Flipboardが米国の全ユーザーに広告付きビデオサービスを提供開始

ニュースアプリのFlipboardが、ビデオサービスのFlipboard TVを拡大する。同社が選んで集めたビデオを提供するサービスは、2020年2月にまずサムスンのデバイス限定で公開され(Flipboardサイト)、米国時間8月27日から米国内のFlipboardユーザー全員に広がった。グローバルのパブリッシャーや各地のニュースパブリッシャーに加え、厳選された独立系ビデオプロデューサーなど、多くのパブリッシャーが制作したビデオを見られるようになっている。

サムスンのGalaxyデバイスのオーナーに限り、広告なしのFlipboard TVプレミアム版を引き続き利用できる。その他のユーザーには広告付きのサービスが提供される。

今回の拡大に合わせて、Flipboardはアプリにビデオフィードを提供するメディアパートナーも多数揃えた。パートナーには、Complex Networks、Minute Media、A360 Media、Group Nine Media、The Recount、Bonnier Corp、Refinery29、Dow Jones、Hearst Magazines、Gannett、Vice Media Group、Penske Media Corporationのほか、Rolling StoneやVarietyなどのブランドも名を連ねる。Flipboardによれば、VideoElephantとの新たな提携により、EuronewsやTribune Publishing、ほかにも数十のメディアも利用できるようになるという。

画像クレジット:Flipboard

さらにFlipboardは、映像制作者のGene Nagata(別名Potato Jet)やビデオジャーナリストのJohnny Harrisなど、独立系パブリッシャーのビデオも初めて提供する。これはインフルエンサーエージェンシーのSpacestation IntegrationsとFlipboardの提携によるものだ。独立系パブリッシャーはほかにGary Vaynerchuk、AudPopの制作者、「What If」や「How To Survive」などのビデオシリーズのプロデューサーであるUnderknownなどが取り上げられている。

従来型のニュースパブリッシャー以外に拡大したものの、Flipboardは品質を重視して慎重にビデオのラインナップを選択しているという。

Flipboardのグローバル成長&ビジネス開発担当バイスプレジデントであるClaus Enevoldsen(クラウス・エネボルドセン)氏は「誰でも参加できるわけではない。我々はエコシステム全体に細心の注意を払い、我々がフェイクニュースではないと確認できるものだけが『For You』に表示されるようにしている。信頼できるソースを提供しているということだ。我々は常にそうしてきたし、ビデオのジャンルを拡大するにあたってもそのことは変わらない」と説明する。

画像クレジット:Flipboard

新しいビデオフィードは、Flipboardのコンテンツガイドにある専用の「ビデオ」タブに表示される。Flipboardによれば、ビデオを発見する機能や統合が改善されたため、ユーザーはアプリ内でこれまでよりも簡単にビデオを見つけられるようになるという。さらにコンテンツガイドにはトップレベルの20のトピックとして、旅行、政治、ローカル、ライフスタイル、スポーツ、ニュースなどと並んでビデオ専用のフィードがある。エディトリアルとアルゴリズムによってコンテンツが選ばれる「For You」タブでもビデオが目立つように表示される。

ユーザーは、自分のマガジンにビデオ専用フィードを追加することができる。

今回初めて、ビデオがFlipboard内でネイティブに再生されるようになった。これにより、関連のあるビデオをユーザーに示すFlipboardのレコメンデーションエンジンが強化されると同社は説明する。また、次のビデオへスキップするといったビデオコントロールを使うこともできるようになった。

画像クレジット:Flipboard

ビデオへの取り組みは、2020年初頭にFlipboardが始めたローカルニュースの拡張(未訳記事)とも結びついている。6月時点で(未訳記事)Flipboardでローカルニュースが提供されているのは米国とカナダの50都市で、現在では61都市になっている。Flipboardユーザーは好みのローカルニュース提供元のビデオコンテンツもFlipboard内で直接フォローできる。

このため、ニュースパブリッシャーのアプリやウェブサイトを見にいくよりもすっきりとしたエクスペリエンスになる。ただし、Flipboardはニュースパートナーのビデオが再生された際の広告から生じる収益の分配については明らかにしていない。

Flipboardによれば、広告はコンテンツの再生前と再生中に表示されるという。Flipboardのプラットフォーム上でコンテンツの再生前に広告が表示されるのは初めてだ。こうした広告によって、ブランドを傷つけない高品質のデジタルビデオエクスペリエンスをモバイルで実現したいというパブリッシャーからの要求が解決されると、Flipboardは考えている。

サービス開始時点で、Flipboardはビデオ向けの広告インベントリを販売している。しかし同社は、これは将来的にパブリッシャーが自身の広告インベントリを販売できるようにするためだと述べている(パブリッシャーがすでに広告インベントリの販売チームを持っている場合は、それを継続できる)。

パブリッシャーはビデオコンテンツの閲覧を促進するために、Flipboardが最近リリースしたストーリーボード機能(未訳記事)を使うこともできる。ストーリーボードはアルゴリズムによるフィードではなく、目立たせたいコンテンツを集めた固定のコレクションだ。

Flipboardの共同創業者でCEOのMike McCue(マイク・マッキュー)氏は「今回の新機能は我々がおよそ10年かけて築いてきたパブリッシャーのエコシステム、コンテンツ発見に関する基本的な考え方、そして最近のFlipboard TVの取り組みの上に構築されている。新しいネイティブのビデオプレイヤーによって、新しいユーザーエクスペリエンスやパートナーシップ、収益化のチャンスが開かれる。近いうちに、さらに多くのクリエイターや独立系プロデューサーと連携するつもりだ」と語っている。

ビデオの新機能はFlipboardアプリ内で米国のユーザーに対して公開されている。

画像クレジット:Flipboard

[原文へ]

(翻訳:Kaori Koyama)

Flipboardが米国の全ユーザーに広告付きビデオサービスを提供開始

ニュースアプリのFlipboardが、ビデオサービスのFlipboard TVを拡大する。同社が選んで集めたビデオを提供するサービスは、2020年2月にまずサムスンのデバイス限定で公開され(Flipboardサイト)、米国時間8月27日から米国内のFlipboardユーザー全員に広がった。グローバルのパブリッシャーや各地のニュースパブリッシャーに加え、厳選された独立系ビデオプロデューサーなど、多くのパブリッシャーが制作したビデオを見られるようになっている。

サムスンのGalaxyデバイスのオーナーに限り、広告なしのFlipboard TVプレミアム版を引き続き利用できる。その他のユーザーには広告付きのサービスが提供される。

今回の拡大に合わせて、Flipboardはアプリにビデオフィードを提供するメディアパートナーも多数揃えた。パートナーには、Complex Networks、Minute Media、A360 Media、Group Nine Media、The Recount、Bonnier Corp、Refinery29、Dow Jones、Hearst Magazines、Gannett、Vice Media Group、Penske Media Corporationのほか、Rolling StoneやVarietyなどのブランドも名を連ねる。Flipboardによれば、VideoElephantとの新たな提携により、EuronewsやTribune Publishing、ほかにも数十のメディアも利用できるようになるという。

画像クレジット:Flipboard

さらにFlipboardは、映像制作者のGene Nagata(別名Potato Jet)やビデオジャーナリストのJohnny Harrisなど、独立系パブリッシャーのビデオも初めて提供する。これはインフルエンサーエージェンシーのSpacestation IntegrationsとFlipboardの提携によるものだ。独立系パブリッシャーはほかにGary Vaynerchuk、AudPopの制作者、「What If」や「How To Survive」などのビデオシリーズのプロデューサーであるUnderknownなどが取り上げられている。

従来型のニュースパブリッシャー以外に拡大したものの、Flipboardは品質を重視して慎重にビデオのラインナップを選択しているという。

Flipboardのグローバル成長&ビジネス開発担当バイスプレジデントであるClaus Enevoldsen(クラウス・エネボルドセン)氏は「誰でも参加できるわけではない。我々はエコシステム全体に細心の注意を払い、我々がフェイクニュースではないと確認できるものだけが『For You』に表示されるようにしている。信頼できるソースを提供しているということだ。我々は常にそうしてきたし、ビデオのジャンルを拡大するにあたってもそのことは変わらない」と説明する。

画像クレジット:Flipboard

新しいビデオフィードは、Flipboardのコンテンツガイドにある専用の「ビデオ」タブに表示される。Flipboardによれば、ビデオを発見する機能や統合が改善されたため、ユーザーはアプリ内でこれまでよりも簡単にビデオを見つけられるようになるという。さらにコンテンツガイドにはトップレベルの20のトピックとして、旅行、政治、ローカル、ライフスタイル、スポーツ、ニュースなどと並んでビデオ専用のフィードがある。エディトリアルとアルゴリズムによってコンテンツが選ばれる「For You」タブでもビデオが目立つように表示される。

ユーザーは、自分のマガジンにビデオ専用フィードを追加することができる。

今回初めて、ビデオがFlipboard内でネイティブに再生されるようになった。これにより、関連のあるビデオをユーザーに示すFlipboardのレコメンデーションエンジンが強化されると同社は説明する。また、次のビデオへスキップするといったビデオコントロールを使うこともできるようになった。

画像クレジット:Flipboard

ビデオへの取り組みは、2020年初頭にFlipboardが始めたローカルニュースの拡張(未訳記事)とも結びついている。6月時点で(未訳記事)Flipboardでローカルニュースが提供されているのは米国とカナダの50都市で、現在では61都市になっている。Flipboardユーザーは好みのローカルニュース提供元のビデオコンテンツもFlipboard内で直接フォローできる。

このため、ニュースパブリッシャーのアプリやウェブサイトを見にいくよりもすっきりとしたエクスペリエンスになる。ただし、Flipboardはニュースパートナーのビデオが再生された際の広告から生じる収益の分配については明らかにしていない。

Flipboardによれば、広告はコンテンツの再生前と再生中に表示されるという。Flipboardのプラットフォーム上でコンテンツの再生前に広告が表示されるのは初めてだ。こうした広告によって、ブランドを傷つけない高品質のデジタルビデオエクスペリエンスをモバイルで実現したいというパブリッシャーからの要求が解決されると、Flipboardは考えている。

サービス開始時点で、Flipboardはビデオ向けの広告インベントリを販売している。しかし同社は、これは将来的にパブリッシャーが自身の広告インベントリを販売できるようにするためだと述べている(パブリッシャーがすでに広告インベントリの販売チームを持っている場合は、それを継続できる)。

パブリッシャーはビデオコンテンツの閲覧を促進するために、Flipboardが最近リリースしたストーリーボード機能(未訳記事)を使うこともできる。ストーリーボードはアルゴリズムによるフィードではなく、目立たせたいコンテンツを集めた固定のコレクションだ。

Flipboardの共同創業者でCEOのMike McCue(マイク・マッキュー)氏は「今回の新機能は我々がおよそ10年かけて築いてきたパブリッシャーのエコシステム、コンテンツ発見に関する基本的な考え方、そして最近のFlipboard TVの取り組みの上に構築されている。新しいネイティブのビデオプレイヤーによって、新しいユーザーエクスペリエンスやパートナーシップ、収益化のチャンスが開かれる。近いうちに、さらに多くのクリエイターや独立系プロデューサーと連携するつもりだ」と語っている。

ビデオの新機能はFlipboardアプリ内で米国のユーザーに対して公開されている。

画像クレジット:Flipboard

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(翻訳:Kaori Koyama)

Instagramがライブ配信で非営利団体への寄付集めができる新機能をローンチ

新型コロナウイルス(CODID-19)のパンデミックの渦中である米国時間4月28日に、Instagramはライブ配信を使ってユーザーが非営利団体のために寄付ができる新機能の提供を開始した。Instagramには既にストーリーズに「寄付スタンプ」を追加できる機能があるが、この新しいLive Donations(ライブ寄付)では、誰もがライブ配信で資金調達ができるようになる。個人でも、複数の人たちとバーチャルテレソンのような形にしても、寄付を募ることが可能だ。

この新機能は、TikTokが動画投稿でもライブ配信でも使える寄付機能をローンチしたその翌日に登場した。

しかし、開始時にわずかな慈善活動しか対象としていなかったTikTokと異なり、Live Donationsは、100万を超える非営利団体への寄付活動を開始できるとFacebook(フェイスブック)は話している。

さらに寄付金は全額は直接、非営利団体に渡されるということだ。一部の資金調達プラットフォームでは手数料は当たり前になっているが、Instagramは一切取らない。

ライブ配信でこの寄付機能を使うには、Instagramのフィード画面左上のカメラアイコンをタップするか、フィードを右にスワイプする。そして画面下の「ライブ」をタップし、「Fundraiser(資金集め)」を選択して援助したい非営利団体を選択する。

配信が始まると、その資金集めをどれだけの人が支援しているか、どれだけの金額が集まったかがリアルタイムで示される。「View(表示)」をタップすれば、寄付してくれた人と寄付金額を個別に知ることができる。これを見てその人に配信中に感謝を叫んだり、「Wave」をリアルタイムで送ったりできる。

資金を集めた人、資金集めを行っている人に寄付した人、ストーリーズで寄付スタンプを使った人は、ブラジルのコミュニティ・イラストレーター@leonatsumeが制作した「I donated!(寄付したよ)」スタンプが使えるようになる。このスタンプは、自分のストーリーズに貼り付けて、慈善活動の宣伝に利用することも可能だ。自分の投稿は、フォローしていて同じく寄付をした人と共通のストーリーズに統合され、ストーリーズバーの先頭に表示される。

今週は、Sergio Ramos(セルヒオ・ラモス)氏、Sofia Carson(ソフィア・カーソン)氏、@muslimgirl、@montoyatwinz、Tori Kelly(トリー・ケリー)氏、@tank.sinatra、Lisa Rinna(リサ・リナ)氏といった数多くの著名人やクリエイターが、この新しいLive Donations機能を利用した。

Instagramは、パンデミックになってライブ配信の数が急激に増したと話している。

例えば2020年3月には、Instagramのライブ配信の利用件数は70パーセント増加し、会話、ダンスパーティー、ラップバトルなどが展開された。そして多くの利用者が、公式公開以前、既にLive Donationsを通じて非営利団体への寄付を行っていたとInstagramでは話している。

ソーシャルプラットフォームは、パンデミックの間も人々を結びつけくれる1つの手段だ。以前は苦戦していたInstagramのIGTVプラットフォームですら、利用者数が驚くほど増加した。アプリ利用情報の調査会社Apptopia(アプトピカ)の報告によると、IGTVの1日あたりの利用者数は、2020年3月中旬から4月中旬にかけての前月比で48パーセントも伸びたという。

Instagramの親会社であるフェイスブックも、利用者のライブ配信への関心の高まりを利用しようと、このところ、いくつもの新機能を発表している。例えば先週、フェイスブックはライブ動画で資金集めをする機能を導入した。フェイスブックが非営利団体の資金集めを支援するところであれば、どこでもこの機能が使える。また同社は「Live With」を復活させ、ライブ配信にゲストを招待できるようにした。ここでも寄付を募ることもできる。

さらにフェイスブックはMessenger RoomsというZoomのHousepartyに似た体験ができるサービスやFacebook Gamingのゲームストリーミングアプリ、PortalシリーズのデバイスからFacebookページやグループなどにライブ配信できる機能の提供も始めている。

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(翻訳:金井哲夫)

Zoom会議のリアルタイム文字起こし機能をOtter.aiが提供

リアルタイムで音声から文字起こしをするサービスのOtter.aiが、在宅での学習や勤務に役立つ新しい機能を追加する。同社はZoomと統合して「ライブビデオ会議メモ」を提供開始した。ビデオ会議からライブでインタラクティブな文字起こしをして、記録と表示をする機能だ。

Otter.aiによれば、この機能は会議の参加者がヘッドセットやイヤフォンを使っても動作するという。

ライブビデオ会議メモを利用するには、会議参加者がZoomのウインドウの上部にあるLIVEメニューから「Otter.ai Live Transcript」を選択し、Otter.aiにログインする。ライブ文字起こしの開始や停止の操作をする必要はなく、自動で開始し停止する。Otterのライブ文字起こしは、モバイルのZoomアプリでも動作する。

会議が終わったら、ユーザーは文字起こしを見直して、ハイライトやコメントをつけたり写真を追加したりすることもできる。

この機能を利用するには、Otter for TeamsとZoom Pro以上のサブスクリプションが必要だ。会議を主催するのに必要なOtter for Teamsのサブスクリプションは、1ユーザー、1カ月あたり20ドル(約2100円)、最低3ユーザーからで、支払いは1年分となる。関心があれば「OTTER_RELIEF」のコードを使うと2カ月間無償で試用できる。

新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大を受けて企業が可能な限り在宅勤務に移行しているこの時期に、オンライン会議の文字起こし機能が提供されることになった。在宅勤務のため、ビデオ会議アプリの利用は急激に増加している。

Otter.aiにも、新型コロナウイルス感染拡大による変化が生じている。

Otter.aiの創業者でCEOのSam Liang(サム・リアン)氏によると、Zoom会議でのOtterの利用はここ数週間で5倍以上になり、リモートワーカーや在宅学習をしている学生のサインアップが増えているという。

Otterの文字起こしは、ウェブ会議の参加者にとって便利なツールというだけでなく、出席できなかった人が内容を知るのにも役立つ。今の時期、人々は仕事、健康管理、育児、子供の学習のサポートを抱え、会議に出席できないのはよくあることだ。

これまでにOtterでは2500万回、7億5000万分間以上の会議の文字起こしに使われてきた。同社はユーザー数や売上を明らかにしていないが、リアン氏はTechCrunchに対し、同社の年間売上は2019年末以降のおよそ4カ月の実績ベースで倍増が予想されると語った。同社はまだ黒字化していないが、今回のZoomとの統合のような機能があれば無料ユーザーは有料プランに移行するかもしれない。

リアン氏は統合に関する発表の中で「新型コロナウイルス感染拡大によりバーチャル会議が急増し、オフィスやバーチャルでの会議では従業員の生産性のために高品質の会議メモが欠かせないと認識されるようになった」と述べた。

これまでにもOtter.aiはZoomと連携しており、今回の新機能はそれに続くものだ。これまでの機能は、ビデオ会議ソリューションにOtterのテクノロジーをライセンスし、会議後に文字起こしをするものだった。これを利用できるのは会議終了の1〜2時間後で、今回の新機能のように会議中にリアルタイムで文字起こしを表示できるものではなかった。これまでの機能では、起こした文字にハイライトをつけたりコメントを残したりすることもできなかった。

しかも、会議後の文字起こしサービスはZoom Businessユーザー専用だったが、今回の新機能はZoom Proユーザーも利用できる。

Otter.aiは、Zoomの新機能は複数のビデオ会議との統合の1つであるとしているが、今後対応するZoom以外のサービスについて詳細は明らかにしていない。

Otter.aiは2020年1月に新たな戦略的投資家のNTTドコモから1000万ドル(約10億6900万円)を調達した。これまでに同社はFusion Fund、GGV Capital、Draper Dragon Fund、Duke University Innovation Fund、Harris Barton Asset Management、Slow Ventures、Horizons Venturesなどから2300万ドル(約24億5800万円)を調達している。

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(翻訳:Kaori Koyama)

隔離生活で求められる自然発生的なコミュニケーションを生むソーシャルアプリたち

次世代版ソーシャルネットワーク、Clubhouse(クラブハウス)

カレンダーからの招待はもういらない。気軽に会話に飛び入りで参加しよう。これが新型コロナウイルス(COVID-19)による隔離で空白になってしまった我々のスケジュールを、商売の種にできないかと考えている新しいソーシャルスタートアップ企業に推進力を与えているコンセプトだ。しかし、こうしたソーシャルアプリはオンラインによる集いやオープンオフィスプランなど流動性あるアドホック、その場に応じた臨時的なコミュニケーションを実現することよって、新型コロナウイルス収束後の我々の働き方や人付き合いのあり方を変える可能性もある。「Live」は高性能ストリーミングの代名詞となっているが、これらの新しいアプリがスポットライトを当てているのは、目前のタスク、ゲーム、ディスカッションに加え、複数のユーザーである。

Clubhouse(クラブハウス)の「部屋」

Clubhouseの「room」

これらのスタートアップ企業の中で最も注目されているのが、ユーザーがいつでもチャットルームに参加できるオーディオベースのソーシャルネットワークであるClubhouseだ。ユーザーは自らがフォローするすべての人の部屋を確認し、ラベルの付いていない部屋を見つけたら、興味の赴くまま、会話に参加したり、ただ話に耳を傾けたり、といったことが可能である。活気のある部屋は多くのユーザーが集まるし、活気がなければユーザーは他のチャットサークルへ移っていく。

Clubhouseは先週末、人々が限定招待を求めて争奪戦を繰り広げたり、メンバーシップについて謙虚を装いながら自慢したり、人々のFOMOをからかったりするなど、VCのTwitterで大騒動を引き起こした。現在のところ、公開アプリやアクセスはない。Clubhouseという名は、人々が限定的な集団に属していたいと願う気持ちを完璧にとらえている。

Clubhouseは、Paul Davison(ポール・デイヴィスン)氏によって開発された。彼は過去にオフラインでの出会いを目的とした位置情報アプリHighlightおよびカメラロールすべてを公開するアプリShortsを開発した(2016年にPinterestが彼の開発チームを買収)。2020年に彼は、Alpha Exploration Coスタートアップスタジオを発表し、またラジオ形式の視聴者参加型番組を即座に放送可能なTalkshowを立ち上げた。新しい友だちを作る、生活をシェアする、考えを伝える、議論する。デイヴィスン氏の取り組みに通底するのが「スポンテニアス(自然発生的)」という概念だ。

Clubhouseはまだ始まったばかりの段階だ。ウェブサイトさえない。よく似た名前のClubhouse.ioと混同しないようにしよう。Clubhouseがどのようなものになるのかについての説明や、正式にリリースされるのか、またそれがいつになるのかは一切発表されておらず、またデイヴィスン氏も共同創業者のRohan Seth(ロハン・セス)氏もコメントを拒否している。しかし、肯定的な評価は、Twitterがテキストで行ったことを進化させるような、より即時的でマルチメディア的なアプローチに対する欲求があることを示している。

サプライズのない隔離生活

この隔離生活でわかったのは、皆と離れて1人になると、自然発生的な交流の機会を失うということだ。オフィスにいるなら、給湯室で偶然顔を合わせた同僚と軽い会話を交わしたり、インターネットで見つけたおもしろおかしいことを声に出してコメントしたりできる。パーティーではぶらぶら歩いて、1人でも知り合いがいるグループがあればそこに混じってみたり、興味をひく話が耳に飛び込んできたら、会話に参加したりできる。家にこもっているとこうした機会が失われる。相手の邪魔にならないテキストと違い、緊急性がないにもかかわらず手当り次第に友達に電話をしたりすることを我々は非難してきた。

Clubhouse(クラブハウス)の創業者ポール・ダビソン氏

Clubhouseの創業者ポール・デイヴィスン氏  画像クレジット:JD Lasica

日時の決まったZoomによる通話、実用的なSlackのスレッド、際限のないEメールのやり取りでは、意外性や、人々が互いのアイディアを交換し合う中で生まれる会話による喜びを捉えることができない。しかし、スマートアプリ開発者たちは、自然発生的というコンセプトがユーザーの生活やワークフローを絶えず妨害するものではないと考えている。ユーザーは会話に参加するかしないかについて決定権を持ち、また構わないで欲しい場合にはそれを表示することで、望む場合にのみ社会的つながりを持つことができる。

AppAnnieによるHousepartyのランクを示すチャート

AppAnnieによるHousepartyのランクを示すチャート

Housepartyはこの自然発生的というコンセプトを体現している。このアプリは新型コロナウイルスによる隔離が続く中、ユーザーがアプリを開いた瞬間に気分の赴くままに友だちとグループのビデオチャットルームに参加できるようにすることで、大ヒットしている。毎月5000万回のダウンロードがあり、一部の地域では新型コロナ以前の70倍を超える数に増加している。これは、米国を含む82カ国でソーシャルアプリ部門の第1位になり、16カ国でアプリ全体で第1位となった。

Discord本来はゲーム用に開発されたアプリだが、ユーザーはいつでも開いているビデオ、音声、およびチャットルームを通じて自然発生的に他のユーザーと交流を持つことができる。カリフォルニア州、ニューヨーク州、ニュージャージー州、ワシントン州など、早期に外出を禁止した州での使用の急増もあり、米国において日常的にDiscordの音声機能を使用するユーザーの数は50%増加した。モバイルゲームにオーバーレイされたビデオチャットアプリのBunchもまたランクを上げ主流になってきている。主なユーザー層は1日の総会話時間が150万分にのぼる女性にシフトしてきている。これらのアプリを使用することで、友達と合流し一緒に選んでプレイするのが簡単になる。

モバイルゲームにオーバーレイされたビデオチャットアプリ、Bunch

Bunch

即席オフィス

企業のビデオチャットツールは、強引でかつ事前準備のいるZoom通話に代わり、自然発生的コンセプトを取り入れたものになっている。これはZoomに対する反動で、終日ビデオチャット続きで何も成し遂げられないことに人々が気づいたためだ。

Loomを使用すると、ビデオクリップを簡単に録画して同僚に送信でき、同僚は時間のある時にそれを見ることができる。ビデオは撮影と同時にアップロードされるため、会話のスピードがアップする。

Loomを使用すると、ビデオクリップを簡単に録画して同僚に送信できる

Loom

Aroundでは、画面の上部に小さな円形のビデオウインドウが表示されるので、デスクトップの大部分を実際の作業のために使用しつつ、同僚と即座にコミュニケーションを取ることが可能だ。

Aroundでは、画面の上部に小さな円形のビデオウィンドウが表示される

Around

Screenは画面共有を起動できる小さなウィジェットである。全員が共有ウィンドウをコントロールできるカーソルを持ち、その場でコーディング、設計、書き込み、注釈を付けることができる。

Screenは、画面共有を起動できる小さなウィジェット

Screen

Pragliはアバターベースの仮想オフィスで、ユーザーは誰がカレンダーミーティングに参加しているか、その場にいないか、時間があるかを確認できるので、全員の空き時間をわざわざ探す必要なく、ボイスチャットやビデオチャットチャンネルを同時に開くタイミングを把握することができる。しかし、Slackのように自宅にまで追いかけて来ることなく、Pragliでは仮想オフィスにサインインまたはサインアウトして、1日を開始、終了することが可能だ。

Pragliはアバターベースの仮想オフィス

Pragli

声を届ける

ビジュアルコミュニケーションは、我々がいる場所が示せる携帯電話の画期的な機能だったが、外出できない現在、我々に表示するものはあまりない。これが、手数をかけずに自然発生的なコミュニケーションが取れるツールが流行するチャンス拡大のきっかけとなっている。リモートパーティー、迅速な問題解決など用途を問わず、Clubhouse以外の新しいアプリには、ビデオだけでなく音声機能が組み込まれている。音声を使えば迅速な情報交換が可能で、その場に居合わせているような臨場感もある上、仕事中にディスプレイが占拠されたり注意を全部持っていかれることもないし、見栄えを気にする必要もない。

High Fidelityは、Second Lifeの共同創業者であるPhilip Rosedale(フィリップ・ローズデール)氏が現在携わっている、資本金7200万ドル(約77億4000万円)のスタートアップ企業だ。High Fidelityは最近、バーチャルリアリティのコワーキングツールの構築から離れ、音声とヘッドフォンベースのオンラインイベントプラットフォームおよび人々が集うためのギャザリングスペースのテストを開始した。初期のベータ版ではユーザーは地図上で自身を示すドットを動かし、空間オーディオで彼らの近くにいる人物の声を聞くことができる。相手に近づけばその声は大きくなり、通り過ぎると消えていく。ユーザーは気分の赴くまま、小さなドットの集まりに近づいたり離れたりしながら、声の届く範囲で様々な会話を聞くことができる。

High Fidelityによる初期テストからの非公式な原寸模型

High Fidelityによる初期テストからの非公式な原寸模型 画像クレジット:DigitalGlobe / Getty Images

High Fidelityは現在テストマップとしてバーニングマンの衛星写真を使用している。実際のオフラインイベントと同じように思い思いの場所にDJが陣取り、リスナーはDJの間を行き来したり、友達と歩きながら会話したりする。バーニングマンは2020年の開催がキャンセルとなったため、High Fidelityはバーニングマンのオーガナイザーが約束したバーチャルバージョンを開催する候補者となる可能性がある。

Housepartyの元CEOであるBen Rubin(ベン・ルビン)氏と、Skypeエンジニアリング部門の統括部長であるBrian Meek(ブライアン・ミーク)氏は Slashtalkと呼ばれる自然発生的なチームワークツールを開発中だ。ルビン氏が去り、Housepartyは2019年中頃にFortnite-maker Epicに売却されたが、このゲーム業界の巨人は最近の隔離生活で成功の波に乗るまで、このアプリを放置していた。

Slashtalkは、迅速で分散型の会話を旨とする会議不要のツール

彼の新しいスタートアップ企業のウェブサイトには「Slashtalkは、迅速で分散型の会話を旨とする会議不要のツールです。我々は、適切な人員が適切な時に適切なトピックについて必要十分なだけ話し合えれば、ほとんどの会議は不要だと確信している」と書かれている。このツールを使えば、瞬時にボイスチャットまたはビデオチャットを始めることができ、日時の決まった共同セッションを待たずして、物事の段取りをつけることができる。

TechCrunch Disrupt NY 2015に出席したSlashtalk共同創設者ベン・ルビン氏

TechCrunch Disrupt NY 2015に出席したSlashtalk共同創設者ベン・ルビン氏

仕事にせよ遊びにせよ、これらの自然発生的な集いの場を提供するアプリは我々に縛りの少なかった若かかりし時代を思い起こさせる。カフェテリアや校庭をぶらぶらする、ショッピングモールに誰かいないかチェックする、部屋のドアが開け放たれた大学の学生寮の廊下を歩く、学生会館や広場でおしゃべりする。大人になる一歩手前の時代には、偶発的な交流の機会がたくさんある。

年を重ねてそれぞれが自宅を持つようになると、我々は文字通り壁を作って偶発的なコミュニケーションができるというシグナルを受ける能力を自ら制限してしまう。Down To LunchやSnapchatが買収したZenlyといったアプリや、Facebookが準備中のMessengerのステータス機能は、こうしたバリアを打ち破り、オフラインで誘うときの気まずさを感じないように設計されている

関連記事:隔離中だからこそ、メディアが真に「ソーシャル」な存在に

実世界での交流や共同作業には、通常、交通手段や計画が必要になってくるが、ここで取り上げた新しいソーシャルアプリはたちどころに我々に集まる場所与えてくれる。前もってスケジュールする必要はない。妥当な距離圏内にいる人以外とつながることを阻んでいた地理的な制限もやはり消え去った。デジタルでなら、自らのネットワーク内から相手をよりどりみどりで選択可能だ。隔離生活で我々のカレンダーの一部は空白になってしまったが、これにより我々の選択肢が広がった。

様々な制限が取り除かれた今、必要なのは我々の意思だけだ。我々は繋がりを持ちたい相手と繋がり、望みを達成することができるのである。スポンテニアス(自然発生的)なアプリによって、瞬発力ある人間本来の性質は輝く。

新型コロナウイルス 関連アップデート

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(翻訳:Dragonfly)

Tags: ビデオチャット チャットアプリ ソーシャル 新型コロナウイルス COVID-19

Facebook Datingの新機能でバーチャルデートが可能に

米国時間4月24日、Facebookはユーザーはもうすぐ「バーチャルデート」ができるようになると発表した。Facebook Datingのユーザーは、本物のデートの代わりに新しいビデオ通話機能を利用することでMessenger経由でビデオ会話できるようになる。このような機能は、人びとが新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックにより、在宅と社会的距離を保つことを強要されている現在、需要が高まっている。

しかしオンラインのデートアプリは人びとを現実世界で結びつけることが本来の目的であり、その仮想化は大きな課題でもある。

今のところ、政府のロックダウンのためオンラインでデートした人が初めて実際にデートできる場所は限られている。レストランやモール、バー、その他の小売業施設は、新型コロナウイルスがアウトブレークしたすべての地域で閉鎖している。しかし、そんな制約がなくなっても、オンラインデートアプリのユーザーの多くは、知らない人との初めてのデートやお見合い的なデートを遠慮するだろう。相手をもっとよく知るためには、ビデオチャットがより安全なオプションとなる。

Facebook Datingが利用可能になると、オンラインでデートをする人びとは相手をバーチャルデートに誘うことができる。誘われた人は、画面に出るポップアップで、それを承諾したり断ったりできる。

承諾すると、Facebook DatingのユーザーはFacebook Messengerでビデオチャットができるようになり、お互いをもっとよく知ることができる。しかし、現在まだ開発途上の機能なので、プライバシーやセキュリティなどに関する詳しい情報は提供されていない。

パンデミックのためにデートの場所をビデオ上にしたオンラインデートアプリは、Facebookが初めてではない。しかもライバルとなるデートアプリの多くは、新型コロナの来襲以前からビデオ機能を導入している。

例えばBumbleは、ほぼ1年前から音声とビデオによる通話機能を提供している。その機能は電話やAppleのFaceTimeなどと同じだが、ユーザーは自分の電話番号やメールアドレスなどの個人情報をシェアしなくてもいいので安全だ。同社によるとこの機能は最近の2カ月で利用が急増し、今どきの仮想デートの人気を物語っている。

一方、Match Groupが同社の数多いデートアプリにビデオを導入したのは、もっと最近だ。2020年4月はMatchアプリにビデオチャットが加わり、すでにマッチした者がビデオで会話できる。Matchによると、同じくMatch傘下のHingeには「Dating from Home(自宅でデート)」というプロンプトがあり、独自のビデオデート機能を準備している。これまたMatch傘下のPlenty of Fish(PoF)は、3月にライブのストリーミングをローンチし、独身者とその友だちが相手を探す場所を提供した。

Match Groupの主力アプリであるTinderにはまだライブのビデオデート機能はないが、ユーザーはプロフィールにビデオを加えることができる。Tinderのビデオデートについて同社はまだ何も発表がないが、このご時世にビデオ通話が使えないのは、少々奇妙だ。

あまり知名度のないデートアプリも、eHarmonyの例に見られるように、ビデオデートでユーザー数を増やそうとしている。Facebookの新機能は展開が数カ月後になるとのことだが、Facebook Datingが使えるところならどこでも利用できる。

新型コロナウイルス 関連アップデート

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

YouTubeがUIをリニューアル、ユーザビリティー重視、クイックリスト復活

YouTubeがトップページのリニューアルを発表した。同社は米国時間10月7日、メジャーアップデートを行い、使いやすさを優先したシンプルなデザインを採用した。

これまでYouTubeのトップページは情報過多でゴチャゴチャした印象だったが、これが整理され視認性が向上した。またAdd to Queue(キューに追加)というクイックリスト作成機能が復活した。ビデオをこのキューに追加していけば、YouTube側のお勧めが次々に再生されてしまうことはない。

新デザインはデスクトップPCとタブレット端末をターゲットとしており、本日から公開が始まっている。YouTubeによれば、ウェブ、アプリともモバイル版には変化はないという。

YouTubeの親会社であるGoogleはすでに検索ページをコンパクトにし、テキスト、画像とも一見してコンテンツが理解しやすいレイアウトに変えてきた。例えば、7月にはGoogle検索でニュースのタブのデザインがアップデートされ、密集した大量の見出しから見やすいカードになった。 こうしたアップデートは可読性を大いに改善したが、一方ではスクロールせずに一見して読める情報量の減少も招いている。今回のYouTubeのデザイン変更にも同じきことが言えそうだ。

新デザインでは各行に表示されるビデオの数が減少している。そのかわりタイトルも詳しくなり、サムネールも大型化されてどんなビデオなのかわかりやすくなっている。

プレビューの精細度もアップされ、ビデオ下部のチャンネルアイコンも目立つデザインになった。ユーザーはお気に入りのクリエーターの作品であることがすぐに見てとれる。

こうしたアップデートにともなってページのレイアウトにも変更が加えられている。YouTubeによれば、 チャンネルやトピック別の表示部分をいくつか削除したという。新デザインでもビデオが所属するチャンネル、トピックは表示されるが、それぞれにグループ化はされない。新デザインでは「新着ビデオ」「トップビデオ」という分類となる。

一方、YouTubeのデスクトップ版の新しいオプション、Add to queueはビデオのサムネールに付加されたアイコンで、クリックすると従来どおり「後で見る」に追加できると同時に、新オプションであるクイックリストにも追加できる。

Add to Queueアイコンはビデオ視聴中はページの隅に最小化されているが、随時クリック可能だ。

「キューに追加」するというのは簡単にいえばクイックリスト作成機能だ。その場で簡単にプレイリストを作れるのはとても便利だ。ただしここで作られるリストは一時的ななもので、本来のプレイリストを代替するわけではない。つまりクイックリストをすべて再生してしまえばリストは消滅する。YouTubeではデスクトップのクイックリストはブラウザを閉じたときクリアされるという。つまりテレビやタブレットなど別のデバイスでビデオを見たい場合は、従来どおり「後で見る」リストに追加する必要がある。

さらに今回、モバイルのみの機能のいくつかがデスクトップに追加された。今年に入って、YouTubeはいくつかのアップデートを行ったが、これはこれはアルゴリズムによりトップページのサムネールや「次のおすすめ」としてビデオが選択される際に、ユーザーのコントロールを大きくしようとするものだった。モバイルでは「次に再生」をキャンセルすることが可能なった。

この「チャンネルのおすすめ」のキャンセルがデスクトップにも移植されたわけだ。.これはトップページのビデオのタイトル右横の「…」メニューに含まれる。5番目のオプションをクリックすると、そのチャンネルに属するビデオはトップページに表示されなくなる。ただし、これは完全なブロックボタンではない。検索結果や人気急上昇には表示されるし、そのチャンネルを訪問しても表示される。

これも今年のアップデートだが、YouTubeのAndroidアプリではユーザーが好みのトピック選ぶことでビデオのフィードをカスタマイズできる機能が導入された。この機能はデスクトップ、タブレットの各アプリにも近く導入されるというが、今回のアップデートには含まれていない。

新デザインによって見通しがよくなったことは確かだが、クリエーター側から見ると副作用もなくはない。サムネール、キャプションが大きくなり視認性がアップしているが、トップページの情報密度は減った。つまりスクロールせずに表示されるビデオの数、つまりはクリエーターの数も減少したわけだ。

ヘイトスピーチやフェイクニュースの拡散をアルゴリズムが手助けしているという批判が強まっているが、一方ではどんな内容であれ、多くの人々見ていればアルゴリズムはそれを取り上げる。

ヘイトスピーチや人々の過激化にYouTubeがどの程度責任があるかというのが激しい議論の的となっている。ニューヨークタイムズの主張とは逆にWiredは人々の過激化にアルゴリズムはほとんど関係がない、責任があるのはむしろオンライン上で積極に活動するグループだと報じている。これは判断が難しい問題だ。孤独な若者がたまたま目にしたYouTubeビデオをきっかけにさらに暗い迷路に迷い込み過激化して最後にはそうしたコミュニティーに加わるというコースもなくはないだろう。

YouTubeではこうした批判に対し、(少なくともある程度)言論の自由を擁護しつつ、人々に「見たくないものを見ない」ですむような裁量権を増やそうとしているようだ。今回のアップデートもこの流れに沿ったものだろう。

「見たくないものは表示しない」(「おすすめ」キャンセル)機能の導入はYouTubeに限ったことではなく、最近はビデオサービスの標準となりつつある。Facebookでも他人のスレッドに反対意見を書き込む人間は「いやなら読むな」と言われがちだ。YouTubeも「良識あるコメント」を心がけるようユーザーに注意している。インターネットではますますユーザー個々の責任が重要となっている。

YouTubeによればこのアップデートはデスクトップ(Android、iOSのタブレット・アプリを含む)ですでに公開を始めたところだというという。すぐにユーザー全員が利用できるようになるはずだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

YouTubeインフルエンサーのスポンサーになるための正しい方法

私が主宰するマーケティングエージェンシーであるBellCurve.comには、2カ月に一度優秀なグロースマーケターたちが集まって、彼らの最も有効な成長戦術を共有し、それらをGrowth Reportと題する記事にまとめている。

これは最新のグロースマーケティング戦術に触れる良い機会であり、しかも他に類のない機会だ。

弊社のコミュニティには600社のスタートアップと、それら後期段階企業の成長担当副社長たちが集まっている。内300社はYCを卒業したスタートアップ。また、Medium、Docker、Invision、Intuit、Pinterest、Discord、Webflow、Lambda School、Perfect Keto、Typeform、Modern Fertility、Segment、Udemy、Puma、Cameo、Ritualなど著名スタートアップのシニアマーケターも参加している。

私たちのこのコミュニティには、Demand CurveのマーケティングウェビナーSlackグループ、弊社のマーケティング教育訓練事業などから参加できる。過去のGrowth Reportの例は、これこれ、そしてこれなどだ。

では、そろそろ本題に入ろう。

YouTubeのインフルエンサーを費用効率よくスポンサーする方法

Rune(LinkedIn)のBjarke Felboの考察を、許可を得てわずかに編集した。

  • インフルエンサーは、サブスクライバー(YouTubeの場合はチャンネル登録者)の数に比例する報酬を期待することが多い。しかしコンバージョン(実買率)はビュー(視聴数)に比例している。だからビューが多くてサブスクライバーの少ないインフルエンサーをつかまえよう
  • 最良の結果が得られる広告は、インフルエンサーのビデオの冒頭30〜60秒のスポットである
  • そのインフルエンサーのビデオがよく見られる曜日や時間帯をよく把握し、いい曜日のいい時間帯にポストされるビデオにはボーナスを出してもいい
  • 同じインフルエンサーに同じ広告を繰り返しても、あまり効果がない。間隔を数か月空けても同じだ。オーディエンスがすでに飽和している

2019年にもなってSEOのためにリンクビルディングはどれだけ重要か?

Growth MachineNat Eliasonより。許可を得てDemand Curveがわずかに編集した。

  • リンクは今でも重要だが、その重要性は着実に減少している。Googleはコンテンツのクオリティーを重視するようになっており、ますますそっちに注力している
  • 最近のGoogleは、騙されないよう用心している。トップドメインやリンクビルディングは往々にして騙しの手口だ。コンテンツのクオリティーは騙しが効かない。良いコンテンツはフェイクできない
  • メジャーな権威あるブログの外で、高品質なコンテンツが、リンクビルディングをせずに急速に伸びている。彼らは、正しいキーワードの選択に力を注ぐ。他と競合せず、まあまあの量のビューを稼げるキーワードを選ぶ。検索者の関心を満足させる有益なコンテンツを書く努力をしている
  • しかしそれでも、タイムラインが厳しいときはリンクビルディングでスピードアップができる。3〜4か月経ってもランクが上がらないようなとき、リンクビルディングが有効なことがある

グロースマスタークラスが開講する

今日から、高度なグロースマスタークラスが始まる。どれも無料だ。

これらはどれも、短くて速効性のある高度なウェビナーだ。退屈なイントロはない。私たちがこれまでに作った最良のコンテンツの一部だ。無料だから見逃すと損だ。

登録はここでdemandcurve.com/webinars

Twitterの使われていないアカウントを横取りするにはどうするか?

AtomsのAndrew Ettingerの考察より。許可を得てわずかに編集した。

誰かが、あなたのブランド名をTwitterのハンドルとして使っている。でもそのアカウントはもう使われていない。どうやってそれにアクセスするか?

  1. あなたが取り戻したいアカウントと交換するための広告アカウントを既存の適当なハンドルで作る
  2. twitter.com/en/help(Twitterのヘルプ)へ行く
  3. 「Account issues」(アカウントの問題) →「Claim an inactive username」(使われていないユーザー名を取得する)をクリックする
  4. その正当な理由を申し立てる

そして、Twitterの広告アカウントのマネージャーがあなたの訴えを重視してくれるよう願う(訴えに#を付ける)。

必ずうまくいく保証はない。そのハンドルを取得できるチャンスは、Twitterの社員がその申し立てを真剣に取り上げてくれることにかかっている。

なお、Demand CurveのAsher King Abramsonがリードするグロースマーケティングセッションでは、ライブのオーディエンスの前で彼があなたのランディングページとFacebook/Instagramの広告をボロクソに批判し、以下の諸点につき、その実効性を脱構築する。(1)伝えたいことが伝わっているか、(2)ついついクリックしてみたくなるほどそそられる表現になっているか。

10月に米国サンフランシスコで開催されるDisruptに参加して、彼にボロクソに言われてみたい人は、ec_editors@techcrunch.comに申し込むべし。

【編集部注】著者のJulian Shapiro(ジュリアン・シャピロ)氏は、マーケティングのプロを育てるグロウスマーケティングエージェンシーBellCurve.comの創業者だ。彼はJulian.comにも書いている。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

YouTubeがユーザーのコメント履歴を見せるプロフィールカードをテスト中

YouTubeでコメントをよく書く人たちが、これからは自分のチャンネルの人気やトロル(ネット荒らし)の傾向を公開できるようになる。YouTubeは今、そのための機能「プロフィールカード」をテストしている。YouTubeはアップデートや変更をCreator Insiderチャンネルでクリエイターのコミュニティと共有しているが、この機能もそこで発表された。プロフィールカードはコメンター(コメントを書いた人)の名前をクリックすると出現し、その人の最近のコメントのリストを見られる。

これまでは、コメンターの名前をクリックするとYouTube上のその人のチャンネルのページへ連れて行かれた。

でもそれでは、そのコメントを書いた人の人物についてあまり知ることができない。また、そんな情報はあまり公開されない。コメンターのチャンネルのページは、内容が何もなかったり、古かったり、今現在の話題と無関係だったりすることが多い。

でもプロフィールカードの上では、そのコメンターの過去12カ月の、そのチャンネル(読者がコメンターの名前をクリックしたチャンネル)上に残したコメントをすべて見ることができる。ただし今のところは、他のチャンネルに残したコメントは表示されない。つまりRedditのようなメッセージボードにある、各ユーザーのコメントの完全な履歴が見られる完全なユーザープロフィールではない。

先週出た発表声明で、YouTubeのプロダクト管理担当Tom Leung(トム・レオン)氏がこう言っている。「このコメントを、どんな人が書いたのかはわかるね。YouTube上で人と人の結びつきを強めることができるし、またクリエイターは優れたコメントを見て、どんな人が書いたのかわかるようになる」。

youtube profile cards

この発表声明には書いてないけど、優れたコメントだけでなくトロルや駄文や炎上ネタの多い悪質なコメンターについても知ることができる。

各人のコメントの履歴が見られるようになると、クリエイターやモデレーターは、そのユーザーからのコメントを自動的に隠したり、逆に自動的に承認したりできるようになる。個々のコメントに毎回いちいち対応しなくてもいい。

これまでコメンターの名前をクリックするとその人のYouTubeチャンネルに飛んだが、今度のプロフィールカードではチャンネルのリンクはあるけど、そこへ飛ぶことはない。テストが今、どれくらいの規模で行われているのかわからないが、発表への反応を見るかぎり、コミュニティの評判はいいようだ。

YouTubeは今、これ以外にもいろんな実験を行っている。例えば、ビデオのクリエイターが個人化されたメッセージを表示して、サブスクライバーを勧誘するなんてのがある。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Warframeゲームのスーパーガンでパトカー真っ二つ、NYCの路上で大ドッキリ撮影

無料のオンラインゲーム、Warframeのプロモーションビデオをニューヨーク市の路上で撮影する際にMichael Krivicka(マイケル・クリヴィカ)監督は大がかりなドッキリを仕掛けた。

上にエンベッドしたビデオを見ればわかるが、撮影スタッフはゲーム中で使用されるOpticorと呼ばれるスーパーガンの撮影に協力するよう通行人を呼び止めている。銃を構えてポーズを取った人々は「引き金を引かないよう」注意される。ただし通行人が知らないのは道の向こうのパトカーや近くの郵便ポストにはみな仕掛けがしてあることだ―パトカーはまっぷたつになり、郵便ポストも吹っ飛ぶ。人々が仰天するようすがおかしい。

私は今週クリヴィカ監督にインタビューして撮影の模様を聞いた。監督はプロップやカスタムデザインでそれを作ったA2ZFXについて説明してくれた。無線によるリモコンで銃、パトカー、郵便ポストが同時に吹き飛ぶ仕掛けだったそうだ。

爆発のエフェクトは圧搾空気によるもので、チームがプロップを再セットするには15分かかったそうだ。そのため各テイクの登場する通行人はそれぞれまったく別の人々で、「何が起きるのかまったく知らず」、その都度驚いてくれたという。
Director Michael Krivicka, Producer Chris Yoon

プロップのパトカーの前でポーズを取るマイケル・クリヴィカ監督とプロデューサーのクリストファー・ユーン氏

クリヴィカ氏によれば、安全には十分に配慮しており、カメラのアングルから外れたところでニューヨーク市警の警察官がモニターしていたという。「編集でものすごい迫力になっているが、現場はそれほどでもなかった」のだそうだ。

これはクリヴィカ氏にとって最初のゲームプロモーションビデオだが、以前にはバイラルな話題をさらったマーケティングビデオをいろいろ作っている。たとえばジャパニーズ・ホラーの発端となった「リング」のように不気味な女がテレビから本当に這い出すビデオだ。今回のビデオの原型は「ベストキッド」のコブラ会の設定で空手の形を披露すると電柱やオートバイが破壊されるというもの。クリヴィカ氏の狙いは「SFを現実にする」ことだという。

クリヴィカ氏が創立したビデオ製作会社、WhoIsTheBaldGuyにとって今回のビデオは最初の本格的作品だ。ただし目標は変わらず「視聴者を『ええっ! なんだこれは?』と驚かせるような作品を作りたい。さらにスケールアップし、過激なものにしてオンラインの人気をさらいにいく」という。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

YouTubeの「勝手な推薦ビデオ」の推薦理由がややわかるようになった

【抄訳】
YouTubeは米国時間6月27日、ユーザーの「ホーム」ページや「次の動画」の推薦リストに現れるビデオを、ユーザー自身がもっとコントロールできるようにするための一連の変更を発表した。それらのビデオは、YouTubeのアルゴリズムが勝手に決めているものだ。YouTubeはまた、それらの推薦ビデオがなぜどうやって決まったのかをユーザーが理解できるようにする、と言っている。つまり、YouTubeのアルゴリズムの内部を見せると言うのだ。

新しい機能として、「ホーム」ページや「次の動画」に登場する推薦ビデオにどんなトピックが関連しているのか、これまでのどんなビデオが関連しているのかがわかるようになる。YouTubeアプリはこれからは、今見ているビデオに関連しているビデオや、ユーザーがウォッチしているチャネルのビデオなど、関心があるとYouTubeが判断したビデオの根拠になっている、個人化された提案を表示し、ユーザーがそれらを見られるようにする。

deviceFrame combined

この機能はAndroidのYouTubeアプリに英語でサインインしているユーザーにまず提供され、iOSやデスクトップ、そしてほかの言語は、もうじきサポートされるそうだ。

YouTubeの提案がいつものように的外れなら、これからは一連のコントロールにアクセスして、特定のチャネルからの提案をしないよう指示できる。

そのコントロールは、「ホーム」ページや「次の動画」のビデオの隣にある、点が3つのメニューから利用できる。そこで、推薦してほしくないチャネルを指定する。すると次回からは、そのチャネルのビデオが表示されなくなる。

しかし推薦を禁じたチャネルへのサブスクリプション(入会)や検索、そのチャネルのページへの直接の訪問などはできる。YouTubeからの勝手な推薦がないだけで、チャネルの利用方法は前とまったく変らない。そこのビデオがトレンドのタブに出ることもある。

dontRecommend featureImage 3

この機能は全世界で利用でき、YouTubeのAndroidアプリに次いで今日からはiOSでも利用可能、デスクトップももうすぐだ。

しかし一番面白いのは、YouTubeがそのアルゴリズムの仕組みをユーザーに少し見せてくれることだ。これまでユーザは、なんでこのビデオが自分に推薦されるのか、まったく理解できないこともあった。今度の新しい機能で、そのビデオがリストに載る理由が詳しくわかる。ビデオの提案の下に、それを選んだ理由が表示される。

YouTubeの発表によるとたとえば、そのユーザーが一度も訪れたことのないチャネルのビデオでも、「関心が共通するほかのユーザーが好きなビデオなら推薦する」というように。「我々の目標は、ビデオを『ホーム』ページで紹介する理由を説明して、ユーザーが気に入るかもしれない新しいチャネルを見つけるお手伝いをする」ことだそうだ。

例えば、その説明は「あなたのお気に入りのチャネルを見ているビューワーが、そのビデオの推薦をしているチャネルも見ている」、と言うかもしれない。YouTubeのアルゴリズムは本当はもっと複雑だが、この「お気に入りの連鎖」は、比較的単純な方だ。

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YouTubeなどのソーシャルメディアは、プラットホームの管理について政府の規制当局からも圧力を受けている。プライバシーとセキュリティの問題だけでなくヘイトスピーチや偽情報の拡散などでプラットホームは、不透明なアルゴリズムでユーザーに見せるものを決めていることを批判されている。

【後略】

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Reminizはビデオにリアルタイムでタグ付けする

フランスのコンピュータービジョンのスタートアップであるReminizは、あらゆるタイプのビデオからインデックスを作る。ビデオコンテンツのためのGoogleボットのようなものだ。Reminizは、ライブストリームやオンデマンドビデオの中で人物、ロゴ、感情などにタグ付けすることができる。

「ウェブは、テキストを検索できるように作られている。ビデオではない。我々はビデオを検索できるようにする」と共同ファウンダーのCEOのJack Habra氏が語った。

Reminizを使う場面はいくつか考えられる。まず、同社は放送局や通信会社と提携している。例えば、Orangeとの提携によって、たった今誰が画面にいるのかを知ることができる。コンテンツの推奨やコンテキスト連動広告などにも応用できる可能性がある。

Reminizは、ライブチャンネルを自社サーバーに直接ストリーミングし、画像をスキャンしてタグ付けする。その後ユーザーはメタデータをサーバーからダウンロードする。

関連のあるビデオでブランドをプロモーションするためにReminizを使うこともできる。例えば、ヒュンダイ(Hyundai)はフランス、リヨンのサッカーチームのスポンサーになっている。ヒュンダイはチームがプレイしているサッカー中継の前に自社の広告を配信したい。しかし、YouTubeのキーワードはそういう特定の視聴者をターゲットするにはあまり向いておらず、実際にプレイしているところのないチームについて話すだけのビデオも混じってしまう。

ブランドは、ターゲットとなるビデオをホワイトリストに載せ、そのビデオに広告を配信する。料金はReminizが処理したビデオの分数に応じて課金される。

ライバルにはAWS Rekognitionや、クラウドプロバイダーの提供する一般ビデオ分析APIなどがある。Reminizの特徴は、顔、人物、ブランド、タグの独自データベースを構築するところだ。汎用的なソリューションと比べてもおそらくReminizのほうが使いやすいだろう。

「(EUの)GDPRが制定されて以来、誰もが個人データよりもコンテキストのあるデータに注目して当社に問い合わせるようになった」とHabra氏は言った。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

DJI Osmoの新しいアクションカメラをテスト、GoProキラーになれるか?

DJIの新しいアクションカメラ、Osmo Actionの実機を外に持ち出してテストするチャンスがあった。撮影したフッテージをご紹介しよう。デバイスのスペックと私の印象は以下のとおりだ。

スペック

  • 画素 12MP、4K
  • スローモーション、タイムラプス、ハイパーラプス
  • 音声操作
  • 防水
  • マウント多数

大きな特徴はリアだけでなくフロント側にも小型のモニターがあることだ。これは自撮りに便利でビデオブロガーには欠かせない。

HDRに加えてDJIお得意の電子手ブレ補正、EIS(RockSteady)も搭載されている。ただしHDRとEISを同時に使うことはできない。おそらく処理に負荷がかかりすぎるのだろう。ビデオではHDRオン、EISオフとHDRオフ、EISオンを並べて比較できるようにしてみた。それぞれはっきり効果が確認できる。HDRとEISが同時に利用できるようになるアップデートを期待したい。

操作は簡単だ。背面モニターでHDRなど効果を選び、ボディー上部のスタートボタンに触れるだけでいい。水中撮影に便利なレンズキャップや外部マイクアダプターなども効果が期待できる。我々の詳しいレビューはこちら

米国での販売価格は349ドルで5月19日から発売予定。米国以外では5月23日から。

【Japan編集部追記】DJIの日本サイトによれば、Osomo Actionの販売価格は4万4820円となっている。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

Facebookがビデオのガイドラインを改定、オリジナリティーや愛着度を重視

米国時間5月6日、Facebookは投稿されたビデオのランク付け方法に一連の変更を加えたことを発表した。ランクはビデオがどれだけ広く配信されるかを決定する。改定されたガイドラインによると、Facebookが高くランク付けするようになるのはオリジナル作品、ユーザーが長時間視聴したビデオ、ユーザーが繰り返し視聴したビデオなどだ。

狙いは、質の高いビデオを増やして「オリジナリティーのないビデオや使い回しされて付加価値のないビデオ」を減らすことにある。これは他人のコンテンツを(時には適切なクレジットなしに)大量に転載して小遣い稼ぎしているメンバーに対する取り締まりでもある。

Facebookは、シェア詐欺に関与しているFacebookページのビデオもランクを下げると言っている。他のページオーナーに報酬を払って中身のないコンテンツを掲載して宣伝させる手法だ。

さらにFacebookは、熱心で忠実なファンのいるビデオを高く評価するようになる。

従来Facebookは、ビデオクリエイターに対して、視聴者を1分間以上引き止めるよう推奨してきた。今後は、視聴者が3分以上見るビデオを積極的に推進していく。そして、何週間にもわたって視聴者が戻ってくるビデオも高く評価される。

今回の変更の狙いは、人々にとって価値の高いビデオを推進するとともに、優れたビデオクリエイターが、ソーシャルネットワーク上で広く知れ渡ることだとFacebookは言っている。

この変更は、FacebookのビデオサービスFacebook Watchが、AppleのストリーミングサービスApple TV+や、Roku Channel、AmazonのIMDb、そしてもちろんYouTubeといった広告支援コンテンツなどとのユーザーの時間と関心の競争が激化してきたタイミングで行われた。そしてまもなく、Disney期待のストリーミングサービスも視聴者の時間を奪いにやってくる。

Facebook Watchは、スピルバーグやウィザースプーン、オプラーといった大物と契約を結んだApple TV+らの新規参入組と比べてコンテンツの質が低いことを指摘されてきた。今後はMTVの「The Real World」や「Buffy」の再放送などの「プレミアム」コンテンツの提供に集中していく。

最近YouTubeがオリジナルコンテンツの無料・広告支援化を打ち出す中、Facebookは自身のビデオサイトを一時的な注目ではなく視聴者を定着させるものにしていく必要がある。そのためには一定の品質を超えたビデオを広めていくしか方法はない。新しいガイドラインはそのためにある。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

YouTubeのアルゴリズムがノートルダム寺院火災の実況ストリームに9.11の情報を添加

YouTubeでノートルダム寺院の実況放送を見ていた一部の人の画面に、9月11日事件に関する情報ボックスという異様に場違いなものが表示された。

BuzzFeedの報告によると、その間違って置かれたファクトチェックボックスは少なくとも3つのメジャーなニュースサイトからの実況ストリームに出現した。Twitterのユーザーたちも、その情報誤配を知らせている(下図)。

[YouTubeのファクトチェックは完全にぶっ壊れてるようだな]

皮肉にもこの機能は、誤報を訂正するために設計されたツールだ。ビデオの下の小さな情報ボックスに、YouTubeのパートナーからの事実情報が表示される。今回はEncyclopedia Britannica(ブリタニカ百科事典)だった。

YouTubeはこのファクトチェック情報パネルを今年インドで開始し、今ではほかの国でも見られるようだ。

当時同社は、こんな発表声明を述べていた。「ユーザーは、ブリタニカ百科事典やウィキペディアなどサードパーティからの情報を見ることができる。また、月面着陸などネット上でときどき誤報の対象にもなっている、十分に確定した歴史的および科学的話題の一部には、そのビデオも付随する」。

その情報ボックスは明らかにアルゴリズムが作り出しており、今日の不運な失敗は、そこに人の目が介入していないことを示している。塔のようなものが燃えている映像を見たアルゴリズムは、9/11の情報を取り出したのかもしれない。今YouTubeに、原因を問い合わせている。

アップデート: YouTubeのスポークスパーソンが本誌TechCrunchに次のような声明をくれた。

私たちは今もまだ続いているノートルダム寺院の火災を深く悲しんでおります。昨年私どもは、誤報の対象となった主題に関し、ブリタニカ百科事典やウィキペディアなどサードパーティの情報源へのリンクのある、情報パネルをローンチしました。これらのパネルはアルゴリズムによってトリガーされ、弊社のシステムはときどき間違った呼び出しをします。私たちは今、火災に関連する実況ストリームではこれらのパネルを無効にしています。

画像クレジット: Martin Barzilai/Bloomberg via Getty Images/Getty Images

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

アップル発表イベントの全ビデオはこちら

ビデオは、今日のApple(アップル)イベントで形式的にも機能的にも大きな役割を果たしていたが、Appleは伝統的なAppleイベントのビデオについてもぬかりなかった。Apple Arcadeなどの新サービスのプレビューから、アーティストがApple TV+のコンテンツを作る様子、一連のビデオを見れば今日のライブストリームを見損なった人でもAppleの新サービスの概要を一覧できる。

例によって今日も初めはティーザービデオだった。

Appleが最初に発表した製品はApple News+で、300種類以上の雑誌や新聞を月額9.99ドルで利用できる。ちなみに、Apple News+は今日発表された中で唯一今日から利用できるApple製品だ。

2番目のApple製品はApple Card。Apple Cardとは、Apple Payが利用できる場所ならどこでも使える電子クレジットカード。Apple Cardアプリを使うと取引履歴を見ることができ、カードで支払うとその日のうちに2%のキャッシュバックが受けられる。すべてウォレットアプリの中に含まれている。

そして、もちろん。物理的カードもついてくる。チタン製で名前がレーザー刻印されていて番号は〈ない〉。Apple Cardは クレジットカードの不正を困難にするはずだ

次にAppleは、ゲームのサブスクリプション・サービス、Apple Arcadeを発表した。

同サービスは今秋にならないと始まらないが、スタート時点で100種類以上の有名ゲームがディズニー、コナミ、レゴなどから提供される。重要なのはこれがクロスプラットフォーム製品であることで、ゲームはiOS、macOS、tvOSのどこでもプレイ可能なので、AppleはiOSをきっけかにMac上でもゲームを推進できる。

これについてはビデオが2本あるが、価格は示されていない。

そして最後にAppleは、Apple TV+を発表した。近日公開予定のサブスクリプションサービスで、ユーザーはAppleの新しいオリジナルコンテンツのライブラリーを利用できるようになる。これには、ジェニファー・アニストン、リース・ウィザースプーン、スティーブ・カレルなどがニュースについて語るモーニングショウや、クメイル・ナンジアニが移民の毎日について真実を語るアンソロジーシリーズなどもある。

最後のワンモアシン、オプラ・ウィンフリーがApple TV+2つのニュース番組に出演する契約にサインした。

Apple TV+の開始は今年の秋からで、価格については未だに言及されていない。

アップデート:AppleはついさきほどApple TV+のプレビュービデオを公開した(これが今日のイベントで最高のビデオというのが正直な感想)。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

縦も横も関係ないFireworkのビデオストーリーアプリが公式リリース

Facebookの利用がここ10年で初めて減少するという状況をよそに、TikTokのような動画中心のアプリがソーシャルメディアの未来だともてはやされている。この変化の著しい主戦場に切り込もうとしているのがFireworkだ。その急成長中のソーシャルビデオアプリは、同社が「リビール・ビデオ(隠れていた部分を見せるビデオ)」と呼ぶ巧妙なトリックを備えている。動画の作成者は、モバイルデバイスによる1回の撮影で、縦、横、両方のビデオを撮影できるのだ。一方、動画の視聴者は、再生中にスマホを回転させることで、どちらでも好きな見方で、そのシーンを楽しめる。

縦型動画のアイディアを広めたのはSnapchatだが、Fireworkは縦型、横型の制約から動画を開放しようとしているのだ。

ところで、Jeffrey Katzenberg氏によるモバイルストリーミングサービスQuibiも、スマホの持ち方に関係なく、理想的な視聴体験を提供できることをウリにしている。QuibiのCEOであるMeg Whitman氏が米国時間3月8日にSXSWでのインタビューで、同社は「ランドスケープからポートレートまで、シームレスにフルスクリーンビデオを扱えるような機能を開発した」と説明している。

はっきり言って、Fireworkにそっくりだ。

Fireworkは、独自のフリップ・ザ・スクリーンの表示技術について特許を申請している。その技術は、クリエイターにビデオストーリーの新たな表現方法を提供するものとされている。「リビール・ビデオ」は、単に視聴者に見方の自由を与えるだけでなく、ストーリーの意外な展開や、驚きのエンディングといった未知の機会をもたらすのだ。

それを可能にする仕組みはこうだ。まず作成者は、スマホを横向きにして撮影する。その際、Fireworkの画面には、縦長のファインダーの枠が表示される。それを見れば、視聴者がスマホを縦にして再生したとき、画面のどの部分が表示されるのかが分かる。

この録画画面は、TikTokのものにちょっと似ている。それと同じようにして、録画を停止したり、再開したり、好きな部分を撮り直したり、音楽を追加したりもできる。

「Snapchatではひたすら縦型を押し進めました」と、Snapchatから移籍したFireworkの最高収益責任者であるCory Grenier氏は説明する。

「私たちが普段から見ているのは、ほとんどのプロの映画制作者が、まずはVimeoで、次にYouTubeで見てもらいたいと考えているような作品です。映画のストーリーに登場する背景や人物が、縦型画面の枠に完全に収まるような世界は存在しません。それはあり得ないのです」と、彼は続ける。

新しい撮影テクニックに関連する技術以外にも、Fireworkは、TikTokやQuibiといった、他の短編ビデオとの差別化ができるような領域を開拓することを目指している。

Fireworkの動画は30秒で、TikTokの15秒より長いが、Quibi8よりは、はるかに短い。

「30秒というのは、Snapchatの10秒と、それより長いものの中間にある、ちょうどいいスウィートスポットなのです」と、Grenier氏は説明する。「10秒では、ちゃんとストーリーを語るには短すぎます。印象的なオープニング、明快な中間部、そしてすごく面白い、または意外性のあるエンディングを、みんな入れたいでしょう」と、彼は述べた。

このフォーマットは、TikTokによくあるようなリミックスされた音楽付きムービーよりも、短編のストーリーに向いていると、Fireworkでは信じている。その上、ユーザーによる手作りが可能だ。それはQuibiの、2台のカメラを使った制作価値の高い(費用もかかる)「TV品質」のコンテンツとは対照的なもの。

Fireworkでは、それに対抗するように、同社が「プレミアム・ユーザージェン」と呼ぶものに注力している。それはプロのクリエイターと、有望な新人を合わせて起用する。これまでFireworkは、Flo Rida、Dexter Darden(「The Maze Runner」出演)、モデルでミスUSAのOlivia Jordan、ディズニースターのJordyn Jones、Frankie Grandeといった人々と仕事をしてきた。

さらに、Refinery29やComplex Networksなど、いくつかのブランドとも協力している。とはいえ同社は、アプリを、そうしたブランドのコンテンツだらけにするつもりはないとしている。

水平、垂直を問わないトリックに加えて、Fireworkはファンエンゲージメントに関しても、他とは異なることを考えている。コメントを排除しているのだ。ユーザーは個人的にビデオの作成者にメッセージを送ることはできるが、動画自体にコメントすることはできない。

「ヘイトや荒しといった行為をする人は、観衆に飢えています。極端な反応を煽りたいのです。われわれは、それを除外しました」と、Grenier氏は言う。

また、動画を「いいね」にする代わりに、ユーザーはその動画をブックマークするか共有することだけが可能となっている。これはリツイートのようなスタイルのエンゲージメントだ。共有した動画は、元のクレジットを残したまま、ユーザーのプロファイルにポストされる。

Fireworkは、2年弱前にマウンテンビューで設立され、現在はレッドウッドシティーに移転している。また、ロスアンゼルス、日本、ブラジルにも支社がある。親会社のLoop NowがFireworkを発表する前にテストしていたいくつかのアプリは、フィットする市場をみつけられなかった。

フルタイムで働く51人は、技術者とハリウッドの専門知識を持った人間の混成チームだ。

メンバーとしては、CEOのVincent Yang氏(StanfordのMBAで、以前はEverStringの共同創立者兼CEO)、共同創立者兼COOのJerry Luk氏(LinkedInの社員番号30で、Edmodoにもいた)、ビジネス開発部門のトップのBryan Barber氏(Warner Brothers、Universal Pictures、Foxでの経験を持つ)、そしてすでに登場したCROのCorey Grenier氏らがいる。

Quibiの十億ドルにはほど遠いが、Fireworkの親会社であるLoop Now Technologiesは、この会社を立ち上げるために「数百万ドル」を調達した。初期の支援者としては、Snapにも投資したLightspeed、IDG Capital、そして(非公開の)Musical.lyの初期の投資家が含まれている。Fireworkは数週間以内にシリーズAの資金調達を発表する体制を整えているところであり、現状では投資の詳細の公表を差し控えている。

このアプリは昨年リリースされているが、最近までオープンベータ版となっていたSensor Towerのデータによると、iOS上に180万のインストールがあり、その55%は米国内ということだ。Fireworkによれば、iOSAndroidを合わせて、すでに200万人の登録ユーザーがいるという。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

Slackのテキストの代わりにLoomでビデオを送ろう

一枚の写真が千もの言葉に相当するのなら、一本のビデオで何本の電子メールを節約できるだろう?オフィスが遠隔地に分散したチームに分かれていくにつれて、仕事はより視覚的になり、ソーシャルメディアは私たちをカメラに慣れさせてきた。いよいよ、テキストを超えたコラボレーションを使う時代となったようだ。これが、企業に簡単なビデオメッセージングツールを提供することで急成長中の、スタートアップLoomの背後にあるアイデアだ。クリックを1回するだけで、自分自身を撮影したり、スクリーンシェアに解説をつけたりして、よりいきいきとパーソナルなやりかたで、情報を伝えることが可能になる。従業員同士はビデオ通話の予定を入れる代わりに、プロジェクトの内容について非同期に議論して、仕事の流れを大きく中断することなく「最新の情報」を提供することができる。

公開から2年半の間に、Loomには1万8000を超える企業から110万人のユーザーが登録している。それは当初Chromeの拡張機能に過ぎなかった。本日Loomは、PCとMac用のアプリケーションの提供を開始したが、それはユーザーのデジタルワークスペースの中で独自の存在感を与える。コミュニケーションする先が、隣の部屋でも地球の裏側でも関係なく、「Loomはそこにある次の最善の手段なのです」と共同創業者のShahed Khanは私に語る。

今やKleiner Perkinsの主導した1100万ドルのシリーズAのおかげで、Loomはより大きなセールスチームと製品チームを立ち上げる準備が整った。同VCのパートナーであり、かつてDropboxの製品開発および企業展開の責任者だったIlya Fushmanが、Loomの取締役に加わる予定である。彼は本日、月額10ドル(年払いにすると月額8ドル)のProバージョンの紹介を行った。ProバージョンはHD録画、ビデオの最後でのアクション選択、ビデオクリップ編集、ライブでの解説書き込み(ペンで丸を描いたりすること)、そしてたとえば視聴が予定されている人たちが視ているかなどの、実際の視聴者を分析する機能などを備えている。

「世の中の人たちはスーツとネクタイを捨てて、自分のスタイルで働くようになっています。そして、これまで以上に電子メールやメッセージを送り合っています、しかし私たちがよりつながるにつれ、私たちのつながりは逆に弱くなっています」とKhanは私に語る。「私たちはコミュニケーションに、人間性をより簡単に取り戻せるようにしたいのです」。

Loom共同創業者Shahed Khan

しかし、2016年当時のLoomは、ただ生き残るために必死だった。Khanは、WebサイトビルダーWeeblyのプロダクトデザイナーとして働いた後、Upfront Venturesで働いていた。彼と2人の親友であるJoe ThomasとVinay Hiremathは、Opentestを起業し、アプリメーカーがビデオを通じて専門家からユーザビリティに関するフィードバックを得られるようにした。しかし6か月後にNFXアクセラレーターを卒業した時点で、彼らはブートストラップに用意した資金を使い果たしてしまっていた。そのとき、自宅や遠隔地のメンバーと連携する手段を必要としたことで、彼らはビデオメッセージングがビジネスに成り得ることに気が付いたのだ。

彼らは2016年の半ばに共同でLoomを立ち上げ、プレシードとシードラウンドでの調達額は400万ドルに達した。その製品の特長の1つは、録画中でも既に、Loomがビデオのアップロードを開始しているということである。このため録画が終了した瞬間にはもう送信する準備ができているのだ。それは、ユーザーの表情や、声、そしてスクリーンを、Slackメッセージを書き込む程度の手間で(しかもより多くの感情とニュアンス込みで)共有できるようにする。

「営業チームはこれを使って、見込み客にパーソナライズしたメッセージを送ることで、より多くの契約を取り付けることができます。マーケティングチームは、Loomを使用して、社内でプレゼンテーションやソーシャルポストのレビューを行っています。プロダクトチームは、バグやバックログなどを捕らえるためにLoomを使っています」とKhanは説明する。

Kleiner、Slack、Cueの創業者であるDaniel Gross、そして俳優のJared LetoによるシリーズAの1100万ドルのおかげで、Loomは16人のチームに成長した。この結果、同社の調達額は1500万ドルとなった。彼らはLoomをより広いマーケットへ開放してくれる新しいデスクトップアプリケーションが、内部のコラボレーションや外部とのディスカッションに使われ、グループ同士の連携からカスタマーサービスに至るまでの、様々なチームからチームへと広がって行くことを期待している。

Loomは、1つの会社の中で人気が出たあと、その会社のマネージャーたちが(それぞれの視聴者がどれくらいの時間視ているかを正確に知ることができる)Proバージョンに対して、支払いをしてくれることを期待している。それによって、マネージャーたちは、コンテンツをもっと簡潔にすべき必要性や、訓練や協力をサボっている人物を知る手がかりを得ることができる。また新入社員を採用するのにも適した手段である。「このビデオのコレクションを見て、あなたがわからない点についてお知らせ下さい」といった具合だ。しかし月額10ドルというLoom Proの価格は、GoogleのGSuite全体と同じコストであり、高すぎると感じられる可能性がある。

またLoomは早急にモバイル戦略を考え出す必要がある ―― 意外なことに、現在それは提供されていないのだ。Khanはユーザーたちは、旅行や顧客ミーティングの最新状況を中継するために、携帯電話を使って素早くクリップを録画することができると考えている。Loomはまた、ビデオに自動的に文字起こしで字幕を追加したり、ビデオクリップをテーマ別のセクションに分割して早送りできるようにすることも計画している。Loomは、後発のVidyardのGoVideoやWistiaのSoapboxのような競争相手の先を、走り続けなければならない。しかしKhanによれば、Uber、Dropbox、Airbnb、Red Bull、そしてHubSpotの1100人の従業員のおかげで、Loomはこの分野では最大のものになっている。

また新取締役のFushmanは、Slack、Zoom、Dropbox Paper、Coda、Notion、Intercom、Productboard、そしてFigmaの例を挙げながら「コラボレーションツールの世界は、単なる電子メールとドキュメントを超えてより深いものになっています」と語った。最速で成果を上げるために、多くの企業たちはコラボレーションソフトを自社内で作ることをやめて既存のものを使い、自社の製品だけに集中するようになっている。

どのようなエンタープライズソフトウェアも1つですべてを解決することはできない。だがLoomは、Slack、Google Docs、Convo、そしてAsanaなどのアプリに依存している。Loom自身はソーシャルレイヤーやアイデンティティレイヤーを持っていないため、他のサービスを通じて動画リンクを送信する必要がある。Loomは、そのデスクトップアプリケーションに、独自のビデオメッセージングシステムを組み込む必要があるだろう。しかし、少なくともSlack(Loomに投資している会社の1つだ)の場合は、Khanは「彼ら(Slack)はテキストベースのコミュニケーションのハブになろうとしています」と語る。そして程なく公開を控えたこのユニコーンはKhanに対して、そのビデオ機能はリアルタイム通話に焦点を当てたものになるだろうと言っている。

だが、Loomへの最大の脅威は無関心だ。人びとはすでに、Slackと電子メールで圧倒されていると感じているので、もしビデオの録画が効率的というよりも面倒だと思われてしまうようだと、従業員たちはこの先もテキストの世界に留まるだろう。そして、電子メールのようにさっと斜め読みをすることができないことで、スタッフたちが視たくない、大量の未読(未視聴)のビデオが溜まることが想像できる。しかしKhanは、InstagramのStoriesの普及のおかげで、人びとがカメラを気軽に使うようになっていると考えている。そして、その利点は、メッセージを他の人に皮肉や怒りと誤解されないように、時間をかけて丁寧な表現へと洗練したり、ユーモアをまぶしたりする必要がなくなるということだ。

Khanは「私たちは簡単に共有可能なビデオが、職場の人間同士の本物のコミュニケーションを促進し、複雑なシナリオやアイデアを共感と一緒に伝えることができると信じています」と語っている。

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(翻訳:sako)

YouTubeが広告入りで無料の映画提供を始めた、次はAmazonもか?

AdAgeの新しい記事によると、YouTubeは先月から、およそ100本のハリウッド映画を広告付きで加えた。“Rocky”、“The Terminator”など古い名作が多く、“Zookeeper”(Mr.ズーキーパーの婚活動物園)、“Agent Cody Banks”(エージェント・コーディ)、“Legally Blonde”(キューティ・ブロンド)などのファミリー向けもある。

これまでYouTubeのムービーやテレビ番組は、AppleののiTunesやAmazon Videoのような有料制のみだった。

現在、YouTubeのこれら無料のムービーは広告入りだが、上記の記事によると今後はアドバタイザーとの契約で、スポンサー制や特別会員制などもありえる。

ムービーの提供でYouTubeの利点といえば、月間アクティブユーザー数190万という大きなユーザーベース、そしてGoogleのデータを利用するターゲット広告だ。

YouTubeの広告入りムービーは、昨年Rokuが提供を始めた無料映画、The Roku Channelに倣ったものだ。

それは新しいタイプの広告ビジネスとして快調らしく、今年のRokuは広告入り無料コンテンツをABC News, Cheddar, Newsmax, Newsy, People TV, Yahoo, The Young Turksなどのニュース放送にまで広げた。最近では、エンターテインメントやスポーツの生中継もある。

Walmartも無料ムービーをVuduから提供しているが、最近はMGMと組んで、オリジナルコンテンツも提供するらしい。Tubiも、広告入りコンテンツを無料で提供している。そして噂では、Amazonも同じようなサービスを開発中だそうだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Nintendo SwitchにYouTubeがやってきた、ユーザー層の若返り策か?

NintendoはSwitch日本語)コンソールを2200万台以上売り、今会計年度はさらに2000万台を売るつもりだ。

でもNintendoは今だに、ゲーム以外のアプリを充実する気がないようだ。

今のところ、Swich列車になんとか乗れたのはHuluだけだ。でも今日(米国時間11/8)からはYouTubeが仲間に加わる。SwitchのオーナーはYouTubeアプリをここでダウンロードできる。しかも、Nintendo SwitchのYouTubeアプリは360度ビデオをサポートしている。

NintendoのSwitchゲームはZelda, Super Mario Odyssey, Pokémon, Fortniteなどが目下の主力だから、YouTubeの統合は有意義だ。SwitchとYouTubeの両方がより若い層に浸透するだろう。〔今のSwitchのユーザーは“大人”が多い。〕

ストリーミングアプリの導入がこんなに遅れたのは、Switchに関してはNintendoが、ゲームの品揃えにもっぱら注力していたからだ。

NintendoのCOO Reggie Fils-Aiméが先月のインタビューでこう言っていた: “前にも申し上げたように、そのほかのサービスは適切な時期に導入いたします。今はNintendo Switchのインストールベースの拡大に努力し、また優れたゲームをますます増やしていきたいのです”。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa