Googleのレーダー技術によるジェスチャー入力方式SoliをFCCが認可、電波妨害問題をクリア

数年後にはタッチスクリーンを陳腐化するかもしれない、Googleのレーダーを利用するモーションセンサー技術を、アメリカの規制当局が認可した。Soli Projectと命名されたそのイニシアチブは2015年に、Googleの最先端の技術開発部門Advanced Technology and Projectsでスタートした

それ以降私たちは、Soliの技術的成果をいくつか見てきた。それはオブジェクトを認識でき、レーダーセンサーの消費電力を少なくできた。いちばん最近では、規制当局からの指示がきっかけで、もっと実用的な段階へ移行した。アメリカの連邦通信委員会(Federal Communications Commission, FCC)は今週初めに、Project Soliに対し、現在許されている以上の高い電力レベルでの運用を認めた。この政府機関はさらに、そのデバイスが“他のスペクトルのユーザーを妨害する可能性が極微なので”、航空機の中で使用してもよい、とした。

Soliのレーダーセンサーは25ドル硬貨サイズの小さなチップで、手や指のわずかな動きを高速高精度で追える。これによりたとえば、オーディオ装置ではボリュームのつまみを回さなくても、スピーカーの前で指をすり合わせるだけで音量を調節できる。FCCの今度の規制なら、スマートウォッチのボタンをエアプレスすることもできるだろう。

FCCは、安全性の懸念が一掃されればこのセンサー技術が公共の利益にも奉仕する、と言っている: “スマートフォンなどのデバイスをタッチをしない手のジェスチャーでコントロールできるようになれば、運動能力や発話能力、触知能力など多様な障害を持つ人びとを助けることができる。それにより、アメリカ社会のより多くの成員の生産性と生活の質が向上する”。

今本誌TechCrunchはGoogleに詳細を問い合わせているので、返事が得られ次第この記事をアップデートしたい。

FCCのこの認可の数か月前には、Facebookが、Soliのセンサーが高い電力レベルで運用された場合の電波妨害、という問題をこのお役所に持ち込んでいた。しかし両社は9月に合意に達し、 Soliは政府が許容したよりも高いがGoogleが求めたよりも低い電力レベルで運用される、という合意内容をFCCに届け出ていた。その合意内容が認可された、というわけだ。

この新しい分野でFacebookがルールを設けようとしたことは、理にかなっている。同社もまた、Oculusで同様のモーション技術を展開しようとしているからだ。Facebookはたとえば、腕の動きを作り出すデバイスで、ハグなどの社会的ジェスチャーをシミュレートする技術開発に投資している。

Googleのこの技術開発のアップデートはしかし、ある種の‘頭隠して尻隠さず’でもある。そう言いたくなるぐらい、最近の同社は問題含みの行為が多い。まず、Google+の大量のデータ漏洩、その前の、オンラインゴーストタウンの閉鎖。児童ポルノ対策の失敗。そして中国への再進出が、検索エンジンの検閲を伴うという報道

画像クレジット: Google

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アメリカの金融大手は今年のiPhoneの落ち込みを予想、中でも最悪はXS Max

スマートフォン全体の需要が落ち込んでいる中で、AppleのiPhoneの減産を予想するアナリストが日に日に増えている。今日(米国時間12/28)は、米金融大手Citi Groupの調査部門Citi Researchがその仲間に加わった。

ロイターによると、Citi ResearchのアナリストWilliam Yangは、今四半期のiPhoneの出荷台数を以前の予想より500万台下げて4500万台としている。もっと人気者のAppleアナリスト、TF International SecuritiesのMing-Chi Kuoも、先月初めに、iPhoneに関しこれと同様の鈍い予想を発表していた。

Yangの予想の中でとくに暗いのが、6.5インチのiPhone XS Maxだ。クライアントに宛てたリサーチノートの中でYangは、2019Q1のiPhone XS Maxを最初の予想より48%減らしている。

Yangは一連の暗い予想の根拠として、Citi自身の次のような見方を挙げている: “2018年にiPhoneは在庫縮小段階に入ったが、それはサプライチェーンにとって凶兆である”。

2週間前にKuoが発表した2019年のiPhone出荷台数では、前年比5-10%下げ、となっていた。そして第一四半期の出荷台数予想は、彼の最初の予想より20%少なかった。

画像クレジット: Apple

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ガラスを3DプリントするシステムをMITの研究者たちが完成

溶けたガラスのロープをエンドレスに吐き出すマシンは、この言葉だけを見ると不気味かもしれないが、MITの連中はまさにそれを完成させた。3D Printing and Additive Manufacturingに載ったペーパーで、研究者のChikara Inamura, Michael Stern, Daniel Lizardo, Peter Houk, そしてNeri Oxmanらが記述しているガラスの3Dプリントシステムは、熱い素材を完全にコントロールして最終製品を作ることができる。

彼らのG3DP2と呼ばれるシステムは、“3域温度コントロールシステムと4軸モーションコントロールシステムをデジタルに統合した、溶融ガラス用の新しいAM*プラットホームであり、その生産能力と信頼性はすでに産業用の実用レベルに達している。製品の精度と再現性は高く、それらも、これまでガラスでは不可能だったレベルだ”、という。〔*: AM, additive manufacuturing, 付加(的)製造技術…3Dプリントのこと。〕

このシステムは、溶けたガラスを収めた加熱ボックスと、オブジェクトをプリントする温度制御されたボックスを使用する。可動性のプレートが、プリントの進行とともにオブジェクトを下へ下へと下げていき、プリントヘッドはその上で動く。このシステムが興味深いのは、そのまま即、装飾や建築用に使える透明なガラス構造物を作ることだ。研究者たちは溶融ガラスを押し出すシステムに細心の注意を払い、不純物や構造上の問題がない状態でガラスが冷えて固まるよう工夫した。

“将来的には、ガラスの優れた素材特性(透明性、強度、化学的安定など)とこのAM技術を組み合わせることによって、新しい形の多機能なビルディングブロックを作れるようになるだろう”、と彼らは言っている。

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この腕輪は麻薬の過剰摂取を検出して死を未然に防ぐ

カーネギーメロン大学の学生たちのプロジェクトが、人命を救うかもしれない。HopeBandと名付けられた腕輪が、血中の酸素濃度が低いことを感知して、それが急を要するレベルならテキストメッセージとアラーム音を送る。

学生のRashmi Kalkunteが、IEEEにこう語っている: “友だちの誰かがいつも過量摂取を心配していたら、その使い方パターンを理解し、どんなときには誰に助けを求めるべきか知ってる人が近くにいるといいよね。HopeBandは、そんな人の代わりになることを目指して、設計したんだ”。

9月に行われたHealth 2.0カンファレンスでチームは、Robert Wood Johnson財団主催のOpioid Challengeコンペに応募して三位になった。彼らはその腕輪を、ピッツバーグの針交換事業*に送るつもりだ。売価は20ドル未満をねらっている。〔*: 注射針を新品の針に交換することでエイズなどの伝染を防ぐ。多くは地方自治体の公衆衛生事業の一環。〕

今年アメリカで過量摂取で死んだ人は72000人を超えている。こんなデバイスがあれば、人びとを少しは安全にできるだろう。

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ひとつの映画を1年かけて視るVery Slow Movie Playerってなんだか分からないがすごい

誰かが、Every Frame a Painting*〔直訳: どのコマも一枚の絵画だ〕を字義通りにとらえたのかもしれない: The Very Slow Movie Playerと呼ばれるこのデバイスは、映画を壁紙に換えて、1時間に1回ずつ映像を1秒間、前へ進める。家の中にとてもおもしろいオブジェクトがあることになり、よく知ってる映画ですら、新鮮に感じる。〔*: このチャネルは‘YouTube上の世界最高の映画学校’と言われる。〕

このアイデアは、デザイナーでエンジニアのBryan Boyerの脳に、われわれ全員がよく知っているあのときに生じた。家でじっと座って、遅いことの良さをうまく表現する方法を考えているときだ。

そのとき彼は、“映画を読書のスピードで消費することはできないだろうか?”、と考えた、ゆっくりと。“ものごとを極端に遅くしたら、それを正しく鑑賞する余裕ができる。…しかしその持続をもっと引き延ばすと、ものごととそれを視る者とコンテキストとの関係が変わり始める。映画を本来のスピードの1/3600のスピードで視たら、それはもはやとても遅い映画ではなくて、朦朧(もうろう)とした時計のようなものになる。でもVery Slow Movie Player(VSMP)で時間や時刻はは分からない。ただ、時間のにじみを背景にして自分自身を視るだけだ”。

Very Slow Movie Playerは、eペーパーのディスプレイをRaspberry Piのボードにくっつけたものだ。そこにムービーをロードすると、それを一度に一(ひと)コマずつ表示し、2分30秒経つと画面をアップデートする。〔==1時間で24コマ、すなわち映画1秒ぶんとなる。〕

通常の、毎秒24コマではなく、毎時間24コマを視ることになる。ふつうの映画の3600倍遅くて、1年に7千〜8千時間の絵が作り出されるだろう。〔2時間の映画なら7200秒、VSMPでは7200秒→7200時間=300日。〕

Boyerはプロジェクトを説明するポストで、こう言っている: “あまりにも遅いから、ふつうに映画を鑑賞することはできない。VSMPとにらめっこをしたら、あなたは毎回負けるだろう。それは、気づいたり、ちらっと見たり、調べることすらできるけど、ウォッチすることはできない”。

彼はそれを、Bill Violaの作品と比べている。その超スローモーションのポートレートも、最初から最後までウォッチすることはできない(よほど辛抱強い人でなければ)。そしてどちらも、映画(動画)と静止画像の中間に位置する冥界に存在する。

もちろん、画像そのものはもっと良くしてほしい。eペーパーの色深度は本質的に1ビット(黒/白)だ。だから映像の色や階調が表す微妙さはすべて、白か黒かのディザリングへと消えてしまう。

現状では場面のコントラストやゾーンは強調されるが、でも「裏窓」を映画として見たければいつでもできる。しかし、それを一つのプロセスとして、時間との関係として、現実世界と人生のコンテキストの中に存在するオブジェクトや画像として鑑賞したいなら、…そのためにVery Slow Movie Playerがある。

画像クレジット: Bryan Boyer

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アメリカでスマートスピーカーは2018年に臨界質量に達した(世帯普及率41%)

今年は、Alexaにとって良いクリスマスだった。そのアプリはApp Storeで連日トップだったし、Alexaを動かすサービスが新しいユーザーの殺到で一時的にクラッシュしたほどだ。でもAlexaにとっては、Google Homeなどそのほかのスマートスピーカーデバイスと共に、ホリデーシーズンだけでなく今年全体が良い年だった。アメリカのスマートスピーカーの世帯普及率は2018年に41%に達し、2017年の21.5%に比べて倍近い増加だ。

RBC Capital Marketsのアナリストたちが12月にリリースした一連のレポートによると、アメリカにおける世帯普及率の倍近い増加は主にAlexaとGoogle Homeデバイスによるものであり、AppleのHomePodの貢献は小さい。

アナリストたちによると、スマートスピーカー全体の普及率41%のうちその約3/4、31%はAlexa対応デバイスが占める。ただし1世帯複数保有もあるので、Google Homeデバイス等=(41-31)=10%とはならない…後述。

彼らの予測では、2021年のAlexa関連の売上は180ないし190億ドルで、Amazonの全売上の5%近くに達する。‘Alexa関連’というのは、デバイスの売上だけでなく、音声によるショッピングやそのほかのプラットホームの売上も含む。今アメリカでは、各家庭等にインストールされているAlexaデバイスは1億台を突破しており、レポートはそのことを指して、Alexaは‘臨界質量’に達した、と言っている。

RBCはAlexaの開発におけるAmazonの進歩にも触れている。取り上げられているのは、夜間の侵入者検出や、煙(初期火災)の検知機能、インターネットがダウンしたときのローカルな音声コントロール、位置対応のリマインダー、高度なルーチン、メールの統合、拡張通話機能などだ。

Alexaのサードパーティアプリのエコシステムも2018年に前年比150%成長し、スキルの総数は6万を超えた。それは5月には4万、2017Q3には25000、2年前にはわずか5000だった。

Google Homeも2018年には勢いをつけ、Googleデバイスの保有率は2017年の8%から23%に増えた。1世帯の保有デバイス台数は1.7台となり、これによりアメリカにおけるGoogle Homeのインストールベースは約4300万台、アメリカ以外が約900万台となる。

しかし今後数年間の売上ではGoogle HomeはAlexaの後塵を拝することになり、Google Home関連の売上は今年が34億ドル、2021年が82億ドル、とされている。

でもPixelやNest、Chromecastなどを含めたGoogleのハードウェア全体の売上は、2018年が88億ドル、2021年が196億ドルと予想されている。

AppleのHomePodがRBCの調査対象になったのは今年が初めてだが、同社の推計によるとアメリカのスマートスピーカー市場でそのシェアは小さく、Amazonの66%、Googleの29%に対してHomePodは5%とされている。

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私は今でもヘッドホンジャックが欲しい

2年前、Appleはヘッドホンジャックを葬った。私はこのことでまだ彼らを許していない。

AppleがiPhone 7にはヘッドホンジャックがつかないと発表したとき、私はすぐにいら立った。それでも数カ月で慣れるだろうと思った。そうではなかった。状況はもっと悪くなると悟った私は、プラットフォームを切り替えた。すると他のメーカーが揃って先例に倣った。

これはもちろん、私にとった新たないら立ちではない。私は携帯電話のヘッドホンアダプターを、ここ、このサイトで「二〇〇九年」から嫌い続けている。それでもなんとか我慢してきた。

今や世界はドングルやヘンテコな独自オーディオジャックでいっぱいだ。Sony EricssonはFastPortを作った。NokiaはPop-Portを作った。Samsungは10種類だかのジャックを作り誰も見向きもしなかった。どこの端末メーカーも支配したと宣言していないので、どのジャックも標準になっていないが、あらゆるメーカーが「自分たちの」ジャックが「ザ・ジャック」になることを望んでいる。標準化されたオーディオジャックを備えていた端末でさえ、ほとんどが小さな2.5 mmジャックを採用していたため、結局アダプターが必要だった。

そして、オリジナルiPhoneが3.5 mmヘッドホンジャックと共に登場した。それはいやらしく埋め込まれた3.5 mmジャックで、ほとんどのヘッドホンは使えなかったが、それでも3.5 mmジャックだった。AppleはiPodの成功に便乗し、この噂のデバイスは発表される前からiPod Phoneと呼ばれていた。そんな製品にヘッドホンジャックが「ない」ことなど考えられなかった。

iPhoneは急激に売れた。2007年に数百万台。2008年に約1200万台。2009年は2000万台だった。潮流は動き始めた。Appleの小さなガラス片がスマートフォンの世界を支配するにつれ、他のメーカーはAppleがなぜそんなにうまくいっているのかを探ろうとした。かつてちゃちなボタンで覆われたプラスチックの獣たち(これはスライドする! こっちは回転する!)でいっぱいだったスマートフォン市場が統一された。新製品がでるたびに、あらゆる端末がiPhoneに似てきた。小さなガラス板。高級な材質。最小限の物理的ボタン。そして、もちろん、ヘッドホンジャック。

数年のうちに、標準ヘッドホンジャックはセールスポイントではなくなった——必須だった。私たちは、自分のヘッドホンを使いたいときはいつでも使える素晴らしい世界に突入した。

そして2016年9月7日、Appleは「勇気」をもって3.5 mmジャックの廃止を発表した(ああ、そうそう、あの新しい150ドルのワイヤレスヘッドホンもお忘れなく!)

ヘッドホンジャックをやめたのはAppleが最初ではない——しかし、それを採用する決断と同じく、削除する決断もまた潮流を変えた。ジャックのないiPhone 7が発表された数カ月後、XiaomiがMi 6のジャックをなくした。そしてGoogleはフラグシップAndroid端末Pixel 3からジャックを消した。Appleの判断を風刺していたSamsungさえもジャックの廃止を検討しているらしい。リーク情報によると、次期Galaxy S10にはヘッドホンジャックが付くらしいが、ミッドレンジのA8ラインからは今年すでになくなっている。2016年をAppleがヘッドホンジャックに剣を突きつけた年とするなら、2018年はとどめを刺した年だった。

そして私は今も怒っている。

テクノロジーは移り変わるものであり、Appleでも常に起きている。ノートパソコンからCDドライブをなくす? それは問題ない——CDは廃れていたしそもそもひどかった。Flashを排除? Flashは終わっていた。USBポートを別のタイプに切り替えた? 「いいだろう」と私は思う。新しいUSBはあらゆる面で良くなっている。最低でも、上下を間違えてひっくり返したら最初が正しかったと気づくことはない。

しかしヘッドホンジャック? あれは「よかった」。100年の長きにわたってテストに耐えてきた。それには理由があった。とにかく、使える。

私は、なぜヘッドホンジャックの廃止が、他のあっさりと捨てられたポート以上に私を悩ませるのかを考えてみた。それはヘッドホンジャックがほぼいつでも〈私を喜ばせることしかなかった〉からだと思う。ヘッドホンジャックを使うことは、大好きなアルバムを聞くことを意味していた。あるいは、空き時間を使って見逃した番組を見ること、あるいは友だちにイヤホンを貸して新曲を一緒に聞くことだった。幸せな時間を作り、決して邪魔をしなかった。

いまはヘッドホンを使いたいときはいつも、いらいらする自分がいる。

Bluetooth? おっと、充電し忘れた。あるいは、おっと、リュックの中のノートパソコンとペアリングしようとしている!

アダプター? おっと、職場のヘッドホンに刺したままだった。あるいは、どこかに落として、またひとつ買わなくては。

私は山ほどアダプターを買い込み、全部のヘッドホンに差し込んだ! 誰かに借りるときのために余分のアダプターをバッグに入れてある。現時点でアダプターが5つということになる。問題解決だ! おっとちょっと待て:寝ながら音楽を聞きたいけど、明日のためにiPhoneを充電しなくてはいけない。それは別のもっと高価な分岐アダプターだ(その多くができの悪いゴミだ)。

どれをとっても大した話ではない。ヘッドホンくらい充電しろよ、Greg。アダプターをなくすのをやめよう。問題は、かつて〈ただ〉使えていて〈ただ〉私を幸せにしていたものが取り上げられて、代わりに〈ただ〉わたしを苦しめ続けていることだ。友だちからYouTubeのリンクが送られてきてまわりの人に迷惑をかけずに見たいと思ったら、たまたまカバンの中にあったどんな安物の使い古したヘッドホンでも使うことができた。今は、山ほどの障壁のあるプロセスを経なくてはならない。

「でも、防水になったじゃないか!」 防水携帯電話はずっと前から存在していて、その多くにヘッドホンジャックがついていた。最近の例では、SamsungのGalaxy S9はIP68規格の防水だ(iPhone Xsと同等)。

「でももっと薄くできる!」 だれもそんなこと頼んでない。

「でも内蔵バッテリーを大きくできる!」 バッテリー容量は6sから8の間にほとんど増えいていない——1715 mAhから1821 mAh。バッテリー容量が大きく増えたのはiPhone Xで本体が幅広く縦に長くなってからだ。

この記事で何かが変わるかって? もちろん違う。Appleは、ヘッドホンジャックはなくてもよい、と高らかに宣言しだれもがそれに従った。翌年——そしてその翌年も——Appleは2億台以上の端末を売った。その時点でAppleは、ヘッドホンジャックアダプターを同梱することさえやめた。Appleの決心は固まったのだ。

しかし、もしあなたが悩んでいて、”なぜAppleはヘッドホンジャックをなくしたのか”をググってこの記事にたどり着いたのなら、これだけは知ってほしい。あなたはひとりじゃない。2年が過ぎ、今も私はこれを決めた誰かに腹を立てている——それに倣った人たち全員にも。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

1月のCESに行くならTCミートアップを予約しよう――暗号化テクノロジーのハードがテーマ

新年早々、ラスベガスで開催されるCES 2019に参加予定の読者も多いだろう。TechCrunchはこの機会にスタートアップがプレゼンをするミニイベントを計画している。テーマは暗号テクノロジーを中心にしたハードウェアだ。コ・ワーキングサービス、Work In Progressの好意で200人のオーディエンスを収容できるスペースを確保した。

会場はWork In Progress, 317 South 6th Street Las Vegas、 日時は2019年1月9日(水)6:00 PM – 9:00PM(太平洋時間)。

ラスベガスのダウンタウン、フリーモントストリートエクスペリエンスの近くで、チケットは無料だが200枚しか用意できない。 先着順なので興味があるなら早めにチェックすることをお勧めする。予約はこちらから

このイベントでは各チーム3分、10チーム分の枠が用意されているので、応募多数の場合はわれわれの方でチームを選ぶことになる。ハードウェア・イベントなので実物を持参できることが望ましい。スライドの利用は禁止。ピッチ希望者はこちらの書式に記入して申し込む。選ばれたチームにはこちらから連絡する。

ではラスベガスでお会いしましょう。

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滑川海彦@Facebook Google+

2019年に注目すべきスマートフォンのトップトレンド

今年は、スマートフォンにとって良い年ではなかった。なにしろ、とどまるところを知らないと見られていた成長に、初めて陰りが見られたのだ。

まず2月には、Gartnerの調査がこのカテゴリを扱うようになってから初めて、前年比での減少を記録するという、幸先の悪いスタートとなった。強大なAppleでさえ、そのトレンドから逃れられなかった。そして先週には、影響力の強いアナリストMing-Chi Kuoが2019年の売上予想を引き下げたため、株価も打撃を受けた。

人々は、以前ほど頻繁には買い替えたがらなくなっただけだ。これは、フラグシップモデルのできが、どのメーカーのものを見ても、かなり良くなっていることと無関係ではない。多くのメーカーがしのぎを削って戦い続けてきた結果、自分で自分の首を締めることになったとも言える。継続的に買い換えなければならないような差し迫った理由は、もはやなくなってしまった。

もちろん、だからと言って、メーカーは戦いを止めるわけにはいかない。来年には、カメラのような、いわば通常のアップグレードに加えて、スマートフォンの「形状」に対する根本的な発想の転換、さらには5Gへの最初の試みも、いくらかは期待できそうだ。

もし運が良ければ、さらにいくつかの驚きもあるかもしれないが、以下に挙げるトレンドは、2019年の既定路線と考えていいだろう。

5G

中国広州−12月6日:2018年12月6日に、中国は広東省広州のPoly Worldトレードセンター展示ホールで開催されたChina Mobile Global Partner Conference 2018のQualcommのブースで、5G携帯電話を注視する参加者。3日間のカンファレンスは、5Gネットワークをテーマにして、木曜日に始まった。(写真は、Getty Images上のVCG/VCGによるもの)

これについては、しばらく放って置く方がいいかもしれない。ちょっと変な話ではあるが、多くの出版物が、2019年は「5Gの年」であると言いたがっている。しかしそれらはみんなフライングだ。とはいえ、来年には5G携帯電話の最初の波を見ることになるのは確かだ。

OnePlusとLGは、5G携帯電話を約束した。Samsungは、やはりSamsungらしく、その後その2社に追従することを発表した。さらにVerizonも5GのMiFiを確約し、HTCとSprintも、何だこれは、というものを発表した。

他社は、特に目立つのはAppleだが、それらの列に加わっていない。この会社は、2020年までに5G携帯電話を発売することはないと見られている。それでは、進化から取り残されてしまうと思われるかもしれないが、実は5Gというのは、マーケティング上の戦略としてこの世に登場したのだ。5Gが完全に機能するようになれば、スマートフォンや、それに続くものに対して、革新的な素晴らしい技術となる潜在能力を持っている。そして、いくつかのキャリアは、来年初めにも米国内で5Gのサービスを開始すると発表しているものの(AT&Tでさえ、フライングしている)、実際にユーザーが使う携帯電話は、より多くの時間、4Gで接続されることになりそうだ。

つまり、5Gのカバーエリアが広がるまでは、ほとんど利用しない機能ために、高額の利用料金を支払うことになる。もちろん、だからといって、ハードウェアメーカー、コンポーネントの製造会社、それと手を組むキャリアが、そうしたデバイスをできるだけ早く市場に投入するのを止めようとするはずはない。余計な出費をする前に、自分のキャリアのカバーエリアの地図を確認した方がいいだろう。

折りたたみ式


これまでに、2機種が発表された。しかし実際には1つ半といったところだろう。スマートフォンメーカーは、次の目玉を見つけ出そうと躍起になっているので、さらに何機種かを見ることになるのは間違いない。何年も待たされたあげく、これまでに登場した折りたたみ式の携帯電話は、がっかりさせられるようなものだった。

Royoleは魅力的だが、その実用化にはまだ足りないものがある。Samsungのプロトタイプは、当分の間、やはりプロトタイプに過ぎない。同社は、それを最近の開発者会議の中心に据えていたが、具体的な製品化を明らかにすることはできなかった。なぜなら、まだ完成した製品を発表するための準備ができていないからだ。

長年期待を集めてきた技術が、ようやく消費者向けとしての準備を整えた今、いくつかの会社が、さまざまな形状の製品を模索していることに期待してもいいだろう。状況から考えて、GoogleがSamsungと協力して、その形状に合わせたAndroidのバージョンを開発したことは間違いない。ちょうどAndroid Pieがディスプレイ上部のノッチに対応したのと同様だ。

もちろん、5Gと同じように、こうした折りたたみ式の製品にも特別高い価格が付けられるだろう。しかし初期の目新しさがなくなったとき、そうした製品が人生に不可欠であると消費者に納得させることは、かなり難しい課題となる。

ピンホール


ベゼルは忌み嫌われている。良かれ悪しかれ、ノッチはフラグシップのスマートフォンの主流となっている。実際に誰もが(Samsungを除いて)、エッジ・トゥ・エッジを実現するために、その切り欠きを採用している。Googleでさえ、それをAndroidに取り込んだ(世の中にノッチを普及させておきながら、Pixel 3 XLは一段と高いところから見下ろしているようだが)。

Oppoのポップアップカメラのような、巧妙な代替策も登場しているし、さらにいくつかが続くだろう。Huawei Nova 4のように、ディスプレイにピンホールを開けたデザインは、大多数のカメラメーカーにとって、より合理的な選択肢のように見える。

埋め込み指紋認証


全面ディスプレイへの競争の側面には、指紋認証をどうするかという問題もある。いくつかの会社は、それを背面に移動した。また別の会社、たとえばAppleは、顔認証を採用することで、指紋認証は廃止した。もちろん、そうした技術は、顔の完全な3Dデータを登録できない限り、かなり簡単にごまかすことができる。そのため、指紋認識がすぐに廃れてしまうことはない。

OnePlusの6Tは、ディスプレイ内蔵の指紋認証を市場に投入した最初の製品となった。それは非常にうまく機能している。その技術の仕組みは以下の通りだ(数ヶ月前の私自身の記事から引用)。

画面がロックされると、どこを押すべきかを示す指紋アイコンがポップアップ表示される。指が正しい位置に置かれると、AMOLEDディスプレイが強く発光し、指の表面からの反射光によってスキャンする。メーカーは、0.3秒ほどでスキャンが完了するとしているが、私自身のテストでは1秒近くかかった。親指を適切な位置まで動かす時間を含めれば、もっとかかることもあった。

2月ごろに発売される予定のSamsungのS10も、その技術を採用すると言われている。そして、他の多くのメーカーがそれに追従したとしても、まったく驚くには値しない。

カメラ、カメラ、カメラ(そして、カメラ)


背面カメラの合理的な最大数はいくつだろうか? 2つ? 3つ? 数ヶ月前にリークされたNokiaのモデルが搭載する5台のカメラというのはどうだろう? 電話機が脇役になって、カメラが主役になるのはいつなのだろうか? このまま多くのメーカーが写真で差別化しようとし続ければ、やがて存続の危機に対処しなければならないような事態にもなりかねない。

最近のスマートフォンのカメラは、どこを見渡しても非常に優れているので、シンプルな解決策は、単純に数を増やす、ということになる。LGの最新モデルは、数を増やすことがどれだけ効果的であるかを示す、好例となっている。そのV40 ThinQは、前面カメラを2つ、背面カメラを3つ備えている。背面の3つは、標準、超広角、そして2倍の光学ズームレンズとなっている。スマートフォンは薄いので、1種類のカメラでは十分な光学ズーム性能を実現し難いが、3種類用意して、それぞれ異なるなるタイプの画像を撮影しようというわけだ。

それとは反対に、既存の部品を使いながら、よりよい写真が撮れるようなソフトウェアの開発に、それなりの投資をしている会社もある。AppleとGoogleは、ちょっとしたAIと機械学習の採用でも、写真撮影をどれほど向上させられるかを、いずれも最新のモデルで実証した。そうした技術は、特に非常に暗い場所での撮影と、ズーム機能に大きな効果を発揮する。

画像クレジット:Otto Steininger/Getty Images

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

AlphabetのムーンショットプロジェクトMaltaが企業として独立、Bill GatesらのBEVから$26Mを調達

AlphabetのムーンショットファクトリーXで生まれた再生可能エネルギー保存プロジェクトMaltaが企業として自立し、Breakthrough Energy Venturesが率いるシリーズAのラウンドで2600万ドルを調達した。〔moonshot, 仮訳: “未来学的な”〕

Concord New Energy GroupとAlfa Lavalが、この投資に参加した。

Project Maltaは昨年、AlphabetのX(旧Google X)でローンチし、ひとつまたは複数の送電網全体を完全にサポートするような、大規模なエネルギー保存施設の構築を目指した。Alphabetから独立した今、同社はMalta Inc.と呼ばれる。

Malta Inc.は、再生可能エネルギーや化石燃料から得られた電力を、リチウムイオン電池よりも長期間保存できるシステムを開発した。その電熱保存システムは最初に、風力や太陽熱、化石燃料などから得られた送電網上のエネルギーを捕捉する。集められた電気がヒートポンプを駆動し、電気エネルギーを熱エネルギーに変換する。その熱は溶融塩に保存され、一方冷気は冷却された不凍液に保存される。送電網が電気を必要とするときは、そのエネルギーを電気に変換する。

Maltaによると、そのシステムは電気を数日から数週間保存できる。

Maltaは今回得られた資金で既存企業とのパートナー事業を興し、同社がXで開発し完成させた詳細設計を、初めてのパイロットシステムとして、本格的な産業用施設へ実現させたい、としている。

MaltaのシリーズAをリードしたBEVは、2016年に、Breakthrough Energy Coalitionによって創業された。それは、Microsoftの協同ファウンダーBill GatesやVCのKleiner Perkins Caufield & Byersの会長John Doerr、 AlibabaのファウンダーJack Ma、Amazonの協同ファウンダーでCEOのJeff Bezos, そしてSAPの協同ファウンダーHasso Plattnerらによる投資家グループだ。

画像クレジット: hugociss/Moment

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

2018年の最高&最悪のガジェットまとめ

2018年、数えきれないほどのガジェットが発売された。年末が近づき、Brianと僕とで最高中の最高ガジェット、そして最悪中の最悪ガジェットをまとめてみた。

ガジェットの中にはOculus GoやGoogleHome Hubなど最高のものがあった。しかし、新PalmやPlayStation Classicのようなガラクタ同然のものもあった。

数週間もすればCESがある。そこでは、メーカーが来たる年に展開する商品のほとんどを展示する。しかしその多くが数カ月間は購入できない。下記に挙げるものは2019年も引き続き入手できる、最高&最悪のガジェットのリストだ。

最高ガジェット

Google Home Hub

GoogleはEcho Showのライバルをマーケットに持ってくるのにたっぷり時間をかけた。しかし、最終的にHome Hubが売り出された時、Googleは競争を制した。このスマートスクリーンはEcho SpotとShowの中間にくるサイズで、ほとんどの家の装飾にマッチする形状だ。

アシスタント機能に関してはAlexaよりずいぶん深い知識を誇り、またこのHubは公然とした武器を提供する:YouTubeだ。GoogleのこのビデオサービスはAmazonが(実際には他のところも含む)現在提供しているものよりずっと先をいっていて、YouTubeに追いつくようなものは見られない。

DJI Osmo Pocket

本当は僕はOsmo Pocketを嫌いたかった。スクリーンがビルトインされたジンバルが349ドルなんてどう考えても高いーこのドローンメーカーが他にもっと安くてプロ仕様の選択肢を展開しているのを考えると特にそう感じる。しかし、ある日の午後Pocketを使ってみて、取り憑かれてしまった。

ソフトウェアは慣れるのに少し時間がかかるが、いったんマスターしてしまえば、あとは同じトリックがMavicラインナップにも通用する。タイムラプス、被写体の顔の追跡、10のストーリーモードテンプレート、どれも素晴らしく、対象物がありふれたものであってもはっとするようなビデオを初心者でも撮れるようにサポートする。

Oculus Go

最近のVRヘッドセットは全く違う2つのカテゴリーに分けられる。片方にはハイエンドなRiftやVives、もう片方には超安いDaydreamsやGear VRがくる。消費者は大金を払うべきか、あるいは標準より下の体験をとるべきか、その選択に悩むことになる。

OculusのGoヘッドセットはその中間に位置するものとして今年リリースされた。バーチャルリアリティがハイプサイクルの末尾にある間は、199ドルのデバイスは最も注目すべき主流商品であり続ける。

Timbuk2 Never Check Expandable Backpack

これはガジェットではないことは承知している。しかしNever Checkは僕が今まで使った中で最高のバックパックだ。このバックパックを当初選んだのはGift Guide記事を書くためだったのだが、それ以来愛用している。

最近外を出歩くことが多い僕にとって、このバッグのたっぷり収納とびっくりするほどのスリムさには助かっている。香港やナイジェリアへの旅行にも、仕事で使うテック用品をこのバッグに詰め込んで持っていった。

普段使い用としてもでしゃばらない感じだ。ウォータープルーフのジッパーの一つをしめるだけで小さくできる。

Happy Hacking Keyboard Professional 2

間抜けに聞こえるかもしれないが、僕は友達の数よりたくさんのキーボードを持っている。2018年、僕はメカニカルキーボードを試した。そして年末が近づいている現在、僕はHappy Hacking Keyboard Professional 2でタイピングしている。すごくいい。

このキーボードは東プレのキャパシティブで45グラムのスイッチを採用している。これが何を意味するか? タイピングしているとき、このスイッチによりスムーズな動作と触感の絶妙なバランスが得られる。メカニカルスイッチはほかにもあり、それらのほとんどを試したが、東プレのスイッチが僕にはベストだった。東プレのキャパシティブスイッチはいくつかのキーボードに採用されているが、僕はHappy Hacking Keyboard Professional 2が一番好きだ。

Happy Hacking Keyboardは1996年以来、さまざまな形で展開されているが、この最新バージョンはディップスイッチを含め魅力をたくさん持っている。誰もがディップスイッチは好きだ。このバージョンはMacとよく動き、2つのUSBポートを備え、バッグの中にほうり込めるほどに十分コンパクトだ。このキーボードは米国ではつい先月、富士通を通して購入できるようになった。なので、購入する人は“闇ルート”を使わなくてもよくなった。

最悪ガジェット

Palm

Palmというのは本当に好きになりたい類のデバイスだ。実際、僕は挑戦した。僕はPalmにMP3プレーヤーとして第二の生を授けることができるかもと期待してアフリカに持参した。しかしその前に不合格となった。

第二スマホは問題を求めた末のデバイスで、ごく一部の人にアピールするものだ。Palmは絶対的にかわいいが、しかしこれを所有する消費者は、その必要性とセカンドディスプレイにかけるお金があり、そしてスマートウォッチは持っておらず、Verizonと契約を結んでいる人となる。もしこれらの条件をクリアしたとしても、このプロダクトは、複雑なユーザー問題から、音量ボタンがないなどシンプルで馬鹿げた問題まで、紛れもない欠陥を抱えている。

概ねよくデザインされた第一世代のプロダクトと大目にみるのは簡単だが、新しく生まれ変わった会社がここからどう展開するのか先を見通すのは難しい。Palm、現実を直視せよ。

Red Hydrogen One

どこから始めようか? 値段から? スマホ分野におけるRedの初製品は1293ドル(もしアルミニウムをチタンにアップグレードしたければ1595ドル)からとなっている。この価格を支払えば疑いもなく魅力的なギミックな感じを備えた中級スマホを手に入れることができる。

何年間もティーザーが展開されたのち、Hydrogen Oneは大きさやメタルデザイン、ランボースタイルのとがったエッジを見せびらかしながらようやく10月に登場した。ディスプレイは、我々が子どものころに持っていたホログラフィックなベースボールカードの動くバージョンのような“ナノフォトニック”なデザインを示している。

テスト期間中、僕は何人かの仲間にこれを見せたが、みんな最初は面白いを感じるのだが、決まって「なんで?」と尋ねた。僕はまだこの問いにうまく答えられない。それから、何人かは見ていると気分が悪くなった、と言った。思うに、みなを魅了することはできないようだ。

Facebook Portal

「なんで?」というのが、最悪ガジェットに共通する疑問だ。Portalがまるで悪いプロダクトであるかのように、というわけではない。これのデザインはしっかりしているー実際、Echo Showより随分素敵に見える。当初は機能が十分ではなかったが、Facebookは最近実施したソフトウェアのアップデートで挽回した。

疑問の中心は、Echo ShowやGoogle Home Hubにはないものについてだ。Facebookブランドのハードウェアをリビングに持ってくるというのを正当化するには、かなりしっかりしたものでなければならない。特に、このソーシャルメディアが今年直面したプライバシーの懸念を考えた時はそうだ。このようなプロダクトをFacebookが立ち上げるのにこれまでいいタイミングというのはなかったが、特に今は最悪なように思う。

PortalにはすごいカメラトラッキングやARストーリーを含む素敵な仕掛けがあるが、まったく音痴で悪夢のようだ。

PlayStation Classic

  1. ゲームの半分はPALポートで、米国のテレビではうまく作動しない
  2. Gran Turismo、Crash Bandicoot、Tomb Raiderのようなクラシックゲームがない
  3. 電源アダプターが含まれていない
  4. サスペンドポイントが1つだけ
  5. 腹立たしい気分になる

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(翻訳:Mizoguchi)

人間の爪のミクロン単位のゆがみから症状の治癒や悪化を判定する超小型センサーをIBM Researchが開発

IBMが今日(米国時間12/20)、人間の手の指の爪につけて、パーキンソン病なやそのほかの疾病の治療薬の効果をモニターする、小さなセンサーを開発した、と発表した。そのデータを分析する専用のソフトウェアと共にセンサーは、ユーザーが物を握ったときの爪の歪(ゆが)みを測定する。ほとんどどんな活動にも、物を握る行為があるので、そのソフトウェアが分析すべき大量のデータが生成される。

センサーを爪ではなく肌につけて運動をモニターし、筋肉や神経の健康を調べる方法もあるが、IBMのチームによると、皮膚を使う方法には感染など多くの問題があるので、爪の曲がりから得られるデータを使う方法を選んだ。

ただし、多くの場合に、爪はわずかしか曲がらないので、感度の高いセンサーが必要になる。研究者たちはこう説明している: “分かってきたのは、人間の指が、それらで物を握ったり掴んだり、曲げたり伸ばしたりするとき、一定のパターンで変形することだ。この変形の大きさは通常、ひと桁の数ミクロンのオーダーで、肉眼では見えない。しかし、ひずみゲージを使えば容易に検出できる。ご参考までに、人間の毛髪の太さは50から100ミクロン、赤血球の径は10ミクロン未満だ”。

現在のプロトタイプバージョンでは、センサーを爪に接着している。爪はけっこう丈夫なので、そのやり方でもリスクはほとんどない。肌につけるセンサーよりは、ずっと安全だ。センサーのデータはスマートウォッチへ行き、そこで機械学習のモデルを動かして、震(ふる)えなどのパーキンソン病の症状を検出する。モデルは、装着者が今何をしているかも検出できる(ドアノブを回している、ドライバーを使っている、など)。装着者が自分の指で数字を書くと、それも正確に判読できる。

今後は、このセンサーのプロトタイプとモデルの改良により、そのほかの疾病も認識し分析できるようにしたい、とチームは望んでいる。このセンサーが市販される時期については、まだ発表の段階ではないようだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

AlexaがWolfram Alphaの知識エンジンにアクセスして質問に答える

知識ベースは、Amazon AlexaがGoogle Assistantに比べて後れている分野だった。検索エンジンなどを抱えるGoogleの知識の膨大な量に、太刀打ちできるところはあまりない。でも、手始めにWolfram Alphaなんか、いいかもしれない。このアンサーエンジンは多様な分野のデータや質問への答を作成編纂して提供するが、主な分野は数学と科学だ。

今週からアメリカのAlexaユーザーは、Wolfram Alphaの情報にアクセスできるが、完全な展開には数週間から数か月かかるらしい。以下は、AlexaからWolfram Alphaに訊(き)ける質問の例だ:

Alexa, what is the billionth prime number?(10億番目の素数は何か?)
Alexa, how high do swans fly?(白鳥はどれだけ高く飛べるか?)
Alexa, what is x to the power of three plus x plus five where x is equal to seven?(xが7ならx3+x+5はいくつか?)
Alexa, how fast is the wind blowing right now?(今現在の風速は?)
Alexa, how many sheets of paper will fit in a binder?(バインダーに何枚の紙が入るか?)
Alexa, how long until the moon rises?(あと何時間で月が出るか?)

Wolframは多様なソースから情報を取り出す。自分自身のWolfram Mathematicaのほかに、Crunchbaseなどサードパーティのソースもある。またAlexaも、iMDB, AccuWeather, Yelpなどさまざまなサイトからの情報で自分の知識ベースを作っている。たぶん彼女にとっていちばん重要なのは、Wikipediaだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

一部のiPad Proは曲がった状態で出荷されている

Appleは、一部のiPad Proが製造過程の問題により、箱から出した際わずかに歪んでいたことをThe Vergeの取材で認めた。Appleによると、これはiPadの性能に何ら影響を与えないという。

しかし、新しいiPad Proを買った人は、数週間以内に交換したければ、曲がっているかどうかをすぐ確認したほうがよい。返却期間が過ぎたあと、曲がったiPadをAppleが修理する予定があるかどうかは不明だ。

問題の始まりはMacRumorsの長いフォーラムスレッドに曲がったiPadの不満を訴える人が集まったことからだった。多くの人が思ったこととは異なり、これは不適切な使い方のせいではない。これは製造中の冷却過程のためだとAppleがThe Vergeに伝えた。

iPadが薄い硝子板とアルミニウムと電子部品から成っていることは事実だ。半分に折り曲げようと思えばできる。しかし、はじめから曲がったiPadがあることはちょっと驚きだ。

これは、iPadをテーブルに置こうとして安定しなかったとき特に苛立たしい。Bwrin1がMacRumorsのフォーラムに投稿した写真を下に貼っておく。

Smart KeyboardやSmart Folioを使う場合にも問題が起こるのではないか想像している。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

単純安価でレンジの広いメッシュネットワークを作れるLibreRouterプロジェクト

都市では、どこにいても、あたりの10か20ぐらいのルーターや、携帯電話用のタワー、そのほかのワイヤレスのインフラストラクチャによって電波が飽和している。しかし田舎では、たった一つのインターネット接続が村全体をカバーしているかもしれない。LibreRouterは、そのようなコミュニティが、自分たち専用の現代的で堅牢なメッシュネットワークを作って、その限られた接続を最大限に利用するための、ハードウェアとソフトウェアのプロジェクトだ。

想定しているユースケースは、たとえば衛星や有線の接続終点がその地域の中央にあって、それを利用したい人びとはその周辺に住んでいるけど、Wi-Fiの到達域である100フィートの圏内ではない、といった状況だ。そしてそんな場合は往々にして、線の延伸やセルタワーの増設は高くつきすぎるので不可能だ。

関連記事: The Last Thousand Miles(未訳)

そこで、人びとを信号の近くまで来させる代わりに、メッシュネットワークで信号を彼らのところまで持っていけばよい。複数のワイヤレスルーターを互いに接続して、それらのルーターの圏域内のどこへも/どこからでも信号を渡し伝えていくのだ。

このやり方には、問題もある。ルーターの費用が高すぎたり、メンテナンスや修理が困難だったり、ネットワークそのもののセットアップやトラブルシューティングが難しかったりするだろう。だから一般市販のルーターは、あまり適していない。そこで、問題意識を共有するハッカーたちが独自のソリューション: LibreRouterとそのためのソフトウェアLibreMeshを作った。

それは、画期的なデバイスでもなければ、一風変わったソフトウェアでもない。彼らがそれをテストしたアルゼンチンやメキシコ、スペイン、カナダなどの田舎のコミュニティで使われる、目的を絞ったハードとソフトだ。

その目標を、LibreRouterのNicolás PaceがAPNIC説明している。それは、安価で堅牢でスケーラブルで運用しやすいメッシュネットワークを作ることだ。すべてを彼らがやるのではなくて、彼らが作ったのはハードウェアの実動プロトタイプと、よく知られ信頼されているワイヤレスのユーティリティOpenWRTをベースとするソフトウェアスタックだ。

彼らが設計したルーターは、現代的で強力で、しかも通常のツールと一般市販の部品で容易に修理できることを目標にしている。ソフトウェアは、ワンクリックで終了するほど簡単ではないが、メッシュの構成の難しい部分の多くを自動化する。レンジは数メートルではなく数キロメートルだから、かなり広い範囲を接続できる。

もちろん、それらはすべてオープンソースで、したがってつねにコントリビューターを求めている。Paceによると、関心は十分に多くて、設計が完成したら今後2年間で2500台のデバイスを発売できる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

これがGoogleの新しいTrekkerカメラだ――ストリートビュー撮影バックパックを大幅に小型化

ストリートビューが道路を出てショッピングモールやや地下街などありとあらゆる公共の場所をカバーするようになったのはGoogleのTrekkerプログラムのおかげだ。数年前に始まったこのプロジェクトは360度カメラをバックパックに収めてポータブルにしたことで可能になった。今日(米国時間12/18)、GoogleはTrekkerバックパックをアップグレードしたことを発表した。 在来モデルにくらべて小型、軽量化され取り回しが大きく改善されている(旧モデルは重量が20キログラムもあった)。

GoogleによればTrekkerは全体のデザインだけでなくカメラ自身も改良されており新しい撮像素子とレンズのおかげで旧モデルより鮮明な画像が撮影できるという。

「旧バージョンのTrekker同様、新しいカメラパックは自動車に載せるだけはなく、ボートやジップラインにも搭載できる。これによりアクセスが困難な場所を撮影することができる。特に途上国で建設中の複雑な構造物を撮影するのに役立つ」とGoogleでは説明している。

読者は自宅の庭を撮影するためにTrekkerを借りることはできないが、Googleは引き続き貸出しプログラムを運営しており、自治体や教育機関、NPO、観光協会などの組織が公益性のある画像を撮影することを助けている。.

Trekkerのさらなる小型化により、Googleマップのストリートビューにはこれまで近づけなかったような場所の映像が多数アップされることになるだろう。現在でもヨルダンの世界遺産、ペトラ遺跡や日本の露天風呂の様子などを見ることができる。

〔日本版〕国内ではこちらからストリートビューカメラ貸出しの申し込みができる。

原文へ

滑川海彦@Facebook Google+

【以上】

荷物を盗んだ軒先泥棒をグリッターまみれにしておならの匂いをスプレーする防犯ボックス

ポーチに置かれた荷物を盗まれるのは、中に何が入っていたにせよ、腹立たしい体験だ。家宅侵入と窃盗が同時に行われるんだから。犯人の顔と車の番号が写った写真を警察に持って行っても、とくに警察の繁忙期であるクリスマスシーズンなんか、まともに相手にしてくれない。

同じ体験をしたエンジニアでユウチューバーのMark Roberは、警察がだめなら自分で犯人を懲らしめよう、と決心した。彼が作った箱は、泥棒さんがその家にはもう二度と近づかないであろう、と思わせるしろものだ。それだけでなくそいつは、最高品質の掃除機が欲しくなるだろう。

これが、そのビデオだ:

この遊び心溢れる(溢れすぎる)復讐ツールは、技術的にもきわめて巧妙だ。

まずそれは、GPSがついているので、箱がどこへ持ち去られたか分かる。

その箱を開けるやいなや、特製の桶が高速回転して、あたりに大量のグリッター(装飾用反射素材小片)を撒き散らし、犯人の全身に付着する。車の中で開けたら、社内がグリッターで充満する。ビデオの4:00あたりのグリッターの大爆発は、一種のアートを見ているようだ。

数秒後に、おならのスプレー缶が噴射する。しかもそれは、何度も何度も噴射される。泥棒さんが箱をそこらへ投げ捨ててくれると、GPSのデータがあるので回収に行ける。

YouTubeに投稿された長いビデオは、その一部始終を4方向(4台のカメラ)から撮影している。

これは、泥棒さんを痛い目に遭わせるのではなく、グリッターとおならの匂いにまみれた自分のバカぶりを、自覚してもらうことが目的だ。

しかしこれは、自分でやらない方が良い。その巧妙な作りを見て、自作したくなる人もいると思うが、でもビデオを見るだけの方が健康に良い。

もっと詳しく知りたい人は、このプロジェクトの共同制作者Sean Hodginsの技術的詳細ビデオを見るべし。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Amazon Echoスピーカー、Apple Musicをサポート開始

Amazonは先日、近々Apple MusicがAmazon Echoデバイスで使えるようになると発言した。そして今、たしかに公開されたようだ。

AlexaでAppleのストリーミングサービスを使えるようにするには、最新のiOS/Android Alexaアプリでアカウントをリンクすればよい。Settings > Musicで選べる。

設定が終わったら、”Alexa, play music by Halsey on Apple Music” のようなコマンドが使えるようになる。 “on Apple Music” の部分を毎回言いたくなければ、Apple Musicをデフォルトサービスに設定すればよい。特定のアーティストを思いつかないときはプレイリストやジャンルをリクエストすることもできる

注意点が一つ:9to5macによると、現在この機能はAmazon Echoスピーカーでのみ利用可能で、サードパーティー製スピーカー(Sonos ONEやPolkのAudio Command sounderなど)でAlexaをサポートしているものではまだ動作しないようだ。

Appleのサービスは好きじゃないって? AlexaはSpotify、Pandora、Tidal、Deezer、そしてAmazon自身のAmazon Musicに対応している。

AmazonではなくGoogle製スピーカーを使ってるって? Apple MusicがGoogle Homeにいつやって来るのかまだ何もわかっていない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

3Dプリントされた顔でスマートフォンをアンロックできる——警察も

3Dプリンターは実にさまざまなものを作れる。義肢角膜から拳銃——さらにはオリンピック規格のリュージュまで。

人間の頭の実寸模型だって3Dプリントできる——そしてそれはハリウッドのためだけではない。ForebsのThomas Brewster記者は、自分自身の頭の3Dプリントモデルを発注し、いくつかのスマートフォンの顔認証システムのテストを行った——Android 4台とiPhone 1台。

Androidユーザーには悪い知らせだ。iPhone Xだけが自らをアタックから守った。

信頼できるパスコードの時代は終わったようだ。1日に何十回もスマホをアンロックするたびに暗証番号を入力するのは面倒で不便だからだ。メーカーはもっと便利なアンロック方法を次々と考えだす。Googleの最近機種Pixel 3は顔認識を回避したが、多くのAndroid機が——人気のSamsung機も——人間の顔による生体認証を採用している。Appleは最新シリーズで事実上指紋認証のTouch IDを廃止して顔認証のFace IDに置き換えた。

しかし、たかが3Dプリント模型で携帯電話が騙され秘密を明け渡してしまうのは問題だ。ハッカーたちにとっても仕事が楽になるが、そもそも彼らに守るべきルールはない。しかし、ルールのある警察やFBIはどうだろう?

生体認証——指紋や顔——が憲法修正第5条(黙秘権)で守られていないことは周知の事実だ。つまり、警察はパスワードを教えるよう強要することはできないが、端末に指を押し付けさせたり、顔を向けさせたりすることはできる。そして警察はそのことを知っている——実際あなたが想像している以上にそれは起きている

警察が3Dプリントで体を複製して端末をこじ開けることも防ぐ方法はほとんどない。

「法的には指紋を使って端末をアンロックすることと変わりはない」とUSCグールドロースクールのOrin Kerr教授がメールで言った。「政府はなんとかして生体認証のアンロック情報を手に入れる必要がある。指紋であれ、顔の形であれ」

生体データを得るために「令状は必ずしも必要ない」が、そのデータを使って端末をアンロックするためには必要だ、と彼は言う。

Project On Government Oversight[政府監視プロジェクト]の上級弁護士Jake Laperruqueは、それは実施可能ではあるが警察が携帯電話データをアクセスする実用的あるいは経済的な方法ではない。

「実際の人間は連れてこられないが、3Dプリントモデルなら使えるという状況はあるのかもしれない」と彼は言う。「誰でも——警察であれ犯罪者であれ——人の顔を向けさせて端末に侵入できるシステムはセキュリティー上深刻な問題があると私は考える」

FBIだけでも数千台の端末を保管している——暗号化端末の数を水増し報告していたことを認めた後でもこれだけある。監視社会が進み、強力な高解像度カメラ顔認識ソフトウェアが作られるにつれ、日常生活のなかで警察がわれわれの生体認証データを入手することは益々容易になっていく。

「パスワードの死」を喜んでいる人たちは、考え直した方がいいかもしれない。あなたのデータの安全を法律上守ってくれる唯一の存在なのだから。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

新Palmは欲しいMP3プレーヤーに近いのだが…

iPod Classicはいまだに僕のお気に入りガジェットであり続けている。当然、テクノロジーという点では他の多くのガジェットがiPod Classicをしのいでいて、聴いている音楽を自分が所有していないという常につきまとう懸念はSpotifyの偏在性でなくなったものの、音楽狂の僕にとってiPodがやはりパーフェクトだ。

もちろん、全てのガジェットがいずれそうなるように、iPodは過去のものになった。3年くらい前、僕は結局降参してしまった。iPodがAppleのラインナップから消えてずいぶんたち、中古で買うにはお高めだった。そうして僕はストリーミングに移行し、僕のMP3に入っていたコレクションは外付けハードドライブの中に行ってしまった。

TechCrunchでは最近、Mightyの最新バージョンについて取り上げた。このデバイスをSpotifyモデルのiPodシャッフルの大ファンである同僚に渡す前に、僕はつい最近のアジアへの旅行時にわずかな時間ながらこのデバイスを使ってみた。

そして、この週にアフリカに行く前に、Palmを再度試してみることを思いついた。TechCrunchでは特にPalmを絶賛したわけではないし、他のテックコミュニティも大方その評価に賛同した。しかしこのプロダクトについて包括的に取り上げていたわけではないのは恥ずかしい。もちろん、このプロダクトでは多くのことができるけれど、スマホマーケット全体の一部分をターゲットにしている。だが、おそらくこのプロダクトには救いが隠されている。

ハードウェアのつくりは確かにしっかりしていて、概ねiPhoneの小さい版に等しい。この2台目としてのデバイスには他に何かがあるはずだ。iPodに頼っていたころのことを思い返すと、僕はいつもClassicを一つのポケットに、スマホを別のポケットに入れて家を出ていた。Palmと同じくらいスリムでタッチインターフェースのMP3プレーヤーがあったらよかったのに。

Palmは使うには実に理想的なサイズだ。チェンジポケットに滑り込ませられるほどに小さく、音楽ライブラリーを閲覧できるだけの大きなスクリーンがある。10時間超のフライトを控え、そして到着後数日はインターネットに接続できるかどうかとわからないこともあり、僕はPalmを取り出し、Spotifyからダウンロードした曲をPalmに入れた。

それが初めにしたことだ。しかしこれはPalmとは関係がないが、Spotifyの曲をオフラインで聴けるようにするのに面倒なことといったらなかった。アプリがオフラインのときにも表示される状態とはほど遠く、表示させるためにいくつものハードルを超えなければならなかった。プレイリストをスクロールする最も簡単な方法は、検索バーをもってくるために下にスワイプして、それからオフラインの曲を表示するためだけに“フィルター”をクリックすることだった。

また、Palmには同様の方法で回避しなければならないミュージックプレイヤーとしての最大の欠点がある:音量ボタンの欠如だ。この点に関しては、ユ曲がかかるまで待ち、それから音量スライダーを持ってくるために下にスワイプしなければならない。もし音楽がかかっていなければセッティングからアクセスしなければならない。全てをボタンで操作するということに否定的なAppleですら、音量ボタンは搭載している。

バッテリーもまた問題だ。もちろん、飛行機モードにすると少しはましだーとは言っても、しっかりとした長さの国際線ではもたない。しかし明らかにトレーニングジムに行く間に使うには十分で、ランニングするときにポケットにしのばせるにはうってつけのサイズだ。

いろいろ検討してみた結果、試みは価値があったどころか、トラブルに終わった。実際、テック業界のほとんどが音楽プレーヤー専用という考えを過去のものにしてしまっている。それでも僕は、ハードウェア(ヘッドフォンジャックを加えるのは遅すぎるだろうか?)とソフトウェア(安くて、契約なしの統一価格)にわずかなひねりを加えることで、Palmが音楽プレーヤーという炎を再び燃やすことができるかもしれない、という考えを振り払えないでいる。

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(翻訳:Mizoguchi)