iOS 8レビュー:洗練されてユーザー体験は大きく進化―制限緩和はデベロッパーのチャンス

AppleからiOS 8が公開された。 昨年のiOS 7へのアップデートほど劇的ではないが、それでも大幅な改良であり、追加された新機能も多い。新しいiPhone 6でiOS 8を利用するとその真価がよく理解できる。Appleが制限のいくつかを緩和したことはサードパーティーのアプリ・デベロッパーにとって大きなチャンスを開くものだ。iOS 8でもたらされた自由化と新機能は今後iOSエコシステム全体に大きな変革をもたらす可能性がある。以下、カテゴリーごとに紹介していこう。

メッセージ

iOS 8のAppleメッセージ・アプリは他の人気のあるメッセージ・サービスによく似たものになっている。いちいち新しいメッセージアプリをインストールし、登録しなくても今流行の機能がデフォールトで使えるのだから便利だ。

新しいAppleメッセージでは、タップとスワイプで画像、音声、動画が送れる。私が一番気に入った機能は、グループを選択して「ミュート」し、一時的に非表示にできることだ。これはAppleがグループ・メッセージ機能を導入したときから必要だと強く思っていた。私の家族はAppleメッセージの大の愛用者で、仕事中には少々邪魔になるのだ。

また特定のスレッドに自分の位置情報を付加するのも簡単になった。友達や家族の間で居場所を教えあうのがずっと簡単になった。単独アプリのFind My Friendsを使うより便利だ。

写真

写真で特筆すべきなのは検索機能の充実だ。iOS 8では写真やビデオを日時、場所、アルバム名で検索できる。また高度なコンテキスト検索機能が利用できるようになり、たとえば「ある場所で撮ったすべての写真」を検索して表示できる。編集能力も強化され、露光、明るさ、ハイライト/シャドウ別調整などをマニュアルで操作できるようになった。今や写真編集能力はApertureのような単独アプリなみの水準となった。

しかも機能が豊富になっても、複雑なオプションで初心者を迷わせるようなことはない。デフォールトでは高度な編集機能は隠され、自動補正のオン/オフのボタンだけが表示される。自動補正の傾きの補正機能はアマチュアの写真の多くを救ってくれるだろう。

ひとつだけ私を面食らわせたのは、iCloudでの共有はすべてのデバイスの写真を統合してしまうので、どの写真がローカルにあるのかクラウドにあるのかを判別することができないことだ。もちろんこれによってユーザー体験がシンプルになっているわけだが、 iPadとiPhoneで別々のライブラリを管理できないのはちょっと不便な場合もある。

QuickType

Appleのモバイル用ソフトウェア・キーボードはこれまでiPhone登場の当初からほとんど変わっていなかった。今回初めて予測変換機能を取り入れるなど大幅な改良が図られた。予測変換はあまりに便利で、いままでこれなしにどうやっていたのだろうと思うほどだ。メッセージなどの入力の場合、過去の履歴を参照して相手ごとに最適な予測候補を表示するようになっている。本当のところこの機能はもっと早く実装して欲しかった。

サードパーティー・キーボード

ソフトウェア・キーボード関連ではもうひとつ、Appleがサードパーティーにシステム全般で利用できる独自のキーボードの開発を許した点も見逃せない。残念ながらAppleはその手順を「設定」の奥に隠しているため、サードパーティーのソフトキーボードをインストールするのはあまり簡単ではない。もっともAppleはこれによって知識のない初心者がうっかり新しいキーボードをインストールしてまごつくことを防ごうとしているのかもしれない。

いずれにせよ、この機能は大歓迎だ。〔これにともなってジャストシステムはiOS版ATOKのリリースを予告している。〕

ヘルスケア

Appleのヘルスケア・アプリはiPhone自体のモーションセンサー(5sのM7、6/6 PlusのM8)」から取得されるデータも含め、さまざまなデバイスからアップロードされる健康とフィットネス関連のデータを集中管理するハブとなる。またそれらのデータをアプリを通じて特定の相手と共有することもできる。

今のところ私自身はヘルス関連のデータを記録するデバイスをたくさん使っているわけではないが、 それでもサードパーティーのヘルス関連アプリをインストールしたり、データの種類ごとにあれこれアプリを移動したりする必要をなくしてくれた。Apple Watchが登場すれば、ヘルスケア関連のデータは飛躍的に拡充されるだろう。

デベロッパーは収集されたデータを一般ユーザーにわかりやすく表示するアプリを開発するチャンスだ。

ファミリー共有

iOS 8では6人までの家族が単一のiTunesアカウントを共有できるようになった。メインのユーザーはApple IDを使って家族をファミリー共有機能に登録できる。すると登録された家族メンバーは他のメンバーが購入、ダウンロードしたiTunesの音楽やiBookの本、App Storeのコンテンツを自由に利用できる。子供のために特別のApple IDを作ることもでき、両親のクレジットカードが使える。ただし子どもたちの購入には親の承認が必要になる。

またファミリー共有では家族のメンバー全員が写真、カレンダーなどを共有、同期して利用できる。ファミリーといっても別にDNAで親子関係を鑑定するわけではないから、親しい友だちとファミリー共有のグループを作ることも可能だ。その他、ファミリー・メンバーの間で位置を共有したり、「iPhoneを探す」で協力して位置がわからなくなったデバイスを探したりできる。

iCloud Drive

iCloudも強化され、iOS 8のiCloud DriveはDropboxやGoogleドライブに近づいてきた。ドキュメント、ファイルをクラウドに保管するだけでなく、デバイス間での同期も自動的に実行される。つまりあるデバイスで編集した結果が即時に他のデバイスにも反映されるようになった。また同じファイルを目的によって異なるアプリで開くこともできる。

連携

新しい「連携」機能によってデバイス間での作業の連携がより緊密になった。メールを書き、メッセージを読み、ウェブをブラウズするというような作業はiOSデバイスとMacの間でシームレスに実行できる。ただしMac側でこの機能が完全に実現するためにはYosemiteの登場を待つ必要がある(おそらく来月一般公開となるもよう)。しかしHandoffはiOS 8デバイス同士の連携を実現しているので、iPhone 6で書きかけた文書をiOS 8にアップデートしたiPad Airで開いて作業を続けるといったことはすでに可能だ。

Instant HotspotはiPhoneが自動的にホットスポットとなってiPadとMacにWi-Fiを提供する。iPad、Mac側ではWiFiが届かなくなるといちいち接続操作を行わなくてもiPhoneのホットスポットに切り替わる。

Spotlight

Spotlightを利用すると多様な情報源を横断的に検索して答えが得られる。Wikipediaからの結果がすぐに得られるのは特に便利だ。その他App Storeの関連あるコンテンツ、最新ニュース、周辺の位置情報なども検索される。

一見ささいな追加に思えるかもしれないが、iOS 8の有用な新機能のひとつだ。これでiPhoneがモバイル検索ポータルとして大幅に価値を増した。Spotlightはホーム画面の上部からプルダウンするだけで使える。いちいち検索やApp Storeなどのアプリを開く必要がなくなった。

通知と拡張

iOSデバイスの通知センターは必要な情報を見落とさずにすむ便利な機能だが、iOS 8では、メール、カレンダー始めサードパーティー・アプリからの通知に対してもいちいちアプリを開かずに通知センターから直接返信ができるようになった。私の場合、これはたいへんな時間の節約をもたらしている。ロック画面をスワイプしてアプリを開くとInstagram/Twitter/Facebookという魔のバミューダ・トライアングルにはまりんで、とんでもなく時間を無駄しがちだが、通知センターからの返信機能のおかげで、その回数が大幅に減った。

拡張機能はサードパーティーのデベロッパーが、たとえば、ロック画面で下にスワイプするだけでフィリップスのスマート照明を操作するショートカットを作るなど、さまざまな可能性を開くものだ。

音声認識

音声認識はiOS 8で大きく改良された。ユーザーの頭の中を読み取っているのではないかと思うほど正確に音声を認識してテキスト化してくれる。

さらなる成長への期待

iOS 8にはこれ以外にも無数のアップデートが含まれている。上でも述べたとおり、AppleはiOS 8でソフトウェア・キーボードを始めいくつかの重要な領域で制限を緩和した。またApple Payがアメリカでリリースされた。これらはデベロッパーにとっては大きなチャンスであり、今後エコシステムの多方面に影響が出てくるだろう。また来月のYosemiteの公開で「連携」がMacから利用できるようになることも重要だ。

現在iOS 8のアップロードは始まったばかりで、サーバーへの負荷などのため、やや待ち時間がかかっているようだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


iOS 8版1Passwordはフリーミアム。一部アプリで指紋認証が利用可能に

1Passwordは、様々なアカウントのために長くて複雑なパスワードを生成し、それを自分で決めた1つのパスワードでアクセスすることによって、セキュリティーを高めるアプリだ。今日(米国時間9/17)iOS 8版が公開され、Touch ID(指紋認証)、一部アプリ(Safariを含む)でのExtensionの利用が可能になると共に、新たな低価格が設定された:無料。

iOS版1Passwordはフリーミアムになり、以前の有料版にあった機能はすべて無料で使える。もしあなたがパワーユーザーなら、新たな “Pro” 機能を利用できる。以前の有料版1Passwordのユーザーは、iOS 8にアップデートすればPro版の全機能が使える

1PasswordのブラウザーおよびSafariで、あらゆるパスワードをTouch IDに隠すことができる他、新バージョンでは、サードパーティーデベロッパーが、Appleの新しい拡張機能を使って1Passwordをアプリに統合できるようになる。今月のAgileBitsのブログ記事によると、1Passwordをアプリで利用したいデベロッパーが現在利用できる機能は以下の通り。

  • Safariで、ログイン、クレジットカード、および個人情報を自動入力する
  • 他の統合したサードパーティーアプリ(ウェブブラウザーを含む)でログインを自動入力する
  • サインアップ時に強力なパスワードを生成する
  • アプリ内でログインパスワードを変えた場合に更新する

デベロッパーはこれらの機能を各自実装する必要があるため、お気に入りのアプリが1Passwordの拡張機能を利用できるまでには、まだ時間がかかるかもしれない。下のGIFアニメは、Stewart Butterfieldの人気ビジネスメッセーシングアプリ、Slackで1Passwordを使っている様子(Touch IDは使っていない)。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


iOS 8が公開された、しかしまだ忍耐が必要だ

AppleのiOS 8 モバイルオペレーティングシステムは、対象デバイスをアップデートすべく、公開が始まった。WiFi経由でもiTunesとケーブルで接続しても可能だが、今すぐ見つからなかったり、ダウンロードがうまくいかなくてもパニックになってはいけない。概してAppleは、今回のような大型アップデートの公開は、アクセスの集中を避けるために段階的に行っており、また少なくとも今後何時間かは途方もないアクセス要求がサーバーに寄せられるはずだ。

iOS 8アップデートに備えて、電源につなぎバックアップしておくことが大切だ。iCloud経由でもよいしパソコンと同期してもよい。データが失くなることを極度に恐るなら、両方やっておくのも良い考えだ。私は「白紙」アプローチが好きだ ― 真っさらの状態にしてから必要なアプリだけを再インストールする。

ワイヤレスアップデートの場合、「設定」-「一般」-「ソフトウェアアップデート」と進む。あなたのデバイスで利用できる状態になっていれば、ダウンロードしてインストールするよう促される。フル充電に近いのでい限り、アップデートを始める前にケーブルをつないでおくことをお薦めする。

スムーズなアップデートのためのもう一点のアドバイスは、手順が始まってからのプロンプトに注意することだ。中でも、iCloudドライブにアップグレードするかどうか尋ねる質問は非常に大切だ。現在あなたが使っているクロスプラットフォームのiCloudデータ同期を、あなたの全デバイスでiOS 8またはOS X Yosemiteが動いている時のみ、同期が行われるようにするというもの。Yosemiteはまだ公開されていないので、もしこれをやるとiOSとMacの間でデータをシェアしているアプリの同期が壊れる可能性がある。タクス管理アプリのClear等を使っている人は要注意。

iOS 8には数多くの新機能が追加されているので、お気に入りのアプリをiOS 8対応にするためのアップデートが次々とやってくることを予定しておくこと。他のアプリとの共有を行うための拡張も導入されているかもしれない。様々なサードパーティー製キーボード ― iOSユーザーに与えられる新たな自由だ ― にも注目されたい。

今回Appleは、一種の待ち行列システムを導入しているようで、デバイスのアップデートが承認されると、実際にダウンロードが始まるまで、「アップデートが要求された」というメッセージが表示される。

また、新iOSは膨大な空き容量を要求するが、主としてその理由は、インストールプロセスが始まる前にアップデートファイル一時的に保管するためだ。十分なスペースがなく、メモリーやアプリを削除したくない人は、パソコンにつないでアップデートすれば、ファイルはパソコンにダウンロードされるので大丈夫だ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


スマホアプリの利用時間は前年比21%アップ

スマートフォンユーザーがひと月にアプリと接している時間には上限があるのだろうが、モバイルマーケティング・プラットフォームのLocalyticsが今日(米国時間)午前発表した最新データによると、アプリに費やされた時間は増加している。実際に人々がアプリを使うために消費した時間は、1年前と比べて21%増えている。中でも、音楽、健康、フィットネス、およびソーシャル関連アプリの伸びが大きい。

調査はLocalyticsの顧客ベースから得たデータに基づくもので、15億台のデバイスにインストールされた2万8000本のアプリケーションを対象に、2013年8月から2014年8月にわたって行われた。同社は、ユーザーの平均アプリセッション数に、全アプリの平均セッション時間を掛けたものを、カテゴリー別に分類した。

データは、既に他のソースから聞いていた情報も裏付けている。例えば、Nielsenの最近のレポートによると、2013年Q4に消費者は月間平均30時間以上アプリを使い、端末には平均26.8本のアプリがインストールされていた。また、comScoreは8月に、デジタルメディア消費の大部分がアプリの上で起きており、米国消費者がデジタルメディアに費やす時間の52%を占めていると報告している

Localyticsのレポートによると、ユーザーは1アプリ当たり月間平均11.5回起動しており、1年前の9.4回から増加しているが、アプリセッション時間は5.7分と変わっていない

音楽アプリは最も利用時間が長く、1年前から79%増えた。健康・フィットネスアプリ(51%増)とソーシャルネットワークアプリ(49%増)がそれに続いた。報告書は変化の要因をいくつか挙げている。例えば、iTunesからSoundCloudやiHeartRadio等の音楽アプリへの移行は、消費者の行動変化によるものであり、モバイル端末ハードウェアの改善によって、健康管理デバイスの高性能化が進み、同分野の利用増につながった。

一方ソーシャルネットワークアプリは、調査会社が「スナッキング」(間食)と呼ぶ行動を示し続けている。これは、開いたアプリの数が最大で、セッション時間が最短であるという意味だ。

Localyticsがこのデータを公表する最終目的は、アプリ製作会社とマーケターに対して、アプリ消費時間 ― セッション時間および起動アプリ数 ― も重要な指標であることを再認識させることにある。今年comScoreが、ユーザーは大してアプリをダウンロードしていない ― 平均的スマートフォンユーザーのダウンロード数は月間3本 ― と言って以来ちょっとした騒動になっていたのを受けてのことだ。

全体として見ると、多くのユーザーは定常的にダウンロードして新しいアプリを試す必要を感じていないが、既にインストールしたアプリには多くの時間を割いている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


これまでになかったのが不思議―150万ドルを調達したEnvoyはiPadの来客入館管理アプリ

会社を訪問するとロビーの受付で来客簿に記入して担当者を呼んでもらう。このプロセスにイノベーションが必要だとは誰も思いつかなかった―Envoyの登場までは。

Googleで4年、Twitterで3年、インフラのエンジニアとして働いた後でLarry Gadeaは昨年11月にEnvoyを創業した。これはiPadベースの来客入館管理システムだ。Twitterを辞めた後、Gadeaは他のテクノロジー企業に勤める友人を頻繁に訪問するうちにこのアイディアを得たのだという。

Airbnbに行くと古臭いクリップボードに名前を書くようになっていたが、GoogleとAppleには自前の入館管理システムがあった。「GoogleとAppleはさすがだな」とGadeaは感心した。「しかし待てよ。どうしてAirbnbには専用システムがないのだ? それにAppleとGoogleがわざわざ人手を割いて本業とは関係ないシステムを開発したということは、入館管理というのはよほど重要な業務なのだろう」とGadeaは気づいたという。

そこでGadeaは4人の仲間(Teng Siong Ong,、Ben Angel,、Kamal MahyuddinWells Riley)を集めて来客管理システムの開発にとりかかった。最初のアプリは昨年App Storeに登録され、19.99ドルの売り切り方式で販売された。今回EnvoyはビジネスモデルをSaaSに改め、一建物当たり99ドルのベーシック・コース、249ドルのプレミミアム・コース、 499ドルのエンタープライズ・コースが用意された。本日からサービスが一般公開され、受付が開始されている。

べーシック・コースは、NDA(秘密保持契約)への署名、入館証の印刷、来客の顔写真入りでSMSとメールによる面会相手への通知、などの機能が用意されており、来客人数無制限だ。

もちろん、タブレットにはSign In for iPadやReception for iPadなどの来訪者管理アプリが存在する。しかしGadeaは「そういうアプリもあるが、入館管理専門に真剣に取り組んでいるのはわれわれだけだ」と自信を見せる。

現在、来客管理アプリではHID GlobalのEasyLobbyが有力だが、Envoyはロビー受付のハードウェアにiPadを用い、洗練されたUIを提供することで対抗していく考えだ。

GadeaはEnvoyをCRMとビッグデータ収集の分野にも拡張していく野心を抱いている。これにはシード資金を投資したのがMarc Benioffであることも影響しているかもしれない。EnvoyはBenioffに加えてAdam D’AngeloJeremy StoppelmanRazmig HovaghimianYishan WongHarj TaggarAlexis OhanianGarry TanBlake Krikorianemil Shah、 Tobi Lutke、Yun-Fang JuanBobby GoodlatteKent LiuTammy NamJavier Olivan、Ali Rosenthalから総額150万ドルのシード資金を調達している。

Gadeaは「受付担当者がいない、あるいは人数10人以下の会社は当面ターゲットにならない。また病院やクリニックの受付はHIPAA(医療保険の相互運用性と説明責任に関する法律)に準拠する必要があるため、今後の課題となる」と述べた。

Envoyには現在250社の有料顧客があり、黒字化間近だという。顧客には200人の社員を擁する産業用大容量送風ファンのメーカー、Big Ass Fansも含まれている。サービスのローンチ当初はこのBig Ass Fansが最大のユーザーだったという。現在、Envoyのユーザー企業のうち30%はハイテク関連以外だ。「われわれのユーザーには石油精製、教会、金融機関、学校、工場、倉庫、なんでもありだ」Gadeaは自慢する。

「入館管理のようなサイドプロジェクトにリソースを割いて内製するよりもEnvoyのようなこの分野専門に真剣に取り組んでいる会社のシステムを利用するほうが得策と考えた」とBoxのシステムエンジニアのJohn Allenはいう。BoxもEnvoyのファンだ。.

テクノロジー系企業では他にLyft、Pixar、Jawbone、Yelp、PalantirがEnvoyを利用している。そしてとうとうAirbnbもユーザーに加わった。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


IBM、Watson Analyticsを発表―Watson人工知能が万人にビッグデータ解析能力を与える

今日(米国時間9/16)、IBMは一般のビジネス・ユーザーに高度なビッグデータ解析能力を与えるWatson Analyticsという新しいプロダクトを発表した。

Watson Analyticsはクラウド・サービスで、データの収集、チェック、解析、ビジュアル化、共同作業のためのコミュニケーション・ダッシュボードなどビッグデータ処理に必要な作業はすべてクラウドで行われる。Watsonといえば、誰もが知るとおり、人気クイズ番組『ジェパディー』で人間のチャンピオン2人を打ち破った人工知能としてあまりにも有名だ。

IBMのビジネス分析事業グローバル・マーケティング担当副社長、Eric Sallは「単にブランドイメージのためにWatsonの名前を付けたわけではない」と強調する。Sallによれば、このプロダクトの特長はビッグデータに対して自然言語で分析、加工処理を行えることで、これにはまさにWatsonの人工知能テクノロジーが用いられているのだという。

Sallは「Watson Anlyticsの目的は、一般のビジネス・ユーザーに強力なビッグデータ解析能力を与えることにある。適切な意思決定のためにビッグデータを利用しなければならないことはだれでも知っている。だが、これまでそれができるのはごく一部の高度な知識とコンピューティングのインフラを持つユーザーに限られていた」と述べた。

現在、ビッグデータ解析には強力なコンピュータ資源、データサイエンティストとデベロッパーのチームが必要とされる。中でも後者を確保することは難事業だ。Sallは「このためにビッグデータ解析の結果を得るまでに、往々にして何日も、あるいは何週間もかかる。 今日のビジネスの厳しい競争環境からみてこのような遅れは許されない。また意思決定を行う人々が他のチームにいちいち処理をお願いするようではいけない」という。

Watson Analyticsはこうした障害を一挙に克服することを目指している。まずクラウド・サービスであるから、コンピューティングのインフラについて心配する必要はない。次にユーザーの望むデータ解析を自然言語で受け付けるのでデータサイエンティストもプログラマーも必要としない。

ユーザーは既存のデータ、たとえばSalesforce.comのCRMデータなどをそのままインポートして利用できる。Sallによれば、このサービスにはポピュラーなビジネス・ツールによって生成されるデータをインポートするためのコネクター・ツールが用意されているという。データをセットすれば、ユーザーは思いついた質問を次々にぶつけていくこともできるし、サービスにバンドルされているストーリー・テンプレートを利用して標準的な統計分析を行うこともできる。

もし営業データを扱っているのなら、テンプレートから標準的な分析を行うのが有効だろう。しかし、その過程でユーザーが何かを思いつけば、自由に質問することができる。Watsonは質問を理解して直ちに答えを出してくれる。Sallによれば「問題は多くのビジネス・ユーザーがビッグデータ解析の専門知識や経験に乏しいため、そもそもどんな質問をするべきなのかよく理解していないという点だ。テンプレートはこのような場合に解析を進めるための糸口として大いに役立つ」と述べた。

さらにWatson Analyticsのベーシック版はIBM Cloud Marketplaceから無期限に無料で提供される。 Sallは「ユーザーがこのサービスを利用する際の敷居を下げるために無料版を提供することにした。無料版も極めて高度な能力を持っている」と述べた。

有料のプレミアム版には、大容量ストレージや企業内データベースのデータに直接アクセスするためのコネクター、さらに高度な分析能力などの追加機能が加わる。

Sallは「これまでわれわれは紺のスーツを着たセールス部隊がCIO始めIT部門の専門家にプロダクトを売り込んでいた。一般ビジネス・ユーザーを直接のターゲットとするWatson Analyticsはわれわれにとって大きな戦略の変更だ。こうしたエンドユーザー向けプロダクトを急速に普及させるにはフリーミアム・モデルが適していると判断した」という。

Watson Analyticsにかぎらず、最近のIBMのエンタープライズ・クラウド戦略自体が、IBMが2013年に買収したインフラのプロバイダー.、Softlayerのプラットフォームを利用したプロダクトのデジタルマーケットを中心に据えるようになっている。またBluemix Platformを通じて、将来はサードパーティーのデベロッパーがWatson Analyticsをプロダクトに組み込むことが可能になる。

Watson Analyticsは今月虫にベータテストが開始され、年末には一般公開される予定だ。クラウドサービスであるので、デスクトップ、タブレット、スマートフォンなどさまざまなデバイスから利用が可能だ。しかしまだ専用のアプリは登場していない。

画像: Flickr USER ibmphoto24 UNDER CC BY-NC-ND 2.0 LICENSE

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


Microsof、Minecraftを25億ドルで買収―ファウンダーのNotchは「小さなプロジェクト」に戻る

今日(米国時間915)、MicrosoftはMinecraftの開発会社、Mojangを買収したことを発表した。Microsoftによれば、MinecraftはXboxとPC版だけでなく、今後ともiOS、Android、PlayStation版の提供が続けられるという。Microsoftによれば、「当初、このゲームをXboxに導入するためにMojangと交渉を始めたが、あまりに素晴らしいプロダクトであることに気づき、Microsoftのゲーム資産を多様化するため買収に踏み切った」ということだ。

ファウンダーのNotchこと Markus Persson、 Carl Manneh、Jakbok Porserは買収手続きの完了と共に会社を去ることを発表した。またMojangの公式サイトはこれまでに報道されてきた25億ドルという買収価格を確認している。Mojangによれば、NotchはMinecraftのような世界的大ビジネスを運営するのを好まず、今後は自分の気に入った小さなプロジェクトをきままに手がけていくつもりだという。Minecraftを売却するという決断は、Mincraftの今後の成長を保証すると同時に共同ファウンダーたちにそれぞれの気に入りの生き方をする自由を与えるために行われたという。

MojangはMinecraftの将来について具体的な発表はしていない。ただし当面は「いつもどおり」だという。Microsoftは「Minecraftのブランドと独立性を尊重する」と述べている。2010年以来、Mojangが毎年開催してきたカンファレンス、MINECONも継続される。

当初からのハードコアなMinecraftファンの中にはMicrosoftによる買収を喜ばないものも多いようだが、全体としてみればこの売却は健全だ。さらにNotchがまったく別の新しい「レゴ世界」をもう一度作るチャンスを与えるものでもある。

Notchは今回のMinecraft売却についてこう書いている。

私はMojangを離れる。

私は自分をゲーム開発者だと思ったことはない。私がゲームを作ったのは単に面白かったからだ。私はゲームが好きだし、プログラミングも好きだ。しかし私がMinecraftを作ったのは大ヒットを狙ったわけでもないし、まして世界を変えようなどと考えたわけでもない。Minecraftはたしかに大成功を収め、私は世界を変えたと人によく言われるようになった。それは確かに嬉しいことだったが、同時に、それは私をある種のスポットライトを浴びる公的な立場に置くことになった。

私はかなり以前からMinecraftから離れると決めていた。Jens (Bergensten)は後継者として理想的な人物だ。私は新しいことがやりたくなっていた。私はもう一度何か大きなことをやろうと考えたがうまく行かなかった。私はなにか小さな面白いプロトタイプづくりにこだわっていこうと決めている。

数週間前、たちの悪い風邪で家で寝込んでいるとき、私にはまったく関係ないEULA(エンドユーザーライセンス契約)の問題で、私はインターネットで憎悪の的になって炎上しているのに気づいた。わけがわからず、落ち込んだ。そのことをツイートした。その後YouTubeでThis is Phil Fish を見た〔ゲームデザイナーのフィル・フィッシュを例に、インターネットでの悪評が形作られるプロセスを解説したビデオ〕。そこで自分がインターネットのゲームファンの間で、ある種のシンボルになっているのに気づいた。しかし私はシンボルなどはごめんだ。そういうわけでMojangにとどまる限り、私が好きでもなく、理解もできない巨大な責任を繰り返し押し付けられることになると分かった。私は本質的に起業家でもCEOでもない。私はTwitterで遠慮なく発信するオタクのプログラマーにすぎない。

Microsoftによる買収手続きが完了しだい、私はMojangを離れ、Ludum Dare〔ゲーム開発コンペ〕やウェブでの小さな実験的プロジェクトに戻るつもりだ。

私の一般的なイメージはすでにかなり歪められたものになっているので、Mojangを離れたからといってネガティブ・コメントの洪水を止めることはできないだろう。しかし少なくとも、それをいちいち読む責任からは解放される。【中略】

この決断は金のためではない。私の正気を維持するためだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


Kevin Roseの新アプリ、Tiinyはサムネイル写真をシェアして24時間後に消す

Digg、Milk、およひRevision3のファウンダー、Kevin Roseは、最近Google Venuresを離れ、新たなモバイル開発会社、Northを立ち上げた。そして、近々公開される同社初のアプリTiinyの詳細が一部明らかになった。Tiinyの基本的アイデアは、サムネイルサイズの写真とGIFアニメをグリッドに配置した画像を友達のスマートフォンに送り、その画像は24時間後に消滅する、というもの。Instagramのようにフルサイズの画像をスクロールさせるのではなく、Tiinyは、たくさんの友達が今何をしているかを常に一目で見ることができる。

RoseはTechCrunchファウンダーのMichael Arringtonに、アプリは現在iOS App Storeの承認待ちで、ごく近いうちに公開されるはずだと語った。Roseのチームによると彼はまだアプリについてそれ以上話すことができないということだが、時期が来たら本誌でさらに詳しく報じるつもりだ。

実はきのう私は、少しだけアプリを見る機会があり、なかなかいい感じだった。下の写真からある程度想像できるかもしれないが、画面の上部には3列4行からなる写真とGIFアニメのグリッドがあり、下には撮影してシェアするためのボタンがある。同じ画面で複数の画像が動くのを見ることは、新鮮で勢いを感じる。Instagramのような静的なアプリはもちろん、Vineでさえ同時に一つしかビデオを見られないので、Tiinyはそれ以上にチェックするのが癖になるかもしれない。他の公開型あるいはメッセージ型の画像シェアアプリを置き換えたり、直接競合するというよりも、Tiinyは補完的な位置付けを狙っているように思える。

他にもまだ機能があるに違いないが、それは公開まで待たねばならない。

先月本誌が報じたように、Northは特異な戦略を持っている。一つのアプリを作ることに消耗するのではなく、3人程度の小さなチームで、新しいモバイルアプリを3ヵ月毎に公開しようとしている。この方法によってNorthは、アプリを次々と壁に投げ付けては、何がユーザーに定着するかを見ることができる。ソーシャルアプリを開発することが奇跡を起こすことに例えられる今、この多様なアプローチは、Northが誰も望まないものの開発に1年を費やすつもりがないことを意味している。もしTiinyが失敗に終れば、次のアプリに移るだけだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


WhatWineはレストランのワインリストをスキャンして料理に合うワインを教えてくれる

私のワインに関する知識ときては貧弱極まるもので、14歳のときに安ワインをがぶ飲みしてひどい二日酔いになったときからほとんど進歩していない。AllPeersを創業者た連続起業家のCedric MalouxとMatthew Gertnerが開発した新しいアプリ、WhatWine私がソムリエを呆れさせる度合いを減らしてくれるらしい。このiOSアプリはOCRでレストランのワインリストをスキャンし、ワインデータベースのSnoothと対照して、ユーザーが選んだメインの料理に合うワインを選び出してくれる。

「世の中には膨大な種類のワインがある。ワインリストを見て即座にそれに合う料理を判断するのはワインの専門家でないかぎり無理だ。プロのソムリエは資格を取るのに1年勉強しなければならないし、的確なアドバイスができるようになるにはその後何年もの経験が必要だ。ところがたいていのレストランではウェイターが50種類ものワインが載ったリストをテーブルに置いていき、客が悩むにまかせている。われわれのアプリはこの問題を解決しようとするものだ」と私のインタビューに答えてMalouxは言う。

Malouxによれば、このアプリのアイディアを思いついたのは5年前だが、ありとあらゆるフォントで印刷されたワインリストを正しくスキャンする方法を考え出せずにそのまま温めていたのだという。ところが1年ほど前にSalsita SoftwareのCEOで共同ファウンダーでのGertnerにSalsitaを利用すればこの問題が解決できると説得された。

iOSアプリ自体はこの上なくシンプルだ。ユーザーはどのレストランを訪れているかをアプリに(FoursquareのAPIを通じて)教える。もしそのレストランのワインリストをすでに他のWhatWineユーザーがスキャンしていればワンタッチでそのリストが表示される。もし初めてなら、ユーザーはスマートフォンのカメラでワインリストを撮影する。するとWhatWineが解読してデータベースに加える。次にユーザーは料理の種類を13種類の中から選ぶ。WhatWineはリストの中からそれにいちばんよく合うワインを推薦してくれる。

Malouxは、Vivivo、Drync、Hello Vino、Delectableなどライバルのワインアプリの多くが、ユーザーがワインのラベルを撮影する必要があるという点を指摘した。つまりすでにワインを選び、瓶がテーブルに運ばれてきてからでないと情報が得られない。こうしたアプリはユーザーがどんなワインを飲んだか記録するのが主な目的だ。「これに対してわれわれのアプリは料理とワインの相性を判断してユーザーがワインリストからワインを選ぶのを助ける。こういうアプリはWhatwineだけだ」とMalouxは主張する。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


iTunes App Storeの登録アプリケーションは現在130万本

現在クパチーノでは、iPhone 6の発表イベントが行われているところだ。その中でAppleは、iTunes App Storeに登録されているアプリケーションが130万件に達した旨をアナウンスしている。6月時点での120万から、さらに数を増やしていることになる。

2013年6月には、Appleは90万件のアプリケーションが登録されていると話していた。その時点でのダウンロード数は500億だった。登録アプリケーションの数は1月時点で100万に伸びている。

相変わらず、AppleおよびGoogleが提供するモバイルアプリケーションの数は僅差であるということになるようだ。非公式ながら、Google Playには現在、136万のアプリケーションが登録されているとの情報がある。

ちなみに、これまでに登録されているiOSアプリケーションは、iPhone 6およびiPhone 6 Plusでも問題なく動作するとアナウンスしている。

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(翻訳:Maeda, H


Lifelogging用ウェアラブルカメラのNarrative、米国内拡販のために800万ドルを調達

ライフログ用カメラを提供するNarrativeが、アメリカでの販売拡大を目指して800万ドルの資金を調達した。今回の出資をリードしたのはKhosla Venturesで、従来からのTrue VenturesおよびPassion Capitalもラウンドに参加している。2012年にスタートしたスウェーデン発のNarrativeにとって、昨年10月以来の外部資金の調達となった。調達額の合計は、今回をあわせて1220万ドルとなった。

読者の方々は、Narrative Clipをよくご存知のことだろう。洋服の襟部分や、Tシャツの首周りなどに取り付ける5メガピクセルの小型カメラだ。30秒間隔や2分間隔など、撮影間隔を指定すれば指定された間隔毎に写真を撮り続けるようになっている。また、ダブルタップすればスケジュール時以外にもオンデマンドで撮影できる。Android版およびiOS向けのアプリケーションも用意されている。アプリケーションを使って、時系列に並んだ写真を検索したり、そしてシェアすることができるのだ。

サイズは小さく、そして外見も非常にシンプルなものとなっている。おかげで、さほど目立たずに写真を撮影することができる。あるいはたとえカメラの存在に気づいたとしても、Google Glassのように圧倒的な存在感を持つものでもない。カメラを前にしても自然に振る舞うことができるのだ。

Narrativeは当初、2012年にKickstarterキャンペーンを展開して550,000ドルの資金を調達した。続いて昨年には、世界展開のためにVCより300万ドルの資金を調達したのだった。ちなみに元々はMementという名前だった。後にマーケティング戦略などの必要からNarrativeと名前を変えることになったのだ。

今回の資金調達は、アメリカ市場での成功を狙ってのものだ。サンフランシスコにオフィスを開き、アメリカを拠点とした売上および小売店への製品提供を進めようとするものだ。

加えてチームの拡充にも資金を使う予定であるとの話もきいている。現在開発、営業、物流、デザイン、Eコマース部門の人材などを募集している。

True Venturesのパートナーであり、かつNarrativeの取締役でもあるOm Malikは次のように言っている。「Narrative Clipは多くの可能性を秘めたものです。こうしたプロダクトを生み出すチームをサポートしていくのは大いなる喜びです」。

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(翻訳:Maeda, H


Googleフォームで「テーマ」(カスタマイズ可)が利用可能に

Googleは、オンライン上でシェアすることのできるウェブベースの「フォーム」をGoogleオンライン・オフィススイートのひとつとして提供している。これまでは便利ではあるものの、いかにも殺風景なシロモノだった。しかし新たに「テーマ」が利用できるようになり、少々おしゃれになった。「テーマ」を適用しつつ、さらにフォントや色指定は自ら行うこともできる。バックグラウンド画像を自分で用意した写真などに差し替えることもできる。

これまでに使ったことのある人はよく知っているだろうが、「フォーム」はメーリングリストへの登録、イベント参加申し込みの受け付けなどに便利に利用することができていた。ただ、「フォーム」で作ったページの見栄えがあまりよくないというのが問題だったのだ。

新たにテーマが導入されて、どうやらこの「見栄え」問題も解決することになりそうだ。フォームの編集画面の上部にあるツールバーに「テーマを変更」のボタンができ、いろいろな利用シーンをイメージさせる画像のついたテーマを選ぶことができるようになっている。たとえばセーリング、自転車、キャンプなどの画像がついたテーマもあり、またより一般的なパーティーバナーを配置したものもある。

もちろん、バナー画像などはいらないという用途のために、白地にカラーフォントを組み合わせたテーマもある。それだけでも従来のものと比べるとずいぶんおしゃれに見える。

細かい使い方についてはGoogleのブログにも掲載されている。利用者からの要望も、こうしたデザイン面に関するものが多かったのだそうだ。

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(翻訳:Maeda, H


暖房付きスマートインソール? 次はいったい…

つながってアプリで制御できる日常製品に、はたして限度はあるのだろうか。正常心とスマホのバッテリー寿命は〈ある〉と言いたいかもしれないが、近々スタートするKickstarterプロジェクトは〈ない〉と言っているようだ。このつながって暖房するインソールは、ランナーの足を暖めながら歩数を計測する。

Digitsoleという名前のその商品は、初めて見る「スマート・インソール」ではない。Googleは2013年3月のSXSWで、つながって、喋るシューズをアートプロジェクトとして披露した。最近では、Bluetooth対応シューズ/インソールのLechalが登場し、足の触覚にフィードバックして地図を見ることなく道案内をしてくれる。さらには、ランナーの足が地面とどのように接触しているかを正確に分析し、リアルタイムで触覚フィードバックを返して走り方を調整できる、スマート・ソックスまで現れた。実用的かといえば、そう、かもしれない。

そして今、つながる加熱インソールが出てきそうだ。専用Android/iOSアプリをスワイプするだけで、最高40℃まで1回の充電で最長8時間暖めることができる。充電は後端のUSBポート経由で行う。

足の指を甘やかすためのアプリ? 世界で最初の実は問題でない問題の一つにも聞こえる。それでも、凍てつく寒さの中を走るしもやけがちな人にとっては、天の恵みに感じられるかもしれない。

オンデマンドの足暖房に加えて、Digitsoleの袖の中、いや靴下の中には他に2つ機能がある。歩数と消費カロリーを ― 同社曰く ― ウェアラブル・フィットネス・アームバンドより正確に測定する。なぜなら、Digitsoleは両方の足にあるので、何歩走ったかを正確に知っているからだそうだ。

Digitsoleを作ったフランスの開発者たちは、暖房インソールの夢を実現すべく、Kickstarterで4万ドルの調達を目標にしている。果たして彼らは、ファンシーなBluetoothフットウォーマーのために99ドルを手放そうという人たちを十分な人数説得して、1月の寒さに間に合わせることができるだろうか。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


Typing WriterはiPadをタイプライターに変える(ただしこれはTom Hanks作ではない)

2週間前に映画スターTom HanksのタイプライターアプリHanx Writerが、AppleのApp Storeでトップになった。でも今はたぶん、空気中におかしなものがあるのだろう。ほかにも、iPadをタイプライターにしてしまうアプリがあるのだ。

そのTyping Writerアプリは、文学サイトThe RumpusのファウンダStephen Elliottが、Eli Horowitz、Chris Ying、Russell Quinnらと作った。

Elliottは数週間前に本誌TechCrunchのニューヨークオフィスにやってきて、そのアプリを見せた。ぼくはどちらもまだ使っていないが、いろんな記事から判断するとHanx Writerアプリはタイプライターの音など、ノスタルジアを強調しているのに対して、Typing Writerは実際にテキストをタイプできる実用性を重視しているようだ。サンプルとして、ライターのJim ShepardやMelissa Febos、Aimee Brill、Rick Moodyらの書いた初稿がついてくる。

なおここで情報開示をしておくと、Elliottはぼくの昔の作文の先生だ。そしてこのビデオを撮った直後に、彼と二人で短編映画を作ろう、という話になった。

ともかく、Typing Writerは1ドル99セントで、ここでダウンロードできる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


DrinkMateは、Android端末に差し込むアルコール濃度測定装置

スマートフォンにつないで内蔵センサーの機能を拡張するデバイスは続々と現れ、その多くがクラウドファンディングに支えられている。また一つ、Android端末の能力を高める新たな挑戦者が現れた。DrinkMateと名付けられた小さな呼気分析装置は、Kickstarterで4万ドルを目標に出資を募っている。12月の出荷を目指している。

長さ1.8インチ(4.5 cm)のデバイスをMicro USBポートに挿入して専用アプリを立ち上げると、半導体センサーに吹きかけた呼気を分析して血中アルコール濃度(BAC)を表示する。DrinkMateはマウスピースを必要としない。利用者は吸気口に息を吹き込むだけでよいので、コンパクトな設計が可能になり衛生も保てる。

スマートフォン用アルコール検知器は他にもあり、例えばiPhone用のAlcohootは昨年本誌で取り上げた。しかしDrinkMateは、ムーアの法則のおかげで、ずっと小さくずっと安価だ。

さらに精度面でも期待に答え ― プロトタイプなので引き続き試験が必要 ― BAC 0.02%水準で +/- 0.01% BACの精度を保つと同社は言っている。DrinkMateのセンサーの測定限界は0.20% BACだが、そこまで酔っているとこのガジェットを使えるほど〈正気〉である可能性は低く、車のキーを見つけるのも困難だろう。

精度の問題に加え、果たしてDrinkMateの性能が、現実の厳しい使用環境で発揮されるのかもまだわからない。利用者が正しい方法で検査するとは限らない。専用アプリは、最後の一杯を飲んでから十分時間を置いて測定し、口内に残ったアルコールによって不正確な測定値が出ないようにする等、ユーザーによる誤用を防ぐ必要がある。

ワシントンDCにあるDrinkMateの開発元によると、このデバイスを開発したきっかけは、BACを視覚化し共有することによって、飲み仲間同志でプレッシャーをかけ合い、互いの安全を守るためだった。実に崇高な目標だが、もちろん正反対の行動を促す危険もある ― だからこそ、アプリの見せ方は重要だ。現在のアプリのデザインはごく基本的なものだが、週毎に機能を追加していくとメーカーは言っている。

位置情報や移動、健康管理用センサー等、誰もがもっとずっと高い関心を持つ装置がスマホ本体に組み込まれつつあるが、DrinkMateのBAC測定のように専門的で目的を絞ったセンサーは、スマートフォンを補完するものとして意味があるだろう。

結論:この種のセンサーは、誰もが欲しがる、あるいはスマホに内蔵させるべきものではないが、様々な装置をキーホルダーにぶら下げておき、差し込んでスマホの機能を拡張したい人たちは、価値を見出すかもしれない(あるいは、センサーを利用者が身に付け、Bluetooth経由で端末とつなぐかもしれない)。

DrinkMateの価格は、Kickstarterで支援額25ドルから。

同機は以下のAndroid端末との互換性が保証(テスト)されている。

  • Samsung Galaxy S3、S4、およびS5
  • Samsung Galaxy Note 3
  • HTC One
  • Motorola Moto X
  • Asus Transformer Prime、Infinity

メーカーによると、iPhone版も計画しているが、まずAndroid版のKickstarterキャンペーンが成功してからとのこと。

8/31時点で、キャンペーンは目標4万ドル中3万ドルを越え、あと25日を残している。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


クラウドベースのKdan Mobileはアドビのモバイル製品とEvernoteのスキマを埋める

Kdan MobileはAdobeのモバイル製品とEvernoteの「隙間」を埋める製品を開発している。クラウドで利用できるAnimation DeskNoteLedgeは、学生やアマチュアユーザー向けのiOSとAndroidアプリだ。

Kdan Creative Cloudを使えば、ユーザーは自分のコンテンツに複数のデバイスからアクセスできる。創設者で現CEOのケニー・スー氏はこう述べる。「Kdan Mobileのスタートアップは、シリーズAラウンドのクロージングにあります。近い将来、ファイル形式によるコンテンツの簡単な管理ができるように、すべての自社アプリからデータを解析します」

「現在、弊社が目指している市場ポジションは、AdobeとEvernoteのスキマにある、モバイル端末でのコンテンツ制作のユーザー体験を補完することです。Evernoteのビジネス戦略は、すべてをクラウドで保管することですが、コンテンツの作成をするツールはありません。Adobeはアマチュアのモバイルユーザーではなく、これまでずっとプロフェッショナルユーザーを対象にしてきました。」

NoteLedgeとAnimation Deskは、SamsungとMicrosoftとのパートナー契約により勢いがついている。これらのアプリは、アジアの13カ国でGalaxy 3やGalaxyタブレット等のSumsungのモバイル端末に、台湾でMicrosoftのLumiaシリーズにプリインストールされている。

現在、Kdanはより多くの企業とのパートナー契約と、パートナー契約によらない新規ユーザーの獲得、そして既存ユーザーがKdan Creative Cloudへサインアップするよう促すというチャレンジを抱えている。スー氏は、「秘密保持誓約書のため詳細は明かせないが、北米の携帯キャリアとパートナー契約を結んだ」と語る。

Kdanのスイート、Kdan Creative Cloudには、現在100,000人のとうろくユーザーがいて、毎日2,000から3,000人が新たにユーザー登録をしている。Kdan Mobileは、2015年末までにユーザー数100万人を目標としている。スー氏はプロモーションや追加機能のアンロックなどを提供することで、ユーザーにKdan Creative Cloudへの登録を促す予定だという。

現在、8つのアプリがKdan Creative Cloudと連携している:Animation Desk($4.99)、NoteLedge ($4.99)、PDF Reader ($4.99)、PDF Connoisseur ($9.99)、Pocket Scanner ($3.99)、Write-on Video ($3.99)、PazteUp ($4.99)、EleEditor ($2.99)。

これらのうち、PDF ConnoisseurとNoteLedge、Animation DeskをKdan Mobileは旗艦アプリとしている。

Animation Deskは、デッサンをアニメーションにするiPadアプリで、高額ソフトの機能すべてを必要としない、学生やアマチュア向けのAdobe Edge Animate代替品として制作されたソフトウェアだ。仕様として、フレームレート(静止画像数、コマ数)は3FPSから24FPSまで4段階をサポートし、ユーザーが手描きする必要がないように、背景として動画や静止画を搭載している。また、Animation Deskは、Adonit、Ten One Design、Hex3 stylusに最適化されている。

PDF Connoisseur は、紙の資料をPDF化するスキャナー、PDFリーダー、ファイル・コンバーター、ダウンローダー、ファイル変換ツールを内蔵している。また追加機能として、6言語(英語、フランス語、ドイツ語、中国語、韓国語)をサポートするテキスト読み上げ機能、12言語をサポートするOCR(画像からテキストを読み取り、検索可能なテキストファイルに変換する機能)とPDFエディターがある。

NoteLedgeはEvernoteの競合ソフトだが、より若い層をターゲットとし、クレヨンやスタイラスなどのスタイラスや、異なるノートのデザイン、ステッカーのアプリ内購入などのオプションを設けている。Evernoteのように、NoteLedgeはオーディオ録音、ビデオ録画もサポートしている。
Kdan Creative Cloudのサブスクリプションは、個人ユーザーは月$2.99ドルか年$9.99ドル、ビジネスユーザーは月$5.99または年$29.9 ドルだ。

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(翻訳協力:Kdan Mobile Software、早瀧)


LINEは5000万人の「つながり消費」でECを変えようとしている

あらゆる商品を個人間で売買できるフリマアプリとして2014年3月にスタートした「LINE MALL」。サービス開始から5カ月を経て、国内5000万のLINEユーザーのつながりを商品購入に生かす新戦略を発表した。第1弾としては、LINEの友人間で商品をまとめ買いできる「LINE グループ購入」を28日から開始する。「つながり消費」を促すサービスを強化することで、LINE MALLは文字通り、モールアプリに変化しつつあるようだ。

リアルなつながりを消費に変える

「LINE グループ購入」の該当商品は食品や飲料などの日用品がメイン。通常価格よりも最大50%オフで購入できるのが特徴だ。注文方法は、代表者となるユーザーが商品を選び、LINEのトークやグループでまとめ買いする相手を指定する。その後、自身の購入個数を入力した注文書をLINEのメッセージで送り合い、参加メンバーの購入個数が最低個数を上回れば購入できる。決済はユーザーごとに行われ、商品は各家庭に届けられる。

グループ購入サービスは過去にもあったが、最大の違いは「リアルなつながりを消費に変えられるかどうか」だ。LINE執行役員の島村武士は従来のPCをベースとしたECについて、商品名を検索したり、スペックを比較して購入する「Pull Commerce(検索型EC)」が中心だったと指摘する。「Pull Commerceは特定の商品が欲しいケースには対応できても、ニーズが顕在化していないシーンでは利便性が高くない」。

これに対して「LINE グループ購入」は、新たなニーズを創出する「Push Commerce(プッシュ型EC)」だという。「みなさんが商品を買いたいと思った時に、自分発じゃないこともある。例えば妖怪ウォッチは、私じゃなくて子どもや妻に欲しいと言われて買ったりする」。Push Commerceは、LINEの友人や知人に推薦されることで、本来買おうとしていなかった商品に出会う機会を提供するものと言えそうだ。

「つながり消費」を促すサービスとしてはさらに、LINEの友人にギフト商品を送れる「LINE ギフト」を今秋に開始する予定。購入者はLINE MALL内でギフト商品を購入し、LINEの友達リストから送り先を選ぶだけで、相手の住所が知らなくても商品を送付できる。購入者は1人だけでなく、LINEの友だちを誘って割り勘することも可能だ。受取人はLINE上で届いたメッセージから住所や配送日を設定することで、商品を受け取れる。

27日に発表された新戦略の中には、ショッピングモール型のサービスも含まれている。具体的には、地域の生産者が収穫した農産物や、水揚げされたばかりの魚介類を販売する「LINE マルシェ」、オフラインで店舗展開している人気セレクトショップの店頭販売商品を購入できる「LINE セレクト」を年内に開始する予定。LINEとしては、両サービスに出店する店舗から販売手数料を徴収する。

開始時期は未定ながらも、クリエイターがハンドメイド商品を量産製造できるように支援する「LINE クリエイターズモール」も手がける。同サービスは、LINE MALLでユーザーから多くの「お気に入り」登録されたハンドメイド商品に対して、LINE MALLの審査を経てから、工場に量産化のオファーができるというもの。クリエイターにとっては、個人では難しい量産が可能になり、工場としては、職人や機械の遊休時間を有効活用できるメリットがある。

EC化率の白地図を全部取る

LINE MALLはフリマアプリとしてスタートしたこともあり、メルカリやフリルといったアプリと競合視されることが多い。この点について島村は、「LINE MALLをフリマサービスと考えていたら、サービス名はLINEフリマにしていた。LINE MALLはあくまでモール。個人間のやりとりに限らず、新しいECの形を目指している」と語り、フリマアプリとは見ているところが違うと言い切る。

経済産業省の調査によれば、小売りやサービス業におけるB2C市場のEC化率は3.1%にとどまっている。LINE執行役員の舛田淳は、ECには攻めるべき「白地図」が残っているといい、LINE MALLでは「白地図を全部取ることを目指す」と意気込んでいる。「最大のリアルグラフを持つプラットフォーム上でECを展開するのが唯一かつ最大の強み」。


Uberがランチ・デリバリーのuberFRESHのテストを開始

Ubeは自動車のオンデマンド活用についてあらゆる可能性を試そうとしているようだ。今度はuberFRESHというランチ宅配サービスのテストを始めた。現在対象となっている地区はサンタモニカで、サービス時間は午前11時30分から午後2時30分まで。何種類かのセットメニューから選べて料金は一律12ドル。メニューは週変わり。サービスが提供されるのは月曜から金曜まで、土日祝祭日はサービスを休む。

uberFRESHの宅配は既存のUberアプリから申し込める。アプリの画面右下隅のスライダーにこのオプションが追加された。ベータテストなので当面利用できるのはサンタモニカの一部地区のみだ。テストの実施期間は今日(米国時間8/26)から9月日までを予定しているが、評判がよければ延長されるかもしれない。

ユーザーは12ドル払えばよく、別途配達料は請求されない。またチップも必要ない。受け渡しは住所地先の道端で行われる。ドライバーは家のドアの前やオフィスまでは運んでくれない。およその配達時間は10分くらいだそうだ。

uberFRESHはUberの数多い実験の一つだ。現在ワシントンDC地区では歯磨きなどの日用品を配達するUber Corner Storeが実施されている。仕組みはuberFRESHとほぼ同様だ。ランチ配達のライバルにはPostmatesなどがある。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


地図に位置を記録するモバイルアプリPin Dropがソーシャル機能を強化

Pin Drop(iPhone、Androidとウェブサイト)は、地図上の位置を簡単に記録して整理、共有するサービスだ。今回共有機能がバージョンアップされたのを機にアメリカのApp Storeにも登録された。Pin Dropはもともとイギリスで開発されたアプリで、私はロンドンですでに便利に使っている。

今回強化されたのは共有におけるプライバシー設定で、個々のピン(地図上に記録された位置)ごとに公開/非公開を設定できるようになった。またピンのリストを特定の友達に送ったり、一般公開したりできる。このアプリが目指すのは、ユーザーが関心を抱いた場所のアーカイブを作成し、必要なら共有できるようにすることだ。

新しいピンの共有機能を使うと、複数のユーザーが「ロンドンのクールなバー」といったように一定のテーマに沿った場所のリストを共有できる。匿名での利用も可能だ。

今回のバージョンからユーザーは仕事用、個人用など複数のアカウントを作れるようになった。またピンにビデオファイルを添付をすることができる。

Pin Dropのファウンダー、Andy Ashburnerは2013年3月にYahoo!に買収されたニュース要約サービスのSummlyのファウンダーだ。現在Pin Dropは登山家、ハイカー、スキーヤー、スノーボーダーなどアウトドア・スポーツの愛好家に高い人気を得ている。また建築家や不動産関係者なども利用しているようだ。

ライバルにはFlickrの共同ファウンダー、Katerina FakeがファウンダーのFinderyがある。機能はほぼ同一で、最近1100万ドルの資金を調達している。

Pin Dropはサードパーティーのデベロッパー向けにAPIを用意している。

〔日本版〕原文にはiPhoneアプリとあったが、Play StoreにAndroid版もある。ユーザー名に空白を受け付けないので注意。インストールするとFacebookの友達、Twitterでフォローしている相手を検索できる。またホテル、バー、レストランなどのジャンルごとに付近を検索できる。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


Instagram、モバイルで安定したタイムラプス動画が撮影できるアプリHyperlapseをリリース

最近、Instagramはモバイル写真に新分野を切り開こうと努力しているが、今日(米国時間8/26)、HyperlapseWiredの記事)という動画撮影アプリを公開した。ユーザーはスマートフォンのカメラを使ってその場でタイムラプス動画を撮影できる。Hyperlapseのローンチの直前にInstagramはSnapchatスタイルの写真共有アプリ、Boltをリリースしている。

今回発表されたHyperlapseアプリはiOS版だが、iOSデバイスのカメラを使うだけで安定したタイムラプス動画を撮影できる。 従来はこうした動画を撮影するには高性能カメラとステディーカムのような高価なスタビライザーマウントが必要だった。このアプリはジャイロスコープのデータを利用してソフトウェア的に動画を安定化している。その効果は現在映画スタジオが利用している超高価なモーション・スタビライザー・ソフトウェアに迫るものがある。iOSデバイスのコンピューティングパワーでこれを実現しているのは驚異的だ。

おそらくInstagramはこの機能を既存のアプリに組み込みたいという衝動を感じたはずだ。「しかしそうするとせっかくの機能が既存アプリの中に埋もれてしまい、こういう機能を求めている多くのユーザーの目から隠されることになっていただろう」とWiredは指摘する。この点、私も同感だ。 InstagramはInstagram VideoとDirectの失敗から学んだのだと思う。これらも機能は優れていたが、メインのアプリに追加されたために、口コミの評判が既存ユーザーのコミュニティーの外に広まらなかった。

HyperlapseはメインのInstagramアプリと同様、シンプルさを極限まで推し進めている。ユーザーが調節できるのは再生速度(タイムラプスの度合い)だけだ。ユーザーはスライダーで再生速度を1倍(つまり通常再生)から12倍まで選べる。.

特筆すべきなのは、1倍でも強力な画像安定化機能が利用できる点だ。しかしタイムラプス効果を加えると動画の印象は劇的に変わる。

このアプリは、最近のモバイルアプリ、特にFacebook/Instagramから発表されたアプリの中で最高にクールだと思う。現在Hyperlapseは iPhoneとiPadでしか使えない(Android版は次のバージョンになるということだ)。われわれはさっそくこのアプリのタイムラプスとスタビライザー効果を試してレポートするつもりだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+