YouTubeの月間正規ログインユーザー数は15億、テレビでYouTubeを見る人も増加

今年のVidConでYouTubeは、同社がモバイルビデオでもトップであることと、YouTubeをテレビで見る人が急速に増えていることを示すデータを公開した。

中でも最大の聞かせどころは、各月のログインビジター数が15億、という数字だ。もちろんGoogleのアカウントを持たず、正規にログインしていないビューワーも、日常的に相当多いはずだ。

同社の発表によると、月間アクティブユーザーが10億に達したのが2013年だ。ただしそのときの数字は、ログインしていないユーザーも含んでいる。

ログインユーザーのうち、モバイルでYouTubeを見ている人たちの平均視聴時間は1日に1時間あまりだ。モバイルWebでは、なんといってもビデオが大人気であることを示す、すごい数字だ。

しかしCEOのSusan Wojcickiは今日(米国時間6/22)のステージで、“アメリカなどでは毎日4時間テレビを見ているから、YouTubeはまだまだこれからだ”、と貪欲に言った。

しかしまた同時に、今テレビは、その上でYouTubeを見るメディアにもなりつつある。絶対数は明らかでないが、率でいうと前年比で90%の増だ。明らかに、新たなサービスYouTube TVもその増加に寄与しているだろう。なお、デスクトップのビデオ視聴者については、とくに数字の発表はなかった。

最近ではFacebookなどもビデオに力を入れ始めているから、今後は単純なビジター数、ビューワー数よりも滞留時間が重要な比較の要素になる。そしてこちらはまだ、YouTubeの独壇場かもしれない。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

YouTube VRの中ではチャットによる対話形式/会話形式のコメントが可能に、安全なルームならね…

YouTubeにコメント書いてる人と、実際に会いたいと思ったことある? そう、ぼくもないね。

ところが、どっこい! 今日のGoogle I/OのYouTube VRに関する説明では、コメントは従来のようにテキストで書くだけでなく、VRの中にチャットルームができるので、そこでいろいろとお話ができるようになる。それ以上詳しいことはまだ分からないんだけど、音声によるスパムが猛威を揮ったりしたら、おとろしいだろうね。

そのシステムは、Oculus Roomsとほとんど同じのようだ。それは、友だちと一緒にルームに入ってビデオを一緒に見る、という機能だ。

YouTubeのこのシステムでは、あなたはアバターになって360度のスペースに飛び込み、ビデオについてチャットする。それはFacebookがF8で見せたソーシャルネットワーキングアプリSpacesとまったく同じと思えるけど、モバイルのVRではソーシャルな対話の機能が限られてしまうだろう。

でもモバイルのVRに関しては、GoogleにとってYouTubeの価値と意義が大きい。これまでもGoogleは、そうであることを隠そうとしなかった。モバイルVRは確かに、友だちが集まるためのすばらしいソーシャルプラットホームだ。でも、きちんと荒らし対策を実装してからでないと、安心して使えないだろうね。



[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

YouTube、1万ビュー以下のチャンネルは広告禁止に

YouTubeはユーザー生成コンテンツの広告表示に対策を講じ、ビッグブランドの広告があやしげなコンテンツと一緒に掲載されないようにする。今後は、累計1万ビューに満たないチャンネルではどのビデオにも広告を載せられなくなる。YouTubeがThe Wall Street Journalに伝えたところによると、この対策は昨年11月以来検討されていたもので、チャンネルがほかのコンテンツ提供者から広告収入を奪うのを防ぐことが目的だ。

YouTubeは、人種差別などの好ましくないコンテンツを含むビデオに広告が載ることに対して、広告パートナーから強い反発をかっている。Googleは間違いを詫びてポリシーを適応させたが、Coca-Cola、PepsiCo、Walmartを始めとする主要ブランドは、不快なコンテンツと共に広告が掲載されているという WSJの後広告を引き上げた。

これまでYouTubeでは、広告プログラムに参加するのが比較的容易だった。アカウント所有者であればだれでも自分のビデオに広告を載せられるので、承認プロセスはないに等しい。またYouTubeのシステムはアルゴリズムを利用して広告を掲載するコンテンツを決めるので、この種の問題を防ぐことは不可能ではないにせよかなり困難だ。

1万ビューというハードルによって、一定レベルの選択が行われる。視聴者を獲得できないような攻撃的な無名のビデオを自動的に除外することによって、人間による識別を必要とするケースが大幅に減るに違いない。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

YouTubeが[笑い]も自動キャプション―機械学習で3種の環境音を認識

YouTubeはずっと前から自動キャプションシステムをサポートしている。 近年目覚ましい進歩を遂げたGoogleの機械学習テクノロジーのおかげで、自然言語の音声認識の精度は非常に高くなった。自動キャプションは驚くほど正確にビデオに発言の字幕を作ってくれる。

Googleの今日の発表によれば、自動キャプションシステムはさらに改良され、環境音を認識して[笑い]、[喝采]、[音楽]( [LAUGHTER]、 [APPLAUSE]、 [MUSIC])と字幕をつけるようになったという。

当面、システムが自動的にキャプション化してくれるのは上に挙げた3種類だ。この点について Googleは「この3種類のサウンドは多くのビデオの制作者がマニュアルでキャプション化しているからだ」と説明している。

Googleのエンジニア、Sourish Chaudhuriは今日の発表でこう説明している。「背景音自体はもちろんきわめて多彩だ。しかし〔新たにサポートされた〕3種類の環境音は文脈的な曖昧さが少ない。これに対しして例えば何かが鳴った場合に[RING]とキャプションすると視聴者はすぐに『何が鳴ったのだろう? ベル? アラーム? 電話?』と疑問を抱いてしまう」。

ただYouTubeにこうして環境音のキャプションシステムが導入されたので、今後Googleが対象となる音の種類を増やすのは比較的簡単だろうと予測される。

システムレベルでみると、YouTubeのサウンド・キャプションはGoogleのディープ・ニューラルネットワークを弱いラベル付けをしたデータで訓練した結果を用いている。新しいビデオがアップロードされるつどYouTubeのシステムはサウンドを認識しようと試みる。このシステムについてさらに詳しく知りたい場合は(Viterbiアルゴリズムを用いているという)、 Googleのブログ記事を参照のこと。

画像:ERIC PIERMONT/Getty Images

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

YouTubeが、友人たちとビデオを共有できる実験的アプリUptimeをローンチ

YouTubeビデオの視聴をよりソーシャルな体験にする方法を探して、Googleの社内インキュベーターのArea 120が、ビデオを友人たちと一緒に見ることができるようにするアプリUptimeをローンチした。アプリは当初iOSデバイスに対してのみ提供される(14日10時の時点では日本のStoreでは提供されていない)、通常のYouTube体験とはとても異なる感覚を受けるものだ。

アプリは若々しく、活気のあるデザインを採用している、そしてTwitterのPeriscopeや、Facebook Liveのようなライブストリーミングサービスに触発された「リアクション」機能も備えている。

ビデオを見ている最中、あなたのプロフィールアイコンがビデオの周りを回遊し、そしてビデオにコメントしたり、笑い顔、驚き顔、目がハートマーク顔、怒り顔などの絵文字をポストしたりすることもできる、このリアクションはこのビデオを見る人全員に表示される(たとえ彼らが後からそのビデオを見たとしても)。またスクリーンをタップすることで画面上に「キラキラ」を表示することもできるが、これはリアルタイムで一緒に見ているひとにしか表示されない。

共同視聴体験を提供しようと、過去にもYouTubeSocialWeMeshLiveLeadAirTimeといったアプリがリリースされてきた。しかしUptimeが目指すのは、洗練されたデザインは言うまでもなく、友達がすぐに視聴に参加できなくても、経験を分かち合えるようにすることだ。

このアプリに最初に注目したのはThe Vergeである。そこでは縦型のビデオの方が楽しめると指摘されている。

YouTubeのビデオクリップを検索しUptime上で共有することで、そのビデオを他の人が見つけられるようになる。投稿すると同時に、友人たちに通知を行うためのチェックボックスもある。現時点では、このアプリであまり沢山の友人と繋がることはできない、またソーシャルネットワークからのインポート機能やアドレス帳との同期機能もなく、ただ友人たちを招待することができるだけだ。

また、はっきりさせておきたいが、このアプリはパブリックな共有を提供するものであり、プライベートなメッセージングを提供するものではない YouTube自身は、最近そのモバイルアプリケーションにアプリ内メッセージ機能を提供した。それを使えば、他のメッセージングアプリやSNSに切り替えることなく、友人たちとビデオとコメントを共有することができる。Uptimeはこうしたプライベート共有のためにはデザインされていない、その代わりビデオコンテンツそのものに対する、よりパブリックな共有性を追求しようとしている。

  1. img_3418.jpg

  2. img_3419.jpg

  3. img_3417.jpg

アプリ内のコンテンツの多くは、アプリの作成者によって準備されている。こうした「スタッフの今日のお勧め」がアプリのフィードを占めている。お勧めには、猫動画から、テレビ番組のクリップ、面白い動画など、一緒に見て意味のある様々なものが取り上げられている。

しかしUptimeにまだ欠けているものは、ビデオをジャンルで選んだり、既にシェアされているものを検索したりして、コミュニティでシェアされているものをフィルターする機能だ。あとスクリーンの一番上の場所をタップすることで一番上にスクロールバックする機能もない。これはiOSの共通ジェスチャなので、少し戸惑う。これは意図的なデザインなのかもしれない、アプリはひたすら連続してスクロールして行き、フィード上の全てのエントリーを見せようとは意図していないからだ。

また、ライブストリーミングもサポートされていない。しかしそうした機能や他の機能は、開発者たちが様々な種類のコンテンツに向けて開発や実験を行う中で追加されて行くだろう。

Uptimeは現在「招待のみ」で運営されているが、招待コード “PIZZA” で利用することができる。
(日本版:上にも書いたが3月14日10時の時点ではまだ日本のApp Storeでは提供されていない)。

[ 原文へ ]
(翻訳:Sako)

Googleのネットテレビ、「YouTube TV」の全貌が明らかに

youtube-unplugged

噂されてから一年あまり。YouTubeはエンターテイメント業界にさらなる攻勢をかける新サービスの全貌をついに明らかにした ― ライブのTV視聴サービスだ。

プラヤビスタにあるYouTubeのオフィス。100人あまりのジャーナリストたちはハンガーのような形をしたYouTubeのオフィスに集まった。私たちはそこに並べられたイスに座り、会場に流れる「Video Killed the Radio Star」と「Coffee and TV」を聴きながらこの発表を待っていた(ほんとに、YouTubeの音楽センスは素晴らしいよ)。

今回発表された新サービスのYouTube TVは、Googleのインターネットビデオ部門が数年の期間をかけて開発したものだ。YouTube Redとは違い、今回は開発を進める裏側でメディアと契約を結び、彼らのTVコンテンツを配信する権利を取得している。

ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)やBloomberg Newsによる報道からも分かるように、度重なる情報のリークによって新サービスの概要はすでに広く知られていた。

Bloombergが報じたところによれば、YouTubeはすべての主要なTVメディアと提携の話を進めてきたようだ。主要メディアのなかで、YouTube TVと最初に提携したのはCBSだった。その後、21世紀FOX、ComcastのNBC  Universal、そしてABCやESPNなどのメディアを傘下にもつDisneyも加わることとなった。

そして今日(現地時間28日)、YouTubeは詳しいチャンネルの内容と料金プランを発表した。

20170228_130701

このサービスは比較的低価格だ。家族で6アカウントまで持てるプランは月額35ドル。契約期間による縛りはない。ちなみに、ウォール・ストリート・ジャーナルによる初期の報道では、サービスの料金は25〜40ドル程度になるだろうとされていた。

しかし、放映権の関係上、現段階でYouTube TVが利用可能な地域はロサンゼルス、ニューヨーク、フィラデルフィアに限られている。

YouTubeのチーフビジネスオフィサーであるRobert Kyncl氏は、「ユーザーに『見逃せない生の瞬間』を提供できるサービスを創ることにしたのです」とYouTube TVについて話す。

彼によれば、これまでにYouTubeはすべての主要メディアとのパートナーシップを締結し、「ABC、NBC、CBS、Foxなどを含む、全国的なカバレッジ」を実現したという。

上記のメディアだけではなく、CW、USA、FX、FXX、Syfy、FreeFrom、MSNBC、CNBC、Fox News、Fox Business、Disney、Disney Jr.、NatGeo、Sprout、E!などのチャンネルも視聴可能だ。追加料金を支払うことで、ShowTimeも観れる。

しかし、Scripp、Viacom、そしてHBOなどのTime Warner傘下のチャンネルはYouTube TVでは視聴不可能だ。

これについてKyncl氏は、YouTubeは「継続的にメディアとの話し合いを続けており」、今後それらのチャンネルも加わる可能性もあるとしている。

tc6llzeu_nq0on2a2dznqa0_u9k4jxyg4tskdv3i2wunsd31dmfqvbzttb5vwcmi7fgrdws2048

スポーツファンの読者へ。YouTube TVでは、ESPN/ESPN2/ESPN3/ESPNU、FoxSports、FS1、FS2、そしてNBC Sports Netも視聴可能だ。Fox、Comcast、SEC network、Big Ten、ESPNUなどから配信されるローカルのスポーツニュースも観れる。追加料金でFox Soccer Plusも追加することができる。

加えて、YouTube TVではYouTube Redのオリジナルシリーズ(28作品)を観ることができる。これによって、YouTube Redの定額プランで視聴可能なコンテンツよりも多くを求める若い世代にアピールできそうだ ― 最近、YouTube Redは人気作品の1つだったPewDiePieを失っている。

「YouTubeが大小さまざまなパートナーたちと手を組めば、現在提供しているようなラインナップを揃えることができます。この新サービスはそれを証明しているのです」とYouTubeのチーフプロダクトオフィサーであるNeal Mohan氏は語る。「YouTubeは、TVのあり方を再発明するためには素晴らしいポジションにいると思っています。私たちはこれまでに、ハイクオリティなビデオのインターネット配信、高画質のストリーミング、クラッシュすることなくモバイルとWebをシームレスに統合するアプリを提供してきました。その私たちと同等の経験を持ち合わせる企業は他に存在しません」。

screen-shot-2017-02-28-at-4-39-35-pm

YouTube TVの機能:検索、クラウドDVR、そしてリコメンデーションとソーシャル機能

YouTube TVでは、容量無制限で、かつ同時録画も可能なDVR(デジタルビデオレコーダー)を利用できる。これは従来のケーブルTV業界にとって脅威となる機能だ。ライブTV市場では、クラウドベースのDVRは最低限そなえるべき機能として定着しつつある。YouTube TVの競合となるSling、Vue、DirecTVなどの企業も同様の機能を提供している。もしくは、その実装を計画している。

しかし、YouTube TVではアカウントごとに個別のDVRが提供される点で異なる。また、アプリがポートレート・モードになっているときにはレコメンデーション機能もアカウントごとに違う結果を表示する。過去に視聴した、または録画した番組からユーザーごとの好みを理解する仕組みだ。

LOS ANGELES, CA - FEBRUARY 28: YouTube Chief Product Officer Neal Mohan speaks onstage during the YouTube TV announcement at YouTube Space LA on February 28, 2017 in Los Angeles, California. (Photo by Jeff Kravitz/FilmMagic for YouTube)

アプリを起動すると、チャンネルの内容を確認するテレビガイド画面が表示される。そして親指をフリックしていくことで観たい番組を探すことができる。

YouTube TVには3つのセクションが用意されている ― ライブ、ライブラリ、ホームだ。ライブ・セクションは生放送中の番組を視聴するセクション;番組をタップして視聴開始、または「+」ボタンをタップして録画を開始することが可能だ。Chromecastと同じように、アプリで視聴中の番組をテレビに映し出すこともできる。

番組の検索も可能だ。「タイムトラベル」というようにテーマで検索することも可能で、番組の内容にタイムトラベル要素がある番組が一覧で表示される。

Googleのスマートスピーカー「Google Home」と連携すれば、YouTube TVを声で操作することも可能だ(同社はこの機能のデモンストレーションを試みたが、失敗した)。

アプリにバグが見つかれば、 ― この手のアプリが新しくローンチされる時にはよくある話だ ― アプリに用意されたテキスト/ボイスチャットでカスタマーサービスと直接話すことができる。

YouTube TVにはソーシャル要素もある。以前からトップクリエイターたち向けのコミュニティとして存在していた「community」タブがYouTube TVにも追加されているのだ。

Googleによれば、同社とメディアの双方がYouTube TV上で広告を販売するという。YouTube Redの会員制コンテンツ、およびYouTubeにアップロードされているものを除くすべてのコンテンツには広告が挿入される。

LOS ANGELES, CA - FEBRUARY 28: YouTube Director of Product Management Christian Oestlien speaks onstage during the YouTube TV announcement at YouTube Space LA on February 28, 2017 in Los Angeles, California. (Photo by Jeff Kravitz/FilmMagic for YouTube)

強豪ひしめくこの市場は、どこまで拡大するのか?

YouTube TVはこれから、多くのインターネットTVサービスがひしめき合う市場に参入する。

Netflix、Amazon、Hulu、HBO Nowなどのトッププレイヤーたちの他にも、DishのSling TV、ソニーのPlayStation Vue、AT&TのDirecTV Nowなどのサービスもある。Huluも独自のライブTVサービスを近日中にローンチする予定だ。

もちろん、競合とは違ってYouTubeにはすでに一定の顧客ベースがある:同社が今週発表したところによれば、YouTube上の動画再生時間は1日あたりの合計で10億時間にもなるという。

LOS ANGELES, CA - FEBRUARY 28: YouTube Chief Product Officer Neal Mohan speaks onstage during the YouTube TV announcement at YouTube Space LA on February 28, 2017 in Los Angeles, California. (Photo by Jeff Kravitz/FilmMagic for YouTube)

しかし、インターネットTVサービスという枠組みで考えると、この業界はこれまでとは違ったタイプの競争にもさらされていることが分かる。昨年秋にリリースされたアナリストによる調査によれば、初期のパイオニアであるSling TVはすでに100万人の会員を獲得している。しかも、初期のころの「つまづき」にもかかわらず、その数字は伸び続けている。YouTube TVと同じく、Slingにはベースとなるパッケージが用意されていて、個人の趣向に合わせたアドオンを追加できるようになっている。また、最近Slingはこのアドオンの料金を引き下げたばかりだ。おそらく、顧客がYouTubeに流出するのを防ぐことが目的だろう。

その一方、ローンチ当時のDirecTV Nowはバグが多すぎて、顧客がFCC(連邦通信委員会)に対して料金の返却を訴えるなんてこともあった。しかし、それでも彼らは初月で20万人の会員を獲得することができた。ただ、Sling TV CEOのRoger Lynch氏によれば、それがSlingの成長を阻害するようなことにはならなかったようだ。また彼は、この市場への新規参入によって市場全体が拡大しているとも語っている。

今日のYouTube TVの発表により、ストリーミングTV業界にさらなる注目が集まっている。そして、これから注目すべきなのは、この新規参入によって、市場に存在する数多くのサービスの成長速度が、市場全体の成長速度を上回ることになるのかという点だ。

本日以降、YouTube TVはアメリカ国内の一部の地域で利用可能になる。数カ月後にはWeb、Android、iOSのそれぞれのバージョンが出揃う予定だ。会員登録はこのWebページからできる。

(追加の情報が入り次第、記事をアップデートする)。

[原文]

(翻訳: 木村 拓哉 /Website /Facebook /Twitter

YouTubeの1日当たり視聴時間、10億時間の大台に

A picture shows a You Tube logo on December 4, 2012 during LeWeb Paris 2012 in Saint-Denis near Paris. Le Web is Europe's largest tech conference, bringing together the entrepreneurs, leaders and influencers who shape the future of the internet. AFP PHOTO ERIC PIERMONT        (Photo credit should read ERIC PIERMONT/AFP/Getty Images)

数十秒、数分といった短いビデオでも積み上げればたいへんな時間になる。YouTubeにアップされたビデオは平均的には短い。しかしトータルの1日当たり視聴時間は10億時間の大台に乗ったという。これはユーザー1人当たりYouTubeを毎日8.4分間見ている計算になる。

これを実感と比較してみるとこういうことが言えそうだ。鍵穴から部屋を覗くようなせせこましいYouTubeのビデオを何時間にもわたって視聴する「スーパーユーザー」は決して珍しい存在ではない。われわれ平均的ユーザーはあちこち数分ずつしか見ていないが、それらを合算するととてつもない時間になるらしい。ともあれ友達がFacebookでYouTube動画をシェアすることはよくある。アカデミー賞のセレモニーで大しくじりがあったと皆が話していれば話題に遅れないために見に行ってしまうことになる。

Googleによれば、10億時間のビデオを1人で見ようとすればプレイリストの再生時間は10万年になるという。しかし―上の計算のように―世界がますますインターネットでつながるようになっているため平均的なユーザーの視聴時間はそれほど長くはならない。とはいえ、YouTubeがメディアのメインストリームに確固たる地位を占めていることを示す大きな数字であることは間違いない。Facebook始め、ビデオ市場でそれぞれ分け前を得ようとしてるプラットフォームはいっそう努力する必要があるだろう。

画像: ERIC PIERMONT/Getty Images

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

YouTube、毎日ビデオ10億本を自動字幕化と発表

2017-02-17-youtube-subtitle

Googleが最初にYouTubeに自動字幕化機能を導入したのは2009年のことだったが、結果は散々だった。しかしGoogleの音声認識機能は飛躍的進歩を遂げた。YouTubeの字幕化は現在でも多少の間違いは散見するものの、聴覚障害があるユーザーには欠かせない機能となっている。今日(米国時間2/16)、YouTubeチームが発表したところによると、毎日字幕を付加されるビデオは10億本、ユーザーは1500万人に上っているという。

Googleによれば、このサービスはエラー率で人間による文字起こしに日々近づきつつある。この数年の同社のエンジニアリング・チームの努力により、字幕の正確性は50%増加した。YouTubeビデオの内容はとほうもなく広い範囲にわたるので字幕を付けるのは困難な作業だ。同時にGoogleの音声認識テクノロジーにとって非常に有用な訓練データを提供する役割も果たしている。YouTubeのユーザー・コミュニティーは字幕をチェックし、間違いがあればフィードバックする。この情報も機械学習の精度をアップするのに非常に役立っている。

YouTubeの字幕化機能は現在10言語をサポートしている。YouTubeのプログラム・マネージャー、Liat Kaverは「われわれは音声認識の最新の成果をすべての言語に活かしたい」と書いている。

〔日本版〕記事中のスクリーンショットの字幕の中央部にYouTubeとあるが、Googleのブログ記事を見ると、当初は誤ってyouという字幕をつけていた。ブログ記事原文はこちら。サポートされている言語は英語、オランダ語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、日本語、韓国語、ポルトガル語、ロシア語、スペイン語。 自動字幕起こし機能の利用法はこちら(日本語)。

元の動画(YouTubeクリエーターアカデミー)を下にエンベッドした。画面下部メニュー欄右側の四角い「字幕」アイコンをクリックすると画面内に字幕(英語)が表示される。YouTubeサイトに移動して「その他」メニューから「文字起こし」を選択すると画面下に別窓が開き、各国語に翻訳された字幕が表示される(画面内に表示される字幕とは別)

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

GoogleとKaggleの共催で大量のビデオに自動的にタグ付けする機械学習アプリケーションの懸賞、賞金総額10万ドル

verticals-mosaic-6x3-big

GoogleとKaggleが今日(米国時間2/15)、機械学習の技術でビデオのタグ付けを自動化する方法の懸賞発表した

優勝賞金は3万ドルで、2位から4位まではそれぞれ2万5千、2万、1万5千、1万ドルの賞金をもらえる。応募するデベロッパーは、Googleが最近アップデートしたビデオデータの集合、YouTube-8M V2のビデオを分類してタグ付けする。700万本のYouTubeビデオから成るこのデータ集合は、計45万時間ぶんのビデオに相当する。ラベルはすでに付いているから、デベロッパーはそれを訓練データとして利用できる。ただし、まだ誰も見ていないビデオが70万本あるから、それらのタグ付けが難関だ。
kaggle
[ビデオのURL700万 総時間45万時間 オーディオ/ヴィジュアルフィーチャー32億 クラス4716 平均ラベル数3.4]

treemap-big

この懸賞を発表したまさに同じ日に、GoogleはTensorFlowの1.0をリリースしたが、おそらくそれは偶然ではない。懸賞で使用する機械学習フレームワークは、TensorFlowに限定されない。何を使ってもよい。しかしフルフレームで1.71TBにもなるこのデータ集合はGoogleのCloud Platform上にあるから、モデルの訓練にもGoogleのサービスを使うデベロッパーが多いだろう。しかも今回は、Cloud Platformを無料で使えるオプションもある。

先週Googleは、ビデオデータ集合YouTube-BoundingBoxesをローンチした。名前が示すとおり、このデータ集合(500万本のビデオ)には下図のように、各フレームにオブジェクトを指示するバウンディングボックス(囲み枠)がある。今回の懸賞でデベロッパーがそれらを使うことはないが、Googleがビデオの分類に関心を持っていることの表れでもある。日増しに成長を続けているYouTubeは、そこだけでの検索件数が、Google検索と競合するほかのどんな検索エンジンよりもたぶん多いのだ。

image00

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

GoogleがYouTube広告主のためのツールを強化

youtube

視聴者に対する大きな成功にもかかわらず、Googleは広告主たちに対して、そのビデオプラットフォームが、ターゲットユーザーに到達するための最高の場所であると説得することに、ずっと苦労を重ねてきた。このたびGoogleは、広告主と代理店に対して、より良いツールを提供することを約束した。リーチを計測し、特定の視聴者に対しての絞り込みを行うためのツールだ。モバイルに力点が置かれる。

Googleが本日(米国時間20日)の発表で指摘したように、YouTube再生の50パーセントは、現在モバイルから行われている。広告主からすれば、これはデスクトップでは役に立っていた多くのトラッキング技術が、モバイルに移行することで役に立たなくなるということを意味している(とはいえ、あなたがこうした追跡を好まないユーザーならば、これはむしろ喜ばしいことだが)。今年以降、GoogleはYouTubeにおけるクッキーとピクセル(どちらもユーザー追跡技術である)の利用を制限していく計画だ。

「ピクセルやクッキーなどの技術は、広いエコシステムではまだ意味を持っているのですが、ほどんどが単一スクリーンのために作られたものです。ピクセルも匿名クッキーも、ユーザーがますますコンテンツをモバイルやリビングでYouTubeでみるようになることを想定して作られていません」と、YouTubeのプロダクトマネジメント担当ディレクターである Diya Jollyは書いている。「これは一貫性のない計測となって、スクリーンに関連度の低い広告が表示される可能性があります。人びとにかつて見ていたような広告やデータを表示することがより難しくなるのです」。

Googleはまた「広告主に洞察を与え、GoogleとYouTube全体のプライバシーとセキュリティを向上させる最先端の技術となる」新たな測定ソリューションを開発していると述べている。このソリューションもまた、ユーザーがキャンペーンのどこを見ているのか、そしてより重要なことだが、そのキャンペーンがどのような効果を挙げているのかを、広告主にとってわかりやすく示すことに焦点を当てている。Googleはこの新しいソリューションの開発に際しては、comScore、DoubleVerify、IAS、MOAT、そしてNielsenなどと協力する予定だと述べている。

Googleはまた、新技術は広告主たちが適切な視聴者にリーチすることをより容易にすると述べている。これは「利用者自身のGoogleアカウントに関連している(デモグラフィック情報や過去の検索履歴などの)アクティビティ情報が、YouTubeの上で見る広告に影響を与える」からだ。もしあなたが広告主であるならば、これは良い知らせだ。特にGoogleはもうすぐ小売業者たちに、Googleが持つ顧客情報の利用を許すようになる予定だからだ。これによりYouTube上で「価値ある購買者」をターゲットにすることができる。Googleはこれらの新サービスは、ユーザーのプライバシーを保護するとしているが、これはプライバシー擁護派たちが、いち早く食いつくネタになりそうである。

Googleはユーザーに対して、クロスプラットフォーム広告の見え方に対する、ある程度のコントロールを許すようにする。例えば、全プラットフォームを通して、特定の広告主が表示されないようにするといったものだ(例えば、特定の製品をもう買ったにも関わらず、ウェブの上を変わらず同じ広告で追い回されるようなときに有効だ、特に広告ブロッカーを使っていなかったような場合には)。

おそらく、大部分のユーザーがこのオプションについて知ることはないだろう。なお個人的には、広告を避けるためにYouTube Redのサブスクリプションを始めたばかりだ (どうでもよいボーナスコンテンツのためではない)。

[ 原文へ ]
(翻訳:Sako)

Udacityがディープラーニングのナノ学位基礎コースを立ち上げ、399ドルで志願者全員入学

tc-09

コンピューターの計算能力と効率がこのところ大幅に向上したため、至るところでディープラーニング(deep learning, 深層学習, 多段ニューラルネットワーク)が利用されるようになった。ディープラーニングは今では、自動運転車やコンビニエンスストア、それに病院などでも使われている。しかしこの分野は技術者の人材がまだ豊富でないため、優秀な人材が希少財として奪い合いになり、そのことが、応用分野を広げ、難しい問題を解決していくためのボトルネックになっている。そこでオンライン学習サイトUdacityは、この前導入したAIコースに加え、このほどYouTubeのスターSiraj Ravalとパートナーして、ディープラーニングのナノ学位*を付与する基礎コースを開始する。〔*: ‘ナノ学位’の簡単な説明はこの記事の冒頭訳注に。基礎コースは、ナノ学位のさらに初等コースで、Udacityの新企画。〕

Udacityは今後、このような単科の基礎コース(Foundation Programs)を重視していく意向だ。これは完全なナノ学位コースの受講がまだ無理な段階の初学者の、階段の一段目をとにかく上がりたい、という学習ニーズに応える。この新しいコースは、17週で多くを学ぶが、時間は毎週3〜4時間程度で、とにかくディープラーニングを利用していろんな問題を解くために必要十分な知識を習得する。Ravelはそれを、技術というより、考え方の習得だ、と説明する。

Ravalには、短時間で大量の情報を人に伝えた経験が豊富にある。YouTubeのコースでは期間が最大で2か月だが、彼自身が感心するほど、生徒たちの達成度は高い。

“最後に生徒たちは自分のGitHubアカウント上に5つのプロジェクトを与えられるが、その最終プロジェクトはGenerative Adversarial Networks*、この分野の最先端の技術だ”、とRavalは語る。“基礎とは言っても相当本格的だから、雇う側も安心できるだろう”。〔*: Generative Adversarial Networks, 仮訳: 生成的対立的ネットワーク, 参考記事

Ravalが考える理想の生徒とは、Pythonができて代数の基礎が分かること。プログラミングをまったくやったことのない人は、対象外。むしろ、現役のプログラマーがディープラーニングのスキルを身につけることが目的だ。

多くの人に‘入学’してもらいたいUdacityは、この基礎コースの特典として卒業後「自動運転車」や「人工知能」ナノ学位コースに無条件で入学を認め、100ドルの助成金を進呈する。これらのナノ・コースは、入学志願者の数%(自動運転は16%、AIは4.5%)しか入れない、競争率の高い狭き門だ。

“これはUdacityにとっても新しい展開であり、今年はナノ学位基礎コース(Nanodegree Foundation programs)をもっと増やしていく、とUdacityのCMO(chief marketing officer)Shernaz Daverは語る。

ディープラーニング基礎コースの授業料は399ドル*、入学志願の受け付けは今日(米国時間1/13)から1月20日まで。授業は20日に始まり、6ヶ月のコースを完了した者が卒業資格を得る。〔*: 基礎コースは全員入学。志願書提出時に399ドルを払う。〕

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Facebook、マイクロソフト、Twitter、YouTubeが「テロリスト・コンテンツ」排除で協力

Facebook CEO Mark Zuckerberg speaks at the company's headquarters in Menlo Park, Calif., Thursday, April 4, 2013. Zuckerberg says the company is not building a phone or an operating system. Rather, Facebook is introducing  a new experience for Android phones. The idea behind the new Home service is to bring content right to you, rather than require people to check apps on the device.   (AP Photo/Marcio Jose Sanchez)

Facebook、Microsoft、Twitter、YouTubeの4社は今日(米国時間12/5)、テロリスト・コンテンツがネットで拡散することを防ぐ対策で協力していくと発表した。4社は、協力して業界共有データベースを作り、各サービスで削除された「最も過激で悪質なテロリスト画像およびビデオ」を登録することによって該当コンテンツの識別に使用する。

このデータベースのしくみについてFacebookがニュースルームの発表記事に書いている。コンテンツは一意のデジタルフィンガープリントを使ってハッシュすることによって、識別、削除の効率を高める。

ハッシュされた画像のデータベースを使用する方法は、現在児童ポルノ摘発にも使われている。その本質はコンテンツに一意の識別子を与えることにあり、そのコンテンツがコピーされた場合にも同じハッシュ値が生成される。著作権付ファイルの識別にも類似のシステムが使われている。

しかし、この新プロジェクトがこれまでと異なるのは、テロリストの画像やビデオがデータベースと一致したとき、自動的には削除されないことだ。それぞれの会社は、自社のポリシーに沿ってコンテンツを削除する方法と時期、および何をテロリストコンテンツと判断するかを決める。

これは検閲に対する苦情を抑える一方で、会社の対応が遅れれば画像やビデオが削除される前に拡散、閲覧されてしまう可能性があることを意味している。

Facebookは、個人情報を共有しないことも公表しているが、収集しないとは言っていない。政府が法的手段を用いて、コンテンツがどのアカウントから投稿されたか等の情報を入手する手段は従来のまま残されている。そうした政府の要望にどう対応するか、いつ要望を公表するかについては、今後も各社の判断に任されている。

新たなデータベースは、各サービスがテロリスト画像・ビデオを発見しハッシュされたデータをこの共有リソースに加えていくことで継続的に更新される。

この取り組みは有力ソーシャルネットワークによって始められたが、大きな目標はこのデータベースを他の企業も利用できるようにすることだとFacebookは言っている。

「われわれが各社のポリシー実行し、ネットに氾濫するテロリストコンテンツの世界的問題の抑制に役立てることによって、この協業がさらに効率のよい方法につながることを願っている」と記事は言っている。

最近ソーシャルメディアでの嘘ニュースの拡散が問題になっていることを考えると、この新たな協業は、他の進行中のプロジェクトでも企業が協力していく道を作る可能性も秘めている。

偽ニュースの問題は、ソーシャルメディア全体にダメージを与え、この種のコンテンツと戦う上で企業が果すべき役割について疑問が投げかけられた。中には、企業はニュースの裁定人でもなければ物事の善悪を判断する立場にもない、と主張する人もいる ― 企業自身も責任を回避するために「無能」なプラットフォームでいることを喜ぶかもしれない。

しかし、今日のウェブに与えている膨大な影響を踏まえ、各企業は自社プラットフォームでシェアされるコンテンツに責任を持たざるを得なくなることを認識しはじめている。今やそのコンテンツは、テロリストの行動から人々がどう世界を理解するか、さらには世界規模の政治まで、あらゆる物事に影響を与える力を持っている。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

YouTube、HDRビデオのサポート開始

A picture shows a You Tube logo on December 4, 2012 during LeWeb Paris 2012 in Saint-Denis near Paris. Le Web is Europe's largest tech conference, bringing together the entrepreneurs, leaders and influencers who shape the future of the internet. AFP PHOTO ERIC PIERMONT        (Photo credit should read ERIC PIERMONT/AFP/Getty Images)

今日(米国時間11/7)、YouTubeのビデオ画質がアップグレードされた。 ビデオでHDR〔ハイ・ダイナミック・レンジ〕のサポートが開始され、コントラストの対応範囲が大きく向上した。つまり暗い情景でもコントラストがはっきりし、今までよりも鮮明に色彩を見分けることができる。ただし、現在のところこのテクノロジーは一般に普及する途上にあるので、ビデオをHDRで再生できるのは一部のユーザーとなるかもしれない。

むしろYouTubeがHDRのサポートを開始したのは、将来への対処という面が強い。

しかしユーザーが幸運にもHDRテクノロジーを搭載したテレビを持っているなら、一部のビデオでHDRを楽しむことができる。Googlによれば、HDRをサポートするYouTubeチャンネルにはMysteryGuitarManJacob + Katie SchwarzAbandon Visualsなどが含まれるということだ。機能のリリース当初にHDRで見られるビデオのプレイリストはこちら

hdrsim

Above: SDR vs HDR comparison, simulated (via YouTube)

ユーザーはHDRビデオをGoogleの最新のChromecast Ultraデバイスを通じてHDRテレビに表示できる。先ごろ発表されたChromecast Ultraのセールスポイントは4KとHDRのサポートだった。

前述のようにHDRはHDRテレビにのみ有効だ。たとえばSamsungの 2016 SUHD、UHDテレビなどだ。HDRは専用のハードウェアを必要とするので既存のディスプレイのソフトをアップグレードすればすむというわけにはいかない。そこで現在のところではHDRビデオを楽しめるのは一部のユーザーに限られることになる。

しかし将来新しいディスプレイが普及すればYouTubeがHDRをサポートすることは大きなセールスポイントになるだろう。

ライバルより一歩先んじたいビデオ・クリエーターの場合、YouTubeが昨日からHDRのアップロードを受け付けるようになったことは重要だ。Blackmagic Designのプロフェッショナル向けカラーコレクション・システムのDaVinci ResolveではHDRのアップロードを通常のダイナミック・レンジのビデオ同様簡単にアップロードできるようになるとしている。またロサンゼルスとニューヨークのYouTube SpacesではHDR録画デバイスが利用可能だ。ハイ・コントラストを可能にする高度なデバイスを必要とするユーザーはチェックしてみるとよいだろう。

画像: ERIC PIERMONT/Getty Images

〔日本版〕Blackmagic Designの日本サイトのページはこちら。YouTube Spacesは東京の六本木にもある。HDR機器が利用できるかどうかはまだ情報がない。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

YouTubeのクリエイターと企業のマーケターたちをスポンサー関係で結びつけるマーケットプレースFameBitをGoogleが買収

famebit-google

Googleが今日(米国時間10/11)、ビデオの作者と彼/彼女のスポンサーになりたいマーケターを結びつけるマーケットプレースFameBitを買収したことを発表した

このところ収益化が重大な関心事になりつつあるYouTubeにとって、これは重要な一歩だ。収益化はYouTube自身だけでなく、個々のクリエイターにとっても気になる問題だから、YouTubeはこれまでもパートナー事業などで彼らの支援を徐々に手厚くしてきたが、しかし今では、クリエイターが広告の売上やビジネスリソースの形で参加するマルチチャネルネットワーク(MCN)の成長が著しい。

FameBitを買収したことによってYouTubeはそういうMCNたちと競合関係になるのか、と思ったが、でもYouTubeのAriel Bardinは、そうではない、と言っている:

クリエイターは企業との関係を自分で選択できるし、また今では多くの優れた企業がクリエイターへのサービスを提供している。今回の買収によっても、そのことは変わらない。弊社が期待するのは、FameBitの自由で民主的なマーケットプレース上で、大小さまざまなクリエイターたちが直接、企業との関係を築き、MCNのように優れた技術的ソリューションを提供していくこと、そしてまた、エージェンシーが、クリエイターたちと企業パートナーとの有意義なマッチングをみつけることだ。

FameBitは、ロサンゼルスのスタートアップスタジオScience, Inc.が支援していた。FameBitのCEO David Kierzkowskiから昨年聞いた話によると、このマーケットプレースが対象にするのは主に“ロングテイルからミッドテイルにかけてのクリエイターたち”で、MCNたちの関心を集めているYouTubeの大物スターだけを相手にするわけではない、という。

今日の発表声明でKierzkowskiと彼の協同ファウンダーAgnes Kozeraは、彼らのプラットホームがこれまで25000の企業スポンサーつきビデオで利用されたことと、FameBitは買収後も今後当分、独立企業としてやっていく、と述べている。買収の価額等は、公表されていない。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

YouTube、ソーシャル機能充実を狙い「コミュニティ」を導入

A picture shows a You Tube logo on December 4, 2012 during LeWeb Paris 2012 in Saint-Denis near Paris. Le Web is Europe's largest tech conference, bringing together the entrepreneurs, leaders and influencers who shape the future of the internet. AFP PHOTO ERIC PIERMONT        (Photo credit should read ERIC PIERMONT/AFP/Getty Images)

以前からはあったが、いよいよYouTubeが「ソーシャル」機能を拡充することにしたようだ。YouTubeがYouTube Communityの導入をアナウンスしているのだ。クリエイターと視聴者を結ぶためのもので、コミュニケーションにはテキスト、GIF、画像などを使うことができる。もちろん、クリエイターに対してさまざまな付加サービスを追加しようとする他社サービスを意識してのものであることは間違いない。

この新機能の導入にあたってYouTubeは、フィードバックを得るために小数のクリエイターたちと数ヶ月にわたってテストを行なってきた。それをいよいよパブリックベータとして「数ヶ月をかけて」多くのクリエイターに対してプラットフォームを公開していく予定であるとのことだ。

youtube-community

新しい機能を使うこと自体は簡単で、チャンネル毎のページに新たに用意される「コミュニティ」(Community)タブを開くだけだ。

クリエイターはここにテキスト、画像、GIFなどを投稿することができる。視聴者側はこのページから「いいね」(thumbs up)したり、コメントを残すことができるようになっている。

またモバイルアプリケーションの「登録チャンネル」のフィードにも「コミュニティ」への投稿は流れてくるようになる見込みで、さらにプッシュ通知を受け取るようにもする予定だとYouTubeはアナウンスしている。

既にYouTubeコミュニティの機能を使っているクリエイターにはvlogbrothersAsapSCIENCEThe Game TheoristsKarminThe Key of AwesomeThe KloonsLilly SinghPeter HollensRosianna Halse RojasSam TsuiThreadbanger、およびVsauce3などがいる。

たとえばvlogbrothersのコミュニティページには、チャンネルのアップデートやイベントの情報や面白そうなリンクや写真の紹介などに利用していきたいと書かれている。

コミュニティページは、チャンネルオーナーに簡単なSNS機能を提供するものだ。Google+でFacebookに対抗しようとしたものの、はかばかしい成果を得ることのできなかったGoogleにとって、ソーシャルサービス構築にむけての再チャレンジという意味もある。以前にも、Google+をYouTubeなどと一体化したサービスにしようとする動きがあった(YouTubeとの連携はまもなく中止となった)。

YouTube自体にソーシャルネットワークの機能をもたせることで、Google+などの他ネットワークと連携するよりも気軽に利用できる仕組みができあがる可能性はあるだろう。クリエイターと、そのファンたちが直接に対話できるようにすることで、ソーシャル面での盛り上がりを期待しているわけだ。

YouTubeによれば、コミュニティ機能はまだテスト中のものであるとのこと。テスト中の一部クリエイターからのフィードバックを反映したり、また新たな機能を追加するなどしていく予定であるとのこと。より多くのクリエイターに機能を開放するのは数カ月後の予定であるそうだ。詳細な予定はまだ未定であるとのこと。

原文へ

(翻訳:Maeda, H

Sonyの2012年型スマートテレビは急にYouTube非対応になった!

sony-android

Sonyのサポートページ上の9月1日付のご案内によると、同社の2012年型スマートテレビでは、もはやYouTubeを見られない。でもそれは、Sonyが悪いのではない。YouTubeと、そこの意地悪な技術者たちがYouTubeアプリをテレビの能力を超えた性能にしてしまい、ふたたび、テレビでインターネットを見るならスマートテレビでなく専用のセットトップボックスを使え、という時代へ逆行してしまったのだ。

そのアプリは9月30日に2012年型Braviaテレビから削除される。それまでは、YouTubeアプリをロードしようとすると、黒い画面にエラーメッセージが出る。

テレビの国は競争が激しい。顧客の心を自社の受像機に惹きつけるために、次から次といろんな機能を載せようとする。でもそれらの機能の多くは、アップデートをサードパーティのデベロッパーに依存しているし、しかも一般にデベロッパーがアプリのメンテナンスを継続する期間よりも、家庭におけるテレビの寿命の方がずっと長い。

今では、ほとんどのテレビに何らかのスマート機能があるが、でも、NetflixやYouTubeなどのアプリにアクセスしたければ、Amazon Fire TVやApple TVのようなセットトップボックスを使った方がよい。それらが時代遅れになっても…きっとなるだろうが…、テレビ本体を買い換えるよりは(費用的にも)ましだ。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

SNS横断でフォロワーの属性も絞り込めるインフルエンサーのキャスティング基盤「iCON Suite」

icon02

YouTube、Instagramなどのソーシャルプラットフォームで多くのファンを獲得し、大きな影響力を持つようになった「インフルエンサー」。YouTubeに投稿した動画の広告収入で生計を立てるYouTuberや、Instagramでリクエストに応じて商品を紹介することで収入を得るInstagrammerという名前も良く聞くようになってきたが、彼らは従来のメディアとは違うチャネルで顧客との有効な接点を見つけたい企業にとっても重要な存在となりつつある。

2015年1月にYouTubeクリエイターと広告主をマッチングさせるサービス「iCON CAST(アイコンキャスト)」を提供したTHECOO(ザクー)は8月25日、動画メディアを展開するC Channelの子会社でインフルエンサーマーケティング企業のYellow Agencyと業務提携。ソーシャルプラットフォーム横断でインフルエンサーを検索、キャスティングする「iCON Suite(アイコンスイート)」を開始した。

iCON SuiteはYouTubeに加え、InstagramやTwitter、Snapchatといったソーシャルプラットフォームに横串で対応。インフルエンサーの影響力やファンの属性(デモグラフィック情報)を機械学習と自然言語解析を用いることで分析可能にした。これにより、クライアントのニーズも高まるInstagramについても、従来利用してきたYouTube APIでは取得できなかった情報を提供。感覚ではなくデータに基づいたインフルエンサーのキャスティングを実現する。

icon5

iCON Suiteでは、インフルエンサーをファッション・コスメ・ペット・ゲームなどのカテゴリと、ファンの性別・年代、ファン(フォロワー)数から絞り込むことが可能だ。サービス開始時は、全インフルエンサーの検索ができ、キャスティングはYellow Agency所属のインフルエンサーのみに対応する。

「iCON CAST提供から1年半、YouTuberと企業とのマッチングでは日本最大のサービスとすることができた。Google出身者の多いTHECOOでは、AdWordsの営業時代も含めて、クライアントがいかに効果を求めるものなのか、データの力がどれだけ大切かということにかけては、ノウハウがかなり蓄積されている。」とTHECOO代表の平良真人氏は語る。「iCON Suiteでは、対象をYouTubeから他のプラットフォームに広げても、実際に使っていただける企業・インフルエンサーの数で日本最大を目指したい」(平良氏)

icon3

THECOOでは、iCON Suiteの利用企業を2016年内に100社以上、インフルエンサーではInstagramユーザーのうち5000人の利用を目標としている。また、アジアをはじめとした海外への展開も年内に予定。その際には、各国で主に使われている、日本とは異なるソーシャルプラットフォームにも対応していくという。

平良氏は「ソーシャルプラットフォーム上で、自分のアカウントできちんとファンとのコミュニケーションを取れる人をインフルエンサーと定義している」とした上で、日本ではゲームやファッション・コスメ、あるいは“やってみた”動画などに人気が偏るインフルエンサーのカテゴリについて、こう話す。「発展途上だが今後に期待できる。中国やタイでは、インフルエンサーがクルマやゴルフ、スポーツなど、自分の好きなことを突き詰めた結果、カテゴリとして成立するテーマが増えた。その結果、自動車業界やラグジュアリブランドなどにも、クライアントが増えている。誰でもインフルエンサーになれる時代だ」(平良氏)

左からC Channel代表取締役社長の森川亮氏、Yellow Agency代表取締役社長の平本誠二郎氏、THECOO代表取締役CEOの平良真人氏

左からC Channel代表取締役社長の森川亮氏、Yellow Agency代表取締役社長の平本誠二郎氏、THECOO代表取締役CEOの平良真人氏

YouTubeは接続の97%がHTTPS化、とGoogleが発表…残りの3%はまだ時間がかかりそう

Old Vault Door in Bank

この春Googleは、同社のTransparency Reportに新しい章を設けて、同社のサーバーとユーザーのデバイスとのあいだのHTTPS接続の現状を明らかにした。しかしそのときはGoogle Drive, Finance, Gmail, Maps, Newsなど同社のメインのプロダクトのデータだけだった。そして今日(米国時間8/1)Googleは、YouTubeとGoogle Calendarを、その仲間に加えた

YouTubeでは今、すべての接続の97%がHTTPSであり、Calendarでは93%だ。

2016-08-01_1028

YouTubeはなにしろ大きいから、Googleが何をやるにしても簡単ではない。でも同社によると、YouTubeの膨大なトラフィックも同社自身のCDN Global Cacheにより、暗号化しても比較的容易に扱える。それは、HTTPSの中核的アルゴリズムAESにハードウェアによるアクセラレーション(加速)を適用していることが、大きく寄与している。

Googleの主張では、HTTPS接続はYouTubeのユーザー体験も改善する。今日発表された声明によると、“ユーザーはYouTubeのビデオを携帯電話やスマートTVなど、さまざまなデバイスで見る。そこでわれわれは、あらゆるデバイスでHTTPSをA/Bテストし、ユーザーにネガティブな影響が及ばないようにした。その結果、HTTPSは多くのクライアントの体験の質を良くすることが判明した。コンテンツの真正性が確証されることによって、〔粗悪コンテンツによる〕さまざまなストリーミングエラーを排除できたからだ”、ということである。

YouTubeに関しては、まだGoogleのテストから漏れたデバイスがとても多いと思われるから、上で言っていることはおそらく100%真実ではないだろう。でもGmailの場合と同じく、同社は時間をかけて安全でない接続を排除していくだろう。同社のスポークスパーソンは、それがいつになるかは明言できない、と述べた。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

リオデジャネイロオリンピック開幕間近。もちろんGoogleも準備完了

hjwwgt6morilqwsmiwotl61rv7_vftnl60rvhlbrusbpysfp5rejgyvcpnoxq8zlq_jic57srvwnb5vvnhfniz1xnb2uut1btq9ej0gw7xdqnm0kynfzfmcsiyj_etccscaithnl

いつの間にやら「まもなく」オリンピックの時期となった。ソファーに座っていろいろな競技についてのニュースをチェックしてきたあなたの努力も、いよいよはれ舞台で活用できる日が近づいているわけだ。Googleも準備万端整えて、さまざまな人の愉しみを支援してくれようとしている。

Google以外もオリンピック関連コンテンツをフィーチャーする昨今だが、Googleはより簡単に、オリンピックを一層楽しむための仕組みを提供しようとしている。検索で得られる結果についても当然ながらオリンピックを意識したものとなっている。個々のアスリート情報、種目別の結果、メダル獲得数や国別の試合スケジュールなども表示されるようになった。モバイル版のGoogleアプリケーションでは、オートアップデートの機能も加えられている。

この動きに(もちろん)YouTubeも加わっている。YouTubeはリオデジャネイロに15名を派遣して現地の様子を伝えようとしている。また60ヵ国のメディアと協力して、ハイライトを提供することにもなっている。たとえばAmerica MovilやNHKなどとも提携していて、Googleの検索結果にもビデオ情報が反映されることとなる。さらにはGoogle Mapを使ったハイライト情報も提供されることとなっている。

原文へ

(翻訳:Maeda, H

YouTuberと企業を結ぶプラットフォーム「BitStar」、運営のBizcastがコロプラから資金調達——海外展開も視野に

Googleの積極的なプロモーションもあって、言葉としても定着した感のある「YouTuber」。そのYouTuberとクライアントとなる企業を繋ぐマッチングプラットフォーム「BitStar」を運営するBizcastが8月1日、コロプラを引受先としたシリーズAの第三者割当増資を実施したことを明らかにした。調達額は非公開だが、関係者の話によると億単位の調達だと見られる。

BitStarは2015年9月のリリース。YouTuberをインフルエンサーにして商品のマーケティングを行いたいクライアント企業と、動画広告での収益化を図りたいYouTuberをマッチングするプラットフォームだ。MCN(マルチチャンネルネットワーク:YouTubeチャンネル運営者と提携してコンテンツ作成やプロモーション、権利管理などを行う組織)やタレント事務所に所属していない、事務所無所属のYouTuberの登録が中心となっている。

UUUMやiCON CASTなどYouTuberと企業を結び付けるサービスはほかにもある。Bizcast代表取締役の渡邉拓氏いわく(1)3200万チャンネル登録者とインフルエンサーのネットワーク規模が大きい、かつジャンルも多岐にわたること、(2)YouTuberとともに最適な企画を作るほか、機材貸与やファン向け施策の支援なども実施した「YouTuber寄り」な運営をしていること、(3)YouTuberごとのクリック単価や再生回数、再生数ベースの効果分析など、企業向けに効果測定のレポーティングを充実させていること——の3点がBitStarの特長だという。

screenshot_605

同社は7月で第3期目を迎えたが、1期から2期での売上は10倍以上(売上の金額は非公開だが、動画の単価は数万円から1000万円以上、数百万円規模が中心)に成長しているそう。クライアントは大手企業が中心で、たとえばゲームだとスクウェア・エニックスやフジテレビジョン、アプリならペロリ(MERY運営)、美容ならアルビオン、ユニチャームなどの名前が挙がる。例えば競馬好きのYouTuberが競馬ゲームの紹介とあわせて馬券を購入、実際に120万円の馬券を当てて話題になった動画などがあるそうだが、この動画を通じて約5000件のアプリダウンロードが発生。CPI(インストール単価)数十円という好調な結果を得た事例などがあるという。

screenshot_606

Bizcastは今回の調達をもとに新商品開発やシステム開発強化、人材拡充を含めた経営基盤の強化を進めるとしている。渡邉氏いわく、いわゆるタレントマネジメント業までは行わないものの、システムや制度面で事務所無所属のYouTuber向けの支援施策も強化するという。クライアント企業に対しては、戦略立案から企画、調査、実行、効果測定までをサポートできる体制を拡充するとしている。

また今後はアジア圏を中心にしたビジネスの拡大を進める。具体的には、国内企業のアジア向け施策のマーケティング・プロモーション支援や現地企業と現地YouTuberのマッチングなど。これに向け、グローバル戦略向けの人員体制も強化する予定だ。加えて、YouTuber以外のプラットフォームでのインフルエンサー獲得についても検討しているという。同社では今期目標について「売上で前期比5〜10倍を目指す」(渡邉氏)としている。