グーグル、PlayストアからGoogle TVに「映画とテレビ」タブを移動

Google(グーグル)は、Playストアから「映画とテレビ」セクションを削除し、Google TVアプリに移動するとブログで発表した。この変更は、5月から実施される。Googleによると、Google Playアプリではサポートされなくなるため、Google TVアプリが、ユーザーがAndroidモバイルデバイスやタブレットで映画やテレビ番組を購入、レンタル、視聴する場所となるとのことだ。

なお、同社は、購入したコンテンツは引き続きGoogle TVアプリで利用できるほか、Google TVアプリでの購入は引き続きファミリー共有やGoogle Playポイントの対象となるとしている。また、Google TVアプリでの購入には、これまで通りPlayクレジットやPlayギフトカードが利用できる。ウィッシュリストも引き続きGoogle TVアプリでアクセス可能。Googleはまた、Google Playで購入した商品の表示や払い戻し請求が引き続き可能であることにも言及している。

「Google Playはアプリ、ゲーム、書籍のための店であり続けます」と、 同社はブログ投稿で述べている。「Google TVでは最新の新作、レンタル、お得な情報、あなたのためのおすすめといったGoogle Play映画&TVで慣れ親しんだのと同じ経験をすることができます」。

Googleは2021年、Google TVアプリのデザインを一新し、ユーザーインターフェースの刷新、おすすめの拡大、視聴できるテレビと映画の数を増やした。同社は、アプリの見た目とフィーリングを更新し、新しい16:9ワイドスクリーンの映画やショーのポスターで、アプリをより「映画的」な外観にするとしていた。

また、アプリのおすすめシステムも一新され、過去に見たもの、Googleアカウントからの興味、地域のトレンドや人気のあるコンテンツに基づいておすすめされるようになった。また、Discovery+、Viki、Cartoon Network、PBS Kids、Boomerangなどの新しいプロバイダーや、YouTube TVはもちろん、PhiloやfuboTVなどのライブTVサービスからのオンデマンドコンテンツを追加し、コンテンツのラインアップを拡充していた。

画像クレジット:Google

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(文:Aisha Malik、翻訳:Yuta Kaminishi)

米YouTubeが無料で広告付きテレビ番組を配信へ

米YouTube(ユーチューブ)は米国時間3月23日、広告付きのテレビ番組を初めて無料で配信することを発表した。これはTubi、Pluto TV、The Roku Channel、IMDb TV、Xumo、Plex、NBCUのPeacockなど、市場で増え続ける無料ストリーミングサービスとの直接対決を可能にする動きとなる。同社によると、まず米国のユーザーに対して、「ヘルズ・キッチン〜地獄の厨房」、「アンドロメダ」「ハートランド物語」などの番組から4000以上のテレビエピソードを無料で提供する予定だそうだ。今後は、番組や映画を含め、毎週最大100本の作品を無料ストリーミングに追加していく予定だ。

YouTubeはすでに広告付きの無料映画を多数配信しているため、今回の無料テレビ配信開始は、同社にとってまったく新しい試みというよりも、既存の無料ストリーミングの取り組みを拡張するものといえるだろう。

現在YouTubeでは、Disney Media & Entertainment Distribution(ディズニー・メディア&エンタテインメント・ディストリビューション)、Warner Bros.(ワーナー・ブラザーズ), Paramount Pictures(パラマウント・ピクチャーズ)、Lionsgate(Lionsgate)、FilmRise(フィルムライズ)などの企業が提供する1500本以上の映画を配信している。例えば2022年3月には、「60セカンズ」、「プリティ・ブライド」、「キューティ・ブロンド」などの映画が新たに追加されている。

しかし、広告付きと定額制の両方を含む広範なストリーミング業界は、映画ではなくテレビに引き寄せられる傾向がある。以前の時代であれば、映画か、少なくともミニシリーズになっていたであろう、新しいオリジナルプロジェクトが、今ではしばしば一気見ができるテレビ番組としてリリースされている。プラットフォームメーカーもこの傾向を好ましく思っている。ユーザーが自社サービス上でコンテンツを視聴する時間が増えていることを意味するからだ。才能と資金も長い間これに続いており、テレビシリーズは、過去数年間ハリウッド映画にしか与えられなかった批評家の注目と称賛の両方を獲得している。

画像クレジット:YouTube

一方、無料のテレビストリーミングは、ストリーミング市場全体の成長の大部分を牽引している。

Kantar(カンター)のデータによると、米国の85%の世帯がなんらかの動画契約を結んでいるが、四半期ごとの成長は主に無料の広告付きテレビと広告付きビデオオンデマンドサービスからもたらされている。2021年第4四半期時点で、米国世帯の18%が少なくとも1つの無料広告付きテレビサービスを利用しており、この数字は前年度第4四半期から2倍以上に増加している。Kantarによると、最終四半期の新規ユーザーのほとんどは、Peacock、IMDb TV、Tubi、The Roku Channelのアカウントにサインアップした人たちだったそうだ。

一方、YouTubeは、無料テレビとまではいかないまでも、米国でかなりのコネクテッドテレビの足跡を残している。Nielsen(ニールセン)のデータによると、2021年12月にYouTubeは米国のコネクテッドテレビで1億3500万人以上にリーチしているとのことだ。しかし、ユーザーがYouTubeでテレビ番組を検索すると、当該タイトルをレンタルするか購入するように誘導され、無料ストリーミングは選択肢になかった。

それが、無料テレビサービスの開始で変わることになる。YouTubeによると、新しいナビゲーションと没入感のあるバナーアートを導入し、ユーザーが視聴方法を選択しやすくするとのことだ。従来通りレンタルまたは購入するか、もしくは可能な場合は、広告付きの無料で視聴することができるようになる。一方、CMは視聴者や番組を見ている状況によって頻度が変わるとYouTubeは述べている。広告のほとんどは、YouTube Selectプログラムを通じて販売される。

ひと握りの有名番組以外にも、無料で視聴できる番組の多くは、「パパは何でも知っている」、「未解決ストーリー」、「21ジャンプストリート」、「キャロル・バーネット」、「ザ ガール 」、「パトカー54 / 応答せよ!」、「ローン・レンジャー」、「ホパロング・キャシディ」、「Laugh-In」、「The Dick Van Dyke Show」などの古いシリーズだ。無料番組の多くは、たとえシリーズが長く続いたとしても、1シーズンか2シーズンしか提供されていない。このライブラリによって、YouTubeがすぐに無料のテレビ番組のトップデスティネーションになるわけではないが、YouTubeの常連ユーザーにとっては、退屈な時間を緩和するのに役立つかもしれない。

また、YouTubeは、多くの無料テレビ番組が、対応するデバイスで5.1サラウンドサウンド音声付きの高解像度1080pで視聴できることにも言及している。

これらの番組は、米国のユーザーが本日からウェブブラウザ、モバイルデバイス、YouTube TVアプリを介したコネクテッドテレビで視聴できるようになる予定だ。

画像クレジット:YouTube

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(文:Sarah Perez、翻訳:Akihito Mizukoshi)

マイクロソフト、クラウドでゲームを構築する仮想マシン「Azure Game Development VM」を提供開始

Microsoft(マイクロソフト)は米国時間3月23日、サンフランシスコで開催されているGame Developers Conference(GDC)において「Azure Game Development Virtual Machine」をローンチしたことを発表した。Unreal Engine、Perforce Helix Core、Parsec、Incredibuild、Blender、HPのリモートデスクトッププラットフォームTeradiciなどとの提携により、Microsoftのクラウドプラットフォームは、数分でセットアップできるゲーム開発ワークステーションをクラウド上で提供するようになった。この新しいVMは現在、パブリックプレビューが開始されている。

Microsoftによれば、ゲームスタジオは、デフォルトで構築されたワークステーションからスタートし、これをベースイメージとして、Azureの使い方に習熟するにつれてカスタマイズしていくことができるという。また、同社は、この最初のイテレーションをベースに、時間をかけて新しいツールを追加し、パートナーネットワークとの統合を深めていく予定だ。

Microsoft Azure担当主席ソフトウェアエンジニアのBen Humphrey(ベン・ハンフリー)氏は、23日の発表でこう述べている。「Microsoftでは、ゲームクリエイターにとってAzureが最適の選択肢となり、クラウドの利点を活用していただけるよう、取り組みの強化に注力しています」。

この開発ワークフローの中核となるのが、バージョン管理システム「Perforce Helix Core」と、デフォルトのCI/CDソリューション「Azure DevOps」である。

画像クレジット:Microsoft

Microsoftは、このようなシステムがあれば、 分散型ゲーム開発チームの仕事がいっそう便利になると主張している。特化したローカルハードウェアが不要になるだけでなく、チームが一元化されたサーバーから作業することが可能になるからだ。

新しい仮想マシンに加えて、MicrosoftはGDCの発表で、プラットフォームに依存しないAzure PlayFabサービスの新機能を発表した。新しいリアルタイム通知、マルチプレイヤーセッションを管理する新しい「PlayFab Lobby Service」、さらにそのまんまなネーミングで「PlayFab User Generated Content」と呼ばれる、ユーザー作成コンテンツをゲームに統合する新サービスも発表している。

ネーミングについてさらに話すと「ID@Azure」はエンタープライズグレードのID管理システムのように聞こえるかもしれないが、これは「クラウドでゲーム開発を加速させる」ための同社のプログラムで、本日ベータ版が公開された。これは無料のプログラムで、ゲーム開発者は例えばPlayFabの無料プランにアクセスできる他、追加のサポートやツールにアクセスできる。

画像クレジット:Getty Images

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(文:Frederic Lardinois、翻訳:Den Nakano)

Nothing初のスマホは今夏発売予定、クラウドファンディングで追加資金調達へ

誰がなんと言おうと、Nothing(ナッシング)はティーザーをさらにもったいぶる方法を知っている。同ハードウェアスタートアップの弁明として、同社は米国時間3月23日朝に行われたイベントは「ロードマップ」の公開であるとし、具体的には、同社のラインアップに加わる別のデバイスに言及したが、その製品に関する情報はあまり提供しなかった。しかし同社は少なくとも、噂されていた2番目のハードウェア「Nothing Phone(1)」の発売予定を確認した。

我々は3月初め、Mobile World Congress(MWC)において、創業者のCarl Pei(カール・ペイ)氏が企業幹部たちとミーティングを行い、ワイヤレスイヤフォンのEar(1) と同様に透明感を強調したデザインを特徴とするバージョンのデバイスを披露していたことを紹介し、このデバイスの存在を確認した。

今回のオンラインイベントで同社は、製品にSnapdragonチップが搭載されることを含め、いくつかの詳細を発表した。Qualcomm(クアルコム)がNothingに出資していることを考えれば、驚くことではない。同じくペイ氏が設立したOnePlusに似て、このデバイスはAndroidを独自に改良したNothing OSを搭載し「Nothing製品や他の世界トップブランドの製品を簡単に接続、統合するオープンでシームレスなエコシステム上に構築される」という。

エコシステムは常にNothingの戦略の中核にあり、その統合がどのようなものなのか興味深いところだ。Apple(アップル)やSamsung(サムスン)などがモバイルを中心としたソーラーシステムを構想しているのと同じように、同社は携帯電話がそのシステムのハブとして機能することを思い描いているのは間違いないだろう。Nothingは4月、OSのプレビューを提供するつもりだという。

画像クレジット:Nothing

ソフトウェアは、OnePlusがOxygenOSで提供しようと取り組んできたもの、つまり、あまり多くの追加ソフトウェアを追加せずに、Androidに手を加える形に似ているようだ。外観的には、同社の「アナログ」デザイン言語を踏襲することになる。同社は、(Androidを土台にするとはいえ)ハードウェアとともにOSレイヤーを開発することで、Appleのような道を歩もうとしているのだ。同社のヘッドフォンはすぐに対応し、AirPodsやTesla(テスラ)などの自動車を含むサードパーティ製品のサポートに取り組んでいる最中だとペイ氏はいう。

Nothingは、携帯電話のOSアップデートを3年間、セキュリティアップデートを4年間提供することを約束している。

というわけで、同社はEar(1)が確立したパターンを踏襲し、今後数カ月のあいだ、次期スマホのより詳細な情報をチラ見せしていくことになるのだろう。

携帯電話のニュースとともに、同社は、わずか2週間前に実施された7000万ドル(約84億8000万円)のシリーズBに続いて、さらにクラウドファンディングで資金を調達することを発表した。同社が目指しているのは1000万ドル(約12億1000万円)で、VCが支援したラウンドと同じ評価額で募集される。現在、事前登録を受け付けており、4月5日に正式公開される予定だ。ファンに金銭的な利益を与えることで、コミュニティの関与を促進しようとするこの戦略は、これまで同社にとって成功を収めてきた。

このデバイスは、モバイル関連のスタートアップ企業にとって厳しい、しかし期待が集まる時期に登場することになる。初代iPhoneが発売されてから15年が経ち、携帯電話への関心は薄れている。パンデミック以前から売り上げは横ばい、低迷していたが、その後のサプライチェーンの制約やチップ不足とともに、この傾向はさらに悪化している。LGやHTCのようなかつての主要プレイヤーは、この業界から完全に撤退するか、劇的に規模を縮小している。

Nothingは、Essentialの失敗から生まれたプライバシー重視のOSOMを含む、新しいモバイルスタートアップ各社の小さなムーブメントに加わることになる。ちなみにペイ氏とNothingは、EssentialのIPを買収したが、同社は最終的にその名前を使って何もしていない。

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(文:Brian Heater、翻訳:Den Nakano)

SpaceX、Starlinkのハードウェアとサービス料金を全面的に値上げ

SpaceX(スペースエックス)は、Starlink(スターリンク)のハードウェアキット自体の価格とサービス月額料金を含め、値上げを実施する。キットの価格はすでに予約している場合でも上昇するが、新規注文ではさらに跳ね上がる。

Starlinkのハードウェアは、予約に対して50ドル(約6000円)追加され、価格は499ドル(約6万円)から549ドル(約6万6000円)になる。まだ予約していない人はStarlink受信アンテナ、モデム、ルーターを含むキットに599ドル(約7万2000円)払うことになる。サービス月額料金は99ドル(約1万2000円)から110ドル(約1万3000円)へと11ドル(約1300円)アップする。ここに記載している価格はすべて米国の料金だが、その他の地域でも値上げされる。

SpaceXは、新しい料金体系の背景にはインフレがあるとしている。「この価格調整の唯一の目的は、インフレ率上昇に対応することです」と既存顧客に送った電子メールには書かれている。同社はまた、サービスを利用して1年未満の顧客がハードウェアの返品をともなう解約をした場合、200ドル(約2万4000円)返金し、30日以内であれば全額返金するとしている。

電子メールでは、Starlinkが打ち上げ以来、軌道上衛星の数を3倍に、接続を中継する地上局の数を4倍に増やすなど、インフラを大幅に拡張したことも指摘されている。

経済状況の変化で製品の予約に対しても価格を引き上げる企業はSpaceXが初めてではない。Rivian(リビアン)は2022年3月初めに予約者向けに価格を戻す前に、電気自動車R1TとR1Sの大幅な値上げを発表した。

画像クレジット:Starlink

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(文:Darrell Etherington、翻訳:Nariko Mizoguchi

Auroroa、トヨタ・シエナの自律走行型タクシーのテストを公開

自律走行車技術企業のAurora Innovation(オーロラ・イノベーション)は、将来のライドヘイル事業に向けて、カスタム設計の自動運転Toyota Siennas(トヨタ・シエナ)の小規模なテストを始める。Auroraの広報担当者によると、同社はテキサス州ダラス・フォースワース地域の高速道路や郊外の道路で、高速ルートを中心に車両テストを行う予定だ。

ハイブリッド電気自動車のトヨタ車には、同社が物資運搬用にテストしているAuroraのクラス8トラックと同じソフトウェアとハードウェアが搭載される予定だ。Waymo(ウェイモ)と同様に、Auroraは、同社が「重要な競争優位性」、つまりトラック輸送と旅客モビリティという2つの重要な市場に共通するコア技術の「移植可能性」を持っていることを証明したいのだ。

このテストの公開は、Auroraがピッツバーグ、ダラス、ベイエリアでテストを行った同じ車の初期開発プロトタイプを発表した6カ月後、またAurora Driver(オーロラドライバー)をロボットタクシー業務用に設計したドライバーレス車両と統合するためにトヨタと提携する意図を最初に表明してから1年後に行われた。

Auroraは以前、2024年後半までに、既存のライドヘイリングアプリ、特にUber(ウーバー)を通じて利用できるドライバーサービス製品であるライドヘイリング「Aurora Connnect(オーロラ・コネクト)」を発売する目標を掲げた。

2020年、AuroraはUberの自動運転部門を買収し、それ以来、同社との関係を維持している。例えば、Auroraの自動運転トラックは、両社がより密接に統合される多段階商用パイロット版の一環として、テキサス州でUber Freight(ウーバー・フレイト)の顧客のために、商品を運搬している。

「私たちは現在、Uberの詳細な市場データを活用して、トヨタとUberと提携してAurora Connectを広く展開するための商業化計画を加速させています」と、Auroraの広報担当者はTechCrunchに語った。「ライドヘイリング市場に参入するために、私たちは、既存のライドヘイリングネットワーク向けにAurora Connectを設計しました。これは、自律走行車と人間のドライバーのハイブリッドモデルを作り、ネットワークが増大する需要に対応し、ライダーにシームレスな経験を提供するのに役立つでしょう」。

Aurora Connectが市場に出れば、ライダーがトリップをリクエストすると、ルートによってAurora駆動の車か人間のドライバーが迎えに来ることになる。

Auroraが商業化への道を切り開いているように見える一方、ロボタクシー業界では他の企業がすでに道路空間を開拓している。例えば、Motional(モーショナル)は、最近ラスベガスでオンデマンドおよびトランジット技術サービスのVia(ヴィア)と無料のロボタクシーサービスを開始し、2023年には同市でLyft(リフト)と商業サービスを開始する準備を進めている。そしてもちろん、Cruise(クルーズ)とWaymoもあり、それぞれサンフランシスコとフェニックスで、自社ブランドのロボタクシーサービスを開始している。

ここ数カ月、Auroraはテキサスの高速道路で、FedEx(フェデックス)などの大企業とともに自律走行型トラックのテストを行っている。最近SPACになったスタートアップは、テキサスはまた、AuroroaがAuroroa Connectを導入する最初の州になるとしている。

「テキサス州には、当社の顧客や将来の顧客の多くが操業している、全米に商品を移動させるために重要な米国の主要な州間道路や路線があります」と、広報担当者は述べた。「テキサスはまた、空港への移動のような、Aurora Connectを開始する際に優先されるルートを開発し、テストする能力を与えてくれます」。

「Sienna Autono-MaaS(S-AM)」プラットフォームで作られた自動運転トヨタ車は、時速70マイル(時速約113km)まで出すことができ、高速道路での安全運転のために同社独自のFirstLight LiDAR(ファーストライト・ライダー)に依存している。

Auroraのテスト車両には、2人の車両オペレーターがいる。1人は運転席でAurora Driverの行動を監督し、もう1人は助手席でエンジニアリングチームに送信するメモを取る。Auroraによると、AuroraのAVスタックを搭載したSiennasは、すでにテキサス州で、路肩での停車時や低速車を回避する場合も含む、Uターン、高速合流、車線変更などをこなしている。

Aurora Driverは、さまざまな形の工事、渋滞、悪天候にも対応している。

現時点では、車両は10台未満と思われる小規模なものだが、Auroraは、今後数カ月のうちに車両を追加し、より多くのシナリオとルートを扱い、密集した都市部に移動してテストを拡大する予定であるという。

画像クレジット:Aurora Innovation

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:Yuta Kaminishi)

Googleフォトの新機能発表、iCloudやFacebookから写真を移動、保管する便利なインポートオプションなど追加

米国時間3月22日、Google(グーグル)はモバイル端末向けの人気アプリ「Googleフォト」で今後追加される変更点を多数発表した。今回のアップデートにより、アルバムの整理、インポート、分類、そして共有コンテンツやスクリーンショットへのアクセスがより簡単になるという。新機能の中には、Googleフォトアプリとデバイス上のフォルダとの連携を強化するものもあれば、年月を経て大きく、扱いにくくなってしまったライブラリの整理に重点を置いたものもある。

例えば、アプリのライブラリタブのデザインが変更され、写真をグリッドやリストで表示できるようになる。アルバム、共有アルバム、お気に入り、デバイス上のフォルダなどでフィルタリングして、好きなように分類できるようになる。この変更は、ギャラリーが多すぎて把握しきれない人や、写真を探すときに絞り込む方法が必要な人に歓迎されそうだ。

画像クレジット:Google

もう1つの機能は、写真をGoogleフォトという保管場所で一元管理してもらうというものだ。アルバムグリッドの下に、(最新版の)ロックフォルダ、ユーティリティ、アーカイブ、ゴミ箱機能のボタンと並んで、新しく「写真のインポート」セクションが追加される。このインポートオプションにより、iCloud(アイクラウド)、Facebook(フェイスブック)、Pixieset(ピクシセット)などの競合するサービスからの写真のコピー、写真、ビデオ、フィルムのデジタル化、デバイスフォルダからのバックアップ、カメラからGoogleフォトへの写真の移動、Google Photos Scan(グーグル・フォトスキャン)を使った写真のスキャンができるようになる。

インポートオプションはすべてが新しいわけではない。例えばPhotoScanは、以前はユーティリティの下にあった。また、iOSユーザーは、iPhoneのフォトギャラリーのお気に入りをGoogleフォトのお気に入りと同期することもできる。また、FacebookやiCloud内の他のサービスからGoogleフォトにインポートする方法もある。しかし、Googleフォトアプリ内には、写真をインポートするさまざまな方法を一覧する、専用の場所がなかった。

画像クレジット:Google

一方、アプリの「共有」タブもアップデートされる。パートナーと写真を共有する共有アルバムや会話などのセクションが追加される。これにより、さまざまな共有写真や動画を簡単に検索、表示、管理できるようになるという。このアップデートは、Android(アンドロイド)では米国時間3月22日から、iOSのユーザーには近い将来提供される予定だ。

Androidユーザーには、Googleフォトでデバイスに保存したスクリーンショットへのアクセスも付与する。Googleフォトのユーザーの多くは、ストレージ容量を節約するためにデバイスのスクリーンショットをバックアップしていないが、それでもそうした写真を見たい場合がある。Googleによると、間もなくメインの写真グリッドの上部に表示される新しいショートカットをタップしスクリーンショットに直接アクセスできるようになるとのことだ。

画像クレジット:Google

もう1つのAndroid限定機能は、スクリーンショットを閲覧する際に、テキストのコピー、切り取り、Googleレンズの使用などの文脈的な提案をユーザーに提示するものだ。これは、Apple(アップル)のLive Text(ライブテキスト)機能の開始に続くもので、写真からテキストをコピーして貼り付けることができるようになる。

Googleフォトは写真を改善する方法を提案することが多いが、そのヒントはユーティリティメニューに埋もれてしまう。普通、スクリーンショットアプリは「整理すべきもの」の対象として削除が推奨される他に焦点が当たることはない。しかし、今回の機能は、ユーザーが実際に何かをしたいからスクリーンショットとして保存しているのであって、必ずしもすべてを使い捨てにするとは考えていないことを認めている。この特別な機能は、Androidに「間もなく登場する」とGoogleは述べている(iOSではすでに導入されている)。

特に断りのない限り、新機能はiOSとAndroidのGoogleフォトユーザーに今後数週間で徐々に展開される予定だ。

画像クレジット:Jaap Arriens/NurPhoto / Getty Images

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nariko Mizoguchi

日本のテラドローンがシリーズBで80億円調達、グローバル展開を加速

ドローン、電動垂直離着陸機、無人航空機などの航空機の利用が本格化する中、日本のスタートアップTerra Drone(テラドローン)は、空のトラフィックが見落とされないようにしたいと考えている。

テラドローンのCEOで創業者、そして電気自動車を開発するTerra Motors(テラモーターズ)のCEOも兼務している徳重徹氏は「空域はこれまで以上に混雑していきますが、今日のほとんどの企業はハードウェアの開発だけに注力しています。安全かつ効率的なドローンやアーバンエアモビリティ(UAM)の運用を可能にするグローバルな航空交通管理ソリューションに対する差し迫ったニーズがあり、テラドローンは空のデジタルインフラを構築する主要プレイヤーになることを目指しています」と述べた。

2016年に設立されたテラドローンは、ドローンのソフトウェア、ハードウェア、無人航空機システムのトラフィック管理ソリューションを手がけている。同社は3月23日に三井物産が主導した80億円のシリーズBラウンドを完了したと発表した。2021年2月にシリーズAで1440万ドル(約17億円)を調達してから約1年、今回のラウンドで調達総額は8300万ドル(約100億円)となった。

SBIインベストメント、東急不動産HD、九州電力送配電、西華産業、JOIN(海外交通・都市開発事業支援機構)、既存投資家のベンチャーラボインベストメントが今回のラウンドに参加した。

テラドローンのCOO、関鉄平氏はTechCrunchとのインタビューで、シリーズB資金を人員増強と欧州、米国、東南アジアへのグローバル展開に使うと述べた。また、これらの地域での企業買収にも使われるという。同社の評価額については明らかにしなかった。

テラドローンは2018年にオランダのドローン会社Terra Inspectioneeringを買収し、2016年にはベルギーのドローン会社Uniflyに投資している。

さらにテラドローンは調達した資金を、無人航空機システムの交通管理ソリューションを通じて、ドローンやエアタクシー運航のための目視外自律飛行技術の支援や、自社のUAMサービスの開発強化に充てるという。

シリーズB後の次の計画について尋ねられた関氏は、テラドローンは株式公開を検討しているという。また、IPOの前にさらに資金調達する可能性もあると付け加えた。

テラドローンはShell(シェル)、Chevron(シェブロン)、BP、ExxonMobil(エクソンモービル)、ConocoPhillips(コノコフィリップス)、Vopak(ボパック)、日本のインペックスといった石油・ガス会社、そしてBASFや関西電力といった化学会社を含む約500の顧客を抱える。テラドローンはまた、食品会社Bunge(バンジ)に検査サービスを、建設会社に調査サービスを提供していると関氏は語った。

注目すべきは、2022年2月に発表されたFortune Business Insightsのレポートによると、安全性と性能向上のために主にリグ点検に注力している石油・ガス業界は、陸上・海上パイプラインの監視に年間で約507億6000万ドル(約6兆1280億円)を投じていることだ。テラドローンは、構造物の腐食、コーティングの不具合、その他あらゆる構造物の損傷などの欠陥を特定することができると関氏は話す。世界のドローン監視市場は、2021年の1億4200万ドル(約171億円)から2028年には4億7650万ドル(約575億円)に成長すると予想されている。テラのIR資料によると、世界のUAM市場は2040年までに1兆5000億ドル(約181兆円)まで拡大すると予測されている。

テラドローンは、東京電力ホールディングス、日本航空、大手通信会社KDDI、INPEX、国土交通省など、多くの日本企業や政府とのプロジェクトに取り組んでいる。また、有人・無人の航空機の飛行管理調整で宇宙航空研究開発機構(JAXA)とも連携している。

テラドローンの無人交通管理

関氏は、テラドローンの重要な特化・差別化ポイントは、足場がなくてもドローンが超音波探傷器(あるいは超音波厚み測定器)を表面に押し当て、壁の厚みを測定できる特許技術だと明かした。

「Terra LiDAR(光検出・測距)やTerra LiDAR Cloudなどの測量グレードのハードウェアソフトウェアの販売による経常収益の拡大、(子会社の)Terra Inspectioneeringによるドローンを使った超音波厚み(UT)測定や非破壊検査(NDT)などの専門サービスの提供、そして海外事業の戦略的整理によって、成功のための態勢が整いました」と徳重氏は述べた。「我々は事業とイノベーションをより速く拡大することができます」。

テラドローンは英国のSky-Futures、CyberHawk、マレーシアのAerodyneなど、世界のドローン会社と競合している。AirMapや、ドローン用のUAVライダーシステムを開発するフランスのYellowScanも競合相手だと関氏は言及した。

テラドローンの従業員は60人で、子会社の従業員は全世界で約500人だ。

画像クレジット:Terra Drone

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(文:Kate Park、翻訳:Nariko Mizoguchi

マイクロソフトにハッカーが不正侵入、BingとCortanaのソースコードを公開

Microsoft(マイクロソフト)は、ハッキンググループLapsus$による不正侵入を明らかにした。

Lapsus$がBing、Bing Maps、Cortanaのソースコードの一部を含むtorrent(トレント)ファイルを投稿した数時間後、Microsoftは米国時間3月22日のブログ投稿で、従業員1人のアカウントがハッキンググループによって侵害され、攻撃者がMicrosoftのシステムに「限定アクセス」して同社のソースコードを盗んだことを発表した。

Microsoftによると、顧客のコードやデータは漏洩していない。

「当社のサイバーセキュリティ対応チームは、侵害されたアカウントを修復し、さらなる不正活動を防止するために迅速に取り組みました」と同社は述べた。「Microsoftはセキュリティ対策としてコードの機密性に依存しておらず、ソースコードの閲覧がリスク上昇につながることはありません。この不正行為者が侵入を公表したとき、当社のチームはすでに脅威情報に基づき、侵入されたアカウントを調査していました。今回の公開により当社の行動はエスカレートし、当社のチームは介入して操作の途中で中断させることができ、より大きな影響を抑えることができました」。

Microsoftは、アカウントがどのように侵害されたのか詳細を共有していないが、同社の脅威インテリジェンスセンター(MSTIC)が複数回の攻撃で確認したLapsus$グループの戦術、テクニック、手順についての概要を提供した。当初、Lapsus$の攻撃は南米と英国の組織を標的としていたが、その後世界の政府機関やテクノロジー、通信、メディア、小売、ヘルスケア分野の企業へとターゲットを拡大した。

Microsoftによると、同社がDEV-0537として追跡しているLapsus$は「純粋な強奪と破壊のモデル」で活動し、他のハッキンググループとは異なり「痕跡を隠さない」という。これは、このグループが標的型攻撃を実行するために、企業の内部関係者を公募しているためのようだ。Lapsus$は組織への最初のアクセスを得るために多くの方法を使用し、通常ユーザーのIDとアカウントを侵害することに重点を置いている。標的とする組織の従業員をリクルートするだけでなく、ダークウェブフォーラムから認証情報を購入したり、公開されている認証情報のリポジトリを検索したり、パスワードを盗み出すRedlineを展開するなどの方法を取っている。

Lapsus$はそうして漏洩した認証情報を使用して、仮想プライベートネットワーク、リモートデスクトップインフラ、Okta(オクタ)のようなID管理サービスなど、標的企業のインターネットに面したデバイスやシステムへアクセスする。このハッキンググループは1月にOktaへの侵入に成功している。Microsoftによると、Lapsus$は少なくとも1件の侵害において、組織へのログインに必要な多要素認証(MFA)コードにアクセスしようと、従業員の電話番号とテキストメッセージを制御するためにSIMスワップ攻撃を行った。

ネットワークにアクセスした後、Lapsus$はより高い権限や幅広いアクセス権を持つ従業員を見つけるために一般公開されているツールを使って組織のユーザーアカウントを探り、Jira、Slack、Microsoft Teamsなどの開発・コラボレーションプラットフォームを標的にし、さらに認証情報を盗み出す。また、ハッキンググループはMicrosoftへの攻撃と同様、GitLab、GitHub、Azure DevOpsのソースコードリポジトリへのアクセスを得るためにこれらの認証情報を使用する。

「DEV-0537が組織のヘルプデスクに電話をかけて、サポート担当者に特権アカウントの認証情報をリセットするよう説得しようとするケースもありました」とMicrosoftは付け加えた。「このグループは、事前に収集した情報(例えばプロフィール写真)を使用し、ネイティブの英語を話す人物にヘルプデスク担当者と会話させ、ソーシャルエンジニアリングの誘惑を強化しました」。

Lapsus$一味は、既知の仮想プライベートサーバ(VPS)プロバイダに専用インフラを設置し、消費者向け仮想プライベートネットワークサービスNordVPNを活用してデータを流出させる。ネットワーク検出ツールの起動を避けるために、ターゲットに地理的に近いローカルのVPNサーバーを使用することさえある。盗まれたデータは、将来の恐喝に使用されるか、一般公開される。

ハッキンググループLapsus$は、NVIDIA(エヌビディア)やSamsung(サムスン)を含む多くの有名企業を危険にさらし、ここ数週間でその名を知られるようになった。今週初めにはOktaの内部システムのスクリーンショットが投稿され、Oktaが最新の被害者であることが明らかになった。OktaはLapsus$がサードパーティのカスタマーサポートエンジニアを危険にさらしての情報漏洩であることを認め、1万5000の顧客の約2.5%に影響を与えたと説明した。

1月の5日間の間に発生したこの侵害について、Oktaが顧客に今まで通知しなかった理由は今のところ不明だ。

画像クレジット:Jaap Arriens / NurPhoto / Getty Images

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(文:Carly Page、翻訳:Nariko Mizoguchi

スマートフォンで3Dスキャン&データ編集が行えるスマホアプリ「WIDAR」を手がけるWAGOが1.1億円のシード調達

3Dを活用するための技術開発・提供を行うWOGOは3月22日、シードラウンドとして、第三者割当増資による1億1000万円の資金調達を実施したと発表した。引受先は、Coral Capital。

また、スマートフォンで3Dスキャン&3D編集が行えるアプリ「WIDAR」(Android版iOS版)の正式版を3月5日にリリースしたことを明らかにした。

調達した資金により、同アプリの編集ツールの追加リリースを継続的に行う。また、コミュニティー機能を充実させ、3Dデータの蓄積とともに、これらデータが素材として活用されるようなコラボ制作の流れを作り出し、3Dコンテンツ作成のハードルを下げる。さらに、3Dデータの活用を促進し、メタバースにより多くのコンテンツを供給することを実現すべく、データの外部接続APIの開発と提供も図る。

WIDARは、スマートフォンのカメラ機能でスキャンした対象を3Dモデル化し、編集できるアプリ。3D編集機能は、初回リリースとして複数データ配置機能、背景変更機能と動画像出力機能をアプリ内に新規追加した。また、自身の作品を投稿できるコミュニティー画面を用意し、3Dデータが共有、再利用されていく土台を用意した。

現在、メタバース市場の成長と同時に、バーチャル空間のゲームも盛り上がっている。また、モバイルデバイスの高性能化が進み、個人がスマホで手軽に3Dコンテンツを作り出せる下地も整いつつある。

ただ、メタバース向けコンテンツ創出において利用されている「Blender」などの既存3D制作ツールは、プロ向けであることから、一般的なユーザーには難易度が高いという状況にある。

その中でWOGOは、2021年にはアプリのベータ版をリリース。3Dスキャンの実装をスマホに落とし込んだ。さらにWIDAR正式版では、3D編集機能を搭載。これにより、従来3D制作ツールでは数時間かかっていたゼロから形状を構築する作業が、WIDARでは3Dスキャンと編集の組み合わせにより10分程度に短縮させたという。

WOGOは、東京大学情報理工学系研究科所属のメンバーを中心として、2021年1年に設立されたスタートアップ。「3D制作の民主化」をビジョンとして掲げており、WIDARによって3Dコンテンツ作成のハードルを引き下げ、創出された3Dデータの活用を促進しメタバースへ多くのコンテンツ供給を目指している。

ポーラ・オルビスとANAによるCosmoSkinプロジェクトが開発中のスキンケア化粧品、JAXAの生活用品アイデア募集に選定

ポーラ・オルビスとANAによるCosmoSkinプロジェクトが開発中のスキンケア化粧品、JAXAの生活用品アイデア募集に選定

ポーラ・オルビスホールディングスANAホールディングスは3月22日、JAXAの「第2回宇宙生活/地上生活に共通する課題を解決する生活用品アイデア募集」において、両社が「CosmoSkin」(コスモスキン)プロジェクトとして開発している宇宙で使えるスキンケア化粧品が選定されたと発表した。国際宇宙ステーション(ISS)の搭載を目指し、開発を進めるとのこと。

CosmoSkinで開発されているのは、宇宙船内の特殊な環境を想定したスキンケア製品。極度に乾燥していること、水が貴重であること、微小重量といった環境に対応するために、スキンケア製品にはこれまでにない機能性や使用法が求められるという。宇宙の生活では、全身にさまざまな変化が起き、精神的な健康の維持も重要になる。そのため、肌を美しく保つ機能だけでなく、「スキンケア行為を通して心も健やかに保つ体験価値」の追究を目指す。

また、資源が極端に限られ、ゴミを最小限にしなければならないといった制約に合わせて技術開発を行えば、それがそのまま地上でのサステナビリティー向上にもつながるとポーラ・オルビスホールディングスは話す。

両社は、それぞれ宇宙に目を向けている。ポーラ・オルビスホールディングスは、2018年に化粧品の枠を超えた新価値創出のための「マルチプルインテリジェンスリサーチセンター」(MIRC)を発足し、宇宙への取り組みを開始した。2020年からは、JAXAが推進する宇宙生活の課題から宇宙と地上双方の暮らしをより良くするビジネス創出プラットフォーム「THINK SPACE LIFE」での活動を開始している。

ANAホールディングスは、2018年に宇宙事業化プロジェクトを発足し、衛星データ活用事業、宇宙物資輸送事業、宇宙旅行事業といった宇宙事業の検討を開始している。

CosmoSkinでは、ポーラ・オルビスホールディングスが「肌の知見や製剤技術を活かし宇宙ライフに適した化粧品の研究開発」と、ANAホールディングスが「地上よりも宇宙環境に近いとされる航空機内を実証実験の場として提供」することになっている。

美容クリニック向けSaaS「medicalforce」を展開するメディカルフォースが1億円調達、サービス開発および採用を強化

美容クリニック向けSaaS「medicalforce」を提供するメディカルフォースは3月18日、プレシリーズAラウンドにて総額1億円の資金調達を実施したことを発表した。引受先はDNX Ventures、ANRI、個人投資家2名。調達した資金は、medicalforceの開発とチームの採用強化にあてる。また、シードラウンドおよびデットでのファイナンスを含めた累計調達額は約1億3000万円となった。

medicalforceは、美容クリニックの現場業務のデジタル化および経営支援を目指すサービス。予約、問診、カルテ、会計といった日常業務をすべて一元管理することが可能。「予約はGoogleカレンダーで、カルテは保険診療向け電子カルテ」など個別のシステムを使っている場合に発生する、情報がバラバラなためにダブルチェックの手間や集計が煩雑になるという課題を解決できる。また、予約・カルテ・会計の集約情報を基にLINEやメールでのメッセージ発信も行なえる。経営管理ダッシュボード、リマインド・ステップ配信などのCRM機能を搭載しており、経営面においても効率化を図れる。

美容クリニック向けSaaS「medicalforce」を展開するメディカルフォースが1億円調達、サービス開発および採用を強化

累計会員数50万人突破を記念しpaizaが実態調査結果を発表、女性の割合増加・最高スキルランクの年収は平均83万円アップ

累計会員数50万人突破を記念しpaizaが実態調査結果を発表、女性の割合増加・最高スキルランクの年収は平均83万円アップ

ITエンジニア向けの転職、就職、学習プラットフォーム「paiza」(パイザ)を運営するpaizaは3月22日、2022年3月で累計登録者数が50万人を突破したことを発表した。直近1年間の登録者増は約10万人、利用企業数は3000社を超えた。

これを記念して同社は、登録者の属性や転職の動向などの実態調査の結果をまとめた特設サイトを公開した。

利用者は20〜30代が中心、女性の割合は1割超

利用者は、20〜30代が中心で全体の8割を占めている。女性の割合も増加傾向にあり、現在は1割超えとなっている。また、ユーザーが経験しているプログラミング言語のランキングも公開。
累計会員数50万人突破を記念しpaizaが実態調査結果を発表、女性の割合増加・最高スキルランクの年収は平均83万円アップ累計会員数50万人突破を記念しpaizaが実態調査結果を発表、女性の割合増加・最高スキルランクの年収は平均83万円アップ

「paizaスキルチェック」の総受験回数は1700万回超、スキルランク最高位のSランク獲得者は全登録者の3%

paizaでは、オンラインのプログラミングテスト「paizaスキルチェック」を受験することで6段階評価のスキル証明がもらえる。こうした「スキルの可視化」が転職や就職の決め手ともなる「paizaスキルチェック」の総受験回数は1700万回を超えた。スキルランクの最高位であるSランクの獲得者は、全登録者の3%だった。
累計会員数50万人突破を記念しpaizaが実態調査結果を発表、女性の割合増加・最高スキルランクの年収は平均83万円アップ

スカウトの1人当たりの受信数はSランクが237通、応募内定率はSランクが26%

転職と応募内定率については、スキルランクが高いほど有利であることが顕著に示されている。「paiza」では、登録者のスキル証明を見た企業から登録者にスカウトのメールが来ることになっている。そのスカウトの1人当たりの受信数は、Sランクが237通ともっとも多い。また応募内定率も、Sランクが26%ともっとも高い。
累計会員数50万人突破を記念しpaizaが実態調査結果を発表、女性の割合増加・最高スキルランクの年収は平均83万円アップ

Sランクでは、1人当たりの平均アップ額が83万4000円に

転職時に提示される年収は、65%の人がアップしている。スキルが高い人ほど額が高く、Sランクでは1人当たりの平均アップ額は83万4000円に上った。

GVA TECHの法人登記簿取得サービス「GVA 登記簿取得」、法務省提供の登記・供託オンライン申請システムと連携

法人登記簿取得サービスのGVA 登記簿取得、法務省提供の登記・供託オンライン申請システムと連携―交付申請がスピーディーに

リーガルテックサービスの開発・運営を行なうGVA TECHは3月23日、法人の登記簿謄本を取得できるオンラインサービス「GVA 登記簿取得」について、法務省の提供する登記・供託オンライン申請システムと連携したことを発表した。

GVA 登記簿取得は、登記事項証明書(履歴事項全部証明書・現在事項全部証明書・代表者事項証明書)や登記情報のPDFファイルをいつでも交付申請できるサービス。スマートフォンやPCから申請でき、支払いはクレジットカードに対応。登記事項証明書は指定した住所に郵送可能で、登記情報PDFファイルはダウンロードが行える。2021年12月のサービス開始以降、すでに1000通を超える交付申請の実績を持つという。

これまでは、ユーザーがGVA 登記簿取得に申請した情報を、GVA TECHが法務局に依頼する形で作業を行っていたが、今回、法務省が提供する登記・供託オンライン申請システムと連携したことで、ユーザーの申請内容が法務局にも直接申請され、登記事項証明書の交付申請がタイムラグなく行なえるようになった。

GVA TECHは、同社の各種サービス提供を通じ、変更登記申請の書類作成から変更完了後の登記事項証明書の取得までを支援し、今後もユーザーの登記業務のコスト削減に貢献したいという。

埼玉工業大学が世界で初めて水陸両用船の無人運転技術を開発、八ッ場あがつま湖で実証実験

八ッ場ダム無人運航船の入水シーン

八ッ場ダム無人運航船の入水シーン

埼玉工業大学は3月22日、群馬県八ッ場あがつま湖にて、群馬県長野原町が所有する水陸両用船「八ッ場にゃがてん号」を使った自動航行の実証実験(3月14日実施)に参加したと発表した。陸上から入水し、障害物を避けながら水上を航行、再び上陸する一連の自動運航を成功させた。水陸両用船の無人航行の実証は世界初となる。

無人運航の実証実験を行った水陸両用船「八ッ場にゃがてん号」(全長11.83m、総トン数11トン)

無人運航の実証実験を行った水陸両用船「八ッ場にゃがてん号」(全長11.83m、総トン数11トン)

埼玉工業大学は、ITbookテクノロジーとの共同研究により、自動運転・自動運航が可能な水陸両用バスのためのソフトウェアとシステムを設計・開発。同実証実験は、長野原町所有の水陸両用船「八ッ場にゃがてん号」にその成果である自律航行システムを搭載して行われた。航行距離は約2km、所要時間は約30分だった。

入出水と水上航行での経路追従のための位置推定には、高精度GNSS(全球測位衛星システム)とジャイロを利用。自動運転には、自動運転システム用のオープンソースソフトウェア「Autoware」を使用し、そのモデル予測制御に船舶モデルを導入。水上と陸上の高精度な経路追従を実現した。障害物の自動検知と回避は、LiDAR、カメラ、ソナーとAutowareの深層学習アルゴリズムを組み合わせて行っている。車用と船用の制御装置を同時制御することで「船舶と車両の自動切り替えもスムーズに行えるシステム」を開発したとのことだ。

無人運航船の運転席

無人運航船の運転席

自動運転バスの研究を行っている埼玉工業大学は、すでに2台の自動運転バスを開発し、公道での営業運行を行っている。ITbookテクノロジーとの共同研究では、その経験を活かして水上の自動運航技術の開発に取り組んできた。2年間の共同研究の成果として、「離着水、離着桟における位置推定および自動運転技術」「水上障害物検知および回避のための技術」「ローカル5Gなどを用いた遠隔操作技術」をすでに構築している。

今回の実証実験は、日本財団が推進し、無人運航船の国際標準化の先導などを目指す無人運航船プロジェクト「METURI2040」の一環として行われた。このプロジェクトでは、国内で5つのコンソーシアムがそれぞれの取り組みを行っているが、これはその1つ「水陸両用無人運転技術の開発〜八ッ場スマートモビリティ〜」によるもの。現在は主に観光目的で利用されている水陸両用船だが、自動運航を実用化することで、将来的には災害時に役立つ技術転用や、「離島へのシームレスな物流インフラ」の構築を目指している。

画像クレジット:
日本財団

マセラティが同社初の電気自動車「グレカーレ」を発表、発売は2023年

イタリアの高級車ブランドであるMaserati(マセラティ)は、同社初となるオール電動車のプロトタイプを、現地時間3月22日に発表した。この「Grecale(グレカーレ)」と呼ばれる中型クロスオーバー車は、2030年までに完全に電気自動車へ移行するという同社の計画の第一歩となる。

グレカーレは、ガソリンエンジン車と電気自動車の両方が発売される。エンジン車は2022年後半に発売、そしてマセラティの新しい電気自動車ラインナップであることを表す「Folgore(フォルゴーレ、イタリア語で『雷光』という意味)」の名称が与えられたバッテリー駆動EVの方は、2023年に市場に投入される予定だ。

この二本立ての戦略により、マセラティは強力な内燃機関に対するこれまでの高い評価を維持し続けることが可能になる。グレカーレの最上級仕様「Trofeo(トロフェオ)」は、マセラティのスーパースポーツカー「MC20」用エンジンをベースにした最高出力530馬力のV6ツインターボ・ガソリンエンジンを搭載する。なお、そのMC20にも近々バッテリー駆動の電気自動車バージョンが追加されることになっている。

グレカーレ・フォルゴーレは、マセラティが全電気自動車ブランドとなることを目指すロードマップの中間地点として、2025年までに発売を計画している6車種のEVの中で最初のモデルである。

マセラティのフォルゴーレ・ラインナップは、2023年にまずグレカーレのEVバージョンがデビューし、続いて2ドアクーペ「Granturismo(グラントゥーリズモ)」とコンバーティブル「Grancabrio(グランカブリオ)」の電気自動車が登場する。そして2025年までにMC20のEVバージョンが加わり(コンバーティブルも追加される予定)、さらに次世代型にモデルチェンジする4ドアセダン「Quattroporte(クアトロポルテ)」とSUV「Levante(レヴァンテ)」も電気自動車となる予定だ。

地中海の風にちなんで名づけられたグレカーレは、この自動車メーカーにとって2台目のユーティリティビークルとなる。2017年にデビューした大型SUVのレヴァンテは、同ブランドの売上の60%を占めている。グレカーレは、高級SUVと電気自動車の両方に対する消費者の需要の高まりに応えられるため、同ブランドのトップセラーになることが期待されている。

マセラティは、グレカーレ・フォルゴーレの価格や推定航続距離の数値を公表していない。だが、この新型車に関するいくつかの特徴を明らかにした。車内には12.3インチのタッチスクリーンと8.8インチのディスプレイを装備し、14または21スピーカーのSonus faber(ソナス・ファベール)製サウンド・システムが(グレードによって)搭載されるとのこと。また、同社によれば「セグメントトップレベル」のキャビンスペースとカーゴスペースを備えているという。

先に、マセラティのDavide Grasso(ダビデ・グラッソ)CEOは、電気モーターの音のチューニングに1年半以上を費やしていると語った。

「マセラティ・サウンドは、常にブランドと製品を定義する非常に重要な要素です」と、グラッソ氏は語り「要求されるものが多いプロセスですが、実際に私はその成果にとても興奮しています」と続けた。

マセラティの親会社で、Fiat-Chrysler(フィアット・クライスラー)とPSA Group(PSAグループ)の合弁会社であるStellantis(ステランティス)は、2030年までに世界で500万台のEVを販売するという目標を掲げている。このイタリアの自動車メーカーがバッテリー技術に注力するのはそのためだ。ステランティスは、米国で販売する車両の半分をEVに移行させ、欧州では完全な電気自動車メーカーになるという目標を達成するために、75車種を超えるバッテリー電気自動車の販売を計画している。

画像クレジット:Stellantis

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(文:Jaclyn Trop、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

農作物監視の分野に新しいロボットが参入

最近、自分がアグリテック(農業テック)の記事を多く書いていることに、ふと気づいた。春になったからか、あるいは差し迫る厄介な環境破壊について頻繁に考えるからだろう。

いずれにしても、この分野のロボットは全般に牽引力に欠けることを筆者は憂いている。だから新しい有力なプレイヤーが出てくると、いつもうれしい気持ちになる。

米国時間3月22日〜23日にサンフランシスコでWorld Agri-Tech Innovation Summit 2022が開催されており、ロボットも気になるところだ。米国時間3月22日、このイベントでGrowmarkSolinftecがまだ名前の決まっていないアグリテックのロボットの発売に向けた提携を発表した。このプロダクトは2022年に実地試験が実施され、両社は2023年中の発売を計画し、目指している。

このロボットの機能は、他社の多くのプロダクトと似ている。最近でいうと、Verdantや農業機械大手のJohn Deereが買収している多くのスタートアップなどが、可能性の大きい市場に向けて取り組んでいるプロダクトだ。ロボットは畑を効率よく自律運転で動き回り、農作物の健康や栄養の状態を調べ、害虫や雑草などの問題が発生しそうな範囲を見つける。収集された情報は、対策のために農家に送られる。

SolinftecのCOOであるDaniel Padrão(ダニエル・パドラン)氏は発表の中で「我々のロボットを畑に持ち込み、実用化します。最先端のテクノロジーによって農業のソリューションを構築し持続可能な農業の実践を支援します。Growmarkという革新的なパートナーを得て最初の発売に向けて前進できることを光栄に思い、農家が農業のチャンスをつかめるよう引き続き支援していきます」と述べた。

基本的な機能としては納得できるものだと思う。広大な農地をミクロレベルで監視するのは極めて難しく、多くの場合は問題がある範囲に事前に適切な対処をするのではなく、実際に問題が発生してから見つけることになる。監視にはロボットやドローン、衛星画像などさまざまな方法がある。除草や収穫、耕作などをしながら農作物の監視をするロボットとも競合することになる。

画像クレジット:Growmark/Solinftec

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(文:Brian Heater、翻訳:Kaori Koyama)

Alphabetは量子技術グループをスピンアウト、Sandboxが独立した企業に

量子テクノロジーに、ついにその時が来たのかもしれない。

2022年3月初めには、世界でも数少ない「専業」の量子技術企業Rigetti Computingが、特別目的買収企業SPACとの合併で上場した。しかし2021年10月にはもう1つの企業であるIonQがSPACとの合併で上場し、Rigettiは量子技術の商用化を明白に打ち出した最初の上場企業になる機会を惜しくも逃している。そして、もう1つのライバルD-Waveは、SPAC経由の上場を発表している。このような「動き」の意味を考えてみよう。

上場への動きは確かに量子技術が理論の域を超えて前進している1つの徴候ではあるが、もっと強力なシグナルは、それがAlphabetと強力な関係を結ぼうとしていることだ。同社は米国時間3月22日、6歳になる量子技術グループであるSandbox AQを独立した企業にすると発表した。

SandboxでAIと量子技術のディレクターを務め、長い間、X Prizeの取締役でもあるJack Hidary(ジャック・ヒダリー)氏は、引き続きこのカリフォルニア州マウンテンビューにある社員55名の企業を率いる。同社は通信、金融サービス、ヘルスケア、政府、コンピューターセキュリティなどの商用製品を開発するエンタープライズSaaS企業と自称している。

Sandboxには、元Alphabet会長でCEOのEric Schmidt(エリック・シュミット)氏、元JPMorgan Chaseの幹部でクレジット・デフォルト・スワップの開発に携わったBlythe Masters(ブライス・マスターズ)氏、元パロアルト研究所のチーフサイエンティストJohn Seely Brown(ジョン・シーリー・ブラウン)氏など、羨ましいほどのアドバイザー陣も揃っている。

さらに注目すべきは、Sandboxが額面非公開で「9桁ドル」のファンドを展開していることだ。新しい外部投資家の中には、Breyer Capitalとその創業者Jim Breyer(ジム・ブレイヤー)氏がおり、同氏はSandboxの顧問団にも加わった。その他にも、投資家集団の中にはSection 32、Guggenheim Investments、TIME InvestmentsそしてT. Rowe Price Associatesの顧問を務めるアカウントも名を連ねている。

AlphabetがSandboxのスピンオフを決意した理由の一部には、マーケットの需要もある。Gartnerによると、2023年は全世界の企業の20%が量子コンピューティングのプロジェクトに投資すると予想される。このパーセンテージは、2018年には1%未満だった。

Sandboxのコンピューティングパワーを有料で利用している顧客の中には、Vodafone Business、SoftBank Mobile、そしてMount Sinai Health Systemがいる。

量子技術への関心が高まっているのは、おそらく、真の意味で耐障害性の高い量子コンピューティング(量子物理学を利用して、多数の可能性の中から可能性の高い結果を判断する能力)は5年以上先になるかもしれないが、いわゆる量子センシング技術といった他の関連技術は急速に現実化しつつあるということがわかってきたからだろう。

実はSandboxも、量子コンピューターの開発や利用よりも、量子技術のAIへの利用にフォーカスし、特にサイバーセキュリティのプラットフォームを強化するアプリケーションを開発している。同社自身の言葉によれば「量子物理学とその技術には、量子コンピューターを必要とせずに、今日のハイパフォーマンスコンピューターを使って近い将来商用化できる側面が数多くある。そこから得られる量子シミュレーションは現実世界のビジネスと多様な産業の科学的課題にに対応できる。金融サービスやヘルスケア、航空宇宙、製造業、通信、材料科学など、その対応範囲は広い」という。

この声明はブレイヤー氏が2週間前に語ったことと重なる。その際、彼は私たちに「量子関連企業には国のセキュリティをめぐって大きなチャンスがあります。しかし、私が今日、投資の観点から本当に期待しているのは、必ずしも超大型資本集約型の量子コンピュータではなく、量子センシングのような分野です」と述べている。

ブレイヤー氏が例として挙げたのは、非常に強力で超軽量な医療用顕微鏡だ。「米国の一部の優れた病院では量子センシングの技術を試用しています。それは心臓医学や薬の発見に革命をもたらすでしょう」という。

つまり、ブレイヤー氏によると究極的には量子コンピューティングのプラットフォームが病気の発見やセキュリティの改善、データの保護などで大きな役割を果たすだろうが、これらのシステムの一部に対して部分的な応用も可能であり、今すでに政府や企業といた大きな組織が巨大な量子コンピューターの登場を待たずに量子技術の応用に取り組んでいる。いずれにしても、待つ必要がないともいえるかもしれない。同氏は「そちらの方に手を回す必要がある」という。

「現在、量子テクノロジーは、4〜5年後の量子コンピューティングのブレイクポイントには達していませんが、非常に大きな変化をもたらしています」とブレイヤー氏はいう。Sandboxのチームは、その先頭を走っているチームの1つだと、そのとき彼は示唆していた。

画像クレジット:Justin Sullivan/Getty Images

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(文:Connie Loizos、翻訳:Hiroshi Iwatani)

米証券取引委員会「誰かがイーロン・マスク氏のツイートを監視しなくてはならない」

米国時間3月22日、証券規制当局は、自分たちにはTesla(テスラ)のCEOであるElon Musk(イーロン・マスク)氏を彼のツイートに関して召喚する権限があると発言し、連邦裁判所に対しこの会社幹部に好き勝手なツイートをさせないよう要請した。

マスク氏は、2018年にTeslaに関する特定のパブリックコミュニケーション、すなわち株価や株主価値に影響を与えるような乱暴なツイートについて事前承認を得るようマスク氏に求めた米国証券取引委員会(SEC)の行為を、「ハラスメント」「不当な行為」と呼んでいる。

当時マスク氏はSECの要求に従うことに同意したが、2021年同氏がTwitter(ツイッター)で自身のフォロワーに対してTeslaの持ち株の10%を売るべきかどうか質問し、その結果Tesla株が急落したことを受け、再び砲火を浴びた。その後マスク氏は160億ドル(約1兆9379億円)相当の株を売却した。そしてその直後の2021年11月にSECは、マスク氏が以前の合意に従っているかどうかを確認するために召喚状を発行している。

SECの調査に対し、マスク氏は2018年の同意判決を終了あるいは修正しようと試み、11月のTwitterでの問いかけに関する記録を要求する召喚状を破棄しようとした。

「2018年、SECによる処置を示談にするために、マスク氏は、Teslaに関連する公開発言の事前承認を必須にするTeslaの義務に従うことに同意しました」とSECのMelissa Armstrong(メリッサ・アームストロング)委員がニューヨーク市連邦裁判所に提出した書類に書いた。「マスク氏は、Teslaの義務が思っていたより不便であるとわかったから、あるいはTeslaの情報開示に関する制御と手続きが実際に維持、遵守されているかどうかをSECに調査されたくない、というだけの理由で修正最終決定を破棄することはできません」。

SECとの対立は2018年8月に遡る。当時マスク氏はTeslaを非公開化するための「資金を確保した」とツイートしたが、実際には買い戻しは行われず「数多くの不測の事態を招いた」とSECは説明している。規制当局は、Teslaの発言は詐欺的であり「虚偽で誤解を招く」ものであったと指摘した。マスク氏は潜在的財政パートナーとの契約条件や価格の交渉を一切しておらず、彼のツイートはTeslaの株価を6%以上急騰させ、著しい市場崩壊を招いたと規制当局は語った。

示談の結果、Teslaとマスク氏はそれぞれ2000万ドル(約24億円)の民事制裁金を支払い、マスク氏はTeslaの会長を辞任した。

その後マスク氏は、政府を批判し憲法修正第1項の下で言論の自由を行使した彼を罰したとしてSECを非難し、2018年から現在までのSECによる「数多くの要求」に対する不満を述べた。

「しかし主張された要求に関するマスク氏自身の歴史は信憑性に欠けるとともに、Teslaとマスク氏による新たな不法行為の可能性についても適切な審理が必要であります。これには、SECの2018年の要請行動を生じさせた行為も含まれます」とアームストロング氏は法廷提出書類で述べている。

それに加えて、同委員は、2018年の最終決定を修正してもマスク氏はTesla関連ツイートに対する監視から逃れられない、なぜなら同社の役員として「マスク氏は今もTeslaの開示に関する制御と手続きの対象だからです」と語った。

「マスク氏とTeslaがマスク氏のTwitterアカウントを使って投資家に情報を開示する限り、SECはTeslaの開示統制と手続きに関連する事項を合法的に捜査することが可能であり、マスク氏のTeslaに関するツイート、およびTeslaによる制御と手続きに関する公開発言の正確性もこれに含まれます」とアームストロング氏は語った。

関連記事:イーロン・マスク、TwitterでSECを挑発

画像クレジット:Yichuan Cao/NurPhoto / Getty Images

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:Nob Takahashi / facebook

クリエイターが所有するデジタルコミック、ニュースレター、IP管理プラットフォーム「Zestworld」

コミック界はインターネットが誕生して以来、デジタル革命を待ち望んでいたように思われる。2007 年に立ち上げられたComiXology(コミクソロジー)は、コミックスというメディアにそうした動きをもたらすのに最も近い存在であったため、当然ながらAmazon(アマゾン)はこのサービスを買収して台無しにした。その最新の変更はサブスクライバーを置き去りにし、その結果、同ブランドは「統合プロセスはシームレスとは程遠い」と認め、ユーザーからのフィードバックに対応することを約束した。

これはKickstarterが2021年末、ブロックチェーンに関する重大発表の後に受けた反動と似ていなくもない。同サービスは長年クリエイターの間で人気があったが、その層が最近の発表で疎外感を覚えたのだ。最近では、Substack(サブスタック)がコミック分野に参入し、Grant Morrison(グラント・モリソン)やChip Zdarsky(チップ・ズダースキー)などの大物を起用しているが、このサービスにも賛否両論がないわけでもない。

2021年に発表されたZestworldは、独自のカスタムビルドプラットフォームでこの媒体に挑戦しようとしている。コミックメディアに特化して設計されたこのサービスは、すでにReddit(レディット)の共同創業者であるAlexis Ohanian(アレクシス・オハニアン)氏やTwitch(ツイッチ)の共同創業者として知られるKevin Lin(ケビン・リン)氏など、著名な支援者を獲得している。

オハニアン氏はリリースで「コミッククリエイターが作品をデジタルで公開し、ファンとつながるための現在の状況はひどいものです」と述べている。「Zestworldは、コミッククリエイターのビジネスとコミュニティのあらゆる側面を1つの集中型プラットフォームに集約し、コミッククリエイターがIPを公開し所有する方法を破壊すると同時に、ファンがまったく新しい方法でクリエイターと直接つながることを可能にしています」。

オハニアン氏とリン氏はともに、General Catalystが主導する937万ドル(約11億3000万円)のシリーズAラウンドに参加した。この資金は、クリエイターにコミックに最適化されたニュースレタープラットフォームとIP管理ツールを提供するという同サービスの計画を実現するために使われる予定だ。もちろん、IPは長い間、主流のコミック業界の飯の種として機能してきた。最高レベルでコミックを売って生計はなんとか立てられるが、正直なところ、この業界で本当に儲かる部分はライセンシングだ。

「クリエイター主導のプラットフォームを見つけることはコミックにおける真のチャレンジであり、Zestworldが提供するものは新鮮で透明性があります」と、この立ち上げに関わった作家の1人であるAlex Segura(アレックス・セグラ)氏は述べている。「Zestworldは、私のようなクリエイターが自分のスケジュールに合わせて作品を公開し、特典やクリエイティブチームと私が読者と交流する方法をカスタマイズできるようにし、プラットフォームを通じて公開するすべての作品の知的財産権を維持することを可能にします。これほどすばらしいことはありません」。

セグラ氏は、Amanda Conner(アマンダ・コナー)氏、Jimmy Palmiotti(ジミー・パルミオッティ)氏、Peter J. Tomasi(ピーター・J・トマシ)氏、Eric Canete(エリック・カネテ)氏、Phil Jimenez(フィル・ヒメネス)氏らとともに同プラットフォームに参加する。その他、コミュニティ管理や「NFT / メタバースイベント」などの機能も約束されている。2022年にサービスを開始するには、それらを抜きにしては語れないからだ。

画像クレジット:TechCrunch

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(文:Brian Heater、翻訳:Den Nakano)