SoftBankのUberへの巨額投資、間もなく完了――株式公開買付の成功が報じられる

ここしばらく大きな話題になっていたSoftBankのUberへの投資がほぼ完了した。

Wall Street Journalによれば、 SoftBankがリードする投資グループがUber株式の15%前後を所有する手続きが、早ければ太平洋時間の今日(米国時間1/28)にも完了するという。

発行済株式を株主から買い上げる取引については、総額は480億ドルとなるもようだ。Uberが前回ベンチャーキャピタルから資金を調達した際の会社評価額をベースにした場合、株式の額は690億ドルだったはずで、SoftBankの取得価格は大幅な割引となった。これと別にSoftBankらはUberに直接10億ドルを投資するが、こちらは690億ドルの会社評価額をベースとしている。

Uber社員やBenchmark Capital、Menlo Venturesなど、初期から投資を行っていたベンチャーキャピタルはSoftBankに所有する株式を売却するものとみられる。これによって現在まで「ペーパーマネー」に過ぎなかったものがキャッシュに置き換わるわけだ。Uberは現在まで株主に株式の売却を原則として禁じていた。

UberとSoftBankはこの件に関するコメントを避けた。

SoftBankの投資が完了すればBenchmarkはUberの元CEO、トラビス・カラニックへの訴えを取り下げる。この訴訟はカラニックが取締役会の決議を経ずに取締役を任命する権限があるかどうかを巡って提起されていた。

カラニックはUberに対して社会的批判が高まったのをうけて6月にCEOから退いた。Uberは性的差別やハラスメントを容認する企業文化があったとして非難されてきた。また、Googleの親会社Alphabetグループが所有するWaymoから自動運転テクノロジーを盗んだとして巨額の特許訴訟を起こされている。

今回の株式公開買付ではSoftBankが唯一のメンバーというわけではなく、このグループにはDragoneer Investment Groupが含まれている。先月TechCrunchが報じたとおり、Sequoia Capital、Tencent、TPGなど他の投資家もUber株式の買い付けに興味を示していた。

画像:: ANTHONY WALLACE/Getty Images

〔日本版〕Reitersが報じたところによれば、Wall Street JournalはUberの株主は同社の20%程度を所有しているとしている。これが事実ならSoftBankグループは公開買付の成功でUberの20%を所有することになる。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

血液検査バイオのTheranos、1億ドルの資金を借り入れ――投資会社はSoftBank傘下

バイオのスタートアップ、Theranosが1億ドルの資金を借り入れることに成功した。画期的新方式の血液検査を提供するという触れ込みで登場したものの、検査結果に深刻な疑問が突きつけられて苦闘している会社に投資者が現れた。

最初に報じたのはBusiness Insiderで、Theranosへの投資家はニューヨークに本拠を置くFortress Investment Groupという未公開株式投資会社だという。同社は今年初めにSoftbankに買収されている

もちろん今回の資金調達は借り入れで増資ではないが、今年、人員の半数以上を解雇し、さらに赤字を拡大しているTheranosは運転資金を切実に必要としていた。

一滴の血液だけで200種もの疾病を検査できると主張して登場したTheranosは一時、シリコンバレーの寵児となり、会社評価額90億ドルを記録した。しかし肝心の検査結果が疑わしいことが報じられて一気に転落し、いくつもの訴訟を起こされ、連邦機関による調査の対象にもなった。共同ファウンダー、CEOのエリザベス・ホームズは自社のラボに関与することを禁じられた。ラボは閉鎖され、会社はいわばピボットを余儀なくされた。Theranosは主力業務を血液検査サービスの提供からジカ熱感染を探知する装置の製造に切り替えた。

同社はこのトラブルのせいで2015年以降資金調達ができないままだった。昨夜(米国時間12/23)、ホームズは投資家に対し、「2018を通して運営を可能にする資金を確保した」と説明したという。

Buisiness Insiderの記事によれば、この借入には、いくつかの条件が付帯しており、Theranosは所定の成果を上げることが求められると同時にFortressはTheranosの持ち分の4%のを得たということだ。

ホームズの投資家への書簡には、品質管理やコンプライアンスなどを含め、Theranosを再び軌道に乗せるためにこの1年実施してきた改革の概要が示されている。Theranosは訴訟のいくつかで和解し、ラボの実態を調査していた連邦機関、CMS(Centers for Medicare and Medicaid Services)とも和解したという。書簡でホームズは近くラボを再開できることを期待していると述べている。

ホームズはTheranosは1年半から2年以内にジカ熱テスト装置の販売ができるとしている。これは2016年に事業をピボットして以来一環して主張してきたスケジュールだ。

ホームズはまた個人向けにカスタマイズされたセンサー・システムを用いてラボによる検査業務も復活させることも期待している。Theranosはこの分野で多数の特許を保有している。

こうした一連の動きはもちろんTheranosにとってグッドニュースだ。しかし本当の問題はTheranosが公衆の目から見て一度地に落ちたイメージを回復できるかどうかだろう。われわれはTheranosが本当に復活しつつあると信じられるだろうか? ともあれ2018年の運営資金を投じたFortessはそう信じたようだ。

このニュースはクリスマスの週末という時期に飛び込んできた。同社がこれ以上の詳細を発表する意思があるとしても、それはかなり先になりそうだ。 ただしわれわれはTheranosにコメントを求めておいたので、何か判明すればアップデートする。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

オープンソースの分散グラフデータベースDgraphが$3Mを調達しv.1.0にやっと到達

【抄訳】
このところ人気が盛り上がっているDgraphは、オープンソースの分散グラフデータベースで、デフォルトのクェリ言語としてFacebookのGraphQLをベースとする同社独自のGraphQL+-を使用する。今日(米国時間12/19)同社は、Bain Capital Venturesらから300万ドルの資金を調達したことを発表した。そのほかの投資家として、Atlassianの協同ファウンダーMike Cannon-Brookes, Blackbird Ventures, AirTreeなどの名が挙げられている。同社はこれを機に、その主製品であるデータベースがバージョン1.0に達したことを発表した。なお、300万ドルという額面には、昨年のシード資金110万ドルも含まれている。

DgraphのファウンダーManish JainはこれまでGoogleでWeb検索と知識グラフ(ナレッジグラフ)プロジェクトを担当していた。【中略】〔資金調達の経緯〕

Jainによると、グラフデータベースは長年、既存のリレーショナル・データベースを補完する二次的なデータベースとみなされていた。しかし最近では、アプリケーションがますます複雑になるにつれて、いろんなものともののあいだの、大量の関係を表現し追跡する必要性が生じてきた。となると当然、グラフデータベースの出番だ。Jainの予想では、今後ますます、多くの企業がDgraphのようなプロダクトをメインのデータ格納庫として使用するようになるだろう。グラフデータベースは、速さでリレーショナル・データベースに負けないだけでなく、いろんな形の関係性を表現できる柔軟性があるからだ。

DgraphがNeo4などの競合製品より優れているとJainが信ずるのは、それが最初から分散データベースとして構築されているからだ。投資家も同意見で、Bain Capital Venturesの専務取締役Salil Deshpandeは、昨年同社のシードラウンドに参加したとき、こう述べた: “今あるグラフデータベースは本物の分散ではない。それらはノードが一つなら立派に動くが、ノードが複数になると、いろんなアーキテクチャ的ハックに頼らなければならないから、スケールしない”。

Dgraphのプロジェクトは2015年にスタートし、これまでバージョン1.0に達していなかったが、それでもかなりの数のデベロッパーがプロダクションで(本番で)使ってきた。現在のユーザーは、ゲームサービス、広告、フィンテック企業などで、ユースケースは不正ユーザーの検出などだ。このほか、検索エンジンやIoT、医学研究、機械学習、AIなどのユースケースも多い。

Jainによると、プロジェクトをオープンソースにしたのは熟考を重ねた結果だ。Apacheライセンスにしたのは、エンタープライズユーザーに受けが良いからだ。彼によると、このようなプロジェクトが十分な採用数に達するためには、オープンソース以外の道はない。“Uberが使い始めたら、新しいユーザーがどっと増えるだろうね”、と彼は言う。

収益源としては、近くリリースするDgraphのエンタープライズバージョンが軸だ。それはクローズドソースで、同社がホストするバージョンだ。Jainは冗談半分で、それぞれの顧客のそれぞれ独特な環境の面倒をいちいち見てあげるよりも、サービスをこっちでホストした方が楽だ、と言う。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

SoftBank、Lemonadeの1.2億ドルのラウンドをリード――不動産損保投資にはGV、Sequoiaも参加

SoftBank Groupはやっと不動産事業でテクノロジーに投資する気になったようだ。

44億ドルをWeWorkに投資したSoftBankだが、この会社は本質的にオフィス・スペースの短期賃貸業務だ。4億5000万ドルを投じた Compassは金持ちのためのZillowだろう。しかし日本の巨大投資会社が今回リード1億2000万ドルの投資ラウンドをリードした対象はLemonadeだ。これは家屋の賃貸者と居住者の双方に保険を提供するスタートアップだ。

既存投資家、Alphabetの投資会社GV、有力ベンチャーキャピタリストのGeneral CatalystとSequoia Capitalも今回のラウンドに参加した。

損保業務というのは非常に難しいビジネスで、データサイエンスのための広汎なデータ、業務を成り立たせる顧客数を必要とする。Lemonadeはスマートフォン時代の新しいテクノロジーと市場の状況を利用してゼロから新らたに損保業務に参入する企業のパイオニアの1つだ。

Lemonadeの保険約款策定業務の大部分はチャットボットを利用したコンピューター処理によって自動化が図られている(AI利用かどうかについては明言できない。なるほど複雑な業務であるが、単に効率的なアルゴリズムかもしれない)。

まずこの点で大幅なコストダウンが図られている。しかしLemonadeはまた保険契約者が損害請求を当って正直に申告することを動機づける興味あるビジネスモデルも採用している。ユーザーはアプリから保険契約を行う際、まずお気に入りのチャリティー団体を選定する。保険請求を行わなかったことによって生じた期末の利益の一部はこチャリティー団体に寄付されるという仕組みだ。

つまりユーザーは保険契約から生じた利益が、どこかの顔のない企業役員のボーナスを増やすのに消えるわけではなく、自分の支持するチャリティーを後押しするために使われると知っていれば、苦労して請求額を水増ししようとしなくなるだろう、というわけだ。

Lemonadeによれば、同社は今回調達した資金を「史上初の消費者の方を向いた保険会社として、こうした業務を世界に拡大するために利用する」ということだ。また2018年には新たな保険商品を開発して顧客に提供していくという。ただしLemonadeが進出を予定していない分野の一つは自動車保険だという。CEOのDaniel Schreiberによれば「確かに巨大な興味ある市場だが、条件が厳しすぎる」とのことだ。

「Lemonadeはすでに9万件の保険契約を持っており、保険の対象の物件の総額は数十億ドルに達する」とSchreiberは述べた。

長年無風だった損保市場にTrōvCoverHippoSwyfftなど、最近多数のスタートアップが参入を試みている。

SoftBank Groupの上級投資専門家、David Thevenonは「ビッグデータとAIをシームレスに結合して新たなユーザー体験を創出することによってLemonadeは損保業界に本当の革命を起こそうとしている」と声明に書いている。

ただしSoftBankの広報担当者は、「投資が完了するまで大部分の質問に対する回答を保留する。また当社の投資専門家は出張中のため現在コメントできない」と述べた。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook <A

Webサイトビルダーの老舗Squarespaceが巨額$200Mを調達、評価額は$1.7B

誰もが容易に自分のWebサイトを作れる、いわゆるWebサイトビルダーSquarespaceは、創業から14年の老舗だが、今General Atlanticからの約2億ドルの資金調達を進めている。Bloombergによると、同社の評価額は17億ドルである。この資金調達プランと並行して、初期の社員や投資家から株を買い上げる計画もある。それにより、IPOを待たずして流動化(現金化)の機会が彼らに与えられる。

Squarespaceはずっと黒字企業で、今年の売上は前年比50%増の約3億ドルになる見込みだ。同社の大型ライバルで上場企業のWixは、今年の売上予測が4億2400万ドルだ。

Squarespaceは、同社が作ったWebサイトの上で顧客が製品を売れるようになったら、上場してもよい、と考えているらしい。つまり、しかりとしたコマース機能のあるWebサイトを、顧客が作れるようにする、ということだ。

CEOのAnthony CasalenaはBloombergにこう言っている: “それが目下、いちばん要望の多い機能だ。自分のブランドを作って何かを売りたい人が、多くなってるね”。

Squarespaceはこの前、General Atlantic, Index Ventures, Accelなどから7850万ドルを調達している。それに関してSquarespaceは、コメントを断(ことわ)った。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

AppleがTrueDepthコンポーネントのメーカーFinisarに3億9000万ドルを投資

AppleはFinisarに対する多額の投資を発表した。AppleはFinisarに対して、テキサス州シャーマンに70万平方フィート(約6万5000平方メートル)の新しい製造工場を建設するために、3億9000万ドルを提供する。Finisarは、iPhone Xで使われているTrueDepthカメラの中の、レーザーセンサーの開発のために新たに500人を雇用する。

今回の投資は、AppleのAdvanced Manufacturing Fundから、米国を拠点とする企業に合計10億ドルの投資を行うとしていた約束の一部である。

Appleは、Finisarは光通信コンポーネントの研究開発と大量生産の、両方に取り組むことになると述べている。最も複雑なコンポーネントは、iPhone Xの中で、Face ID、Animoji、Portraitモード、その他のフェイスマッピング技術のために使われている面発光レーザー(VCSEL)である。Finisarはまた、AirPodの中に使われている近接センサーに関する開発も行う。

AppleがなぜFinisarに投資するのかを理解するのは簡単だ。単純に、現在この分野のサプライヤーが不足しているからだ。2017年の第4四半期だけでも、同社は2016年の第4四半期に世界で行われたVCSEL生産量の、10倍以上のVCSELウエハーを購入しようとしている。そのためAppleは生産を助ける必要があるのだ。

