ベトナムがオバマ大統領の訪問中にFacebookへのアクセスをブロック

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話題となっているこのInstagram上の写真以外にも、先日のオバマ大統領によるベトナム訪問中に事件が起きていた。ベトナム政府が、大統領の滞在中にFacebookへのアクセスを遮断していたのだ。

このニュースを発表した、Access Nowに所属する言論の自由の支持者たちは、Facebookへのアクセスが週末の間完全に遮断されていた証拠をまとめた。これは、最近当局が支持を表明していた部分的なアクセス遮断とも意を異にする。ベトナムと言えば、今月初めにも、市民の抗議活動に関する報道を理由にFacebookへのアクセスが遮断されていたことを覚えている人がいるだろう。この報道はFacebook上で広まり、抗議活動の参加者はベトナム国内で3000万人に及んでいる。

TechCrunchのコメント要請に、Facebookはすぐには応じなかった。

何でベトナムでFacebookがブロックされているのかな????

今回のアクセス遮断の理由は、国政選挙であると言われている。活動家はロイターの取材に対し、国政選挙のボイコットに向けて呼びかけを行っている民主活動家を妨害するためにFacebookがブロックされたのだと語った。

「インターネットへのアクセス遮断が、新しい常識になってしまっては絶対にいけません」とAccess Nowはウェブサイト上で主張した。「市民の安全の名の下に正当化されがちですが、アクセス遮断は、命に関わる情報や、オンライン金融サービス、救急サービスへのアクセスさえ断ってしまいます。そして、社会全体を恐怖に陥れ、経済発展を支えつつ小規模ビジネスの存続をサポートするインターネットの力を揺るがすこととなります」

Access Nowはさらに、オバマ大統領による訪問の背景にある使命のひとつであった、貿易やビジネスを検閲が脅かすことになると主張した。

5年頃前に、東南アジアでFacebook人気が高まりだしたとき、ベトナムではFacebookへのアクセスが初めてブロックされた。その影響で、Facebookに取って代わろうとする地場の類似サービスが数多く生まれたが、ベトナムの9000万人におよぶ国民の間では、近年Facebookが主流のサービスとなっていた。

ソーシャルネットワークを抑制しようとする動きは、ベトナムだけに留まらず、露骨な活動を続ける中国政府の他にもたくさんの例が挙がっている。ベトナムの近隣国タイでは、2014年5月に起きた軍事クーデータから1週間もたたない間に、Facebookが一時遮断された。一方トルコでは、政府によるFacebookとTwitterへのアクセス制限が何度も起きている。また、パキスタンは、3年間におよぶYouTubeへのアクセス遮断を今年解除したばかりだ。他にも、首相の汚職に関する調査報道を受けて、マレーシアではMediumへのアクセスが遮断され続けている

 

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(翻訳:Atsushi Yukutake

Featured Image: Instagram: anthonybourdain

Facebook LiveとTwitter Periscopeに必要なのは「待合室」だ

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ライブストリームの始まりは退屈だ。なぜならホストは多くの人々が見に来るまで本題に入らないからだ。それには数分かかることもある。たとえプッシュ通知やツイートやニュースフィードですばやく告知されていても。

しかしその頃までに当初の視聴者は離れてしまうかもしれないし、録画による再放映では視聴者を引きつけることができない。Facebook Liveビデオは最初の数秒間をニュースフィードで自動再生するるが、出演者が「もうちょっと視聴者が増えるのを待ってるところです」などと言うのを見たい人などいない。

だからFacebookとTwitterは、他のマスメディアを参考にして、ライブストリームがスタートする前から視聴者の興味を引き、彼らを集める方法を考えるべきだ。

Pre-broadcast screens from Facebook Live and Periscope (from left)

Pre-broadcast screens from Facebook Live and Periscope (from left)

映画は、何ヵ月も、時には何年も前からマーケティングを始める。プロモーションキャンペーンがピークを迎えるのは、上映の始まる数週間前だ。封切り日に大成功を収めて、これが時代を象徴する瞬間であることを、他の人々に信じ込ませる必要がある。映画の上映そのものでさえ、開始予定時刻に始まるのは予告編である。映画会社は、観客全員が席に着き期待に胸躍らせていて欲しいと考えている。

コンサートには前座がある。スポーツの試合にはプレゲームショウがある。そしてIT業界では、AppleやGoogleの大きな発表イベントでCEOがステージに登るずっと前から、ストリームを掲載する。

モバイルのライブストリーミングアプリには、待合室が必要だ。

Facebook Live broadcast

Facebook LiveやPeriscopeの放送がすぐに始めないやり方を想像してほしい。ストリームのリンクを他のソーシャルメディアに投稿するのは、カメラが回り始めてからでは面倒あるいは不可能だ。開始予想時刻を設定するか、準備ができても放送開始を待つこともできる。はるか前からストリーミングをスケジュールしておくこともできるが、プラットフォームや見るの待っている人たちは、発信者が寝入ってしまうのを心配するかもしれない。

Facebook Live reactionsストリーミングが始まる前にリンクをクリックした人たちは、待合室に入れられる。そこには、予定開始時刻のカウントダウン、あるいは、じっくり待つようにというメッセージが掲示されている。ストリーミングが実際に始まったら通知を受けるようにして、始まるまで何か他のことしてもよい。ストリームを他の場所で共有してバイラルにする手段も用意される。

待っている間も視聴者が楽しみ続けられるように、FacebookやPeriscopeは、作者の過去のビデオや投稿や、関連のありそうなコンテンツを流すこともできる。視聴者同士でチャットしたり、事前にコメントや質問を送って、主催者がストリーミングを始めるまでにフィードバックや問い合わせを受けることもできる。これは、RedditのAsk Me Anythingの視聴者が、開始前に質問を投稿するのと似ている。

ストリームが始まると、出演者はすぐに本題に入れる。なぜなら視聴者はすでにいるから。これによって、フィードでライブストリームや再放送に遭遇した人が見る最初の数秒間は迫力が増すだろう。

既にFacebookは、長いライブストリームの再放映が退屈だという問題に対処するために、エンゲージメント・グラフ・タイムライン を表示することで、視聴者がビデオで最も人気の高い部分にジャンプできるようにしている。

しかし、クリエーターが事前にファンや友達を集められるようにすることで、ビデオ自身が早く盛り上がり、リアルタイムのフィードバックが増えて、緊急性やライブ感が高まる。待合室によって、有名人はストリーミングに時間を費やす価値があることを理解し、アマチュアは自分の発信するものを欲しがる人がいることを確信できる。予測不能なモバイルライブストリーミングという方式の可能性を最大にするために、FacebookとTwitterは、出演者がもう少し計画的になるよう仕向ける必要があるかもしれない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

MicrosoftとFacebook、大西洋に高速海底ケーブルを建設へ

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これは日常あまり見ることのないニュースだ。MicrosoftとFacebookは今日(米国時間5/26)、共同で大西洋に海底ケーブルを敷設し、バージニア州バージニアビーチとスペインのビルバオを結ぶ計画であることを発表した

MAREAと呼ばれるこの海底ケーブルは、「高まる高速通信への顧客需要に答え、MicrosoftとFacebookおよびその顧客のために、クラウドとオンラインサービスの信頼性の高い接続を確保するため」だと両社は言っている。工事は8月に開始される予定で、完成は2017年10月を見込んでいる。

運用が開始されると、MAREAは大西洋を横断する最大容量の海底ケーブルとなり(少なくとも現時点で)、8ペアのファイバーケーブルが使用され。ケーブルは160 Tbpsの転送速度を擁し、既に米国とヨーロッパを結んでいる他のケーブルシステムとは異なる経路を利用する。この理由についてMicrosoftは、「回復力と信頼性と高い接続を、米国、ヨーロッパ他にいるわれわれの顧客に届けるため」と言っている。

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「われわれは、信頼性が高く遅延の少ない接続を提供する、新しく革新的な技術に投資を続けることで、Microsoft Cloudおよび全世界のインターネット基盤の価値を高めようとしている」と、Microsoft のグローバルネットワーク調達責任者、Frank Reyは言った。「これはインターネットの次世代基盤構築にとって重要な一歩だ」。

もう一つ変わっているのは、FacebookとMicrosoftがこの取り組みをリードしていることだ(他にTelefonicaおよび傘下のTexiusが加わりケーブルの運用を担当する)。通常、MicrosoftやFacebookのような企業は、多くのIT企業からなるコンソーシアムに参加し、通信会社が主体となってケーブルを建設(あるいは投資)する。しかし今回両社は、独自の通信基盤を作り(そこにはFacebookで知られるようになったオープンハードウェア手法が用いられている)、余剰の回線容量を第三者に販売する計画だ。

両社はこの取り組みに必要な費用について情報を公表していない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Facebook、トレンド記事の偏見疑惑を否定しつつ、手続きの改善を約束

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Facebookは今日(米国時間5/23)、トレンド記事機能に関する公式質問、具体的には担当チームが過去数週間にわたり、保守的意見を抑制したり、一部の記事を恣意的に浮上させたりしたとする疑惑に回答した。

公開されたプレスリリースおよび、ジョン・スーン上院議員(サウスダコタ州・共和党)に直接送られた書簡((PDF)で、Facebookは疑惑を否定しつつも、批判を鎮めるであろう内部手続きの変更をいくつか発表した。

当社で調査した結果、トレンド記事に掲載された記事の選択に、組織的な政治的偏見の証拠は見つからなかった。実際、アナリストの報告によると、トレンド記事に採用された保守的記事と自由主義的記事の比率は事実上等しかった。

同時に、この種の調査で予想されるように、われわれの調査は、当社のガイドラインやポリシーの実施に関して、個別の不適切な行動や意図的でない偏見があった可能性を排除できない。

具体的にFacebookは、記事がいつ、どのように「浮上」「ブラックリスト化」されたか、「改変」、修正を要求されたかを調べ、その結果比率は「リベラルと保守で事実上等しかった」。

問題の一端は、告発につながった匿名の元トレンド記事編集者の証言にあるように、監視の欠如であり、要するに管理体制の悪さにある

手続きの変更の一つは、「レビューチームの管理と監視の強化」― おそらく、監視チーム自身の監視の強化だろう。なぜなら見張りの見張りは、編集チームが明らかな非編集環境に閉じ込められているこの種の状況では極めて重要だからだ。

形式的手続きの追加に加え、トレンド記事の選択手順も刷新される:

  • レビュワーが頼っていた巨大なRSSフィードリストは廃止される ― ただし、代わりに何で使用するのかは不明。
  • レビュワーは、トップ10ニュース会社内での順位(このリスト自体が前項の通りもはや存在しない)だけに基づいて「重要度」を割り当てることができなくなる。
  • Facebookのトレンド記事の「ヘルプセンター」ページが改訂され、機能の説明を正確にした ― 何らかのAIかアルゴリズムが決めていると思っていた人は、誤解を捨てられる。

ハッシュタグや地域ニュースがトレンド記事へと浮上する正確な手続きに興味のある人は、スーン上院議員への書簡を読まれたい。そこには従来知られていなかった詳細が記されているが、その多くはもはや陳腐化している。具体的な偏見疑惑 ― 例えば、Glenn Beck(この件に関する彼とFacebookとの面談について興味深い見解を書いている)に関する記事が抑制された ― についても言及されている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

360 Photosはスマートフォンカメラでニュースフィードにパノラマをアップできる―Gear VRにも対応

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パノラマ写真やビデオのファンも増えてきたが、Facebookでのユーザー体験にはデスクトップであれモバイルであれ、デバイスの中に閉じ込められているという限界があった。そのユーザー体験はニュースフィード上とOculusのアプリを利用したSamsung Gear上で大きく改善されることになる。

これを期にFacebookはGear VRの利用統計を初めて公表した。これによると月間ユーザーは100万の大台に到達した。またユーザーは1日当たり平均25分利用している。このプラットフォームを使おうとしているデベロッパーには心強い数字だ。

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iPhoneやGoogle Photospheresその他 360°パノラマ写真を多く見かけるようになっているが、Facebookの次回のアップデートでは360 Photos機能が追加され、ユーザーは2次元のパノラマ写真を簡単にアップロードできるようになる。Facebook ではデータを処理し、ニュースフィード中の360 Photosで表示できるようにする。通常表示の場合、ユーザーは画面長押しやマウスによるドラグなど視点を移動することができる。 Gear VRを装着している場合は周囲を見回せばよい。

360 PhotosはVRコンテンツを誰でも作れるものにする。通常のパノラマ写真から生成されるのでユーザーは特別のVRカメラを持っている必要がない。iOS 6以降のiPhone、v4.2以降のAndroidならどれでもよい。また360°写真用アプリは無数に存在し、ダウンロード可能だ。事実、多くの人々がこれまでもパノラマ写真を撮影していたが、それをFacebookで見られるようにするのが一苦労だった。

GoogleはAndroid向けにPhoto Sphereシステムを開発し、ユーザーが簡単に 360°パノラマを撮影し、段ボール製のGoogle Cardboardのような簡易なヘッドセットでVR体験ができるようにした。

Facebookでは昨年9月からニュースフィードに 360°パノラマを導入している。しかし360°パノラマを撮影するのはかなり難しく〔800ドルのBubblCamなどの〕高価なハードウェアを必要とした。今後はほとんどのスマートフォンで仮想現実が撮影できることになる。

Gear VRのユーザー、100万の大台

Samsungは6ヶ月前に全世界でGear VRをリリースした。この価格99ドルモバイル用ヘッドセットはFacebook傘下のOculusのVRテクノロジーを利用している。ユーザーは最新の
Galaxyスマートフォンをヘッドセットに装着するだけで仮想現実が楽しめる。今回FacebookはOculusのテクノロジーの利用状況の一端を明らかにした。

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Facebookによれば、先月のGear VRのユーザーは100万人以上だったという。デベロッパーはMinecraftなどのゲームを含む250種類以上のアプリを開発し、多様なVR体験を提供している。

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VRはゲーマー専用のテクノロジーだという偏った考えを打破すべく、ユーザーの80%はGear VRのトップ10ビデオ・アプリのうちの7種類を使って毎日ビデオ・コンテンツを視聴するとFacebookは指摘している。

Gear VRには新しいビデオ番組もやって来る。Felix & Paul StudiosのNomadsシリーズはモンゴルとケニヤの遊牧生活をする人々を描写している。Discovery Channelはアラスカ沖でのカニ漁をテーマにしたヒット番組、『ベーリング海の一攫千金(Deadliest Catch)』のVR化を準備している。

Oculus自身もGear VRのOculus Homeをアップデートし、最新のコンテンツが探しやすくなるなど使い勝手が改善される。Oculus Mobileアプリには「最新のコンテンツ(What’s New)」セクションが設けられ、新しくアップされたコンテンツがハイライトされる。新しいVR体験を待っている人々には朗報だ。

The new Oculus Home design

新しいOculus Homeデザイン

Oculus RiftのようなハイエンドのVRは大きな話題になっているものの、VRをメインストリームにするのはGear VRのような手軽なモバイル・デバイスだ。しかしVRの人気を盛り上げるためには、優れたコンテンツが大量に必要だ。こちらにFacebookの2016年のトップ360°ビデオがリストされているが、ユーザーはVRコンツの数が少ないことに苛立っている。あるユーザーは「〔優れたコンテンツは〕もう全部見てしまったので最近はVRを使う時間が減っている」と私に語った。

Facebookのオープンソースの360サラウンドVRカメラなどはプロ志向のアイテムだったが、新しい360 photo機能はもっと一般向けだ。iOS、AndroidデバイスでFacebookを使っている数多くのユーザーがコンテンツをアップロードするようになればVRヘッドセットに手を伸ばす機会も増えることになるだろう。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

WhatsApp、MacとWindowsのデスクトップアプリを公開

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Facebook傘下のメッセージングアプリで、ユーザー数10億人を擁するWhatsAppが、MacおよびWindowsのデクストップアプリを公開した。WhatsAppが最初にウェブアプリを公開してから約15ヵ月後のことだ。

すでにWhatsAppをウェブブラウザーで使っている人々にとって、このソフトウェアに大きな違いはない。同社は発表文の中で、「このデスクトップアプリは携帯電話の延長」であり、全メッセージがデバイス間で同期する、と説明している。

WhatsAppのインド、ブラジル、南アフリカ等の国々での成功を支えた要因は、もちろんこれらの市場でのスマートフォンの急速な普及にあるが、パワーユーザー ― 特に仕事上のコミュニケーション手段としてWhatsAppに頼っている人々 ― に対して、デスクトップアプリはiMessenger、WeChat、Skype等他のメッセージングサービスと競争する上でも重要だ。

新しいデスクトップクライアントの公開と標準エンドツーエンド暗号化は、WhatsAppがテスト中のB2Cアカウントに合わせたものだ。年間99セントの定期利用料金を廃止したWhatsAppにとって、B2Cアカウントは待ちに待った収入源である。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Facebook、トレンド記事のバイアス批判に答え、中立性ガイドラインの存在を表明

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Facebookは、トレンディングトピックスで特定の政治的志向を抑制あるいは優先することは、同社の収集ポリシーに反しており、一貫性と中立性を保つためにガイドラインを設けていると語った。これは、ガイドラインからの逸脱があれば、それはトレンド収集のために雇われている契約者の責任であると示唆しているようにもとれるが、ルールが十分に強制されていない可能性もある。

保守的なトレンドがFacebookのトレンディングセクションで抑制されているというGizmodoの記事を受け、FacebookはTechCrunchに宛てた声明で以下のように語った。

われわれは偏見に関する申し立てを極めて深刻に受け止めている。Facebookはあらゆる政治的志向の人々、見解のためのプラットフォームである。トレンディングトピックスには、Facebookで語られている人気の話題やハッシュタグを表示している。一貫性と中立性を保つために厳しいガイドラインを設けている。ガイドラインは、政治的見解の抑制を許していない。あるいは、特定の視点や報道機関を他に優先することも許していない。ガイドラインは、トレンディングトピックスにいかなる報道機関が登場することも妨げない。

Screen Shot 2016-05-09 at 4.08.24 PM複数の元Facebook「ニュースキュレーター」がGizmodoに対して、必ずしも人気のない記事をトップページや検索結果に「注入」するよう指示されたと話した。

これはある意味で理解できる行動だ。なぜならFacebookはトレンドのアルゴリズムを改善しようとしているからだ。もし、重要だがFacebookで大きな話題になっていなかったり、アルゴリズムが拾っていないニュースがあれば、Facebookの編集者が人為的にトレンドに加えたかもしれない。

Facebookは、Facebook自身に関するニュースをトレンドを含めることも妨げていると言われている。それは、自己宣伝を避けるため、あるいはFacebookユーザーがFacebookについて語る傾向にあることを割り引くためとも考えられる。ただしそれは、Facebookに関する否定的な話題も抑制しかねない。

一番気になるのは、トレンディングトピックスの内容を管理する契約キュレーターの政治的志向に合わない記事 ― 特に保守的な記事 ― が抑制されることがあった、という元従業員の証言だ。Gizmodoは、この偏見が上層部から強制されたものであるとは言っていないが、Facebookの中立性ガイドラインはこの問題の発生を阻止してしかるべきだ。

「私がシフトに着いた時、CPACやミット・ロムニー、グレン・ベックやその他人気の保守的記事がトレンディングに選ばれないことに気付いた。それは、キュレーターが記事を評価しなかったためかもしれないが、テッド・クルーズに対する偏見を持っていたためかもしれない」と、匿名希望の元従業員がGizmodoに語った

同誌は以前の記事で、その同じ「キュレーターたち」とその厳しい労働環境について報じ、同社の劣悪な条件を非難した ― 会議室に何ヵ月も詰め込まれ、Facebookサイトの右上にあるトレンディング枠を埋めるためひきりなしに作業を続けさせられる。

記事は逸話的であり、実際に何が起きているかを知ることは困難だ。Facebookにとって最大の問題は、人間には偏見があるということ ― 政治的な偏見を含めて ― に気付いていない点かもしれない。

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トレンドを収集する方法について中立性ガイドラインが設けられているとしても、元々偏見を持つ契約者がチームに入り、ルールを曲げたり破ったりする可能性はある。中立性ガイドラインを遵守させるためには、もっと厳格な監視システムが必要かもしれない。

これは憂慮すべき問題だ。なぜならFacebookは、人々がニュースを発見する主要な方法へと成長しているからだ。発生するトラフィックの大きさは、報道機関にFacebookでニュースを配信するプレッシャーを与える。プラットフォーム自身の偏見は、16.5億人の思考に影響を与えかねない。

実際のところFacebook自身の従業員はリベラル寄りだ。2011年にFacebook本社で行われたタウンホールミーティングで、Mark Zuckerbergがバラク・オバマ氏をインタビューした際、大統領の民主党支持の発言や共和党批判に、従業員らは大きな歓声が上げていた。

2016年大統領選が迫る中、Facebookには民衆を動かす計りしれないな力がある。今後も中立を保っていけることを大衆に納得させると共に、厳しい批判や政治広告費の減少、および情報配信の拠点としての同サービスへの懐疑的見方の高まりを受け入れていく必要がある。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Facebook Messengerへのチャットボット投入は成功するのだろうか?

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メッセージが送られてくると、そのすべてに応答していた。しかしそうした振る舞いも過去のものとなるのかもしれない。Messengerの受信通知があっても、それが友だちからなのか、ボットからなのかわからない時代になろうとしているからだ。チャイムがなっても、鳴らした相手が友だちなのかそれともボットからの新しい通知が来ただけなのか悩まなければいけなくなる。受信通知がまるで、ある種のチューリングテストのようにすら思えてしまう。

思い起こしてみると、これは「いつか来た道」なのではなかろうか。私たちが「電子メール」に注意を払わなくなったきっかけもこうしたことだったと思うのだ。初期は電子メールといえば仲間たちと重大な研究成果などのやり取りをするために使われていた。それがいつの間にかメールマガジン、レシート、あるいは数千ないし数百万人を対象に送られるにも関わらず、特定の個人に送られているかのように偽装する商用メールが多くなってしまったのだった。

Messenger上での会話はどうなっていくのだろう?

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Messenger上にはボットによる「デイリー・ダイジェスト」が増えていく。

Facebookが、今になるまでボットの活用を待っていたのには理由があるように思う。ほんの1年前まで、Messengerを使う人は現在の半分程度に過ぎず、コミュニケーションツールとしての地位を獲得していなかったのだ。メッセージのやりとりにはさまざまなアプリケーションが用いられていて、その中でも一般的だったのはSMSだった。

いまやMessengerは10億人に利用されるプラットフォームとなり、新しいことに取り組む余裕も出てきたというわけだ。欧米におけるナンバーワンのモバイルメッセージングツールとなり、WhatsAppも中国などを除く世界中で広い人気を集めている。

Facebookは自社プラットフォームが世界中に広まったのを見て、人がメッセージのやり取りをしなくても金を稼ぎだす仕組みはないかと考え始めたのだ。Messangerのトップを務めるDavid Marcusは1ヶ月前、Messengerは「あらゆるコミュニケーションのハブとなり、さまざまなサービスやビジネスが提供される場所として発展していく可能性があるのです。そしてますます人を集めるプラットフォームとして拡大していくこととなるでしょう」と語っていた。

Facebookのプラン通りに進むこととなれば、カスタマーサービスや電子商取引に関わるさまざまなやり取りをMessenger上でやりとりするようになり、またニュースやマーケティングなどにも活用されるようになり、友人同士を結ぶプラットフォームという役割を超えていくことになるだろう。電話、メール、RSSフィーダー、さらにウェブの機能を統合したようなサービスを展開することになるかもしれない。

それらの機能は、実はMessenger上でこそ使い勝手が良いものになる可能性もある。

たとえば多くのカスタマーサービスなどでは、プッシュフォンのダイヤルによるメニュー選択を行わせている。メニューを選択できるようになるまでの待ち時間を含めて、これを不便と感じない人はいないだろう。Messengerを使えば、航空会社や商店とコンタクトするのがずっと容易になることだろう。さらに一定の業務については非同期(相手側は人間が対処する必要もない)で行えるようにもなる。また、レシートも複数のメールに小分けにして送られるのではなく、Messenger内のひとつのスレッドにまとめられることになって便利だ。AIと連動するようになり、使い勝手が向上すれば、今の時代からは想像もできない効率的なインタフェースが生まれてくることも必然とすら言えるかもしれない。

ただし危険な側面も。

しかしリスクも高いように思う。たとえば、ちょっとした空き時間にメールをチェックすると、目に入るのはスパムばかりということもある。Messenger上にスパムが進出してくれば、スパムがまるで友だちのようなふりをしてメッセージ受信通知を鳴らすことになるのだ。SMSマーケティングの対象となってしまった経験を持つ人は、そのうるささをご理解いただけることだろう。これまでのスパムメールのように「流す」だけでなく、直接に「コンタクト」してくる感じになるのだ。自分の時間を引っ掻き回されるリスクは十分に高いと言えよう。

Facebook Game span was ruining the News Feed. [Image via Thoughtpick]

Facebookのゲームスパムがニュースフィードを台無しにしたこともあった。[Image via Thoughtpick]

「いいね」をして、サービスやブランドなどと積極的に繋がる人もいる。しかしそれはあくまでもフィード上での交流だ。いきなり直接のメッセージが送られてくることもなかったし、また表示されるメッセージに何のアクションもしなければ、ランキングアルゴリズムのおかげでいつの間にかフィードに流れないようにもなったものだった。

しかし2010年を思い出してほしい。スパムがニュースフィードをめちゃくちゃにしてしまうと問題視されたことがあった。Zyngaなどが積極的にソーシャルゲームとしての機能を充実させ、そのために友だちのフィードを汚してしまうことに繋がったのだった。マーク・ザッカーバーグも、Facebook上でのエクスペリエンスを汚染しているもののひとつがゲームであると認めていた。そしてFacebookはFarmVilleなどに関わる投稿を激減させることにしたのだった。

こうした動きにより、ある意味で利用者の「世界」が狭まってしまうこととなった。ひとびとはゲームをしたり、その結果をFacebookに投稿することにためらいを感じるようになった。開発者側にとっても問題は重大で、これまで利用していたプラットフォームがりようできなくなった。ソーシャルゲームに注力していたZyngaなどは利用者数を大いに減らし、企業価値をも大きく低減させることとなってしまった。

Facebookはチャットボットを導入することで、Messenger上でも同種の失敗を繰り返そうとしているのではないだろうか。チャットボットといったん繋がりができてしまえば、利用者は毎日アラートをならされることになるのではないだろうか。

最初に登場してきたチャットボットたちが大失敗であったことも、Messengerサービス上へのボットの投入を妨げるものとはならないだろう。たとえばCNNのチャットボットは「U.S.」のニュースを教えてくれと言われると、見出しに「U.S.」の文字が含まれているものだけを通知した。Springのコマースロボットは、初期の価格設定よりも高いものを売りつけようと執拗だった。そしてPonchoだ。天気予報ネコのPonchoは、天気についてのごく簡単な質問すら理解してはくれなかった。

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天気予報ネコのPonchoに苛ついた人は大いにちながいない。

さらにFacebookはMessenger上でスポンサード・メッセージの実験も行なっている。Messengerで繋がったことがある利用者に対して、通知を送ることができる仕組みだ。Facebookはいまや1四半期に15億ドルもの利益をあげている。しかしそれだけに飽きたらず、Messengerを使った商機拡大を狙いつつ、実は大きなリスクを抱え込もうとしているようにも思える。

Facebookの動きは、Messenger上に膨大なノイズを流すことになりはしないか。ロボット発のノイズが増えることで、利用者が他のアプリケーションに乗り換えてしまったり、あるいは友だちからメッセージがきても放置してしまうようになることはあり得ることだと思う。

Facebookに対策はあるのだろうか?

こうした点について、F8の際にMarcusにも尋ねてみた。「防御のための究極の仕組みがあります。すなわちメンバーに送るメッセージの数や内容について制限することができるのです。メールの場合にはそうしたコントロールは不可能でしたから、Messengerがメールのようになるというのは言い過ぎではないかと思います」とのことだった。

もちろんそうだ。Facebookはスパマーの利用を停止させてしまうことができる。また利用者も特定の相手を簡単にブロックすることができる。しかしそうは言いつつも、Facebookは現在チャットボットをなんとか導入したいと積極的になっているところだ。たとえばビデオゲームのCall Of Dutyのボットなどにも注目を集めようとしている。チャットの世界で支配的な地位を築くためには、こうしたチャットボットの普及発展が欠かせないのだ。

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ビデオゲーム「Call Of Duty」に登場するキャラクターのMessenger用ボット

「私たちの方も十分に気を配っていることはご理解いただけると思います。メッセージが送られるたびに通知されることはありません。ただしスレッドは更新され、メッセージを送ったボットがリストの上位に表示されるようにはなります」。Facebookには、スパムやエンゲージメントレベルについて、ぜひとも注意深く解析するようにして欲しいものだ。スパムの可能性があればボットの動作を制限して欲しい。

あるいはこちらからコンタクトをとったボットであっても、定期的に送られてくるメッセージにこちらが数日にわたって反応していないことを検知すれば、ぜひとも通知をオフにして欲しいと思う。あるいはボットの動作を制限した方が良いケースもあるかもしれない。Facebook上でのフィードの内容は、こちらのアクションにより変化するようになっている。Messengerでもそうあるべきだと思うのだ。利用者の様子を詳細に分析できチャットボットを、開発者やブランドに提供するようにして欲しいと思う。そうなれば、サービスにボットを活用しようとする側で、より適切な運用スタイルを構築することができるようになるだろう。

Messengerにチャットボットが導入するにあたっては、十分に慎重でなければサービス自体の価値を低めてしまう可能性もある。

たとえば、ボットから送られたメッセージだからとMessengerのスレッドを放置するようになり、さらに通知もそのまま放置しておくようになるかもしれない。その次には「人」からなのか「ボット」からなのかの区別も面倒になり、そもそもMessengerを開かなくなるようなこともあり得る。そうなってしまえば時代はSMSに逆行してしまうというようなこともあろう。Messenger風の最新機能はないが、それだけにスパムに埋もれてしまうこともないという安心感が魅力になるわけだ。

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Facebookがこの問題をつぼみのうちに解決しなければ、利用者の関心を失わないためにボットの利用そのものをあきらめざるを得ないようなことになる可能性もあるだろう。

Marcusは「日常生活に訪れる通知などのインタラプションは、すべて重要なものごとに関わるものである必要があると考えています。Facebook利用者する人のすべてにその原則を間違いなく提供するというのは難しいことではあります。しかし手段がないわけではないと思うのです。それが可能であってこそ、チャットボットを含むトータルなサービスが提供できるようになるのだと考えています」。

Facebookの「コミュニケーション戦略」が成功するのかどうか、ここにかかっていると言っても良さそうだ。

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(翻訳:Maeda, H

決算ラッシュの週のキーワードは「成長性」―Apple、Alphabet、Twitter、軒並み株価ダウン

2016-04-30-timcook-down

今週は決算発表のラッシュだった。IT業界のメジャープレイヤーのほとんどが決算を発表し、その数字が株価を揺り動かした。まったくクレージーな週だった。

ここで判明したのは市場は変わらぬ主題として「成長性」を非常に重視するという点だ。成長性に陰りが見えると市場はネガティブに反応する。これはウォールストリートの投資家の場合特に顕著だ。会社が成熟に近づいているほど反応は激しくなる。Facebookはアナリストの予測を売上でも利益でも軽く上回り、さらに依然として財務でもユーザー数でも十分に成長余力があるることを示した。これと逆に、Appleの場合は成長していないことが明白になった。成長していないというより、正確にいえば縮小している.のだ。

そういう次第で、株価のアップダウンの激しい週だった。MicrosoftとAlphabetの決算も含めて結果を簡単にまとめておこう。

そして大物だ。

Apple:11%のダウン。決算は完全な期待はずれ、13年ぶりの売上減少最大の「もの言う株主」、アイカーンが株を手放したと発言

この波乱の週のキーポイントを見ていく。

まずTwitterのマイナスはほぼそのままFacebookのプラスになっている。Twitterの決算で投資家に「SNSの広告収入は期待したほど急速に伸びてていないのではないか」という懸念が生じたとしてもFacebookのブロックバスター的決算でそうした不安は吹き飛ばされた感がある。Twitterは数百万の新しいユーザーを追加してユーザーベース数の減少という不安に応えたが、肝心の売上の伸びが予測を下回り、市場は鉄槌を下したFacebookの場合はその逆だ。

次に、さらに重要な点だが、Appleの成長エンジンはついにスローダウンし始めた。Appleはこの四半期のiPhonesを販売台数を5120万台と発表したが、その前の四半期には6120万台が売れていた。長年Appleはテクノロジー業界の風見鶏だった。Appleが成長しているなら業界も成長していると考えられていた。成長していないのなら業界を取り巻く環境に何か問題がある。しかし今回何十億ドルという価値が時価総額から削られたのはApple自身の問題だった。

そしてAmazonはついにウォールストリートが期待していたとおりのモンスターになりつつある。Amazonのクラウドビジネス、AWSは25億7000万ドルを売上げ、ジェフ・ベゾスの「AWSは通年で100億ドルを売り上げる」という目標を達成しそうだ。さらに重要なのはAmazonが4期連続で黒字を計上した点だ。これまでAmazonは利益という点では投資家を無視していると考えられてきた。それが着実に利益を出すようになったことは、Amazonの今後の新事業参入や国際展開に好影響を与えるだろう。

stock moves

【略】

もちろん株価がダウンした企業も依然として巨額の売上を上げ続けている。AppleとGoogleは10億ドル単位で利益を出しているし、Twitterの売上も億ドルの単位だ。しかし株価は成長性に連動している。成長中であり、成長が維持できることを示した企業の株価はアップする。投資家がそうした会社の株を所有することにメリットを見出すからだ。それがさらに株価を押し上げるという循環が生まれる。こうした企業の場合、ウォールストリートの投資家からの圧力を気にせず、自由に戦略を決められる。また人材獲得の面で問題に直面することもない。

決算発表はこの後も続くが、以上に見てきた企業に比べれば小規模な会社となる。だか原則は変わらないだろう。ウォールストリートは成長性を認めた会社の株価はアップさせ、成長性を欠くと認めればダウンさせるに違いない。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

ユーザーは、FacebookとMessengerとInstagramに1日平均50分費している

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Facebookの「アプリファミリー」戦略は大成功を収めている。中にはInstagramをFacebookに組み込み、チャットをメインアプリに残すと予想する人もいたが、Instagramを独立のままにし、Messengerをコンパニオンアプリとして分離させたことで、これをどこでも使えるユーティリティーに留まらない、完全な中毒アプリにとして確立させた。

今日(米国時間4/27)の2016年Q1決算会見でMark Zuckerbergは、「今、世界中の人たちは一日平均50分以上、Facebook、InstagramおよびMessengerを使っている…これにWhatsAppは含まれていない」と語った。これは、世界でこのどれかのアプリを使う人たち全体の話であるとFacebookは私に念を押した。

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去る2014年7月にZuckerbergは、アメリカのユーザーは1日に40分間同サービスを使っていると言ったが、今や範囲を全世界へと広げた上で数字は伸びている。広告収益企業にとって、自社アプリで費やされるその膨大な時間は、計り知れない数の広告ビューを意味する。しかしそのビジネスモデルは、Facebookが人々をできる限り長い時間滞在させようとする動機づけにもなる。

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Image Credit: Asaf Hanuka

Facebookは果たしていつ、自ら作り上げたソーシャルネットワーク絶対勢力の影響力を真剣に考え始めるのか、それが問題だ。

ある程度の数のフィードを読み、写真をシェアし、メッセージを送ることによって人々はつながることができるが、その利用はいくばくかのドーパミン ― 永遠に満足することがなくても新しい情報を消費する興奮 ― を求める終りなき探究になることもある。デジタルで非同期なつながりに頼るのは簡単だ。外へ出かけるためにメンタルなエネルギーを消費しなければならなかったり、電話機を置いて人と顔をつき合わせて話すよりも。

そしてFacebookのOculus部門がバーチャルリアリティー用ヘッドセットを発売すれば、デジタル世界のために物質界を見捨てる問題も起きる。

Facebookは、ミームがいかにネットワークを駆け抜けるか、あるいはFacebookの利用がいかに人々の感情に影響を与えるかを研究するための専任部門を持っている。しかし、われわれの目玉から年間約60億ドルを稼ぐようになった今、「つながること」によって「自己」が失われる害を最小限にするために何ができるかを考える時だろう。

[画像提供:Facebook Addiction

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

TorからFacebookを利用しているユーザーが月間100万を超えた…Facebookはさまざまな奨励策を提供

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【抄訳】
Torでブラウザーを匿名化してFacebookにアクセスしている人が今月初めて100万を突破した、とFacebookが発表した

Tor(The Onion Router)は、暗号化と、ボランティアの全世界的なリレーによる、インターネット接続のランダムなルーティングにより、Webユーザーのプライバシーを守るネットワーク技術だ。それを使うと、個々のWeb接続をその起点のユーザーまでさかのぼって調べることが、困難になる。

Facebookは2014年10月に、Tor専用のonionというURLを作り、Torからの接続がより容易にできるようにした。そうしないと、おかしなルーティングをしているトラフィックを、サイトのセキュリティ機能が異常と判断する可能性があるからだ。

今年はさらにFacebookは、AndroidのOrbotプロキシをサポートして、Android上のFacebookユーザーがTorを容易に利用できるようにした。

今日の同社によると、過去数年間のTorの利用者数は毎年一定の率で増え(2015年6月で52万5000)、そして今月ついに100万を超えた。ただし、今年の1月でFacebookのユーザー数は15億9000万あまりだから、100万は大海の一滴にすぎない。

Facebookは今日の発表声明の中でこう言っている: “この[Torユーザーの]成長は、TorからFacebookを利用するという人びとの選択と、それが彼らに提供する価値の反映である。今後も彼らがフィードバックを提供してくれて、それにより弊社が改良を続けられることを期待する”。

ソーシャルメディアサービスは、人びとが自分のデータを一般公開することによって、お互いを見つけやすく知りやすくすることがビジネスモデルだから、そんなサービスにTorのネットワークを使ってアクセスするのは(そのかんじんのデータがプライベートになるのだから)意味がない、という議論もある。しかしTorはそれに対して、それでも、この機能が人びとにとって有益であるような、特別のユースケースがある、と指摘する。たとえばそれは、位置を不明にすることだ。

ランダムな複数者のリレーネットワークによるルーティングシステムは、ユーザーの物理的な位置を偽装する。Facebookから取ったそのユーザーの位置データも、その偽装位置のデータになる。ただしMessengerのメッセージで、“今シカゴにいるよー”なんて本当のことを書いたらだめだけど。

そしてユーザーの物理的な位置データが隠されるため、ユーザーが誰であるかも知られなくなる。Torのこの特性は、本人性を知られたくない政治活動家などに利用される。また、インターネットアクセスに国による検閲があるところ、たとえばFacebookが禁じられているイランなどでは、Tor経由でならFacebookにアクセスできる。

以上のことをFacebookはかなり抽象的に、“人びとはプライバシーとセキュリティと身の安全に関わるさまざまな理由で”、Torを利用している、と説明している。

〔Onion(玉ねぎ)という名前は、皮をむいてもむいても芯(本人)に到達しないという、多重リレー構造を表している。英語Wikipedia日本語)〕

【後略】

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Facebookがまたもニュースフィードを変更。実際に読むサイトを優先

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Facebookのニュースフィードの表示方法にようやく慣れてきたと思ったら、またまた一新されるようだ。今回ソーシャルメディアの大御所は、ユーザーが読むのに長時間を費すと思われるサイトへのリンクを優先するよう、フィードを改訂する。

この改訂は、Facebookの「フィード品質プログラム」という、全員のニュースフィード体験を改善するための大がかりな取り組みの一環だ。同社は毎日数千人の人たちに、ニュースフィードに表示されるものが好きかどうかを尋ね、調査結果に基づいてアルゴリズムを調整している。

この調査から得られた最大の知見は、人々がFacebook上で取る行動 ― いいね!、クリック、コメント、投稿のシェア ― は、彼らにとって何が重要かを必ずしも表していないことだとFacebookは言う。

例えば、人は重大な事故に関する記事や、友人の悲しいニュースに対して行動を起こすことは多くないが、だからといって必ずしもFacebookユーザーがニュースフィードでそれを見たくない、という兆候ではない。いいね!をつけたり、コメントしたくなるような記事ばかりではない。

この変更は、Facebookがフィードのランク付けに用いる主要な指標、例えばユーザーがコンテンツの作者にどれほど関心を持っているか、記事が他のユーザーからどう見られているか、投稿者の過去の記事がどれほど強力だったか、コンテンツのタイプは何か、投稿されてからどのくらい時間が経過したか等に、新たに加えられる。

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充実した時間を過ごす

今日から適用が開始される最大の変更は、ユーザーがクリックしたコンテンツを読んだり見たりするのに費やす時間の長さは、彼らがどんなコンテンツを好んでいるかを示す強力な指標であるという認識に基づいている。おそらく、私のニュースフィードが子猫の動画とTechCrunchニュースで埋まっているのは、それが理由だろう。

これからは、Instant Articleへのモバイルリンクをクリックしたり、内蔵ブラウザーでページを開いたとき、Facebookはコンテンツが読み込まれた後ユーザーがどれだけの時間そこで過ごしたかを測定する。長い時間を費すサイトや記事は、ニュースフィードでより上位に、より頻繁に表示され、すぐに見限られた記事はランクを下げられる。

これはFacebookがクリックの「釣り」と戦い、人々が見ずにいられない質の高いコンテンツを増やす取り組みの一環だ。

Facebookは、ニュースフィード内のFacebookページの多様化も進めている。彼らは、単独の出版元からの大量の記事がフィードを埋めつくすことにユーザーが腹を立てていることを知った。今後は、ユーザーがいいね!をつけた様々なページに、広く愛を与えようとする。

「この変更によって、どの記事が興味をひくかを、ユーザーがそれを読む時間の長さに基づいて知ることができるため、ユーザーは読みたくなる記事を見る機会が増えるはずだ」とFacebook広報は言った。

新しいニュースフィード方式は既に展開されていて、数週間のうちに完了する予定だ。これは個人のフィードだけでなく、プラットフォーム上に持っているどのページも対象だ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Facebookの国内アクティブユーザーは2500万人、92%がモバイル利用——10代ユーザーの割合は少ない?

Facebook Japan代表取締役の長谷川晋氏

Facebook Japan代表取締役の長谷川晋氏

Facebookの国内月間アクティブユーザー(MAU)は2500万人、その92%はモバイルからアクセスしている。InstagramもMAU1200万人まで成長——Facebook Japanは4月20日に東京・六本木で開催したプライベートイベント「Mobile Moves People」を開催。Facebook Japan代表取締役の長谷川晋氏がこんな数字を発表した。

モバイルの時代は「もう来ている」

イベントの冒頭に登壇した長谷川氏は、2015年7〜9月期に国内スマートフォンユーザー数は5080万人と5000万人の大台を突破したとし、あわせて人々が携帯電話やスマートフォンに接触する時間が10年で7倍に増加(これはテレビや新聞、ラジオなどの各種メディアのうち21%を占める数字だ)していると説明。スマートフォンがブランドと消費者、ビジネスと消費者を繋ぐ役割を担っていると語った。

この流れは若い世代ほど大きい。すでに10代、20代のファーストスクリーン(一番接触している「画面」)がスマートフォンになっており、20代女性の78%がスマートフォンで商品購入経験があるというデータも示した上で、若い世代にとって、スマートフォンがマーケットの窓口にもなっていると話した。

そんなスマホシフトした時代により重要度が増しているのが「動画」だ。長谷川氏は動画について「単独のトレンドで見るのではなく、モバイル上でのコミュニケーションという点で捉えるべきだ」と語る。つまり昔は携帯電話上でテキストによるメッセージが生まれ、携帯電話にカメラがついて写真でのコミュニケーションが生まれた。さらにカメラの品質が向上することで動画を撮影するようになった、と(Facebookがその次のコミュニケーションとして考えているのは「AR/VR」による体験の共有だが、今はまだ動画が台頭してきた段階だ)。

事実、Facebookでは毎日80億回の動画が再生されている。ユーザーの急増するInstagramも動画の割合が増えてきた。具体的な数字は公開されなかったが、過去6カ月での動画再生伸び率は40%だという。自分自身やペットの動画もあれば、イベントレポートや著名人の情報発信など、様々な利用シーンがある。こういった背景から長谷川氏は「あらゆるシーンで動画の重要度が上がっている」と説く。

動画の重要性は広告の世界でも同じだと長谷川氏は続ける。Facebookではすでに動画広告、カルーセル(複数の写真をスライドして表示する)、360度動画、キャンバス(全画面表示で動画、カルーセルを組み合わせた広告)など、各種の広告商品を展開すると会場に向けて語った。「モバイル化する時代が来る来ると言われて何年も経っているが、モバイルのプラットフォームを運営している立場からすれば『もう来ている』。人を動かすマーケティングが求められている」(長谷川氏)

Facebookの広告フォーマット

Facebookの広告フォーマット

 

イベントではこのあと、Facebook Japan マーケティングサイエンスリードの小関悠氏がFacebook広告の成功事例に関するプレゼンを行った。Facebook広告は、ブランド広告に求められる(1)狙った人に届く精度(ある会社(社名は非公開とのことだった)とのテストでは、Facebook広告によるターゲットへのリーチ精度が95%以上だったのに対して、その他のターゲティング広告でのリーチ精度が62%以下だった)、(2)記憶に残るフォーマット(広告接触者、非接触者を比較したところ、一般的な施策では6ポイント程度の広告認知が進むところ、Facebookで9ポイント、Instagramで18ポイント上昇したという)、(3)他メディアとの相乗効果(テレビとFacebook、Instagramは利用シーンが異なるため、相乗効果がある)——の3つの要素を実現している、といった話だ。

FacebookとInstagram、テレビの利用シーンに関する調査

FacebookとInstagram、テレビの利用シーンに関する調査

 

実は10代ユーザーは少ない? スライドに疑問

最後にちょっと気になったスライドがあるのでここで掲載しておく。これはその小関氏のあとに登壇したFacebook Japan クリエイティブストラテジストの田中徹氏によるプレゼンの一部だ。

田中氏は、プレゼンの前に広報ストップがかかって数字(世代ごとの割合)を削除したと語っていたのだが、これは冒頭に書いた2500万人の国内Facebookアクティブユーザーの世代ごとの割合を示した図だ。数字が非公開ということなのでなんとも言えないところではあるが、この図の「世代ごとの割合」自体が正しいとしたら、実は国内Facebookのユーザー層は30代、40代以上が半分以上の割合をしめており、一方で10代(とはいえ16〜19歳の数字なので、そもそも対象となるのが他の世代の半分以下ではある)は全体から見ると決して大きい割合ではない…そんなことも考えられるものではないだろうか。

Facebook Japan クリエイティブストラテジストの田中徹氏によるプレゼンの一部

Facebook Japan クリエイティブストラテジストの田中徹氏によるプレゼンの一部

Facebookから追放のゴシップサイト、Shade Roomは復活― 多くのメディアページが削除されている

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セレブのゴシップを中心にしたニュースのスタートアップ、The Shade RoomがFacebookに復活した。今日(米国時間4/20の)Shade Roomの発表によると、ページのURLは変更されたようだ。

以前のページ(フォロワー400万人)はfacebook.com/theshaderoomだったが、新しいページはfacebook.com/shaderoomincとなっている。

Shade Roomは先に「何の連絡もなく突然Facebookから追放された」ことを訴えていた。この件はニュースメディアのパブリッシャーがマルチプラットフォームではなくFacebook一本槍でいく場合の危険性に注目を集める結果となっていた。

コンテンツの配信や読者とのコミュニケーションをFacebookに頼るメディアは同時に運営方針(その変更を含む)も受け入れねばならない。Facebookのルールに従わなければアカウントの停止や削除といった処分を受ける可能性がある。

CEOのJamie Boldingによればロンドンのスタートアップ、Viral Threadも似たような経験をしている。Boldingの証言ではViral Threadのメインのページが削除されたときフォロワーは100万の大台に乗っていたという。

同社は現在キュレーションされたビデオを掲載するFacebookページを数種類運営している。現在のメインのページはFacebook.com/vtvideoscomだ。フォロワーは132,416人だという。

Boldingによれば、この一月で大量のスタートアップがFacebookのページを失っている。青いチェックマークによる身元確認を申し込んでも承認されなかったスタートアップが追放された割合が特に高いそという。

「Facebookはわれわれに〔ある種の〕条件変更を事前に通知することはない。自動送信のメールが届いて初めて気づくわけだ。しかしページが停止されることを事前に確実に知る方法はない。これほど多くの企業がFacebookのページに存否がかかっているというのにかくまでコミュニケーションが不足しているというのは驚くべきことだ。われわれはスタートアップを立ち上げるのに2年間努力を重ねてきた。われわれのページによってFacebookもユーザーが増えたはずだ。にもかかわらず電灯のスイッチを切るような無造作さで削除された。私は15人の社員を抱えて途方にくれた」とViral ThreadのBoldingは語る。

TechCrunchではThe Shade RoomとFacebookの双方にさらに情報を求めている。

今日に入って、Re/CodeのPeter Kafkaは「The Shade Roomページの停止は複数の著作権侵害によるものだとFacebookの担当者が語った」と書いている。 しかしThe Shade Roomのファウンダー、Angie NwanduはRe/Codeに対して「Facebookからの通知は著作権侵害には触れておらず、単に『サービス提供約款に対する複数の違反』とだけあったと述べた。

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Featured Image: Ingrid Taylar/Flickr UNDER A CC BY 2.0 LICENSE (IMAGE HAS BEEN MODIFIED)

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

有名人ゴシップサイトのThe Shade Room、Facebookページ停止でフォロワー400万人を失う

Facebookは今日(米国時間4/18)、The Shade Roomのページを停止した。理由は不明。Shade Roomは有名人のゴシップ・ニュースサイトで、Facebookに420万人のフォロワーがいる。

本誌はThe Shade RoomとFacebookに、ページが消えた理由を問い合わせた。Facebookからの返信はまだないが、情報が入り次第続報する予定。

The Shade Roomのファウンダー、Angie Nwandu、および他の従業員はコメントを拒んだ。

しかし同スタートアップは今日、ハーバード大学のNieman Journalism Labからの質問に答え、ページの閉鎖はハッカー等ではなくFacebookの責任だが、アカウント停止についてFacebookから「何の理由も知らされていない」ことを認めた。

駆け出しから伝統的新聞社まで、今日の出版元は自社ブランドのサイトとモバイルアプリに加え、Twitter、Facebook、Snapchatその他のプラットフォームを組み合わせることによってブランド認知、読者、および収益を生み出している。

今年Facebookは、Instant Articles機能を使って読者を集め、広告収益を分配するよう出版社に強く呼びかけている。

ソーシャルプラットフォームを通じて配信する会社は、巨大なコミュニティーを構築し、新たな読者とつながることができる。

しかし、記事を「ネイティブ」に投稿するためには、プラットフォームの様々な規約や条件に従わなくてはならず、検索アルゴリズムへの対応や、データ収集、デザイン変更なども必要になる。

本日、The Shade roomはInstagramアカウントをブライベート設定に変更し、新たなフォロワーがコミュニティーに参加するためには、承認が必要になった。

Twitterで、The Shade Roomの投資家、Bryce Robertsが警告している。「次のメディア会社をFacebookページで作ろうとしている出版元は全員注意が必要だ…」

The Shade Roomサイトに今日掲載されたニュースの中には、テキサス州ヒューストンの集中豪雨を憂う記事、家庭内暴力で有罪となったR&Bシンガー、クリス・ブラウンの近日放送予定のドキュメンタリーに関する記事等がある。

BuzzfeedとJezebelを始めとするいくつかのサイトが、The Shade Roomは写真の不正使用疑惑のために様々な問題に直面するだろうと臆測している。

The Shade Roomのライバル、World Star Hip HopおよびPerezHilton.com等のFacebookページは、今もユーザーに公開されている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

F8カンファレンスでFacebookが大々的にプッシュしたボットだが、ありのままに評価することが重要

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メジャープレイヤーがカンファレンスを開催するとメディアはしばらくそれに関する報道で埋まる。われわれはついつい、そのビジョンに釣り込まれてしまう。われわれの注意力が数日以上持続しないのがかえって幸いなぐらいだ。先週はFacebookがF8カンファレンスでビジョンを展開する番だった。FacebookはしゃにむにMessengerとMessengerボットを売り込もうとした

念のためにおさらいしておくと、FacebookのボットというのはMessenger上で作動するインターフェイスで、ある分野の自然言語を理解するようプログラムされている。各種企業やメディアがビジネス利用することが可能だ。会話できる機械といってももいい。一定の知能を備えており、学習することができる。使い込んでいくと個々のユーザーのニーズにより良く適合するようになる(少なくとも理論的にはそうなると期待されている)。

たいへん素晴らしい話のようだ。TechCrunchでも繰り返し取り上げた(私の記事も含まれている)。しかし私がいちばん気に入ったのは、Sarah Perez記者がカンファレンスで発表された3種類のMessengerボットを自身で試した記事だ。Sarahはボットの能力の低さにすっかりあきれていた。

Sarahが正しく指摘したとおり、ボット・テクノロジーはまだごく初期の段階にあり、あまり性急な期待をするべきではないのだろう。しかし先週のFacebookのように大々的なスケールでボットを売り込んだ場合、ユーザーはすぐさま役立つ機能を求めるのが普通だ。その期待に応えられないと新しいテクノロジーを好む貴重なアーリー・アダプターを失うリスクを冒すことになる。

私の抱いた大きな疑問はこうだ。Messengerボットは今後われわれの生活で中心的な地位を占めるようになるのだろうか? なるほど毎朝天気についてメッセージを送ってくれるボットは便利だろうが、それならiPhoneにインストールしてある天気予報アプリも同じ役割を果たしてくれる。しかも天気アプリの画像表示のほうがボットが送ってくるだらだらしたテキストよりはるかに分かりやすく、見た目もずっといい。

すべての情報をMessengerボットで得ようとすれば、友達や家族からの本当に重要なメッセージと紛れてしまうという事態が起きないだろうか? さらにはFacebookが「スポンサー・メッセージ」と呼ぶ広告メッセージの殺到を覚悟しなければならない。必要な会話スレッドを発見するためにメッセージの大群をかき分ける必要が生じるだろう。

Facebook Messengerは数あるチャット・クライアントの一つにすぎず、似たようなサービスは他にも多数ある。それらのライバルもやがてすべてがチャット・ボットを使うようになるのだろう。しかしMessengerのユーザー数は飛び抜けて多い。これまでもFacebookのユーザー数の多さが悪事を企む連中をたびたび惹きつけてきた。

いずれにせよ、現在のボットはコミュニケーションの手段としてまだ原始的な段階にある。長年の努力の結果アプリはきわめて機能が高くなり、使い勝手もスマートで見た目にも美しくなった。これに比べるとボットはインターネットから得られる情報が主としてテキスト・ベースだった時代へのひどい後退に見える。

チャットを多用するユーザーにとってはチャットの会話で用が足りるようになるのは便利だろう。一部のユーザーの間ではチャットの利用頻度が大きく上昇している。しかし、ある種の予測とは異なり、近い将来ボットがアプリを置き換えるようなことにはならないと思われる。

もちろんボットはアプリを消滅させないしウェブがなくなるなどという可能性もない。ボットはそもそもウェブやアプリとは別物だ。広告のチャンネルとしてもまったく異なる。Facebookがいかに大掛かりなキャンペーンを張ろうと、われわれはボットをあるがままに評価しなければならないだろう。

〔日本版〕記事中にリンクがある記事でPerez記者は「Facebookのチャット・ボットにはまだまだ改良が必要」と書いている。

Perez記者によれば、Springというアパレルショッピングのボットではシャツを探したにもかかわらず、3種類のシャツと1種類のTシャツ、セーターがそれぞれ推薦されたという。Ponchoという天気予報ボットはさらに悪く、「雨が降りそう?」と尋ねると「湿っていて温かい(Wet
and warm.)」と答えた。「『湿っている』というのは雨が降るという意味?」と尋ね返すとボットは「にゃーお」とネコの真似をするなど支離滅裂になった。CNNのニュースボットは全般的にややましだったが、アメリカ(U.S.)についての記事を要求したのに推薦されたのは「われわれ(us)」という単語を見出しに含む記事だった。筆頭には大昔に死んだ大物ギャングのマイヤー・ランスキーに関する記事が表示された。

Perez記者は「企業は顧客をひどく失望させるとそのユーザーを失う危険性がある」と書いている。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Facebook、ビデオに映っている友達を自動的にタグ付け可能へ

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Facebookは、画像認識への人工知能システムの利用を大きく進めているが、これをビデオにも持ち込もうとしている。今日(米国時間4/13)サンフランシスコのF8カンファレンスで、ビデオに映っている人たちを自動的にタグ付けするしくみを開発中であることを発表した。

Facebookの機械学習担当ディレクター、Joaquin Quiñonero Candelaは今日の基調講演で、ユーザーが自分にシェアされたどのビデオからでも人物を探せるようにする考えであると話した。例えば、友達とライブビデオに出ている時に、別の友達がビデオに立ち寄って短い会話を交わしたとする。通常その瞬間を探しだすのは困難なので、非常に刹那的な体験となるだろう。

近々Facebookは、この瞬間を自動的にインデクス化して、友達の名前を検索するだけで見つけられるようにする。そうなれば友達が立ち寄った瞬間の場面に飛ぶことができる。

Facebookはビデオの自動キャプションにも取り込んでおり、静止画像で物体を検出するのに使用している画像認識技術をビデオで利用することも考えられる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Facebookが「保存ボタン」を外部に開放、日本では楽天とメルカリがファーストパートナーに

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Facebookが4月12〜13日(米国時間)にかけて開発者向けカンファレンス「F8」を開催中だ。かねてからうわさになっていたチャットボットやVR撮影カメラの「Surround 360」をはじめとして、さまざまな内容が発表されている。すでに初日の発表内容はまとめ記事も用意されているが、日本で独自にパートナーと組んだ動きもあったのでこちらを紹介しておこう。

Facebookは今回のF8に合わせて、「保存ボタン(Saveボタン)」の外部提供を開始した。日本では楽天およびメルカリがローンチパートナーとして本日4月13日よりボタンの導入を開始した(まずはPCおよびモバイル向けのウェブサイトのみ。アプリは今後対応を検討する)。今後は利用動向を見て逐次パートナーを拡大していく。

保存ボタン自体は2014年7月にFacebookに搭載された機能だ。Facebookで友人やフォローしたユーザーの投稿を保存すると、ブックマークのようにあとから読んだり、あとからシェアしたりできる機能だ。世界で2億5000万人がすでにこの機能を利用しているという。

これまではFacebook内の記事に限定して提供していた機能だが、この機能を「いいね!ボタン」や「シェアボタン」、「コメントプラグイン」同様にパートナーサイトに対して開放する。これによって、例えば楽天やメルカリで気になった商品があれば保存し、それをFacebook上で管理することができる。

ここまでであればPocketやはてなブックマークのようないわゆるソーシャルブックマーク、“あとで読む”的なツールでしかない。だがこの機能では、保存されたページの情報がアップデートされた際、Facebookを通じてユーザーに通知を送ることができるのだという。

当初のパートナーとしてEC関連のサービスを選んだのは、「『価格の変動情報が欲しい』というニーズはある。一方でFacebookには滞在時間の長いユーザーも多い。そこ(Facebook上)がユーザーとの接点を持てるツールになると思っている」(Facebook執行役員 パートナーシップ事業 日本代表の横山直人氏)。メルカリでも「アプリのダウンロード数も2700万以上、当初は20代女性が中心だったが男性など(Facebookも多用するユーザー層)も増えてきた。Facebookからの流入の期待も高まり、その一方でFacebookはその価値を上げられる。ユーザーが欲しがっている情報であれば、やらない理由はない」(メルカリ取締役の小泉文明氏)と説明する。

今回の発表はFacebookがこれまでも進めてきたプラットフォームのオープン化施策の1つだ。今回のF8はチャットボットが話題をかっさらっていた印象はあるが、この保存ボタンの開放を含めた開発者向け機能のアップデートも注目すべき情報だろう。

Facebook MessengerとWhatsAppのメッセージ数の合計は全SMSの3倍以上

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今朝(米国時間4/12)の FacebookのF8デベロッパー・カンファレンスでは重要な発表がいくもあったが、メッセージ・アプリの人気と成長を示す興味ある統計も公開された。

CEOのマーク・ザッカーバーグによればMessengerとWhatsAppの双方を合算すると、伝統的なSMSの合計の3倍以上のメッセージが毎日やり取りされているという。具体的にいえばMessengerとWhatsAppでは一日あたり600億のメッセージが送信されているのに対して、SMSでは200億だった。

ザッカーバーグはまたMessengerのユーザーは昨年のF8開催時点で7億人だったのが9億人に成長したと述べた。一方WhatsAppはこの2月にユーザー数を10億人の大台に乗せている。

こうした統計は Messengerプラットフォームでチャットボットをサポートするというような重大なニュースと共に発表された。チャットボットはMessenger上で作動するユーティリティーで、カスタマー・サポートやeコマースなどの企業活動を助ける。ローンチ時点ですでに全国的なギフト花屋の1-800-FlowersやCNNのような有力企業と提携している。同時に天気予報アプリのPonchoやショッピングのSpring.ともパートナーとなっている。

当面チャットボットのサポートはMessengerに限定される。WhatsAppはシンプルにチャットだけを追求するようだ。チャットボットについては上記リンクの他に1月の記事参考になる。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Facebook LiveがAPIを公開、早速パートナーしたライブビデオカメラMevoのLivestreamに話を聞く

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Facebook Liveは、ライブビデオを一気に大々々大衆化した。そしてこれからは、サードパーティのデベロッパーもその波に乗れる。

FacebookのデベロッパーカンファレンスF8で今日(米国時間4/12)、Facebook Liveを利用したいデベロッパーのためにそのAPIを公開する、と発表された。発表の中で、すでに決まっている最初のパートナーの名前…Livestream(Mevoカメラのメーカー), BuzzFeed, Vidpresso, ドローンメーカーのDJI…も明かされた。

FacebookのChris Cox(上図)によると、その目標は“何百人もの人たちが同じ瞬間を同じタイミングで経験できること”、だ。Coxは、このAPIによってハードウェアメーカーもソフトウェアメーカーも共にFacebook Liveを自己のプロダクトに統合できる、とも言った。

Livestreamから、Facebookとの関係について聞いた。同社のMevoカメラは最初、Moviという名前だったが、まるで複数のカメラで撮ったかのようなイリュージョンを作り出す。iPhoneの上でビデオを現場でエディットできるし、特定の部分だけを取り出す自動編集もできる。

Movi iPhone

Mevoは、ライブのブロードキャストしかできないデバイスではないが、ライブで使うとなったらFacebook Liveが恰好の場所だろう…Livestream自身のWebサイトもあることはあるけど。CEOのJesse Hertzbergによると、Livestreamのねらいは、企業がビデオを簡単に共有できるようになること、しかもLivestreamのサイトに限定されずに。

しかも彼によると、ユーザーからの要望でいちばん多いのが、“あのね、FacebookとかTwitchとか、自分の好きなところへストリーミングしたいんだけど”、だった。Livestreamも、この要望は無視できない。

“カメラはできるだけたくさん売りたいから、Facebook Liveを使えることは、拡販の良い機会だよ”、とHertzbergは語る。

さらにHertzbergによると、アーチストや企業などにとって、Facebookはライブイベントをファンや顧客に通知するための絶好の場所だ。LivestreamはすでにパブリッシャーのTastemadeとパートナーして、初のMevoによるブロードキャストをFacebook Live上に作った。そのビデオはこのページの下にあったけど、ライブだから今はない。上のビデオは、このブロードキャスト機能の使い方の宣伝だ。

Mevoカメラは今は予約販売のみで、値段は299ドルだ。発売は、7月を予定している。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))