AmazonのiOSアプリにカメラによる商品検索機能搭載―リアル店舗のショールーム化いよいよ進行

消費者は現在でもリアル店舗を訪れるとスマートフォンを使ってさかんに価格比較をしているが、店舗にとって状況はさらに悪化しそうだ。

Amazonは「カメラでショッピング」機能をメインのiOSアプリに追加した。これまでは棚に並んでいる商品のバーコードを読み取る必要があったが、これからは写真を撮るだけでAmazonその他のeコマースサイトとの価格比較ができる。

Amazonにとっては商品の画像認識は新しいテクノロジーではない。Amazonはすでに傘下のA9(オンライン検索および広告事業部)からFlowというスタンドアロン・アプリを提供している。

今回はこのツールがメインのアプリに統合されたわけだが、ここでもFlow機能と呼ばれている。スタンドアロン・アプリが公開されたのは2年と少し前だが、AmazonはメインのiOSアプリに統合する前に十分な時間をかけてテストを繰り返してきたわけだ。

FlowのiOSアプリ(将来はAndroidにも)の発端はAmazon A9がSnapTellを買収したときに遡る。このスタートアップは画像による商品検索テクノロジーの開発を行っていた。SnapTellで商品(正確にはCD、DVD、ゲームのジャケット、書籍の表紙)の写真を撮ると、Amazon,だけでなくGoogle、eBayその他主要なeコマースサイトの価格を検索することができた。

AmazonのiOSアプリに統合されたFlowの検索対象はオリジナルより広い。CDやDVDのパッケージや本の表紙だけでなく、ロゴやキャラクターなど特徴ある画像を幅広く認識できる。さすがに箱から出してしまった商品、たとえば居間に転がっているヘッドホンの写真では検索できないが、ショッピングの際の価格比較用には問題ないだろう。

正確さと幅広さでは商品のバーコードをスキャンするのが一番だが、商品を棚から取り出してひっくりかえさねばならないこともあるし、印刷位置がわかりにくい商品もあるのでやはり多少面倒だ。パッケージの写真をぱちりと撮るだけいいというのはやはり使い勝手がいい。.

カッコーが他の鳥の巣に卵を産み付けるように、Amazonはライバルの現実店舗を自社のショールーム代わりに使うという寄生虫作戦を取っている。画像認識機能の追加で、この作戦はますます効果的になるだろう。

〔日本版:このバージョンのAmazonアプリは現在は日本のApp Storeからはダウンロードできない。アメリカのApp Storeで有効なIDが必要〕

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Googleがデジタル美術振興のためDevArtプロジェクトを立ち上げ…創設記念作品を公募中

GoogleはDevArtと呼ばれるプロジェクトで、絵の具と絵筆とキャンバスに代わり、コンピューティングとネットワーキングと、そのためのコード(プログラム)を使って創作する美術の振興と、そのビジネス化に貢献しようとしている。

このプロジェクトの立ち上げを記念した展覧会がロンドンのThe Barbican舞台芸術センターで行われ、4人のアーチストの作品が展示される。そのうち3人はすでに決まっているが、あと一人はGoogleが今行っている公募で最終的に決まる。以下の三つのビデオは、すでに決まっている三名ないし三組を紹介している。

Zach Lieberman

Varvara Guljajeva and Mar Canet

Karsten Schmidt

Googleはこれらのアーチストたちに、GoogleのAPIやGoogleの既存の製品~サービスを利用した新しい対話的な作品を依頼した。その結果これらの作品には、Kinect、Unity、WebGl、Arduino、Raspberry Pi、Google+、Google Maps、Twitterなどが利用されている。Googleが選んだこれらのアーチストたちの経緯や現況等は、各アーチストのホームページで見られる。

自分にはプログラミングと美術の両方の才能があると日頃から感じておられる読者は、4つ目の作品に応募してみてはいかがだろうか。応募はGoogleのDevArtのWebサイトで行う。Googleによる審査の便宜のために、作品はGitHubにとりあえず置くこと。締切りは3月28日、当選発表は4月15日に行われる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Google、YouTubeのCEOにスーザン・ウォジスキー上級副社長を任命―サラー・カマンガーは新プロジェクト担当に

The InformationRe/codeはGoogleは創立当初からの社員で広告/コマース担当上級副社長のスーザン・ウォジスキをYouTubeのトップに据えるのではないかと推測していたが、それが事実であることが確認された。Googleがわれわれに対して確認のコメントを送ってきた他に、ウォジスキ自身がTwitterでYouTubeへの異動を明らかにした。.

ウォジスキはこれまでのYouTubeのCEO、サラー・カマンガー上級副社長の後任となる。カマンガーはGoogleの9人目の社員で、2010年にYouTubeのファウンダー、チャド・ハーレーに代わってそのトップとなった。ウォジスキはGoogleの16番目の社員だが、それ以前に1998年のGoogleの創立時に、ラリー・ペイジとサーゲイ・ブリンにガレージを貸したことで有名だ。

GoogleのCEO、ラリー・ペイジの声明によれば、今回のトップの人事異動でYouTubeの経営戦略に大きな変化はないという。

サラーとYouTubeチーム全員は素晴らしい仕事をした。YouTubeは10億人のメンバーを擁する全地球的コミュニティーに成長し、ありとあらゆる動画をキュレーションしている。誰でもクリエーティブなコンテンツをアップロードして世界に向かって発信することができるし、さらには金を稼ぐこともできる。サラー同様、スーザンも不可能に挑戦するのが好きだ。スーザンはYouTubeを一層ユーザーに愛される存在にしていくことだろう。

とはいえ、この異動はGoogleがYouTubeの収益性を改善するために広告とeコマース戦略の強化に力を入れ始めたことを意味するのかもしれない。ウォジスキはこれまでGoogle広告ビジネス全般を統括してきた。またAdSenseの成長でも大きな役割を果たしたし、パブリッシャーがさまざまな方法でコンテンツから収益を上げる手法を開発してきた。

Re/codeの記事によると、カマンガーはGoogleで初期段階のプロジェクトを指揮する役割に就くという。これはベテランの上級幹部を新事業の責任者に充てるという最近のGoogleの人事政策(アンディー・ルービン、ジェフ・フーバーなど)に合致するものだ。

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Oculus RiftヘッドセットとThalmicのMyoアームバンド・コントローラーが接続されたらゲームはすごいことになる

完全没入型VRゲームが実現する日は意外に近いかもしれない。Oculus Riftはその方向への大きな一歩だが、ThalmicのMyoは理想的なパートナーとなるかもしれない。Myoはユーザーが手と腕でジェスチャーするとその筋電位を読み取って接続されたデバイスをコントロールするアームバンドだ。

Oculus Riftの仮想現実ヘッドセットは装着者の頭の位置を読み取ってディスプレイに表示される内容を動かす。最新モデルでは上下左右を見回せるだけでなく前後の動きによってズームイン、ズームアウトができるようになった。しかしミサイルの発射などの操作には依然として専用の物理的コントローラーを使う必要がある。これはやはり現実感を多少なりと損なう。たとえば目の前にハシゴがあっても手を伸ばしてつかむことはできないし、手で銃の狙いをつけることもできない。

そこでOculus RiftとMyoアームバンドが連携すれば理想的だということをまずベンチャーキャピタリストが気づいた。もっともSpark Capitalは双方の会社に投資しているのでこのアイディアを得たのは偶然ではない。事情に詳しい情報源の話によれば、Sparkが両社に投資を決めたのは両デバイスの連携の可能性を考えたからだという。Thalmic自身はこのアームバンドを一般的な入力デバイスとして広くマーケティングしていきたいと考えているが、投資家としてはまずゲーム分野に進出して利益を確保することを望んでいるという。

実際、Oculus/Myoの提携は単なる噂ではない。Myoのファウンダー、CEOのStephen Lakeはわれわれの取材に対してメールで「(Riftとの)接続システムを開発中だ」と確認した。

Oculus Riftの成功のカギの少なくとも一つは、ゲームのキャラクターと仮想現実の相互作用をいかに現実的にシミュレーションできるかにかかっている。一方、Myoが離陸するためにはこのデバイスが役立つことを十分な数の消費者が納得するような応用分野をまず発見する必要がある。つまりRiftとMyoはまさに似合いのカップルだ。この結婚から何が生まれるか大いに楽しみだ。

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サトヤ・ナデラ執行副社長がMicrosoftの新CEOに就任―ビル・ゲイツはテクノロジー・アドバイザーに

Microsoftは大方の予想どおり、スティーブ・バルマーの後任の新CEOにサトヤ・ナデラ(Satya Nadella)を任命したと公式に発表した。 NadellaはMicrosoftに過去22年間在籍し、これまでクラウドとエンタープライズ担当執行副社長を務めていた。ナデラは同時にMicrosoftの取締役会にも参加する。ファウンダーのビル・ゲイツはこれまでよりMicrosoftへの関与を強める

ナデラはMicrosoftのクラウドサービス事業の推進のカギを握る人物と認められてきた。ナデラはまたBing、Xbox 、Microsoft Officeの最高責任者でもある。ナデラはMicrosoftのビジネス・サービス事業をわずか5年間に15億ドルから50億ドルに急成長させた。

スティーブ・バルマー前CEOは全社員向けのメールでこのニュースを発表し、「Microsoftの将来に大いに興奮している」(バルマーらしい。この大男がいなくなると寂しい)と述べた。ナデラ自身も社員向けにメールを送り 、ゲイツにMicrosoftの業務に関与する時間を増やすよう頼んだことを明らかにした。ナデラはイノベーションの重要性を指摘し、特にモバイルとクラウドがMicrosoftの将来のカギとなる重要分野だと述べた。

私は今後10年間にコンピューティングがいっそうユビキタス化し、新しい知的環境を作り出すと考えている。ソフトウェアと新しいフォームファクターのハードウェアは手をたずさえて発展し、われわれのビジネス、生活、そして世界をさらにデジタル化することになるだろう。これを可能にするのは、ますますインターネットに密接に接続するようになるデバイス、クラウドの膨大なコンピューティング能力、ビッグデータをベースにした洞察、機械学習による知能だ。

ナデラはさらに将来のコンピューティング環境においてMicrosoftは独自の位置を占めているとして次のように述べている。

Microsoftは あらゆるデバイスを通じて、あらゆる人々、あらゆる組織にソフトウェアの力を届ける力をもった唯一の存在だ。巨大な可能性を持つプラットフォームとエコシステムの建設と発展の努力とその実績においてMicrosoftは比類ない会社だ。

ナデラのCEO就任はMicrosoftが現在190億ドルのサーバーおよびツール事業へさらに力を入れることを意味する。新CEOはXBox事業の責任者であり、知的所有権、対話的TVなどの分野にも手腕を発揮しそうだ。この点でもナデラは他の候補者よりはるかにCEOとして適任だ。ナデラ’はクラウドとモバイルの重要性を繰り返し強調したが、これはMicrosoftがハードウェア事業を軽視するようになることはないという決意の表明だろう。

MicrosoftはナデラのCEO任命と同時に、元CEOのビル・ゲイツがファウンダー・テクノロジー・アドバイザー(Founder and Technology Advisor)に就任することを発表した。これによってゲイツは現在よりも積極的にプロダクト開発に参加することになる。これはナデラがハードウェア事業に経験が不足しているとみられることに予め先手を打った動きだ。実際、ゲイツがベンチを出て打席に立つようになれば、チームは大いに強化されるだろう。新しい役職のもとでゲイツは時間の30%をMicrosoftの業務にあてることになる。

Microsoftの39年の歴史でナデラは3人目のCEOだ。その前はゲイツが1975年から2000年まで、バルマーが2000年から2014年1月までCEOを務めた。

Microsoftは今回の人事異動に関して太平洋時間午後12:00からウェブキャストを行うということなのでわれわれは引き続きフォローしていく。

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AppleはiWatchのために誘導充電とディスプレイのソーラーパネル化をテスト中

Appleの来(きた)るべきスマートウォッチの開発には、誘導充電と太陽光発電電池の探求が含まれている、とThe New York Timesが報じている。同紙は電池技術全般に関する長編の概要記事の中で、Appleがスマートウォッチの無線誘導充電と、ディスプレイにソーラーパネルを組み込んで太陽光や環境光から電力を取り出す方法を試験している、と明かしている。

どちらも、腕に装着するAppleのウェアラブルのために現在テスト段階にある技術、とされている。ということは、Apple iWatchが来年発売されるとするなら、それには間に合わないことを意味しているのかもしれない。たとえば、とりわけ太陽光充電は、NYTのその記事によれば、一般的に実用化は数年後、とされている。

でもそれは、現在のウェアラブルの最大の難点を克服する技術だから、Appleが腕につけるタイプのスマートデバイスの開発でとくに力を入れている、という話は単なる仮定としても大いにありえる説だ。先日9to5Macには、iWatchは健康とフィットネスに注力、という記事が載り本誌も紹介した。そのためにAppleは今、iOS 8に最初からインストールされているアプリとして”Healthbook”を開発しているらしい。また、その後の詳報はないものの、Appleはユーザの体の動きによる充電を検討中、という噂もあった。なにしろ、雰囲気としては、今Appleは新しい充電技術を、あれやこれやとトライしているらしいのだ。

電池寿命はいわば、製品としてのウェアラブルの急所だ。充電が面倒で、しかも、充電を忘れてアプリが動かなくても人生の重大事ではない、と分かれば、装着しない人や、最初から買わない人が増えるだろう。デバイスの充電という面倒な手間が、また一つ増えることを、多くの人が歓迎しない。充電がどうしても必要なら、その間隔をできるだけ長くするのが、開発の重要要件の一つになる。この点に、今Appleは苦労しているようだ。

Appleは、一般消費者や評論家などが、事前に“こんなものが必要だ・欲しい”とは思いもしなかったものを、売ることに何度も成功してきた。iPadは、その最近の成功例の一つだ。スマートウォッチも、そんな彼らの成功作の一つになるのかもしれない。今そのために、新しいより効果的な充電方法をいろいろテストしているという報道が確かなら、Appleのイノベーションのねらいどころは、またまたドンピシャリ正しい、と言わざるをえない。

iWatch画像制作: Todd Hamilton.

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スマートウォッチPebbleのアプリPurrは時間が実際に過ぎ去るものであることを自覚させる

昨日(米国時間1/30)は、Durrという、5分おきに振動するだけで文字盤のまったくない腕時計が、Vergeで大きく取り上げられた。記事の筆者のAaron Souppourisは、その体験をPebbleと比較していた。それを読んだあるデベロッパが、同じことをPebbleで実現することに挑戦した。新しいデバイスを作るわけではない。彼は次に出るPebble OS 2.0用に、Purrという名のアプリを作ったのだ。

そのPurrアプリはDurrの機能を正確に模倣し、腕につけたPebbleを5分ごとに振動させ、ディスプレイにはまったく何も表示しない(上図)。何か白紙のようなものを表示しているのではなくて、Pebbleのスクリーンをoffにしているだけだ。PurrアプリもDurr腕時計もねらいは同じだ。それは、時間が5分経つたびにユーザに光陰矢のごとしであることを想起させ、もっと充実した楽しい時間のすごし方をしなくちゃ、と真剣に自覚させることだ。

ただしDurrには文字盤が最初からないので、ふつうの時計として使ったり、アプリを動かすことはできない。またPurrの場合は、Pebbleからのいろんな通知はそのままやってくる。それはもしかして、Purrで人生観を変えたいと願ったユーザには邪魔かもしれない。また現状のPurrはPebble OS 2.0のプレビューバージョンの上で動くベータなので、5分おきの振動が一回で終わらずにランダムに繰り返すことがある。それについてPurrを作ったJames Brooksは、今デバッグ中だと言っている。

時間が、止(とど)めようもなくどんどん流れ去っていくこと、自分が死に一歩一歩近づきつつあることを、ユーザにたえず自覚させる腕時計は、ガジェットとしては珍種だ。でもこのPurrアプリは、Pebbleの今度のSDK 2.0がデベロッパに相当いろんなことを自由にやらせてくれることの、例でもある。スマートウォッチはもしかして本当にプラットホームではないか、という気にもなってくる。そう思わせる自由度や柔軟性が、ちらりと見えてきたのだ。

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Androidゲーム機Ouyaが16GBの機種を出す($129)、8GBは$99のまま

Ouyaの最初のハードウェアは内蔵ストレージがわずか8GBだったが、昨年のクリスマス期に期間限定で発表された全身真っ白の機種は16GBだった。そして今回同社は、16GBを恒久オプションとし、その正規の全身真っ黒マット仕上げの機種はWiFiが強化され、コントローラのデザインも微修正された。

16GBバージョンはMSRPが30ドルアップして129ドルになる。Ouya.tvのほかに、AmazonとAmazon.caで今日から売られる。オリジナルの8GBの機種は99ドルのままだ(Amazon.caでは69ドル99セント)。

コントローラの改良は、ジョイスティックとボタンの反応が良くなり、全体的に反応の遅れがなくなったこと。WiFiの強化については、まだ具体的な情報が得られていない。なお、ファームウェアも改良され、Androidハードウェアとしてのパフォーマンスが向上した。

Ouyaは最近、創業時からのメンバーの一人、プロダクト担当VPのMuffi Ghadialiが去るなど、問題をいくつか抱えている。売上データが公表されないので業績は不明だが、今回は改良内容が地味だから、“新機種!”と呼べるほどの迫力と魅力はない。

このプラットホームのための開発をしているデベロッパたちが最近、Gamespotでソフトウェアの売れ行きについて書いている。そこから、ハードウェアの売れ行きも類推できるかもしれない。彼らの話は単純ではないが、でも全体的な印象としては楽勝とは言えないようだ。最初はKickstarter上でのクラウドファンディング、それからKleiner PerkinsらによるシリーズAと、これまで同社は合計2360万ドルの資金を集めている。

〔訳注: US AmazonではOuyaに…日本時間0201 00:05PM…549件のリビューがあり、星5つが233、星4つが124だ。〕

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iOS 8とiWatchでは健康チェックが最大の機能に, Appleの役員とFDAが会談

震源地が自分である噂に関しては以前から確度の高い9to5Macによると、Appleは来(きた)るべきiOS 8で、モバイルデバイスによる健康チェックに革命をもたらす。そのiOS 8でやってくるマーキーアプリケーションは”Healthbook”と呼ばれ、健康とフィットネスとトレーニングに関するすべての情報をモニタし、iWatchがモニタする生命徴候信号も読み取る。9to5Macの筋によれば、大量のセンサを搭載したiWatchは目下、“順調に開発が進められている”そうだ。

そのヘルスモニタリングアプリ”Healthbook”は、最初からiOS 8にインストールされており、Fitbit、Nike、Runkeeper、Withingsなどなど、この分野の既成勢力にとっては大打撃になる。それは、歩いた(走った)歩数や距離、燃焼カロリー、体重の変化、血圧、体や皮膚の含水率、脈拍、などなどなどなどをモニタし報告する。

AppleがiOS 8でヘルスチェックに力を入れることは、今週のいくつかの報道が裏書している。たとえば今朝のThe New York Timesは、Appleの役員たちが昨年の終頃FDAと会談してモバイル機器の医療的利用について議論した、と報じている。またAppleは2013年の7月に医療機器大手Masimo Corporation(日本法人)の医学担当最高役員Michael O’Reillyを引き抜いた、とされている。とくにO’Reillyは、パルスオキシメトリー(脈波型酸素飽和度測定)の権威として知られている。この技術は、指先などにつける簡単な光学センサ装置で、人に痛みや不快感や傷を与えることなく、重要な生命徴候信号を読み取る。

9to5Macの記事は、”Healthbook”の機能の説明が詳しい。まずその名前はPassbookにあやかっているのだろう。ユーザはカードを次々とスワイプして、ひとつひとつの生命徴候データを見ていく。全部見終われば、その時点の自分の健康状態や診療関連の状態が分かる。ただし、記事に書かれている機能やインタフェイスは、今後のFDAの介入などによって変わる可能性がある。

iWatchに関してはあまり情報がないが、リリースは年内で、Healthbookにデータを供給するためのセンサ群を搭載するらしい。ただしHealthbookは、Appleの規格を満たすサードパーティ製のモニタや機器からでもデータを読み取ることができる。iWatchでもうひとつおもしろいのは、これは地図が最重要なアプリとなるスマートウォッチで、腕時計ならぬ腕ナビとして使えることが、最大の売りになるらしい。

今Appleに問い合わせ中なので、何か情報が得られ次第この記事をアップデートしよう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


デジタル一眼の持ち運びを便利にするMiggo。ストラップとプロテクターの機能をミックス

新たにKickstarterに登場してきたMiggoは、便利な道具をさらに便利にしようとするツールだ。基本的にデジタル一眼レフカメラの「ストラップ」として利用するものだが、撮影を終了すればカメラバッグ風にカメラを守ってもくれる。プロのようなカメラバッグを持ち運ぶ必要はないものの、しかしそれなりの耐衝撃性を確保したい場合などに便利に利用することができる。場面に応じて、ストラップになったり、あるいは保管して持ち運ぶためのツールになったりするのが嬉しいところだ。

このプロダクトはイスラエルのインダストリアルデザイナーであるOhad Cohenの手になるものだ。実はカメラバッグメーカーであるKataのファウンダーでもある。Kataはプロにも、そして趣味用途の利用者にも人気のカメラバッグメーカーだ。Cohenは当初プロダクトデザインを行っていて、後にR&Dを担当していた。すなわちカメラ用のプロダクトを作るのにはまさにうってつけの人物であるということになる。

スマートフォンが普及したことで、多くの人々にとって写真というものが一層身近なものになった。しかし高性能なカメラ機材を持ち歩くのは大変であり、そのせいでDSLRなどを持ち歩く人が少ない現状となっている。少なくともCohenはそのように考え、この状況を変えようとMiggoをデザインしたわけだ。利便性を意識して、カメラ利用時のストラップと、そしてカメラ携行時の持ち運びツールの2つの役割を合体させたのだ。尚、好みに応じてStrap&Wrap版とGrip&Wrap版を選ぶことができる。双方ともにレンズとボディを安全にくるむ移動用プロテクターとして機能する。プロテクターモードでカメラを包み、あとはショルダーバッグないしバックパックなどに放り込んで持ち運ぶわけだ。レンズ収納のための区切りスペースのついた本格的カメラバッグや、梱包材の入ったカメラバッグを持ち運ぶほどでもない場合に、非常に便利に使うことができる。

尚、三脚用のアダプターも装備されていて、セルフタイマーなどで三脚を利用する場合にもMiggoを取り外さずに済むようになっている。通常のデジタル一眼用の他、ソニーのNEXシリーズのようなミラーレス用も用意されている。先行申込み割引は30ドルから提供されていたが、これはすでに規定申込数を完了している。今はGrip&Wrap版が35ドル、そしてStrap&Wrap版が40ドルにてプレオーダーを受け付けている。

個人的にも空港などで70ポンドもあるカメラバッグを持ち歩くのにうんざりしているところだ。交換レンズなどを数多く持ち運ぼうと思わないとき、このMiggoが便利に使えるかもしれない。プロトタイプはほぼ出荷可能状態にまで仕上がっており、6月には出荷を開始したいとのこと。実用性と利便性、そしてデザイン面での魅力をバランスよく備えているプロダクトだと思う。おそらくは2万ドルの調達ゴールはすぐにも達成するのではないかと思われる。

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(翻訳:Maeda, H


Dell、HDMI端子付テレビにつながる129ドルのAndroidスティックを発売

Dellの自社ラインアップにAndroidを導入する挑戦は続いている。この新しい129ドルのデバイスは、GoogleのモバイルOSをHDMI入力付のテレビやモニターに持ち込む。Dell Wyse Cloud Connectは、Android Jelly Beanを塔載し、MHL(モバイル・ハイデフィニション・リンク)接続をサポートしている他、Bluetoothおよびmini USB経由でマウス、キーボード等も接続できる。

内蔵Bluetoothに加え、Dell Wyse Cloud Connectは、802.11n デュアルバンドWi-FiとGoogle Playストアを標準塔載している。これはエンタープライズおよびビジネスをターゲットにした商品だが、標準でインストールされているDellのWyse PocketCloudトソフトウェアによって、リモートコンピューターのバーチャル端末としても使える。

これは、事実上、長らく待望されてきた持ち歩き自由で自宅のファイルやソフトウェアやコミュニケーションも利用できるシン・クライアントPCだ。もちろん、出張者がエンターテイメントに利用できないという意味ではない。フルHDの出力を備えNetflixのAndroidアプリも容易に走るはずだからだ。

その「マルチコア」のCortest-A9 ARM SoCは、世界一強力なモバイルプロセッサーではないかもしれないが、Dellは、そのHDおよび3Dグラフィック能力を、特にスペックシートで謳っている。8GBのストレージ、RAM 1GBを内蔵し、micro SDスロットを使えば72GBの追加ストレージを得られる。

あくまでも表面的な印象からだが、出張の多いビジネスマンのつらい旅先には断然おすすめする。果たしDellがこの方向に進んでOuyaやGamestickなどの市場に参入し、ビジネス色に塗りかえることができるのかどうか、今後が楽しみだ。

妙な気分だが、過去少なくとも5年間で初めて、私はDellコンピューターを欲しいと思っている。信じられない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


Starwood Hotels、Bluetooth LEを使ったキーレスエントリーシステムの実験を開始

間もなく、ホテル滞在の際にフロントで時間をかけて手続きを行う必要などなくなるかもしれない。予約した部屋に直接向かえば、部屋の側で客を認識してドアを開けてくれる。こんな実験を行おうとしているのはStarwood Hotelsだ(via WSJ)。特別のアプリケーションをインストールしたスマートフォンのBluetooth 4.0機能を利用して、ハーレムおよびクパチーノのホテルで、キーレスエントリーの実験を行おうとしている。第1四半期中にも実験を開始したい考えだ。

利用するのはNFCではなくてBluetooth LEであることにも注目しておいて良いだろう。iPhoneや、ハイエンドのAndroidスマートフォンで採用されている規格だ。バーチャルキーをアプリケーションで配布し、そして画面をタップしたりあるいは何らかのジェスチャーを行ってドアを開けることができるようになる。

Starwoodは今回の実験につき自信を持っているようで、CEOのFrits van PaasschenはWSJに対し、いったん広まり始めれば、この方式が一気にホテルでの標準形式になるだろうと述べている。鍵が複数必要な場合の取り扱い方や、子供に鍵を持たせたい場合にどうするか、またセキュリティは担保されるのかどうかなどといった問題はある。また、フロントには予定より早く到着してしまったゲストの部屋割りなどを臨機応変に手配するといった役割もあり、この辺りをどうするかということもテスト期間の間にノウハウを蓄積していくことになるのだろう。

実のところ、チェックインという仕組みについては、多くのホテルが何とかしたいと考えているところだ。とくに混みあった時間帯では、チェックインプロセスが全体のボトルネックとなってしまいがちなのだ。そのせいで従業員と客の双方が不愉快な思いをすることになってしまう。チェックインを自動化し、そしてバーチャルキーを採用することにより、このボトルネックを消し去ることができるかもしれないわけだ。実験中については、チェックイン時に何か問題があれば、これまで通りにフロントに立ち寄れば良い。将来的にはすべてが自動化される方向に進んでいくことになるのかもしれないが、取り敢えずは両方式が併存することでうまく機能することが期待されている。

Starwoodは2015年末までには、同社で展開するダブリューホテル系列およびアロフト系列のすべてについて自動化システムを導入したいとしている。今回の実験はその前段階と位置づけられるものだ。こうしたシステムを導入するには、確かにStarwoodが最適な場であるかもしれない。トレンド意識が高く、またテック系に親しみのある客層が多く利用しているホテルだからだ。但し、こうしたテクノロジーはまだまだ開発が始まった段階であるのも事実だ。たとえばNymiなどは、心臓の鼓動を利用したキーレスエントリーの実現を考えている。可能性はいろいろあるわけだが、ともかく現時点でのテクノロジーの使い勝手に利用者が満足感を覚えるかどうかが普及の鍵となるのだろう。長時間の旅をしてきて、そこでスマートフォンをいじって(人と接することなく)ホテルの部屋に入ることを快適と考える人は多いだろうか。従来のチェックイン時に感じていたフラストレーションが全て解消され、テクノロジーどくとくの回りくどさなどもなければ、一気にブレイクすることもあるのかもしれない。

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(翻訳:Meada, H


GoogleがDeepMindを買ったのは人間の心を持つコンピュータを作るため

Googleは、かつてチェスの天才少年と呼ばれたイギリスのDemis Hassabisが創業したDeepMindの買収に、少なくとも5億ドルを投じたらしい。この、すでに多くの高名な投資家たちが支援している人工知能企業には、コンピュータが人間のプレイヤーとまったく同じようにビデオゲームをプレイするデモがある。Facebookも同社を買おうとしたらしいが、でも、それはなぜだろう?

コンピューティングが知能を持てば持つほど、より意味のあるデータの収集と分析が可能だ。これまでのコンピュータでも情報を集めたり、それらを互いに比較して、誰の目にも明らかと思えるような結論を導くことはできた。でも、データの中にもっと深い意味を見つけるためには人間のアナリストが必要で、毎日殺到する大量無差別な消費者情報の選り分けや解読は、今はまだ人間にしかできない。

しかしGoogleなどの企業は今すでに、AIと機械学習を利用してなるべく良いデータを効率的に集めることができる。Googleは今、その技術の延長として、物のインターネットをコンパニオン(人間的アシスタント)のインターネットに変えようとしている。Googleが注力しているのは、人間の生活の多くの部分をコンピュータが支えるようになることだ。車を運転手不要にし、荷物の配達のような機械的な仕事はヒューマノイド(人型ロボット)にやらせる。ただし、このような、生活の細部へのコンピュータの浸透は、良質なインタフェイスが実現のための最重要な鍵だ。

Googleはすでに、人間のニーズを先読みして身の回りの世話をする技術の開発に取り組んでいる。たとえばGoogle NowはユーザのGmailの情報や検索履歴を解析して、そのユーザが次に何を求めるかを予測し、必要な情報を前もって提供する。Nowは、そんなデータが溜まれば溜まるほど賢くなるが、まだまだ改良の余地は大きい。人間のニーズを先読みするのは、その人のことをよく知っている人間がいちばん得意だから、Googleとしてはコンピュータをそんな人の脳に近づけなければならない。

Googleの未来戦略には、ハードウェアへの関与も含まれている。今月の初めには、超大型の買収として、Nest Labsを32億ドルで買った。Nestの電脳温度計も、大量の機械学習アルゴリズムを動員して人間ユーザのスケジュールやニーズを先読みするが、DeepMindの技術は、そういうソフトウェアの技術基盤をより強力に、そして、深くする。より一般的には、物のインターネットは人間が介在すればより良質になり使いやすくなるのが当然だから、それを、人間ではなく人間に近いコンピュータで代替していくのが、Googleが考えている未来の戦略だ。

DeepMindもビデオゲームをプレイするコンピュータ以上のものをまだ見せてはいないが、しかしGoogleが同社から買ったのは、個別機能ではなく総合機能としての人工知能技術だ。Googleもこれまでに、さまざまなロボット関連の技術に投資しているが、人間の脳には個々の機能を必要に応じて適宜組み合わせる総合力がある。そしてGoogleがDeepMindに期待したのは、このような、総合化能力のあるAI、言い換えると、まるで人間のようなコンピュータだ。個々の、思わず感心してしまうような技術革新(イノベーション)と、人間の日常生活の中のさまざまな情報ニーズや用件ニーズとのあいだには、現状では大きな落差がある。DeepMindの技術は、その落差を填めるものとして期待されている。それを一言で言えば、テクノロジの人間化だ。未来のテクノロジは、非人間的で機械的な技術、人間が持つ細かい意味の差異やニュアンスを理解できない技術、という汚名を返上するものでなければならない。これまでの画一的で大刻みなAI技術では、自動運転車は非人間的どころか、往々にして反人間的に振る舞ったりもするだろう。自動運転カーを売りたいGoogleとしては、それでは困る。

噂ではGoogleは、DeepMindのAI技術を利用する際の社内規則を確立するために、倫理委員会を作ったと言われる。将来のGoogleでSkyNetのようなものが作られてしまうとは、Google自身も思っていないだろうが、コンピュータが人間に近くなれば当然、モラルの領域に入り込む。コンピュータがユーザである人間について知っていてもよいことは何々か。また、人間に近いコンピュータを使う人間の責任範囲はどこまでか。とくにこの二つが難問になるだろう。

Googleという企業をどう見るかによって、DeepMindの買収は心配であったり、エキサイティングであったりする。その両方、という人もいるだろう。AIや機械学習には元々、そんな二面性がある。でも、最近になってGoogleが次々と打ち出した未来志向の大きな戦略の中では、これがいちばん、ぼくらミーハーにとって魅惑的と言えるんじゃないか。子どものころ読みふけった人気SF小説の世界にいちばん近いし、また、それがもたらすかもしれないものの数々は、どれも、そそられるものばかりだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Twitter、Androidアプリケーションで新たな仕組を採用したレコメンド情報の提供を開始。写真編集ツールもバージョンアップ

TwitterがAndroid版アプリケーションのアップデート(iOS版もすぐにアップデートする予定だとのこと)を行った旨をアナウンスしている。新しい写真編集ツールが加わり、Twitterから直接に写真を公開しやすくなった。もちろんこれはInstagramなどの競合サービスへの対抗措置というわけだ。また「レコメンド」や「トレンド」情報関連でも重要なアップデートが行われた。

この「レコメンド」関連のアップデートがなかなか面白い。そもそもTwitterはリアルタイムの情報を提供するツールであり(プロモツイートは異なるものだが)、ここに「レコメンド」の情報を流すタイミングが難しいのだ。今回のバージョンアップではこの辺りに考慮し、利用者が情報更新のアクションをして、その際に新しいツイートが存在しない場合に限って「レコメンド」情報を流すようになっているのだ。「レコメンド」は、たとえばフォローしていない人のツイートながら大いに話題になっているものや、あるいは現在のフォロー情報などから求められたフォロー提案などの情報だ。またアメリカでは、TVやスポーツイベントなどの更新情報も表示されるようになっている。

この「レコメンド」系の情報もクリックスルーでより詳しい内容(ツイート)にジャンプするようになっている。これはEventparrotを通じた実験や、8月からテストをしていた近くにいる人のツイートからのイベント情報などの成果をプロダクトとしてまとめたものと言える。

「レコメンド」情報が、利用者のストリーム上に更新情報がない場合に限られるということは繰り返し強調しておいて良いところだろう。ストリーム上に更新情報はないが、それでも利用者が新しい情報を求めている際に「レコメンド」が表示される。これにより、Twitterは自らのリアルタイム情報を提供するというアイデンティティしっかりと守りつつ、そして追加的に新たなサービスを提供するという仕組みを採用したわけだ。

尚、アメリカ国内で提供される「イベント」情報については、たとえばBanjoなどがこれまでにもTwitterを活用して提供してきた情報と同様のものだと言えるかもしれない。しかしこれを自らのモバイル版に取り込んだことに大きな意味がある。これはTwitterに全く新しい使い方を加えることになるのかもしれない。この機能がより広い範囲で提供されるようになれば、さらに多くの人がさまざまなイベント情報を共有することができるようになる。近隣地域のトレンド情報を発見するためのツールとして、大きく成長していくことも考えられるのではなかろうか。

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(翻訳:Maeda, H


Apple、売上新記録達成もiPhone “5c” は成長の鍵ではなかったようだ

Appleの2014年Q1のiPhone売上は過去の記録を破り、2012年のSamsungと同じく、四半期にスマートフォン5000万台を出荷する能力を示した。しかし、前年同期と比べてわずか300万台、7%しか販売台数は増えていない。これは過去数年と比べてはるかに少なく、同社を見守る人々の注目をすでに集めている。

iPhone 5cがAppleの期待ほど売れていないという疑惑は、平均販売価格(ASP)が裏付けている。ASPの低下は、より高価なiPhone 5sがはるかに多く売れていることを示唆しており、収支会見でApple CFO Peter Oppenheimerが、iPhone 5sの供給不足に触れたのに5cについては言及しなかったこととも符合する。Appleは北米でiPhone 5sを予想以上に販売したとCEO Tim Cookは説明した。その結果適切な「配分」が困難となり、北米市場は前年より縮小した。さらにCookは、キャリアの機種変更ポリシーの変更も北米における売上に影響したことをほのめかした。

https://twitter.com/asymco/status/427923677271695360

AppleaのiPhone戦略変更に関して、いくつか可能性が考えられる。第1に、Appleは低価格iPhoneというアイデアをもっと明確に示す必要がある ― iPhone 5cがそうなるはずだったが旧機種と変わらない価格だった。第2に、最近Wall Street Journalが報じた、Appleが今年発売するiPhoneには、プラスチック筐体を使わないだろうとする記事の根拠を示すことだ。

最上位機種と豪華なメタル仕上に再度焦中することは、iPhone 5cに対処する一つの方法だが、それが成長プランにどう影響を及ぼすかは不明だ。新興市場は、今もスマートフォン成長の鍵を握る主要ターゲットであり、そこでは低価格機が注目を浴びる。Appleが今後iPhone 5cについて何かを語るかもしれないので、引き続き注目されたい。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


Apple、2014年Q1にiPhone 5100万台、iPad 2600万台、Mac 480万台を販売。しかし成長は鈍化

アナリストらは、今期のAppleハードウェアを好調と予想し、Fortuneによると、iPhoneの出荷台数を5400~5600万台、iPadを2500万台、Macを460万台と予測していた。実際の結果は、iPhoneが5100万台で予測に達しなかったが、iPadの2600万台、Macの480万台はわずかに予測を上回った。

これは2013年10月から12月というホリデーシーズンを含む四半期だということを思い出していただきたい。下降を続けるiPodの販売はわずか600万台で、1年前の1270万台から激減した。しかし、これは驚くことではなく、Appleも人々がiPhoneやiPadのような多機能デバイスに移行することに何の懸念もないだろう。iPhoneの数字こそ人々が注目し話題にする対象だ。

それでもiPhoneおよびiPadの売上はいずれも前年より増えている。2013年Q4に、AppleはiPhoneを4780万台、iPadを2290万台、Macを410万台売った。今四半期のAppleは、iPhone 5c、5s、iPad AirおよびiPad mini、さらにはMacBook Proの新モデルも10月に発売されあらゆる部門で四半期新記録を打ち立てた。これほどの新ハードウェアと共に迎えたホリデーシーズンは前例がなく、数字もそれを反映した。

iPhoneの販売台数は、2012年Q1から2013年Q1の間に、29.5%増加し、同時期にiPadは48%以上伸びた。今回(2013年Q1から2014年Q1)、iPhoneはわずか6.7%、iPadもわずか8.4%の伸びだった。これらの数字は、Appleがこのビジネスで成長の余地に困窮しているという印象を拭うにはあまり役立たないだろうが、それでも新記録の四半期であったことに違いない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


今Kickstarter上ではニキシー管時計がフィーバーしている

Kickstarterは今、熱病だ。唯一の治療手段は、管時計がもっと増えることだ。太古の昔を知らない人に説明すると、これはニキシー管時計と申しまして、ニキシー管とは真空管の一種。陰極~陰極板が複数あってそれぞれに0~9の数字のパターンなどがあり、電圧をかけると放電発光する。放電をしやすくするためのガスが充填されている。今Kickstarterには、ニキシー管時計のプロジェクトが二つもあり、どちらも先週登場した。

二つとも技術的には同じものだが、デザインセンスは相当違う。レトロマニアの人は、スティームパンクふうと、モダンふうの、どっちかを選べる。スティームパンクらしき方は登場したばかりのバンクーバーのプロジェクトで、6000ドルを求めている。ややモダンなBlubは、すでに目標の5000ドルを超えている。

シンプルなのが好きな人は、Blubだ。変な名前だが、’bulb’(真空管)をひっくり返したのか。コーナーを丸めたアルミケースは、なんとなくMac的だ。通電状態を示すライトと、時間を表す4つの管がある。写真の印象よりも実物は小さくて、片手に十分乗る。時間表示とアラームのほかに、ボタンを押すと気温を表示できる。

Blubは、お安くない。予約は320ドル+送料だ。Blubを設計したDuncan Hellmersは、発売は2014年5月と言っている。

骨董品的な雰囲気が好きな人は、木や金属、鋲やネジやグリルやつまみをたくさん使ったスティームパンク管時計だ。そもそもスティームパンクにはまる人は、その何の役にも立たないファンタジーが好きなのだ。このスティームパンクニキシー管時計は、複雑だからお値段も高くて、予約は549ドルだ。

お高いだけあって、いろんな工夫がある。まず、LEDのバックライトがあり、またニキシー管の発光色を変えられる。そして、すべて手作りだ。こういうのは、凝り出すと数千ドルぐらいすぐ行ってしまうから、作者のKyle Millerは、ほどほどの線に抑えた、と言えるだろう。

発売予定は2014年の6月だから、Blubとほぼ同じだ。このような製品の標準工期についてぼくは無知だが、でも、どっちに出資するか心を決めるのに、それほどの時間は要らないだろう。

参考サイト。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


イヤーバッド型ヘッドフォンを使うときのあの悩ましさを解決するZipi, Kickstarterでささやかな資金を募集中

The Zipiは今Kickstarterに出ているプロジェクトだが、一見すると、つまらない、ほとんどあほらしいアイデアに思える。でもこれは、ぼくが毎日イヤーバッド型ヘッドフォンを使うときの最大の悩みを解消してくれるのだ。外出するときは必ずこのタイプのヘッドフォンを装着するのは、まわりのノイズに対して遮音性があるからだが、しかし人と会話するときいちいち外すのが厄介だ。

この問題を解決してくれるZipiは、どんなイヤーバッドでも使える首輪型のストラップだ。着脱には磁石が使われているから、装着も外すのも簡単だ。このストラップがあるおかげで、イヤーバッドを外すときにそれが下に落ちる心配がなくなる。もちろん、自分の靴で踏んづけそうになることもない。

これまでは、イヤーバッドを外したら、それをぎごちなく片方の肩にかけたり、丸めてポケットに入れたりしていた。肩方式だと、地面や床に滑り落ちてしまうことが多い。丸め方式は、再び耳に装着するのが大仕事になるし、手にバッグやコーヒーカップなどを持っているときには、たいへんな作業だ。

襟の大きなコートを着ているとZipiは使い辛そうだな、とか、気になる点はいくつかあるが、これまでのぼく自身の、イヤーバッドのコード管理の恐怖の悪夢に比べるとずいぶんましだ。Kickstarterの支援者なら、6ドルでもらえる。しかも、発送が無限に遅れそうなほどの高度な技術は使っていない。

このプロジェクトを作ったFrank Choは、MITでAIの修士号をとっている。UC Berkeleyではコンピュータグラフィクスで博士号をとった。だから、彼の肩の上に乗っているものは、相当高性能で優秀だと考えた方がよい。製品の設計~デザインをするのはZipiが初めてだ、と率直に言っているが、発売予定は9月初めだから無理がないみたいだし、完動プロトタイプはすでにできている。6000ドルという慎ましい資金目標にも、達すると思うけどね。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Top GearのテストコースをGoogle Mapsのストリートビューで体験走行できる–レーサーのThe Stigがまわりをウロチョロするけど

9to5Googleによると、GoogleはTop GearBSフジ)のトラックをストリートビューに加えた。この番組のファンなら、すぐに分かるだろう。番組でいつも見る、コックピットからのながめだけでなく、自分のデスクトップやデバイスのGoogle Mapsから、常連セレブのChicagoやHammerheadやGambonになった気分を味わえるのだ。

今日(米国時間1/23)初めて知ったが。Top Gearのテストコースは、第二次世界大戦のときカナダ空軍の基地だった。カナダで生まれたぼくは、急に身近に感じた。次回のTop Gearで、イギリスのセレブらしき人物がVauxhaull Astraなんかに乗ってこのトラックを周回していたら、そのことをきっと思い出すだろう。身近に感じるのは、もちろん、ストリートビューのおかげでもあるが。

上のビデオでは、Google Mapsのスタッフがどうやってこのテストコースのストリートビューを撮ったか、そのメイキングが分かる。Top Gearの人気者カーレーサーThe StigがMercedes-Benz SLS AMG Blackに乗って、ストリートビューの撮影車の至近距離で曲芸走行をする。コーナーでは追いつかれそうになるけど。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Apple、Apple TVの新ハードウェア開発中との噂。ネイティブゲームもサポートか

AppleがApple TVの後継機に取りかかっているという噂がある。今年の後半にも発売されるらしいと9to5Macは書いている。改訂版は、現行モデルと変らずセットトップボックスだが、改善された新OSとコンテンツの追加があると記事は伝えている。iLoungeが今日(米国時間1/23)報じた別の記事によると、AppleはApple TV用にネイティブゲームのサポートを行い、現在iOSデバイス経由でのみ使用可能なゲームコントローラーを直接サポートするだろういう。

Apple TVは既にゲーム機でもあり、AirPlay経由でiPhone、iPad等のiOSデバイスからゲームコンテンツのストリーミングをサポートしている。デベロッパーは、Apple TV独自の体験を作ることもできるので、Real Racingシリーズのようにマルチスクリーンゲームを提供するものもある。また、AppleのMFIプログラムあるいはiOSで新たに提供されたBluetoothゲームコントローラーAPIがサポートしている新しいゲームコントローラー(今日発売されるSteelSeries Stratus等)も、同じくホストiOSデバイスを経由して現行Apple TVで使用できる。

iLoungeは、改訂機ではゲームコントローラーのサポートだけでなく、Apple TV自身に直接ゲームをインストールすることが可能になるという情報を得たと言っている。しかし9to5Macは、Appleが現Apple TVに代わる新しいハードウェアを開発中であることだけを示唆しており、ゲームストアまたはアプリのストアの可能性は高いと言っている。ちなみに、9to5Macの独自情報網による噂は非常に精度が高い。

現在Apple TVにゲームを持ってくる方法、即ちつながっているデバイスとiOSソフトウェアをAirPlay経由で使うやり方には、プラットフォーム普及の推進やハロー効果購入など、Appleにとっていくつか利点がある。両者の組み合わせによって、実質的にホーム・マイクロコンソールが出来あがるため、果たしてBluetooth HIDゲームハードウェアやゲームソフトの直接インストールをサポートすることが、Appleにとってどれほどメリットがあるかは不明だ。ストリーミング性能や他の主要なApple TV体験に関わる改善の方が、上記の報告を見る限りずっと理にかなっている。

Apple TVに最後の大幅な改訂が行われのは2012年3月なので、機は熟している。Appleテレビの噂は未だに実ることがなく当分ありそうにないが、2014年初期のセットトップボックス改訂は、Appleのハードウェア更新サイクル全体から見て十分考えられる ― 近年iPhone/iPadの主要発表は秋になることが多い。

本誌の問い合わせに対して、Appleはこれらの記事に対するコメントを拒んだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook