Twitterのジャック・ドーシーCEOが1000億円超の新型コロナ救済基金を設立

Jack Dorsey(ジャック・ドーシー)氏は米国時間4月7日、一連のツイートで自身が所有するSquare(スクウェア)株10億ドル(約1090億円)を使って新型コロナウイルス救済に特化した基金を設立することを発表した。TwitterとSquare両社のCEOである同氏は、新ファンドをStart Small(スタート・スモール、小さく始めろ)と名付け、支払額と受取人の記録を公開スプレッドシートに掲載している。

ドーシー氏は発表の中で、Start Smallは将来、新型コロナに打ち勝った後は目標を転換し、少女の健康と教育とuniversal basic income(ユニバーサル・ベーシックインカム)に向けるつもりだと語った。

Start Small最初の寄付として、10万ドル(約1090万円)がAmerica’s Food Fundに贈られる。Leonardo DiCaprio(レオナルド・デカプリオ)氏とLaurene Powell Jobs(ローレン・バウエル・ジョブズ)氏が率いる新型コロナ・パンデミックで困難な生活を送っている人たちに食料を提供する取組みだ。

America’s Food FundのGoFundMeページによると、同ファンドの高額寄付者には他に100万ドル(約1億900万円)のOprah Winfrey(オプラ・ウィンフリー)氏、500万ドル(約5億4000万円)のAppleらがいる。

1社ならず2社の上場企業を率いる米国のテック起業家が米国時間4月7日の午後に発信したツイートからわかったことは、とりあえず上記の通りだ。

Start Smallの資金にTwitterではなくSquare株を使った理由については「私はSquare株をずっとたくさん持っている。そして少し時間をかけて売る必要がある」とドーシー氏は後にツイートで説明している。

ドーシー氏の新たなプロジェクトについて、知るべきことがまだたくさんある。どう運営していくのか、(寄付の他に)投資もするのか、基金に興味のある人がどうやって申し込むのかなどだ。TechCrunchはSquareに詳細を質問しているので、情報が入り次第本稿を更新する予定だ。

画像クレジット:Drew Angerer / Getty Images

新型コロナウイルス 関連アップデート

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

急反発翌日の米国株は高値で寄り付くも終値は微減

米国時間4月7日の米国株式市場は、値を下げて1日を終えた。主要インデックスは乱高下の後、下げ気味で引けた。4月6日月曜日の反発に続き、急上昇で明けた1日も終わってみれば利益は消えていた。何とも複雑な動きの一日だった。テック株重視のNasdaq Composite(ナスダック総合指数)は、3%以上の上昇を見せたこともあったが、終値は0.33%のマイナスだった。

昨今の株価の動きの正しい理由を予想することはほとんど無意味だ。しかし、今日の消えた利益の理由は少なくとも部分的には説明できる。おそらく史上最多となる新型コロナウイルス(COVID-19)による死亡者数だ。ある集計によると、本稿執筆時の死亡者数は1690名を数え、感染者の多い未報告の州がまだいくつか残っている。

今日の株式市場の数字は以下の通りだ。

  • ダウ平均株価:-26.13ドル、-0.12%
  • S&P 500:-4.27ポイント、-0.116%
  • ナスダック総合指数:-25.98ポイント、-0.33%

SaaSおよびクラウド関連株は急落し、この日ベッセマー・クラウドインデックスは1.88%下がった。石油株も下落し、WTI原油は執筆時点で7%以上値下がりしている。

あまりの変動ぶりに圧倒されている人のために、主要インデックスの最近の変化を示しておこう。

  • ダウ平均株価の直近52週高値との比較: -23.4%
  • S&P 500の直近52週高値との比較: -21.63%
  • ナスダック総合指数の直近52週高値との比較: -19.83%

付け加えると、ベッセマー・クラウドインデックスは直近の高値と比較して-24.09%だ。つまり、どこもかしこも下げ相場の領域にいるということだ。月曜日の急騰にもかかわらず。確定拠出年金(401k)を積み立てている人にとっては良いニュースとはいえないが、先週金曜日の方がもっと悪かった。

関連記事:How SaaS startups should plan for a turbulent Q2

今日は市場が上昇を試みたが失敗した。明日の新型コロナのデータが何を我々に見せてくれるのかを待とう。再び市場を押し上げてくれるかもしれない。

画像クレジット:Pixabay /under a CC0 license.

新型コロナウイルス 関連アップデート

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

医療機器セキュリティ向上のCyberMDXが約22億円を調達

ヘルスケアセキュリティのスタートアップであるCyberMDXは、最新の資金調達ラウンドで2000万ドル(約22億円)を調達したことを米国時間4月7日に認めた。

ニューヨークに拠点を置くCyberMDXは、病院のネットワークに接続された資産とデバイスを管理し、リアルタイムで攻撃を監視するサイバーインテリジェンスプラットフォームを通じて、主に医療機器の保護と病院ネットワークのセキュリティ向上に取り組んでいる。

CyberMDXはわずか4年前に設立されたにもかかわらず、医療分野でより存在の知られたサイバーセキュリティスタートアップの1社となった。同社の研究部門はすでに、麻酔器や呼吸器に使用される輸液ポンプやネットワークプロトコルなど、広く使用されている医療機器に複数の脆弱性があることを発見しており、米国土安全保障省を通じて警告を発している。

2000万ドル(約22億円)の資金調達は、Relyens Groupの一部門かつヨーロッパ最大の保険とリスク管理プロバイダーであるShamが主導し、既存投資主であるPitango Venture CapitalとQure Venturesが参加した。

CyberMDXはこの2000万ドル(約22億円)により、新しい地域や市場に向けてプラットフォームを展開していく予定だと述べている。

今回の資金調達は極めて重要な時期に実施された。世界中の何千もの病院や医療施設が新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックによる重圧の中で、CyberMDXは同社のプラットフォームが彼らの負担を軽減できることを望んでいる。

「今日の新型コロナウイルスや前例のない事案を考慮すると、この困難な時期に医療コミュニティを支援することが我々のミッションの一部であると考えている」と、CyberMDXの共同設立者かつCEOのAmir Magner(アミール・マグナー)氏は述べている。

新型コロナウイルス 関連アップデート

原文へ

(翻訳:塚本直樹 Twitter

Facebookとカーネギーメロン大学が新型コロナ感染マップ作成のためのアンケートを実施

米国時間4月6日から米国の一部のFacebookユーザーは、画面上の小さなポップアップメッセージにより、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関するアンケート調査への協力を求められる。カーネギーメロン大学のデルフィ疫学研究センターが行うこの調査は、新型コロナウイルスの世界的な広がりを予測するためのマッピングプロジェクトの一環となる。

どんな調査でも標本の質と量が重要となるが、この疾病地図の場合、多数の回答者による十分に大きな標本を得て、統計学的に有意なマップを作れることが必要だ。カーネギーメロン大学の調査はFacebookから大きな協力を得ることができた。今回の調査がうまくいけば、Facebookは今後、世界のさまざまな地域で同様のアンケートを行っていくかもしれない。

このような調査はユーザーにアプリをダウンロードさせたり、ウェブ上の怪しげなポータルにユーザーを誘導するものが多いが、Facebookの協力が得られれば、世界最大のソーシャルネットワークのユーザーに簡単にアクセスできる。Facebookはその数を明かさないが、米国のユーザーを18歳以上と限定しても、その数は相当なものになる。

2020年3月に新型コロナウイルスが爆発して以来、米国では多くの調査が行われている。例えばPinterestの共同創業者による新しいアプリハーバードやニューヨークのWeill Cornell Medicineなどの研究機関も調査を行なっている。それらのアイデアはいずれも、現在得られる限られた数の検査データを症状に関する自己申告で補っており、地理的な洞察を提供できるというものだ。

これまでの数多くの例に見られるように、ユーザーのプライバシーを大事にしないことが多いFacebookを利用して行われるアンケート調査に、うんざりしているユーザーも多いと思われるが、今回、大学が得るデータにはユーザーの名前などの個人情報はまったく含まれていないし、それらは必要ない。Facebookの発表によると、アンケート調査で得られたデータは、今後の保健医療施設の地理的配置計画に役に立ち、さらにまた外出禁止などの禁令を解除してもよい地域を見つけるためにも役に立つという。

Facebookはこのアンケート調査を同社の疾病予防地図作成というより大きな取り組みのひとつだと位置づけており、同社はその膨大な地図集合をいずれ、「Data for Good」プロジェクトの中で研究者たちに提供していくだろう。

新型コロナウイルス 関連アップデート

[原文へ]

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Airbnbが新型コロナ禍の中、未公開株式投資会社から1000億円超を調達

Airbnb(エアビーアンドビー)は米国時間4月6日、未公開株式投資会社であるSilver Lake(シルバー・レイク)とSixth Street Partners(シックス・ストリート・パートナーズ)から、融資および株式で10億ドル(約1090億円)調達したと発表した。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で、同社のオンライン宿泊マーケットプレイスが急激に落ち込む中でのことだ。

契約条件は公表されていない。Airbnbが以前公表していた上場計画に、この出資がどう影響を与えるのかもわかっていない。

新型コロナウイルスによって起こされるCOVID-19は、世界中の政府に自宅待機命令の発出を促し、旅行、接客業界にキャンセルの波を引き起こした。Airbnbはこの資金調達について、長期的投資に向けた現在進行中の事業を支援するためであると説明し、これが戦略的な投資であり低迷からの回復のためではないこと強調した。

「現在の状況が接客業界にとって困難なものであることは明らかだが、旅に出て本物の体験をする欲求は、基本的かつ永遠のものだ」とSilver Lakeの共同CEO兼マネージングディレクターのEgon Durban(イーゴン・ダーバン)氏は声明で述べた。「Airbnbの多様かつ国際的で弾力性のあるビジネスモデルは、世界が必ず復活し外へ出て旅を体験する時、発展するために最適である」

同じく米国時間4月6日にAirbnbのCEO、Brian Chesky(ブライアン・チェスキー)氏は、人とつながり旅に出る欲求はこの期間に強まっているが「それを具現化する方法は世界の変化とともに明らかになっていくだろう」と述べた。

Airbnbは、人々の働く場所と方法が変わっていくことに賭けている。そのため、同社は企業の焦点と新たな資金を「ホスト」「長期滞在」および「Airbnb体験」という3つ主力製品につぎ込むと語った。

2020年4月にAirbnbは、新型コロナの影響を受けたホストを救済するために2億5000万ドル(約272億円)を準備すると語った。これは、3月14日~5月31日の期間、新型コロナによる予約キャンセルがあった場合、ホストが通常のキャンセルポリシーの下で受け取るはずだった金額の25%をAirbnbが支払うものだ。このポリシーは上記期間の予約取り消しすべてについて遡って適用される、とAirbnbはいう。

これは新型コロナのために予約をキャンセルした宿泊客が全額返金を受けられる、という同社のポリシーに不満を募らせるホストに対する補償を目的としている。そのポリシーは現在も有効で、3月14日以前から5月31日までの間の宿泊を予約し宿泊客は、キャンセルして通常の返金または旅行クレジットを受け取れる。

画像クレジット:TOSHIFUMI KITAMURA / Contributor / Getty Images

新型コロナウイルス 関連アップデート

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

ボーイングが州の在宅命令に従い中型ジェット機787の生産を中断

米国時間4月6日の発表によると、Boeing(ボーイング)は知事の在宅命令に従って南カリフォルニア工場におけるボーイング787の生産工程をすべて中断し、実質的に同社の商用航空機の製造を完全に休止する。

休業は4月8日の第2シフトの終わりに始まる。

ボーイング787担当の同社副社長Brad Zaback(ブラッド・ザバック)氏は「我々のチームメイトの健康と安全を守り、州全体のウイルスの拡大と、我々のグローバルなサプライチェーンの信頼性に対するその影響、ひいてはそれらが787の事業にもたらす影響を評価することは、我々の責務である」。

ボーイングはすでに、シアトル地域の工場を閉鎖している。米国時間4月5日に同社は、ワシントン州のピュージェットサウンド地域とモーゼズレイクの工場における今後の生産も次の発表があるまで中断すると発表している。それらの閉鎖はワシントン州における新型コロナウイルス(COVID-19)の拡散と、それによるサプライチェーンの不安定化が原因だ。

787の生産再開の日程は発表されていないし、同社のその他のオペレーションに関するガイダンスもない。

Boeing South Carolina(BSC)の社員でリモートワークが可能な者は、それを継続する。それができない者は10日間の有給休暇になる。同社によると、それは規定の倍の期間という。閉鎖がさらに続くようなら、従業員は有給休暇の継続または、退社による緊急時失業保険のどちらかを選ぶことになる。

新型コロナウイルス 関連アップデート

[原文へ]

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

米国株が新型コロナの懸念緩和で急反発

米国時間4月6日、米国株が元気を取り戻した。投資家が新型コロナウイルス(COVID-19)に関わるあらゆるプラス要因に飛びつき、主要インデックスはすべてプラス領域に転じた。

株式市場はもちろん経済ではない。そしてこれは、「デッド・キャット・バウンス」、大暴落の後の一時的な小幅回復にすぎない可能性が高い。問題はこれから先何回デッド・キャット・バウンスが起きるかだ。

そして、新型コロナ・パンデミックによる経済低迷が続いている中、新型コロナの新たな感染例の増加が減速しているというジョンズ・ホプキンス大学のデータを投資家は見逃さなかった。現在最も信頼されている同大学の新型コロナウイルスマップによると、3月31日に2万5200件だった米国内の新たな感染者数は、4月3日には3万3300件だった。そして4月4日はこの数字が2万8200に下がった。ただし、若干異なる結果を示している統計データもほかにはある。

今日の復調は、新型コロナの感染拡大が続き、最終的にピークを迎え安定するまで、今後数日、数週間で試されていくだろう。国立アレルギー感染症研究所の所長で政府の新型コロナ対策を指南するAnthony Fauci(アンソニー・ファウチ)博士は、感染者数と死者数は来週急増する可能性が高いと警告している。

今日の株式状況は以下の通りだ。

  • Dow Jones Industrial Average(ダウ平均株価):7.59%、1,597.21ドル高、終値2万2649.74ドル
  • S&P 500:6.95%、172.86ポイント高、終値2,661.51ポイント
  • Nasdaq composite(ナスダック総合指数):7.33%、540.15ポイント高、終値7,913.24

他にも、新たな売上ガイダンスやアナリストのコメントなどの間接的新型コロナ要因が、一部の株価を変動させた。

eBay(イーベイ)、Amazon(アマゾン)をはじめとするEコマース株もプラスの動きを見せた。中でもオンライン小売業のWayfair(ウェイフェア)はおそらくこの分野で最大の上昇だった。同社が3月末決算で粗利益が2倍以上に伸びたことを報告した後、36%高で寄り付いた。Wayfairの株価は41.7%高、終値は71.50ドルだった。

音楽ストリーミングのSpotify(スポティファイ)は、Raymond James(レイモンド・ジェームズ・ファイナンシャル)が同社株の投資判断を「strong by(強い買い)」から「market perform(中立)」に格下げし、新型コロナはエンゲージメント低下とダウンロード数減少を招き、ユーザーは室内で過ごす時間が増えたと説明したことで、株価は4%以上下落した。Spotify株はその日のうちになんとか回復し、終値は約0.33%高の122.52ドルだった。

この日はSaaS関連株も反発し、Bessemerのクラウドインデックスは6.79%上昇した。SaaSなどの新しいソフトウェアを扱う企業は、ここ数年大きく売上を伸ばしている。しかし、インデックス下落の後をたどり、未だに下げ相場の領域にいる。

我々は今、強い不安定経済期の中で決算発表シーズンに入ろうとしている。今後株式市場がどのように動くかは、企業が2020年第1四半期にどのような業績を上げ、将来をどう予測しているかに、少なくとも部分的には依存する。注目したい。

画像クレジット:Heye Jensen / Unsplash

新型コロナウイルス 関連アップデート

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Modernaに続きゲイツ財団が支援するInovioの新型コロナのワクチンが臨床試験へ

米国時間4月7日、FDA(米国食品医薬品局)は新薬臨床試験(IND)プログラムに基づいて新しい新型コロナウイルス(COVID-19)ワクチンの候補を承認した。これにより直ちにINO-4800 DNAワクチンの臨床試験のフェーズ1が開始される。

開発元のバイオテック企業 InovioではINO-4800 DNAワクチンをボランティア被験者に接種する計画で、動物実験では免疫反応の増加が示されるなど有望な結果が得られている。

InovioのDNAワクチン候補は、特別にデザインされたプラスミド(細胞の核外に存在するDNA断片)を患者に注入する。プラスミドを受け取った細胞における、特定の感染源を標的とする抗体生成を増強させるのが目的だ。DNAワクチンは、獣医学においては各種動物の感染症に対して承認を受け、頻繁に利用されているが、人間への使用はまだ承認されていない。

Inovioの新型コロナウイルスのワクチン開発はゼロから始まったわけではない。これまでにも同社はMERS(中東呼吸器症候群)のDNAワクチン候補のフェーズ1臨床試験を完了し、有望な結果が出している。被験者は高レベルの抗体生産を示し、効果は長期間持続している。

Inovioには優れたスケールアップ能力があり、フェーズ1およびフェーズ2の試験を実施するためにわずか数週間で数千人分のワクチンを製造することができた。同社はこの実験にあたってMicrosoftのファウンダー、Bill Gates(ビル・ゲイツ)氏が創立したBill and Melinda Gates Foundationからの支援を受けている。プロジェクトには他の非営利団体からの資金提供もあった。Inovioでは「 臨床試験が成功した場合、追加試験と緊急使用(承認が必要)のために今年中に100万回分のワクチンを準備できる」と述べている。

INO-4800は、FDAから臨床試験のフェーズ1の承認を受けたたワクチンとして2番目となる。我々も報じたとおり、 Modernaも2020年秋の限定実用化を目指して臨床試験を行っている。Inovioの臨床試験に参加する40人のボランティアはすべて健康な成人で、ペンシルベニア大学フィラデルフィア校のペレルマン医学部、あるいはカンザスシティの製薬会社、Center for Pharmaceutical Researchによってスクリーニングされる。 フェーズ1の試験は向こう数週間続けられ、夏の終わりまでまでに被験者の免疫反応、副作用の有無に関するデータが得られるものと同社では期待している。

新しいワクチンの広範な使用の承認が得られるまでには、1年から1年半以上かかるのが通例だが、新型コロナウイルスに対するワクチンの臨床試験開始のペースは並外れて速い。あまり長く待たずにすむことを期待しよう。

画像クレジット:Alfred Pasieka / Science Photo Library / Getty Images

新型コロナウイルス 関連アップデート

原文へ

(翻訳:滑川海彦@Facebook

モバイル決済アプリのLydiaが医療機関などに寄付できる機能を導入

フィンテックスタートアップLydia(リディア)は本拠地のフランスで330万人ものユーザーを抱える、同国を代表するモバイル決済アプリだ。それゆえに同社は、当初2020年夏のデビューを予定していた機能のリリースにこの10日間ほど懸命に取り組んできた。その機能とは、チャリティーや病院への寄付を行うためのものだ。

Lydiaユーザーは米国時間4月6日、17のチャリティーから選んでお馴染みのLydia決済手順で送金できるようになった。友達や家族に送金するような流れだ。

寄付は0.5ユーロ(約59円)から可能で、そのつど完了する。定期的な寄付の設定やまとめた寄付は不可だ。

Lydiaはつい最近、少額融資や携帯電話保険、火災保険・公共料金支払いのための無料クレジットといった金融商品のマーケットプレイス「the market」を導入した。マーケットのメニューはプロフィールタブの中に埋もれていた。そして現在、同社はメニューをユーザーアカウントと決済履歴の横のタブに置かれており、その中に寄付のボタンが加わった。

別の方法で寄付することもできる。決済画面で金額を入力して「次へ」をタップするときに、いつもの受取手が並んでいるリストからチャリティを選んで送金することができる。この機能は現在Android端末で利用でき、間もなくiOS端末でも使えるようになる。iOSユーザーは目下、the marketのメニューからのみの利用となる。

Lydiaは17のチャリティを選んでいるが、今後さらに増える見込みだ。リストには公立病院(パリ、ナント、ストラスブール、グルノーブル、リール、ニース)、健康にフォーカスしているチャリティ、そして一般的な公益チャリティ(フランス財団、Fondation 101、世界の医療団、Epic、Action contre la Faim、フランス赤十字社、アベ・ピエール財団、対がん連盟、Réseau Entourage、La Maison des Femmes de Saint-Denis)がある。

もしあなたがLydiaユーザーでなくても、ウェブブラウザからクレジットカードやデビットカードでLydiaの決済を使うことができる(もちろんチャリティのウェブサイトから直接寄付しても構わない)。

また多額の寄付をし、所得税で控除を受けたい場合は、チャリティに直接依頼しなければならない。Lydiaは仲介するだけなので控除を受けるための書類を発行できない。

Lydiaは最終的にはチャリティに寄付する際、その額から手数料を差し引くつもりだ。しかし新型コロナウイルス(COVID-19)危機対応として6月30日まで手数料を免除する。

新型コロナウイルス 関連アップデート

[原文へ]

(翻訳:Mizoguchi

Uberが新型コロナでロックダウン中のインドで小売と提携し生活必需品を配達

Uber(ウーバー)はインドの一部で、小売企業の食料品や生活必需品の配達をサポートしようと、サービスを再開させる。同国では2週間前に、政府が国民13億人に対し3週間のロックダウンを命じた。

Uberは米国時間4月6日にデリー、ムンバイ、バンガロールでの生活必需品配達でFlipkart(フリップカート)と提携したと発表した。この数日前にはオンライングローサリーBigBasket(ビッグバスケット)、カルカッタに拠点を置くチェーンSpencer’s Retail(スペンサーズリテール)とも同様の提携を結んでいる。

Uber IndiaとSouth Asiaを統括する業務運営部長Prabhjeet Singh(プラブヒート・シン)氏は、提携によりUberは小売企業の配達をサポートできると述べた。Uberは他の都市でも顧客にサービスを提供すべく取り組んでいて、ロジスティックで助けが必要な企業との協業を受け入れているとのことだ。

「こうした提携は経済を動かし、また政府が新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大を抑制するために出したガイドラインに沿って人々が外出を控えることを可能にする。そしてドライバーの収入機会を生み出している」とシン氏は付け加えた。

Uberは生活必需品配達ではコミッションは取らない、とした。通常ドライバーは売上の25%をUberに納めているが、今回の提携による配達ではドライバーは売上すべてを自分のものにできる。

先週Uberはスペイン、フランス、ブラジルの企業や店舗とグローサリー配達で提携した、と発表した。米国や英国では同社はレストランに課していた手数料を一時的に廃止している。ただし、一部のレストランは手数料なしを利用できないと苦情を言っている(Uberはインドで展開していたフードデリバリー事業を2020年初めにZomatoに売却した)。

BigBasketは先週、ベンガル、ハイデラバード、チャンディーガル、ノイダの顧客にサービスを提供するのにUberを使うと発表した。

配達員不足で倉庫に50万点以上の商品が滞留しているFlipkartやBigBasketにとって、Uber活用は助けとなるはずだ。

「Uberとの提携は、セラーからの必需品を顧客のもとに最短で届けるのに役立つ」とFlipkartの最高経営責任者Rajneesh Kumar(ライニッシュ・クマール)氏は声明で述べた。

Uberと同社のインドでのライバルOlaは2020年3月に、新型コロナウイルス感染拡大を封じ込めるために政府がロックダウンを発動する前にインドでの事業を停止した。

Uberはまた、緊急に移動する必要がある人向けのライドを再開するための「Uber Essential」というサービスの試験導入し、州当局とともに取り組んでいると述べた。

画像クレジット:Anindito Mukherjee / Bloomberg / Getty Image

新型コロナウイルス 関連アップデート

[原文へ]

(翻訳:Mizoguchi

「ハードウェアのためのGitHub」のValispaceが人工呼吸器開発を支援

ハードウェアエンジニアリングのベースになっているのは、たいていドキュメントだ。一般的な人工衛星では数十万ものPDF、スプレッドシート、シミュレーションのファイルなどがあり、複数の書類の間に矛盾が生じるおそれがある。そしてそれは、高くつく失敗の原因になりかねない。例えばNASAでは1999年に、あるエンジニアリングチームはメートル法を使い、別のチームは英国の単位を使っていたために、1億2500万ドル(約136億円)の火星探査機を失ったことがある。

ドイツに本社がありポルトガルにもオフィスを置くValispaceは、自社を「ハードウェアのためのGitHub」と称する。Valispaceのサービスはエンジニアが共同作業をするためのプラットフォームで人工衛星、飛行機、ロケット、核融合炉、自動車、医療機器などあらゆるものの開発に役立つブラウザベースのアプリだ。エンジニアリングのデータを保存し、ユーザーは数式でデータを互いに接続できる。すると、ある値が変更されれば、自動で他の値もすべて更新され、シミュレーションが再実行され、ドキュメントが書き換えられる。

現在の新型コロナウイルス感染拡大下では、最後の点が重要だ。人工呼吸器の製造と改良が世界的な大問題になっているからだ。

Valispaceは現在、この危機に対してオープンソースでハードウェアソリューションを開発しようと数千人ものエンジニアを集めるいくつかの取り組みと連携している。その代表的な取り組みには、CoVent-19 Challenge、GrabCAD、Helpful Engineeringなどがある。人工呼吸器に携わっているエンジニアはここから無料のアカウントを申請するか、engineering-taskforce @ valispace.comにメールで連絡して参加できる。

Valispaceはシード拡張ラウンドで220万ユーロ(約2億6000万円)を調達した。このラウンドを主導したのはベルリンのJOIN Capitalで、パリのHCVC(Hardware Club)も参加した。

この資金で、新たな業界(医療機器やロボティクスなど)への進出と、現在関わっている業界(航空、宇宙、自動車、エネルギー)での拡大を目指す。Valispaceは70億ユーロ(約8248億円)規模のヨーロッパのシステムエンジニアリングツール市場に取り組んでいるが、米国の市場も同等かそれ以上だ。同社の競合にはRHEA CDP4、Innoslate、JAMA、そして最大手のStatus Quoなどがある。

ValispaceのCEOであるMarco Witzmann(マルコ・ウィッツマン)氏は、次のように述べている。「Valispaceには、さまざまな業界のエンジニアが優れたハードウェアを開発できるよう支援してきた実績がある。それはドローンから人工衛星まで、小さな電子装置から核融合炉全体までに及ぶ。我々の顧客となっている最先端の企業は、Valispaceを利用したアジャイルなエンジニアリングのアプローチを選んでいる」。

JOIN CapitalのTobias Schirmer(トビアス・シルマー)氏は「ブラウザベースの共同作業は現代のあらゆる企業にとって必須となっている。チームやオフィス間のコミュニケーションの重要性が増しているからだ」とコメントしている。

BMW、ペイロード輸送サービスのMomentus、小型商用核融合炉開発のCommonwealth Fusion Systems、エアバスなどがValispaceの顧客となっている。

ウィッツマン氏はかつて、ヨーロッパ最大の人工衛星プログラム、メテオサット第3世代にシステムエンジニアとして関わっていた。ポルトガルに拠点を置く共同創業者でCOOのLouise Lindblad(ルイーズ・リンドブラ-ド)氏は、欧州宇宙機関で人工衛星とドローンの開発を手がけていた。

人工衛星のエンジニアだった2人は、最先端のプロダクトを開発しているにもかかわらず開発のためのツールはまるで1980年代のようだと疑問に思っていた。2016年に2人はValispaceを創業し、エアバスを最初の顧客の1社として獲得した。

新型コロナウイルス 関連アップデート

[原文へ]

(翻訳:Kaori Koyama)

テスラが車載コンピュータやエアタンクで人工呼吸器を作るプロセスをビデオで紹介

Tesla(テスラ)は、他の自動車メーカー同様、設備を再編成して、新型コロナ危機のために人工呼吸器を作っている。下のビデオで同社は、人工呼吸器の設計プロセスの裏側を紹介している。

Ford(フォード)、General Motors(ゼネラルモーターズ、GM)と同じく、Teslaの技術者は自動車用の部品を使って人工呼吸器を作っている。理由は単純、自動車部品がそこにあるからだ。自動車会社というものは、最終組立てにむけて執拗なほどに部品を準備する。さもないと、例えばドアのハンドルがなければ生産ラインは停止する。ビデオの中でテスラのエンジニアは、できるだけ多くの自動車部品を使おうとしていると言っている。

たとえば、テスラの人工呼吸器はModel 3のインフォテイメントシステムを使ってModel 3の車載コンピューターを動かし、呼気マニホールドの気流調節に使う。サスペンションのエアータンクは酸素混合チャンバーとして利用する。Model 3のタッチスクリーンもコントローラーとして使っている。

テスラは、いくつかの米自動車メーカーと人工呼吸器を作るための部品と人材を供給するとともに、自社の資源を利用して人工呼吸器、レスピレーター、フェイスシールドなどを作ることを約束した。GMは、インディアナ州の自動車工場で人工呼吸器を製造する意向であり、まもなく1日当り5万枚のマスクを作れるようになると最近発表した。テスラのCEOであるElon Musk(イーロン・マスク)氏は、近々同社のニューヨーク工場を人工呼吸製造のために、再稼働すると発言した。おそらく上のビデオで見られる人工呼吸器もそこで作られるのだろう。

画像クレジット:Tesla

新型コロナウイルス 関連アップデート

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

アップルが保護マスクを2000万枚以上調達、フェイスシールドの生産と出荷も開始

新型コロナ感染拡大を防ぐための個人防護具を医療従事者などに提供するためにサプライチェーン、従業員、パートナーらの総力を結集しているApple(アップル)は、2000万個以上のマスクを調達し、現在フェイスシールドの生産と出荷を進めている。CEOのTim Cook(ティム・クック)氏が声明で語った

アップルは世界中の新型コロナとの戦いを支援することに全力を注いでいる。このほど当社のサプライチェーンを通じて2000万枚以上のマスクを調達した。さらにわれわれの設計、技術、運用、パッケージの各部門がサプライヤーと協力して、医療従事者向けフェイスシールドの生産と出荷を行っている。

同社は世界各国の政府と話し合って、保有するマスクを最も必要としている場所に配布しようとしている。

なお、Appleのフェイスシールドが最初に配布されたのは、カリフォルニア州サンタクララ、シリコンバレーのカイザー病院で、先週始めに届けられたとCook氏は語った。

Cook氏によると、フェイスシールドは平たく梱包され100個入りの箱で出荷される。2分以内に組み立てられサイズは調整可能。Appleは今週中に100万個を出荷予定であり、その後も毎週100万個を追加し、最終的には米国以外にも配布することを目標としている。

「これはAppleにとって愛と感謝を込めた行為であり、今後われわれの努力の成果をさらに広く届けていきたい」とCook氏は言った。

今回のAppleの行動は、3Dプリンティングのスタートアップやメーカー数社がすでに行っている取組みに続くものだ。

関連記事:Private tech companies mobilize to address shortages for medical supplies, masks and sanitizer

カナダでは、子供向けの科学機器の開発を行っていたINKSmith(インクスミス)というスタートアップが、フェイスシールドの製造に転換し、需要に応えるために100人の新規従業員を雇用する。

「短期的には、州内の需要に応えられるよう規模を拡大するつもりだ。その後、カナダ全土の需要に応える」とINKSmithのCEOであるJeremy Hedges(ジェレミー・ヘッジス)氏がカナダの、ニュース機関、Global Newsで語った。

3Dプリンティング会社では、マサチューセッツ州拠点のMarkforged(マークフォージド)とFormlabs(フォームラブズ)、ニューヨーク州ブルックリンのVoodoo Manufacturing (ヴゥードゥー・マニュファクチャリング)などが米国でフェイスシールドなどの個人防護具を製造している。

新型コロナウイルス 関連アップデート

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Zoomが参加者の承認をデフォルトにしてZoom爆撃を防止

Zoomは、トロール(荒らし)によるビデオ会議に対する悪質な攻撃の蔓延を防止すべく、大きな変更を行った。米国時間4月5日から、Meeting IDによる参加にパスワードが必要になる。Meeting IDは推測されたり再利用されたりするためだ。さらに、バーチャル・ウェイティングルームをデフォルトでオンにする。これでホストは参加者を手動で承認しなければならなくなる。

この変更によって、「Zoombombing」(ズームボミング、Zoom爆撃)を未然に防げる可能性がある。Zoom爆撃は2週間前に名付けられた用語で、悪意のあるユーザーがZoom会議に参加して、不快な画像や映像を共有する行為だ。その後新たなZoom爆撃の戦術が次々と編み出され、チャットスレッドにひどいGIFアニメを投入したり、バーチャル背景を使って悪意のあるメッセージを流したり、罵る言葉や中傷を叫ぶだけというものも出てきた。匿名の会議は組織的荒らし行為の温床になっている。

人々のおびえた顔を見てほしい。Zoom爆撃が行われるとこうなる

FBIは、小学生のオンライン授業やアルコール中毒者の匿名集会やプライベートな仕事の会議がZoomG爆撃を受けた問題を受け、 警告を発行した。セキュリティー研究者は、アタッカーが会議に侵入するさまざまな方法を発見し公開した。

一連の問題は、Zoomが元々企業内などの信頼された環境で使用されることを前提に作られていたことに由来する。飲み会やヨガ教室、円卓会議や授業などは想定されていないかった。しかし、新型コロナによる自宅待機でユーザー数がこのひと月で1000万人から2億人に増えたことに対するシステム基盤のスケーリングに苦闘していたZoomは不意をつかれた。

Zoom CEOのEric Yuan(エリック・ユアン)氏はセキュリティーの不備について謝罪し、修正を約束した。しかし、当時同社は、スクリーン共有をホストのみが使えるように、ウェイティングルームは小中高生ユーザーにのみデフォルトで有効にすると言うだけだった。今般、それでは不足であることを認めたことは明らかであり、ウェイティングルームは全ユーザーのデフォルトになった。

Zoomは今日(米国時間4/3)の午後一連の変更についてユーザーにメールを送り、次のように説明した。「ビデオ会議のパスワードを必須とし、ウェイティングルームをデフォルトでオンにすることでセキュリティーを高め、みなさんのプライバシーを保護します」

さらに同社は、「今後予定されるビデオ会議では、招待状にパスワードが表示されます。インスタントミーティングでは、Zoomクライアントにパスワードが表示されます。パスワードはビデオ会議の参加URLでも見ることができます」。ほかの注意事項としては、ファイル転送やスクリーン共有、削除された参加者の再参加などを禁止することが挙げられる。

ニューヨーク州ニューヨーク発。2019年4月18日にニューヨーク市で行われたNasdaqのオープニング・ベルセレモニーで喜びの表情を見せるZoom創業者のEric Yuan氏。ビデオ会議ソフトウェアを提供する同社は、IPO価格1株当り36ドル、推定企業価値92億ドルで上場した(写真提供:Betancur/Getty Images)

この変更によってユーザーの手間は増える。ホストは会議を進めると同時にウェイティングルームの参加者を承認しなければならない。Zoomは、4月5日以降に予定されているMeeting IDベースの会議のユーザーに、改めてパスワード付の招待状を送ることを推奨している。パスワードを探すのに四苦八苦したユーザーの参加が遅れる可能性がある。

しかし、これはZoom爆撃の被害から参加者を守るために支払う妥当なコストだ。続発する荒らし行為は、今爆発的に普及しつつあるビデオチャット・プラットフォームを使い始めた人たちの体験に水を差すものだ。たった一度のポルノ画像で汚染されたビデオ会議は、友だちや同僚との100回の平和な経験よりも強い印象を残しかねない。従来の初期設定はZoomが企業内で使われていたときにはよかったが、誰もが使う基本ツールになった今、自分を変える必要があった。

製品がメインストリームになり新たな使われ方をするようになるにつれ、技術者はワーストケースのシナリオを予測できるように成長する必要がある。誰もが好意的であると想定することは、人間の本性を無視している。どんな小さなチャンスであっても、そこから利益を上げたり、力を得たり、混乱を起こそうと、常に誰かが狙っている。ビジョンを持った理想主義者だけでなく、懐疑派や現実主義者を開発チームにいれることで、スキャンダルを起きる前に、プロダクトを悪用から守ることができるだろう。

新型コロナウイルス 関連アップデート

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

新型コロナによるカオスの中でテック企業の誤情報対応は

ソーシャルメディア企業は2016年以来、プラットフォームが悪用されてかなりの人に影響を及ぼすかもしれないという備えを怠ったとして、メディアでかなり叩かれ、社会的批判にさらされてきた。その悪用とは世界中の民主主義を妨害したり社会的分断の原因をつくったり、あるいは集団虐殺をたきつけたりする、といったものだ。

新型コロナウイルス(COVID-19)により世界がカオスに、そして社会的隔離状態となるにつれ、ソーシャルメディア企業はそうした集中砲火から一時的に逃れている。新型コロナウイルス救援の取り組みに協力するために並々ならぬリソースを活用しているところでは特にそうだ。政府の官僚主義が衰えている一方で、世界は官僚的形式主義を超えて科学的進歩を早送りすることに熟練しているテック企業に目を向けている。しかし、たとえ我々があまり注意を向けていなくても同じ古い問題が頭をもたげている。

YouTubeに関しては、The Guardianと監視グループTech Transparency Projectの新たなレポートで、嘘のコロナウイルス治療法を宣伝するかなりのビデオの広告で同社が儲けていることが明らかになった。ウイルス感染を治療できるかもしれない方法として「民間療法、瞑想的音楽、ビタミンCのような処方サプリの健康を害すかもしれない量の摂取」など科学的でないものを助長するビデオでは、Liberty Mutual、Quibi、トランプの2020年再選キャンペーン、Facebookなどの広告が流れた。Facebookの場合、同社のバナー広告が、「わずかながらパワフルなシータ波を使うことによるポジティブ思考」がウイルスを寄せ付けないかもしれない、とうたう音楽をアピールするビデオで表示された。

パンデミックの初期段階では、YouTubeはコロナウイルスに関するあらゆるビデオでの広告を禁止した。3月中旬に、真に対象とすべきものが明らかになり、同社はポリシーを撤回し、一部のチャンネルに広告掲載を許可した。4月2日、同社は広告許可を拡大し、ガイドラインに従っている全ビデオに広告を許可した。ガイドラインの主なものの1つとして、「危険な療法や治療の宣伝」を含む医学的な誤情報の助長を禁じている。レポートにあるビデオのほとんどはジャーナリストの指摘を受けた後に削除された。

こうした例、そして他の多くも、この極めて特異なときに主要なテックプラットフォームがいかに判断しているのかという疑問を引き起こしている。ソーシャルメディア企業は、パンデミックが自社のワークフローにどのように変化を起こしているか、いつになく公表してきた。3月の電話会見で、Facebook創業者のMark Zuckerberg (マーク・ザッカーバーグ)氏は契約モデレーター1万5000人に有給休暇をとってもらっていることを認めた。つまり、同社のプラットフォーム上のコンテンツのフィルタリングではかなり人工知能に頼るようになっているため、ユーザーはより多くの「嘘」を目にすることが予想される。児童ポルノや深刻な暴力、ヘイトスピーチといった最も好ましくないコンテンツの選別作業は、心理的そして法的な結果を伴うことが考えられるだけに、家に持ち帰って行えるものではない。

YouTubeも同様に、人間によるレビューを補うために「一時的にテクノロジーに多くを頼る」と警告した。自動化されたプロセスは「ポリシーに反していないかもしれないビデオを含め」より多くのビデオの削除につながるかもしれない、ともしている。Twitterもまた、人間によるレビューを希望する手段も残しつつ、「悪意や操作性があるかもしれないコンテンツに対してあらゆるアクションをとるために」機械学習に頼っていると明らかにした。これらの企業は、現在の対応でどんなことが起こり得るのかについてはほとんど警告していない。

ひとたび日常が戻り、あるいは新たな日常に落ち着けば、モデレーションはどうなるのだろうか。人工知能がタスクをマスターし、人間のレビュワーを不要のものとするのだろうか(そうはならないだろう)。ソーシャルメディア企業は人によるモデレーションの価値を再認識して、そうした業務にあたる人を社内で増やし、フルタイムの従業員に提供されているような待遇を与えるのだろうか。悪夢のようなパンデミックで明らかになった多くの物事と同様に、結果はせいぜい漠としたものだろう。

不規則な調査レポートや事例のツイート、当局による事後検討など、プラットフォームの責任を問うアプローチがすでに断片的だったとしたら、真実はさらに遠のく。ましてや、新型コロナパンデミックにより、便乗値上げをする者やカオスの中でさらにカオスを作り出す悪党は数え切れないほどの新たなチャンスを手にしている。

我々はすでにイランで恐ろしい事態を目の当たりにした。そこでは数百人の人が産業用アルコールを飲んで死んだ。そうした人々は、産業用アルコールを飲めばウイルスから身を守ることができるかもしれないという扇情的な話を拡散する「転送メッセージがまた転送されたもの」で情報を得ていた。ほとんどの死で、犠牲となった命以上のことは気づかれもせず、広報規制のために報告もされず、注意をひくことすら抑制されるだろう。

コロナウイルスや未知のことについては多くのことが書かれてきたが、それらのほとんどは、ウイルスが全世界を脅かすもので、救命用品の在庫が先細る中で新型コロナウイルス患者が押し寄せて病院や健康施設を危機的な状況に陥れるものであることを強調する科学的な研究に基づいている。しかし誤情報、そして故意に拡散された誤情報の危機は、それ自体が不安定な要素だ。いまやビジネスを完全に滅茶苦茶にし、容赦無くニュースを独占した前代未聞のグローバル危機と混ぜ合わさっている。そして世界トップの権力を完全に常軌を逸した大統領選へと追いやっている。テック業界における米国の穏健主義に結びつく予想しなかった選挙結果では、我々がほとんど気にしていなかったソーシャルネットワークの表面下で極悪な力が働いていたことが明らかになったが、今回の誤情報危機はそのとき以来のものだ。

いずれにしろ、現在においては、パンデミックの最中に実行された新たなシステムがどこで間違い、どのような悪い結果を伴うことになるのか、外部の者が判断するのは困難だろう。そうした原因を判別するために、我々は企業の言葉、特に平時にさまざまな結果を伴ったリスクのある言葉に耳を澄ませる必要がある。人との結びつきにおいてかつてなくソーシャルネットワークに頼っているが、我々が日々没頭しているバーチャル・ポータルは依然としてブラックボックスで、これまでと同じく不可解なものだ。平常が打ち砕かれた暮らしにおける多くの要素と同様、唯一望まれることは変化だろう。

画像クレジット: Photo by Spencer Platt/Getty Images / Getty Images

新型コロナウイルス 関連アップデート

[原文へ]

(翻訳:Mizoguchi

ニューヨーク市は学校でのZoom禁止、セキュリティ上の懸念からMS Teamsに移行へ

休校が続いても生徒たちは学習を続けねばならない。このほど米国ニューヨーク市の学校当局は、リモート教育にビデオ会議サービスのZoomを使用することを許可しないと発表した。セキュリティ上の懸念が理由に挙げられている。

ニューヨーク市教育庁の広報担当者、Danielle Filson(ダニエル・フィルソン)氏は「リモート学習を生徒に提供するにあたって安全性と信頼性の確保は不可欠だ。セキュリティ上の懸念をさらに検討したところ、学校はできるだけ早くZoomの使用をやめるべきだという結論となった。リモート教育に多くの新しいサービスがあり、われわれは(その採用に関しては)教職員、生徒の利益のを最優先してリアルタイムで意思決定を行っていく」と述べた。

同氏によれば、市教育庁は学校をMicrosoft Teamsに移行させているという。こちらは「適切なセキュリティ対策が講じられており、機能も同等」だとしている。

この禁止によって、市内の5つの区の1800校以上の学校の約110万人の生徒が影響を受ける。2018年に創設されたニューヨーク市のコンピュータ・セキュリティーを担当する組織であるNYC Cyber Commandはすでに学校でのZoomの使用を一部禁止している。

Zoomからはまだコメントがない。

新型コロナウイルスの流行拡大のために世界では何億人もの人々がビデオチャットのプラットフォームを利用することを余儀なくされている。このためZoomのユーザー数も急拡大していたが、同社のセキュリティとプライバシーに対する方針と行動に多数の欠陥が発見され、批判の嵐が起きていた。そこにこの禁止が発表された。

セキュリティ専門家がZoomのシステムは中国当局による傍受の危険にさらされていると強く批判した後、4月4 日に同社のCEOであるEric Yuan(エリック・ユアン)氏は、ルーティングの一部が中国を通じていたのは「設定のミスによるもの」だとして謝罪した。 同時にZoomは、このサービスがエンドツーエンドで暗号化されていなかったにもかかわらずそうしていると主張していたことについても謝罪した。

Zoomはまたデフォルト設定を「パスワードを有効する」に変更した。これはパスワードなしで行われているZoomのビデオチャットに部外者が乱入して妨害するZoombombingが多発したことによるものだ。

しかし一部の学校では他のサービスへの移行に困難を感じている。 Chalkbeatが最初に報じたが、3月16日にニューヨーク市の市立学校が休校となった後、Zoomはすぐにビデオチャットサービスの一番人気となった。ブルックリン区の校長の一人は、Microsoft Teamsの「使いにくい」を挙げて、「Zoomの禁止はリモート学習に困難さを加えるもの」とChalkbeatに答えている。

ニューヨーク市の広報担当者は、「学校に対してはすでに数週間前からMicrosoft Teamsの操作を訓練してきた」語った。同時に、将来(学校が)Zoomに戻ることを許可する可能性を除外しなかった。

ニューヨーク市は「Zoomの開発の状況をモニターし、引き続き詳しくレビューしていく。なんらかの進展があればすぐに学校にもアップデートを通知する」予定だという。

画像:ニューヨーク市の公立学校教室内部 Michael Loccisano/Getty Images

新型コロナウイルス 関連アップデート

原文へ

(翻訳:滑川海彦@Facebook

ARCHが新型コロナ治療を研究する企業向けのファンドを設立

世界が新型コロナウイルス(COVID-19)のワクチンや治療法の開発を競い、バイオテクノロジーのイノベーションが死活を分けることが明らかになりつつある中で、ライフサイエンス投資家のARCH Venture Partnersが新技術開発に出資するために14億6000万ドル(約1580億円)を調達した。

同社は、アーリーステージのバイオテクノロジー企業だけに投資する多くのビークルを抱えるが、この長いリストにARCH Venture Fund XとARCH Venture Fund X Overageが新たに加わった。

「ARCHは人類の健康に影響をもたらす素晴らしいサイエンスに常に投資してきた。総力を挙げてCOVID-19と戦うことほど我々の理念を示すものはない」と共同創業者でマネージングディレクターのRobert Nelsen(ロバート・ネルセン)氏は声明で述べた。「ヘルスケア革命は現在起こっている変化によって今後加速し、真に転換を図るサイエンスに取り組んでいる挑戦者たちに引き続き積極的に投資することを嬉しく思う」

ARCHのポートフォリオに名を連ねるVir Biotechnology、Alnylam Pharmaceuticals、VBI Vaccines、Brii Biosciences、そしてSana Biotechnologyは全てCOVID-19の治療法に取り組んでいる。Quanterixは臨床試験と臨床試験開発を支える技術を開発している。またARCHがサポートする別の会社Twist Biosciencesは、治療やワクチン開発に貢献すると考えている遺伝子編集ツールを持っている。吸入された一酸化炭素を放出するテクノロジーの開発を手掛けたBellerophonはCOVID-19による呼吸困難を軽減させる治療としてFDA(米食品医薬品局)から緊急使用許可を得た。

ARCHのOverageファンドはより多額の資金を必要としているレイターステージ企業の大量の株を取得するのに使われる、と同社は説明した。

「当社は、何百万という人が直面するさまざまな病気や症状のための薬を開発できる最先端のサイエンス、ツール、人材をもたらす。2つの新たなファンドで当社は急を要する、そして意義のある仕事に引き続き取り組む」とマネージングディレクターのKristina Burow(クリスティーナ・ブロウ)氏は声明で述べた。「我々は5万ドル(約540万円)から数億ドル(数百億円)まで、あらゆる額の投資に対応する。各企業やそれぞれのテクノロジーは状況を改善して変えるという最高の機会を持っている」

2つのファンドは、2016年に11億ドル(約1190億円)でクローズしたARCHの直近の投資ファンドとおおよそ同じ規模だ。しかし総額で5億6000万ドル(約600億円)調達した2014年のARCHファンドからは大幅な増加だ。

ARCHファンドの規模拡大は、資金を確保してきた幅広い産業が運用資本を拡大する傾向にあることを表しているが、しかしまたスタートアップ業界におけるバイオテック投資の認知度が高まっていることも暗示している。

このところ、世界を飲み込んでいるのはソフトウェアではなく、プログラム可能なバイオロジーだ。

「ARCHは、健康福祉に関する重要な問題を解決することで、生命科学や自然科学研究のリードから、世界のコミュニティへの貢献まで、最も約束されたイノベーションを前進させるというミッションに35年間取り組んできた」とKeith Crandell (キース・クランデル)氏は声明で述べた。「ARCHは、感染病やメンタルヘルス、免疫学、ゲノムと生物学のツール、データサイエンス、新発想の診断や治療などで進歩を追求する草分け的な会社の発掘、サポート、投資を優先する」

新ファンドのマネージングディレクターにはRobert Nelsen氏、Keith Crandell氏、Kristina Burow氏、Mark McDonnell(マーク・マクドネル)氏、Steve Gillis(スティーブ・ギルス)氏、そしてPaul Thurk(ポール・サーク)氏が含まれる。

画像クレジット:Image Source / Getty Images

[原文へ]

(翻訳:Mizoguchi

米国では新型コロナ対策で睡眠時無呼吸用の装置を改造して人工呼吸器の不足に対処

米食品医薬品局(FDA)は、従来とは異なる解決策に対する必要性が高まるなか、同局の方針と規制を適応させるよう取り組んできた。つまり、新型コロナウイルス(COVID-19)患者の治療に必要な医療機器の不足などに対応するためだ。カリフォルニア大学バークレー校と同サンフランシスコ校、さらには実働中の病院に所属する医師、エンジニア、医学研究者のグループは、人工呼吸器不足に対応する独創的な解決策を考案した。それがFDAの緊急使用許可(EUA)の基準を満たすことを願っている。これまでほとんど使われずに放置されていた、どこにでもあるハードウェアと、備蓄されている医療用呼吸器具によって解決しようというもの。

このグループには、肺疾患専門医、医学および工学の教授、その他多くのメンバーがいる。自らを、COVID-19 Ventilator Rapid Response Team(COVID-19人工呼吸器緊急対応チーム)と名乗っている。睡眠時無呼吸症候群の治療に一般的に使われている既存のCPAP(Continuous Positive Airway Pressure)マシンを改造して、一種の人工呼吸器として利用する方法を編み出した。人工呼吸器は、ICU内で重度の新型コロナウイルス患者の呼吸を維持するための挿管に必要とされている。

睡眠時無呼吸用の装置は、自力で呼吸できない患者が継続的に使用するようには設計されていない。基本的に、睡眠中に患者の気道が塞がれないようにし、酸素レベルを維持して、望ましくない目覚めやいびきを防ぐもの。このCPAPの改造に取り組んだグループは、挿管に使用できるチューブを使用して、ハードウェアを適合させることができた。主導的な役割を果たしたのは、ベイエリアの3つの病院のICUで、肺の疾患を専門とする救命救急医、Ajay Dharia(アジャイ・ダリア)博士と、カリフォルニア大学バークレー校の工学系の大学院生だ。

すでにFDAは、緊急の必要性がある場合には、もともと人工呼吸器として設計されていない呼吸装置の使用を検討するよう、医療施設や専門家に促すガイダンスを発行している。これだけでも、人工呼吸器緊急対応チームのアプローチは一歩先んじたものだったことになる。それでもチームは、当局からの緊急の認可をさらに求めている。というのも、大量の機器を改造するには、サプライヤーやメーカーと大規模に協力することが必要だからだ。

さらにチームでは、現在使われていないCPAP、つまり睡眠時無呼吸症候群用の装置を寄付してくれるよう、個人や組織に協力を求めている。それを改造して、人工呼吸器を作るためのベースのハードウェアとして使うためだ。興味のある人は、チームのウェブサイトで、さらなる情報をチェックしてみよう。

新型コロナウイルス 関連アップデート

原文へ

(翻訳:Fumihiko Shibata)

DataStaxがCassandraデータベースのためのKubernetesオペレーターをローンチ

米国時間3月31日、オープンソースのApache Cassandraプロジェクトを支える商用企業DataStaxが、データベースのクラウドネイティブバージョンを動かすために同社が開発したKubernetesオペレーターをオープンソースで発表した。

DataStaxの最高戦略責任者である Sam Ramji(サム・ラムジ)氏が2019年にGoogleから来て最初に取り組んだのが、KubernetesとCassandraに関して顧客、パートナー、コミュニティメンバーの動向をつかむことだったが、そこでわかったのはサポートが驚くほど限定的だったことだった。

一部の企業はKubernetesのサポートを自分たちで構築していたが、DataStaxには自社サポートと呼べるものがなかった。KubernetesはGoogleで生まれ、そして現在、DataStaxはコンテナ化を熱心に推進している。そこでラムジ氏は、顧客がKubernetesの利用を始めやすくするためのオペレーターがDataStaxにあるべきだと考えた。

「オプションとしてコミュニティに提供しているKubeオペレーターの特別な点は、オペレーターをCassandra向けに一般化して、どこでそれを実装しても使えるようにしたことだ」とラムジ氏はいう。

ラムジ氏によると、多くの企業が独自にKubernetesを運用している企業の多くは、それらは各社の固有の要求に向けて独自化されている。それはそれで結構だが、同社がCassandra上に構築しているため、幅広いユースケースにアピールできる一般的なバージョンを開発したいと考えていたという。

Kubernetesでは、オペレーターはDevOpsチームによるパッケージングの仕方、アプリケーションの管理とデプロイの仕方、それを正しく動かすために必要なインストラクションなどの指示を与える。DataStaxが今回作ったオペレーターは、Cassandraを幅広い前提条件で実行するために特別に作成ししたものだ。

Cassandraは強力なデータベースで、他のデータベースがダウンしても動き続ける。そこでAppleやeBay、Netflixなども主要なサービスを実行するために使っている。この新しいKubernetesの実装により、コンテナ化したアプリケーションとしてCassandraを動かしたいという人は誰でも利用できるようになり、Cassandraをモダンな開発領域へと押し上げられるようになる。

同社はまた、新型コロナウイルス(COVID-19)のためデータベースの利用が増えて苦労している技術者を助ける無料のヘルプサービスを発表した。彼らはそのプログラムを「Keep calm and Cassandra on(落ち着いて、Cassandraを動かそう)」と呼んでいる。Cassandraのようなシステムの稼働の維持を任されている技術者をサイトリライアビリティエンジニア(SREs、サイトの信頼性を維持するエンジニア)と呼ぶ。

ラムジ氏の説明によると「この新しいサービスは完全無料のSRE間のサポート通話だ。我々のSREたちは世界中どこからのApache Cassandraユーザーからの電話に対応する。需要増に対応しようとしているCassandraのバージョンは何でもよい」という。

DataStaxは2010に創業され、PitchBookのデータによるとこれまで1億9000万ドル(約206億円)を調達している。

関連記事:DataStax Lands $106M In Series E Funding(未訳)

[原文へ]

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

ディズニー映画「Artemis Fowl」が新型コロナの影響で映画館をスルーしてDisney+へ直行

新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックでほとんどの映画館が閉まっている中、ディズニーは今後の上映予定作品の封切りを遅らせようとしている。そんな中、まったく映画館で上映される予定のない映画も1つある。5月封切り予定だった「Artemis Fowl(アルテミスと妖精の身代金)」は、ストリーミングサービスへ直行する。

ディズニーは米国時間4月3日、この映画のデビューはDisney+でのみ、封切日は追ってお知らせする、と発表した。

ハリウッドのメジャーな映画会社のすべてが、映画館の閉鎖対策で苦戦している。NBCUniversalは「The Hunt」と「The Invisible Man」「Emma」をストリーミングサービスのレンタルで公開し、一応形だけだが映画館でも封切った。「Trolls World Tour(トロールズミュージック☆パワー)」は、公式の劇場封切り日である4月10日にデジタルで公開される(日本では2020年10月に公開)。

その他の映画会社も同じだ。報道によれば、 Paramount(パラマウント)はKumail Nanjiani(クメイル・ナンジアニ)とIssa Rae(イッサ・レイ)のコメディー「The Lovebirds」を、劇場ではなくNetflixで封切る契約をすでに結んだという。ただし、公式には発表されていない。

関連記事: NBCUniversal will break the theatrical window to release ‘The Invisible Man’ and other movies on-demand…NBCUniversalが「The Invisible Man」などをオンデマンドで公開(未訳)

一方ディズニーは、既に「アナと雪の女王2」をDisney+で配信し、さらにピクサーの「Onward(2分の1の魔法)」は劇場公開から数週間後にデジタル化され、米国時間4月3日にDisney+で公開されている。

Kenneth Branagh(ケネス・ブラナー)監督の「アルテミスと妖精の身代金」は、原題「Artemis Fowl」と同名の若い犯罪者の物語で、Eoin Colfer(オーエン・コルファー)のファンタジー小説シリーズが原作だ。当初の封切予定日は2019年8月9日だったが、遅れて2020年5月29日になっていた。

だから、また遅れても不思議ではない。ディズニーには他の映画もある。「Mulan(ムーラン)」や「Black Widow(ブラック・ウィドウ)」そして「Jungle Cruise(ジャングル・クルーズ)」ですら、もっと高い確率で映画館での上映はなくなるだろう。

Disney+のマーケティング担当社長Ricky Strauss(リッキー・ストラウス)氏は「ケネス・ブラナー監督と豪華キャストが観客を、多くの人に愛された本のわくわくするようなファンタジーの世界へ連れていく。読者は何年も前から、映画化を待っていた。家族向けのすばらしいエンターテインメントが、Disney+の夏のラインナップをさらに完璧にするだろう」と語っている。このとおり、ストラウス氏はDisney+の話しかしていない。

画像クレジット: The Walt Disney Company

新型コロナウイルス 関連アップデート

[原文へ]

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa