吉利傘下のVolvo CarsがストックホルムのNASDAQに新規株式公開を申請へ

中国の浙江吉利控股有限公司(Zhejiang Geely Holding)傘下のスウェーデンの自動車メーカーであるVolvo Cars(ボルボ・カーズ)は現地時間10月4日、新規株式公開を申請し、ナスダック・ストックホルム取引所に上場すると発表した。上場により最大29億ドル(約3190億円)の資金調達を見込む。

上場により、Volvo Carsの価値は最大で250億ドル(約2兆7500億円)になる可能性があると、ウォール・ストリート・ジャーナルが関係者の話として報じた

Volvo Carsのプレスリリースによると、吉利は一定数の株式を売却するが上場後も筆頭株主として残る。スウェーデンの機関投資家であるFolksam(フォルクサム)とAMFも同様に株主として残る。Volvo Carsは声明で、吉利との関係、および吉利のエコシステムに属する他の企業との関係のおかげで「既存および将来の技術の共有、共同調達、規模の経済によるメリットを享受し、相乗効果、競争力、長期的な価値を実現することができます」と述べた。

Volvoは2030年までに全ラインナップを電動化し、2030年代半ばまでに販売台数の50%を電動化すると約束した。今回のIPOで得る資金は「市場環境が悪化した場合であっても」電気自動車への完全移行を早めるために使われると述べた。

このニュースは、Volvoがこの11年間でどれだけ成長したかを物語っている。同社は2010年、Ford Motor(フォード・モーター)により18億ドル(約1980億円)で吉利に売却され、Fordは多額の損失を計上した(Fordは1999年に65億ドル[7150億円]でVolvoを買収した)。Volvoは吉利に買収されて以来、中国に2つの車両組立工場を建設し、サウスカロライナ州にも工場を建設するなど、大規模な拡張を行ってきた。6月にはサウスカロライナ工場にさらに1億1800万ドル(約130億円)を投資すると発表した。

回復は販売にも表れている。同社は10月1日、2021年の9月までの売上高が、2020年の同時期と比べ17.6%増加したと発表した。

Volvoが株式公開の意向を表明する前に、EVメーカーのPolestar(ポールスター)が200億ドル(約2兆2000億円)規模でSPAC(特別買収目的会社)と合併するというニュースが流れた。Volvo Carの電気自動車ブランドの一部門であるPolestarも吉利が所有する。このタイミングは偶然ではなさそうだ。WSJの報道によると、Volvoが持つPolestar SPACの株に約100億ドル(約1兆1000億円)の価値が割り当てられ、VolvoのIPOへの道が開けたとのことだ。

画像クレジット:Volvo Cars

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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Nariko Mizoguchi

【レビュー】ランボルギーニ Huracán STO、強力なエンジンの代名詞な企業がハイブリッド化に向かうとき何が起こるのだろうか

Lamborghini Huracán(ランボルギーニ・ウラカン)。ランンボルギーニで最大の販売台数を誇るスーパースポーツカーは、ガソリンエンジン車としての時代を終えようとしている。

2014年にHuracánが登場して以来、同社は全世界で1万7500台を販売したという。しかし、顧客がどれほど望んでいても、V10エンジンを救うには十分ではなかった。ランンボルギーニのラインナップに加わる最新のスーパースポーツカー、新型Huracán STO(ウラカン スーパートロフェオ・オモラガータ)は、ランボルギーニの未来を垣間見せてくれると同時に、轟音を放ちながら、激しくパワフルなガソリンエンジンの終焉を称えている。

「Huracán STOはガソリンエンジンの最後の祭典です」。Willow Springs Raceway(ウィロー・スプリングス・レースウェイ)でのプレスイベントで、トラックサイドに座りこんだランンボルギーニの新しい北米CEO、Andrea Baldi(アンドレア・バルディ)氏はTechCrunchにこのように語る。このスーパースポーツカーの価格は32万7838ドル(約3600万円、税金と配送料を除く)から。公道からサーキットまで対応する。

画像クレジット:Lamborghini

ランンボルギーニの最高技術責任者、Maurizio Reggiani(マウリツィオ・レッジャーニ)氏は、その後筆者に「エンジンは単なるエンジンではなく、音楽であり、ランンボルギーニブランドのDNAの一部です」と語ってくれた。

このDNAは、印象的なデザイン、パワー、そして2人の経営者が「感情」と呼ぶもの、すなわち富裕層がランボルギーニに惹かれる排他性と喜びの感覚を体現する抽象的な概念に強く結びついている。

熟練したプロのレーシングカー・ドライバーを気取るつもりはない。筆者はトリッキーで起伏のあるビッグ・ウィロー・トラックを先導されながら走行しただけだが、ランンボルギーニが最後に発表するガソリンエンジン車に何か特別なものを取り入れたことは明らかだ(次回は、公道を走るHuracán STOを見てみたい)。

街乗りできるレーシングカーとしての親しみやすさ

新型Huracán STOは、ランボルギーニが世界各地で開催しているSuper Trofeo EVOシリーズやGT3 EVOシリーズなどのワンメイクレースで成功を収めていることから学び、それに「快適性、実用性」と「公道走行」を融合させている。Huracán STOは、高度な空気力学と素材、ブレーキ、テレメトリ(車両の状態の遠隔監視)を備えた、競技団体が規定する規格を公道に降ろしたとも言える公道仕様のレーシングカーであり、サーキットで高速走行することもできるし、Huracán STOで人目を引きつけながらデートを楽しむこともできる。

Huracánは後輪駆動で、巨大な5.2リッターV10エンジンは631馬力。7速デュアルクラッチ・ギアボックスと組み合わせることで、ビッグ・ウィローのストレートでは一瞬で時速200kmに加速した。STOの最高時速は300km/hなので、まったくもって余裕である。ANIMA(アダプティブネットワークインテリジェンスマネジメント)の設定が最も緩いストリート(STO)モードであっても、アクセルを踏んだ途端に走り出す。このSTOモードは、Lamborghini Dinamica Veicolo Integrata(LDVI、ランボルギーニ・ディナミカヴェイコロインテグラータ)システムによってサスペンションとダイナミクスが管理され、他のモードよりも反応が良く、より緩やかな走りになっている。

コーナーでのスライドをもう少し高めにして、ラップタイムを上げたければ、ANIMAボタンをもう一度押すと、Trofeoモードに切り替わる。このTrofeo(トロフェオ)モードでは、LDVIによって管理されるトルクベクタリングが変更され、テールの動きが良くなる。Piaggio(ピアッジオ)モードは雨天用のモードで、ウィロー・スプリングスのあるカリフォルニア州ローズミード周辺の砂漠地帯では久しく見られなかったものだ。

Huracán STOは、ビッグ・ウィロー周辺の険しいオフ・キャンバーやダブル・エイペックスの急カーブでも、コース上と同じ乗りやすさを感じることができる。シャークフィンと手動で調整可能な巨大なウイングが代表する、この車両の高度な空気力学がその理由だろう。後部のウイングは3つのポジショニングが可能で、重心を最大13%変化させ、ダウンフォースを90kg以上増減することができる。

最先進の素材とブレーキ

また、ランンボルギーニは、ボディ剛性と重量の最小化を両立させるために軽量のカーボンファイバーを採用している。Huracán STOのボディは75%以上がカーボンファイバーで構成され、Miuraにヒントを得たクラムシェル型のフロント「コファンゴ」(イタリア語のボンネットとフェンダーを組み合わせた造語)もその1つだ。ボンネットの下には小さな収納スペースがあり、その日のドライブプランに合わせて、レーシングヘルメットやバッグを入れるのに十分な大きさである。ベースとなったPerformanteに比べ、STOはカーボンファイバーの採用やインテリアの軽量化などにより、約45kg軽量化されている。

レース上で重要なのは、高速走行ではなく、ブレーキが甘くなく、何度でもすばやく止まれることだ。STOには、F1用に開発されたBrembo(ブレンボ)製CCM-R(Carbon-ceramic Resin Matrix)ブレーキが、民生車としては初めて採用されている。この技術は、ブレーキの温度を下げ、長時間の走行時のフェード現象を防ぐことができる。また、フェンダーに設けられた通気孔により、キャリパーやディスクに空気を送り込み、熱がこもらないように工夫されている。ブレーキの温度はインストルメントパネルで確認でき、LDVIもフェード現象をチェックする。

速く走るためのテクノロジー

Lamborghinは、サーキットでのタイムの向上を実感したいオーナーのために、サーキットでのタイムやパフォーマンスを記録し、比較するためのテレメトリシステムを提供する。プロが使用するVBOXと同じようなものだ。

このシステムは、ブレーキやスロットルの入力からステアリングの角度まですべてを分析し、オーナーやドライバーが馴染みのサーキットでより速く走行できるように支援する。記録されたデータと動画はランンボルギーニ独自のソーシャルネットワークにアップロードされ、オーナーはスマートフォンのUNICAアプリでアクセスすることができる。自分のトラックタイムを他のオーナーや友人、コーチと共有することも可能だ。

画像クレジット:Lamborghini

(ランンボルギーニのブレーキはいうに及ばず、)自分の車に装着されていた特注のブリジストン製ポテンザでさえも限界まで走行した訳ではない筆者だが、Huracán STOは、筆者が経験した中で最も自分に自信を与えてくれて、コミュニケーションを取りやすく、親しみやすい車両の1つであるとは言えるだろう。ステアリングはダイレクトかつリニアで、私がサーキット内外で運転したことのある他のランンボルギーニ車とは異なり、STOは車の能力ギリギリまで使っても、動きが乱れたり、操作性が悪くなったりすることはない。高速走行時でもコントロールされ、洗練された走り……これは従来の、サーキット志向のランンボルギーニとは結びつかなかった言葉だ。

富裕層にとっては、Huracán STOの生産の制約となるのはSant’Agata Bolognese(サンタガタ・ボロニェーゼ、イタリアの自治体)の工場の生産能力だけだ、というのは良いニュースだろう。バルディ氏によれば、Huracán STOは生産量は年間2500台程度で、すでに2022年の分まで完売しているとのことだ。「制約となるのは私たちの生産能力です。生産能力には限界があります。私たちは2024年までにHuracánをハイブリッド化して、既存のガソリンエンジンバージョンを廃止する予定です」とバルディ氏。

ランンボルギーニによれば、STOは3秒以内で時速100kmまで加速するという。プロのレースドライバー、Richard Antinucci(リチャード・アンティヌッチ)に先導されてサーキットを回ったのはほんの数周だったが、Huracán STOが、レース仕様の車を限界まで走らせるだけの資金と度胸のある人に、何か特別なものを届けてくれるのは間違いない。

画像クレジット:Lamborghini

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(文:Abigail Bassett、翻訳:Dragonfly)

テスラ第3四半期の販売台数は半導体不足にもかかわらず過去最多24万1300台

Tesla(テスラ)は、この第3四半期に過去最多の24万1300台を販売した。世界的な半導体不足の影響で他の米自動車メーカーが販売減となる中で、予測を上回った。

米国時間10月2日の発表によると、Teslaが販売した車両の大半(96%ほど)は比較的新しいモデルのセダンModel 3とクロスオーバーのModel Yだった。販売車両のうち9275台はModel XとSだった。販売台数は第2四半期から20%増え、2020年同期比では73%増だった。

生産台数も増えた。第3四半期に同社は電気自動車23万7823台を生産し、こちらも過去最多となった。

同社のCEOであるElon Musk(イーロン・マスク)氏は販売台数、生産台数で記録を打ち立てたことに対し、同社と従業員への賛辞をツイートした。そして別のツイートでマスク氏は「かなりの困難を乗り越えてきたサプライヤーとロジスティックのパートナーにも大変感謝しております」と書いた。

Teslaの業績は予想を上回った一方で、他の大手車メーカーの米国内の販売台数は落ち込んだ(Teslaの販売台数は世界合計であり、地域別のものは公表していない)。

GM(ゼネラル・モーターズ)が最も大きな落ち込みとなった。同社は10月1日、第3四半期の米国内の販売台数は44万6997台で、前年同期比33%減だったと発表した。同社は今夏、Chevrolet Bolt EVとEUV向けの半導体チップとバッテリーが不足し、いくつかの工場の操業を停止した。それらの工場はその後、再稼働した。

米国での販売減にもかかわらず、GMは「引き続き半導体不足とChevrolet Bolt EVリコールの影響の緩和を図っている」として、調整後の年間売上高予想115億〜135億ドル(約1兆4980億〜1兆2760億円)は維持している。

以前はFiat Chrysler(フィアット・クライスラー)という名称だったStellantis(ステランティス)の米国の販売台数は18%減った。Ford(フォード)はまだ業績を発表していない。

画像クレジット:Tesla

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Nariko Mizoguchi

全米30万の自動車修理工場のDX化をサポートするAutoLeapが約20億円調達

500万ドル(約5億5000万円)のシードラウンド発表から9カ月後、トロントの自動車修理ソフトウェア企業AutoLeapが、今度は1800万ドル(約20億円)のシリーズAを獲得した。Bain Capital Venturesがそのラウンドをリードした。

シードラウンドをリードしたThreshold Venturesがこのラウンドにも加わり、同社の総調達額は2300万ドル(約25億5000万円)になる。

共同CEOのSteve Lau(スティーブ・ラウ)氏によると、AutoLeapは各地の自動車修理工場を21世紀のものとし、ワークフローをデジタル化するときの二重、三重の無駄な入力作業をなくす。顧客への見積もりや請求書、作業の見積もりなどはすべて、バックグラウンドの計算で処理し、営業とマーケティングをCRMと連携させる。アプリからのスケジューリングや顧客とのテキストでのメール、オンラインのレビュー機能もある。

関連記事:自動車修理業者の業務をデジタル化するAutoLeap、顧客との関係性「修復」を支援

2020年のシードラウンドと立ち上げ以降、同社は「予想以上に」成長した、とラウ氏はいう。チームとして同社は5倍の成長、顧客ベースは10倍に増加した。現在も毎月、成長は続いている。

「市場が提供している機会に私たちはうまくフィットしているという確信を、さらに持つようになりました。初期の顧客の1人に最近話を聞く機会があったのですが、AutoLeapを使うようになって最初の10カ月で売上が倍増したとのこと。彼らの生活も変わりました」とラウ氏はいう。

ビジネスを成長させることはラウ氏の天職だ。彼は共同CEOのRameez Ansari(ラミーズ・アンサリ)氏とともに、下請け専門の企業が自分の小さな事業を経営できるためのSaaSであるFieldEdgeの共同CEOを務めた。同社は3年で社員数200名にまで成長し、AutoLeapを創業できる基盤になった。

同社のチームは今、カナダと米国とパキスタンに分散している。顧客の85%は米国、残りはカナダだ。

ラウ氏の推計では、自動車のアフターマーケットは7000億ドル(約77兆7536億円)の業界であり、100万人の技術者が30万のショップにいる。

く「今は、この市場がペンからデジタルに移行するゲームの2回の表くらいです。大量の資本がこの市場機会を掴もうと躍起になって世界クラスのチームを起用し、私たちがもっと良いプロダクトと顧客サービスを提供できるようにしている」とラウ氏は語る。

彼の予想では、AutoLeapのワークフォースは1年後に今の3倍、そしてもっと多様な人材を抱えることになるだろう。

Bain Capital VenturesのパートナーであるAjay Agarwal(アジェイ・アガーウォール)氏によると「国の経済的なバックボーンは小企業であり、彼らは消費者ブランドやレストラン、リテールなどあらゆる分野で、自分が競争に生き残り顧客にもっと良い体験を提供するための、モダンなクラウドソフトウェアを求めています」。

さらにアジェイ・アガーウォール氏は「スティーブとラミーズは、独立した30万の自動車修理工場のデジタル時代への移行を支援しています。この巨大な機会に挑戦している彼らに協力すること以上にエキサイティングなことは他にありません。AutoLeapは、総合的なSaaSプラットフォームと組み込みの決済機能およびマーケットプレイスを組み合わせたサービスを、自動車修理ショップに提供しようとしています。それは、まだクラウドへの飛躍を行っていない最後の業種の1つです」という。

画像クレジット:AutoLeap/Rameez AnsariとSteve Lau, AutoLeapの共同CEO

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(文:Christine Hall、翻訳:Hiroshi Iwatani)

米RivianがIPO目論見書を公開、アジアなどでもEV販売を計画

R1Tピックアップトラックの出荷を9月に開始した電気自動車スタートアップのRivian(リビアン)は、米国で公開会社になるための目論見書を公開した。

米証券取引委員会に米国時間10月1日に提出したフォームS-1には上場のための詳細は含まれていない。

同社はAmazonのClimate Pledge Fund、D1 Capital Partners、Ford Motor、T. Rowe Price Associates Incのアドバイスを受けたファンドや個人がリードした25億ドル(約2777億円)のプライベート資金調達をクローズしたわずか2カ月後の8月下旬に密かにIPOを申請していた。Third Point、Fidelity Management and Research Company、Dragoneer Investment Group、Coatueもそのラウンドに参加した。

フォームS-1はRivianの財務データと同社に関する他の知見、さらにはリスクや同社が接しているチャンスなどのおおまかなところをつまびらかにしている。

Rivianは2019年に4億2600万ドル(約473億円)の赤字だった。こうした赤字は、同社がイリノイ州ノーマルに工場を建設し、R1TピックアップトラックとR1S SUVの生産開始と従業員増強を準備するのに伴って10億ドル(約1110億円)へと倍増した。同社は現在、カリフォルニア州、ミシガン州、イリノイ州、そして英国の施設で8000人超を雇用している。

以来、赤字は悪化している。Rivianは2021年上半期に9億9400万ドル(約1104億円)の赤字を計上した。前年同期の赤字3億3700万ドル(約374億円)よりも多い。

同社はまた、長期的な事業戦略と、初のEVをまず米国とカナダで、その後ほどなくして欧州で販売する計画も明らかにした。アジアでの販売がその後に続く。同社はフォームS-1で、そうした新マーケットでの成長を支えるためにローカルの施設を建設すると述べた。

Rivianはまた、 9月時点での米国とカナダでのR1TピックアップトラックとR1S SUVのプレオーダーが4万8390件であることも明らかにした。払い戻し可能な1000ドル(約11万円)の前金を要するプレオーダーは必ずしもそのまま販売台数にはならない。だが、プロダクトに対する需要の兆候を示す。

RivianはフォームS-1でForeverという慈善活動を立ち上げたことも明らかにした。同社は差し当たって、このIPO完了直前の発行済み株式の1%の自社クラスA普通株で資金をまかなう。

画像クレジット:Kirsten Korosec

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Nariko Mizoguchi

GMの米国工場は再生可能エネルギー100%への切り替えを5年前倒しで実施へ

ゼネラルモーターズ(GM)は2021年初め、2035年までに生産する車両、そして2030年までに生産方法の面でグリーン化を進める計画を発表した。このたび同社は「方法」という部分にいち早く取り組み、予定より5年早く2025年までに米国内の施設で再生可能エネルギーを100%使用することを述べている

この目標を達成するために、GMは、エネルギー効率を高め、施設に自然エネルギーを調達すると述べている。また、再生可能エネルギーを中長期的に貯蔵する技術を開発し「再生可能エネルギーの導入を支援するマイクログリッドを構築する」としている。

GMのサステナビリティ最高責任者であるKristen Siemen(クリステン・シーメン)氏は、次のように述べた。「当社は、気候変動対策が優先事項であり、すべての企業が脱炭素化をさらに迅速に進める必要があることを理解しています。それを実現するために、米国では(計画より)5年早く再生可能エネルギー100%を達成することを目指しています」。

また同社は、PJM Interconnectionという会社と協力して、その時々の送電網の炭素出力に基づいてエネルギー使用量を追跡する計画についても詳しく説明している。「GMは、供給されている電力のほとんどが化石燃料で構成されている場合、蓄えられている再生可能エネルギーの活用や消費電力の削減について、情報に基づいた判断を下すことができます」とも述べている。

生産する車両については、GMは2025年までに全世界でフルEVを30車種投入するする予定で、さらに「2035年までに新しい小型車(自動車、SUV、ピックアップ)のテールパイプ排出ガスをゼロにする」ことを計画している。この言い回しは水素自動車を含む可能性を示唆しているが、今のところGMは主にEVに焦点を当てているようだ。

しかし、GMの汚染削減計画は、政治的な風向きに左右され推移してきた部分もある。同社は、カリフォルニア州をはじめとする各州が独自に公害防止やゼロエミッションの要件を設定することを禁止するというトランプ政権の計画を支持したいくつかの自動車メーカーの1つだった。これにより、自動車メーカー各社は、前政権が要求していた年間5%の燃費向上を大幅に下回る、年間1.5%の燃費向上で許される。GMは、Joe Biden(ジョー・バイデン)氏が大統領に選出された直後に、この訴訟から撤退した。

編集部注:本稿の初出はEngadget。著者Steve Dent(スティーブ・デント)氏は、Engadgetのアソシエイトエディター。

画像クレジット:Veanne Cao

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(文:Steve Dent、翻訳:Aya Nakazato)

Lordstown MotorsがGMから購入した工場の売却をめぐりフォックスコンと協議中

EVスタートアップのLordstown Motors(ローズタウン・モーターズ)は、2019年にGeneral Motors(ゼネラルモーターズ)から620万平方フィート(約57万6000平方メートル)の工場を購入して注目を浴びた。だが、現在は資金繰りに窮している同社は、その施設を台湾のFoxconn Technology Group(フォックスコン・テクノロジー・グループ)に売却する可能性が高いようだ。

関連記事:フォックスコンがLordstown MotorsとFiskerの電気自動車をオハイオ州の元GM工場で生産へ

このニュースを最初に報じたBloomberg(ブルームバーグ)によれば、早ければ今週中にも取引が完了する可能性があることを、匿名の情報筋が示唆したという。Lordstownの経営陣は、第2四半期の決算発表の際に、このオハイオ州北東部にある施設を、他の企業にリースすることについて、パートナーと「真剣な話し合い」を行っていると語っていた。だから売却のニュースはまったくの驚きというわけではない。

取引に関する金銭面などの詳細は明らかになっていないが、LordstownはFoxconnと並行して、この同じ施設で生産を行っていくとも報じられており、この取り決めは、悩める電気自動車メーカーにとって、最終的には利益となる可能性がある。現金収入とFoxconnが持つ大量生産の専門知識の両方を得られることになるからだ。

Foxconnといえば、Apple(アップル)のiPhoneを製造していることで知られているが、ここ数年は電気自動車製造の市場参入に向けて大きく歩を進めている。同社は2021年5月、EVメーカーのFisker(フィスカー)と、新しい電気自動車を共同開発・製造する契約を締結。また、タイの石油会社であるPTT PLCとも提携し、同国内の工場で年間最大5万台の電気自動車を製造することも計画している。

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Foxconnの野望はそれだけではない。この製造企業は自動車メーカーの委託製造業者になる構想も描いており、中国の自動車メーカーである浙江吉利控股集団(ジーリーホールディンググループ)と合弁会社を設立し、EVの販売を目指すメーカーに、設計、研究開発、生産を提供しようと考えている。

Lordstownは、主力製品である電動ピックアップトラック「Endurance(エンデュランス)」の最初の生産車両を、2022年初頭に少数の顧客に届けることを目指している。この会社は、前CEOのSteve Burns(スティーブ・バーンズ)氏が会社の資金繰りを懸念して辞任した後、2021年8月に新しいCEOを任命した。Dan Ninivaggi(ダン・ニニヴァッジ)氏がCEOに就任したのは、Lordstownが16億ドル(約1780億円)のSPAC合併を発表してからわずか1年後のことだった。

Lordstownの株価は、52週高値で1株31.80ドル(約3530円)を記録したが、現在は7.88ドル(約875円)で取引されている。

TechCrunchはLordstownとFoxconnにコメントを求めている。回答があれば記事を更新する予定だ。

画像クレジット:MEGAN JELINGER / AFP / Getty Images

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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

CruiseとWaymoがサンフランシスコでのロボタクシーサービス開始の許可を得る

カリフォルニア州自動車局が、General MotorsのEV/AV部門であるCruiseと、Alphabet傘下のWaymoに、有料で展開される自動運転サービスの認可を発行した。

米国時間9月30日にCruiseは「driverless deployment permit(ドライバーレス展開許可証)」を受け取った。これは、フロントシートに安全ドライバーがいない状態で提供されるサービスで料金を受け取ってもよい、というものだ。Waymoの「drivered deployment permit(運転者同席許可証)」は、自動運転の間に関しても課金してよいが、ただし前席に運転者が必要だという意味だ。どちらも理論的には自動運転のデリバリーサービスに課金できるが、ロボットタクシーサービスの課金許可には一歩遠い。その最後のハードルは、カリフォルニア州公益事業委員会(California Public Utilities Commission、 CPUC)の許可が必要だが、サンフランシスコにおける商用ライドシェアの立ち上げ日限についてはWaymoもCruiseも明言していない。

カリフォルニアの路上で自動運転車をビジネスにしようとしているのは、彼らだけでなない。2020年の12月には、州の公道上での商用の自動運転サービスに関して、自動運転デリバリーのNuroがカリフォルニア州自動車局から許可をもらう最初の企業になった

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CruiseとWaymoはそれぞれ2015年と2014年から公道上で安全ドライバーありの自動運転車をテストしている。そして2020年10月からと2018年10月からは、安全ドライバーなしでやっている。Cruiseはまた、カリフォルニアで6月に乗客ありの自動運転走行を許可された。そこで同社は過去数カ月、社員に無料乗車を提供している。8月にWaymoは、サンフランシスコでTrusted Testerプログラムを開始した。それによりサンフランシスコは、安全ドライバーありで無料の、自動運転電動Jaguar I-Paceをシェアできる都市の1つになった。

Cruiseは最新の認可により、その自動運転のChevy Boltベースの車隊をサンフランシスコの一部の公道上で午後10時から午前6時まで最高時速30マイル(約48.3km)で商用サービスに使用できる。Waymoはその小型自動運転者の車隊をサンフランシスコとサンマテオ郡の一部の公道で時速65マイル(約104.6km)m、時間制限なしで運用できる。どちらも、雨や薄霧の中でも走行可能だ。

ベイエリアでの商用サービスやデリバリーサービスの開始の計画については、両社とも口をつぐんでいる。2020年11月にCruiseとWalmartはアリゾナ州スコッツデールと提携して前席に安全ドライバーを乗せた配達を開始した。Waymo Viaのローカルデリバリー事業も、2020年1月からアリゾナ州フェニックスで操業しているが、それは訓練されたオペレーターが同乗して、UPSやAutoNationのようなクライアントにサービスを提供している。

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画像クレジット:Cruise

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:Hiroshi Iwatani)

FoxconnがLordstown MotorsとFiskerの電気自動車をオハイオ州の元GM工場で生産へ

Foxconn(フォックスコン)は米国9月30日に発表された契約のもと、Lordstown Motors(ローズタウン・モーターズ)、そして別のパートナーFisker Inc(フィスカーインク)のためにオハイオ州にある元General Motors(ゼネラル・モーターズ)の工場で電気自動車(EV)を組み立てる。

特別買収目的会社(SPAC)との合併経由で公開企業となった、苦境に立っている電気自動車メーカーLordstown Motorsは9月30日、620万平方フィート(約58面平方メートル)の工場売却でFoxconnと拘束力のない合意に達した、と述べた。Lordstownは2019年にその工場をGeneral Motorsから購入していた。

まだ完了していないこの合意では、Foxconnは工場購入で2億3000万ドル(約256億円)を払う。取引には、Lordstownのハブモーター組立ライン、バッテリーモジュール、梱包ラインなど一部の資産や、特定の知的財産権は含まれない。Foxconnはまた5000万ドル(約56億円)分のLordstownの普通株も購入する。

2社は、FoxconnがLordstownのフルサイズのピックアップトラックEnduranceを同工場で組み立てるための受託生産契約も交渉すると明らかにした。受託生産の契約は工場購入を完了する条件となっている。両社は追加のピックアップトラックプログラムのためのライセンス契約も検討することで合意した。

今回の取引はLordstownが重要な時期にある中でのものだ。現金不足の同社は今年初め、一連の失敗を犯したSPACを頼った。Lordstownは8月に自動車業界で長らく幹部を務め、Carl C. Icahn(カール・C・アイカーン)氏の持株会社の元CEO、Daniel A. Ninivaggi(ダニエル・A・ニニヴァッジ)氏をCEO兼役員として雇った。この指名の前、Lordstownの創業者でCEOのSteve Burns(スティーブ・バーンズ)氏の辞任など、同社では何カ月も騒動が繰り広げられた。同社が想定以上に多くの資金を消費し、以前予想していたEnduranceの生産台数を達成できないことが明らかになった冴えない第1四半期決算を受け、CFOのJulio Rodriguez(ジュリオ・ロドリゲス)氏も辞任した。

提携の目的は、北米でのスケーラブルな電気自動車生産の増大しつつあるマーケット機会をLordstown MotorsとFoxconnがとらえることだと両社は声明文で述べた。ここにはFoxconnのEVメーカーFisker Incとの既存の提携も含まれる(LordstownとFiskerは別会社であり、関係は全くない)。

Fiskerは5月、Project PEARというプログラムで新しいEVを共同開発・生産することでFoxconnと契約を交わした。Personal Electric Automotive Revolutionの頭文字を取っているプロジェクトPEARの車両はFiskerブランドとして北米、欧州、中国、インドで販売される。生産準備は米国で2023年末までに始まる予定で、2024年に本格生産に入る、とFiskerは8月のTechCrunchとのインタビューで語った。

Fiskerは米国での生産場所を明らかにしなかったが、最終的にFoxconnにするかもしれない、とインタビューで語っていた。

Fiskerは9月30日、Foxconnからのニュースを歓迎する声明を出した。

「市場投入までの時間、十分に開発されたサプライヤーエコシステム、全体的なコスト目標などプログラムの主目的を達成することは、オハイオで生産するという決断で重要な要素でした」とHenrik Fisker(ヘンリック・フィスカー)氏は電子メールでの声明で述べた。「今年初めにFoxconnと提携を結んで以来、我々はデザインやエンジニアリング、サプライチェーン、生産などを含め、プロジェクトPEARのあらゆる面で密に協業してきました。米国で大量生産するというFiskerの約束は、今回の合意でさらに重要な一歩を踏み出しました」

Fiskerはまた、別の委託生産業者との車両プログラムも進めている。Fisker Ocean SUVは自動車委託生産業者のMagna Steyrが欧州で組み立てる。生産開始は予定通り2022年11月に始まる見込みだとFiskerは第2四半期決算会見で繰り返した。納車は欧州と米国で2022年後半に始まり、2023年中に月産能力を5000台超にする計画だ。中国の顧客への納車も2023年開始が見込まれている。

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画像クレジット: Bloomberg / Getty Images

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Nariko Mizoguchi

Rivianの電動ピックアップトラックR1T搭載「キッチン」も生産体制整う

Rivian(リビアン)は2019年にアリゾナ州フラッグスタッフで開催されたOverland Expo Westに出展し、現在Camp Kitchen(キャンプキッチン)として知られるもののプロトタイプを披露した。2022 Rivian R1T電動ピックアップトラックが組み立てラインに乗って生産体制に入った現在、キッチンの最終バージョンも佳境を迎える準備が整っている。

Rivianは初披露して以来、キッチンに数多くの変更を加えてきた。ここには2つの脇役の追加が含まれる。その脇役とは、キッチンを取り付けるシャトルシステムとSnow Peakの食器セットだ。

下にある動画には生産準備が整ったCamp Kitchenの間近での様子が映っており、同社の料理プログラム担当シニアマネジャー(別名フード男)Josh Glaser(ジョッシュ・グレイザー)氏がRivianの工場でアクセサリーがどのように使われ、そしてテストされてきたかについて情報を提供している。

読者のために少しスペックを紹介しよう。Camp Kitchenはアップグレードを図る5000ドル(約56万円)のオプションだ。期間限定でトンネル型のシャトルとSnow Peakキッチンセットが含まれている。ゆくゆくは、キッチン設置を選択する購入者は1500ドル(約17万円)払ってキッチンをのせるRivian Gear Tunnel Shuttleを付けなければならなくなる。

このトンネル型のシャトルはキッチンを支え、給電する。キッチンを固定するプラットフォームは3つの選択肢がある。Rivianは将来、他のアクセサリーのためにもこのシャトルを使う計画だ。シャトルは120V ACと12V DCの電源プラグ2つを備え、トラック車体から引き出したとき重さ(約90キロ)まで支えることができる。

表面がRichlite(耐久性のある圧縮紙樹脂)のキッチンには、1440ワットの電磁調理バーナー2つ、加圧ポンプが付いている容量約4ガロン(15リットル)の水タンク、潰して取り外しができるシンク、Snow Peakのキッチンセット30点を収納できるコルクが敷かれた引き出しが備わっている。キッチンセットにはナイロン製スパチュラ、竹製スパチュラ、トング、お玉杓子、ナイフ2つ、コルク栓抜き、缶切り、ピーラー、チタン製カトラリー(ナイフ、フォーク、スプーン)セット、食器、積み重ねできるマグカップ、まな板、大きな鍋2つ、コーヒーミル、ヤカン、コーヒー淹れ用スタンドが含まれる。

そして夜に雰囲気を出すのに使えるライトもついてくる。

画像クレジット:Kirsten Korosec

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Nariko Mizoguchi

Rivianの電動ピックアップトラックR1T搭載「キッチン」も生産体制整う

Rivian(リビアン)は2019年にアリゾナ州フラッグスタッフで開催されたOverland Expo Westに出展し、現在Camp Kitchen(キャンプキッチン)として知られるもののプロトタイプを披露した。2022 Rivian R1T電動ピックアップトラックが組み立てラインに乗って生産体制に入った現在、キッチンの最終バージョンも佳境を迎える準備が整っている。

Rivianは初披露して以来、キッチンに数多くの変更を加えてきた。ここには2つの脇役の追加が含まれる。その脇役とは、キッチンを取り付けるシャトルシステムとSnow Peakの食器セットだ。

下にある動画には生産準備が整ったCamp Kitchenの間近での様子が映っており、同社の料理プログラム担当シニアマネジャー(別名フード男)Josh Glaser(ジョッシュ・グレイザー)氏がRivianの工場でアクセサリーがどのように使われ、そしてテストされてきたかについて情報を提供している。

読者のために少しスペックを紹介しよう。Camp Kitchenはアップグレードを図る5000ドル(約56万円)のオプションだ。期間限定でトンネル型のシャトルとSnow Peakキッチンセットが含まれている。ゆくゆくは、キッチン設置を選択する購入者は1500ドル(約17万円)払ってキッチンをのせるRivian Gear Tunnel Shuttleを付けなければならなくなる。

このトンネル型のシャトルはキッチンを支え、給電する。キッチンを固定するプラットフォームは3つの選択肢がある。Rivianは将来、他のアクセサリーのためにもこのシャトルを使う計画だ。シャトルは120V ACと12V DCの電源プラグ2つを備え、トラック車体から引き出したとき重さ(約90キロ)まで支えることができる。

表面がRichlite(耐久性のある圧縮紙樹脂)のキッチンには、1440ワットの電磁調理バーナー2つ、加圧ポンプが付いている容量約4ガロン(15リットル)の水タンク、潰して取り外しができるシンク、Snow Peakのキッチンセット30点を収納できるコルクが敷かれた引き出しが備わっている。キッチンセットにはナイロン製スパチュラ、竹製スパチュラ、トング、お玉杓子、ナイフ2つ、コルク栓抜き、缶切り、ピーラー、チタン製カトラリー(ナイフ、フォーク、スプーン)セット、食器、積み重ねできるマグカップ、まな板、大きな鍋2つ、コーヒーミル、ヤカン、コーヒー淹れ用スタンドが含まれる。

そして夜に雰囲気を出すのに使えるライトもついてくる。

画像クレジット:Kirsten Korosec

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Nariko Mizoguchi

NASAが航空機用電動推進技術の開発で民間2社に助成金2812億円

NASA(米航空宇宙局)は米国企業2社を選び、航空機の電動推進技術の開発を推進する。この技術を2035年までに米国航空戦隊に導入することが目標だ。

選ばれたGE Aviation(ジーイー・アビエーション)とMagnix(マグニクス)の2社は、今後5年間にわたって任務を遂行する。その中には地上および飛行試験デモンストレーション、NASAで電動推進系に焦点を合わせる他のプロジェクトとの協業、データ分析、およびフライトテスト設備などが含まれている。

同局のElectric Powertrain Flight Demonstration(EPFD、電動パワートレイン・フライト・デモンストレーション)プログラムの一環として与えられる金額は合計2億5340万ドル(約282億円)。うち1億7900万ドル(約199億円)がGE Aviationに、7430万ドル(約83億円)がMagniXに渡される。

「GE AviationとMagniXは、統合されたメガワット級のパワートレインシステムのデモンストレーションを地上と飛行両方で実施して、彼らのコンセプト、および将来の電動推進航空機の編成にむけたプロジェクトの利点を検証します」とNASAのEPFDプロジェクトマネージャーであるGaudy Bezos-O’Connor(ガウディ・ベゾス=オコナー)氏は声明で説明した。「このデモンストレーションによって、技術的な障壁と統合リストを見極め除去します。また将来のEAP(電気化航空機推進)システムの標準と規制の開発に必要な情報も提供します」。

EPFDプロジェクトはNASAの上位プログラムで、次世代テクノロジーを実世界で運用可能な航空システムに変えるための研究開発を推進するIntegrated Aviation System(統合航空システム)の一部だ。

電気航空推進システムをてがけている企業はたくさんあるが、その多くは新たなエアタクシー市場を目指していて、飛行時間は短くバッテリー重量は飛行機全体の小さなサイズによる制約を受ける。Devin Coldewey(デビン・コールドウェイ)記者の説明にあるように、必要な上昇力の生成とバッテリー重量は、電気飛行機を遅らせてきた長年の「基本的難題」だ。

おそらくこうした官民連携によってついにはパズルが解かれるだろう。このNASAプロジェクトは、短距離の地域内航空移動、およびナローボディ、単一通路の飛行機の開発を目指している。

関連記事:Wrightが大型機の動力源になる2メガワット電動旅客機用モーターの試験を開始

画像クレジット:NASA

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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Nob Takahashi / facebook

ホンダが「空飛ぶハイブリッドカー」「アバターロボ」「月面循環エネルギーシステム」「再使用型小型ロケット」など挑戦

ホンダが「空飛ぶハイブリッドカー」「アバターロボ」「月面循環エネルギーシステム」「再使用型小型ロケット」など新領域に挑戦

Avatar / 20th Century Studios

ホンダが「新しい事業領域に関する説明会」を開催し、都市間や都市内移動用の「Honda eVTOL(電動垂直離着陸機)」や、時間や空間の制約に縛られず、バーチャルな能力拡張を実現する「Hondaアバターロボット」の開発に取り組んでいくと発表しました。また、月面で使用することを想定した燃料電池式発電システムの開発も行うとしています。

ホンダはeVTOLにはEVやPHEVで培ったリチウムイオン電池に加えガスタービン式ハイブリッドパワーユニットを搭載し、電池だけでは足りない航続距離を確保します。もちろんこの計画はまだごく初期の段階なので、実機が登場するには10年ほどの歳月がかかると予想されます。ホンダは2030年代に試作機、開発機を制作し、2040年代の商業化を目指しています。

次世代の交通であるeVTOL分野には、スタートアップから既存自動車メーカーまで多くの企業が参入しています。たとえばNASAと提携するJobyは実物大のモックアップに近い試作機をすでにテスト的に飛行させています。また、VTOLではないもののスロバキアのKlein Visionは今年、空陸両用車「AirCar」の35分間の有人飛行を成功させています。ただ、まだ乗客を乗せての商業飛行を行うには機体の安全性や信頼性、搭乗可能人数、航続距離、そして既存の法規制といったさまざまなハードルがあり、それらをひとつひとつ解決潰していかねばなりません。先行する企業に遅れての参入はホンダにとってハンデかもしれませんが、ホンダにはすでに小型ジェット機の開発実績・技術があり、それをeVTOLにも応用できると考えられます。

一方「Hondaアバターロボット」については多指ハンドと独自のAIサポート遠隔操縦機能を組み合わせたものになり、利用者はわざわざ遠隔地に出向くことなく、VRヘッドセットとグローブを通じてアバターロボットの視覚と触覚を借りて作業ができるようになるとのこと。たとえば、多指ハンドを通じて人が使う道具を使いこなし、AIサポートによって複雑な作業も直感的な操作で正確に行えることを目指すとしています。

このロボットはASIMOをベースに改良を加えたものになるとしており、2024年第1四半期末までに技術実証実験を行う計画。そのための第一歩としてはASIMOの手をもっと小さくしつつ、物を掴む力を向上させるための開発を行うとのこと。

さらにもうひとつ、ホンダは宇宙開発にもその守備範囲を拡げようとしています。「燃焼・誘導制御技術、燃料電池技術、ロボティクス技術といったHondaならではのコア技術」を活かし、月面で利用可能な循環型再生可能エネルギーシステムの構築を検討しています。

このシステムでは、太陽光など再生可能エネルギーとして得た電力を使って、液体の水を電気分解し、水素と酸素を生成します。これを燃料電池で使用して発電すると同時に月面の居住施設に酸素とロケットの燃料にもなる水素を供給します。

ホンダが「空飛ぶハイブリッドカー」「アバターロボ」「月面循環エネルギーシステム」「再使用型小型ロケット」など新領域に挑戦

©JAXA/Honda

ほかにも、ホンダは若手技術者の発案をきっかけとした小型ロケットの開発にも取り組むことを明らかにしました。これは地球低軌道への小型人工衛星の打上げを目標とするとのことです。JAXA/Honda

(Source:HondaEngadget日本版より転載)

【コラム】プライバシーを侵害しないモビリティデータの共有

近年、米国の各都市では、歩道に電動スクーターや自転車が並んでいるのがよく見られるようになった。

電動スクーターの市場規模は、2025年には400億ドル(約4兆4500億円)を超えると予想されており、米国人は2010年以降、3億4200万回以上もシェアサイクルや電動スクーターで移動している。

マイクロモビリティサービスは、潜在的に機密性の高いユーザーの正確な位置情報を含む大量のモビリティデータを生成する。モビリティサービスから得られるデータは、交通政策やインフラ政策の指針となる貴重でタイムリーな情報を提供するが、企業間や政府機関との間で機密性の高いモビリティデータを共有するには、まずプライバシーや社会的信用の問題が解決されなければ正当化することはできない。

革新的なモビリティオプションは、交通機関の隙間の移動に関するラストマイル交通問題を解決する機会を都市に提供しており、これらのサービスから得られるデータはさまざまな生産的な用途がある。

これらのサービスから得られるデータは、都市計画者が利用者の安全を確保するために、保護された自転車レーンなどの交通改善を設計するのに役立つ。また、モビリティデータにアクセスすることで、地域の支援者や政府関係者は、特定の地域にどれだけのモビリティデバイスがあるかをほぼリアルタイムで知ることができ、その地域が過密状態やサービス不足にならないように制限を設けることができる。また、これらのデータは、企業と市政府間のコミュニケーションを効率化し、モビリティサービスが都市のイベントや緊急事態に迅速に対応することを可能にする。

しかし、デジタル化されたモビリティサービスが収集し、政府との共有を要求できるデータの粒度と量については、プライバシーに関する確かな懸念がある。

例えば、ロサンゼルス市交通局とロサンゼルス市を相手取った最近の訴訟では、市がMobility Data Specificationを通じて電動スクーターの走行データを収集していることが、米国憲法修正第4条とカリフォルニア州電子通信プライバシー法に違反していると主張している。下級裁判所はこの訴訟を棄却したが、電子フロンティア財団と北カリフォルニアおよび南カリフォルニアのアメリカ自由人権協会(ACLU)は最近、連邦控訴裁判所にこの訴訟の復活を求めている。

さらに、最近カリフォルニア州議会に提出された法案では、モビリティデータを公的機関や契約者と共有する前に、特定の条件を満たすことが求められている。この法案では、データを共有できるのは、交通計画を支援するため、または利用者の安全を守るために限られている。また、この法案では、共有できる移動データは24時間以上経ったものでなければならないとしている。

ほぼリアルタイムの位置情報データは、安全性や規制強化の目的を果たすために必要とされることが多いが、このデータは個人の生活の親密な部分を明らかにする可能性があるため、非常にセンシティブなものである。位置情報データのパターンは、個人の習慣、対人関係、宗教上の慣習などを示す可能性があるからだ。

特定の個人やデバイスに関連付けられた位置情報データを「非識別化」することが可能な場合もあるが、正確な位置情報の履歴を持つデータセットを完全に匿名化することは非常に困難だ。大人数のパターンを高度に集約した位置情報データであっても、意図せずにセンシティブな情報が漏えいする可能性はある。

2017年には、フィットネスアプリ「Strava」のユーザーの動きを示す「グローバルヒートマップ」によって、機密扱いの場所に配置されている軍人の位置情報が誤って公開された。位置情報データは、たとえ非識別化または集計されたものであっても、データが保護され、非公開であることを保証するために、チェックとコントロールの対象であるべきだ。

地方自治体やモビリティ企業は、ユーザーのプライバシーに関するこうした問題に真剣に取り組んでいる。この数カ月間、Future of Privacy Forumは米国自動車技術者協会(SAE)のMobility Data Collaborativeや官民の関係者と協力して、プライバシーに配慮した方法でモビリティデータを共有したいと考えている組織が考慮すべき点に焦点を当てた、交通機関に合わせたプライバシー評価ツールを作成した。

モビリティデータ共有アセスメント(MDSA)は、官民を問わず、組織がデータ共有のプロセスにおいて、慎重かつ綿密な法律とプライバシーの検討を行うための運用ガイダンスを提供する。このツールを使ってモビリティデータを共有する組織は、モビリティデータ共有契約の設計に、プライバシーと公平性への配慮を組み込むことができる。

MDSAの目的は、個人のプライバシーを保護し、地域社会の利益と公平性を尊重し、一般市民への透明性を促進する責任あるデータ共有を可能にすることだ。オープンソースで、相互運用性があり、カスタマイズ可能で、ガイダンスを含む自主的なフレームワークを組織に提供することで、モビリティデータの共有に対する障壁を減らすことができる。

これはMDSAツールの最初のバージョンであり、特に地上のモビリティデバイスと位置情報に焦点を当てている。電動スクーターなどのモビリティ・ビークルには車載カメラが搭載されていて、将来的には、MDSAがモビリティデバイスによって集められたイメージやビデオについてのガイダンスを追加することも可能だ。

MDSAツールはオープンソースでカスタマイズ可能なので、この種のモビリティデータを共有する組織は、画像を含むセンサーやカメラのデータを共有する際のリスクとメリットを考慮して編集することができる。

マイクロモビリティサービスは、仕事、食料、医療へのアクセスを向上させる上で重要な役割を果たす。しかし、企業や政府機関がモビリティデータを他の組織と共有する際には、共有するデータの精度、即時性、種類など、考慮すべき複数の要素がある。企業は、バイアスの可能性を考慮した上で、これらの要素を、慎重かつ構造的に評価しなければならない。

それが、都市をより安全かつ迅速に移動できるよう、短期的にはサービスのメリットを最大化し、長期的にはインフラを構築する、モビリティデータの活用の鍵となる。

編集部注:執筆者のChelsey Colbert(チェルシー・コルベール)氏はFuture of Privacy Forum(FPF)のポリシーカウンセル。自動運転車、ライドシェアリング、マイクロモビリティ、ドローン、配送ロボット、モビリティデータ共有などを含むモビリティと位置情報に関するFPFのポートフォリオを担当している。

画像クレジット:Anna Lukina / Getty Images

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(文:Chelsey Colbert、翻訳:Yuta Kaminishi)

GMが新しいソフトウェアプラットフォーム「Ultifi」を2023年から生産される次世代車に搭載

General Motors(ゼネラルモーターズ)は「Ultifi(アルティファイ)」と名付けられた新しいエンド・ツー・エンドのソフトウェアプラットフォームを、2023年から生産が始まる次世代車両の一部に搭載すると発表した。これにより、ドライバーがサブスクリプションで提供される車載機能を利用したり、無線アップデートを使って新しいアプリケーションやサービスを導入することが可能になるなど、広範囲にわたるさまざまな機能を提供できるようになると、同社の経営陣は述べている。

このソフトウェアプラットフォームによって、オーナーは車両の全体の機能やセンサーにまでアクセスできるようになる。例えば、後部座席に子どもがいることをカメラが検知すると、自動的にチャイルドロックが作動するように設定できる。また、ドライバーはUltifiを介して、ハンズフリー運転が可能なGMの先進運転支援システム「Super Cruise(スーパークルーズ)」などのサブスクリプションサービスを利用することができる。

関連記事:GMがアップグレードした自動運転支援システムSuper Cruiseを2022年に6車種に搭載へ

「これは、当社のソフトウェア戦略における大きな次のステップです」と、GMのソフトウェア定義車両担当VPであるScott Miller(スコット・ミラー)氏は、プレスブリーフィングで語った。「今日の自動車はソフトウェアによってさまざまなことが可能になっています。Ultifiではソフトウェアによって自動車が定義されることになるでしょう」。

Ultifiの機能は、GMの「Vehicle Intelligence Platform(VIP、ビークル・インテリジェンス・プラットフォーム)」上に組み込まれる。VIPは、車両のデータ処理能力を向上させるハードウェア・アーキテクチャーで、これを採用したモデルではすでに無線によるソフトウェアアップデートが利用できるが、Ultifiでは車載モジュールが1つのプラットフォームに集約されるため、より迅速なアップデートが可能になるという。

Ultifiは、GMの一部のインフォテインメント・システムに搭載されている「Android Automotive(アンドロイド・オートモーティブ)」OSとともに組み込まれることになる。なお、車載システムのOSとしての役目を担うAndroid Automotiveは、OS上で作動する副次的なインターフェイスである「Android Auto(アンドロイト・オート)」とは別物だ。UltifiとAndroid Automotiveの役割の違いは、機能と可用性にある。「Android Automotiveは、車内における機能の一部を提供するものです」と、ミラー氏は説明する。「Ultifiは、より全体に渡るアンブレラ戦略です」。

Androidと同様に、Ultifiも開発者向けのプラットフォームとして広く使われているLinux(リナックス)をベースにしている。GMがLinuxを選択した理由について、ミラー氏は「ある時点で、私たちは本当にこれをオープンにしたいと思っています」と述べ、将来的にはサードパーティの開発者が車内アプリを作成できるようにしたいと語った。

まだ開発中のUltifiは、2023年より展開を開始する予定であり、利用できるのはそれ以降に生産される車両に限られる。システムの要求する処理能力を車両が備えている必要があるからだ。ミラー氏によれば、スマートフォンに異なる購入プランが用意されているように、消費者は車両を購入するか、あるいはいくつか用意されるアクセスプランを購入するか、選べるようになるという。つまり、価格も購入プランもさまざまということだが、GMは具体的な内容を説明しなかった。また、同社はこの新しいプラットフォームがどのくらいの収益をもたらす見込みであるかということも明らかにしなかった。

今回のGMの発表は、大手自動車メーカーが新型車をこれまで以上にコネクテッドにするために行っている最新の動きの1つである。ゼネラルモーターズとFord(フォード)の両社は、ソフトウェアやサブスクリプションサービスによる収益機会について議論を重ねている。Ultifiはこれらの事業を構築するためのさらなるステップだ。

「私たちは自動車から離れようとしているわけではありません」と、ミラー氏はいう。「私たちは事業を拡大しているのです。他のアプリケーションのために、技術を拡張・活用する新しいビジネスラインの創出は、我々のコアの代わりになるものではなく、(コアに)追加されるものです」。

画像クレジット:GM

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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

ジープが新型グランドチェロキーのプラグインハイブリッド車を発表、電気のみで約40kmを走行可能

公約通り、Jeep(ジープ)は米国時間9月29日、「Grand Cherokee(グランド・チェロキー)」初のプラグイン・ハイブリッド車に関する詳細を明らかにした。この「Grand Cherokee 4xe(グランド・チェロキー・フォーバイイー)」は、2022年初頭に北米のディーラーに並ぶことをジープは認めている。そしてその性能は期待以上と言っていいだろう。電気のみで25マイル(約40km)の距離を走行可能、といっても必ずしも毎日の通勤をすべてカバーできるわけではないかもしれないが、ジープは2.0L直列4気筒ガソリンエンジンに火を入れなくても、坂道をぐんぐん登っていける、荒削りだが目的に適ったPHEVであることを約束している。ちなみにガソリンも使った場合の航続距離は440マイル(約708km)となっている。

電気のみによる走行の他に、エンジンとモーターを組み合わせて最適なパフォーマンスを発揮する「ハイブリッド」モードや、容量17kWhのバッテリーをなるべく残しておくために、エンジンを優先的に使用する「eSave」モードを選択することもできる。

車内にも期待通り、多くの新しいテクノロジーが採用されている。前席と後部座席の前に備わる10インチのディスプレイには、Amazon Fire TV(アマゾンファイヤーTV)が組み込まれており、つまり移動の間、後席の子どもたちはPrime Video(プライム・ビデオ)を観ていられる。車載インフォテインメント・システムには「前世代より5倍も速い」という最新の「Uconnect 5」を採用。無線アップデートにも対応している。

4xeを含む新型グランド・チェロキーは、電子制御式セミアクティブ・ダンパーを採用したエアサスペンションを装備し、オフロード走行性能が向上した。路面状況から全輪駆動が必要ないと車両が判断した際には、前輪の駆動力が自動的に切り離され、駆動装置の抵抗を軽減させて燃費を向上させる。オプションの「Active Driving Assist(アクティブ・ドライビング・アシスト)」システムを使えば、ハンドルに手を置いて道路を注視している限り、半自動運転が可能だ。ジープによれば、グランド・チェロキー4xeのプラグインハイブリッド・システムは、1基の内燃エンジンと2基のモーターの組み合わせで、最高出力375馬力(280kW)と最大トルク637Nmを発生し、最大6000lbs(2720kg)の牽引力を発揮するという。

グランド・チェロキー4xeには、Limited(リミテッド)、Trailhawk(トレイルホーク)、Overland(オーバーランド)、Summit(サミット)、Summit Reserve(サミット・リザーブ)という4種類の仕様が設定されるが、いずれも価格はまだ明らかにされていない。しかし、これがジープ・ブランドにとって重要な車であることは、すでに明らかだ。ジープを傘下に収めるStellantis(ステラティス)は、ライバル企業に追いつくために電動化を競っており、2025年までにすべてのSUVに完全電気自動車バージョンを投入する計画を掲げている。プラグインハイブリッドは、それに向けた重要な第一歩である。

編集部注:本稿の初出はEngadget。執筆者Jon FingasはEngadgetの寄稿ライター。

画像クレジット:Jeep

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(文:Jon Fingas、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

自動車業界の競技プログラミング、自動走行車を制御し走行タイムを競う「第3回自動運転AIチャレンジ」エントリー開始

自動走行車によるサーキット走行タイムをオンライン・シミュレーター上で競う「第3回自動運転AIチャレンジ」エントリー開始

公益社団法人自動車技術会は9月27日、CASE(コネクテッド、自動化、シェアリング、電動化)の推進が急がれる自動車業界を担う、AIおよびIT人材育成を目的とした「第3回自動運転AIチャレンジ(2021シミュレーション)」大会の参加者募集を開始した。「第3回はオンライン環境における自動運転車のシミュレーション競技とし、コンピューターサイエンス、AI、ソフトウェアや情報処理に関わる技術者・研究者・学生等のチャレンジの場、また学習機会を提供致します」とのことだ。

シナリオやルールなどの詳細は10月12日に発表されるが、参加者は、課題に沿ってソースコードを構築し、ローカルでシミュレーションを行い改良を重ねた後、11月2日から12月17日まで、オンラインシミュレーター上で競技を行う。

まだ詳細は明らかにされていないが、公式サイトで公開されいてる2020年の「第2回自動運転AIチャレンジ」のオンライン表彰式の動画を見ると、シナリオの説明や受賞者のシミュレーション映像があり、どんな感じのものかがわかる。シミュレーションには自動運転システム用のオープンソースソフトウェア「Autoware」と、自動運転シミュレーターLGSVL Simiulatorが使われている。

自動走行車によるサーキット走行タイムをオンライン・シミュレーター上で競う「第3回自動運転AIチャレンジ」エントリー開始

Indianapolis Motor Speedway(全長約4km)

応募概要

  • 開催日程:2021年11月2日〜12月17日
  • 競技内容:オンラインシミュレーター上のシナリオを走破できるソースコードを作成、自動運転車両を制御しサーキット走行タイムを競う(スタート地点からゴール地点までの時間を競うタイムアタック)
  • 参加資格:制限なし
  • 参加費:無料

エントリーはこちらから

自動走行車によるサーキット走行タイムをオンライン・シミュレーター上で競う「第3回自動運転AIチャレンジ」エントリー開始

GMの電動配送トラック部門「BrightDrop」が中型バンを発表、最初の顧客はVerizon

General Motors(GM、ゼネラルモーターズ)の配送トラック事業部門であるBrightDrop(ブライトドロップ)は、同社が商業・配送分野のラストマイルに焦点を当てる中、猛烈な勢いで売り込みを続けている。米国時間9月28日、BrightDropは2番目となる運搬車両をラインアップに加えることを発表した。予定されている最初の顧客は通信の巨人Verizon(ベライゾン)だ。

さらにGMは、主力車種のEV600バンの最初の量産準備が完了したことを発表した。FedEx(フェデラルエクスプレス)は年内に車両の受け取りを開始する(注文数は500台)。会社の歴史上最速の車両販売プログラムだとGMは声明で言った。

同社はEV600の2番目の顧客としてMerchants Fleet(マーチャンツ・フリート)を獲得しており、同社は2月に1万2600台購入すると発表している。

そしてVerizonは、新しい中型車EV410を現場保守とサービス部隊の一部で使用する。Verizon、GMともに発注の規模は明らかにしていない。

新しいバンは、積載容量400立方フィート(11.3立法メートル)で車体の全長は20フィート(6メートル)弱。GMはこの車両について、都市部などの混み合った場所で、特にオンライン食料品配達や通信保守業務などを行うのに適しているという。

同社は、EV600を使うことで車両管理部門は内燃機関車と比べて年間7000ドル(約78万円)節約できるという。

2車種とも、同社のUltium(アルティウム)バッテリープラットフォームを使用しており、航行距離は250マイル(402km)、重量は1万ポンド(4.5トン)以下。EV410はEV600に続いてカナダ、オンタリオ州インガーソルにあるGMのCAMI組立工場で製造される。GMは初期の少数生産についてはミシガン州の米国サプライヤーと提携するという。CAMI工場が2022年11月からのEV600増産への転換を行うためだ。

画像クレジット:General Motors

2021年初めのBrightDropの発表は、商業・デリバリー分野のラストマイル確保を進めるGeneral Motorsの市場機会の多様化に対する関心の強さを表わすものだった。そのために同社は、CAMI工場をカナダ初の電動デリバリー・バン製造施設に転換するために、約10億カナダドル(約879億円)を投資すると語った。

貨物・デリバリー向け電動車分野がGMをはじめとする自動車メーカーにとって膨大な機会であることは間違いない。Verizonは、FedExやUPSなどと同様、事業による炭素排出量の削減さらには完全除去を目指す多くの企業の1社だ。

画像クレジット:General Motors

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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Nob Takahashi / facebook

トヨタ傘下のウーブン・プラネットが先進的な車両OS開発加速のため米Renovo Motorsを買収

トヨタ自動車の子会社であるWoven Planet Holdings(ウーブン・プラネット・ホールディングス)は、自動運転のような未来の交通技術への投資、開発、そして最終的には市場への投入を目指して、1年足らずで3件目の買収を行った。

今回の買収対象は、2015年にスタンフォード大学と共同開発した自動運転のデロリアンが自律的にドリフト走行をする動画を公開して大きな話題となった、シリコンバレーに拠点を置く自動車向けOS開発企業のRenovo Motors(レノボ・モーターズ)だ。買収の条件は公表されていない。Renovoはシリコンバレーのオフィスを維持し、1240人の従業員を持つウーブン・プラネットの事業に統合される。

ウーブン・プラネットは、2021年初めに高精度マップ生成スタートアップのCarmera(カーメラ)や、Lyft(リフト)の自律走行部門であるLevel 5(レベル5)を買収したが、Renovoを買収したのは、AVドリフトの技術のためではない。同社はRenovoの車両OSに興味があり、それが自社の取り組みを加速させるのに役立つかもしれないと考えているのだ。

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Renovoは、自動運転や地図、その他のモビリティサービスに関連するアプリを車内で動作させるためのOSを開発した。同社の「AWare OS」は、Google(グーグル)のAndroidが、スマートフォン市場でアプリ開発者がサービスを提供できるようにするのと同じような仕組みになっている。またある意味、Amazon Web Services(AWS)が提供するオンデマンドのクラウドコンピューティングプラットフォームと比較することもできる。このミドルウェアは、セキュリティを犠牲にすることなく柔軟に設計されており、他の企業がソフトウェアを展開するためのプラットフォームを提供する。

急成長し、今では統合されつつある自律走行車業界の中で、わずか30人の従業員を抱えるRenovoは小さな存在だった。しかし同社のOSは、Cruise(クルーズ)に買収されたVoyage(ヴォヤージュ)をはじめとする多くのAV開発者の注目を集めた。また、Verizon(ベライゾン)をはじめとする複数の投資家を惹きつけた。

Renovoの共同創業者兼CEOであるChris Heiser(クリス・ハイザー)氏は、最近のインタビューでこう語っていた。「Renovoが開発したIPは、自動車メーカーが将来やりたいことの中核をなすものだと認識されるようになってきたと思います。このような関係を構築し、どのようにして規模を拡大するのかを理解しようとしたとき、巨大な規模を実現するためには、自動車メーカーのリソースと後ろ盾を持ち、何百万台もの車を発売できるパートナーを見つけなければならないことが次第に明らかになりました」。

ウーブン・プラネットは、RenovoのOSを、2025年までに市場に投入する予定の自社のオープンな車両開発プラットフォーム「Arene」の商業化を支援する手段と考えている。

ウーブン・プラネット・ホールディングスは、トヨタ・リサーチ・インスティテュート・アドバンスト・デベロップメント(Toyota Research Institute – Advanced Development, Inc.、TRI-AD)を傘下に置き、投資部門であるウーブン・キャピタル(Woven Capital, L.P.)と、相互接続されたスマートシティの実験都市であるウーブン・シティ(Woven City)を運営している。トヨタ自動車は2月、富士山の麓に位置する裾野市の東富士工場跡地に着工した。

2021年初め、ウーブン・キャピタルは、8億ドル(約893億円)規模の戦略的ファンドを立ち上げるにあたり、自動運転配送車両のNuro(​​ニューロ)への投資を発表した。

画像クレジット:Renovo

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Aya Nakazato)

フォードとSKが1.27兆円をかけEVとバッテリーに特化した2つの製造キャンパスを米国に建設

Ford Motor Company(フォード・モーター)とバッテリー製造メーカーのSK Innovation(SKイノベーション)は、114億ドル(約1兆2680億円)をかけてテネシー州とケンタッキー州に巨大工場キャンパスを建設し、バッテリーおよび次世代電動トラックのF-Seriesを製造する。このプロジェクトは1万1000人分の新たな雇用を生む、と両社は述べている。

2つのキャンパスに入る施設は、バッテリーセルの製造とサプライヤーパークへのリサイクルから組み立て工場まで、電気自動車を作るエコシステム全体を網羅するようにデザインされている。Fordは同プロジェクトに70億ドル(約7790億円)を投資しており、同社118年の歴史の中で、単独の製造プロジェクトにおける最大の金額だ。この投資は、Fordが以前発表した2025年までに電動自動車に300億ドル(約3340億円)を投入する計画の一環だ。

同社はさらに今後5年にわたりテキサス州を皮切りに全米でハイテクジョブトレーニングを行うために5億2500万ドル(約580億円)を費やす予定であることも話した。この投資はFordが今後次々と発売する電動およびつながる自動車をサポートする技術者の要請に特化している。

Fordの「メガキャンパス」計画(同社にとって世代で最初の施設)は、Mustang Mach-E(ムスタング・マッハE)、Ford E-Transit cargo van(Eトランシット・カーゴバン)やすでに15万台の予約注文が入っているF-150 Lightning pickup truck(F-150ライトニング・ピックアップ・トラック)など増え続けるEV製品群をサポートすることが目的だ。また、バッテリーのコストを1キロワット時当たり80ドル(約8900円)レベルまで下げる同社の戦略の一部でもある。

「これらの投資のタイミングは非常に重要です。なぜならバッテリー電気自動車への本格的転換はすごそこまで来ているからです」とFordの北米最高執行責任者、Lisa Drake(リサ・ドレイク)氏が米国時間9月27日のメディア会見で語った。「すでにその証拠は業界内に見られますし、今回当社自身の製品発表でも明らかになりました」。

そしてFordはEVの需要に関して強気だ。同社は2030年までにフルサイズピックアップ部門の3分の1が完全電動化すると予測している、とドレーク氏は言った。

画像クレジット:Ford

この日の発表は、Fordの来たるべきF-150 Lightningの生産能力を拡張して年間8万台の全電動トラックを製造するために2億5000万ドル(約280億円)を投入し、450人分の新たな雇用を創成する計画をはじめとする一連の投資計画に続くものだ。新たな資金と雇用はミシガン州、ディアボーンのRouge Electric Vehicle Center(ルージュ電気自動車センター)、Van Dyke Electric Powertrain Center(バンダイク電動パワートレインセンター)、およびRawsonville Components Plant(ローソンビル部品工場)の3カ所に振り分けられるとFordはいう。

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フォードがEV普及に向け、バッテリー原料リサイクル企業のRedwood Materialsと提携

今回の発表は、FordがRedwood Materials(レッドウッド・マテリアルズ)との提携によって、製造スクラップと終末を迎えたEVのリサイクル、およびバッテリーの原材料を供給するクローズドループシステムを作る計画を発表してから1週間も経っていない。バッテリーやそれを作るための部品の供給を確保することの重要性は、自動車業界にバッテリーセル製造メーカーとの提携を促し、Redwood Materialsのような会社への注目が益々高まっている。

ドレイク氏は提携の詳細として、Redwood Materialsがテネシー州メンフィス近くのいわゆるBlue Oval City(ブルー・オーバル・シティ)キャンパスにリサイクル施設を構える予定であることを付け加えた。

テネシーキャンパス

テネシー州スタントンの56億ドル(約6230億円)をかけるキャンパスは、完成すると面積、人口ともに小さな村に匹敵する。3600エーカー(1457万平方メートル)のキャンパスはクローズドループ製造センターとして作られる。つまり、製造に使用された材料が新しいEVを作るために再利用できるという意味だ。

キャンパスには、SKと提携して運用されるバッテリー製造施設、サプライヤーパーク、および電動Fシリーズトラックに特化した組立工場が作られる予定だ。バッテリー製造施設は43ギガワット時のセル容量を生産する能力をもつ。組立工場は2025年の製造開始時点からカーボンニュートラルになるように設計されている、とFordはいう。

ケンタッキーキャンパス

Fordは、ケンタッキー州中央部グレンデールに位置する同キャンパスに、双子のバッテリー工場を建設する。そこで製造されたバッテリーは、2020年代後半にFordおよびLincoln(リンカーン)の新しい電気自動車製品ラインで使用される。リチウムイオンバッテリーの製造は2025年に開始する予定だ。

この1500エーカー(607万平方メートル)のバッテリーキャンパスを、FordはBlueOvalSK Battery Park(ブルーオーバルSK・バッテリー・パーク)と呼び、約58億ドル(約6450億円)の費用をかけ、5000人を雇用する。双子のバッテリー工場はそれぞれ最大43ギガワット時、合わせて年間86ギガワット時の生産能力がある。テネシー州の第3のバッテリーセル工場を加えて、総容量は最大129ギガワット時になる、とSKの執行副社長兼マーケティング全世界責任者のYoosuk Kim(ユースク・キム)氏は説明した。

全体では100万台の電気自動車を駆動するのに十分な容量だとドレイク氏は言った。

以前Fordは、同社のバッテリー電気自動車の世界計画のためには2030年までに240ギガワット時のバッテリーセル容量が必要だという。これはおよそ工場10カ所分の容量だ。また同社は、北米には140ギガワット時が必要であり、残りをヨーロッパ、中国など他の地域に割り当てるとも語っていた。

画像クレジット:Ford

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Nob Takahashi / facebook