HoloLensの軍用利用に関する5億ドルの政府契約事業、マイクロソフトCEOは擁護

マイクロソフト(Microsoft)に、同社の拡張現実技術「HoloLens」を米陸軍に納める5億ドルの政府契約を反故にする気はない。

CNNのインタビューでマイクロソフトのCEO サティア・ナデラ(Satya Nadella)氏はこう言っている。「わが社は、自分たちが今エンジョイしている自由を護るために民主主義に基づいて選んだ諸機関に対しては、技術の供与を拒否しない、という道義的意思決定を行った。その意思決定に関してわが社はきわめて透明であり、(反戦的な)社員たちとの対話も継続していく」。

関連記事: Group of employees calls for end to Microsoft’s $480M HoloLens military contract…Microsoft社員グループがHoloLensの軍用契約に反対(未訳)

現在200名あまりの社員が総額4億7900万ドルの政府契約の廃棄を求める経営陣に対する書簡に署名しているが、それに応じないとするCEOのこの言い分はまったく意外ではない。マイクロソフトは以前、政府の契約事業の遂行に関する社内精査を行っている。それに基づいて今回はまだ新しいAR技術が、テクノロジーの力で戦闘の最前線における米軍の殺傷能力を強化する、と称する契約事業に利用されることになった。

米国時間2月22日、社員グループから上層部に送られた書簡は、その4億7900万ドルの軍用契約の停止を求めている。グループの主張によれば、書簡に署名したマイクロソフト社員は200名を超えている。

「入社時の契約業務内容に武器の開発はなかった。自分の仕事の使われ方に関しては、自分に発言権がある」と書簡に書かれている。

その書簡の発表の数日前には、同社はあるイベントで、同社の拡張現実技術の進歩を強調した。

関連記事: Microsoftが大きく改良されたHoloLens 2を発表

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アメリカがHuaweiを刑事告訴、カナダ政府にCFOの身柄引き渡しを求める

【抄訳】
アメリカ司法省は今日(米国時間1/28)の記者発表で、中国のモバイル大手Huaweiを起訴することを明かした。今月(2019/1月)初めのThe Wall Street Journalの報道に続いて本誌TechCrunchも、 起訴は近いとと報じていた

シアトルの大陪審はHuaweiを、企業秘密窃盗の共同謀議、企業秘密窃盗未遂、7件の通信詐欺、および複数の証人候補を中国に帰国させたとする司法妨害で告訴することを決めた。この起訴の起源は、2014年の民事訴訟に遡り、そのときはT-MobileがHuaweiを、“Tappy”という名で知られていたスマートフォン試験ロボットに関わる企業秘密を盗んだとして告訴した。

司法長官代理Matthew Whitakerは次のように述べた: “8月に中国の政府当局に言ったように中国は、法の遵守に関して説明責任のある一般国民と中国企業を拘束すべきである”。

同社だけでなく、HuaweiのCFO Meng WanzhouとHuaweiの系列企業Skycom Huawei Device USAも、ニューヨークの大陪審による13件の起訴kに直面している。Huaweiの創業者の娘であるMengは、銀行詐欺、通信詐欺、銀行および通信詐欺の共同謀議で起訴される。

参考記事: アメリカがHuaweiを企業秘密窃盗で告訴か

【後略】

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Amazonの株主たちが顔認識技術を法執行機関に売らないことを要請

Amazonの株主たちが、同社の顔認識ソフトウェアRekognitionを法執行機関(警察など)に売らないことを求めている。その技術が“人権侵害と市民的自由の侵犯を惹起する可能性はない”、と取締役会が判断しないかぎり、Amazonがそのソフトウェアを政府機関に売らないことを、株主たちは要求している。

Amazon Web Services(AWS)の一部であるRekognitionには、顔の画像やビデオを分析する能力がある。その技術は人を認識し追尾できるだけでなく、人の感情も認識する。Amazonはこれまで少なくとも二つの州の法執行機関にRekognitionを売った、と過去に報道されている。合衆国移民税関執行局(U.S. Immigration and Customs Enforcement, ICE)に売り込んだ、という報道もある

昨年5月にアメリカ自由人権協会(American Civil Liberties Union, ACLU)の北部カリフォルニア支部がRekognitionを調べて、同支部が得た関連文書は人権と市民的自由に関する深刻な懸念を喚起する、と述べた。そのときACLUが得た試験報告は、Rekognitionが28名の国会議員を誤判定したとし、とりわけ黒人の議員を犯罪者と認識した、と言っている。

今回の決議文は非営利団体Open MICがまとめたもので、決議に参加した株主たちの総株数は資産額13億2000万ドルに相当する。

Open MICの事務局長Michael Connorが、同団体のブログにこう書いている: “これはよくあるパターンで、先進的なテクノロジー企業が画期的な技術としてマーケティングしているものが、人間や社会に及ぼす影響をまったく認識配慮していない、という例だ。Rekognitionを政府に売ることは、会社と投資家の双方にとって大きなリスクだ。だからその販売を即刻やめることは、喫緊の要請なのだ”。

この決議は、Amazonの今春の株主総会で票決される予定だ。

Amazonはこの記事へのコメントを拒否した。

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ジェームズ・マティス国防長官が辞任

トランプ政権で最初の2年間国防省を率いた人物が来年始めに在職期間を終える。退役海兵隊大将のジェームズ・マティスは2019年2月28日に辞任する。マティス氏は2013年に海兵隊を退き、特別議会免除を受け国防長官に就任した。

トランプ大統領はいつものように辞任をツイートで発表し、続いてマティス氏の辞表全文が公開された。

マティス氏は辞職届の中で、米国の指揮および同盟国との関係におけるトランプ大統領との根本的な思想の違いをほのめかした。

「同盟国に敬意を払い、悪意を持つ者や戦略的ライバルにはっきりと目を向ける私の生き方は、40年以上にわたりこれらの問題に取り組んでいた私の経験に支えられ、培われた」とマティス氏は書いた。

「誰もが自分に近い考え方の国防長官を任命する権利を持っている…この職務を辞することが正しい判断だと私は信じている」

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アメリカの複数の国会議員がAmazonの顔認識ソフトウェアの精度で質問状、表現の自由の無視、人種差別の疑いも

一部の国会議員たちは、Amazonがその物議をかもしている顔認識ソフトウェアRekognitionに関する質問に“十分な答を提供していない”とし、いつものように質問に無言で応じることは、答とは認めない、と主張している。

質問状には、上院議員のEdward Markeyや下院のJohn LewisとJudy Chuら8名の議員が署名し、同社の技術の仕組みやその使われ方について、Amazonの最高経営責任者Jeff Bezosに説明を求めている。

書状が送られたのは、このクラウドとリテールの巨大企業が、アメリカ政府およびフロリダ州オーランドを含むアメリカの一部の大都市からサーベイランスを受注して注目を集めた直後だ。

質問の主旨は議員たちによると、“Amazonがそのバイオメトリックス技術をアメリカの移民関税執行局(Immigration and Customs Enforcement, ICE)に積極的に売り込んでいるが、そのパイロット事業にはAmazonによる法執行職員たちに対する実地訓練が欠けている、という報道を契機として、高まった懸念を表明すること”、だという。

議員たちによると、そのシステムは精度に問題があり、人種的偏りに導きかねず、憲法で保証されている表現の自由を犯すおそれもある、という。

書簡は曰く: “しかしながら、現時点では、このタイプのプロダクトには深刻な精度の問題があるという重大な懸念を持たざるをえない。それにより有色者のコミュニティにいわれなき重荷を強い、公共の場において修正第一条の権利を実行したいとするアメリカ人の意思を抑圧するおそれもある”。

議員たちは、Amazonがどうやって精度をテストしたのか、それらのテストは独立的客観的に実施されたのか、そして偏りをどのようにテストしたのか、Amazonに説明を求めている。

[Amazonは耳に栓をするのではなく、顔のサーベイランスが誰にでももたらす深刻な脅威に関し責任を取る必要がある。とくに脅威が大きいのは、有色者や移民、そして活動家だ。Rekognitionを警察やICEの手に渡すべきでない。]

この質問状送付は、ACLUが、そのソフトウェアが28名の議員の顔認識に失敗したことを見つけたあとに行われた。とくに失敗率が高かったのは、有色者だった。

顔認識のソフトウェアは、そもそもの最初から物議を招いている。自社の社員たちからの懸念表明があったあとでもAmazonは、にもかかわらず現状の計画を推進し、何がなんでもその技術を売っていく、と言っている。

Amazonは、二週間あまりのうちに、質問状に答えなければならない。Amazonのスポークスパーソンは、コメントの要求に応じなかった。

関連記事: Amazonは顧客のメールアドレスを露出したことを認めたが詳細を明かさず〔未訳〕

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LinkedInが欧州データ保護規則(GDPR)に違反。非メンバーのアドレス1800万件をFacebookの広告ターゲティングに使用

仕事のためのネットワークで6億人近いメンバーをもつLinkedInは、不気味なほど立ち入った人とのつながりを推奨してくることで、数々批判を受けてきた。なぜ、どうやってLinkedInがそんな推奨情報を知り得たのかは未だ明らかになっていない。

このたび欧州当局とのやりとりの結果、欧州におけるLinkedInのGDPR(一般データ保護規則)の実施状況は、不気味なだけでなく明確なデータ保護規則違反だったことかわかった。LinkedInは1800万件のメールアドレスを不正利用していた。

アイルランドのデータ保護委員会(DPC)が11月23日に発行した報告書には、Microsoft傘下のLinkedInによる自社ソーシャルネットワークのメンバー以外の人々の情報取扱いについて書かれている。

要約すると、LinkedInは登録者を増やすために、不当な方法で1800万人のメールアドレスを使用したことを認めた。その後LinkedInはそのような慣行を中止した。

まず、DPCは、米国のLinkedInがメンバー以外の1800万人のメールアドレスを取得し、これを使ってFacebookでターゲット広告を配信した。その際に必要となるデータ管理者であるLinkedIn Irelandの指示を受けていなかった。

これには経緯がある。LinkedInやFacebookらはGDPRの発効に際してそれまでアイルランドで実施されていたデータ処理を米国に移管した

同社はこれを運用を「効率化」するためだと主張したが、非EUユーザーのデータ利用に関するGDPR責任をすこしでも回避するためだという批判を浴びた。

結局問題は解決し、「LinkedInは問題を起こしたユーザーデータ処理を直ちに中止した」とDPCは言った。、

次にDPCは、追加調査を行い、LinkedInはデータにソーシャルグラフ作成アルゴリズムを適用することで、ユーザーにネットワークのつながりを推奨したり、「事前計算」に使っていたことがわかった。

これは、ユーザーがネットワークを一から構築する苦労を軽減するために、ネットワークのつながりを推奨するために利用されていた。。

「監視の結果LinkedIn CorpはEUユーザーデータ管理者であるLinkedIn Irelandの指示によって、事前計算処理を中止し、2018年5月25日以前の処理に関わる個人データをすべて消去した」とDPCは書いた。5月25日はGDPRが発効された日付だ。

LinkedInは今回の調査全体について以下の声明を本誌に提供した:

「当社は2017年のDPCによる広告キャンペーン問題に関する調査の趣旨を理解し全面的に協力した」とLinkedInの欧州・中東・アフリカ地区プライバシー責任者のDenis Kelleherが言った。「遺憾ながら当社で制定した厳格な手続きが守られなかったことをお詫びする。当社は適切な処置を行い、再発しないよう作業方法を改善した。監査に伴い、追加分野における非メンバーデータのプライバシーについても、改善するよう自発的に作業方法を変更した」

(「追加分野」というのは事前計算のことである)

LinkedInの言葉を額面通りよ受け取るなら、同社はDPCが発見した問題点の修正だけでなく、指摘を受ける前に、自発的に行動規範を変更していることを示している。

LinkedInに限らないが、これは「許可を得るのではなく、許しを請う」タイプのやり方だ。。
ちなみになぜLinkedInが罰金を課せれないのか不思議に思っている人へ。それは、5月末時点では、GDPRに罰金を強制する権限がなかったからだ。

もうひとつわからない——DPCは明確に指摘していない——のは、LinkedInがどこで1800万件のメールアドレスなどの関連データを収集したかだ。

これも報告書に書かれているFacebookによる顔認識の利用、WhatsAppとFacebookの相互間におけるユーザーデータの共有などの案件は現在も調査が継続している。ユーザー5億人に影響を与えたYahooのセキュリティー侵害は、さまざまな会社での作業慣行の変更へとつながっている。

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マクロン大統領「Paris Call」でサイバー犯罪抑止を提唱

フランスのエマニュエル・マクロン大統領はパリのUNESCOで行われたインターネット・ガバナンス・フォーラム(IGF)で講演した。IGFは設立されてからしばらくたつが、一部で期待されたほどの活動がなかった。

フランス政府がサイバーセキュリティーに関する3ページの文書、Paris Callを発表したのはそれが理由だ。マクロン大統領はIGFを活性化し、各国(および企業)が集まってサイバーセキュリティー問題について意見を一致させるためのサブグループを作りたいと考えている。

「まず、インターネットは今ここで機能している。そしてニュースはサイバー問題で溢れているにも関わらず、われわれはITのツールを盲信している」とマクロン氏は言った。

しかし、彼によると、もし国際コミュニティーが適切な規制に同意できなければ、民主的プロセスの整合性にリスクをもたらす。現在状況は2種類ある、と彼は考えている。独裁的政府はインターネットのリクエストにフィルターをかけ、ウェブをインターネットのサブセットに制限している。一方民主的国家では、誰もが(ほとんど)フィルターされていないウェブを閲覧できる。

「最近のサイバー攻撃は医療システムに侵入することもできる。もしわれわれが、常にシステムがセキュアである確信を持てなければ、システムは空中分解してしまう」

言い換えるとサイバー攻撃は、民主主義国家がネットワークを守るために中国を模倣し、さまざまなウェブサービスをブロックする事態を招きかねない。

「だから私は今日ここへ来て、新しい合議制度を提案する。このフォーラムは議論や講演以上の何かを生み出すべきだ。具体的な決断に役立つ新しい場になるべきだ」とマクロン氏は言った。

彼はIGFを国連事務総長直轄にすることを提案している。さらに彼は、世界の国々と企業、NGOらの間が合意した”Paris Call” も支持している。

すでに数百の組織がParis Callに署名している。ほとんどのEU加盟国、Microsoft、Cisco、Samsung、Seamens、Facebook、Google、ICANN、インターネットソサエティなどだ。しかし、中国と米国はまだ署名していない。

Paris Callの全文はここで読める。Paris Callのメンバーは、あらゆる種類のサイバー攻撃を防止することに概ね一致している——これは和平提案だ。

その内容に関してマクロン氏はウェブに反対ではない。ウェブが民主主義の春を可能にし、気候変動や女性の権利に対する活動を活発化したことに彼は言及した。しかし、今やウェブが過激派のヘイトスピーチ発信に利用されていることも話した。

「巨大プラットフォームはゲートウェイになるだけではなくゲートの番人にもなるべきだ」とマクロン氏は言った。

テロリストのコンテンツやヘイトスピーチを削除することについては過去にもいくつか取り組みがあった。しかしマクロン氏は、さらに一歩踏み込むべきだと考えている。

コンテンツの監視に関するFacebookの取り組みで、Facebookとフランス政府が協力体制を取ろうとしているのはそれが理由だ。

最後にマクロン氏はこの機会を利用して、フランスのデジタル化への取り組みについて再度話した。フランス政府は欧州のIT巨人らに公正に課税する新しい方法の制定に力を入れている。マクロンはこれを小さい企業を不公平な競争から保護するためだと説明した。しかし交渉は今のところ停滞している。

さらにマクロン氏は、人工知能の投資とイノベーションに関する第三の考えも擁護した。

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ジョージア州州務長官、不在者投票者29万人の個人情報を公開

ジョージア州の州務長官で中間選挙の州知事候補のブライアン・ケンプは、不在者投票者29万1164人の個人情報をネットで公開し誰でもダウンロード可能にするという、奇妙かつおそらく前例のない行動にでた。

ケンプの事務所は総選挙開票の数時間後に公式ウェブサイトにExcelファイルを投稿し、不在者投票用紙を郵送した州民の名前と住所を、「障害がある」「高齢」などの理由とともに公開した。

Twitterでは多くの人々がすぐにこれを発見し怒りを表した。

ウェブページによるとこのファイルは、ジョージア州民が「自分の郵送投票の状態を確認する」ためだという。全米で数百万人の有権者が投票日前に記入済み投票用紙を郵送した。特に投票所に行くことが困難な人々——身体障害者、高齢者、旅行者などだ。

ジョージア州州務長官の報道官、Candice BorceはTechCrunchの問い合わせに対して、データはすべて「州法で明確に公開情報に指定されている」と言い、「機密でも取扱い注意でもない」と強調した。

「州法では、有権者のリストは公開が義務付けられており、そこには登録有権者の氏名、住所も含まれている」とBorceはメールで伝えた。

たしかに規則はそうかもしれない。有権者と選挙人名簿は公開情報で通常無料で閲覧できるが、州によって規則は異なる。有権者の名前と住所は、各州の選挙委員会または州務長官事務所に要求できる。政治分析会社は、自社の調査データを補完して浮動投票者を特定するために、しばしばこのデータを利用する

州法は有権者データの使用方法を厳しく制限している。その規則は今回数十万人の有権者記録をダウンロード可能な一般市民には適用されない。

ケンプの事務所が不在者投票を確認するためにとった方法が怒りを呼んだことはさほど驚くにあたらない。

「データは既に公開されていたかもしれないが、このような集約した形で利用できたわけではない」とセキュリティー専門家でRendition Infosecのファウンダーかつジョージア州民でもあるJake Williamsが言った。Williamsはこの問題について、州は不在者投票者の情報を提供することで「犯罪者が留守宅を標的にする機会を与えたかもしれない」と指摘した。

「このデータをまとめて公開することは、このような方法で個人情報を公開されることを好まないジョージア州民が将来不在者投票をためらう理由になりかねない」と彼は言った。

TechCrunchの問い合わせから間もなく、ダウンロード可能ファイルへのリンクはウェブサイトから削除された。

共和党州知事候補であるケンプは——本稿執筆時点で——50.3%の票を獲得し、民主党のライバルであるステイシー・エイブラハムをリードしている。エイブラハムは州の下院で少数派野党のリーダーを務めている。

ケンプは自身が立候補しているにも関わらず、州務長官として実質的に州の選挙を運営しており、最近投票者妨害で告発された。ケンプが民主党は彼の事務所の選挙システムをハッキングしていると証拠のない告発をしたこともそのひとつだ。彼がハッキングのカードを切ったのはこれが初めてではない——2年前にケンプは同じような行動を起こした。

ケンプは、今週の選挙の前に少数民族有権者5万人以上の登録を廃棄した疑いでも責任も問われていた。

エイブラムスは州知事選挙の敗戦を認めることを拒み、決選投票を望んでいる。

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あなたの州で「投票撮り」(votie)は合法? このマップで調べよう

明日は2018年中間選挙。興味深い政治展望の変化に加えて、この日は何百万というvotie[投票撮り]、つまり記入済み投票用紙の写真がソーシャルメディアに投稿されることが約束されている。それは同時に、合法か違法かという国レベルの混乱を招く事象でもある。それはあなたがどの州に住んでいるかによって変わる。でも心配はいらない、この地図を見るか、下に載せた便利なカラーコード化リストを見れば安心だ。

さて、読者の中には誰に投票したかを公開して自分の政治見解を表明することがなぜ違法になるのか不思議に思う人もいるだろう。問題は政治的発言をすることにあるのではない。当然その権利は守られている。問題は、選挙手続き上その行為が明示的に禁止されているとき、実際の投票を公開することだ。

投票の秘密は力を与えるためであり、制限するためではない。自分の投票内容を誰にも知られることがなく、なんらかの形で投票の証拠を公表することが法で禁止されていれば、誰に投票するかを強制されたり脅迫されたりする心肺はない。この可能性に加えて、投票所という人に見られたくない場所に撮影装置を持ち込む、というもっと一般的な脅威もある。

民主的プロセスの完全性と〈他人の〉投票の秘密を侵害する可能性は、この特別な場所と時間には個人の言論の自由に優先するという判断が、一部の州では決定されているが、そこには少なからぬ議論や異義がある。憲法修正第1条の例外として、これはかなり範囲の狭いものの一つだ。

ダウンロード用の大型マップはこちら

ともあれ、18の州がこの行為を禁止しているが、その範囲と厳格さはまちまちだ。低レベルの軽犯罪であったりもっと重大な罪であったり、投票所への電子機器持ち込みが全面禁止されていることもある。州によっては訴訟することも、何もしないこともあるが、私はシンプルに “ILLEGAL”[違法]と分類した。この選挙投票の日になんらかの形で法に抵触するのだから。

21の州は、この行為を禁止する法律がないか、明示的に許しているのでLEGAL[合法]とした。ただし、写真は自分と自分自身の投票用紙であり、他人のものであってはならない。

残る11州は、いずれのカテゴリーにもすっきり収まらない。たとえば、一部の州では書き込み済みのMAIL-IN BALLOTS[郵送投票用紙]の写真は自由にシェアできるが、投票場所やその周辺の写真を撮ることは許されていない。〈私〉には理解出来ないが、法律家や立法者から見るとvotieで法を犯す方法があるらしい。UNCLEAR[不明]な州にいる人は、何もしないのが安全だが、どうしてもやらなければならないなら、Law & Crimeにあるこのリストの最後を確認されたい。

それでは本題のリストはこちら:

  • Alabama: ILLEGAL
  • Alaska: ILLEGAL
  • Arizona: MAIL-IN BALLOTS OK
  • Arkansas: UNCLEAR
  • California: ILLEGAL (but not for long)
  • Colorado: ILLEGAL
  • Connecticut: LEGAL
  • Delaware: ILLEGAL
  • District of Columbia: LEGAL
  • Florida: ILLEGAL
  • Georgia: ILLEGAL
  • Hawaii: LEGAL
  • Idaho: LEGAL
  • Illinois: ILLEGAL
  • Indiana: LEGAL
  • Iowa: MAIL-IN BALLOTS OK
  • Kansas: LEGAL
  • Kentucky: LEGAL
  • Louisiana: LEGAL
  • Maine: LEGAL
  • Maryland: MAIL-IN BALLOTS OK
  • Massachusetts: UNCLEAR
  • Michigan: ILLEGAL
  • Minnesota: LEGAL
  • Mississippi: ILLEGAL
  • Missouri: UNCLEAR
  • Montana: LEGAL
  • Nebraska: LEGAL
  • Nevada: ILLEGAL
  • New Hampshire: LEGAL
  • New Jersey: ILLEGAL
  • New Mexico: ILLEGAL
  • New York: ILLEGAL
  • North Carolina: ILLEGAL
  • North Dakota: LEGAL
  • Ohio: UNCLEAR
  • Oklahoma: UNCLEAR
  • Oregon: LEGAL
  • Pennsylvania: DEPENDS ON COUNTY
  • Rhode Island: LEGAL
  • South Carolina: ILLEGAL
  • South Dakota: ILLEGAL
  • Tennessee: ILLEGAL
  • Texas: MAIL-IN BALLOTS OK
  • Utah: LEGAL
  • Vermont: LEGAL
  • Virginia: LEGAL
  • Washington: LEGAL
  • West Virginia: MAIL-IN BALLOTS OK
  • Wisconsin: ILLEGAL
  • Wyoming: LEGAL

もし自分の州が違法または合法かどうか疑問の場合は、自分の責任でvotieをシェアされたい。

投票妨害や投票マシンの不具合その他の問題をスマートフォンで記録することは、規則の例外になる場合がある。最善の判断を下し、他人のプライバシーに配慮されたい。

私は法律家ではなく、これは法的な助言ではない! 本稿は単なる情報提供であり、2018年11月5日現在私の知る限りの知識による。誤りがあった場合は? [原文の]コメント欄で教えてくれれば調査する。すでにいくつか修正した箇所もある。

ちなみに私は “votie” が起きるのを止めようとしているのではない。きっと起きるだろう!

more 2018 US Midterm Election coverage

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ソフトバンクの孫正義氏はサウジアラビアとの関係をどう説明するのか? まもなく判明

10月を通じて、SoftBankはサウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子(MBS)との良好な関係を見直す必要に迫られている。皇太子は権力の座につくとともに多額の資金を提供していたが、ジャーナリストのジャマル・カショギ氏の陰惨な殺人と死体遺棄が明るみに出るにつれ急速に負の側面が見えてきた(MBSはサウジアラビアを導いて数多くの恐怖をもたらしてきたが、バージニア州在住のWashington PostコラムニストでMBSを批判してきたカショギ氏の残酷な終末は、イエメンで数万人の子供たちが殺された事件と異なり、欧米の注目を集めることとなった)

もちろんSoftBankにとってMBSとの決別は容易な決断ではない。CEOの孫正義氏は、 今年5月に完了した1000億ドルのVision FundはMBSに支えられていると語った。事実、孫氏によるとMBSはサウジの公共投資ファンド450億ドルの提供を45分間で決定し、さらに第2のVision Fund設立のために別途450億ドルをSoftBankに出資する意志を最近表明している。

これは断るにはかなり大きな金額だ。しかし、SoftBankにとってMBSと仕事をすることの是非を再考することは理にかなった行動といえる。Financial Timesによると、SoftBank COOのMarcelo Claureは先月、SoftBankが新たなVision Fundを立ち上げるかどうか「決定していない」ことを公表した。

そして時間が過ぎた。世間の怒りの矛先は別の方に向けられつつある。そして先週の終わり、SoftBankの準備は整ったようで、一時停止ボタンから指を離し大きな契約が2件交わされた。ロボット調理のスタートアップZumeに3.75億ドルを投資し(後日さらに3.75億ドルを投資する計画が報じられた)、金曜日(米国時間11/2)にはインターネットにつながる窓ガラスに使われるガラスのメーカーであるView11億ドル投資することを発表した。

両社の経営陣とも、SoftBankと提携する方が別の資金調達源を探すより得るものが大きいと考えたようだ。

問題は、SoftBank自身が、会社の将来を計画する上で同じ決断を下すのかどうかだ。それがもうすぐ明らかになりそうだ。Financial Timesが報じているように、孫氏はSoftBankの第2四半期決算を明日報告する予定であり、そこではMBSが支配する主権国家資産ファンドであるPublic Investment FundとSoftbankのつながりに関する長い質問リストを提示されることは間違いない。

少なくとも役に立つ答えがいくつか出てくるだろう。これまで孫氏はカショギ事件について何も語ってこなかった。また、孫氏は2週間前にサウジアラビアのリヤドで行われたMBSの投資カンファレンスに姿を見せなかったものの、イベント前に皇太子と個人的に会っていた。本誌の情報源によると、その会合はカショギ事件に対する彼の懸念を個人的に伝えるためだったということだが、つながりを断ち切る話しは出なかったという印象を受けた。

その予想が正しいかどうかはすぐに分かるだろう。いずれにせよ、SoftBankとMBSとの関係がすぐに忘れられることはなさそうだ。Financial Timesの記事にある通り、SoftBank株はカショギ氏が10月初めにトルコのサウジ領事館に足を踏み入れて出てこなかった運命の日から26%下落している。

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ソユーズロケットが事故から復活。来月初めにISSへの有人ミッション実施

10月、幸い死者は出なかったものの大きな注目を集めたソユーズロケット有人飛行ミッションの事故は徹底的な調査が終わり、米国、欧州、ロシア各国の宇宙開発機関はこの歴史ある発射システムの利用に前向きだ。ロスコスモス(ロシア連邦宇宙局)は、12月3日に国際宇宙ステーションへの有人飛行ミッションが発射されると発表した。事故からまだ2ヶ月も過ぎていない。

Nick Hague、Alexey Ovchininの両宇宙飛行士が軟着陸したその事故以来、あらゆる宇宙開発は速く実行する必要があることが明らかだ。ソユーズは現存する唯一の実績ある有人発射システムであり、もし長期間停止することがあればISSはすぐに空き家になってしまう。

幸いロスコスモスは事故の原因究明を優先的に行い、本日(米国時間11/1)調査結果を発表した。

ストラップオンブースター(ブロックD)の一つが、分離異常によりコアステージ(ブロックA)の燃料タンク部分に先端が衝突したためにその結果減圧が起きロケットの姿勢制御が効かなくなった。

分離の異常は、ブロックDの酸化タンクを切り離すためのノズルのふたが、分離センサーピンの変形(曲がり角度6度45分)のために開かなかったことが原因だった。バイコヌール宇宙基地で行われたストラップオンブースターをコアステージ(パケット)に取り付ける際に損傷したものだ。

つまり、ブースターのひとつが外れなくなりステージの分離が正しく行われなかった。事故の状況は本日ロスコスモスが公開した映像で見ることができる。 私が作った関連部分のGIF動画を下に貼った。

カプセルの中では、あらゆるものが横倒しになったに違いない。

問題は調査員によって突き止めらられ、影響を受けた可能性のあるロケットは除外され、すでに別のソユーズロケット(異なるモデル。非常によく似た名前のロケットがいくつかある)が飛び立っている。

さらに重要なことに、当局がこの説明に十分自信を持っており、2つのミッションがすでに計画されている。11月16日の貨物ミッションと12月3日の有人ミッションだ。

ロシアのOleg Kononenko飛行士とNASAのAnne McClain飛行士、カナダ宇宙局のDavid Saint-Jacques飛行士が搭乗予定。彼らは最近の事故のために神経質になっているのか、十分すぎる検査のおかげでむしろ緊張が少ないのか? おそらく両方が少しずつだろう。

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警察のドローンが空から落ちてくる…DJIはファームウェアのアップデートを推奨

イギリスの民間航空局(Civil Aviation Authority, CAA)が、警察やそのほかの緊急事態対応省庁に対し、特定の機種のドローンの運用をやめるよう警告した。一部のデバイスが予期せざる動力喪失により、航行中に墜落しているからだ。

CAAの安全性警告は、イギリスでこれまで一部の緊急時サービスに使われていたDJIのMatrice 200シリーズのドローンに適用される。事故が最初に報告されたのはウェストミッドランズの警察局からだが、ほかにもノーフォーク、デボン、およびコーンウォールの警察がDJIのドローンを使っている。BBCによると、デボンとコーンウォールはそれぞれ20機のうち2機が地上に落下した。

CAAによると、“計器では電池寿命がまだ十分残っているにもかかわらず、航行時に動力を完全に失った機体が最近報告されている”、という。負傷者は報告されていないが、“突然の揚力喪失により、遠隔操縦のパイロットはその後の飛行経路の制御が不可能になった”。

今のところアメリカでは類似の報告はないが、バード大学の調査によると、アメリカの61の公共安全機関(警察、消防、救急など)が、同じくDJIの、Mavicドローンを使用している。使われているドローンのほとんどがDJIの機種だが、Matrice isはもっとも多い機種ではない。

メーカーは報告に応えて、Matriceのオペレーターは、問題を修復したファームウェアアップデートをプッシュするよう、促(うなが)している。同社のプロダクトウォーニングは、“DJIのPilotアプリでプロンプトが出たら、そこで顧客に、そのアプリ上またはDJI Assistant 2でインターネットにアクセスし、使用機のファームウェアとすべての電池をアップデートして、安全な飛行を確保するよう、勧めている”、と書いている。

DJIは昨年同じような問題に遭遇し、消費者品質のドローンDJI Sparkが突然動力を失い、空から落下した。

画像クレジット: DJI

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Facebook、極右グループProud Boysの利用を停止、勧誘手段を断つ

Facebook、極右グループProud Boysの利用を停止、勧誘手段を断つ
FacebookProud Boysを排除している。白人至上主義グループとつながりのある極右市民組織だ。Business Insiderが最初にこの決定を報じた。Facebookは、Proud BoysをFacebookとInstagramから排除することをTechCrunchに正式に伝え、同グループ(恐らくリーダーのGavin McInnesも)が同社のヘイト行動集団/人物の定義に合致したことを示した。

Facebookは以下の声明を送ってきた:

「われわれは組織的ヘイト行動およびヘイトスピーチ傾向の研究を続け、パートナーの協力を得てヘイト行動組織の変化状態の理解を深めている。当社はそうした組織や個人をプラットホームから排除すると共に、それらに対する称賛、支援も見つけ次第排除している。今後もわれわれのポリシーに違反するコンテンツ、ページ、および人々の監視を続け、コミュニティーの安全を保つためにヘイトスピーチとヘイト組織に対して行動を起こしていく」

他のオンライン発の極右グループと比べても、Proud Boysがソーシャルネットワークを通じて与える影響は膨大だ。工作員でVice誌ファウンダーのMiInnesが設立した同組織は、主たる勧誘手段としてFacebookに依存している。本誌が8月に報じたように、Proud Boysは驚くほど複雑なネットワークを運用し、多くの地方、地域のFacebookグループを通じて新しいメンバーを集めている。彼らはあらゆる面でFacebook依存している——Proud Boysのホームページからも、Facebookグループにリンクを貼ってメンバー候補者を誘導している。

本稿執筆時点でFacebookの停止措置はProud Boysグループの一部に適用されているが、されていないグループもある。Proud BoysファウンダーのMcInnesのプロフィールは今も有効のようだ。Facebookの同組織に対する決定は、最近ニューヨークで、暴行、武器不法所持、集団暴行などの罪でProud Boysのメンバー5人が逮捕されたことを受けたものと思われる。

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司法省が省のすべてのヘイトクライム関連リソースを一堂に集めたポータルを立ち上げ

国内テロの恐ろしい週が明けた今日(米国時間10/29)、合衆国司法省はヘイトクライムに関するオンラインリソースや報告ツールを一箇所のハブにまとめて資料源を一本化した。

司法省のプレスリリースによると、その新しいポータルは、“省のヘイトクライムリソースを法執行部門やメディア、研究者、被害者、活動グループ、そして個人のために集めた統一的なポータルを提供するためのものである”。その新しいWebサイトは、https://www.justice.gov/hatecrimesにある。

月曜日(米国時間10/29)にD.C.で行われたヘイトクライム防止のための法執行部門の行事で、司法省副長官Rod RosensteinがそのWebサイトを発表した。Rosensteinはまた、ヘイトクライムデータの収集方法に関する研究に対する、国立司法研究所の助成金84万ドルを発表した。

このサイトは、司法省の調査や訴追活動の中から得られたリソースを集める。それらは、調査報告書や、統計データ、法律案内、教材などから成る。また、国の捜査/訴追対象となったヘイトクライムの近例を提供する。それらは、人種や宗教、出生国、性、障害、性的指向性などによる個人への暴力を含んでいる。また、ヘイトクライムらしきものを見た者が連邦政府にそれを報告するための、各種報告ツールも集められている。

政治的憎悪を広めることにおけるトランプ政権の役割に対して批判的な者にとっては、このサイトはあまり慰めにはならないだろう。役に立つリソースがいくつか集まってはいるが、でもそれらも結局は、認知的不協和を招く奇妙な行為の一つにすぎない。ここで司法省は憎悪を動機とする暴力を真剣に扱おうとしているが、しかしその結果が、暴力のターゲットになることの多い弱者から保護を剥ぎとっている。中でも最近もっとも顕著な弱者集団は、トランスジェンダーのアメリカ人だ。

Rosensteinは発表の中で、“本日被害者への哀悼を表するために、私たちもまた、ヘイトクライムの真剣な防止に向けて、自分自身を捧げるものである”、と言っている。彼もまた、ヘイトクライムの多くが今後も未報告のままであり続けることを、認めているのだ。

画像クレジット: BRENDAN SMIALOWSKI/AFP/Getty Images / Getty Images

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Facebook、「広告アーカイブレポート」で政治広告費ランキングを公表

明白な理由により、Facebookは中間選挙を前に政治広告の透明性を高めようとしている。去る5月、同ソーシャルネットワークは米国内の政治広告を検索できるデータベース、Ad Archiveを導入した。このほど新たに政治広告費用を週例報告するAd Archive Report機能を追加した。

レポートはキャンペーン別のトップ広告利用者を利用額および広告掲載数と共に公開している。最初のレポートは、FacebookとInstagramで5月から10月20日の期間に掲載された広告が対象で、総額2.56億ドルが160万件の広告に消費された。

この数字にはFacebook自身による選挙の公正化および投票推進運動に関連する広告も含まれている。それ以外ではあらゆる手を尽くして戦っているテキサス州のベト・オルーク下院議員がリードしているのは驚きではないだろう。”Beto for Texas” キャンペーンはこの期間約6000件の広告に530万ドルを使った。

ドナルド・トランプの “The Trump Make America Graeat Again Committee”[トランプがアメリカを再び偉大にする委員会]が190万ドルで2位。ちなみに “Donald J. Trump for President, Inc.” [ドナルド・トランプを大統領に株式会社] は160万ドルで8位だった。これは170万ドルを使ったトム・ステイヤーの”Need to Impeach”[弾劾せよ]のすぐ下だ。こうしたキャンペーンが2020年に向けて膨れ上がっていくことは間違いない。

アーカイブには、7年前まで遡って広告が収納されている。また同サイトでは、データをアクセスするためのリサーチャー向けのAPIも提供している。

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FCCがギガビットWi-Fiをロードマップに載せ、新たな専用スペクトルの開放を提案

インターネットはますます、ワイヤレスで利用されている。しかしひとつの家庭に複数のテレビやスマートデバイスやタブレット、スマートフォン等々があって帯域の需要が増加しているから、現今のWi-Fiの規格では間に合わなくなってきた。幸いにもFCCとワイヤレス業界には備えがあり、とくにFCCは、可利用スペクトルを大幅に増やして、ギガビット級のWi-Fiを実現しようとしている。

今私たちが使っているデバイスは、その多くが、可利用スペクトルのアンライセンス(“unlicensed”)と呼ばれる部分の帯域を使っている。アンライセンスとは、用途が特定されず、軍用や放送用などのように厳しい規制がない、という意味だ。そこで業界は、理にかなったものならどんなサービスでも、そこの周波数帯域を利用して作り出せる。そしてこのやり方は大成功し、競争と協力の両方の生長を刺激した。

しかし今では空きが少なくなり、身動きが苦しくなりつつある。そして何ダースものネットワークがあなたとあなたのスマートフォンを飲み込もうとしているから、電波の利用に大量の妨害が生じている。だから、可利用スペクトルをもっと増やして、チャネルの数と高速ネットワークを多くすることが、緊急の課題になっている。

そのために今FCCは、一般的に6ギガヘルツバンドと呼ばれているスペクトル(5,925-7,125MHz)を、開放しようとしている。

その公式の提案書はまだ一般公開されていないが、委員たち全員が楽観的で、ワイヤレスの業界はすでにその割り当て方針などについて会合を持っている。小規模なワイヤレスプロバイダーにとって不便な申請手続きにするな、商用だけでなく消費者の目的にも開放せよなど、細かい具体的な要望も多い。各社にブログ記事や声明文があるが、どれも内容はほとんど同じで、Wi-Fiは重要である、FCCの決定を賞賛する、などなどだ。

Wi-Fiの規格の次のバージョンはWi-Fi 6になる、802.11xxより分かりやすいというが?

6GHzは現在、完全に未使用ではなく既存のアプリケーションもあるが、そこはデバイスも規格も避けなければならない。よくあることだ。

Jessica Rosenworcel委員が、今日発表した声明で言っている: “既存のWi-Fi帯域に近いから、Wi-Fiの拡張を探求するのにふさわしい場所だ。またそれは、チャネルを拡大する機会を提供する。それら新しいチャネルにより、新しいスタンダードである802.11axないしWi-Fi 6を完全に実装できる。そのスピードは、毎秒1ギガビットを超えるであろう。言い換えるとそれは、次世代のGigabit Wi-Fiを開発する方法なのだ”。

ただし彼女は、3.5や5.9GHzなど、FCCがまだ十分に検討していない他の帯域にも多くの機会がある、と指摘する。今やワイヤレスを必要とするのは、ラップトップとスマートフォンだけではない。今では新しい種類のデバイス…セキュリティカメラ、スマート家電…、などなどあらゆるものがネットワークへの接続を必要としている。しかしそれらすべてを、ギガビットのダウンロードや4Kのストリーミングに使われる同じ帯域に置くのは、馬鹿げている。

FCCの提案が公表されるタイミングは未定だが、発表されたらこの記事を更新しよう。

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サウジアラビアの‘砂漠のダボス’のWebサイトがハックされ皇太子を非難する合成画像で汚損された

サウジ政府が近く開催するFuture Investment InitiativeカンファレンスのWebサイトがハックされ、殺されたサウジのジャーナリストJamal Khashoggiの画像が‘落書き’された。

汚損後のサイトのスクリーンショットがいくつもツイートされ、そこには王国の実質的な支配者であるMohammed bin Salman皇太子が剣を振りかざしている合成写真が載っている。サイトのテキスト部分は、王国の“野蛮で非人間的な行為”に対する非難に置き換えられている。それはKhashoggiの死だけではなく、イエメンで今行われている攻撃への、政府の関与にも言及している。

サイトのホームページには、何人かのサウジの個人の名前と電話番号も載っている。それらは、政府の職員や政府系企業の役員たちだ。

サイトは、汚損されたあと、月曜日(米国時間10/22)にオフラインになった。

汚損の犯人は、名乗りを上げていない。それが現れたのは、サウジの政権が、Khashoggiがイスタンブールの同国領事館で“殺された”ことを認めてから数日後で、そのときはすでに、そのThe Washington Postのコラムニストが婚姻届の用紙を得るために入館してから2週間以上経っていた。サウジの政府職員たちは、彼は“殴り合い”の後で死んだと主張したが、西側諸国はそれをナンセンスと非難した。トルコ政府がリークしたと思われる録音は、ジャーナリストが殴られ、殺され、そして切断されたと主張している。

イギリスとフランスとドイツは、声明で、彼のまだ行方不明の遺体に関する明確な説明を求めている。トルコは火曜日(米国時間10/23)に、この殺人に関する詳細を発表すると予想されている。

Future Investment Initiativeは“Davos in the Desert”(砂漠のダボス)とも呼ばれ、スイスで行われる投資カンファレンスに擬している。開催は、今週後半の予定だ。サウジアラビアはアメリカのテクノロジー企業に数十億ドルを投資しているが、しかしこのカンファレンスは、ジャーナリストの殺人のあと、数十名もの著名な投資家やテクノロジー企業、そしてビジネスリーダーたちが不参加を表明している。

・関連記事: カショーギ事件はシリコンバレーの一つの時代の終焉か–SoftBank新ファンドの行方も不透明

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米国政府監視機関、武器システムに大量の脆弱性を発見。国防省の対応に遅れ

米国政府監視機関は、国防省が重要武器システムをサイバーアタックから守る対策が十分ではないことを指摘した。

政府説明責任局(GAO)は火曜日に発行した最新レポートで、国防省は「武器セキュリティーを優先課題としていない」と言った。ここ数年で改善がみられるものの、武器システムの保安に対する「当初の理解のなさ」ゆえに、今も国防省は「武器システムサイバーセキュリティーへの取り組み」に苦闘している。

GAOは国防省の武器システムセキュリティーの見直しを依頼され、大量の脆弱性を発見した(機密情報であるために内容は公開されなかった)。しかし国防省は「問題の全貌を理解していない可能性が高い」。

武器が依存するシステムに対する攻撃が成功すると、武器の効力に影響を与え、ミッション実行の妨げや、物理的ダメージ、さらには人命の喪失につながる可能性がある。。

報告書によると、監視機関のテスト担当者は、比較的単純なツールと技法を使って、ほぼ気づかれることなくシステムの制御を握り、操作する事ができた——貧弱なパスワード管理と暗号化されていない通信が原因だ。

「テスト担当者は、オペレーターの見ている画面をリアルタイムで見て、システムを操作することができた」。オペレーターがリクエストに答えた内容も監視することができた、と報告書に書かれている。

「別のテストチームは、ユーザーの端末に、操作を継続するためには25セント硬貨を2枚入れるようにと指示するメッセージをポップアップ表示させた」とも書かれている。

あるケースでは、テスト担当者がサーバーから100 GB以上のデータを気づかれることなくダウンロードすることに成功した。

“Here’s my password.” (Photo credit: EMMANUEL DUNAND/AFP/Getty Images)

利用された欠陥の多くは、システムが商用あるいはオープンソースソフトウェアを「デフォルトのパスワードを変更せずにインストール」し、テストチームはインターネットでパスワードを探してそのソフトウェアの管理者権限を得ることができた」ためだった。

ほかにも、既知の脆弱性の悪用方法が開発されネットで公開されていたにもかかわらず、ソフトウェアをパッチしていなかったケースも報告されている。

しかしこれらは、GAOが限られたテストの中で発見した、低スキルのハッカーでも損害を与えられる基本的な問題に過ぎない——海外の敵や国が支援するグループに雇われているかもしれない、よりスキルの高い数多くのアタッカーについては考慮されていない。

過去4年間、国防省は10件以上の省内メモとポリシーを発行して全体的サイバーセキュリティーの改善に努めてきた。GAOによると、同省が新たなサイバーセキュリティー対策の取り組みを立ち上げ、実施することが「緊急」課題であると語った。

国防省の報道官は本誌のコメント要求に対して即答しなかった。

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Uber、選挙日に投票所への無料乗車を提供

Uberは、移動手段を投票に行くか否かの決定要因にしたくないと考えた。来る投票日にUberは有権者が地元の投票所を簡単に見つける方法を提供し、非営利団体と協力して一部の人たちを投票所に無料で送リ届ける。

2018年11月6日、Uberは米国の利用者に投票所を簡単に見つける方法を提供、さらに無料乗車を予約できるようにする。Lyftも同様の試みとして、投票日に投票場所まで半額または無料で乗車できるサービスを提供する。

「決定を下すのはやって来た人たち」、とUber CEOのDara Khosrowshahiがブログに書いた。「今年の投票日、Uberは人々が簡単にそれを実行できるように、われわれにできることをする」

2016年の大統領選挙では、調査に回答した若者の35%が、移動手段がないことを投票しなかった理由に挙げた。

またUberは非営利団体の協力を得て、同サービスの乗客、運転手の両方が、州の締切日までに選挙登録をすませられるように進めている。今日(米国時間10/4)から投票日までの期間、Uberは全国125箇所以上のドライバーハブで選挙登録キャンペーンを主催する。

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トランプの新しいサイバー戦略で政府がサイバー兵器を使いやすくなる

今週出たトランプ政権の新しいサイバー戦略は、これまで検討されていた方針の寄せ集めにすぎない。

その40ページの文書で政府は、サイバーセキュリティーの向上、変化の促進、そしてコンピューターのハッキングに関する法改正の計画を述べている。選挙のセキュリティについては、ほぼ1/4ページで、“宇宙のサイバーセキュリティー”の次に短い。

変わったのは語調だ。アメリカを攻撃する人物や国に対する軍事攻勢の言及はないが、その行為に対する結果が課せられる(imposition of consequences)という、反撃を意味する遠回しな言い方が何度も使われている。

国家安全顧問John Boltonは、記者たちにこう述べている: “大統領の指示はこれまでの抑制を逆転して、実質的に、関連部門からの攻撃的なサイバー作戦を可能にするものだ”。

“われわれの手は、オバマ政権のときのように縛られていない”、とBoltonは前政権を暗に批判した。

古い政策や原則の焼き直し以上に大きな変化は、オバマ時代の大統領指令PPD-20の破棄だ。それは、政府のサイバー武装に制約を課していた。それらの機密規則は1か月前に削除された、とWall Street Journalが報じている。そのときの説明では、現政権の方針として、“攻撃の最優先”(offensive step forward)という言葉が使われた。

言い換えるとそれは、サイバー攻撃の実行者とみなされたターゲットに反撃する、より大きな権限を政府に与える。近年、アメリカに対するサイバー攻撃が疑われているのは、ロシア北朝鮮、そしてイランだ。

現実世界であれ、サイバー空間であれ、軍事的アクションの脅威を強調し、力の使用を掲げるレトリックはどれも、緊張を高めるとして批判されてきた。しかし今回は、誰もそれを嫌わない。トランプ政権の熱烈な批判者であるMark Warner上院議員ですら、新しいサイバー戦略には“重要かつ、すでに確立しているサイバーセキュリティの優先事項が含まれている”、と言っている。

北朝鮮によるWannaCryの使用や、ロシアの偽情報キャンペーンなど最近の脅威に対してオバマ政権は、対応が遅くて腰が引けている、と批判されてきた。しかし前政権の職員たちの一部は、外国のサイバー攻撃に対する積極的な対応を阻害してきたものは政策ではなく、各省庁に有効な対応を講じる能力がないことだ、と反論している。

前政権でサイバー政策の長官だったKate Charletは、“彼らの大げさなレトリックも、それが作戦のエスカレーションを意味しているのでないかぎり、許される”、と言う。

彼女は曰く: “私が痛いほど感じるのは、各省庁レベルにたまっているフラストレーションだ。彼らは自分たちが、サイバー空間において自分たちの組織とアメリカを守るためのアクションが取れないことに、苛立っている。そのときから私が心配していたのは、振り子が逆の極端な方向へ振れることだ。そうなると粗雑な作戦のリスクが増え、鋭敏で繊細な感受性どころか、フラストレーションがさらに増すだけだろう”。

トランプの新しいサイバー戦略は、語調が変わったとはいえ、レトリックを積み重ねているだけであり、政府が一夜にして突然、好戦的になったわけではない。より強力な反撃ができるようになったとはいえ、本来の目的である抑止力として十分機能すれば、実際に反撃をする機会もないだろう。

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