マイクロソフトが量子計算機プラットフォームを限定プレビュー

米国時間5月19日、Microsoft(マイクロソフト)はパートナー主体の量子コンピューティングプラットフォームであるAzure Quantumの限定プレビューを、量子コンピューティングの利用を開始したいと考えているデベロッパーに対して開始したと発表した。

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Azure Quantumは、当初Microsoft Ignite 2019で発表された。このAzure QuantumはIonQ、Honeywell、QCI、マイクロソフトのハードウェアと、1QBitなどのサービスを従来からあるAzureクラウドのコンピューティング機能に統合するものだ。今回の限定プレビューへの移行にともなって、マイクロソフトは選定された少数のパートナーと顧客にサービスの提供を開始した。

現段階では、ほとんどのビジネスにとって、まだ量子コンピューティングは文字通り不可欠な機能とはいえない。しかし物事が速く移り変わること、そして数年以内にこの技術が成熟したときにそれがどれほど強力なものになるかを考えると、着手すべき時は今だと多くの専門家が指摘している。特に量子コンピューティングと従来のコンピューティングとの違いを考慮し、デベロッパーが実際に開発するのにかかる時間を考えればなおさらだ。

Microsoft Igniteでは、マイクロソフトはQuantum Development Kit、コンパイラー、シミュレーターもオープンソース化した。

このようなマイクロソフトのアプローチは、他のどんな競合企業とも異なっている。また現状においては、マイクロソフトは他の量子ハードウェア企業と提携する必要がある。その理由は単に同社の量子ハードウェアへの取り組みが、まだ実用可能なレベルに達していないからだ。マイクロソフトは、マシンのコアにある異なる種類の量子ビットの開発に関して、IBMやRigettiなどとはまったく異なるアプローチを取っている。この数カ月で、いくつかのブレークスルーはあったものの、まだ動作可能な量子ビットは実現できていない。もしかすると、公表していないだけで、既に実現しているのかもしれないが。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

パンデミックが吉と出たクラウドインフラストラクチャのベンダーは売上が急増

企業のクラウドへの移行が安定的な動きとして始まっていたのは、COVID-19の影響よりも前からだと言っても過言ではない。それは2019年のRe:inventのキーノートでAndy Jassy氏が言ったように、AWSにとって十分な速さではないかもしれなかったが、でもそれが起きていたことは事実であり、クラウドインフラストラクチャの市場全体が売上の着実な増加を経験していた。

市場の主な選手たちの至近の四半期の決算を見ると、パンデミックと経済の低迷で成長が鈍化した気配もない。むしろそれは、成長に貢献しているのかもしれない。

Synergy Researchが発表した数字によると、クラウドインフラストラクチャの全体の市場規模は2020Q1で290億ドルである。

画像クレジット: : Synergy Research

長年この市場をウォッチしているSynergyのJohn Dinsdale氏によると、パンデミックはささやかながらその成長に貢献している。数字は伸びても企業が無傷であるわけではないが、でも企業がオペレーションをオフィスからシフトしていることも、第一四半期にクラウドの需要が増加した一因と思われる。

Dinsdale氏は、声明で次のように述べている: 「確かに、パンデミックはクラウドのプロバイダーにとっても問題だが、この先の見えない時期にあってパブリッククラウドは、正常なオペレーションを維持しようとして苦労しているエンタープライズに柔軟性と避難場所を提供している。クラウドプロバイダーの売上は目を見張るほどの成長率で伸びており、AWSとAzureを合わせた年商は600億ドルを優に超える勢いだ」。

100億ドルあまりの四半期売上で市場の1/3を支配するAWSが先頭を走り、マーケットシェアでは他の追随を許さない。二位のMicrosoft(マイクロソフト)は59%という急成長を見せ、市場の18%を握っている。数字を公表しないMicrosoftに代わってSynergyの試算によれば、Azureの四半期売上は52億ドルだ。一方Googleは、28億ドルで三位である。

それぞれ国内のマーケットシェアはAWSが32%、Microsoftが18%、Googleが8%だ。これらの比率はかなり安定しているが、しかしMicrosoftはここ数四半期の間に数ポイントを稼ぎ、成長率ではAmazonを上回っている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

AzureとiRobotで実現するJR渋谷駅構内の無人ラーメン店、利用者の行動をカメラで追跡・分析

エースコックは2月14日、マイクロソフトのMicrosoft Azureを基盤にした無人店舗システムのSmart StoreやiRobotの床拭き掃除ロボットの「ブラーバジェットm6」を活用した、駅ナカ無人ラーメン店「モッチッチ ステーション」をJR渋谷駅の外回りホーム上にオープンした。2月28日までの期間限定オープンとなる。

モッチッチ ステーションで食べられるのは、その名のとおりモチモチした食感が特徴のインスタント食品「モッチッチ」シリーズの焼きそばとラーメン(ワンタン麺)。店内には立食用のテーブルが5席用意されており、5人が入店して満員になると自動ドアが開かなくなる仕組みだ。店内の客が誰か一人退店しないと、6人目の客は店内に入れない。

モッチッチの貯蔵庫は計量器メーカーであるイシダの計測器を内蔵しており、客が商品を手に取って貯蔵庫の扉を閉めると、全体の重量から減少したぶんを計算して、客が手に取ったモッチッチの個数を算出する。

価格はいずれも212円で、交通系ICカードもしくはクレジットカードで決済する。内蔵の液晶パネルに決済金額が表示されたら決済方法を選んで、決済端末にICカードをかざせばいい。クレジットカードの場合は残念ながらタッチ決済(コンタクトレス決済)には対応しておらず、決済端末の下部に備わっているカードリーダーにクレジットカードを差し込んで暗証番号を入力する必要がある。ちなみに、決済端末はCoiny(コイニー)製。Coinyは決済サービスを提供するスタートアップで、現在は事業持株会社であるヘイの傘下企業だ。

決済終了後は、モッチッチ貯蔵庫の左側のテーブルに設置されている、電気ポットもしくはウォーターサーバーからモッチッチのカップにセルフサービスでお湯を入れる。割り箸などもこちらに用意されている。このテーブルを注意深く見ると、それぞれの置き場がテーブルとは独立していることがわかる。

実はここにもイシダの計量器が仕込まれており、モッチッチの調理に必要なお湯の量である320mlを計測している。具体的には、お湯が減ったぶんの総重量の変化を認識する。計測器が320mlのお湯が注がれたと判断すると、自動的にモッチッチの標準調理時間である5分のタイマーがスタートする仕組みだ。なお割り箸置き場の計測器は、補充の目安を判断するためのもの。

あとは、お湯を投入したモッチッチを持って5席ある立食スペースのいずれかに移動すると、各スペースに設置されている液晶パネルに先ほどの5分のカウントダウンタイマーが表示される。

出来上がったらモッチッチを味わい、食べ終わったら返却口にカップを返すとともに、液晶パネルに表示される掃除ボタンをタップすることで、立ち食いスペース奥に設置されているiRobotの床拭き掃除ロボットのブラーバジェットm6が自動起動し、テーブルをまんべんなく拭いてくれる。

入店から退店までは以上のような流れになる。この店舗でAzureのSmart Storeがなにをやってるかというと、来店直後に客がモッチッチ貯蔵庫の前に立つと、設置されているカメラで性別や年齢を判別。

上部に設置されている超指向性スピーカーからモッチッチ貯蔵庫の前に立っている客だけに聞こえる音声で店内システムを解説してくれる。

店内に入って天井をを見上げると、モッチッチ貯蔵庫以外にもさまざまな場所にカメラが取り付けられていることがわかる。これらは来店者の移動経路を追跡・分析しており、お湯を入れて客がどの立食テーブルに移動するかをSmart Storeが判別し、その客が選んだテーブルの液晶パネルにモッチッチにお湯を入れてからの正確な時間を表示する仕組みだ。前述のように320mlのお湯を入れた直後からカウントダウンは始まっているので、席に着いたタイミングで表示される残り時間は数秒経過した4分55秒や4分50秒などになっている。

もちろんAzureのSmart Storeは、専用端末を使った決済処理も担っている。さらには冒頭で紹介した自動ドア制御による入店人数の制限もSmart Storeの役回りだ。

今回は試験店舗なので、モッチッチ貯蔵庫に異物が入ったり、モッチッチがスペースに正しく並べられていないと正確な計算処理ができない、自動ドア制御による入店制限を周知するために人員が必要など、完全な無人化とは言えない。しかし、飲食業界の人手不足を解消するソリューションとして進化する期待感は高い。

実際のレストランで電子レンジや電気ポッドを使って調理するのは、味的にも見映え的にも顧客満足度が低いと思われるが、客が退店したあとのテーブル掃除はコミュニケーション不要なのでロボットでの自動化余地が大いにあると感じた。

なお、下膳についてはすでにグーグル出身のエンジニアが創業したスマイルロボティクスが開発を進めているほか、職人顔負けの技術でたこ焼きを作るコネクテッドロボティクスのアームロボ「オクトシェフ」もある。さらには、弁当工場などで活躍する協働ロボットとしてはアールティの「Foodly」も実際に導入されている。人手不足が深刻化している飲食業界にとって、人と一緒に働く協働ロボットは今後さらに重要な存在になっていくだろう。

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SalesforceがMarketing CloudをMicrosoft Azureに移行すると発表

エンタープライズソフトウェアの世界では、ときどき不思議な組み合わせが出てくるものだ。米国時間11月13日、Salesforce(セールスフォース)はCloud Information Modelに関してAWSとの大きな意味を持つ連携を発表した。そしてその翌日、セールスフォースは同社のMarketing CloudをMicrosoft Azureに移行すると発表した。エンタープライズの協力関係があっちに行ったりこっちに行ったりして混乱することがあるというのを体現しているようだ。

画像:Steve Jennings / Sean Gallup / Getty Images

セールスフォースとMicrosoft(マイクロソフト)は、セールスフォースのSales CloudとService CloudをMicrosoft Teamsと統合することでも協力すると発表した。

同社は、自社のデータセンターで稼働してきたMarketing Cloudを数カ月以内にMicrosoft Azureに移行する計画だ。ただし現時点では移行の明確なタイムラインは示されていない。AWSと熾烈な争いをしているマイクロソフトにとって、これは大きな意味を持つ。AWSが市場をリードしていることは明らかだが、マイクロソフトはここしばらく強力な2番手となっている。セールスフォースを顧客として迎えることは、マイクロソフトにとって品質の証明のひとつになる。

CRM Essentialsの創業者で長年業界をウォッチしているBrent Leary(ブレント・リアリー)氏は、この連携はビジネスに対するマイクロソフトの現在のアプローチを強く表していて、同社はゴールを達成するために幅広い連携を望んでいるのだと語る。リアリー氏はTechCrunchに対し「セールスフォースがアマゾンよりもマイクロソフトとの関係を深めることを選んだというのが重要なニュースで、セールスフォースの強化によってマイクロソフトのCRMツールであるDynamics 365が脅かされるおそれがあることをマイクロソフトは問題視していない。マイクロソフトの成長を最も大きく担っているのはAzureであることが、その主な理由だ」と述べた。

両社はこれまでもずっと複雑な関係にあった。マイクロソフトのCEOがSteve Ballmer(スティーブ・バルマー)氏だった時代には、CRM製品をめぐって法廷で争っていた。その後、マイクロソフトのCEOになったSatya Nadella(サティア・ナデラ)氏は2015年のDreamforceカンファレンスで仲良くする意向を示した。それ以降、両社の関係は一進一退だったが、今回の発表で敵というよりは友に近づいたようだ

とはいえ、セールスフォースがCloud Information Modelに関してAWSとの連携を発表したばかりであることも見逃せない。Cloud Information ModelはAdobe、Microsoft、SAPのパートナーシップと直接競合するものであり、セールスフォースはデータの統合に関するAWSとの大規模な連携を昨年発表している。

こうした矛盾するような関係はややこしいが、現在のコネクテッドクラウドの世界においては、市場のある部分で激しく戦う企業同士であっても、別の部分では両社と顧客のためになるなら協力しあおうとすることの表れだ。今回の発表はこうしたケースと思われる。

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(翻訳:Kaori Koyama)

Microsoft AzureがFarmBeatsのプレビュー版を公開し農業テックに参入

Microsoft(マイクロソフト)がフロリダ州オーランドで開催中のイベント「Ignite」で、同社はこれまで主に研究目的だったプロジェクトのAzure FarmBeatsを、パブリックプレビューとしてAzure Marketplaceで米国時間11月4日から公開すると発表した。FarmBeatsは、IoTセンサー、データ分析、機械学習を組み合わせた同社のプロジェクトだ。

GROSSDERSCHAU, GERMANY – AUGUST 14: In this aerial view a combine harvests summer wheat at a cooperative farm on August 14, 2015 near Grossderschau, Germany. The German Farmers’ Association (Deutscher Bauernverband) is due to announce annual grain harvest results this week. Some farmers have reported a disappointing harvest due to the dry weather in recent months. (Photo by Sean Gallup/Getty Images)

この日の発表でマイクロソフトは「FarmBeatsの目的は、農家が自分の農場のデータとデータドリブンの洞察によって理解を深め直感を強化するものだ」と説明した。FarmBeatsは、センサー、衛星、ドローン、気象観測などさまざまなソースからデータを集め、AIと機械学習によって農家にアクション可能なインテリジェンスを提供することを目指している。

さらにFarmBeatsは、ここで収集され、評価されるデータを利用するアプリを作る開発者のためのプラットフォーム的なものになることも狙っている。

マイクロソフトは開発プロセスに関し、次のように説明している。衛星画像は活用するが、それで農場のすべてのデータを捉えられるわけではない。現場に設置されたセンサーなどのデータが必要で、さまざまな種類のデータをまとめて分析する必要がある。また農場ではインターネットの接続環境が十分でないことも多いため、FarmBeatsはテレビの空いている周波数帯域を利用して接続するマイクロソフトの取り組みを初めて利用するチームになった。そしてもちろん、データの収集にはAzure IoT Edgeを活用する。

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(翻訳:Kaori Koyama)

障がい者のための技術発展を目指す企業を支援するMicrosoftアクセシビリティー補助金

ハイテク界にも障がい者のための支援活動が数多く存在するが、アクセシビリティー問題で投資家を熱くさせることは難しい。だからこそ、Microsoft(マイクロソフト)のAI for Accessibility(アクセシビリティーのためのAI)補助金制度は大歓迎だ。障がいを負った人たちのためのAI活用の道を探る企業や団体を対象にしたAzureクレジットと現金による株式を要求しない経済援助だ。マイクロソフトは、視覚障がい者のための教育を支援するスタートアップであるObjectiveEd(オブジェクティブエド)をはじめ、10以上の対象団体を発表した。

この補助金制度は、少し前に500万ドル(約54億円)でスタートした。その条件に合うスタートアップ企業やプロジェクトをわずかでも補助しようと5年の期限を区切って行われている。もちろん、それらの人たちにマイクロソフトのクラウドインフラに親しんでもらおうという狙いもある。

申し込みは常に受け付けられ「障がいを負った人たちにAIや機械学習を役立てたいと模索する人なら誰でも、喜んで支援します」とマイクロソフトのMary Bellard(メアリー・ベラード)氏は話している。ただし「素晴らしいアイデアで、障がい者コミュニティーに根差している」ことが条件だ。

今回、補助金を獲得した中にObjectiveEdがある。今年の初めに私が紹介した企業だ。iPadを使った、目の見えない、または弱視の小学生向けのカリキュラムだが、目が見える子どもたちにも使うことができ、教師の負担が軽減される。

関連記事:視覚機能障がいの子どもたちに優れたデジタル・カリキュラムを提供するObjectiveEd(本文は英語)

そこには、ご想像のとおり点字も含まれている。点字を学ぶ必要のある子どもたちに対して、点字を教えられる教師の数は足りていない。一般的には、直接的な実践教育で教えられている。つまり、子どもが点字を(ハードウェアの点字ディスプレイを使用して)声に出して読み上げるのを教師が聞き、間違いを正すというものだ。高価な点字ディスプレイが自宅で自由に使える環境で、その技能のある家庭教師を雇える場合は別だが、この重要な教育が受けられるのは、週に1時間程度という子供もいる。

ObjectiveEdのアプリなどに使用する書き換え可能な点字ディスプレイ。

「点字ディスプレイに文章を送り、生徒がそれを声に出して読み上げると、マイクロソフトのAzureサービスがそれをテキストに変換し、点字ディスプレイの文章と比較する。そして必要に応じて間違いを正し次に進む。そんなことができたら最高だと私たちは考えたのです。すべてをゲーム形式にします。楽しく学べるようにね」とObjectiveEdの創設者Marty Schultz(マーティー・シュルツ)氏は話していた。

それが、この会社の次なるアプリで可能になる。今や音声のテキスト変換の精度は十分に高く、さまざまな教育やアクセシビリティー目的の使用に耐えられる。あとは、生徒が点字訓練の時間を取れるようiPadと点字ディスプレイを用意するだけだ。1000ドル以上もするハードウェアだが、目の見えない人に金をかけてはいけないなんて決まりはない。

点字の識字率は低下している。音声インターフェイス、オーディオブック、画面読み上げなどが普及し実用性が高まったことを思えば無理もないと私が言うと、シュルツ氏とベラード氏は口を揃えてこう指摘した。メディア消費の上ではオーディオに依存できることは素晴らしいが、書かれたものを真剣に読みたいとき、または多くの教育の現場においては点字は不可欠なものであるか、または発話に代わる非常に便利な代替手段なのだと。

シュルツ氏もベラード氏も、教師に取って代ろうとは決して考えていないという。「教師は教え、私たちは子どもたちの訓練を支援します」とシュルツ氏。「私たちは授業の専門家ではありません。教師の助言を受けて、これらのツールを生徒たちが使いやすいように作るのです」。

マイクロソフトの補助金を受け取った団体は、このほかに10団体あり広範囲の多様なアプローチや技術をカバーしている。例えば、私が気に入ったのはSmartEar(スマートイヤー)がある。ドアベルの音や警報音などを傍受して、スマートフォンを通じて耳の聞こえない人に知らせるというものだ。

また、ロンドン大学シティ校では、個人用のオブジェクト認識のための素晴らしいアイデアを持っている。テーブルの上のマグカップやキーホルダーを認識するという程度のことは、コンピュータービジョンシステムにとっては実に簡単なことだ。しかし目の見えない人の場合、システムがマグカップやキーホルダーを特定してから、例えば「それはドアの脇の茶色いテーブルの上にあります」などと教えてくれたら非常に助かる。

以下に、ObjectiveEd以外でマイクロソフトの補助金を獲得した10の団体のプロダクトを紹介する(それぞれを詳しく調べてはいないが、今後調査するつもりだ)。

  • AbiliTrek(アビリトレック):さまざまな施設のアクセシビリティーを評価し解説する障がい者コミュニティーのためのプラットフォーム。個人の必要性に応じて検索結果を選別できる。開発元は同名のAbiliTrek。
  • SmartEar(スマートイヤー):環境音(ドアベル、火災警報、電話の呼び出し音など)を能動的に傍受し、小型のポータブルボックスかスマートフォンから色付きのフラッシュを点滅させて聾者コミュニティーを援助するサービス。運営元はAzur Tech Concept(アザー・テック・コンセプト)。
  • Financial Accessibility(フィナンシャル・アクセシビリティー):プログラムやサービスと人との最適なマッチングのための情報や活動を提供するインタラクティブなプログラム。運営元はBalance for Autism(バランス・オブ・オーティズム)。
  • The ORBIT(ジ・オービット):個人向けオブジェクト認識をAIシステムに訓練するためのデータセットを開発中。盲人コミュニティーで使用されるツールでの重要性が増している。開発元はCity University of London(ロンドン大学シティ校)。
  • BeatCaps(ビートキャップス):ビートトラッキングを使用して字幕を生成し、音楽のリズムを視覚化する新しい音声転写方式。聴覚機能障がい者に音楽を体験してもらうための視覚化技術。開発元はCommunote(コミュノート)。
  • EVE(イブ): 聴覚障がい者のための、発話を認識しリアルタイムで自動的に字幕を生成するシステム。開発元はFilmgsindl(フィルムグシンドル)。
  • Humanistic Co-Design(ヒューマニスティック・コ−デザイン):個人、組織、施設が協力し合い、デザイナー、メーカー、エンジニアが、障がい者のために技能を発揮できるよう認知を高めるための生活協同組合。運営元は同名のHumanistic Co-Design。
  • MapinHood(マッピンフッド):視覚障がい者が職場やその他の目的地へ歩いて行くときのルートを選択できるナビゲーションアプリを開発中。開発元はトロントのスタートアップであるiMerciv (イマーシブ)。
  • I-Stem(アイ-ステム) / I-Assistant(アイ-アシスタント):文章の読み上げ、音声認識、AIを使い、教室での対面によるテストに代わるインタラクティブで会話的な代替手段を生徒たちに提供するサービス。運営元はinABLE(イネイブル)。
  • ADMINS (アドミンズ):大学の書類をオンラインで記入することが難しい障がい者に業務支援を行うチャットボット。開発元はOpen University(オープン・ユニバーシティー)。

この補助金は、ユーザーが現在勉強中で明かりを消してはいけないような緊急のニーズに応えるために、Azureクレジットまたは現金、またはその両方で支払われる。このプログラムに適合すると思われる活動に携わっている場合は、ここから申し込める

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(翻訳:金井哲夫)

ウォルト・ディズニー・スタジオが映画製作をクラウド化 、Azureと提携

最近では、あらゆるものがクラウドに移行しているようにも思える中、映画制作が取り残されているのはなぜなのか?米国時間の9月16日、ウォルト・ディズニー・スタジオは、Microsoft(マイクロソフト)と今後5年間の提携を発表した。コンテンツ制作をAzureクラウドに移行する方法を模索するための、イノベーションラボの設立に関するもの。

このプロジェクトでは「Walt Disney StudioLAB」という名前の実験的なワークスペースを設ける。そこではディズニーのスタッフが、さまざまなワークフローのクラウドへの移行を試してみることができる。ここには、映像制作ソフトウェアの会社であるAvid(アビッド)も一枚噛んでいる。

このような3社が協力して動くことで、創造的なクラウドベースのワークフローが生み出されることが期待されている。それにより、この高名な映画制作会社であるディズニー・スタジオのイノベーションサイクルを加速できるはずだ。大企業はどこも、コアとなるビジネスの種類に関係なく、革新する方法を模索している。ディズニーも例外ではないということ。

映画制作には、非常に膨大なコンピューティングリソースが必要となるため、クラウドは、そのための最適なモデルと考えられる。シーンのレンダリングやSFXの追加など、必要に応じてリソースのスケールを増減することができるからだ。ディズニーのCTOであるJamie Voris(ジェイミー・ヴォリス)氏が言うように、そうしたプロセスを効率的なものにすれば、コストを下げ、製作期間を短縮することができるはずだ。

「今回のマイクロソフトとのイノベーションを目指した提携により、私たちのプロセスの多くを最適化することができるでしょう。それにより、私たちの才能のある映像作家が自分の得意なことに集中できるのです」とヴォリス氏は声明の中で述べている。これは、一般的に大きな組織が求めているのと同様の、クラウド化のための価値提案となる。日常的なタスクを自動処理に任せることで、市場導入までの機関を短縮しようというわけだ。

この提携は、すでにマイクロソフトがAvidと結んでいる協力関係の上に成り立つもの。そこでは、Azure上でAvidのソフトウェアソリューションを利用し、映画製作会社向けにクラウドベースのワークフローを開発することに取り組んできた。ディズニーは、そこに独自の要件を追加する。そして、5年間のパートナーシップを通じて、より近代的なクラウドコンテキストの中で、必要なワークフローを最適化することを目指している。

画像クレジット:Chris Pizzello/Invision/Getty Images

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

Microsof Azureのクラウドリージョンがスイスでビジネス向けにオープン

Microsoft(マイクロソフト)は米国時間8月28日、スイスにおけるクラウドリージョンのローンチを発表した。同社は2018年に、チューリッヒとジュネーブに近いスイスの2つの地域に「Switzerland North and West」を開設する計画を初めて発表した。今年に入ってMicrosoftは、これらの地域、特にデータ常駐の規制に対処する必要がある業界の企業から、多くの関心が寄せられていると表明している。

新しいリージョンでは、コアとなるクラウドコンピューティングサービスのAzureのほか、Office365 、Dynamics 365、Power Platformがサポートされる。今回のローンチにより、Microsoftはクラウドサービスを世界56地域で提供することになり、これは同社のAzure戦略の大部分を占めている。

「スイスの新しいリージョンなど、特定の地域で提供されるMicrosoftのクラウドサービスは、スケーラブルで利用しやすく、耐障害性に優れたクラウドサービスを提供すると同時に、企業や組織がデータ常駐、セキュリティ、およびコンプライアンスのニーズを満たすのを支援する」と、MicrosoftのAzure Global担当コーポレートバイスプレジデントであるTom Keane(トム・キーン)氏は、今日の発表で述べている。「我々は、業界で最も広範なコンプライアンス認定・証明書を提供することにより、世界中の顧客が広範なセキュリティプライバシー要件に対応できるよう、データ保護に関する高度な専門知識を備えている」。

現在の顧客にはUBS Group、Swiss Re Group、Swisscom、BKW、City of Zug、die Mobiliar、Exploris Health、Skyguideなどの企業が含まれている。

一方、AWSは現在スイスではサービスを提供していないが、Google Cloudはチューリッヒ近郊に3つのアベイラビリティゾーンによるリージョンを運営している。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

MicrosoftがJavaアプリケーションのパフォーマンスを上げるサービスjClarityを買収

Microsoft(マイクロソフト)は米国時間8月19日、、Javaアプリケーションのパフォーマンスを上げるサービスであるjClarityの買収を発表した。今後そのサービスはAzureの上で行われることになり、また独自のJDKとしてAdoptOpenJDKが提供される。それはいわばOracle Javaの無料バージョンだそうだ。なお、買収の価額などは公表されていない。

Microsoftは買収を発表するブログ記事で、最近はAzure上のJavaの大規模なインストールがMinecraftのようなプラットホームを使う内部的なものと、DaimlerやAdobeなど外部の大型顧客の両方で増えている、と言っている。

そこで同社の考え方としては、jClarityのチームとそのツールセットが加われば、そういったJavaを使う顧客へのサービスを充実できる。ブログ記事には「Javaの優秀な使い手とデータサイエンティストたちから成るjClarityのチームは、JVMのデータドリブンな最適化でその専門的能力を実証しており、Microsoftのいろいろなチームを助けてJavaプラットホームの最近の進歩を有効利用できるようにするだろう」と書かれている。

AdoptOpenJDKはMicrosoftもそのプロジェクトに参加しており、そのほかに、Amazon、IBM、Pivotal、Red Hat、SAPといったそうそうたるプロジェクトメンバーがいる。

jClarityの共同創業者でCEOのMartijn Verburg(マーティン・フェルブルフ)氏は同社のブログ記事で今回の買収を発表し、当然ながらそれを極めて前向きに捉えている。彼はMicrosoftのことをデベロッパーとそのコミュニティの支援におけるリーダーと呼び、Javaのエコシステムを支えていく情熱と専門的能力において他と比べてまったく見劣りがしないと褒めちぎっている。そのため今回の買収に関する話し合いも、非常に円滑に進んだそうだ。

フェルブルフ氏はjClarityというオープンソースのプロジェクトをこれまでサポートしてくれた社員、顧客、そしてコミュニティに謝意を述べている。彼のMicrosoftにおける役職は、Java担当エンジニアリンググループの主席マネージャーになるらしい。

しかし、もしもAdoptOpenJDKがMicrosoftの所有物になってしまうのであれば、コミュニティはどう反応するだろうか。そしてまたプロジェクトに参加していたほかの大企業は、今後どういう態度をとるのか。それともMicrosoftは、AdoptOpenJDKに関しそのオープンソース性を維持するのか。

【編集部注】jClarityのプロダクトはすべてオープンソースだが、同社が顧客企業に提供するパフォーマンス向上サービスは有料サービスである。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Microsoft Azureの売上成長率はこのところやや低下

Microsoft(マイクロソフト)が米国時間7月18日に発表した2019会計年度第四四半期決算報告によると、同社のIaaSプロダクトであるAzureは64%成長した。大きな数字のように見えるかもしれないが実は、本会計年度全体を通して同製品の成長率は低下している。

すなわち2019会計年度の成長率は、Q1が76%、Q2が76%、Q3が73%で、最後の今四半期では64%にダウンした。成長率としては立派な数字だからレドモンドの廊下では誰もパニくっていないと思うし、大数の法則によれば、大きくなればなるほど成長は遅くなる。突出した数字は束の間なのだ。

Microsoft自身はクラウドインフラストラクチャ市場の第2位をしっかり確保しているから、束の間の突出とは言えない。Synergy ResearchのJohn Dinsdale(ジョン・ディンスデール)氏によると、成長率の低下よりもむしろ重要なのは、それでも市場全体の成長率よりは高いから、結果として同社のマーケットシェアが安定的に伸びていることだ。

ディンスデール氏はこう言っている。「Microsoftは明らかにクラウドインフラストラクチャサービス(IaaS、PaaS、プライベートクラウドのホスティング)のナンバーツーだ。AWSとの差は大きいが、その他大勢ははるか後方にいる。売上の増加率は市場全体の成長率–2016年9%、2017年11%、2018年14%、2019年Q1が16%–よりずっと高いから、マーケットシェアは徐々に増えている」。

CIS Q119

売上成長率が落ちても、今週のMicrosoftはAzureとOffice 365のサービスでAT&Tとの20億ドル(約2150億円)の契約を勝ち取った。Office 365はIaaSの市場とは無関係だが、同社が大きな顧客を獲得したことにはかわりない。

企業がワークロードをMicrosoftやAmazon、Googleなどのパブリッククラウドに移すというトレンドは、まだ始まったばかりの段階だから市場の成長率も大きい。そしてMicrosoftなどの前途には巨大な機会が待ち受けている。だから成長率がやや落ちたMicrosoftのAzureも、未来には大きな売上拡大の余地がある。

関連記事:マイクロソフトがOffice 365とAzureでAT&Tと2000億円超の契約

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

マイクロソフトは2022年までに1万5000名の労働者にAIのスキルと資格証明を賦与

Microsoft(マイクロソフト)は米国時間5月17日朝、同社が教育プロバイダーのGeneral Assemblyと提携して、一定範囲のAI関連スキルの資格証明と教育訓練に投資すると発表した。目標は2022年までに1万5000名を教育訓練して、世界中で多くのAI人材を確保することだ。教育訓練のフォーカスはAIと機械学習、データサイエンス、データエンジニアリングなどに置かれる。

この新事業の初年度には2000名を教育訓練してAIと機械学習のロールに移行させる。そしてその後の3年でさらに1万3000名にAI関連のスキルを教育訓練する。

この取り組みの一環としてMicrosoftは、他社とともにGeneral AssemblyのAIのStandards Board(スタンダード委員会)に加わる。今後の6カ月でこの委員会は、AIスキルのスタンダードを定義し、評価の基準を開発、キャリアのフレームワークを設計、そしてAIスキルの資格証明書を作る。

教育訓練事業は、現在需要のあるAI関連雇用を満たすことにもフォーカスし、そこではMicrosoft固有の技術も学習する。Microsoftによれば、航空宇宙や製造業などいくつかの業種では、Azureを使いこなせるような社員がとても少ない。そこで教育訓練のフォーカスは、AI人材を雇用したいと思っている企業のそのような、Microsoft固有技術のニーズにも対応していく。

また人材ネットワークAI Talent Networkを作り、そこから長期雇用の人材や契約労働者を見つけられるようにする。General Assemblyは、22の大学キャンパスや求人求職サイトAdecco(アデコ)にも縁があるので、この人材ネットワークをアシストできる。Adeccoは昨年General Assemblyが41300万ドルで売った企業だ。

Microsoftはこの事業の背景として、雇用創出へのAIのインパクトを挙げている。2022年までには、新しいテクノロジーによって最大13300万の新たなロールが作り出されるそうだ。もちろん、同社のソフトウェアやクラウドの顧客がAzureのような同社製品を使える人々を楽に見つけられるようになるという計算もある。

Microsoftでグローバル営業、マーケティング、オペレーションを担当する執行副社長であるJean-Philippe Courtois氏は声明で「テクノロジー企業がイノベーションにコミットしていくときには、労働者がAIの教育訓練にアクセスできて、今日と明日の職場で伸びていけるようにする責任がある。我々の業態とGeneral Assemblyの専門的技術が組み合わされば、スキルのギャップをなくし、企業はAIに駆動される経済において自らのポテンシャルを最大化できる。その成果が今からとても楽しみだ」と述べている。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

マイクロソフトとソニー、ゲーム界の二巨頭がAzureクラウドをベースに提携

この20年間、ソニーとMicrosoft(マイクロソフト)のゲーム部門は全面戦争状態にあった。両者は価格で、ゲーム機で、ゲームソフトで、特別ボーナスで常にがっぷり組んで相手を叩き潰そうとしてきた。しかし発表された覚書によれば、両者はこれまでの行きがかりを一時棚上げし、カジュアルなクラウドゲームによってGoogleがゲーム市場を席巻するのに備えようとしている。

具体的内容についてはまだほとんどわかっていない。しかし米国時間5月16日に公表されたソニーの吉田憲一郎社長とMicrosoftのサティヤ・ナデラCEOが握手している写真をフィーチャーした公式覚書には、両者がMicrosoft Azureをベースとしてクラウド化で提携したことが明記されている。

両社は将来のクラウドソリューションに関して共同で開発を進めることとした。両社のゲームおよびコンテンツのストリーミングサービスをMicrosoft Azureがサポートしていく。これに加えて、両社はMicrosoft Azureのデータセンターをベースとするソリューションをソニーのゲームおよびコンテンツのストリーミングサービスに適用する可能性を追求する

ソニーがゲームその他のオンデマンドサービスで他の多数のクラウドを利用できることは疑いない。実際、 Playstation Nowはその例だ。しかしここ数年のうちにゲーム界を激震が襲うことが予想されている。これはインターネットの浸透により消費者の多くがいわゆるコードカッターとなってケーブルテレビを解約しはじめたことと比較できる。Netflixなどのストリーミングサービスの躍進により、これまでテレビ番組や映画の視聴で圧倒的な勢力を誇っていたケーブルテレビ企業は一気に苦境に追い込まれた。ゲーム企業がこうしたクラウド化に対応するためには巨額の資金とノウハウを必要とする。

最も警戒すべき挑戦者はなんといってもGoogleだ。今年3月、GDCで発表されたStadiaゲームストリーミングサービスは、Googleの技術力、資金力、世界的認知度に加えて、検索とYouTubeという入り口を押さえている。これまでGoogleはゲームではさほど強くなかったが、今後は別だ。ブラウザでゲームを検索し、好みのゲームを発見すれば文字通り5秒後にそのブラウザ内からゲームがプレイできるというのは脅威だ。しかもこういうことができるのは現在Googleしかない。

これだけでも容易ならぬ暗雲だが、Microsoftとソニーに手を握らせることになった理由は他にもあるかもしれない。Switchの世界的大成功による任天堂の復活はその1つだ。「いつでも、どこでも、誰とでも」をキャッチフレーズとし、据え置き、携帯両対応でインターネットとモバイル接続に強く依存するSwitchは従来のゲーム専用機を時代遅れにしつつある。Apple Arcadeもあまり魅力が感じられないお仲間だが、正直こちらは誰も気にしていないようだ。

ソニーとMicrosoftの間には秘密のホットラインがあり、「休戦。まずGoogle Stadiaを撃滅。できればNvidia(エヌビディア)も」というようなメッセージがやり取りされたのだろう。

もっとも、想像をたくましくする必要はない。ソニーの吉田憲一郎社長は発表でこう述べている。

Microsoftとソニーはある分野では激しく競争してきたが、長年にわたってもっとも重要なビジネスパートナーの1つでもあった。今回のクラウド開発における両社のジョインベンチャーはインタラクティブなコンテンツのサービスを前進させる上で極めて大きな役割を果たすだろう。

世界的テクノロジー企業であるソニーはストリーミングサービスを手がける技術力もノウハウも持っている。しかしクラウドサービスをゼロから自前で立ち上げるより、すでに地位を固めているMicrosoft Azureの上で展開するほうが有利であるのは明らかだ。

MicrosoftにしてもAzureにソニーのような巨大企業を迎え入れることができればハッピーだ。ともあれソニーとMicrosoftがゲーム分野でライバルだったことはGoogleという両社のゲームビジネスの存立にかかわる脅威に比べれば何ほどのこともない。Microsoftもソニーと戦い続けるよりパートナーとなることが有利と見たはずだ。

ライバルと手を組むという複雑な関係ではソニーのほうが経験を積んでいる。ソニーは以前から撮像素子を始めとするカメラテクノロジーを多くのスマートフォン、デジタルカメラのメーカーに提供してきた。これはソニー自身のプロダクトとバッティングするわけだが、単に売上だけでなく、顧客メーカーからさまざまなノウハウのフィードバックを受けることがソニーが映像業界において不動の地位を確保する上で役立ってきた。

画像業界といえば、両社はソニーの撮像素子とMicrosoftの人工知能を統合した新しいテクノロジーの開発に向かっている。プロダクトとしてはロボティクス、自動運転車となる可能性が高い。この分野の競争は激烈だが、今のところ両社ともにこれというプレゼンスがない。提携の背後にはこの事情を変えていこうという野心もあるかもしれない。

画像:Christian Petersen / Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

Express Logicを買収してAzureのIoT対応に本腰を入れるマイクロソフト

Microsoft(マイクロソフト)は決して買収を躊躇するような会社ではないが、米国時間の4月18日、サンディエゴのExpress Logicを買収することを発表した。Express Logicは、世界中で増殖を続けるIoTデバイスを制御するRTOS(リアルタイム・オペレーティングシステム)を開発した会社だ。

買収価格は明らかにされていない。

Express Logicは、絵に描いた餅のような大きな目標を掲げる会社ではない。23年ほど前からあり、(同社の言葉を借りれば)「組み込み用とIoT開発者向けの産業グレードのRTOSおよびミドルウェアのソフトウェアソリューション」を開発、提供している。同社のシステムによって稼働しているデバイスは約62億もあると豪語している。この数字はMicrosoftのAzure IoT担当取締役、Sam George氏の口から出たものではないが、彼も今回の買収を発表したブログ記事に書いているように、この人気には理由がある。

「このように広く普及しているのは、リソースに制約のある環境をサポートする技術に対する需要があるからです。安全性とセキュリティが要求される領域だからなおさらです」と、George氏は述べている。

Constellation Researchのアナリスト、Holger Mueller氏によれば、この大きな市場シェアは、Microsoftのプラットフォームの信頼性をただちに高めることになるという。「これはMicrosoftにとって非常に重要な買収です。まず戦略面では、MicrosoftがIoTへの大きな投資に真剣に取り組んでいることを示すことになります。また、製品の開発の面でも、広く使われているRTOSのシステムコードを手中に収めるという、重要なステップとなります」と、Mueller氏はTechCrunchに語った 。

Express Logicのアプローチの長所は、低電力および低リソース環境で動作し、その範囲の製品に対して折り紙付きのソリューションを提供できること。「かなり幅広いカテゴリの製品を開発しているメーカーが、Express Logicのソリューションによって得られるサイズ、安全性、セキュリティの利点を活用して、製品化までの時間を短縮しています。たとえば、電球や温度計などに使われる小型のセンサーから、エアコン、医療機器、ネットワーク機器などまでがカバーできるのです」と、George氏は続けた。

Express LogicのCEO、William E. Lamie氏は、今回の買収を発表した顧客向けのブログ記事で、Microsoftファミリーの一員となることで、同社はさらに成長できるという楽観的な見解を表明している。「即時有効で、我が社のThreadX RTOSと、それをサポートするソフトウェア技術、そして優秀なエンジニアがMicrosoftに加わりました。これによって、Microsoftがすでに持っている第1級のセキュリティ技術が、マイクロコントローラーの分野でも活かされるようになります」と、Lamie氏は書いている。

Microsoftは、十分な実績のある製品を持つ定評のある会社を手に入れたことで、AzureのIoTビジネスを拡大することができる。今回の買収は、昨年4月に発表したIoTへの50億ドル(約5600億円)の投資の一環であり、そこにはAzure Sphere、Azure Digital Twins、Azure IoT Edge、Azure Maps、そしてAzure IoT CentralといったAzureファミリーも含まれている。

「今回の買収により、何十億という新たなエンドポイントに対するアクセスの扉を開くことができます。それはAzureにシームレスに接続できるデバイスの数を増やし、新しいインテリジェントな能力を引き出すことができます。Express LogicのThreadX RTOSは、MicrosoftのIoTデバイスに対するサポートの拡大に貢献します。そして、われわれのマイクロコントローラー分野での第1級のセキュリティ技術、Azure Sphereを補完するものでもあるのです」と、George氏は締めくくった。

画像クレジット:metamorworks/Getty Images

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

Xbox LiveにAndroidやiOSからも参加できるGame Stack、マイクロソフトがゲーム関連ツールを統合

Microsoft(マイクロソフト)は米国時間3月14日、同社のゲームに関するすべての製品を1つの傘下に収める新たな戦略を発表した。そこには、Xbox Live、Azure PlayFab、Direct X、Mixer、Virtual Studio、Simplygon、そしてAzureが含まれる。それはMicrosoft Game Stackと名付けられ、業界トップのスタジオにいるデベロッパーから、個人で仕事をしていデベロッパーまで、規模には関係なく必要な開発ツールを提供する。そうして開発されたゲームは、さまざまなデバイス、プラットフォーム上で動作することになる。

「Game Stackは、Direct XやVisual Studio、Azure、PlayFabといったゲーム開発プラットフォーム、ツール、サービスを、あらゆるゲーム開発者が利用できる堅牢なエコシステムに統合します」と、Microsoft Gaming Cloud担当の副社長のKareem Choudhry氏は述べた。「これはまだ始まったばかりの旅だと考えています」。

開発者が、利用したいサービスを自由に選ぶことができる、という点は注目に値する。例えば、Game StackにはAzureも含まれているものの、全体としては特定のクラウドサービスやデバイスに依存することはない。とはいえ、Microsoftとしてはデベロッパーが優先的にAzureを採用してくれることを望んでいるのは間違いない。つまるところ、最近のゲームのほとんどは、何らかのオンラインコンポーネントを含んでいる。それがマルチプレイヤーをサポートするゲームでないとしても、プレーヤーのアカウント、ゲームのパフォーマンスデータ、その他の情報を保存しておく場所を必要とするからだ。

Game Stackの中心的なコンポーネントとなるのがPlayFabだ。これはクラウドに接続するゲームを開発するためのバックエンドサービスで、これもAzureファミリーの一員に加えられた。Microsoftがこのサービスを買収したのは、去年の初めの頃のことだった。注目すべきは、それがメジャーなすべてのゲームプラットフォームをサポートしているということ。Xboxはもちろん、PlayStation、Nintendo Switch、さらにはiOS、Android、PC、そしてウェブまでを含む。

今日の発表に合わせて、Microsoftは、いくつかの新しいPlayFabのサービスを開始した。その中には、PlayFab Matchmakingも含まれている。これは、Xbox Liveのマッチメイキング機能を移植したもの。これにより、あらゆるデバイス用のゲーム開発で、すべてのデベロッパーが利用できるようになった。このサービスは、現在公開プレビュー中だが、プライベートプレビューとなっているものにも、以下のようなサービスがある。まずPlayFab Partyは、ボイスチャットにも対応したチャットサービスで、これもXbox Party Chatを元にしたもの。次にPlayFab Insightsは、リアルタイムのゲームのパフォーマンスを遠隔測定する。またPlayFab PubSubは、プレーヤーに対してゲームのアップデート、通知、その他の情報をプッシュする。そしてPlayFab User Generated Contentは、プレイヤー自身が作成したコンテンツを、他のユーザーと安全に共有できるようにする。これは、Minecraftマーケットプレイス用の技術を応用したものだ。

Game Stackは、単なるブランディングに過ぎないと感じられるかもしれない。しかし、AmazonGoogleに対抗するため、MicrosoftがPlayFabに多額の資金を注ぎ込んでいるのは明らかだ。それらのライバルも、最近、ゲームのデベロッパーをかなり重視する姿勢を示している。

以上の発表に加えて、Microsoftは今日、さらにXbox Live用のSDKを、iOSとAndroidデバイス向けに提供することも明らかにした。それにより、デベロッパーはXbox Liveのアカウントやコミュニティサービスを、これらのプラットフォーム上のゲームに組み込むことも可能となった。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

MicrosoftはOffice 365をクラウド上の仮想デスクトップから提供、そのためにFSLogixを買収

9月にMicrosoftは、ユーザーがOffice365とその下のWindows 10オペレーティングシステムをクラウドで動かす仮想デスクトップを発表した。そのとき、それを支えるいくつかのパートナーも発表されたが、その一つ、ジョージア州アトランタの仮想デスクトップ企業FSLogixだ。今日(米国時間11/19)Microsoftは、FSLogixの買収を発表したが、買収価額は共有しなかった。

Microsoft Office 365の企業担当VP Brad Andersonと、Microsoft Azureの企業担当VP Julia Whiteが、今日のブログ記事でこう述べている: “FSLogixは次世代のアプリケーションプロビジョニングプラットホームであり、仮想化のサポートに必要なリソースと時間と労力を節約できる”。

9月に仮想デスクトップを発表したときMicrosoftが挙げたパートナーは、Citrix, CloudJumper, Lakeside Software, Liquidware, People Tech Group, ThinPrint, そしてFSLogixだった。どうやら同社は、その一つは同社自身による保有が必要と考えて、FSLogixを買収したのだ。

Microsoftは、FSLogixのソリューションを自社のサービスにすることによって、より良い仮想デスクトップ体験を顧客に提供でき、とくに Office 365 ProPlusの顧客には高いパフォーマンスと速いロード・タイムが可能になる、と考えている。

FSLogixのファウンダーでCTOのRandy Cookは、Microsoftとはすでに長年、良好に協働してきたから、この買収は有意義だ、と言う。Cookは、買収を発表するブログ記事でこう述べている: “Microsoftのいくつかのチームと協働を開始したが、最初の時点から、両者のミッションが完全にかみ合ってことを認識した。FSLogixとMicrosoftは共に、仮想デスクトップをデプロイすることによって企業に絶対的に最良の体験を提供することに、献身している”。

今では多くの企業が社員たちに、完全なスタンドアロンのPCではなく、ダムターミナルを与え、社員たちが必要とするツールだけを動かしている。Citrixは、そういうサービスを企業に提供している。社員たちは朝仕事を始めるときに、自分の認証情報でサインインし、仕事のために必要なツールを動かす仮想デスクトップを得る。そのMicrosoftバージョンでは、社員たちが得るのは、Azureの上で動くOffice 365とWindows 10だ。

FSLogixは2013年に創業され、Crunchbaseによればこれまで1000万ドルを調達している。Microsoftによると、今日の買収はすでに完了しており、先週のXoxcoの買収の発表に次ぐ発表だ。Xoxcoは、AIを利用する会話型ボットを作っていたオースチンのデベロッパーショップだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Office 365とAzure、多段階認証がダウンして接続不能――Microsoftは復旧に全力

読者がMicrosoftクラウドのユーザーなら今朝はグッドモーニングという気分ではないだろう。

月曜の朝から世界的にMicrosoftの多段階認証システムがダウンし、クラウドに接続することができない事態が続いている。このサービスを利用しているユーザーは通常であればアカウント接続にあたってパスワードを入力するとテキスト・メッセージ、音声通話などにより認証コードが送られてくる。ところがパスワードを入力しても何も起きない。テキスト・メッセージも音声通話もその他の方法も一切沈黙だ。

Office 365の サービス・ヘルスのページでも「影響を受けたユーザーはサインインすることができない」と事態を認めている。

ダウンしてからそろそろ半日たつのにサービスはダウンしたままだ。

この記事の執筆時点で、Microsoftは多要素認証をクラウド・サービス本体から切り離すホットフィックスを導入し、一部のユーザーは運用を再開できたとしている。Microsoftでは引き続き「ユーザーが二段階認証が利用できなくなった原因の分析に全力を挙げている」としている。

しかし今のところはっきりした理由は分かっていない。TechCrunchではMicrosoftに問い合わせ中だ。回答があり次第アップデートする。

単なるパスワードによる保護に比べて、多段階認証はセキュリティーを大きく高めた。それだけにこの部分がダウンするとシステム全体のダウンを招いてしまう。セキュリティーが高いのはけっこうだが、ユーザーも接続できないほど高くては困る。やれやれだ。

〔日本版〕Microsoftのサポートページによれば、「ホットフィックスが全ユーザーに展開されるまでには時間がかかる」という。

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滑川海彦@Facebook Google+

Chefの標準ツールと最新ツールがMicrosoft Azureへ深く統合、安心のマイグレーションを担保

DevOpsオートメーションサービスChefが今日(米国時間9/25)、Microsoft Azureとの新しい統合をいくつか発表した。その発表は、フロリダ州オーランドで行われているMicrosoft Igniteカンファレンスで行われ、企業がレガシーアプリケーションをAzureへ移行する際の支援に焦点が絞られた。それに伴い、Chef Automate Managed Service for Azureのパブリックプレビューや、ChefのコンプライアンスプロダクトInSpecをMicrosoftのクラウドプラットホームに統合する例などが提示された。

Azure上のマネージドサービスとなるChef Automateは、コンプライアンスとインフラの構成の、管理とモニタリングを単一のツールでできる能力をopsのチームに与え、またデベロッパーは、Chef AutomateとChef ServerをAzure Portalから容易にデプロイし管理できる。それは完全なマネージドサービスであり、初めてのユーザー企業でも30分で使えるようになる、と同社は主張している。この数字には、やや宣伝臭があるかもしれないが。

構成を変えるときにはAzure上のChefユーザーは、AzureのコマンドラインインタフェイスであるAzure Cloud ShellでChef Workstationを使える。WorkstationはChefの最新の製品のひとつで、構成の変更を即席でできる。また、Chefが管理していないノードでも、対応できる。

コンプライアンス堅持のために、ChefはセキュリティとコンプライアンスツールInSpecのAzureとの統合をローンチした。InSpecは、MicrosoftのAzure Policy Guest Configuration(誰だ?こんな名前をつけたやつは!)と協働し、それによりユーザーはAzure上のすべてのアプリケーションを自動的に監査できる。

Chefのプロダクト担当SVP Corey Scobieはこう語る: “Chefは企業に、彼らが確信を持ってMicrosoft Azureに移行できるためのツールを提供する。ユーザーは単純に自分たちの問題をクラウドへそっくり移すのではなく、状態や状況をよく理解したうえで移行を行なう。事前に構成やセキュリティの問題を検出できるから、移行後の成功が確実になり、正しい、そして着実なペースで、移行できる実力を企業に与える”。

more Microsoft Ignite 2018 coverage

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

SnowflakeがAmazonだけではなくAzureクラウドにも拡大

クラウドデータウェアハウスであるSnowflakeが、Microsoftとの提携を発表し、そのプロダクトをAzureクラウドへと拡大した。新製品はまだプレビュー中だ。

SnowflakeのCEOであるBob Mugliaが、Microsoftで20年以上働いていたことを思えば、創業以来のパートナーであったAmazonに続いて、Microsoftが第2のパートナーとなったことは不思議ではない。しかし、Mugliaによれば、Microsoftとの旧来のコネよりも、市場からの要求の方が本当に多く寄せられているのだという。実際、現時点では、毎日1、2社のAzure顧客からの問い合わせを受けているという。

計画では、本日よりプライベートプレビューを開始し、サービスを他のプラットフォームに移植する際に発生する様々な課題を解決して、秋の適当な時期に一般開放をする予定だ。

このパートナーシップは突然結ばれたわけではない。それは既に1年を超える開発期間を経ているのだが、MugliaによればAzureはAmazonと比べると色々な点でまだ成熟しておらず、それらを解消するためには技術的な協力が必要なのだという。

「私たちはプロダクトを彼らのプラットフォーム上で動作させるために、いくつかの点についてMicrosoftと協力する必要がありました、特にAzure Blob Storageに関しては、少々異なるやり方をAzure上で行う必要がありました。よって動作させるために、私たちのプロダクトの内部に手を入れる必要がありました」と彼は説明した。

とはいえ、全体として両社のエンジニアたちは、こうした課題を解決するために協力しており、Mugliaによれば、プレビュー版の中ではまだ作業中のいくつかの機能はあるものの、秋にAzure版が一般公開されたときには、基本的にはAmazon上で提供されているものと同じものになるという。「私たちの目標はAmazon上のプロダクトと文字通り同じものを提供することです。私たちはMicrosoftと共に、その目標を達成することができると信じています」と彼は語った。

もちろんSnowflakeにとって、それは大幅な市場の拡大を意味する。今やAzureとAmazonどちらのプラットフォームを使う企業に売り込むことは可能になり、全く新しい顧客へのパイプラインを開くことができるからだ。Azureは、Amazonに続く第2位のクラウドプロバイダーだ

最も興味深い点は、もちろんAmazonとMicrosoftがクラウドの中で競合することだが、Snowflake自身もそれぞれのクラウドプロバイダーと、そのプロダクトで戦っている。この種のパートナーシップは、クラウドの世界ではますます標準的なものになって来ている。複数のプラットフォームにまたがって作業を行い、得意なところで競争を行うのだ。

「業界内での関係のほとんどに、なんらかの競合要素は含まれています、まあそれが普通ですけどね」と彼は語った。

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(翻訳:sako)

Microsoftが全国全世界に複数の事業所のある企業向けにAzureをハブとする仮想WANサービスを提供

Microsoftが今日(米国時間7/12)新たにローンチするいくつかのネットワーキング機能により、同社のAzureクラウドを使っている企業が、自分たちのオフィスやインフラストラクチャをより容易に、かつ、より安全にAzureのグローバルネットワークに接続できるようになる。

まず、Azure Virtual WAN(Azure仮想WAN)サービスは、企業の各事業所をAzureを介して接続する。その構造はエアラインのハブとスポークの構造に似ていて、Azureが中央のハブになり、各事業所間のデータはすべてそこを通る。

Microsoftが主張するこのネットワーキング構造のアドバンテージは、アドミンが会社のワイド・エリア・ネットワーク(WAN)を中央のダッシュボードから管理でき、そしてもちろん、今後Azureのさまざまなサービスやアプライアンスをバインドするのも容易である。それにユーザーは、Azureが提供するセキュリティサービスのすべてにアクセスできる。

それらの中で今日Microsoftがローンチした新しいセキュリティサービスがAzure Firewallだ。このクラウドネイティブなセキュリティサービスは、企業の仮想ネットワークのリソースを保護する。

これら、Azure上に作られる仮想WANなどの新しいネットワーキング機能に加えてMicrosoftは、そのAzure Data Boxサービスの新しいリージョンを二つ発表した。このBoxはAWSのSnowbollアプライアンスのMicrosoftバージョンで、アプライアンスを物理的に送ることによってデータをクラウドにロードする。その二つのリージョンはヨーロッパとイギリスだが、イギリスはまだヨーロッパの一部だ、という議論はここではやめよう。なお、数ペタバイトのデータを移動する必要のないユーザー向けには、Data Box Diskというオプションがある。最大5つまでのディスクをオーダーすると40テラバイトのデータを載せられるが、現在これはまだプレビューだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Microsoft Build 2018:キーワードはAIとエッジ――Azure IoT Edgeを大幅アップデート

この月曜(米国時間5/7)からシアトルでBuild 2018デベロッパー・カンファレンスがスタートした。Microsoftはここで人工知能とエッジ・コンピューティングに多大な力を入れている。特に目立ったのは、倉庫管理用の大型産業機器や油井をリモートコントロールするツールなどを含むエッジ・デバイスで作動する多くの既存のAzureサービスへの機械学習の適用だ。

こうしたサービスはひっくるめてAzure IoT Edgeと呼ばれているが、Build 2018で大幅なアップデートが発表された。IoT EdgeはAI、Azure、IoTデバイス向けカスタムアプリ各種からなる。

Microsoftが今日発表したAzure IoT EdgeはMicrosoftのIoT Hubサービスをベースとしているが、Event Grid やKubernetesコンテナのサポートと同時に同社のCognitive Services APIのサポートが発表された。 加えてMicrosoftはAzure IoT Edgeのランタイムをオープンソース化した。つまりデベロッパーは必要に応じてランタイムをカスタマイズすることができるようになる。

今回のハイライトは、エッジ・コンピューティングに対するCognitive Servicesのサポート開始だろう。現在このサービスは限定版となっており、Custom Visionの視覚サービスのみが利用できる。しかし将来は他のCognitive Servicesに範囲を広げる計画だ。このサービスの魅力は明らかだ。大型の産業用機器からドローンまで各種のデバイスがインターネット接続なしに機械学習を応用したサービスを利用できる。視覚サービスの場合であれば、オフライン状態でも機械学習モデルを使った対象の認識が可能になる。

AIに関しては、エッジ・コンピューティングをリアルタイムAI化する新しいBrainwave深層ニューラルネットワーク・アクセラレータ・プラットフォームが発表された。

MicrosoftはQualcommと提携し、IoTデバイス上で機械学習に基づく推論を実行できるAIデベロッパー・キットを発表した。 最初のバージョンはカメラの利用を中心としたものとなる。
Qualcommが最近独自の ビジョン・インテリジェンス・プラットフォームをスタートさせたことを考えれば驚くには当たらない。

IoT Edgeは機械学習関連以外の分野でも多数のアップデートを受ける。Kubernetesのサポートが開始されるのは大きい。またスマートな決断でもある。デベロッパーはKubernetesクラスターをビルドすることによってエッジ・デバイスとクラウドサーバーの双方にまたがるソフトウェアを容易に開発できるようになる。

Microsoftのイベント・ルーティング・サービスであるEvent Gridがエッジでサポートされるのも順当だろう。サービスを協調動作させるためにいちいちリデータセンターのサーバーを経由するのでなしに、エッジで直接ルーティングができればレイテンシーははるかに少なくなるはずだ。

この他、 IoT Edgeではマーケットプレイスの開設も計画されている。このマーケットプレイスではMicrosoftパートナー、デベロッパーがエッジ・モジュールを共有し、収入を得ることができるようになる。また新しいハードウェア認証プログラムでは、デバイスがMicrosoftのプラットフォームと互換性があることをメーカーが保証できる。IoT Edge、 Windows 10 IoT、Azure Machine Learningでは近くDirextX 12 GPUによるハードウェア・アクセラレーション・モデルの評価をサポートするようになる。DirextX 12 GPUはほぼすべての最新のWindowsパソコンで利用可能だ。

〔日本版〕Build 2018のセッションのライブ配信はこちら。Kevin ScottはMicrosoftのCTO。上のアニメでは1982年、高校時代のKevinが登場してマイクロコンピューターこそ未来だと主張する。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+