Apple、iOS 10に臓器提供を組み込む

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それはiOS 10の最先端新機能ではないかもしれないが、重要であることは間違いはい。Appleは今日(米国時間7/5)、Donate Life Americaと協力して、同社のモバイルオペレーティングシステムに臓器提供を組み込むことを発表した

今秋iOS 10が公開されると、ユーザーは、「わずか数回のタップで」臓器、目、および細胞組織の提供者になれる。標準装備のHealthアプリを通じて登録したユーザーは、Natio Danate Life Registry(全米臓器提供ライブラリー)に追加される。またアプリは、興味を持った人々を追加情報のサイトに誘導する。

「アップデートされたHealthアプリを使って、われわれは臓器提供に関する教育と認知向上の場を提供する。登録はこれまで以上に簡単だ」と、AppleのCOO、Jeff Williamsがリリース文で言った。「わずか数秒で終わる簡単な手続きによって、最大8人の命を救える可能性がある」。

同社によると、現在12万人のアメリカ人が命を救うための移植を待っており、10分毎に新しい人が追加されている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

iOS 10のApple Mapsでは、自動車を停めた場所やそこまでの所要時間を示してくれる

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Appleは未だApple Carの噂について、きちんと言及せずにいる。独自の車を開発するということについて、どれほどの意図を持っているのかはわからない。ただ、iOS 10によってApple Mapsに導入される新機能によって、ドライバーに快適さを提供しようという気持ちはあるようだ。

AppleInsiderが報じているが、新しいApple Mapsでは、車を自宅以外の場所に停めたときに、その場所を自動的に地図上に表示するようになる。

Apple Maps上に停車した車のアイコンが表示され、車のある方向を示したり、その場所まで行くのにかかる時間を表示してくれたりもする。詳細な場所を示すために、停車場所を編集するための機能もついている。

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言うまでもないかもしれないが、停車場所を示すためのアプリケーションは、サードパーティーからいろいろと出てきているものではある。新機能を実装する際に、そうしたサードパーティーの機能を奪うようなことは、しばしば起こることではある。

WWDCのキーノートにおいて、AppleはiOS 10においてApple Mapsに加えられる変更点についてアナウンスしていた。Mapsとのインタフェースをサードパーティーに提供し、たとえば地図をつかって近くのレストランを予約したり、Uberなどのサービスを呼ぶことができるようになる。

Map上から展開するサービスではApple Payも利用できるようになり、自分のいる場所の近辺に存在するサービスを、手間いらずで利用(購入)することができるようになる。またMapsは、利用者のカレンダー情報から次のミーティング場所近辺の食事場所を提案したり、もちろんその場所へのルートを示すといったインテリジェンスも持つようになる。今回明らかになった停車場所通知の機能なども、Mapsへの追加機能のひとつというわけなのだろう。

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(翻訳:Maeda, H

Webに接続するiOSアプリは2017年1月からHTTPSの使用が絶対条件になる、デベロッパーはご注意を

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Worldwide Developers’ Conference(WWDC)のセキュリティプレゼンテーションでAppleは、App Storeのすべてのアプリが、App Transport Securityと呼ばれる重要なセキュリティ機能へ切り替えるべき締切日を、明らかにした。それは、2017年の1月からだ。

App Transport Security(ATS)は、AppleがiOSに導入した機能だ。ATSが有効になっていると、Webサービスに接続するアプリはHTTPでなくHTTPSを使わなければならない。HTTPSは通信を暗号化するので、ユーザーのデータが盗聴などに対し安全になる。

HTTPSの”S”はsecure(安全)の頭文字で、銀行やメールのアカウントにログインするときブラウザー上で目にするだろう。しかしモバイルアプリが行うWeb接続は、セキュリティ関連の情報をユーザーに開示しない場合が多い。その接続がHTTPなのかHTTPSなのか、ユーザーが判別するのも難しい。

ATSは、iOS 9からデフォルトでは有効になっているが、デベロッパーが自分のアプリの中でそれを無効にできる。するとそのアプリは、HTTPでWebに接続する。でも、それができるのも今年の終わりまでだ。技術用語的に言うとATSはTLS v 1.2を必要とし、メディアストリーミングのようなすでに暗号化されているバルクデータを例外とする。

2016年の終わりには、App Storeに提出されるすべてのアプリで、ATSの有効化が必須になる。これまで不安だったデベロッパーも、締め切りが明示されたのでやりやすいだろう。またユーザーは、iPhoneとiPadのすべてのアプリが安全な接続になると知って、安心できるだろう。

デベロッパーにHTTPSを要求することになったAppleは、オンラインのデータを安全にしようとする大きな運動に加わることになる。セキュアなプロトコルはログインページでは一般化しているが、そのほかの接続ではまだHTTPのところが多い。しかしそれも今は、徐々に変わりつつある。Wired誌に、その過程をドキュメントした良い記事がある。

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スマホのイヤフォンで聴く音楽をゴージャスな3Dサラウンドサウンドに変えてしまうBoom

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Boom for iOSは音楽を変える。たぶん、良い方へ。このアプリは一種のイコライザーで、通常のMP3の音に低音と奥行きを加える。ベースがよく鳴る3Dサウンド的な音になるから、超安物のイヤーバッドでも音楽を楽しめる。スピーカーからの音には、臨場感‘らしさ’が加わる。

しかし、万人向き、ではないかもしれない。Peter Schickeleの後期のアルバムを昔のVictrolaで聴きたい、という純粋派には、たぶんだめだ。

そのほかの人は、このアプリを自分の音楽系アプリの一員に加えるとよいだろう。使い方はとても簡単で、このアプリを通して音楽を聴き、さまざまなエフェクトを選ぶ。3Dのサラウンドもどきもあれば、いろんなブースターもある。5日間無料で試用して気に入ったらお金を払う。DRMで保護されていたり、ストリーミングの音楽には使えない。

いろんな曲で試してみたが、音の分離が良くなるし、相当極端なリバーブもかけられる。

OS X上には5年前からあるアプリケーションで、これを作っているGlobal Delight社によると、月間アクティブユーザーは250万人以上いる。同社は、Camera PlusやVizmatoも作っている。

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ソフトウェアアーキテクトのSandhya Prabhuは、こう説明する: “市場における重要な差別化要因は、独自のオーディオ処理ロジックを使っていることだ。それによりこのアプリは、ヘッドフォンから聴こえるふつうのステレオ音に、リアルなサラウンドの空間感覚を加える。高価なハードウェアがなくても、いつでもどこでも、サラウンドサウンドを楽しめる”。

同社はこの技術を、ストリーミングサービスや各種メーカー企業にライセンスしている。だからそのうち、SchickeleのP.D.Q. Bachを昔のJVCのヘッドフォンで聴いても、すごい音になるだろう。18世紀のフリューゲルホーン奏者たちも、本当はそんな音を出したかった、…のではないだろうか。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

MicrosoftがSkypeを企業のiOSとAndroidアプリにSDKで提供…Skype正規ユーザー企業は無料で使える

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MicrosoftのSkypeが、企業にとってさらに使いやすくなった。木曜日(米国時間5/19)にMicrosoftが立ち上げた、同社提供のSkype for Business SDKは、iOSやAndroidのデベロッパーが自分のモバイルアプリにSkypeのメッセージングとオーディオ、ビデオ機能を実装できるためのSDKだ。これでアプリが簡単にコミュニケーション機能を持つようになり、デベロッパーはアプリ本来の機能の設計や実装に集中できる。

こういう、どんなアプリでも簡単にメッセージング機能を持てるというAPI的SDK的サービスは、本誌TechCrunch主催のDisruptコンペで優勝したLayerや、もっと最近ではチャットツールのSendbirdなどがある。Microsoftがねらうのは、主に大企業だ。

Skype for Business SDKをアプリに実装した企業は、Skype for Business ServerやSkype for Business Onlineなど、既存のインフラストラクチャを使い続けることができる。ただしその企業が自己サーバーの上にUnified Communicationsをデプロイしていたり、あるいはMicrosoftのクラウドのユーザーであるかぎり、だ。またSkype for Business SDKを採用した企業は、既存のネイティブクライアントを使って彼らの顧客と話すこともできる。

ただしこのSDKのプレビュー期間においては、“リモートアドバイザー”機能の利用に限定される。つまり、モバイルフォンやタブレットを使ってリモートの顧客と対話し、チャットや電話、ビデオチャットなどをやりたい企業、という意味だ。

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実はこの機能は、Microsoftの今年のBuild 2016カンファレンスでデモされた。そのとき同社は、MDLIVEが作ったテレヘルス(telehealth, 遠隔医療)アプリを使った。そのアプリの中で医師たちは、ビデオチャットを利用して患者にケアのやり方を教えた。そのほか、診療記録や検査結果の共有、メッセージングを送る、などもデモされた。患者は医師とのチャットを予約し、約束の時間にリアルタイムでチャットできた。

相手がお医者さんなら、文字通り“リモートアドバイザー”だが、医療以外にも用途はある。たとえば金融アドバイザーやカスタマサービスなど、さまざまな企業アプリがありえるだろう。

Microsoftによると、Skype for Business ServerやSkype for Business Onlineのユーザーである企業は、このSDKを無料で利用できる。

SDKのダウンロードはここで

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Google、iOSにGboardをリリース―ブラウザなしでアプリ内から検索可能なキーボード

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今朝(米国時間5/12)、GoogleはGboardと呼ばれるiOS向けの新しいアプリを リリースした。これはその名前のとおり、カスタム・キーボードで、ユーザーはブラウザを立ち上げずにこのキーボード内から直接Google検索ができる。

開発が進んでいることは今年の始めから噂になっていた。当初の報道は正しかったようだ。新しいキーボードは噂どおり、Googleが簡単になるだけでなく、高速なスワイプ入力やGIF検索なども可能になる。また絵文字や入力単語予測などの機能も備えている。

もちろんGboardのもっとも興味深い点は自社のサービスとの密接な連携だ。

キーボード左上隅に配置されたカラフルなGのアイコンをタップすると、ユーザーはキーボード内から直接Google検索を実行でき、ブラウザまたは適切なGoogleアプリが自動的に起動されて結果が表示される。

この機能は交通機関の時刻表、ニュース記事、レストランやショップ、レシピなどを検索している場合にことに便利だ。たとえばリアルタイムでチャットしてる最中に検索結果をそのままチャット窓にペースとすることができる(ただしそのためにはGboardにまず位置情報にアクセスすることを許可しておく必要がある)。

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この場合、検索結果は上に見るようにカード方式でアプリとキーボードの間に表示される。検索結果ごとに1枚ずつのカードが作成される。

情報カードをタップすると、即座にチャット、メール、ノートその他ユーザーがその時点で利用しているアプリ内にカードの内容がペーストされる。この内容は単なる文字列ではなくリンクになっており、閲覧者はタップしてアプリを起動することができる。住所であればGoogleマップで位置が表示されるし、電話番号であれば、レストランに直接電話することができる。もちろんウェブを検索することも可能だ。

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もしURL付でペーストすることが必要ない場合は、iOSの編集機能を使ってペーストすることができる。この場合ハイパーリンクは含まれず、カードはそのまま画像として貼り付けられる。カードはデザインが優れている上に情報も詳細だ。レストランの営業時間や地図、フライトのスケジュール、今日の天気、その他ユーザが通常必要とする情報はなんでも分かる。

このアプリはGIF検索もサポートしている。GoogleはRiffsyと提携してGIFを使いやすくカテゴリーに分類している。ただしGIFファイルの検索自体はGoogle自身が実行している。普通に絵文字を検索したい場合はスマイリー〔ニコちゃんマーク〕アイコンをタップすればよい。しかしGIFを検索したい場合は、代わりにキーボード下部のボタンを押してそのセクションを開く。

GIF検索セクションにはRiffsyの協力で数多くのカテゴリーが設けられており、 high five〔ハイタッチ〕、 thumbs up〔親指を立てる〕、hair flip〔髪を揺らす〕、mic drop〔わざとマイクを落とす〕、 shrug〔肩をすくめる〕等々が検索できる。GIFはカテゴリーだけでなくキーワードでも検索できる。

気に入った検索結果を見つけたらタップするだけで内容が必要が場所にペーストされる。

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絵文字の使用でもGoogleは新しい試みをしている。数多くの絵文字を延々とスクロールしていくのではなく、「ダンス」とか「ワイン」というようなキーワードで検索すると、即座にその絵文字が表示される。

新しいキーボードでは通常のタッチ入力もできるし、慣れれば高速なスワイプ入力もサポートされている。スワイプ入力では必要なキーの上に指を離さず滑らせる。単語の区切りでいちいちスペースバーを押す必要はない。

スワイプ方式は特に片手での入力に適しており、MicrosoftもiOS向けキーボードのWord Flowでこのメリットを強調している。

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iOSの標準キーボードの代わりにGboardを使う際の最大の欠点はマイクが内蔵されていないことだ。 実はAppleはサードパーティーがキーボードにマイク機能を組み込むことを禁止している。このためGboard内からOK Googleと呼びかけることや、Siriに質問することができない。

一般ユーザーの大半がモバイル・アプリ経由でデジタル情報に接しているようになったことを考えるとGboardのローンチは非常に重要だ。eMarketerによれば、平均的ユーザーは一日あたり、 3時間15分アプリを利用するのに対して、ブラウザを使うのは 51分に過ぎないという。

もちろんキーボードがGoogleサービスと深く結びつくようになることはデータの所有権やプライバシーについての懸念を生じさせる。このアプリの場合、ユーザーは検索履歴やユーザー辞書をクリアすることができる。【略】

Gboardはすでに公開済みで iTunes App Storeから無料でダウンロードできる。当面は英語版のみだが、将来は他の言語もサポートされると Googleは述べている。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Google翻訳、アプリの切り替えなしに翻訳できる機能(Android)や、オフラインモード(iOS)を実装

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Googleが提供している翻訳アプリケーションのアップデートを行った。iOS版およびAndroid版の双方が新しくなっている(訳注:訳者のところではまだアップデートが確認できていません。「next few days」のうちにアップデートされるそうです)。

今回のアップデートには、3つの重要なポイントがある。ひとつはiOS版でのオフライン翻訳のサポートだ。またAndroid版ではTap To Translate機能が実装された。さらに双方の環境のWord Lens機能において、中国語をサポートした。

オフラインモードは、実際に旅行先で用いる場合などに便利だろう。住み慣れた地元と異なり、思わないタイミングでネットワークから切り離されてしまうこともあるだろうからだ。ちなみにAndroid版では、以前からオフラインモードがサポートされている。Googleによれば、言語パッケージおサイズを最大で90%も軽量化したのだとのこと。おかげで今ではわずか25MBにおさめているのだそうだ。ダウンロード可能な言語パッケージは、現在のところ52言語分が用意されている。

Google Translate - Tap to Translate

Android版の利用者にとっては、Tap to Translateが嬉しい新機能だろう。Google翻訳アプリケーションに、翻訳したい内容をコピー&ペーストするのではなく、ただ単に知りたい単語をコピーすると翻訳を表示させることができるのだ。ちなみに翻訳は、アプリケーションを切り替える必要なくオーバーレイ形式で表示される。

なかには「その機能は前からあったはず」と感じる人もいるかもしれない。確かに、昨年からこのTap to Translate機能を一部で実装してはいるのだ。ただし、いぜんのものはWhatsAppやTripAdvisorなど、限られたアプリケーションでしか動作しないものだった。

Google Translate - Word Lens for Chinese

さらに。Word Lensの対応言語が増えたのが嬉しい(訳注:日本語は未対応ですので、Word Lensのすごさを感じてみたい方は、翻訳言語を英語とドイツ語ないしフランス語などにしてみると良いでしょう)。Word Lensはカメラで捉えた単語をリアルタイムで翻訳するものだ。今回のアップデートで簡体字および繁体字の双方に対応した。これでサポート言語は29言語となった。

Googleのスポークスパーソンが言うところでは、インドやインドネシアなどで新たにスマートフォンを入手した人などに話をきいて、今もっとも必要な機能を実装しようと考えたのだとのことだ。

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(翻訳:Maeda, H

SAP、Appleとの提携を発表。iOSをエンタープライズに拡大

A man walks up the stairs at the Apple Store in Grand Central Station February 25, 2016. 
Apple has been in a legal fight with the government in the San Bernardino case, where the FBI wants the company to help hacking the iPhone of Syed Farook, a US citizen, who gunned down 14 people with his Pakistani wife Tashfeen Malik in the California city in December. / AFP / Timothy A. CLARY        (Photo credit should read TIMOTHY A. CLARY/AFP/Getty Images)

SAPは今日(米国時間5/5)、Appleと幅広い提携を発表した。iOSをSAPのエンタープライズ顧客ベースに拡大する。この発表のほぼ2年前、AppleはIBMと同様の提携契約を結んでいる。

SAPのデジタルエンタープライズプラットフォームのプレジデント、Steve Lucasは、両契約に類似点があるのは当然だが ― 大きなエンタープライズ企業がAppleと契約した ― 大きな違いがあると言う。

まず、SAPは厳然たるエンタープライズソフトウェア会社であり、ERP製品、SuccessFactors、あるいはConcur等、同社が開発した全ソフトウェアをアクセスできるクラウドプラットフォームを作っている。この中核部分は、間違いなく差別化要因だと彼は考えている。

それでも似た点はある。IBMと同じく、SAPはAppleと密接に作業することによって、その徹底したデザインセンスを取り組みに生かそうとしている。この提携の目的は、iPadおよびiPhoneでの業務を革新することに留まらない、とLucasは言う。

Appleがエンタープライズ市場に大きく進出したがっていることは自明であり、この種の契約は同社のエンタープライズでの位置づけを確立し、従来PC世界 ― 即ちMicrosoft領域 ― だった企業にAppleハードウェア製品を売る推進力になる。

こうした提携を後押しする主な要因は、iPhoneとiPadの驚異的な人気だ。社員はこれらの機器を職場に持ち込むようになるにつれ、企業にカスタムアプリの開発等、自分たちの要求を満たすことを要求する。これを、大企業でのデジタル転換の動きと合わせると、企業はiOSデバイスや、それをどう使って会社の転換に役立てるかを深く理解する必要がある。

SAP CEO Bill McDermott with Apple CEO Tim Cook.

AppleのCEO Tim CookとSAPのCEO Bill McDermott。写真提供:SAP

SAPは、自社顧客にiOSを推進するプログラムを複数発表しており、まずiPadとiPhoneでSAPツールに保存されたデータを利用するためのアプリ群を提供する。同社のインメモリーデータベース製品、SAP HANAのためのiOS SDKも提供し、企業がSAPの開発したアプリを使うだけでなく、HANAに蓄積したデータを使うカスタムアプリを自社開発できるようにした。

「われわれは、これまでと全く異なる方法で企業にアプローチしようとしている。それは主として、Appleのアプリデザインに対する考え方によるも。これらのアプリが、iPadとiPhoneでの業務を革新するという使命を果たすことを私は強く信じている」とLucasはTechCrunchに語った。

そして、IBMと同じく、教育なくしてこの種の契約はない。SAPは、iOS版SAP Academyを、SAPプログラマーが HANA iOS SDKの使い方を学習する教育の場として提供する。Lucasは、同社がこの教育に強く力を入れていると言い、発表して数ヵ月で消えてしまうものではなく、将来に向けて続けていくことを約束した。

SAPとAppleの関係はまだしっくり来ないと感じるかもしれないが、IBMが2014年に提携を結んだ時も、眉をひそめる人たちはいた。しかし昨年末までに、Apple – IBM提携によるアプリは100種類となった ― それ以降も確実に数は増えている。

実は、SAPも100種類のアプリを作る計画だ。アプリもSDKもまだ提供されていないが、今年中にベータテストを始めるつもりだと言っている。Lucasは、多くのアプリが既に開発中だがまだ公開準備ができていないと話した。

Appleは、昨年夏にCiscoとも提携している。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

FBIは銃撃犯のiPhoneをハッキングしたツールの詳細をAppleに開示しない意向

A man walks up the stairs at the Apple Store in Grand Central Station February 25, 2016. 
Apple has been in a legal fight with the government in the San Bernardino case, where the FBI wants the company to help hacking the iPhone of Syed Farook, a US citizen, who gunned down 14 people with his Pakistani wife Tashfeen Malik in the California city in December. / AFP / Timothy A. CLARY        (Photo credit should read TIMOTHY A. CLARY/AFP/Getty Images)

[筆者: Kate Conger]
Wall Street Journalの記事によると、FBIの計画では、San Bernardino銃撃事件の容疑者のiPhoneへのアクセスに用いた方法をAppleに開示しないし、政府による内部的レビューにも提出しない意向だ。

FBIは3月に、Syed Farookが使っていたiPhoneのデータにアクセスできるハッキングツールをサードパーティから購入した、と発表した。Farookと彼の妻はカリフォルニア州San BernardinoのInland Regional Centerにおける銃撃事件で14名を殺した、とされている。FBIが彼のiPhoneに保存されているデータへのアクセスで政府に協力するようAppleに求めて以来、そのデバイスは、今も続いている暗号化をめぐる議論で、やり玉として挙げられるようになった。

Appleは先月のビッグニュースとなった法廷闘争で、捜査官が電話機のパスコードを解読できるような特製のオペレーティングシステムを作れ、というFBIの要求と戦った。しかしFBIがハッキングツールの購入を発表して以来、その衝突は明確な法的裁定がないまま、終了した。

目下FBIは、そのツールの詳細をAppleと共有することを拒否しているが、それがiPhone 5S以降の新機種には使えないことだけを明かした。FBIがどうやってその電話機にアクセスしたのか、その詳細の公開をAppleは公式にはFBIに求めていないが、iPhoneの現在使われている機種にある脆弱性をパッチするためにも、当然、そのツールの仕組みを知りたいだろう。

今月の初めにAppleの弁護士は、Appleは裁判に訴えてまで、政府にSan BernardinoのiPhoneをアンロックした方法の公開を求めることはしない、と述べた。その弁護士によれば、政府が発見した脆弱性が何であれ、それは同社が定期的に行っているセキュリティ改善努力によって修復されるだろう、ということだ。

政府には、セキュリティの問題に関する情報公開を企業に対して行う場合の、ポリシーがいくつかある。しかしVulnerabilities Equities Process〔仮訳: 脆弱性公正化過程〕には守秘原則がある。政府は一般的には脆弱性の公開を支持し、企業が迅速にパッチを当てられるように図るが、悪意あるハッカーに悪用されるおそれのあるものは公開の例外となる。〔参考記事。〕

Wall Street Journalによると、FBIは、ハッキングの方法に関する政府の内部的レビューにおいても、そのツールについて詳しく説明できるほどの知識情報を有していない、と言い張るつもりだ。FBIのディレクターJames Comeyは、彼のお役所がそのツールを入手するために100万ドルあまりを出費した、と明かした。

Apple vs FBI

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

YouTube、iOSとAndroidのアプリで「あなたへのおすすめ」を全面アップデート

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次にiOSAndroidスマートフォンでYouTubeアプリを開くと、ホームページが改良されているのに気づくだろう。

これまでYouTubeは「あなたへおすすめ」動画を多数のサムネールのリスト形式で表示してきた。 その後にさらにユーザーが最近再生したビデオと興味を持つテーマに沿った短いリストが続く。

新しいモバイル・アプリではすべての「おすすめ」ビデオが単一のフィードに統合され、その分サムネールは大きくなっている(大きすぎてスクロールしなければサムネールは2つぐらいしか表示されないかもしれない)。この変更により、「あなたへのおすすめ」は「急上昇」のタブとほぼ同一のデザインとなった。

YouTubeのプロダクト・マネジメント担当副社長、Johanna Wrightは私の取材に対して、「YouTubeはこれまで単一のリスト形式をテストしてきた。これは推薦アルゴリズムの改良をベースとしている。数週間にわたって一部のユーザーを対象に実験した結果、視聴したビデオの本数、滞在時間が増える傾向が確認できた」と語った。

Wrghtによれば、「数多くの改良を加えた結果〔推薦の精度が〕大きく改良されたので従来のようなグループ分けを廃止し、単一フィードに切り替えた。テストによれば、ユーザーは新しいデザインを好んでいる。YouTubeはきわめてデータ志向が強いチームであり、ユーザー体験の改良はすべてA/Bテストにもとづいている」という。

これに加えてWrightは、 Googleの新しい推薦アルゴリズムは、深層ニューラルネットワーク学習を基礎としており、1時間以内にアップロードされた最新のビデオも推薦の対象とすることができるなどリアルタイム性に優れているという。

「YouTubeが好みをよく理解しているということをユーザーに伝えたい」とWrightは言う。つまり新しいUIになって表示される「おすすめ」ビデオの数は多少減ったかもしれないが、いっそうユーザーの関心により正確に合致するようになっているはずだとYouTubeは期待している。新システムの「おすすめ」にはすでに登録しているチャンネルに最近アップロードされたビデオも表示される。これがYouTubeのクリエーターに影響があるかどうかも注目だ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

iOS 10が採用すべき改善項目はこれだ

正直なところ、殆どのコンセプトビデオはゴミだ。最終製品と似ても似つかぬ想像上のデバイスを見せ、物理法則を無視する。しかし、〈ソフトウェア〉のコンセプトビデオの中には、実に要点を突いたものもある。例えばこのMacStoriesのビデオ

Federico ViticciとSam BeckettのふたりがiOS 10コンセプトビデオを作った。それは来たるべき最新iOSへの見事な欲しいものリストだ。Appleは6月13日のWWDCでiOS 10を発表するものと思われるが、Appleに何ができるのかを考えるのは良いことだ。私はiOSがこの方向に進化することを是非とも願っている。

3D Touchショートカット付きのカスタマイズ可能なコントロールセンター、メッセージのリンクプレビュー、スプリットビューのUI改善などの簡単なものもある。しかしViticciは、マルチタスキングとSiriに、iOSらしいUIトリックを加えて強力にする方法も考えている。実装方法の中には意外なものもあり、「すばらしい!」と思わせてくれる。

ともあれビデオをこ覧あれ。MacStoriesに行けば、私が書いていない全機能の説明がある。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

San BernardinoのiPhoneはゼロデイエクスプロイトを使ってハックされた

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昨年の12月に二人のテロリストが、カリフォルニア州San Bernardinoを襲い14人を殺したとき、一台のiPhone 5cが回収され、それはその後、テロ攻撃と同じぐらい、多くのニュースになった。そのiPhoneには、FBIがぜひ入手したい関係情報があると言われ、そしてWashington Postの今日の記事によると、プロのハッカーたちがそれまで知られていなかったiPhoneのセキュリティの欠陥を利用することによって、情報の入手が実際に可能になった。

FBIがその電話機のハックに成功し、それまで延期されていた、Appleに電話機のアンロックを求める法的手続きが取下げられたことは、すでにみんなが知っている。しかし、どうやってハックに成功したのかは、これまでミステリーだった。Washington Postによると、ハッカーたちはゼロデイエクスプロイト(zero-day exploit)と呼ばれるiPhoneの‘新たな’セキュリティの弱点の利用により、電話機上のデータにアクセスできた。このケースでは、エクスプロイトはiPhone 5cに固有のもののようで、電話機からのデータの取得に使われた攻撃ベクトルは、現世代の機種には無効だった

ハッカーたちは、iPhoneが内蔵しているブルートフォースな(brute-force, 力ずくの)保護をかいくぐる方法を見つけることができた、と信じられている。保護は二種類ある: 第一の保護は、PINをトライする時間間隔を徐々に長くする。自分のiPhoneでそれをやってみるには、まず4桁のPINを3回タイプする。すると1分待たされる。またトライしてだめだったら、今度は5分待たされる。第二のセキュリティ手法は、不正なPINを10回入力したら、デフォルトではデバイスが回復不能に消去される。

このことが重要である理由は、4桁のPINは強力な抑止機能にならないからだ。その組み合わせは10000しかない。毎秒入力できたら3時間以下で電話機を開けられるだろう。ハックはこの過程をやや遅らせて、1つのパスワードを30秒かけて入力し、それが間違いだと分かると、セキュリティがリセットされるのでまたトライする。この方法でも、3日と11時間ですべての組み合わせをトライできる。

このハックによりFBIは、特注した特殊なハードウェアを使って4桁のパスワードのすべての可能性を力ずくで試し、最後には正しいPINを見つけ、それからSan BernardinoのiPhone上のコンテンツにアクセスした、と思われる。

FBIは、セキュリティのエクスプロイトに関する情報を教えた匿名のセキュリティ専門家に、一回かぎりの料金を払った、と言われている。それがどうやら、その電話機をこじ開けるために必要なことの、すべてだったようだ。

 

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Facebookのチャット機能MessengerがDropboxのファイル共有をサポート、ビデオのChat Heads表示も

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みなさまに、良いお知らせ。Facebook Messengerに新しい機能が二つ!

最初のは、今やどのメッセージングアプリもそうなりつつあるが、メール的な機能だ。誰かと会話しながら、そこへ、あなたのDropboxのファイルをポップアップできるのだ。

会話中に、”More”ボタンを押す…あのおとろしいBitmojiを入れるときみたいに。するとDropboxが表示されるから、ふつうにファイルやディレクトリ(a.k.a.フォルダ)をセレクトする。

写真やビデオならそのままチャットに表示され、そのほかはDropboxアプリへのリンクみたいになったり、あるいはデスクトップからシェアするときのようにWeb上の共有URLが表示される。つまりFacebookがあなたの秘密のPowerPointsやPDFなどをホストするのではなくて、リンクを提供するだけだ。

これでチャットにおけるDropboxの利用と共有がものすごく簡単になり、いろんなユースケースが広がるだろう。Facebookには2012年からGroupのファイル共有機能はある。本誌のライターJosh ConstineはDropboxについて、“もっと積極的な成長策を”、と言い続けてきたが、今回やっとD社も、彼の言葉に少し反応したようだ。

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お次は: ビデオチャットにこれからは、全画面ではなく“Chat Head”インタフェイスをずっと使うことができる。この円形の浮遊するビデオチャットインタフェイスは、Androidの場合、Facebookのチャットだけでなく、ほかのアプリを使ってるときでも出る。iOSでは、残念ながら、Messengerだけだけど。

この二つの新機能は数日後に可利用になる。アップデートに注意しよう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Apple、iOSを9.3.1にアップデート―URLタップでiPhoneがクラッシュする問題を修正

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この対応は素早かった。iOSの重大なバグが報道されてからわずか数日でAppleは修正版のiOS 9.3.1をリリースした。アップデートはiPhone版、 iPad版ともバグに対応ずみだ。アップデートの説明は当然ながらきわめて簡潔だ。「Safariその他のAppでリンクをタップした後にAppが応答しなくなる問題が解決されます。」〔Apple日本サイトの表示〕とだけある。

どういうことだったのか振り返ってみると、まず多くのユーザーがAppleのフォーラムで不調を訴えた。一部のURLをタップするとSafariその他のアプリがクラッシュするという問題だ。原因はそうしたサイトのデベロッパーがiOS 9の新機能であるユニバーサルリンクを不正に利用しようとしたことにあることが判明した。このバグはiOS 9.3だけでなく、それ以前のiOS 9にも同様の被害をもたらした。

iOS 9でAppleはURLの処理にユニバーサルリンクというまったく新しい仕組を導入した。たとえばYouTubeのようなデベロッパーがドメイン名をAppleに登録し、ユニバーサルリンクに対応させると、ユーザーがリンクをタップしたときに、Safariをバイパスして直接アプリが起動するようにできる。

そこでiOSデバイス上でyoutube.com/somethingsomethingというようなリンクをタップすると、iOS 9はSafariではなくYouTubeアプリでコンテンツを表示する。これはなかなか便利は機能だったが、問題はこの機能を悪用するデベロッパーが出たことだった。

たとえばBooking.comのデベロッパーはアプリを多くの、というよりほとんど無数のドメイン名に関連づけた。正確にいえばBooking.comアプリはタップされるたびに2.4MB分のドメイン名を読み込もうとする。バックグラウンドのswcd〔共有ウェブ認証デーモン〕プロセスはこのディープリンク・データをユニバーサルリンクとして処理しようとしてオーバーフローに陥る。言い換えれば、Appleはユニバーサルリンクのデータサイズに上限を設けるのを忘れていた。一部のデベロッパーはこの点を悪用しようとしたわけだ。

Appleが素早く対応したのはもちろん良いことだ。しかし同時にユニバーサルリンクというのはきわめて初期段階のテクノロジーであり、Appleは最適化のために今後も努力する必要があることも明らかになった。iOSデバイスのユーザーはできるだけ早い機会に「設定」を開き、「ソフトウェア・アップデート」から新しいiOSをインストールするようお勧めする。

〔日本版〕日本のユーザーもiOSデバイスから9.3.1へのアップデーがト可能になっている。

File Mar 31, 7 02 18 PM

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Googleの新ツール、ボール箱ビューワーで360°VRを簡単に体験できる―SDKにiOSサポート追加

2016-03-31-vrview8

仮想現実(バーチャル・リアリティー)はゲームや映画にとって効果的であるのは間違いない。しかし現実に日常使われるソフトでの有用性となると、まだ証明されていないというのがコンセンサスだった。

Googleはバーチャル・リアリティーの普及を加速させようと 360°VRコンテンツのデバイスへの表示を簡単にするツールをリリースした。新しいツールによる体験はユーザーにとっても非常に扱いやすく、VRの世界を日常的に見ることができるものにしそうだ。

今日(米国時間3/30)、GoogleはVR Viewという新しいツールを発表した。デベロッパーはこのツールを利用して360°写真やビデオを今までよりずっと簡単にサイトのページにエンベッドし、GoogleのCardboard〔ボール箱ビューワー〕のネーティブ・アプリで表示できるようになる。また単一レンズ用のMagic Windowも利用できる。デベロッパーがVRをさらに利用しやすくするため、Cardboard SDKがiOSをサポートすることも発表された。

Googleのプロダクト・マネージャー、Nathan Martzは私の取材に対して、「VRはエンターテイメント分野で優れた効果を発揮する。しかしVRががわれわれが望むような変革を起こすためには、同時に有用性も必要だ」と語った。

VRの日常的な有用性にとって最大のハードルは、コンテンツの表示にたどり着く前にユーザーの側で非常に面倒な準備が必要なことだ。VRを体験したいなら、通常ユーザーはやっていることを中断して専用ヘッドセットを取って来る必要があるだけでなく、専用アプリを立ちあげねばならない。こういう状態では日常生活への普及はおぼつかない。

デベロッパー側の立場からすると、VRの表示に実際に関わっている企業の数が少ないのに驚くだろう。独自のVRネーティブ・アプリを開発するためにはたいへんなリソースを必要とする。

Googleが解決しようとしているのは雇用な問題だとNathan Martzは述べた。「〔企業が〕サイトやアプリにVRをエンベッドするのが今よりはるかに簡単になったらどうなるだろう? ほとんどの企業は本業の追求に全力を挙げており、専任のVRの開発チームなどを持っている余裕はない。一方、ゼロからVRアプリを開発するには莫大な投資が必要だ。われわれのVR Viewプロジェクトは企業のVRニーズとその実現の間に存在するこの大きなギャップを埋めようとするのが主な目的の一つだ」とMartzは説明した。

Googleのオープンソース・ソフトのおかげで、デベロッパーは数行のコードを追加するだけでVRコンテンツをサイトで直接表示できるようになった。取り扱っている部屋や家を体験させたい不動産ビジネスや最新のファッションを展示するアパレル産業ではこの機能はことに役立つだろう。 また世界各地の絶景をよりリアルに体験してもらいたいトラベル・ビジネスにとっても魅力だ。

もうひとつの地味ではあるが、あるいは今回の発表でいちばん重要だったニュースは、GoogleがとうとうCardboard SDKのターゲットにiOSをサポートしたことだ。

「われわれがCardboardを開発した目的は当初から『みんなが使えるVR』だ。 ところが、みんなが使っているスマートフォンの相当部分がiPhoneだった」とMartzは言う。Martzのブログ記事によると、iOSむけCardboard SDKはAndroid向けSDKと全く同じ機能を備えているという。【略】

Googleのボール箱ビューワー、Cardboardシステムの利用者は世界で500万人以上だという。現在世界で段違いに普及しているVRシステムであるのは間違いない。ユーザーにとってもVRがどんな体験か試すのにもっと手軽な選択肢だろう。Googleは今回発表されたのツールによってデベロッパーがアプリを含むVRシステムを開発するプロセスを大幅にコストダウンするだけでなく、ユーザーにとってCardboardビューワーをいつも手元に置かせる効果がありそうだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

iOS 9.3でリンクをクリックするとアプリがクラッシュする…Universal Linksのバグが原因

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ベータを7回もやったのに…多くのiOSユーザーがAppleのサポートフォーラムで報告しているように、まだバグがある。SafariやChrome, Mail, Messages, Notesなどの上のリンクをクリックすると、そのアプリがフリーズしてクラッシュするのだ。あなたもその一人なら、以下の対策をお読みいただきたい。

この問題は、Universal Linksと関係があるようだ。AppleはiOS 9で、Universal Linksというものを導入した。それは、ネイティブアプリのリンクを扱う、まったく新しい方法だ。アプリのデベロッパー、たとえばYouTubeなどが、ドメインを登録しておくと、Web上のリンクがSafariでページを開かずに、アプリ(YouTubeアプリなど)を開く。

つまりたとえばyoutube.com/somethingsomethingというリンクをクリックすると、iOSはWebページをSafariへロードせずにYouTubeアプリを開く。便利な機能だが、アプリのデベロッパーに濫用されるおそれもある(後述)。

Sergey Roshchinのビデオを見ると、そのバグがよく分かる。快調だった彼のiPadが、Booking.comのアプリをインストールした途端に、Safariがおかしくなる。リンクをクリックすると、ハングし、そしてクラッシュする。

Booking.comは、ありとあらゆるドメインを自分のアプリに結びつける。いいかげんだし、多すぎる。ドメインネームとディープリンクのエントリを対照させたデータが2.4MBもあるので、iOSがリンクをUniversal Linkのデータベースでチェックしようとすると、大きすぎてSafariなどのアプリがクラッシュする。Voyages-SNCFのアプリもiOS 9.3でクラッシュを発生させる、という情報もあったが、Voyages-SNCFはUniversal Linkがないから、それは誤報だ。

しかしBooking.comのアプリがアップデートされたのは3月17日で、iOS 9.3のリリースの前だ。リンクを操作するとアプリがクラッシュするのは、iOS 9.3が原因と見て間違いないだろう。

WebKitのチームは、iOS 9.3とOS X 10.11.4で大規模なアップデートを行った。Safari 9.1にも、そのボンネットの下にはいろんな変更箇所がある。Universal Linkのバグは、WebKitのアップデートと関連があるのかもしれない。…ないのかもしれない。

いずれにしても、Appleはこのバグを次のバグフィックスアップデートで直すだろう。当面は、Booking.comのアプリを削除して、待ちましょう。iOSがUniversal Linksをチェックするたびに、この問題は起きている。でも、問題のアプリを削除すれば、とりあえずiPhoneは使える。

アップデート: Bookingのアプリを削除するだけでは、不十分なようだ。

[ツイート概訳: Booking以外にもクラッシュするアプリはあるから、Appleによるフィックスを待つしかない]
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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

iOS 9.3へのアップデートが途中で止まってしまった古い機種のユーザーにAppleが対策を提供…最新のサポート記事で

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古いデバイスのiOSユーザーの一部が、9.3へのアップデートで思わぬトラブルに遭遇しているらしい。アップデートに際してApple IDとパスワードを入力するのだが、それらは最初にそのデバイスをセットアップしたときのでないといけない。あとから変えたIDやパスワードでは、だめなのだ。

ID/PWが違うと、アップデートは途中で停止し、そこから先へ進めない。

Appleは本誌TechCrunchにこんな説明をくれた:

“一部のケースでは、顧客がパスワードを思い出せないとデバイスは不活状態になり、正しいパスワードを入力するまでその状態を保つ。そのような古いデバイスに関しては、一時的にアップデートを控えている”。

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この問題が生ずるのは、iPhone 5SまでとiPad Airまでの機種の一部だ。“古い”ではなくて、“新しくはない”と言うべきだね。たぶん今でも多くの人たちの現用機だから、アップデートを待たされる人が多いだろうな。

Appleは、この問題を修復するためのアップデートのアップデートを“数日後”にリリースするそうだ。でも、今すでに、停止した画面を見て途方に暮れている人は、この最新のサポート記事に書いてあることを、試してみよう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Kantar、世界のモバイルOSの四半期のシェア発表―中国でのiOS成長はやや減速

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Kantar Worldpanel Comtechは恒例の世界のモバイルOS市場の調査結果を発表した。これによると、対象期間である今年1月を終期とする四半期で、中国都市部におけるスマートフォン市場でのiOSのシェア拡大は減速している。

KantarはAppleのOSの成長減速について、価格に敏感になってきた中国の消費者が〔大規模なバーゲンが行われる〕2月の旧正月を目前してして購入を手控えているのも一因だと分析している。

前回成長が減速したのは2014年の後半だったが、Appleは現在でも中国のスマートフォン売上の25%を占め〔Android各機種の合計が73.9%〕、依然としてもっとも人気の高いスマートフォンのブランドだ。

Kantarによれば、iPhone 6s、iPhone 6s Plus、iPhone 6は中国都市部でもっとも売れている機種だという。

l昨年のこの時期に、専門家は四半期の世界最大のスマートフォン・メーカーはAppleであることを報告した。そのため中国のモバイル市場が全体としてやや成長を減速させる中でもAppleは市場シェアを守ることに成功した。この成長の減速に関して、昨夏、Gartnerのアナリストは中国市場に飽和の兆候があると述べている。

一方、中国で売上2位のHuawei〔華為〕はAppleとの差を縮めつつある。Kantarによれば、Appleと同時期にHuaweiは24.3%のシェアを獲得することに成功している。昨年度中に8000万台を販売するという大胆な目標を掲げていた3位のXiaom〔小米〕は10.2ポイントもシェアを落としている。

Kantarによれば、Huaweiはヨーロッパでも好調で、Androidで2位となり、シェアを昨年同期の5%から今期は14%に伸ばした。Huaweiは来月、スマートフォンのフラグシップ機種を発表する予定だ。

〔日本版〕Kantarの調査によれば、世界の大市場でAppleのiOSのシェアが高いのはアメリカ(39.1%で2位)、イギリス(38.6%で2位)、日本(50.3%で1位)。逆にブラジルではAndroidのシェアが92.4%と高い。Kantarの世界地図に表示されたアイコンをクリックするとその国でのシェアが表示される。画面下部のスライダーを動かすと時系列で以前の統計を見ることができる。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

AppleはiPhoneアンロックの事案で延期を獲得、返答の期限は2月26日に

SAN FRANCISCO, CA - OCTOBER 22:  Apple CEO Tim Cook speaks during an Apple announcement at the Yerba Buena Center for the Arts on October 22, 2013 in San Francisco, California.  The tech giant announced its new iPad Air, a new iPad mini with Retina display, OS X Mavericks and highlighted its Mac Pro.  (Photo by Justin Sullivan/Getty Images)

FBIのためにiPhoneを改造せよ、という裁判所命令にAppleが答えるべき締め切りの期日が、延期された。最初は火曜日が締め切りだったが、金曜日、2月26日までに延びた、という。

Appleは、iOSの特殊なバージョンを作れというFBIの要求が、負担が大きすぎ、200年の歴史をもつ法律All Writs Actの枠を超えていることを、証明する必要がある。延期のニュースは、さきほどBloombergが報じた

FBIの要求には、三つの要請がある。それはAppleに、間違ったパスワードを何回も入力するとその電話機のデータを消してしまう自動消去機能を無効化またはバイパスすることを求めている。またそれはAppleに、パスワード誤入力の際の遅延を取り去るよう求めている。遅延とは、次のパスワード入力(試し入力)までロックにより数分とか数時間待たされることだ。遅延をなくすことによりFBIは、自分たちによるパスコードの試行を短時間で済ませられる。第三に、いちばん問題なのが、それがAppleに、パスコードの入力をBluetoothやWi-Fiのような無線プロトコルまたはデバイス上の物理的ポートからできるような、新しいバージョンのiOSを作るよう、求めていることだ。

AppleはTim Cookの強い口調の言葉で要求を断ったが、今度は法に従って答えなければならない。そして裁判所が、応諾を強制すべきか否かを決定するだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

MicrosoftのiOSアプリ“Fetch!”はあなたの犬の(そしてあなた自身の!)犬種を当てる

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【抄訳】
Microsoftの新しい画像認識ソフトですら、私の犬の犬種は分からない。でも、それはしょうがない。しかし、あなたの犬が殺処分施設から救ってきた雑種犬でなければ、最新のMicrosoft Garageプロジェクト: Fetch!を楽しめるかもしれない。このiPhoneアプリは、犬の写真を見てその犬種を当てる。正確に当てられないときは、至近の犬種である確率のパーセンテージを出す。

そう、今あなたが思ったとおり、犬でなくて人間でもよい。

このアプリは、機械学習で何ができるかを、おもしろく見せる、というシリーズのひとつだ。今回のは、画像を見て、その内容に関する何らかの判断をする。人間が自然に行う直感的判断のようなものを、マシンは教えられること(“学習”)によって身に付ける。

[100%の確率でボーダーコリーです]
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Fetchでも分かるように、その学習過程は相当難しい。人間はいくつかの断片的な情報から、これまでに知った/学んだことに基づいて、その場で犬種などを当てることができる。しかしマシンは、正しい画像と犬種に関する専門的データとマシンインテリジェンスを組み合わせて、教えてやる必要がある。

このアプリの場合は、ディープニューラルネットワーク(deep neural networks)と呼ばれる機械学習のテクニックを使っている。

“…Microsoftはこのような分野ではとても進んでいる。互いによく似ている犬種でも見分けるし、同じ犬種の色違いにも対応できる。そのほか、犬種ごとの細かい違いが分かるのだ”、と、イギリスケンブリッジのMicrosoft Researchでこの犬種プロジェクトを作ったチームのディレクターMitch Goldbergが説明する。

“ディープニューラルネットワークのいいところは、あとから加えた新しい犬種を、新しい犬種だと理解できることだ。それはとても難しい問題なんだけどね”。〔通常のNNは、すでに学習済みの何かにマッチさせようとする。〕

というかFetchは、機械学習の難しさを一般のユーザーに分かってもらうためにMicrosoftが作った一連のプロジェクトの一つなのだ。

たとえば昨年Microsoftは、人間の写真からその人の年齢を推測するサイトを作った。結果は、Fetchと同じく、当たったり当たらなかったり。

さらに同社は、感情を識別する機械学習ツールに取り組んでいるし、

顔にヒゲをはやして行う資金募集キャンペーン”Movember”を賛助するMyMoustacheプロジェクトも作った。それは、同じような技術で顔面のヒゲ率を判断する。

それに、二人の人間が双子かどうかを判断するサイトも作った。

でも、今回の犬種アプリもおもしろい。うまく当たれば!

 

【中略】

このアプリに友だちの顔を見せると、その人に似た犬種を当てようとする。それらは、けっこう当たってる、と言える!?:

[アイリッシュウォータースパニエル]
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ヒラリー・クリントンを、ウェストハイランドホワイトテリヤ、と判断した:

 

【中略】

私自身はマルチーズと判断され、まあそれは許せるけど、わが家の体重49ポンドの雑種犬がチワワはないよねぇ:

[91%の確率でチワワです]
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マシンたちよ、もっと勉強しないとダメだぞー。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa