GoogleのOmnitoneは、サラウンドサウンドでウェブベースVRに一歩近づく

British television presenter Rachel Riley shows a virtual-reality headset called Gear VR during an unpacked event of Samsung ahead of the consumer electronic fair IFA in Berlin, Wednesday, Sept. 3, 2014. (AP Photo/Markus Schreiber)

多くの分野でそうだったように、VRの振り子もいずれ専用アプリからウェブベースシステム側へと揺り戻されるだろう ― そしてそれが起きる時、Googleは準備万端整っているはずだ。同社はウェブで本格的サラウンドサウンドを配信する新しい方法の詳細を公開した ― システムの名前はOmnitone

昔ながらのマルチチャネルサラウンドは、平らな画面で映画を見るには十分かもしれないが、全空間を支配するバーチャル環境を行き来するためには少々物足りない。アンビソニックが必要だ。アンビソニックはユーザーを包む完全な球体をシミュレートして3D空間に音の座標を与え、その座標をレンダラーが適切な音波へと変換する。

GoogleのChrome WebAudioチームが直面した問題は、既存のツールだけを使っていかにブラウザーでこれを実現するかだった ― 新たな標準でこれ以上ウェブを散らかさないために。たどりついた答は、巧妙だが実に単純だった。

image00アンビソニックのサウンドストリームでは、音そのものと同じくらい音の位置が重要だ。Omnitoneは、その位置情報をVRヘッドセットのセンサーから得た方向データと組み合わせる。つまり、あなたの頭が右X度上Y度を向けば、そのデータがアンビソニックのサウンドストリームに直ちに反映され、ユーザーに合わせてオーディオ球体全体が移動する。

サウンドストリームはスピーカー8台から成るバーチャルスピーカー群に渡り、バイノーラル・レンダラーによってステレオにミックスダウンされる ― するとほら! 既存のウエブツールだけで、まずまずの全空間サラウンドサウンドストリーミングと出来あがりだ。

このデモで試してみることができる ― 但しロードできればの話で、私はできなかった。でも近いうちに、YouTubeによるVR体験等と共にもっと本格的に展開されるだろうから心配はしていない。もちろん全部がオープンソースで、GitHubのここで見られる

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Volkswagenのレースゲーム、IKEAの拡張現実アプリにみる効果的な「顧客体験」創出の事例

Experiences generate clicks  not ads   TechCrunch

【編集部注:本稿の執筆者、Pratham MittalVenture Pactの共同創業者】

広告はもはや、あまり効果的でなくなっている。

まず第一に、あまりにも多くの広告が存在しているからだ。画面、生活の至る所に広告が溢れかえっており、企業、スタートアップはその他大勢の中で目立つことが恐ろしく難しいことに気づいている。

確かに、広告コピーによってクリエイティブであることは可能だ。ユーザーへの徹底的なリマーケティングで話題となり、共感を得ることもできる。しかし、結局は他の企業もそのまま同じようなことをしているところで未だに競い合って、ユーザーの視界から外れてしまう。

今日、経験豊富なマーケターはコンテンツ・マーケティングが非常に重要なものだと認識している。しかし、現実を見てみよう。一体どれだけのEブックとブログが座って読むに値するものだろうか?さらには、かなり良質なコンテンツを作ったとしても、競争の激しいキーワードで順位を獲得するのは簡単ではない。Eブックがバイラルになる、もしくはDharmesh Shah氏からElon Musk氏のような人が自社のコンテンツをツイートしてくれると思ってるなら、あなたの成功を祈るよ!

一般の消費者はオンライン広告・マーケティングに対して慣れきっている。どのようにしてこの状況を変えようか?消費者が広告に興味を持たないこの状況下で何が有効なのか?顧客がEメール、電話番号を渡すに値するとどのように証明しよう?

顧客の興味を引くのはデートに誘うときとそんなに変わらない。いかに自分が素晴らしいのか、もしくは月並みな口説き文句をいったりはしない。その人自身が特別な存在だと感じさせる、信頼を築くために一層の努力をする、本当に気にかけていることを示す、そしてさりげなく電話番号を聞くのだ!

今日の顧客は、あなたが顧客に対して気を配っていないこと、またいかにもなセールストークを言っているだけだと気づいている。
前述したことがあなたが顧客にすべきことだ。記憶に残る体験を構築すること、交流の機会を設けること、個々の顧客に合わせてカスタマイズを行うこと、付加価値を与えること、信頼を築くことだ。

それでは実際のこれらの顧客体験はどのようなものなのだろうか。

私たちは有名スタートアップとFortune500入りの企業に調査を行った。素晴らしい顧客体験のほとんどは後述の5つのデジタル体験のうちの1つに当てはまる。

カリキュレーター(計算機)

オンラインスクールに登録するもしくは、保険を購入する際にあなたが真っ先に知りたいのは「費用は一体いくらなのか」だろう。カリキュレーターがそんな喫緊の質問に答える手助けになる。費用は一体いくらなのか?投資対効果は何か?いくら節約できるのか?

現実に、購入決定のためのカリキュレーターを使った投資対効果、費用の計算が毎月数百万回実施されている。

カスタマーに平凡なランディングページを突きつけるのではなく、彼らの質問に直接答えられるようにしたらどうだろうか?インタラクティブなカリキュレーターの出番だ。

想像してもらいたいのだが、病院のサイトに「心臓病を患うリスクを計算しよう」というカリキュレーターがあればどれだけ顧客のエンゲージメントを高めることができるだろうか。もしくはオンラインスクールのサイトに「学問を修めるための費用をいくら節約できるか計算しよう」というカリキュレーターがあればどれだけコンバージョンを得ることができるだろうか。

レベル判定

顧客はいつも自分自身について知りたいと思っている。とりわけ自分がしている良くないことについて。もし成績をつけることができる場合、顧客は判定「A」を獲得するために努力することだろう。そして、その過程で顧客からの高いエンゲージメントと多くの顧客データを手に入れることができる。

一般の消費者はオンライン広告・マーケティングに対して慣れきっている。

SEOの判定、もしくはWebサイトのスピードの判定で自社のWebサイトをテストしている時のことを考えてみよう。一旦判定Aを獲得するためにしなければならないことがわかったら、そのために多くの努力をするだろう。

HubSpotを例に取ろう。Webサイトがマーケティングにしっかり対応しているか、ユーザーフレンドリーがどうかを判定するツールがある。インバウンド・トラフィックがどこで遅くなっているのかHubSpot の見込み顧客に伝えることで、信頼を築くだけでなく大量のWebサイトの情報を集めることもできている。
Experiences generate clicks not ads TechCrunch
Webサイトの判定が最も一般的なものだが、さらに他の可能性もある。大学は論文の成績判定ツール、IQレベル判定などを開発できる。ヘルスケア企業は腎機能値、BMI(肥満指数)などの人の健康データを判定するツールを利用できる。

コミュニティー

業界フォーラム、コミュニティーはまだ手がつけられていない有用かつ有望な分野だ。買い手は何か買う前に、ほとんどいつでも他の人からの意見を求めている。意見の交換ができるフォーラムはかなり価値が有るだろう。

すぐに、しっかりした回答をもらうことができる業界フォーラムを立ち上げることができたら、業界に関することを質問するための行きつけのサイトになることができる。そして、しっかりSEO対策をしている場合、フォーラム上での質問も検索に引っかかり多くの検索トラフィックを得ることができるだろう。
Experiences generate clicks not ads TechCrunch
最高の見本となるのはクラウドに関する意見をもらうことができるGartherのCloudAdviceフォーラムだろう。GartherはIT分野の調査・研究を行う企業だ。ITに関わる人のためのコミュニティーを作っており、そこで技術的な質問を投稿したり、課題となっていることを議論することができる。このフォーラムによってGatnerは見込み顧客に自社の存在を認知してもらえるし、また彼らをその業界の権威として確立することができる(示すことができる)。

Gartnerはフォーラムに「Weekly Heroes」というカテゴリーを設けゲーム感覚を追加している。ユーザーに報酬を与え、投稿を続けてもらえるようにインセンティブを設けているのだ。

ゲーム

ポイントサービスから実際のモバイルケームのようなゲーム体験はユーザーがゴールを達成したいように仕向ける。正しく使えば、ユーザーのエンゲージメント向上に役立ち、ブランドを印象づけることができる。
Experiences generate clicks not ads TechCrunch
チョコレートを販売する企業のKinder Joyは5〜12歳の子供向けのアプリの提供を開始した。アプリでクイズ、パズル、教育ゲームなどがある教育環境下に子供を置くことができる。コンテンツを楽しんでいる間、子供は継続的にKinder Joyのブランドに接することになる。子供の親がアプリの利用時間、接続を管理することができるので、信頼できるブランドという印象をあたえることができる。

これだけ大勢の企業がごっだ返している中では、最高のセールストークも効果的でない。
他の例にはVolkswagenがあげられるだろう。Volkswagenの車でレースができるクラッシクカーのレーシングゲームのアプリを作った。アプリ自体は非常にシンプルなものだが、ユーザーはゲームで新しいモデル、パーツを手に入れるために奮闘しながらVolkswagenのすべての車に詳しくなっていくのだ。

AR(拡張現実)

AR(拡張現実)とVR(仮想現実)は顧客のエンゲージメントを高めることにつながる新たなタイプの体験となる。お気に入りの例の1つはL’Oréalの「Makeup Genius」アプリだ。このアプリを使うことで、スマートフォンの画面上でL’Oréalの様々な化粧品を仮想で顔に試すことができる。報告によるとアプリは2000万回以上ダウンロードされているそうだ。

Experiences generate clicks not ads TechCrunch

2000万人もの潜在顧客を深くブランドにエンゲージするというのはマーケティングの世界で未曾有のことだ。L’Oréalは正確にあなたがどのアイライナーが好きなのか、あなたの顔がどんなタイプか、その他様々な情報を把握しているということだ。販売において、どれほど個々の顧客にカスタマイズした販売が可能になるか想像してほしい。

IKEAはAR(拡張現実)の利用成功例を持つ企業だ。IKEAのアプリは仮想でリビングスペースに家具を置くことができる。外出することなく数百万の机、椅子、洋服だんすを試してみることができるのだ。そしてここにIKEAにとって素晴らしいメリットが存在している。IKEAはあなたが何色の机を好きかといった情報だけでなく、家の間取り、部屋数、その他いろいろな情報を集めることができるのだ。

Experiences generate clicks not ads TechCrunch
このアプリという特効薬によって、IKEAがまるで顧客の家に上がりこむのと同じだけの多くの情報を得ることができ、大きな価値をもたらしている。

今日の顧客は、あなたが顧客に対して気を配っていないこと、またいかにもなセールストークを言っているだけだと気づいている。これだけ大勢の企業がごっだ返している中では、最高のセールストークも効果的でない。

それゆえ顧客を獲得する競争は広告への入札や誇大広告でクリックを誘ったりすることではなくなる。顧客との相互の交流、個々の顧客にカスタマイズしたやり方で真の価値をもたらすテクノロジーの最新の手法を駆使できた人が勝者になるだろう。

マーケティングのあり方が大きく変わっていることを考慮して、マーケティング部門は自社の「デジタル指数」は何かについて、そしてそれを最大化するにはどうすれば良いのか考え始めるべきだ。テクノロジーに精通した自社専属の科学技術者を雇い、IT/テクノロジー部門にもより力を入れ、熱心に製品開発に取り組むとよいだろう。

マーケティングが新たなITとなる日はそんなに遠くない。

原文

(翻訳:Shinya Morimoto)

今度のオリンピックでNBCが全85時間のVR放送を行う、ただし対応機はSamsung Gear VRのみ

BOSTON, MA - OCTOBER 17:  Fans attend Team USA's Virtual Reality Experience Powered by Samsung Gear VR during the 2015 Road to Rio Tour at the Head of the Charles Regatta on October 17, 2015 in Boston, Massachusetts.  (Photo by Scott Eisen/Getty Images for Samsung)

NBCはVRへの関心が盛り上がっていることに乗じて、オリンピックの完全中継ではその形式も提供する、と示唆していたが、今回初めて、リオ支局がその具体的なやり方を少し明かした。

まず、対象機はGear VR「のみ」である。VRのコンテンツは計85時間放送されるが、それを見るためにはSamusungのVRヘッドセットと、それを操作するGlaxyスマートフォンが必要である。VR番組の視聴はNBC Sportsというアプリから行う。開会式と閉会式もあるし、種目の選択も、男子バスケットボール、陸上(トラックとフィールド)、体操、ボクシング、ビーチバレー、フェンシング、ダイビング等と、ほぼ妥当と思われる。

コンテンツはほぼ一日遅れで提供されるから、全試合を見られる。どの種目も、VR向けに事前の編集が行われる。開会式は8月5日金曜日だ。

Samsungは、なぜか、この夏季オリンピックのOfficial Smartphone Partnerだ。一方NBCは、“これまででもっともライブなオリンピック放送”と称して、アプリへリアルタイムストリーミングする全4500時間の一部を4Kと8K対応にする、と発表している。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

HTC Viveが100億ドル規模のVRベンチャーキャピタル・アライアンスを発表

screen-shot-2016-06-29-at-5-11-19-pm

VR技術は、研究開発からマスに向けて市場に投入への転換するために大量の資本が必要となる。HTCも自社が開発するヘッドセット技術が広いエコシステムに落ち着くことができるよう、市場開拓の一端を担う。

本日上海で開催されたGSMA Mobile World Congressで、HTC ViveはVRに注力するVC、そして確立された著名VCであるSequoia CapitalRedpoint Venturesとともに100億ドル規模の投資を行い、投資の比重をHTCとHTCのパートナー企業の分野に持ってきたい考えだ。

合計27社がHTC Viveと共に VR Venture Capital Alliance (VRVCA)に参加する。HTCのVRで中国地域のプレジデントを務めるAlvin Wang Graylinがこの「アライアンス」を率いるという。

VRVCAは、HTCがVR投資において大規模なリーダーシップを発揮する取り組みとなる。HTCは今年の4月、VR分野のスタートアップに投資する1億ドルのVive X アクセラレーターファンドを立ち上げている

VRファンドとして100億ドルという数字が信じがたいと思ったのなら、それは正しい感想だ。確かにVRVCAは結構な金額をポートフォリオ内の企業に投入するが、100億ドルというのは各投資企業が持つ「投資可能な資本」を指していて、その額が全てVR投資に向かうのではないということだ。

VRVCAは2ヶ月毎にサンフランシスコと北京でミーティングを開催し、アイディアを実現するために資金を求める企業を受け付けるという。このアライアンスが投資可能としている100億ドルの一部を得たいVRスタートアップは今日からVRVCAにピッチデッキを提出してレビューを受けることができる。VRVCAには多様なVCが参加していることから、このアライアンスは、ミックスリアリティー、AR、VR分野における多様な業界に広く網を張ることを考えているようだ。

[原文へ]

(翻訳:Nozomi Okuma /Website

Google for Educationが教師のための総合リソースサービスTESを統合、地に足のついたアクセス性へ

google_for_education_expeditions

次世代エドテックと仮想現実はどちらも私たちの近未来を定義する可能性のある技術として、企業や投資家たちも高い関心を寄せている。この二つの技術の合体は現状ではまだ未熟な段階だが、すでに一部の有名大企業はさまざまな試行に取り組んでいる。

今日(米国時間6/28)は、Google for Educationが、Google ExpeditionsとGoogle ClassroomsにTESを統合する、と発表した。TESは、教師たちがクラスで使用するデジタル教材やレッスンプランを見つけるために利用しているサービスで、すでにユーザー数は数百万に達している。

今回の統合により、Googleの教育サービスに関心のある教師は、TESのGoogleポータルで容易に無料のコンテンツを見つけ、ダウンロードできるようになる。

Google Expeditionsは、ボール紙で作ったVRビューワーGoogle Cardboardで、360度視野のコンテンツを子どもたちに見せる。もちろん教科書の上の2Dの写真などよりも、断然迫力がある。

Google for Educationのパートナーシップ担当Emma Fishが、声明でこう述べている: “tes.comとの統合をたいへん喜ばしく思う。弊社の新しいポータルがTESのユーザーに、Googleの一連のツールのシームレスな体験をご提供する。先生たちはGoogle Apps for Educationで使えるレッスンプランをここで見つけて、Classroomで使用でき、またGoogle Expeditionsでは没入的な仮想探検旅行を児童生徒に提供し、授業に活気をもたらすことができる”。

今回のパートナーシップによってGoogleは、その教育サービスを、多くの教師たちがアクセスし利用している、アクセス性の良いポータルに‘出店’することになる。教師が新しいデジタル教材を採用しようとするときには、コンテンツの内容だけでなく、それらのアクセス性も利用を支える重要な要素だ。教材のVR化はまだ端緒についたばかりだが、いずれは児童生徒たちが、机と椅子だけの静的な環境では得られない、自分だけの独自な発見のできる、豊かな環境を提供していくだろう。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

VRスケートボードがE3に登場

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

筆者のスケートボード歴は、人に言いづらい程度には長いのだが、それでも手すりから手を離せなかった。仮想現実世界で経験する方向感覚の喪失のせいにしておこうと思うが、単純にE3のにぎわいの中でスケートボードシミュレーターから無様に落っこちる不安があったせいもあるだろう。

この展示は、SamsungのGear VRヘッドセットの販促のために、カナダのハードウェア企業D-Boxが同社のメカニカルシステムを使用してロングボードでのダウンヒル体験をシミュレートするものだった。

「要は、板の下に電気機械式のアクチュエータがあって、コンテンツと同期することで地面の質感やカーブの感覚が得られるのです」と、D-Boxのセールス担当VPであるYannick Gemme氏はTechCrunchに対して語った。「すべてのキューは、D-Boxがリアルタイムに生成するので、プレイヤーもアクションの一部になります」

 

2016-06-20

E3のような展示会場でゲームに没入することには抵抗感もあるが、D-Boxによるビデオとインタラクティブな体験のマッチングは、砂利道のガタガタする振動に至るまで実に見事な仕上がりだった。感心するような体験ではあるが、私たち(つまり、大量の車やプライベートジェットを所有していたり、自分の名前にちなんだステーキがあるような人たち以外の一般人)にとっては、手が出る値段ではない。

「D-Boxは、消費者向け製品の開発に取り組んでいます」と、Gemme氏は言う。「お茶の間にVRが導入されれば、映画鑑賞であれゲームであれ、D-Boxが欲しくなるのが道理でしょう。ヘッドセットを装着すれば、世界の中に入り込めるのですから」

その時代が来るまで、実際に体験するにはゲームセンターやE3のような展示会に行くしかなさそうだ。

[原文へ]
(翻訳:Nakabayashi)

VRは娯楽より企業利用がメインか?…DIRTTのVRソフトICERealityはリアルタイムでオフィスレイアウトを助ける

dirtt-mixedreality-6

オフィスなどの仕事場のために、カスタムメイドのプレファブ素材を提供しているDIRTT Environmental Solutionsが、仮想現実(virtual reality, VR)を娯楽ではなく企業目的のために利用する企業の、仲間入りをした。

今週シカゴで行われた建設産業の例年のトレードショーNeocon 2016で同社が披露したICErealityが、そのVRソフトウェアだ。そう、今週は、AppleのWWDCやビデオゲーム業界のE3カンファレンス以外にも、見るべきものがあったのだ。

DIRTTは、顧客のニーズを満たして、スタイルが良くて、しかもエコなワークスペースを建築家やデベロッパーやファシリティマネージャーやインテリアデザイナーたちが作れるための、素材を提供したい、と願っている企業だ。

そのための彼らの工程は、デジタルの青写真をDIRTTのクラウド上のデザイン/プランニングソフトウェアICEを使って作ることから始まる。そしてICErealityは、この段階で利用される。それはこの秋に一般公開の予定だが、今は招待制のベータで少数のユーザーに提供されている。

ICErealityはデザイナーや実際にその仕事場を使う人たちに、これから内装工事をしていくスペースの上に、そこに配置するいろんな要素の仮想的な三次元画像を重ねた映像を見せる。彼らは、カウンターや特注のドアや間仕切りや窓、ブラインド、家具などが、どんな感じでそのスペースに収まるかを、実際に見て検証できる。

そのデモビデオがここにある。このビデオでは、DIRTTが空のステージの上にキャビネットやカウンターを(仮想的に)作っている。(2:20のあたり):

ICErealityは、部屋のデジタル部位(家具など)の形を、ビデオにぴったり合うように翻訳する。そうするとユーザーは、それらの新しいプレハブ部位が実際に部屋に置かれたとき、どんな感じになるかを事前に理解する。

DIRTT's ICEReality is VR software used for office and interior design.

DIRTTのICErealityはオフィスやインテリアデザインで使うVRソフトウェアだ。

DIRTTの協同ファウンダーでCTOのBarrie Lobergによると、ICErealityはOculus RiftやHTC ViveのようなVRヘッドセットで使うとさらに没入的な体験ができるが、スマートフォンやタブレットでも使える。

まだ完全な画面描画が行われないので、テキストや情報がビデオにオーバレイされる。DIRTTによれば、これはVRでもARでもなく“混成現実(mixed reality)だ、という”。

彼曰く、“ユーザーがデザイン変更などをリアルタイムでできて、結果をすぐに見られるから、従来の3Dのシミュレーションより良い。望み通りのデザインが完成したら、それをそのままオーダーできる”。

Lobergの展望は、このような良質なデザインツールにより、高価につくミスや途中変更を防げることだ。これまでは、もう変更はできない!という、あまりにも遅すぎるタイミングで大きな変更を要請されたりしていたのだ。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Magic LeapがLucasfilmとパートナーして混成現実によるストーリー表現を実験

Magic Leapは、あなたがロボットと仲良しになってほしい、と願っている。

今日(米国時間6/16)から、この混成現実*(mixed reality)企業はLucasfilmとILMxLABとの提携により、混成現実でストーリーを表現する方法を研究し、作っていくことになった。三社は”Collab Lab”という共同研究所を、サンフランシスコのLucasfilmの敷地内に作る。〔*: 混成現実, “複合現実”とも訳される。〕

ニューヨークで行われたWIRED Business Conferenceで今朝、Magic LeapはこのパートナーシップによるStar Warsブランドの体験の一部を披露した。それは映画の中のホログラムの夢とはほど遠いものだが、ある程度は高度な技術であり、とくに空間性の表現はよくできていて、目の快感だ。

“これからの時代はストーリーの表現と展開が、見るものではなく体験するものになり、つかの間のものではなく恒久性があり、人間が知覚できるものになる。人びとに、ストーリーの中に入っていただきたい。するとストーリーは、まるで生き物のように人びとに反応する”、ILMxLABの執行クリエイティブ・ディレクターJohn Gaetaが、声明の中でこう述べている。“しかしながら、そういう魔法のようなリアリズムが日常生活の一部として自然に定着するためには、その前に高度なプロトタイピングを要する。われわれの‘Collab Lab’は、そのための多様な実践の場だ”。

最近のVRヘッドセットのブームが明らかにしているのは、コンテンツの不在がハードウェアのメーカーにも直接、影響を及ぼすことだ。Magic Leapは、映画やビデオという平面スクリーンではない、混成現実によるストーリー表現がどんな形になるか、その初期的な姿を模索している。

でも未だに私たちは、巨額の投資を得ながら、その製品についてはまだ誰も何も知らない企業について、書かざるをえないのだ。〔皮肉〕

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

HTCはミックス・リアリティデモで、VR体験がどのようなものかを観客に見せる

e3_2016-6140083_1024-1

商業的に価値があるかどうか判断する初期の段階にあるVRは、過去のテクノロジーも普及する際の障壁となった課題に直面している。自分で実際に試すことのできない大半のコンシューマーに対し、そのテクノロジーの価値を企業はどのようにして伝えるかだ。

HTCのミックス・リアリティーは面白い解決法だ。拡張現実を方程式に加えることで、観衆はVR環境の中でプレーヤーが何を体験しているかを覗き見ることができる。

「ミックス・リアリティーではゲームの中にいるプレーヤーが見えることで、VRの体験を最もよく理解できる方法です」とHTCでVRプロダクトマーケティングのシニアマネージャーであるJB McCreeは言う。「グリーンスクリーンと共に前景、プレーヤー、背景を撮影しています。それらを全部つなぎ合わせることで、プレーヤーがどのような環境にいるかを見ることができます」。

できあがった映像は原始的な印象を受ける。リアルタイムで書く動画をつなぎ合わせたそれは、ケーブルテレビで見るようなグリーンスクリーンの合成映像だ。しかし、伝えたいことは十分に分かる。それに、人が多い公共の場所でVRヘルメットを被ってVRを体験をしている人の姿がやや滑稽ではなくなる。Space Pirate Trainerの宇宙人も写っていれば、通行人は、VRを体験中の人が挙動不審なのではなく、実際には地球を侵略者から守っている最中なのだと分かるだろう。

HTC Mixed Reality

McCreeは、このテクノロジーは一般のコンシューマー向けに提供するではなく、HTCはVR作品を世に示したい企業に提供するという。「自分たちが手がけていることを他の人に示したい企業や開発者のためのものです。私たちのマーケティング施策は、より多くの人の手にViveを届けることに注力しています。これは、人々にVRでの実際の体験を知ってもらう1つの方法です」。

[原文へ]

(翻訳:Nozomi Okuma /Website

似た物同士の多いVRヘッドセット市場でSonyがそのひそかな勝策を語る…勝者を決めるのは高度なコンテンツだ

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

Oculus, HTC, Samsung, それにたくさんのマイナーメーカーたち、2016年はVRの存在がE3におけるホッケースティックグラフの様相を呈した。ここ数日のロサンゼルスの会場の熱気を見ていると、それは単なる‘見本市の展示物’を超えて、E3に出展している大企業たちの、最大の気合の入れどころになっている。

Microsoftですら、そのE3直前のビッグイベントで、VRが課す厳しいハードウェア要件を満たしたゲーム機のアップデートを披露した。もちろん、VRでトップに立ちたいSonyも負けてはいない。このハードウェアの巨人はまず2014年にProject Morpheusを発表し、さらに昨年は、もっと単刀直入なPlayStation VRに名前を変えた。

今年のイベントで同社は、年末にPlayStationにお目見えするゲーム作品をいくつか発表し、またヘッドセットの価格と発売時期を発表した。その399ドルという価格は、疑いもなく、このデバイスの重要なセールスポイントの一つだ。なにしろ、RiftやViveよりも200〜400ドル安い。

[PlayStationのチームがVRゲームの未来を語る]

Sony PlayStationのマーケティング担当VP John Kollerによると、同社のVR作戦は価格だけにとどまらない。“コアユニットの399ドルという価格は、たしかに大きな市場機会を弊社に与えるだろう。でも、弊社の優位性を決定づけるのはむしろゲームだ。年内に50本発売するし、今150本を制作中だ。デベロッパーを、230名投入している。それは、コンテンツの量としては、ものすごいものになるだろう”。

また、当面はゲームがSony VR製品の出足を加速するだろうけれども、長期的には、VRヘッドセットを利用する多様な没入的コンテンツを構想している。今、そっち方面に、ゲームデベロッパーでなく多くのコンテンツデベロッパーを投入している。“われわれ内部における今の主な話題は、ゲーム以外の多様な選択肢だ”、とKollerは述べる。“それは、ぜひやらなければならない課題だ。VRの最高におもしろい体験は、ユーザーが自分の好きなアドベンチャーを選ぶタイプになるだろう。それは、ストーリーが多様に枝分かれしていくようなコンテンツだ”。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Ubisoft、今秋VRゲーム版「スタートレック」を発売

bridge-crew-1-1024x683

ファンにとっては、一番楽しみなVRゲームランキングの頂点に立ちそうなタイトルが明らかになった。E3を前にした大規模な記者会見で、Ubisoftは今年の秋にOculus Rift、HTC Vive、PlayStation VRでそれぞれ発売予定の新規タイトル「Star Trek: Bridge Crew」を発表した。

同作のトレイラー映像では、「スタートレック」シリーズの出演者、レヴァー・バートン、ジェリー・ライアン、カール・アーバンの面々がクルーメンバーとして一緒にゲームをプレイしているが、全員が協力して行うゲームの操作性に好印象を得ている様子が伺えた。中でもバートンは、ホスト役を務めたアイシャ・タイラーと共にゲームについて興奮気味に語っている。

ゲーム内容としては、最大4人のプレイヤーが船長や操舵手など、それぞれ異なる役割を担い、各々が任せられた責任を果たしながらミッションを遂行するというものだ。また、コンピューターにクルーを任せて自分が船長を務めるソロプレイも可能だ。

見たところ、画面上の操作が多く、宇宙空間での冒険というよりは飛行シミュレーションに近い。また、トレイラーからは最先端の映像を用いているようには見えない。

それでも、レナード・ニモイが初めてゴム製の耳をつけてMr.スポックを演じたときから、スターフリートの宇宙艦を操縦していたいと夢見てきた人にとっては、明らかに夢の実現への第一歩だろう。今週後半には、TechCrunchでも実際にデモを体験する予定だ。ラフォージ中尉(レヴァー・バートンの役名)のように楽しめることを願っている。

[原文へ]

(翻訳:Nakabayashi)

PlayStation VRは10月13日発売、お値段399ドル。ゲームは年内に50本を揃える。

e3_2016-6130045

一般大衆の一人であるブロガーとして、The Last Guardianにコーフンするのは当然だけど、同じく一般大衆の一人として、今夜(米国時間6/13)のE3前夜祭のSonyの記者発表に、すばらしいハードウェアの発表を期待するのも当然だ。しかも今年は2016年だから、Sonyも同社独自のVRプロダクトでOculus RiftsやHTC Vivesと同じレースを走り始めるはずだ。

今夜の同社は、たしかにそのとおりだった。SonyはPlayStation VRのヘッドセットを発表し、発売は10月13日、価格は399ドル、と述べた。いや、もちろん、ハードウェアだけあったってしょうがない。年内に50種のゲームを揃える、と同社は言明した。すごい量だね。

すでにそれらのゲームのいくつかを、ちらっと見ることができた。大人気ゲームの移植もあり、またVRとしてはStar Wars Battlefront: X-Wing VR Mission, Batman Arkham VR, Final Fantasy XVなどがある。同社はその一部を、もっとじっくり見せたいようだから、もうすぐ本誌も、ハードウェアの試用体験記を載せられるだろう。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Xbox One Sよりもさらに強力なProject ScorpioはVRゲーム向け、2017年に発売予定

e3_2016-6130027

たしかにXbox One S今日のイベントのビッグニュースだったが、Microsoftはもうひとつの大きなサプライズをひそかに用意していた。Project Scorpioが、それだ。ステージに最後に登場したXboxのトップPhil Spencerが、“Xbox Oneファミリーの最新メンバー”を紹介し、派手な“予告編”を見せた。その中では、デベロッパーたちも相当興奮している。

このゲーム機(“コンソール”)は2017年のホリデイシーズンに発売され、Xbox Oneのゲームにも完全に対応している。同社の位置づけによると、Xbox OneとOne SとScorpioは三人兄弟なのだ。ただし、処理能力は大幅にアップされ、VRゲーム対応、となっている。

[今日が…目の前の空間全体がゲーム空間となる…未来の始まりだ。]

そのビデオは、内部をちょろっと見せてくれただけだが、発表されたスペックによると、CPUは8コア、GPUは6テラフロップスで4K対応、“これまでで最強のコンソール”だそうだ。早めに発表したのはデベロッパーの関心をそそるため。そしてもちろん、今年のE3の立ち上げに花を添えるためだ。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

AR/VR課程の一学期をまるまるHololensのデモアプリ開発に投じたワシントン大学、その評価は肯定的

20160413_160048

Microsoftのあのおもしろい混成現実(mixed-reality)*プラットホームHololensは、誰もが気軽に試せる状態からはほど遠いが、でもワシントン大学のコンピューター科学の学生は、思う存分遊ぶことができた。〔*: mixed-reality, ARとVRを両方実現できること。〕

とくにそれは、同大のCSE 481Vクラスの学生だ。このコースは、“仮想現実と拡張現実について多くを学び、最新の技術やソフトウェアを熟知し、そして10週間かけてアプリケーションを構築する”、と説明されている。

こんなやり方のコースは、少なくとも同大では初めてだ。国内のVR/AR選手たち、MicrosoftやOculus、Valve/HTCなどからの全面的な賛助もあり、36名の学生が、Hololensの開発チームや、主要なヘッドセットのすべてにアクセスした。Hololensは25台提供されたが、一箇所にこれだけ集まるのも珍しい。OculusのチーフサイエンティストMichael Abrashや著作家のNeal Stephensonなどの客員講師の話も聞かなければならない。Stephensonの“Snow Crash”は、コースの必読書だ。

いまどきの大学は、学生が進んで入学したくなるための、こんなおもしろそうな仕掛けが重要なのだ。

One of the projects had users flying a virtual paper airplane through AR waypoints.

このプロジェクトでは中間点(通過点)がARで表示され、そこに仮想(VR)の紙飛行機を飛ばす。

このクラスのインストラクターの一人Steve Seitzは語る: “昨年、VR/ARクラスの話をHololensの連中に話したら、たいへん前向きの関心を持ってくれた。36人のクラスでまったく新しいデバイスやその開発プラットホームを使うのは、最初ためらったけど、開発環境がとても良くできていることに、感銘を受けた。経験のまったくない学生でも、すぐに使えるし、わずか数週間でけっこう上出来のアプリケーションを作れる”。

どれだけ上出来か、それはコースのWebページで確認できるし、開発過程を記した週刊のブログ記事もある。たとえばARクッキングや、お絵かきアプリケーション、部屋をスキャンする過程のゲーム化など、ほかのアプリケーションで使えそうなアイデアやコンセプトも少なくない。

クラスは、その総仕上げとして大学のキャンパスで公開デモデーを行った。一般人だけでなく、Microsoft ResearchのCVP Peter Leeのような重要人物も見に来た。

それが学生にとって大きな機会だったのはもちろんだが、この分野の企業にとっても実り多いテストの場だ。若い人たちはこの技術に、どのように対しているのか? どんな困難にぶつかったか? どんなツールを望んでいるか? こういうのは、企業側の思惑、下心というより、むしろ学生とのコラボレーションから得られる体験だ。

“Hololensのチームにとってこれは、焦点の絞られた教育的なセッティングでプラットホームを評価でき、初期的なフィードバックを得られる貴重な機会だった”、とSeitzは書いている。チームは、学生たちへの技術的サポートや教育訓練も提供した。

Seitzと、他のインストラクターの一人Ira Kemelmacher-Shlizermanは、来年もまたこのクラスをやりたい、と考えている。ワシントン大学はMicrosoftにとって便利な場所にあるが、同大はこの地域の研究のためのハブでもある。これまで、有名なHITLabで、VRやAR関連のアイデアを数多く開拓してきた。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

HTCが企業用のVive VRヘッドセットBusiness Editionを定価1200ドルで発売

htc_vive_at_mwc

来週のE3はゲームなど楽しいことずくめと思うが、目下HTCの関心はビジネスだ。同社の好評なヘッドセットVibeの同社製“Business Edition”(ビジネスエディション)、Vive BEが出るのだ。それは、仮想現実を商用目的に使いたいと考えている企業がターゲットだ。

まずそのハードウェアだが、それは799ドルで買える標準のVibeとほとんど同じだ。構成はヘッドセットと二つのコントローラーと二つのベースステーションと四つのフェースクッション(これが重要)だが、お値段は1200ドルだ。400ドルの差は、なんだろう?

主な違いは、企業や商店などが使うのに必要な、サポートの充実だ。Business Editionを買った顧客は、電話によるサポートや期間12か月の保証書がつく。ただし、“保証に含まれない項目や制限がある”そうだ。またこの1200ドルの製品は、企業が一度にたくさん買うことができる。

同社のVR担当VPによると、この‘新製品’の発表は、“完全なVR体験を求める世界中の企業からの膨大な量の需要”に、対応するためだ。Business Editionはアメリカとカナダとイギリスとドイツとフランスでは今月ローンチし、グローバルな展開はもうすぐだ、と。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Facebookで360 Photosがスタート―スマートフォンを傾けるだけでパノラマが見られる

2016-06-10-facebook-360-photos

やっとズームイン、ズームアウトを繰り返す必要がなくなる。FacebookはようやくパノラマやVR写真をスマートフォンで表示するための当たり前の方法を採用した。360 Photosと名付けられた機能がiOS、Android、ウェブ、Gear VRでスタートする〔日本版注参照〕。これでパノラマやVR写真の作成にもはずみが付くだろう。

1ワールドトレードセンター・ビルの頂上からニューヨークを見渡したマーク・ザッカーバーグのパノラマはここで見ることができる

iPhone、Samsung Galaxyのパノラマ機能、あるいはリコーThetaなどで撮影した360°アプリの写真を普通の写真と同様に投稿できるようになった。Facebookはこれらの写真を自動的に360 photoに変換する。ユーザーが360 photosの写真を表示するとコンパスのアイコンが表示される。ユーザーはデバイスを傾けるだけで写真を隅々まで眺めることができる。クリックないしタップしてドラグすることももちろん可能だ。Gear VRを持っていれば、上部右側の“View in VR”ボタンを押すとヘッドセット用の画像に切り替わる。ヘッドセットを着用したユーザーは頭を動かして周囲を見回すことができる。

paul-feed

Facebookでは大勢の有名人やサイトのパブリッシャーが360 photosを利用した写真の公開のために列を作っている。国際宇宙ステーションの内部写真を公開したNASAには10万人ものファンがいる。ポール・マッカートニーNew York Timesのアカウントも要チェックだ。NYTは最高裁判所の知られざる内部を撮影している。

360 Photo Viewing

Facebookのプロダクト・マネージャー、Andy Huangはブログに「Facebookに写真を投稿できるようになったのは10年以上前だが、たちまちユーザーが体験を共有するための主要な方法になった」と書いている。Facebookでは写真同様にビデオ、360°パノラマ、拡張現実が体験共有のための主要なプラットフォームになると信じており、ニュースフィードにそうした機能を採用してきた。将来、Instagramも360°パノラマ写真をサポートするかもしれない。

ユーザー生成コンテンツの投稿先としてFacebookが非常にポピュラーな存在であることはパノラマ写真の共有でも有利に働く。Snapchatでは投稿写真を誰でも見るわけにいかない。Twitterもまだテキスト中心のプラットフォームだという印象が強い。360°パノラマ写真が優れたコンテンツだと認められてFacebookで人気を得るなら、これもまたFacebookを毎日使う理由の一つになるだろう。

Facebook 360 Photos

同時に、 360 Photosは企業やブランドに取っても注目を集めるマーケティング手段となりそうだ。映画のセット、旅行の目的地となる有名スポットなどが360
photosの広告となって登場する日も近い。

Facebookでは、Samsung Gear VRの月間ユーザーが100万人を超えたというニュースと共に360 Photosという新機能を追加することを先月予告していた。ただしその時点では見ることができるパノラマ写真のバリエーションが少なく、有力ソフトメーカーのゲームや映画などに限られていた。

Facebookではこの点に対処すべく、360°サラウンド・カメラを開発し、デザインをオープンソース化し、3万ドルの資金があるプロが自分で最高品質のVRを撮影できるデバイスを作れるようにした。しかし一般ユーザーがFacebook向けのVRコンテンツを作ろうとする場合はFacebook傘下のOculusのRiftとSamsung Gearヘッドセットが依然、主要な手段となるようだ。

〔日本版〕パノラマ写真はデスクトップ、モバイルともウェブ版では表示可能。360 Photoは円形の中に視野を示す扇型のアイコンが表示される。ドラグして周囲を見ると視野を示す扇型も同期して動く。ただし記事翻訳の時点では「傾けてパノラマを見回す」機能は訳者の環境には実装されていなかった。アップデート後に有効となるようだ。 ザッカーバーグの投稿によれば、1ワールドトレードセンターから見渡したニューヨークの写真は、Michael FranzとJonathan D. Woods がTIMEのために撮影したものという。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

GoogleのVRプロトタイプは、かわいいグルグル目だけで人間を効果的に表現できる(という意外性)

daydream3

仮想空間の中で人間を表現するベストの方法はなんだろう? 顔写真みたいな矩形の中にアバターの画像を収めるか? それじゃあ、まるでSlackだ。スライダーが100万もある顔を特製するか? それはあまりにもSecond Life的だ。顔の3Dスキャンをやるか? そんなの、“Lawnmower Man”のぱくりだよ。では、ユーザーが着けているヘッドセットを漫画的に表現するのはどう? 目だけが、グリグリっと(googly)前に飛び出てるんだ。うーん、天才的なアイデアかも。

GoogleのDaydreamチーム(Daydreamは新しいVRのブランド、スマホのスクリーンセーバーの名前ではない)が同社のDevelopers Blogに、仮想体験のプロトタイピングの楽しさを投稿している。

これまでのVRでは、そのソーシャルな側面がいちばん軽視されている。物語の展開はたしかにおもしろいかもしれないが、でも、遠くの人びととの対話のやり方が変わる可能性の方がずっと深い問題だ。しかし今の限界のある技術で、どうやって人間のそれらしきプレゼンスを作ればよいのか。不気味の谷に、落ち込むことなく。

Daydreamのデベロッパーたちは、現実を視覚的に複製するという従来のVRのやり方の逆を行った方が、意外と、現実の重要な部分がはっきり現れることに気づいた。体(からだ)から離れたヘッドセットと、その上のグルグル目に、カリスマ性はないけれども、それらの動きからは、人間のプレゼンスがすぐに認識でき、それどころか、われわれの日常の直観に反して、むしろ細部を欠いていることが、改良なのだ。不適切な細部が、何もないことよりも悪いことは、ときどきある。

これらの目は、頭が回転したときの方向を示唆しているのだ、と思う。意外なほど効果的なショートカットだ。パズルのビデオ(上図)も、骨などの余計なものがない方が、よく分かる。

そのほかの、ちょっとしたことも表現できる。たとえば、どちらが背が高いかという、身長の差だ。マスクに帽子が留めてある(上図下)といった、ささやかな個人的特徴も。

このVR技術に関する詳細は、VRプロトタイピングに関するGoogle I/Oのプレゼンで紹介された。ビデオも、そこで使われた。Google I/Oなんて、先月の話題だけれど、でもこれは、今見ても楽しい。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

VR化学校教材の専門ショップLifeliqeがサンフランシスコに誕生…最強の視聴覚教材になるか

lifeliqenew1

サンフランシスコのLifeliqe(”life like”と発音する…本物のような、生きてるような)が、今週のAugmented World Expo 2016で、仮想現実による教育コンテンツのデモを行った。

協同ファウンダーでCEOのOndrej Homolaによると、Lifeliqeはこれまでの3年間で、高品質で対話的なVRコンテンツのライブラリを作ってきた。その努力が報われたためか、かなり感動的なコンテンツが揃っている。

コンテンツのデモは、HTCのViveを使用して行われた。LifeliqeのVRで児童生徒は、宇宙で人工衛星を調べたり、古生代へ行って恐竜の背中に乗ったり、鮫のお腹の中に入って骨格や内蔵を見たりできる。

lifeliqeNew2

これらのVRは同社製のLifeliqeタブレットとセットになって提供される。それはすでに世界の15000あまりの学校(主にヨーロッパ)で使われている。タブレット上のコンテンツもよくできていて楽しい(下のビデオ)が、VRほど没入的ではない。しかし教師は両者を教材として併用することによって、児童生徒をより一層、エンゲージさせる(授業にノらせる)ことができる。

同社のマントラは、「学習が没入的で対話的であればあるほど、子どもたちは飽きることがなく、長時間、授業に没頭できる」だ。たしかに、子どもたちの関心と集中は長く持続するようだ。

LifeliqeのVRコンテンツは今年後半に発売される予定だが、今同社は、使用するハードウェアの選択選定作業で多忙だ。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

VR制作ソフト「SYMMETRY」開発のディヴァース、103.9万ドルの資金調達を実施

screenshot_566

VR制作ソフトウェアを開発するDVERSE(ディヴァース)は6月2日、500 Starups Japan、Colopl VR Fund、KLab Venture Partners、アドウェイズ、ウィルグループ(傘下のウィルグループインキュベートファンド)、スローガン、エンジェル投資家の川田尚吾氏ほかからConvertible Noteにて103万9000ドル(約1億1000万円)の資金調達を実施したことを明らかにした。

DVERSE(ディヴァース)は2014年10月の設立。海外展開を想定して米国デラウェア州に登記している。CEOの沼倉正吾氏はCAD/CAMシステムなどを開発するゼネテックの出身で、Oculus Riftに出会い、VR領域での起業を決めた。2015年7月には、韓国のBonAngels Venture Partnersおよび日本のViling Venture Partnersからも資金調達を実施している。

同社が開発するのは、VR制作ソフトウェア「SYMMETRY(シンメトリー)」だ。簡単、リアルタイム、高品質を特徴に掲げる制作ソフトで、3DCADデータや3Dモデルファイルを入力し、直感的な操作で編集、出力までが可能だという。

「VRのUI/UXは、広さの制限がある従来の2Dモニタと違って、非常に広大な空間が使用できる。そのため、ピクトグラム的なアイコンのみのメニューでを用意して、それぞれのアイコンの機能については、3Dのアニメーションでチュートリアル的に表示することもできる。DVERSEでは、このような形で『非言語UI』を用いて、グローバル展開可能なソフトウェアの開発を進めている。SNSでもゲームでも、デファクトになるプロダクトやサービスは言語圏ごとに分かれていたが、VRではPCでもスマホでもできなかったグローバルでデファクトなプロダクト・サービスが可能になる。その第1弾がSYMMETRYだ」(沼倉氏)

VRコンテンツの制作ニーズが大きいのは現在北米やヨーロッパが中心だという。沼倉氏によると、VRコンテンツの制作にも使われる3DCADソフトの「SketchUp」は日本のユーザー数が1万人なのに対して、グローバルだと3000万人と、規模に大きな差がある状況だ。ただし、日本では国交省が発表した「i Construction」で2020年までに全ての設計図やデータを3D化するとしている。そのためSYMMETRYは、この対応に追われる施工業者から大きな反響とフィードバックを得ているという。

そういった状況から、当初は「設計、デザイナー」「マンション/戸建てを販売するデベロッパー」「実際に工事を行う施工業者」など建築・土木分野をターゲットにしていく。将来的には「インダストリアルデザインやエンタメにも進みたい」(沼倉氏)という。

プレーヤーが背中に背負って動き回るVR専用機をHPとMSIが開発、ゴーストバスターズみたいに

omen-x-by-hp-vr-pc

出力は、ひたすらヘッドセットに固執している企業が多いようだ。コントローラに関しては、かなり流動的だが、良さそうなソリューションがいくつかある。でも、PCの部分はどうか?

たしかに、多くのコンピューターメーカーがVRブームに乗り遅れまいとして、強力なシステムを作っているが、しかし、デジタルの自由、のようなものを提供するために設計された技術にしては、どれもこれも、牛や馬のようにつながれていて、束縛がきつい。

と考えるのはぼくだけではないようで、MSIとHPの天才たちが、どこにもつながれないポータブルなソリューションとして、どちらも同じことを考えた。そう、映画「ゴーストバスターズ」のように、必要なものを背中に背負えばよいのだ。〔参考: 映画のファンによるコスプレ。〕

昨日(米国時間5/26)、ゲーム専用機Omenシリーズを発表したHPが今日は、VRゲームのためのPCを披露した。それは、プレーヤーが文字通り背中にくくりつけるマシンだ。この、HP Omen X VR PC PackとかOmen X by HP VR PC Packと呼ばれるシステムは、同社にとってまだかなり初期的な形のようだ。まだ詳しい情報はないが、重量は10ポンド足らずで、電池寿命は短いらしい。

HPがこのプロトタイプを披露する前に、MSI Backpack PCという、もっと分かりやすい名前の製品が発表された。これはIntel Core i7プロセッサーとNVIDIA GTX980グラフィクスカードを搭載している。すでに製造ラインに乗っているかのように見えるこのシステムは、今年台北で行われるComputexでデビューする。

スペック以外にも知りたいことは山ほどある。お値段も、もちろん重要だ。どちらのシステムも、VR専用のPCを求める消費者がターゲットのようだけど、そうなると、PCというより一種のコンソール(ゲーム機)のように見えてくる。そして、実際にはどれくらいポータブルなのか、そこが売れ行きを決めるだろう。

バックパックは必ずしも、もっともエレガントなソリューションではないけど、伝統的なPC企業が、伝統的なボックス以外のデザインを考えたのは、おもしろいね。腰痛になりそうな、気もするけど。

出典: CNET

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))