モバイル・ショートビデオのTikTokは2019年に急成長するも収益化に苦闘中

Sensor Towerのレポートによれば、ダウンロード数でも収入でもTikTokは2019年のモバイルアプリの星だった。中国のByteDanceのアプリであるため最近米政府の規制が厳しさを増し、米海軍では使用が禁止されるなどしているが、 現在までのダウンロード数は16.5億回、しかもその44%が2019年に集中している。 つまり昨年1年だけで、7億3800万以上のアプリがインストールされている。

問題は収益性で、TikTokでは各種の実験を繰り返しているがまだ十分な利益を上げていない。もちろん2019年には収入の伸びも著しく1億7690万ドルを得ている。これはそれまでの全収入、2億4760万ドルの71%にあたる額だ。ApptopiaのレポートはTikTokの四半期収入は5000万ドルに上ると報じていた

2019年のTikTokのダウンロード数は2018年から13%アップして6億5500万回となった。2019年の第4四半期はクリスマス休暇を含んだ期間だったこともあり、TikTokとして過去最高の時期となり、2億1900万回のダウンロードがあった。これはそれまでの最高記録だった2018年の第4四半期に比べて6%のアップだった。Sensor Towerのデータによれば、昨年TikTokはゲーム以外のアプリの世界ランキングで、App StoreとGoogle Playの双方でWhatsAppに次ぐ2位となった。

しかしTechCrunchでも紹介したHowever, App Anniieの「モバイルの現状」レポートによれば、Facebook Messenger、 Facebook本体、WhatsAppに次ぐ4位となっており、Sensor Towerの順位とは一致しない。

順位はともあれ、TikTokのダウンロード数が2019年に大きく伸びたことは間違いない。これは主としてインドで人気を得たことが大きい。Tiktokは今年には入ってインドで短期間だが禁止されたが、同市場はTiktokの総ダウンロード、3億2300万回の44%を占める大市場となっている。同時いこれは2018年の27%増だ。.

TikTokの母国、中国では収入の大半はiOSユーザーからのもので、2019年には1億2290万ドルだった。これは収入の69%を占めており、米国のユーザーからの収入である3600万ドルの3倍以上だった。3位の英国の支出は420万ドルにとどまった。

ただしこうした数字も Facebookの660億ドル以上という年間収入に比べるとごく小さい。またTwitterのように小型のネットワークと見られるサービスでも数十億ドルの収入がある。ただし公平にいえば、TikTokはまだビジネスモデルの実験段階にあるスタートアップだ。2019年にTikTokyは, フィード中にネイティブビデオ広告を表示したり、 ハッシュタグ・キャンペーンを行ったりしている。またソーシャルな投げ銭システムにも手を染めている。.

しかし今のところこのチップシステムで、意味のある収入を得ているのはごく少数のクリエーターに過ぎない。 TikTokがYouTubeに追いつくためには優秀なクリエーターにとって魅力のあるサービスになる必要があるのでクリエーターの収入を確保するのは重要な課題だ。

収益化ではTikTokが問題を抱えている理由は、Facebookなどの先行ソーシャル・ネットワークと比べてTikTokにはユーザーの個人データの蓄積が乏しい点が大きい。広告主は、趣味、過去の行動、デモグラフィーなどのデータから適切なターゲティングができず、Tiktokの広告メディアとしての価値をアップすることを妨げている。そこでブランドはTikTokの保持するデータに頼らず、TikTokで人気のあるインフルエンサーと直接提携して広告を配信するなどの手段を取っている。

TikTokは黒字化の達成に至っていないが、ユーザーエンゲージメントでは優秀な成績を挙げている。App Annieのデータによれば、利用時間は2019年に対前年比210%の伸びを示し、トータルで680億時間となっている。TikTokがモバイルユーザーの注目を集めていることは間違いないが、問題はこの注目をいかに収益に結びつけるかだ。

TechCrunchはこの点についてTikTokにコメントを求めたが、回答は「我々は統計を外部に発表していない」と確認するものだった。というわけでTikTokの現状についてはサードパーティーの推定に頼るしかないようだ。

画像:Anatoliy Sizov / Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

韓国の現代自動車と起亜自動車が電動配達車両開発の英スタートアップに約121億円を投資

一般消費者向けの電動車両はおいておこう。配達車両が間もなく展開される電動車両にとって「トロイの木馬」になるかもしれない。

韓国の大手自動車メーカー現代自動車と起亜自動車が英国拠点のスタートアップであるArrivalに1億1000万ドル(約121億円)超を注入する。Arrivalはどちらかというとステルスモードで登場した。「この投資でArrivalのバリュエーションは30億ユーロ(約3680億円)と、英国で最も価値あるスタートアップの1つになった」とArrivalの広報は述べた。CB insightsの最新の調査によると、Arrivalを上回るバリュエーションのスタートアップは英国に5社しかない。

創業5年のロンドン拠点のスタートアップはドイツ、米国、ロシアを含む5カ国に従業員800人を抱えるが、これまで表立った動きは見せてこなかった。

Arrivalが目指しているのは、化石燃料で走る従来の車両と同程度のコストで電動車両を製造することだ。ただしそれは、メジャーな都市に近い「マイクロ工場」を使って製造することでコストを大幅に抑制するという方法による。

同社のモジュラー「スケートボード」プラットフォームは、1つのシステムでさまざまなモデルの製造を可能にする。プロトタイプはすでにDHLやUPS、Royal Mailといった大手配達会社によるトライアルに加わっている。

現代自動車会長兼イノベーション責任者のYoungcho Chi(ヨンチョウ・チ)氏は「今回の投資は現代と起亜が追求しているイノベーション戦略の一部だ」と声明文で述べた。

現代自動車は自動運転と電気自動車に350億ドル(約3兆8560億円)を投資するとしている。

昨年、現代自動車は自動運転テクノロジーと電動車両の開発に350億ドルを注入すると発表した。その一環として、2025年までに23種の電動車両をリリースしたい考えだ。先週、現代自動車はラスベガスで開催されたCESでUberと共に空飛ぶタクシーのコンセプトを発表した。

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(翻訳:Mizoguchi

糖尿病治療のデジタルソリューションOvivaがシリーズBで約23億円を調達

欧州で2型糖尿病治療のデジタルソリューションを提供するヘルステックスタートアップのOviva(オビバ)が、シリーズBで2100万ドル(約23億円)を調達した。MTIPがラウンドをリードした。新規投資家としてEarlybirdが、既存投資家からはAlbionVC、F-Prime Capital、Eight Roads Ventures、Partechが参加した。

Ovivaは、調達した資金を使ってテクノロジーをさらに発展させ、現在治療が受けられない多くの患者にサービスを提供し、欧州で成長を続けると表明した。同社がこれまでに集めた資金総額は3400万ドル(約37億円)となる。

英国、ドイツ、フランス、スイス、アラブ首長国連邦で過去3年間に9万人の患者を治療したと主張するOvivaは、2型糖尿病と肥満の進行を止め、さらに改善する「エビデンスに基づく」デジタルソリューションを提供している。患者は電話で一人一人にあった栄養アドバイスとコーチングを受ける。対面の治療より低コストで、良い結果にもつながると同社は述べる。

「患者の同意を得て、医師がOvivaに診断結果、ラボの検査結果、これまでの経緯、連絡先を送る」とOvivaの共同創業者兼CEOであるKai Eberhardt(カイ・エバーハルト)氏は説明する。「次に、当社が患者に直接会うか電話で連絡を取り、アプリをダウンロードするよう患者に依頼し、患者が登録すると治療が始まる。患者の状態と現地の支払い制度に応じて、通常4〜9か月間治療が続く。それ以降は、自己負担で治療を続けるか、再度医師から紹介状をもらう。ほとんどの国のガイドラインで当社の生活習慣改善のための治療が推奨されているため、通常は保険制度などから毎年支払いが行われる」。

エバーハルト氏によると、Ovivaが現在事業を展開しているほとんどの国で、患者の健康保険から医療費が支払われる。英国ではNHS(国民保健サービス)が支払う。「通常、患者が治療を受けるには医師の処方箋が必要だ」と同氏は言う。「ほとんどの場合、患者のかかりつけ医、場合によっては内分泌専門医などの専門家が紹介状を書く。患者の診断や慢性状態の定期検査の一環として紹介状を書くケースが一般的だ」。

Ovivaが患者の「目標」(体重の減少や血糖値の改善など)を受け取ると、患者は登録を行ったあと、生活習慣と病気に関するすべての重要事項の記録を取り始める。重要事項には、食事、活動、体重、症状の写真などが含まれる。 また、万歩計、体重計、血糖値測定器をアプリに接続できるため、ほとんどのデータを自動的に収集できる。

「治療中に改善したい習慣を栄養士と決める。例えば、野菜や果物の摂取量、ポーションコントロール(1食の食事量の管理)、活動レベルなどだ」とエバーハルト氏は説明する。「患者の栄養士と仲間のグループが目標達成をサポートする。モチベーションや感情面のサポートもするし、例えば低血糖や空腹感を避けるために食事のタイミングやポーションサイズを日々どう設定するのかなど、ニーズに合わせた指導も行う」。

治療過程の「行動変化の旅」の一環として、患者は栄養士とのビデオ通話を予約したり、自分の状態の管理に役立つビデオなどのコンテンツのカリキュラムを確認することもできる。

AlbionVCのパートナーであるChristoph Ruedig(クリストフ・ルーディグ)氏は、デジタル治療が医療制度のコストを削減し、患者の医療へのアクセスとその結果を改善するという説得力のある証拠があるにもかかわらず、米国に比べるとデジタルヘルス分野の「欧州での投資は極めて少ない」と言う。「Ovivaの欧州全土での迅速展開を引き続きサポートできることを嬉しく思う」と同氏は述べた。

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(翻訳:Mizoguchi

植物由来の乳製品代替品スタートアップ「Califia Farms」が約248億円を調達

乳製品の代替品を手がける企業のマーケットが、まさに沸いている。

2019年12月に、スタートアップのPerfect Day Foodsが乳製品の代替品のための資金として1億1000万ドル(約121億円)を調達したと発表した。そして今度は、オーツ麦とアーモンドミルク由来のさまざまな製品(コーヒー、ジュース、乳製品不使用のスナック)を製造するCalifia Farmsが、新たに2億2500万ドル(約248億円)を調達した。

このラウンドには、カタール投資庁、シンガポールの政府系ファンドのTemasek、カナダのClaridge、香港を拠点とするGreen Monday Venturesなどが参加した。

Temasekとしては、驚異的に成功したBeyond Meatへの投資に続くものとなる。Beyond Meatは植物由来人工肉の企業で、ダンキン、マクドナルド、カールスジュニアなどのフードチェーンと提携している。Beyond Meatの華々しい株式公開は、昨年最も成功したIPOのひとつだ。

以前に投資していたSun Pacific、Stripes、Ambrosiaに加え新しい投資家からの資金を得て、Califia Farmsはオーツ麦由来製品を拡充し、さらに新しい製品ラインをスタートさせる。同社は、調達した資金を生産能力の増強、研究開発、地域の拡大にも使うとしている。

2010年に設立されたCalifia Farmsは、乳製品の代替品を作るスタートアップのひとつだ。乳製品の代替品は、植物由来の原料または遺伝子組み換え生物を使って乳製品を構成するタンパク質と糖質を生成し作られる。

乳製品の市場は1兆ドル(約110兆円)を超える。この市場の一部を獲得するために、Perfect Day、Ripple Foods、Oatlyといった企業が資金を調達してきた。

Califia Farmsの創業者でCEOのGreg Steltenpohl(グレッグ・ステルテンホフ)氏は発表の中で「1兆ドルを超える乳製品とコーヒー飲料の業界では、継続的なディスラプションの機が熟している。加工が最小限で栄養豊富、そして地球と動物の両方にとってより良い食品の摂取を通じて自身の健康状態を変えたいと思う人々が世界中にいるからだ」と述べている。

Califia Farmsの資金調達にあたっては、Barclaysがファイナンシャルアドバイザーとプレースメントエージェントを務めた。

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(翻訳:Kaori Koyama)

駐車管理サービスのFlashParkingが約66億円を調達

米国テキサス州オースティンを拠点に駐車管理ソフトウェアとサービスを開発するFlashParkingが、プライベートエクイティ投資会社のL Cattertonから新たに6000万ドル(約66億円)を調達した。

画像:Jason Hawkes / Getty Images

FlashParkingのソフトウェアが最初にリリースされたのは2011年で、駐車場業者に対してリアルタイムのデータと変動価格のオプションを提供している。

FlashParkingのCEOで共同創業者のJuan Rodriguez(ファン・ロドリゲス)氏は、同社のソフトウェアとサービスはさまざまな状態の輸送や自律車両、ロボット車両を網羅する新たなハブの土台であると考えている。同社の支払い、監視、管理ソフトウェアはアプリ対応の駐車サービスだけでなく、電気自動車の充電、車両の整備とクリーニング、ドローンの打ち上げ・着陸・メンテナンス、配車サービスのハブにまで拡大することができる。

ロドリゲス氏は発表の中で「我が社独自のプラットフォームで、現在の駐車場インフラに最適のソリューションのみならず、将来的なモデルについてもオペレーティングシステムを構成することができるようになった」と述べている。

FlashParkingによれば、すでにテキサス医療センターだけで34の施設、3万台分の駐車場を管理している。同社のサービスを利用して駐車料金を支払っている顧客は毎月600万人で、およそ10億ドル(約1100億円)の取引収入があるという。

FlashParkingのファイナンシャルアドバイザーはBofA Securities。

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(翻訳:Kaori Koyama)

Uberがサンフランシスコで電動支援スクーターの試験運用を開始

Uber(ウーバー)のJUMPは、San Francisco Bike Rentals(サンフランシスコ・バイク・レンタルズ)とのパートナーシップのもと、電動アダプティブ(支援)スクーターの試験運用を開始した。これはサンフランシスコ市においてUberが許可された事業の一部であり、同市は電動スクーター事業者にアダプティブスクーターの試験導入を義務付けている。

「我々は、サンフランシスコのすべての人が改良された移動手段にアクセスできるように取り組んでいる。このアダプティブスクーターは、自宅での移動支援を必要としない人や、ホームスクーターの購入プログラムを受ける資格がないが、公共の場ではまだ制約を受ける人にとって、まさにその役割を果たすと信じている」とUberのスポークスパーソンは述べている。

Uberはパイロットプログラムの一環として、2種類のスクーターを配備している。しかし、ローンチ時には4台しか用意されていない。今後は利用者の反応を受け、地域団体と連携しながらフィードバックをもとにプログラムを拡大していく予定だ。

 

「我々の車両の選択とサービスモデルを導くために、全国のアダプティブ車両プログラムを管理している、あるいは参加しているコミュニティメンバーにインタビューを実施している」と、Uberの担当者はTechCrunchに語っている。「またインタビューの過程で指摘された、国際プログラムについても調査した」。

 

ただし当初は、これらのアダプティブスクーターはUberのアプリからは使用できない。これはUberの調査によれば、運用には顧客サービスとパーソナルアシスタントが不可欠だからだ。

代わりに、利用者はSF Bike Rentalsでスクーターを予約し、市内にある2カ所の同社のロケーションのうち1カ所からピックアップする必要がある。一度利用すれば、SF Bike Rentalsは利用者のオプションの選択をサポートできるようになる。

Uberの電動アダプティブスクーターは、低所得者向けプランを利用しない場合は毎分0.33ドル(約36円)かかる。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

NextNavが高層ビル内でのポジショニング技術を展開するために132億円を調達

NextNavは、デバイスの位置をGPSなしで特定できる屋内ポジショニングシステムを商用展開するために、1億2000万ドル(約132億円)を株式と融資によって調達した。同社が開発したのは、メトロポリタンビーコンシステム(MBS)と呼ばれるもので、GPSやその他の衛星位置信号を確実に受信できない屋内や都市部で、スマートフォン、ドローン、IoT製品、さらには自動運転車などのデバイスの場所を見つけることができる。シカゴのループ地区でUberまたは Lyft を呼ぼうとした人なら誰でも、不安定なGPS信号を経験していることだろう。

MBSのインフラストラクチャは、基本的に携帯電話の基地局に設置される。このポジショニングシステムは、GPSのような衛星からの直接到達信号ではなく、携帯電話の信号を利用する。このシステムは、デバイスの「高度」の決定に焦点を当てているのだと、CEO兼共同創業者のGanesh Pattabiraman(ガネーシュ・パタビラマン)氏はTechCrunchに語った。

GPSは、スマートフォンまたはIoTデバイスの水平位置を提供することができる。さらに、Wi-FiやBluetoothの介入によって、屋内での水平方向の位置決めを実現することができる。NextNavによれば、MBSはこの水平位置決めシステムに、垂直(あるいは「Z軸」)を追加したものだという。これが意味しているのは、MBSはビルの中の複数の階から、3m未満の精度でデバイスのいる階数を決定できるということだ。

これは、特定のフロアにいる人数といった重要な情報を、緊急サービスに提供できるようなシステムなのだ。NextNavが現在力を入れているのは、この特定のユースケースだ。昨年、連邦通信委員会(FCC)は、無線通信事業者向けの新しい911緊急要件を発表した。これは救助隊などが高層ビル内で人を見つけるのを支援するために、デバイスの垂直位置を決定する機能を義務付けるものだ。

現在、MBSはベイエリアとワシントンDCに展開されている。同社は新しいFCC要件に対応するために、今回の新しい調達資金を使ってネットワークを米国の最大50の市場に拡大する予定である。

この技術には他の応用もある。たとえば、このいわゆるZ軸は、ドローンの位置を特定するのに役立つ。昨年NASAは、バージニア州ハンプトンにあるラングレー研究センターの自律統合航法施設にある、レンジテストのための都市環境の一部として、NextNavのMBSネットワークを使用すると述べている。

今回のラウンドは、Fortress Investment Groupの参加社が管理するファンドによって主導された。これまでの投資家であるExisting investors Columbia Capital、Future Fund、Telcom Ventures、Goldman Sachs Asset Management管理下のファンド、NEA 、そしてOak Investment Partnersも参加している。

カリフォルニア州サニーベールを拠点とするNextNavのエグゼクティブチェアマンを務めるのは、XM Satellite Radio の創業者であるGary Parsons(ゲイリー・パーソンズ)氏だ。

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(翻訳:sako)

ボーイングの有人宇宙飛行船Starlinerの軌道飛行テスト中の船内映像

2019年末、Boeing(ボーイング)は同社の商業有人宇宙船、Starliner(スターライナー)の軌道飛行テストを行った。これは実際に宇宙飛行士を乗せて飛ぶ前に行われる最重要なイベントだ。しかしテストは計画通りには進まず、スターライナーは国際宇宙ステーションと実際のミッションで指示されているドッキングができなかった。失敗はミッションタイマーのエラーが原因だったが、大部分のテストは成功し、搭載カメラは飛行の全貌を捕らえた。

ボーイングは、カプセルの窓に設置された外部を観察するカメラと、内部で本物の人間がどんな行動をするかを見るために使われたダミー宇宙飛行士を写したカメラの両方からフライトの各部分ごとの映像(タイマー故障の直後を含む)を編集でつなぎ合わせた。キャビン内には固定された貨物と「ゼロGインジケーター」の役目を果たすスヌーピー人形も見ることができる。

最終的にはミッション中に撮影された映像すべてを公開する予定だとボーイングは語った。これは同社の商業有人宇宙船が、初の軌道飛行に搭乗する宇宙飛行士たちにとって絶対安全であることをNASAと一般市民に納得させるためには是非とも必要な透明性であり、正しい行動だ。有人飛行は今年中の実施が期待されている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Amazonがインドの小企業のデジタル化促進のため約1100億円を投資

インドは今週、Jeff Bezos(ジェフ・ベゾス)氏を反トラストの調査で迎えた。さらにまた、ふだんは互いに競争している小規模商業主たちが全国から何千人も集まって、eコマースの巨人の搾取的と言われるやり方に抗議した。しかし、Amazon(アマゾン)の創業者でありCEOのベゾス氏は、同社にとって最も重要な海外市場への愛をそんなことでは失わなかった。

1月15日のカンファレンスでベゾス氏とAmazon IndiaのトップであるAmit Agarwal(アミット・アガルワル)氏は、この米国の巨人が中小企業のデジタル化を促進するためにインドに10億ドル(約1100億円)を注入すると発表した。アマゾンはこれまでインドに約55億ドルを投資している。

ベゾス氏によると、同社はまたインドの生産品の輸出にも着目している。それはニューデリーのMake in India(地産地売)キャンペーンへの協賛でもある。Amazonが扱う量は、2025年に100億ドルと彼は想定している。

同氏は「今後の5年間で、Amazonは累計10億ドルをインド全域の市町村の零細企業に投資し、これまでなかったほど多くの顧客増大をみなさんのために実現したい」と語った。そして「この計画では、現在のアマゾンのグローバルな展開を利用して、2025年までにインドからの100億ドルの輸出を作り出したい。この投資によって何百万という多くの人々が未来のインドの繁栄に与れるようにし、それと同時にインドの豊かで多様な文化を表している『Make in India』製品を、全世界に紹介したい」と続けた。

インドでは最近の10年間で5億近い人々がインターネットに接続した。しかし、全国の何万もの都市や町や村に散在する小規模な企業はまだオフラインだ。GoogleやFacebook、Microsoftなども近年はこれら小企業がウェブ上に出店してデジタル決済を受け入れるよう、支援しツールを提供している。

Amazonが主催した「Amazon SMBhav」カンファレンスは、SMBが中小企業(Small and Medium Business)を表しているとともに、smbhavはヒンズー語で「できる、可能」という意味だ。開会時に上映されたビデオでは、インドの貧しい商人や職人たちがアマゾンのeコマースプラットホームに参加して事業を拡大する様子が映し出されていた。

同社の役員の一人によると、アマゾンはインドで50万社を超える売り手を集めておら、その中の数千の業者が世界中の12カ国のAmazonのマーケットプレースで商品を販売している。

しかし、カンファレンスの会場からわずか10マイル(16km)離れたところでは、多く業務がアマゾンを違った目で見ていた。

インドの業者が多数集まってアマゾンの搾取的なやり方に抗議(画像提供:Manish Singh / TechCrunch)

この国の6000万を超える販売業者を代表する業界団体であるConfederation of All India Traders(CAIT、全インド商業者連盟)によると、抗議活動をインドの300都市で組織した。連盟の代表によると、同団体はアマゾンとFlipkartが採用している搾取的な価格設定と反競争的な行為を世の中に知らしめたいという。

ベゾス氏とアガルワル氏は、抗議活動や反トラストの調査に言及しなかった。ここには、世界最大の途上国市場の将来がかかっている。NasscomとPwC Indiaの報道によると、インドのeコマース市場は今後3年間で1500億ドル成長すると言われている。

ベゾス氏もカンファレンスで「21世紀はインドの世紀だと私は予言したい。最も重要な同盟関係はインドと米国の関係だと思う。それは、世界最古の民主主義と世界最大の民主主義の関係だ」と語る。

1月13日にインドのCompetition Commission(競争委員会)は、アマゾンとウォルマートが保有するFlipkartに対する反トラスト調査を開始し、eコマースの二大大手がスマートフォンのベンダーと組んで排他的な協定を結び、一部の売り手を優遇していないか調べることになった。

その調査はアマゾンとFlipkartにとって最新の規制による逆風であり、特にFlipkartは2018年にインドでウォルマートに過半数の株を160億ドルで売却している。昨年、米国上院議員は外国企業が自分の子会社から在庫を売ることを禁じているニューデリーを批判した。その禁制によってAアマゾンとFlipkartは突然、そのマーケットプレースから数十万品目を取り去ることになった。

CAITのスポークスパーソンはTechCrunchに「会員の商業者たちはインドの反トラスト監視当局による調査を歓迎している」と述べた。今日の新しい抗議活動は、近年この業界団体が組織した複数の活動の1つにすぎない。先月は数千名の抗議者が、eコマースの担い手たちへの同様の懸念を表明した。

本日、一部の抗議者は「アマゾンとジェフ・ベゾスとフリップカートは帰れ!」と声を上げた。CAITの全国レベルの理事長Sumit Agarwal(スミット・アガルワル)氏はTechCrunchのインタビューで「Amazonの大幅値引きが小規模商業者の成長を妨げているので、政府の介入が緊急に必要だ」と述べた。

業界の推計では、eコマースはこの国の小売業の売上の約3%を占める。

画像クレジット:Anindito Mukherjee/Bloomberg/Getty Images

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

グーグルはChromeでのサードパーティCookieのサポートを2年以内に段階的に廃止

Google(グーグル)は米国時間1月14日、今後2年以内にChromeでのサードパーティ製Cookieのサポートを段階的に廃止する計画を発表した。こうしたCookieは、通常はウェブ上のユーザーを追跡するために使われる。そのサポートをグーグルが廃止すること自体は驚きでも何でもない。というのも、同社はすでに「プライバシーサンドボックス」など、Chromeのプライバシーに対する配慮を強化すると発表していたからだ。しかし、この攻撃的とも言えるタイムラインは初耳であり、他の業界をも巻き込んだ議論に発展する可能性もある。

画像クレジット:Jaap Arriens/NurPhoto/Getty Images

「これは、ウェブの規格を再設計するという、グーグルの戦略です。プライバシー保護を標準機能にするためです」と同社Chromeエンジニアリング担当取締役のJustin Schuh(ジャスティン・シュー)氏は述べた。「サードパーティ製のCookieについては、あれこれ取り沙汰されていますが、追跡メカニズムの1つであることは確かです。そして単に追跡メカニズムの1つなだけですが、多くの人が注目しているものであるため、特にこれを名指しで取り上げているのです」。グーグルのチームは、他にもフィンガープリンティングの防止などに取り組んでいる。

今年2月から、同社はクロスサイトトラッキングを制限するための手法も、いくつか実装する予定だ。新たなSameSite(セイムサイト)ルールを施行し、サードパーティのものとしてラベル付けされたCookieには、HTTPS接続でのみアクセスできるよう強制する。この新たなSameSiteルールについて、グーグルは過去数カ月にわたって一部のChromeユーザーでテストしてきた。そのルールは若干複雑だが、全体的な考え方としては、他の人にもCookieを使わせたい開発者は、そのことを明示的にラベル付けする必要があるというもの。

ただし、そのような措置をはるかに超え、グーグルは今後2年間でChromeからサードパーティ製Cookieのサポートを完全に削除する予定としている。しかし、それは広告業界と出版社にとって非常に大きな変化をもたらすことになる。そうした会社は、ウェブ上のユーザーを、良くも悪くも、追跡するマーケティング担当者の能力に、たいていは依存しているからだ。それに対するグーグルの解決策が「プライバシーサンドボックス」というわけ。理想的には、ユーザー自身の情報と、ユーザーのブラウジング履歴を可能な限り秘匿しながら、引き続き広告業者は関連性の高い広告を表示できるようになる。

しかし、実際にこれがどのようなものになるのか、まだよくわからない。多くのアイデアはまだ流動的なのだ。ただし、シュー氏によれば、グーグルとしてこれを単独で実行することは望んでおらず、これをウェブ規格とするためのプロセスを踏む予定だという。同氏は、来年あたりから同社が試行を開始し、広告業者と出版社には、この開発中の新しいシステムに移行を開始してもらう計画を明らかにした。

とはいえ、これは大がかりな変更となるため、グーグルが何らかの抵抗に遭遇するのは間違いないだろう。「私たちの提案すべてについて、全員が賛同しているとは言いません」とシュー氏は認めた。「しかし、いたるところで提案のいくつかは非常に好意的に受け取られています。そうでないものついては、代替案を受け入れる用意もあります。それが、プライバシーとセキュリティを重視したものであればですが。つまり、私たちが期待しているのと同じレベルの予測可能性を持っていればという条件です。というのも、私たちは現在のウェブに一時しのぎの対策を施したいとは考えていません。ウェブのアーキテクチャを修正したいのです。それ以外に選択肢はないとも考えています」。

しかしそのためには、他のブラウザーベンダーを含め、グーグル以外の企業や人も参加する必要がある。シュー氏は、その可能性について楽観的なように見える。それがユーザーにとって、最大の利益となるから、というのもあるだろう。「ウェブを分断したくありません」と彼は言う。「ブラウザーごとに異なることに対し、模索しながら個別に対応しなければならないという状況にしたくはないのです。仮に個々のブラウザーが詳細部分で違うことを選択していたとしても、一定レベルの一貫性が必要です」。

現在では、MozillaのFirefoxなど、Chromeの多くの競合ブラウザーは、多くのサードパーティCookieを単にブロックするという、かなり強行なアプローチを採っている。グーグルは、それではウェブが損なわれてしまうとして、業界に対して回避策を見つけるよう促すしかないとしている。

同社の最近のすべてのプライバシーについての提案と同様、この提案について業界がどう反応するかを見るのは興味深い。広告エコシステムにおけるグーグル自身の役割を考えると、同社はこの問題を正しく解決して、ウェブ上の広告エコシステムを健全に保つことに、経済的利害があるのは明らかだ。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

App Annieが2019年のモバイルアプリをレポート、総売上13兆円超、ダウンロード2040億回

2019年のモバイルアプリの利用状況についてのレポートが発表された。ダウンロード総回数は新記録となる2040億回で対前年比6%のアップ、2016年と比較すると45%アップ。売上はアプリ本体価格、サブスクリプションなどのアプリ内課金を含めて1200億ドル(約13兆2000億円)だった。ユーザーは平均して毎日3.7時間を費やしていた。

この数字は「モバイルの現状」(State of Mobile)と題するApp Annieのレポートによるものだ。以下、いくつかのトレンドと将来予測をハイライトしてみよう。

同社によれば、2019年のモバイルアプリの利用拡大は主としてインド、ブラジル、インドネシアなどの人口の大きい新興市場の急成長によるものだという。これらの市場のダウンロード数は2016年と比較してインドが190%、ブラジルが40%、インドネシアが70%アップとなっている。中国の成長は80%だった。一方、米国におけるダウンロード数の伸びは5%と鈍化している。

しかし成熟市場のユーザーがアプリのダウンロードを止めたわけではないのはもちろんだ。対前年比の伸び率が低下したに過ぎない。 成熟市場には依然巨大なダウンロード数があり、2019年には米国だけで123億回、日本で25億回、韓国で20億回のダウンロードが記録されている。App Annieのダウンロード回数には再インストール、同一アプリのアップデートは含まれていない。

2019年のアプリストアのユーザーの支出総額は1200億ドルで2016年の 2.1倍。やはり支出の過半数はゲームに対するものだった(72%)。トレンドとしてはサブスクリプションの普及が注目された。ゲーム以外のアプリでの昨年のサブスクリプションは支出総額の28%を占めたが、これは2016年の18%と比較して大きなアップだった。

実際、サブスクリプションは多数の非ゲームアプリの主要な収入源となっている。たとえば米国における iOSアプリのトップ250タイトルの売上の97%はサブスクリプションによるものだった。また94%のタイトルがサブスクリプションを利用していた。AndroidアプリのPlayストアでは売上の91%がサブスクリプションで、トップ250タイトルの79%がサブスクリプションを利用していた。

なかでもデートアプリのTinderやビデオ番組のストリーミングのNetflix、Tencent Videoなどでは2019の消費者支出の伸びはサブスクリプションによることが数字ではっきり示された。

ゲーム、サブスクリプションともに消費者の支出では、米国、日本、韓国、英国などの成熟市場が大きな割合を占めている。ただし市場規模からいえば、中国が世界の支出の40%と圧倒的だ。

2019年のトレンドとしては、各種のIoT(モノのインターネット)やスマートデバイス向けモバイルアプリが目立つようになった。IoTコントロールアプリのトップ20のダウンロードは1億600万ダウンロードだった。また1996年以降に生まれたいわゆるZ世代の1アプリ、1カ月の使用時間は3.8時間にもなっている(ゲーム以外のトップ25アプリの平均)。モバイル広告の売上は2019年実績が1900億ドルだったが、2020年には2400億ドルに達するものと予測されている。

ゲームアプリの売上は非常に大きいのでレポートでも詳しく扱われている。モバイルゲームに対するユーザーの支出はMac/Windowsゲームの2.4倍、ゲーム専用機ゲームの2.9倍だった。2019年のモバイルゲームの売上は他のプラットフォームのゲームの総額より25%も大きかった。App Annieは今年は1000億ドルの大台に乗るものと予測している。

パズルやアーケードを筆頭とするカジュアルゲームはダウンロード回数では2019年のトップだった。シューティングや ロールプレイングなどの本格的ゲームはダウンロード回数の18%を占めるだけだったが、ゲーム時間では55%を占めてジャンルのトップだった。Androidのアクション系ではシューティングゲームのPUBG Mobileが利用時間のNo. 1で、パズルのAnipop がカジュアルゲームのトップとなった。

本格的なゲームの売上はゲーム売上の76%を占め、カジュアルゲーム(18%)、 オンラインカジノ(6%)を大きく引き離した。

2019年では2017年に比べて500万ドル以上の売上を得たゲームの数が17%増えている。売上1億ドル以上のタイトル数は同期間に59%も増えている。一方、従来型のゲームとはタイプが違うタイトル向けにiOSゲームではApple Arcadeが開設されている。ただしこのストアの売上は外部からはまったくモニターできない。このストアはApp Annieの将来に問題を引き起こすかもしれない。

App Annieはこのほか、フィンテック、ソーシャルなどのバーティカルも調査している。フィンテックアプリのユーザーベースの伸びは伝統的なバンキングアプリの伸びを上回っている。ショッピングアプリのダウンロードは対前年比で20%増加して54億回となっている。ストリーミングでは2019年のコンテンツ視聴セッション数は2017年に比べて50%増加した。またモバイルの総利用時間のトータルのうちの50%はソーシャルネットワークなどのコミュニケーションアプリが占めた。

2019年に世界で210%の急成長を達成したショートビデオサービスのTikTokは特に注意深く検討されている。ただし全利用時間の8割は中国内のユーザーによるものだった。

2019年にモバイルアプリに強い影響を受けたビジネスは、ライドシェア、フードデリバリー、デート、コンテンツストリーミング、ヘルスケアとフィットネスだった。

同社が注目した点には、オンライン通販を専門とするショッピングアプリが物理店舗の企業のショッピングアプリに比べて1ユーザー1カ月あたりで3.2倍も利用されていることだ。App Annieのレポートにはこのほかさらに詳しい分析が載っている。

App Annieではまたアクティブユーザー数、ダウンロード数、売上をキーにした2019年トップアプリのリストを作っている。 ゲーム以外のアプリのエンゲージメントでは依然、Facebookグループのアプリが上位を独占している。世界のアクティブユーザー数ではトップがWhatsApp、以下Facebook本体、Facebook Messengerが続き、4位がWeChat、5位が再びFbグループのInstagramという結果だった。

ただし消費者の支出となると2019年ではTinderがトップ、Netflix、Tencent Video、QIYI、YouTubeなどエンタテインメント系アプリが続いている。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

1月23日に開催迫る!TechCrunch School #17「チームビルディング(4) 〜チームを拡大する〜」セミナー参加者募集中

TechCrunch Japanは、「TechCrunch School」を2020年1月23日に開催する。今回もスタートアップのチームビルディングに焦点を当てたイベントで、2019年の4月、6月、9月に続いて4回目となる。

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前回のTechCrunch Schoolの様子

2020月1月23日に開始するTechCrunch School #17は、「チームを拡大する(拡大期の人材採用)」をテーマとし、おなじみのキーノート、パネルディスカッション、Q&Aの3部構成で進行予定だ。

キーノートには、千葉道場ファンドの石井貴基氏が登壇。千葉道場ファンドは、シード、アーリーだけでなくレイターステージのスタートアップを支援するために2019年10月に設立されたファンド。石井氏はパートナーを務め、ジェネラルパートナーである千葉功太郎氏とともにさまざまな業種のスタートアップの育成を進めている人物だ。

千葉道場ファンドの石井貴基氏

自身もアオイゼミというインターネット学習塾を起業した経験を持ち、2017年11月にはZ会ヘの同事業の譲渡も経験している。基調講演では、起業から事業譲渡までに得た経験や知識、千葉道場ファンドのパートナーとしてレイターステージのスタートアップが抱える問題などについて語ってもらう。

パネルディスカッションでは、石井氏のほか、ビジネスチャットツールを開発・提供しているChatworkの代表取締役CEO兼CTOを務める山本正喜氏、さまざまなスペースを1時間単位で貸し借りできるプラットフォームを運営するスペースマーケットで取締役CFO兼人事責任者を務める佐々木正将氏、そしてエン・ジャパン執行役員の寺田輝之氏の4名で、IPO後の人材採用についての方針や悩みなどを議論していく。Chatworkは2019年9月25日に東証マザーズに上場、スペースマーケットは12月20日に東証マザーズに上場予定だ。

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Chatworkの代表取締役CEO兼CTOを務める山本正喜氏

スペースマーケットでCFOを務める佐々木正将氏

そのあと、来場者を交えたQ&Aセッションを開催する。Q&Aセッションでは、おなじみの質問ツール「Sli.do」を利用して会場からの質問も募集し、その場で回答していく。

イベント会場は、TechCrunch Japan編集部のある東京・外苑前のベライゾンメディア・ジャパンのイベントスペース。Q&Aセッション後はドリンクと軽食を提供するミートアップ(懇親会)も予定している。

スタートアップの経営者はもちろん、スタートアップへの転職を考えているビジネスパーソン、数十人の組織運営に課題を抱えているリーダーなど幅広い参加をお待ちしている。なお、申し込み多数の場合は抽選となるので注意してほしい。

TechCrunch School #17概要
チームビルディング(4) チームを拡大する(拡大期の人材採用)
開催日時:1月23日(木) 18時半開場、19時開始
会場:ベライゾンメディア・ジャパンオフィス
(東京都港区南青山2-27-25 ヒューリック南青山ビル4階)
定員:80人程度(申し込み多数の場合は抽選)
参加費:無料
主催:ベライゾンメディア・ジャパン/TechCrunch Japan
協賛:エン・ジャパン株式会社

イベントスケジュール
18:30 開場・受付
19:00〜19:05 TechCrunch Japan挨拶
19:10〜19:40 キーノート(30分)
19:45〜20:25 パネルディスカッション(40分) Sponsored by engage
20:25〜20:45 Q&A(20分)
20:45〜21:30 ミートアップ(アルコール、軽食)
※スケジュールは変更の可能性があります。

スピーカー
・キーノート
千葉道場ファンドパートナー・石井貴基氏

・パネルディスカッション、Q&A
千葉道場ファンドパートナー・石井貴基氏
Chatwork代表取締役CEO兼CTO・山本正喜氏
スペースマーケット取締役CFO兼人事責任者・ 佐々木正将氏
エン・ジャパン 執行役員・寺田輝之氏
TechCrunch Japan 編集統括・吉田博英(モデレーター)

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空飛ぶタクシー事業目指すJoby Aviationはトヨタ主導で650億円を調達

Joby Aviation(ジョビー・アビエーション)は、シリーズC投資で5億9000万ドル(約650億円)を獲得し、そのうち3億9400万ドル(約433億円)が、この投資を主導したトヨタ自動車からのものであることを、米国時間1月15日に発表した。同社は、自社開発の電動垂直離着陸航空機(eVTOL)を使用した空飛ぶ電動タクシーの運用準備段階にある。そこでは、戦略パートナーであるトヨタの自動車製造の経験が一部生かされている。

今回の投資により、Joby Aviationが受けた投資総額は7億2000万ドル(約792億円)となった。投資に参加した企業には、 Intel Capital、JetBlue Technology Ventures、Toyota AI Venturesのほか、数多くが名を連ねる。この新たな投資に伴い、Jobyの取締役会い新しいメンバーが加わった。トヨタ自動車執行副社長の友山茂樹氏だ。

2009年に設立されたJoby Aviationは、米国カリフォルニア州サンタクルーズに本社を構える。創設者はJoeBen Bevirt(ジョーベン・ベバート)氏。彼はカメラとエレクトロニクスの一般消費者向けアクセサリーのメーカーであるJobyの創設者でもある。同社が独自開発した乗用eVTOLは、時速約320km、1回の充電で約240km飛行できる。電気駆動のマルチローターという構造のため、Joby Aviationによれば「従来の航空機に比べて離着陸時の騒音は100分の1で、飛行中はほぼ無音」とのこと。

そうした利点により、eVTOLは都市部の航空輸送ネットワーク開発における第1候補とされており、Jobyの他にも、中国のEHangやAirbusなど、数多くの企業が都市部での人や物の短距離輸送に使える同タイプの航空機の開発を進めている。

今回のラウンドでのトヨタによる巨額の投資には、同社が将来の航空輸送にかける思いの強さが表れている。この投資の詳細を記した広報資料で、トヨタの社長兼CEOの豊田章男氏は、同社がeVTOLと航空輸送全般に真剣に取り組んでいることを示唆している。

「航空輸送はトヨタの長年の目標であり、自動車産業で事業を続けつつ、今回の契約により私たちの空へ展望を固めることができました」と豊田氏は述べている。「私たちは、成長著しいeVTOL分野のイノベーターであるJoby Aviationとともに航空輸送への挑戦に乗り出し、未来の交通と生活に革命を引き起こす可能性を引き出します。この新しく胸躍る試みを通して、移動の自由と喜びを世界中の土地の、そしてこれからは空のお客様にお届けしたく存じます」。

Joby Aviationは、短距離飛行での従来型ヘリコプターと比較して相当な費用便益を実現できると信じている。最終的には、利用率を最大化し燃料を削減することで、「誰にでも利用できる」レベルにまでコストを下げたいと考えている。現在、Jobyは、その航空機の縮小スケール版でのテストを完了し、製品版試作機による本格飛行テストに入ったところだ。2018年末には、米国連邦航空局(FAA)による航空機の承認のための手続きを始めている。

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(翻訳:金井哲夫)

Google Calendarというコロンブスの卵に目をつけたClockwiseのAIアシスタント

スタートアップ企業は、職場のコラボレーションを一層充実させるために、さまざまなサブスクリプションサービスを有料で使っている。しかし、Slackのブームが本当に本物だとしても、もっと圧倒的な真実は、会議漬けで1日の仕事が台なしになることが多いということだ。時間管理のソフトウェアやシステム手帳のようなアプリはすべて個人の努力に依存しているが、でも1日に数時間も会議があれば、個人にコントロールできることには限界がある。

しかしAccelが投資しているClockwiseのCEOであるMatt Martin(マット・マーティン)氏によれば、個々の社員のスケジュールはチーム全体というレンズを通して見るべきであり、そして会議は「集中時間」を最大化するよう運営すべきだ。集中時間(Focus Time)とは、彼の定義では少なくとも2時間の邪魔の入らない時間ブロック(時間の塊)のことだ。

Clockwiseはすでに、LyftやAsana、Strava、Twitterなどが顧客だ。同社は、最初はプロダクトを無料で提供して顧客を広げようとしている。資金は二度のラウンドで1300万ドル(約14億3000万円)あまりを調達した。投資家はAccel、Greylock、そしてSlack Fundだ。

Googleカレンダーに統合される同社のソフトウェアは、人々をグループ化して彼らに合わせて会議の日程や時間を移動し調整するが、そのClockwise Calendar Assistantの最新のアップデートでは一部の困難な作業を自動化できるようになった。

カレンダーのこのような集団的管理はともすれば不平のタネになりがちだ。それを防ぐためのClockwiseの工夫はテスターたちに好評だった。

職種によって、例えばエンジニアは仕事に邪魔の入らない時間が長いことを好む。そこでClockwiseは、週にどれぐらいの集中時間が必要か指定できるようにした。また個人的カレンダーの要素も加えて、これだけは動かせないという私用の時間も指定できる。また会議の場所が会社の外のときは、そこまでの往復時間を考慮に入れる。

そのように動かせない会議もあるし、別の時間にオフサイトの人びとに頼る場合もある。役員の出席を必要とする会議は、彼らのスケジュールを優先する。柔軟性を必要としない会議もあるが、チーム会議の軋轢を自動的に解決できれば、ただ待ってるだけの30分という無駄な時間の発生を防げる。

今回のClockwise Calendar Assistantのアップデートでは、ClockwiseはSlackとの互換性を向上させた。ユーザーが指定した集中時間には、自動的に「do-not-disturb」にチェックが入る。そしてSlackのステータスには、その人が今参加している会議を入れられる。

メールやチャットを車輪のように再発明したアプリが多い中で、カレンダーという平凡なものを利用するClockwiseの着眼点は面白い。「豪華な」カレンダーと言われるGoogleカレンダーの需要は増えているが、そのユーザー数に見合った開発努力はまだ乏しい。その点でもClockwiseは興味深いが、今後は後続がどんどん出てくると考えられる。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

YacはSlack世代のためにボイスメールを再発明する

今どきのテクノロジーコミュニティーでは、仕事の仲間は1カ所に集まらないのが流行だ。スタートアップ企業は、そのような分散したチームを快適な形で結びつけ、コミュニケーションを保たせる新しいツールの開発にいそしんでいる。

そのひとつに、SlakやZoomでのコールで育ってきたチームのために、ボイスメールの形を一新させた米国フロリダ州オーランドのスタートアップYac(ヤーク)がある。同社はその技術で、投資家集団から150万ドル(約1億6500万円)の資金を調達したばかりだ。

デジタル技術に支えられて仕事のチームが分散することは、ひとつの現象になっている。遠隔地で働く人の数は増加傾向にあり、鈍る兆しはない。事実、近ごろでは米国人の3%が自宅でフルタイムの仕事をしていると、新しい統計結果が示している。

自宅でフルタイムの仕事をしている米国人はこの20年間でほぼ3倍に増えた。この流れは加速している。

このように従業員が遠隔地で働くようになれば、若い会社も老舗の会社もコスト削減が期待できる。だが、それには確実に代償がある。Yacの共同創設者であるJustine Mitchell(ジャスティン・ミッチェル)氏によれば、コミュニケーションや協力体制が取りづらくなっているという。

彼は、スーツケースメーカーのAway(アウェイ)でのコミュニケーションと文化の問題を指摘している。それが元で、同社の最高責任者は追放されてしまった(後に再雇用されたが)。

Yacは、リアルタイムで返信することなく、声によるフィードバックと非同期のコミュニケーションが行える方法で、この問題に対処した。電子メールやボイスメールも、機能的に非同期コミュニケーションと考えることはできるが、現代の働く人のニーズに対応したツールではないとミッチェル氏は言う。

今のところ、Yacのサービスに1カ月間に残されるメッセージは4500件。1日のアクティブユーザーは250人いる。

Yacのメッセージング・サービスを使っているところ

Yacは、デジタル・デザイン事務所SoFriendlyから派生した企業だ。当初は、Product Hunt主催のMakerフェスティバルに出場するために創設されたのだが、このイベントで優勝したことから第3世代のベンチャー投資家Adam Draper(アダム・ドレイパー)氏から創設チームに連絡が入り、Yacはドレイパー氏のBoost VCから最初の投資を受けた。その後、BetaworksとActive Capitalからも追加の資金調達を果たしている。

鍵となったのは、Yacが可能にする非同期コミュニケーションだとミッチェル氏は言う。YacもSoFriendlyも、自身が分散型チームで仕事をしているため、Slackのような常につながった状態でリアルタイムの通信が入ってくるプラットフォームや、Zoomのように音声通話やビデオ通話が直接入ってくる環境は、非常に煩わしく苦痛であることをよく知っている。

「本格的に遠隔地で仕事をする組織が大きな頭痛に悩まされていることは、よく承知しています」とミッチェル氏。「私たちは、次なるZoomになりたいと思っています。ただしそれは、分散して働く人たちのためのものです」。

Yacには、現在6名のフルタイムの従業員がいて、Slackをアーリーステージの企業の間で大人気にした同じフリーミアムモデルを採用している。無料版でもメッセージの数に制限はないが、アクティブにしておけるメッセージの長さに上限がある。有料会員になるとその上限が外れ、転送や、チームのワークフローに深く統合できるサービスが受けられるようになるとミッチェル氏は話す。すべてがユーザー1名につき8ドルで利用できる。最初の有料プランは今月中に開始される予定だ。

「未来の会議は、音声による手を使わない非同期なものになります」とActive Capitalの最高責任者Pat Matthews(パット・マシューズ)氏は言う。「どの街でも、従業員はもうパーティションの中にはいません。彼らはいつも動いていて、コーヒーショップでマルチタスクをしています。それが、オフィスワーカーではなくリモートファースト(遠隔第一)の原動力です」。

ミッチェル氏は、同社の製品は遠隔チームに適していると言う。同じ建物の別の階に分かれている場合でも、国内の別の街にいる場合でも、世界中に分散している場合も同じだ。

「Yacを使うことは、仕事中に友だちに電話するようなものです。しかし、非同期なので、相手を煩わせることがありません。これにより、とくにチームが全国に散らばっている場合、遠隔地での仕事がやりやすくなります」と、Yacの初期からのユーザーであり、Boseのパートナーシップ責任者のCharlie Taylor(チャーリー・テイラー)氏は声明の中で述べていた。

電子メールやボイスメールで同じことはできないのだろうか? ミッチェル氏も可能だと認識しているが、使い勝手は悪く推奨しないと話している。不在着信ほどイラつくものが他にあるだろうか? Yacなら、Snapのようなインターフェイスでビデオメッセージが送れる。

画像クレジット:TriStar / Getty Images

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(翻訳:金井哲夫)

マイクロソフトがChromeベースEdge安定版を初リリース、Mac版もあり

Microsoft(マイクロソフト)はスケジュールどおり、米国時間1月15日に新しいChromiumベースのEdgeブラウザーの最初の安定バージョンリリースした。独自のブラウザーエンジンの開発を中止し、良かれ悪しかれ業界標準を採用することを最初に発表してから、まだ1年ちょっとしか経っていない。

現状で、Windows 7、8、10に加えてmacOS用の安定版を直接ダウンロードできるようになっている。Windows 10を使用している人は、自動更新に組み込まれるのを待ってもいいが、それにはまだしばらく時間がかかりそうだ。

すべての開発はオープンで進行したため、これまでにもさまざまなプレリリースチャネルがあった。それもあって、今回のリリースに驚きはない。「コレクション」(Collection)と呼ばれるマイクロソフト独自の新しいブックマーク機能など、将来に向けて最も興味深い機能の一部は、まだ実験的なプレリリースチャンネルでのみ利用可能となっている。ただし、Edgeは現在6週間のリリースサイクルを採用しているので、そうした状況もすぐに変わるだろう。

ここまでの開発サイクルに沿って、私もずっと主張していたように、EdgeはChromeに対する有望なチャレンジャーだ。代替のブラウザーを探している人に推奨することに、まったく躊躇は感じない。とはいえ、まだいくつかの機能が欠けている。中でも最も重要なのは、ブラウザーの履歴や拡張機能をデバイス間で同期する機能だ。私としては、Edgeをメインブラウザーとして使用するのに困難を感じたことは一度もなかったが、そこは人によって違うだろう。

他のモダンなブラウザーと同様、Edgeにも、ユーザーをオンライントラッカーから保護するさまざまなオプションが備わっている。また拡張機能については、Chromeウェブストアと、マイクロソフト独自の拡張機能リポジトリの両方をサポートする。さらに、リーダーモードやプロファイルを切り替える機能など、期待されるほぼすべての機能を備えている。

しかし、キラー機能と言えるもの、つまり他のブラウザーと比べて明らかに優れている機能は、まだ確立していない。マイクロソフト自身は、コレクションがかなり気に入っているようだが、私のワークフローにとっては、さほど便利だとは感じられない。しかし、これで安定したプラットフォームが得られたので、開発チームがその上に革新を実現する準備は整った。今後は、新しい機能に集中した開発が期待できそうだ。

Firefoxでは、独自性を追求した開発が進められていることもあって、Edgeとしては、それがどれほど優れているとしても、再びマイクロソフトのブラウザーに戻ってくるよう、ユーザーを説得するのには骨が折れるかもしれない。ほとんどのユーザーにとって、別のブラウザーに乗り換えるのは、それほど手軽にできることではない、という事情もある。

いずれにせよ、これまで新しいEdgeを試してみることをためらっていた人には、ようやくチャンスが到来したと言える。いちばん簡単な方法は、直接最新版をダウンロードすることだ。Windows 10を使っている場合、通常のWindows OS更新チャネルを通じて、そのうちに新しいEdgeが古いEdgeを置き換えることになる。ただしマイクロソフトは、これを非常にゆっくりとしたロールアウトに設定しているので、完了には数ヶ月もかかると見込まれる。その場合も、いったん新しいEdgeがインストールされると、以降はWindows Updateシステムとは独立に、Edgeが自分で更新するようになるはずだ。

当然ながらエンタープライズユーザーは、いつ、どのように移行するのかを選択できる。それについては、マイクロソフトがここここで詳しく解説している。Edgeは、Internet Explorerモードを備えているため、おそらく多くの企業は短期間でEdgeに移行することになるだろう。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

YouTubeがユーザーのコメント履歴を見せる新機能の提供を開始

昨年9月、YouTubeはプロフィールカードという新機能のテストを開始した。ユーザーが公にしている情報や最近のチャンネルでのコメント履歴を表示するというものだ。過去のコメントにアクセスしやすいようにすることでクリエイターが自分のファンをより簡単に特定できるようにするとされている。そして今回、YouTubeはこの機能をまずはAndroidで一般に提供する。

ユーザーが「コメントを開拓したり、他の人とつながりを構築したり、そしてYouTubeを全体的により利用しやすいものにしたりするのをサポートできれば」とYouTubeは説明する。

プロフィールカードを使うには、コメントした人のプロフィール写真をタップするだけ。すると、その人のカードを見ることができる。ポップアップカードには名前、プロフィール写真、サブスクリプション、購読者の数、最近のコメントなどが表示されている。全ての情報はYouTube上でおおっぴらになっているものだが、プロフィールカードは1カ所に集められている。

もしあなたがコメントした人のチャンネルをすでに購読しているなら、プロフィールカードには上記のものが表示される。そうでなければ、赤い「購読」のリンクをクリックしてコメントした人をYouTubeでフォローできる。

はっきりさせておくと、表示されるコメント履歴はユーザーのYouTube上での全コメント履歴ではない(それも面白そうだが)。プロフィールカードは、あなたがカードを見るためにクリックしたときに視聴しているチャンネル上のコメントを表示する。コメントした人のチャンネルへのリンクも下のほうに表示される。

YouTubeは、この新機能はコミュニティメンバーとつながり、チャンネルで最もいいコメントをした人を見分けるのに役立つとしている一方で、トロル(ネット荒らし)を特定するのにも役立つ。チャンネル上でコメントした人の履歴を確認できることは、例えばクリエイターやモデレーターが同じユーザーからのコメントを非表示にすべきかどうか、あるいはそのユーザーが「承認されたユーザー」リストにふさわしいかどうか判断するのに使える。

この機能のテストが昨年秋に始まった時、フィードバックは概ね良好だった。一部では積極的にコメントすることで自身のチャンネルのプロフィールを有名にできるとみる向きもあった。しかし最近のフィードバックでは、コメントが表示されないようオプトアウトする選択肢を求める声もあったようだ。

この機能は現在Androidで利用でき、将来的には他のデバイスでも提供される。プロフィールカードはYouTubeで利用できるようになった変更の1つだ。同様に新しい機能としては、iOS端末上の購読フィードでのオプショナルトピックがある。この機能を使うと購読者は、購読しているものに「今日」「見てないもの」「ライブ」「投稿」「続きを見る」といったトピックでフィルターをかけやすくなる。

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(翻訳:Mizoguchi

アップルがエッジAIのXnor.aiを約220億円で買収か

2017年に、非営利団体のAllen Institute for AI(Ai2)からスピンオフしたXnor.aiが、約2億ドル(約220億円)でApple(アップル)に買収された。同社に近い筋が、今朝のGeekWireの記事を確証した。

アップルは、このような非公表の買収に関するかねてからの常套句でその記事を確認した。「アップルはときどき、小さなテクノロジー企業を買収しており、一般的にその目的や計画は明かしていない」。念のため、コメントを求めてみたが無駄だった。

Xnor.aiは、機械学習のアルゴリズムを高度に効率的にするプロセスの開発から始まった。 高度に効率的とは、そこらのもっとも低性能なハードウェアでも動くという意味だ。例えば、ごくわずかな電力しか使わないセキュリティカメラの組み込み電子回路などだ。そんなハードウェアでもXnorのアルゴリズムを使えば、オブジェクトの認識のような通常は強力なプロセッサーやクラウドへの接続を必要とするタスクをやってのける。

関連記事:エッジコンピューティングを再定義するXnorのクラッカーサイズの太陽電池式AIハードウェア

CEOのAli Farhadi氏と彼の創業チームはAi2で同社を作り、同団体がインキュベーター事業を公式に立ち上げる直前に独立した。そして2017年の前半には270万ドル、2018年には1200万ドルを、いずれもシアトルのMadrona Venture Groupがリードするラウンドで調達し、その後もアメリカ籍の企業として着実に成長した。

情報筋によると、2億ドルという買収価額はあくまでも概算だが、仮に最終額がその半分だったとしてもMadronaとそのほかの投資家にとっては大きなリターンだ。

同社は、Appleのシアトルのオフィスへ引っ越すようだ。GeekWireが悪天候下で撮ったXnor.aiのオフィスの写真からは、引っ越しがすでに始まっていることが伺われる。Ai2は、Farhadi氏が同団体にもはやいないことを確認し、しかしワシントン大学の教授職にはとどまる、と言った。

Appleのこれまでのエッジコンピューティングへの取り組み方を見れば、この買収は完璧に理にかなっている。機械学習のワークフローをさまざまな状況で実行できるために、専用のチップまで作ったAppleは明らかに、顔認識や自然言語処理、拡張現実などのタスクを、iPhoneなどのデバイスの上でクラウドに依存せずにやらせるつもりだ。それはプライバシーよりも、パフォーマンスが目的だ。

特に同社のカメラのソフトウェアは、撮像と画像処理の両方で機械学習のアルゴリズムを広範囲に利用している。その計算集約的なタスクは、Xnorの効率化技術によってかなり軽くなるだろう。結局のところ、写真の未来はコードにあるのだから。そして短時間かつ省電力で多くのコードを実行できれば、さらにもっと高度なことができる。

関連記事:コードが写真の未来を創る

また、アップルはHomePodでスマートホームの分野にも踏み込んでおり、応用範囲が非常に広いXnorの技術の未来をアップルのような巨大企業に関して正しく予測するのは本当に難しい。

画像クレジット:Bryce Durbin / TechCrunch

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Googleクラウドが15分以内の応答を約束するプレミアムサポートプランを提供

Googleは米国時間1月16日、大企業の基幹業務のニーズに答えるために、プレミアム・サポートプランの提供を開始することを発表した。このプランによって、Gooogleクラウドプラットフォーム(GCP)のサポート水準はプレミアムG Suiteと同等になる。

「プレミアムサポートは最新のクラウド技術を利用している当社顧客のニーズに答えるために作られた」とGoogleのクラウドサポート担当副社長のAtul Nanda(アトゥル・ナンダ)氏は語った。「我々は顧客体験向上のために投資を行い、積極的で統一された顧客中心で柔軟なサポートモデルを提供してそれぞれのビジネスの異なるニーズに対応していく」。

プレミアムプランは、GCPの月間利用量に基づいて料金が設定されており(最少費用は月額1万2500ドルと見られている)、P1のケースで15分以内のレスポンスが約束されている。P1というのは稼働中にアプリケーションまたはインフラストラクチャーが使用不能になった場合をいう。ほかにもトレーニング、製品レビュー、サードパーティーシステムのトラブルシューティングなどのサービスが含まれている。

企業からの問い合わせに答えるサポートチームは、利用者のアプリケーションスタックやアーキテクチャーを知っている「状況を認識しているエキスパート」からなっていると同社は強調する。他ベンダーの類似プレミアムプランと同様、各企業にはテクニカルアカウントマネージャーがいて、一緒に問題解決にあたる。グローバル展開している企業は、複数地域の営業時間に合わせてテクニカルアカウントマネージャーを(料金を払って)置くこともできる。

この考え方は、GCPユーザーにもより積極的なサポートを提供するものであり、例えばサイトリライアビリティエンジニアリング・エンゲージメントも近く導入される。これは顧客が「ダウンタイムの影響が極めて大きいGoogle Cloud顧客プロジェクトのサポート体制を計画する」のを支援するものだ。サポートチームは顧客と協力して、ブラックフライデーのような特別イベントや顧客の業界で大きなイベントにも対応する。Googleは今後も新たな機能やサポートプランを追加していく予定だ。

最近のGoogleのクラウド戦略ほぼすべてに言えることだが、今日の発表も企業をさらにクラウドに移行させようとする同社の取組みの一環だ。たとえば今週同社は、IBMのPower Systemsアーキテクチャー小売店向けの新しいインフラストラクチャーに対応した。さらに同社は最近、ノーコード・サービスのAppSheetも買収している。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Googleがモバイル検索をアップデート、結果ページからのショッピングが簡単に

2019年秋にGoogleショッピングを大改訂したのに続き、Googleは米国時間1月15日にモバイル版Google検索のショッピング体験を変更した。これからは衣類、靴、アクセサリーなどを検索したとき、表示されるのはさまざまな商品やショップへのリンクだけではない。Googleは新しいセクションをつくり、ウェブ中の店舗から人気の高い商品を選んで表示する。ユーザーはそこからフィルター、閲覧ができる。

例えば、「ランニングシューズ」とか「女性向けレザーベルト」とか「ワイドレッグパンツ」などを検索すると、選ばれた商品が新しいビジュルガイドに表示される、とGoogleは説明する。ユーザーはその中から、スタイル、ブランド、サイズなどで絞り込み、画像を見ることができる。それぞれの商品の下には、在庫数や最安価格も表示される($199+など)。

この変更によって、ある特定の商品を売っている店をすべて見つけたいというときは特に便利になる。これまでは簡単にはできなかったことだ。

探していた商品が表示されたら、スクロールするとカスタマーレビューをまとめて読むことができる。買うと決めたら、行きたい店のリンクをクリックするだけだ。

この機能にはGoogleの検索インデックスが使われていて、そこには100万店以上のオンライン店舗の商品が整理、登録され定期的に更新されている。新しいショッピング機能は小売店による有償広告ではない、とGoogleは説明する。小売店は認められた商品をこのセクションに無料で掲載できる。

一連の変更は、GoogleがAmazonにないものすべてが見つかる頼りになるプラットフォームになるために、オンラインショップのためにショッピング体験をいかによくできるかという大きな取組みの一環だ。今週同社が、スタートアップのPointyを1億6300万ドル(約180億円)で買収して、実店舗の店内在庫管理を支援しようとしているのも同じ流れだ。

同社はGoogleショッピングのウェブページも改定し、ユーザーの購入傾向や履歴に基づいてパーソナライズされた目的ページとして、価格トラッカーや地元店舗、オンラインショップ両方の新しいショッピングのやり方を追加した。ただし、衣類やアクセサリーをオンラインで探している人たちの多くにとって、Googleショッピングは第一の目的地ではない。使うの通常のGoogle検索だ。今回の新機能もそれに対応するために作られた。

新機能は本日から今週いっぱいをかけて段階的に公開され、モバイル端末のみが対象だとGoogleは説明している。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook