YouTubeの「勝手な推薦ビデオ」の推薦理由がややわかるようになった

【抄訳】
YouTubeは米国時間6月27日、ユーザーの「ホーム」ページや「次の動画」の推薦リストに現れるビデオを、ユーザー自身がもっとコントロールできるようにするための一連の変更を発表した。それらのビデオは、YouTubeのアルゴリズムが勝手に決めているものだ。YouTubeはまた、それらの推薦ビデオがなぜどうやって決まったのかをユーザーが理解できるようにする、と言っている。つまり、YouTubeのアルゴリズムの内部を見せると言うのだ。

新しい機能として、「ホーム」ページや「次の動画」に登場する推薦ビデオにどんなトピックが関連しているのか、これまでのどんなビデオが関連しているのかがわかるようになる。YouTubeアプリはこれからは、今見ているビデオに関連しているビデオや、ユーザーがウォッチしているチャネルのビデオなど、関心があるとYouTubeが判断したビデオの根拠になっている、個人化された提案を表示し、ユーザーがそれらを見られるようにする。

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この機能はAndroidのYouTubeアプリに英語でサインインしているユーザーにまず提供され、iOSやデスクトップ、そしてほかの言語は、もうじきサポートされるそうだ。

YouTubeの提案がいつものように的外れなら、これからは一連のコントロールにアクセスして、特定のチャネルからの提案をしないよう指示できる。

そのコントロールは、「ホーム」ページや「次の動画」のビデオの隣にある、点が3つのメニューから利用できる。そこで、推薦してほしくないチャネルを指定する。すると次回からは、そのチャネルのビデオが表示されなくなる。

しかし推薦を禁じたチャネルへのサブスクリプション(入会)や検索、そのチャネルのページへの直接の訪問などはできる。YouTubeからの勝手な推薦がないだけで、チャネルの利用方法は前とまったく変らない。そこのビデオがトレンドのタブに出ることもある。

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この機能は全世界で利用でき、YouTubeのAndroidアプリに次いで今日からはiOSでも利用可能、デスクトップももうすぐだ。

しかし一番面白いのは、YouTubeがそのアルゴリズムの仕組みをユーザーに少し見せてくれることだ。これまでユーザは、なんでこのビデオが自分に推薦されるのか、まったく理解できないこともあった。今度の新しい機能で、そのビデオがリストに載る理由が詳しくわかる。ビデオの提案の下に、それを選んだ理由が表示される。

YouTubeの発表によるとたとえば、そのユーザーが一度も訪れたことのないチャネルのビデオでも、「関心が共通するほかのユーザーが好きなビデオなら推薦する」というように。「我々の目標は、ビデオを『ホーム』ページで紹介する理由を説明して、ユーザーが気に入るかもしれない新しいチャネルを見つけるお手伝いをする」ことだそうだ。

例えば、その説明は「あなたのお気に入りのチャネルを見ているビューワーが、そのビデオの推薦をしているチャネルも見ている」、と言うかもしれない。YouTubeのアルゴリズムは本当はもっと複雑だが、この「お気に入りの連鎖」は、比較的単純な方だ。

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YouTubeなどのソーシャルメディアは、プラットホームの管理について政府の規制当局からも圧力を受けている。プライバシーとセキュリティの問題だけでなくヘイトスピーチや偽情報の拡散などでプラットホームは、不透明なアルゴリズムでユーザーに見せるものを決めていることを批判されている。

【後略】

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Spotify傘下のSoundtrapが無料ユーザーのストレージを無制限に

Spotifyが2017年に買収した音楽とポッドキャストのソフトを作っているSoundtrapが、その無料利用のストレージの容量を無制限にした。

それまでSoundtrapの無料ユーザーのユーザーのストレージの利用は、一度に5プロジェクトまでと制限されていた。また無制限ストレージのほかに、無料ユーザーが利用できる音楽の量を倍増し、アクセスできるループは2210種類、ソフトウェアによる楽器は210種類になった。

Soundtrapには今でも、ミュージシャンは7ドル99セント、ポッドキャスターは11ドル99セントから始まる有料制がある。それらはもっと多くのループや楽器を使えるだけでなく、対話的に書き起こし(トランスクリプト)の編集ができる。

無料利用の機能が増えればユーザー数が増えて、Audacityのような無料サービスのユーザーも引き寄せ、そして最終的には彼らの一部が有料のユーザーになるかもしれない。でも共同創業者でゼネラルマネージャーのPer Emanuelsson(ペール・エマニュエルソン)氏によると、変更の理由はもっと単純だ。

彼によると「一般的に、音楽の制作を民主化したかったんだ。もちろん、その気持ちはみんなにも分かってもらえるだろう。クリエイティブなことをしたくてもできなかった人たちが、できるようになるんだ」とのこと。

Soundtrapの発表は、昨年のSpotifyの無料利用の改良についても触れている。親会社に倣ったのか、と聞くとEmanuelsson氏は、「Spotifyが2018年に無料ユーザーに対してやったことの意味は大きい。われわれも、あのようなやり方を強く信奉している」と言った。

関連記事: Spotify-owned Soundtrap launches a podcast studio in the cloud(Spotify傘下のSoundtrapがクラウドにポッドキャストスタジオを開設、未訳)

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

YouTubeは悪質コメント対策としてコメントをデフォルトで隠す方式をテスト中

YouTubeのコメント欄は評判が悪い。「インターネット上で最悪」「YouTube全体の有毒な文化の反映」「クリエイターはむちゃくちゃなことをしないと報酬がない」などとも言われた。大騒ぎになったものの中には、児童虐待自殺者の実写ビデオ危険な「奇跡の治療」の宣伝共謀罪の仲間集めなどがある。そこでYouTubeは、デフォルトでコメントを隠すデザイン変更を検討している。

XDA DevelopersがインドのAndroidデバイスでそのテストを最初に目撃した。従来、YouTubeのiOSとAndroidのモバイルアプリではコメントが目立つ場所にない。ビデオは画面上部に出るが、その下には追加、共有、その他、評価などのエンゲージボタンがあるだけだ。さらにその下はYouTubeのアルゴリズムからの推奨ビデオ「次の動画」がある。本当にコメントを見たければ、ページの底までスクロールしなければならない。

テストでは、そのコメント欄すらまったくなかった。その代わり、ボタンをクリックして別の場所へ行かないとコメントは見られない。

その「コメント」(Comments)ボタンは、ビデオの直下の、低く評価と共有の両ボタンの間にある。これでコメントが今後増えるのか、減るのか、横ばいか、それもYouTubeは知りたいのだろう。

ユーザーは、スクロールしてもコメントは見られず、ボタンをタップする必要がある。とはいえ、これまでのように延々とスクロールしないとコメントを見られないのとは、どちらが使いやすいのか?ボタンのほうが楽かもしれない。

XDA Developersの記事によると、そうやって表示した新しいコメント欄は、ページをリフレッシュすれば新しく加わったコメントも見られる。ウィンドウ上部の「X」ボタンをタップすればコメント欄は閉じる。

インドのAndroidデバイスでテスト中とのことだが、現にiOSにもあるし、地域も特定されていない。つまりテストは広範囲に行われていて、インド向けにローカライズされたアプリの機能ではない。

このコメント欄の変更が登場した背景には、YouTubeのコメントがいじめや虐待、口論など、何の役にも立たないコンテンツの棲家になってるだけでなく、小児性愛者が悪用するツールになってることがある。彼らは徒党を組み、コメントでコミュニケーションして、ビデオやタイムスタンプを他と共有している。

YouTubeは最初、子どもが登場するビデオでコメントを無効にした。もっと最近では子どものいるコンテンツを別のアプリに移すことを検討している。子どもビデオをたくさん見られるプラットホームが全世界的に完全オープンになることのおそろしさを、まず検討してほしいところだ。

YouTubeのスポークスパーソンは「Comments」ボタンのテストの件を確認したが「小さな実験をたくさんやってる中の1つにすぎない」と軽視の態度を見せた。

そのスポークスパーソンはこう述べた。「人々にとって重要な意義のあるビデオの発見や視聴、共有、対話等がもっと容易にできるように常に実験を重ねております。ビデオを見るページにコメントをどのように表示すべきかについても、いくつかのオプションをテストしています。ご指摘の機能も、YouTubeが常に行っている小さな実験の1つです。実験のフィードバックに基づいて、機能の一般公開の是非を検討することになります」。

画像クレジット: TechCrunch

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Apple TVがピクチャー・イン・ピクチャーを搭載、2番組を同時視聴可能に

Apple TVがピクチャー・イン・ピクチャーモードをサポートすることになり、2つの番組を同時に視聴できることになる。TechCrunchもそのことを確認したが、今朝最初に報じたのはアップル関連のニュースサイト9to5Macだ。本日は、tvOSも含むアップルのすべてのオペレーティングシステムの新しいベータバージョンがリリースされた日だ。

TwitterのユーザーNikolaj Hansen-Turton氏によると、tvOS beta 2をインストールすると。画面の右下の小さなウィンドウで別のコンテンツをプレイする新しいオプションが用意されていることがわかった。その小ウィンドウは、Apple TVのメインの画面にオーバレイされる。つまりそれは、ピクチャー・イン・ピクチャーモードだ。

やがて、いくつかのサイトがこのニュースを報じた。

でも、よくわからないのは、それが最小化されたビデオプレーヤーにすぎないのか、それとも本当のピクチャー・イン・ピクチャーか、という点だ。ツイートの写真やビデオを見ると、メイン画面は静的なバックグラウンドのようだ。2つの番組が同時に映ってる感じではない。でもこれまでの私たちの理解によれば、Apple TVは二つの番組をストリーミングする機能をサポートするはずなのだ。

ただし、いくつかの「ただし」がある。

まず、ピクチャー・イン・ピクチャーがサポートされるのは、アップルが提供するコンテンツのみだ。それに含まれるのは、iTunesで買ったコンテンツ、最近ローンチしたApple TV+のサブスクリプションサービスでストリーミングされるテレビ番組や映画、そしてApple TV Channelsでストリーミングされるビデオだ。

Apple TV Channelsは、5月のTVアプリのアップデートで導入され、HBO、Starz、Showtime、EPIX、Tastemade、Smithsonian Channelなどなどの有料アドオンにサブスクライブできる。AmazonのPrime Video Channelsの有料サブスクリプションや、もっと最近のRokuのChannelにも似ている。

たとえばアップルのTV ChannelsでHBOに加入していれば、tvOSのニューバージョンが今秋後半に公開されればHBOをピクチャー・イン・ピクチャーモードでウォッチできる。HBOにウェブサイトのHBONOW.comやサードパーティのHBO NOWアプリで加入しているなら、それはピクチャー・イン・ピクチャーで見ることができない。

アップルはTV Channelsの有料サブスクリプションを今後増やすつもりだから、そうなるとピクチャー・イン・ピクチャーで見られるコンテンツも増える。

サードパーティが自分のコンテンツやアプリをピクチャー・イン・ピクチャーにするためのデベロッパーツールを、アップルはまだ提供していない。そうなるまでの間は、Apple TV Channels経由で有料番組を見るしかない。ピクチャー・イン・ピクチャーがサードパーティのウェブサイトやアプリもサポートすれば、Apple TVの収益も増えて好都合ではないだろうか。

今月初めのアップルのWorldwide Developer Conferenceでは、新しいソフトウェアが紹介される場であるにもかかわらず、ピクチャー・イン・ピクチャーモードは発表されなかった。今日それが発表されるなんて、Apple TVのファンにとってはうれしいサプライズだろう。

ピクチャー・イン・ピクチャーモードはApple TV 4KとApple TV HDの両方でサポートされるはずだ。

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顔写真が修正されていることを見つけて元に戻すニューラルネットワーク

Photoshopなどの画像加工ソフトを使って写真の顔を微修正することは一般的に行われているが、その画像に伴うデータに、いついつ修正されたと明記されることは少ない。カリフォルニア大学バークリー校とアドビの研究者たちが作ったツールは、写真が修正されていることを見抜くだけでなく、それを元に戻す方法も示唆する。

最初にお断りしておきたいが、このプロジェクトはPhotoshopによる修正を対象とし、特にその「Face Aware Liquify」(顔だけを液化)機能を使ったものだけに限定される。この機能を使うと、さまざまな顔の特徴を細かく、あるいは大きく、調整できる。どんな修正でも検出できるツールはまだ未来の話だけど、これはそれに向かっての第一歩だ。

研究者の中には、本誌のAI+ロボティクスイベントに最近出演したAlexei Efros氏もいる。彼らは、修正写真はアドビのツールを使ってるものが多いという想定から出発し、だからまずそれらのツールでできる修正に着目しよう、と考えた。

彼らは、ポートレート写真を少しずつ違ったやり方で修正するスクリプトを作った。目の位置を動かしてスマイルを強調する、頬と鼻を細くするなど。そして、それらの変形した視像とオリジナルを一緒に全部機械学習のモデルに投じ、それらの違いを見分けられるようになることを期待した。

学習は成功した。人間に画像を見せて、どれが修正されているか当ててみろと言ったら、当る確立はきわめて低い。でも訓練されたニューラルネットワークは、修正された画像を99%の精度で同定した。

それは一体、何を見ているのか?おそらく、画像の光学的なフローの中に、人間には感知できない小さなパターンを見つけているのだ。それらの小さなパターンが、どんな修正が行われたかを示唆する。そしてオリジナルを見たことがなくても元に戻すやり方を示唆できる。

対象はPhotoshopで修正された顔だけだから、自分の顔が変えられてどっかに勝手に載せられることを、このツールで防ぐことはできない。でもこれは、今少しずつ進歩しているデジタル鑑識技術の多くの小さな始まりの1つなのだ。

このプロジェクトに参加したアドビのRichard Zhang氏はこう言っている。「今の世界では、自分たちが消費するデジタル情報を信用することがますます難しくなっている。このような研究が今後もっともっと進歩することを期待したい」。

このプロジェクトを説明しているペーパーと彼らが書いたコードは、ここでで見られる。

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インド最大のビデオストリーミングサービスがセキュリティ欠陥のためSafariのサポートを停止

ユーザーが3億以上いるインド最大のビデオストリーミングサービスHotstarは、米国時間6月7日にApple(アップル)のSafariブラウザーのサポートを停止して、同プラットホームの未認証利用を許してしまう(Hotstar側の)セキュリティの欠陥を回避した。本誌TechCrunchの、この件に詳しい2つの情報筋がそう言っている。

この問題が明らかになったのは、偶然にも何百万もの人びとがクリケットのワールドカップ戦を見ているピーク視聴時だった。そしてこのストリーミングサービスを提供しているStar India社は、ディズニーが買収した20世紀フォックスの傘下なのだ。

SafariでHotstarを見られないという苦情が殺到し始めると、同社の公式サポートはApple側の「技術的制約」が原因と断定した。「その制約はSafariのものであり、弊社には何もできない」と同サポートは金曜日の夜にツイートした。

Hotstar側の情報筋はTechCrunchに、サポートの言い方は正確でないとコメントした。実際に起きたのは、同社の技術者が未認証ユーザーがHotstarのコンテンツにアクセスするために使っている(Hotstar側の)セキュリティホールを見つけたことだ。

Hotstarはその欠陥へのパッチを急ぎ、Safariのサポートを再開するつもりだとその情報筋は言っている。

そのセキュリティホールはSafariのデスクトップとモバイルのブラウザーからのみ悪用できる。Hotstarのウェブサイトは、ChromeやFirefox、またはそのモバイルアプリからサービスにアクセスすることを勧めている。この件に関し、Hotstarはコメントを拒否した。

HotstarはインドでNetflixやAmazon Prime Videoと競合しているが、ユーザー数と視聴数では断トツで先頭を走っている。先月は、クリケットの実況中継がビューワー数1800万件を突破した、という世界記録を発表した。

画像クレジット: SAEED KHAN/AFP/Getty Images

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SoundCloudがアーティストディストリビューションプラットホームを買収

昨年はSpotifyが一連の買収で自己のサービス、中でもとくにポッドキャストのコンテンツの充実を図った。そして今度は、同じくヨーロッパの音楽スタートアップであるSoundCloudが、ここ数年の迷走にもかかわらず買収に意欲を示した。ベルリン出身の同社が選んだRepost Networkは、アーティストがSoundCloudをもっとも有効利用できるためのサービスだ。

契約の詳細は公表されず、買収が発表されたのもつい先週で、広く報じられることがなかったのも、たぶんSoundCloudには、今日の音楽ストリーミング市場のアウトサイダーというイメージがあるからだ。

かつては、アーティストのためのオンラインディストリビューションのパイオニアだった同社は、やがてスウェーデン出身のSpotifyが、2億あまりの月間リスナーを抱えるグローバルなサービスに育つのをただ指をくわえて見ていた。競合は、AppleやGoogle、それにPandora、Deezer、Jay-ZのTidalなどなどからも押し寄せてきた。

Soundcloudは18カ月ほど前に、シリーズFで1億6950万ドルを調達してひと息ついた。その投資はニューヨークの投資銀行Raine Groupとシンガポールの国有ファンドTemasekがリードした。

2017年8月に発表されたその資金調達は、SoundCloudを倒産から救う人工呼吸だった。その1か月前にはスタッフの40%をレイオフしてコストを切り詰めていた。その投資でトップも代わり、共同創業者のAlex Ljung氏に代わってVimeoのCEOであるKerry Trainor氏がCEOになった。新たなお金でSoundCloudの総調達額は4億7000万ドル近くになり、その投資前評価額は1億5000万ドルだったと言われている。前回の資金調達では7億ドルだったから大きく下がってしまった。

しかしそれでもなお、状況はこの買収に向けて熟していった。それはSoundCloudの二度目の買収だ。同社によると、トップアーティストたちがRepost Networkのツールにアクセスできるようになる。それらは、ストリーミングの配給、アナリティクスダッシュボード、そしてコンテンツの保護などだ。

リストラは苦悩の体験だったが、おかげでファンダメンタルズを重視できるようになった。買収の申請書類によると、2017年の売上は9070万ユーロで前年比80%の増加、損失は27%細って5140万ユーロになった。これらの結果はTrainorのCEO就任以降だが、さらにその後の現況を最新の数字で知りたいものだ。

SoundCloudの最初の買収は2012年までさかのぼり、そのときは1000万ドルで音楽管理のInstinctivを買った。

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Amazon Kindleが繁体中国語の本をサポート

台湾や香港、マカオ、そしてそのほか一部の海外中国人コミュニティの読者が待望していたサービスがついに実現した。Amazonがこのほど、同社の電子書籍リーダーKindle向けに、繁体中国語の本を提供し始めた

これで2007年のデビュー以来ずっとあったKindleの見え見えのギャップが閉じることになる。これまでさまざまな言語をサポートしてきたKindleは、2012年に中国本土で使われている簡体中国語のeブックを中国向けのサイト提供開始し、アジア進出の大きな一歩を刻んだ。それは、その翌年のKindleの中国進出の前触れだった。Kindleがまだ公式には売られていない台湾や香港でも、このような地域対応がいずれ行われるのかもしれない。

これまで繁体中国語の読者は、Kindle上でその言語にアクセスするために回り道をしなければならなかった。たとえば簡体のコンテンツを買ってから、それを繁体のフォントにカスタマイズする。フォントのカスタマイズは、Kindleのファームウェア5.9.6で可能になった。もちろん、字間やフォントサイズなどの細かい調整が必要だから、とても時間のかかる作業だった。

KindleアプリやKindleデバイスで読める繁体中国語の本は現在、Amazonによると20000冊あまりある。なお、簡体中国語のKindle本は、この言語をサポート後1年で60000冊になった。

繁体中国語の本はAmazon.comのサイト上にある専用のポータルから提供される。最初に選ばれた本の中には、ヒューゴー賞作家Liu Cixin(劉慈欣)の作品や、Dream of the Red Chamberのような中国の古典、そしてGeorge R.R. MartinのA Song of Ice and Fireシリーズなどベストセラーの翻訳本もある。

また作家は、Kindle Direct Publishingにより繁体中国語の本を自主出版して、世界中のこの言語のコミュニティと作品を共有できる。

Kindle Books担当副社長のDavid Naggar氏は声明で「Kindleにおける繁体中国語の書籍の提供は、世界中の読者により多くの選択肢をお届けしようとする弊社の取り組みの、大きな前進である」とコメントしている。まだそのストアは簡体の方ほど充実していなくて、編集者のお薦めとか、特売、前売り、本のランキングといった未来の人気機能がまだない。

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YouTubeがオリジナル作品を広告入りで無料に

YouTubeの事業担当最高責任者(Chief Business Officer)であるRobert Kyncl氏が、これまで有料だった同社のオリジナルシリーズYouTube Originalsを広告入りで無料にすることを再び断言した。

その発表はYouTubeの毎年恒例のBrandcastイベントで行われ、ミュージシャンやYouTubeのスターたちが奏でる騒音の中で広告主たちへの説明もあった。昨秋以来YouTubeは、Originalsを広告入りにする方針を認めていたが、今夜はすべてのオリジナル作品が広告入りでも見られると発表された。

それ以上詳しい話はなかったが、有料のサブスクリプションをやめるという意味ではないだろう。しかしいずれにしても、YouTube Originals上にあるすべてのものが、いずれ無料で見られるということだ。たとえば「Karate Kid」の続編「Cobra Kai」は、シーズン1が8月29日〜9月11日まで無料になり、その後シーズン2も同様に提供される。

Kyncl氏はこう言う。「メディア企業はどこもコンテンツを有料化することに忙しいが、うちはその逆を行って、オリジナルコンテンツを無料で提供する」。

彼によると、Cobra Kaiは来年シーズン3で戻ってくる。Kevin Hartのフィットネスコメディー「What The Fit」もそうなる。現在YouTubeは、ジャスティン・ビーバーとOriginalsのプロジェクトを進めているそうだが、それに関する情報はシェアされなかった。

また、YouTubeの人気チャネルDude Perfectのチームが、今年の夏の彼らのツアーの裏話的なドキュメンタリーを作る気だ。今日発表されたプロジェクトの中には、Paris Hiltonに関するドキュメンタリーや、ロックフェスティバルのLollapalooza(ロラパルーザ)の長時間中継、そしてYouTubeとしては初めての対話番組「A Heist with Markiplier」(マーク・プライアーと一緒に銀行強盗)がある。

イベントでは、YouTubeのCEO Susan Wojcicki氏もこう宣言した。「ゴールデンアワーは今やパーソナル、そしてそれはテレビではなく携帯電話にある。一人々々に、自分のゴールデンアワーがある」。

ヘイトスピーチや偽情報を防ぐ責任について問われたWojcicki氏は、それが自分の最優先事項であると述べ、YouTubeは毎四半期に数百万の悪質ビデオを削除している、その多くは一度も見られていない、と言った。

「まだこれからやるべきことがたくさんあるけど、この問題を正すことは弊社の責任であり義務である」と彼女は語った。

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AmazonがTIDALのようなHi-Fi音楽ストリーミングサービスを年内に開始

Music Business Worldwideの記事によると、Amazonは年内立ち上げをめどにHi-Fi音楽ストリーミングサービスを準備している。このサイトは最近のAmazonの広告入りで無料のAmazon Musicサービスの立ち上げを正しく報じた。Hi-Fiサービスのほうは、その「CDよりも高品質な」提供物に対して月額15ドルを課金する計画だ。TIDALと真っ向から競合することになる。

Amazonは、PandoraやSpotify、Apple Musicなど、そして今やTIDALと直接競合することによって、市場のローエンドとハイエンドの両方をカバーしたいようだ。

同社の音楽への投資は、広告や会費で売上に貢献するだけでなく、AmazonのスマートスピーカーEchoシリーズの直接的なコンテンツにもなる。節約家の消費者なら、Echo Dotで広告入りの音楽ストリーミングを聴けば十分だろう。でもEcho Plusのステレオペアとウーファー買った人は、高品質な音で音楽を聴きたいかもしれない。

今のところ、そんなオーディオマニアたちは、TIDALのようなサービスを探していただろう。このサービスのHi-Fi契約は44.1kHz/16ビットのCD級ストリーミングで月額19ドル99セント、96kHz/24ビットのマスター級の音質も提供されている(別料金不要)。一方Deezerは、16ビットのFLACファイルをストリーミングしている。

なお、現時点ではAmazonのHi-Fiサービスのビットレートなどは不明だ。しかし上掲の記事によると議論はまだ初期段階で、契約した大手レコード会社もまだ1社しかない。

AmazonがこのHi-Fiサービスをローンチしたら、同社の音楽ストリーミングサービスは無料〜有料〜高額と市場の全領域をカバーすることになる。ユーザーは、自分の希望に合わないからといって、他のサービスに浮気する必要がなくなる。またAmazonはこれをインセンティブとして利用し、スマートスピーカーを買う人やプレミアム会員に値引き提供するかもしれない。今でも、Echoデバイスを買うとAmazon Music Unlimitedが月額3ドル99セントになるように。

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アカデミー賞の選考資格は昨年同様ストリーミングにとって不利、映画は劇場で見るもの

Netflixなどのストリーミングサービスが製作した映画は、来年もこれまでと同じ選考資格でならアカデミー賞を競えるらしい。

Netflixのオリジナル作品「Roma」が今年の作品賞にノミネートされ、最終的には監督賞と外国語映画賞と撮影賞を受賞してからは、アカデミーの取締役会はルールの変更を検討していた。

議論の核心はNetflixの劇場上映への姿勢にあったようだ。同社は前から、その映画を劇場で封切ることにやぶさかではないと言い張ってきたが、しかしそれらの作品をストリーミングサービスから外すことはない。そこで、大手チェーンの多くは上映を拒んできた。Netflixは昨年そのやり方をやっと和らげ、「Roma」など一部の作品をNetflix上よりも前に劇場で封切るとしたが、しかしその期間が従来よりかなり短い。

スティーブン・スピルバーグ監督は、Netflixにとって不利になるような方向でルールを変えることに積極的だったと噂されている。劇場の専有上映期間を4週間とする考えだったらしい。

今月初めに司法省が介入し、アカデミーに送った書簡で、「選考資格の変更によって競争促進的な理由付けなく競争を排除するならば、そのような行いは反トラストの嫌疑を喚起することもありうる」と声明した。

関連記事: Netflix defends its impact on the movie business ahead of Oscars debate(Netflixが映画ビジネスを自己弁護、未訳)

今回アカデミーは、理事会で票決したルール変更の要約をプレスリリースで発表した。その中には、外国語映画(Foreign Language Film)賞を国際長編映画(International Feature Film)賞に改名する、などもある。

そのプレスリリースによると、票決により、「規則第二条 選考資格」は変らないことになった。この条項は、オスカーの選考資格としての劇場上映について定めている。その条文はこうだ。「映画が選考適格であるためには、ロサンゼルスの商用劇場において7日間以上、1日の上映回数3回以上、有料入場者に対して上映されていなければならない。ただしその映画は劇場以外のメディアで同時に封切られてもよい」。

アカデミーの理事長であるJohn Bailey氏が声明でこう言っている。「われわれは劇場体験を映画芸術にとって不可欠な要素として支持する。そしてこのことが、われわれの議論においても重視された。規則は現在、劇場公開を要件としているが、同時にまた、幅広く多くの作品がオスカーの選考対象として提出されるようにもしていきたい。そのため、業界に今起きつつある甚大な変化をさらに研究し、これらの問題について当理事会メンバーとの議論を継続することを計画している」。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

「アベンジャーズ/エンドゲーム」はシリーズ完結編として最高の傑作

マーベルコミックのファンは、今週金曜日の4月26日に世界で公開されるアベンジャーズ/エンドゲームで次の2点を知りたがっているはずだ。 A) 誰が死ぬのか? B) 前作「インフィニティ・ウォー」の幕切れの謎は解き明かされるのか?

そこで簡単に答えておけば、A) ネタバレはしない B) 見方による、だ。

個人的な好みからいう 前作「インフィニティ・ウォー」は戦闘シーンがあまりに詰め込まれていて疲れてしまった。それに対して「エンドゲーム」はもっと静かに始まる。短いアクションシーンが挟まれるものの、「インフィニティ・ウォー」で描写されなかった部分を知って納得する時間が十分ある(「エンドゲーム」は前作と一体の作品なので見ておかないとわかりにくいところがある)。

前作「インフィニティ・ウォー」では人類の半数が邪悪なサノスの攻撃によって殺された。本作ではアベンジャーズを始めとするヒーローたちが人類文明の再建を図っている。サノスによって壊滅した地球は廃墟と化した町並みや嘆き悲しむ人々のショットで簡単に描写され、アイアンマン、キャプテン・アメリカ、ハルクらのスーパーヒーローがどのように地球を救おうとしたかがフラッシュバックする。

Avengers: Endgame

Marvel Studios’ AVENGERS: ENDGAME ©Marvel Studios 2019

もちろん上映時間3時間(!)のすべてが回想にあてられているわけではない。やがてサノスの破壊を元に戻す計画が立てられる。ネタバレになるので計画の具体的内容にはこれ以上踏み込まないが、日本語でいうファンサービスとして上出来なものと思う。

ともあれ、チェスの終盤を意味するタイトルが示すとおり、この作品はマーベルコミックのスーパヒーロー映画シリーズの完結編だ。映画の中盤はスーパーヒーローたちへのさよならツアーの感がある。ファンはそれぞれの映画史に応じて感慨に浸ることになるだろう。逆にマーベル映画になじみが薄い観客には中だるみのように思えるかもしれない。【略】

youtube=https://www.youtube.com/watch?v=0jNvJU52LvU&w=640&h=360

しかしマーベルの世界にどっぷり浸ってきたファンにとっては「エンドゲーム」のエンディングは完璧だった。あまりに感激したのでこの映画の多少の欠点には喜んで目をつぶるし、失敗作と思ってきた「インフィニティ・ウォー」さえもっと温かい目で見るようになった。

人気コミックをベースにブロックバスター映画を量産するというマーベル/ディズニーの戦略は優れたものだし量産ヒット作の中にも優秀な映画はあったが、時と共に続編を作り続けることが自己目的化してしまった。その結果、無用な脇筋をこしらえ出したり、新しい主人公を紹介するために物語が流れなくなるという弱点を露呈するようになっていた。

しかし「エンドゲーム」では私はこうした欠点をすべて忘れた。 結末ですべてのヒーローが人類を救ううために絶望的な戦いに突入していくときの感動こそこうしたスーパーヒーロー映画の存在理由だ。

「エンドゲーム」の結末は単に前作の混乱を埋め合わせるためのご都合主義ではない。マーベルはそれぞれのキャラクターの必然的な終着点を描くことに成功している。最終カットは単に必然的なだけでなく、パーフェクトなものと私には感じられた。

マーベルの映画はもちろんこれで終わりではないし、アベンジャーズのヒーローたちもやがて何らかのかたちで戻ってくるのだろう。しかし主人公たちの「グッドバイ」は私を感動させた。そのときのツイートがこれだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

Netflixが何を見たいのか決まってないときのシャッフル機能をテスト中

Netflixが今テストしている新しい機能は、見たいものが決まってないときに便利だ。同社によるとそれはシャッフルモードのような機能で、人気番組をクリックするとランダムな回の再生が始まる。つまりこの機能を使うと、これまでのテレビのように、スイッチを入れたらすぐに何かが見られるという状態になる。

現状のストリーミングサービスでは、このような怠け者の体験が難しい。まずストリーミングアプリをセレクトし、エンドレスなメニューとリコメンデーションをスクロールして、やっと見たいものが決まる。

今度のシャッフル機能では、ケーブルテレビをつけたときのような体験が得られる。つければ必ず、何か独立局の人気番組が映る。

その新しい機能でテストされている番組は、人びとが何も見たいものがないときに選ぶ番組のようだ。たとえば「The Office」「New Girl」「Our Planet」「Arrested Development」などだ。

特に「The Office」は、暇つぶし用に見られることが多いと言われている。

それらのテレビ番組は「Play a Random Episode」(ランダムな回を再生する)というタイトルの新しい列に並ぶ。番組のサムネイルをクリックすると、そのシリーズのランダムな回の再生が始まる。

サムネイルにも赤い「shuffle」のアイコンがついていて、それをクリックするとやはりランダムな回の再生が始まる。

「NetflixやHuluはシャッフルボタンを加えてほしい。Officeを見たくても回を指定するのはかったるいから」。

(上のツイートを見ると、ユーザーも同じことを考えていたようだね)。

この新しい機能に最初に気がついたのはAndroid Policeの人たちで、NetflixのAndroidアプリにはすでにこのオプションがあるそうだ。

NetflixはTechCrunchに、シャッフル機能は検討中だがまだ始めていないと言った。同社のスポークスパーソンは曰く、「テレビのさまざまな連続ドラマのランダムな回を再生する機能をAndroidのモバイルアプリでテストしている。テストを行う地域や時間は、変わることもあり、まだ常設にはならないだろう」。

Netflixはこれまでも、ユーザーがログインしたらもっとはやくコンテンツのストリーミングを始められる方法を検討していた。そこからたとえば、予告編の自動再生や、30秒のプレビューログイン画面上での宣伝などのアイデアが生まれたのだ。

画像クレジット: Android Police

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

スター・ウォーズ/エピソード9「ライズ・オブ・スカイウォーカー」の予告編公開

ディズニーがビデオストリーミング、Disney+の詳細を発表して大きな関心を集めている。実際ディズニーはスター・ウォーズ・シリーズを所有しており、これは新しいサービスの目玉の一つになるはずだ。そんな中、ディズニーとルーカスフィルムはスター・ウォーズの最新作、エピソード9の予告編を公開した。

予告編はシカゴで開催されたイベント、スター・ウォーズ・セレブレーション 2019のフィナーレを飾った。これまで「エピソード9」としてしか知られていなかったが、「ライズ・オブ・スカイウォーカー」という正式タイトルもお披露目された。

イベントの壇上で監督のJ・J・エイブラムスとルーカスフィルムのプレジデント、 キャスリーン・ケネディはオリジナルのレイア姫を演じた故キャリー・フィッシャーについても語った。フィッシャーが急逝した後、2人は「CGIでレイア・オーガナ王女を登場させることはしない」と発表していたが、「ライズ・オブ・スカイウォーカー」では「フォースの覚醒」で撮影されたフィッシャーが演じるレイア姫の未公開映像が用いられるという。

「いちばん難しかったのはこの(実写フィルムンの使用が)突飛と感じられないようにする点だった。レイア姫の登場シーンは私にとっても非常に驚くべきものとなっている」とエイブラムス監督は述べた。

エイブラムスとケネディはシカゴのイベントの壇上にシリーズの主役のデイジー・リドリー、ジョン・ボイエガを始めとして新旧のキャストを集めることに成功した。なかでもビリー・ディー・ウィリアムズは(なんと!)最新作でランド・カルリジアンとして復帰するという。この映画に出演できるのは「私の人生のハイライトだ」とウィリアムズは述べた。82歳のウィリアムズは52歳のエイブラムスを「素晴らしい若者」と呼んだ。

「ライズ・オブ・スカイウォーカー」はデイジー・リドリーのレイを主人公とする3部作の完結編であり、スター・ウォーズ9作品の総決算ともなる作品だが、同時にそれ自身としての価値も追求しているとエイブラムスは語った。「この映画はわれわれが受け継いできた遺産、その光と闇の新世代を描くものだ」という。

この作品で登場人物は「最大の悪」に直面するという。 その悪とは誰(あるいは何)なのかスティーブン・コルベアに尋ねられたときエイブラムスは明言を避けたが、予告編は銀河帝国皇帝、パルパティーンのおなじみの哄笑が闇の中から響いて終わる。イベント会場に照明が戻るとステージにはパルパティーンを演じたイアン・マクダーミドが浮かび上がり、「再スタートだ!」と宣言した。

「スター・ウォーズ ライズ・オブ・スカイウォーカー」は今年の12月下旬に公開される予定だ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

ディズニーのストリーミングサービス「Disney+」が投資家集会でお披露目

ディズニー(Disney)は米国時間4月11日、株主たちの集会で消費者に直接コンテンツを届けるストリーミング製品を披露した。同社のストリーミング製品にはすでに、最近20世紀フォックス社を買収したことによって権利を得たHuluとESPN+、そしてインドのストリーミングサービスHotstarが含まれるが、同社役員たちはもっぱら来たるべきDisney+の立ち上げを派手に持ち上げた。

まず彼らが確認したのは、HuluやESPN+と違ってDisney+は完全に広告がなく、ユーザーの会費が唯一の売上になることだ。ディズニーの子会社であるWalt Disney Direct-to-Consumer and InternationalのKevin Mayer会長によると、同社はまたHuluとESPN+とDisney+のフルセットを割引料金で提供する“かもしれない”、という。

Mayer氏らディズニーの役員たちは、彼らがDisney+サービスの“実働プロトタイプ”と呼ぶものを披露した。それはほどんど、そのほかのストリーミングサービスと変わりないが、彼らが強調したのは、すべてのコンテンツがダウンロードでき、オフラインで見られることだ。

このサービスはさらに、ディズニーの各種エンターテインメントブランドのポートフォリオを強調している。つまりそれは、ディズニー・アニメ、Pixar、スターウォーズ、マーベル(Marvel)、National Geographicなどいくつもの部門に分かれている。そしてそこには、既存の作品のライブラリが収められる。最初は完全ではないが、2年ぐらいかけて完備する。そのためには、Netflixなどのサードパーティとの契約更改も必要だ。

Disney+ rollout

Disney+初公開

例えば、このサービスには最初から同社のアニメーションスタジオのSignatureシリーズ13編全編が含まれるし、スターウォーズ3部作の最初の2つと「フォースの覚醒」、そして「キャプテン・マーベル」やそのほかのマーベル作品もある。

さらにディズニーは、このサービス限定のオリジナル番組も作る。この集会で紹介されたそれらのハイライト集は、ウェブキャストにはない。それにはマーベル作品の全編も含まれ、マーベルのKevin Feige社長によるとそれらはディズニー作品と密接に関連したものになる。そのほか、スターウォーズのテレビドラマ版The Mandalorianや、ローグ・ワン(Rogue One)のキャラクターであるCassian AndorとK-2SOに関する番組もある。

では一般消費者はいつから、これらのコンテンツを見られるようになるのか。同社によると、米国では11月12日から月額6ドル99セントの会費でスタートする。そしてDisney Streamingの社長Michael Paull氏によると、計画ではそのほかの北米地区とヨーロッパとアジア太平洋およびラテンアメリカは2021年内にということだ。そしてまたDisney+は、「ザ・シンプソンズ」の独占ストリーミングも行う。

画像クレジット: Disney

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Gizmodo/Onionグループを投資ファンドのGreat Hill Partnersが買収

テクノロジーニュースのGizmodo、風刺サイトのOnionを運営するメディアグループに新しいオーナーが誕生した。非上場企業投資ファンドのGreat Hill Partnersがこれらのメディアを買収し、G/O Mediaと改称したことを発表した。

この買収の一環として、G/O MediaのCEO(兼投資家)にJim Spanfeller氏が就いた。Spanfeller氏は以前、Forbes.comのCEOを務めており、Daily Mealを運営するSpanfeller Media Groupを創立したことでも知られている。Spanfeller氏は次のように声明を出している。

デジタルメディアの世界は最近再び根本的な変革期を迎え、読者と広告主の多様化したニーズに応えられるユニークなチャンネルとして再認識されつつある。この分野における最大のプレイヤーとしてG/O Mediaはこのダイナミックな状況を活かすために理想的な立場にある。すばらしい実績を挙げてきたチームと協力してさらにオーディエンスを拡大し、読者の生活を豊かにすると同時に広告主にも一層高い価値を与えるために努力できることを喜ばしく思う。

声明によれば、新しいG/O Media Groupは月間ユニーク訪問者が1億人いるという。GizmodoグループにはGizmodo自身に加えてDeadspin、Jezebel、Kotaku、Lifehackerなどのサイトがある。当初はGawker Mediaの一部としてスタートしたが、Gawkerがハルク・ホーガン氏ことTerry Bollea氏との訴訟に敗れて倒産した後、Univisionに買収された。

この買収はスペイン語系テレビネットワークのUnivisionが英語メディアにおけるプレゼンスを高める努力の一環で、同グループは同時にThe Onionの株式も取得した。しかしUivisionは こうした英語メディアを損失処理し、買い手を探していると報じられていた。.

Wall Street Journalはいち早く、Great HillがGizmodoをポートフォリオに加えるべく交渉を始めていると報じた。新たな記事では買収額はUnivisionが2016年に支払った1億3500万ドルより大幅に安いと述べている。Great Hillは以前Vivek Shah氏が出版社のZiff Davisを買収するのを助けた。同社は後にj2 Globalに売却された。.

一方、BustleのオーナーBryan Goldbergに別途買収されて再建されたGawkerだが、今年に入ってライターが大挙会社を去るなど苦戦している。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

アカデミー賞からストリーミング排除に対し司法省がダメ出し

Netflixの映画にオスカー(アカデミー賞)をもらう資格があるのか、という問題に司法省が関心を持っているらしい。

Variety誌の記事によると、司法省はアカデミー賞を仕切っている団体映画芸術科学アカデミー(Academy of Motion Picture Arts and Sciences)に書簡を送り、今後の受賞資格変更の可能性について懸念を表明した。

でもこれは、司法省が心配するようなことだろうか?書簡が言っているのは、こういうことのようだ。「アカデミーは複数の互いに競合する企業等が会員なので、それらが事前に競争以外の理由で正当化されてはいない不当な競争をすることを防ぐために、オスカーに対し一定の資格要件を設定しているなら、そのような行いは反トラストの懸念を惹起する」(作品の質で競争するのはよいが、ストリーミングが加わると余計な争いが起こりかねない、というアカデミー側の懸念)。

この司法省書簡事件の前には、Netflixの「Roma」が今年の作品賞の筆頭候補とされていた。結局「Green Book」に敗れはしたが、それでも監督賞と外国語映画賞と撮影賞をかっさらった。

Steven Spielberg(スティーヴン・スピルバーグ)監督は、オスカーのルール変更に賛成らしい。彼は、劇場で4週間以上上映される作品という要件を設けたいようだ。

スピルバーグ氏は公の場では何も言わないし、大物プロデューサーのJeffrey Katzenberg(ジェフリー・カッツェンバーグ)氏によると、スピルバーグは彼に「絶対にそんなことは言ってない」と言ったそうだ。でもこれによって、映画業界にNetflixが与えたインパクトをめぐる議論に、一気に火がついた。そしてNetflixはついにこんなツイートを。「私たちは映画を愛しています」。そのねらいは、同社のサービスによって映画がよりアクセスしやすいものになった、と訴えることにあるようだ。

Variety誌によると、アカデミーは書簡の受領を確認した(アップデート:本誌に対しても確認した)。同団体の理事会は4月23日の会議で、受賞ルールに関する年に一度の検討を行う。

目下司法省にコメントを求めているので、得られ次第この記事をアップデートしよう。

関連記事: Netflix defends its impact on the movie business ahead of Oscars debate(Netflixが映画業界に対するインパクトを自己弁護、未訳)

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Googleはジャーナリスト向けの新たなリアルタイムデータ製品を発表

Googleが、3億ドル規模の予算を持つNews Initiativeを発表してから、1年ちょっとが経過した。これは、独立したジャーナリズムの活動に資金を提供し、Googleが開発した製品も供給するというものだ。

その製品の1つが、News Consumer Insights(NCI)であり、すでにBuzzFeed、Business Insider、それにConde Nastなどの出版社で使われている。あらかじめGoogle Analyticsを通して収集されたデータを取得し、出版社にとってより利用価値の高いデータに加工するものだ。特に、異なる読者セグメントを理解したり、読者が有料の購読者になってくれそうかどうかを判断するのに役立つ。

「生のデータを、ビジネスに関する知力や、実行力を持つ洞察に変えるのです」と、Googleの分析および収益最適化の責任者兼、出版社開発責任者のAmy Adams Harding氏は説明した。

さらにGoogleは、Real-time Content Insights(RCI)という新たなツールを、NCI製品に追加した。

その名前が示すように、RCIは、出版社のサイト上で今何が起こっているのかを、各出版社に伝えることに重点を置いている。それにより、現在トレンドとなっているニュースストーリーを特定することを助け、より多くの読者の獲得に貢献する。初期のNCIデータは、出版社のビジネスおよび読者開発チームにとって、より有用なものだったと、Harding氏は指摘する。それに対してRCIは、「パートナー企業のサイトのコンテンツのダイナミックな動き、つまり何がトレンドなのか、何が下火になったか、牽引力をもっているのはどれか、といった情報を、編集サイドが理解できるよう手助けするために設計された」ものだという。

Real-time Content Insights

Googleは、ニュース出版社にリアルタイムのデータを提供する最初の会社というわけではもちろんない。しかしHarding氏によれば、この「開いてクリックするだけで使える」製品は、小規模のニュース編集室にとっては、特に有用なものになるはず、だという。そうした編集部は、多くのリソースにアクセスできるわけではなく、それほどデータに精通してもいないからだ。

Harding氏は、「ローカルは、Google News Initiativeの大きな柱です」と述べている。「パートナーをサポートするメカニズムとなるツールの開発を手助けするために、私たちに何がでるでしょうか? 彼らは、この変革期の中でも、持続可能であり続けることを目指しています。それは単にデジタル化というだけでなく、この多様化した収益源への移行を乗り切るための努力なのです。それは各出版社が、彼ら自身で引き受けようとしても、十分なリソースが得られない部分なのです」。

RCIは、画像を多用するダッシュボードの形式でデータを表示し、現在何人の読者が記事を読んでいるか、そしてその記事が過去30分間に獲得したビューの数を数字で示す。また、普段の日のトラフィックと比較して、今日のサイトの状況を確認し、地理的、および参照元別に、トラフィックを細分化して分析できる。

さらにこのダッシュボードは、現在Google検索やTwitterでトレンドとなっているトピックも表示する。もちろん、こうしたトピックのすべてが、それぞれの出版社の出版物にとって有効だとは限らない。しかしHarding氏は、それも編集者やライターが、カバーしているトピックの抜けに気付くのに役立つ、としている。Google検索では「人は何に興味を持っているのか?」、Twitterでは「彼らは何を話題にしているのか?」ということが見えるからだ。

ぱっと見には、RCIは、出版社が持続可能かつ多様なビジネスモデルを構築するのを支援する、という大きな目標に直接結びついているとは思えないかもしれない。しかしHarding氏によれば、RCIは、既存のNCI製品と組み合わせて使えるので、最も重要な読者を特定するのに役立つ、という。

「出版社が価値を見出すのは、『そうだ、直接参照されているトラフィックから来るユーザーのほうが重要なんだ。この記事は、そのタイプの読者からのビューを増やすことにつながっている』といったことが分かる状況なのです」と、彼女は説明する。

Googleは、RCIのソースコードをGitHubで公開しているので、力のある出版社なら、それをカスタマイズして、独自のデータ可視化機能を開発することもできると、Harding氏は付け加えた。

(関連記事:Google、サブスクリプション型ニュースを立ち上げ――News Inisitativeに3億ドル投資

画像クレジット:Google

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

Appleは最新のコマーシャルでアリアナ・グランデなど人気ミュージシャンをミー文字にした

グラミー賞の時期に合わせてApple Musicが、3つの新しいコマーシャルを披露した。それぞれ、Ariana Grande(アリアナ・グランデ)、Khalid(カリード)、そしてFlorida Georgia Line(フロリダ・ジョージア・ライン)のニューシングルをフィーチャーしている。

各ビデオで、ミュージシャンはミー文字(Memoji)で表現されている(人の形をしたアニ文字(Animoji)の一種で昨年発表された)。そしてその唇が、彼らの最新曲に合わせて動く。ミー文字やアニ文字が大ウケすることはないと思うが、好きな人にとっては楽しいはず。

実はAppleは、昨年のグラミー賞の前にも、アニ文字の唇がChildish Gambino(チャイルディッシュ・ガンビーノ)やMigos(ミーゴス)に同期する似たようなコマーシャルを作った。

The Vergeの指摘によると、ビデオを最後まで見ると小さな文字で、これらのミー文字は“プロフェッショナルにアニメーションされている”と表示される。だから、唇が歌と同期するアニ文字のビデオの出来があまり良くなくても、がっかりしないように。

画像クレジット: Apple

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

WordPressのAutomatticがニュース企業のためのWebサイトプラットホームNewspackをローンチ

WordPress.comの母胎企業Automatticが、新製品Newspack発表した。詳しい情報はまだだが、それはニュース企業がコンテンツの発行と収益化を行なうためのオールインワンのソリューションだ。

オープンソースのプロジェクトであるWordPressを使って、誰でもWordPress.comでWebサイトを作れる。それは完成度の高いコンテンツ管理システムだ。本誌TchCrunchもWordPress上にある。しかし、サブスクリプション(有料会員制)とか従量的料金制、ユーザーアカウントなどを駆使してコンテンツを収益化しようとすると、そう簡単ではない。WordPress本体には、そのための機能がない。

そこでAutomatticは、ニュース企業のためのプラットホーム、ニュース企業のためのWordPressを考えた。具体的にねらっているのは、地方や地域のニュース企業だ。そういう企業は、デベロッパーを抱えていないところが多いから、サイトの自作も難しい。

ニュース等のコンテンツを自分では作らない、いわゆるメディア企業も、このプラットホームを利用できる。料金は、まだ開発途上の現在は無料だが、最終的には月額1000-2000ドルを予定している。

AutomatticとSpirited Media、そしてNews Revenue Hubが、このプロジェクトのために240万ドルを調達した。Googleのジャーナリズム育成事業Google News Initiativeが120万ドルを出している。そのほか、Lenfest Institute for JournalismやブロックチェーンのConsenSys, Civil Media, The John S., James L. Knight Foundationなどがこのプロジェクトに投資している。

Mediumもオンラインコンテンツの収益化を目指したが、まだいくつかの問題がある。また既存大手のニュース企業はNewspackを使う必要がないだろう。しかし、収益化機能のあるWebサイトプラットホームを求めているローカルな、あるいなマイナーなニュース企業が、欲しがっていたプラットホームではないだろうか、これは。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa