Twitterが新型コロナ感染拡大につながるツイート削除を強化

経済や日々の暮らしを麻痺させている世界的な新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大の深刻さを軽視している人がネット上にいる。そうした状況を踏まえ、Twitter(ツイッター)は大衆に新型コロナ感染のリスクを与えるようなツイートを削除するというさらに踏み込んだ対策を取る。新型コロナは世界中で急速に広まっている。

Twitterは18日、「かなりの新型コロナウイルスのリスクを人々に与え得る」ツイートを禁止するためにセーフティ・ポリシーを更新した。新ポリシーではウイルスに関する専門家のガイドラインを否定するツイート、「フェイクまたは効果のない治療や予防、診断方法」を促進するツイート、衛生当局や専門家を装って人々をミスリードするツイートを禁止する。

ブログ投稿の中でTwitterは、こうしたケースでは人々にツイートを削除させる必要があるとしている。TechCrunchはTwitterにこの措置がどういうものなのかより明確にするようTwitterに尋ねている。

アップデート:強制措置を取る中でアカウント履歴のような要素を考慮するとTwitterは明らかにした。これは従来どおりだ。同社の既存のガイダンスによれば、「ツイートがTwitterのルールに抵触したと判断した場合、ルールを破ったユーザーがそのツイートを削除しなければ再びツイートはできないようになっている。これはユーザーに攻撃的なツイートを削除させるためだ。ユーザーにはメールで通知され、ツイートを削除するか抗議するチャンスが与えられる。こうしたプロセスの間、問題のツイートは非表示となる。

Twitterが示した新しいガイドラインでは、そうした手続きを省略する。このルールに基づけば、「ソーシャルディスタンス(他人と距離を取ること)は効果はない」といったツイートは削除対象となる。Twitterはまた、漂白剤を飲む、など効果がなく危険な情報をフォロワーに流すツイートをしたユーザーに削除を求める。たとえ、そのツイートが「冗談」でもだ。というのも、そうしたコンテンツが前後の文脈なしで一人歩きしたとき有害なものになるからだ。

Twitterはまた、衛生当局が推奨するものとは逆の行動を取るよう他のユーザーに呼びかけるツイートも禁止した。たとえば、「コロナウイルスは嘘で、現実のものではない。だからバーに出かけて経営に貢献しよう」といったものだ。つい最近、一部の政治家が似たような発言をし、非難を浴びた。この中には、Fox Businessの視聴者に「出かけよう。地元のパブに行こう」と呼びかけたカリフォルニア州選出共和党議員Devin Nunes(デビン・ヌネス)氏が含まれる。

新しいルールではまた、偽医者を演じたり、「湿った咳ならコロナウイルスではない。乾いた咳はコロナウイルス」といった主張をする人のツイートも禁止する。加えて、中華料理店に行くのを控えるように呼びかけるなど、人種や国籍に基づいて特定のグループをコロナウイルスと関連づけることも許されない。そして、「黒人はコロナウイルスに感染しない」というJohn McAfee(ジョン・マカフィー)のツイートのような人種に基づく主張も禁止される。

コロナウイルスに関連する誤情報のルールを適用するのは難しいことが予想される。健康に関する誤った情報がTwitter上で広がることを阻止するために強化されたポリシーを、かなり多くのツイートがすり抜けることになるかもしれない。

パンデミックで提起された難題に向き合うため、Twitterは有害である可能性の高いツイートが特定され、そして削除されるよう「コンテンツ・シビアリティ・トリアージ・システム」を適用すると話した。同社は以前、プラットフォームルールに反するコンテンツをとらえるのにオートメーションと機械学習に大部分を頼る、とした。一部では間違った対応になるかもしれないことを同社は認めている。

事態を落ち着かせるための取り組みとして、Twitterのポリシーは積極的で流動的なアプローチとなっている。ソーシャルネットワークでは珍しいものだ。今後数日で取り組みがどのように展開されるのか、 COVID-19が全世界にとって脅威となる中でTwitterが致命的な誤情報の拡散を制御できるのか、TechCrunchは今後もフォローする。

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(翻訳:Mizoguchi

富士フイルム富山化学開発のインフルエンザ薬が中国の治験で新型コロナの治療に効果

中国の医療機関が武漢と深圳の患者に対して行った治験によると、日本製のインフルエンザ薬であるファビピラビルィ(販売名:アビガン)が、この薬で治療を受けた患者の体内新型コロナウイルス(COVID-19ウイルス)の存続期間を減らし、肺の症状を改善する効果を示した。

治験を受けた患者は計340名で、薬はすでに開発されインフルエンザの治療に承認されているので、The Guardianの報道では、米国時間3月18日に中国科学技術省のスポークスパーソンとして記者に語ったZhang Xinmin()氏によると「安全性が高い」。その試験は、患者が新型コロナウイルスの検査で陽性である期間を11日からわずか4日に短縮し、ファビピラビルで治療した患者の約91%で肺の症状が改善した。治験を受けなかった患者の改善率は62%だった。

新型コロナウイルスの治療におけるこの薬の効力を試験しているのは中国だけではない。日本の医師たちも独自の研究を積み上げている。日本の厚生労働省筋が毎日新聞に語っているところによると、この薬は現在、約70名から80名に投与されているが、初期の結果では、ウイルスが大きく増殖している重症患者の治療には効果がないことが示されている。

それでも軽症の患者ではウイルスの存続期間を減らし、中程度の症状の患者にも効力があったことは、現在進行中の新型コロナウイルスとの戦いにとって大きな成果だ。ファビピラビルが承認されるまではもちろんさらなる臨床試験(治験)が必要であり、そのあと、各国政府機関の承認を経て広範な利用が可能になる。

新型コロナウイルスの治療には、そのほかの薬もテストされ、あるいは開発されている。しかし、新型コロナウィルスの治療用として公式に承認された薬はまだない。初期において有望の兆候を示した他の薬の中には、ギリアド・サイエンシズが開発した化合物レムデシビルなどがある。この薬は汎用の抗ウイルス物質として有望視されている。

画像クレジット: Akio Kon/Bloomberg / Getty Images

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

NASAとSpaceXは新型コロナに屈せず、5月中旬から下旬に初の有人打ち上げを予定

NASAとSpaceXは3月18日、商用有人打ち上げDemonstration Mission 2(Demo2、デモンストレーション・ミッション2)のメディア認定招待状を発送した。商用有人計画で初めて、人を宇宙に送り込むミッションだ。この招待状には現在公表されているスケジュールが記されているが「5月中旬から下旬より早くなることない」という。

今年の初め、打ち上げウィンドウは5月に決定したが、宇宙船と乗員の準備の進捗に応じてSpaceXとNASAは、早ければ4月、遅ければ6月下旬に変更する可能性があると伝えていた。SpaceXは、このミッションで使用するCrew Dragon(クルー・ドラゴン)の準備を早々と整えているとのことだが、NASAはこのデモミッションで国際宇宙ステーションに送られる飛行士Bob Behnken(ボブ・ベンケン)氏とDoug Hurley(ダグ・ハーレー)氏の宇宙滞在期間を延長するなど、ミッションの内容を変更した。

SpaceXの宇宙船で宇宙飛行士が打ち上げられるのは今回が初めてであり、商用有人計画で人を乗せて飛行するのも初めてとなる。これを通じてNASAは、民間のロケット打ち上げ企業と協力して、人を宇宙に送り込む能力を再び米国の国土に取り戻そうと頑張っている。現在、国際宇宙ステーションの行き帰りは、ロシア連邦宇宙局ロスコスモスとの協力関係により、すべてロシアのソユーズ宇宙船で行われている。

今のところNASAもSpaceXも、Crew Dragonによる初の有人ミッションの予定が、新型コロナウイルスのパンデミックによって変更される心配はしていないようだ。今回のNASAからの招待状は、現時点でミッションが健在であることがもっとも詳細にわかる確認証であり、打ち上げウィンドウまでの日程は、COVID-19の感染が米国で拡大し厳しい社会的距離の確保や隔離措置が実施される以前のものから変わっていない。

最近になってNASAは、すべての施設の有事対応段階を「ステージ3」に引き上げた。これにより、ミッション関連の仕事のために実際にオフィスに出向く必要のある人間を除き、すべての従業員がテレワークを要請される。NASAのエイムズ研究センターは、すでにステージ4にまで引き上げられた。同センターが位置するカリフォルニア州の郡政府から、自宅待機命令が出されているためだ。この命令により、施設は閉鎖されテレワークのみが許可される。

3月18日にメディア向けに発送された招待状でNASAは「新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大の状況を積極的に監視」し、「ミッションの進行やメディアの取材に影響する事態が発生した際には準備ができ次第、最新情報をお伝えします」と書かれている。さらにNASAは、ハーレー氏とベンケン氏の健康を維持するため、打ち上げ前に規定されている自宅隔離措置を実施しているが、それに加えて体調を崩さないよう特別な予防対策も講じているとも伝えている。

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(翻訳:金井哲夫)

トランプ大統領が新型コロナ対策に国防生産法を発動、マスクと人工呼吸器の増産を約束

3月18日、ホワイトハウスの記者会見の冒頭でトランプ大統領は国防生産法を発動したことを確認した。今週に入って新型コロナウイルス(COVID-19)の世界的流行と戦うために大統領はこの法律を用いるべきだとする声が各方面から強くなっていた。

この法律は米国が冷戦の最中だった1950年に制定されたもので、大統領は企業に対し国防のために必要な契約または措置を命じることができる。また必要な生産を可能にするために資産の徴発、労働争議の仲裁、賃金や価格の管理などの広範な権限を大統領に与える。

この法律が発動された理由の一部は、防護マスク、手袋、人工呼吸器など新型コロナウィルスと戦う最前線の医療スタッフが必要とする基本的物資が米国全体で不足しているからだ。記者会見で記者側から指摘があったように、医療施設は数週間前から人工呼吸器が不足し始めており、重大な事態が迫っていると警鐘を鳴らしていた。また今週に入るとマスクに関する状況が悪化していることがたびたび報じられた。使い捨てマスクを再利用したり、マスクを自製したりするなど、リスクの高い間に合わせの手段に頼らざるを得ない医療スタッフが増えているという。

トランプ大統領は次のように述べた。「この法律を発動したのは、まずマスク(の生産)のためだ。信じられないほどの数のマスクが必要とされる。数百万個が発注済だがさらに数百万個が必要だ。まさかこれほど多数のマスクが必要になるとは考えもしなかったが、ともかく数百万個のマスクが緊急に必要なのだ。すぐに発注する。米国には多数の人工呼吸器が必要だ。それは複雑な装置なので(生産は)大変だ。米国には多数の人工呼吸器があるがさらに多数を発注する」。

政府は以前、使用可能な人工呼吸器の数について正確な数値を調べて発表すると述べていた。今回も同じ質問があったが答えは同じだった。しかしマイク・ペンス副大統領は概数を挙げた。副大統領によれば、「1万以上の人工呼吸器が在庫にある」という。この数字は病院や企業内に存在する数を含まない戦略的備蓄だという。

トランプ大統領は、記者団から「連邦政府や州の政治家、専門家から要請が上がったのに国防生産法を発動するまでになぜこれほど時間がかかったのか」と単刀直入に質問された。

大統領は「人工呼吸器が数千台もあると聞けば大変な数に聞こえる。(新型コロナウィルスは)全く予期しなかった問題だ。(人工呼吸器の)台数など政府では誰も考えたこともないし、そんな大きな数字を見たこともない」と答えた。しかし医療専門家はかなり以前から警告を発していた。トランプ大統領がこれは(国防生産法を必要とする)重大な危機だと公に認めるようになったのは最近の変化だ

さらに「米国では数週間前からもっと多くの人工呼吸器が必要だと知っていた」と追求されると トランプ大統領は「それはよく知っていた」と認めたが、「どうなるか様子を見極める必要があった」と弁解した。つまりこういう数字は最悪のシナリオに基づいており、「たいていの場合そうした予想よりも少ない数で済む」とした。しかし、今週に入って、米国のある人工呼吸器メーカーは「生産量を5倍に増やすことは可能だが、そうは求められていない」と述べている。

もちろん国防生産法の発動は、あらゆるハードウェアを製造する米企業に広範囲な影響をもたらす可能性がある。国防生産法は、何であれ国防に必要な物資の生産を優先させるために大統領に非常に幅広い権限を与えるからだ。大統領は新型コロナウイルスとの戦いに有益であると認めれば企業にその生産の優先を命じることができる。当面、国防生産法に基づく命令は人工呼吸器とマスクの増産に絞られるようだ。しかしこの権限は臨時の病院、診療所、またそれらに必要を機器を含め、緊急医療施設を新設することにも拡大できる。

同時にトランプ大統領は新型コロナウィルスの救援活動のために海軍の病院船、マーシーとコンフォートの動員を許可している。マーシーはニューヨークに展開する一方、現在サンディエゴ港に停泊しているコンフォートは必要とされる場所に向かう準備を整えている。双方とも1週間以内に活動開始可能だ。また臨時施設の建設、設置その他の措置の支援のために米陸軍工兵隊が動員できるという。

画像:Alex Wong / Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

ChromeとChrome OSのリリースも一時休止

Googleは米国時間3月18日、「予定されていたChromeとChrome OSのリリースを「スケジュールの調製のために」休止する」と発表した。

ただしセキュリティアップデートは、現在の安定リリースバージョンであるバージョン80にマージされる。「セキュリティに関するいかなるアップデートも継続的に最優先し、Chrome 80に含まれることになる」とチームは本日の短い発表で言っている。

しかし機能の新たなアップデートは、お預けのようだ。Chromeのバージョン81は目下ベータだが、当分そのままだろう。現在の状況ではいろんなものが先行き不透明だが、Googleが通常のアップデートをいつ再開するつもりか、それも不明だ。

今週初めにGoogleは、新型コロナウイルス(COVID-19)によるパンデミックでオフィスの人員が減っており、Androidアプリのレビューに時間がかかることを明らかにしていた。YouTubeも同じで、スタッフを保護するためにコンテンツのモデレーションにAIのアルゴリズムを多く使うと発表している。しかしそのために誤検知が多くなり、利用規約に違反していないビデオでも取り去られるだろう。

今やGoogleなどのテクノロジー企業では在宅勤務が増えているから、人手不足に伴うこのような発表が今後も増えるだろう。今後の見通しが得られるのは、数週間先以降ではないか。

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Androidアプリの公開用レビューも新型コロナウイルス影響で遅れがちに
YouTube warns of increased video removals during COVID-19 crisis(COVID-19危機の間は削除されるビデオが増えるとYouTubeが警告、未訳)

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

ホンダが新型コロナ影響で北米の全工場を6日間閉鎖

ホンダは3月18日、新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大による経済停滞でマーケット需要の低下が見込まれることから、北米の全工場を6日間閉鎖すると発表した。

工場閉鎖は北米の従業員2万7600人に影響する。ただし閉鎖中も全従業員に給与は支払われるとのことだ。この期間中、12のプラントで車両4万台の生産がなくなる。

「閉鎖は3月23日からで、3月31日に生産を再開する」と同社は声明で述べた。工場ならびに、オハイオ、インディアナ、アラバマ、カナダ、メキシコにあるトランスミッションやエンジンのプラントも一時閉鎖される。閉鎖期間中、工場設備や共用スペースの徹底的クリーニングを行う。

ホンダの一時閉鎖は米国にあるオートメーカーとしては初の全面的措置だ。Ford(フォード)やGMといった他のオートメーカーも、驚くようなシフトや施設内の清掃・消毒などを含む新型コロナウイルス拡大を抑制する策を取っている。しかしUnited Auto Workersが工場を閉鎖するよう呼びかけているにもかかわらず、ほとんどの工場は稼働している。

今回の工場閉鎖はホンダだけにとどまらず、米国全体としては始まりにすぎないかもしれない。地元自治体や州、政府が不可欠でない事業は閉鎖するよう推奨したり、命令したりしているからだ。

ホンダは引き続き状況をみながら「必要ならば追加の措置を取る」と話した。

画像クレジット:Ty Wright/Bloomberg / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

テスラは自宅待機要請に反して工場の従業員に出勤を指示

Tesla(テスラ)は、米国カリフォルニア州フレモントの工場は閉鎖せず生産を続ける。アラメダ郡の自宅待機要請が出ている間の操業が可能か否かについて、「政府の異なるレベルからの指示が矛盾」しているためだと、水曜日、同社の人事部から従業員へ向けた電子メールが伝えた。

テスラの人事部は、製造、サービス、配達、自社製電気自動車のテストの各部署に所属する従業員は、アラメダ郡の自宅待機要請に関わらず出勤するよう求めている。郡は、新型コロナウイルスによるCOVID-19の世界的感染拡大のため、バー、スポーツジム、レストランなどの不要不急の事業は停止するよう要請している。

テスラからもアラメダ郡当局からも、コメントを聞き出すことはできなかった。応答があれば更新情報をお伝えする。

テスラの工場とその複数の関連施設は、フレモントとその周辺に点在しており、すべてアラメダ郡の中にある。問題の電子メールは、アラメダ郡保安官がテスラの工場を「不要不急の事業」であり自宅待機要請に従うべきと宣言した後に送信されている。

他のテスラの従業員から聞いたところによれば、テスラは今すぐ生産を中止するつもりはなく、郡と真っ向から対立しているという。匿名で取材に応じたある従業員は、フレモント工場から車が出荷できるように仕事を続けてほしいと3月18日に言われたと話している。

3月18日に、人事部から従業員に送られた電子メールは以下のとおりだ。

市、郡、州、連邦政府からはまだ、私たちの事業の状況に関する最終判断が届いていません。政府の異なるレベルから受けた指示が矛盾しています。

それまでは、必要不可欠な従業員のみで操業を続け、その他の従業員は、自宅勤務、または私たちの事業に対する疾病対策センターのあらゆる指示に従い勤務していただきます。

みなさまの業務分担に変更はなく通常どおりです。担当部署が必要不可欠な業務、つまり生産、サービス、配達、テスト、サポートに携わる方は、今までどおり出勤してください。これら必要不可欠な部署に属さないみなさまには、各部の責任者から必要業務を支援するための一時的な転属の提案、または自宅待機の指示が出ます。

具合が悪い場合は、有給休暇を利用して自宅に留まってください。有給休暇の残りが少ない方には、有給休暇を使い切った後に最大80時間(2週間)分を貸与します。担当責任者にその旨を報告し、通常の病欠の手続きを行ってください。

出勤して仕事を続けることへの不安をテスラの人事部に相談した従業員は、人事部は上記のメールにほぼ沿った内容に、いくつかの詳細情報が追加された返信を受け取っている。

TechCrunchが入手した一通の電子メールでは、出勤できない者、あるいは出勤したくない者は、有給休暇を使うか、有給を使い果たした場合は無給の休暇を取るよう従業員に指示している。またこのメールは、健康上のまたは出勤が不可能な理由により休む判断をした場合には、ペナルティーも懲戒処分も科さないと伝えている。

匿名を条件に話をしてくれたある従業員によれば、セールス担当者は状況に応じて自宅勤務ができるという。テスラ製自動車の納車担当者は出勤の必要があり、購入者の自宅まで直接届けるように言われているとのことだ。

テスラのウェブサイトには、同社のフレモント工場では1万人以上を雇用していると書かれている。普段は、その電気自動車工場には従業員が溢れている。そこで生産されている車両は、Model S、Model X、Model 3、Model Yだ。

自宅待機要請は、米国の他の自動車メーカーの行動とも対立するが、それらはどれも自宅待機を要請している郡には属していない。ホンダは3月18日、新型コロナウイルス(COVID-19)による需要の低下を受け、米国内12箇所にある工場すべてを、3月23日から6日間操業停止にすると発表した。

全米自動車労働組合は、従業員の保護と新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、GM、フォード、FCA(フィアット・クライスラー・オートモビルズ)と対策本部を設立した。同組合は、自動車メーカーに対して、工場を一時的に停止するよう促している。全米自動車労働組合は3月18日、米疾病対策センターによる職場での社会的距離の確保勧告へのアドヒアランスをさらに強めた新たな措置に各自動車メーカーが同意したと話した。

この3つの自動車メーカーは、順番に工場を停止する措置、工場施設と工具のシフトごとの入念な洗浄、シフト間の空き時間の延長、従業員の感染防止のための対策強化を実施することに合意している。

彼らはリスクを最小限にするためにシフト制で仕事をしていると、全米自動車労働組合のウェブサイトに掲載された最新記事には書かれている。「これらの企業は会員を代表し、ワシントンD.C.で業界の混乱に対処する我々と協力することに合意しました」

更新情報:フォードは、北米のすべての工場を3月30日に閉鎖すると発表した。

画像クレジット:David Butow / Getty Images

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(翻訳:金井哲夫)

米三大自動車メーカーが新型コロナウィルスの脅威で北米の全工場を閉鎖へ

米国イリノイ州デトロイトの三大自動車メーカーが新型コロナウィルスの脅威を受けて全工場を閉鎖する。詳細はまだ検討中で近く発表される予定だ。

過去数日間、米自動車労働組合(UAW)は、労働者の安全を考慮して工場を閉鎖するようメーカーに求めてきた。UAWのRory Gamble委員長はメーカーに書状を送り、2週間の閉鎖を要請した。この圧力がメーカーの思考プロセスに影響を与えたのかどうかは定かではない。

Ford(フォード)とFCA(フィアット・クライスラー・オートモビルズ)は、ミシガン地域の一部の工場でのみ、操業を停止する意向だと発言していた。米国時間3月18日、ホンダは北米の12工場の全操業を停止すると発表した。その中にはオハイオ州、インディアナ州、アラバマ州、カナダ、およびメキシコのトランスミッションおよびエンジン工場が含まれる。フォードとGM(ゼネラル・モーターズ)も数時間後に歩調を合わせた。そして午後にはFCAも全面閉鎖を決定した。

この時期になって自動車メーカーは製造、組立て工場に注目し始めたようだ。ほとんどの自動車メーカーが、オフィスワーカーについてはすでに在宅勤務を実施している。

主要自動車メーカーの各工場に加え、第三者の部品提供会社も影響を受ける。提供していた部品が不要になるからだ。この閉鎖によって最終的に何人の労働者が影響を受けるのかまだわかっていない。

Teslaは在宅勤務指令の元で作業していると報道されている。3月18日にTechCrunchは、Tesla(テスラ)のカリフォルニア州フリーモント工場の従業員向けに詳細な指示が書かれた社内メモを入手した。

一部を抜粋する。「通常の業務に変わりはなく、製造、サービス、配送、試験、サポートなどの重要任務についてる人たちは、上司と相談の上これまで通り出社して仕事をすること」。Teslaの製造労働者は、デトロイトの三大自動車メーカーと異なり、自動車労働組合に属していない。

画像クレジット:Veanne Cao

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

ニューヨーク証券取引所が一時的に「立会場」を閉鎖、電子取引のみに移行

ニューヨーク証券取引所(NYSE)の運営者であるIntercontinental Exchange(インターコンチネンタル取引所)は米国時間3月18日、3月23日に立会場を閉鎖し電子取引に全面移行すると発表した

実際に閉鎖される場所は、NYSEとNYSE American Options取引所、およびサンフランシスコのNYSE Arca Options取引所の3カ所。

運営者によると、トレーダーおよび取引所職員の健康を守るための予防措置としてこの決定を下した。これまでに同取引所で働く2名が新型コロナウイルス(COVID-19)テストで陽性反応を示したが、彼らは今週建物内にはいなかった。ニューヨーク証券取引所のStacey Cunningham(ステーシー・カニンガム)社長は米国時間3月18日、CNBCで次のように語った。

「NYSEの立会場は発行人と投資家にとって特別な価値を提供する場所だが、当市場は全電子化方式のもとでもすべての参加者に対してすべてのサービスを提供することが可能であり、再び立会場を開くまでの期間、このやり方を進めていく」とカニンガム氏が発表で語った。「予防措置として立会場を閉鎖しても、株式市場が投資家にとって開かれた利用しやすい場であると信じている。立会場の閉鎖に関わらず、全NYSE市場は通常どおりの取引時間で運用を続ける」。

これが株式市場の動きに実質的影響を与えることはないだろう。米国以外では、立会場が残っているところはほとんどなく、大部分の取引きがすでに電子化されている。NASDAQ(ナスダック)も全電子化証券取引所だ。それでもNYSEは、一部の「場立ち」と呼ばれる証券マンがいなくなることに触れ、いつ立会場が復活するかについては何も語らなかった。

画像クレジット:Spencer Platt / Getty Images

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Facebookが新型コロナウィルス情報センターをニュースフィードの上に設置

新型コロナウイルス(COVID-19)に関する信頼できる医療情報を広めるために、Facebook(フェイスブック)は独自のコロナウィルス情報センターを開設する。巨大ソーシャルネットワークの中央ハブとして、CDC(米疾病対策センター)やWHO(世界保健機関)などから集めた情報を掲載する。

「これを全メンバーのニュースフィードの最上部に配置する」とFacebook CEOのMark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)氏が新機能を発表した電話会見で語った。

情報センターは、今後24時間以内に米国の多数の地域およびヨーロッパの一部で公開され、数日のうちにさらに世界中に展開していく。

ザッカーバーグ氏は、信頼できる医療情報を「当社サービスを利用する全員の目の前に」提供することが目標だと語った。情報センターには、世界の医療専門家へのリンクを中心に、有名人、政治家、ジャーナリストらの投稿も掲載して、十分に吟味された役立つ情報をできるだけ多くの人々に拡散できるようにする。

「日々の変化に対応できるように設計している」とザッカーバーグ氏は言った。提供すべき情報は場所ごとに異なる。国や地域によって方針が異なるためだ。Facebookでは各地の政府・自治体と連携して情報を選択していると同氏は説明した。

これまでにもFacebookは、災害支援のためのメッセージ機能やツールを多数追加してきたが、新型コロナウィルスはさらに大きな難題をもたらしているという。「今回のような規模でやる必要があったことはかつてなかった」とザッカーバーグ氏は言った。

Facebook傘下のサービスで、偽情報の追跡が困難なことで悪名高いWhatsApp(ワッツアップ)も、独自の新型コロナウィルス情報ハブを設置した。

新型コロナウイルスに関する誤情報監視の取り組みとあわせて、Facebookは医療用マスクの広告やリスト掲載を禁止した。医療用マスクは最前線に立つ医療従事者に不可欠な保護器具であり、世界的な品不足の危機に貧している。それでも、世界最大のソーシャルネットワークには監視をすり抜ける楽観主義者がいる。

Facebookは、Microsoft(マイクロソフト)に続いて事務所閉鎖の影響を受け生活の危機を感じている非正規社員への給与支払を約束した。

新型コロナウィルスは世界経済を一変させ、ビジネス界に大規模な混沌を生み出している。テクノロジー業界のなかでも最も対応能力があり資源も豊富な巨人でさえ例外ではない。FacebookのF8デベロッパーカンファレンスを含めあらゆる主要テックイベントが中止あるいはオンライン開催になり、この年は業界の誰もが予想しえなかった様相を呈すことになるだろう。

画像クレジット:dowell / Getty Images

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Waymoが新型コロナ対策で完全ドライバーレスを除くロボタクシーサービスを停止

Waymoは3月17日、新型コロナウイルス(COVID-19)流行を受けて、フェニックスエリアで展開しているWaymo Oneサービスの一時取りやめを明らかにした。このサービスは、訓練を受けたセーフティオペレーターが運転席に乗り込んでいる自動運転車の配車をユーザーが依頼できるというものだ。同社はまた、カリフォルニアでの公道試験も中止している。

しかしウェブサイトでの発表によると、Waymoは一部のオペレーションを継続している。それは、セーフティドライバーを必要としない完全ドライバーレス車両だ。これらのドライバーレス車両は、一部のメンバー向けのアーリー・ライダー・プログラムの一環としてフェニックスで展開されている。

Waymoアーリー・ライダー・プログラム、Waymo Oneサービスどちらも、チャンドラーやテンペなどの郊外を含む限定区域内でフェニックス住民を輸送するのに自動運転のChrysler Pacificaミニバンを使用している。昨秋まではこれらの「自動運転乗車」すべてで運転席にはセーフティドライバーが乗り込んでいた。

昨年10月、Waymoはアーリー・ライダー・プログラムのメンバーに、セーフティドライバーが乗り込まないドライバーレス車両による乗車の提供を始めた。

Waymoはドライバーレス車両をきれいに保つ策を強化した、と話す。車両は1日に数回清掃・消毒される。また、乗車する人が利用できるよう、全車両に消毒製品を備え付けた。

以下が発表全文だ。

我々のライダー並びにWaymoコミュニティ全体の健康と安全のために、新型コロナウイルスの状況を鑑みて、Metro Phoenixでの訓練を受けたドライバーが乗り込むWaymo Oneサービスを当面取りやめる。

ローカルデリバリーやトラック輸送とともに、フェニックスでの完全ドライバーレスオペレーションはアーリー・ライダー・プログラムとして継続される。

適切な距離を保つことの重要性を認識し、またCDCや地元当局が共有している衛生ガイドラインを守りながら、我々はライダーやパートナーのためにドライバーレス、デリバリー、トラッキングのサービスを提供する。ドライバーを取り除くことは、移動をより安全なものにするだけでなく、こうした不安定な状況でライダーの健康をサポートするのにも貢献する。

我々は今後も注意深く新型コロナウイルスの状況を見守り、サービスに変更が生じる場合はライダーにお知らせする。それまでは我々のライダー・サポートチームがあらゆる質問に答える。

Waymoスタッフ一同みなさんの健康を願っている。

こうした動きは、新型コロナウイルス感染拡大を抑制しようと特別対策を取っている国のガイダンスに基づくものだ。また、少なくとも1件の事案が影響している。その事案とはWaymo One車両のドライバーが、新型コロナウイルス感染例が確認されたと聞いたためにアリゾナ州チャンドラーにあるIntel(インテル)のキャンパスでのピックアップを拒否したというものだ。

カリフォルニア州外での輸送やトラックテストを含むUPSとのパートナーシップは継続される。

画像クレジット:Dllu / Wikimedia Commons under a CC BY-SA 4.0 license

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(翻訳:Mizoguchi

PlayStation 5は5GB/秒超で容量825GBのSSD搭載、GPUはAMDのRDNA 2アーキテクチャ

ソニーが1月のCESで発表したのはPlayStation 5という名前だけだった。 同社はサンフランシスコで開催されるはずだったGDC(Game Developers Conference)で盛大なプレゼンを計画していたが、新型コロナウィルス(COVID-19)問題が発生してしまった。そこでイベントをライブストリーミングで実施することとした。このビデオが次世代ゲーム・コンソールについて現在最も広汎で確実な情報となる。

ビデオではPlayStationのリード・システムアーキテクトを務めるMark Cerny(マーク・サーニー)氏がカメラに向かって地味なプレゼンを始める。カンファレンスがこうしたライブストリーミングになったのは新型コロナウィルスの拡大を防止するためには対人接触をできるかぎり避けるのが有効と判明したためだ。

サーニー氏は冒頭、PS5に5GB/秒の速度のSSDが搭載することを発表した。 これはデベロッパーからの要望のナンバーワン事項だったという。SSD化にともないPS5のI/Oは現行PS4と比較して最大100倍速くなっているという。

ソニーはまた、XboxシリーズXなみの高速化を実現するためにPS5にどのようなテクノロジーが搭載されるか詳しく説明した。PS5ではウルトラ・ハイスピードのSDDとともに、レイトレーシングが可能なカスタムのAMD製GPUを搭載する。3Dオーディオはソニーのマルチメディアホームエンターテインメントを改良して利用している。Xbox同様下位互換性があり、特にPS4との互換性を確保している。

CPUは3.5GHz、8コアのAMD Zen 2だ。GPUはAMDのRDNA 2アーキテクチャを利用しており、36 CU(Compute Unit)で10.28TFLOPSを発揮する。メモリは16GB、SSDは825GBが搭載される。システムの電力消費と発熱を抑えるよう設計された新しいブースト機能がある。

サーニー氏によれば、PS5は熱を抑えるために「温度そのものではなくGPUとCPUが実行しているタスクを監視する」。この情報に基づいてクロック周波数を上下させる。システム冷却の仕様の詳細は、今後行われるシステムの「徹底解説」で明らかにすることを約束している。

3Dオーディオは「新しい夢を発見する」というセクションで説明された。サーニー氏は「グラフィックスを主体とするシステムでは往々にしてオーディオは後付けにされてしまう。残念ながらPS4ではそうだった」と述べた。しかしPS5でははPSVRの没入型オーディオを利用した新しいバージョンが導入され、ゲーム機オーディオにプレゼンスや位置定位などの機能に焦点を当てた。ソニーではユーザーが利用するデバイスがさほど高度でないホームステレオシステムやヘッドフォンであってもバーチャル・サラウンドサウンドを提供する能力が大きく改善されたとしている。

Xboxの新シリーズ同様、PS5の発売も今年末になるはずだ。今回、ソニーはほんの表面を説明しただけだろう。クリスマスまでまだ相当の間があり、今後完成される要素も多いはずだ。

さてゲームに付き合ってくれる人は誰かいるかな?

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

ビデオ会議への不快なビデオ共有「ZoomBombing」にご注意を

安全に他者とのつながりを感じようと、多くの人たちがZoomのビデオ通話を利用している中、世界は新しいタイプのトローリング(荒らし)に悩まされている。どうしようもない嫌な連中が、Zoomの画面共有機能を使って、暴力的なものから衝撃的なポルノまで含む、最低の動画をインターネットから投入して、他の参加者をうんざりさせているのだ。

例えばこれは米国時間3月17日のWFH Happy Hourで起こったことである。WFH Happy Hourとは、VergeのレポーターであるCasey Newton(ケーシー・ニュートン)氏と、投資家のHunter Walk(ハンター・ウォーク)氏が主催する人気の公開Zoom会議だ。突然、数十人の参加者たちが不穏な画像で攻撃されたのだ。荒らしが通話に登場してとんでもない性的ビデオをスクリーンで共有したのだ。攻撃をブロックしようとしても、加害者はただ新しい名前に変更するだけで通話に再参加し、よりうんざりさせる画像を投入してくるため、なかなか防ぐことができなかった。会議ホストは、攻撃者を撃退できるまで視聴者を攻撃に晒しておくことを良しとせず、会議を打ち切った。

こうした参加者たちの顔に恐怖にひきつった表情が浮かんでいるところを想像してみて欲しい。それが実際に起きたことだ。

問題は、Zoomの採用している「会議ホストは、他の参加者が自身の画面を共有する許可をいちいち与える必要はない」というポリシーに起因していることだ。とはいえ会議ホストは、自身の設定または会議の管理メニューの中で、このオプションを無効にすることができる。この設定は会議前に設定から変えておくか、通話中の管理設定の中の「画面を共有」→「高度な共有オプション」で変更することができる。

たとえばTwitter上などに、荒らしによって発見される可能性のあるZoomリンクを一般公開で共有している場合は、通話が始まる前に画面共有を「ホストのみ」に変更しておこう。もしくは画面共有が悪用されているのを察知したらすぐに設定を切り替えよう。起業家であるAlex Miller(アレックス・ミラー)氏は、以下のようなZoom通話保護の方法も挙げている。

  1. 会議ホストがミーティングに入る前にトラブルが起きないように「ホストの前の参加」を無効にする。
  2. モデレートを助けてもらうために他の人を割り当てることができるように「共同ホスト」を有効にする。
  3. デジタルウイルスが共有されないように「ファイル送信」を無効にする。
  4. 「取り除かれた参加者を再度参加させることを許可」を無効にして、追い出された参加者が元に戻れないようにする

「参加者のみなさまにお詫びしたいです。そして初めて#WFHappyHourに参加してくれた両親のジムとサリーにも。今日、私たちはみんな画面共有を無効化することの重要性を学び、コンテンツの適切なモデレーションの重要性を改めて認識しました」とニュートン氏は私に語った。何か攻撃の証拠写真を持っているかと尋ねたところ、彼は「(爆笑)スクリーンショットは撮っていない! ただ叫んでいただけだ!」と返信してきた。

これは、今回のコロナウイルス時代に、私たちが経験している数多くの新しい攻撃事案の1つに過ぎない。健康チェックを提供するというフィッシング攻撃、自宅隔離中に支払いを行わなければ電気が止まると脅かす詐欺、そして偽のCOVID-19テストキット販売など攻撃手段は様々だ。金のために悲劇を悪用しようとする輩や、単に世界が炎上するのを見たいだけの奴らは常に存在する。警戒を続け、即座に「ブロック」ボタンを押せるようにしておくことがこれまで以上に大切になっている。

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(翻訳:sako)

新型コロナウイルス患者の免疫反応に関する新たな研究が治療のヒントに

科学雑誌Nature Medicineに掲載された新しい研究(Bloombergも報道)は、中国の武漢で新型コロナウイルスに感染し、オーストラリアのメルボルンで発症した患者の事例を検証している。それによりなぜ特定の人たちが他の人たちよりもウイルスに強く反応してしまうのか、その原因と状況をより包括的に知ることが可能となりそうだ。

この患者は「軽症から中等度」の症例とされ、入院中は脱水症状を抑えるために点滴のみで治療された。他の薬剤は投与されず、人工呼吸器を装着する必要もなかった。したがって彼女の症状は入院を必要とするほど重いものではなく、科学者にとっては新型コロナウイルスに対する彼女の身体の良好な免疫反応を詳細に観察する機会が得られることになった。

Peter Doherty Institute for Infection and Immunity(ピーター・ドハティ感染および免疫研究所)の研究者は、他の何人かの被験者とともにその患者からも研究への参加の同意を取り付け、免疫反応がどのように機能しいつ活性化したかの手がかりとなる血液サンプルを採取することができた。その結果、患者の症状が完全に消失する前に血液中に抗体が発生し始め、感染症が消失してから少なくとも7日間は、抗体が存在し続けることがわかった。

このケースだけでは確定的な情報を得ることはできず、さらなる研究や他の患者についての調査も必要となる。それでもどの患者はより重篤な症状に至るか、またどの患者の症状は軽くて済むかということを、COVID-19患者の治療に携わる医療従事者が早い段階で見極めることにつながる重要なステップとなる。また、新たな医学的治療介入の開発の手がかりを与え、最終的に患者の重症度を軽減したり最大限の効果を発揮するワクチンの開発にも役立つはずだ。

この研究は、COVID-19に対して、病後に免疫がどのように機能するのかを、よりよく理解するのにも役立つ。風邪やインフルエンザのように、一般的なコロナウイルスでは予防接種の効果は一時的なものとなっている。そのため、シーズンが来るたびごとに注射しなければならない。回復したCOVID-19患者に対して、免疫がどのように機能しているのかについて、まだ詳細はわかっていない。この研究により、その点についてもより多くの洞察を得ることができそうだ。

画像クレジット:dowell/Getty Images

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

Zencastrが趣味でポッドキャストを公開する人のためにアカウントの制限を一部解除

退屈だからといってポッドキャストを始めるなんて、やめてもらいたい。とはいえ、COVID-19の影響でそんなことをしたら、ポッドキャストが山ほど誕生するだろう。延々家に閉じ込められているから、あれこれおしゃべりして公開する時間はいくらでもある。

リモートポッドキャスターのための使いやすい録音ツールのひとつであるZencastrには、有料の「Professional(プロ)」と無料の「Hobbyist(愛好家)」アカウントがある。米国時間3月17日、Zencastrは愛好家アカウントの制限を緩和した。ゲストは最大2人、録音できる時間が1カ月に1時間までという制限を解除する。このポリシーは7月1日まで適用される。それまでには自由に出かけられるようになるといいのだが。

筆者は、ポッドキャストのガイドラインについて書いた中で、SkypeやZoomなどの仮想会議プラットフォームの代替としてZencastrを挙げたことがある。オンラインで同時に話している各人のトラックを自動で録音してアップロードする機能があり、編集をする際にはきわめて便利だ。

画像:pixdeluxe / Getty Images

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(翻訳:Kaori Koyama)

Androidアプリの公開用レビューもCOVID-19の影響で遅れがちに

Google(グーグル)は今週Androidのデベロッパーに、Playストアのアプリの公開用レビュー期間が通常よりずっと長くなる可能性があると警告した。これもCOVID-19危機の影響だ。デベロッパーはアプリのレビューに1週間、あるいはそれ以上かかることを覚悟しなければならないと、同社はGoogle Play Console上に表示するアラートで、コミュニティに通知している。

Google Playに影響を与えるのは、審査に時間がかかるようになることだけではない。

3月16日にYouTubeは、現状、自動化されたシステムに大きく依存することになると発表した。これは、人間のモデレーターによるレビューを受ける前に、機械学習システムによって、より多くのビデオが削除される可能性が高いことを意味している。

いずれの場合も、処理の遅延は社内の人員配置のレベルが低下していることによるものだ。これは、COVID-19パンデミックの結果であり、グーグルやその他の企業の従業員の配備計画が大きな影響を受けている。

これまでGoogle Playのアプリレビューのプロセスは、非常に速いという定評があった。

ここ数年、同社は長期間のレビューを待たずに、デベロッパーがアプリを公開できるようにすることで、Apple(アップル)のApp Storeに対して、Playストアを差別化してきた。もちろんこれにより、Playストアが品質の低いアプリで埋め尽くされ、時には悪意のあるアプリが野放しになるといった問題も引き起こした。しかしグーグルは2015年、社内のレビューチームを活用して、アプリを公開する前にそのポリシー違反を分析し始めたことを明らかにした

グーグルは当時、このようなプロセスの変更にも関わらず、数日ではなく数時間以内にアプリを承認できるとしていた。

しかし2019年になって同社は、より厳格なレビューを実施することにしたため、状況は変わった。その後アプリの提出から公開までに、少なくとも3日間のレビュー期間を見込んでおくようデベロッパーに通告するようになっていた。ただし定評があり、信頼関係が確立されたデベロッパーについては、より速いレビューが受けられて審査期間は短くなるとグーグルは明かしている。

1週間、あるいはそれ以上のレビュー期間というのは、COVID-19危機そのものと同様、前例がないものだ。

アプリのレビュー期間が長くなっているというニュースは、最初にAndroid Policeによって報告された

グーグルの広報担当者は、レビューが遅れていることをTechCrunchに認め、次のように述べている。「現時点では、勤務スケジュールの調整のため、レビュー期間は通常よりも長くなっています。また状況は悪化しつつあるため、アプリのレビュー期間も変動していますが、7日間からそれ以上かかる場合もあるでしょう」

この遅延については、Play Consoleのヘルプドキュメントでも確認できる

画像クレジット:Getty Images

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

ファイザーもBioNTechと共同でCOVID-19ワクチン開発を発表

製薬大手のPfizer(ファイザー)は、米国時間3月17日、BioNTechと共同でCOVID-19ワクチンの開発に取り組んでいると発表した。BioNTechは、新しいタイプの免疫治療法に取り組んでいるドイツの企業だ。この共同の取り組みは同日、署名済みの同意書により確認された。両社はメッセンジャーRNAベースのワクチンを共同で開発し、人間が新型コロナウイルスに感染するのを防止することを目指す。

画像クレジット:Rost-9D/Getty Images

通常ワクチンは一般の人が使えるようになるまでの開発と認証に、最短でも1年から1年半はかかる。したがって、これが短期的な解決策になると期待することはできない。しかしこの提携は、製薬バイオテクノロジーの分野において最も有名かつ最大の会社と、mRNAベースの免疫療法の最前線で仕事をしている若い企業が結びついた、というところに意義がある。

こうした治療法では、一般的なワクチンのようにウイルス自体のサンプルは使わない。通常のワクチンでは、死んだか弱体化したウイルスを使って、自然な免疫機能を呼び覚まそうとする。その代わりこの方法では、RNAを利用してウイルスと十分に類似したタンパク質を作り出す。それによって人体が、本物の標的にも有効な抗体を作るように促すのだ。

この共同作業は、早ければ4月にも臨床試験が開始されることになる。両社はmRNAベースのワクチンの研究に関して、今回ゼロから始めたわけではない。すでに2018年から、インフルエンザの治療薬を開発するための研究開発に共同で取り組んでいた。

またこの共同作業は、米国とドイツにまたがる両チーム間ですぐに開始される。ただし財務上の取り決めや成果をどのように扱うか、といった詳細については、今後詰めていく必要がある。両社がそうした詳細の決定を待たずに共同開発を始めようとしていることからも、今回のプロジェクトの背景にある緊急性が理解できる。

プロジェクトは、mRNAベースによって開発中の唯一のCOVID-19ワクチンというわけではない。今週の初めにModernaは、独自の新型コロナウイルス免疫治療法について、人間を使った臨床試験をすでに開始したと発表した。それはNIH(米国立衛生研究所)と協力することで、開発を加速した結果だった。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

仮想現実も現実世界に合わせてビジネス縮小

触覚フィードバックスーツを身にまといコンピューターを顔につなぐことほど、社会的な距離を感じられるものはないと思える今日このごろだが、位置情報ベースの仮想現実(VR)のスタートアップも、その他のエンターテインメントビジネス同様、事業縮小を余儀なくされている。

こうした動きは、映画館をはじめとする人の多く集まる場所の閉鎖が始まってすぐに起きた。ディズニーが支援するVRのスタートアップであるThe Voidは、米国時間3月16日に北米の全店舗を閉鎖すると発表した。ロサンゼルスのTwo Bit Circusも閉店した。COVID-19のためだ。Dreamscape Immersiveもロサンゼルス、ダラス、コロンバス、およびドバイのVRエンターテイメント・センターを一時的にすべて閉店したと発表している。

「私たちには仮想現実を世界のみんなと共有する楽しみがある一方で、現実世界で起きていることも無視できない」とDreamscape Immersiveのウェブサイトに書かれている。

米国本土にある位置情報ベースのVRスタートアップがすべて、営業停止しているわけではない。A16zが支援するSandbox VRは、ロサンゼルスとサンフランシスコ(これらの市ではほとんどのエンターテインメント施設の閉鎖を義務付けている)の施設を一時的に休業したが、米国のその他の地域ではウェブサイトでの予約受付を続けている。TechCrunchは同社に連絡を取り詳細を確認している。

全米の地方自治体が不要不急のビジネスの一時閉鎖を推奨していることから、広範囲にわたる営業停止は驚きではなく、中でもエンターテインメントビジネスは真っ先に影響を受けている。AMCとRegalは3月16日に、米国の全劇場を一時閉鎖すると発表した。

関連記事:AMC will close all US theaters for six to 12 weeks

位置情報ベースVRのスタートアップ各社は、ここ1年厳しい状況に直面している仮想現実業界の中で、耐久力の高い企業だ。Sandbox VRは8200万ドル(約87億8800万円)以上の資金を投資家から集め、Dreamscape Immersiveは3600万ドル(約38億5800万円)、The Voidは2000万ドル(約21億4300万円)をそれぞれ調達している。

これらのスタートアップのほとんどが、ゲームコンテンツを開発あるいはライセンスして、ユーザーが予約してタイトルを試す環境を提供している。彼らの成功は、大々的に売り出されながら当初の期待を大きく裏切る結果になった消費者向けVRヘッドセットとは無関係でいたことも大きな理由だろう。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

フェイスブックが新型コロナで零細企業向けに支援金107億円を用意

新型コロナウイルス(COVID-19)の拡大が今後どのようになるかに関わらず、すでに事態は零細企業に厳しいものとなっている。一部の企業は公共の安全のために閉鎖を余儀なくされ、また別の企業は売上高や信用がもろにダメージを受けている。

Facebook(フェイスブック)は3月17日、零細企業向けに1億ドル(約107億円)の支援金を用意すると発表した。申し込み受付はまだ始まっていないが、この支援には広告クレジットと、従業員への給与支払いや家賃支払いなどの操業費用に当てられる現金の両方が含まれるという。同社がサービスを展開する30カ国超の最大3万社が利用できる見込みだ。

同社はまた、感染拡大の中で生き残ろうとしている企業向けのヒントやリソースを提供するBusiness Hubも立ち上げた。

「さらに多くの取り組みを展開したい」とCOOのSheryl Sandberg(シェリル・サンドバーグ)氏はFacebookへの投稿で述べた。「社内チームが企業のサポートに毎日取り組んでいる。ヴァーチャルトレーニングをホストするさらなる方法を検討している。今後数週間のうちに情報を共有する。我々の無料eラーニングトレーニングプログラムであるBlueprintを通じて、人々がつながり、テクノロジーの使い方を学習するさらなる方法を模索している」

加えて同社は、パンデミックを正しく伝えるのにリソースを必要とする米国とカナダのニュースルームに計100万ドル(約1億700万円)の支援金を提供するために、Lenfest Institute for JournalismやLocal Media Associationと提携すると発表した。個々への支援金は最大5000ドル(約54万円)となる。

画像クレジット: Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

GoogleがCloud Nextのオンライン開催を日程未定で延期

数週間前にGoogleは、同社の2020年最大のカンファレンスであるCloud Nextの実会場における開催を中止した。現在、他の大きなイベントの新型コロナウイルス流行による中止が相次いでいる。Cloud Nextは当初、4月6日から8日までに延期され、他の企業と同じくオンラインでの開催になっていたが、米国時間3月17日の発表でそれもまた延期されることになった。新たな日程は発表されていない。

Google Cloudのチーフ・マーケティング・オフィサーであるAlison Wagonfeld(アリソン・ワゴンフェルド)氏は、再度の延期を発表するブログ記事の中で次のように記している。「目下、私たちにできる最も重要なことは、私たちの顧客とパートナー両者のサポートに集中することである。『Google Cloud Next’20: Digital Connect』の実施に対して今でも全精力を傾けているが、それは正しいタイミングで行うべきだ。状況が好転次第、その新たな日程をシェアしたい」

おそらくこれからの数週間は、これと似た発表が次々に行われるのではないだろうか。企業がリモートワークへ移行し、州が外出禁止を指示し、社会的距離(social distancing)という言葉を突然多くの人が知るようになり、基調講演をストリーミングでやることも難しくなっている。皮肉な見方をすれば、重要な疾病に関するニュースがひっきりなしに飛び込んでくる中、テクノロジー企業の発表の影が薄いことは注目に値するだろう。最近の数日で、複数の企業が延期の延期を発表しているが、今後さらに発表されることは確実だ。

関連記事:Googleは新型コロナの影響で同社最大のカンファレンスCloud Nextをオンラインで開催

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa