数を誇る。島村氏はYahoo!ニュースを「明確に意識している」と言い、“巨人”超えを狙っている。その一端を担うのが、4月27日にスタートした「LINE NEWS マガジン」だ。

MAU急増の牽引役となった「マガジン」とは

LINE NEWS マガジンは、ユーザーが好みに応じて選んだ「マガジン」を週1〜2回程度、LINE NEWSの公式LINEアカウント経由でプッシュ配信する。ニュースアプリによくある「経済」や「テクノロジー」といった単純なカテゴリ分けはせず、テーマを絞った全21マガジンを用意している。

登録者が多いマガジンとしては、見るだけで旅行気分が味わえる「なにここ行きたい!」(約65万件)、旬なレシピや話題のレシピを届ける「これは使えるレシピ」(約63万件)、女子力を上げる情報を厳選する「女子力UP!」(約56万件)などがある。創刊を記念して無料でLINEスタンプを配布したことも後押しし、5月末時点でマガジン登録者数は合計636万人。LINE NEWSのMAU急増の牽引役となった。

LINE NEWSのLINE公式アカウント経由で届く「マガジン」。別アプリを立ち上げることなくニュースがプッシュで受け取れる点や、ニュースを“見る”だけで内容を把握できるのが特徴だ

LINE NEWSのLINE公式アカウント経由で届く「マガジン」。別アプリを立ち上げることなくニュースがプッシュで受け取れる点や、ニュースを“見る”だけで内容を把握できるのが特徴だ

各テーマは雑誌のようにコンセプトを決めているのが特徴だ。例えば、「野郎メシ」創刊の際にLINEが発表したコンセプトはこんな感じになっている。

肉!肉!肉!とろける極旨な「お肉」の情報や、パンチの効いた「麺」や「ご飯もの」など、とにかくガッツリ食べられる男のメシ情報。届くと思わず腹がへる「野郎系」なグルメ情報をまとめてお届けするマガジンです

で、マガジンの何がウケているのか? ということだけど、LINE NEWSを担当する島村武志氏によれば、こういうことらしい。

「欲しい情報がちゃんと届くことですね。LINE NEWSのカテゴリは分類学上で何に属するかという話ですが、マガジンはユーザーの志向性に基づいています。テーマに特化することでユーザー層が狭まる? そんなことはないですよ。例えば、動物萌えっていうマガジンがありますが、動物を見て癒されたいって普遍的じゃないですか。マガジンはそういう共通性のあるテーマを揃えています。」

タップされるかどうかが本質的な価値じゃない

もうひとつマガジンで特徴的なのは、イメージ画像とシンプルな記事タイトルで見やすくまとめた雑誌のようなUIだ。

ニュースをチェックするのが日課になっている人ならともかく、そうでない人は忙しくなるとニュースを見る時間を取りにくい。そんな時でもわざわざアプリを立ち上げず、LINEを通じて友達が画像を送るような感覚でニュースが届く。ニュースを“読む”のではなく、“見る”だけで内容が把握できれば、“ニュース離れ”の層も取り込めるということなのだろう。

「LINE NEWSの価値は、今までニュースを読まなかった人にも、ニュースを身近な存在にしたこと。我々は情報源のニュースを集め、人力で編集しているので記事を読んでもらいたいですが、タップされるかどうかが本質じゃない。動物萌えマガジンでアザラシの画像を見て、『今日もがんばろう!』と思ってもらえるだけでも価値があるはずなんです。」

LINE執行役員の島村武志氏

LINE執行役員の島村武志氏

ヤフトピは「間違いなく意識している」

スマホ向けニュースアプリの多くは、動画広告とネイティブアドが収益源。そのため、記事がタップされるかどうかが生命線だ。「タップされるかどうかが本質的じゃない」と言うLINE NEWSは、収益化をどう考えているのか?

「タップを意識するのはPV型のビジネスモデルだから。PVを軽視するつもりはないですが、ユーザーを騙しちゃダメと思っています。今は焦ってPVをお金に換えるよりも、LINE NEWSを愛してくれる人、つまりMAUを増やす段階。なのでPVは全く追いかけていません。ただ、想定よりも早く1000万MAUを超えたので、そろそろマネタイズのテストはしたいですね。」

島村氏は、2013年7月のLINE NEWS創刊時から「ヤフトピ超え」を強く意識していた。昨年12月、ヤフーは「スマホのYahoo!ニュース利用者は2300万人」というブログエントリを投稿。新興ニュースアプリとはユーザー数で桁が違うことをアピールした。LINE NEWSのMAUと比べても2倍近くのユーザー数を誇っているが、島村氏は現在も「ヤフーを超えるのは、目標として確実に存在しています」と言い、その考えは揺らいでいない。

「Yahoo!ニュースがあるからこそ、カウンターとしてのLINE NEWSがあると思っています。ヤフーさんの13.5文字の見出しが並ぶ、磨きに磨かれた世界観は存在してますけど、スマートフォンの時代になって感覚は変わった。その枠組みを我々がどう壊せるか。例えばマガジンで極端にビジュアル中心にしているのは、ヤフーさんとの対比で意識している側面はありますね。」

イケてる友達に、LINE NEWSはなりたい

「LINE NEWS創刊時からブレてないんですけど、キーワードは『友達』なんです。記事は人力で編集し、本文の語り口が柔らかいのも、友達でありたいから。マガジンで言えば、普段ニュースを積極的に見ている人でも、もう少し深い情報を欲している人に『これ読んでおくといいよ』ってヒントを与える。そんな情報通のイケてる友達になりたいんです。」

LINE NEWS マガジンは「もっともっとニッチなニーズにも答えていきたい」と語る島村氏。時期は明らかにしなかったが、将来的にはマガジンの編集をオープン化することも視野に入れている。

マガジンは現在、LINE NEWS編集部がピックアップしたニュースをまとめて配信する形態。これを外部のユーザーが編集して配信できるようにする。LINEはこれまでも、外部のユーザーが「スタンプ」を制作できるようにして、売上に報酬を支払ってきたが、マガジンでも同様の仕組みを検討するという。

マネックス・ラボの投信管理支援アプリ、「オフライン取引9割以上」の市場をどう変える?

monex

株のオンライントレードは一般的だが、投資信託となるとどうだろうか。投資信託の純資産総額は国内で間もなく100兆円というところだが、その複雑さや商品の多さゆえ取り引きの9割以上はオフライン(店頭販売、営業経由)だという。オンラインでの取り引きが9割以上という株と比べるとその差は顕著だ。

マネックス証券が提供している「answer」は、投資信託の複雑さを解消し、個人の投資信託運用をサポートするアプリだ。開発は同社の企画開発部門「マネックス・ラボ」が行っている。

Answerはもともとマネックス証券の顧客向けに提供してきた資産設計アドバイスツール「MONEX VISION β」がベースになっているが、特別な知識がなくても使いやすいようデザインも刷新している。アプリは無料で、マネックス証券に口座がなくとも利用できる。また、マネックス證券で取り扱わない商品(銘柄)も取り扱う。

monex

現在のポートフォリオを入力し、投資スタイル(安定型〜積極型)を設定するだけで、金融工学モデルに基づき次に買うべき商品をおよそ5700もの銘柄から提案する仕組みだ。iPhone版は2014年1月より提供されているが、6月4日にはAndroid版をリリース。iOS版はApple Watchにも対応した。

マネックス・ラボでは、このアプリでのマネタイズはまだ考えていないという。冒頭にあったように、まずは投資信託のオンライン取引を増やすことが先決でだという。「(投資信託の)オンラインのボリュームが増えれば、オンライントレードで優位性を持つ同社にとって収益につながる」(マネックス・ラボ室長の飯田敦氏)

プロモーションで苦戦しているといい、ダウンロード数は伸び悩んでいる。その一方でユーザーの利用頻度は高く、手応えを感じているそうだ。今後は要望の多いウェブ版の作成や、より具体的な提案システムの導入を検討しているとのこと。更に将来的にはanswerの評価エンジンをプラットフォームとして展開し、営業マン向けツールの販売や他社金融機関への提供も検討中だそうだ。

BQとCanonicalが第二のUbuntuフォーンをローンチ…ニッチ市場が定着か

bqe5_hero_straight-group-1-1

LinuxディストリビューションUbuntuを提供しているCanonicalが今日(米国時間6/2)、スペインのメーカーBQとのパートナーシップにより、第二のUbuntuフォーンをローンチする、と発表した。そのBQ Aquaris E5 HDの基本仕様は、今のAndroidハイエンド機と肩を並べるものではないが、同じBQによる最初のUbuntuフォーンよりは、やや仕様がアップしている。

初代Ubuntuフォーンは、ディスプレイが4.5インチ540×960と平凡、RAMは1GB、プロセッサはMediaTek A7で、人びとの買う気をそそるとは言いがたい製品だった。今度の二代目は、同じくMediaTekのクワッドコアプロセッサと、わずか1GBのRAMという仕様だが、そのほかの点では、いくぶん良くなっている。

ディスプレイは720×1280、最大輝度380cd/m2だから、かなり良いが、それでもまだ完全なHDディスプレイではない。13mpxのリアカメラ(フロントは5mpx)も、前の8mpxよりはハイスペックだ。フラッシュはデュアルフラッシュで1080pの録画が可能、そして二つのSIMをサポート。

発売は当面ヨーロッパのみで、小売価格は199ユーロ90セントだ。

BQE5_HERO_Straight Group 2c (1)

初代機と同じく、E5も最初からAndroidバージョンがある。その性能は最新のMoto G 4Gと肩を並べるから、悪くはない。Androidフォーンの仕様としては、Huawei Ascend G740などの同価格帯の製品とほぼ同じだ。

Canonicalのモバイル担当VP Cristian Parrinoがこう言っている: “新しいオペレーティングシステムを市場に持ち込むためには、現状を打破しようとするパートナーの強い意思が必要だ。BQは果敢なイノベーターであり、同社がUbuntuで背負ったリスクはすでに報われている。ヨーロッパにおけるこの第二のデバイスのローンチは、両社にとってすばらしい進歩の印(しるし)だ”。

モバイルの市場は競争が熾烈だから、新しいオペレーティングシステムをローンチするためにはまさしく、冒険を恐れないパートナーを必要とする。Canonicalの取り組みと似た立場にあるのが、MozillaのFirefox OSだろう。Androidはローエンドでも強いから、CanonicalやMozillaのようなマイナー勢力が食い込むのは至難の業だ。

Canonicalの今の立ち位置では、一部のオープンソース信奉者をファンにすることはできても、遠くない未来にモバイルUbuntuをメジャーに押し上げることはありえまい。来年が、‘携帯もLinux’の年にならないかぎり。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Googleの先進研究チーム、ATAPがパスワードを永久に追放する認証手法を開発か

2015-05-30-googleatap

今日(米国時間5/29)、Googleの先進技術研究ユニット、ATAP(Advanced Technology and Projects=元Motorolaの研究部門)は、現在サンフランシスコで開催中のI/Oデベロッパー・カンファレンスで、モバイル・デバイスにおいてユーザーのタイプ入力のパターンその他の情報から正しいユーザーであることを認証する技術を開発sしていると発表した。これが実用化されればパスワードは不要になるという。

このプロジェクトはユーザーがPIN番号やパスワードをいちいち入力する煩わしさを省くことが目的だ。新しい認証システムは一日中連続的にユーザーの行動をモニタし、さまざまな情報を総合して真正なユーザーであることを確認し続けるという。

google-io-2015-atap0068

ATAPの開発チームの責任者、Regina Duganの今日の説明によれば、 この課題の解決に向けて調査を始めたとき、既存の学術研究では4桁のPIN番号入力のレベルに達する代替策さえみつからなかったという。

そこでGoogleは多数の大学に協力を求め、16の大学から25人の専門家を集めて90日の短期集中研究を実施した。チームは1500人のボランティアから日々のデバイス操作データの提供を受けた。その結果、新システムは指紋認証の10倍の精度でユーザー認証を行えるようになったという。

これが事実なら、モバイルセキュリティーにおける一大進歩だ。現在の各種のセキュリティー・メカニズムを一挙に置き換える可能性がある(もちろんモバイル・バンキングなどの場合、多くのユーザーは依然として2段階認証が必要だと考えるだろうが)。新しい認証システムはハードウェアを必要とせず、すべてソフトウェアだけで実行可能であるので、ATAPでは近い将来、何千万ものAndroidデバイスに導入されることを期待している。

google-io-2015-atap0066

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Googleがオンライン学習のUdacityとパートナーしてAndroid開発のナノ学位を立ち上げ、エジプト語へのローカライズも

uda

今日(米国時間5/28)サンフランシスコで行われたデベロッパカンファレンスI/OでGoogleは、Udacity とパートナーして6コースから成るAndroid開発のナノ学位日本語参考記事)をローンチする、と発表した。

これはビギナーのためのコースではなく、まだAndroid未経験のプロのデベロッパにAndroidモバイルアプリの“正しい書き方”を教える。コースが終了したらGoogleが彼/彼女を実際に雇うこともありえるほど、本格的な特訓教育を行う。

Udacityのそのほかの学位プログラムと同じく、ビデオ教材の視聴は無料だが、卒業証書や教育助手へのアクセスが必要なら、今回のコースでは月額200ドルの有料になる。

Udacityの協同ファウンダでCEOのSebastian Thrunによると、受講者は学位を得るために、6つのコースといくつかのプロジェクトを終了しなければならない。たとえばあるコースでは、アプリの中でSpotifyのAPIを使いなさい、と求められる。Udacityのそのほかの学習プログラムと同様に、実践的知識の獲得が最大の目的で、したがってコースよりもプロジェクトの意義がとても重要だ。

Thrunは曰く、“ねらいは、受講者が実践を通じて、Androidプログラミングに関して完全な自信を持てる状態になること。多項選択(三択四択〜〜)のテストなどは、やらない。いわばそれは、Googleが同社のデベロッパに持っていてもらいたいと願っている知識や技術をすべて叩き込む、というナノ学位コースだ”。

学位取得までの所要(許容)時間は6〜9か月、開始日は決まっているが、途中のペースは受講者が自由に決めてよい。

Google Play Services

Googleは、このプロジェクトに本気であることを示すために、年末に50名の学生を本社に招待して三日間のサミットを行う。その内容は、ハッカソン、雇用担当者とのミーティングなどだ。要するにGoogleは、実際に何名か雇うぞ、という姿勢を見せたいのだ。

さらにGoogleは、エジプト政府とパートナーしてこの学位の6つのコースを現代標準アラビア語(Modern Standard Arabic)にローカライズする。Udacityとしても、ここまでやるのはこれが初めてで、ビデオにアラビア語で字幕を入れるのではなくて、コースの全コンテンツをアラビア語化するのだ。

Googleはエジプトの学生2000名に奨学金を提供し、就職説明会や各種の集会を行う。Thrunによるとこれは、Udacityにとってもアラビア語圏に進出していくための好機であり、その地域に良質な教育を持ち込むと同時に、良質な就職機会も開拓していきたい、という。そして、“あそこらの戦争の数を減らしたいね”、とThrunは語る。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Android Mの開発者プレビューを動かしてみた(ビデオ)

android-m1

Android Mはまだ開発の初期段階にある。しかしGoogleは、テストデバイスで確認するためのデベロッパー・プレビューを公開した。さっそくNexus 5に搭載して新機能などの確認を行なってみた(上のビデオをご覧ください)。当然ながら作りこみが不十分なところもあるものの、新機能の様子などを体感することができるだろう。

アプリケーションのドロワーやボリューム調節機能などの細かな変更点も、実際に使い勝手的には大きな改善と言えそうな感じだ。アプリケーションを名前で検索したり、あるいはアルファベット順に並べて探すことができるのは、大量のアプリケーションをインストールしている人にはとても便利な機能だろう。ボリューム調節では通知音やアラーム音などを簡単に設定できるようになっている。

新OSには「Google Now on Tap」という機能も搭載される。但し、現状のプレビュー版では、その実際の動作はまだほとんど確認できない状況だ。しかしどのようなタイミングでどういった機能が実行されるのかということを確認することはできる。

原文へ

(翻訳:Maeda, H

Google I/O:Android M(5.x)のプレビュー公開―指紋スキャナー、Google Pay、アクセス許可、バッテリー改善など新機能多数

2015-05-29-androidm

今日(米国時間5/28)、サンフランシスコで開幕したGoogle I/Oデベロッパー・カンファレンスで、前評判どおり、次世代のモバイルOSのデベロッパー・プレビュー版がリリースされた。このAndroid M(正式名称はユーザー向け公開時に発表される)ではGoogleは細部の洗練とパフォーマンス改善に力を入れたようだが、新機能も数多く盛り込まれた。

Android Mではデザイン面での大きな変更はなかったが、これは当然だろう。前回のメジャー・アップデート、Android 5.x LollipopdでGoogleは新しいUI、Material Design言語とそれに関連する多数の新機能が導入され、多くのデベロッパーは現在もそのマイグレーションの対応に追われている。

私は今週、Googleのプロダクト・マネージメントの責任者、Brian Rakowskiに取材した。その際Rakowskiは「去年のI/OでLollipopを発表して以後、われわれの開発チームは多くのことを学んだ。その経験のの多くが今回のAndroid Mに生かされている」と語った。

プレビュー版のリリースにはSDKのアップデート、AndroidエミュレーターおよびNexus 5、Nexus 6、Nexus 9、Nexus Playerハードウェア向けのテスト用システムイメージが含まれる。Googleでは今回のリリースで「数千のバグフィックス」を行ったという。またプレビュー期間を通じて随時システムイメージをアップデートとするとしている。一般公開はこの秋を予定している。

今回、スマートフォンおよびタブレット向けAndroid Mに加えて、Android Wear版とAndroid for IoT版のプレビューもリリースされた。

Android Mの主要な新機能は以下のとおり。

Google Now On Tap

Google Now がコンテキスト化された。Google Now On Tap〔長押しGoogleナウ〕と呼ばれる新バージョンはユーザーが現在スマートフォンないしタブレットで何をしているかを読み取り、それに応じた内容を表示するようになった。

たとえば、ハングアウトで友達とテキストでチャットしていて Mad Max と入力したとする。このとき、ホームボタンを長押しするとGoogle Nowが起動し、ユーザーがそのときアプリ内で会話していたコンテキストに応じた情報が提供される。この場合であれば、Mad Maxの新しい映画について、公式サイトや付近の映画館の上映時間、YouTubeの予告編や映画情報サイトへのリンクなどが表示されるだろう。

これはOSレベルの機能なのでアプリのデベロッパーはGoogle Now On Tapを利用するために特に何もする必要はない。TechCrunchの詳しい記事はこちら

google-io-20150155

Android Pay

Android Pay mark

ここ数ヶ月、Apple Payの影が巨大化するにつれ、Google Walletが失敗だったことが明らかになっていた。GoogleはAndroid Payでモバイル支払システムを再構築する。今回は広くベンダーやAT&T、Verizon(近くTechCrunchの親会社になる)、T-Mobileなどのキャリヤと提携し、販売されるAndroidデバイスにAndroid Payをプレイン

Apple Payと同様、Android Payはeコマースと現実店舗での支払の双方で利用できる。デベロッパーはPay APIを呼び出すだけで簡単に実装できる。

  1. google-io-20150097.jpg

  2. google-io-20150092.jpg

Uユーザーは通常のロック解除方法でもPayを利用できるが、次項で紹介する指紋スキャナーでの認証が可能だ。

Google Walletは存続するが、今後はピアツーピアの支払手段として重点が置かれることになる。

OSレベルでの指紋スキャナーのサポート

噂どおり、Android Mは指紋スキャーをサポートした。すでに一部のスマートフォン・メーカーが独自に指紋スキャナーを装備していたが、システム・レベルでのサポートはなかった。しかしメーカーの独自サポートと、間違いなくAppleのTouch IDに影響されて、GoogleもOSレベルでの指紋スキャナー機能の提供に踏み切った。当然だがこの機能はデバイスのアンロックと支払の認証に用いられる。

google-io-20150100

アプリへの各種アクセス許可

App Permissions settings

これまでAndroidユーザーはアプリをインストールするとき連絡先、カメラ、写真、その他アプリが要求するアクセスを許可しなければならなかった。しかしユーザーがなぜアプリが、たとえば、連絡先へのアクセスを必要とするのか理解できず、そのためインストールを中止することがしばしばあった。

Android Mではアプリのアクセス承認プロセスが一新された。インストール時の一括アクセス許可の要求は廃止された。ユーザーがアプリをインストール後、最初に起動したときにアプリはアクセス許可を要求するようになった。また一括して許可を要求するのではなく、アプリが実際にそのアクセスを必要とするときに限って許可要求を行うように改められた。

たとえばカメラアプリであれば、最初の起動の際にカメラ、マイク、写真へのアクセス許可を要求する。しかし連絡先へのアクセスは、ユーザーが写真やビデオを友達と共有しようとしたときに初めてアクセス許可の要求が表示される。こういう方式ならばユーザーは何のためにその許可が必要なのか理解しやすく、許可するかどうかを適切に判断できる。

  1. google-io-20150097.jpg

  2. google-io-20150092.jpg

Doze〔休眠〕モード

USB Type C macro image

この新しいモードは、これまでの「省電力」モードとは異なる。「省電力」モードはユーザーが実際にデバイスを利用するときのモードだが、Rakowskiの説明によると、Dozeモードはユーザーがデバイスをしばらく放置しておいたときに実行されるモードだという。このときAndroidのハードウェアの大部分は休止状態に入るが、メールやSNSなど数分ごとにデータを更新しようとするアプリが多いため、休止状態でもデバイスはたびたび目を覚まさせらている。新しいDozeモードは、自動的にアプリの同期回数を減らす。

Rakowskiによれば、Nexus 9の場合、このDozeモードはバッテリーを50%も節約するという。ただしDozeモードの実行中であっても優先度の高いメッセージや目覚ましのアラームなどは間違いなくリアルタイムで実行されるという。

google-io-20150105

Chromeカスタムタブ

ウェブのブラウジングでは、GoogleはChromeカスタムタブを発表した。これはネーティブ・アプリ内からリンクを開いたときにリンク先を表示するChromeの特別なタブで、ネーティブ・アプリ内で作動しているようなルック&フィールを提供する。ユーザーがリンクを開く前にそのコンテンツは事前にフェッチされているので表示がきわめて高速化される。またカスタムボタンで即座にアプリに戻ることができる。

google-io-20150087

またGoogleはAndroidでUSB-Cのサポートを行うよう努力中であり、デバイス・メーカーにUSB-Cのサポートを働きかけているという。近くUB-Cポートを装備したAndrodデバイスが発表されるようだ。.

今回発表された新機能を利用しようとするデベロッパーはCanaryチャンネルから最新のAndroid Studio (1.3)をインストールする必要があるだろう。この最新バージョンはAndroid Mをサポートしており、またCとC++のエディタ、デバッガ機能を備えている(この機能はゲーム・デベロッパーから長く望まれていた)。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

モバイル・インターネットのビジネス規模は2018年には3倍に―Appleの時価総額さえ抜く

2015-05-28-mobileinteretbusiness

編集部:この記事はモバイル・インターネットのコンサルティング企業Digi-Capitalのマネージング・ディレクター、Tim Merelの寄稿。

われわれDigi-Capitalの予測では、世界のモバイル・インターネットの売上は現在の3000億ドルから2018年には8500億ドルとその3倍近くに成長する。Appleが開拓したこの市場は、Apple自身の現在の時価総額をも上回ることになるだろう。

すでに巨大なスケールとなっているものの、モバイル・インターネットはまだ急成長中だ。その成長の主要な原動力はmコマースだ。そのためベンチャーキャピタリスはこの1年間でmコマース関連のビジネスに410億ドルもの投資を行っている。2018年にはモバイル広告が有料アプリを抜いて3位から2位に躍進するだろう。モバイル・アプリのデベロッパーもこうしたトレンドを考慮に入れて新たなビジネス戦略を立てる必要がある。

エンタープライズのモバイル化も引き続き進行するが、コンシューマー市場ほど急激には成長しないだろう。またAppleウォッチはウェエラブル・デバイスの市場の立ち上げと普及に大きな役割を果たすだろう。

Mobile internet revenue forecast

mコマースはアジアが主導

mコマースこそモバイル・インターネットの王者だ。昨年の売上は2000億ドルを記録している。

アジアのmコマース売上は2014年にアメリカをわずかに抜いたが、2018年にはアジアが6000億ドルと予測される全売上の半分近くを占めることになると予測される。アジア地域では1人あたりの売上ではアメリカに及ばないものの、この地域の巨大な人口と中産階級の勃興が全体としてアメリカを圧倒する結果となっている。

AlibabaFlipkartなどの急成長がmコマースがもはやAmazonとeBayだけのものでないことを実証している。リアル店舗の大手小売業もmコマースに参入しつつある。Wanda E-commerceは小売業のDalian WandaとTencent、Baiduの合弁事業だが、設立後わずか4ヶ月で、まだ事業開始前だというのに時価総額が30億ドルとなった。

mCommerce revenue forecast

モバイル版マッドメン

昨年、モバイル広告は有料アプリの売上に及ばなかったが、Facebookを筆頭にモバイル広告を強化する動きが出てきた。

モバイル広告は2018年には全売上の1割、850億ドルに成長するだろう。mコマースより成長率は大きく、有料アプリ(本体およびアプリ内コンテンツ販売)の売上を追い越して2位に浮上するというのがわれわれの予測だ。アジアがリードするmコマースとは異なり、モバイル広告はアメリカ市場がトップに立つ。これはアメリカ企業の広告支出額が大きいためだ。2018年にでもアメリカのモバイル広告の規模は中国、日本、韓国を合わせたよりも大きいだろう。モバイル広告がネーティブ化するに従い、 モバイル利用時間が爆発的に増大しているのにモバイル広告の伸びがさほどでもないというギャップは埋められていくだろう。

Top 10 advertising countries

ゲームは依然としてアプリのキング

コンシューマ向けアプリの売上は2014年の300億ドルから2018年には750億ドルへ成長するだろう。昨年、ゲームは世界のアプリ売上の4分3を占めており、 Androidの売上がiOSの売上を初めて抜いた (中国市場を含む)。

Consumer apps revenue forecast

モバイル・インターネットの歴史はわずか7年しかないが、オンラインビジネスに与えた影響はウェブが登場して20年のすべてに匹敵する。主要分野ではある程度大勢が決まっているが、これから急成長する分野がまだ数多く残されているはずだ。

Digi-Capitalの予測レポート全文はこちら

画像: Sergey Nivens/Shutterstock

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

特定の文字列を含むメッセージでiPhoneがクラッシュするバグ発見―念のため対策しておこう

2015-05-28-imessagesbug

特定の文字列を含むメッセージを受信するとiPhoneがクラッシュするという奇妙なバグについて、Appleは修正を準備していると発表した。このバグは攻撃者がUnicodeのアラビア文字と記号を含むテキスト・メッセージを送りつけるとiPhoneがクラッシュするというもので、この情報は当初、Redditで報告され、その後ウェブ全体に広まった

MacRumorsの記事によれば、このテキスト・メッセージを受信したiPhoneはクラッシュし、すぐに再起動するという。その後、メッセージ・アプリをリストビューで開くたびにiPhoneはクラッシュする。会話ビューで開けばクラッシュしない。しかし新しい会話を始めようとするとまたクラッシュする。

MacRumorsはこの問題をiOS 8.3がインストールされたiPhoneで確認している。

messagescrashingbug

クラッシュの連続からの回復方法もいくつか提案されている。その一つは、会話ビューならアプリを開けるので、Siriや写真など他のアプリを使って自分に対してメッセージを送るか、あるいは誰かに頼んでメッセージを送ってもらうことだ。 メッセージ・アプリが開けたら問題のテキストを含む会話スレッドを削除する。AppleCareのサポートもユーザーがこの問題を解決するのを手助けしてくれる。またユーザーの報告によれば、AppleCareの担当者は「Appleが対策中だ」と語ったという。

ただしすべてのiPhoneにこのバグが存在するわけではない。iOSのバージョンと設定の組み合わせでバグが出現するらしい。iPhoneがテキスト・メッセージによる攻撃でクラッシュするというバグは今回が初めてではない。2013年にも特定の文字列がSafariとメッセージ・アプリをクラッシュさせるバグが発見されている

Appleがバグを修正するまでユーザーはこの攻撃(あるいはイタズラ)からiPhoneを守るために次のような自衛の対策を取っておくとよい。「設定」を開き、「通知、メッセージ」と進み、「ロック画面に表示」のオプションを無効にする。同時に「ロックされていないときの通知のスタイル」で「バナー」以外を選択する。

Appleの広報担当者も「われわれは特定のUnicode文字列でiMessageに問題が起こることを承知しており、この問題を修正するソフトウェア・アップデートを準備中だ」と語った。

ただしバグ修正が提供される時期は明らかになっていない。

(画像: MacRumors)

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Microsoft、AndroidタブレットメーカーにOfficeプレインストールを推進

microsoft-earnings

Microsoftが今日(米国時間5/26)発表したところによると、同社のAndroidハードウェアメーカー向けOEMプログラムで、新ハードウェアにOfficeアプリをプレインストールする会社が新たに20社増え、現在同プログラムの「パートナー」は31社になった。

筋書きは単純だ。Microsoftは自社のアプリとサービスをあらゆるプラットフォームに載せたがっていて、そのために、あらゆる端末のホーム画面に場所を欲しがっている。〈史上〉最重要になりつつあるプラットフォームを支配できていないのなら、入り込むしかない。しかしそのプラットフォームを所有しているのが重要なライバルの一人であるなら、新たな仲間が必要だ。例えば、タブレットハードウェアを通じて実際にプラットフォームを配っている会社。

公式声明は以下の通り:

この31社のパートナーは、Word、Excel、PowerPoint、OneNote、OneDriveおよびSkypeをプリインストールしたAndroidタブレットを近々出荷する。新しいLGタブレットはその一つで、Sonyも90日以内にXperia Z4タブレットにプレインストールする予定だ。

新たな提携は、同社によるiOSおよびAndroidへのOffice導入の早期成功に続くものだ。Microsoftはあらゆる主要プラットフォームでOfficeを推進することで、重要な資金源の一つが、最大の潜在市場を持つことを確実にしようとしている。

もちろんMicrosoftは、自らのWindows 10プラットフォームでも同様の計画を進めている。OfficeとWindowsは、Azure、Skype for Business、Office 365等のサービス製品が重要な役割を持つようになった今も、Microsoftの中心である。

提携先はグローバルで、アジア、中南米、およびヨーロッパ市場をターゲットにしている。これはMicrosoftが世界中で新ユーザーを集めることを示唆している。

契約は無償ではあり得ない。私はMicrosoftに、誰が誰に支払っているかを尋ねた。丁重な断わりが来ると予想している。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

途上国の近代化と合衆国の社会安定の両方にとってファイナンシャル・インクルージョンがきわめて重要…両者の‘学び合い’も

moneyswaps

[筆者: Matt Homer]
編集者注記: Matt HomerはDigital Financeのチームでポリシーとパートナーシップ関連の業務を指揮し、USAIDの、インドにおけるファイナンシャル・インクルージョン投資を手がけた。その前には連邦預金保険公社(FDIC)の政策スタッフとして、モバイルの金融サービスの、ファイナンシャル・インクルージョンへの貢献について評価する、などの業務を担当した。

ファイナンシャル・インクルージョン(financial inclusion, 制度的に安全な金融サービスの大衆的可利用性を世界中の人びとに提供すること)は、途上国のための最優先の政策課題と見なされることが多い。そして、それは正しい: それは、経済的なセキュリティを、それをもっとも必要としている人びとに提供し、それらの人びとが住む地域の経済的な発展を増進するからだ。

しかし、ファイナンシャル・インクルージョンは途上国だけの課題ではない。たしかに、途上国における問題の深刻さは、合衆国国内の問題の比ではない。世界銀行のGlobal Findex Databaseの最新アップデートによれば、このところ大きな進歩が見られるものの、途上国では未だに、成人の46%が銀行などの金融機関や、モバイルのそれらサービスの、口座を持っていない。

これを、連邦預金保険公社(FDIC)の推計と比べてみよう。合衆国では、この国家的な保険に加入している‘安全な’金融機関の口座を持っていない世帯は、全世帯のわずか7.7%だ。しかし、出自別に見れば、黒人世帯の約20%、ヒスパニックの18%が‘無銀行’(unbanked)の人たちだから、国内の問題も決して小さいとは言えない。

所得別に見れば、年収15000ドル未満の世帯では27%以上が無銀行だ。これらの人たちは、金融サービスから排除されていることが、大きな負担になっている。正規の安全な銀行等ではない闇金に、高い利息や料金を払ったりしているからだ。

世界中の銀行が、ガーナでもインドでも合衆国でも、貧困層にサービスを提供しても利益につながらない、と見なしている。しかし、今およびこれからの時代は、モバイルフォーンが、ファイナンシャル・インクルージョンを全世界的に拡大する費用を大幅に下げるための、武器になりうるのだ。Bill GatesのGates Foundationの最近の研究によると、デジタル決済は途上国における金融サービスの取引費用を最大90%減縮する(従来の1/10になる)。合衆国のDieboldの推計では、銀行の支店で4ドル25セントかかった取引費用が、オンランではわずか20セントになる(約1/20)。

世界各地の、金融システムから疎外されている人たちも、同じように感じている。FDICの調査と世界銀行のGlobal Findex Databaseは共に、金融サービスの可利用性と信頼性、それらの所在や資金量に関する、彼らの懸念を強調している。

国によって状況はさまざまだが、合衆国と途上国が互いに学び合える部分はとても大きい。

金融サービス/金融機関を利用できない途上国の人たちも、機能もデザインもベーシックな携帯電話は一般的に持っている。これらの電話機によるお金のやりとりは、通常、5つ以上のステップを要する。しかも、ぶざまなUSSDシステムは、突然タイムアウトになることが多い。しかしこれらの国々でも今はスマートフォンが普及途上にあり、GSMの業界団体GSMAは、2020年までにスマートフォンによるインターネット接続が新たに29億増える、と予測している。

合衆国のフィンテック(fintech, financial+technology)企業たちは、スマートフォンのカメラや位置機能、P2P通信、リッチなインタフェイスなどを利用したイノベーションにより、金融サービスを利用できる人びとを全世界的に拡大しようとしている。

また開発途上国は、モバイルによる金融サービスを展開していくとき、金融システムに対する一般的社会的な信頼や、その信頼に見合うだけのリスクの低さに関して、合衆国の歴史や現状から学ぶべきかもしれない。合衆国ではたとえば、銀行〜金融機関の経営危機に際しての、多面的な消費者保護策が法律で定められている。だから合衆国の一般消費者は、安心して銀行を利用できる。新しい銀行に新しい口座を開くときにも、不安がない。

一方、合衆国側が学ぶべきは、インドやガーナなどで進められている新しいタイプの銀行への、営業許可の交付だ。それをよく理解することは、合衆国の利益にもつながる。それらの、“決済銀行(payments banks”とも呼ばれる金融機関は、消費者のお金を預かって、基本的な取引サービスを提供する。銀行サービスとしての内容は限られているし、クレジットも発行しないが、そのぶん、新規参入やコンプライアンスの遵守が容易だ。そこで、これらの国では短期間で、金融業が新たなサービス業として栄えることになる。

さらにまた、合衆国が着目すべきは、決済システムをより速くしようとする、これらの国々の取り組みだ。料金〜代金の支払や家族への送金などがリアルタイムで迅速にできれば、その電子的な金融サービスのエコシステムに加わる消費者も増える。途上国は家計に余裕のない人びとが圧倒的に多く、諸請求の済度もきわめて短いから、スピーディーなトランザクションが非常に重要だ。豊かな国のように、決済が数日遅れてももいいや、という業者や消費者は、とても少ないのだ。

今の合衆国には、国としてのファイナンシャル・インクルージョン政策がない(オバマ氏は健康保険の大衆化では頑張ったが)。でも、そのほかの多くの国には、すでに国の施策がある。ファイナンシャル・インクルージョンを国の政策プライオリティの上位に置くことによって、政府機関と独立の監視機関と民間部門との協力体制が強化される。世界銀行のFindexのデータは、ファイナンシャル・インクルージョンが国の施策になっている国では、無銀行の人たちの解消のペースが、そうでない国の2倍速い、と指摘している。上述のように、合衆国にもそれを必要としている人びとが多くいることを、忘れてはならない。

国によって状況の差はあるものの、デジタル技術は、これまで疎外されていた何十億もの人たちに、金融サービスの門戸を開く可能性を持っている。国による違いを超えたグローバルな課題としての、ファイナンシャル・インクルージョンに取り組むことによって、私たちはお互いから学んでいけるための道を、見つけることができる。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

コラージュ写真を作成するInstagramのLayout、iOS版に続きAndroid版も登場

instagram_2015-may-19

Instagramの提供するコラージュ写真作成ツールであるLayoutにAndroid版が登場した。iOS版の方は3月にリリースされていた。撮り溜めてある写真や、新たに撮影する写真を複数枚指定して、1枚のコラージュ作品を仕上げる。仕上がりの写真は、Instagramでの共有を意識して正方形となる。

写真の組み合わせ方については、予め何種類かのテンプレートが用意されていて、その中から気に入ったものを選ぶことができるようになっている。好みのテンプレートを選んだ後に、使う写真を反転させたり、写真の配置を変更したり、あるいは個々の写真の表示サイズを微調整したりすることもできるようになっている。作成したコラージュ作品はカメラに保存しておくことができ、もちろんInstagramや他のソーシャルネットワーク上に公開することができるようになっている。

アプリケーションは無料で、対応OSはAndroidの4.1以降となっている。

原文へ

(翻訳:Maeda, H

Google、モバイルとデスクトップの検索結果にツイートを含める

2015-05-20-googletwitter

Googleは検索結果にツイートを加えた。ツイートが表示されるのはAndroidとiOSのGoogle公式アプリ、モバイル・ブラウザとデスクトップだ。検索の際にTwitterというキーワードあるいはハッシュタグを入力するとTwitterが検索される。Twitter上でポピュラーな話題の場合はこうしたキーワードなしでも結果が表示される。当面は英語のみの機能だが、今後他の言語にも拡張される予定だ。

Googleは公式ブログでこの試みを「リアルタイム情報の拡充のため」だとしている。同時にTwitterのユーザーがこれまでより広い範囲のオーディエンスを獲得することになるので、Twitterにとってもネットワーク拡大と新規ユーザー獲得のために大いに有利に働くだろう。

Twitterも自身のブログでGoogleとの新たな取り決めを報告しているが、内容はGoogleブログのものとほぼ同一だ。どちらのブログもこの提携は当面、主要言語に英語を選択しているアメリカのGoogleユーザーがGoogle.comにアクセスした場合が対象となるとしている。ただし数ヶ月で他の言語にも拡張される予定だ。

あらたな取り決めでツイートが公開される範囲が大きく拡大されたことは確かだが、Twitterが新しいユーザーを獲得するためには、自らがそれ自身で価値あるデスティネーションだということを引き続きに証明していく必要があるだろう。Googleの検索結果に現れるというだけでは、平均的な検索ユーザーの目に止まる可能性はやはそれほど高くなさそうだ。

〔日本版〕日本からでも主要言語を英語にすればツイートが検索される。Barack Obama tweetのように入力するとオバマ大統領の最初のツイートがトップに表示される。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

E-inkディスプレイ搭載のYotaPhone、アメリカデビューに向けてIndiegogoキャンペーンを実施中

yotaphone-2-6

ちょっと変わったスマートフォンに興味がある人は、ぜひIndiegogoのキャンペーンをチェックしておくべきだろう。スマートフォンにE-inkによるセカンドスクリーンを搭載するYota Deviceが、アメリカデビューのためのクラウドファンディングを開始したのだ。OSはAndroidで、この2画面スマートフォンの名前はYotaPhone 2という。

YotaPhone 2についてはTechCrunchでも何度も取り上げている。本誌記者のDarrell Etheringtonは「本物の驚きを感じさせてくれるデバイス」と称している。省電力のE-inkをセカンドディスプレイとして搭載することで、スマートフォンにおける「読む」という行為に革命をもたらすデバイスだとの評価だ。

YotaPhone 2に搭載されているディスプレイは2つで、ひとつはふつうの5インチAMOLEDディスプレイだ。異色なのは背面に搭載された4.7インチのE-inkディスプレイだ。E-inkの側もタッチスクリーンとして動作する。カラー画面に表示した内容を、常にオンにして利用できるリアスクリーン側に転送する機能も備えている。おしゃれなコンテンツがあれば装飾として表示しておけるし、もちろん何度もチェックするための情報表示としても有用だ。今夏には、Android 5.0となるLollipopにも対応する予定であるとのこと。

YotaPhone 2のアメリカデビューもまた、今年の夏を予定している。以前からいわれていた通り、まずはIndiegogoにてプレオーダーを受け付けることとなった。早期割引価格が500ドル(出荷時期は8月)でのスタートとなっている。目標調達額は5万ドル(訳注:訳出時、既に目標額の131%を調達済)で、集めた資金はアメリカ国内で販売するのに必要な認証作業のために用いるのだとのことだ。

通信キャリアからのOEM販売が望めないようなケースでは、クラウドファンディングによるプロダクトリリースは有用な試みであると言えるだろう。YotaPhoneがナンバーワンの人気を集めるようなことはあり得ないだろうが、しかしニッチに訴えかける魅力はもったデバイスであるとは思う。E-inkディスプレイの搭載を非常に便利だと感じるユーザー層は確かに存在するはずだ。

予定されているLollipop対応に伴い、YotaはYotaFitness、YotaRemote、YotaNotes、あるいはYotaSportsといった機能を実装し、さらにYotaHub、YotaCover、およびYotaEnergyといったサービスを提供することのなっているそうだ。また、Facebook、Twitter、Instagramなどのウィジェットも搭載予定で、さらにYotaPhone 2の機能を活かそうとする、BookMate、StayTunes、Psy(x) Audio、MusixMatch、Everypost、およびInstantなどのパートナーとの話もいろいろと進んでいるらしい。

原文へ

(翻訳:Maeda, H

交通系ICカードをAndroid端末にかざせば処理完了、経費精算サービス「Staple」がバージョンアップ

android_hand

クラウドキャストのスマートフォン向け経費精算サービス「Staple」。2014年10月(iOS版のみ。Android版は2015年3月)にスタートしたこのサービスがバージョン2にアップデート。新たに、NFC/おさいふケータイ対応のAndroid端末を使った交通系ICカードの自動読み取り機能を実装した。

Stapleは面倒な経費精算を、専用のスマートフォンアプリを使って手軽に入力できるサービスだ。個人および10〜20人規模の程度の中小企業のほか、各種イベントをはじめとした短期プロジェクトでの利用を想定している。

今回のリニューアルにあわせて、新アプリの「Stapleリーダー」を公開。ユーザーがNFC/おさいふケータイ対応のAndroid端末上でこのアプリ起動し、交通系ICカードをタッチすれば、カードの使用履歴を自動で取得。データはStapleのクラウド上にアップロードする。

あとはStapleのウェブサイトにアクセスするかアプリを起動し、勤怠に関わるデータを選択すれば、自動的に経費精算の一覧に反映される。これでもう、Excelにいちいち移動の記録を書き込んでいくという手間から開放されるわけだ。取り込んだデータは修正不可能なため、不正な処理も起こらない。また定期区間なども自動で処理され、二重に経費を申請するといったこともなくなる。

利用手順

実はこの機能、Staple開発時からユーザーから要望が高かったのだそう。「この機能さえあれば導入したいという声もよく聞いていた」(クラウドキャスト代表取締役の星川高志氏)

またこの機能のほか、外部サービスとの連携を強化。すでに連携済みの弥生会計に加えて、freeeやMFクラウド会計、A-SaaS、FreeWay、勘定奉行の合計5サービスに対して、経費データのインポートが可能になった。

変わる検索アルゴリズム ― Bingも「モバイルフレンドリー」ページのランクアップを計画中

navigation

Googleは先月、モバイルデバイス上で使いにくいサイトをペナライズするランキングアルゴリズムの適用を開始している。これをさして「モバイルゲドン」(mobilegeddon)だとか、これまでの時代の黙示録的終末(mobilepocalyse)だとかいう人もいる。そのような中、Bingもこの動きに沿うような形でモバイルフレンドリーか否かを検索ランキングに反映させる旨をアナウンスした。

この流れは「検索ビジネス」全体を巡る変化の中の一環としてとらえることができるだろう。多くの人が、モバイルアプリケーション内部からの情報検索によりさまざまなコンテンツにアクセスするようになってきている。たとえばFacebookも、サービスの中からさまざまな情報にアクセスできるように進化を続けている。Google検索も、アメリカや日本などの10ヵ国では、コンピューター上からよりもむしろモバイルデバイスから多く利用されている

検索してもモバイルフレンドリーなサイトが見つからず、利用者が検索エンジンから離れてしまうようなことがあれば、それはGoogleの広告ビジネスの根幹に関わる問題となる。それでGoogleは、モバイルフレンドリーのサイトを優遇するような「最適化作業」を行ったわけだ。

ちなみに、Bingの方はGoogleほどドラスチックな変化を直ちに取り入れるわけではない様子。

Bingでは最近になって、モバイルフレンドリーなサイトに「mobile-friendly」のタグ付に加えている。これに加えて、条件に適合するページのランキングを上げていくことにしているのだとのこと。

Mobile-friendlytag

Googleのアプローチとの違いは何か。Googleの方は、モバイルフレンドリーでないサイトを「ペナライズ」しているのが大きな違いだ。画面を拡大しないと文字が読みにくいような場合や、ハイパーリンクが近すぎて操作しにくい場合、必要な操作が行いにくかったり、横スクロールが必要なページなどについてペナライズされている。

Bingの方では、モバイルフレンドリーでなくても、関連性の高い情報であれば検索ページ内での位置が下がるように操作されることはないとしている。

ブログ記事から引いておこう。

モバイルデバイスからBingで検索を行った場合、検索した内容と関連性の最も高いものが上位に表示されます。そのページがモバイルフレンドリーでないがゆえに順位を変動させることはありません。モバイルフレンドリーなページのランキングを押し上げるようにはするものの、検索用語との関連性をまず重視して検索結果を表示するということです。「関連性」と「モバイルフレンドリー」の判定バランスは微妙なものであり、アルゴリズム的にはいろいろと手を加えていくことになるでしょう。しかしどうやらうまいバランスで結果を表示することができそうだと考えています。

アルゴリズムの変更を行う前に、Bingの方もGoogle同様にページのモバイルフレンドリー性をチェックするツールを公開するとしている。サイト内でどのページに問題があるのかなどが判定しやすくなるものだ。ツールの方は、数週間以内に公開される予定だとのこと。

モバイルフレンドリーにするために必要な要素は、Googleの求めているものと同じであると考えて良い。ナビゲーションが容易であり、ズームや横スクロールをすることなく内容を読み取ることができ、そしてさまざまなデバイスで表示できることが求められる(Flashなどは使わないこと)。なお、Bingはポップアップの有無なども判定基準として取り入れたいと述べている。

ランキングアルゴリズムをいつから変更するのか、具体的な日時はまだ発表になっていない。「数ヶ月のうちに実施する」ということのようだ。

原文へ

(翻訳:Maeda, H

SunriseのMeetは、カレンダー内蔵キーボード

sunrise-meet

スマートフォンのカレンダーアプリとメールアプリを行ったり来たりして予定を決めている人は多いだろう。会議のスケジューリングは長年悩みの種だが、人気カレンダーアプリのSunriseは、新たな機能Meetでこの問題に取り組んでいる。これは、SunriseがMicrosoftに買収されて以来最初の主要リリースだ。

共同ファウンダー・CEOのPierre Valadeが最初にMeetのことを私に話したのは1年以上前だった。数々の試行錯誤を経てある興味深いデザインに落ち着いた。Meetは、AndroidおよびiOSのサードパーティー・キーボードとして動作し、使っているアプリを離れることなく日程を調べ相手に送ることができる。

私はMeetのいくつかのバージョンを見てきたが、それは興味深い製品ケーススタディーだった。まず、彼らはSunriseを効率的なスケジューリングツールにするためにチャット機能が必要だと考えた。2人にとって都合の良い日時と場所を決めるのに、話し合わないなどあり得ない。しかし人々は、GmailやWhatsAppやiMessageから乗り換えてはくれないだろう、ということでこのアイデアを諦めた。

しばらくの間、Meetは新しいアプリでもあった。起動するとフルスクリーンのカレンダーが表示される。何ステップかで空き時間と連絡先を選んでミーティングのリクエストを送信できる。当時Valadeは私に、ユーザーがミーティングのスケジュールを決めるのにキーボードを使わなければならないのはおかしい、と言っていた。

しかしiOS 8は、Sunrise Meetにとってとりわけ有用となる機能を導入した ― サードパーティー製キーボードだ。Meetの最終版は、キーボードに内蔵されたカレンダーだ。そしてこれが実に具合良く働く。

しくみはこうだ。メールを読んでいて誰かがあなたに会いたがっているとする。返信ボタンを押し、返事を書いたらSunriseキーボードに切り替える。カレンダーから都合の良い時間を選び完了を押す。Sunriseはリンクを生成してメールに追加する。そしてこれは、どのお気に入りメッセージングアプリでも他のどんなアプリでも同じように使える。

受け取った人がリンクをタップした時、2種類のシナリオがある。もしSunriseを使っていれば、Sunriseが起動されカレンダーに提案された日時が表示される。ユーザーは承認するか別の日時を提案できる。

受け手がSunriseを使っていない場合でも、会社はインストールを強要しない。単にブラウザーで日時を確認すれば受信箱に招待メールが届く。すべてがブラウザー内で進むが、体験はDoodleを使うよりずっと良い。

そして、日時の提案はリアルタイムで更新されるので、空いていたスロットに予約を入れれば、空きリストから消える。これは受け手にもわかる。
全体を通じてユーザー体験は非常に洗練され簡単に使える。実にうまくカレンダーとと統合されているので、私はあらゆるミーティングに今すぐ使いたい。これは会社を大きく成長させるツールではないが、Microsoftに1億ドルで買収された(TechCrunch調べ)ニューヨーク拠点のスタートアップにとって、今は心配することではないだろう。

デスクトップではあまりうまく働かないが、MeetはSunriseのウェブアプリやデスクトップアプリでも利用できる。今日のニュースは、MicrosoftがSunriseに力を入れていることを意味しているので、既存ユーザーは今後もカレンダーアプリのアップデートを期待できそうだ。

  1. 1-keyboard.png

  2. 2-time-selection.png

  3. 3-location-picker.png

  4. 4-event-duration.png

  5. 5-meet-done.png

  6. 6-meet-invite.png

  7. 7-meet-pick-time.png

  8. 8-meet-confirm.png

  9. 9-meet-confirmed.png

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Amazonじゃダメ? ギフト特化キュレーション参入のトレンダーズに勝算を聞く

AnnyNow_image

ジャンルに特化したキュレーションメディアが、ECに参入する動きが広がりそうだ。例えば、ディー・エヌ・エー(DeNA)。同社傘下のインテリアメディア「iemo」や女性ファッションメディア「MERY」は、どちらもECでの収益を見込んでいる。そして明日15日、トレンダーズが“記念日”に特化したキュレーションメディア「Anny magazine」をスタートする。記事で気になった商品を、すぐに贈れるのが特徴だ。

anny_magazine_mac&iPhone6plus

誕生日や結婚祝い、出産祝い、クリスマスといった記念日にまつわる情報を配信する。単なるギフト情報にとどまらず、どのように記念日を楽しむか、あの有名人が愛用する商品……といったコラム的な記事も盛り込む。当面は社内で記事を執筆するが、外部からの投稿も受け付ける。

Anny magazineで気になったギフトは、7月に公開予定のiPhoneアプリ「Anny Now」で贈れる。贈り手はアプリ上でギフトを3点選んで、メッセージを作成。LINEもしくはメールで送信する。貰い手は専用サイトでギフトを1点選び、送り先を入力すればギフトが届く。

ここでポイントなのは、贈り手が3点のギフトを選ぶ点。1点であれば、「相手が持ってるかも」「好みじゃなかったらどうしよう」と心配になり、結局無難なモノを贈ってしまうかもしれない。カタログギフトのように複数の中から選んでもらえれば、そうした心配はなくなるというわけだ。

商品はいずれも、提携予定の大手百貨店が扱うもので、約200点の中から、8000円/5000円/3000円の商品を選べる。店頭同様のラッピングも施される。

AnnyNow_image

「きちんとしたものを手軽に贈りたいニーズはある」

最近ではAmazonや楽天でギフトを買う人も少なくない。わざわざAnny Nowを使う必要があるのだろうか? この点について、サービスを運営するトレンダーズ執行役員の中村武士氏は「手軽にきちんと贈れる」ことが差別化ポイントだと語る。

「ECサイトは贈り手が実物を見られないし、ラッピングや配送も不安。ギフトはどこから届くのかが重要だったりするんです。本来であれば、百貨店に足を運んで買いたいけど、時間がない……。そういった人が、きちんとしたものを手軽に贈りたいニーズはある。」

トレンダーズの調査によれば、Anny magazineがターゲットとする20〜30代の女性の70%は、ギフトを贈り忘れた経験があるのだという。その理由としては「時間がない」や「相手が欲しいものがわからない」という答えが多かったことも、ギフトのキュレーション事業に参入した背景にあるようだ。

キュレーションメディアはSEOやソーシャル経由の流入を見込んでいて、初年度で月間アクティブユーザー数で45万人を目標に掲げる。