Mozillaが無料の暗号化ファイル共有サービス「Firefox Send」を開始

Mozillaの無料の暗号化ファイル転送サービスの「Firefox Send」が、2017年8月のテストパイロットを経て、米国時間3月12日に正式に公開された。Webのユーザーが最大2.5GBのファイルをブラウザで共有できるサービスで、ファイルはエンドツーエンド暗号化と、非公開でファイルを共有し自動で期限切れとなるリンクによって保護される。

Mozillaが最初にWebベースのFirefox Sendのテストを始めたときは、ファイルの容量は1GBに制限されていた。現在も、Firefoxのアカウント(無料)にサインアップしていないユーザーの制限は1GBのままだ。サインアップすることで最大2.5GBのファイルを共有できるようになる。

メールに容量の大きいファイルを添付すると問題が起きやすい。1つのファイルを1回共有したいだけであって、ファイルを保管したり編集したりするわけではなく、ほかの人と共同作業をしたいわけでもないのに、無駄に時間がかかってしまう。Firefox SendはGoogleドライブやDropboxといったクラウドストレージサイトと同様に、メール添付で送る方法の代替となる。

このサービスを利用するには、送信側はFirefox SendのWebサイトにアクセスし、ファイルをアップロードして期限を設定する。サイトの設計は、限られた時間だけ共有できるSnapchatにヒントを得たようだ。アップロードする前にファイルをパスワードで保護することもできる。

アップロードするとFirefox Sendがリンクを生成する。それを受信側に伝えると、受信側はリンクをクリックするだけでダウンロードが開始される。Mozillaによれば、Firefoxのアカウントがなくてもファイルにアクセスできる。

財務情報といったWebで共有するには懸念があったファイルを転送できるツールになり得ると、Mozillaは示唆している。

ただしセキュリティの専門家は、機密性の高いファイルをオンラインサービスで共有する際には、どんなツールであっても注意を払う必要があると警告している。権限のないアクセスによって何かしらのトラブルが起きる危険性は常にある。

とはいえ、Mozillaはこうしたことに関しては信頼性の高い組織のひとつだ。Firefox Sendは「Private By Design」ですべてのファイルを保護するといえる。Mozillaはたとえば、パスフレーズがFirefoxにまったく送信されないようにFirefoxアカウントを設計した。またMozillaは今回の発表の中で「ユーザーのデータを個人のものとして、かつ安全に扱う」ことが使命であるとも述べている。これが組織の理念であり、さらにプライバシーは基本的権利であるとMozillaが考えているということだ。

こうした背景があるにせよ、Firefox Sendの信頼性を承認するにはセキュリティの専門家が直接システムをテストする必要がある。このサービスは正式に公開されたばかりで、まだテストが繰り返し実施されたわけではない。

Firefox Sendは、FirefoxのWebツールやサービスに新しいユーザーを引きつける手がかりとなるかもしれない。Firefoxは、かつては誰もが知っている人気ブラウザだったが、シェアは年々減少していた。IE、Safari、ChromeなどがIT大手の組み込みオプションになっているためだ。しかしIT大手に対する人々の疑念は増し、データの侵害はあまりにも頻繁に起き、オンラインのプライバシーは全般に低下している。Firefoxが返り咲きを図るには絶好のタイミングだ。実現できるかどうかはまた別の問題だが。

Firefox Sendはsend.firefox.comですでに利用できる。今週後半にはAndroidアプリのベータ版がリリースされる予定だ。

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(翻訳:Kaori Koyama)

Ubisoft、AIバグ発見ツール、Clever-Commitの開発でMozillaと提携

今日(米国時間2/12)、カナダの有力ゲーム・デベロッパー、UbisoftはClever-Commitの開発に関してMozillaと提携したことを発表した。

このツールはAIを利用したスマート・アシスタントで、ユーザーが新しいコードをコミットする際に過去のバグやリグレッションテストのデータからバグの可能性がある部分を発見して警告する。Ubisoftはこのツールをすでに社内で利用している。MozillaはFirefoxをアップデートする際にClever-Commitをバグの発見に役立てるとしている。

Mozillaといえばオープンソースと考える読者も多いだろうが、Clever-Commitはオープンソースではない。Ubisoftの広報担当者は私の取材に対して、「その点が検討されたのは事実だが、今のところClever-Commitがオープンソース化される予定はない」と答えた。 なるほどMozillaは各種の有料ツールを使ってオープンソースソフトウェアを開発している。しかしオープンソースではないツールを開発するのをMozillaが助けるというやや奇異に感じられる(ともあれClever-Commitはまだベータ段階で一般公開はされていない)。

去年、UbisoftはこのツールをCommit-Assistantという名前でデモした。Mozillaは「Ubisoftと協力し、われわれはRust、C++、JavaScriptによるプログラミング、 C++コードの解析、バグ・トラッキングに関するノウハウを提供していく」と述べた。 Mozillaはこのツールをまずコード・レビューの段階で利用し、有効性が確認できれば他の段階にも利用を広げていくといいう。Mozillaではアップデートの配信の前にClever-Commitを利用することで5つのバグのうち3ないし4を発見できるものと期待している。

今日、MozillaにおけるFirefoxのリリース担当マネージャー、Sylvestre Ledruは、 「われわれは6週間から8週間ごとにFirefoxのコードのアップデートを行っている。良好なユーザー体験を確保するためにFirefoxの開発チームはコードを書きテストを行う際にClever-Commitを利用することで公開に先立ってバグのないクリーンな状態を確保することができると期待している。当面まず完成したコードのレビューのプロセスで利用を始めるが、有用であればさらに他のプロセスの自動化にも利用していく」と述べている。

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滑川海彦@Facebook Google+

Firefoxも自動再生ビデオをデフォルトで無音化

Webのビデオやオーディオの自動再生よりもひどいものは、世の中にたくさんある。なんといっても、世界はひどい場所だ。でも、Webを閲覧してると突然大音量でビデオの再生が始まるのはまったく興ざめだ。GoogleのChromeブラウザーとMicrosoft Edgeには、この迷惑行為を無効にするツールがあるが、MozillaのFirefoxブラウザーも、3月ニューバージョンでそれが提供される。

たとえば、新しいサイトを訪ねても、デフォルトでは、“play”ボタンをクリックしなければオーディオやビデオの(オーディオの)再生は始まらない。無音のビデオは再生されるが、これも迷惑だし帯域を食う。でも音がなければ、仕事の邪魔にはならないだろう。

Mozillaの技術者Chris Pearceによると、この新しい機能はFirefox 66から搭載される。ただし、サイトによっては、“自動再生有効”をユーザーが指定できる。自動再生のビデオやオーディオをブロックしたときには、FirefoxのURLバーに下図のようなアイコンがポップアップするから、それをクリックすれば“自動再生on”にできる。

ただし、ユーザーがカメラやマイクロフォンへのアクセスを許しているサイトでは、自動再生が行われる。それはビデオ会議のサイトだったりすることが多いから、ビデオ再生onの方が合理的だ。

これは確かに、Firefoxのユーザーにとっては朗報だ。でもビデオの自動再生をやってるサイトを作ったデベロッパーは、悔い改めてやり方を変えた方が良いね。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Firefoxのための実験工房Test PilotをMozillaが閉鎖へ、今後はMoz本体として新機能の実験を増やす

Mozillaが今日(米国時間1/15)、Firefox Test Pilot事業の閉鎖を発表した。これまでの3年間、Test PilotはMozilla Firefoxの実験的な機能を、志願したユーザーグループと共に試用する場だった。たとえばユーザーをユーザー追跡から護る繭のようなContainers機能は、のちにFirefox Facebook Containerエクステンションとして実現した。そのほか、スクリーンショットを撮るPage Shotや、最初のFirefoxとは無関係のテストとなったiOS用Lockboxアプリなどが、その例だ。

Test Pilotは消えゆくが、実験的機能のテストは今後も続ける、とMozillaは約束している。同団体の説明によると: “Firefox Monitorのようなプロダクトに導いたイノベーションは今後はひとにぎりの個人たちの担当とはせず、全組織の課題とする。Firefoxが築いてきた実験的精神は、誰もが担わなければならない。そういうテクニックやツールはわれわれのDNAでありアイデンティティだ。だから今度の、全組織浸透化はめでたいことである”。

Mozillaのもうひとつの約束は、Test Pilotという事業がなくなっても、これまでの参加ユーザーが使っているものを無効にはしないこと。その多くはmozilla.orgにおける正規のアドオンになるようだ。また、Mozilla Labsは継続して、Firefox for VRなどのプロジェクトを進めてゆく。

それでもなお、Test Pilotがなくなることは残念だ。それは小さなグループが、新しい便利な機能を低いリスクで試せる場所だった。サイドバー上のタブという、マイナーな機能も、そうやって実験された。今後実験はむしろ増える、とMozillaは言っているが、Test Pilot亡きあと、果たしてどうだろうか。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

MozillaがメールクライアントThunderbirdの高速化、美観アップ、そしてGmailのサポートを約束

Mozillaのデスクトップ向けeメールクライアントThunderbirdは、同団体のFirefoxブラウザーほどの人気はないが、それでも、Web上のメールサービス全盛の今なお、そのユーザーコミュニティはかなり大きい。そしてそれらのユーザーたちは2009年に、もっと速くて美しいアプリケーションを手にすることになる、とThunderbirdのコミュニティマネージャーRyan Sipesが今日(米国時間1/2)発表した

ほんの数年前までは、MozillaとThunderbirdの関係はぎくしゃくしていた。2015年にMozillaは、Thunderbirdの技術的インフラストラクチャをFirebirdのそれと切り離して、Thunderbirdの移籍先を探した。しかし結局MozillaはThunderbirdを抱え続けることになり、他社に手渡すことをやめて、サポートを続けることにした。これによりThunderbirdには、待ちに待たれた安定性が与えられることになり、Sipesの今日の発表にもあるように、今では8名の正規スタッフがこのプロジェクトを担当している。近く6名増員する計画もある。

2019年には、このアプリケーションをより高速化し、パフォーマンスの問題を解決する、とその専任チームが約束している。とくに、クライアントのコードの一部をマルチプロセス方式に書き換えて、現代的なプロセッサーを有効利用できるようにする。実はFirefoxも近年、同じ改良を行った。

さらにThunderbirdは、ユーザーインタフェイスの相当部分をアップデートし、通知機能を改良、そして、もっと重要なこととしてGmailのサポートをより充実する。今でもThunderbirdからGmailをセットアップするのは比較的簡単だが、でもThunderbirdの中では自分のGmailアカウントからGmail独自の機能にアクセスできない。これを解決するためにThunderbirdのチームは、近くラベルのサポートの改良などを提供する予定だ。

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Firefox Focusがトラッキングに対する保護を強化、GoogleのSafe Browsingサービスを導入

AndroidiOSのFirefox Focusは、Mozillaのプライバシーを重視するブラウザーだ。今日Mozillaはこれらに、新しいプライバシー機能と、そのほかのいくつかのツールを加えて、ユーザーデータの保護を一層強化した。

まず、新しい機能としてEnhanced Tracking Protection(強化版追跡保護)が加わった。最初デスクトップ用のFirefoxに導入されたこの機能は、前よりも細かい粒度でクッキーやトラッカーをブロックできる。これまでFocusはデフォルトではすべてのクッキーをブロックしていたが、これからは三段階でクッキーのブロックを指定できる(全ブロック、サードパーティのクッキーのみブロック、サードパーティのトラッカークッキー〔ユーザーを追跡するために使われるクッキー〕のみブロック)。Mozillaはこの機能のためにDisconnectのTracking Protectionリスト(トラッキング保護リスト)を使っている。

Mozillaはこう説明している: “これによりユーザーは、ユーザーのWebサイト体験に貢献するクッキーを許可し、複数のサイトにわたってユーザーを追跡するトラッカーは撃退できる。ユーザーのオンライン行動を記録して、同じ広告を何度も見せるような行為を防止できる”。

またMozillaの今日の発表によると、Firefox Focusはこれからは、すべてのURLをGoogleのSafe Browsingサービスでチェックし、ユーザーがフィッシングサイトをクリックしたり、そのほかの詐欺的なサイトを開かないようにする。Firefoxが強敵Chromeを抱えるGoogleのサービスを使うのは、ちょっと引っかかるが、でも今ではほとんどすべてのブラウザーがSafe Browsingを利用している。またMozillaには、Googleをデフォルトの検索エンジンにしていることへの、Googleからのプロモーション収入もある。

さらにiOSでFirefox Focusを使ってるユーザーには、Androidと同じく、検索のサジェッションが提供される。しかしGoogle等がサジェッションをするためには、ユーザーがタイプする内容を彼らに送る必要があるので、プライバシー上の問題はある。このプライバシー重視のブラウザーでは、したがってこの機能はデフォルトではoffである。

画像クレジット: Mozilla

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

MozillaとQualcommが協力してARM上のWindows 10用ネイティブバージョンFirefoxを開発中

MicrosoftはGoogleと協働して、ARM上のWindows 10にChromeブラウザーのARM64ネイティブバージョンを導入しようとしている。そしてMozillaの今日(米国時間12/6)の発表によると、彼らもまた、FirefoxのネイティブバージョンをARM上のWindows 10に持ち込もうとしている。同団体はその作業を、Qualcommと協力して行っている。

ふつうMicrosoftがARMベースのマシンで動くWindows 10アプリケーションを作ろうとするときには、さまざまなエミュレーションテクニックを使っていた。それらは、動作は良好だが電力消費とパフォーマンスの両面で問題があった。ネイティブアプリケーションなら言うまでもなくエミュレーションは要らないので、もっと速く効率的に動く。ブラウザーはいちばん多く使われるアプリケーションのひとつだから、メジャーなブラウザーのベンダーたちがこぞってこのプラットホームをサポートしようとするのも不思議ではない。ただし少なくとも当面は、ARMは小さなニッチと言わざるをえないが。

ARM上のWindows 10用のFirefoxは、いつリリースされるのか? Mozillaに問い合わせたが答はない。情報が得られ次第、この記事をアップデートしよう。

Qualcommも今日、PC向けの高級機8cxを発表した。それは同社が、将来のPC市場を諦めていないことの証だ。それもまたARM互換機だから、Mozillaが今日を発表の日に選んだのもたぶん偶然ではない。しかし、なおまた、Microsoftも今日、同社のEdgeブラウザーがChromiumエンジンを採用する、と発表した。これにより、大きなマーケットシェアを争うメジャーなブラウザーを駆動するエンジンは、ChromiumおよびFirefoxのGeckoと、AppleのSafariが使っているWebKitの計3つに絞られてきた。

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Mozillaがギフト用のスマート製品のプライバシーとセキュリティを評価して格付け

そろそろ今年のホリデーシーズン、家族その他愛する人にクールなスマートデバイスの新製品をプレゼントしたいと思ってる人なら、新製品だからなおさら、その品物の良し悪しが気になるだろう。カメラや歩行計の性能ばかりでなく、製品が生成する顧客データを集めているであろう物については、セキュリティとプライバシーも気になる。そこで、Firefoxブラウザーを作っているMozillaが、70種の最新製品のランキングを発表した。そこには、Amazon Echoもあればお利口なテディベアもある。

それらの玩具やデバイスのランキングに使われた測度や基準は、1)何のデータを集めるか、2)データは送信時に暗号化されるか、3)データは誰と共有されるか、4)デフォルトパスワード*を変えることを要求されるか、5)エラーなどで起こりうる最悪のシナリオは何か。〔*: デフォルトパスワードは製品が最初から持っている簡単なパスワード、セキュリティのためにはユーザーがパスワードを変えるべきである。〕

一部のセキュリティリスクは製品が本質的に持っている。たとえばセキュリティカメラは、ユーザー以外の誰かが見るかもしれない。企業の見過ごしによるリスクもある。たとえば、アカウントの削除ができなかったり、データを第三者と共有したりしている企業もある。

リストのトップにあるのは、多くのことを正しくやっているMycroftのスマートスピーカーだ。オープンソースのソフトウェアを使っているし、メーカー企業はいろんなことを正しく選んでいる。読みやすいプライバシーポリシーなんて、ありそうでなかなかない!。ガジェットの多くが、とくに問題ないようだが、このリストは良い製品も積極的に取り上げている。

しかしDobbyのドローンのような製品もある。これには、プライバシーポリシーすらないようだ。アプリをインストールすると、ユーザーの位置やHDの長さまで記録するのは最悪! またこの、Frediの赤ちゃんモニターには、ユーザーが変えなくてもそのまま使われるパスワード〔デフォルトパスワード〕がある。セキュリティの自動アップデートもない。おいおい、人をバカにしとんのか? 近づかないようにしよう。

約半分の33の製品が、Mozillaが最近提案した、スマートデバイスの“セキュリティの最小基準”に合格している(すてきなバッジをもらってる)。不合格は7つで、あとはどっちつかずだ。これらMozillaによる公式の評価のほかに、まじめに使ってほしいクラウドソーシングな“creep-o-meter”(製品のcreepy度…気持ち悪さ…の評価)がある。でも、BB-8が気持ち悪いなんて、おかしいと思うけどな。

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Firefoxの実験部門Test Pilotから価格追跡とリンクをメールでさっと送れる実験プロジェクトがローンチ

Firefoxのさまざまな新しいアイデアを実験しR&Dしている部門Test Pilotが今日(米国時間11/12)、二つの新しいプロジェクトを発表した。それらは、オンラインストアのアイテムの価格を追跡するPrice Wiseと、友だちなどにリンクを簡単にメールで送れるEmail Tabsだ。

Price Wiseはその名のとおりのサービスで、Best BuyやeBay, Amazon, Walmart, Home Depotなどにおける価格の変化をFirefoxを使いながら調べられる。そういうエクステンションは前からいろいろあるが、今回のはひもつきでないことが、すばらしい。Mozillaによると、すべての処理がどっかのサーバーではなくユーザーのマシン上で行われ、サードパーティのツールは使わない。またアフィリエイトなどを通じてMozillaが収益を得ることもない。

ちょっとおもしろそうなのは、Price Wiseが機械学習を使っていることだ。Mozillaのスポークスパーソンは曰く、“機械学習は個々のエクステンションの中にあるのではなく、今後いろんな仕事をプライバシーを犠牲にせずにやらせるために、汎用ツールのような形でエクステンションの外にある”。

一方Email TabsはPrice Wiseと違って新しいコンセプトだ。家族や友だちなどとリンクの共有をメールでやってる人は今でも多いが、そのためのコピペという作業はあまりエレガントではない。そこでEmail Tabsのボタンを押すと、共有したいタブと、そのリンクと一緒に送りたいわずかなコンテンツを指定して送信できる。つまり、リンクだけでも送れるし、ページのスクリーンショットやテキストの全文コピーなども送れる。

そのために使うメールアプリケーションは目下Gmailだけだが、すべての情報をクリップボードへコピーしてどこかへペーストしてもよい。

これら二つの実験的プロジェクトは、Test Pilotにサインアップして誰でも利用できる。

Firefox Email Tabs

Mozillaはさらに今日、実験から本番に昇格した三つのプロジェクトを発表した。まず、最大1GBまでのファイルを暗号化してシェアできるSendは、年内にアップデートして再ローンチする。そしてFirefoxのルックスをカスタマイズできるColorは、エクステンションとして独立する。そしてさらに、二つのブラウザーウィンドウを一つのFirefoxウィンドウの中に横並びにできるSide Viewも、独立のエクステンションになる。

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MozillaのFirefox Monitorが今後のアカウントハックのアラートサービスを開始

今年の早い時期にMozillaは、ユーザーのオンラインアカウントが最近のデータ漏洩事件でハックされたことを検出するサービスFirefox Monitorを発表した。それは、ユーザーのメールアドレスを入力するとHave I Been Pwnedのデータベースを調べて、どのサイトでいつ、何が漏洩したか〔例: パスワード〕を教えてくれる。そして今日(米国時間9/25)Mozillaはさらに一歩進んで、ユーザーがMonitorの登録ユーザーになっておくと将来の漏洩をアラートしてくれることになった。

Firefox Monitorは最初、実験的サービスとみなされていたが、今では正式のサービスになっている。

どこのサイトのアカウントもハックされていなければ、それはとてもラッキーだが、それでもFirefox Monitorのアラートサービスに登録しておいて損はない。そのうち、あなたのメールアドレスの流出が報告されるかもしれない。そもそも最初にMozillaが、人びとに要望する機能について尋ねたとき、いちばん多かったのが、今後のデータ流出の通知だった。

Mozillaによると、Firefox Monitorは、今後数か月の同団体のロードマップに載っているいろんなプライバシー/データセキュリティ機能のひとつにすぎない。Mozillaは自分を中立的な機関と位置づけているから、立場としては良い。たとえばChromeは、Googleが大量のユーザーデータを集めていることが最近ますますユーザーにとって、プライバシーをめぐる懸念になり、批判にさらされているのだから。

〔訳注: Firefox Monitorの利用は、過去のハッキングスキャンも今後のアラートも無料。リリースノート(英文)。〕

[Firefoxが近くデフォルトでトラッカー(ユーザー情報の収集)をすべてブロックする]

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

MozillaのVR用ブラウザーFirefox Realityが完成、VRがWebのふつうのコンテンツになる日も近い?

Mozillaが構想したVRファーストのWebブラウザーがついに完成し、一般消費者のダウンロードと判定を待っている。

そのFirefox Realityは、完全に仮想現実のために作られたブラウザーだ。デスクトップのFirefoxやChromeにWebVRのサポートを加える、という話は読んだことがあると思うが、Firefox RealityはVRヘッドセットの中だけで使うブラウザーだ。いろんなURLを訪ねたり、何かを検索したり、そのほか2Dや3Dのインターネットをこの新しいブラウザーの中で、マウスを使わずに閲覧できる。VRの手動コントローラーを使うだけだ。

関連記事: MozillaがFirefoxのVR/AR専用バージョンのデモを公開、Web上にまったく新しいメディアが出現か?

Firefox Realityが使えるのはOculus, Viveport, そしてDaydreamのプラットホームで、最新の単品のモバイルヘッドセットOculus GoやLenovo Mirage Soloに向けて最適化されている。

これはバージョン1.0で、まだこれから使い方をめぐる質問や問題をかき分けかき分け、前へ進まなくてはならない。なにしろVRだから、完成度が高いことが、当然追求すべきスタンダードだ。実験作ならUXの不安定も許されるかもしれないが、ユーザーにかなり奇妙なものを与えてもよい、ということにもなる。

このブラウザーの第一作は、ユーザーがコントローラー上でテキストをタイプしなくてもすむための音声検索など、クールな機能がいくつかある。

MozillaはWebVRのスタンダードに心血を注ぎ、おかげでかなりの数のVRデベロッパーたちが、このスタンダードを良く知るようになった。

VRはWebに似合うコンテンツだが、残念なことにこれまでは、仮想現実のコンテンツの多くが各プラットホームに限定されていて、それらの各サイトにユーザー登録したり、ダウンロードしたり、それをWebからでなく自機ローカルから立ち上げる、という面倒がつきまとっていた。このプラットホーム限定主義は、利益を追う企業やコンテンツを開発するデベロッパーには都合が良いかもしれないが、ユーザーにとっては、WebVR用のヘッドセットだけで、もっとシンプルなコンテンツを楽に見たいだろう。

そういう、VRの中のWebが実現するためには、多くのことを再検討しなければならない。今は当然のように、2DのWebコンテンツが圧倒的に多いけど、MozillaやGoogle、Appleなどのブラウザー提供者がもっとAR/VRに力を入れるようになり、多くの3Dモデルやライブのレンダリングが日常的に見られるようになれば、ずっとおもしろいだろう。

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Firefoxが近くデフォルトでトラッカー(ユーザー情報の収集)をすべてブロックする

Mozillaが今日(米国時間8/30)、そのFirefoxブラウザーがデフォルトでは自動的にすべてのクロスサイトトラッキングをブロックする、と発表した

この戦略には、3つの部分がある。まず、今ナイトリーリリースでテストしているバージョン63では、Firefoxはすべての遅いロードのトラッカー(広告に多い)をブロックする。遅いとは、ロードに5秒以上かかる、という意味だ。次にFirefox 65では、サードパーティのトラッカーからのすべてのクッキーとすべてのストレージアクセスを取り去る。そしてさらに今後は、暗号通貨の採掘をするスクリプトと、ユーザーの個人識別情報を取るトラッカーをブロックする。ただしこれらはいずれも、最初のテストの結果次第で提供が遅れることもある。

MozillaのNick Nguyenが、こう書いている: “物理的な世界では、いろんな店の何百人もの店員が店から店へとユーザーをつけ回して、見た物や買った物をスパイしたりしないだろう。でもWebでは、ユーザーがそんなことを予想しなくても、どこへ行ってもつけ回されている。それに対して、ユーザーがプライバシーのレベルを設定できるブラウザーは、まだ多くない”。

これらの新しい機能を今すぐ試したい人は、安定に達していないFirefox Nightlyリリースをインストールすればよい。それのプライバシー設定には、トラッカーをブロックする“Content Blocking”という項目がある。それを有効にすると、説明のメッセージと、‘厳しい設定にすると閲覧できなくなるサイトもある’、という警告が出る。

なお、この、トラッキングを防ぐプライバシー設定は、Firefox for iOSにはすでにある。

というか、AppleのSafariブラウザーには、すでに昨年からこのようなプライバシー機能がある。ただし、Appleが機械学習を使っているのに対してFirefoxは、従来的なブロックリストを使っている。もちろん、ねらいは同じだが。

このブロック機能は、ユーザーの選択権を奪わない。サイトが事前にユーザーに、データ収集の可否を尋ねて、ユーザーがOKしたら、そのサイトのトラッカーはブロックされない。Nguyenは書いている: “2004年にFirefoxがポップアップ広告をブロックしたときも、広告主にはユーザーに尋ねるオプションを与えた。2018年には、それと同じ考え方でユーザーに可否決定の権利を与えたい”。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

MozillaがFirefoxのユーザーデータを公表…ユーザー数は減少傾向が続く

組織としてのMozillaは、つねに透明性を擁護してきた。そして今日、同団体はそれをさらに一歩進めて、Firefoxを何人の人が定常的に使っているか、そのブラウザーをどのように使っているか、などの内部データの公開に踏み切った。

そのレポートFirefox Public Data Reportには、1年および1か月のアクティブユーザー数、一日の中でFirefoxを使用する時間、最新バージョンにアップグレードするまでの時間(日数)、アドオンをインストールしているユーザー数、人気のあるアドオン、などなどのデータがある。データは、Firefoxのユーザー数がもっとも多い10か国については国別に分類されている。

今日そのレポートに載っているデータは、1年前のものであり、今後は少なくとも週に1度はアップデートする予定だ。データを得るにあたってリアルタイムのモニタリングシステムのようなものは使っていない、とMozillaは強調するが、全数データでありながら実際には、一部のユーザー集合のデータから敷衍したものだ。あなたがFirefoxのユーザーなら、about:telemetryへ行けばMozillaに送られているデータの種類が分かる。

このデータによると、Firefoxの月間アクティブユーザー数は減少傾向で、しかもそれは意外ではない。全ユーザー数は昨年4月には3億、しかし今や約2億5000万だ、

今回Mozillaが公表したデータの種類のその一部を、下のスライドでご覧いただこう。

  1. MAU

  2. DAU

  3. Top_AddOns

  4. Seaonality


今回のレポートは、デスクトップユーザーのみだ。Mozillaによると、モバイルのユーザーからのデータ取得はやや難しいが、次のバージョンからは含めたい、という。しかしハードウェアに関するレポート(後述)は5月以降アップデートされていない。

今回のレポートの前身となるFirefoxのデータプロジェクトが、2年前のFirefox Hardware Reportで、それを見ると例えば、ユーザー機が使っているプロセッサーやグラフィクスカードなどが分かる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

FirefoxがユーザーのWeb世界を拡張する提案機能‘Advance’エクステンションをテスト中

MozillaのFirefox Webブラウザーが今日(米国時間8/7)、Advanceと呼ばれる実験的なエクステンションを発表した。それは機械学習を利用して、ユーザーがもっと文脈的かつ直感的な広がりのあるWebサーフィンをできるようにする。このエクステンションは、Firefoxが今行っているTest Pilotプログラムの一環で(ユーザーはこれにいつでも オプトインできる)、Laserlikeの機械学習バックボーンを利用して、ユーザーのWeb閲覧習慣を理解しようとする。

その仕組みはこうだ: Test PilotでAdvanceを有効にすると、Webの閲覧はふつうにできるが、Advanceはユーザーが閲覧するサイトの種類について記録と学習を開始する。そしてその学習に基づいて、その人のWeb閲覧を補完するようなページや、その人が好きになりそうなページをサイドバーで推奨する。そしてユーザーは、Advanceが正しくないと感じたら、推奨されたページに「退屈」「的外れ」「スパム」などのフラグをつけて、エクステンションの推奨能力を鍛えていく。

この機能は同社のContext Graphイニシアチブの一部で、それは“インターネット上の次世代のWeb発見”を探求し、ユーザーのWeb世界をこれまでの日常よりも広くしようとする。そしてもちろん、Firefoxブラウザーの上で彼/彼女が過ごす時間を長くしたい。このイニシアチブの最初の機能Activity Streamは、ユーザーの閲覧履歴やブックマークの情報をより有効利用する試みで、今ではTest Pilotを卒業してFirefoxブラウザー本体に装備されている。

Advanceの導入は、最近閉鎖したStumbleUponが遺したギャップを填める試みでもある。インターネットという広大な大陸の上で途方に暮れているユーザーに16年間も、珍しいサイトやおもしろいページを紹介し続けてきたStumbleUponの仕事を、Advanceが引き継ごうというのだ。“偶然の出会い”という要素が大きかったStumbleUponと違って、Advanceにはユーザー履歴の学習に基づくお利口なオプションもあるが、インターネット上をさまようユーザーのための案内役、という点では共通している。

しかし、人生を楽にすると称する機械学習の技術が、インターネット上のWeb閲覧を助けられるためには、Advanceも、そしてバックボーンのLaserlikeも、ユーザーの閲覧履歴を大量に知る必要がある。AIが学習するためには大量のデータが必要だが、Mozillaも認めるように、個人情報の悪用や誤用への懸念も、最近のFacebookEquifaxの事故を契機として高まっている。

この不安に応えるためにAdvanceには、閲覧履歴の収集をさせないオプションや、見たら消すことをLaserlikeに求めるオプションがある。

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Firefoxが新しいロゴを制作中…ロゴというより“ロゴセット”だ

“Firefox”という言葉からは、たぶんこんなものが思い浮かぶだろう:

あるいは、これかもしれない:

小さな変化はあったけど、Firefoxのロゴは2002年のローンチ以来ずっと同じだ(上の下の図が初期のころ、参考ページ)。そろそろ変わるべきだ、とMozillaは言っている。

“evolving the Firefox brand”と題するブログ記事で、MozillaのクリエイティブディレクターTim Murrayが、同社の考え方を述べている: Firefoxは今や、一つのブラウザーではない。Firefox Rocket(低帯域用)やFirefox Reality(仮想現実用)のようなサイドプロジェクトもある現状では、デザインもその多様性を反映すべきだ。

そこで同社は、目下検討中のロゴデザインをいくつか公開したが、最終決定はまだだ。これらの原案も今後変わるだろうし、また外部からのフィードバックも期待している。あるいは、これらを捨てて白紙に戻すことも、ありえる。

というわけで、現状はまだ何も決まっていないようだが、わざと今の段階で公開したようだ。まだきわめて初期の段階だが、でも最後には、Firefoxの新しいロゴが決まるし、しかもそれは単数形(logo)ではなくて、複数形(logos)になるらしい。

候補作は二つの“システム”に分かれていて、そのそれぞれに、一つ“マスターブランド”と11のの補助的ロゴがある。マスターブランドはメインのロゴで、ブランド全体を表す。その下の補助的ロゴは、個々のプロダクトを表す。

アイコンは二つの“システム”へと編成される:

二つのシステムからどっちかを選ぶのなら、ぼくならSystem 2だね。Firefoxの今のロゴが好きだし、それが残っているので完全な置換ではなくてアップデートのようだ。System 1はFox(狐)を強調しているが、System 2はずっとFirefoxだ。

Firefoxによると、新しいロゴが決まるのは“数か月後”だ。元のロゴが好きな人も、あとしばらくは一緒にいられる。

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Mozllaがモバイル上のFirefoxをより便利に使うためのアプリLockboxとNotesをTest Pilotでローンチ

MozillaのFirefoxブラウザーのためのテストプログラムTest Pilot for Firefoxは長年、ブラウザーの新しい機能の実験的なアイデアを試行する方法だった。今回、そのテストプログラムがモバイルアプリにも拡張され、それによりiOS用のパスワードマネージャーFirefox Lockboxと、Android用のノート取りアプリNotes by Firefoxがローンチされた。

どちらのアプリもFirefoxの名前が付いているけど、でもそれらはFirefoxブラウザーのエクステンションではなく、Firefoxユーザーの利便性を向上するための単独のアプリだ。データのシンク(同期化)等は、デスクトップやモバイル上のFirefoxのデータに対して行われる。

LockboxはFirefoxにセーブしたパスワードにアクセスでき、それらに対応するアプリ(Twitter、Instagram、等々)を使えるようになる。このアプリをアンロックするには、Face IDやユーザーの指紋を使う。

Firefoxのユーザーでない人にはLockboxの利用価値はないかもしれないが、ユーザーにとってはFirefoxのネイティブのパスワードマネージャーとなり、サードパーティのマネージャーアプリを使わずにすむ。iOS上ではブラウザーの大きなマーケットシェアのないMozillaだが、それでもiOSのユーザーをできるだけ、自分のエコシステムに取り込んでおきたいからね。

Notes by Firefoxは、その名のとおりの仕事をする。それはAndroid用のノート取りアプリであり、ノートは暗号化されて保存され、自分のスマートフォンやブラウザーとシンクする。実はブラウザープラグインとしてのNotesが2017年にTest Pilotの実験でローンチしている。それはHTMLのマークダウンなども書ける本格的なノートだったが、今回のNotes by Firefoxはベーシックな機能のみだ。MicrosoftのOnenoteのようなものを、期待してはいけない。

・関連記事: Firefoxの実験プロジェクトに二つのタブを横並びに表示できる機能が登場、テーマエディターも

画像クレジット: Firefox

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Firefoxの実験プロジェクトに二つのタブを横並びに表示できる機能が登場、テーマエディターも

最近のアップデートで性能をアップしたMozillaのFirefoxは、GoogleのChromeなどと並んでブラウザーのシェア競争の最前線に復帰した。そのFirefoxの最大の特長がたぶん、つねに何かの実験に挑戦していることだ。近年、Mozillaはそれらの実験の多くをそのTest Pilotプログラムで取り上げ、そして今日は、そのプロジェクトから二つの新しい機能をローンチした。それらは、Firefox ColorとSide Viewだ。

Firefox Colorはその名のとおりの機能で、基本的にはテーマエディターだ。ユーザーがブラウザーの色を指定したり、背景のテクスチャを選んだりできる。

とくにすごい機能でもないが、Firefoxは前からカスタマイズには熱心で、これもユーザーによるブラウザーのカスタマイズ能力をさらに充実させる。ぼくの場合は、Firefoxのテーマにいろいろ凝った挙句に結局デフォルトに戻る、というパターンだったが、そうでない人はFirefox Colorを十分楽しめるだろう。

でも、もうひとつの実験Side Viewは、なかなかすごいし、役に立つ。最近の、画面が横長のモニタを使ってる人ならとくに便利だろうと思うが、二つのタブの画面をブラウザーをもうひとつ開かずに、一つのブラウザー画面に横並びに表示できるのだ。新しくできた[Side View]ボタンをクリックして、オープンしたい第二のタブを選ぶ、それだけだ。最初に開いていたタブをもっと自由にドラッグできるとさらに便利だが、今後の進化に期待しよう。

Test Pilotで試した実験のすべてが今後のFirefoxに実装されるわけではないけど、最近ではブラウザーのスクリーンショットコンテナアクティビティストリームなどがFirefoxに本番実装された。今回の二つのうち、Side Viewはぜひ採用してほしいね。

二つの実験はここで試せる。

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Web上にロボットたちのソーシャルなVRを作るMozillaのHubsはWebVRの実験作

Web上のソーシャルなネットワークは厳しくて怖いものでもあるけど、フレンドリーなロボットとチャットできたら、それがもっと気楽になるかもしれない。

今日(米国時間4/26)、WebブラウザーFirefoxを作っているMozillaが、Hubsというサービスのプレビューを公開した。それは、すごくシンプルでソーシャルなWebVR体験で、ユーザーが二度のクリックでそこに入ると、URLを共有してほかの人たちと出会える。それは、モバイルからでも、デスクトップからでも、あるいはVRの中からでもよい。

それは架空世界Second Lifeではないし、ましてやソーシャルVRのFacebook Spacesでもない。もっとローキーだ。あなたは控えめで慎ましやかなロボットになり、ほかの人たちもロボットになって、互いにお友だちになる。

こういうユーモラスで子どもっぽいVRのソーシャルアプリは、ほかにもある。PS1(プレイステーション1)のようなグラフィクスと、参加型ゲームClub Penguinのような設定が、そんな感じを与える。でも、ここでねらっているのは、高品質で細かいグラフィクスや巧妙なインタフェイスではなく、みんなが一緒にソーシャルな環境に入って互いに結びつく、それだけの単純さだ。

Mozillaがここで取り組んでいる問題はほかの者たちと同じだが、MozillaはHubsをWebVRだけで作ることによって、最初から、クロスプラットホームな互換性という重いアプローチで行こうとしている。MozillaによるとHubsは、今あるメジャーなVRヘッドセットのすべてをサポートしている。WebをVRサービスのバックボーンにすることは一見安易だが、でも、そのほかのソーシャルVR体験の多くは、アプリストアとかダウンロードというものを必要とする。URLを使ってソーシャルな環境に飛び込むのは、なぜかユニークだ。

VRの実現能力としてはWebVRはまだまだだが、Mozillaは実験を継続してデベロッパーたちを惹きつけようとしている。Hubsもまだ現状はプレビューだが、次は新しいアバターシステムを導入し、その中に独自な空間を作れるためのツールを提供する予定だ。

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へき地のインターネットを手作りで、MozillaとNSFが懸賞で地域の小規模プロジェクトを募る

FCCは今、委員長のPaiが頻繁に言うように、“デジタル格差の解消”に熱心に取り組んでいて、そのためのファンドConnect America Fund IIも役に立つのだろう。でも大企業が設備投資に走る中、インターネットを安定的に利用できない人たちがアメリカの至るところにいる。MozillaとNational Science Foundation(NSF, 米国科学財団)は、まだまともな帯域を利用できない人びとに良質なインターネット接続を提供するためのプロジェクトを、懸賞つきで募集している。

このWireless Innovation for a Networks Society(略称WINS)と呼ばれる懸賞には募集課題が二つある。ひとつは、災害時やそのほかの緊急時に、人びとにワイヤレスでインターネット接続を提供する技術。そしてもうひとつは、既存のワイヤレスインフラストラクチャにコミュニティ*が接続してインターネットを正常に利用できるようにする技術。〔*: コミュニティ, 原住民居住区など、恵まれないコミュニティ〕

優勝賞金は一等が6万ドル、二等が4万ドル、三等が3万ドルだ。これらの最初の賞金は大きなプロジェクトの最初のラウンドで、夏までには設計コンセプトをプロトタイプに実装して、実用デモを行い、最終勝者は秋に決まる。

最初の“オフ・ザ・グリッド”(off-the-grid, 災害時緊急時の自給接続)賞は、一等がLanternだ。このポケットサイズのデバイス(下図)は、一般市販の部品を使って、一種のオフラインWi-Fiを作り、ほかの人たちがそこに接続できる。SDカードにロードする各地域データは、アプリやWebからワイヤレスで入手できる。

アップデートや、インターネット上のほかのユーザーからのメッセージや情報などもダウンロードされ、それらリソースの場所がオフラインのマップに加えられる。

二等と三等は、ポータブルなネットワークインフラストラクチャデバイスで、ベーシックな(携帯の)通話やメッセージングで互いにつながり、可能ならLTEネットワークにもつながる。

第二の賞、コミュニティを既存のネットワークにつなぐ部門の一等賞は、Equitable Internet Initiativeだ。このデトロイト生まれのプロジェクトは、一つの都市内にギガバイトを享受できる地区と、ブロードバンドのブの字もない地区がある、という不満の解消をねらっている。プロジェクトを推進したDetroit Community Technology ProjectのDiana Nuceraはセットアップを2016年に開始し、ワイヤレスのリピーターと、独自のギガビット接続を広げるアクセスポイント、そして必要に応じてイントラネットのリソースをインストールしている。

チームは6万ドルの賞金でネットワークを強化し、電力をソーラーでバックアップしたり、緊急時用や長期的プランも作りたい、としている。

二等賞のNoogaNetは、電柱を利用してメッシュネットワークを作る。同点二等賞のSouthern Connected Communities Networkは、アパラチア地方や南部の不遇の地に、ブロードバンドをワイヤレスで広めようとしている。

さらに12の佳作があり、それぞれ1万ドルをもらった。WINSのWebサイトに入賞者のリストがある。あなたの地域で、お手伝いできることが、あるかもしれない。

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MozillaがIoT技術の標準化を目指してオープンなゲートウェイを発表、AlexaとSiriが仲良しに?

AppleもGoogleもAmazonも、それにSamsungも、みんな、家庭などのインターネットに接続されたデバイス(“コネクテッドデバイス”)をコントロールする独自のスタンダードを作ろうと競っている。そしてMozillaは今日(米国時間2/6)、物のインターネット(internet of things, IoT)をコントロールするためのオープンなゲートウェイを、これからは誰もが作れる、と発表した。同団体はまた、IoTが大きなテクノロジー企業が牛耳るものにならないための、フレームワークとオープンなスタンダードを作成中である、と確認した。

コネクテッドデバイスは、うちのサーモスタットはAmazon Echoの言うことしか聞いてくれない、こっちの電球はSiri、あっちの電球はGoogle Homeでしかコントロールできない、という支離滅裂な状況さえなければ、すばらしいだろう。

いろんなアクセサリのメーカーも、ごく少数の巨大テク企業がIoTの規格を支配している状態を必ずしも歓迎しない。彼ら巨人たちは、いちいち彼らから、高価なライセンス料を取るかもしれない。そしてお客には、どれかひとつを選ばなければならないという面倒が生じる。

Mozillaは、オープンなWebの熱心な支持者だ。このような非営利団体がコネクテッドデバイスの規格を考えるのは、良いことのように思える。同団体が提案するProject Thingsは、複数のプロジェクトをカバーする。ではそれは、どんな規格だろうか。

まずMozillaは、W3Cと共同でWeb of Things(物のWeb)のオープンスタンダードを作りたい、と考えている。それにより、アクセサリのメーカーとサービスのプロバイダーが、同じ標準規格でデバイス同士が対話できるようにする。その規格は、JSONとRESTとWebSockets APIで構成される。それはWeb上のデータとAPIのスタンダードであり、すべてのコネクテッドデバイスがこれを実装することによって、任意の機器やサービス間の対話を可能にする。

次は、同じくMozillaが提案するWeb of Things Gatewayによって、プロプライエタリなAmazon Echo, Philips Hue, Apple TV, Google Homeなどなどがオープンなデバイスに置き換えられる。そのゲートウェイは、Raspberry Pi 3やZigBee、USBドングルZ-Waveなどを使って、今すでに作れる

メーカー企業も、共通の規格に基づいて独自のゲートウェイを作れる。たとえばNetgear社は、今後のルーター製品にWeb of Thingsのゲートウェイを内蔵できるだろう。そしてそのルーターは365日無休で働き、物のインターネットにも奉仕する。また適当なブリッジを作れば、APIの相互通訳が可能になるから、Amazon、Google、Appleなどのスマートスピーカーが互いに会話できるようになる。つまりWeb of ThingsはこれらプロプライエタリなAPI(HomeKit API, Smart Home Skill APIなど)のための共通言語になる。

そしてさらにMozillaは、コネクテッドデバイスをコントロールするためのインタフェイスも作っている。そのためのWebアプリケーションをスマートフォンの画面に出せば、そこから家の機器をコントロールできる。たとえば声で照明をつけたり、IFTTTふうのルールで家の中を自動化したり、デバイスをレイアウトするフロアプランを加えたり、いろいろできる。

またMozillaが設計したアドオン(プラグイン)をインストールすれば、新しいデバイスやプロトコルもサポートできる。重要なのは、これらすべてが、あなたの家にあるあなたのゲートウェイで行われることだ。声で灯(あか)りを点けても、もうGoogleやAmazonにはそれが分からない。

そしてWeb of Thingsのプロトコルをデベロッパーが利用すれば、家全体をコントロールするネイティブのアプリを作れる。Mozillaはこの問題をいろんな角度から見ているので、そんな日が来るのも遠くはない。そして、今からすでにProject Thingsをいじり始めて、その開発に寄与貢献するデベロッパーがいても、かまわない。

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