新しい工場は、2018年後半のある時点には稼動しているはずだ。

  1. apple_amf_finisar-downtown-sherman_20171214.jpg

  2. apple_amf_finisar-gear_20171214.jpg

  3. apple_amf_finisar-laser_20171214.jpg

  4. apple_amf_finisar-technician_20171214.jpg

  5. apple_amf_finisar-worker-wafers_20171214.jpg

  6. bruce_armstrong_in_sherman_facility_20171213.jpg

  7. cicely_brown_first_female_technician_20171213.jpg

  8. finisar_technician_examines_wafer_20171213_big_carousel_large_2x.jpg

  9. finsar_wafer_20171213.jpg

  10. happy_finisar_technician_at_locker_20171213.jpg

  11. jerrod_wright_happy_finisar_technician_20171213.jpg

  12. sherman_texas_street_view_20171213.jpg

 

[原文へ]
(翻訳:sako)

マルウェア入りコンテンツをユーザーに絶対渡さないMenlo SecurityがシリーズCで$40Mを調達

Menlo Securityは、独特のやり方で企業をマルウェアやフィッシング詐欺から護る。その同社がこのほど、4000万ドルのシリーズCラウンドを発表した。

Menloは、社員たちがマルウェアのあるWebサイトやメールの本物にアクセスさせないようにして、顧客企業を護る。オリジナルは別途保存し、クリーンな写像をブラウザーに表示するから、悪いものはすべて剥げ落ちている。つまり、マルウェアがあなたに届かなければ、あなたに危害を加えることはない、という理屈だ。

CEOで協同ファウンダーのAmir Ben-Efraimは、2015年の2500万ドルのシリーズBのとき、こう説明した: “Webページやメールはすべてクラウド(パブリックまたはプライベート)に隔離する。コンテンツを隔離すれば、それは絶対にエンドポイントに到達しない。これによってマルウェアを、アーキテクチャのレベルで排除する”。

それはとても効果的なやり方なので、Ben-Efraimによると、今では数百社の顧客企業に計100万人以上のユーザーがおり、全員が今日まで無感染だ。

このような結果に、顧客も投資家も前向きに反応している、と彼は語る: “現時点で数百社の顧客がおり、その多くはGlobal 2000社だ。これまで、非常に高い増加率だった。われわれのプロダクトのねらいが、的を得ていたということだろう。過去二年間の大きな被害例を見ると、エンドユーザーがマルウェアの餌食になるケースが多かった”。

今回のラウンドには、American Express Ventures, Ericsson Ventures, HSBCなどからの戦略的投資が目立つ。また、既存の投資家も参加している: JPMorgan Chase, General Catalyst, Sutter Hill Ventures, Osage University Partners, Engineering Capitalなどだ。同社の累計調達額は、8500万ドルになる。

HSBCのサイバーテクノロジー担当Tim Dawsonによると、同社はつねにセキュリティの革新的なソリューションを捜している。彼は声明文でこう述べている: “サイバーセキュリティはわれわれの最上位のプライオリティである。脅威はたえず進化しているのでわれわれは継続的に時間とリソースをそのチャレンジにつぎ込み、クライアントとスタッフを護る革新的な方法を探求している。今回の投資も、その取り組みの一環である”。

同社の社員は今125名だが、来年中には200近くにまで増やしたい、とBen-Efraimは言う。“シリーズCは市場拡大の資金になることが一般的に多い”、と彼は語る。彼は来年以降、全世界的な営業とマーケティングチームの構築に注力していく意向だ。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

SoftBank 、Uber株買付に30%割引を提示――14%取得のために値上げの可能性も

SoftBank Groupをリーダーとする投資家はUber株式の公開買付にあたって直近の会社評価額で計算した額を30%下回る価格を提示したと事情に詳しい情報源がTechCrunchに明かした。直近の評価額は700億ドル弱とされるが、情報源によればSoftBankの提示額は32.96ドルであり、会社評価額に換算すると500億ドルとなる。

この件はBloombergが当初報じたところによると、SoftBankとUberはここ数か月にわたって直接投資及び株式公開買い付けの条件を巡って交渉を続けており、SoftBankは直接投資はUberの直近の会社評価額700億ドル弱をベースとするものの、売却済株式の買い付けについてはそれより低い価格を要求していたという。

Uberは数週間前に、SoftBankとDragoneerがリードするコンソーシアムと投資の可能性をめぐって基本合意に達したことを発表して交渉を一歩前進させている。われわれが予測したとおり、公開買付は明日から実施されるものと見られる。

直接投資と公開買付は一組のパッケージとなっており、SoftBankによる10億ドルの直接投資が実施されるかどうかは公開買付の成否にかかっている。SoftBankをリーダーとするグループはUberの14%を所有することを目標としており、そのためには90億ドル分の株式を既存の株主から買い付ける必要がある。

われわれが得た情報によると、今回の公開買付ではUber社員で少なくとも1万株をストックオプションで割り当てられた社員は売却が可能になる。また他の株主、すわなちベンチャーキャピタリスト、エンジェル投資家、以前の社員なども対象となる。

ただし売り手は「適格投資家」であることが条件となる。ベンチャー投資において買い手が「適格投資家」であることが求められるのは普通だが、売り手にこの資格が要求されるのは異例だ。具体的にいえば、Uber社員が株市を売ろうとすれば、年収が20万ドル以上であるか、住居とする不動産を除いた資産が100万ドル(これには所有する株式の価値も含まれる)以上あるかしなければならない。つまり今回株を売って儲けるにはすでに金持ちでなければならないというわけだ。

ともあれ売却の資格があるなら、これまで単に理論的価値に過ぎなかったUber株式をキャッシュに変えるチャンスが生まれたことになる。

さらにTechCrunchが得た情報では、1株当り32.96ドルの提示額で十分な株式が入手できない場合、SoftBankは14%の所有が可能になるまで値上げする可能性もあるという。

最近までUberの株主は売却を禁じられていた。しかしSoftBankからの10億ドルの投資は2019年を目標とする上場に向けてさらに会社を成長させるのに役立つはずだ。

Uberにとってはきわめて重大な局面を迎えることとなった。2017年はAlphabetの自動運転技術を盗んだとする 訴訟から各種の差別を容認する企業文化があるとの非難まで同社にとって多難な年だった。6月には共同ファウンダーのトラビス・カラニックがCEOから辞任を余儀なくされている

I今回の取引が成功すれば、取締役会にメンバーを送り込んでいるBenchmark Capitalはカラニックへの訴訟を取り下げるとしている。この訴訟は本人の分を含めて3人の取締役を任命する権限がカラニックにあるかどうかを巡って起こされていた。

カラニックは最近、Ursula Burns、John Thainの2人を取締役に任命している。SoftBankとの取引が成立した場合、もしこの2人のどちらについても、今後辞任することがあれば、カラニックは後任を任命するにあたって取締役会の承認を必要とする。

画像: Spencer Platt/Getty Images

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

SoftBank、「Uberとの交渉は継続中」と声明――100億ドル投資はまだ確定ではない

Uberは日曜日にSoftBank Groupからの投資の提案を承認したと発表した。しかしSoftBankの投資を管理するSoftBank Investment AdvisorsはCEO Rajeev Misra名で月曜日にメディア向け声明を発表し、投資はまだ確定していないと強調した。

「長期にわたる多大な努力を要する手続きを経てUberと株主はSoftBankによる同社株式の買付けの申し出を承認することとなったもようだ。しかしこのことはSoftBankが投資を決定したことを意味しない。われわれはUber投資に関心がある。しかし投資の決定は買い付け価格による。またSoftBankの〔取締役選任などに必要な〕最小限の株式持ち分割合にもよる」。

言い換えれば、株式買い付け価格はまだ決定されていないということだ。SoftBankは価格交渉が継続中であることを明確にしたかったものと思われる。同社は既存株主から90億ドル相当の株式を買い上げようとしている。

SoftBankはまた10億ドルをUberに直接投資しようとしている。これは前回のシリーズGの資金調達ラウンドの拡張という形式となる。この時点でのUberの会社評価額は700億ドル弱だった。SoftBankはUberの株式の14%の所有を求めているという。

SoftBankの月曜の声明はUberの日曜の声明に対する回答だ。SoftBank以下のように述べている。

SoftBankとDragoneer(Investment Group)が主導する投資に関して合意が得られた。この合意はUberの長期的な成長の可能性に対する強い信任の現れだと考える。この合意が正式に契約として締結されれば、SoftBankがコーポレート・ガバナンスを強化しつつテクノロジーへの投資および内外での活動を拡大することに資するものとなる。

UberとSoftBankはこの投資に関して数か月交渉を続けてきた。これほど時間がかかった理由の一つは共同ファウンダーで前CEOのトラビス・カラニックの取締役としての権限を巡って争いがあったからだ。情報源によれば、大口投資家のBenchmark Capitalはカラニックを訴えているが、SoftBankの投資が実現した場合は訴えを取り下げることに合意しているという。

この訴訟はカラニックが取締役を3名任命する権限を巡って争われている。カラニックは取締役会の同意を得ずにUrsula BurnsとJohn Thainを取締役に任命した。今後取締役が辞任すれば、カラニックは後任取締役の任命にあたって取締役会の承認を得る必要が生じる。

画像:Tomohiro Ohsumi/Getty Images

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

サウジのアルワリード王子ら汚職容疑で逮捕――テクノロジー・ビジネスに衝撃

サウジアラビアで反汚職キャンペーンの一環として王族少なくとも11人を含む多数の富豪が逮捕されたことが昨夜(11/05)報道された。この中には投資家として世界的に著名なアルワリード・ビン・タラル王子(Prince Alwaleed bin Talal)も含まれており、ビジネス界に大きな衝撃を与えたことは間違いない。

アルワリード王子は大型投資会社、キングダム・ホールディング・カンパニー(Kingdom Holding Company)のオーナーであり、世界でもトップクラスの大富豪として知られている。同王子はNews Corp.(ただし大部分の大部分の株式を売却)、Citigroup(1991年から株式所有)、衛星テレビ網に加えて多数のテクノロジー企業の大口株主でもある。

アルワリード王子とキングダム(王子が95%を所有)は2011年に初めてTwitterに投資した。これはTwitterが2015年に上場する2年前で、出資額は3億ドルだった。アルワリード王子はその後Twitterにさらに5000万ドルを投資し、持ち分を拡大している。昨年はTwitterの最大の株主の1人となっていた。

2013年にキングダムは中国のネット通販業、JD.Com(京東商城)の株式の2.5%を買収した。翌年JD.ComはNasdaqに上場し、株価はほぼ2倍になった。

アルワリード王子は昨年末、ライドシェアリンングのLyftにも投資している。これはLyftへの初期の投資家、Andreessen Horowitzとピーター・ティールのFounders Fundが所有していた株式の一部を購入したものだ。

また2015年3月、アルワリードらキングダムのトップはSnapのCEO、Evan Spiegel、同社の最高戦略責任者、 Imran Khanと投資の可能性をめぐって会談したことを発表した。ただし数か月後、キングダムに近い筋は「アルワリード王子はSnapに投資する予定はない」と語っている。

New York Timesの記事によれば、今回の逮捕は現サルマン国王の息子で最高顧問でもあるビン・サルマン皇太子への権力集中を図るためとみられる。サルマン国王は逮捕の発令に数時間先立って皇太子をトップとする反汚職委員会の設立を命じたとされる。

英国のTimesによればリヤドのリッツ・カールトン・ホテルは一時的に閉鎖された。これは逮捕された王族を収容するためのようだ。また王族らの国外逃亡を防ぐため自家用機専用空港も閉鎖されている。

昨年、アルワリード王子はビル・ゲイツが主唱し、ウォーレン・バフェットが賛同した「個人資産の大部分をチャリティーに寄付する」というGiving Pledgeに参加した。これに参加した富豪にはSalesforceのCEO、マーク・べニオフ、Airbnbの3人の共同ファウンダー(Brian Chesky、Joe Gebbia、Nathan Blecharczyk)、Intuitのファウンダー、Scott Cookらが含まれる。Timesによれば、サウジアラビアの反汚職委員会がアルワリード王子の個人資産(320億ドル)を差し押さえるかどうかは現在不明だ。

サウジ内外でMBSという呼び名で知られるモハメッド・ビン・サルマン(Mohammed bin Salman)皇太子は2015年にサルマン国王が即位し、サルマン王子を新たに皇太子に任命して以後、長兄らと激しい権力闘争を繰り広げきた。Washington Postによればリヤドはゲーム・オブ・スローンズのような空気に包まれているという。32歳になるサルマン皇太子は「サウジを近代化して救うかもしれないが、崖から突き落とすかもしれない」とささやかれているという。

先月リヤドで開催され、ピータ・ー・ティールらが参加した投資フォーラムで、MBSは「サウジアラビアを穏健なイスラム国家に戻し、〔1979年のイラン革命以前の〕有力な地位を取り戻ねばならない」と語った。

またサルマン皇太子は「サウジアラビア国民の7割は30歳以下だ。彼らは今後30年も過激主義者の下で暮らしたくないと考えている」と述べた。

4月にはサルマン皇太子はVision 2030と呼ばれる経済改革のロードマップでサウジを代表する国営企業、アラムコ(Aramco)を上場させて株式の5%を売り出す計画を発表した。アラムコ株の販売は当初サウジ国内市場向けとなるが、少なくとも1箇所の外国の証券取引所に上場される。昨日、トランプ大統はアラムコの上場についてニューヨーク証券取引所(NYSE)を選んでもらいたい」とツイートした。トランプ大統領は「これはアメリカにとって重要だ!」としている。【略】

画像:Jordan Pix/Getty Images

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


【以上】

TransferWiseが巨額$280Mの資金調達を発表、既存株の現金化もあり

国際送金サービスのTransferWiseは、ヨーロッパでは名の知られたユニコーンのひとつだが、本日(米国時間11/1)、シリーズEのラウンドによる2億8000万ドルの資金調達を発表した。ラウンドをリードしたのは資産管理企業Old Mutual Global InvestorsとシリコンバレーのVC企業IVPで、私の理解では一部の既存株の買い上げも含まれるため、額面全額が同社のバランスシートに載るわけではない。

TransferWiseは2017年の前半以来黒字だが、情報筋によると、この創業7年の企業の評価額は16億ドルだった。

このラウンドに参加した新しい投資家は、シリコンバレーのSapphire Ventures、日本の Mitsui & Co, Ltd(三井物産)、そして米日ベンチャー企業World Innovation Labだ。既存の投資家Richard Branson, Andreessen Horowitz, Baillie Giffordも参加し、同社のこれまでの総調達額は3億9700万ドルとなった。

同社は送金手数料に関する顧客への透明性で評判が良いけど、今回の資金調達の、新たな授権資本と二次的投資(既存株売却)の比率は公表していない。

Sky Newsの前からの報道では、ファウンダーのTaavet HinrikusとKristo Kaarmannなど、一部の社員も持ち株の一部を売ることができた。それとは別にSeedcampが最近、その二つのファンドをロンドンのVC Draper Espritに売ることの一環としてTransferWiseの持ち株の残りを現金化した。このプレシードとシード段階の投資家は、すでに1月に同社の少数株主としての持ち株を売っている。

こういう話を総合すると、TransferWiseの上場の可能性は、まだまだ先のようだ。

非常に稀(まれ)な休暇でペルーにいたCEOのHinrikusは、今回の投資に社員の持ち株売りが含まれることは事実だが、このきわめて大きなラウンドの本意は、TransferWiseのバランスシートを健全化して今および近未来の機会追求に備えるためだ、と述べた。

機会として大きいのは、とくにアジア太平洋地区を中心とするグローバルな拡張だ。すでに同社はシンガポールにハブがあり、同社のBorderlessアカウントのさらなる開発に注力している。

5月にローンチしたBorderlessアカウントは、複数の通貨および複数の国でビジネスをする企業や個人が、TransferWiseの安い手数料で国際間振替/送金をする仕組みだ。

TransferWiseの、デビットカードなど消費者バージョンは、2018年の早期にイギリスとヨーロッパでローンチする。それによってTransferWiseは、Revolutなどの新進フィンテックスタートアップや、数多い中小銀行(challenger banks)と比べて優位に立つだろう。

しかし、前にも述べたように、そのほかのフィンテックスタートアップたちも、安い手数料の銀行口座を提供したりしているから、必ずしも安泰な機能の差ではない。私がふざけ半分でRevolutと比較すると、 Hinrikusは“重要なのはフォーカスだ”、と答えた。つまり彼が強調するのは、TransferWiseのコアビジネスがあくまでも、お金を世界中で移動すること、すなわち国際的な送金サービスであることだ。

同社にとっては、送金のニーズがどこでどう発生しても関係ない。同社のインフラストラクチャの上でお金の移動が増えれば、それで良いのだ。それには、消費者であれ中小企業であれ、TransferWiseのアプリやサービスが使われてもよいし、それらがサードパーティに統合されていてもよい。また、同社のBorderlessアカウントが使われてもよい。これら三つのケースで、どの場合でも同社の売上が発生する、とHinrikusは語る。

競合する中小銀行(challenger banks)と同社を比較すると、TransferWiseのBorderlessアカウントでは、複数通貨の口座が同社の中核ビジネスである国際送金サービスの機能であるのに対し、小銀行の場合は送金や通貨交換(両替)が銀行口座(単一通貨の口座)の機能であることだ。前者(TransferWise)では、銀行口座そのものは無関係だ。しかしHinrikusは、最近では銀行ともパートナーしているし、またフィンテックスタートアップに対しても、すでにN26と、そしてもうじきStarlingとも提携する、と言ってこの単純な比較を否定した。

彼がさらに強調するのは、TransferWiseが消費者や企業が直接利用する国際的送金サービスであり、まだまだ課題は大きいし多い、ということ。今彼が熱中しているのは、インドへの進出だ。でも最近彼はブラジルへ行ったから、そっちが先かもしれない。

一方、最新の数字では、同社のイギリスでのマーケットシェアが10%で、Hinrikusによるとほかの国もそれに近づきつつある。同社の現在のユーザー数は200万あまり、通貨交換(両替)ルートは750種、そして各月の送金額は10億ポンドを超える

その他記事

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

電気歯ブラシのQuipがオーラルケア/デンタルケアの全分野に挑戦すべく$10Mを調達

ベンチャー資金が支えるがあり、ひげそりがあり、メガネもある。なら、歯ブラシがあってもいいよね。

Quipは、同社のデンタルケアビジネスのために1000万ドルを調達した。Sherpa Capital, Blue Scorpion VC, Demi Lovatoなどが主な投資家だ。

ニューヨークに拠を置く同社は、ファウンダーでCEOのSimon Eneverによると、(事業範囲は)“電気歯ブラシだけでなくもっと大きい”、と言う。Quipは、“口内の健康に関わる分野の問題を解決し現代化したい”。

Quipはいろんな方法で自社を差別化しようとしている。歯ブラシのお値段は25ドルからで、入手は会員制だ。ヘッドの交換や歯磨きの提供が、会員サービスの一環だ。

Quipには、ご自慢の歯磨きガイドがある。それは、最適のテクニックを教える。歯医者さんが喜びそうだ。また同社の歯ブラシのデザインは、ユーザーが頻繁に歯を磨きたくなる形だそうだ。

Sherpa Capitalの協同ファウンダーで専務取締役のShervin Pishevarによると、彼がQuipに投資した理由は、“オーラルケアは多様な商材商機のある大きな市場であり、Quipは歯ブラシ以外のものをいろいろ考えている”からだ。彼によると、“Quipは健康産業全体の中でももっとも重要な分野のひとつに関して消費者に前向きの行動を喚起し、誰もがデンタルケアにアクセスできるようにしている”、という。

今回得た資金は新製品開発と、同社会員を歯医者さんなどに結びつけるプラットホーム“Dental Connect”の構築に充てられる。Quipはこれまでに、少なくとも200万ドルを調達している

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Peter Thielは投資対象としての自動運転技術に半信半疑、「自動車など要らない世界が良い」説

億万長者の投資家Peter Thielは、トレンドに投資するのは嫌いだ、とよく言う。今週サウジアラビアのリヤドで行われた投資フォーラムFuture Investment Initiativeで、ジャーナリストのMaria Bartiromoと共にステージに立った彼は、同じ言葉を繰り返した。

今の主な投資対象を聞かれた彼は、シリコンバレーの外に着目していることが多いが、SaaSソフトウェアや仮想コンピューティング、拡張現実、人工知能といった“バズワード”はあまり重視しない、と答えた。“そのような投資のトレンドは、実際にトレンドだったとしても危険だ”、と彼は言う。そしてむしろ、“バズワードが聞こえてきたら、そこからできるだけ早く逃げ出すべきだ”、と。逃げ遅れたら、“その種の多くの企業と多くの競合相手”に対処しなければならなくなる。

そこで当然ながらThielは、自動運転技術に対しても同じことを感じている。彼のベンチャー企業Founders Fundが投資しているライドシェア企業Lyftは、その未来が、ある時点で自動運転企業になれることにかかっている、と思われるにもかかわらず、だ。

しかしThielによると、その彼自身のルールにも一つだけ例外がある。それは、“まだ誰のレーダーにも映っていない”トレンドには積極的に着目することだ。

つまり彼が示唆するトレンドとは、ぱっと見ても視界内に存在しないが、今日それに向けられている(希薄な)関心よりも、はるかに大きなメリットを持つテーマだ。人がそれに注意を向けないのは、自動運転車や空飛ぶタクシーほどセクシーでないからだろう。その、彼が秘かに着目しているトレンドとは、誰もが知ってる遠隔通勤(telecommuting, テレコミューティング)、その、これからの不可避な増大によって世界が変わることだ。

むしろ交通運輸の未来について聞かれたThielは、交通運輸にはあまりニーズがないかもしれない、と言いたげだった。少なくとも、職場に出かける個人からのニーズは…。

Thielは語る:

確かに、UberやLyftのような企業へのシフトは、私も投資していますけど、それ自体は大きな変化です。自動運転車というトレンドも、経済にとって重要なトレンドです。それは、消費者の行動を大きく変えるでしょう。自動運転車があれば、車内でも仕事ができるから、通勤時間が今よりもっと長くてもよいでしょう。

でも私は、それが良い投資であるという確信は持てません [強調: 本誌]。大量の企業が、自動運転車という同じような技術をやっているけど、彼らの差別化要因はよく分からないのです。

運輸交通関連の技術で自動運転車よりも関心があるのは、破綻に瀕してている私たちの交通システムの迂回策/回避策はないか、ということです。そしてそのITバージョンこそが、人びとが何十年も前から話題にしていたテレコミューティングなのです。

つまり、交通運輸なんてまったく要らない、と言えるやり方はないのか。リモートで十分に仕事ができれば、それでいいじゃないか。30〜40年前には、いろんな理由でそれはダメだったけど、家にいたら仕事に集中できないとか、人と人の出会いから良い仕事が生まれる、といった精神論みたいな理由もありましたね。

でも、シリコンバレーなどでは現にテレコミューティングが増えているのではないですか。そんなところでは、シリコンバレーの外に人びとがデベロッパーの小さなチームを見つけています。世界中のいろんな場所のいろんな人びとを、ひとつの仕事に割り当てる方法がいくつもあるのです。

ですから . . . テレコミューティングは、もっと探究すべき価値のあるトレンドです。それはこれまで、過小評価されていました。

CB Insightsのデータによると、自動車関連のスタートアップには、今年の前半だけでも、16億ドルという過去最高の投資が行われている。

ThielとBartiromoのチャットの詳細は、ここにある。

しかし、状況からして無理だったかもしれないが、彼のトランプ政権との関係は、話題にならなかった。その関係がずっと続いているために、今年のThielは何度もニュースのタイトルや見出しに登場した。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

1000億ドルでは足りない、SoftbankがVision Fundの続編続々編を計画中

Softbankが最初の最大1000億ドル規模のVision Fundの後続となるファンドの調達を準備しているようだ。今日、Nikkeiの取材に応じたCEO Masayoshi Sonはこう述べている: “Vision Fundは最初のステップにすぎない。10兆円(880億ドル)では全然足りない。積極的にもっと大きくしていきたい。Vision Funds 2, 3, 4などを2〜3年ごとに設立していきたい”。

Vision Fund 1が発表されたのは2016年10月で、その最初のクローズ(930億ドル)は今年の5月だった。投資の主対象は人工知能と物のインターネット(Internet of Things, IoT)だ。

Sonによると、このファンドの背後には‘人工超知能’の到来が迫っていると彼は確信しているので、急いでいるのだ、という。“それがやってくることは確実だと本当に信じているので、それが急ぐ理由だ。大急ぎでキャッシュをかき集め、投資していきたい”、と2月に語っている。

その巨額な後続ファンドの調達先がどこになるのか、まだ明らかではないが、最初のVision FundのバックにいたのはApple, Qualcomm, Foxconn, アラブ首長国連邦の国家資産ファンド, サウジアラビアの公的投資ファンドなどだ。

次のVision Fundの投資家に関してSoftbankのスポークスマンはこう述べた: “Mr. Sonは彼の投資戦略観について一般的なお話しかしていない。具体的な計画に関するお話はまだない”。

NikkeiへのコメントでSonは、ファンドのサイズに関する予想や、次の10年間における主な投資対象について述べている。

“ファンドの設立能力を10兆円から20兆円、さらに100兆円へと大きくしていける仕組みを今作っている”。そして全体としてそのファンドは、“10年間で少なくとも1000社に投資しているだろう”。

Nikkeiによると、Vision Fundsの主な投資ターゲットはユニコーンである。まだ上場していないが推定時価総額が10億ドルを超えるスタートアップだ。

また、一件の投資案件の規模は、最大で約8億8800万ドル(≒1000億円)である。

本誌TechCrunchは、最初のVision Fundのこれまでの投資先企業のリストを作成している。

また本誌TechCrunchは、Uber-Softbankの契約が“ほぼ確実に”来週締結される、と報じた〔未訳〕。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Lyft、評価額11億ドルで10億ドル調達――AlphabetのCapitalGがリード

ライドシェアリングの有力企業、Lyftが新たに10億ドルの資金を調達した。これにより同社の資金調達後後評価額は110億ドルとなった。このラウンドをリードしたのはGoogleの親会社、AlphabetのCapitalGだった。グロース投資に特化したベンチャーファンド、CapitalGのパートナー、David LaweeはLyftの取締役会に加わる。

Lyftはこのニュースを公式ブログで発表し、これまでに 5億回の営業走行を達成しており、アメリカでは人口の95%をカバーするようになったと述べた。カバー地域は今年の始めには54%に過ぎなかったという。

Lyftは今年4月に75億ドルの評価額で6億ドルを調達している。投資パートナーにはカナダの公務員年金基金が含まれる。また9月にはAlphabetが関係する投資家から10億ドルを調達することを明らかにしていた。

興味深いことにAlphabetのグロース投資ファンドはUberに対する初期の投資家の一つでもあった。 しかしその後Alphabetグループの自動運転車企業、WaymoはLiDARテクノロジーに関する企業秘密を不当に利用したとしてUberを訴えている。こうしたことが原因となってAlphabetとUberの関係は緊張したものに変わったようだ。

LyftもWaymoと提携したことを去る5月に発表している。これはLyftの自動運転テクノロジーに関するオープン・プラットフォームの一環とみられる。

取材中…

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Hyperloop One、Virginグループ入り――高速ポッド輸送システムはVirgin Hyperloop Oneに改名

Virginグループはイーロン・マスクのHyperloop Oneに大規模な投資を行った。投資額は明らかにされていないが、真空トンネル内を高速で移動するポッドのネットワークを世界各地に張り巡らそうとしているスタートアップの名称を変更させる額であったことは間違いない。Virgin Hyperloop Oneが新しい名称jだ。

Virgin Hyperloop Oneが誕生した原動力はVirginグループのファウンダー、リチャード・ブランソンのハイテク高速輸送システム愛好だろう。ブランソンはこれまでもVirgin Galacticを始め宇宙飛行のための会社を創立してきた。 Virginグループに加わったことでHyperloop Oneが目指す次世代輸送システムは実現に向けて一歩前進した。Hyperloopは最新のテクノロジーを用いて準真空チューブ内に高速でポッドを走らせ、これまで数時間かかっていた距離を数十分で走破させようという野心的なプロジェクトだ。

Hyperloop OneとVirginとの関係は単に金だけではない。Hyperloopのエンジニアリング担当プレジデント、Josh Giegelは、以前はVirginグループのエンジニアだった。ブランソンはブログで「私はこの夏、Hyperloop Oneを訪問し、 ネバダ州ラスベガス近郊のDevLoopテストコースでこのテクノロジーを直接見てきた」と書いている〔トップ写真中央がブランソン〕。

Hyperloop One(正しくはVirgin Hyperloop Oneだった。長い名前なので慣れるのに苦労しそうだ)は最適な建設ルートを決定するためのコンペのファイナリストを決定し、またプロジェクトの実現可能性を研究する提携先として企業や政府を選定したことを発表している。

当面、Hyperloop Oneのビジネスは改名も含めて順調に進んでいるようだ。スピード好きのビリオネアが親しい友人であるというのは次世代の高速地上輸送システムの実現を目指しているイーロン・マスクにとって大いに役立つことになったようだ。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

一般企業とデベロッパーの機械学習導入を助けるPetuumがSoftbankらから$93Mを調達

機械学習のデベロッパーの不足が産業界の足かせになっている今、スタートアップも大手テクノロジー企業も人工知能を商用化するために必要なツールの民主化に取り組もうとしている。その方面の最新のスタートアップPetuumは今朝(米国時間10/10)、Softbankおよび Advantech Capitalからの、9300万ドルのシリーズBを発表した。

昨年カーネギーメロン大学の機械学習の教授Dr. Eric XingとDr. Qirong Ho、そしてDr. Ning Liが立ち上げたPetuuは、機械学習の開発を支える二つの部位のためのソフトウェアを作っている。ひとつは、データの準備と機械学習のモデルの選択を自動化することだ。機械学習の初心者である一般企業は、このようなツールの助けがなければ、TensorFlowやCaffeのような、広く使われている機械学習のフレームワークすら、使いこなすことができない。

そしてモデルが決まったら、今度はPetuumは、ユーザーが使用するハードウェアの特性や制約に合わせた最適化を、デベロッパーをアシストしながら行う。こちらが、二つめ。その主な工程は、ハードウェアを仮想化して障害を取り除き、分散GPUクラスターの管理という余計なステップをなくすことだ。

Dr. Xingはこう語る: “私たちのAIの扱い方は、職人芸ではない。私たちはきわめて標準化されたビルディングブロックを作って、それらをLegoのように組み立てたり、組み立てなおしたりする”。

PetuumのファウンダーEric Xing博士とピッツバーグの同社オフィス

つまり同社のサービスは、さまざまな機械学習の問題を解くことではなく、ユーザー企業とそのデベロッパーたちが、0の段階から1の段階へ踏み出せるために、そのプロセスを自動化することだ。ただしPetuumはそれと同時に、エキスパートたちが十分に使えるシステムも目指している。この両立が、かなり難しい。

Dr. Xingは曰く、“Excelの使い方は誰でも知ってる。一般社員はExcelを使って表を作るだろう。それと同時に、高度な技能を持ってる統計家が何かの現象のモデルを作るときも、Excelを使うことがある”。

また、市場戦略も難しい。テクノロジー業界がいくら大金を投じてAIを称揚しても、投資家たちの多くはヒューリスティックスで不確実性を管理する方向へ向かおうとする。そこでは、AIが得意とする水平的な〔業種業態の違いを問わない〕プラットホームが、役に立たない。

それに、機能の開発と支出の均衡が必要なスタートアップが、MLaaSやMLプラットホームでGoogleやAmazonに対抗するのは難しい。Dr. Xingは自分のチームのスキルを高く評価しているが、Softbankらからの資金はありがたいはずだ。H2O.aiAlgorithmiaなどの競合他社にはまだ、これほどの資金源はないだろう。

なお、同社はヘルスケアやフィンテック分野の顧客を開拓中だ。しかし長期的には、あらゆる業種業態に対応する気はない。ベータテストにはさまざまな業界から参加しているが、しかし今後は、他の業種業界に対して、このプラットホームをベースとするソリューションを同社以外のスタートアップが構築できるだろう。

今日の投資はSoftbank本体からで、930億ドルのSoftbank Vision Fundからではない。将来このファンドから投資されるのかは、不明だ。Petuumの現在の社員は70名で、今後は製品開発と営業とマーケティングを同時に増員したい、と言っている。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

GitLabがGVのリードするシリーズCで$20Mを調達、ソフトウェア開発〜リリースの総合ソリューションを目指す

デベロッパーのためのコラボレーションとDevOpsのプラットホームGitLabは現在、10万あまりの企業が利用している。同社は今日(米国時間10/9)、GV(元Google Ventures)がリードするシリーズCのラウンドにより2000万ドルを調達したことを発表した。これでGitLabの総調達額は4550万ドルあまりとなる。

新たな資金調達に加えて同社は今日、WordPressの協同ファウンダーMatt Mullenwegが同社の取締役会に加わったことを発表した。

GitLabは、その名が示すように、gitをベースとし、デベロッパーがコードのリポジトリーをセルフホスティングしていくためのオープンソースのツールだ。しかし2014年のローンチ以来同社は、そのほかのDevOps向けサービスをいくつも新設してきた。それらの中にはワークフローツールがいくつかあり、またコードのレビューやリリースを容易にできるためや、アプリケーションのモニタリングのための機能すらある。

そこで同社は、自己のミッションを次のように定義している: “現代のソフトウェアデベロッパーのためのシームレスで総合的なプロダクトを開発し、またKubernetesによるソフトウェア開発のためのアプリケーションになること”

そう。今やGitLabですら、Kubernetesというゲームに深く関わりたいのだ。

GVのゼネラルパートナーDave Munichielloは、今日の声明文の中で次のように述べている: “Fortune 500社は今、互いに競ってワールドクラスのソフトウェア開発組織を作ろうとしており、またそれらに、世界最大のテクノロジー企業なみのスピードと生産性とクォリティを持たせようとしている。これらの組織は高品質で大規模なコードを作るべく努力しているので、最高クラスのツールとプラットホームを必要とする。GitLabのプラットホームは、コラボレーションとオートメーションを強調することにより開発プロセスを加速する。GitLabのハイブリッドでマルチクラウドのソリューションはデベロッパーに好まれており、その分野で巨大なファン層を形成している”。

GitLabの現在のユーザーには、Ticketmaster, ING, NASDAQ, Sony, Intelなどもいる。

新たな資金の使途について同社は、“ソフトウェアのパッケージングとリリース方式と構成とモニタリングに関して新たな機能性を加えたい”、と言っている。

同社の競合サービスはGitHubやAtlassianのBitBucketなどだが、GitLabによると、セルフホスティング型のgit市場では同社が2/3のシェアを占めるそうだ。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

SoftBankの投資の狙いを推理する

シリコンバレーではSoftBankが1000億ドルのビジョン・ファンドでいったい何を目論んでいるのかいぶかる声が聞かれる。私的な会話では「酔っぱらいのガンマンが四方八方に小切手の弾を撃ちまくっている」という声も陰口も出ている。

しかしSoftBankに近い情報源によれば、一見クレージーなSoftBankの行動にも原則があるのだという。この情報源はSoftBankはビジョン・ファンドの投資によって最低20%の内部利益率(IRR=internal rate of return)を確保することを目標としていると語った。ファンドの投資先は人工知能、機械学習から製薬、ユーティリティー、ライドシェアリングまで多種多様だ。SoftBankはこうした投資から得た情報をさらに無数のチャンスに変えていくという。

情報源によれば、SoftBankの狙いは、KKRのようなファンドよりも大きい利益を上げることだ。KKRの最初の18件の投資ファンドは投資額の2倍の価値を生み、正味IRRが18.9%だった。SoftBankに近い情報源の1人は「[ビジョン・ファンドに]投資していればKKRやBlackstoneに投資するより儲かるはずだ」と語った。

実のところ、20%のIRR(向こう7年間についての予測)というのはSoftBankにとってワーストケース・シナリオだという。「最良のケースではマサ〔孫正義氏〕がこれまで挙げてきた実績なみの収益を期待できる」と情報源は述べた。

18年間の投資でSoftBankは44%のIRRという成績を誇っている。しかし この成績の大半は「SoftBankのファウンダー、孫正義が2000年のAlibabaの設立最初期から投資したことによっている」と批判するものもいる。 孫氏は5800万ドルを投資してAlibabaの株式を取得したが、現在はこれに1300億ドルの価値があり、別の企業を買収するためにその一部を売却しただけでも100億ドルになった。

Higher And Higher

ビジョン・ファンドが目標とするようなIRR(7年にせよ、もっと標準的な10年にせよ)といえば、封筒の裏に走り書きするような簡単な計算でも、ファンドの投資者にとって1300億ドルから4300億ドルの間の金額から当初の投資額、管理費、借り入れ額など合計、440億ドル程度を差し引いた額を意味する。

LP(リミッテッド・パートナー)がこれだけの成績を挙げることをは容易ではないはずだ。いったいどうやって実現するつもりなのか? 情報源によれば、SoftBankはライドシェアリングを重要な柱と考えているという。もっと詳しく言えば、SoftBankは現在のライドシェアリング企業が順調に成長して巨大な自動運転タクシーのネットワークという新しい交通インフラとなることを期待している。

このビジョンにもとづいてSoftBankはすでに数多くの投資を行っている。中国では滴滴出行(Didi Chuxing)、東南アジアではGrabといったライドシェアリングのメジャー企業に多額の出資を」している。インドでこの分野最大の企業、 Olaが昨日20億ドルの資金調達ラウンドを完了したが、これにもSoftBankが加わっていた。

もちろんアメリカのライドシェアリング企業を成長させることもSoftBankの戦略のきわめて重要な部分だ。SoftBankはUberとLyftに関心を持っていることを以前から公言していたが、結局Uberに投資することになった。事情に詳しい情報源によれば、Uberの取締役会は10億ドル分の株式をSoftBankに売却するという案を承認したが、これはSoftBankがLyftに投資することになるのを恐れたために「金を受け取らざるを得なかった」のだという。

UberがSoftBankを恐れていたのか内心軽蔑していたのかは不明だが、SoftBankが投資してくれないと困るという不安はシリコンバレーに広がりつつある。

先月TechCrunch Disrupに登壇したベンチャーキャピタリストのSteve Jurvetsonに私がSoftBankの投資のインパクトを尋ねたところ、Jurvetsonhは「ある種のキングメーカーだ。ある会社に巨額の資金を投資、別の会社にはしない〔ことによって王を指名できる〕」と述べた。

「ただし長期的にみれば、そうした効果はノイズのようなものだ。成功は結局プロダクトやサービスの質にかかってくる。しかし〔大きな投資は〕短期的には競馬の順位を入れ替えるといった〔程度の〕シフトを生み出すかもしれない」とJurvetsonは付け加えた。

【略】

すべての投資が金を生んでいる

巨額の手元資金にもかかわらず、SoftBankはすでに痛い失敗もしている。

たとえば、先週だが、SoftBankがバイオ製薬企業Roivant$11億ドルの投資ラウンドをリードしてわずか1か月後、Roivantの子会社、Axovantが開発しブロックバスターになると期待されていたアルツハイマーの治療薬に効果がないと判定された。

Axovantの株価はたちまち暴落し、同社の最大の株主であるRoivantに大打撃を与えた。

これはSoftBankにとっても最悪のニュースと思われたが、これでSoftBankの投資戦略を判断するのは早計だったらしい。昨日、Roivantは良いニュースを受け取った。Roivantと日本の武田薬品が共同で設立した子会社が開発していた子宮筋腫の治療薬がフェーズ3の治験で好結果が得られたという。

SoftBankに近い情報源は「〔ビジョン・ファンドが〕何か間違った投資をしていたとしても1年半以内にその結果が分かることはない」と語った。

この人物はNvidiaに対する投資を例として指摘した。Nvidiaは公開企業だが、SoftBankはこの5月に40億ドル分の株式を買収した。この時点で株価は137ドルだったが、現在は180ドルに跳ね上がっている。「今のところすべて金を生んでいる」と情報源は述べた。

画像: Tomohiro Ohsumi/Getty Images

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

AlibabaがMySQL代替系MariaDBへの2700万ドルの投資をリード、クラウド事業に本腰

【抄訳】
Alibabaは2017年をクラウドコンピューティング事業への注力に費やし、そして今度はその分野の西側のスタートアップに、初めての大きな投資をしようとしている。

この中国のeコマース巨人は、MariaDBへの2290万ユーロ(2700万ドル)の投資をリードすることに合意した。西側すなわちヨーロッパの企業であるMariaDBは、Webでいちばん多く使われているオープンソースのデータベース(社名と同じMariaDB)を作っている。今回の投資案件に詳しい情報筋によると。投資はまだ完了していないが、MariaDBの株主たちが今週OKを出したので、完了も至近だそうだ。

AlibabaとMariaDBの両社は、本誌からのコメントのリクエストに応じていない。

TechCrunchが聞いた話によると、Alibabaが2000万ユーロを出し、残りは既存の投資家 たちが出すらしい。投資に際してのMariaDBの評価額は約3億ユーロ(3億5400万ドル)で、Alibabaのクラウド事業の主席技術者Feng Yuが、MariaDBの取締役会に加わるようだ。

5月にEuropean Investment Bankから2500万ユーロ(当時で2700万ドル)を調達したときは2億から2億500万ドルの評価額だったから、かなりの増加だ。情報筋によると、今後のAlibabaとの事業関係への期待がMariaDBの評価額を押し上げた、といわれる。

MariaDBは、もっとも人気のあるMySQL代替DBMSでよく知られている。MySQLもオープンソースだが、Sun Microsystems次いでOracleと、企業がオーナーだったために、最初の頃と違って完全なフリーではない。そこで、MariaDBのような代替系が求められるのだ。

そしてAlibabaのクラウドコンピューティング事業は、同社の最速成長部門だ。ここ数年、毎年、3桁の売上増加額を記録している。

【後略】

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))