VMwareがかつて同社をスピンアウトしたPivotalを買収か

米国時間8月14日、VMwareがソフトウェア開発プラットホームPivotal Softwareを買収する話し合いに入っていることを確認した。Pivotalは、オープンソースのCloud Foundryプラットホームを商用化したサービスで最もよく知られている。買収の提案ではVMwareがPivotalの既発行クラスA株式のすべてを1株あたり15ドルで取得するとなっており、Pivotalの現在の株価よりも相当大きな上げ幅となる(この発表で株価は上がったが)。

Pivotalの株価は、2018年4月のIPO以来低迷している。同社はの起源はEMC Corporation(今のDellEMC)とVMwareからの2012年のスピンアウトで、Cloud Foundryにフォーカスしたサービスを提供することが目的だった。Cloud Foundryはオープンソースのソフトウェア開発プラットホームで、今やFortune 500社の多くが採用している。そしてこれらの企業の多くが、PivotalにCloud Foundryのサポートを任せている。Dell自身もVMwareとPivotalの大株主であり、またVMwareにもこれまですでにPivotalの所有権があって、Pivotalのサービスを顧客に売っている。というわけで今回の買収劇には、ウロボロスのような趣きがある。

Pivotalのメインプロダクトは一貫してCloud Foundryサービスだが、関連するコンサルティングサービスも提供している。上場以来業績はやや回復したが、Pivotalはこの前の四半期でも3170万ドルの損失を計上した。株価はIPO時の半分近くに下がっているが、VMwareが申し出た1株15ドルは、同社のIPO価格と同額だ。

VMwareの買収でPivotalの旅は終わるが、それはPivotal自身が期待した旅ではない。しかしVMwareはPivotalやDellEMC、IBM、SAP、SuseなどとともにCloud Foundry Foundationのプラチナ会員なので、Pivotalのプラットホームの背後にあるオープンソースのエコシステムに対するVMwareのサポートに大きな変化はないだろう。

しかし、この買収が実際に実現するのかという疑問もある。VMwareは両社が話し合いに入っていることは認めるが、同時にこうも言っている。「話し合いが合意に達する保証はない。また最終的な合意に達するまではVMwareはこの件に関してこれ以上情報を提供する意思がない」。これはいかにも弁護士が書いた文章だが、ここまで来たら買収が成立しない方がむしろ意外だ。

最近のVMwareは買収を熱心に進めているが、その全体的な構図の中にPivotalはうまく収まる。今年初めにはアプリケーションパッケージャーのBitnamiを買収し、昨年はHeptioを買収した。後者は、Kubernetesを作った3人のうち2人が立ち上げたスタートアップで、Kubernetesは今やエンタープライズのクラウドデプロイメントの新たな基盤だ。そういう積み上げの上に今回のPivotal Cloud Foundryの買収案件がある。

画像クレジット: Pivotal

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Telegramのグループ内でメッセージ送信頻度の制限が可能に

人気の高いインスタントメッセージングアプリであるTelegram(テレグラム)は、アプリのグループ管理者たちがメンバーの参加方法をより適切に制御できるようにする新しい機能を導入した。

Slow Mode(スローモード)と呼ばれるこの機能を使用することで、グループ管理者は、メンバーがグループ内でメッセージを送信できる頻度を決定することができる。グループに対して設定が行われた場合、発言を行ったメンバーは、グループ内で再び発言できるようになるまで、30秒から1時間待たなければならない。

telegram slow mode groups

2018年初頭の段階で月間2億人以上のアクティブユーザーを有していたこのメッセージングプラットフォームは、この新機能について、グループでの会話を「より秩序立った」ものにし、「個々のメッセージの価値」を高めることを目的としたものだと説明している。また管理者に対しては「(機能を)永続的に適用するか、混雑時のやりとりを調整するために必要に応じてオンオフする」ことを勧めている。

WhatsAppを含むテックプラットフォームたちは、自身のメッセージングサービス上での誤った情報の拡散の抑制に取り組んでいる。Telegramはこのような論争にはあまり巻き込まれてはいないものの、かなりの問題は抱えている

WhatsAppは、ユーザーがテキストメッセージを転送できる頻度に制限を設けており、機械学習技術を使ってサインアップ手順中に不正ユーザーを排除している

Facebookのインドと南アジア担当公共政策ディレクターであるShivnath Thukral(シヴナ・トゥクール)氏は、今月の会議で、WhatsAppが転送に制限を課したため、コンテンツの拡散度が25%〜30%低下したと述べている。

とはいえ、Telegramは「スローモード」を偽情報拡散への対抗手段として売り込んでいるわけではない。その代わりに、同社はこの機能が、利用者たちにより多くの「心の平和」をもたらすのだと説明している。実際、グループの最大人数が256人であるWhatsAppとは異なり、Telegramのグループでは最大20万人ものユーザーが参加可能なのだ。

同様の狙いで、Telegramはまた、受信者の側での通知音が鳴らないように、送信者がメッセージを送信できるようにするオプションも追加した。同社によれば「送信ボタンを押し続けるだけで、メッセージやメディアを通知音なしで配信できます」とのことだ。「受信者は通常どおりの通知を受け取りますが、サイレントモードを有効にするのを忘れた場合でも、電話の通知音は鳴りません」。

Telegramはまた、グループオーナーが管理者用にカスタムタイトルを追加する機能など、その他のさまざまな小さな機能も投入している。アプリ上のビデオは、ユーザーがスクラブ(指を動かして再生位置を指定)することでプレビューが表示されるようになったので、観たいシーンを素早く探すことができるようになった。YouTubeと同様、Telegramのユーザーも、特定のタイムスタンプへ直接ジャンプする形でビデオを共有できるようになった。またユーザーは、もし興味があるなら、自分自身の絵文字を動かすこともできる。

6月には、Telegramは、ユーザーが数字を入力しなくても連絡先を簡単に交換できるようにする、位置情報を利用した機能を追加している。

画像クレジット:Thomas Trutschel/Photothek via Getty Images /

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(翻訳:sako)

クラウドアプリをAIで強制的に最適化するOpsani

米国カリフォルニア州レッドウッドのOpsaniは、クラウドアプリケーションに対し、従来のときどき行うパフォーマンスモニタリングではなくて、コンスタントに絶えず行うように最適化したいと考えた。そのためには人工知能を利用して、最適な状態をソフトウェアが学習できるようにしたい。

同社の共同創業者でCEOのRoss Schibler(ロス・シブラー)氏は次のように説明する。「強化学習を利用する機械学習のテクニックで、クラウド上のアプリケーションのパフォーマンスをチューンナップするんだ」。

シブラー氏によると、何を最適化したいかは企業によっていろいろだ。だから、「リソースまわりのさまざまなパラメータを変えてみて、そのアプリケーションのパフォーマンスを見守る。サービスとしてのアプリケーションがリアルタイムで作り出している、ビジネスの状態を表す重要な測度は何か? それは単位時間あたりのトランザクション数か、それともレイテンシーか?何にせよ、それがビジネスの重要なパラメータなら、われわれはそれを使う」と彼は言う。

彼の主張では、OpsaniはNew RelicやAppDynamicsのようなモニタリングサービスと違って、パフォーマンスをウォッチしてフィードバックをアドミンに伝えるのではなくて、パラメータを実際に変えてアプリケーションのパフォーマンスをリアルタイムで上げる。それができるためにはアプリケーションの特徴と、最適化に関するデベロッパーの要望をよく知らなければならない。

アプリケーションがなるべく安いクラウドリソースを使うように最適化するSpotinstのような最適化ツールがあるが、Opsaniはそれに似ている。ただし最安リソースを見つけるのではなくて、実際にアプリケーションをチューニングする。

同社は最近、Redpoint VenturesがリードするシリーズAのラウンドで1000万ドルを調達した。これには、前からの投資家Zetta VenturesやBain Capitalも参加した。

それでも同社はまだ若い会社で、社員数は10名あまり、そして顧客数もひとにぎりだ。その1000万ドルは、社員の増員とプロダクトの改良に当てたいとのこと。

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ファーウェイ自家製OSはスマホやスマートホームにも結局使われる

これまでの数カ月、Huawei(ファーウェイ)の役員たちは互いに相反する諸説述べてきたが、この中国のネットワーキング大手は8月9日にやっと、問題のHarmonyOSを公式に発表した。同社が開発したその待ちに待たれたモバイルオペレーティングシステムはスマートフォンやラップトップ、スマートホームデバイスなどを駆動し、これにより同社はいくつかのグローバルな大企業への依存を断ち切ろうとしている。

ファーウェイの消費者事業部のCEOであるRichard Yu(リチャード・ユー)氏は同社のデベロッパーカンファレンスで「HarmonyOSは今年後半に出るテレビ受像機のようなスマートスクリーンデバイスで使われる」とコメントした。そして「今後の3年間で、世界で2番目に大きなスマートフォンベンダーであるファーウェイはHarmonyOSをそのほかの多様なデバイスに載せていく」とも言った。

このモバイルオペレーティングシステムはオープンソースだが、当面その可用性は中国に限定され、国際化は次の段階として予定している。

今日の発表から数か月前には、米政府がファーウェイと60社以上の関連会社をいわゆるエンティティリスト(敵対企業リスト)に載せて、アメリカの企業が彼らと取り引きすることを禁じた

その結果GoogleやIntelなど、スマートフォンに多くの重要な技術を提供している企業はファーウェイとのビジネスを中断することになり、同社の行く末が危ぶまれた。

延々と続いている米国と中国の貿易戦争はファーウェイの業績にも影を落としている。調査企業Counterpointによると、ファーウェイ製のスマートフォンの約半分が中国の国外で売れている。

同社は今日も、今後もAndroidを使い続けたいと繰り返したが、しかしその期待も空しければ、これからはHarmonyOSが公式のバックアップになる。

続編あり。

画像クレジット: FRED DUFOUR/AFP/Getty Images

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Googleマップが歩行者のためのナビ「Live View」を拡張現実で実装

Googleマップの中で、歩く方向を教える拡張現実(Augmented Reality、AR)をGoogle(グーグル)はベータ版として提供中だ。

一般公開後には、システムがARをサポートしているiOSとAndroidデバイスで利用できる。iOSならARKit対応デバイス、AndroidならGoogleのARcoreをサポートしているデバイスだ。そしてもちろん、今自分が歩いているところのGoogleストリートビューがGoogleマップ上にある地域でなければならない。

今年の初めに発表されたGoogleマップの拡張現実機能は、Google PixelのユーザーとGoogle Maps Local Guidesにアルファ版として提供されていた。しかし今日からは公開ベータという状態になるから誰でも試せる。ただし全体的な展開には2週間ぐらいかかるから、今日やってみてだめだったという人もいるはず。TechCrunchは3月にいくつかの機能をご紹介したが、今回のバージョンもそれと同じようだ。マップの中で近くの行き先をタップして、次に「Directions」ボタンをタップ、「Walking」へ行って画面下の「Live View」をタップする。

Live View

このLive View機能は、ユーザーがスマホを持って歩けばその一歩一歩をガイドしてくれるものではない。むしろ、上図でおわかりのように、目の前の本物の街路の画像の上にARで大きな矢印と読みやすい街路標識をオーバレイで表示することで、どっちへ行けばいいかがわかる。簡単でとても便利だ。これなら、初めて訪れた見知らぬ町でも間違いなく目的地にたどり着けるだろう。

今回Googleマップには、そのほかのアップグレードもいろいろあり、例えば「Reservations」タブは飛行機やホテルなどの予約をすべて1カ所にまとめてオフラインで保存する。これと、これまでAndroidだけだったタイムラインのデザイン変更は、今後の数週間で展開されるだろう。これらは正規のアップグレードであり、ベータではない。

関連記事: Google Travel adds flight price notifications and a limited time flight price guarantee(Google Travelに時間制限付きお買い得航空券通知機能が登場、未訳)

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CircleCIの継続的インテグレーションをMicrosoftのプログラマーが初めて採用

CircleCIはかなり前からLinuxやMacのプログラマー向けに継続的インテグレーションのサービスを提供しているが、しかしこれまで、Microsoftのデベロッパーは蚊帳の外だった。しかし米国時間8月7日から同社は、Windows Server 2019を使っているMicrosoftのデベロッパーをサポートすることになった。

先月5600万ドル(約59億4500万円)のシリーズDを発表したCircleCIは当然、そのマーケットリーチを拡張する道を常時探しているはずだが、Microsoftのプログラマーをサポートすることになったのは、背後の市場が大きいという意味で同社にとって幸先がいい。

CircleCIのWindows担当プロダクトマネージャーであるAlexey Klochay(アレクセイ・クロチャイ)氏は「Windowsのサポートを発表できることは、とても嬉しい。顧客も、それを求めていた。Stack Overflowの今年初めの調査によると、ソフトウェア開発市場の40%をWindowsが占めているんだ」と述べている。

Microsoftのプログラマーたちは、これまでもCircleCIのような専門サービスに頼らずに継続的インテグレーションをやっていたが、それは相当困難だった。同氏によると、CircleCIならもっと総合的なソリューションを提供できる。まず、デベロッパーはエンジニアの助けを借りずに自力でCI/CDの流れを運用できる。「デベロッパーが自力で、自分たちのペースで、やりたいことができる。何かに縛られることもない。うちのサービスはとても使いやすいし、メンテナンスも楽だ」と彼は説明する。

CircleCIは、開発チームの全体に大きな可視性を提供する。「誰が今何をやっているのか、各人がシステムと今どんな対話をしているのか、それを一望にできる」とクロチャイ氏は語る。

その使いやすさには、昨年リリースされたWindows Server 2019のさまざまな改良も大きく貢献している。「最新のWindows Serverに導入された変化によって、1年前だったらありえなかったほど、円滑な仕事ができるようになった」とクロチャイ氏。

CircleCIのNathan Dintenfass(ネイサン・ディンテンファス)氏によると、一般的にMicrosoftの最近のエコシステムは、CircleCIがデベロッパーに提供しているアプローチを歓迎するような方向性に変わってきた。「我々はWindowsのエコシステムの成熟を目撃し、ソフトウェアのデリバリの自動化とスループットの向上に投資している彼らのチームに、前よりも引かれている。またそれと同時に、Windowsを提供している彼らのクラウドインフラストラクチャも成熟してきたから、我々のオペレーションも相当楽になっている」と同氏は語る。

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サーバーレスやコンテナなど多様な実行環境でライブデバッグを提供するRookout

サーバーレスコンテナなど、さまざまな環境のためにデバッグサービスを提供しているRookoutは米国時間8月7日、シリーズAで800万ドル(約8億5000万円)の資金を獲得したと発表した。その資金は、デバッグ以外の新しい分野の開拓に当てられる予定だ。

このラウンドはCisco Investmentsがリードし、従来の投資家TLV PartnersとEmergeが参加した。またGitHubのCEOであるNat Friedman(ナット・フリードマン)氏やLaunchDarklyのCTOで共同創業者のJohn Kodumal(ジョン・コデュマル)氏、Codecovの収益担当副社長であるRaymond Colletti(レイモンド・コレッティー)氏らも参加した。

Rookoutの共同創業者でCEOのOr Weis(オー・ウェイス)氏は「Rookoutは創業の時点から、すべてのプラットホームにプロダクションレベルのデバッグサービスを提供している」と語る。そして彼の言うすべてのプラットホームとは、AWS Lambdaのようなサーバーレスの環境やコンテナとKubernetesの環境、Google App EngineやAWSのElastic BeanstalkのようなPaaS環境などのことだ。

同社は単純にデバッグサービスを提供するだけでなく、バグが起きているプラットホーム内部への可視性も提供する。バグは基本的に短命な現象だから、その可視化はかなり難しい技術だ。声明でウェイス氏は「昨年我々は、顧客がRookoutのコードレベルのデータ収集機能のまったく新しい利用方法を見つけていることを発見した。そこで我々は、弊社のコードレベルの観察機能とパイプラインの多様な使われ方に対応し、それらをサポートし、強化する必要性に迫られた」とコメントしている。

ここで特に印象的なのは、Ciscoのような古参のベテラン企業がRookoutへの投資に積極的に関わっていることだ。Ciscoのグローバル企業開発担当副社長であるRob Salvagno(ロブ・サルヴァグノ)氏はRookoutのデベロッパーフォーカスを賞賛して声明中で「デベロッパーはエンタープライズのIT関連支出の鍵を握っている。Rookoutを利用すると再デプロイせずにオンデマンドでデータを収集できるから、同社のそのようなデベロッパー中心型のソフトウェアはプロダクションレベルの面倒なデバッグを単純化し、デベロッパーの効率性を増し、そしてITのOpsとDevの間に存在する軋轢を軽減する」と述べている。

2017年にローンチしたRookoutはサンフランシスコとテルアビブにオフィスがあり、社員数は20名だ。これまでに1200万ドルあまりを調達している。

関連記事:AWS LambdaのサーバーレスのコードをライブでデバッグできるRookoutのデバッグツール

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ユーザーデータをもとにフレッシュなイベント企画を創案するFeverに楽天などが投資

独自のアルゴリズムで企業のイベント企画立案を助けるFeverは米国時間8月3日、日本の大手インターネット企業楽天の投資部門である楽天キャピタルがリードするラウンドで3500万ドル(約37億2000億円)を調達した、と発表した。参加したそのほかの投資家は、Atresmedia、Accel、およびかつてAlibaba Groupへの米国からの投資をリードしたMichael Zeisser(マイケル・ツァイザー)氏だ。これでFeverの調達総額は7000万ドルになる。なおツァイザー氏は、Feverの取締役会に加わる。

マドリードとロンドンにオフィスのあるFeverのアプリは、ユーザーのために個人化されたイベントリストを作り、それを同社のSecret Media Networkに送る。そのネットワークは、企業のソーシャルメディアチャネルからもユーザーデータを集める。匿名化されたそれらのデータはFeverのアルゴリズムで分析され、企業のイベント立案を助ける。過去の例としてハリウッドの「The Alice in Wonderland MaddHatter G&T」や、ハロウィーンをテーマとするロサンゼルスの「House of Spirits」、若者向けのクラシック音楽コンサート「Candlelight Concerts」などがある。

現在同社の月間ユニークユーザーは、およそ2500万人がロンドンやニューヨーク、パリ、マドリードなどにいる。今度の新しい資金で、対象都市をもっと増やす予定だ。

FeverのCEOであるIgnacio Bachiller(イグナシオ・バチェラー)氏によると、次の拡張対象都市はシカゴとバルセロナだ。昨年はパリとロサンゼルスとリスボンとマンチェスターでローンチした。今後は2カ月に1都市のペースで主に米国とヨーロッパの都市に新市場を開拓したい。そして来年はアジアも狙う。イベント発見プラットホームはFeverのほかにもあるが、バチェラー氏によると同社の差別化要因は、「ユーザーの行動データを直接利用して需要を予測し、彼らのためにどんな新しい体験を作ってやればよいかを企業顧客に知らせること。体験のNetflix(既存再利用作品)というものは存在しないから、毎回新しい創造性がすべてだ」、という。

そしてバチェラー氏によれば、今後は楽天のそのほかのポートフォリオ企業とも協力して、中小企業が彼らの顧客の参加性を増やせるような企画を打っていきたい。

画像クレジット: Fever

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MITのAI編み物デザインソフトを使えば初心者でも自分だけの服を作れる

3Dプリンターの普及によって、コスプレ用品から交換部品まで、かつては考えられなかったものを誰でも作れるようになった。しかし、3Dプリンターでカスタマイズ製品に新しい世界が開けた今も、衣服は相変わらず既製品を買っている。MITの研究者らは、誰でも毛糸の玉を持ったことのない人でも、編み物ができるソフトウェアを開発している。

MITコンピューター科学・人工知能研究所(CSAIL)のAlexandre Kaspar(アレクサンド・キャスパー)氏率いるグループは、本日そのソフトウェアに関する論文を2点発行した。InverseKnit(インバースニット)は、編み物作品の写真から自動的にパターンを作成する。新しいデザインソフトウェアのCADKnitは、編み物もデザインの経験もない人がテンプレートのカスタマイズ、サイズ、デザインの調整などが簡単に体験できる。

出来上がったパターンは家庭用編み機で使用できる。編み機は数年前から販売されているが、そのためのパターンをデザインするためにはかなりの技術知識が必要だ。

MIT knitting gloves2

CADknitを使って作った手袋

CADKnitとInverseKnitは、いずれも機械編み物のデザインと製作を3Dプリンティングのように簡単にすることを目指している。これらのソフトウェアが商品化されたら、「Knitting as a service」(サービスとしての編み物)が実現するとキャスパーr氏は考えている。服飾デザイナーが機械向けのデザインをする時間も短縮できる。ほかには、新しい編み方を試してみたい編み物愛好家にもソフトウェアの需要がある。

「3Dプリンターのユーザーやハッカーたちも我々のシステムの重要な潜在ユーザーだ。編み物でも同じことができるようになるのだから」とキャスパー氏は言った。

CADKnitとInverseKnitのパートナー候補として、Kniterate(ニッテレート)が挙げられる。ホビーストやスモールビジネス向けにデジタル編み機を作っている会社だ。キャスパー氏は、現在編み物のカスタマイズを容易にする方法をKniterateのチームと検討していると言っていた。

CADKnitは、2D画像とCADおよび画像編集ソフトウェアを組み合わせてカスタマイズ可能なテンプレートを作る。機械編みの経験のないユーザーでも、レースモチーフやカラーパターンなどを含む手袋や複雑な服を作れることようテストしてきた。

開発者たちはInverseKnitを作るために、まず編み物パターンと対応する画像のデータセットを作り、ディープニューラルネットワークを使って機械編みパターンを生成した。チームによると、InverseKnitのテストにおいてシステムは94%の確率で正確なパターンを生成した。ただし商品化にはまだやるべき作業が残っている。たとえば、これまでのテストは一種類のアクリル毛糸を使っており、ほかの繊維でも使えるように訓練する必要がある。

「3Dプリンティングで何かができると人々が思うまでにはしばらく時間がかかった」とKaspar氏は言う、「われわれがやっていることも同じだろう」

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Googleの旅行支援アプリ「Trips」のサポートが終了

Googleは、旅の予定や計画を立てることをサポートするモバイルのTripsアプリを閉鎖するが、その機能の多くはマップ(Maps)や検索に組み入れられると発表した。Tripsアプリのサポートは8月5日で終わるが、そこにユーザーが書き込んだ情報や保存した場所などは、そのユーザーが自分のGoogleアカウントでサインインしていれば検索で得られる。

その地域の人気スポットやアトラクション、イベントなどは「my trips」で検索するか、Googleの新たに改良されたTravelページで見つかる。

GoogleはTravelサイトの変更を2018年9月に発表したが、その機能の多くはTripsアプリに分類されて入っていた。なのでこれからは、ユーザーはTravelに戻されることになり、またもっと多くの機能が、Googleが強い地図やナビゲーションのアプリに含まれることになる。

関連記事:Google、新しい旅行プランツールを公開

ユーザーはGoogle Tripsに書いたノートをブラウザーのTravelセクションに加えて編集したり、今後のまたは過去の旅行の保存したアトラクションや、フライト、ホテルなどを見つけられる。

マップ(Maps)で目的地や名所旧跡、ガイドリスト、イベント、レストランなどを検索するには、アプリの「Explore」タブをスワイプすればいい。

メニューのアイコンをタップすると、ユーザーが「Your Places」に保存した場所に行ける。そして、近く地図アプリでは予約情報が個々の旅ごとに整理されて提供される。予約情報はオフラインで見られるから、ダウンロードしなくてもいい。

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画像クレジット: Google Tripsのライセンスによる

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

出張手配・管理サービスのAIトラベルが2億円の資金調達、JR東との連携も発表

左から、AIトラベル取締役の本間卓哉氏、代表取締役の村田佑介氏、取締役の山口耕司氏、取締役の佐藤尚平氏

クラウド出張サービス「AI Travel」を開発し運営するAIトラベルは8月5日、ジェネシア・ベンチャーズ、キャナルベンチャーズ、AGキャピタル、キャナルベンチャーズ、JR東日本スタートアップ、ジェネシア・ベンチャーズ、横浜キャピタル、その他事業会社からの第三者割当増資、日本政策金融公庫等金融機関からの普通融資、ならびにその他メガバンクからの当座貸越により総額2億円の資金調達を実施したことを明かした。

「AI Travel」は、SaaS型の出張手配および管理(Business Travel Management・BTM)のシステムだ。出張者は、国内および海外への出張時に、出発地と目的地、行き帰りの日時と、大体の宿泊予算を入力するだけで、AIが最適なホテル、飛行機、新幹線を検索し、そのまま予約ができる。一人から複数人の交通手段、そして宿泊先をまとめて一度に手配できることも特徴的だ。

経理や総務担当者には、出張者の手配と同時に出張申請、出張状況、出張後の経費精算のデータが見えるため、出張コスト管理の簡素化、そして最適化などのメリットがある。まさに、出張に関わる「業務の手間」と「出張コスト」の削減を目的としたプロダクトとなっていると言えるだろう。同社いわく、AI Travelを導入することで「約3割の出張経費削減」を実現したケースも出てきているそうだ。

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AIトラベルで代表取締役を務める村田佑介氏いわく、同社は今後、調達した資金をもとに、レガシーなサービスと比較するとデータドリブンなAI Travelの開発をさらに進めていく。その1つが、レコメンド精度の強化だ。「例えば、リストの一番上に表示しているホテルが本当に選ばれていれば正解。上から5番目のものが選ばれているようであれば、何が差分だったのかを繰り返し学習していく。そうすることで、ユーザーの見て回る時間を可能な限り短くしていきたい」(村田氏)

また、レコメンドに加えて、「出張経費の適正化」に関してもより精度を上げていく。他社平均よりも出張費が高かった場合、例えば「より早く予約を済ませる」必要があったのか、または「出張者が高めの値段設定のホテルをあえて選んでいた」のか、など、様々な要素を可視化し、改善に繋がっていくようにしていく。

AIトラベルは6月、クラウド会計ソフト「freee」とシステム連携を行う連携アプリを「freeeアプリストア」にて提供開始したことを発表している。村田氏は、「AI Travelでは出張を扱う。そのため、経費清算や会計とは切っても切れない存在だ」と話し、導入企業がもともと使っていたようなサービスとの連携は「大きな方向性としてある」と説明した。

AIトラベルは8月5日、JR東日本のCVC、JR東日本スタートアップとの資本業務提携も併せて発表している。AIトラベルは先月の上旬、びゅうトラベルサービスの提供する「JR東日本ダイナミックレールパック」、そしてJR東日本レンタリースの提供する「JR 駅レンタカー」との連携を開始した。

同社は上記の2つのサービスの取り扱いを皮切りに、JR東日本グループとのチケット自動手配やチケットレス、そして「シームレスな移動社会の実現」に向けた開発連携を強化していく。

AIトラベルで取締役CMOを務める本間卓哉氏は、同社は「あらゆる交通機関やMaaSをAI Travel内で一気通貫で予約、手配ができる世界を目指している」と話していたが、その世界観を目指す上でJR東との連携は大きな一歩だと言えるだろう。

AIトラベルでは、2017年8月より法人向けにサービスを開始しているが、今年の7月までには200社が導入し、1万人ものユーザーに利用されたという。

クラウド上のデザインツールFigmaがプラグインとそのAPIをローンチ

デザインツールをクラウドに置くFigmaは米国時間8月1日、ユーザーが自分のワークフローをリセットして掃除できるプラグインを発表した。

Figmaの共同創業者でCEOのDylan Field(ディラン・フィールド)氏によると、このプラグインは同社の立ち上げ以来、最も要望の多かった機能だ。そこでチームは昨年、2018年3月にローンチしたFigmaのAPIにプラグインの機能性を構築することに注力した。その際、3つのプライオリティを掲げた: 安定性、スピード、そしてセキュリティだ。

同社がプラグインのテストを始めてからかなり経つ今日、40個のプラグインがローンチOKとなった。それらの中で、とくに目立つのを以下にご紹介しよう。

ユーティリティとしては、まずRename Itは、デザイナーが今自分がやっているレイヤーを自動的にリネームして編成できる。一方Content Buddyは、適当なプレースホルダーとしてのテキストを置く(電話番号、名前など)。それらはあとで自動的に見つけて内容を入れ替えられる。StarkColorBlindはどちらもアクセシビリティのためのプラグインで、自分の仕事がWCAG 2.0のコントラストの指針に合ってるか確認できる。そのために、8段階の色弱を疑似体験できるレンズが提供されている。

そのほかに、アニメーションを加えるFigmotion、テーマを変えるThemer、デザインに地図を加えるMap Makerなどのプラグインがある。

だれでもFigmaのプラグインを作って一般公開できるが、企業など用にプライベートなプラグインも作れる。例えばMicrosoft(マイクロソフト)のある社員は、WordやOutlookなどMicrosoft製品をベースとするテーマに変えられるプラグインを作った。

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今のところ、プラグインで収益を得る計画はない。むしろプラグインを加えたのは顧客の幸福と満足に寄与するため、とField氏は言う。しかもFigmaのウェブサイトへ行くと、そこにはこのプロダクトが顧客と共に急速に進化する仕組みがある。個々の機能をそれぞれ別に作るのではなくて、今のFigmaはプラットホームをパワーユーザーに開放して、好きなものでウェブページを作れるようにしている。

Crunchbaseによると、Figmaはこれまで8300万ドル近くの資金を調達している。半年前のSequoiaがリードする4000万ドルのラウンドでは、調達後の評価額が4億4000万ドルだった。

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巨額買収を完了したIBMはRed Hatの翼で飛翔する

IBMの340億ドル(約3.6兆円)という巨額なRed Hatの買収は数週間前に完了し、米国時間8月1日に両社はその最初の成果を発表した。今日の発表の大部分は、あらゆるパブリックおよびプライベートクラウドにプロダクトを持ち込みたいとするIBMの野心の拡大の表れだ。そもそもIBMがRed Hatを買った理由がそれだから何も意外ではないが、多くの業界ウォッチャーにとって意外だったのはその実現の早さだ。

具体的には、IBMはそのソフトウェアポートフォリオをRed Hat OpenShiftに持ち込む。それはRed HatのKubernetesをベースとするコンテナプラットホームで、顧客がRed Hat Enterprise Linuxを使用するかぎりどんなクラウドでもそれを使える。

IBMはすでに100製品を超えるプロダクトをOpenShift向けに最適化し、それらを同社がCloud Paksと呼んでいるものにバンドルした。そのPaksなるものは現在5つあり、それらはCloud Pak for Data、Cloud Pak for Application、Cloud Pak for Integration、Cloud Pak for Automation、そしてCloud Pak for Multicloud Managerだ。これらの技術をIBMの顧客は、AWS、Azure、Google Cloud Platform、そしてほかでもないIBM自身のクラウドで利用でき、そこにはDB2やWebSphere、API Connect、Watson Studio、 Cognos Analyticsなどが含まれている。

今日の発表声明でRed HatのCEO Jim Whitehurst(ジム・ホワイトハースト)氏は「Red HatはコンテナやKubernetesなども含むLinuxベースの技術でイノベーションを駆動しており、それはハイブリッドクラウド環境の基盤的ビルディングブロックになっている。ハイブリッドクラウドのためのこのオープンな基盤により、「any app, anywhere, anytime」(どのアプリケーションもどこでもいつでも動く)というビジョンが実現可能になる。それがIBMの強力な専門的能力と結びつき、意欲的なデベロッパーやパートナーから成る巨大なエコシステムにサポートされれば、顧客は自ら選んだ技術で現代的なアプリケーションを作り、オンプレミスでも複数のパブリッククラウドにまたがるものでも、そのアプリケーションにとって最良の環境でデプロイする柔軟性を持つことができる」と述べている。

IBMは、クラウド上の初期のイノベーションの多くは現代的で顧客志向のアプリケーションを市場化することにあり、主にベーシックなクラウドインフラストラクチャにフォーカスしていた、と主張している。しかしながら今日では、エンタープライズは自分たちのミッションクリティカルなアプリケーションをクラウドで動かすことにも関心がある。そのために彼らは、複数のクラウドにまたがって使えるオープンなスタックを求めているのだ。

さらにIBMは今日、完全な管理を伴うマネージドなRed Hat OpenShiftサービスを自身のパブリッククラウド上でローンチする、と発表した。そのほかに同時に、IBM ZやLinuxONEメインフレームなどIBM Systems上のOpenShiftと、Red Hatに関するコンサルティングおよび技術的サービスの立ち上げも発表された。

関連記事: With $34B Red Hat deal closed, IBM needs to execute now(IBMが340億ドルのRed Hat買収を完了し次は執行だ、未訳)

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音声通話できない状況での緊急時連絡機能を米国でAndroidに導入

Googleが米国時間8月1日、災害時などに音声による連絡ができなくても対話できる機能をPixelやそのほかのAndroidデバイスに導入した。怪我などで声を出すと危険な状況や、発話機能に障害のある人が、タッチメニューでコミュニケーションできる。

この緊急通話を開始すると、火災、医療、警察などの状況やニーズを伝えることができる。これらの情報はオペレーターに伝わるので、通話者は話せなくてもよい。位置もGPSから伝わるので、自分が具体的なアドレスを知らなくてもよい。

AED Lower Speech Rate 06

メニューの情報は電話機上にローカルに保存され、すべての情報の守秘性が、オペレーター以外に対して保たれる。また可能なら、情報入力後にはオペレーターとは直接に話せる。

この機能は、National Emergency Number Association(全国緊急番号協会)とのコラボレーションで作られた。数か月以内に米国のPixelと一部のAndroidデバイスにやってくる。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

米国トッププチェスプレイヤー対Tesla Model 3の勝負

Tesla(テスラ)の車両は、先月車に配信されたソフトウェアアップデートのおかげで、人間相手にチェスをプレイすることができるようになった。その担当プログラマーたちは、おそらく世界で最高の選手を相手にするためにチェスプログラムをデザインしているつもりではなかっただろう。それなのに、米国ランキング1位(世界では2位)のチェスプレイヤー、Fabiano Caruana(ファビアーノ・カルアナ)氏がTesla Model 3と対戦を行ってみた。結果はディープ・ブルー(Deep Blue)とガルリ・カスパロフ氏の対戦の再現とはならなかった。

カルアナ氏は、追い詰められた様子もなく、試合の途中で解説を行いながら、わずか5分以内の競技時間で車を打ち負かした。車の打つ手には怪しいものもあったが、公平を期すならば、これは深い人工知能を備えたスーパーコンピューターではないし、カルアナ氏は世界最強のプレイヤーの1人なのだ。最後に彼は試合を「面白かった」と評したが、そこからは、彼が自動車のインフォテインメントシステムに期待していたもの以上のものを得たというニュアンスを感じることができる。

この車はおそらく私には勝つだろう、私はランキングにも無縁だしチェスをおそらく15年もやっていないのだから当然だ。

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(翻訳:sako)

ローコードクラウドの成功には効果的なアドミンツールが必要

ローコード(low-code)プログラミングで会社の仕事は楽になる、と思われているのか? ローコードは、高価なソフトウェアエンジニアがいなくても、よく訓練されたアドミニストレーターがいればいろんなタスクを処理できる、という意味だが、テクノロジーによる問題解決には必ず、予期しなかった結果がつきまとう。自分の会社Steelbrickを2015年に3億6000万ドルでSalesforceに売ったMax Rudman(マックス・ルドマン)氏は、ローコードのデプロイメントにつきものの、ある問題に気づいていた。彼はそれをオートメーションとテストでフィックスできると確信して、Prodlyを立ち上げた。

同社は米国時間7月31日に350万ドルのシード資金を獲得したが、お金より重要なのは顧客の動勢だ。きわめて初期段階のスタートアップでありながら、同社にはこのプロダクトを使う顧客がすでに100社いる。ルドマン氏が気づいていたとおり、同じ問題を抱える企業がとても多いのだ。そして彼らは、Prodlyのアイデアの市場でもある。

彼が前の会社で学んだのは、データを有効に生かせる経営を志向して企業がSalesforceのようなプラットホームの顧客になったとしても、それは単に旅の始まりにすぎないことだ。サービスの構成や料金体系がよくアップデートされる企業では、その情報に結びついているすべてのテーブルをアップデートしなければならない。たしかにローコードではクリック一発ですむ約束だったはずだったが、48ものデーブルをアップデートしなければならないとなると、楽な仕事とは言えない。

Prodlyの基本的な考え方は、まず、構成のほとんどを自動化する。得られる情報が正しいかをテストする。そして最後は、デプロイの自動化だ。目下同社は構成の自動化に開発努力を集中しているが、資金が得られたのでテストやデプロイにも手を付けられる。

ルドマン氏は、同社のソリューションがSalesforce専用ではない、と念を押す。最初はSalesforceのアドミンをねらうけど、そのほかのクラウドサービスのユーザーでも、訓練されたアドミンを酷使してあちこちいじっているところがとても多い。

ルドマン氏は「Salesforceは取っかかりだけど、同じ問題がほとんどのクラウドプラットホームにある。ServiceNowでもWorkdayでもどこでも、うちがアドミン用に作ろうとしているようなツールがない。アドミンの生産性を上げるためには、彼らが複雑なアプリケーションを効率的に管理できるためのツールを提供しなければならない」とも語る。

今の顧客の中には、Nutanix、Johnson & Johnson、Splunk、Tableau、それにTechCrunchのオーナーであるVerizonなどがいる。350万ドルのシードラウンドはShasta Venturesがリードし、Norwest Venture Partnersが参加した。

関連記事: Salesforce”Quote-to-Cash” SteelBrick3.6億ドルで買収

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Android Autoの新バージョンは使いやすさと安全性を強化

Googleは車載用プラットフォーム、Android Autoのアップデートの配信を開始している。今回のバージョンはドライバーにとっての使いやすさと安全の向上を目指している。

このバージョンは2019年のGoogle I/Oで紹介されていた。ダークテーマ、新しいフォントと強調色、Googleのバーチャルアシスタントのさらなる活用といった新機能があり、車載用として増えつつある横長のディスプレイに対応している。

2015年にリリースされたAndroid Autoはオペレーティングシステムではない。オペレーティングシステムの上に重なっている二次的なインターフェイス、あるいはHMIレイヤーと言えるもので、スマートフォンのルック&フィールを車内の画面に対応させたものだ。

自動車メーカーは、かつてはAndroid AutoやアップルのCarPlayを車に取り入れることには慎重だった。しかしAndroid AutoのプロダクトマネージャーのRod Lopez(ロッド・ロペス)氏によれば、現在、Android Autoは50ブランド、500種類以上のモデルで利用できるという。

Android Auto対応の車のオーナーは、今後数週間以内に新しいデザインを目にすることになる。ただし、Android Autoと互換性のある車を所有していなくてもこのプラットフォームを利用できるスマートフォンアプリのAndroid Autoは、アップデートされない。Googleは、将来的にはスマートフォンアプリをAndroid AutoからGoogle Assistantの新しい運転モードへと「進化」させる計画であるとしている。

車載用バージョンには重要な変更がある。特に重要なのは、これまで以上に指先ではなく声でAndroid Autoを操作できるようになったことだ。また、Android AutoにはGoogle Assistantのバッジが表示され、これをタップするとカレンダーの情報を確認したり、天気予報やニュースを聞くことができる。

ほかには、何度もタップしなくてもよく使うアプリにアクセスできるアプリランチャーが登場する。画面左下のボタンからこの機能を利用できる。アプリランチャーの画面にはアプリのアイコンが表示され、よく使うものが上の行に並ぶ。

Android Autoでおそらく最もよく使われているカーナビ機能も改良されている。ナビゲーションバーが画面の下部に表示され、ほかのアプリを同時に使える。このため、Spotifyを聞いていても道を間違えることはなくなるだろう。

ナビゲーション機能は、ドライバーがAndroid Autoを接続するとすぐに表示される。スマートフォンでルートを調べてあれば、Android Autoは自動でルートを設定する。

この最新バージョンでは、右下に新しい通知ボタンもあり、電話の着信、メッセージ、アラートが記録される。ドライバーはマイクのボタンをタップするか「Hey Google」と話しかけてGoogle Assistantを呼び出し、電話の発信、メッセージの送信、通知の読み上げをさせることができる。

Googleは、Android Automotive OSというオペレーティングシステムも開発している。これはLinux上で動作する同社のオープンソースのモバイルオペレーティングシステムをモデルにしている。スマートフォンやタブレットではなく、車で使えるようにGoogleが手を加えた。ボルボ傘下のパフォーマンスブランドであるポールスターは新たに電気自動車のPolestar 2を生産するが、これにはAndroid Automotive OSを利用したインフォテインメントシステムが搭載される。

画像:Google

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(翻訳:Kaori Koyama)

デベロッパーがデプロイの面倒から解放されるソフトウェア開発モデル

2年間文字どおりダークだった(ステルス状態だった)Darkは、同社が「デプロイレス」と呼ぶユニークなソフトウェア開発プラットホームを構築した。Darkのエディターを使ってDarkの言語でアプリケーションを書けば、そのご褒美としてアプリケーションのデプロイはGoogle Cloud Platformの上で自動的に行われる。ソフトウェアのデプロイに伴うすべての苦難から、デベロッパーは解放される。

今日ステルスを脱した同社は、実は2017年に350万ドル(約3億8000万円)のシード資金を獲得している。そしてその後の2年間、彼らはそのかなり複雑なプラットホームを構築してきた。

同社の共同創業者の一人でCEOであるEllen Chisa(エレン・チサ)氏は、Darkのツールセットの使い方を勉強する必要はあるが、それだけの価値はあると主張する。複数のツールが連携して動くよう、細心の設計をしているからだそうだ。

彼女は次のように語る。「Darkの最大の問題は新しい言語を学習して、たぶん使い慣れたエディターとは違うエディターを使うことだと思うけど、Darkと言語とエディターの三者が協働すると、とても大きな利点が生まれる」。

「Darkでは、エディターが言語をよく知ってるので極めて適切なオートコンプリートが得られる。そして、どんなコードでもコードを書いたらすぐにインフラストラクチャがそれ用にセットアップされる。何が必要かDark自身が知ってるから」。

確かにそそられる話だが、でもチサ氏は今後の啓蒙活動が重要と言う。プログラマーたちは今現在、何らかのツールを使ってプログラムを書いているからだ。彼女が主張する最大のセールスポイントは、いろんなタスクを統合した自動化のおかげで、デプロイメントの周辺に存在する大量の複雑性を取り除いたことだ。

彼女によると、Darkの3大ベネフィットとは、

  1. インフラストラクチャのセットアップの自動化
  2. デベロッパーがデプロイで悩まなくていいこと(デベロッパーはアプリケーションのコードを書くだけでいい、書き終わったコードはすでにホストされている)
  3. コードを書くことと並行してトレーシングが行われる

ということだ。「Darkのエディターがトレーシングの能力を持っているからコードを書けばすぐにトレースされる」と彼女は言う。

もう一人の共同創業者でCTOのPaul Biggar(ポール・ビガー)氏は、初期のCI/CDツールであるCircleCIを作ったデベロッパーの1人だから、デプロイについてはよく知っている。

350万ドルのシードラウンドをリードしたのはCervin Ventures、これにBoldstart、Data Collective、Harrison Metal, Xfactor、GitHubのCOO Erica Brescia氏、Backstage、Nextview、Promus、Correlation、122 West、そしてYubariが参加した。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Google CloudがVMwareのレガシーアプリケーションをクラウド上に共存させるツールを発表

Googleが米国時間7月29日に発表したVMwareとの新たなパートナーシップにより、VMwareのワークロードをGoogle Cloud上で容易に動かせるようになる。具体的には、ハイブリッドクラウドをデプロイし動かすためのシステムVMware Cloud FoundationをGoogle Cloudがサポートする。Googleはこのソリューションを開発したCloudSimpleと組んで、高品質なサービスを提供していく。

Googleにとっては、すべてのエンタープライズがコンテナに移行し、同社のAnthosハイブリッドクラウドサービスを使ってくれると好都合だが、多くの大企業は現在VMwareを使っている。そういうワークロードをパブリッククラウドに移したい意思はあっても、長年使い慣れたツールを手放す気はない。今度VMwareと提携したことによって、Googleは新しいものや革新的なものを何も提供しないが、Googleとしてはこれによって企業顧客が他のクラウドに移る理由がなくなれば万々歳だ。

Googleは発表声明で「顧客はVMwareの広範なサポートをかねてから求めていたが、今回CloudSimpleのGoogle Cloud VMware Solutionを使って、顧客はVMwareのvSphereベースのワークロードをGCPで動かせるようになった。これにより顧客には、VMwareのワークロードをハイブリッドのデプロイメントで動かすための選択肢が広がり、Anthosによる現代的なコンテナ化アプリケーションとVMwareによるVMベースアプリケーションのどちらでも、GCPで動かせるようになる」とコメントしている。

この新しいソリューションは、vCenter、vSAN、NSX-Tなどを含むVMwareのスタックのすべてをサポートする。VMwareのCOOでカスタマーオペレーション担当のSanjay Poonen(サンジェイ・プーネン)氏は、次のように語っている。「弊社とGoogle Cloudのパートナーシップは常に顧客のニーズに応えることが目的であり、今回はそのパートナーシップをさらに拡張して、お互いの顧客がVMwareのワークロードをVMware Cloud Foundationを使ってGoogle Cloud Platformで動かせるようになる。Google Cloud PlatformでVMwareが使えれば、顧客はクラウドに移行しても従来から使い慣れているVMwareのツールや教育訓練の結果をそのまま生かせるので、これまでの投資を無駄にすることがない。新しいサービスを市場に出す場合にも、それらをハイブリッドクラウド環境でシームレスに、より安全に運用できるようになる」。

Googleの発表はVMwareとの長い縁を強調しているが、今回の技術的な主人公はむしろCloudSimpleだ。しかもVMwareとの長いご縁といえば、GCPのコンペティターAWSやMicrosoft Azure負けてはいない。どちらも、VMwareのワークロードをそのクラウドで動かすためのツールを提供している。

関連記事:Googleクラウドの年間予測売上が80億ドルを突破

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Slackが一時ダウンするも復帰

アップデート:Slackは公式にサービスが復帰したと発表した。

同僚と連絡がとれない?あなたは一人ではない。おそらくそれは、Slackがダウンしているからだろう(米東部時間7月29日11時)。ステータスページによると、一部のワークスペースでメッセージの送受信に問題が発生している。

今回のサービス停止は人気のビジネスチャットツールに近日起きている問題に続くもので、6月後半には大きな問題が発生した。興味深いことに、Slackはインフラを大規模改善したばかりだ。この更新は表面的なサービスの変更は含まれていなかったが、jQueryや他の古い技術の代わりに新しいスタックが採用されている。

Slackの障害が終わった時点で、この記事を更新する予定だ。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter