AppleがAR/VRに欠かせない視標追跡技術のSensoMotoric Instruments(SMI)を買収

拡張現実と仮想現実の技術をめぐるAppleの今後の動きに関して、噂の火に油を注ぐかのように、同社は指標追跡(eye-tracking)技術のSensoMotoric Instruments(SMI)を買収した、とMacRumorsが報じている。

1991年ドイツ生まれの同社はこれまで、視標追跡の研究で重要な業績を上げ、特殊な単眼鏡ハードウェアを開発したり、仮想現実のための視標追跡など消費者アプリケーションの研究もしている。昨年同社は、VRヘッドセットHTC Viveのための視標追跡開発キットを発表している。

問い合わせに対してAppleは、昔から変わらぬワンパターンで答えてきた: “Appleは小規模な技術企業をときどき買収し、一般的にそのとき、弊社の目的や計画を明らかにすることはない”。

買収の条件は現時点で不明だが、今後分かり次第お伝えしよう。

VRやARの重要なユースケースのひとつが、ユーザーが今見つめている場所の位置を調べてその領域を最高の解像度で描画し、周辺はやや手抜きをして処理負荷を軽減する、中心窩レンダリング(foveated rendering, 視線追跡型レンダリング)と呼ばれる技術だ。VRやARのヘッドセットで超高解像度な視界を実現するためには、欠かせない技術と言われている。

ヘッドセットを用いるARやVRでは、視標追跡技術のユースケースがほかにもある。たとえば昨年10月にGoogleが買収したEyefluenceは、ユーザーインタフェイスのマウスクリック等に代わるセレクション(ユーザーの指定)の判定に、視標追跡を用いる。

先月Appleは、拡張現実を利用するアプリケーションを作るデベロッパーのために、APIセットARKitを発表した。また同社のデスクトップ機の最高級機iMac Pro向けには、VR開発のサポートを提供している。

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Google Glassはまだ生きていた…3年ぶりのアップデートがリリース(Bluetoothサポートなど)

Google Glassesをまだ持ってる人は、そのホコリをはらいましょう。あの1500ドルのフェイスコンピューターが今日(米国時間6/21)、新たなアップデートで再びステージ中央に戻ってきた。

それは2014年9月以来のアップデートだが、まず付属アプリの“MyGlass”がアップデートされた。バグフィックスもいくつかあり、新たにBluetoothがサポートされた。そこで今回の“XE23”バージョンでは、キーボードやマウスなどのBluetoothデバイスをGlassに接続できる。

アプリのアップデートが昨日行われて、Glassのファームウェアのアップデートが今日なのは、オドロキだ。

では、Glassというプロジェクトは生きているのか? 実は、死んだことはまだ一度もないから、生きているのだ。もう誰も買えないし、そのWebサイトは2015年に閉鎖されたから、ドードー鳥の運命をたどっているかと思われたが、いなくなったわけではなく、ただ、消費者にあまり関心を持たれなかったあと、親元のGoogle Xを“卒業して”いたのだ。Googleは秘かにそれをエンタープライズ部門へ移していた。しかし、どうやらGoogleの誰かが、この、マニアを吸引する力のある消費者向けGlass製品の面倒を見ていたのだ。

これら二つのアップデートを今やる理由は、よく分からない。3年の沈黙のあと、急にアップデートするのもヘンだ。旧バージョンからどこかが劇的に変わったわけでもないのに。でもこのことは、同社の光学系を搭載したウェアラブルが、完全に忘れ去られてはいないことの証(あかし)だ。

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Snap、Spectaclesの次期バージョンを開発中。拡張現実が加わるか

今月Snapは、ビデオ録画機能付きメガネSpectaclesをヨーロッパでも販売開始したが、この会社はすでに次期バージョンも開発中で、情報筋によるとかなり大胆な仕様になるかもしれない。

初期バージョンのSpectaclesは昨年129.99ドルで発売された。ユーザーは写真またはビデオを撮影してSnapchatサービスに投稿することができる。このアイデアはさまざまなコンテンツを作成しシェアする方法をユーザーに提供した。

第2世代プロジェクトは厳重な社内秘に守られている ―― 1800人いるSnapの社員の中でも製品の詳細や出荷時期を知っているのはごくわずかだと別の情報筋が本誌に話した。われわれの理解は、次期バージョンが第1世代から「大きく変わる」ということだけで、具体的内容はわかっていない。

Spectacles IIに拡張現実機能が内蔵される可能性はかなり高い。重要なヒントは、Mashableが発見したARメガネに関するSnapの特許出願資料にある。2015年11月付の書類には、Snapが2枚のレンズ構成でユーザーの位置を検知し、デジタルコンテンツを周囲の空間に投影する計画が書かれていた。

Snapのアプリはすでにそんな計画に対応する準備ができている。同社は4月に最近拡張現実機能 ―― World Lenses という名称 ―― を公開し、ユーザーの周囲の物体をデジタルオブジェクトで置き換えることを可能にした。マスクやフィルターとは異なり、ユーザーはSnapchatアプリに現れる3Dオブジェクトのまわりを歩き回ることができる。

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Snapはメガネ以外にもさまざまなハードウェアにも長年取り組んできている。今回の特許申請が注目される理由もそこにもある。

出願書類には、「拡張現実ヘルメットおよび拡張現実サンバイザー」などの別製品への言及もある。さらにSnapは、Ctrl Meという小さな会社を買収して以来ドローンともつながりがあり、自社開発も検討した。360度カメラの販売計画についても本誌が以前報じた

こうした様々な種類のハードウェアが開発中である可能性がありながら、本誌の情報源は、少なくとも現在、SnapはSpectaclesの次期バージョン製品を作っていると考えている。

SnapがSpectaclesを最初に売ったのは昨年11月で、本拠地のカリフォルニア州ヴェニスで ‘Snapbot’ という1台の自動販売機を通じて販売した。その後Snapbotを拡大し、今年2月にはオンラインでも買えるようになった

Spectaclesは多くの人々のイマジネーションをとらえたが、Snapの収支に大きな影響を与えることはなかった。販売台数は公表されていないが、決算報告から推定すると、2016年Q4に約3万4600本、2017年1Qには6万3800本を売ったとみられる。これは、四半期あたりそれぞれ約450万ドルと830万ドルに相当する。Q1にSnapの売り上げが1.496億ドル(損失は22億ドル)だったことを考えると、大きな声で発表する話ではない。今はまだ。

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HoloKitはARのためのGoogle Cardboardだ、レンズとミラーで像を二重化

Google Cardboardから得た啓示は、スマートフォンを目に十分近づけるとVRのヘッドセットになることだった。でも、MicrosoftのHoloLensのような混成現実(mixed reality, MR)の装備では、それほど単純ではない。…じゃないかな? しかしここにご紹介するHoloKitは、最小限の装置で拡張現実の体験を拙速に作り出す、とても巧妙なDIY製品だ。

そのアイデアはとても単純で、一対の鏡がスマートフォンのディスプレイを、角度のついた、半透明のフレネルレンズに反射する。そうすると、画像とその後ろの世界がARのように重なって見える。一方スマートフォンは、カメラとセンサーで目の前の世界を追跡する。

うまいやり方だし、数十年前にあった、ハーフミラー状のガラスを使う光学的トリックを思い出す。ARは二つの視像を重ねなければならないから、構造はCardboardほど単純ではない。でもこれなら、HoloLensを買うほどのお金がない人でも安上がりにARアプリケーションを試せるし、複数買ってグループに配布することもできる。

たとえば博物館が、あの有線方式の大げさで高価なHoloLensを導入して子どもたちに、ティラノザウルスの骨格の上にその体の画像を重ねて見せたりするだろうか? ありえないだろうね。でもこの製品なら、そんな目的にも使える。ユーザーがデバイスの方にばかり気を取られないようにするためには、ストラップを使うなど、装着方法を工夫すべきだね。

今HoloKitは(Microsoftが文句を言いそうな名前だが)、iPhone 7と同Plus, Google Pixel, そしてProject Tangoのハードウェアをサポートしている。

これを作ったAmber Garageは、Botao Huが創業したAR企業だ。彼は昨日(米国時間6/1)これを、Augmented World Expoでプレゼンし、コードとドキュメンテーションを来週GitHub上で公開する。

あなたも、欲しい? 組み立てキットは7月に発売される。Webサイトをチェックし、来週行われるAR in Actionで注文しよう。

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フリードランダーの”Judah vs. the Machines”:AnkiのAIレーシングカーに挑戦

コメディアンで俳優のジュダ・フリードランダーが「人類を救うために人間が世界のトップ人工知能と対決する」番組、Judah vs. The Machines。今回は拡張現実と人工知能を組み合わせてto entertain fans of racing gamesレーシングゲームのファンを楽しませる会社、Ankiに戦いを挑む。Ankiはスマートフォンカメラと専用のアプリを駆使して、いま目の前にある本物の物理的コースで起きているレーシングバトルを再現する。

フリードランダーはAnkiの無人運転車3台との武器をともなうデスマッチに挑戦した。レースは自動車による無法の全面戦争であり、あらゆる運転中の激怒と人間のむき出しの感情が露呈する。

Ankiの車の良いところは、人間に取って代わろうとしていないことだ。将来ロボットが我々を失業させた時のレジャーかもしれない。Ankiのテクノロジーはすでに表舞台に立ち始めている。同社のハイテクレーシングカーはすでに主要小売店で販売されている。

Judah vs. the Machinesの全8話についてはこちらを参照されたい。

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Scope ARの拡張現実コンテンツ制作ツールWorkLinkがMicrosoft Hololens用バージョンをローンチ

Microsoftの3000ドルもするHoloLens開発キットは、去年から今年にかけてたくさん出た消費者製品よりも多くの関心を集めてきたが、忘れてならないのは、その拡張現実ヘッドセットが、企業の空間的コンピューティングの新たなスタンダードを目指していることだ。

今日(米国時間5/11)、カナダ、アルバータのScope ARは、拡張現実のコンテンツ制作プラットホームWorkLinkの、HoloLensバージョンを立ち上げ、たとえば企業の遠隔地の作業員に、複雑な機械の修理や組み立て方法をAR画面で教えられるようにした。

Y Combinatorが支援している同社のツールは、それを使ってCADのモデルを実物オブジェクトの上にオーバレイできる。そしてそれにより、専門家からの指示や助言を受けられる。問題が起きても、手の施しようを迅速に教えてもらえる。そんなARベースのコミュニケーションはタブレットとマーカーを使って行われることが多いが、同社がねらっているのは、今後はそれをヘッドセットベースで行うことだ。

2010年に創業された同社は、誰も知らない間に多くの有名企業を顧客に抱えるようになっているが、守秘義務のためにその名を明かせないことが多い。今ここで勝手に挙名できるのは、NASA, Boeing, Lockheed Martin, Toyotaなどだ。

HoloLensの問題は、それがコンテンツを載せやすいハードウェアではないことだ。デベロッパーにとってそれは、UnityでHololensボタンを押すほど簡単な作業ではない。技術的な難関を、乗り越えなければならない。

WorkLinkは、HoloLensの外向奥行きセンサーを利用して作業対象のオブジェクトの上に粗いメッシュをかぶせ、そこにARによる手取り足取りのインストラクションを付ける。それは同社によると、“PowerPointでプレゼンテーションを作るぐらい易しい”そうだ。顧客サポートに伝えるべきARコンテンツを、非技術系の社員でも容易に作れるようになる、という含意だろう。今そのためのユーザープラットホームとしては、iOSとAndroidとWindowsをサポートしている。

“HoloLensにコンテンツを載っけるのはこれがいちばん簡単”、とScope ARのCEO Scott Montgomerieは宣伝も怠りない。


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Beatie WolfeがニューアルバムRaw Spaceのプロモで拡張現実を利用、あのベル研がテクノロジーで支援

シンガーソングライターのBeatie Wolfeは、テクノロジーを利用して、昔の音楽が持っていた不思議な力や身体性を取り戻そうとしている。

昨年はWolfeと彼女のNFCジャケットについて話をしたが、それはスマートフォンとジャケットをNFCで結んで、彼女のシングルを宣伝するWebサイトを開く、というものだ。

ニューアルバムのRaw Spaceでは、WolfeはNokia Bell Labs(昔のベル研を今はNokiaが所有)やDesign IOとパートナーして、5月5日から360度の映像無響室からストリーミングし、音はRaw Spaceのビニールバージョン(LPレコード)から流す。

そのビデオにはDesign IOが作った拡張現実のアニメーションが含まれ、曲の感情や考えを表す。一部のアニメーションはリアルタイムで作られるので、毎回内容が違う。

“こんなことを考えていた: 今のストリーミング全盛の世界でアンチ・ストリーミングを表現しようとしたら、どうなるだろうか?”、とWolfeは語る。“ストリーミング体験には、形や重さがあって実際に触(さわ)れるものや、強力なアートがない。それらを今の世代に生き返させるためには、どうすべきか?”。

彼女のこの企画は、ベル研で50年の歴史を持つExperiments in Arts and Technology事業の一環でもある。過去にはJohn CageやRobert Rauschenbergなども参加したコラボレーション事業だ。ベル研の社長でNokiaのCTO Marcus Weldonによると、その事業は昔ほど活気がないけど、Wolfeなどとのコラボレーションで新たに活を入れたい、という。

“今年は50周年記念じゃないか、そろそろやり方を再検討すべきだね”、と彼は語る。

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NASA、宇宙飛行士の訓練に複合現実システムを利用

NASAはビジュアル化のために常に最新技術を取り込んできた ― たとえそれが他愛のないエンターテイメントのために開発された技術であっても。最近本誌はNASAのホログラムを使った火星の展示を紹介した。また数多く3D資料開発者や教育者向けにNASAから提供されている。そして米国航空宇宙局は、Epic Games社と提携して同社のUnreal Engineを利用した複合現実による国際宇宙ステーション・シミュレーターを作ろうとしている。

NASAの宇宙飛行士の資格を得るために、候補者は最長2年間の訓練期間中に、無重力下での作業やスペースシャトルと国際宇宙ステーションの各部分の移動、飛行士同志の救急措置などに備えて、厳しい講義とシミュレーションを体験する。

従来、宇宙飛行士の訓練といえば、「無重力環境訓練施設」― 620万ガロン(2万3470㎥)の水を擁する巨大なプール ― に飛び込み、NASAのスペースシャトルおよび国際宇宙ステーション(ISS)の一部の実物大モデルである宇宙船モックアップ施設で時を過ごすことを意味していた。しかしこうした施設は収容能力が限られている。物理的設備と複合現実を組み合わせることによって、宇宙飛行士訓練生はスキル向上に長い時間を費やすことができる。

Unreal Engineの主要なライバルであるUnityもNASAと協同作業をしてきた。ご存じない方のために書いておくと、いずれの会社も企業アプリやVR体験にも応用されているゲームエンジンを作っている。これまでのところUnityを使っているゲームデベロッパーの方がUnreal Engineよりも多い。しかしUnreal Engineは、BMWやMcLaren、Ikea、Lockheed Martinなどの「有力ユーザー」がいることを誇りにしている。

Unreal EngineとNASAが今月発表したビデオによると、複合現実システムには、エクササイズマシンや保守作業に用いるツールなどISSに装備された機器の様々な要素が組み込まれている。シミュレーターは以前教育用に公開されたMission: ISS for Oculusとは別のシステムだ。

この複合現実ISSシステムは、重力シミュレーターのARGOS(Active Response Gravity Offload System)で宇宙飛行士訓練生の心を奪う。ロボティック・クレーン装置を利用して、訓練生に微小重力、月面重力、火星重力を体験させる。NASAはこの複合現実システムを宇宙飛行士や技術者の訓練に使うだけでなく、新たな居住環境のデザインにも利用する計画だ。

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地球儀とARアプリが合体&対話して地理の勉強がゲームのように楽しくなるOrboot

地理はクールだ。子どもたちが何と言おうとも。もっとクールなものがあるとすれば、それは拡張現実だけだ。それでは、この二つのクールなものを一つにまとめたものがあるとしたら、どうなるか? その名前はOrbootといって、なんだかとても楽しそうだ。ただし、クラスにiPadかAndroidタブレットがないとだめだけどね。

Orbootは、直径10インチの地球儀と、それ用のアプリ(iOSまたはAndroid)で、世界のいろんなことが分かり、またARでいろんなことができる。アプリ付きの地球儀をすでに持ってる人もいるかもしれないけど、でもあれは退屈だ、すごく。古典的な地球儀よりはOrbootのように本物の地球がいいし、表示をスワイプするだけよりは、実際に何かができた方が楽しい。

地球儀の上のさまざまなシンボルが、お話や動物や地図の中に現れると、子どもたちはそれとさまざまな対話ができる。たとえば象にいろんなものを与えてみて、象が好きなものを見つける。エヴェレストに登るための、いろんな登山道を調べる。ケニヤや中国の人のお話を聴く、ほかにも、いろいろできる。ぼくの甥っこなんか夢中になってたし、5年生ぐらいのクラスなら、順に親の出身国について知るのもよいだろう。

これを作ってる会社はPlay Shifuという名前で、スタンフォード大学とインド工科大学の卒業生が創ったスタートアップだ。AR製品はほかにもいろいろあるけど、いろんなことができる点では、Orbootがいちばんだろう。

Play ShifuはOrbootを始めるための資金をKickstarterで募集したが、目標額の15000ドルを4日で突破した。締め切りを延ばしているが、今なら、8つのレッスンがついて35ドルだ*。高くはないよね。もっといいのは、65ドルで二つ買って、ひとつを子どもの学校に寄付することかもしれない。〔*: 「動物」、「遺跡」、「食べ物」の三レッスンだけなら29ドル…各レッスンの目録と解説はKickstarterのページ上にある。〕

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混成現実の多様な可能性に賭けるMicrosoft、Windows 10用のデベロッパーキットを今月から提供開始

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Microsoftが前に言ってたところによると、PCの世界でみんながその名前を知ってるような、いくつかのOEMパートナーが今、Windows 10機の上で混成現実を体験できるためのヘッドセットを作っている。その最初の製品であるAcerの製品は、デベロッパー向けに今月発売される。また、その後の数か月は、ほかのパートナーたちのデベロッパー向け製品が次々と発表される。

そして、Windows Mixed Realityという新しいブランドが確立する。前にはWindows Holographicと呼ばれていて、技術的にはそっちの方が妥当、との声もある。

Microsoftは2018年のScorpio Xboxを皮切りにXbox Oneの系統も混成現実化していくつもりなので、今の一連の動きはそのための…とくにデベロッパーを意識した…下地作りという意味もある。またWindows 10は今後またCreators Updateが提供されるので、デスクトップOS上の混成現実にも、引き続き力を入れて行かなければならない。

Acerや今後のASUS, Dell, HP, Lenovoなどの混成現実ヘッドセットは、位置追跡機能がinside-out方式で、部屋の中などに外付けの位置追跡デバイスが要らない。その代わり、ヘッドセットの中にユーザーのまわりをスキャンするセンサー群があって、ユーザーの動きを正確に追跡し、仮想オブジェクトを正しく描画する。

Acerのキットがデベロッパーの手に渡るのは今日(米国時間3/1)で、1440×1440、リフレッシュレート90Hzの液晶画面を誇っている。オーディオ出力とマイク入力のための3.5mmジャックもある。Windows 10のコンピューターには、HDMI 2.0とUSB 3.0の両方を収めた単一のケーブルで接続する。

混成現実は多くの人びとにとって、仮想現実よりもおもしろいものになりそうだ。オフィスやそのほかの仕事環境でも、多様な機能やVR/ARコンテンツを付加できる点が、デベロッパー、ユーザー両方にとって魅力だ。VRだけだとVRが現実を完全に隠してしまうから、現実に対する多様な用途は期待しづらい。ただしもちろんMicrosoftにとっての勝敗は、デベロッパーのためのライブラリや、ユーザーのためのソフトウェアのクォリティーで決まる。ヘッドセットでデベロッパーキットを先行させるのも、そのことを意識しているからだ。

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デトロイトの美術館がGoogle Tangoを利用して展示物の由来や歴史情報をARで加える

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拡張現実の話は最近ますます騒々しいが、GoogleのTangoはその騒ぎにまだ加わっていない。それどころか、この技術をサポートしている二つめのハンドセットASUS ZenFone ARは、先週CESで発表されたばかりだ。

でもTangoには、消費者製品に載ること以外にも、生きる道がありそうだ。Detroit Institute of Arts(デトロイト美術館, DIA)が、美術館に来る人たちの関心を高める方法を、テクノロジーの分野に見い出している。それは、バルセロナの国立カタロニア美術館(Museum Nacional d’Art de Catalunya)の、MWC(Mobile World Congress)とのタイアップ事業に続く動きだ。

そのときと同じく、展示を開発したのはAR専門企業を名乗るGuidiGoだ。DIAの展示はLenovo Phab 2 Proを利用して、同美術館の歴史的展示物に、それらの時代背景情報などを加え、いわゆる‘生きた歴史’を見せる。たとえば、次のようなものを:

  • エジプト展示室では来館者がデバイスを2000年前のミイラの上に掲げると、その内部の骨格のX線画像が見られる。
  • ベージュ色の石灰岩の彫刻を見ているときは、デバイスの画面に、数千年前のアッシリアの宮殿を飾った元の鮮やかな色が表示される。
  • イシュタル門の壁の前に立つと、来館者は古代バビロンの門のデジタルな再現の中を歩いて通ることができる。

Lumin(ラテン語で‘光’を表す)と名付けられたこの特別展示は、1月25日に始まる。来館者からのフィードバックに基づいて、展示を増やすことも計画している。

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Apple、失くしたAirPodを69ドルで交換

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AppleのAirPodsが発表されるや否や、世間はどうやって失くすかを想像して盛り上がった。さて、改定された公式iPhone修理サービス料金ページによると、AirPodの片方あるいは充電ケースを失くした(あるいは壊した)場合、Appleは69ドルで交換に応じる。AirPodsの1年間保証の範囲外でバッテリーに問題が生じたときのサービス料金は49ドル。MacRumorsが報じた。

このワイヤレスヘッドホンは、Appleの新型W1チップを使って様々なiDeviceとシームレスに接続する。価格は159ドルで現在予約受付中だ。

69ドルというのは、このちっぽけなワイヤレスイヤホンに払う金額として法外にも思えるが、Appleがこうすることによって、ヘッドホン市場全体が前進するための良き前例になればすばらしい。ワイヤレスヘッドホン市場への参入者はまだごく少数だが、私の知る限り片方の交換に応じているメーカーはない。もし落としてしまったときは、恥をしのんでヒモ付きヘッドセットに戻るか、大枚をはたいて新品を買うしかない。

AirPodsは片方だけでもiデバイスと接続できるので、失くした後も交換品が来るまで残った一つを使い続けることができる。

ワイヤレスヘッドホンは、まだライフサイクルが始まったばかりなので、それを支える技術も手探り状態でまだ価格も高いが、こうして交換についての重要な基準をAppleが設定したことは、まだ少々懐をいためるとはいえ、すばらしい先例と言える。
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Disney Researchが考案したリアルタイムのモーションキャプチャーシステムはできるだけ少数のセンサーしか使わない

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本格的なモーションキャプチャーは、大量の光学マーカーや内部のセンサー、あるいはその両方を使う。組み立ても分解もたいへんだし、膨大な量のデータを作り出す。Disney Researchのこのプロジェクトは、体の動き方に関するお利口な想定を利用して、わずかばかりのセンサーを使用し、高品質な結果を作り出す。

研究者たちは、ありとあらゆるものがセンサーの理想的な数と配置の邪魔をすることに気づいた。マーカーや衣装、粗悪な照明なども邪魔をする。そこで彼らは、それでもなおかつ良質なリアルタイムの結果を作り出す、最小限のシステムを提案している。

彼らのシステムでは、慣性ユニットが両手、両足、頭と尾てい骨、計6つある。同じ場所に光学マーカーがあり、計測された相対的動きを、参照カメラが見た絶対位置に関連付ける。

とても少ないセンサーでうまくいくのは、送られてくるデータを、体の動きを多少知っている物理モデルに入力するからだ。マーカーの位置と、検出した力に基づいて、“物理的に正しい”位置と動きを計算し、それをさらに、既知の動き、関節の位置、および姿勢と照合して、おかしな情報でないことをチェックする。

だから、センサーは、肘は後ろに曲がらない、とか、膝はそんなおかしなねじれ方をしない、と言ってくれなくても、システムは体のシミュレーションに基づいて、それはありえないと判断できる。トップの静止画像では、青い男はセンサーの正規の組み合わせが作り出した地上真実(ground truth)だ。緑の男はモデルが計算したもの。そして黄色の男は、各コマを“動き優先(motion priors)”で捉えたもので、ときどき全然おかしくなる。

研究者たちが提案している最小のセットアップとリアルタイムのフィードバックは、モーションキャプチャーや仮想現実で役に立ちそうだ。Kinectやヘッドセットのセンサーが捉える体の動きは、多くの点で限界がある。でもそれらを、50の部分から成り、計算に1時間を要するシステムでリプレースすることはできない。プレーヤーが、全身を覆う完全なボディースーツを着るわけにもいかない。でも伸縮性のバンド2本にセンサーが付いてるだけなら、着脱は容易だし、日常的なVRアプリケーションには十分以上の良好な結果が得られるだろう。

このシステムを記述している論文は今日(米国時間12/12)、ロンドンで行われたConference on Visual Media Productionでプレゼンされた。

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来年からWindows 10パソコン全機種でWindows Holographicを使えるようになる

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Windows 10ユーザーは、来年から「ミックスト・リアリティー」(MR:複合現実)の世界に浸れるようになる。Microsoftは、2015年1月に発表したWindows Holographicシェルが、「主要」Windows 10パソコン全機種で動くようようになるアップデートを計画している。

このアップデートによってユーザーは、従来の2D Windows 10アプリを没入型3Dグラフィック環境と組み合わせられるようになる。それを可能にするのが、従来のクリックやポインティング等の入力に位置追跡機能を追加する、様々な “6 degrees of freedom”(6DoF)入力デバイスだ。

Windowsチームはこれをもっと広く普及させることも考えており、フルスケールのVRを実行するのに必要なスペックを備えていないWindows 10パソコンにも対応する。例えば、Intel NUCという超高価ではないIntelグラフィクス内蔵デスクトップ機で、Windows 10 Holographicが動作しているビデオを披露した。

近い将来、日常のデスクワークでスプレッドシートやプレゼンテーションをMR世界で使うことはありそうにない。しかし発表時には出荷されそうにないベーパーウェアに思えた機能を、こうしてMicrosoftが一般公開しようとしているの見るのは良いものだ。

IntelとMicrosoftは、MRパソコンやユーザーがMR操作環境を体験できるヘッドマウントディスプレイの仕様も検討している。仕様は今年12月に深センで行われるWindowsハードウェアデベロッパーカンファレンスで一般公開される予定。

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MITが「さわれる」ビデオを作った

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厳密に言うと、ビデオは対話型メディアではない。しかしMITの新たな研究プロジェクトはそれを変えようとしている。同大学のCSAILラボが開発した技法を使うと、視聴者はビデオに映った物に「触れ」て、まるで現実世界で物に触れているかのように直接動かしたり影響を与えたりできるようになる。

つまりこの技術を使うと、誰かがギターを弾いているYouTubeビデオでフレットを拡大表示して弦をマウスでドラッグすれば、実際に弦をはじいたような音がするという意味だ。あるいは、古い橋に人工の風やトラックの振動等のバーチャルストレスを与えて、負荷テストを行うこともできる。

このCSAILの新しいモデルでは、通常のカメラで撮影したビデオをチームが開発したアルゴリズムで解析し、個々の物体の振動を分析する。最短5秒間のビデオからでも解析が可能で、他の動作に対してどう反応するかを予測して現実的な予測モデルを作ることができる。


通常この種の効果をビデオゲームや対話型メディアで実現するためには、バーチャルモデルの製作という費用も時間もかかる手作業が必要だ。バーチャルなアニメキャラクターが現実世界と融合したロジャーラビット型映画の制作にこの新技術を使えば、リアルなビデオをCGと合成するのも簡単になり、ロジャーラビットをはるかに越える応用が可能になる。

MITはこの技術が面白い結果を生みそうな場所として、ポケモンGOの名前を挙げている。捕えようとしているBulbasaur[フシギダネ]が、草むらと実際に触れあっているように見えたらどうだろうか。大作映画でCGエイリアンが現実世界の都市を破壊する様子をビジュアルに表現するのもずっと容易になるだろう。

この新しい手法は、VRやARの技術に対する関心と投資の波に乗る最適のタイミングで登場した。多くの対話型VR体験の開発コストを大幅に削減することで、コンテンツ分野に新たな関心が寄せられることが期待できる。つまるところ、誰もがVRの価値を証明するものを求めている。最終的にCSAILは、VRビデオが今以上に魅力ある双方向メディアになれることを証明できるかもしれない。

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ニューヨーク州知事、性犯罪者によるポケモンGOのプレイを禁止へ

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よく考えてみると、好きなところに「ルアー」を置き若きポケモンファンを呼び寄せるという機能には、穏やかでないものを感じる。ニューヨーク州のAndrew Cuomo知事が、保護監察下にある性犯罪者によるポケモンGOその他オンラインゲームのプレイを禁止しようとしている理由はそこにある。

「私の指示によってニューヨーク州更生・社会内監視局は、保護監察中の性犯罪者に新たな条件を加えた」と、ポケモンGOを開発したNianticに宛てたレター (PDF) にCuomoが書いた。「加えられた条件によって、対象者はポケモンGOをはじめとするインターネット対応ゲームのダウンロード、アクセス、その他の利用が禁止される」。

州知事室ウェブページの記事によると、この制約は約3000名の性犯罪者に適用される。レターには、性犯罪者の行方やオンラインハンドル名等を定期的に報告する会社のリストに、Nianticを追加することも書かれてる。

性犯罪者は、少なくともニューヨーク州では、一部機能のアクセスが禁止され、ユーザー名や利用しているアプリ等の最新情報を提供する義務がある。Facebook、Apple、Microsoftをはじめとする20以上の企業が週単位でこのデータを共有している。

これは生涯にわたる禁止ではない ― 保護監察期間を終えた性犯罪者は、少なからぬ制約と監視の対象とはなるが、今回提案された禁止事項は適用されない。

州上院議員のJeffrey KleinとDiane Savinoが独自に調査した結果、多くのポケストップが既知の性犯罪者の近くに位置していることがわかった。Reutersによると、同州はNianticに対しポケストップの移動ないし削除を求めているが、私が読んだ文書にその要求は入っていなかった」。

本件および他のいくつかの事項、例えばどのオンラインゲームが禁止の対象になるか等について、州知事室に追加情報を要求しているので回答があり次第続報する。

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GoogleのOmnitoneは、サラウンドサウンドでウェブベースVRに一歩近づく

British television presenter Rachel Riley shows a virtual-reality headset called Gear VR during an unpacked event of Samsung ahead of the consumer electronic fair IFA in Berlin, Wednesday, Sept. 3, 2014. (AP Photo/Markus Schreiber)

多くの分野でそうだったように、VRの振り子もいずれ専用アプリからウェブベースシステム側へと揺り戻されるだろう ― そしてそれが起きる時、Googleは準備万端整っているはずだ。同社はウェブで本格的サラウンドサウンドを配信する新しい方法の詳細を公開した ― システムの名前はOmnitone

昔ながらのマルチチャネルサラウンドは、平らな画面で映画を見るには十分かもしれないが、全空間を支配するバーチャル環境を行き来するためには少々物足りない。アンビソニックが必要だ。アンビソニックはユーザーを包む完全な球体をシミュレートして3D空間に音の座標を与え、その座標をレンダラーが適切な音波へと変換する。

GoogleのChrome WebAudioチームが直面した問題は、既存のツールだけを使っていかにブラウザーでこれを実現するかだった ― 新たな標準でこれ以上ウェブを散らかさないために。たどりついた答は、巧妙だが実に単純だった。

image00アンビソニックのサウンドストリームでは、音そのものと同じくらい音の位置が重要だ。Omnitoneは、その位置情報をVRヘッドセットのセンサーから得た方向データと組み合わせる。つまり、あなたの頭が右X度上Y度を向けば、そのデータがアンビソニックのサウンドストリームに直ちに反映され、ユーザーに合わせてオーディオ球体全体が移動する。

サウンドストリームはスピーカー8台から成るバーチャルスピーカー群に渡り、バイノーラル・レンダラーによってステレオにミックスダウンされる ― するとほら! 既存のウエブツールだけで、まずまずの全空間サラウンドサウンドストリーミングと出来あがりだ。

このデモで試してみることができる ― 但しロードできればの話で、私はできなかった。でも近いうちに、YouTubeによるVR体験等と共にもっと本格的に展開されるだろうから心配はしていない。もちろん全部がオープンソースで、GitHubのここで見られる

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Doppler Labs、2400万ドルを追加調達して耳の中にコンピュータを入れる

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Here Active Listening SystemやHere OneヘッドフォンのメーカーであるDoppler Labsは今日(米国時間7/19)、2400万ドルのシリーズB追加調達ラウンドを完了した。リードしたのはPeter CherninとThe Chernin Group。新たな投資家として、Kevin Efrusy、David Geffen、Dan Gilbert、Henry Kravis、Anton Levyらが加わった。

Doppler Labsは2014年からこの分野に入り、初のオールインワン・インイヤー(耳内)コンピューターの開発へと徐々に向かっている。

最初の製品であるDubsは、完全機械式の耳栓で、ライブ音楽の質を落とすことなく音量を下げるために作られた。

その後チームはHere Active Listening Systemという、周囲の音楽をコントロールできる耳内AR製品を作った。ユーザーは周囲の音量を変えたり、高音、低音を上下させたり、リバーブ等の面白フィルターを使って周囲の音に効果を加えたりできる。

Here Active Listening Systemは1万5000台ほど売れ、機械式耳栓とDoppler Labs最大の事業Here Oneとをつなぐ、堅実な架け橋となった。

Here Oneは、本質的にはHere Active Listening Systemの強化版だ。ライブオーディオチューニングはさらに賢くなり、ユーザーは、ボスが直接話しかけてきたり、救急車がサイレンを鳴らして通るといった重要な音を聞くことができる。

しかし、Here OneはBluetooth経由で音楽ストリーミングも可能で、単なるヘッドホンをフル装備のコンピューターに変えようとしている。

Doppler Labsの共同ファウンダー・CEO、Noah Kraftは、聴覚はオフにできない唯一の感覚であることを、しばしば話題にしてする。

「進化の観点から言えば、これは意図的だ」とKraftは言う。「捕食者から逃がれるためには聞く必要がある。しかし、今われわれにそんな脅威はなく、耳が世界を体験する方法をコントロールする手段を持つべきだ」

ほとんどの人たちがARをビジュアルなメディアだと思っているが、Doppler Labsは耳の中のARの誕生と成長の、説得力ある事例を作ろうとしている。

調達した資金は、会社と投資家双方による早期行動であり、Here Oneの量産と、現在約70名からなるDoppler Labsチームの拡大に向けられる。

これでDoppler Labsの調達総額は5000万ドルになった。

Doppler Labsについてはここで見ることがてきる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

日本では明日7月20日(水)にPokémon Goが発売、最初からスポンサー店あり

This photo illustration taken in Tokyo on July 13, 2016 shows the Pokemon official site through a Japanese internet website announcing the latest information for "Pokémon GO".
With Pokemon-mania sweeping the planet, Nintendo's nascent shift into mobile gaming has proved a massive hit, vindicating the Japanese videogame giant's decision to unshackle itself from a long-standing consoles-only policy. / AFP / KAZUHIRO NOGI / TO GO WITH Japan-US-IT-Nintendo-Pokemon-lifestyle,FOCUS by Harumi OZAWA
        (Photo credit should read KAZUHIRO NOGI/AFP/Getty Images)

Pokémon Goのフィーバーで任天堂の時価総額は一挙に倍になり、Sonyを抜いた。このゲームがポケモンの生まれ故郷日本に上陸したら、一体どういうことになるのやら。

しかしそんなに待つ必要はない。Pokémonの日本発売は明日の水曜日(7/20)だ、と情報筋が確認した。ついでにこのゲームを作ったNianticにコメントを求めたが、無視された。

Pokémon Goは火曜日現在、アメリカ、カナダ、ヨーロッパの大半など30か国で発売されているが、日本は仲間はずれだった。もちろん根っからのポケモンマニアは大怒りだが、Nianticはこの状況を合理化しようとしている。ちなみにこのゲームは、アクティブユーザー数が、TwitterやTinderなど並みいる人気アプリをことごとく、抜いてしまった

NianticのCEO John HankeがForbes誌に語ったところによると、日本の関連企業、株式会社ポケモン〔公式サイト〕や任天堂などが、日本ローンチで必ず起きるであろう巨大な需要に対応すべく、サーバーの強化に取り組んでいるので、日本発売に遅れが生じた、ということだ。

そのときHankeは、“リリースは7月末の予定”、と言っている。

だから、明日水曜日の発売は寝耳に水の驚きだ。とにかく日本のインターネットがポケモンマニアで超満員になるのを見るのに、あと10日待つ必要はなくなったのだ。

アプリのクレイジーな売れ行きと、任天堂の時価のさらなる爆発的アップ、しかし日本のPokémon Goにはもうひとつ、注目すべき情況がある。それは、任天堂がオフィシャルパートナーを持つのはこれが初めて、ということ。

Hankeが前にも言っていたように、Nianticの売上はすでに大きく増加しているが、今後はそれに上乗せする形でアプリ内購入による収益が入ってくる。それは、複数のパートナー企業にゲーム内で、“スポンサーがいる位置(sponsored locations)”を提供しているからだ。その位置にスポンサーが作った“ジム”では、ゲームのプレーヤーがポケモンを捕まえたり戦わせたり、訓練したりできる。“位置”はたとえば、特定のお店だったりする…だから文字通り、そのお店へ行く人が増えて売上に貢献するのだ。

本誌が得た情報では、日本でのローンチ時からのパートナーは、マクドナルドとその3000あまりのお店だ。そこが、ポケモンを蒐集したい人たちのためのジムになる。一般企業とのこういうコラボレーション関係は、もしかしたらとても重要だ。Pokémon Goが一過性の流行で終わらずに定番のカジュアルゲームとして全世界的に定着したら、このスポンサー制度は、ゲームのメーカーとブランドの両方にとって、尽きることのない金儲けの源泉になる。

Nianticは最初、北米とヨーロッパを重視していたから、日本はアジアにおける最初のPokémon Goのローンチとなる(オーストラリアとニュージーランドはアジアじゃないからね)。ヨーロッパ各国でもやはり、小出しの段階的ローンチだったから、アジアも今週と来週にかけては、すこしずつローンチが相次ぐだろう。だからしばらくは、毎日々々どこかでローンチ、となるのである。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

ポケモンGOは、Googleアカウントのフルアクセスを要求する

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多くの人がそうしているように、Pokémon GoのサインインにGoogleを使うと、人気のゲームは何らかの理由により、あなたのGoogleアカウントの最大アクセスレベルを自身に与える。つまり、あなたのメールや位置履歴…等あらゆるものを見ることができる。なぜそれが必要であり、なぜユーザーは知らされていないのか?

見つかったのはスタート直後のことで、RedOwlのAdam Reeveが、Googleでログインした時アプリが何かへんなことをしていないかをチェックしようとした時だった。調べてよかった!(あなたもここでできる)。

もちろん、Go は様々な許可を要求する ― しかしその理由は想像できる。正確な位置やカメラやモーションセンサーへのアクセス、SDカードの読み書き等々、そしてもちろん、Pokéballやeggがなくなった時の課金も。

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しかし、Googleアカウントのフルアクセス? それはChromeのようなプラットフォームレベルのアプリに与えられるレベルだ。Googleがそう説明している

フルアカウントアクセスを与えられたアプリケーシヨンは、あなたのGoogleアカウントのほぼあらゆる情報を読み書きできるようになる(ただしパスワードの変更、アカウントの削除、あるいはGoogleウォレットで支払うことはできない)。

この「フルアカウントアクセス」の特権は、全面的に信頼する、自分のパソコンやスマートフォン、タブレット等にインストールされているアプリにのみ与えるべきである。

第一に、何故Pokémonゲームがアカウントのフルアクセスを必要とするのか? 第二に、なぜユーザーはこれが与えようとしているレベルであることを警告され、考え直すチャンスを与えられないのか?第二に、なぜGoogleは起こっていることについて例えば、「架空の生き物を戦わせるゲームに、GmailやGoogleドキュメントの機密書類のアクセス権を与えてもいいですか?」と尋ねないのか?(ちなみに、[開発元である]Nianticの前のARゲーム、Ingressは一部のアクセスしか要求していない)。

本誌では回答を求めて問い合わせているが、同時に読者にも協力してもらえるミステリーがある。フルGoogleアカウントアクセスは、起きる時と起きない時がある。

例えば、Android 5.2および6.0がインストールされた2台の端末にゲームをインストールしたところ、何のアクセスも要求されなかった(2要素認証を聞かれなかったのはそのためだろう)― しかしある同僚のやはり6.0が動いているスマホは、すぐにフルアカウントアクセスを要求された。また、iPhoneでも起きる時と起きない時があるようだ。何かパターンはあるのだろうか?

Pokemon Trainerアカウントでサイアップすることもできるが、サーバーが一杯で殆どの人はGoogleを使わざるを得ない。

念のために言うが、われわれはNianticやNintendoが、あなたのメールやGoogle Driveのファイルを盗もうとしていると示唆しているわけではない。しかし、そもそもこのアクセスを要求する理由がなく、変更する方法もない(拒否するとゲームはクラッシュするかサインアウトさせられる)。おそらく一番問題なのは、必須でありかつユーザーに知らせれないことだ。

もしかすると、端末とOSの組み合わせによって、何らかの位置情報か支払い情報を得る方法を見つけることができず、非常手段としてデベロッパーがアカウント全体を要求したのかもしれない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook