ジョニー・アイブのいないアップル、デザインのこれから

言ってみれば、面白い状況だった。およそ30年間をApple(アップル)で過ごしたJony Ive(ジョニー・アイブ)氏は、新会社LoveFrom設立のために会社を去ることになった。友人でよくコラボしていたMarc Newson(マーク・ニューソン)氏も一緒だ。彼もアップルを辞める。このニュースに対するアップルウォッチャーたちの反応は、予想通り大げさなものだった。

彼らの言葉を総合すると、次のように集約される。

  • ジョニーはチェックアウトした。使えなくなったか、やる気をなくしたからだ。
  • アップルはもうおしまいだ。なぜなら彼がいなくなるからだ。

この意見が矛盾していると感じたあなたは、まともな感覚をしている。

もし、こうした衝撃的な(私に言わせれば何かを渇望するような)意見を、ここ数年のジョニーにまつわる山ほどの噂と結びつけてひとまとめにするなら、それは、会社とそのデザインチームの発展に貢献してきた伝説のデザイナー二アップルが見捨てられ、今後の成長に陰りが出るという構図を描きたがっているのと同じだ。同時に、彼のいないアップルはおしまいだと言いたがっているのだ。

まあ、いいだろう。皮肉なことに(必然でもあるが)この話にまつわるツイートですら、扇情的な表現に乗っかっている。ティム・クック氏の電子メール(極めて平穏な内容だが)は、「手厳しい」と褒め称えられている。ウォールストリート・ジャーナルは、こう疑問を呈している。「なぜアップルは、何年間もヒット商品を出せずにいるのか?デザイン主任の退社を取り巻く社内のドラマを見れば、わかってくる」。結論としては、その話からはヒントしか得られないということだ。

私が知るアップルのウォッチャーたちは、ここ数年にわたり同社の社員に話を聞いているが、ほぼ全員が、ジョニーは社内で余生を持てあます状態であったことに気付いている。ショッキングではない。むしろ、いつどのように記者発表を行うかを決める権限が、常にある程度までジョニーに保証されていたことが驚きだ。

2015年当時、ジョニーが退屈な事務仕事を減らしたいと考えていたのは明らかだ。アップルのこの10年間は、経営上の難題が爆発的に増えさえしなければ平穏だった。生産量を大幅に増加させ、製造ラインを分割してきたことが、価格設定と機能、そしてとてつもなくもっと大勢の人たちに守られた余地を減らす努力につながった。

「アップルへの批判の多くは、懐古趣味的なものです」とCreative StrategiesのBen Bajarin(ベン・バジャリン)氏は言う。「一部のデザイナーが、今より大胆で、偶像的で、ひょっとしたら偏向していた時代にアップルに戻ってほしいと願っているのです。しかしあの当時のAppleは、製品の販売台数は数千万台規模でした。数億台規模ではありません。そこが、一般の多くの人たちが見落としている、決定的に重要なポイントなのです」。

企業が成長すれば、ジョニーのような人材は、製図台でペンを走らせる仕事から、より経営側に近い仕事に移されるのが自然の流れだ。アップルの場合は教育だ。

私はウォールストリート・ジャーナルの(ありがたいことに、他のどの刊行物でも)パブリックエディターではない。なので、ジョニーと彼の仕事のやり方に関していろいろ出て来る話を論評しようとは思わない。昔から批評は苦手だし、このごろはまったくその気が失せた。だが、これらの逸話が結びついてひとつの物語になっていくことに関して言いたいことはある。

長年にわたりアップルに密着して取材を重ねてきたおかげで、今回の出来事に関係する人たちを、私は大勢知っている。ジョニーは、デザインの会議をサンフランシスコの自宅で開くようになった。デバイスに関する意見を集めるために、The Battery(企業幹部のためのサンフランシスコのクラブ)でもデザイン会議を開いていたに違いない。彼は、ハワイやロンドンなどの自宅にもデザインスタジオを持っている。この数年間は、アップル本社よりも、外で過ごす時間のほうが圧倒的に多い。デザインチームも、工業デザイン内外の人たちも、彼を見かける機会が絶対的に減っていた。

この数日間、細かい話がいくつも飛び交っているが、私が知る限りでは、それらは不正確であるか、正確な脈絡の中で語られてはいない。しかし重要なのは、私の知人の中には、ジョニーが会社を去ってチームを見捨てると思っている人は一人もいないということだ。

自身も言っているように、ジョニーは単に疲れてしまったのだ。数多くの功績を残したデザイナーで、デザインの仕事を減らして事務をやりたいなんて思う人間が、どこにいるだろうか?

また、ジョニーがあまり出社しないことをアップルが問題視していたという説も、私は完全に否定する。その間も、アップルは大成功を収めた製品をいくつも送り出している。そこには、重要な大ヒットカテゴリーとなったApple Watchも含まれる。私は、誰かが書いたこんな批判も目にした。ジョニーは金時計を欲しがっていたので、無駄に時間をかけてApple Watchをめちゃくちゃ滑稽な姿にしたと。

金の時計には次の2つの目的があったという。

  • ジョニーがそれを作りたがっていた。
  • 昼夜身に着けていたくなる価値ある製品であるという期待感を生む。

まったくもって、あり得る話だ。最初の点がジョニーが権力を持ちすぎたこと、またはコンピューターは平等だとするアップルの理念とは異質に感じる方向に権力を行使したことを示していると考えても、おかしくはない。しかし現実には、どれだけ売れたかは別として、それは大きな話題を呼び、お陰でファッションやウェアラブルの世界でアップルの名前が出るようになった。以前には考えられなかったことだ。

それが足がかりとなり、Apple Watchが実際に何の役に立つのかを考える時間を人々に与えることとなった。そして、大きな成功をアップルにもたらした。同じ時期、同社はiPhone Xを予定を前倒しして出荷し、iMacを含むすべての製品ラインに大幅なアップデートを施した。

出荷する製品が少ないとき、ジョニーはよく時間をかけて、デザイナーと1対1の親密な打ち合わせを行っていたが、それがなくなって残念に思うデザインチームのメンバーがいることは、よく理解できる。今思えばこの数年間、Jonyの影響力が昔のまま生き続けているとは言えない部分がある。その証拠に、MacBookのキーボードはいまだにカスだ。

基本的に、あらゆるデザインは論評に値する。ジョニーのデザインも批評をまぬがれることはできない。何らかの機能に一貫性がない場合、または人間中心に感じられない場合、それが1950年代にディーター・ラムズ自身がデザインしたものかどうかは問題はない。ただのゴミだ。

しかし、ジョニーがアップル製品を脱線させたという議論は、事実を知ればまったくのでたらめだとわかる。この4年間、私が話を聞いたデザインチームの全員がこう言っていた。困難で、大変な努力を要する、思い入れの強い仕事のときこそ、ジョニーは彼らが目指すレベルにまで製品や機能を追い込むため、必要な時間と資源とエネルギーの確保に大きな力を発揮した。中国での材料関連の現地コンサルティングも、世界のアーティストとのコラボレーションも、デザインの効果に関する調査といった資源も、ソリューションを見つけるために「最善を尽くす」という精神の現れだ。それはひとつも失われてはいない。

とはいえ、ジョニーが管理職になりたくないとしたら、もう仕事に精を出すことはないのだろうか?絵本作家のシェル・シルヴァスタイン氏はこう言っている。「お皿を拭こうとして、床に落としてしまったら、もう二度とお皿拭きはさせてもらえない」。

何事にも計算が付きまとうと、どの大手企業の幹部も公言している。しかし、どこへ行っても役に立てる気がするというジョニーの言葉は、信じてもいいと思う。

「私には確かに野心があり、道義的責任感もあるので、役に立てます」とファイナンシャル・タイムズの記事の中で彼は話していた。「この30年以上の間、素晴らしい人たちと仕事ができ、大変に面白いプロジェクトに関わり、非常に難しい問題をいくつも解決できたことは、実に幸運だったと感じています。その経験を生かして、何か大きなことをやれという使命を強く感じているのです」

彼は会社を辞めたがっている。そして実際にそうしようとしている。しかし、全体的な観点からも、内部の観点からも、嫌な辞め方をするわけではない。

もういい加減な噂話からは卒業しよう。私は、ジョニーに関するこんな愚にも付かない話よりも、今後のアップルのデザインの方向性のほうにずっと興味がる。

アップルは、Evans Hankey(エバンス・ハンスキー)氏とAlan Dye(アラン・ダイ)氏をデザインの責任者に据え、Jeff Williams(ジェフ・ウィリアムス)氏の下に置いた。アップルは営業会社になってしまうと嘆くのは自由だが、その前にこの10年間どこを見てきたのかと聞きたい。

たしかに、アップルは変わった。しかし、それは必要なことだ。ジョニーは、この長い間、私たちに素晴らしい仕事(そして「冗談だろ!」みたいな驚きの瞬間)を残してくれた。次のアップルの時代に、新しいリーダーたちがどう取り組むかを見守るのは、とても楽しみだ。

また、この時期に「ジョニーの後継者」を1人立てるという発表をしなかったアップルは賢い。その人が直接彼と比べられることで、チームに良い結果がもたらされることはない。むしろ、新しい中心人物を選ぶ時間がチームに与えられ、これから数年をかけて新たな方向性を探ることができる。いずれ、デザインを引っ張ってゆく人物が頭角を現すだろう。だが、それが誰かは私にはわからない。

エバンス氏は、私が知る限りでは、ジョニーの指名で工業デザインチームをマネージャーとして率いることになった人物だ。これまでも彼女はマネージャーとして活躍してきた。有能なデザインマネージャーであり、自身の名義の特許を何百件も所有している。重要なのは、アップルには人材を単に役職に就かせるのではなく、そこから学び、その人たちに教えるために人を配置するという、歴史的、全社的なポリシーがあることだ。このアップルの方針は制度化され、新しい従業員に伝えられる。

私は、この制度はジョニーが去った後にも存続すると信じている。

最近、数多く語られているなかで、私がもっともショックを受けたのは、デザインチームのメンバーがあたかも無能な操り人形で、ジョニーがいちいち同意しなければ何もできない連中ばかりであるかのような論調だ。それは違う。まったくあり得ない話だ。アップルがスケジュールどおりに製品を出荷できるのは、この数年間、たとえジョニーが会議に遅刻しても支障なく、彼らが仕事をしてきたからに他ならない。

アップルには、頭がよくて才能に溢れる人材が大勢いる。彼ら全員がジョニーという名前ではない。

アラン・ダイ氏が、アップルでいかにうまくやっているかを見るのも興味深い。彼は温和で、控えめな態度の人物だ。元気がないように見えるが、仕事には極めて精力的に取り組む。そのデザインは内側から自己主張するように感じられると、アップルのデザイナーたちから尊敬を集めている。高い技術の持ち主だ。Dyeが在職中に続けてきた仕事のなかに、さまざまなプラットフォーム上でiOSのルック&フィールを統一するというものがあった。San Franciscoフォントもそのひとつだ。

ソフトウェアのデザインチームが遭遇した災難でもっとも大きかったのが、私が思うに、iOS 7だ。それは、自動車や腕時計、さらにその先の新しいプラットフォームのためにiOSを拡張するといった、いくつかの正統な理由により過去と決別する必要があった。しかしジョニーは、インタラクティブなものではなく、デザインを紙に印刷して持ってきた。アップルの他の部署からデザイナーが集められ、それに肉付けをして最終デザインが取りまとれられた。そうして出来たのが、過激に新しく、しかし過激に使い辛いiOSだった。

iOS 7は、いつも私に、どこで聞いたか覚えていない真偽が疑わしい話を思い出させる。運転が難しいことで悪評高いポルシェ911に関する話だ。ポルシェは美しい過ちを犯し、それを修正するのに50年を費やした。

911は、最初からバランスの悪い車としてデザインされた。エンジンを後部に配置して、重量とトラクションで地面に伝わる力を高めようとしたのだ。それでも冗談抜きで、食料品を積むことができる。

しかし残念なことに、それによって極端なオーバーステアとなってしまった。コーナーに勢いよく突っ込むと、いきなり車体が外側に流れる。ポルシェは、モデルチェンジのごとに、トラクション、長いホイールベース、ステアリング、ブレーキ、ギヤなど、あらゆる別の要素を改良して、それを改善しようとしてきた。オリジナルの形状は残したままでだ。しかし、打つ手がなくなれば死ぬだけだ。

アップルも、iOS 7でまったく同じことをしていた。必要と信じていたコンセプトはそのままに、もっと使いやすかった時代に戻そうと努力を続けてきたのだ。

iOS 7が登場したとき、とても気になったのが「ガラスのペイン」というメタファーだ。当時はそこまで明確ではなかったが、私はこれが、Palmからヘッドアップディスプレイまで、あらゆるインターフェイスに対応するための手段だと確信した情報機器の革命だ。

ダイ氏とデザインチーム(そして公正を期するならジョニー)は、最後の数年間を費やして、メカニカルな問題に対処する大幅な修正を行った。だが、今年のWWDCで、ガラスのペインのメタファーがかなり強調されていたことに私は興奮を覚えた。それは単なる深度とテクスチャのあるペインなのだが、願わくば今回は、もっとアクセスしやすいコンテキストを備えてほしい。

ジョニーが「完璧」なデザイナーであったとしても、アップルは常に少人数のチームに意志決定をさせている。一人の人間ではない。アップルは、プロダクトマネージャーに依存することなく実際に現場で作業をする人たちに大きな権限を与える構造になっている。多くのたちは、ジョニーが去れば、みんなはたちまち指示どおりにしか動けないボンクラになってしまうと心配しているようだが、私はそうは思っていない。そんなDNAはアップルにはない。

だからと言って、疑問がないわけでもない。ジョニーはアップルで巨大な力を持っていた。だから彼が去った後、デザインを重視するアップルの人たちは何を愛すればいいのかを気にするのは、そこに興味を抱くのは、そしてもちろん心配するのは、ごく自然なことだ。

ミッドソールがカーボンでプリントされたAdidas Futurecraft

私は、確立されたアップルのデザインパターンと、新進気鋭の考え方とがよいバランスを保ってくれることを願っている。どんな企業も、過去に完全に根を下ろしてしまうべきではない。今現在、デザインにも製造の現場にも、ものすごく面白いことが起きている。プログラマティック・デザインや「AI」デザインでは、デザイナーがアルゴリズムと制限範囲を定義することで、「あり得ない」ような形状を最新の素材から生み出すことができる。それは、従来の方法で絵に描いたり、形にしたりはできないものだ。

上の写真は、アーティストとアルゴリズムがコラボレーションして生まれた靴だ。Daniel Arsham(ダニエル・アルシャム)、アディダス、Carbonというスタートアップが、目標と扱う素材を理解し、ゴールまでの計画を自分で立てるデザインプログラムの助けを借りて作り上げた。これはデザインの新しい流派だ。

デザインと製造の積み重ねをひとつのセグメントに圧縮したもの、それが製品開発の今の時代の典型的な特徴になるのだと私は考える。アップルはその波に飛び乗る必要がある。

クパチーノのアップル旧本社ビルであったInfinite Loop 4の壁に、でかでかと掲げられていたスティーブの言葉がある。「何かを行って、それがとてもいい結果を生んだなら、他に素晴らしいことをすべきだ。長い間そこに居座ってはいけない。次は何かを考えるのだ」。

アップルのデザインチームがそうしてくれることを、私は楽しみにしている。新しい考え方を受け入れ、これまでうまくできてきた確実な方法とを統合する道を探る。この数年間、これほどアップルに魅力を感じ、追いかけたいと思ったことはない。どんな展開になろうが、退屈することはないだろう。

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(翻訳:金井哲夫)

GoogleやFacebookも使っているデザインツールFramer Xの魅力は開発工程の上流下流への柔軟な対応

デザインツールはどの企業にとっても、ますます重要になっている。今日はそのレースに、新人が入ってきた。

新人とは言ったが、Framer Xは三年前にできたFramerの改造バージョンであり、ファウンダーのKoen BokとJorn van Dijkはさらにその前の2011年に、デザインソフトのSofaをFacebookに売っている。そしてFramer Xは、Reactベースのリッチなデザインツールで、どんなデザイナーでもインタフェイス成分を描けて、それらを技術者のコラボレーションチームに送れる。

その鍵は、再利用性と忠実な再現性だ。Framer Xでは、技術者たちが今本番開発に使っている成分を送って、デザイナーたちはそこから仕事を始められる。逆にデザイナーはボタンやアイコンをデベロッパーにファックスで送るのではなく、その成分のSVGコードをデロッパーに送れる。

[Framer Xはベクターツール]

Framer Xではまた、ユーザーがFramer Xのストアで成分やそのほかのデザインアイテムをパッケージとして集め、デザインの過程でそれらに容易にアクセスできる。Framer XのFramer X Storeは一般公開されているので、たまにデザインをするような人が経験豊富なプロのデザイナーの作品をベースに仕事を始められる。

また、企業がその社内だけで使うプライベートなストアを、Framer Xの上に開ける。

Framer Xの使用料はユーザー一人あたり月額15ドルだが、企業のプライベートなFramer Xストアは、企業の規模などに応じて適宜課金される。

Framer Xの強敵といえば、InVision, Adobe, Sketchなどだ。

同社によると、現在の月間アクティブユーザーは約5万、企業ユーザーは200社だ。その中には、Google, Facebook, Dropboxなどもいる。資金はこれまで、Greylock, Foundation Capital, Designer Fund, Accel Europeなどから900万ドルを調達している。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Firefoxが新しいロゴを制作中…ロゴというより“ロゴセット”だ

“Firefox”という言葉からは、たぶんこんなものが思い浮かぶだろう:

あるいは、これかもしれない:

小さな変化はあったけど、Firefoxのロゴは2002年のローンチ以来ずっと同じだ(上の下の図が初期のころ、参考ページ)。そろそろ変わるべきだ、とMozillaは言っている。

“evolving the Firefox brand”と題するブログ記事で、MozillaのクリエイティブディレクターTim Murrayが、同社の考え方を述べている: Firefoxは今や、一つのブラウザーではない。Firefox Rocket(低帯域用)やFirefox Reality(仮想現実用)のようなサイドプロジェクトもある現状では、デザインもその多様性を反映すべきだ。

そこで同社は、目下検討中のロゴデザインをいくつか公開したが、最終決定はまだだ。これらの原案も今後変わるだろうし、また外部からのフィードバックも期待している。あるいは、これらを捨てて白紙に戻すことも、ありえる。

というわけで、現状はまだ何も決まっていないようだが、わざと今の段階で公開したようだ。まだきわめて初期の段階だが、でも最後には、Firefoxの新しいロゴが決まるし、しかもそれは単数形(logo)ではなくて、複数形(logos)になるらしい。

候補作は二つの“システム”に分かれていて、そのそれぞれに、一つ“マスターブランド”と11のの補助的ロゴがある。マスターブランドはメインのロゴで、ブランド全体を表す。その下の補助的ロゴは、個々のプロダクトを表す。

アイコンは二つの“システム”へと編成される:

二つのシステムからどっちかを選ぶのなら、ぼくならSystem 2だね。Firefoxの今のロゴが好きだし、それが残っているので完全な置換ではなくてアップデートのようだ。System 1はFox(狐)を強調しているが、System 2はずっとFirefoxだ。

Firefoxによると、新しいロゴが決まるのは“数か月後”だ。元のロゴが好きな人も、あとしばらくは一緒にいられる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

MazeはInVisionなどのデザインプロトタイプで多様なユーザインタフェイステストができる

Mazeを使って、開発中のアプリケーションのユーザーインタフェイスの良し悪しをテストできる。MazeはWeb上の単純なサービスで、InVisionやMarvelのプロトタイプファイルでUI/UXのテストができる。

デザイナーはInVisionやMarvelを使ってる人が多いけど、それらで作ったデザインで定量的なテストをするのは難しい。Mazeはビデオ録画ツールではないので、ユーザー(テスター)がやってることをビデオで見る必要はない。

また、それ自身はプロトタイピングツールではないので、デザイナーはInVisionやMarvelをそのまま使い続ければよい。MazeはWebブラウザーからユーザー(テスター)のパス(マウスの動き等)を記録するので、デスクトップでもモバイルでも、何かのソフトウェアをインストールする必要もない。

テストをセットアップしたら、リンクを多くのユーザー(テスター)と共有する。そのリンクを開くと、テスターとしてやるべきことが指示される。“いちばん近いレバノン料理の店を見つけなさい”とか、“ジョンを友だちとして加えなさい”とか。ひとつのテストを終えると、Mazeが自動的に次のテストを見せるので、その流れに乗るだけでよい。

デベロッパーには、テストの結果を見るためのダッシュボードが提供される。そこには成功率や、いろんな動作・作業の所要時間、タップが多かった画面領域などが表示される。個々のテスト項目の結果も分かる。

複数のデザインを複数のグループに送ってテストすれば、Mazeで簡単にA/Bテストができる。

すでに、数千名のデザイナーがこのサービスを試用している。その中にはAmazonやAirbnb, Uber, Shopifyなどのデザイナーもいる。

同社はPartechとSeedcampから47万ドルのプレシード資金を調達した。Mazeは典型的なSaaSで、無料プランと、複数の有料プランがある。

ぼくも試しに使ってみたが、使い心地は快適だ。若いスタートアップとは思えないほど、洗練されている。ぼくはデザイナーではないけど、デザイナーならたぶん毎日使うだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Lenovoが完全にベゼルゼロ、オールスクリーンの次期Android機Z5をチラ見せ作戦

AppleのiPhone Xに負けたくないLenovoが、このほど、新製品の本当にオールスクリーンのスマートフォンをチラ見せした。

iPhone Xはこれに非常に近いが、でも小さなベゼルと目立つノッチがある。しかしこのLenovoのZ5は、LenovoのVP Chang ChengがWeiboで共有したスケッチ(上図…最初に載ったのはCNET)によると、もう一歩先を行っているようだ。

発売は6月で、Chengによると“4つの画期的な技術”と“18の特許取得技術”を盛り込んだ、という。詳細は言わない。

このLenovoの役員氏は前に、Weiboでデザインの一端を見せたことがある。それが、右図だ。そのときはオールスクリーンとは言わず、上面に画面が占める比率95%、と言った。

これらの画像を見るかぎり、iPhone Xふうの画面上部のノッチはない。前面カメラやマイク、センサーなどはどこへ置くのか、それはまだわからない。

数多くのAndroidフォーンメーカーが、Appleのデザインを厚かましくコピーしている。でもApple自身はXを発表したとき嘲笑されたのだから、皮肉だ。

それでも同機はよく売れたから、HuaweiAndy RubinのEssential, Asusなどはノッチを取り入れた。そのデザインはスタンダードのようなものになり、Googleでさえも、Android Pではノッチのために時計の場所を変えた

この井戸端会議にLenovoが何を持ち込むのか、それはまだわからない。でも同社は、ヒット作が絶対的に必要だ。中国本土でLenovoは、Xiaomi, Oppo, Vivo, Huaweiに次いで5位だ。そしてZ5がもしも、Chengのねらいどおり世間を騒がせたら、Lenovoに希望の道が開ける。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

AIでロゴを自動的にデザインしてくれるTailor Brandsが$15.5Mを調達

中小企業にブランド戦略とマーケティングサービスを提供するTailor Brandsが今朝(米国時間5/9)、シリーズBで1550万ドルを調達したことを発表した。

CEOのYali Saarによると、同社はデザインと機械学習が交わるところに位置している。というのは同社が、ロゴのデザインとコピーライティングとソーシャルメディア戦略を理解する技術を作っている、という意味だ。

同社の自動的に作られるロゴデザインは、すぐに人の目を引く。Tailor BrandsのWebサイトで、それを体験できる。有料で高品質な画像ファイルにもアクセスできるが、文字だけのロゴなら、あなたの会社に関する情報をいくつか入力すると、1分足らずで無料で作ってくれる。〔日本語文字はまだサポートされていない。〕

下図は、そうやって作ってもらった本誌TechCrunchの新しいロゴだけど、どうかな?

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Tailor Brandsは2014年の本誌TechCrunchのStartup Battlefieldでローンチし、これまでにロゴを4500万個作った、という。昨年の顧客数は386万で、毎月50万社ずつ増えているそうだ。

今回の投資ラウンドをリードしたのはPitango Venture CapitalのGrowth FundとBritish Armat Group、これにDisruptive TechnologiesとMangrove Capital Partnersが参加した。これで同社の調達総額は2060万ドルになる。今度の資金の主な用途は、グローバル展開と、多言語化、そしてブランド戦略のためのツールをもっと増やすことだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

VivoやHuaweiのカメラを隠すデザインは未来のモバイルを先取りしている、かな?

今年のMobile World Congress(バルセロナ)では、おもしろいコンセプトが盛り上がっている。二つの製品が、カメラを使うときまではそれを隠すことによって、新鮮なデザインとプライバシーの強化を強調している。Vivoはカメラをスマートフォン本体の小さなスライド式トレイに収め、Huaweiは近く発売するMacBookクローンでカメラをキーボードの上のドアの下に隠している。

これはもしかして、モバイルのデザインの未来を暗示しているかもしれない。

ラップトップでもスマートフォンでも、カメラは長年、プライバシーのエキスパートを嘆かせる場所に置かれていた。カメラをリモートで使われるのを防ぐためにレンズをテープなどで塞いでいる人もいる。HPなどはシャッターを設けて、ユーザーのコントロールを強化していたが、ベゼルの幅をかなり必要とするので、すぐに廃(すた)れてしまった。

ベゼルが限りなくゼロに近づくにつれて、新しいソリューションが必要になった。iPhone Xのノッチは、その努力の例だ。でもVivoやHuaweiなどは、スクリーンの近くに小さな刻みを入れるよりも、ましなソリューションを求めている。

Huaweiの場合は、偽物のキーをキーボードに載せて、そこにカメラを収めた。そのキーを押すと、上蓋(あげぶた)のように開く。隠すのは迷案だが、しかし良い写真を撮るためにはカメラの位置や角度に注意する必要がある。実際に試してみると、そのままでビデオ会議などに参加するなら、ご自分の鼻毛をきちんと切っておくこと!

Vivoも、隠すという点ではHuaweiと同じだが、カメラをスライド式トレイに収め、使うときには上に飛び出てくる(上図)。これは、“前面にカメラさえなければ、完全なフルスクリーンに近くなる”、というEngadgetのChris Velazcoの要望に応えたデザインだ。

どちらも今のところは、現状に対するちょっと馬鹿げた代案にすぎないが、デザインのスタンダードを進化させようという試みでもある。どちらも可動式だから、壊れる危惧もある。でもぼくなんかは、このやり方が今後もっともっと改良されて、今の退屈な、単なる板に代わる、スマートフォンの新しいデザインの時代が来てほしい、と思うね。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

デザインの履歴管理システムAbstractがローンチ

営業チームにはSalesforceがある。そしてエンジニアたちにはGitHubがある。しかしデザイナーにはこれまで大した選択肢がなかった。本日(米国時間7月11日)公開されたAbstractは、デザインプロセス上の強い不満を解消する、デザイナーたちのための、ワークフロープラットホームかつ記録システムだ。同社は、まずSketchのユーザーを誘い込むことに狙いを定め、Cowboy Venturesからの資金調達を受け、ビジュアルファイルタイプの全範囲に対応することも目指している。

大手企業のデザインワークフローは、しばしばサイエンスと言うよりもアートだ。承認や、バージョン管理、そしてチーム間のコミュニケーションといった主要なプロセスが、長い電子メールのやりとりを伴って、多くのファイルと関連したGoogle Drive上で行われることが決して珍しくない。すべてのものをデザインするための中央リポジトリがなければ、これらの場当たり的なプロセスは、規模が膨らむに連れて急速に手に負えなくなっていく。

AbstractとはデザインのためのGitHubだ(皮肉なことに、GitHubによってデザインに使用されている)。それは、人気の高いデザインアプリSketchのファイルに対応するために1から作成された。チームは、より大きなコンテキストとデザイン変更の洞察を、時間の経過とともに提供することで、Subversionのような歴史的なバージョン管理システムを打ち負かすことを目指している。

Abstractチーム

Figmaのようなデザインコラボレーションアプリとは対照的に、Abstractは同じドキュメントに対して同時に作業することはない。その代わりに、情報を失うことなくファイルをチーム間で共有できるように、編集経緯を提供することが目標だ。

AbstractのCEOであるJosh Brewerは、最終的にはPowerPointやKeynoteのような多機能ではないビジュアルコミュニケーションツールだけではなく、Adobe Illustratorにも対応する計画だと語った。

インタビューでBrewerは「Sketchの人たちとは本当に密接な関係を築いています」と語った。「私たちが示した仕事の成果に、彼らはとても感激してくれました」。

本日から、誰でも3つのオプションの中から1つを選んで、Abstractにサインアップすることができる。個人向けには無償で提供されるが、フリーランサーやより大きなビジネスチームなどのプロユーザー向けには有料のオプションがある。

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(翻訳:Sako)

オンラインでのより良い会話をデザインする

【編集部注】著者のAshleigh Axiosは、Automatticにデザイン担当として入社する前は、オバマ時代のWhite Houseの、Creative Directorならびにデジタルストラテジストだった。

AutomatticMIT Center for Civic MediaThe Mash-Up Americansの3者は、率直な対話をもちながら、共感を深め、世界をより包括的で思いやりのある場所にするために協力してきた。これまでのところ、私たちは問題を明らかにし、私たちの前提を探求してきた。この3回目のDesign and Exclusion(デザインと排除問題)対談では、私たちがオンラインで互いに引き付け合っている方法について語り合うことになった。

私たちはそれぞれ、オンラインで話す時間を増やし、写真、ストーリー、思い出を他人と共有しているものの、どれほど多くの、世界中の善意あるいは悪意の他者がこの情報にアクセス可能なのかを考慮することはあまりない。もしあなたが他の人たちと似たような考えの持ち主ならば、それについて深く考えること避けるだろう。なにしろそれは、恐ろしいものである可能性があるからだ。ありがたいことに、オンラインでの対話やコミュニティを改善する方法を考えるために、その時間を費やすことを選んだ人たちが居る。私たちは、こうした先駆者たちの何人かを同じ議論の場に引き出すことができた。

この対談では、Tech LadyMafiaの共同創業者であり、Call Your Girlfriendの共同主催者でもあるAminatou Sowが、MIT Center for Civic MediaのディレクターであるEthan Zuckermanと、最大のオンライン辞書Wordnikの創設者であるErin McKeanとの間の、素晴らしい議論の仲立ちをしている。私たちのホストであるAmy S. Choiは、何人かのデザイナーたちが個人的なソーシャルメディアポリシーを述べ、いつそして何をを共有するのかについて、彼らの線引がどこにあるかを紹介するところから議論を始めている。録音は以下のリンクから(完全な書き起こし文付き)。

[ 原文へ ]
(翻訳:Sako)

過去5年間でデザイナーの採用目標が倍増――大手6社のデータに見るデザイン人材の動向

【編集部注】執筆者のDylan Fieldは、デザインに特化したクロスプラットフォーム・コラボレーションツールFigmaの共同ファウンダーでCEO。Figma設立前には、LinkedInやFlipboard、O’Reilly Mediaでインターンをしていた。

テック業界の古風な父親的存在であるIBMがデザインに力を入れ始めた瞬間、何かが変わりつつあると気づいた。ビッグブルーとも呼ばれる同社のデザイナー対ディベロッパーの比率は、過去5年間で1:72から1:9に変化した。

これはIBMに限った話ではなく、シリコンバレー全体でこれまでにないくらいデザイナーの需要が高まっている。実はFigmaの創業から何年間も、私はこの採用傾向の変化に関する話を耳にしてきた。

統計

このトレンドを裏付けるような数字を入手するため、私たちは知り合い伝いで情報を集めることにした。そして集まった情報をもとに、6つの企業のデザイナーとディベロッパーの比率を割り出し、今年と5年前の数字を比較した結果が以下の図だ。あまりに変化が大きかったためか、このデータはKleiner Perkinのインターネットトレンド2017にも掲載されている。

図を見てもらえればわかる通り、例えばAtlassianは2012年時点ではデザイナー1人に対し、25人ものエンジニアを抱えていたが、2017年にはその割合が1:9にまで変化している。さらにUberのデザインチームの規模は、2012年から70倍以上に成長し、現在の割合はデザイナー1人に対しエンジニア8人だ。

上の数字から、「デザイン思考」とは単なるバズワードではなく、実際に企業は資金を投じてこれまでにないくらいの数のデザイナーを採用しているとわかる。サンプルの数は少ないが、テック界のデザイン人材に関する確かなデータが現状ほとんどないことを考えると、これは貴重な洞察だと言える。また、これは今日の数字でしかないということにも注意してほしい。話を聞いた企業の中には、今後数年間でデザイナーとディベロッパーの比率を1:3にまでもっていこうとしているところもあった(もちろんこれは、適切な人材が見つかればの話だが)。なお、IBMのモバイル事業に関しては、デザイナーとディベロッパーの比率が既に1:3に達している。

調査に協力してくれた企業のほとんどがB2B企業だったため、もっとデザインに力を入れているであろうAirbnbのようなB2C企業のデータはここには含まれていない。Facebookの社員の話では、同社のデザイナーの採用目標は過去2年間だけで4倍に膨れ上がったということだが、Facebookからの公式なコメントは得られていない。

しかし実際に過去数年の間に、Facebookを含む大手テック企業は、採用目標を達成するためにデザイン会社を買収してきた。詳しくは、John Maedaが今年のDesign in TechレポートにまとめたM&Aのデータを参照してほしい。

それでは、なぜデザイナーの争奪戦が始まったのだろうか?

デザインの重要性

まず、テック業界ではエンジニアのコモディティ化が進行しつつある。AWSやReact Nativeのようなフレームワークの登場で、誰でも簡単にアプリが作れるようになった。

その結果、「3人向けのTinder」や極限まで簡素化されたメッセージアプリ「Yo」が誕生した。今やサービスの違いを決定づけるのはユーザーエクスペリエンスであり、これこそデザイナーの専門分野なのだ。

IBMのデザイン部門のジェネラルマネージャーも、最近のポストに「誰もがデザインに長けているわけではないが、誰もがユーザーのことを第一に考えなければいけない」と記している。

デザイン思考は自動化できないスキルのため、大統領候補者が浮動票の多いオハイオ州の有権者にアピールするのかのごとく、各企業がデザイナーの採用にやっきになっているのにも納得がいく。

しかし残念なことに、急増する需要に応えられるだけの人材が市場にはいない。大学はシリコンバレーの動向に遅れをとっており、テクノロジーデザインを専攻できる芸術大学はほぼ存在しない。労働統計局の調査には、UX/UIデザイナーがキャリアの選択肢としてさえ含まれていないのだ。

確立された教育プログラムがないにもかかわらず、プロダクトデザイナーにはさまざまなスキルが要される。コーディングや基本的なユーザー調査手法、データ視覚化技術、アプリやウェブサイトの設計に関する知識のほか、もちろんタイポグラフィーやレイアウトといったグラフィックデザインの基礎も必要になってくる。有名デザイナーの中には、教育が現状に追いつくのには数年かかるだろうと予想している人さえいる。

シリコンバレーでも状況はそこまで変わらない。ハッカーブートキャンプから何百万ドルものお金がつぎ込まれた教育イニシアチブまで、全てはコーディングに関するもので、まるでデザインのことは忘れ去られているかのようだ。

未来への投資

優秀なデザイナーを雇うためには、悪魔に第一子を手渡したり、自分の命をどこかに宿らせるくらいの覚悟が必要だ。そして各社がデザイナーの採用目標を増やすにつれて、状況は悪化していくばかりだ。

次世代のデザイナーを生み出すためには、教育機関やテック業界、デザインツールを開発する企業が一丸となって問題に取り組まなければならない。

Figmaでは学生ユーザーの利用料を無料にし、デザイン職への参入障壁を下げようとしている。しかし、これだけでは十分とは言えないため、現在私たちは他の手段を模索するとともに、他社のアプローチからも学ぼうとしている。もしも、あなた(もしくはあなたの知っている人)がデザイナーを増やすためにやっていることがあれば、是非私たちにも教えてほしい。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

【ポッドキャスト】GoogleのMaterial Designのリーダーが同社のデザインビジョンの起源を語る

[筆者: Jared Erondu, Bobby Ghoshal]

Rich Fulcherは、GoogleのMaterial Design UX and Engineeringのトップだ。今回はわれわれのHigh Resolutionシリーズの第14回で、Material Designがどのように作られたか、自分が勤める会社で自分独自のデザイン表現(デザイン言語)をどうやって作り出すか、デザインという工程では強力な文化性が重要な役割を演ずること、などを語ってもらった。

Larry PageがGoogleのCEOに復帰したとき、彼は非常に幅広い指示を出した。 それは、“Googleをビューティフルにすること”だった。その指示の下でGoogleのデザイン部門は、同社のプロダクトの呈示のされ方を根本から考え直すことになった。しかしながら、Googleほどの大きな企業で統一的なデザイン言語を作ることは、容易ではなかった。そこでFulcherは工程をいくつもの小さなステップに分割し、それを積み重ねていくと全体像が見えてくる、というやり方を選んだ。いくつかの大きな部品がまとまると、そこからSearch(検索), Maps, Gmail,などの消費者向け中核製品への実装過程が始まった。

自分の会社の普遍的なデザイン言語を作る過程が、複雑である必要はない。必要なのは、真剣に取り組むこと。それは、完成までに長期間の集中と献身を要する、今でもまだ進行中のプロジェクトだからだ。Fulcherは、デザイン言語が会社のビジネスにもたらす価値を説明している。そのステップは、あなたが今日からそれをやり始めるとしても、十分に参考になるだろう。

Jared EronduBobby GhoshalHigh Resolutionのホストだ。このポストと各回の注記は、フリーのライターGannon Burgettがまとめた。High Resolutionの各回は月曜日の太平洋時間午前8時に、本誌TechCrunchに載る。iTunesOvercastでも聴ける。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Osmoが手で触れることのできるハイテク玩具を生み出している方法

今日の膨大な数の玩具は、子供たちを画面の前に引きつけるハイテクと対話的要素を含んでいる。しかし健康と教育の観点から見た場合、子供たちにとっては、ブロックを使って組み立てたり両手を使って遊んだり、20分に1度は少なくとも20秒間画面から目を離すことが大切だということが、複数の研究から明らかにされて来ている。

2013年のTechCrunch Startup BattlefieldでローンチしたOsmoは、デジタルとフィジカルの橋渡しを行う玩具への特化に注力してきた。「子供たちをスマートフォンやタブレットから引き離すことはできません」と言うのはCEO兼共同創業者のPramod Sharmaだ。その代わりに彼の会社は、子供たちが画面の近くに居ながらもフィジカルな環境に関わるようなやり方を提供している。

TechCrunchはOsmoのパロアルト本社を訪問し、Osmoがどのように新しい玩具やゲームを開発しているのかの舞台裏を探った。Osmoのイノベーションエンジンの1つが、同社が半年に1度開催しているDREAMWEEKハッカソンだ。これは社員たちだけに向けた、5日間に渡るプレインストーミングと、デザインならびに開発訓練だ。

ハッカソンでは、日常的には一緒に仕事をしていない社員たちが一緒になって、新しい玩具やゲーム、あるいはOsmoの既存のプロダクトへの拡張を生み出す。

Osmoの人気プロダクトの1つがインタラクティブなタングラムだ。これは子供たちにピースを並べなおして、iPadの画面に表示される動物の形や、その他の画像を作ることを促す。また別の単語ゲームでは、子供たちに山からアルファベットのタイルを取って、画面上に表示される空きを埋めるように、タイルをタブレットやスマートフォンの前に並べることを促す。直接複数のプレイヤーが、それぞれの単語を完成させるべく、競ってアルファベットのタイルを並べる。

Osmoのソフトウェアはそれぞれのプレイヤーの現在の進行状況を見るために、タブレットやスマートフォンのカメラを利用する。例えば、Osmoタングラムアプリはプレイヤーがお題のイメージを完成したことを判定できるし、Osmo単語アプリは単語を完成したプレイヤーをお祝いすることができる。

その内部ハッカソンの終わりには、Osmoは社員たちがお互いの発表を見ることのできる最終デモデイを開催し、どのコンセプトを実際の開発に進めるべきかをグループとして決定する。この決定は、経営幹部やテーマの専門家からの投票ではなく、より民主的に行われる。とはいえ意見が拮抗した場合には、経営幹部が判断を下すことになる。

SharmaはTechCrunchに対して、「内部ハッカソン」などというものは、もっと大きい会社、例えばFacebookやGoogleまたはMicrosoftのやるものだと思われているものの、Osmoは3年前にこれを、会社の成長のために実行することに決めたと語った。これによって社員の間の緊密な関係が保たれ、イノベーションが特別チームではなく、会社に参加する全員からもたらされるものであるという考えを強化できる。

その最新のハッカソンでTechCrunchが目撃したのは、フィジカルなカードトレーディングゲーム、「自分のヒーローを作ろう」アプリ、そして親たちが自分の子供たちと感情的、社会的につながり、理解することを助けるアプリなどのコンセプトだった。なかでも、最近最も素晴らしかったコンセプトは、単語ゲームのようなゲームを遠く離れたグループや友人同士が一緒に遊べるような機能だ。サマーキャンプで親友になった子供たちが、それぞれの街の家に帰った後でも、お互いにマルチプレイヤー単語ゲームで遊べるのだ。

OsmoのユーザーエクスペリエンスデザイナーのDuygu Danielsは(残念ながら彼女のチームのコンセプトは会社の次期プロダクトには選ばれなかったが)以下のように語った。「今日のイベントを通して、沢山のアイデアを手に入れました…これは私たちがアイデアを試しイノベーションの精神に集中して触れる特別な週なのです」。彼女、および他のOsmo社員たちは、内部ハッカソンを常に楽しみにしていると語っていた。

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(翻訳:Sako)

Googleの“正しい色の使い方”ツールを使って見やすい・読みやすいWebページを作ろう

GoogleのMaterial Designガイドラインは、アプリケーションのデザインのさまざまな側面、レイアウトとかアニメーションの効果的な使い方などなどの、統一を指向している。今回はそのガイドラインの一環として、色の正しい使い方が加わった。今日(米国時間4/6)同社がローンチした新しいカラーツールは、デベロッパーやデザイナーが彼らのアプリケーションで正しい色を使うよう、仕向ける。

この新しいツールを使ってデベロッパーはカラーパレットを作り共有できるが、でもたぶんいちばん重要なのは、その配色をユーザーインタフェイスのサンプルに適用したり、あるいは、
Webのフロントエンドを作って(書いて)いるデベロッパーのための、サードパーティ製の“遊び場CodePenにあるコンポーネント(ページ部品)にも適用できることだ。

この新しいツールでもうひとつおもしろいのは、ユーザーが作った配色ではテキストの可読性がどうなるかを、自動的に評価してくれる機能だ。その評価はWeb Content Accessibility Guidelinesに準拠しており、目に障害のある人にとっても読みやすい、テキストと背景のコントラストを重視している。ライトグレーの背景にダークグレーのテキスト、という配色をたくさん読まされている人も、思いは同じだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

ShopifyのBurstは無料の素材写真サイト、ネット・ショップの内外装用に無難できれいな画像を集める

写真を見て、たとえば、“おっ、こいつはミレニアル世代の手作りショップのヘッダーにぴったりだね”、なんて思うことがあるだろう。誰もがネット・ショップを開けるサービスShopifyがこのほど立ち上げた素材写真サイトBurstには、そんな写真が揃っている。しかも画像はすべて使用料無料で、Creative Commons Zeroのライセンスで提供される。とにかく、自由に使える写真ばかり、ということ。

Burstにある写真は、何かの分野に偏っているわけではなく、上質で完全に無料の、クレジットなしで使える画像を大量に揃えている。写真の変更や編集も自由にできる。どの写真にも、それを撮ったアーチストのリンクがあるから、有料のサイトに使って稼ぐ気なら、ひとことご挨拶するのも悪くない。

Burstは、誰もが気軽にネット・ショップを開けるサービスShopifyの関連サービスだから、写真もそんなショップをより魅力的に見せることがねらいだ。良質な写真を簡単に見つけられてそれを無料で自由に使えることも、Shopifyのサービスの使いやすさ、使い勝手を増大させる。”horse”(馬)で検索するとなにもなかったりだから、何でもある写真集サイトではないけど、Instagramの“あこがれのライフスタイル”的な写真なら、それ的なキーワード検索でたくさん見つかる。

この写真ライブラリの真価は、なにしろ完全に無料で使い方に制約がないことだ。ユーザーの制限もない。ブロガーが自分の記事のアイキャッチに使ってもよいし、ネット・ショップが使ってもよい。こういう、個性臭や芸術臭のない、きれいで一般性のある写真は、通常の素材写真(stock photo)サイトにはなかなかない。このサイトの、見てて気持ちの良い写真を活用して、インターネットをより賑やかにしましょう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

【ビデオ】Facebookで20名のデザイナーチームを200名に育て上げたKate Aronowitzにテクノロジー業界におけるデザイナーのキャリアパスを聞く

[筆者: Bobby Ghoshal(@ghoshal), Jared Erondu(@erondu]
昨年まで約2年間、資産運用アドバイザーWealthfrontのデザイン担当VPだったKate Aronowitzは、その前の5年あまり、Facebookのデザイナー部長だった。その間彼女はMark Zuckerbergのもとで、最初20名だったデザイナーチームを、200名の世界最高クラスのチームに育て上げた。〔LinkedIn

今回のインタビュー(上図、1時間8分)で彼女は、Facebookのデザインチーム構築の初期の苦労、デザインのリーダーと企業の上級役員たちとの認識の食い違い、テクノロジー企業に就職する若いデザイナーへのアドバイス(どんな仕事がベストか)、などを語っている。またデザイナーが目指すべきキャリアパスは、管理職になること以外にあるのではないか、とも語っている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

同一のコードベースからiOSアプリとAndroidアプリを並行開発できるUXツールキットFuseが$12Mを調達

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エンドユーザーにとっては、アプリケーションのユーザー体験(user experience, UX)こそが、まさにそのプロダクトそのものだ。だからデベロッパーは、良質なユーザー体験ツールキットに大きな投資をする。Fuseは、そんなツール集のひとつだ。同社の目的は、複雑なアプリケーションの開発時間を半減すること。今日(米国時間1/24)同社は、NorthzoneAlliance Ventureからの1200万ドルの資金調達を発表し、今後はそのツールキットをもっと広いオーディエンスに周知していこうとしている。

The ability to show the app design on multiple platforms and screen sizes is a boon for developers

複数のプラットホームや画面サイズに対応できるデザイン能力は、デベロッパーにとってありがたい。

同社がとくに力を入れているのは、アプリケーションのユーザー体験のインタフェイスを作るデザイナーと、アプリケーションの中にそういうユーザー体験を実装するデベロッパーとのあいだのコラボレーションを、良くしていくことだ。Fuseの主張では、同社の製品を使えば両者間のシナジー効果が大きいので、ネイティブアプリケーションの制作とその後の進化が迅速かつ容易になる。

Fuseの協同ファウンダーでCEOのAnders Lassenはこう語る: “アプリケーションの市場競争で勝つためには、UXが優れていることがすべてだ。しかし最近ではますます、ユーザー体験の優れたアプリケーションをより短時間で作りたい、という声が大きくなっている。うちのプラットホームに対する初期の反応は、私たちに大いに自信を持たせてくれるものだった。そして、こうやって投資家が注目してくれたことは、なお一層すばらしい”。

Fuseを利用すると、同一のコードベースからiOSアプリとAndroidアプリをリアルタイムで同時に開発できる。つまりこのプラットホームでは、開発中のアプリに対するUIのアップデートや、コンテンツやデータの反映がリアルタイムでできるから、相当早く、アプリのテスト工程へ移行できる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

PixTellerがあればデザイナーは(ほとんど)要らない?!…4000以上のテンプレートを揃えたインスタントデザインスタジオだ

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ルーマニアのWebデザイナーAlexandru Roznovatが作ったPixTellerは、既成のテンプレートをたくさん揃えたインスタント・デザインスタジオで、Instagramを独自にカスタマイズしたページとか、おもしろいブックカバーなどを数秒で作れる。

アカウントを作るとすぐに、既成の大量のデザインから自由に選べるようになるが、それらはどれも、かなり平凡でふつうのデザインだ。それらはすでに、ソーシャルメディアへの投稿、カバーやヘッダー、バナー、などなどと、タイプ別目的別にジャンル分けされている。

どれか選んだら、それの編集を開始する。画面上の、写真以外のデザイン要素は、ベクターグラフィックスのように操作できる。ふつうのデザインプログラムのように、テキストと図形を選んで編集できる。ちょっとしたデザインのプロジェクトを簡単に楽しくできる、という点ではTinkercadなんかに似ている。サービスは無料だが、月額9ドル払うと、電子透かしの入ってないデザインをダウンロードしてエディットできる。画像を友だちとシェアして、コメントを求めることもできる。

“うちのサイトのエディターは、すごく仕事が速いんだ。今4000あまりあるテンプレートのデザインを、たった3週間で作れたからね”、とRoznovatはImpactCEEで語っている。もちろんユーザーも、その高速エディターを使用する。彼はこれまで、WebアプリケーションのデベロッパーGeco.roで仕事をしていた。

このようなWeb上のソフトウェアは、とくにタブレットや小さなラップトップを使ってる人には便利だ。本格的なデザインツールのような仕事はできなくても、アイデアをスケッチして手早く共有するための方法としては、優れている。PixTellerがローンチしたのはほぼ1年前だが、その後ずっと、音沙汰がなかった。こんなツールを使って、みんなが、思いついたことや自分の発見を簡単にさっと手早く、自作のWebページにしてシェアするようになると、2017年は楽しい年になるだろうな。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

デザインとプロトタイピングツールのMarvelがシリーズAで400万ポンドを調達

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POP買収の熱も冷めやらぬ、デザイン・プロトタイピングプラットフォームのMarvelが、シリーズAの資金調達で400万ポンドを調達したことを明らかにした。ラウンドを主導したのはBGF Venturesで、これに以前からの支援者たちであるIndex Ventures、Connect Ventures、Inreach Ventures、Andy McLoughlin、そしてRichard Fearnが加わった。

Marvelは、ウェブとモバイルアプリのアイデアをプロトタイプ(またはワイヤーフレーミング)するためのシンプルなアプリとしてスタートし、今では誰もがデザインとプロトタイプを行うことが可能になることを目指す、オールインワンデザインプラットフォームへと成長した。組織の中心にデザインを据える企業たちを支援するために、個々のデザイナーやチームによって利用されている。

これを実現するために、Marvelはワイヤーフレームからユーザーテストまで、コラボレーション機能を提供しながら、Webやアプリのデザインワークフロー全体をサポートしている。

同社とその製品が成長した方法も興味深い。それが買収の巧妙な戦略によって少しずつ達成されてきたように見えることだ。ウェブやアプリデザインのエコシステムは、製品ではないにしても、沢山の機能に溢れていて、その多くが大きな企業へと成長することはない。

Marvelはいくつかの機能や製品の買収から始めた — POPの資産を獲得する前には、Plexiというデザインツールを買収した — 市場で先頭を走るために、それらを自社の製品に組み込んだのだ。

今日のシリーズAの目的はMarvelを会社として強化することだ。スタートアップのプラットフォームには現在、100万人以上の登録ユーザが居て、毎月約3万5000人の新規ユーザがサインアップしていると聞いている。最大の市場は米国と英国である。現在はセールスに投資しているが、最近までは現在までは多くを組織と顧客のサポートに向けて投資していた。新たな資本はまた、Marvelの新たな市場への進出や新製品の開発を可能にする。

BGF VenturesのパートナーであるRory Stirlingは、次のように述べている。「私たちはMurat、Brendan、そしてJonathanが、この数年にわたってこの事業を構築するところを見てきました。Marvelの旅に参加することは並ぶことのない誇りです。私たちは、彼らの製品へのこだわりとユーザーに対する親近感が大好きです。技術が創造的なプロセスをシンプルにするために使われるとき、驚くべきことが起こります。Marvelは、個人やチームが世界規模で優れた製品を作り出す方法を変える能力を持っていると信じています。これはまさにBGF Venturesが支援したい野心の一種です。私たちは、すでにチームが掴んでいる印象的で忠実なユーザー基盤を持つビジネスを、拡大する手助けをすることを楽しみにしています」。

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(翻訳:Sako)

フロントエンド開発の未来はデザインそのもの

Software developer programming code on computer. Abstract computer script source code.

【編集部注】著者のCarson MillerはイノベーションストラテジーとデザインファームFahrenheit 212(現在はCapgemini Consultingの一部)のデジタルヘッドである。

私たちの子供たちにコード作成を学ばせるべきか?この質問は、最近のディナーパーティーで私が受けたものだ。社会的サークルの中で、キャリア全体でソフトウェア開発に携わってきた唯一の人物の1人として、私はこの種の質問を頻繁に受けている。そのときの私の対応はとても肯定的で、その選択がきわめて明白であるすぐに思いつく理由をいくつか紹介した。

その時の会話はそれで終わったが、その質問は私の心に残ったままだった。おそらくその理由は、「コード作成」というフレーズにある。これはあまりにも多くの意味を内包しているのだ。自動運転、バーチャルリアリティ、その他の野心的な将来の技術を構築するために必要な、膨大な課題に注力するエンジニアの役割が常に存在していることを、私たちは否応なく思い浮かべるが、これらが私の友人たちがその子供たちのために心に描いていたものかどうかは自信がない。

もし彼らが、子供たちがウェブやモバイルアプリのコードを行う未来を想定していたのなら、私は正しい推奨をできたかどうかが疑問だ。デザインツールとソフトウェア開発インフラの大幅な技術革新を考えれば、このタイプのコーディングは、将来的には劇的に違って見えるものになるだろう。実際、設計と開発の境界線はもはや存在せず、製品を市場に出すために必要なスキルセットとチームには根本的な変化が起きることになる。

開発への障壁は急速に消滅しつつある

過去10年間、ソフトウェア製品をローンチするためのコストは指数関数的に減少してきた。たとえば、元々のドットコムブームの際には、資本の中の大きな部分をサーバー、インターネット帯域幅、ソフトウェアライセンス、オフィススペースなどが占めていたため、インターネットスタートアップのローンチにかかるコストは数十万ドルに及んだ。それ以降、Amazon Web Servicesのようなクラウドインフラストラクチャ、GitHubのような開発ツール、Ruby on Railsのようなオープンソースフレームワーク、検索のためのAlgoliaのような便利なバックエンドサービスが登場し、10年前に比べればほんの僅かなコストで、迅速なデジタル製品開発を可能にした。もし現在、あなたが時間とデザインと開発のスキルを持っていれば、数百ドルで製品を開発してローンチすることが可能だ。

デザインと開発は収束しつつある

新製品の構築はとても容易になった一方で、ユーザーが好む製品を生み出すことは大きな課題だ。あなたの狙っているユーザーたちに関する深い理解と、ユーザーのニーズに対応した楽しい体験をどのように届けるかへのビジョンが必要とされるのだ。また、製品チームが製品体験や、ビジネスモデル、そして提案価値を、迅速にテスト、学習、反復するためのワークフローが必要だ。

過去数年の間に、反復的な製品デザインが主流となってきた。Lean Startupの重要な指針、特に最小限の実行可能な製品(MVP)を迅速に市場に投入し、実際の顧客のフィードバックから学ぶべしというバイアスは、企業や製品を構築するためのより良い方法として広く受け入れられている。

コーディングの基礎技術とフロントエンドの開発との間には違いがあり、その違いは拡大しつつある。

そうした新しい作業方法をサポートする新しいツールのエコシステムが登場し、製品デザインチームは共同でより効率的に作業することができる。チームは、Photoshopの静的なデザインを作成する古典的なプロセスから、はるかに広大なツールセットを使うようになっている。そこにはSketchFigmaなどの共同デザインツール、InVisionMarvelなどの極めてシンプルなプロトタイププラットフォーム、UserTesting.comValidlyLookbackのようなユーザーテストサービス、そしてZeplinなどのデザイナーと開発者のコラボレーションツールなどが含まれる。

これらのツールはすべて、近代的な製品デザインワークフローの1つまたは多数のコア側面をサポートし、ほぼすべてがシームレスに連携することが可能だ。最終的な結果:製品をコーディングする前に、アイデアを体験、テスト、検証が可能な没入型プロトタイプにすることは、指数関数的に速くなった。

これは、フロントエンド開発に対して何を意味するのか?

今後数年の間に「製品デザイン」と「フロントエンド開発」に対する別々の機能としての意義は消滅する。多くの企業では、既にこのアプローチを採用していて、製品デザインとフロントエンドWebテクノロジ双方に精通した個人(クリエイティブ技術者(Creative Technologists)と呼ばれることも多い)を雇用することで、通常はデザインをコードの中に活かすために必要な引き継ぎをなくそうとしている。

この収束はまた、製品デザインチームが使用するツールの高度化においても起こっている。デザインとプロトタイピングを行うツールがフロントエンドの開発置き換え、選択したフレームワーク(React、Node、その他)のための高品質なフロントエンドコードをシームレスに生成するようになるのは時間の問題だ。Squarespaceは既に基本的なウェブサイトのためにこれを実現している。Webflowはインタラクティブなコンテンツ駆動型のWebサイトを作成するための、ドラッグアンドドロップ環境を提供している。AtomicOrigamiは再利用可能なコンポーネントとデータに対して幾つかの面白いことを実現している。

これらはすべてデザイン先行型のツールだが、多くはユーザーが作成されたコードに対して編集または追加を行って、製品を調整して洗練することを許す。これらのツールや他のツールが5年後にどうなっているのかを想像して欲しい。

このプロセス、スキルセット、そしてツールの収束は、製品デザインにおけるいくつかの重要な変更へとつながる:

  • チーム構成が変更される。チーム内にデザイナーとプロントエンド開発者の両者を抱える必要はなくなる、これによってチームはさらに身軽なものになる。
  • リアルタイム反復が標準となる。チームは継続的なデザイン改善の状態の中で運用することができるようになる。プロトタイピング、テスト、学習、そして新機能のロールアウトをこれまで以上に迅速に行えるようになる。
  • 業績が改善される。プロダクトチームはビジネス成果を駆動する最前線に立って、新しい機会を活用し、問題が悪化する前に対処することで、最終的な収益に対して意味のある行動を素早くとることができるようになる。

さて私たちの子供たちはコードすることを学ぶべきだろうか?私は、全ての子供たちがソフトウェア開発の実践的な知識を持つという価値に反論することはできない。しかし、コーディングの基礎技術とフロントエンドの開発との間には違いがあり、その違いは拡大しつつある。後者は、デザイナーたち優位性やデザインツールのおかげで絶滅の道を辿ろうとしている。よりよい体験を消費者とビジネスに対して作って届けることに興味のある子供たちは、深いソフトウェア開発専門知識を得ることよりも、デザインとビジネスに対して深い関心を寄せる必要があるだろう。

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(翻訳:Sako)

FEATURED IMAGE: MACIEK905/GETTY IMAGES