今朝(米国時間5/12)、GoogleはGboardと呼ばれるiOS向けの新しいアプリを リリースした。これはその名前のとおり、カスタム・キーボードで、ユーザーはブラウザを立ち上げずにこのキーボード内から直接Google検索ができる。
開発が進んでいることは今年の始めから噂になっていた。当初の報道は正しかったようだ。新しいキーボードは噂どおり、Googleが簡単になるだけでなく、高速なスワイプ入力やGIF検索なども可能になる。また絵文字や入力単語予測などの機能も備えている。
もちろんGboardのもっとも興味深い点は自社のサービスとの密接な連携だ。
キーボード左上隅に配置されたカラフルなGのアイコンをタップすると、ユーザーはキーボード内から直接Google検索を実行でき、ブラウザまたは適切なGoogleアプリが自動的に起動されて結果が表示される。
この機能は交通機関の時刻表、ニュース記事、レストランやショップ、レシピなどを検索している場合にことに便利だ。たとえばリアルタイムでチャットしてる最中に検索結果をそのままチャット窓にペースとすることができる(ただしそのためにはGboardにまず位置情報にアクセスすることを許可しておく必要がある)。
この場合、検索結果は上に見るようにカード方式でアプリとキーボードの間に表示される。検索結果ごとに1枚ずつのカードが作成される。
情報カードをタップすると、即座にチャット、メール、ノートその他ユーザーがその時点で利用しているアプリ内にカードの内容がペーストされる。この内容は単なる文字列ではなくリンクになっており、閲覧者はタップしてアプリを起動することができる。住所であればGoogleマップで位置が表示されるし、電話番号であれば、レストランに直接電話することができる。もちろんウェブを検索することも可能だ。
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もしURL付でペーストすることが必要ない場合は、iOSの編集機能を使ってペーストすることができる。この場合ハイパーリンクは含まれず、カードはそのまま画像として貼り付けられる。カードはデザインが優れている上に情報も詳細だ。レストランの営業時間や地図、フライトのスケジュール、今日の天気、その他ユーザが通常必要とする情報はなんでも分かる。
このアプリはGIF検索もサポートしている。GoogleはRiffsyと提携してGIFを使いやすくカテゴリーに分類している。ただしGIFファイルの検索自体はGoogle自身が実行している。普通に絵文字を検索したい場合はスマイリー〔ニコちゃんマーク〕アイコンをタップすればよい。しかしGIFを検索したい場合は、代わりにキーボード下部のボタンを押してそのセクションを開く。
GIF検索セクションにはRiffsyの協力で数多くのカテゴリーが設けられており、 high five〔ハイタッチ〕、 thumbs up〔親指を立てる〕、hair flip〔髪を揺らす〕、mic drop〔わざとマイクを落とす〕、 shrug〔肩をすくめる〕等々が検索できる。GIFはカテゴリーだけでなくキーワードでも検索できる。
気に入った検索結果を見つけたらタップするだけで内容が必要が場所にペーストされる。
絵文字の使用でもGoogleは新しい試みをしている。数多くの絵文字を延々とスクロールしていくのではなく、「ダンス」とか「ワイン」というようなキーワードで検索すると、即座にその絵文字が表示される。
新しいキーボードでは通常のタッチ入力もできるし、慣れれば高速なスワイプ入力もサポートされている。スワイプ入力では必要なキーの上に指を離さず滑らせる。単語の区切りでいちいちスペースバーを押す必要はない。
スワイプ方式は特に片手での入力に適しており、MicrosoftもiOS向けキーボードのWord Flowでこのメリットを強調している。
iOSの標準キーボードの代わりにGboardを使う際の最大の欠点はマイクが内蔵されていないことだ。 実はAppleはサードパーティーがキーボードにマイク機能を組み込むことを禁止している。このためGboard内からOK Googleと呼びかけることや、Siriに質問することができない。
一般ユーザーの大半がモバイル・アプリ経由でデジタル情報に接しているようになったことを考えるとGboardのローンチは非常に重要だ。eMarketerによれば、平均的ユーザーは一日あたり、 3時間15分アプリを利用するのに対して、ブラウザを使うのは 51分に過ぎないという。
もちろんキーボードがGoogleサービスと深く結びつくようになることはデータの所有権やプライバシーについての懸念を生じさせる。このアプリの場合、ユーザーは検索履歴やユーザー辞書をクリアすることができる。【略】
Gboardはすでに公開済みで iTunes App Storeから無料でダウンロードできる。当面は英語版のみだが、将来は他の言語もサポートされると Googleは述べている。
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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+)